以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る液晶表示システムの概略構成の一例を示す図である。本実施形態に係る液晶表示システム100は、液晶表示装置1と、制御装置2とを含み構成される。
液晶表示装置1は、ガラス基板11上に、表示領域21と、ドライバIC3とを備え、ドライバIC3と制御装置2との間が、例えばフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等で構成される中継基板12を介して接続され、液晶表示システム100を構成している。
制御装置2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等の記憶装置を含み構成され、これらハードウェア資源を用いてプログラムを実行することにより、液晶表示装置1における各種機能を実現することができる。制御装置2は、プログラムの実行結果に応じて、液晶表示装置1に表示させる画像をドライバIC3が画像入力階調の情報として扱えるように制御する。制御装置2は、液晶表示装置1の表示動作が正常であるか否かを判定する表示動作判定を行うと共に、液晶表示装置1の表示動作が正常でない、すなわち、液晶表示装置1の表示動作が異常である場合に、所定の処理を行う機能を有している。
図2は、実施形態1に係る液晶表示装置のブロック構成の一例を示す図である。本実施形態に係る液晶表示装置1は、表示領域21と、ゲートドライバ22及びソースドライバ23と、これらゲートドライバ22及びソースドライバ23と制御装置2との間のインターフェース(I/F)及びタイミングジェネレータの機能を備える表示制御回路4と、電圧生成回路5と、動作検出回路(検出回路)6とを備えている。ここでは、ゲートドライバ22、ソースドライバ23、表示制御回路4、電圧生成回路5、及び動作検出回路6は、図1に示すドライバIC3に含まれるものとするが、これに限るものではない。
表示領域21は、複数の画素PixがM行×N列に配置されたマトリクス(行列状)構成を有している。なお、この明細書において、行とは、一方向に配列されるN個の画素Pixを有する画素行をいう。また、列とは、行が配列される方向と直交あるいは交差する方向に配列されるM個の画素Pixを有する画素列をいう。そして、MとNとの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて定まる。
各画素Pixは、TFT素子Tr及び液晶素子LCを有して構成される。また、各画素Pixは、液晶素子LCと並列に容量性素子Cstが形成される。
表示領域21は、画素PixのM行N列の配列に対して、各行毎に走査線が配線され、各列毎に信号線が配線されている。各走査線には、ゲートドライバ22からそれぞれ走査信号Vscan(1,2,・・・,M)が供給される。各信号線には、ソースドライバ23からそれぞれ画素信号Vpix(1,2,・・・,N)が供給される。走査信号Vscan(1,2,・・・,M)は、各画素Pixを構成するTFT素子Trのゲートに供給される。画素信号Vpix(1,2,・・・,N)は、各画素Pixを構成するTFT素子Trのソースに供給される。
各画素PixのTFT素子Trのドレインには、液晶素子LC及び容量性素子Cstの一端が接続されている。各画素Pixの液晶素子LC及び容量性素子Cstの他端は、表示領域21の全領域に亘り形成された共通電極COMに接続されている。本実施形態において、共通電極COMは、表示領域21の全画素Pixに共通に設けられた透明電極であり、この共通電極COMに設けられた共通電圧印加位置Aに、電圧生成回路5から一定の共通電圧VcomDCが印加される。すなわち、本実施形態における液晶表示装置1は、いわゆるコモンDC方式の液晶表示デバイスである。
なお、図2に示す例では、共通電極COMが表示領域21の全画素Pixに共通に設けられた例を示したが、各列毎、あるいは複数列毎に分割して複数の共通電極COMが設けられた構成であってもよい。また、容量性素子Cstの他端は共通電極COM以外の所定の電位を供給する配線に接続されてもよい。
また、液晶表示装置1は、フレーム毎に共通電極COMに印加する電圧を反転させる、いわゆるコモン反転方式の液晶表示デバイスであってもよい。
動作検出回路6には、画素信号Vpixの変動に応じた共通電極COMの電位の変動を検出するため、画素信号Vpixの変動に同期したクロック信号CLKが表示制御回路4から入力される。尚、動作検出回路6には、共通電極COMの電位の変動の読み込み漏れを防止するために、内部信号の遅延時間やばらつきを考慮したクロック信号CLKが入力される。すなわち、クロック信号CLKは、電位変動成分検出信号VcomDETを読み込むためのクロックエッジ(例えば立ち上がりエッジ)が画素信号Vpixの電圧変動エッジ(立ち上がりエッジあるいは立下りエッジ)よりも微小時間遅れて入力される。動作検出回路6には、電圧生成回路5からは共通電極COMに印加される共通電圧VcomDCが入力され、共通電極COMの共通電圧印加位置Aから離れた共通電圧検出位置Bから検出した共通電圧検出信号VcomINが入力されている。ここで共通電極COMの共通電圧印加位置Aには、電圧生成回路5から所定の電圧が供給されているが、共通電極COMは所定のインピーダンスを有するため画素信号Vpixの電圧変動により共通電圧検出位置Bの電位も変動する。また、動作検出回路6は、動作検出回路6の出力結果を出力するか否かを選択する動作検出可否信号DetEnableが制御装置2から入力される。さらに、動作検出回路6は、後述する電位変動検出部61における閾値Thを設定するための閾値設定信号ThLEVを入力する構成としてもよい。
図3は、実施形態1に係る液晶表示装置における動作検出回路のブロック構成の一例を示す図である。
動作検出回路6は、電位変動検出部61と、動作状態信号生成部62とを備えている。
電位変動検出部61は、一例として、コンパレータ回路および閾値を設定するための抵抗を有し、共通電極COMの電圧が供給されるVcomDC端子の電圧及び各抵抗値により閾値が決まる構成としている。電位変動検出部61は、制御装置2内部のレジスタ設定により閾値設定信号ThLEVの値が設定可能とされ、閾値設定信号ThLEVにより可変抵抗の抵抗値を設定することにより電位変動検出部61の閾値Thを適宜設定することが可能となる。電位変動検出部61は、共通電圧検出信号VcomINから閾値Thを超える電位変動成分を抽出し、電位変動成分検出信号VcomDETを出力する。なお、図2及び図3に示す例では、閾値設定信号ThLEVは制御装置2から入力される構成としているが表示制御回路4から入力される構成としてもよい。
動作状態信号生成部62は、電位変動検出部61から出力された電位変動成分検出信号VcomDETを加工し、液晶表示装置1の動作状態を示す動作状態検出信号VcomMONを生成して制御装置2に出力する機能を有している。
図3に示す例では、動作状態信号生成部62は、レベル変換部(LS)621、論理演算部622、AND演算部623、及びレベル変換部(LS)624を備えている。
レベル変換部621は、電位変動検出部61の出力である電位変動成分検出信号VcomDETの電圧レベルを後段の論理演算部622のデジタル信号で扱える電圧レベルに変換して出力する機能ブロックである。
論理演算部622は、電位変動検出部61により検出された電位変動成分検出信号VcomDETを取り込むための回路を有する。論理演算部622に入力されるクロック信号CLKは、電位変動成分検出信号VcomDETに同期した信号とすることで、電位変動成分検出信号VcomDETを取り込むことができる。更に、共通電極COMの電位の変動の読み込み漏れを防止するために、内部信号の遅延時間やばらつきを考慮したクロック信号CLKが入力される。すなわち、クロック信号CLKは、電位変動成分検出信号VcomDETを読み込むためのクロックエッジ(例えば立ち上がりエッジ)が画素信号Vpixの電圧変動エッジ(立ち上がりエッジあるいは立下りエッジ)及び電位変動成分検出信号VcomDETよりも微小時間遅れて入力される。なお、クロック信号CLKの立下がりエッジで電位変動成分検出信号VcomDETを読み込むようにしてもよい。論理演算部622は、例えばフリップフロップとされる。論理演算部622は、後述するように、一例として、共通電圧Vcomの電位変動成分を、1水平周期(1H)毎にLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号に変換する機能ブロックである。
AND演算部623は、制御装置2から入力される動作検出可否信号DetEnableに基づき、制御装置2に動作検出回路6の出力結果を出力するか否かを選択するため機能ブロックである。
レベル変換部624は、AND演算部623の出力を後段の制御装置2で扱える電圧レベルに変換し、動作状態検出信号VcomMONとして出力する機能ブロックである。
図4は、実施形態1に係る液晶表示装置の正常動作時におけるタイミングチャートの一例を示す図である。図4(a)は、ソースドライバ23から各信号線に供給される画素信号Vpixの波形を示している。図4(b)は、共通電極COMの共通電圧検出位置Bから検出される共通電圧検出信号VcomINの波形を示している。図4(c)は、電位変動検出部61から出力される電位変動成分検出信号VcomDETの波形を示している。図4(d)は、表示制御回路4から出力されるクロック信号CLKの波形を示している。図4(e)は、動作検出回路6から出力される動作状態検出信号VcomMONの波形を示している。図4(f)は、制御装置2から入力される動作検出可否信号DetEnableを示している。図4(g)は、制御装置2から入力される閾値設定信号ThLEVを示している。ここではクロック信号CLKの立ち上がりエッジで電位変動成分検出信号VcomDETを取り込んでいるが、クロック信号CLKの立下りエッジで電位変動成分検出信号VcomDETを取り込む構成としてもよい。
図5は、実施形態1に係る液晶表示装置の動作異常発生時におけるタイミングチャートの一例を示す図である。図5(a)は、ソースドライバ23から各信号線に供給される画素信号Vpixの波形を示している。図5(b)は、共通電極COMの共通電圧検出位置Bから検出される共通電圧検出信号VcomINの波形を示している。図5(c)は、電位変動検出部61から出力される電位変動成分検出信号VcomDETの波形を示している。図5(d)は、表示制御回路4から出力されるクロック信号CLKの波形を示している。図5(e)は、動作検出回路6から出力される動作状態検出信号VcomMONの波形を示している。図5(f)は、制御装置2から入力される動作検出可否信号DetEnableを示している。図5(g)は、制御装置2から入力される閾値設定信号ThLEVを示している。なお、図4(g)及び図5(g)に示す閾値設定信号ThLEVは、所定の電圧値を閾値設定信号ThLEVとして入力し、アナログ電圧により可変抵抗値を変更させる構成でもよく、デジタル値の信号により可変抵抗値を変更する構成にしてもよい。なお、可変抵抗の一例として、複数の抵抗を直列接続した抵抗ラダーの各抵抗の両端をトランジスタ等のスイッチで短絡あるいは開放することにより抵抗値を可変するものでもよいし、複数の抵抗を並列接続し各抵抗の端部を複数の抵抗の端部と接続あるいは解放することにより抵抗値を可変する構成等を用いてもよい。また、アナログ電圧により可変抵抗値を変更する一例として、可変抵抗は、複数の閾値により入力されたアナログ電圧を識別し、その識別結果に応じて可変抵抗の各トランジスタのオンオフの制御を行うことにより抵抗値を可変させるようにしてもよい。また、デジタル信号により可変抵抗値を変更する一例として、入力されたデジタル信号に応じて可変抵抗の各トランジスタをオンオフ制御するようにしてもよい。この場合、デジタル信号は、パラレル信号として入力され、各信号により各トランジスタをオンオフ制御させてもよいし、シリアル信号として入力し、シリアル−パラレル変換して各トランジスタをオンオフ制御させてもよい。
図2に示す実施形態1に係る液晶表示装置1において、画素信号Vpixが供給される信号線と共通電極COMとの間には寄生容量が生じる。また、上述したように、各画素Pixには、液晶素子LCと並列に容量性素子Cstが形成される。
実施形態1に係る液晶表示装置1の表示動作が正常である場合、上述した信号線と共通電極COMとの間に生じる寄生容量、及び、走査信号Vscanにより選択された画素Pixに形成される容量性素子Cstを介して、共通電極COMに画素信号Vpixの立ち上がり及び立ち下がりに同期して、図4(b)に示すような過渡的な電位変動成分が共通電圧VcomDCに重畳する。
一方、例えば、実施形態1に係る液晶表示装置1の表示動作に異常が発生し、正常な表示が行われていない状態では、図5(a)に示すように、画素Pixに供給すべき画素信号Vpixが出力されていないことが考えられる。この場合、図5(b)に示すように、共通電極COMに図4(b)に示すような過渡的な電位変動成分が共通電圧VcomDCに重畳しない。
本実施形態では、共通電極COMから入力された共通電圧検出信号VcomINを監視し、画素信号Vpixの立ち上がりエッジ(あるいは立下がりエッジ)に同期した過渡的な電位変動成分を検出する。これにより、実施形態1に係る液晶表示装置1の表示動作が正常であるか否かを判定することができる。
また、本実施形態では、共通電極COMから入力された共通電圧検出信号VcomINから画素信号Vpixに同期した電位変動成分を検出した場合には、動作状態検出信号VcomMONを、共通電極COMの電位変動成分を検出したことを示す第1信号(ここでは、クロック信号CLKの立ち上がりエッジでLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号、すなわち、1水平周期(1H)毎にLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号)として出力し(図4(e))、共通電極COMから入力された共通電圧検出信号VcomINから画素信号Vpixに同期した変動成分を検出していない場合には、動作状態検出信号VcomMONを、共通電極COMの電位変動成分を検出していないことを示す第2信号(ここでは、LowレベルあるいはHighレベルで固定した信号)として出力する(図5(e))。これにより、後段の制御装置2は、動作検出回路6から出力される動作状態検出信号VcomMONを監視し、液晶表示装置1の表示動作が正常であるか否かを判定する表示動作判定を行う。制御装置2は、共通電極COMの電位変動成分を検出したことを示す第1信号を検知した場合には、液晶表示装置1の表示動作が正常であるものと判定し、共通電極COMの電位変動成分を検出していないことを示す第2信号を検知した場合には、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものと判定して、所定の処理(以下、「異常時処理」ともいう)を行う。
異常時処理としては、例えば、液晶表示装置1の再起動を行う、液晶表示装置1の動作を強制終了する、複数回異常検知された場合に、以降の液晶表示装置1の起動を許可しない等の処理が考えられる。この異常時処理の手法により本発明が限定されるものではない。
また、画素信号Vpixの波高値は、表示領域21に表示される画像の階調により変化する。画素信号Vpixの波高値が変化すれば、共通電極COMにおける電圧変動レベルも変化する。上述した例では、画素信号Vpixの波高値が所定範囲以内であるものとして、共通電圧検出信号VcomINとの比較に用いる閾値Thがレジスタ設定されている例を示したが、画素信号Vpixの波高値の変化に応じたThLEV信号を制御装置2から入力して、閾値Thをダイナミック(動的)に変化させる構成とするのがより好ましい。
なお、共通電圧VcomDCに重畳する画素信号Vpixに同期した共通電極COMの電位変動成分は、共通電極COM上において電圧生成回路5から共通電圧VcomDCが入力される位置(共通電圧印加位置A)からの距離がより離れた位置で大きくなる。このため、図2に示す例において、共通電極COM上において共通電圧検出信号VcomINを検出する位置(共通電圧検出位置B)は、電圧生成回路5から共通電圧VcomDCが入力される位置(共通電圧印加位置A)からの距離がより離れた位置であるのが望ましい。
また、図4(e)に示す例では、動作状態検出信号VcomMONの一例として、1水平周期(1H)毎にLowレベルとHighレベルとが切り替わる、すなわち、表示制御回路4から1水平周期(1H)で入力されるクロック信号CLKの立ち上がりエッジでLowレベルとHighレベルとが切り替わる例を記載したが、これに限るものではないことは言うまでもない。また、共通電極COMの電位変動成分の有無を検出するものであれば、上述した例に限るものではない。
次に、図2乃至図6を参照して、実施形態1に係る液晶表示システム100における具体的な処理フローについて説明する。図6は、実施形態1に係る液晶表示システムにおける具体的な処理フローの一例を示す図である。
液晶表示装置1が動作を開始すると、動作検出回路6には、制御装置2から動作検出可否信号DetEnable(Highレベル信号)及び閾値設定信号ThLEVが入力される。閾値設定信号ThLEVが入力されることで、電位変動検出部61に閾値Thがレジスタ設定される。動作検出回路6は、共通電極COMから入力される共通電圧検出信号VcomINと閾値Thとの比較処理を行い、動作検出処理を開始する(ステップS1)。また、制御装置2は、動作状態検出信号VcomMONの監視を開始する(ステップS2)。
共通電圧検出信号VcomINが閾値Thを超えると(図4(b)のt2乃至t5の期間、t7乃至t10の期間、及びt2’乃至t5’の期間)、共通電圧検出信号VcomINが閾値Thを超えた位置で電位変動成分検出信号VcomDETがLowレベルからHighレベルに変化する(図4(c)のt2乃至t4の期間、t7乃至t9の期間、及びt2’乃至t4’の期間)。共通電圧検出信号VcomINが閾値Thを超えていないと、電位変動成分検出信号VcomDETがLowレベルのままで遷移する(図5(c))。
動作状態信号生成部62は、表示制御回路4から入力された、画素信号Vpixよりも微小時間Δt遅れて立ち上がるクロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて(図4(d)のt3,t8,t3’、図5(d)のt3,t8,t3’)、電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがHighレベルであるか否かを判定する。これにより、共通電極COMの電位変動成分を検出したか否かを判定する(ステップS3)。
クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがHighレベルである、すなわち、共通電極COMの電位変動成分を検出した場合(ステップS3;Yes)、動作状態信号生成部62は、動作検出可否信号DetEnable(Highレベル信号)に基づき、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出したことを示す第1信号(ここでは、クロック信号CLKの立ち上がりエッジでLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号、すなわち、1水平周期(1H)毎にLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号)を出力する(ステップS4)。
制御装置2は、ステップS4において出力された第1信号を検知すると(ステップS5)、液晶表示装置1の表示動作が正常であるものとして、ステップS3の処理に戻る。
クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがLowレベルである、すなわち、共通電極COMの電位変動成分を検出していない場合(ステップS3;No)、動作状態信号生成部62は、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出していないことを示す第2信号(ここでは、Lowレベルに固定した信号)を出力する(ステップS6)。
制御装置2は、ステップS6において出力された第2信号を検知すると(ステップS7)、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして、所定の異常時処理を行い(ステップS8)、本フローの処理を終了する。
以上の処理手順が実行されることにより、実施形態1に係る液晶表示装置1における表示動作の異常を検出可能となる。
なお、図4からも明らかであるように、画素信号Vpixの立ち上がりに伴いプラス側に変動する共通電圧検出信号VcomINの電位変動成分(プラス側変動成分)と、画素信号Vpixの立下がりに伴いマイナス側に変動する共通電圧検出信号VcomINの電位変動成分(マイナス側変動成分)とが存在する。本実施形態では、制御装置2から入力される閾値設定信号ThLEVとして、共通電圧検出信号VcomINのプラス側変動成分を検出するための値を設定し、共通電圧検出信号VcomINから閾値Thを超える電位変動成分、すなわち、共通電圧検出信号VcomINから閾値Thを上回る電位変動成分を抽出する例について説明したが、制御装置2から入力される閾値設定信号ThLEVとして、共通電圧検出信号VcomINのマイナス側変動成分を検出するための値を設定し、共通電圧検出信号VcomINから閾値Thを下回る電位変動成分を抽出する構成であってもよいことは言うまでもない。
以上説明したように、実施形態1に係る液晶表示装置1によれば、動作検出回路6を具備し、動作検出回路6は、信号線と共通電極COMとの間に形成される寄生容量と走査信号Vscanにより選択された各画素Pixに形成される容量性素子Cstとを介して、共通電圧VcomDCに重畳される、画素信号Vpixに同期した過渡的な電位変動成分を検出する。これにより、液晶表示装置1の表示動作が正常であるか否かを判定することができる。
また、実施形態1に係る液晶表示システム100によれば、制御装置2を具備し、制御装置2は、共通電圧VcomDCに重畳された電位変動成分が検出された場合に、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして所定の異常時処理を行う。これにより、液晶表示装置1の表示動作が異常であるときに適切な異常時処理を実施することができる。
本実施形態により、表示動作の異常を検出可能な液晶表示装置1及び液晶表示システム100を提供することができる。
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る液晶表示装置の比較例における正常動作時のタイミングチャートの一例を示す図である。なお、実施形態2に係る液晶表示システムの概略構成、液晶表示装置のブロック構成、及び液晶表示装置における動作検出回路のブロック構成については、上述した実施形態1と同様であるので、ここでの重複する説明は省略する。
図7(a)は、ソースドライバ23から各信号線に供給される画素信号Vpixの波形を示している。図7(b)は、共通電極COMの共通電圧検出位置Bから検出される共通電圧検出信号VcomINの波形を示している。図7(c)は、電位変動検出部61から出力される電位変動成分検出信号VcomDETの波形を示している。図7(d)は、表示制御回路4から出力されるクロック信号CLKの波形を示している。図7(e)は、動作検出回路6から出力される動作状態検出信号VcomMONの波形を示している。図7(f)は、制御装置2から入力される動作検出可否信号DetEnableを示している。図7(g)は、制御装置2から入力される閾値設定信号ThLEVを示している。
図8は、実施形態2に係る液晶表示装置の正常動作時におけるタイミングチャートの一例を示す図である。図8(a)は、ソースドライバ23から各信号線に供給される画素信号Vpixの波形を示している。図8(b)は、共通電極COMの共通電圧検出位置Bから検出される共通電圧検出信号VcomINの波形を示している。図8(c)は、電位変動検出部61から出力される電位変動成分検出信号VcomDETの波形を示している。図8(d)は、表示制御回路4から出力されるクロック信号CLKの波形を示している。図8(e)は、動作検出回路6から出力される動作状態検出信号VcomMONの波形を示している。図8(f)は、制御装置2から入力される動作検出可否信号DetEnableを示している。図8(g)は、制御装置2から入力される閾値設定信号ThLEVを示している。なお、図7及び図8に示す例では、実施形態1と同様に、クロック信号CLKの立ち上がりエッジで電位変動成分検出信号VcomDETの信号を取り込んでいるが、クロック信号CLKの立下りエッジで電位変動成分検出信号VcomDETの信号を取り込む構成としてもよい。
図7及び図8に示すように、1水平周期(1H)毎に画素信号Vpixの波高値が大きく変化すると、図7に示すように、制御装置2内部のレジスタ設定により閾値設定信号ThLEVの値が一定の電圧値に設定され、共通電圧検出信号VcomINとの比較に用いる閾値Thが一定値で変化しない構成では、電位変動成分検出信号VcomDETのパルス幅が変動することとなる。電位変動成分検出信号VcomDETのパルス幅が小さくなると、共通電圧検出信号VcomINが閾値Thを超えない場合や、図7に示すように、クロック信号CLKの立ち上がりエッジ(図7(d)のt3’)よりも電位変動成分検出信号VcomDETの立ち下がりエッジ(図7(c)のt4’)が早くなる場合がある。すなわち、画素信号Vpixよりも遅れて立ち上がるクロック信号CLKの立ち上がりまでの微小時間Δtよりも電位変動成分検出信号VcomDETのパルス幅が小さくなる。このとき、動作状態信号生成部62は、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出していないことを示す第2信号を出力する。つまり、液晶表示装置1の表示動作が正常である場合でも、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして誤検出する場合がある。
このため、本実施形態では、画素信号Vpixの波高値の変化(図8(a))に応じた閾値設定信号ThLEVを制御装置2から入力して(図8(g))、閾値Thをダイナミック(動的)に変化させる(図8(b))。具体的には、図8に示すように、例えば、画素信号Vpixの波高値aに対し、t1において閾値設定信号ThLEVをThLEVaとすることで、閾値ThをThaとする。また、画素信号Vpixの波高値bに対し、t6において閾値設定信号ThLEVをThLEVbとすることで、閾値ThをThbとする。また、画素信号Vpixの波高値cに対し、t1’において閾値設定信号ThLEVをThLEVcとすることで、閾値ThをThcとする。これにより、画素信号Vpixの波高値のaからbへの変化に応じて、閾値設定信号ThLEVをThLEVaからThLEVbへと変化させ、閾値ThをThaからThbへと変化させる。また、画素信号Vpixの波高値のbからcへの変化に応じて、閾値設定信号ThLEVをThLEVbからThLEVcへと変化させ、閾値ThをThbからThcへと変化させる。このようにすれば、共通電圧検出信号VcomINの検出精度を向上させることができ、画素信号Vpixの波高値の変化による電位変動成分検出信号VcomDETのパルス幅の変動を抑制することができる(図8(c))。これにより、クロック信号CLKの立ち上がりエッジ(図8(d)のt3’)よりも電位変動成分検出信号VcomDETの立ち下がりエッジ(図8(c)のt4’)が早くなることを防ぐことができる。すなわち、画素信号Vpixよりも遅れて立ち上がるクロック信号CLKの立ち上がりまでの微小時間Δtよりも電位変動成分検出信号VcomDETのパルス幅が小さくなることを防ぐことができる。このとき、動作状態信号生成部62は、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出したことを示す第1信号を出力する。つまり、液晶表示装置1の表示動作が正常である場合に、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして誤検出することを防ぐことができる。
以上説明したように、実施形態2に係る液晶表示装置1によれば、画素信号Vpixの波高値の変化に応じた閾値設定信号ThLEVを制御装置2から入力して、閾値Thをダイナミック(動的)に変化させる。これにより、共通電圧検出信号VcomINの検出精度を向上させることができる。また、実施形態2に係る液晶表示システム100において、液晶表示装置1の表示動作が正常である場合に、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして誤検出することを防ぐことができる。
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る液晶表示システムの概略構成の一例を示す図である。図10は、実施形態3に係る液晶表示装置のブロック構成の一例を示す図である。図11は、実施形態3に係る液晶表示装置における動作検出回路のブロック構成の一例を示す図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施形態1,2では、共通電極COMから入力された共通電圧検出信号VcomINを監視し、画素信号Vpixの立ち上がりエッジに同期した過渡的な電位変動成分を検出する例を示したが、本実施形態では、画素信号Vpixの立ち上がりエッジ及び立下がりエッジの双方に同期した過渡的な電位変動成分を検出する例について説明する。
図9に示すように、液晶表示装置1aは、実施形態1に係る液晶表示装置1と同様に、ガラス基板11上に、表示領域21と、ドライバIC3とを備え、ドライバIC3と制御装置2aとの間が、例えばフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等で構成される中継基板12を介して接続され、液晶表示システム100aを構成している。
図10に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置1aは、表示領域21と、ゲートドライバ22及びソースドライバ23と、表示制御回路4aと、電圧生成回路5と、動作検出回路(検出回路)6aとを備えている。図10に示す例において、制御装置2aは、第1閾値設定信号ThLEV1及び第2閾値設定信号ThLEV2の2つの閾値設定信号を動作検出回路6aに対して出力する。
本実施形態3において、動作検出回路6aには、画素信号Vpixの変動に応じた共通電極COMの電位の変動を検出するため、図10に示すように、画素信号Vpixの立ち上がりエッジ及び立下がりエッジに同期したクロック信号CLKaが表示制御回路4aから入力される。尚、動作検出回路6aには、共通電極COMの電位の変動の読み込み漏れを防止するために、内部信号の遅延時間やばらつきを考慮したクロック信号CLKaが入力される。すなわち、クロック信号CLKaは、第1電位変動成分検出信号VcomDET1を読み込むためのクロックエッジ(例えば立ち上がりエッジ)が画素信号Vpixの電圧変動エッジ(立ち上がりエッジ)よりも微小時間遅れて入力され、第2電位変動成分検出信号VcomDET2を読み込むためのクロックエッジ(例えば立下がりエッジ)が画素信号Vpixの電圧変動エッジ(立下りエッジ)よりも微小時間遅れて入力される。
図11に示すように、動作検出回路6aは、第1電位変動検出部61aと、第2電位変動検出部61bと、動作状態信号生成部62aとを備えている。
第1電位変動検出部61a及び第2電位変動検出部61bは、一例として、コンパレータ回路および閾値を設定するための抵抗を有し、共通電極COMの電圧が供給されるVcomDC端子の電圧及び各抵抗値により閾値が決まる構成としている。第1電位変動検出部61aは、制御装置2a内部のレジスタ設定により第1閾値設定信号ThLEV1の値が設定可能とされ、第1閾値設定信号ThLEV1により可変抵抗の抵抗値を設定することにより第1電位変動検出部61aの第1閾値Th1を適宜設定することが可能となる。また、第2電位変動検出部61bは、制御装置2a内部のレジスタ設定により第2閾値設定信号ThLEV2の値が設定可能とされ、第2閾値設定信号ThLEV2により可変抵抗の抵抗値を設定することにより第2電位変動検出部61bの第2閾値Th2を適宜設定することが可能となる。第1電位変動検出部61aは、共通電圧検出信号VcomINから第1閾値Th1を上回る電位変動成分を抽出し、第1電位変動成分検出信号VcomDET1を出力する。また、第2電位変動検出部61bは、共通電圧検出信号VcomINから第2閾値Th2を下回る電位変動成分を抽出し、第2電位変動成分検出信号VcomDET2を出力する。なお、図10及び図11に示す例では、第1閾値設定信号ThLEV1及び第2閾値設定信号ThLEV2は制御装置2aから入力される構成としているが表示制御回路4aから入力される構成としてもよい。
動作状態信号生成部62aは、第1電位変動検出部61aから出力された第1電位変動成分検出信号VcomDET1及び第2電位変動検出部61bから出力された第2電位変動成分検出信号VcomDET2を加工し、液晶表示装置1aの動作状態を示す動作状態検出信号VcomMONを生成して制御装置2aに出力する機能を有している。
図11に示す例では、動作状態信号生成部62aは、レベル変換部621a,621b、論理演算部622a,622b、AND演算部623a、及びレベル変換部624を備えている。
レベル変換部621aは、第1電位変動検出部61aの出力である第1電位変動成分検出信号VcomDET1の電圧レベルを後段の論理演算部622aのデジタル信号で扱える電圧レベルに変換して出力する機能ブロックである。また、レベル変換部621bは、第2電位変動検出部61bの出力である第2電位変動成分検出信号VcomDET2の電圧レベルを後段の論理演算部622bのデジタル信号で扱える電圧レベルに変換して出力する機能ブロックである。
論理演算部622aは、第1電位変動検出部61aにより検出された第1電位変動成分検出信号VcomDET1を取り込むための回路を有する。また、論理演算部622bは、第2電位変動検出部61bにより検出された第2電位変動成分検出信号VcomDET2を取り込むための回路を有する。論理演算部622a,622bに入力されるクロック信号CLKaは、第1電位変動成分検出信号VcomDET1及び第2電位変動成分検出信号VcomDET2に同期した信号とすることで、第1電位変動成分検出信号VcomDET1及び第2電位変動成分検出信号VcomDET2を取り込むことができる。更に、共通電極COMの電位の変動の読み込み漏れを防止するために、内部信号の遅延時間やばらつきを考慮したクロック信号CLKaが入力される。すなわち、クロック信号CLKaは、第1電位変動成分検出信号VcomDET1を読み込むためのクロックエッジ(例えば立ち上がりエッジ)が画素信号Vpixの電圧変動エッジ(立ち上がりエッジ)及び第1電位変動成分検出信号VcomDET1よりも微小時間遅れて入力され、第2電位変動成分検出信号VcomDET2を読み込むためのクロックエッジ(例えば立下がりエッジ)が画素信号Vpixの電圧変動エッジ(立下りエッジ)及び第2電位変動成分検出信号VcomDET2よりも微小時間遅れて入力される。なお、クロック信号CLKaの立下がりエッジで第1電位変動成分検出信号VcomDET1を読み込むようにしてもよいし、立ち上がりエッジで第2電位変動成分検出信号VcomDET2を読み込むようにしてもよい。論理演算部622a,622bは、例えばフリップフロップとされる。論理演算部622a,622bは、後述するように、一例として、共通電圧Vcomの電位変動成分を、1水平周期(1H)内でLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号に変換する機能ブロックである。
AND演算部623aは、制御装置2aから入力される動作検出可否信号DetEnableに基づき、制御装置2aに動作検出回路6aの出力結果を出力するか否かを選択するため機能ブロックである。
レベル変換部624は、AND演算部623aの出力を後段の制御装置2aで扱える電圧レベルに変換し、動作状態検出信号VcomMONとして出力する機能ブロックである。
図12は、実施形態3に係る液晶表示装置の正常動作時におけるタイミングチャートの一例を示す図である。図12(a)は、ソースドライバ23から各信号線に供給される画素信号Vpixの波形を示している。図12(b)は、共通電極COMの共通電圧検出位置Bから検出される共通電圧検出信号VcomINの波形を示している。図12(c1)は、第1電位変動検出部61aから出力される第1電位変動成分検出信号VcomDET1の波形を示している。図12(c2)は、第2電位変動検出部61bから出力される第2電位変動成分検出信号VcomDET2の波形を示している。図12(d)は、表示制御回路4aから出力されるクロック信号CLKaの波形を示している。図12(e)は、動作検出回路6aから出力される動作状態検出信号VcomMONの波形を示している。図12(f)は、制御装置2aから入力される動作検出可否信号DetEnableを示している。図12(g1)は、制御装置2aから入力される第1閾値設定信号ThLEV1を示している。図12(g2)は、制御装置2aから入力される第2閾値設定信号ThLEV2を示している。ここではクロック信号CLKaの立ち上がりエッジで第1電位変動成分検出信号VcomDET1を取り込んでいるが、立下りエッジで取り込む構成としてもよい。また、クロック信号CLKaの立下がりエッジで第2電位変動成分検出信号VcomDET2を取り込んでいるが、立ち上がりエッジで取り込む構成としてもよい。
このように、本実施形態では、画素信号Vpixの立ち上がりに伴いプラス側に変動する共通電圧検出信号VcomINの電位変動成分(プラス側変動成分)と、画素信号Vpixの立下がりに伴いマイナス側に変動する共通電圧検出信号VcomINの電位変動成分(マイナス側変動成分)との双方を検出する構成としている。このため、画素信号Vpixの立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジの一方に同期した過渡的な電位変動成分を検出する場合よりも、共通電圧検出信号VcomINの検出精度を向上させることができる。
次に、図10乃至図12を参照して、実施形態3に係る液晶表示装置の表示動作が正常である場合の動作について説明する。
図12(b)のt2乃至t5の期間において共通電圧検出信号VcomINが第1閾値Th1を上回ると、共通電圧検出信号VcomINが第1閾値Th1を超えた位置で第1電位変動成分検出信号VcomDET1がLowレベルからHighレベルに変化する(図12(c1)のt2乃至t4の期間)。
画素信号Vpixよりも微小時間Δt1遅れて立ち上がるクロック信号CLKaの立ち上がりエッジにおいて(図12(d)のt3)、第1電位変動成分検出信号VcomDET1のレベルがHighレベルであれば、動作状態検出信号VcomMONがHighレベルとなる。
続いて、図12(b)のt6乃至t9の期間において共通電圧検出信号VcomINが第2閾値Th2を下回ると、共通電圧検出信号VcomINが第2閾値Th2を下回った位置で第2電位変動成分検出信号VcomDET2がHighレベルからLowレベルに変化する(図12(c2)のt6乃至t8の期間)。
画素信号Vpixよりも微小時間Δt2遅れて立下がるクロック信号CLKaの立下がりエッジにおいて(図12(d)のt7)、第2電位変動成分検出信号VcomDET2のレベルがLowレベルであれば、動作状態検出信号VcomMONがLowレベルとなる。
以降、1水平周期(1H)毎に上記動作を繰り返すことによって、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出したことを示す第1信号(ここでは、クロック信号CLKaの立ち上がりエッジでHighレベルとなり、クロック信号CLKaの立下がりエッジでLowレベルとなる信号、すなわち、1水平周期(1H)内でLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号)が出力される。なお、共通電極COMの電位変動成分を検出していないことを示す第2信号は、動作状態検出信号VcomMONとして、実施形態1と同様の信号(ここでは、Lowレベルに固定した信号)となる。
上述したように、本実施形態では、共通電極COMから入力された共通電圧検出信号VcomINを監視し、画素信号Vpixに同期した過渡的な電位変動成分を検出する際、画素信号Vpixの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの双方に同期した過渡的な電位変動成分、すなわち、共通電圧検出信号VcomINから第1閾値Th1を上回る電位変動成分と、共通電圧検出信号VcomINから第2閾値Th2を下回る電位変動成分との双方を検出する。これにより、画素信号Vpixの立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジの一方に同期した過渡的な電位変動成分を検出する場合よりも、共通電圧検出信号VcomINの検出精度を向上させることができる。
以上説明したように、実施形態3に係る液晶表示装置1aによれば、画素信号Vpixの立ち上がりに伴いプラス側に変動する共通電圧検出信号VcomINの電位変動成分(プラス側変動成分)と、画素信号Vpixの立下がりに伴いマイナス側に変動する共通電圧検出信号VcomINの電位変動成分(マイナス側変動成分)との双方を検出する構成としている。これにより、画素信号Vpixの立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジの一方に同期した過渡的な電位変動成分を検出する場合よりも、共通電圧検出信号VcomINの検出精度を向上させることができる。
(実施形態4)
図13は、実施形態4に係る液晶表示装置のタイミングチャートの一例を示す図である。なお、実施形態4に係る液晶表示システムの概略構成、液晶表示装置のブロック構成、及び液晶表示装置における動作検出回路のブロック構成については、上述した実施形態1と同様であるので、ここでの重複する説明は省略する。
共通電圧検出信号VcomINが閾値Thを超えると、電位変動成分検出信号VcomDETがLowレベルからHighレベルに変化する。共通電圧検出信号VcomINが閾値Thを超えていないと、電位変動成分検出信号VcomDETがLowレベルのままで遷移する。
動作状態信号生成部62は、クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがHighレベルである、すなわち、共通電極COMの電位変動成分を検出した場合、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出したことを示す第1信号を出力する。本実施形態において、この第1信号は、実施形態1と同様に、クロック信号CLKの立ち上がりエッジでLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号、すなわち、1水平周期(1H)毎にLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号である。
一方、動作状態信号生成部62は、クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがLowレベルである、すなわち、共通電極COMの電位変動成分を検出していない場合、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出していないことを示す第2信号を出力する。この第2信号は、実施形態1において説明したように、ここでは、LowレベルあるいはHighに固定した信号、すなわち、1水平周期(1H)毎にLowレベルあるいはHighから変化しない信号である。
本実施形態では、1水平周期(1H)毎に液晶表示装置1の表示動作判定を行うものとし、制御装置2により第2信号が連続して検出された回数(以下、「異常連続検出回数」という)Pに所定回数X(Xは、例えば1以上の自然数、X≧1)の閾値を設けている。図13に示す例では、制御装置2により第2信号が検出されたn水平周期(nH)における異常連続検出回数Pはnとなる(P=n)。
本実施形態に係る液晶表示システム100において、制御装置2は、異常連続検出回数Pが所定回数X以上となった場合に(P≧X)、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして判定する。換言すれば、制御装置2は、異常連続検出回数Pが所定回数X未満である場合には(P<X)、液晶表示装置1の表示動作が正常であるものと判定する。これにより、液晶表示装置1の表示動作が正常であるにも関わらず、例えば、ノイズ等の外乱要因に起因して、単発的あるいは短期的に共通電圧検出信号VcomINを検出できなかった場合や、電位変動成分検出信号VcomDETを取り込めなかった場合に、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして誤検出することを防ぐことができる。
なお、本実施形態における所定回数X等を含む、液晶表示装置1の表示動作の異常を検出する際に用いるパラメータ値は、予め制御装置2にレジスタ設定されていてもよいし、液晶表示システム100における環境要因(例えば、液晶表示システム100を構成する部品の温度特性)に応じてダイナミック(動的)に変更される構成であってもよい。
次に、図2、図3、図13、及び図14を参照して、実施形態4に係る液晶表示システム100における具体的な処理フローについて説明する。図14は、実施形態4に係る液晶表示システムにおける処理フローの一例を示す図である。なお、本実施形態における処理フローは、1水平周期(1H)毎に実施するものとする。
液晶表示装置1が動作を開始すると、動作検出回路6には、制御装置2から動作検出可否信号DetEnable(Highレベル信号)及び閾値設定信号ThLEVが入力される。閾値設定信号ThLEVが入力されることで、電位変動検出部61に閾値Thがレジスタ設定される。動作検出回路6は、共通電極COMから入力される共通電圧検出信号VcomINと閾値Thとの比較処理を行い、動作検出処理を開始する(ステップS1)。また、制御装置2は、動作状態検出信号VcomMONの監視を開始する(ステップS2)。
動作状態信号生成部62は、クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて、電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがHighレベルであるか否かを判定する。これにより、共通電極COMの電位変動成分を検出したか否かを判定する(ステップS3)。
クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがHighレベルである、すなわち、共通電極COMの電位変動成分を検出した場合(ステップS3;Yes)、動作状態信号生成部62は、動作検出可否信号DetEnable(Highレベル信号)に基づき、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出したことを示す第1信号(ここでは、クロック信号CLKの立ち上がりエッジでLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号、すなわち、1水平周期(1H)毎にLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号)を出力する(ステップS4)。
制御装置2は、ステップS4において出力された第1信号を検知すると(ステップS5)、制御装置2は、異常連続検出回数Pをリセット(P=0)し、(ステップS9)、ステップS3の処理に戻る。
クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがLowレベルである、すなわち、共通電極COMの電位変動成分を検出していない場合(ステップS3;No)、動作状態信号生成部62は、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出していないことを示す第2信号(ここでは、Lowレベルに固定した信号)を出力する(ステップS6)。
制御装置2は、ステップS5において出力された第2信号を検知すると(ステップS7)、異常連続検出回数Pをカウントアップ(P=P+1)し(ステップS10)、異常連続検出回数Pが所定回数X以上(P≧X)であるか否かを判定する(ステップS11)。
異常連続検出回数Pが所定回数X未満(P<X)である場合には(ステップS11;No)、ステップS3の処理に戻る。
異常連続検出回数Pが所定回数X以上(P≧X)となると(ステップS11;Yes)、制御装置2は、液晶表示装置1に表示動作の異常が発生したものとして、所定の異常時処理を行い(ステップS8)、本フローの処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、第2信号を連続して検出した異常連続検出回数PがX以上(P≧X)となる前に、共通電極COMの電位変動成分が検出され(ステップS3;Yes)、動作状態信号生成部62から第1信号が出力されると(ステップS4)、制御装置2は、液晶表示装置1の表示動作が正常であるものとして、異常時処理(ステップS8)に移行しない。
これにより、液晶表示装置1の表示動作が正常であるにも関わらず、例えば、ノイズ等の外乱要因に起因して、単発的あるいは短期的に共通電圧検出信号VcomINを検出できなかった場合や、電位変動成分検出信号VcomDETを取り込めなかった場合に、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして誤検出することを防ぐことができる。
また、本実施形態では、液晶表示装置1に表示動作の異常が発生したものとして、所定の異常時処理を行った後、再度液晶表示装置1が動作を開始して動作検出回路6が動作検出処理を開始し(ステップS1)、制御装置2により第1信号が検知されると(ステップS5)、異常連続検出回数Pがリセット(P=0)される(ステップS9)。一方、再度液晶表示装置1が動作を開始して動作検出回路6が動作検出処理を開始した直後に、制御装置2により第2信号が検知されると(ステップS7)、異常連続検出回数Pがカウントアップ(P=P+1)される(ステップS10)。これにより、ステップS11において異常連続検出回数Pが所定回数X以上(P≧X)であると判定され、直ちに異常時処理が実施される(ステップS8)。
以上説明したように、実施形態4に係る液晶表示装置システム100によれば、制御装置2は、第2信号を連続して検出した異常連続検出回数Pに所定回数Xの閾値を設け、異常連続検出回数Pが所定回数X以上となった場合に(P≧X)、液晶表示装置1に表示動作の異常が発生したものとして判定する。換言すれば、制御装置2は、異常連続検出回数Pが所定回数X未満である場合には(P<X)、液晶表示装置1の表示動作が正常であるものと判定する。これにより、液晶表示装置1の表示動作が正常であるにも関わらず、例えば、ノイズ等の外乱要因に起因して、単発的あるいは短期的に共通電圧検出信号VcomINを検出できなかった場合や、電位変動成分検出信号VcomDETを取り込めなかった場合に、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして誤検出することを防ぐことができる。
(実施形態5)
図15は、実施形態5に係る液晶表示装置のタイミングチャートの一例を示す図である。なお、実施形態5に係る液晶表示システムの概略構成、液晶表示装置のブロック構成、及び液晶表示装置における動作検出回路のブロック構成については、上述した実施形態1と同様であるので、ここでの重複する説明は省略する。
実施形態4では、制御装置2により第2信号が連続して検出された異常連続検出回数Pに所定回数X(Xは1以上の自然数、X≧1)の閾値を設け、異常連続検出回数Pが所定回数X以上となった場合に(P≧X)、液晶表示装置1に表示動作の異常が発生したものとして判定する例について説明したが、本実施形態では、制御装置2により第2信号が検出された累積回数(以下、「異常累積検出回数」という)Qに第1所定回数Y(Yは、例えば2以上の自然数、Y≧2)の閾値を設けている。図15に示す例では、制御装置2により第2信号が検出されたn1H及びn2Hにおける累積回数Qは、n1+n2となる(Q=n1+n2)。
また、本実施形態では、制御装置2により第1信号が連続して検出された正常連続検出回数Rに第2所定回数Z(Zは、例えば2以上の自然数、Z≧2)の閾値を設けている。図15に示す例では、制御装置2により第1信号が検出されたn3Hにおける正常連続検出回数Rはn3となる(R=n3)。
本実施形態に係る液晶表示システム100において、制御装置2は、異常累積検出回数Qが第1所定回数Y以上となった場合に(Q≧Y)、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものと判定する。換言すれば、制御装置2は、異常累積検出回数Qが第1所定回数Y未満であり(Q<Y)、正常連続検出回数Rが第2所定回数Z以上となった場合に(R≧Z)、液晶表示装置1の表示動作が正常であるものと判定する。これにより、異常累積検出回数Qの第1所定回数Yの値、及び、正常連続検出回数Rの第2所定回数Zの値をシステムに応じて適切に設定することで、より高精度に液晶表示装置1の表示動作の異常を検出することができる。
なお、本実施形態における第1所定回数Y、第2所定回数Z等を含む、液晶表示装置1の表示動作の異常を検出する際に用いるパラメータ値は、予め制御装置2にレジスタ設定されていてもよいし、液晶表示システム100における環境要因(例えば、液晶表示システム100を構成する部品の温度特性)に応じてダイナミック(動的)に変更される構成であってもよい。
次に、図2、図3、図15、及び図16を参照して、実施形態4に係る液晶表示システム100における具体的な処理フローについて説明する。図16は、実施形態5に係る液晶表示システムにおける処理フローの一例を示す図である。なお、本実施形態における処理フローは、1水平周期(1H)毎に実施するものとする。
液晶表示装置1が動作を開始すると、動作検出回路6には、制御装置2から動作検出可否信号DetEnable(Highレベル信号)及び閾値設定信号ThLEVが入力される。閾値設定信号ThLEVが入力されることで、電位変動検出部61に閾値Thがレジスタ設定される。動作検出回路6は、共通電極COMから入力される共通電圧検出信号VcomINと閾値Thとの比較処理を行い、動作検出処理を開始する(ステップS1)。また、制御装置2は、動作状態検出信号VcomMONの監視を開始する(ステップS2)。
動作状態信号生成部62は、クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて、電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがHighレベルであるか否かを判定する。これにより、共通電極COMの電位変動成分を検出したか否かを判定する(ステップS3)。
クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがHighレベルである、すなわち、共通電極COMの電位変動成分を検出した場合(ステップS3;Yes)、動作状態信号生成部62は、動作検出可否信号DetEnable(Highレベル信号)に基づき、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出したことを示す第1信号(ここでは、クロック信号CLKの立ち上がりエッジでLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号、すなわち、1水平周期(1H)毎にLowレベルとHighレベルとが切り替わる信号)を出力する(ステップS4)。
制御装置2は、ステップS4において出力された第1信号を検知すると(ステップS5)、正常連続検出回数Rをカウントアップ(R=R+1)し(ステップS12)、正常連続検出回数Rが第2所定回数Z以上(R≧Z)であるか否かを判定する(ステップS13)。
正常連続検出回数Rが第2所定回数Z未満(R<Z)である場合には(ステップS13;No)、ステップS3の処理に戻る。
正常連続検出回数Rが第2所定回数Z以上(R≧Z)となると(ステップS13;Yes)、制御装置2は、異常累積検出回数Q及び正常連続検出回数Rをリセット(Q=0,R=0)し、(ステップS14)、ステップS3の処理に戻る。
クロック信号CLKの立ち上がりエッジにおいて電位変動成分検出信号VcomDETのレベルがLowレベルである、すなわち、共通電極COMの電位変動成分を検出していない場合(ステップS3;No)、動作状態信号生成部62は、動作状態検出信号VcomMONとして、共通電極COMの電位変動成分を検出していないことを示す第2信号(ここでは、Lowレベルに固定した信号)を出力する(ステップS6)。
制御装置2は、ステップS6において出力された第2信号を検知すると(ステップS7)、異常累積検出回数Qをカウントアップ(Q=Q+1)すると共に、正常連続検出回数Rをリセット(R=0)し(ステップS15)、異常累積検出回数Qが第1所定回数Y以上(Q≧Y)であるか否かを判定する(ステップS16)。
異常累積検出回数Qが第1所定回数Y未満(Q<Y)である場合には(ステップS16;No)、ステップS3の処理に戻る。
異常累積検出回数Qが第1所定回数Y以上(Q≧Y)となると(ステップS16;Yes)、制御装置2は、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものとして、所定の異常時処理を行い(ステップS8)、本フローの処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、第2信号を検出した累積回数である異常累積検出回数Qが第1所定回数Y(Yは2以上の自然数、Y≧2)となる前に、共通電極COMの電位変動成分が検出され(ステップS3;Yes)、第1信号を連続して検出した正常連続検出回数Rが第2所定回数Z(Z≧2)以上(R≧Z)となると(ステップS13;Yes)、制御装置2は、液晶表示装置1の表示動作が正常であるものとして、異常時処理(ステップS8)に移行しない。
これにより、異常累積検出回数Qの第1所定回数Yの値、及び、正常連続検出回数Rの第2所定回数Zの値をシステムに応じて適切に設定することで、実施形態4よりもより高精度に液晶表示装置1の表示動作の異常を検出することができる。
また、本実施形態では、液晶表示装置1に表示動作の異常が発生したものとして、所定の異常時処理を行った後、再度液晶表示装置1が動作を開始して動作検出回路6が動作検出処理を開始し(ステップS1)、制御装置2により第1信号が検知されると(ステップS5)、異常累積検出回数Q及び正常連続検出回数Rがリセット(Q=0,R=0)される(ステップS14)。一方、再度液晶表示装置1が動作を開始して動作検出回路6が動作検出処理を開始した直後に、制御装置2により第2信号が検知されると(ステップS7)、異常累積検出回数Qがカウントアップ(Q=Q+1)され、正常連続検出回数Rがリセット(R=0)される(ステップS15)。これにより、ステップS16において異常累積検出回数Qが第1所定回数Y以上(Q≧Y)であると判定され、直ちに異常時処理が実施される(ステップS8)。
以上説明したように、実施形態5に係る液晶表示装置システム100によれば、制御装置2により第2信号が検出された累積回数である異常累積検出回数Qに第1所定回数Yの閾値を設け、異常累積検出回数Qが第1所定回数Y以上となった場合に(Q≧Y)、液晶表示装置1の表示動作が異常であるものと判定する。また、制御装置2により第1信号が連続して検出された正常連続検出回数Rに第2所定回数Zの閾値を設け、異常累積検出回数Qが第1所定回数Y未満であり(Q<Y)、正常連続検出回数Rが第2所定回数Z以上となった場合に(R≧Z)、液晶表示装置1の表示動作が正常であるものと判定する。これにより、異常累積検出回数Qの第1所定回数Yの値、及び、正常連続検出回数Rの第2所定回数Zの値をシステムに応じて適切に設定することで、より高精度に液晶表示装置1の表示動作の異常を検出することができる。
(実施形態6)
図17は、実施形態6に係る液晶表示システムの概略構成の一例を示す図である。図18は、実施形態6に係る液晶表示装置のブロック構成の一例を示す図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態では、実施形態4における所定回数X等、あるいは、実施形態5における第1所定回数Y及び第2所定回数Z等を含む、液晶表示装置1bの表示動作の異常を検出する際に用いるパラメータ値を、液晶表示装置1bにおける環境要因に応じてダイナミック(動的)に設定する例について説明する。
図17に示すように、液晶表示装置1bは、実施形態1に係る液晶表示装置1と同様に、ガラス基板11上に、表示領域21と、ドライバIC3とを備え、ドライバIC3と制御装置2bとの間が、例えばフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuit)等で構成される中継基板12を介して接続され、液晶表示システム100bを構成している。
また、本実施形態では、ガラス基板11上に温度センサ13を設け、この温度センサ13により検出された温度に応じて、液晶表示装置1bの表示動作の異常を検出する際に用いるパラメータ値をダイナミック(動的)に設定する。すなわち、本実施形態では、液晶表示装置1bを構成する部品の温度特性を考慮して、液晶表示装置1bの表示動作の異常を検出することができる。なお、図17に示す例では、温度センサ13をガラス基板11上に設けた例を示したが、温度センサ13の配置はこれに限らず、温度変化に依存して影響を受け易い部品に近接配置してもよいし、ガラス基板11上に限らず、液晶表示装置1bにおいて温度変化の大きい所定位置に設けるのが好ましい。特に、共通電圧検出信号VcomINの検出に用いる閾値設定信号ThLEV、閾値Th、クロック信号CLK等の各信号のレベルやタイミングが温度特性によって変動すると、検出精度に影響する場合がある。従って、例えば、表示制御回路4や動作検出回路6を含むドライバIC3に近接配置する構成であるのがより好ましい。
図18に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置1bは、表示領域21と、ゲートドライバ22及びソースドライバ23と、表示制御回路4と、電圧生成回路5と、動作検出回路(検出回路)6と、温度センサ13とを備えている。なお、図17及び図18に示す例では、閾値設定信号ThLEVは制御装置2bから入力される構成としているが表示制御回路4から入力される構成としてもよい。
本実施形態において、温度センサ13から出力される温度検知信号DetTempは、制御装置2bに入力される。制御装置2bは、温度検知信号DetTempに応じて、液晶表示装置1bの表示動作の異常を検出する際に用いるパラメータ値をダイナミック(動的)に設定する。これにより、温度センサ13を設けた液晶表示装置1bの所定位置における温度変化に応じた適切なパラメータ設定が可能となり、温度変化への依存性が低いシステムを構築することができる。
なお、実施形態5における第1所定回数Y、第2所定回数Zのように、液晶表示装置1bの表示動作の異常を検出する際に用いるパラメータを複数有する構成では、温度変化への依存性が大きい何れか一方のパラメータ値のみ温度検知信号DetTempに応じて設定される構成であってもよいし、双方のパラメータ値を温度検知信号DetTempに応じて設定される構成であってもよいことは言うまでもない。
以上説明したように、実施形態6に係る液晶表示装置システム100bによれば、液晶表示装置1bにおける所定位置の温度を検出する温度センサ13を設け、温度センサ13から出力される温度検知信号DetTempに応じて、液晶表示装置1bの表示動作の異常を検出する際に用いる各パラメータ値をダイナミック(動的)に設定する。これにより、温度センサ13を設けた液晶表示装置1bの所定位置における温度変化に応じた適切なパラメータ設定が可能となり、温度変化への依存性が低いシステムを構築することができる。
以上、実施形態について説明したが、上述した内容により本発明が限定されるものではない。また、上述した本発明の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。