本発明の実施形態としての製造ライン1について、図1〜図13を参照しながら説明する。
<製造ラインの概要>
はじめに、図1を参照して、製造ライン1の概要について説明する。図1は、本実施形態の製造ライン1の概要を示す上面図である。
図1に示す製造ライン1は、パチスロのリールや回路基板等を収容するキャビネットに対して開閉可能に取り付けられるフロントドアを製造する際に用いられる。
製造ライン1は、搬送台回収ユニット10,回動ユニット20,第1直線状ユニット30,第1コ字状ユニット40,第2直線状ユニット50,第2コ字状ユニット60,第3直線状ユニット70,第3コ字状ユニット80を有している。以下の説明において、第1直線状ユニット30,第2直線状ユニット50,第3直線状ユニット70を総称して直線状ユニット30,50,70と称することがある。また、第1コ字状ユニット40,第2コ字状ユニット60,第3コ字状ユニット80を総称してコ字状ユニット40,60,80と称することがある。
各ユニット10,20,30,40,50,60,70,80は、樹脂で覆われた鉄パイプ、いわゆるイレクターパイプ2(図3参照)と、イレクターパイプ2を組み合わせる際に用いられるジョイント3(図3参照)で主に構成されている。
第1直線状ユニット30の一端部は、図示しないユニット間ジョイントによって、第1コ字状ユニット40の一端部と着脱可能に連結している。同様に、第1コ字状ユニット40の他端部と第2直線状ユニット50の一端部とが着脱可能に連結し、第2直線状ユニット50の他端部と第2コ字状ユニット60の一端部とが着脱可能に連結している。また、第2コ字状ユニット60の他端部と第3直線状ユニット70の一端部とが着脱可能に連結し、第3直線状ユニット70の他端部と第3コ字状ユニット80の一端部とが着脱可能に連結している。そして、第3コ字状ユニット80の他端部と搬送台回収ユニット10の一端部とが着脱可能に連結している。
製造ライン1は、フロントドアの構成部材4が載置される搬送台90を複数有している。各ユニット10,20,30,40,50,60,70,80は、搬送台90をスライドさせるローラを有しており、搬送台90をスライド移動可能に支持する。
図1では、製造ライン1において各種作業を行う作業者の作業位置をW1〜W12で示している。各作業位置では、それぞれ一人の作業者によって一つの作業が行われる。すなわち、図1に示す製造ライン1では、12人の作業者によって、12の作業(工程)を経て、フロントドアが製造される。
例えば、作業位置W1では、搬送台90にフロントドアの構成部材4(図2参照)を載置する作業が行われる。また、各作業位置W2〜W11では、搬送台90に載置された構成部材4に各種部品(図示省略)を取り付ける作業が行われる。また、上述の作業位置W12では、各種部品が取り付けられたフロントドアの構成部材4を搬送台90から持ち上げて保管棚(図示省略)に移す作業が行われる。
搬送台90は、作業者が搬送台90を所定の経路に沿ってスライドさせることで、製造ライン1上の作業位置W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7,W8,W9,W10,W11,W12の付近を、この順番で、スライドして移動する。また、作業者は、作業位置W12で行われる作業の後、搬送台90を、搬送台回収ユニット10の一端部に移動させる。搬送台回収ユニット10の一端部に移動した搬送台90は、後述するように搬送台回収ユニット10の一端部から他端部までを、自重でスライドして移動する。
また、搬送台回収ユニット10の他端部まで移動した搬送台90は、後述するように自重によって回動ユニット20に移動する。ここで、回動ユニット20は、支軸21を中心に、搬送台回収ユニット10から搬送台を受け取る位置である受取位置と、第1直線状ユニット30の他端部(第1コ字状ユニット40と連結している端部とは反対側の端部)と接近し、搬送台90を第1直線状ユニット30に渡す位置である渡位置との間で回動可能となっている。このため、作業者は、搬送台90を支持する回動ユニット20を受取位置から渡位置へ回動させ、搬送台90を湾曲する経路に沿って搬送し、第1直線状ユニット30に移動させることができる。すなわち、搬送台90を作業位置W1の付近に移動させることができる。なお、図1では、受取位置にある回動ユニット20を実線で示し、渡位置にある回動ユニット20を2点鎖線で示している。
このように、搬送台90は、製造ライン1上を所定の経路で移動する。なお、搬送台90を回動ユニット20から第1直線状ユニット30に移動させた後、作業者は、回動ユニット20を渡位置から受取位置に回動させて、後続の搬送台90を回動ユニット20に移動させることができる。
また、製造ライン1は、第1コ字状ユニット40又は第2コ字状ユニット60と切り替えて用いられる切替ユニット400(図12参照)を有している。切替ユニット400の詳細については、後で図12及び図13を参照して説明する。
<搬送台>
次に、図2を参照して、本実施形態における搬送台90について説明する。
図2は、本実施形態における搬送台90の斜視図である。なお、図2では、搬送台90が各ユニット10,20,30,40,50,60,70,80に移動可能に支持されている状態の搬送台90を示している。
図2に示すように、搬送台90は、略長方形の平板状の部材である搬送台本体91と、搬送台本体91に設けられる上突条部92及び下突条部93と、を有している。
上突条部92は、搬送台本体91の一面(図2における表面)から突出するように、且つ、搬送台本体91の長手方向の一端部側(図2における上方)に設けられている。また、下突条部93は、搬送台本体91の一面側から突出するように、且つ、搬送台本体91の長手方向の他端部側(図2における下方)に設けられている
上述の各ユニット10,20,30,40,50,60,70,80に支持された状態の搬送台90において、下方に位置する下突条部93と上方に位置する上突条部92とは、上下方向に対向する。
搬送台90にフロントドアの構成部材4が載置されると、下突条部93は、構成部材4の下部を支持する。また、上突条部92は、構成部材4が作業に適した角度となるように、構成部材4の背面の上部を支持する。
搬送台本体91の長手方向の他端部側で、且つ、下突条部93が設けられている箇所の上方には、搬送台本体91の側部を切り欠いて形成された一対の切欠き部94,94が形成されている。
搬送台90は、搬送台本体91の他面(図2における背面)及び下端部が、各ユニット10,20,30,40,50,60,70,80の後述する各種ローラに接触することで、各ユニット10,20,30,40,50,60,70,80にスライド移動可能に支持される。
<直線状ユニット>
次に、図3を参照して、直線状ユニット30,50,70(図1参照)について説明する。図3は、本実施形態における直線状ユニットの斜視図である。
直線状ユニット30,40,50は略同一に構成されているため、以下の説明では、第1直線状ユニット30について説明し、第2直線状ユニット50及び第3直線状ユニット70についての説明は省略する。
図3に示すように、第1直線状ユニット30は、複数のイレクターパイプ2と、イレクターパイプ2を繋げるジョイント3と、で略直方体の枠状に形成されている。
また、第1直線状ユニット30は、略長方形枠状の搬送台受部301と、この搬送台受部301を支持する3つの短脚部302と、3つの長脚部303と、を有している。
搬送台受部301は、搬送台受部301の長手方向に沿って延びる一対の台受長辺部304,304と、長さが台受長辺部304よりも短く、搬送台受部301の短手方向に沿って延びる一対の台受短辺部305,305とを有している。また、搬送台受部301は、搬送台受部301の長手方向の略中央部で、台受短辺部305と平行に延在し、延在方向の両端部が台受長辺部304,304に連結された中央支持部306を有している。
短脚部302は、長脚部303に比べて、短く、また、製造ライン1の外側に位置している。また、3つの短脚部302は、台受長辺部304の延在方向に所定の距離を空けて配置されており、それぞれ一方の台受長辺部304の両端部及び略中央部を支持している。また、3つの長脚部303も同様に、台受長辺部304の延在方向に所定の距離を空けて配置されており、それぞれ他方の台受長辺部304の両端部及び略中央部を支持している。
3つの短脚部302と3つの長脚部303とは、同一平面状で台受長辺部304の延在方向と直交する方向に対向している。以上のような短脚部302と長脚部303とで搬送台受部301を支持しているため、図3に示すように、搬送台受部301は、一方の台受長辺部304(図3において下方に位置する台受長辺部304)が他方の台受長辺部304(図3における上方に位置する台受長辺部304)よりも低い位置に配置されるように傾斜している。なお、製造ライン1において、第1直線状ユニット30は、下方に位置する一方の台受長辺部304が上方に位置する他方の台受長辺部304よりも作業者に近づくように配置される。
隣り合う短脚部302,302の間、及び、対向する短脚部302と長脚部303との間には、補強のためのイレクターパイプ2である補強部307が設けられている。また、同様に隣り合う長脚部303,303の間にも補強部307が設けられている。
また、搬送台受部301は、第1ローラ部308と、第1ローラ部308を支持するローラ支持部309と、を有している。第1ローラ部308は、横長の部材であり、長手方向が搬送台受部301の台受長辺部304の延在方向と平行になるように配置されている。また、第1ローラ部308の長手方向の長さは、搬送台受部301の台受長辺部304と略等しい長さに設定されている。第1ローラ部308には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。搬送台受部301に搬送台90(図2参照)が載置されると、第1ローラ部308のローラの周面が搬送台本体91の下端部と接触する。
ローラ支持部309は、搬送台受部301における下方に位置する台受長辺部304に設けられており、第1ローラ部308の長手方向と、台受長辺部304の延在方向とが平行になるように、第1ローラ部308を支持する。ローラ支持部309は、台受長辺部304の延在方向の両端部から斜め上方に突出する一対の突出部310,310と、落下防止部311と、を有している。
一対の突出部310,310には、第1ローラ部308の長手方向の両端部が載置される。
落下防止部311は、突出部310の上方で台受長辺部304と平行に延在し、延在方向の両端部が下方に折曲して突出部310の突出方向の一端部と連結する略コ字状の部材である。落下防止部311は、搬送台受部301に、搬送台90(図2参照)が載置されたとき、搬送台90が搬送台受部301から滑り落ちることを、搬送台90の下部に接触して防止する。
また、搬送台受部301は、第2ローラ部312と、第3ローラ部313を有している。第2ローラ部312は、一対の右第2ローラ部314,左第2ローラ部315で構成されている。右第2ローラ部314は、横長の部材であり、長手方向が台受長辺部304の延在方向と平行になるように配置されている。右第2ローラ部314の長手方向の両端部は、搬送台受部301の一方(図3の右側)の台受短辺部305と中央支持部306とで支持されている。右第2ローラ部314には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
また、左第2ローラ部315は、横長の部材であり、長手方向が台受長辺部304の延在方向と平行になるように配置されている。左第2ローラ部315の長手方向の両端部は、搬送台受部301の他方(図3の左側)の台受短辺部305と中央支持部306とで支持されており、左第2ローラ部315は、右第2ローラ部314よりもやや上方に配置されている。左第2ローラ部315には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
搬送台受部301に搬送台90(図2参照)が載置されると、第2ローラ部312のローラの周面が搬送台本体91の他面(図2における背面)の下部と接触する。
第3ローラ部313は、第2ローラ部312よりも上方に配置され、一対の右第3ローラ部316,左第3ローラ部317で構成されている。右第3ローラ部316は、横長の部材であり、長手方向が台受長辺部304の延在方向と平行になるように配置されている。右第3ローラ部316の長手方向の両端部は、搬送台受部301の一方の台受短辺部305と中央支持部306とで支持されている。右第3ローラ部316には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
左第3ローラ部317は、横長の部材であり、長手方向が台受長辺部304の延在方向と平行になるように配置されている。左第3ローラ部317の長手方向の両端部は、搬送台受部301の他方の台受短辺部305と中央支持部306とで支持されており、左第3ローラ部317は、右第3ローラ部316よりもやや上方に配置されている。左第3ローラ部317には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
搬送台受部301に搬送台90(図2参照)が載置されると、第3ローラ部313のローラの周面が搬送台本体91の他面(図2における背面)の上部と接触する。
以上のように、第1ローラ部308のローラが搬送台本体91の下端部と接触し、また、第2ローラ部312のローラが搬送台本体91の他面(図2における背面)の下部と接触し、そして、第3ローラ部313のローラが搬送台本体91の他面の上部と接触する。このため、作業者は、容易に、搬送台90をスライドし、回動ユニット20から移動させて搬送台受部301に載置することができ、また、搬送台受部301から第1コ字状ユニット40へ移動させることができる。すなわち、ユニット間での搬送台90の受け渡しを容易に行うことができる。
<コ字状ユニット>
次に、コ字状ユニット40,60,80について説明する。図1に示すように、コ字状ユニット40,60,80は、第3コ字状ユニット80の他端部側(搬送台回収ユニット10と連結する側)が他のコ字状ユニット40,60に比べて長い点を除いて、略同一に構成されている。このため、以下の説明では、第1コ字状ユニット40について説明し、第2コ字状ユニット60及び第3コ字状ユニット80についての説明は省略する。
図1に示すように、第1コ字状ユニット40は、略コ字状に形成されている。第1コ字状ユニット40は、図3を参照して説明した第1直線状ユニット30を3つ組み合わせることで構成されている。すなわち、所定の距離を空けて平行に配置した2つの第1直線状ユニット30の一端部側に、もう一つの第1直線状ユニット30を配置し、それぞれを連結することで構成される。このとき、各第1直線状ユニット30のローラ支持部309が設けられている側が製造ライン1の外側に向くように、すなわち作業者側に配置されるように、3つの第1直線状ユニット30が連結される。
第1コ字状ユニット40の両角部(第1直線状ユニット30同士を連結する部分)、また、一端部(第1直線状ユニット30と連結する端部)及び他端部(第2直線状ユニット50と連結する端部)には、搬送台90(図2参照)の搬送方向を90度変更する搬送方向変更部(図示省略)が設けられている。搬送方向変更部としては、例えば、搬送台90を、搬送台90の短手方向の中心を通る回転軸で90度回転させるユニットや、搬送方向が90度変更するように湾曲した搬送経路を有するユニットを用いてもよい。
<搬送台回収ユニット>
次に、図4〜図7を参照して、搬送台回収ユニット10について説明する。
図4は、本実施形態の搬送台回収ユニットと回動ユニットを示す斜視図である。図5は、本実施形態の搬送台保持部のシリンダ部を示す斜視図である。図6は、搬送台保持部が搬送台を保持している状態を示す図である。図7は、搬送台保持部の動作を説明する図であり、Aは保持台保持部が突出位置にある状態を示し、Bは保持台保持部が退避位置にある状態を示している。
図4に示すように、搬送台回収ユニット10は、下流側搬送台回収ユニット10Aと上流側搬送台回収ユニット10Bとを直線状に組み合わせることで構成されている。なお、図4では、上流側搬送台回収ユニット10Bの一部(図1に示す第3コ字状ユニット80の他端部に連結する端部側)の図示を省略している。なお、下流側搬送台回収ユニット10Aと上流側搬送台回収ユニット10Bとは、図示しないユニット間ジョイントによって連結されている。
下流側搬送台回収ユニット10A及び上流側搬送台回収ユニット10Bは、複数のイレクターパイプ2と、イレクターパイプ2を繋げるジョイント3と、で略直方体の枠状に形成されている。
また、下流側搬送台回収ユニット10A及び上流側搬送台回収ユニット10Bは、搬送台受部101と、この搬送台受部101を支持する3つの短脚部102と、3つの長脚部103と、複数の補強部107を有している。また、下流側搬送台回収ユニット10A及び上流側搬送台回収ユニット10Bの搬送台受部101は、第1ローラ部108と、ローラ支持部109と、を有している。また、搬送台受部101は、第2ローラ部112と、第3ローラ部113を有している。これらの構成の内で短脚部102及び長脚部103以外については、図3を参照して説明した第1直線状ユニット30の各構成(搬送台受部301、補強部307、第1ローラ部308、ローラ支持部309、第2ローラ部312、第3ローラ部313)と共通するため、共通する構成について対応する符号を付し、詳細な説明を省略する。
下流側搬送台回収ユニット10A及び上流側搬送台回収ユニット10Bの短脚部102は、長脚部103に比べて、短く、また、製造ライン1の外側に位置している。また、3つの短脚部102は、台受長辺部104の延在方向に所定の距離を空けて配置されており、それぞれ一方の台受長辺部104の両端部及び略中央部を支持している。また、3つの長脚部103も同様に、台受長辺部104の延在方向に所定の距離を空けて配置されており、それぞれ他方の台受長辺部104の両端部及び略中央部を支持している。3つの短脚部102と3つの長脚部103とは、同一平面状で台受長辺部104の延在方向と直交する方向に対向している。以上のような短脚部102と長脚部103とで搬送台受部101を支持しているため、図4に示すように、搬送台受部101は、一方の台受長辺部104(図4において下方に位置する台受長辺部104)が他方の台受長辺部104(図4における上方に位置する台受長辺部304)よりも低い位置に配置されるように傾斜している。なお、製造ライン1において、搬送台回収ユニット10は、下方に位置する一方の台受長辺部104が上方に位置する他方の台受長辺部104よりも作業者に近づくように配置される。
また、短脚部102及び長脚部103の長さは、搬送台回収ユニット10の一端部側(第3コ字状ユニット80の他端部に連結する端部側、図4では左側)に配置されている短脚部102及び長脚部103の方が、搬送台回収ユニット10の他端部側(図4における右側)に配置されている短脚部102及び長脚部103よりも長くなるように設定されている。また、上流側搬送台回収ユニット10Bの最も他端部側(図4における右側)に配置されている短脚部102及び長脚部103の長さは、下流側搬送台回収ユニット10Aの最も一端部側(図4における左側)に配置されている短脚部102及び長脚部103の長さよりも長く設定されている。
以上のような、下流側搬送台回収ユニット10Aと上流側搬送台回収ユニット10Bとを連結させると、下流側搬送台回収ユニット10Aの第1ローラ部108と及び上流側搬送台回収ユニット10Bの第1ローラ部108とは、搬送台回収ユニット10の一端部側から他端部側に向かって斜めに下に傾斜して延びる直線状に並列する。このため、搬送台回収ユニット10に載置された搬送台90は、自重によって、搬送台回収ユニットの一端部側から他端部側へスライド移動する。なお、図4における矢印Dは、自重による搬送台90の移動方向を示している。
また、図4に示すように、下流側搬送台回収ユニット10Aの下部には、搬送台保持部120が設けられている。搬送台保持部120は、一対のシリンダ部121,121と、ポンプ(図示省略)と、フットスイッチ118(図4参照)と、を備えている。ポンプは、一対のシリンダ部121,121に空気を供給する。フットスイッチ118は、一対のシリンダ部121,121を伸縮させる際に、作業者によって操作される。一対のシリンダ部121,121は、ブラケット119を介して、対向する短脚部102と長脚部103との間に設けられた補強部107に固定されている。
次に、図5を参照して、一対のシリンダ部121,121について、説明する。なお、一対のシリンダ部121,121は、略左右対称に構成されているため、以下では、搬送台回収ユニット10の他端部側(図4の右側)に設けられた一方のシリンダ部121について説明し、他方のシリンダ部121の説明は省略する。
図5に示すように、シリンダ部121は、内部にシリンダチューブ(図示省略)を有するシリンダ部本体122と、シリンダ部本体に挿入されているピストン部123と、ローラ取付部124と、ローラ部125と、を備えている。
ローラ部125は、略直方体状のローラ基部126と、ローラ基部126の一端部に設けられ、上下方向に延びるローラ軸127と、ローラ軸127の上部及び下部に回動可能に取り付けられた一対のローラ128,128と、を有している。ローラ基部126の他端部には、挿入孔(図示省略)が設けられている。
ローラ取付部124は、上下方向に対向する上面部129と下面部130と、上面部129と下面部130とを連結する連結部131とを有し、略コ字状に形成されている。連結部131は、ピストン部123の先端部に固定されている。また、ローラ取付部124の一端部には、上面部129と下面部130に支持され、略上下方向に延びる支軸132が設けられている。
ローラ基部126の他端部は、ローラ取付部124の上面部129と下面部130の間に配置され、ローラ基部126の挿入孔には、ローラ取付部124の支軸132が挿通する。これによって、ローラ部125は、ローラ取付部124に支軸132を中心に回動可能に取り付けられる。なお、本実施形態では、支軸132における下面部130から下方に突出している部分に形成されているねじ溝(図示省略)とナット(図示省略)からなる固定機構が設けられている。固定機構のナットを締めることによって、ローラ取付部124に対してローラ部125が相対的に移動しないように(回動しないように)固定される。したがって、本実施形態では、ローラ部125は、ローラ取付部124に対して所定の回動位置で相対移動不能に固定されている。
ポンプから、シリンダ部本体122のシリンダチューブ内に空気が供給され、シリンダチューブ内の空気圧が上がると、ピストン部123が伸長する。
フットスイッチ118(図4参照)が作業者によって操作され(踏まれて)、フットスイッチ118がオフ状態からオン状態となると、シリンダチューブに設けられた脱気弁(図示省略)が開放され、シリンダチューブ内の空気が脱気される。シリンダチューブ内の空気が脱気され、シリンダチューブ内の空気圧が下がると、ピストン部123が収縮する。また、フットスイッチ118が作業者によって踏まれていないときは、フットスイッチ118はオフ状態に設定され、脱気弁は閉止され、ポンプがシリンダチューブ内の空気圧が所定の空気圧に達するまでシリンダチューブ内に空気を供給する。
このように構成された搬送台保持部120は、図6及び図7Aに示すように、搬送台回収ユニット10に載置され、自重によって、本実施形態における所定の保持位置である搬送台回収ユニット10の他端部に移動した搬送台90の保持位置からの移動を規制する。なお、図6では、保持位置で保持されている搬送台90のみ図示し、後続の搬送台90の図示を省略している。また、図6及び図7において矢印Dは、搬送台90の搬送方向を示している。
<搬送台保持部の動作>
次に、搬送台保持部120の動作について、図7を参照して、詳細に説明する。図7Aに示すように、フットスイッチ118がオフ状態であり、ポンプから空気が供給されてシリンダ部本体122のシリンダチューブ内の空気圧が上がると、ピストン部123が伸長する。このとき、搬送台保持部120の一対のローラ部125,125の先端部が、搬送台90の搬送方向に略直交する方向に沿って前方へ突出し、保持位置にある搬送台90の切欠き部94,94の形成箇所で、搬送台90の搬送方向における両端を挟む状態になる。これによって、搬送台90は、保持位置からの移動が規制される。本実施形態において、搬送台90を挟んでいるときのローラ部125,125の先端部の位置を突出位置と称することがある。
図7Bに示すように、フットスイッチ118が操作され(踏まれて)、オフ状態からオン状態となり、シリンダ部本体122のシリンダチューブ内の空気が脱気され、シリンダチューブ内の空気圧が下がると、ピストン部123が収縮する。これによって、搬送台保持部120の一対のローラ部125,125の先端部が、突出位置から、搬送台90の移動を規制しない退避位置へ移動する。
また、図7Bに示すように、一対のローラ部125,125が退避位置へ移動すると、搬送台90は、自重によって、回動ユニット20へ移動する。また、後続の搬送台90が自重によって搬送台回収ユニット10の他端部の保持位置へ移動する。退避位置にある回動ユニット20側の一方のローラ部125におけるローラ128は、回動ユニット20へ移動する搬送台90の背面に接触して回動する。このため、搬送台90は、自重によって回動ユニット20へ容易に移動することができる。また、他方のローラ部125のローラ128は、後続の搬送台90の背面に接触して回動する。このため、後続の搬送台90は、自重によって保持位置へ容易に移動することができる。
なお、搬送台90が回動ユニット20へ移動し、且つ、後続の搬送台90が保持位置へ移動している最中に、フットスイッチ118がオン状態からオフ状態に設定されるときのピストン部123の伸長は、一対のローラ部125,125が、回動ユニット20へ移動する搬送台90及び保持位置に移動する後続の搬送台90に接触しているため、規制される。その後、搬送台90の全体が回動ユニット20へ到達し、且つ、後続の搬送台90が保持位置へ到達すると、一対のローラ部125,125は、各搬送台90の背面と接触しなくなる。これによって、ピストン部123が伸長し、一対のローラ部125,125の先端部が、保持位置に到達した後続の搬送台90の切欠き部94,94の形成箇所で、後続の搬送台90の搬送方向における両端を挟む状態になり、後続の搬送台90の保持位置からの移動が規制される。
<回動ユニット>
次に、図8及び図9を参照して、回動ユニット20について説明する。図8は、本実施形態の回動ユニットの斜視図であり、昇降搬送台受部201が下降した状態を示す図である。図9は、本実施形態の回動ユニットの斜視図であり、昇降搬送台受部201が上昇した状態を示す図である。
図8に示すように、回動ユニット20は、支軸21を中心に回動可能であり、略長方形枠状の昇降搬送台受部201と、この昇降搬送台受部201を昇降可能に支持する昇降支持部202と、を有している。
ここで、支軸21は、略垂直方向に延在する軸状の部材であり、上下方向の略中央部には昇降スイッチ203が設けられている。昇降スイッチ203は、押圧式のスイッチであり、回動ユニット20が渡位置(図1で2点鎖線で示した回動ユニット20の位置)にあるときに、回動ユニット20に押圧されてオン状態に設定され、回動ユニット20が渡位置になく、回動ユニット20に押圧されていないときは、オフ状態に設定される。
昇降支持部202は、底枠部204と、立設枠部205と、傾斜枠部206と、を有している。底枠部204は、略長方形の枠状に形成され、一対の底枠長辺部207,207と、長さが底枠長辺部207よりも短い一対の底枠短辺部208,208とを有している。底枠部204の各角部の下方には、車輪209が設けられている。
立設枠部205は、略長方形の枠状に形成され、略垂直方向に立設している。立設枠部205は、略垂直方向に延在する一対の立設枠長辺部210,210と、長さが立設枠長辺部210よりも短く、立設枠長辺部210,210を連結する一対の立設枠短辺部211,211とを有している。なお、本実施形態では、底枠部204の一方の底枠長辺部207が下方の立設枠短辺部211を形成する。
上方の立設枠短辺部211には、略垂直方向に立設する2つの小枠部212,212が所定の距離を空けて設けられている。小枠部212,212は、略垂直方向に延在し、下端部が立設枠短辺部211に連結されている一対の縦パイプ213,213と、縦パイプ213,213を連結する連結パイプ214とを有している。
また、一対の立設枠短辺部211,211には、回動ユニット20を支軸21に回動可能に連結する軸連結パイプ215,215が設けられている。
また、回動ユニット20が渡位置(図1で2点鎖線で示した回動ユニット20の位置)にあるときに第1直線状ユニット30側に位置する一方の立設枠長辺部210(図8では右側に位置する立設枠長辺部210)には、斜め上方に延在する立設落下防止部217が設けられている。立設落下防止部217は、略コ字状に形成され、一端部が立設枠長辺部210に固定され、斜め上方に延びる一対の落下防止パイプ218,218と、一対の落下防止パイプ218,218の他端部を連結する連結パイプ219と、を有している。
傾斜枠部206は、一対の縦ローラ部220,220と、一対の傾斜パイプ221,221と、上方支持部222と、下方支持部223と、昇降シリンダ部224と、を有している。
一対の縦ローラ部220,220は、縦長の部材であり、長手方向の上端部が小枠部212の連結パイプ214に連結され、下端部が底枠部204の他方(図8における前側)の底枠長辺部207に連結されている。縦ローラ部220には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
一対の傾斜パイプ221,221は、一対の縦ローラ部220,220の間で、上端部が小枠部212の連結パイプ214に連結され、下端部が底枠部204の他方(図8における前側)の底枠長辺部207に連結されている。
上方支持部222は、横長の略矩形平板状の部材であり、長手方向の両端部が、一対の縦ローラ部220,220における上下方向の略中央部の背面に固定されている。下方支持部223は、横長の略矩形平板状の部材であり、長手方向の両端部が、一対の縦ローラ部220,220における下部の背面に、固定されている。
昇降シリンダ部224は、上下方向に延びる略円筒状の昇降シリンダ部本体225と、一端部がシリンダ部本体に挿入されている昇降ピストン部226と、シリンダ部本体の内部に設けられたシリンダチューブ(図示省略)に空気を供給するポンプ(図示省略)と、を有している。昇降シリンダ部本体225の上部は上方支持部222に固定され、下部は下方支持部223に固定されている。これによって、昇降シリンダ部本体225は、縦ローラ部220,220に支持されている。
昇降ピストン部226の他端部は、略平板状の押上板部227を形成しており、昇降搬送台受部201に連結されている。昇降スイッチ203がオン状態に設定されているとき、シリンダチューブに設けられた脱気弁(図示省略)は閉止され、ポンプは、昇降シリンダ部本体225のシリンダチューブ内に空気を供給する。シリンダチューブ内の空気圧が上がると、昇降ピストン部226が伸長する。これによって、図9に示すように、昇降ピストン部226の押上板部227に連結された昇降搬送台受部201が上昇する。なお、ポンプは、シリンダチューブ内の空気圧が所定の空気圧に達すると空気の供給を停止する。
昇降スイッチ203がオフ状態に設定されると、シリンダチューブに設けられた脱気弁(図示省略)が開放され、シリンダチューブ内の空気が脱気される。これによって、シリンダチューブ内の空気圧が下がって昇降ピストン部226が収縮し、これに伴って押上板部227に連結された昇降搬送台受部201が下降する。
昇降搬送台受部201は、上下方向に延びる一対の昇降長辺部230,230と、長さが昇降長辺部230よりも短い一対の昇降短辺部231,231とを有している。昇降短辺部231,231は、一対の昇降長辺部230,230の上端部及び下端部を連結する。また、上方の昇降短辺部231には、昇降ピストン部226の押上板部227が連結されている。これによって、昇降ピストン部226の伸縮に伴って、昇降搬送台受部201が昇降する。
また、昇降長辺部230の背面には、上下方向の略中央部から下部に亘って、平板状の摺動板部230aが設けられている。摺動板部230aは、縦ローラ部220のローラの周面に接触しており、昇降搬送台受部201が昇降するとき、縦ローラ部220のローラの周面上を摺動する。なお、昇降搬送台受部201の昇降動作については、後で図9及び図10を参照して説明する。
また、昇降搬送台受部201は、昇降第1ローラ部232と、昇降第1ローラ部232を支持する昇降ローラ支持部233と、を有している。昇降第1ローラ部232は、横長の部材であり、長手方向が昇降搬送台受部201の昇降短辺部231と平行になるように配置されている。昇降第1ローラ部232の長手方向の長さは、昇降短辺部231よりもやや長く設定されている。
図8に示すように、昇降第1ローラ部232は、略コ字状に形成され、上部が開口しているローラ部本体234と、ローラ235と、ローラ側落下防止部236と、を有している。
ローラ235は、ローラ部本体234に設けられた昇降第1ローラ部232の短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支され、昇降第1ローラ部232の長手方向に亘って複数設けられている。ローラ235の上部は、ローラ部本体234の開口から露出しており、昇降搬送台受部201に搬送台90(図2参照)が載置されると、ローラ235の周面が搬送台本体91の下端部と接触する。
ローラ部本体234は、一対の側面部237,237と、一対の側面部237,237を連結する底面部238を有している。
ローラ側落下防止部236は、回動ユニット20が受取位置(図1で実線で示した回動ユニット20の位置)にあるときに搬送台回収ユニット10側に位置する昇降第1ローラ部232の一端部(図8では左側に位置する端部)に、設けられている。ローラ側落下防止部236は、落下防止部本体239と、軸部240と、を有している。
軸部240は、一対の側面部237,237に支持されている軸状の部材である。落下防止部本体239は、略平板状の部材であり、一対の側面部237,237の間で、軸部に回動可能に支持されている。また、落下防止部本体239は、回動ユニット20が受取位置(図1で実線で示した回動ユニット20の位置)にあるときに搬送台回収ユニット10側に位置する回収側端部239a(図8では左側に位置する端部)の重量が、その反対側の端部である内側端部239bの重量よりも重くなるように、形成されている。このため、通常、落下防止部本体239は、回収側端部239aがローラ部本体234の底面部238と接触し、内側端部239bが、回収側端部239aよりも上方に位置している回動位置にある。また、このときの内側端部239bは、ローラ235の搬送台90と接触する周面よりも上方に位置している。本実施形態では、このときの内側端部239bの回動位置を落下防止位置と称する場合がある。なお、ローラ側落下防止部236の動作については、後で図11を参照して詳細に説明する。
昇降ローラ支持部233は、昇降搬送台受部201における下方に位置する昇降短辺部231に設けられており、昇降第1ローラ部232を、昇降短辺部231と平行になるように支持する。昇降ローラ支持部233は、下方に位置する昇降短辺部231の延在方向の両端部から斜め上方に突出する一対の突出部241,241と、落下防止部242と、を有している。落下防止部242は、突出部241の上方で昇降短辺部231と平行に延在し、延在方向の両端部が下方に折曲して突出部241の突出方向の一端部と連結する略コ字状の部材である。
一対の突出部241,241には、昇降第1ローラ部232の長手方向の両端部が載置される。落下防止部242は、昇降搬送台受部201に、搬送台90(図2参照)が載置されたとき、搬送台90が昇降搬送台受部201から滑り落ちることを、搬送台90の下部に接触して防止する。
また、昇降搬送台受部201は、昇降第2ローラ部243と、昇降第3ローラ部244を有している。昇降第2ローラ部243は、横長の部材であり、長手方向が昇降短辺部231の延在方向と平行になるように配置されている。昇降第2ローラ部243の長手方向の両端部は、昇降搬送台受部201の一対の昇降長辺部230,230の上下方向の略中央部で支持されている。昇降第2ローラ部243には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
昇降搬送台受部201に搬送台90(図2参照)が載置されると、昇降第2ローラ部243のローラの周面が搬送台本体91の他面(図2における背面)の下部と接触する。
昇降第3ローラ部244は、横長の部材であり、長手方向が昇降短辺部231の延在方向と平行になるように、且つ、昇降第2ローラ部243よりも上方に配置されている。昇降第3ローラ部244の長手方向の両端部は、昇降搬送台受部201の一対の昇降長辺部230,230の上下方向の上部で支持されている。昇降第3ローラ部244には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
昇降搬送台受部201に搬送台90(図2参照)が載置されると、昇降第3ローラ部244のローラの周面が搬送台本体91の他面(図2における背面)の上部と接触する。
以上のように、昇降第1ローラ部232のローラが搬送台本体91の下端部と接触し、また、昇降第2ローラ部243のローラが搬送台本体91の他面(図2における背面)の下部と接触し、そして、昇降第3ローラ部244のローラが搬送台本体91の他面の上部と接触する。このため、作業者は、容易に、搬送台90をスライドし、搬送台回収ユニット10から移動させて昇降搬送台受部201に載置することができ、また、昇降搬送台受部201から第1直線状ユニット30へ移動させることができる。
<昇降搬送台受部の昇降動作>
次に、図9及び図10を参照して、昇降搬送台受部201の昇降動作について、昇降搬送台受部201が上昇するときの動作を例に説明する。図10は、本実施形態の回動ユニットの動作を説明する図であり、Aは、回動ユニットが受取位置にある状態を示し、Bは、回動ユニットが渡位置にある状態を示し、Cは、Bの状態から搬送台支持部が上昇した状態を示している。
図10Aに示すように、回動ユニット20が受取位置(図1で実線で示した回動ユニット20の位置)にあるとき、昇降スイッチ203はオフ状態に設定されており、昇降シリンダ部224(図8参照)のポンプは、シリンダチューブ内への空気の供給を停止している。また、シリンダチューブに設けられた脱気弁(図示省略)が開放され、シリンダチューブ内の空気が脱気されている。したがって、昇降ピストン部226(図9参照)は収縮しており、押上板部227(図9参照)に連結された昇降搬送台受部201は、所定の下降位置に位置している。
本実施形態では、図4に示すように、下降位置における昇降搬送台受部201の昇降第1ローラ部232は、下流側搬送台回収ユニット10Aの第1ローラ部108の回動ユニット20側の端部よりも低い位置にある。したがって、搬送台回収ユニット10に支持される搬送台90の高さ(搬送台90の下端部と製造ライン1の設置面との距離)を第1の高さとし、下降位置における昇降搬送台受部201に載置されたときの搬送台90の高さを第3の高さとしたとき、第3の高さは第1の高さより低くなる(小さくなる)。すなわち、昇降搬送台受部201が下降位置にある回動ユニット20は、搬送台90を第1の高さよりも低い第3の高さで支持する。このため、搬送台90は、搬送台回収ユニット10から回動ユニット20へ自重でスライドして移動する。
図10Aに示した回動ユニット20を作業者が、図10Bに示すように、渡位置(図1で2点鎖線で示した回動ユニット20の位置)まで回動させると、図9に示すように、昇降スイッチ203が立設枠長辺部210に押圧され、オン状態に設定される。
昇降スイッチ203がオン状態に設定されると、昇降シリンダ部224のシリンダチューブに設けられた脱気弁(図示省略)は閉止され、昇降シリンダ部224のポンプは、シリンダチューブ内に空気を供給する。シリンダチューブ内の空気圧が上がると、図9に示すように昇降ピストン部226が伸長する。これによって、図9及び図10Cに示すように、昇降ピストン部226の押上板部227に連結された昇降搬送台受部201が所定の上昇位置まで上昇する。
上昇位置における昇降搬送台受部201の昇降第1ローラ部232は、第1直線状ユニット30の第1ローラ部308(図3参照)と略等しい高さにある。したがって、第1直線状ユニット30に支持される搬送台90の高さ(搬送台90の下端部と製造ライン1の設置面との距離)を第2の高さとし、上昇位置における昇降搬送台受部201に載置されたときの搬送台90の高さを第4の高さとしたとき、第2の高さと第4の高さは略等しくなる。すなわち、昇降搬送台受部201が上昇位置にある回動ユニット20は、搬送台90を第2の高さと略等しい高さの第4の高さで支持する。作業者は、上昇位置における昇降搬送台受部201に支持されている搬送台90をスライドさせて、第1直線状ユニット30の搬送台受部301に移動させる。なお、立設落下防止部217は、上昇位置にある昇降搬送台受部201から搬送台90をスライドさせて第1直線状ユニット30の搬送台受部301に移動させるときに、搬送台90と接触しないように形成されている。
なお、図10Cに示す状態から作業者が回動ユニット20を受取位置へ回動させるとき、昇降スイッチ203が立設枠長辺部210の押圧から解放され、オフ状態に設定されると、シリンダチューブに設けられた脱気弁(図示省略)が開放され、シリンダチューブ内の空気が脱気される。これによって、シリンダチューブ内の空気圧が下がって昇降ピストン部226は収縮し、押上板部227に連結された昇降搬送台受部201は、図10Aに示した所定の下降位置へ下降する。
<ローラ側落下防止部の動作>
次に、図11を参照して、ローラ側落下防止部236の動作について説明する。図11は、本実施形態の落下防止部の動作を説明する図であり、Aは回動ユニットに搬送台が移動する前の状態を示し、Bは回動ユニットに搬送台が移動しているときの状態を示し、Cは回動ユニットに搬送台が移動した後の状態を示している。
図11Aに示すように、回動ユニット20に搬送台90が移動する前、すなわち昇降搬送台受部201に搬送台90が載置される前は、落下防止部本体239の内側端部239bは、落下防止位置にある。すなわち、内側端部239bは、回収側端部239aよりも上方に位置し、また、内側端部239bは、昇降第1ローラ部232におけるローラ235の搬送台90と接触する周面よりも上方に位置している。また、回収側端部239a側の下端部がローラ部本体234の底面部238と接触している。
図11Bに示すように、回動ユニット20に搬送台90が移動しているとき、すなわち昇降搬送台受部201に搬送台90が載置されているとき、落下防止部本体239の内側端部239bは、移動する搬送台90の下端部に接触して下方に押される。このため、落下防止部本体239は、内側端部239bがローラ235の搬送台90と接触する周面と略等しい高さになるように回動する。内側端部239bが搬送台90の下端部よりも下方に位置しているこのときの内側端部239bの回動位置を退避位置と称する場合がある。
図11Cに示すように、回動ユニット20に搬送台90が移動した後、すなわち昇降搬送台受部201に搬送台90が載置された後、落下防止部本体239の内側端部239bは、搬送台90の下端部の押圧から解放され、退避位置から落下防止位置に回動する。また、回収側端部239a側の下端部がローラ部本体234の底面部238と接触している。
図11Cに示す状態から、作業者が搬送台90を支持している回動ユニット20を渡位置(図1で2点鎖線で示した回動ユニット20の位置)に回動させるとき、回動中に遠心力の働きによって、搬送台90が図11Cに示す矢印Eの方向に移動する場合がある。搬送台90が矢印Eの方向に移動すると、搬送台90の下端部と、落下防止位置にあるローラ側落下防止部236の内側端部239bとが接触し、ローラ側落下防止部236の内側端部239bが搬送台90の下端部に押される。このとき、落下防止部本体239における回収側端部239a側の下端部がローラ部本体234の底面部238と接触しているため、ローラ側落下防止部236は搬送台90の下端部に押されても回動せず、搬送台90の矢印E方向の移動を規制する。これによって、回動ユニット20の回動中に搬送台90が回動ユニット20から落下することを抑制することができる。
なお、昇降搬送台受部201が下降位置にあるときにおける搬送台90の矢印E(図11C参照)の反対方向への移動は、立設落下防止部217が規制する。すなわち、回動ユニット20の回動中に搬送台90がローラ側落下防止部236の内側端部239bに接触した反動で、搬送台90が矢印Eの反対方向へ移動しても、立設落下防止部217が搬送台90と接触することで、搬送台90が回動ユニット20から落下することを抑制することができる。
<切替ユニット>
次に、図12を参照して、切替ユニット400について説明する。図12は、本実施形態の切替ユニットの斜視図である。
図12に示すように、切替ユニット400は、略十文字状の切替搬送台受部401と、切替搬送台受部401を昇降可能に支持する切替昇降支持部402と、を有している。
切替昇降支持部402は、底枠部403と、前立設枠部404と、後立設枠部405、傾斜枠部406と、を有している。底枠部403は、略長方形の枠状に形成され、一対の底枠長辺部407,407と、長さが底枠長辺部407よりも短い一対の底枠短辺部408,408とを有している。底枠部403の各角部の下方には、車輪409が設けられている。
前立設枠部404は、略長方形の枠状に形成され、略垂直方向に立設している。前立設枠部404は、略垂直方向に延在する一対の前立設枠短辺部410,410と、長さが前立設枠短辺部410よりも長く、前立設枠短辺部410,410を連結する一対の前立設枠長辺部411,411(図12では上方に位置する前立設枠長辺部411の図示を省略している)とを有している。なお、本実施形態では、底枠部403の一方の底枠長辺部407が下方の前立設枠長辺部411を形成する。
後立設枠部405は、略長方形の枠状に形成され、略垂直方向に立設している。後立設枠部405は、略垂直方向に延在する一対の後立設枠長辺部412,412と、長さが後立設枠長辺部412よりも短く、後立設枠長辺部412,412を連結する一対の後立設枠短辺部413,413とを有している。後立設枠長辺部412,412と前立設枠短辺部410,410とは、底枠短辺部408の延存方向に対向している。なお、本実施形態では、底枠部403の他方の底枠長辺部407(図12における後方の底枠長辺部407)が下方の後立設枠短辺部413を形成する。
傾斜枠部406は、一対の縦ローラ部414,414と、一対の傾斜パイプ415,415と、上側支持部416と、下側支持部(図示省略)と、切替シリンダ部417と、を有している。
一対の縦ローラ部414,414は、縦長の部材であり、長手方向の上端部が上方の後立設枠短辺部413に連結され、下端部が前立設枠長辺部411(図12では図示を省略している)に連結されている。縦ローラ部414には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
一対の傾斜パイプ415,415は、一対の縦ローラ部414,414の間で、上端部が上方の後立設枠短辺部413に連結され、下端部が前立設枠長辺部411(図12では図示を省略している)に連結されている。
上側支持部416は、横長の略矩形平板状の部材であり、長手方向の両端部が、一対の縦ローラ部414,414における上下方向の略中央部の背面に固定されている。下方支持部は、横長の略矩形平板状の部材であり、長手方向の両端部が、一対の縦ローラ部414,414における下部の背面に、固定されている。
切替シリンダ部417は、上下方向に延びる略円筒状の切替シリンダ部本体418と、一端部がシリンダ部本体に挿入されている切替ピストン部419と、シリンダ部本体の内部に設けられたシリンダチューブ(図示省略)に空気を供給するポンプ(図示省略)と、昇降スイッチ(図示省略)を有している。切替シリンダ部本体418の上部は上側支持部416に固定され、下部は下方支持部に固定されている。これによって、切替シリンダ部本体418は、縦ローラ部414,414に支持されている。
切替ピストン部419の他端部は、略平板状の押上板部420を形成しており、切替搬送台受部401に連結されている。昇降スイッチがオン状態に設定されているとき、シリンダチューブに設けられた脱気弁(図示省略)は閉止され、ポンプは、切替シリンダ部本体418のシリンダチューブ内に空気を供給する。シリンダチューブ内の空気圧が上がると、切替ピストン部419が伸長する。これによって、切替ピストン部419の押上板部420に連結された切替搬送台受部401が上昇する。なお、ポンプは、シリンダチューブ内の空気圧が所定の空気圧に達すると空気の供給を停止する。
昇降スイッチがオフ状態に設定されると、シリンダチューブに設けられた脱気弁(図示省略)が開放され、シリンダチューブ内の空気が脱気される。これによって、シリンダチューブ内の空気圧が下がって切替ピストン部419が収縮し、これに伴って押上板部420に連結された切替搬送台受部401が下降する。
切替搬送台受部401は、上下方向に延びる一対の切替長辺部421,421と、長さが切替長辺部421よりも短い一対の切替短辺部422,422(図12では下方に位置する切替短辺部422の図示を省略している)とを有している。切替短辺部422,422は、一対の切替長辺部421,421の上端部及び下端部を連結する。
また、切替搬送台受部401は、左ローラ支持部423と、右ローラ支持部424と、を有している。左ローラ支持部423は、一方の切替長辺部421(図12における左側に位置する一方の切替長辺部421)の左側に設けられ、切替長辺部421の延在方向に平行に延びる左支持パイプ425と、左支持パイプ425の上下方向の両端部を一方の切替長辺部421の延在方向の上部及び下部に連結する一対の連結パイプ426,426と、を有している。
右ローラ支持部424は、他方の切替長辺部421(図12における右側に位置する一方の切替長辺部421)の右側に設けられ、切替長辺部421の延在方向に平行に延びる右支持パイプ427と、右支持パイプ427の上下方向の両端部を他方の切替長辺部421の延在方向の上部及び下部に連結する一対の連結パイプ428,428と、を有している。
また、切替搬送台受部401は、内側連結部429を有している。内側連結部429は、一対の切替長辺部421,421の間で、切替短辺部422と平行に延在し、延在方向の両端部が切替長辺部421,421の上部に連結されている。内側連結部429の延在方向の略中央部には、切替ピストン部419の押上板部420が連結されている。これによって、切替ピストン部419の伸縮に伴って、切替搬送台受部401が昇降する。
また、切替長辺部421の背面には、延在方向の略中央部に所定の距離に亘って、平板状の摺動板部421aが設けられている。摺動板部421aは、縦ローラ部414のローラの周面に接触しており、切替搬送台受部401が昇降するとき、縦ローラ部414のローラの周面上を摺動する。
また、切替搬送台受部401は、切替第1ローラ部430と、切替第1ローラ部430を支持するローラ支持部431と、を有している。切替第1ローラ部430横長の部材であり、長手方向が切替短辺部422の延在方向と平行になるように配置されている。切替第1ローラ部430の長手方向の長さは、切替搬送台受部401の切替短辺部422と、左ローラ支持部423の連結パイプ426と、右ローラ支持部424の連結パイプ428と、を合わせた長さと、略等しく設定されている。切替第1ローラ部430には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。切替搬送台受部401に搬送台90(図2参照)が載置されると、切替第1ローラ部430のローラの周面が搬送台本体91の下端部と接触する。
ローラ支持部431は、下方に位置する切替短辺部422(図示省略)に設けられており、切替第1ローラ部430の長手方向と、切替短辺部422の延在方向とが平行になるように、切替第1ローラ部430を支持する。ローラ支持部431は、切替短辺部422の延在方向の両端部から斜め上方に突出する一対の突出部432,432と、落下防止部433と、を有している。
一対の突出部432,432には、切替第1ローラ部430の長手方向の両端部が載置される。
落下防止部433は、突出部432の上方で切替短辺部422と平行に延在し、延在方向の両端部が下方に折曲して突出部432の突出方向の一端部と連結する略コ字状の部材である。落下防止部433は、切替搬送台受部401に、搬送台90(図2参照)が載置されたとき、搬送台90が切替搬送台受部401から滑り落ちることを、搬送台90の下部に接触して防止する。
また、切替搬送台受部401は、切替第2ローラ部434と、切替第3ローラ部435,切替第4ローラ部436,切替第5ローラ部437を有している。
切替第2ローラ部434は、横長の部材であり、長手方向が切替短辺部422の延在方向と平行になるように配置されている。切替第2ローラ部434の長手方向の両端部は、一対の切替長辺部421,421の延在方向の下部で支持されている。切替第2ローラ部434には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
切替第3ローラ部435は、横長の部材であり、長手方向が切替短辺部422の延在方向と平行になるように、且つ、切替第2ローラ部434よりも上方に配置されている。切替第3ローラ部435の長手方向の両端部は、一対の切替長辺部421,421の延在方向の上部で支持されている。切替第2ローラ部434には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
切替第4ローラ部436は、横長の部材であり、長手方向が切替短辺部422の延在方向と平行になるように配置されている。切替第4ローラ部436の長手方向の一端部は、左ローラ支持部423の左支持パイプ425に連結され、他端部は、一方の切替長辺部421(図12における左側に位置する一方の切替長辺部421)の延在方向の略中央部に連結されている。切替第4ローラ部436には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
切替第5ローラ部437は、横長の部材であり、長手方向が切替短辺部422の延在方向と平行になるように配置されている。切替第5ローラ部437の長手方向の一端部は、右ローラ支持部424の右支持パイプ427に連結され、他端部は、他方の切替長辺部421(図12における右側に位置する一方の切替長辺部421)の延在方向の略中央部に連結されている。切替第5ローラ部437には、短手方向に延びる軸(図示省略)に回動可能に軸支されたローラが、長手方向に亘って複数設けられている。
以上のように構成された切替搬送台受部401に搬送台90(図2参照)が載置されると、切替第1ローラ部430のローラが搬送台本体91の下端部と接触する。また、切替第2ローラ部434と、切替第3ローラ部435,切替第4ローラ部436,切替第5ローラ部437のローラが搬送台本体91の他面(図2における背面)と接触する。このため、作業者は、容易に、搬送台90をスライドし、他のユニットから移動させて切替搬送台受部401に載置することができ、また、切替搬送台受部401から他のユニットへ移動させることができる。すなわち、ユニット間での搬送台90の受け渡しを容易に行うことができる。なお、切替搬送台受部401の切替第1ローラ部430の長手方向の長さは、切替搬送台受部401上の搬送台90の搬送距離が、第1コ字状ユニット40及び第2コ字状ユニット60上を移動する搬送台90の移動距離よりも短くなるように設定されている。
次に、図13を参照して、切替ユニット400を用いた製造ライン1の概要について、説明する。図13は、本実施形態の切替ユニットを用いた製造ラインの概要を示す上面図である。なお、上述のとおり、切替ユニット400は、第1コ字状ユニット40又は第2コ字状ユニット60と切り替えて用いることができるが、以下では、第2コ字状ユニット60と切り替えて用いた場合を例に説明する。
図13に示す製造ライン1では、第2コ字状ユニット60(図1参照)に代えて切替ユニット400が用いられている。すなわち、製造ライン1では、第2直線状ユニット50と切替ユニット400の一端部が着脱可能に連結し、切替ユニット400の他端部と第3直線状ユニット70とが着脱可能に連結している。
図1に示す製造ライン1から図13に示す製造ライン1に変更する場合、作業者は、第2直線状ユニット50及び第3直線状ユニット70との連結を解いた第2コ字状ユニット60(図1参照)を製造ライン1外に移動させる。
次に、第2直線状ユニット50と第3直線状ユニット70との間に切替ユニット400を移動させて、両ユニット50,70にユニット間ジョイント(図示省略)を用いて、切替ユニット400を連結する。
このとき、第2直線状ユニット50の第1ローラ部と、切替ユニット400の切替第1ローラ部430と、第3直線状ユニット70の第1ローラ部と、が直線状に並ぶように、作業者は、切替シリンダ部417の昇降スイッチ(図示省略)を操作し、切替搬送台受部401を昇降させて切替第1ローラ部430の高さを調整する。
なお、上述のように、第2直線状ユニット50及び第3直線状ユニット70は、第1直線状ユニット30の第1ローラ部308と同様の第1ローラ部を有している。
図13では、図1と同様に、各種作業を行う作業者の作業位置をW1〜W10で示している。各作業位置では、それぞれ一人の作業者によって一つの作業が行われる。すなわち、図1に示す製造ライン1では、10人の作業者によって、10の作業(工程)を経て、フロントドアが製造される。
ここで、図1に示す製造ライン1に比べ、図13に示す製造ライン1では、作業位置が2つ少なく、また作業に従事する作業者も2人少なくなっている。このため、図13に示す製造ライン1で、図1に示す製造ライン1と同様の製造物を製造する場合は、図13の作業位置W6における作業者が、図1における作業位置W6,W7,W8における作業者が担っていた作業(各種部品の取り付けなど)を担う。
<第1の作用>
本実施形態の製造ライン1では、回動ユニット20が渡位置(図1で2点鎖線で示した回動ユニット20の位置)まで回動すると、図10Cに示すように、昇降スイッチ203がオン状態になり、昇降搬送台受部201が所定の上昇位置まで上昇する。また、作業者が回動ユニット20を渡位置から受取位置(図1で実線で示した回動ユニット20の位置)へ回動させる際に、回動ユニット20が渡位置から離れると昇降スイッチ203がオフ状態に設定され、昇降搬送台受部201は、図10Aに示した所定の下降位置へ下降を開始する。すなわち回動ユニット20の渡位置から受取位置への回動と、昇降搬送台受部201の所定の下降位置への下降を同時に行うことができる。
このため、昇降搬送台受部201が所定の下降位置への下降した後で回動ユニット20を受取位置に回動させる場合や回動ユニット20が受取位置に回動した後で昇降搬送台受部201を所定の下降位置へ下降させる場合に比べて、昇降搬送台受部201の下降と回動ユニット20の回動に要する時間を短縮することができる。したがって、作業効率の低下を抑制することができる。
また、渡位置以外で降搬送台受部201が所定の上昇位置まで上昇することを規制することができる。このため、例えば受取位置から渡位置の回動中に降搬送台受部201が所定の上昇位置まで上昇して、搬送台90が立設落下防止部217を超えて落下してしまうことを抑制することができる。
<第2の作用>
本実施形態の製造ライン1は、第1コ字状ユニット40と、第2コ字状ユニット60と、切替ユニット400と、を有している。切替ユニット400は、第1コ字状ユニット40及び第2コ字状ユニット60と切り替えて用いることができる。
このため、製造ライン1で一日に製造する製造物の量が比較的多い場合、図1に示す製造ライン1のように第1コ字状ユニット40及び第2コ字状ユニット60を用いて、搬送台90の搬送経路を長くし(搬送台90の移動距離を3人で作業ができる距離とし)、搬送台90に載置する構成部材4に各種部品を組み付ける作業員一人当たりに割り当てる部品の点数を減らし、且つ、組み付け作業に従事する作業員の人数を増やすことで製造量を増やし、生産効率を高めることができる。
一方、製造ラインで一日に製造する製造物の量が比較的少ない場合、図13に示す製造ライン1のように第1コ字状ユニット40,第2コ字状ユニット60に代えて切替ユニット400を用いる(図13では、第2コ字状ユニット60代えて切替ユニット400を用いている)。このように、搬送経路を短くし(搬送台90の移動距離を1人で作業ができる距離とし)、搬送物に各種部品を組み付ける作業員一人当たりに割り当てる部品の点数を増やし、且つ、組み付け作業に従事する作業員の人数を減らすことで製造コストを抑えて、生産効率を高めることができる。
以上のように、製造物の生産量に応じて生産効率を高めることができる。
<第3の作用>
本実施形態の製造ライン1では、図7Aに示すように、突出位置にある搬送台保持部120の一対のローラ部125,125の先端部が、自重によって搬送台回収ユニット10における保持位置まで移動した搬送台90の両端を挟んで、保持位置からの移動を規制する。
また、図7Bに示すように、フットスイッチ118(図6参照)が操作され(踏まれて)、オフ状態からオン状態となると、搬送台保持部120の一対のローラ部125,125の先端部が、突出位置から、搬送台90の移動を規制しない退避位置へ移動する。退避位置にある回動ユニット20側の一方のローラ部125におけるローラ128は、回動ユニット20へ移動する搬送台90の背面に接触して回動する。このため、搬送台90は、自重によって回動ユニット20へ容易に移動することができる。また、他方のローラ部125のローラ128は、後続の搬送台90の背面に接触して回動する。このため、後続の搬送台90は、自重によって保持位置へ容易に移動することができる。
このように、搬送台保持部120が搬送台90を保持することによって、搬送台90の移動を停止させた後に、再び搬送台90を移動させることを容易に行うことができるので、生産効率の低下を抑制することができる。
<第4の作用>
本実施形態の製造ライン1は、図8に示すように、ローラ側落下防止部236を有している。回動ユニット20に搬送台90が移動した後、ローラ側落下防止部236における落下防止部本体239の内側端部239bは、図11Cに示すように、搬送台90の下端部の押圧から解放され、退避位置から落下防止位置に回動する。
図11Cに示す状態から、作業者が搬送台90を支持している回動ユニット20を渡位置(図1で2点鎖線で示した回動ユニット20の位置)に回動させるとき、回動中に遠心力の働きによって、搬送台90が矢印Eの方向に移動すると、搬送台90の下端部と、落下防止位置にある内側端部239bとが接触する。このとき、落下防止部本体239における回収側端部239a側の下端部がローラ部本体234の底面部238と接触しているため、ローラ側落下防止部236は搬送台90の下端部に押されても回動せず、搬送台90の矢印E方向の移動を規制する。これによって、回動ユニット20の回動中に搬送台90が回動ユニット20から落下することを抑制することができる。
また、回動ユニット20に搬送台90が移動しているとき、落下防止部本体239の内側端部239bは、図11Bに示すように、移動する搬送台90の下端部に接触して下方に押され、落下防止位置から退避位置に移動する。このため、ローラ側落下防止部236は、回動ユニット20への搬送台90の移動を妨げない。したがって、生産効率の低下を抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態に係る製造ラインについて、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明の製造ラインは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形実施が可能である。
本実施形態では、製造ライン1がパチスロのフロントドアを製造する態様を説明した。しかし、製造ライン1が製造する製造品は、これに限らず、所定の経路で移動する搬送台に載置された構成部材に各種部品を組み付ける工程を経て製造されるものであればよい。製造ライン1が製造する製造品は、例えば、パチンコの遊技盤や役物などであってもよい。
また、本実施形態では、搬送台回収ユニット10に支持される搬送台90の高さ(搬送台90の下端部と製造ライン1の設置面との距離)を第1の高さとし、下降位置における昇降搬送台受部201に載置されたときの搬送台90の高さを第3の高さとしたとき、第3の高さは第1の高さより低くなる(小さくなる)。すなわち、昇降搬送台受部201が下降位置にある回動ユニット20が、搬送台90を第1の高さよりも低い第3の高さで支持する態様を説明した。しかし、これに限らず、昇降搬送台受部201が下降位置にある回動ユニット20が、搬送台90を第1の高さと等しい高さで支持するようにしてもよい。この場合に、搬送台回収ユニット10から回動ユニット20へ搬送台90が自重で移動しないときは、作業者が搬送台90を押してスライドさせ、搬送台90を搬送台回収ユニット10から回動ユニット20へ移動させればよい。このとき、作業者は、搬送台90を持ち上げる必要がないため、搬送台90を搬送台回収ユニット10から回動ユニット20へ容易に移動させることができる。
また、本実施形態では、上昇位置における昇降搬送台受部201の昇降第1ローラ部232は、第1直線状ユニット30の第1ローラ部308(図3参照)と略等しい高さにある。したがって、第1直線状ユニット30に支持される搬送台90の高さ(搬送台90の下端部と製造ライン1の設置面との距離)を第2の高さとし、上昇位置における昇降搬送台受部201に載置されたときの搬送台90の高さを第4の高さとしたとき、第2の高さと第4の高さは略等しくなる。すなわち、昇降搬送台受部201が上昇位置にある回動ユニット20は、搬送台90を第2の高さと略等しい高さの第4の高さで支持する態様を説明した。しかし、これに限らず、昇降搬送台受部201が上昇位置にある回動ユニット20が搬送台90を第2の高さよりも高い第4の高さで支持してもよい。この場合に、作業者は、搬送台90を持ち上げることなく、搬送台90を回動ユニット20から第1直線状ユニット30へ容易に移動させることができる。
また、本実施形態では、第1の高さ(搬送台回収ユニット10に支持される搬送台90の高さ)を、第2の高さ(第1直線状ユニット30に支持される搬送台90の高さ)よりも低く設定した態様を説明した。しかし、これに代えて、第2の高さを第1の高さより低く設定してもよい。
また、本実施形態では、切替ユニット400が、切替搬送台受部401を昇降させる切替シリンダ部417を有している態様を説明した。しかし、切替第1ローラ部430の高さが、切替ユニット400を連結させるユニットが有する第1ローラ部の高さと、等しくなるような位置に、切替搬送台受部401を予め配置しているような場合は、切替シリンダ部417の設置を省略してもよい。
また、第1コ字状ユニット40及び第2コ字状ユニット60の短脚部及び長脚部の下部に車輪をつけてもよい。この場合、第1コ字状ユニット40及び第2コ字状ユニット60に代えて切替ユニット400を用いるときに、作業者は、容易に第1コ字状ユニット40及び第2コ字状ユニット60を製造ライン1外に移動させることができる。
また、本実施形態では、シリンダ部121、昇降シリンダ部224、切替シリンダ部417として、エアシリンダを採用した態様を説明した。しかし、これに限らず、その他の搬送台受部101、昇降搬送台受部201、切替搬送台受部401を昇降可能な装置を適宜採用可能である。例えば、エアシリンダに代えて油圧シリンダを採用してもよい。
また、第1直線状ユニット30,第1コ字状ユニット40,第2直線状ユニット50,第2コ字状ユニット60,第3直線状ユニット70,第3コ字状ユニット80の順で搬送台90が搬送される本実施形態の製造ライン1において、これらユニット30,40,50,60,70,80上を、搬送台回収ユニット10と同様に、搬送台90が自重で搬送方向に移動するように、傾斜させてもよい。