以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1は、通報処理装置、通報処理システムおよび通報処理方法の一実施形態を示す。図1において、通報処理システム1は、通報装置12と、通報処理装置の一例であるセンター装置20aとを有する。通報装置12は、例えば、高齢者や体の不自由な方(以下、利用者と称する)の住宅(利用者宅10)に設置される。また、センター装置20aは、通報処理システム1の運用機関(以下、センター20と称する)によって管理される。センター20には、センター装置20aを操作するオペレーターが待機しており、利用者からの緊急通報があった場合、オペレーターが利用者の緊急連絡先40に駆け付け依頼を行う。センター20は、例えば民間企業であるが、消防署や役所等の公的機関であってもよい。通報装置12およびセンター装置20aは、例えば固定電話回線の電話網やネットワーク回線を含む公衆網50を介して接続されている。なお、図1では通報装置12が1台である場合を示すが、1台のセンター装置20aは複数の通報装置12を管理できる。
通報装置12は、各種のセンサーによる異常検出などの事象や利用者の操作に応じて、センター装置20aに通報を行う装置である。通報装置12には、外部からの電話を受信するために外付電話機14が接続されている。例えば、通報装置12の非使用時には、通報装置12は外付電話機14を公衆網50に接続している。また、通報装置12から通報を送信した場合、外付電話機14は、センター20のオペレーターからの電話連絡を受けるときに使用される。なお、外付電話機14は、ハンズフリー会話できる機能を有していてもよい。
また、通報装置12は、相談ボタン12aと、緊急ボタン12bと、センサー12cとを有する。相談ボタン12aは、通報装置12の筐体に設けられた操作部材であり、利用者がセンター20に相談を行う場合に操作される。緊急ボタン12bは、通報装置12の筐体に設けられた操作部材であり、緊急事態の発生により利用者がセンター20に緊急通報を行う場合に操作される。センサー12cは、利用者宅10での通報すべき事象の発生を検知する。例えば、センサー12cは、火災発生を検知する火災センサー、ガス漏れを検知するガス漏れセンサー、利用者宅10への人の侵入を検知する侵入センサー、リズムセンサー等を含む。なお、リズムセンサーは、例えば、利用者宅10で生活時に利用されるトイレの扉や玄関のドア等に取り付けられ、利用者宅10での利用者の挙動が所定期間確認できない状態(例えば利用者宅10内で利用者が動いていない状態等)を検知する。
また、通報装置12には、手元緊急ボタン12d、ペンダント12eが接続されてもよい。手元緊急ボタン12dは、利用者が通報装置12から離れた位置で操作するために通報装置12に有線接続される操作部材である。ペンダント12eは、利用者が通報装置12から離れた位置で操作するために通報装置12に無線接続される操作部材である。手元緊急ボタン12dおよびペンダント12eは、緊急事態の発生により利用者がセンター20に緊急通報を行う場合に操作される。また、通報装置12は、機器の異常を検知したときにセンター装置20aに機器の異常等を示すシステム管理用の通報(自主系通報)を行う機能を有している。
センター装置20aは、処理装置22と、受信機24と、電話機26と、連絡用電話機28とを有する。受信機24は、公衆網50を介して利用者宅10の通報装置12と接続されているとともに、電話機26および処理装置22に接続されている。処理装置22は、連絡用電話機28に接続されている。連絡用電話機28は、公衆網50を介して、消防機関・公共機関30や緊急連絡先40に対してオペレーターが連絡を行うための電話機である。消防機関・公共機関30には、例えば、消防機関32、ガス会社34、役所36が含まれる。また、緊急連絡先40には、例えば、近隣協力員42、民生委員44、親族46が含まれる。なお、近隣協力員42は、利用者宅10の近隣の在住者であり、緊急通報に対する駆け付けに協力するサポータとしてセンター20側に予め登録された者である。また、民生委員44、親族46も、センター20側に予め登録されている者が対象となる。
なお、本実施形態のセンター装置20aは、公衆網50を介して、緊急連絡先40の対応者が所持する通信端末と電子メールを送受信できる。また、センター装置20aは、公衆網50を介して、緊急連絡先40の対応者が所持する通信端末による対応者の現在の位置情報(位置座標の情報)や、対応者が入力する自己申告情報を受信することができる。なお、緊急連絡先40の対応者が所持する通信端末は、例えば携帯端末(タブレット型端末、スマートフォン、モバイルコンピュータまたはフィーチャーホン)や、パーソナルコンピュータ等である。
処理装置22は、制御部22aと、記憶部22bと、表示部22cとを有する。
例えば、制御部22aは、プログラムを実行することにより動作するCPU(Central Processing Unit)であり、処理装置22内の各要素の動作を制御する。制御部22aは、送信部22dと、受信部22eと、判定部22fと、第一特定部22gと、第二特定部22hと、表示制御部22iとを有する。
送信部22dは、利用者宅10の通報装置12からの着呼を検出したタイミングで、着呼した利用者に対応する緊急連絡先40に対して通報があったことを示す電子メールを一斉送信する。送信部22dが送信する電子メールは、緊急連絡先40の対応者が今回の通報に対応できるか否か(対応可否)、対応者の現在の位置情報(位置座標の情報)、対応者の移動手段、対応者の駆け付け予定時間を照会する情報を含む。電子メールを受信した対応者は、対応可否、現在の位置情報、移動手段、駆け付け予定時間の各情報を所定の入力フォーム(入力画面)から入力することで、センター装置20aに情報を送信できる。なお、対応者の携帯端末は、電子メールに記載されたURL(Uniform Resource Locator)から入力画面へアクセスすることができる。なお、電子メールには、緊急連絡先40の対応者が利用者宅10の鍵を預かっているか否かの照会(鍵預かりの有無)を含めてもよい。
受信部22eは、緊急連絡先40の対応者からの応答を受信する。ここで、緊急連絡先40の対応者からの応答は、送信部22dが送信した電子メールへの返信と、例えば通信端末のアプリケーションプログラムによる位置情報の更新と、入力画面からの情報の更新とを含む。すなわち、受信部22eは、緊急連絡先40の対応者から受けた電子メールや更新された情報に基づいて、対応可否、現在の位置情報、移動手段および駆け付け予定時間の情報をそれぞれ受信する。なお、受信部22eは、電子メールまたは緊急連絡先40の対応者によって更新された情報に利用者宅10の鍵預かりの有無の情報が含まれている場合には、鍵預かりの有無の情報も受信する。
判定部22fは、受信部22eが受信した対応可否の情報により、電子メールに応答のあった緊急連絡先40の利用者宅10への駆け付けの対応可否を判定する。例えば、緊急連絡先40の対応者から、対応不可の意思表示をする応答があった場合、判定部22fは返信元の緊急連絡先40は利用者宅10への駆け付けができない(対応不可)と判定する。一方、対応可の意思表示をする応答があった場合、判定部22fは返信元の緊急連絡先40は利用者宅10への駆け付けが可能である(対応可能)と判定する。
第一特定部22gは、判定部22fにより対応可能であると判定された緊急連絡先40の対応者につき、対応者の位置情報と利用者宅10の位置情報とに基づいて、対応者の駆け付け予定時間を自動計算する。そして、第一特定部22gは、判定部22fが対応可能と判定した緊急連絡先40の対応者のうち、自動計算された駆け付け予定時間が最も短くなる者を特定する。
第二特定部22hは、対応者がそれぞれ入力した自己申告の駆け付け予定時間に基づいて、判定部22fが対応可能であると判定した緊急連絡先40の対応者のうち、自己申告の駆け付け予定時間が最も短くなる者を特定する。また、第二特定部22hは、オペレーターが対応者の自己申告による駆け付け予定時間の妥当性を検証するための参考情報を提示する機能を有してもよい。例えば、第二特定部22hは、対応者の駆け付け手段が車である場合、利用者宅10の位置情報と対応者の位置情報と自己申告による移動時間とを用いて時速を算出して表示部22cに表示させる。オペレーターは、表示された時速を確認することにより、対応者の自己申告による駆け付け予定時間の妥当性を検証することができる。
表示制御部22iは、表示部22cの表示を制御する。例えば、表示制御部22iは、第一特定部22gで特定された緊急連絡先40の対応者を示す情報と、第二特定部22hで特定された緊急連絡先40の対応者を示す情報とを表示部22cに表示させるよう制御する。
記憶部22bは、各利用者の情報と緊急連絡先40の情報とを対応付けて登録したデータベースを有する。記憶部22bのデータベースに登録される緊急連絡先40の情報は、各緊急連絡先40の対応者の電子メールアドレスや電話番号、年齢、性別、緊急通報に対応可能な時間帯等の情報が含まれる。例えば、記憶部22bのデータベースには、各緊急連絡先40の対応者の対応可能な時間帯の情報として、利用者宅10へ駆け付け可能な曜日、時間帯の組み合わせの情報が登録されている。利用者から着呼があると、制御部22aは、記憶部22bを参照して、着呼があった利用者に対応する緊急連絡先40の情報を抽出する。
表示部22cは、例えば、処理装置22の演算処理結果を表示する表示装置である。例えば、表示部22cは、通報装置12から緊急通報を受けたときに、制御部22aの制御によりオペレーターが駆け付け依頼を行う緊急連絡先40を一覧表示する。ここで、本実施形態での表示部22cは、第一特定部22gで特定された緊急連絡先40の対応者と、第二特定部22hで特定された緊急連絡先40の対応者とを共に表示する。これにより、表示部22cは、緊急連絡先40の対応者に駆け付け依頼を行うオペレーターに対して、駆け付け依頼の連絡先を判断するときに参考となる情報を提示できる。なお、表示部22cは、処理装置22に外付けされる表示装置であってもよい。
受信機24は、利用者宅10の通報装置12からの通報を受信し、処理装置22または電話機26に中継する。また、受信機24は、通報装置12から受けた通報を識別し、処理装置22に通報の種類を示す情報を出力する。また、受信機24は、緊急通報の受信に先立ち着呼(発信者番号)も検出する。
電話機26は、受信機24が緊急通報を受信したときに、利用者宅10とのハンズフリー通話を開始し、状況を確認する機能を有する。オペレーターは、音声合成によるアナウンスに対する利用者の応答を監視し、必要に応じて電話機26から利用者宅10に電話連絡をしてもよい。電話機26を介してオペレーターと利用者とが会話出来なかった場合を含め、オペレーターが駆け付け依頼が必要だと判断した場合には、オペレーターによって駆け付け依頼が行われる。
図2は、図1に示した通報装置12における代表的な通報内容の例を示す。図2に示すように、通報装置12の行う通報には、相談系通報と、緊急系通報と、自主系通報が含まれる。
相談系通報は、利用者がセンター20に相談を行う場合の通報であり、利用者が相談ボタン12aを操作することで実行される。
緊急系通報は、利用者宅10での緊急事態の発生をセンター20に通知する通報である。緊急系通報は、例えば、緊急ボタン12bや、手元緊急ボタン12dや、ペンダント12eを利用者が操作することで実行される。あるいは、緊急系通報は、火災センサーや、ガス漏れセンサーや、侵入センサーや、リズムセンサー等のセンサー12cが異常を検知することで実行される。
自主系通報は、機器の異常等を示すシステム管理用の通報である。自主系通報には、例えば、初期通報、停電発生、停電復旧、電池切れ、手元緊急ボタン12dの不良や、手元緊急ボタン12dの復旧が含まれる。
例えば、初期通報は、通報端末(通報装置12)の設置時に通報装置12により自動で実行される。例えば、停電発生通報は、停電の発生を検知した際に通報装置12により自動で実行される。例えば、停電復旧通報は、停電の復旧を検出した際に通報装置12により自動で実行される。例えば、電池切れ通報は、通報装置12の電池容量低下を検出した際に通報装置12により自動で実行される。例えば、手元緊急ボタン不良の通報は、手元緊急ボタン12dの接続不良を検出した際に通報装置12により自動で実行される。例えば、手元緊急ボタン復旧の通報は、手元緊急ボタン12dの接続不良が復旧した際に通報装置12により自動で実行される。
図3は、図1に示したセンター装置20aにおける通報受信時の動作の例を示す。図3において、センター装置20aは、処理装置22の制御部22aが受信機24を介して利用者宅10の通報装置12からの着呼を検出したタイミングで処理を開始する。
ステップS001において、制御部22aは、受信機24を介して利用者宅10の通報装置12からの着呼を検出する。すなわち、通報装置12が通報の発信を行うと電気通信事業者から受信機24に対して発信者番号が通知される。受信機24は、利用者の照会を行うため、発信者番号を取得すると制御部22aの指示に従い、処理装置22に対して取得した発信者番号を通知する。制御部22aは、受信機24から発信者番号を通知されたタイミングで通報受信処理を開始する。
ステップS002において、制御部22aは、記憶部22bのデータベースから着呼した電話番号を検索し、通報を行った利用者を特定する。
ステップS003において、制御部22aは、ステップS002で特定された利用者に対応する緊急連絡先40を記憶部22bのデータベースから抽出する。
ステップS004において、制御部22aは、ステップS003で抽出された緊急連絡先40のうちの1つを選択し、選択した緊急連絡先の各種情報を取得する。
ステップS005において、制御部22aは、ステップS004で各種情報が取得された緊急連絡先40につき、現在の時間が緊急通報に対応可能な時間帯であるか判定する。制御部22aは、緊急連絡先40が対応可能時間帯であると判定した場合(Yes側)、処理をステップS006に移行する。一方、制御部22aは、緊急連絡先40が対応可能時間ではないと判定した場合(No側)、処理をステップS007に移行する。
ステップS006において、制御部22aは、ステップS005において対応可能時間帯にあると判定された緊急連絡先40を駆け付け依頼の準備メールを送信する対象者としてリストに追加する。
ステップS007において、制御部22aは、通報を行った利用者に対応するステップS003で抽出された全ての緊急連絡先40について、ステップS005の対応可能時間帯の判定が終了したか否かを判定する。制御部22aは、全ての緊急連絡先40について対応可能時間帯の判定が終了した場合(Yes側)、処理をステップS008に移行する。一方、制御部22aは、いずれかの緊急連絡先40について対応可能時間帯の判定が終了していない場合(No側)、処理をステップS004に移行する。そして、制御部22aは、通報を行った利用者に対応するステップS003で抽出された全ての緊急連絡先40についてステップS004からステップS007までの処理を繰り返す。
ステップS008において、制御部22aは、駆け付け依頼の準備メールを送信する対象者リストを完成させる。そして、制御部22aは、受信機24から図2に示した通報内容を識別する情報を受信する。
ステップS009において、制御部22aは、受信機24から受信した通報内容を識別する情報に基づき、受信した通報が自主系通報であるか否かを判定する。制御部22aは、自主系通報であると判定した場合(Yes側)、処理をステップS013に移行する。自主系通報は、例えばコンセント抜けや機器異常等の通報であり、利用者または通報装置12の保守業者が対応を行うことになるため、緊急連絡先40への通報の必要はないからである。一方、制御部22aは、自主系通報ではないと判定した場合(No側)、処理をステップS010に移行する。例えば、制御部22aは、通報が図2に示した相談系通報または緊急系通報であった場合、駆け付け依頼を行う可能性があるとして処理をステップS010に移行する。
ステップS010において、制御部22aは、駆け付け依頼の準備を促すための依頼準備メールを作成する。
図4は、緊急連絡先40に対し駆け付け依頼の準備を促す電子メールの例を示す。図4で示す電子メールは、制御部22aによって対応可能時間帯にあると判定された緊急連絡先40に対し、図3のステップS011において一斉に送信される。図4の例では、メールのヘッダー(件名)が上欄に記載され、メールの本文が下欄に記載されている。
また、図4の例では、メールのヘッダー(件名)が「[緊急駆け付け依頼準備]2015−0121−001」となっている。ヘッダーに含まれる数字は、緊急駆け付け依頼ごとに制御部22aによって付与される依頼番号である。
また、メールの本文の1行目には「協力員1様」として、メールが送信される緊急連絡先40の対応者の氏名等が記載される。なお、駆け付け依頼準備メールは、一斉メールであるため、氏名等を記載せずに、個人を特定しない態様で送信されてもよい。メールの本文の2−3行目には依頼番号が記載される。メールの本文の4−5行目には受信内容として、利用者から緊急通報を受信したことが記載される。メールの本文の6行目以降には依頼内容として、緊急通報者の状況を確認するため駆け付けを依頼する場合がある旨が記載される。また、メール本文の依頼内容の欄には、対応可能の有無の登録を要求する記載があり、依頼内容の欄に記載されたURLにアクセスして、メールを受信した対応者による対応可能の有無の登録を促す内容となっている。なお、メール本文に記載されたURLにアクセスすると、図6で説明する画面に遷移する。
また、メール本文の依頼内容の欄には、緊急通報受信時点で対応可能と登録されている緊急連絡先40にメールが自動送信されている旨が記載されている。また、メール本文の依頼内容の欄には、対応不可の場合は、本メールに対してそのまま返信を希望する旨が文末に記載されている。例えば、メールを受信した対応者が事情により利用者宅10への駆け付けができない場合、対応者は、メールをそのまま返信する。対応者がメールをそのまま返信すると、制御部22aの制御により、例えば、表示部22cに図7で説明する画面が表示され、メールを返信した対応者の欄に対応不可である旨が表示される。
ステップS011において、制御部22aは、駆け付け依頼の準備を促すための依頼準備メールを送信する。図4で説明した依頼準備メールは、ステップS008で作成した対象者リストに含まれる緊急連絡先40に対し、制御部22aにより自動的に一斉に送信される。
ステップS012において、制御部22aは、駆け付け依頼案件であるか否か判定する。ステップS011の準備メール送信と並行して、センター20のオペレーターは、電話機26を介して緊急通報を行った利用者へ電話連絡を行う。利用者がオペレーターに駆け付けを依頼する場合や、利用者との電話連絡が行えない場合には、オペレーターは駆け付け依頼案件であることを示す入力を処理装置22に対して行う。また、駆け付け依頼案件ではない場合には、誤報等の理由がオペレーターにより処理装置22に登録される。そして、制御部22aは、駆け付け依頼案件であることを示す入力を受けたときに、駆け付け依頼案件であると判定する。制御部22aは、駆け付け依頼案件であると判定した場合(Yes側)、図5で説明する駆け付け依頼候補者作成処理(図5のステップS101)へ処理を移行する。一方、制御部22aは、駆け付け依頼案件では無い(駆け付け依頼案件であることを示す入力を受けていない)と判定した場合(No側)、処理をステップS013に移行する。
ステップS013において、制御部22aは、処理を通常処理に移行する。通常処理に移行した場合、オペレーターは、例えば、消防機関32、ガス会社34、役所36等の限定的な対応機関に連絡して処理を終了する。
図5は、ステップS012において、制御部22aが駆け付け依頼候補者作成処理へ処理を移行した場合の動作の例を示す。制御部22aが図3に示したステップS012において駆け付け依頼案件であると判定した場合、図5の処理が開始される。
ステップS101において、制御部22aは、図3のステップS011で送信した依頼準備メールに対して返信メールを受信しているか否か判定する。例えば、図4で説明したとおり、緊急依頼先40の対応者が対応不可の場合、依頼準備メールに対してそのまま返信をするため、制御部22aは、依頼準備メールに対して返信を受信している場合(Yes側)、処理をステップS104に移行する。一方、制御部22aは、依頼準備メールに対して返信を受信していない場合(No側)、処理をステップS102に移行する。
ステップS102において、制御部22aは、緊急連絡先40の対応者が図4で説明した依頼準備メール内に示されているURLにアクセスし、図6で説明する画面において、緊急連絡先40の対応者が情報を入力して情報の更新を行ったか否かを判定する。
図6は、緊急連絡先40の対応者が入力を行う画面の例を示す。図6の画面は、対応者が図4で説明した電子メールを受信したときに、メールの本文に示されたURLにアクセスしたときに表示される。図6に示す画面には、依頼番号と依頼時刻とが表示される。また、図6に示す画面には、対応可否、鍵預かり、移動手段、公共機関、準備時間(予定)、移動時間(予定)を入力する欄が含まれる。また、図6に示す画面には、緊急通報を行った利用者宅10の位置とURLにアクセスした対応者自身の位置情報を示す地図情報が表示される。
図6の画面を開いた対応者は、まず、対応可否を選択する。対応不可の場合、図4で説明したメールをそのまま返信してもよいが、図6に示す画面の対応可否の欄において「否」を選択してもよい。例えば、対応者がステップS011の依頼準備メールを受信した時点では対応可能だと認識してURLにアクセスしたが、図6に示される画面における地図情報をみたとき、予想以上に自身の現在地と利用者宅10とが離れていることもあるからである。次に、対応者は、鍵預かりのあり、なしを選択する。近隣協力員42や、民生委員44や、親族46等は、利用者宅10の鍵を預かっている場合もあるからである。例えば、利用者が自宅で倒れている等で解錠できない場合には、鍵預かりの有無の自己申告情報が重要となる。次に、対応者は、移動手段として、徒歩、自転車、車、公共機関のいずれかを選択する。公共機関である場合、徒歩、バス、電車をさらに選択する。最後に、対応者は、準備時間(予定)と、移動時間(予定)の自己申告情報を入力する。
以上の情報が入力されて情報が更新されると、センター20のオペレーターが確認する表示部22cの画面において、入力画面から入力のあった対応者の情報が更新される。このため、鍵預かり、移動手段、準備時間、移動時間等の情報を自己申告させることによって、オペレーターは、適切な対応者に対して速やかに依頼を行うことが可能となる。
図6の最下部の地図情報は、例えば対応者が所持する通信端末がGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等に対応している場合、URLへのアクセス時や情報の入力時にアプリケーションプログラム等によって自動で取得される。なお、対応者の所持する携帯端末がGPSに対応していない場合、対応者自身が現在地の住所を入力して、利用者と自身の位置情報を地図に表示させても良い。
ステップS102において、制御部22aは、緊急連絡先40の対応者が図6に示した画面への入力を行い情報の更新を行ったと判定した場合(Yes側)、処理をステップS103に移行する。一方、制御部22aは、対応者がまだ図6に示した画面へ入力を行っておらず情報の更新を行っていないと判定した場合(No側)、処理をステップS117に移行する。
ステップS103において、制御部22aは、緊急連絡先40の対応者が駆け付け依頼に対応可能か否かを判定する。制御部22aは、緊急連絡先40の対応者が図6で説明した画面において駆け付け対応可能(「可」)と入力した場合、駆け付け依頼に対応可能であると判定し(Yes側)、処理をステップS105に移行する。一方、制御部22aは、緊急連絡先40の対応者が図6で説明した画面において駆け付け対応不可(「否」)と入力した場合、駆け付け依頼に対応不可であると判定し(No側)、処理をステップS104に移行する。
ステップS104において、制御部22aは、駆け付け依頼の対応不可設定を行う。ステップS104の処理後は、ステップS117に処理が移行する。
ステップS105において、制御部22aは、対応可である緊急連絡先40の対応者の位置情報が取得出来ているか否か判定する。例えば、緊急連絡先40の対応者が、位置情報の検出機能を有する携帯端末から図6で説明した画面に情報を入力するとき、対応者の操作する携帯端末の位置情報を自動取得できる場合がある。制御部22aは、位置情報を取得できた場合(Yes側)、処理をステップS107に移行する。一方、制御部22aは、位置情報を取得できなかった場合(No側)、処理をステップS106に移行する。
ステップS106において、制御部22aは、前回の処理で対応者の位置情報を既に取得し、位置情報に基づく移動時間の自動計算が既に行われていた場合、位置情報に基づく移動時間の自動計算結果をクリアして、処理をステップS110に移行する。なお、制御部22aは、今回までの処理で対応者の位置情報をまだ取得できていない場合、ステップS106の処理を省略して処理をステップS110に移行する。
ステップS107において、制御部22aは、ステップS105で取得した位置情報を前回の処理で取得した位置情報と比較し、位置情報が更新されたか否か判定する。制御部22aは、対応者の位置情報が初めて取得された場合または前回の処理で取得した位置情報と比較して変化があった場合、位置情報が更新されたと判定し(Yes側)、処理をステップS108に移行する。例えば、対応者の所持する携帯端末のプログラムが携帯端末の位置情報を随時送信して更新を行う場合、制御部22aは、位置情報を受信するたびに位置情報が更新されたと判定する。一方、制御部22aは、対応者の位置情報が前回の処理で取得した位置情報と比較して変化がない場合、位置情報は更新されていないと判定し(No側)、処理をステップS110に移行する。
ステップS108において、制御部22aは、利用者宅10の位置とステップS105で取得した位置情報に基づいて対応者の移動距離を自動計算する。例えば、制御部22aは、ナビゲーションプログラムや距離計算プログラム等を実行することにより、対応者の利用者宅10への移動ルートを求め、求めた移動ルートに基づく移動距離を算出する。
ステップS109において、制御部22aは、ステップS108で自動計算された移動距離に基づいて、例えば、車、自転車、および徒歩での3種類の移動時間をそれぞれ自動計算する。このとき、制御部22aは、車での移動時間を自動計算する場合、地域の交通事情を考慮して移動時間を自動計算してもよい。例えば、制御部22aは、都会では渋滞発生を考慮して田舎の場合よりも時速を低めに設定して移動時間を算出してもよい。また、制御部22aは、自転車での移動時間を自動計算する場合、対応者の性別に応じて、男性の場合は女性の場合よりも時速を高く設定して移動時間を算出してもよい。また、制御部22aは、自転車での移動時間を自動計算する場合、対応者の年齢に応じて、高齢者の場合は若者の場合よりも時速を低く設定して移動時間を算出してもよい。また、制御部22aは、徒歩での移動時間を自動計算する場合、例えば「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」で規定される算出基準(道路距離80mにつき1分間(分速80m))に基づいて、移動時間を算出してもよい。なお、徒歩による移動時間を自動計算する場合も、制御部22aは、自転車の場合と同様に、年齢・性別に応じて時速を調整してもよい。
なお、制御部22aは、天候に応じて自動計算した移動時間を調整してもよい。例えば、天候が雨の場合、制御部22aは、車の移動時間は変更せず、自転車では移動不可とし、徒歩の移動時間は増加するように調整してもよい。例えば、天候が雪の場合、制御部22aは、都会では車や自転車では移動不可とし、雪国では車や自転車での移動は可能であるが移動時間を増加するように調整し、徒歩の移動時間は地域に拘わらず大幅に増加するように調整してもよい。
ステップS110において、制御部22aは、対応者から自己申告があったか否かを判定する。制御部22aは、緊急連絡先40の対応者が図6で説明した画面において、移動手段、準備時間、移動時間等の入力をした場合、自己申告があったと判定し(Yes側)、処理をステップS111に移行する。一方、制御部22aは、緊急連絡先40の対応者が図6で説明する画面において移動手段、準備時間、移動時間等の入力をしていない場合、自己申告がなかったと判定し(No側)、処理をステップS115に移行する。
対応者の自己申告の情報を活用することで、処理装置22を操作するオペレーターは、自動計算では考慮されない事情を反映して適切な駆け付けの候補者を決定することが可能となる。
例えば、車移動であった場合、制御部22aは自動計算で代表的なルートで計算を行うが、地域に詳しい対応者は利用者宅10への最短ルートを使用して自動計算された時間より短い時間で駆け付けが可能な場合もある。また、例えば、徒歩や自転車による移動であった場合、自動計算では代表的なルートで計算を行うが、地域に詳しい対応者は、狭い道を抜けてショートカットしたり、急な坂道や工事中の箇所などを避けて回り道をしたりする可能性が有る。このため、自動計算された時間より対応者の自己申告による移動時間の方が信頼性の高い場合もある。
例えば、徒歩や自転車による移動であった場合、利用者宅10への移動時間は、対応者の運動能力や交通状況、天候等に左右され、経験的に対応者自身が熟知している。このため、自動計算された時間より対応者の自己申告による移動時間の方が信頼性の高い場合もある。
例えば、対応可能な対応者であっても準備があって直ぐには駆け付けできない場合、準備時間を考慮する必要があり、利用者宅10に現実に駆けつける時間が自動計算の移動時間と乖離する場合もある。
例えば、移動手段についても、対応者の当日の都合に左右されるため、自己申告された情報が有用となる可能性がある。
ステップS111において、制御部22aは、対応者が車移動であるか否かを判定する。制御部22aは、対応者が図6で説明した画面において、移動手段は車であるとの入力をした場合、車移動であると判定し(Yes側)、処理をステップS112に移行する。一方、制御部22aは、対応者が図6で説明する画面において、他の移動手段であるとの入力をした場合、車移動ではないと判定し(No側)、処理をステップS114に移行する。
ステップS112において、制御部22aは、対応者の位置情報と利用者宅10の位置に基づいて対応者の現在地から利用者宅10までの移動距離がステップS108において自動計算済であるか判定する。制御部22aは、移動距離が自動計算済である場合(Yes側)、処理をステップS113に移行する。一方、制御部22aは、移動距離が自動計算済ではない場合(No側)、処理をステップS116に移行する。なお、制御部22aは、ステップS105で位置情報を取得していない場合には、移動距離が自動計算済みではないと判定する。
ステップS113において、制御部22aは、自動計算済みの移動距離と自己申告された移動時間とを用いて時速の自動計算を行う。算出された時速は、例えば、図7で説明する駆け付けの対応者のリストに表示される。算出された時速の情報は、センター20のオペレーターが、対応者が誤って自己申告による移動時間を入力したかを判断するための参考情報となる。例えば、利用者宅10の地域における交通事情を考慮した時速と算出された時速との差が閾値以上となる場合には、オペレーターは対応者の入力ミスの可能性が高いと判断できる。なお、図7で説明する駆け付けの対応者のリストには、参考情報として、利用者宅10の地域の交通事情を考慮した平均時速や最高時速等を表示してもよい。また、制御部22aは、交通事情を考慮した時速と算出された時速との差が閾値以上となる場合、自己申告による移動時間をクリアしてもよい。
ステップS114において、制御部22aは、対応者の情報の更新の結果、例えば車移動から徒歩や自転車での移動のように、移動手段の変更があった場合、既に計算されている時速をクリアして処理をステップS116に移行する。なお、制御部22aは、時速をまだ計算していない場合、ステップS114の処理を省略して処理をステップS116に移行する。
ステップS115において、対応者の情報の更新の結果、自己申告の情報がクリアされた場合、自己申告の情報をクリアして処理をステップS116に移行する。なお、制御部22aは、自己申告の情報をまだ取得していない場合、ステップS115の処理を省略して処理をステップS116に移行する。
ステップS116において、制御部22aは、対応者から自己申告された準備時間と移動時間とを合計して、自己申告による駆け付け予定時間を計算する。なお、準備時間とは、対応者の事情により利用者宅10への駆け付けに準備を要する時間を示すものである。例えば、準備時間を要する例として、着替えが必要である場合や、食事中、買い物中、あるいは仕事中等により駆け付けまでに時間を要する事情がある場合等が該当する。
ステップS117において、制御部22aは、ステップS101からステップS116までの処理で得た情報に基づいて、駆け付けを依頼する対応者の候補者を表示部22cに表示する。例えば、制御部22aは、図7で説明する画面を表示部22cに表示させる。
図7は、駆け付けを依頼する緊急連絡先40の候補者が表示された画面の例を示す。制御部22aは、例えば、図3のステップS011において、緊急連絡先40に一斉メールを送信した時点で図7に示す画面を表示部22cに表示させる。また、制御部22aは、図5のステップS101において対応者から返信メールがあった場合、または図5のステップS102において対応者により情報の更新が行われた場合、図7に示す画面を更新する。
図7に示す画面では、候補者、依頼、緊急連絡先、対応可否、連絡先、移動距離・時間(自動計算)、移動手段、駆け付け時間の項目が含まれる。候補者の項目は、緊急連絡先40のうちオペレーターが優先的に連絡を行う候補者を示している。候補者の項目は、自動計算による候補者を示す項目と、自己申告による候補者を示す項目とに分かれており、制御部22aは、自動計算による候補者と、自己申告による候補者とをそれぞれ1人ずつ示す。図7の例では、自動計算による候補者の項目と、自己申告による候補者の項目において、制御部22aが選択した各候補者の欄に二重丸(◎)が付されている。依頼の項目は、オペレーターによって決定された駆け付けを依頼する対応者を示している。図7の例では、オペレーターによって決定された駆け付けを依頼する対応者の欄に「1」が付されている。緊急連絡先の項目は、対応者の種別を示す区分の項目と、対応者の氏名を示す氏名の項目とを含む。区分の項目における対応者の種別は、例えば、近隣協力員42、民生委員44、連絡先(親族46等)などである。対応可否の項目は、対応者の利用者宅10への駆け付け可否を示している。図7の例では、制御部22aに対応可能と判定された対応者には、対応可否の項目に二重丸(◎)が付され、制御部22aに対応不可と判定された対応者には、対応可否の項目にバツ(×)が付される。また、図7の例では、連絡が取れていない緊急連絡先40の対応者については、対応可否の項目が未入力を示す状態(−)となる。
連絡先の項目は、連絡先の電話番号の種別(自宅、携帯、勤務先等)を示している。鍵預りの項目は、利用者宅10の鍵の所持/非所持の情報を示している。図7の例では、利用者宅10の鍵を所持している対応者の欄には二重丸(◎)が付され、利用者宅10の鍵を所持していない対応者の欄にはバツ(×)が付されている。移動距離・時間(自動計算)の項目は、対応者の移動距離を示す距離の項目と、対応者の移動手段の種別ごとの移動時間を示す、車、自転車、徒歩の各項目とを含む。距離の項目は、対応者の位置情報が取得出来ている場合、制御部22aによって利用者宅10と対応者の位置情報とに基づいて自動計算された移動距離が示される。車、自転車、徒歩の各項目には、制御部22aによって、自動計算された移動時間が示される。また、図7の例では、対応者によって自己申告された移動手段の種別の欄は、太枠で強調表示される。
移動手段の項目には、対応者の自己申告による移動手段(車、徒歩、自転車、公共機関等)が示される。駆け付け時間の項目は、対応者の自己申告による準備時間を示す準備の項目と、対応者の自己申告による移動時間を示す移動の項目と、制御部によって自動計算された時速の項目と、対応者の自己申告による準備時間と移動時間の合計を示す合計とを含む。時速の項目は、対応者の自己申告による移動手段が車であった場合、利用者宅10の位置と対応者の位置情報とに基づいて自動計算された移動距離と、自己申告による移動時間とに基づいてステップS113において算出された時速が示される。なお、図7の例では、自己申告による移動手段が車ではない対応者については、時速の項目が未算出を示す状態(−)となる。
図7の例では、一番上の協力員1は、対応可であり、鍵も預かっていることが示されている。また、取得された位置情報に基づいて、協力員1の距離の項目には「1500m」が示されている。そして、制御部22aによって自動計算された協力員1の移動時間が、車、自転車、徒歩の各項目にそれぞれ「2分」、「10分」、「19分」と示され、自己申告による移動手段として車の欄が太枠で強調表示されている。また、協力員1の自己申告による準備時間と、移動時間と、その合計とがそれぞれ「20分」、「5分」、「25分」と示されている。自己申告による移動手段が車であるため、協力員1の移動時速の項目には、制御部22aによる自動計算結果「18km」が示されている。
上から2番目の協力員2は、自動計算による移動距離が340mで最も移動距離が短く、自動計算によると車での移動時間が1分と最短である。図7の例では、協力員2の自動計算による候補の欄に二重丸(◎)が付されている。
上から3番目の協力員3は、制御部22aによって位置情報が取得されておらず、移動距離・時間(自動計算)の欄が全て未入力の状態(−)である。しかし、協力員3の自己申告による自転車での駆け付け時間が、準備時間11分、移動時間10の合計11分であり、自己申告による移動時間が最短である。そのため、協力員3の自己申告による候補の欄に二重丸(◎)が付されている。
上から4番目の民生委員は、自動計算による移動距離も長く、公共機関を利用した自己申告による駆け付け時間の合計も長いことが示されている。なお、図7に示す民生委員の例では、移動距離が長く徒歩による移動は現実的ではないため、徒歩による移動時間は示されていない。
上から5番目の連絡先1は、図5のステップS101においてメールがそのまま返信されことによる対応不可設定がなされた例である。図7では、連絡先1の対応可否の項目にバツ(×)が付され、斜線で塗りつぶされている。
上から6番目の連絡先2は、連絡が取れていないため、全ての項目に未入力を示す(−)が示されている。なお、制御部22aは、オペレーターによって駆け付け依頼者が決定された旨の入力がある前に、情報の更新があった場合、連絡先2の項目を更新する。
一番下の連絡先3は、図5のステップS102において対応不可であるとの情報の更新があったため、制御部22aによって対応不可設定がなされた例である。図7に示す連絡先3の対応可否の項目にバツ(×)が付され、斜線で塗りつぶされている。なお、位置情報は取得できていないものの、自己申告による移動時間が120分であり、連絡先3の対応者は遠方にいるものと推定される。
図7に示す画面は、図5のステップS101のメールの返信や、ステップS102の情報の更新があった場合、随時更新される。そして、情報の更新時において、自動計算による駆け付け時間が最短となる対応者と、自己申告による駆け付け時間が最短である対応者の2名の候補の項目には二重丸(◎)が付される。なお、制御部22aは、2名の候補のうちいずれか一方を推奨する表示を図7に示す画面に表示してもよい。例えば、制御部22aは、ステップS113で時速を計算した場合において、交通事情を考慮した時速と算出された時速との差が閾値以上となる場合には、自動計算による駆け付け時間が最短となる対応者を推奨する表示をしてもよい。
ステップS118において、制御部22aは、ステップS117で表示された2名が最終候補者として決定されたか否か判定する。例えば、図7で説明したように、表示部22cには、自動計算による駆け付け時間が最短となる対応者と、自己申告による駆け付け時間が最短となる対応者とが1名ずつ特定されて表示されている。なお、どちらの候補者に駆け付け依頼をするかはセンター20のオペレーターの判断に任されているが、判断の参考として自己申告の情報をオペレーターが考慮できる。制御部22aは、センター20のオペレーターによって、ステップS117で表示された2名のうちの1名が駆け付け依頼処理を行う候補者として決定されたと判定した場合(Yes側)、処理をステップS119に移行する。一方、制御部22aは、センター20のオペレーターによって候補者が決定されていないと判定した場合(No側)、処理をステップS101に移行し、ステップS101からステップS118までの処理を繰り返す。
なお、制御部22aが、ステップS101でメールを新たに受信した場合や、ステップS102で情報の更新があった場合、ステップS117において表示部22cに表示される候補者2名が逐次更新される。センター20のオペレーターは、更新された画面を見て最終候補者を決定する。
なお、図7の例では、協力員2および協力員3に候補を示す二重丸(◎)がそれぞれ示されているが、情報の更新により制御部22aが選択する候補者も随時変動する。オペレーターは、図7の画面に示されている最新の情報に基づいて駆け付けを依頼する依頼者を決定することができる。
ステップS119において、制御部22aは、駆け付け依頼処理を行う。駆け付け依頼処理については、図8で説明する。
ステップS120において、制御部22aは、駆け付け依頼済みであるか否かを判定する。制御部22aは、図8で説明する処理が完了し、駆け付け依頼済みであると判定した場合(Yes側)、一連の処理を終了する。例えば、センター20のオペレーターによって、図8で説明する駆け付け依頼処理が行われ、図7で説明した画面の依頼の欄に依頼済みを示す入力(「1」の値)が入力された場合、制御部22aは駆け付け依頼済みであると判定する。一方、制御部22aは、駆け付け依頼済みではないと判定した場合(No側)、処理をステップS101に移行し、ステップS101からステップS119までの処理を繰り返す。例えば、図8で説明する駆け付け依頼処理において候補者の承諾を得られなかった場合には、図7で説明する画面の依頼の欄に依頼済みを示す入力(「1」の値)がなされないので、制御部22aは駆け付け依頼済みでないと判定する。
図8は、ステップS119の具体的な処理内容の例を示す。図8の処理は、センター20のオペレーターがステップS117で表示部22cに表示される候補者を確認しつつ、任意のタイミングで開始される。
ステップS201において、制御部22aは、センター20のオペレーターによって選択された対応者の電話番号に連絡用電話機28でオートダイヤルを実行する。例えば、制御部22aは、緊急連絡先40として事前に登録されている電話番号(例えば、自宅、携帯、勤務先)にオートダイヤルを行う。電話がつながった場合、センター20のオペレーターは、対応者に対して、電話にて駆け付け依頼を行う。
ステップS202において、オペレーターと対応者との通話の結果、駆け付け依頼への承諾が得られた場合、オペレーターは処理装置22に承諾の有無を入力する。そして、制御部22aは、駆け付け依頼への承諾の入力を受け付けたか否かを判定する。例えば、制御部22aは、オペレーターによって、図7で説明した画面の依頼の欄に「1」が入力された場合、依頼の承諾が得られたと判定し(Yes側)、処理をステップS203に移行する。一方、制御部22aは、オペレーターによって、図7で説明した画面の依頼の欄に「1」が入力されなかった場合、依頼の承諾が得られなかったと判定し(No側)、駆け付け依頼処理を終了する。
なお、図7の例では、協力員3における依頼の欄に「1」が入力されていることから、オペレーターによって、自己申告による候補の項目に二重丸(◎)が示されている協力員3に依頼が行われ、協力員3から承諾が得られたことがわかる。
ステップS203において、制御部22aは、オペレーターによって決定された対応者を、駆け付けを依頼する依頼者として確定する。なお、制御部22aは、緊急通報を行った利用者に対して、図9で説明するメールを送信し、誰が駆け付けるのかを知らせてもよい。
図9は、緊急通報を行った利用者に対し、駆け付けを依頼する依頼者が確定したことを通知するための電子メールの例を示す。
図9の例では、緊急駆け付け依頼者確定メールのヘッダー(件名)が「[緊急駆け付け依頼者確定]2015−0121−001」となっている。ヘッダーに含まれる数字は、緊急依頼ごとに制御部22aによって付与される依頼番号である。
また、メールの本文の1行目には「○○様」として、緊急通報を行った利用者の氏名等が記載される。メール本文の2−3行目には、誰に駆け付け依頼を行ったかを示す情報と、駆け付け予定時間を示す情報とが記載されている。これにより、メールを受信した利用者は、対応者と駆け付け予定時間を知ることができる。
ステップS204において、制御部22aは、ステップS203で決定された依頼者以外の緊急連絡先40に対し、図10で説明する依頼準備解除を通知するメールを送信する。
図10は、ステップS203で決定された依頼者以外の緊急連絡先40に対し、駆け付け依頼準備解除を通知する電子メールの例を示す。
図10の例では、緊急駆け付け依頼解除メールのヘッダー(件名)が「[緊急駆け付け依頼解除]2015−0121−001」となっている。ヘッダーに含まれる数字は、緊急依頼ごとに制御部22aによって付与される依頼番号である。
また、図10の例では、メールの本文の1行目には「協力員1様」として、依頼者以外の対応者の氏名等が記載される。メールの本文の2−3行目には、誰に駆け付け依頼を行ったかを示す情報と、引き続き、ご支援とご協力をお願いしますとの文言が記載されている。メールを受信した対応者は、駆け付け依頼先が自身でないこと、駆け付け依頼準備を解除して良いことが確認できる。
ステップS205において、制御部22aは、ステップS203で決定された依頼者に対して、図11で説明する緊急駆け付け依頼メールを送信し、駆け付け依頼処理を終了する。
図11は、ステップS203で決定された依頼者に対し、駆け付けを依頼する電子メールの例を示す。 図11の例では、駆け付け依頼メールのヘッダー(件名)が「[緊急駆け付け依頼]2015−0121−001」となっている。ヘッダーに含まれる数字は、緊急依頼ごとに制御部22aによって付与される依頼番号である。
また、図11の例では、メールの本文の1行目には「協力員3様」として、メールが送信される依頼者の氏名等が記載される。メールの本文の2−3行目には、依頼番号が記載される。メールの本文の4−5行目には受信内容として、利用者から緊急ボタン12bを受信したことが記載される。メールの本文の6−7行目には、依頼内容として、緊急通報者の状況を確認するため駆け付けを依頼する旨が記載される。そして、メールの本文の8−9行目には、特記事項として、応答がないため、鍵が必要である旨が記載される。
メールの10行目以降には、情報参照として、利用者の情報は情報参照の欄に記載されたURLにアクセスするよう促す内容と、URLの有効期限とが記載される。対応者が情報参照のURLにアクセスすると、駆け付け先の利用者宅10の位置や、駆け付け先の利用者の個人情報等を参照することができる。対応者が処理登録のURLにアクセスすると、駆け付け先の利用者の状況や対応者の行った処理内容等を報告する画面が表示される。対応者が完了登録のURLにアクセスすると、対応者の駆け付け対応が完了した旨を報告する画面が表示される。なお、制御部22aは、依頼された対応者がメールに示されたURLにアクセスして駆け付け依頼の処理登録や完了登録が行われたか否かによって、駆け付け依頼の実行の有無を監視する。
以上、図1−図11で示した実施形態では、制御部22aは、緊急通報を受信したタイミングで緊急連絡先40に対して一斉メールを行う。このため、複数登録されている緊急連絡先40に対して順番に連絡を行う必要がなく、適切な対応者に対して速やかに依頼を行うことが可能である。
また、図1−図11で示した実施形態では、センター20のオペレーターと利用者とが会話している間に、緊急連絡先40の対応者から申告された情報が随時更新される。これにより、最新の情報が随時表示されるため、センター20のオペレーターが最適な駆け付け依頼者を決定するための情報を示すことができる。
また、図1−図11で示した実施形態では、制御部22aは、表示部22cにおける図7で示す画面に、移動手段を考慮して自動計算した駆け付け時間と、自己申告された駆け付け時間とを表示する。これにより、利用者宅10への駆け付け依頼者の選択に際して自動計算では考慮されない事情を反映することが可能となり、センター20のオペレーターが最適な駆け付け依頼者を決定するための情報を示すことができる。
また、図1−図11で示した実施形態では、制御部22aは、表示部22cにおける図7で示す画面に、対応者が利用者宅10の鍵を預かっているか否かの情報を表示する。これにより、オペレーターが利用者と会話が行えない場合などにおいて、最適な駆け付け依頼者を決定するための情報を示すことができる。
また、図1−図11で示した実施形態では、制御部22aは、自己申告された移動手段が車であった場合、利用者宅10の位置と対応者の位置情報とに基づく移動距離と自己申告された移動時間とによって時速を自動計算する。これにより、対応者が移動時間を誤って入力したか否かをセンター20のオペレーターが判断するための参考情報を示すことができる。
また、図1−図11で示した実施形態では、制御部22aは、表示部22cにおける図7で示す画面に、自己申告による準備時間を表示する。これにより、センター20のオペレーターが準備時間を考慮して、最適な駆け付け依頼者を決定することができる。
なお、図4、図9−図11で示した駆け付け依頼に関する電子メールでの通知を専用のアプリケーションプログラムで行ってもよい。これにより、緊急連絡先40の対応者の所持する携帯端末によるアラーム吹鳴を可能とすることや対応不可を予め登録して自動応答可能とすることができるため、対応者からの応答のリアルタイム性が向上する。
また、図6で示した画面による情報の更新も緊急連絡先40の対応者の所持する携帯端末にインストールされたアプリケーションプログラムで行っても良い。これにより、位置情報が随時更新されるため、対応者から送信される位置情報のリアルタイム性が向上する。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。