以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図16は、複数の移動通信事業者A,B及びCが、それぞれ内線電話システム1601a,1601b及び1601cを構築したと仮定した場合の模式図である。複数の移動通信事業者A,B及びCが提供する内線電話システム1601a,1601b及び1601cを使用する企業毎に、企業PBX1612が設置される。企業PBX1612は、固定内線電話1613と接続し、且つ、内線電話システム1601a,1601b及び1601cと接続する。また、内線電話システム1601a,1601b及び1601cは、各事業者の移動体通信網1607a,1607b及び1607cに接続する携帯端末1602a,1602b及び1602cを、内線電話として用いる。携帯端末1602a,1602b及び1602cは、移動体通信網1607a,1607b及び1607c内の基地局1608、交換機1609及びMGW(Media GateWay)1610を介して内線電話システム1601a,1601b及び1601cと接続される。
携帯端末1602a,1602b及び1602cには、固有の内線番号が対応付けられる。携帯端末1602a,1602b及び1602cは、移動体通信網1607a,1607b及び1607c、内線電話システム1601a,1601b及び1601c、並びに企業PBX1612を介して固定内線電話1613と内線通話する。また、携帯端末1602a,1602b及び1602cは、移動体通信網1607a,1607b及び1607c、内線電話システム1601a,1601b及び1601cを介して他の携帯端末1602a,1602b及び1602cと内線通話する。この構成により、各移動通信事業者が提供する内線電話システムによって、各移動通信事業者の携帯端末が内線電話として使用することができる。
一方、図16に示す内線電話システムにおいては、ある企業において、複数の移動通信事業者の携帯端末を使用する場合、異なる移動通信事業者の携帯端末同士を内線接続することはできない。
本発明では、複数の移動通信事業者の携帯端末を、内線電話機として使用することができ、異なる移動通信事業者の携帯端末同士を内線接続する内線電話システムであり、以下に、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、内線電話通信システム1の概略を説明するための模式図である。
内線電話通信システム1は、移動通信事業者Aが提供する内線電話システム3を有する。内線電話システム3は、内線通信網11内の企業PBX12及び固定内線電話13と接続するとともに、移動通信事業者A,B及びCの移動体通信網7a,7b及び7cと接続する。企業PBX12及び固定内線電話13は、移動通信事業者Aが内線電話システム3を提供する企業内に設置される。移動体通信網7a,7b及び7c内には、それぞれ、少なくとも1台の携帯端末2a,2b及び2cと、基地局8と、交換機9と、ゲートウェイ10とが含まれる。移動体通信網7a,7b及び7cは、それぞれ移動通信事業者A,B及びCによって運営及び管理される。
なお、複数の携帯端末2a,2b及び2cは、同様の構成を有する端末である。以下では、携帯端末2a,2b及び2cを、それぞれ携帯端末2と称する場合がある。また、移動体通信網7a,7b及び7cを、それぞれ移動体通信網7と称する場合がある。
交換機9は、移動通信事業者毎に複数設置され、コアネットワーク等の通信ネットワークを介して相互に接続される。交換機9は、ある地域をカバーする無線通信ネットワークを通信ネットワークに接続する。基地局8は、交換機9に接続され、無線通信ネットワークがカバーする地域の複数の無線ゾーンをそれぞれ管理するために複数設置される。そして、携帯端末2は、基地局8を介して交換機9に接続されて、管理サーバ4と制御信号等の通信を行う。また、携帯端末2は、基地局8を介してゲートウェイ10に接続されて、管理サーバ4と音声通信を行う。固定内線電話13は、企業PBX12を介して呼処理サーバ5と接続されて、管理サーバ4に接続される。
内線電話システム3は、管理サーバ4、呼処理サーバ5及びデータベース6を有する。管理サーバ4は、携帯端末2との通信の接続を確立するための認証処理、接続が確立された携帯端末2からの電話帳検索要求に対する電話帳検索処理、並びに、携帯端末2間又は携帯端末2と固定内線電話13との間の内線接続処理等を実行する。管理サーバ4は、パーソナルコンピュータ(PC)14からの電話帳編集要求に応じて、後述するデータベース6に記憶する電話帳管理テーブルを読み出し、電話帳管理テーブルに対して、データの追加、データの削除又はデータの変更を実行する。PC14は、移動通信事業者Aが内線電話システム3を提供する企業内に設置され、例えば、当該企業の人事担当職員によって電話帳管理テーブルのメンテナンスを目的として操作される。
呼処理サーバ5は、呼制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)を用いて内線呼制御及び外線呼制御を実行する。特に、内線通信網11と管理サーバ4を接続し、内線通信網11内の固定内線電話13と携帯端末2b、2cとの通信を制御する。
データベース6は、内線電話通信システム1に加入しているユーザのユーザ情報を記憶し、携帯端末2の内線電話を管理する電話帳管理テーブルを記憶する。ユーザ情報には、各ユーザ毎に、ユーザID、プロファイル管理、認証用情報、現在位置情報が含まれる。なお、電話帳管理テーブルについては、後述する。
内線電話システム3の管理サーバ4は、当該内線電話システム3を管理及び運営する移動通信事業者Aとは異なる移動通信事業者B及びCの移動体通信網7b及び7c内のゲートウェイ10と、IP通信網15を介して接続される。一方、管理サーバ4は、移動通信事業者Aの移動体通信網7a内のゲートウェイ10及び内線通信網11内の企業PBX12と、電話通信網16を介して接続される。
携帯端末2で実行されるプログラム(例えば、内線電話プログラム)と、管理サーバ4で実行されるプログラム(例えば、認証プログラム)とは、IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。また、PC14で実行されるプログラム(例えば、電話帳編集要求プログラム)と、管理サーバ4で実行されるプログラム(例えば、電話帳編集プログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol, HTTP)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。
このように、移動通信事業者B,Cの移動体通信網7b,7cと接続可能な携帯端末2b,2c及び移動通信事業者Aの移動体通信網7aと接続可能な携帯端末2aと、内線通信網11と接続される固定内線電話13とを接続するための内線電話システム3において、移動体通信網7b,7cとIP通信網15を介して接続し、移動体通信網7aと電話通信網16を介して接続する管理サーバ4と、携帯端末2a,2b及び2c、並びに、固定内線電話13の内線番号情報を記憶するデータベース6と、管理サーバ4と接続され且つ内線通信網11と接続する呼処理サーバ5と、を有し、データベース6に記憶された携帯端末2b,2cの内線番号情報を用いて、固定内線電話13からの音声通信を、IP通信網15を介して移動体通信網7b,7cの携帯端末2b,2cと接続し、データベース6に記憶された携帯端末2aの内線番号情報を用いて、固定内線電話13からの音声通信を電話通信網16を介して移動体通信網7aの携帯端末2aと接続するように構成することによって、異なる移動通信事業者の携帯端末同士を内線接続する内線電話システムを提供し、内線電話システムの利便性を向上させることが可能となる。
図2は、携帯端末2の概略構成の一例を示す図である。
携帯端末2は、他の携帯端末2又は固定内線電話13と接続し、ユーザ間の内線通話を可能とするとともに、無線LANによる通信機能を有する通信装置である。携帯端末2は、例えば携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、タブレットPC等である。また、携帯端末2は、管理サーバ4に接続し、電話帳管理テーブルから所望の情報を検索する電話帳検索要求を行うとともに、管理サーバ4に他の携帯端末2又は固定内線電話13との通信の確立を要求する。そのために、携帯端末2は、第1端末通信部21と、第2端末通信部22と、端末記憶部23と、操作部24と、表示部25と、音声処理部26と、マイク27と、スピーカ28と、端末処理部29とを有する。
第1端末通信部21は、主に2.4GHz帯、5GHz帯等を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有し、基地局8との間でIEEE802.11規格の無線通信方式に基づいて無線通信を行う。そして、第1端末通信部21は、基地局8から受信したデータを端末処理部29に供給する。また、第1端末通信部21は、端末処理部29から供給されたデータを基地局8に送信する。
第2端末通信部22は、主に2.1GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を有し、携帯端末2を携帯電話ネットワークに接続する。第2端末通信部22は、基地局8により割り当てられるチャネルを介して、基地局8との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局8との間で通信を行う。そして、第2端末通信部22は、基地局8から受信したデータを端末処理部29に供給する。また、第2端末通信部22は、端末処理部29から供給されたデータを基地局8に送信する。
端末記憶部23は、例えば、半導体メモリを有する。端末記憶部23は、端末処理部29での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部23は、ドライバプログラムとして、第1端末通信部21を制御する無線通信デバイスドライバプログラム、第2端末通信部22を制御する携帯電話通信デバイスドライバプログラム、操作部24を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部25、音声処理部26、マイク27及びスピーカ28を制御する出力デバイスドライバプログラム、内線電話通信システム1における携帯端末2の各種機能を実現する内線電話プログラム等を記憶する。
また、端末記憶部23は、オペレーティングシステムプログラムとして、IEEE802.11規格の無線通信方式を実行する接続制御プログラム、携帯端末の接続制御プログラム等を記憶する。また、端末記憶部23は、アプリケーションプログラムとして、ウェブページの取得及び表示を行うウェブブラウザプログラム、電子メールの送信及び受信を行う電子メールプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部23にインストールされてもよい。
操作部24は、携帯端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の入力装置、キーパッド等である。ユーザは、このデバイスを用いて、文字、数字等を入力することができる。操作部24は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、端末処理部29に入力される。
表示部25は、出力部の一例であり、動画像、静止画像等の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部25は、端末処理部29から供給される動画像データに応じた動画像、静止画像データに応じた静止画像等を出力する。
音声処理部26は、マイク27に入力される音声信号及びスピーカ28から出力される音声信号の処理を実行する。
端末処理部29は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。端末処理部29は、携帯端末2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部29は、携帯端末2の各種処理が端末記憶部23に記憶されているプログラム、操作部24の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、第1端末通信部21、第2端末通信部22、表示部25、音声処理部26等の動作を制御する。端末処理部29は、端末記憶部23に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
特に、端末記憶部23には、内線電話プログラムが記憶されており、端末処理部29が、内線電話プログラムを読み出して実行することで、内線電話通信システム1における携帯端末2の各種機能(電話帳検索、内線接続等)が実現される。また、内線電話プログラムには、管理サーバ4のIPアドレス、共通鍵、及び携帯端末2毎にそれぞれ異なる内線電話プログラム識別情報が組み込まれている。なお、端末処理部29は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
端末処理部29は、閲覧実行部291と、要求送信部292と、暗号化処理部293とを有する。端末処理部29が有するこれらの各部は、端末処理部29が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、端末処理部29が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして携帯端末2に実装されてもよい。
図3は、管理サーバ4の概略構成の一例を示す図である。
管理サーバ4は、内線電話システム3の制御及び管理を実行するコンピュータの一例である。管理サーバ4は、携帯端末2との通信の接続を確立するための認証処理、接続が確立された携帯端末2からの電話帳検索要求に対する電話帳検索処理、並びに、携帯端末2間又は携帯端末2と固定内線電話13との間で内線接続する処理等を実行する。そのために、管理サーバ4は、電話通信網接続部41と、IP網接続部42と、記憶部43と、処理部44と、通信制御部45とを備える。
電話通信網接続部41は、管理サーバ4を電話通信網16に接続するための通信インターフェース回路を有する。電話通信網接続部41は、携帯端末2aから移動体通信網7a及び電話通信網16を介して送信された音声信号を受信し、電話通信網16及び移動体通信網7aを介して携帯端末2aに音声信号を送信する。また、企業PBX12及び電話通信網16を介して固定内線電話13と音声信号を送受信する。
IP網接続部42は、管理サーバ4をIP通信網15に接続するための通信インターフェース回路を有する。IP網接続部42は、携帯端末2b,2cから移動体通信網7b,7c及びIP通信網15を介して送信された音声パケットを受信し、IP通信網15及び移動体通信網7b,7cを介して携帯端末2b,2cに音声パケットを送信する。また、携帯端末2a,2b及び2c並びにPC14からIP通信網15を介して受信したデータを、処理部44に渡す(携帯端末2aと管理サーバ4との間のIP通信網は図示せず。)。また、IP網接続部42は、処理部44から受け取ったデータを、携帯端末2a,2b及び2c並びにPC14にIP通信網を介して送信する。
記憶部43は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。記憶部43は、処理部44での処理に用いられるアプリケーションプログラム、データ等を記憶する。さらに、記憶部43は、所定の処理に係る一時的なデータを、一時的に記憶してもよい。
処理部44は、1個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部44は、管理サーバ4の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPUである。即ち、処理部44は、管理サーバ4の各種の処理が記憶部43に記憶されているソフトウェア等に応じて適切な手順で実行されるように、IP網接続部42等の動作を制御する。処理部44は、記憶部43に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部44は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム、ソフトウェア等)を並列で実行することができる。
処理部44は、制御部441と、接続要求処理部442と、電話帳検索部443と、内線接続部444とを有する。処理部44が有するこれらの各部は、処理部44が有するプロセッサ上で実行されるアプリケーションプログラムにより実装される機能モジュールである。あるいは、処理部44が有するこれらの各部は、ファームウェアとして管理サーバ4に実装されてもよい。
通信制御部45は、1個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。通信制御部45は、電話通信網接続部41を介して送受信する音声信号及びIP網接続部42を介して送受信する音声パケットを制御するCPUであっても、ハードウェアモジュールであってもよい。
通信制御部45は、音声変換部451と、接続先制御部452とを有する。音声変換部451は、電話通信網接続部41を介して受信した音声信号を、IP通信網15を介して送信する場合には、音声パケットに変換し、IP網接続部42を介して受信した音声パケットを、電話通信網接続部41を介して送信する場合には、音声信号に変換する。
接続先制御部452は、後述する内線接続処理において、着呼側の装置が、携帯端末2a,2b及び2c並びに固定内線電話13の何れかであるのかを、接続要求に基づいて判断して着呼側の装置に接続する処理を行う。
以下、図4に示す電話帳管理テーブルの詳細について説明する。
図4は、データベース6が記憶する電話帳管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。電話帳管理テーブルには、各携帯端末2について、ユーザID、内線番号、本社/支社、所属、氏名及び外線電話番号が互いに関連付けて記憶される。
ユーザIDは、各携帯端末を所有するユーザを一意に識別するための識別情報である。内線番号は、内線電話通信システム1において用いられる各携帯端末2に対応する内線電話番号である。本社/支社は、内線電話通信システム1を使用する企業において、ユーザが所属する本社、支社、支店又はグループ会社等を識別するための識別情報である。所属は、内線電話通信システム1を使用する企業において、ユーザが所属する組織を識別するための識別情報である。この識別情報は、例えば、本社であれば、経営本部、営業本部、企画本部及び開発本部等を識別するための識別情報が含まれ、各本部を更に細分する部署(課及び係)を識別するための識別情報を含むようにしてよい。氏名は、ユーザの氏名である。外線電話番号は、各携帯端末2に対応する外線電話番号である。
図5は、内線電話通信システム1の動作シーケンスの一例を示す図である。図5に示す動作シーケンスは、携帯端末2と管理サーバ4との接続処理、及び、電話帳検索処理の一例である。
以下に説明する動作シーケンスは、携帯端末2及び管理サーバ4において、予め各装置の記憶部に記憶されているプログラムに基づき主に各装置の制御部により各装置の各要素と協働して実行される。
最初に、携帯端末2の閲覧実行部291は、携帯端末2のユーザの指示に従って、接続要求画面を表示部25に表示する(ステップS101)。接続要求画面の表示処理は、端末処理部29が有するプロセッサが端末記憶部23に記憶されている内線電話プログラムを読み込むことで、プロセッサにより実行される。
ここで、図9(a)に示す接続要求画面900について説明する。接続要求画面900には、内線電話システム3の管理サーバ4に対して接続を要求するための接続要求ボタン901が表示される。
図5の説明に戻り、次に、ユーザ操作により、携帯端末2の操作部24を介して接続要求ボタン901が指定されると、要求送信部292は、第1端末通信部21を介して管理サーバ4に接続要求を送信する(ステップS102)。要求送信部292は、端末処理部29のプロセッサが内線電話プログラムを実行する際に、内線電話プログラムから管理サーバ4のIPアドレス及び内線電話プログラム識別情報を取得する。要求送信部292は、携帯端末2の外線電話番号、パスワード及び内線電話プログラム識別情報を含む接続要求を、取得したIPアドレスに基づいて管理サーバ4に送信する。
管理サーバ4の接続要求処理部442は、IP網接続部42を介して接続要求を携帯端末2から受信する。接続要求処理部442は、接続要求を受信すると、接続要求に含まれる外線電話番号、パスワード及び内線電話プログラム識別情報を取得する。そして、接続要求処理部442は、取得した外線電話番号、パスワード及び内線電話プログラム識別情報を含む認証要求を、データベース6に送信する(ステップS103)。
データベース6において、認証要求に含まれる外線電話番号及びパスワードが、互いに対応付けられて記憶され、且つ、内線電話プログラム識別情報が記録された正規のものである場合は、外線電話番号を含む証明書を作成する(ステップS104)。データベース6は、作成した証明書を管理サーバ4に送信する(ステップS105)。
管理サーバ4の接続要求処理部442は、データベース6から証明書を受信すると、IP網接続部42を介して、鍵を含む証明書を、接続要求を送信した携帯端末2に送信する(ステップS106)。
携帯端末2の暗号化処理部293は、第1端末通信部21を介して管理サーバ4から証明書を受信すると、端末記憶部23に記憶された内線電話プログラムに組み込まれた共通鍵を取得する。暗号化処理部293は、証明書に含まれる鍵を、取得した共通鍵を用いて暗号化する(ステップS107)。
暗号化処理部293は、暗号化された鍵を、第1端末通信部21を介して管理サーバ4に送信する(ステップS108)。
管理サーバ4の接続要求処理部442は、暗号化された鍵を受信すると、記憶部43に記憶されている共通鍵を用いて、鍵を復号し、鍵が真なるものであるか否か判定する。鍵が真なるものである場合、接続要求処理部442は、認証が成功したと判定し、携帯端末2と管理サーバ4との通信(仮想パス)を確立する(ステップS109)。以後、携帯端末2と管理サーバ4との通信は、IPパケット全体に対してトンネリングが施され、新たなIPヘッダを付加して送信する。その際には、IPパケット全体が、共通鍵で暗号化される。
通信が確立すると、端末装置2の閲覧実行部291は、電話帳検索画面を表示部25に表示する(ステップS110)。ここで、図9(b)に示す電話帳検索画面910について説明する。電話帳検索画面910には、通信確立表示911、通信確立マーク912、キー部913、検索テキストボックス914及び検索開始ボタン915が表示される。
通信確立表示911は、通信が確立されたことを示す表示であり、接続要求画面900において表示された接続要求ボタン901の位置に表示される。通信確立マーク912は、通信確立表示911と同様に、通信が確立されたことを示すマークである。キー部913には、1〜9、*、0(ゼロ)及び#が表示されたキーが含まれる。ユーザ操作により操作部24を介してキー部913の各キーが指定されたことに応じて、各キーに対応した文字列が入力される。なお、キー部913の各キーと文字列との対応関係は、携帯電話及び多機能携帯電話等において公知の対応関係を用いる。
検索テキストボックス914には、ユーザ操作により操作部24を介してキー部913の各キーが指定されたことに応じて入力された文字列が表示される。また、検索テキストボックス914内の右端に、検索開始ボタン915が表示される。ユーザ操作により操作部24を介して、検索開始ボタン915が押下されると、検索テキストボックス914に入力された文字列による検索が開始される。
図5の説明に戻り、次に、ユーザ操作により、検索テキストボックス914に文字列が入力され、検索開始ボタン915が押下されると、携帯端末2の閲覧実行部291は、第1端末通信部21を介して管理サーバ4に、検索要求を送信する(ステップS111)。検索要求には、検索開始ボタン915が押下された際に検索テキストボックス914に入力された文字列が含まれる。
管理サーバ4の電話帳検索部443は、IP網接続部42を介して検索要求を受信すると、データベース6に、検索要求に含まれる文字列とともにデータベース検索要求を送信する(ステップS112)。データベース6は、受信したデータベース検索要求に従い、受信した文字列に対応する、氏名、ユーザID及び内線番号を検索する(ステップS113)。データベース6は、検索結果としてユーザID及び氏名を、管理サーバ4に送信する(ステップS114)。なお、管理サーバ4の電話帳検索部443が行う検索要求の送信と、検索結果の受信は、ディレクトリサービスにアクセスするためのプロトコルであるLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)を用いて実行される。
管理サーバ4の電話帳検索部443は、IP網接続部42を介して検索結果を受信すると、検索要求を送信した携帯端末2に、受信した検索結果を送信する(ステップS115)。
携帯端末2の閲覧実行部291は、第1端末通信部21を介して管理サーバ4から検索結果を受信し、受信した検索結果に基づいて電話帳検索結果画面を表示部25に表示する(ステップS116)。ここで、図10に示す電話帳検索結果画面1000について説明する。電話帳検索結果画面1000には、検索テキストボックス1001及び検索結果1002が表示される。ユーザが、操作部24を介して、検索結果1002のいずれか一つが指定されると、ユーザの携帯端末2と指定された検索結果1002に対応する携帯端末2又は固定内線電話13とが内線接続される。
検索テキストボックス1001は、電話帳検索画面910に表示された検索テキストボックス914と同一の表示である。検索結果1002には、閲覧実行部291によって検索結果として受信した氏名が表示される。
内線電話プログラムを記憶した携帯端末2は、上述した携帯端末2と管理サーバ4との接続処理により、異なる移動通信事業者が管理及び運営する内線管理システムへの接続が可能となる。また、携帯端末2は、上述した電話帳検索処理により、電話帳管理テーブルを端末記憶部23に記憶させる必要がなく、携帯端末2の紛失等による電話帳管理テーブルの情報漏えいを未然に防止することができる。
図6は、内線電話通信システム1の動作シーケンスの一例を示す図である。図6に示す動作シーケンスは、携帯端末2と他の携帯端末2との間の内線接続処理の一例である。
以下に説明する動作シーケンスは、携帯端末2及び管理サーバ4において、予め各装置の記憶部に記憶されているプログラムに基づき主に各装置の制御部により各装置の各要素と協働して実行される。
最初に、携帯端末2の閲覧実行部291は、電話帳検索結果画面を表示部25に表示する(ステップS201)。このステップS201は、図5に示したシーケンス図におけるステップS116と同一の処理である。
図10に示す電話帳検索結果画面1000に表示された検索結果1002のいずれか一つが指定されると、携帯端末2の閲覧実行部291は、内線接続要求を、第1端末通信部21を介して管理サーバ4に送信する(ステップS202)。内線接続要求は、指定された氏名に対応するユーザIDと携帯端末2の外線電話番号とを含む。
管理サーバの内線接続部444は、IP網接続部42を介して内線接続要求を携帯端末2から受信すると、内線接続要求に含まれるユーザIDを含む接続先検索要求をデータベース6に送信する(ステップS203)。
データベース6は、管理サーバ4から受信した接続先検索要求に含まれるユーザIDに基づいて電話帳管理テーブルから内線番号を検索結果として取得する(ステップS204)。データベース6は、検索結果として取得した内線番号を管理サーバ4に送信する(ステップS205)。
管理サーバ4の内線接続部444は、取得した内線番号に対応する他の携帯端末2に、内線接続要求を送信した携帯端末2との内線接続の接続要求を送信する(ステップS206)。他の携帯端末2から接続が了承されると、携帯端末2と他の携帯端末2とが内線接続する(ステップS207)。内線接続が終了すると、接続の終了(開放要求)が送信される(ステップS208)。
上述した携帯端末2と他の携帯端末2との内線接続処理において、発呼側の携帯端末2と着呼側の携帯端末2が、ともに携帯端末2aである場合、接続先制御部452は、移動体通信網7aと管理サーバ4とを電話通信網16を介して内線接続する。また、発呼側の携帯端末2及び着呼側の携帯端末2の両者、又は、いずれか一方が、携帯端末2b又は2cである場合、接続先制御部452は、移動体通信網7b又は7cと管理サーバ4とをIP通信網を介して内線接続する。このように、内線電話システム3を提供する移動通信事業者Aの携帯端末2a同士の内線通話は、電話通信網16を使用するため、音声品質を保つことができる。
上述した内線接続処理により、電話通信網16に比べて音声品質は低下するものの、携帯端末2aは、他移動通信業者B,Cの携帯端末2b,2cとの内線接続が可能となる。また、移動通信業者Aが運営及び管理する内線電話システム3によって、他移動通信業者B,Cの携帯端末2b,2c同士の内線接続が可能となる。
図7は、内線電話通信システム1の動作シーケンスの一例を示す図である。図7に示す動作シーケンスは、携帯端末2と固定内線電話13との間の内線接続処理の一例である。
以下に説明する動作シーケンスは、携帯端末2及び管理サーバ4において、予め各装置の記憶部に記憶されているプログラムに基づき主に各装置の制御部により各装置の各要素と協働して実行される。
図7に示す動作シーケンスのステップS301〜S305は、図6に示す動作シーケンスのステップS201〜S205と同一であるため、その説明を省略する。
管理サーバ4の内線接続部444は、ステップS305において検索結果として取得した内線番号が固定内線電話13に対応する場合、企業PBX12に固定内線電話13への内線接続の接続要求を内線番号とともに送信する(ステップS306)。企業PBX12は、受信した接続要求を、ともに受信した内線番号に対応する固定内線電話13に送信する(ステップS307)。
固定内線電話13から接続が了承されると、携帯端末2と固定内線電話13とが内線接続する(ステップS308)。内線接続が終了すると、接続の終了(開放要求)が送信される(ステップS309)。
上述した携帯端末2と固定内線電話13との内線接続処理において、発呼側の携帯端末2が、携帯端末2aである場合、接続先制御部452は、移動体通信網7aと管理サーバ4とを電話通信網16を介して内線接続する。また、発呼側の携帯端末2が、携帯端末2b又は2cである場合、接続先制御部452は、移動体通信網7b又は7cと管理サーバ4とをIP通信網を介して内線接続する。このように、内線電話システム3を提供する移動通信事業者Aの携帯端末2aと固定内線電話13との内線通話は、電話通信網16を使用するため、音声品質を保つことができる。また、上述した内線接続処理により、電話通信網16に比べて音声品質は低下するものの、固定内線電話13は、他移動通信業者B,Cの携帯端末2b,2cとの内線接続が可能となる。
なお、固定内線電話13が発呼する場合、固定内線電話13のメモリ(図示せず)に記憶された内線電話情報に基づいて、企業PBX12を介して管理サーバ4に接続され、上述のステップS303〜S305が実行される。内線番号に対応する着呼端末が、携帯端末2である場合は、図6のステップS206〜S208が実行される。また、内線番号に対応する着呼端末が、固定内線電話13である場合は、上述のステップS306〜S309が実行される。
図8は、内線電話通信システム1の動作シーケンスの一例を示す図である。図8に示す動作シーケンスは、PC14と管理サーバ4とによる電話帳編集処理の一例である。
以下に説明する動作シーケンスは、PC14及び管理サーバ4において、予め各装置の記憶部に記憶されているプログラムに基づき主に各装置の制御部により各装置の各要素と協働して実行される。
PC14は、ユーザの操作指示に応じて、管理サーバ4に編集画面要求を送信する(ステップS401)。管理サーバ4は、IP網接続部42を介してPC14から編集画面要求を受信すると、編集画面を表示するための編集画面表示データをPC14に送信する(ステップS402)。PC14は、管理サーバ4から編集画面表示データを受信すると、表示部(図示せず)に編集画面を表示する。
ここで、図11(a)に示す編集画面1100について説明する。編集画面1100には、新規登録ボタン1101、登録変更ボタン1102、及び登録削除ボタン1103が表示される。ユーザの指定操作に応じて、新規登録ボタン1101が押下されると、図11(b)に示される新規登録画面1110が表示される。ユーザの指定操作に応じて、登録変更ボタン1102が指定されると、図12に示される変更選択画面1200が表示される。ユーザの指定操作に応じて、登録削除ボタン1103が指定されると、削除選択画面(図示せず)が表示される。
新規登録画面1110を表示するための表示データ、変更選択画面1200を表示するための表示データ及び削除選択画面を表示するための表示データは、編集画面表示データに含ませてもよい。また、これらの表示データは、ユーザの指定操作に応じた、新規登録ボタン1101、登録変更ボタン1102、及び登録削除ボタン1103の押下によって、管理サーバ4に要求するようにしてもよい。
図11(b)に示す新規登録画面1110には、本社/支社を選択するためのドロップダウンメニュー1111、所属を選択するためのドロップダウンメニュー1112、氏名を入力するための氏名テキストボックス1113、内線番号を入力するための内線番号テキストボックス1114、外線電話番号を入力するための外線番号テキストボックス1115、登録ボタン1116及びキャンセルボタン1117が表示される。
ドロップダウンメニュー1111には、内線電話通信システム1を使用する企業における本社、支社、支店又はグループ会社等の名称が選択できるように表示される。ドロップダウンメニュー1112には、内線電話通信システム1を使用する企業における本社、支社、支店又はグループ会社毎の組織名称が選択できるように表示される。氏名テキストボックス1113、内線番号テキストボックス1114及び外線番号テキストボックス1115は、それぞれ氏名、内線番号及び外線電話番号が入力できるように表示される。
ユーザの操作指示に応じて、登録ボタン1116が押下されると、ドロップダウンメニュー1111及びドロップダウンメニュー1112において選択された項目、並びに、氏名テキストボックス1113、内線番号テキストボックス1114及び外線番号テキストボックス1115において入力された項目を含む電話帳編集要求が、管理サーバ4に送信される。
図12に示す変更選択画面1200には、登録内容を変更するユーザの氏名を選択可能に表示したユーザ選択部1201、ユーザ選択部1201の中のユーザから一のユーザを選択する選択カーソル1202及び選択ボタン1203が表示される。ユーザ選択部120には、データベース6に記憶される電話帳管理テーブルに含まれる全てのユーザの氏名が表示される。選択カーソル1202によって、ユーザ選択部120によって表示されたユーザのうちの一のユーザを選択することができる。選択カーソル1202によって、ユーザが選択され、選択ボタン1203がユーザの指定操作によって押下されると、図11(b)の新規登録画面1110が表示される。なお、この場合、新規登録画面1110の画面タイトルは、「電話帳の新規登録」から「電話帳の変更」に変更されて表示される。
表示された新規登録画面1110の本社/支社を選択するためのドロップダウンメニュー1111、所属を選択するためのドロップダウンメニュー1112、氏名を入力するための氏名テキストボックス1113、内線番号を入力するための内線番号テキストボックス1114、外線電話番号を入力するための外線番号テキストボックス1115には、それぞれ選択されたユーザの情報が表示される。ユーザの選択又は/及び入力操作によって、登録内容が変更され、ユーザの操作指示に応じて、登録ボタン1116が押下されると、選択又は/及び入力された項目を含む電話帳編集要求が、管理サーバ4に送信される。
削除選択画面は、図12に示す変更選択画面1200と同様の画面であり、画面タイトルの「電話帳の変更」が、「電話帳から削除」に変更されて表示される。選択カーソル1202によって、ユーザが選択され、選択ボタン1203がユーザの指定操作によって押下されると、削除対象として選択されたユーザのユーザIDを含む電話帳編集要求が管理サーバ4に送信される。
上述したように、PC14が管理サーバ4に電話帳編集要求を送信すると(ステップS404)、管理サーバ4は、電話帳編集要求を受信し、受信した電話帳編集要求をデータベース6に送信する(ステップS405)。データベース6は、受信した電話帳編集要求及び電話帳編集要求に含まれる各種情報に基づいて、データベース6を編集する(ステップS406)。
データベース6は、編集した結果を管理サーバ4に送信し(ステップS407)、管理サーバ4は、受信した編集結果を含めた編集結果画面表示データをPC14に送信する(ステップS408)。PC14は、受信した編集結果表示データに基づいて編集結果画面を表示部に表示する。
上述したPC14と管理サーバ4とによる電話帳編集処理により、内線電話通信システム1のユーザは、各自で電話帳管理テーブルをリバイスする必要がなく、内線電話通信システム1を使用する企業の人事管理部門が、電話帳テーブルを管理することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、携帯端末2’は、自身の位置情報を受信し、受信した位置情報を管理サーバ4’に送信する機能を有する。携帯端末2’と内線接続する他の携帯端末2’及び固定内線電話13’は、管理サーバ4’から送信された携帯端末2’の位置情報を表示することができる。
図13は、自身の位置情報を受信し、受信した位置情報を管理サーバ4’に送信する機能を有する携帯端末2’の概略構成の一例を示す図である。図13において、図2に示す携帯端末2と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
携帯端末2’は、図2に示した各部に加えて、さらに位置情報受信部30’を有する。位置情報受信部27’は、航法衛星から受信した信号に基づいて携帯端末2’の位置情報を受信するGPS受信機を有する。
端末処理部29’は、図2に示す端末処理部29が有する各部に加えて、位置情報送信部294’を有する。位置情報送信部294’は、位置情報受信部30’が受信した位置情報を管理サーバ4’に送信する。
図14は、携帯端末2’から位置情報を受信する管理サーバ4’の概略構成の一例を示す図である。図14において、図3に示す管理サーバ4と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
管理サーバ4’の処理部44’は、図3に示した各部に加えて、さらに位置情報管理部445’及び地図情報提供部446’を有する。位置情報管理部445’は、IP網接続部42を介して携帯端末2’から受信した携帯端末2’の位置情報を取得する。また、位置情報管理部445’は、複数の基地局8から受信した位置情報に基づいて算出した携帯端末2’aの位置情報を取得する。位置情報管理部445’は、携帯端末2’aの位置情報は、携帯端末2’aから受信した位置情報と複数の基地局8から受信した位置情報に基づいて算出した位置情報との両者の情報に基づいて算出する。なお、管理サーバ4’は、他移動通信事業者から位置情報を取得できないため、携帯端末2’b及び2’cの位置情報は、携帯端末2’b及び2’cから受信した位置情報である。
位置情報管理部445’は、携帯端末2’の位置情報をデータベース6に送信し、データベース6は、携帯端末2’の内線情報に対応付けて受信した位置情報を蓄積する。
携帯端末2’又は固定内線電話13’が、他の携帯端末2’と内線接続した場合、管理サーバ4’の地図情報提供部446’は、他の携帯端末2’の位置情報を示すマークが重畳表示された地図情報を、他の携帯端末2’と内線接続した携帯端末2’又は固定内線電話13’に送信する。すなわち、地図情報提供部446’は、他の携帯端末2’の位置情報をデータベース6から受信し、受信した位置情報を示すマークを地図画像上に重畳表示した地図情報を作成し、作成した地図情報を送信する。
なお、地図画像は、管理サーバ4’の記憶部43に記憶した地図画像を使用しても、外部のWeb(World Wide Web)地図サイトの地図画像を取得してもよい。また、地図情報提供部446’が地図情報を送信するタイミングは、内線接続した場合の他、ユーザの携帯端末2’の操作に応じて行うようにしてもよい。その場合、位置を知りたい携帯端末2’を指定することができる。
図15は、携帯端末2’又は固定内線電話13’が、他の携帯端末2’と内線接続した場合に、他の携帯端末2’の位置情報を示すマークを地図画像上に重畳表示した地図情報を表示した地図表示画面1500の一例である。
地図表示画面1500には、内線接続先の他の携帯端末2’のユーザを表示する内線接続先情報表示1501、地図画像1502及び内線接続先の他の携帯端末2’の位置情報を示すマーク1503が表示される。
他の携帯端末2’が、移動通信事業者Aの携帯端末である場合は、高精度の位置情報に基づくマーク1503が地図画像上に重畳表示され、他の携帯端末2’が、他移動通信事業者B,Cである場合は、GPS信号に基づく位置情報が地図画像上に重畳表示される。
第2実施形態では、他の携帯端末2’が、自身の位置情報を管理サーバ4’に送信し、他の携帯端末2’と内線接続する携帯端末2’及び固定内線電話13’が、管理サーバ4’から受信した他の携帯端末2’の位置情報を表示することができるため、他の携帯端末2’を所有する社員と内線通話する場合、当該社員の位置を確認することができ、極めて有用な内線電話システムを提供することができる。なお、他の携帯端末2’と内線接続する場合は、位置情報を通知するように構成するが、他の携帯端末2’又は固定電話と外線通話する場合は、位置情報の表示を許可しない。このように構成することで、社員間との通話では、位置情報の共有を実現しつつ、社員以外との通話では、位置情報の流出を防ぐことが可能となる。
以上説明してきたように、内線電話システム3は、移動通信事業者B,Cの移動体通信網7b,7cと接続可能な携帯端末2b,2c及び移動通信事業者Aの移動体通信網7aと接続可能な携帯端末2aと、内線通信網11と接続される固定内線電話13とを接続し、管理サーバ4は、移動体通信網7b,7cとIP通信網15を介して接続するとともに、移動体通信網7aと電話通信網16を介して接続し、データベース6は、携帯端末2a,2b及び2c、並びに、固定内線電話13の内線番号情報を記憶し、呼処理サーバ5は、管理サーバ4と接続され且つ内線通信網11と接続する、そして、データベース6に記憶された携帯端末2b,2cの内線番号情報を用いて、固定内線電話13からの音声通信を、IP通信網15を介して移動体通信網7b,7cの携帯端末2b,2cと接続し、データベース6に記憶された携帯端末2aの内線番号情報を用いて、固定内線電話13からの音声通信を電話通信網16を介して移動体通信網7aの携帯端末2aと接続する。これにより、異なる移動通信事業者の携帯端末同士を内線接続する内線電話システムを提供し、内線電話システムの利便性を向上させることが可能となる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、移動体通信網7aと管理サーバ4とを、電話通信網16の他にIP網を介して接続し、所定の条件に応じて、電話通信網16及びIP網の何れか一方を用いて携帯端末2aからの内線接続を行うように制御してもよい。
例えば、電話通信網が輻輳している場合、及び/又は、緊急地震速報等の緊急災害情報が送信されている場合において、内線接続部444は、IP通信網を介して内線接続するように制御してもよい。このような制限を行うことにより、管理サーバ4及び電話通信網への負荷の大幅な増大を防止できる。
また、管理サーバ4’の地図情報提供部446’は、電話通信網が輻輳している場合、及び/又は、緊急地震速報等の緊急災害情報が送信されている場合において、地図情報の送信を行わないように制御してもよい。このような制限を行うことにより、管理サーバ4及びIP網への負荷の大幅な増大を防止できる。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。