JP2016176235A - 便器装置 - Google Patents

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博 松永
謙次郎 嵐
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Abstract

【課題】リム部の裏面を洗浄できる便器装置を提供する。【解決手段】便器装置1は、上方が開口した鉢状のボウル部2と、前記ボウル部の上端の周縁に設けられ前記ボウル部内方に向き合うように水平方向に突出したリム部3と、該リム部の裏面31に向けて洗浄水50を噴射するノズル4とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、便器装置に関する。
便器装置のボウル部の洗浄機能、除菌機能を向上させるものとして、例えば下記特許文献1や下記特許文献2が挙げられる。
下記特許文献1には、ガス給湯器、電気温水器等の熱水生成器の流出側を便器の洗浄水供給通路へ連通接続して便器を洗浄する便器洗浄装置が開示されている。
また下記特許文献2には、ボウル部にオゾン水や電解水等の機能水を噴霧状に吐出する機能水噴霧部を備えた水洗式大便器が開示されている。
特開平10−237922号公報 特開2004−92278号公報
ところでこのような便器装置は、便器装置のボウル部の上端の周縁に、ボウル部内方に向き合うように水平に突出したリム部が形成されているものが知られている。
リム部の表面となる上側には便座が設置され、リム部の裏面となる下側は、ボウル部内を洗浄する洗浄水の通水路になっている。
このリム部の裏面は、ボウル部に封水された水の水面にあたって飛び跳ねた尿等が付着したり、該裏面とボウル部の表面との角部にカビが発生する等、汚れがたまりやすい。しかしながら、便器装置を上から見下ろすとリム部の裏面は見えないため、掃除がおろそかになりがちで、洗浄しにくい場所といえる。
上記特許文献1や上記特許文献2に開示されているものは、いずれもボウル部内の表面を洗浄するもので、リム部の裏面を積極的に直接洗浄できるものとはいえない。
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、リム部の裏面を洗浄できる便器装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る便器装置は、上方が開口した鉢状のボウル部と、前記ボウル部の上端の周縁に設けられ前記ボウル部内方に向き合うように水平方向に突出したリム部と、該リム部の裏面に向けて洗浄水を噴射するノズルとを備えていることを特徴とする。
本発明において、前記ノズルは、前後方向に移動自在に設けられ、前記ノズルの先端には、前記リム部の裏面全周に向けて前記洗浄水を噴射するように回転するノズルヘッド部が設けられているものとしてもよい。
また本発明において、前記ノズルヘッド部は、前記洗浄水を扇状に噴射するスプレー部を備えているものとしてもよい。
さらに本発明において、前記洗浄水は、50℃以上の温水としてもよい。
本発明に係る便器装置は、上述のような構成としたことで、リム部の裏面を洗浄できる。
本発明の一実施形態に係る便器装置を示す一部概略断面図である。 (a)〜(c)は同便器装置の便器本体の模式的平面図であり、ノズルによる洗浄状態を示す説明図である。 同便器装置の変形例を示す一部概略断面図である。 本発明の他の実施形態に係る便器装置を示す一部概略断面図である。 (a)〜(c)は図4に示す実施形態に係る便器装置の便器本体の模式的平面図であり、ノズルによる洗浄状態を示す説明図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の各実施形態では、便器装置を設置した状態を基準として上下方向を説明し、便器装置の給水機構(給水機構7、給水部8)がある側を後方、給水機構がない側を前方等として方向を説明する。
図1〜図3は、第1実施形態に係る便器装置の一例を示す図である。
本実施形態に係る便器装置1は、床等の設置面に設置される着座式のいわゆる洋式の便器装置1とされている。
この便器装置1には、上方が開口した鉢状のボウル部2と、ボウル部2の上端の周縁に設けられボウル部2内方に向き合うように水平方向に突出したリム部3と、該リム部3の裏面31に向けて洗浄水50を噴射するノズル4とを備えている。以下、詳しく説明する。
便器装置1は、ボウル部2と、給水管に接続され洗浄水60をボウル部2内に供給する給水機構7と、ボウル部2の底部に開設された排水口20と連通された外部排水管に接続される排水機構9等を備えている。便器装置1には、ボウル部2に対して開閉自在とされた便座5や便蓋6が設けられている。
ボウル部2は、硬質のABS、アクリルなどの合成樹脂や陶器等で製されており、ボウル部2の側面の外周には、ボウル部2を隠蔽するようにスカート部12が設けられている。
リム部3は、上述したようにボウル部2の上端の周縁に設けられボウル部2の内方に向き合うように水平方向に突出して形成されている。リム部3の表面30は、便座5が設置できるように平坦状となっている。リム部3の裏面31は、ボウル部2の上端の周方向に沿って給水機構7から供給される洗浄水60をボウル部2内に供給する通水路を形成するように断面視において平坦部分31aを経て裏面31からボウル部2の表面へと角部が湾曲状(湾曲部分31b)に形成されている。
便器装置1の給水機構7は、給水管(不図示)に接続され、洗浄水を貯留する水洗タンク(ロータンク)からの洗浄水をボウル部2側に供給する供給部としての給水弁(不図示)を備えた構成としている。なお、便器装置1を、このような水洗タンクを備えたものとせずに、水道直圧式等のいわゆるタンクレスタイプとしてもよい。
なお、便器装置1の構成は図例に限定されず、便座5や便蓋6を開閉する開閉装置や、脱臭装置、局部洗浄装置、便座や局部洗浄用水等を温める加熱装置、洗剤供給装置等の各種機能装置を設けた構成としてもよい。
また便器装置1に、人体検知センサーや着座センサー等の各種センサーを設けた構成としてもよく、上記した各種機能装置を操作する操作部としてのリモコン装置や、リモコン装置の各種信号の送受信を可能とする送受信装置等を設けた構成としてもよい。
さらに便器装置1の排水機構9も特に限定されず、例えばボウル部2の底部に設けられた排水口20に接続された筒状トラップを駆動機構によって回動させて排水及び封水する構成とされたいわゆるターントラップ式のものとしてもよい。その他、排水機構としては、サイホン式やサイホンゼット式、サイホンボルテックス式、ネオボルテックス式、洗い落とし式等の排水機構を採用するようにしてもよい。
ノズル4は、ボウル部2に形成された開口部11から出没自在に設けられている。開口部11は、ボウル部2の後方側(給水機構7側)で且つボウル部2内に溜められた洗浄水60の水面60aより上方に設けられている。開口部11の形状は、特に限定されず、ノズル4の先端に設けられたノズルヘッド部40が開口部11内に収容できるように構成されていればよい。開口部11には、ノズル4を使用していない際にボウル部2内を洗浄する洗浄水60が浸入しないように塞ぐ開閉部10を設けてもよい。図1に示す開閉部10は硬質のABS、アクリルなどの合成樹脂等から製され、開口部11の上端で開閉自在に軸支されている。ノズル4が開口部11内に収容されているとき、開閉部10は閉じた状態になり、ノズル4が図1に示すように伸長された状態のとき、開閉部10は開いた状態となる。
なお、開閉部10の構成等は図例に限定されず、例えば開閉部10の外周縁にシール部材が設けられたものとしてもよい。
ノズル4は、リム部3の裏面31を洗浄するときに便器後方から伸長されるように前後方向に移動自在に設けられる。
ノズル4は、洗浄水50を噴射するノズルヘッド部40と、ノズルヘッド部40を支持する棒状のアーム部41と、ノズル4を前後方向に移動自在とするノズル駆動機構(不図示)と、ノズルヘッド部40から噴射する洗浄水50を供給する給水部8とを備えている。ノズル駆動機構は、ノズル4の先端が、ボウル部2空間の略中央付近(図2(a)参照)まで伸長できる機構を備えるとともに、その駆動を制御する制御部を備えている。
ノズル4の先端には、リム部3の裏面31全周に向けて洗浄水50を噴射するように垂直軸回りに回転するノズルヘッド部40が設けられている。ノズルヘッド部40の回転方向は、特に限定されるものではなく、図例は左回りを示しているが、右回りであってもよいし、左右双方に回転する構成としてもよい。
ノズルヘッド部40の構成は、特に限定されないが、図例のものは、円柱形状のヘッド本体40aと、洗浄水50を平面視において横広がりの扇状に噴射するスプレー部40bとを備えている。
給水部8からは、50℃以上の温水が供給される構成としてもよい。この場合は、リム部3の裏面31を50℃以上の温水で洗浄できるため、裏面31の汚れを効率よく落とすことができる。またこの場合は薬剤等を使わず、安全にリム部3の裏面31を除菌することもできる。
給水部8の構成はこれに限定されず、50℃以上の温水でリム部3の裏面31を洗浄した後、一定時間経過後に冷水がノズルヘッド部40から噴射されるようにしてもよい。この場合は、リム部3の裏面31にカビの発生することを効果的に防ぐことができる。さらに給水部8からオゾン水を供給できるものしてもよい。この場合は、オゾン水の強い酸化力でリム部3の裏面31を洗浄・除菌・脱臭することができる。
次に図2(a)〜(c)、図3を参照しながら、ノズル4によるリム部3の裏面31の洗浄状態を説明する。なお、図2では説明のため、便座5、便蓋6は図示していないが、ノズル4でリム部3の裏面31を洗浄する際には、便座5は着座の状態とし、便蓋6によってボウル部2を閉塞した状態で行う。
図2(a)は、図1に示す状態を平面視した図である。図2(a)の状態は、ノズル4がボウル部2の略中央位置まで伸長され、リム部3の前方の裏面31を洗浄する状態を示している。リム部3の裏面31でも図1に示す「31a」の領域、すなわちリム部3の裏面31のうち、湾曲した湾曲部分31bでなく、平坦になった平坦部分31aは、ボウル部2に封水された洗浄水60の水面60aにあたって飛び跳ねた尿等が付着しやすい場所である。しかしながら、給水機構7から供給される洗浄水60の通水路は、リム部3の裏面31の湾曲した湾曲部分31bよりも下方を通過するため、裏面31の平坦部分31aは洗浄水60が通過せず洗浄されない場所となってしまうのである。
そこでこのノズル4によれば、掃除がしにくいリム部3の裏面31に向けてダイレクトに洗浄水50を噴射でき、洗浄することができる。
ノズルヘッド部40のスプレー部40bからの噴射角度は、所定の一定の角度に設定してもよいし、図2(a)に示すように「a」の30°〜「b」の45°と洗浄水50の扇状の中心角を可変できるようにしてもよい。
なお、スプレー部40bの側面視における噴射角度も図例に限定されず、所定の一定の角度に設定してもよいし、中心角を可変できるようにしてもよい。
リム部3の裏面31を洗浄中のノズルヘッド部40は、スプレー部40bの噴射口をリム部3の前方に向け、図2(a)のようにリム部3の前方の裏面31を洗浄した後、スプレー部40bの噴射口の向きを移動させていく。そしてスプレー部40bの噴射口を回転移動させながら、リム部3の裏面31の一側部を洗浄している状態を示した図が図2(b)である。そして、続いて図2(c)に示すようにリム部3の後方の裏面31を洗浄するようにしてもよい。
以上によれば、掃除がしにくいリム部3の裏面31全周を洗浄することができる。また洗浄水50が図2に示すように扇状に広がることで、より効果的に裏面31全周をくまなく洗浄することができる。
図2(a)〜(c)に示す例では、ノズル4がボウル部2の略中央位置に伸長した後、アーム部41自体は固定状態で、ノズルヘッド部40のみが回転する例を示しているが、これに限定されない。例えばスプレー部40bとスプレー部40bから噴射される洗浄水50で洗浄される位置とが極力近くなるようにノズル4を前後に移動させるようにしてもよい。
図3は、リム部3の後方の裏面31を洗浄する際は、アーム部41を給水部8側(リム部3の後方)に縮ませ、なるべくリム部3の後方の裏面31に近い位置から洗浄水50を噴射させ洗浄する例を示している。リム部3の裏面31の中でも図3に示す「31c」の領域、すなわちリム部3の裏面31の後方湾曲部分31cは、給水機構7から供給される洗浄水60の通水路にならず、洗浄水60が行き届かない場合がある。またこの後方湾曲部分31cは給水機構7の下方位置になるため、汚れが溜まりやすい場所でありながら、掃除がしにくい場所である。
よって、図3に示すようにノズル4を移動させ、スプレー部40bからの噴射を極力近くから受けることで、水圧によって洗浄効果の向上が期待できる。
次に、本発明に係る他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図4、図5は、第2実施形態に係る便器装置の一例を模式的に示す図である。
なお、上記第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、上記第1実施形態と同様の動作についても説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態における便器装置1Aは、ノズル4を構成するアーム部41の先端に開口部11を塞ぐカバー部42が設けられ、ノズルヘッド部40がアーム部41の中間位置よりカバー部42側に設けられている点で第1実施形態と異なる。
カバー部42は、硬質のABS、アクリルなどの合成樹脂等で製されており、ボウル部2に形成された開口部11の形成に応じて形成されている。
この実施形態においても、ノズル4がリム部3の裏面31に向けて洗浄水50を噴射するように設けられている点は、第1実施形態と共通である。またリム部3の裏面31全周に向けて洗浄水50を噴射するように垂直軸回りに回転するノズルヘッド部40が設けられている点も、第1実施形態と共通である。
以上によれば、ノズル4が前方に伸長した際には、カバー部42もノズル4とともに前進し、ノズル4が後方に縮み、開口部11内に収容された際には、カバー部42によって開口部11を塞ぐことができる。
図5には、ノズル4によるリム部3の裏面31の洗浄状態を説明する。なお、図5も図2と同様、説明のため、便座5、便蓋6は図示していないが、ノズル4でリム部3の裏面31を洗浄する際には、便座5は着座の状態とし、便蓋6によってボウル部2を閉塞した状態で行う。
本実施形態においても、第1実施形態と同様にノズル4によって、掃除がしにくいリム部3の裏面31に向けてダイレクトに洗浄水50を噴射でき、洗浄することができる。図5(a)は、ノズル4がボウル部2の略中央位置まで伸長され、リム部3の前方の裏面31を洗浄する状態を示している。そしてスプレー部40bの噴射口を回転移動させながら、リム部3の裏面31の一側部を洗浄している状態を示した図が図5(b)である。そして、続いて図5(c)に示すようにリム部3の後方の裏面31を洗浄するようにしてもよい。
以上によれば、掃除がしにくいリム部3の裏面31全周を洗浄することができる。また洗浄水50が図5に示すように扇状に広がることで、より効果的に裏面31全周をくまなく洗浄することができる。
なお、便器装置1、ボウル部2、リム部3等の形状、構成は図例に限定されるものではなく、ノズル4の形状、長さ、構成等も図例に限定されるものではない。またノズル4によるリム部3の裏面31の洗浄工程は、本実施形態で説明した例に限定されない。リム部3の裏面31の後方もしくはいずれか一方の側方から洗浄を開始してもよいし、ノズルヘッド部40の回転数も特に限定されるものではない。
1,1A 便器装置
2 ボウル部
3 リム部
31 裏面
4 ノズル
40 ノズルヘッド部
40b スプレー部
50 洗浄水

Claims (4)

  1. 上方が開口した鉢状のボウル部と、前記ボウル部の上端の周縁に設けられ前記ボウル部内方に向き合うように水平方向に突出したリム部と、該リム部の裏面に向けて洗浄水を噴射するノズルとを備えていることを特徴とする便器装置。
  2. 請求項1において、
    前記ノズルは、前後方向に移動自在に設けられ、
    前記ノズルの先端には、前記リム部の裏面全周に向けて前記洗浄水を噴射するように回転するノズルヘッド部が設けられていることを特徴とする便器装置。
  3. 請求項2において、
    前記ノズルヘッド部は、前記洗浄水を扇状に噴射するスプレー部を備えていることを特徴とする便器装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、
    前記洗浄水は、50℃以上の温水であることを特徴とする便器装置。
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