JP2016171308A - 固体撮像素子およびそれを備える撮像装置 - Google Patents

固体撮像素子およびそれを備える撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 測距精度の低下を防止しつつ、互いに感度が異なる撮像信号を取得しながら、測距信号を取得可能な固体撮像素子を提供する。
【解決手段】 複数の画素を有し、複数の画素ごとに、第一の方向に並列された、互いに感度の異なる第一の光電変換領域及び第二の光電変換領域と、第一の光電変換領域と第二の光電変換領域に挟まれた第一のバリア領域と、を有する固体撮像素子であって、第一の光電変換領域は、第一の方向と交差する第二の方向に並列された、第一の光電変換部と、第二の光電変換部と、第一の光電変換部と第二の光電変換部に挟まれた第二のバリア領域と、を含み、第一のバリア領域の電気的な分離の大きさが、第二のバリア領域の電気的な分離の大きさよりも大きいことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固体撮像素子に関し、特にデジタルカメラなどの撮像装置に好適に用いられる固体撮像素子に関するものである。
近年、デジタルカメラなど撮像装置で取得する画像に対するダイナミックレンジ拡大の要請が高まっている。この課題に対し、特許文献1では、画素中に設ける複数の光電変換部の開口面積を互いに異ならせて、光電変換部の各々に入射する光量の比率を変え、高感度信号と低感度信号の2種類の画素信号を取得している。そして、これらを合成して画像のダイナミックレンジを拡大する技術が提案されている。
また、動画像信号を取得しながら静止画像信号を取得できる撮像装置の実現に対する要請も高まっている。一般に、滑らかな動画像を得るためには固体撮像素子の読み出しフレームレートと同程度の露光時間(電荷蓄積時間)で撮影を行うことが好ましい。それに対して、静止画像の場合は被写体の動きの速さに応じた露光時間を設定することが好ましい。従って、動画像信号を取得しながら静止画像信号を取得するためには、露光時間が互いに異なる2つの画素信号を取得する必要がある。
特許文献2には、動画像信号を取得しながら静止画像信号を取得するために、1つの画素内に露光時間が互いに異なる複数の光電変換素子(特許文献1の光電変換部に相当)を備えた固体撮像素子が開示されている。露光時間の比較的短い光電変換素子の面積は相対的に広く、露光時間の比較的長い光電変換素子の面積は相対的に狭く形成されており、動画用の光電変換素子の感度と静止画用の光電変換素子の感度は、互いに異なっている。
なお、「光電変換素子(光電変換部)の感度」は、単位時間当たりに画素に入射する光量に対する、光電変換部に蓄積される電荷量の比で定義される。
また、特許文献3には、従来技術として、測距機能を有する距離測定用画素(以下、測距用画素と記述する)を備え、位相差方式で被写体までの距離を検出することのできる固体撮像素子が開示されている。測距用画素には、複数の光電変換部が設けられており、撮影レンズの瞳上の互いに異なる領域を通過した光束が、それぞれ別々の光電変換部に導かれるように構成されている。測距用画素ごとに設けられた複数の光電変換部のそれぞれで取得された信号により、撮影レンズの光軸に対して互いに反対側にずれた瞳領域を通過した光束による画像(以後、測距像と記述)を生成する。そして、撮影レンズの互いに異なる瞳領域を通過した光束それぞれから生成される測距像間のずれ量を基に、三角測量の原理を用いて被写体までの距離を検出することができる。撮像時には、画素内の複数の光電変換部で取得された信号出力を加算して取得することにより、撮像信号を得ることができる。
特開2004−363193号公報 特開2004−120391号公報 特開2002−314062号公報
ところで、互いに感度の異なる画像を取得しながら測距像を取得する場合には、以下のような課題が発生する。
特許文献1や特許文献2に開示されている手法を用いて、互いに感度が異なる複数の撮像信号のうちの一方を取得しながら他方を取得するためには、画素内に設けた複数の光電変換部の各々に入射する光量の比率を変える必要がある。具体的には、画素内に2つの光電変換部を設け、2つの光電変換部を分離するためのバリア領域の中心から、マイクロレンズの光軸をずらして配置することになる。しかし、このような配置を採用すると、各光電変換部が受光する光束が通過する、撮影レンズの瞳領域間の距離(基線長)が短くなり、測距精度が低下してしまう。
一方、特許文献3のように、マイクロレンズの光軸が、2つの光電変換部を分離するバリア領域の中心を通る場合、複数の光電変換部各々で受光される光束が通過する、撮影レンズの瞳領域間の距離(基線長)が長くなるため、測距精度は高くなる。しかし、マイクロレンズを介して2つの光電変換部に入射する光量がほぼ等しくなってしまい、互いに感度が異なる複数の撮像信号のうちの一方を取得しながら他方を取得することが困難になる。
本発明は、測距精度の低下を防止しつつ、互いに感度が異なる撮像信号(画像を取得するための信号)を取得しながら、測距信号(測距像を取得するための信号)を取得可能とすることを目的とする。
本発明にかかる固体撮像素子は、複数の画素を有し、前記複数の画素ごとに、第一の方向に並列された、互いに感度の異なる第一の光電変換領域及び第二の光電変換領域と、前記第一の光電変換領域と前記第二の光電変換領域に挟まれた第一のバリア領域と、を有する固体撮像素子であって、前記第一の光電変換領域は、前記第一の方向と交差する第二の方向に並列された、第一の光電変換部と、第二の光電変換部と、前記第一の光電変換部と前記第二の光電変換部に挟まれた第二のバリア領域と、を含み、前記第一のバリア領域の電気的な分離の大きさが、前記第二のバリア領域の電気的な分離の大きさよりも大きいことを特徴とする。
さらに、本発明にかかる撮像装置は、撮影レンズと、前述のいずれかの固体撮像素子を備えることを特徴とする。
本発明によれば、測距精度の低下を防止しつつ、互いに感度が異なる撮像信号を取得しながら、測距信号を取得可能となる。
実施形態1にかかる固体撮像素子の例を示す図である。 実施形態1にかかる画素の構成例を示す図と、画素に設けられたポテンシャル分布例とを示す図である。 実施形態1にかかる画素に設けられた光電変換部の感度の角度依存性を示す図である。 実施形態1にかかる画素に配置するマイクロレンズの変形例を示す図である。 実施形態1にかかる画素に、方向によって屈折力の異なるマイクロレンズを配置する例と、その場合の第二の光電変換領域の感度の角度依存性を示す図である。 実施形態1にかかる画素に、方向によって屈折力の異なるマイクロレンズを配置する具体例を示す図である。 実施形態1にかかる画素に光導波路を設ける場合の構成例と、その場合の第二の光電変換領域122の感度の角度依存性を示す図である。 実施形態1にかかる画素内に設ける第一および第二のバリア領域のポテンシャル分布の例を示す図である。 実施形態1にかかる固体撮像素子における画素の配置例を示す図である。 実施形態2にかかる固体撮像素子における画素の構成例を示す図である。 実施形態3にかかる固体撮像素子における画素の構成例を示す図である。 実施形態6にかかる固体撮像素子を備えた撮像装置例の概略図を示す図である。 比較例の固体撮像素子における画素の構成例と、画素に設けられた光電変換部の感度および基線長とマイクロレンズの光軸のずれ量との関係を示す図である。 マイクロレンズの光軸のずれ量が小さい場合と大きい場合のそれぞれについて、画素に入射する光束の伝搬の様子を示す図である。 測距用の信号を取得するための複数の光電変換部と、互いに感度の異なる撮像用の信号を取得するための複数の光電変換領域を同じ方向に並べた画素を示す図である。 実施形態1、2の画素に適用可能な回路図である。 (第一の光電変換領域の方が、第二の光電変換領域よりも感度が高い場合における)同一列内に並んだ複数の画素の露光時間を示す図である。 (第一の光電変換領域の方が、第二の光電変換領域よりも感度が低い場合における)同一列内に並んだ複数の画素の露光時間を示す図である。
以下、図を用いて、本発明にかかる固体撮像素子の実施形態について説明する。その際、全ての図において同一あるいは相当の機能を有する部材には同一の数字を付与し、繰り返しの説明は省略する。
(実施形態1)
測距用の信号と互いに感度の異なる複数の撮像用の信号とを同時に取得することが可能な固体撮像素子の構成について説明する。
図1は、本発明にかかる固体撮像素子100の一例を示す概略図である。固体撮像素子100は、画素が設けられた撮像領域103と、周辺回路104が配置された領域とを有している。
画素101は、撮像領域103の中心領域102に配置された画素である。ここで、中心領域102に配置された画素とは、撮像領域103に垂直な方向(Z方向)から見た場合に、画素101の重心が中心領域102の内部に含まれる画素という意味で用いる。また、中心領域102は、固体撮像素子100の中心からの距離が所定の値以下の領域を指す。所定の値は、撮像領域103の対角線の長さの四分の一以下であることが好ましく、対角線の長さの二十分の一以下であれば更に好ましい。
図1では、中心領域102に画素101が3×3個配置されている固体撮像素子の例を示しているが、画素101の配置はこれに限るものではなく、中心領域102が画素101を複数備えていれば良い。また、中心領域102には、画素101の他に、画素101とは異なる構成の画素が含まれていても良い。
図2(a)は、画素101を光の入射側からみた図(XY面)である。図2(b)は図2(a)の破線2B−2Bにおける断面をY方向から見た図(XZ断面図)であり、図2(c)は図2(a)の破線2C−2Cにおける断面をX方向から見た図(YZ断面図)である。画素101には、光の入射側より、マイクロレンズ110、基板120が設けられている(画素101は、基板120の光の入射側にマイクロレンズ110を有する)。基板120には、第一の方向に沿って、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122と、第一の光電変換領域と第二の光電変換領域とに挟まれた第一のバリア領域125とが設けられている(並列されている)。図2の場合、第一の方向は、固体撮像素子の短手方向に画素が配列されているY方向と一致している。
さらに、第一の光電変換領域121には、基板120の面上の第一の方向と交差する第二の方向に沿って、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124と第一の光電変換部と第二の光電変換部とに挟まれた第二のバリア領域127が設けられている(並列されている)。図2の場合、第二の方向が、固体撮像素子の長手方向に画素が配列されているX方向と一致している。第二の光電変換領域122は、単一の光電変換部(122)で構成されている。
画素101内には、各光電変換部の露光時間(電荷蓄積時間)を設定したり、各光電変換部で生成された信号を取得したりするための、配線112が設けられている。
光電変換部122、123、124は、検出する波長帯域で吸収を有するシリコンなどの材料で形成された基板120に、イオン打ち込み等でポテンシャル分布を形成することによって形成される。ポテンシャル分布によって出来るポテンシャル障壁により、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122の間にポテンシャル障壁が形成され、第一のバリア領域125となる。同様に、第一の光電変換部123、第二の光電変換部124の間にもポテンシャル障壁が形成され、第二のバリア領域127となっている。
図2(d)に、図2(b)の断面におけるポテンシャル分布、図2(e)に、図2(c)の断面におけるポテンシャル分布を示す。図2(d)および(e)に示すように、光電変換部間に形成されるポテンシャル障壁の最大値を含み、ポテンシャル障壁の最大値の9割以上の大きさのポテンシャルを有する領域が、バリア領域に相当する。
なお、画素内にポテンシャル分布を形成するには、光電変換部に対応する領域ではなく、バリア領域に対応する領域にイオンを打ち込んでもよい。また、光電変換部とバリア領域の両方にイオン打ち込みを行ってもよい。この場合、光電変換部に対応する領域に打ち込むイオンとは逆の導電性を有するイオンを、バリア領域に打ち込むことが好ましい。
各光電変換領域あるいは光電変換部の平面視形状は、図2(a)に示すような長方形でなくても良く、円形や楕円形、多角形などでもよい。多角形の角は製造プロセスで形成される丸みを帯びていても良い。
マイクロレンズ110は、画素101に入射する光の集光効率を高めるとともに、入射する光を、各々の光電変換部に振り分けるために設けられている。マイクロレンズ110は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、BPSGなどの無機物、ポリマーや樹脂等の有機物、あるいはそれらの混合物で構成されている。
マイクロレンズ110は、その光軸111が、第一のバリア領域の中心126に対して第一の光電変換領域の側(−Y方向)にずれて配置されている。そして、第二のバリア領域の中心128に対しては、第一のバリア領域の中心126に対するずれ方向はY方向である。即ち、マイクロレンズ110の光軸111は、第一のバリア領域の中心126および第二のバリア領域の中心128に対して、第二の方向(X方向)にはずれていない。ここで言う「ずれていない」とは、製造誤差程度のずれを許容する。具体的には、第二の方向における画素の幅の5%程度のずれは許容される。第一のバリア領域の中心とは、第一の光電変換領域と第二の光電変換領域とに挟まれた領域の重心と同義で用い、第一のバリア領域の基板120表面での形状をZ方向から平面視した際の、図形の重心を意味する。第二のバリア領域の中心についても同様である。
以上説明した様に、図2に示す固体撮像素子100において、マイクロレンズの光軸111は、第二のバリア領域の中心128に対して、X方向にはずれていない。従って、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124では、撮影レンズの光軸に対して互いに反対方向(+X方向と−X方向)にずれた瞳領域を通過した光束を受光して、電気信号が取得される。第一の光電変換部123で取得された電気信号から生成された測距像と、第二の光電変換部124で取得された信号から生成された測距像との間の像のずれ量を求めることで、被写体までの距離を検出することができる。つまり、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の各々で取得された信号は、測距用の信号として利用することができる。
また、マイクロレンズの光軸111が、第一バリア領域の中心126より第一の光電変換領域121側にずれて配置されているため、第一の光電変換領域121に入射する光量は、第二の光電変換領域122に入射する光量よりも大きくなる。即ち、第一の光電変換領域121の感度は、第二の光電変換領域122の感度よりも大きくなる。従って、第一の光電変換領域121、即ち、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124で生成された電気信号の和を高感度信号、第二の光電変換領域、即ち、光電変換部122で生成された電気信号を低感度信号として利用することができる。
このように、画素101では、測距用の信号を取得する光電変換部が配置されている第二の方向(X方向)と、互いに異なる感度を有する信号を取得する光電変換領域が配置されている第一の方向(Y方向)とが、互いに交差している。そのため、測距に必要な信号と、撮像に必要な互いに感度の異なる複数の信号とを、同時に取得可能な固体撮像素子を実現することができる。
続いて、従来の固体撮像素子と比較しながら、本実施形態について詳細に説明する。
図13(a)は、比較のために示す固体撮像素子における画素1001の構成例である。図13(a)は、光の入射側からみた画素1001のレイアウト、図13(b)は、図13(a)の一点鎖線13B−13Bにおける断面をY方向から見た図(XZ断面図)である。画素1001は、第一の光電変換部1021、第二の光電変換部1022、バリア領域1025、およびマイクロレンズ1010を有している。
図13(c)に、マイクロレンズの光軸1011の、バリア領域1025の中心1026に対するX方向のずれ量と、第一の光電変換部1021と第二の光変換部1022の感度比との関係を、二点鎖線で示している。マイクロレンズの光軸1011がバリア領域の中心1026を通る場合を、ずれ量0としている。マイクロレンズの光軸1011の、バリア領域の中心1026に対するX方向のずれ量は、マイクロレンズ1010の配置を維持したまま、第一の光電変換部と第二の光電変換部の開口のX方向の幅を変えることで、容易に調整することができる。
感度比=(第一の光電変換部1021の感度)/(第二の光電変換部1022の感度)と定義する。感度比の値が大きいほど、第一の光電変換部1021の感度と第二の光電変換部1022の感度との相違も大きくなる。
さらに図13(c)には、第一の光電変換部1021で取得された信号から生成される測距像と第二の光電変換部1022で取得された信号から生成される測距像との間の基線長と、光軸1011のずれ量との関係を、破線で示している。基線長は、第一の光電変換部1021、第二の光電変換部1022の各々が受光する光束間の画素への入射角度差に対応しており、基線長が長いほど高精度な測距が可能となる。
図13(c)からわかるように、マイクロレンズの光軸1011がバリア領域の中心1026を通る(ずれ量=0)場合、基線長は長いが、感度比は小さい。一方、マイクロレンズの光軸1011を、バリア領域の中心1026よりも第一の光電変換部1021側(−X方向)へずらす量を大きくすると、感度比は大きくなるが基線長が短くなってしまう。この様に、従来の構成では感度比と基線長がトレードオフの関係となっている。
次に、このトレードオフの原因について考察を行う。
図14(a)に、バリア領域の中心1026に対するマイクロレンズ1010の光軸1011のずれ量が小さい場合に、画素1001に入射する光束の伝搬の様子を、XZ面について示している。図から分かるように、マイクロレンズの光軸1011に対して角度+θ(XZ)(+Xかつ−Z方向)で入射する、実線で示した光束は、光電変換部1022に選択的に導かれる。また、マイクロレンズの光軸1011に対して角度−θ(XZ)(−Xかつ−Z方向)で入射する、破線で示した光束は、第一の光電変換部1021に選択的に導かれる。従って、撮影レンズの光軸に対して+X方向にずれた瞳領域を通過した破線の光束は、第一の光電変換部1021で選択的に検出され、−X方向にずれた瞳領域を通過した実線の光束は、第二の光電変換部1022で選択的に検出され、基線長は長くなる。
しかし、図14(a)に示す画素1001の場合、各々の光電変換部が受光する光束の入射角範囲の大きさは互いに等しく、2つの光電変換部に入射する光量もほぼ等しくなる。そのため、第一の光電変換部1021と第二の光電変換部1022との間の感度の相違は小さくなってしまう。用途にもよるが、第一の光電変換部の感度の、第二の光電変換部の感度に対する感度比は、2倍以上ある方が好ましい。
図14(b)に、バリア領域の中心1026に対する、マイクロレンズの光軸1011のずれ量が大きい場合に、画素1001に入射する光束の伝搬の様子を、XZ面について示す。図からわかるように、画素に入射する大部分の光が、第一の光電変換部1021へと導かれる。従って、第一の光電変換部1021の感度が第二の光電変換部1022の感度よりも大きくなり、両者の感度の相違は大きくなる。しかし、同時に、+X方向の瞳領域を通過した破線で示す光束と、−X方向の瞳領域を通過した実線で示す光束の大部分が、第一の光電変換部1021に導かれてしまうため、基線長は相対的に短くなってしまう。
そこで、図2に示す画素101では、測距用の信号を取得するための光電変換部を配置する方向(X方向)と、互いに異なる感度の信号を取得するための光電変換領域を配置する方向(Y方向)とを異ならせ、互いに交差させている。この様な構成によれば、基線長の長い測距用の信号と、十分な感度差を有する複数の感度の異なる信号とを、同時に取得可能な固体撮像素子を実現することができる。
図3(a)に、図2に示した画素101中の第一および第二の光電変換領域の角度依存性を示す。図3(a)には、YZ平面内において傾いて入射する光束に対する、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122それぞれの感度を示した。第一の光電変換領域121の感度とは、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の和の感度を意味する。図3(a)より、ほとんどの角度において第一の光電変換領域121の感度の方が、第二の光電変換領域122よりも大きくなっていることがわかる。従って、画素に入射する光束全体で考えると、第一の光電変換領域121の感度の方が、第二の光電変換領域122よりも大きくなる。
図3(b)には、XZ平面内において傾いて入射する光束に対する、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124それぞれの感度を示す。図3(b)の横軸は、−Z方向に入射する光束の入射角をゼロとして、+Xかつ−Z方向に傾いた角度を+θ(XZ)、−Xかつ−Z方向に傾いた角度を−θ(XZ)としている。図3(b)から、角度+θ(XZ)で入射する光が選択的に光電変換領域124に、角度−θ(XZ)で入射する光が選択的に光電変換領域123に導かれることが確認できる。
図3(c)には、本実施形態にかかる固体撮像素子100中の画素101の感度比と基線長とを、図13(c)の従来の固体撮像素子1000中の画素1001の代表値と共に示している。画素101においては、感度比は、互いに異なる感度の信号を取得している第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122との間の感度比を意味している。また、基線長は、第一の光電変換部123が受光する光束が通過する瞳領域と、第二の光電変換部124が受光する光速が通過する瞳領域との基線長を意味している。従来の固体撮像素子の画素1001の代表値として、「従来_ずれ0」にマイクロレンズの光軸とバリア領域の中心が一致する場合、「従来_ずれ大」にマイクロレンズの光軸をバリア領域の中心から大きくずらした場合(図13(c)右側の値)を示している。なお、図13(c)において、マイクロレンズの光軸をバリア領域の中心から大きくずらした場合(図13(c)右、ずれ量大)とは、これ以上マイクロレンズのずれ量を増やしても、第一の光電変換部と第二の光電変換部の感度比が殆ど変らなくなる場合である。
図より、本発明を用いれば、マイクロレンズの偏心量が小さい場合の従来の固体撮像素子中の画素1001の基線長と同等の基線長を実現しつつ、マイクロレンズの偏心量が大きい場合の従来の固体撮像素子中の画素1001と同等の感度比を実現できる。
ここまでは、マイクロレンズの光軸111が、第一のバリア領域の中心126に対して、第一の方向(Y方向)にずれており、第二のバリア領域127の中心128に対して第二の方向(X方向)にはずれていない場合について説明してきた。しかし、本発明は、この条件に限定されるものではない。具体的には、第一の方向における、マイクロレンズの光軸111の、第一のバリア領域の中心126に対するずれ量が、第二の方向における、マイクロレンズの光軸111の、第二のバリア領域の中心128に対するずれ量よりも大きくなっていればよい。この条件を満たしていれば、互いに感度の異なる複数の撮像用の信号と、測距用の信号とを同時に取得することができる。
但し、図2のように、マイクロレンズ110の光軸111が、バリア領域125の中心126に対して、第一の方向(Y方向)にずれており、第二のバリア領域127の中心128に対して第二の方向(X方向)にはずれていない方が、好ましい。なぜなら、第一の光電変換部で取得した信号から生成した測距像と、第二の光電変換部で生成した信号から取得した測距像との間の基線長を、最も長くできるためである。
図2では、マイクロレンズ110の光軸111を通り、第一の方向(Y方向)に垂直な平面(XZ平面)に対して、対称な形状のマイクロレンズ110の位置を、バリア領域125の中心126からずらすことで、マイクロレンズを偏心させた場合を示した。しかし、本発明は、この例に限定されるものではない。
図4に、種々の変形例について、図2(c)に相当する断面図を示す。図4では、いずれも第一の光電変換領域の面積と第二の光電変換領域の開口面積をほぼ等しくしているが、異なっていても構わない。
図4(a)は、マイクロレンズの光軸を含み、第一の方向(Y方向)に垂直な平面に対して非対称な形状のマイクロレンズを用いることで、実効的にマイクロレンズ110の光軸111を第一のバリア領域の中心126からずらした画素201である。図4(b)は、マイクロレンズの光軸を含み、第一の方向(Y方向)に垂直な平面に対して非対称な屈折率分布を設けることで、実効的にマイクロレンズの光軸を偏心した画素202である。非対称な屈折率分布を設けるには、マイクロレンズを形成する層を複数の材料で形成し、媒質の充填率に非対称な分布を設ければよい。更に、図4(c)に示された画素203のように、マイクロレンズの一部が隣接画素にはみ出していても良い。
図2や図4(c)のように、対称な形状のマイクロレンズ110を用いる構成は、マイクロレンズの製造が容易であるため好ましい。一方、図4(a)、(b)のように非対称なレンズ形状や屈折率分布を設ける場合、レンズ形状や屈折率分布によって、画素に入射する光の伝搬をより精密に制御することができる。そのため、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122との間の感度比を大きくしたり、信号によって生成される測距像間の基線長を長くしたりできるため、好ましい。
図5は、方向によって屈折力の異なるマイクロレンズを用いた画素301を示している。具体的には、互いに異なる瞳領域からの光束を受光するための光電変換部が配置される第二の方向(X方向)よりも、異なる感度の信号を取得するための光電変換領域が配置される第一の方向(Y方向)の屈折力を小さいレンズを配置している。図5(a)は、図2(b)に相当する断面図、図5(b)は図2(c)に相当する断面図である。図5の構成は、以下の理由で好ましい。
マイクロレンズの屈折力が大きいほど、マイクロレンズによる結像関係の影響が強くなり、感度比の角度依存性が大きくなる。従って、測距用の信号を取得するための光電変換部が配置される第二の方向(X方向)において屈折力の大きなマイクロレンズを用いれば、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124で取得される測距用の信号の基線長を長くできるため好ましい。マイクロレンズ110のX方向の焦点を基板120の表面に一致させると、特に基線長を長くできるため好ましい。
一方、互いに異なる感度の信号を取得するための、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122が配置される第一の方向(Y方向)においては、感度の角度依存性は小さい方が好ましい。なぜなら、感度の角度依存性が大きい場合、第一および第二の光電変換領域121、122は、使用する撮影レンズの射出瞳領域のうちの特定の部分からの光束のみを受光するため、ピント位置からずれた被写体のボケ像が歪んでしまうからである。その結果、高感度信号と低感度信号を合成して生成される画像の品質も低下してしまう。従って、異なる感度の信号を取得する第一の方向(Y方向)におけるマイクロレンズの屈折力を小さくして、感度の角度依存性を小さくした方が好ましい。
図5(c)に、YZ面について、第二の光電変換領域122の感度の、入射する光束の入射角に対する依存性を、図2(a)〜(c)の画素101における第二の光電変換領域122の感度の入射角度依存性と共に示す。図中の実線は、図5(a)、(b)(第二の方向よりも第一の方向の屈折力が小さいマイクロレンズを適用)に示された画素301の場合、破線は図2(a)〜(c)(第一の方向と第二の方向で屈折力が互いに等しいマイクロレンズを適用)に示された画素101の場合を表している。図から、第二の方向よりも第一の方向の屈折力が小さいマイクロレンズを適用することで、特に角度範囲140、即ち、大きな角度+θ(YZ)で画素に入射する光束に対する、第二の光電変換領域122の感度の角度依存性が低減できることがわかる。
X方向の屈折力よりもY方向の屈折力が小さければ、図6(a)、(b)に示された画素302のように、マイクロレンズとして、Y方向の屈折力がゼロ、即ち第二の方向を軸とするシリンドリカルレンズを使用しても良い。また、画素にZ方向に積層された複数のマイクロレンズが設けられている場合、片方のマイクロレンズのX方向とY方向の屈折力を変えても良いし、双方のマイクロレンズのX方向とY方向の屈折力を変えても良い。
また、図6(c)、(d)に示された画素303のように、マイクロレンズとして、方向によって屈折率分布を変えることによって、屈折力を変えるデジタルレンズを用いても良い。デジタルレンズを形成する層を複数の材料で形成し、X方向とY方向で媒質の充填率に差を設ければ、X方向とY方向の屈折力を独立に制御することができる。
更に、図7(a)〜(c)に示された画素401のように、マイクロレンズ110と第二の光電変換領域122及び光電変換部123、124との間に光導波路113を設けても良い。図7(a)は画素101の光入射面(XY面)を示す図、図7(b)は図7(a)の破線7B−7Bにおける断面(XZ断面)図、図7(c)は図7(a)の破線7C−7Cにおける断面(YZ断面)図である。
光導波路113を設けることで、YZ面において傾いて入射する光束に対する、第二の光電変換領域122の感度の角度依存性が小さくなるため、好ましい。図7(d)に、光導波路113を設けた場合の第二の光電変換領域122の感度の角度依存性を、光導波路を設けない場合と共に示す。図の実線が光導波路113を設けた場合、破線が光導波路を設けない場合である。図から、光導波路113を設けることで、特に角度範囲140において、即ち、YZ面において大きな角度+θ(YZ)で入射する光束に対する、第二の光電変換領域122の感度の角度依存性が低減していることがわかる。
光導波路113はコア114とクラッド115から構成され、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、BPSGなどの無機物、ポリマーや樹脂等の有機物を使用することができる。但し、コア114の屈折率がクラッド115の屈折率よりも大きくなるように、材料の組み合わせは選択される。
なお、図7(a)〜(c)に示すように、光導波路113のコア114の射出端の中心116は、第一のバリア領域125の中心126に対して、マイクロレンズ110の光軸111と同じ方向にずれている方が好ましい。このような構成とすることで、第一の光電変換領域121と光電変換領域122の感度の相違を大きくすることができる。さらに、コア114の射出端の中心116は、第二のバリア領域127の中心128に対して、第二の方向(X方向)には偏心していない方が好ましい。このような構成とすることで、瞳領域からの光を、選択的に第一の光電変換部123、第二の光電変換部124のそれぞれに導くことができ、基線長を長くすることができる。
従って、画素に光導波路を設ける場合、第一のバリア領域の中心126に対するコアの射出端の中心116の第一の方向におけるずれ量が、第二のバリア領域の中心128に対する射出端の中心116の第二の方向におけるずれ量よりも大きい方が好ましい。
なお、マイクロレンズ110と同様、光導波路のコア114の一部も隣接画素にはみ出していても良いが、コア114の射出端が、隣接画素にはみ出さないようにする。また、光導波路を設けた場合にも、X方向とY方向で屈折力の異なるマイクロレンズを用いても良い。
ここまでは、基板に対して、マイクロレンズ110と同じ側に配線112が配置されている、いわゆる表面照射型の固体撮像素子の例について説明してきた。しかし、マイクロレンズ110とは反対側に配線112が配置されている、いわゆる裏面入射型の固体撮像素子に、本発明を適用しても良い。特に、図7のように、画素が光導波路113を有している場合、表面照射型では光導波路によって配線レイアウトが制限されてしまうため、裏面入射型とする方が好ましい。
また、画素において、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122が配置される第一の方向は、図2中のY方向に一致しなくても良く、X方向や斜め方向であってもよい。同様に、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124が配置される第二の方向も、X方向に一致しなくても良く、第一の方向と交差していれば斜め方向でもよい。但し、第一の方向と第二の方向のなす角が90度に近いほど、瞳領域からの光束を取得する方向と、異なる感度の信号を取得する方向を分離できるため、好ましい。第一の方向と第二の方向のなす角が90度(垂直)の場合は、瞳領域からの光束を取得する方向と、異なる感度の信号を取得する方向が独立になるため、特に好ましい。なお、ここでいう第一の方向と第二の方向のなす角が90度(垂直)の場合とは、製造誤差によるばらつきを許容する。具体的には、第一の方向と第二の方向のなす角が90度±10度の範囲を含んでいる。
また、第二の方向が、画素の配列される方向と一致している方が、信号から生成される測距像のサンプリングが細かくなり、像ズレ量の検出精度が向上するため、好ましい。従って、図2のように、第一の方向がY方向であって、第二の方向がX方向である場合か、または第一の方向がX方向であって、第二の方向がY方向である場合が最も好ましい。
第一のバリア領域125のポテンシャル分布と、第二のバリア領域127のポテンシャル分布は、独立に決定しても良い。
第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の間に電荷のクロストーク(「電荷のクロストーク」を、以下、単に「クロストーク」ともいう)が存在する場合、それぞれの光電変換部で生成される信号を、分離して取得することができなくなる。従って、測距精度を重視する場合には、第一のバリア領域125の電気的な分離の大きさを、第二のバリア領域127の電気的な分離の大きさよりも大きくする方が好ましい。
一方、異なる感度の信号を取得する場合、第一の光電変換部123で生成された信号と第二の光電変換部124で生成された信号を足し合わせて高感度信号として用いるため、電荷のクロストークが存在しても、高感度信号の大きさは変化しない。それに対し、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122との間に電荷のクロストークが存在する場合、感度の高い第一の光電変換領域121からの電荷が、感度の低い第二の光電変換領域122へ拡散してしまう。そのため、特に低感度信号の大きさが大きく変化してしまう。従って、異なる感度の画像を重視することを優先する場合には、第一のバリア領域125の電気的な分離の大きさを、第二のバリア領域127の電気的な分離の大きさよりも大きくする方が好ましい。
特に、光電変換部間の感度差が大きいほど、光電変換部間のクロストークの影響が大きくなるため、第一のバリア領域125の電気的な分離の大きさを、第二のバリア領域127の電気的な分離の大きさよりも大きくする方が好ましい。電気的な分離の大きさを大きくするには、バリア領域のポテンシャル障壁の高さを高くすればよい。具体的には、図8(a)、(b)に示すように、第一のバリア領域125のポテンシャル障壁の高さを、第二のバリア領域127のポテンシャル障壁の高さよりも高くすればよい。
第一の光電変換領域121、第二の光電変換領域122の電子エネルギーの底を原点とした場合におけるポテンシャル障壁の高さをφとする。古典的には、光電変換領域内に蓄積される電子はボルツマン分布に従うことから、ポテンシャル障壁を乗り越える電荷密度nは、以下の数式1を満たす。なお、eは電気素量、kはボルツマン定数、Tは光電変換部の温度である。
Figure 2016171308
第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122の間の電荷のクロストークが、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の間の電荷のクロストークの0.1倍以下であれば、第一のバリア領域125の電気的な分離の大きさが、第二のポテンシャル障壁126の電気的な分離の大きさよりも大きいと言える。
従って、第一のバリア領域125のポテンシャル障壁の高さをφ、第二のバリア領域127のポテンシャル障壁の高さをφとした場合に、以下の数式2を満たすことが好ましい。
Figure 2016171308
光電変換部の温度が100℃程度の場合には、φとφの差が74[mV]であればよい。なお、数式2は、以下の過程(数式3)を経て導出される。第一のバリア領域125及び第二のバリア領域126のポテンシャル障壁を乗り越える電荷密度をそれぞれn及びnとしている。
Figure 2016171308

・・・(3)
なお、本発明のように第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122を配列する向きと、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124を配列する向きとを交差させた場合、光電変換部間のクロストークの観点からも好ましい効果が得られる。図15に示された画素1101のように、第一の光電変換領域1021と第二の光電変換領域1022、第一の光電変換部1023、第二の光電変換部1024、を同一の方向に並べた場合と比較して説明を行う。図15(a)は、光電変換部を光の入射側から見た図(XY面図)、図15(b)は、図15(a)の破線15B−15Bにおける断面をY方向からみた図(XZ断面図)である。
図15に示す構成の場合、互いに隣接する第二の光電変換部1024と第二の光電変換領域1022のクロストークの方が、互いに隣接しない第一の光電変換部1023と第二の光電変換領域1022のクロストークよりも大きい。その結果、クロストークの影響を受けない第一の光電変換部1023と、クロストークの影響を受ける第二の光電変換部1024との間で感度差が生じ、測距精度が低下してしまう。
本発明では、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122を並べる向きと、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124を並べる向きとを互いに交差させている。そのため、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124は、共に第二の光電変換領域に隣接することになり、共に第二の光電変換領域122との間でクロストークの影響を受ける。従って、第一の光電変換部123と第二の光電変換領域122との間のクロストークの影響と、第二の光電変換部124と第二の光電変換領域122との間のクロストークの影響との差を低減できる。その結果、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の感度差が低減され、測距精度が向上する。
更に、本発明のように異なる感度の信号を取得するための複数の光電変換部を並べる向きと、測距用の信号を取得するための複数の光電変換部を並べる向きを交差させた場合、光電変換部からの電荷転送が高速になるという効果も得られる。
図15に示された画素1101のように、測距用の信号を取得するための第一の光電変換部1023と第二の光電変換部1024、互いに異なる感度の信号を取得するための第一の光電変換領域1021と第二の光電変換領域1022を、同じ方向に並べた場合と比較する。
一般に、各光電変換部で生じた電荷を周辺回路104へ転送するための転送電極は、光電変換部の端部に沿って形成される。図15の構成とした場合、長尺の辺がいずれも他の光電変換部に近接している光電変換部1024から電荷を取得するためには、転送電極を短尺の辺に沿って設けることになる。その結果、転送電極のチャネルの断面積が狭くなり、電荷を転送する速度が低下してしまう。
それに対して本発明にかかる固体撮像素子の画素では、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122とを配置する向きと、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124とを配置する向きとを交差させている。そのため、いずれの光電変換部も、他の光電変換部で挟まれることがないため、3つの辺のいずれかに沿って転送電極を形成することができる。つまり、3つの辺のうち、最も転送チャネルの断面積が広くとれる辺に沿って転送電極を形成すればよく、電荷を転送する速度を向上させることが可能である。
以上、1つの画素における構成について詳しく説明してきたが、複数の画素間で、光電変換部やバリア領域、マイクロレンズの配置が異なっていても良いし、同じでもよい。図4(c)のように、マイクロレンズ110の一部が隣接画素にはみ出している場合、図9(a)または図9(b)のような配置とすることで、隣接する画素間でマイクロレンズ110が干渉することなく配置できるため、好ましい。なお、図9は、図1に示す中心領域102中に配置された複数の画素の構成を示している。
図9(a)は、複数の画素間で、第一の光電変換領域121から第二の光電変換領域122へ向かう向きが、いずれも同じ+X方向の場合である。図9(b)は、X方向で隣接する画素間で第一の光電変換領域121から第二の光電変換領域122へ向かう向きが反転している場合である。
他に、第一の光電変換領域121から第二の光電変換領域122へ向かう向きが画素毎に、X方向やY方向、斜め方向と、異なっていても良い。なお、第一の光電変換領域から第二の光電変換領域へ向かう向きとは、第一の光電変換領域の重心から、第二の光電変換領域の重心に向かう向きを意味する。
(実施形態2)
図10(a)〜(c)は、実施形態2にかかる固体撮像素子の中心領域内に設けられる、他の画素の構成例を示す図である。画素501は、図2に示す画素101とは、マイクロレンズ110の光軸111のずれ方向が反対向きになっている点で異なっている。即ち、マイクロレンズ110の光軸111が、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122とを電気的に分離する第一のバリア領域125の中心126に対して、第二の光電変換領域122側(+Y方向)にずれて配置されている(図10(a)、(c)参照)。
そのため、画素501では、第二の光電変換領域122の感度が、第一の光電変換領域121の感度よりも大きくなる。従って、本実施形態の場合は、第一の光電変換領域121で取得した信号を低感度信号、第二の光電変換領域で取得した信号を高感度信号として使用する。
実施形態1および本実施形態からわかるように、本発明においては、第一の光電変換領域と第二の光電変換領域のうち、一方で高感度信号を取得し、他方で低感度信号を取得できればよい。そして、どちらの光電変換領域で高感度信号あるいは低感度信号を取得するかは、マイクロレンズの光軸111をずらす方向によって決めることができる。
また、マイクロレンズ110の光軸111は、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124とを電気的に分離する、第二のバリア領域127の中心128に対してX方向にはずれていない(図10(b)参照)。そのため、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124で、撮影レンズの光軸に対して互いに反対側(−X方向と+X方向)にずれた瞳領域を通過した光束を受光して、測距用の信号を取得することができる。
この様に、実施形態2に示す固体撮像素子においても、第二の方向(X方向)に沿って配置された、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124により、互いに異なる瞳領域を通過した光束により測距用の信号を取得する。そして、第二の方向と交差する第一の方向(Y方向)に沿って配置された第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122のうち、第一の光電変換領域121から低感度信号、第二の光電変換領域122から高感度信号を取得する。なお、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124で取得した信号の和が、第一の光電変換領域121で取得された低感度信号に相当する。なお、実施形態2に示す固体撮像素子100についても、実施形態1と同様に様々な変形例を適用することができる。
(実施形態3)
図11は、本実施形態にかかる、固体撮像素子の中心領域内に設けられる他の画素の構成例を示す図である。画素601は、図2に示す画素101とは、光電変換領域122中に、第二の方向(X方向)に沿って配置された第三の光電変換部131、第四の光電変換部132が設けられている点で異なっている。
このような構成とすることで、第三の光電変換部131と第四の光電変換部132でも、撮影レンズの光軸に対して互いに反対側(−X方向と+X方向)にずれた瞳領域を通過した光束を受光して、測距用の信号を取得することが可能となる。従って、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124で取得した信号を用いて測距を行っても良いし、第三の光電変換部131と第四の光電変換部132で取得した信号を用いて測距を行っても良い。また、両者の結果を比較して、測距結果の信頼性を判定しても良い。
(実施形態4)
本実施形態では、固体撮像素子で取得した互いに感度の異なる複数の信号を、ダイナミックレンジ拡大のために使用する形態について説明する。本形態の場合、感度が互いに異なる複数の光電変換部を同一の露光時間で駆動し、それぞれから高感度信号と低感度信号とを取得し、それらを合成することでダイナミックレンジの広い画像を生成する。
第二の光電変換領域122及び光電変換部123、124は、固体撮像素子100の周辺回路104から配線112を介して送られる信号により、互いの露光時間が等しくなるように駆動される。即ち、第一の光電変換部123の露光時間と第二の光電変換部124の露光時間は等しく、第一の光電変換領域121の露光時間と第二の光電変換領域122の露光時間も等しい。
画素に入射する光量がある閾値以下の場合には、第一の光電変換領域で取得した高感度信号を使用し、閾値より大きい場合には第二の光電変換領域で取得した低感度信号を使用し、両者を合成することでダイナミックレンジの広い画像を生成することができる。閾値は、高感度信号が飽和する信号強度よりも小さく、低感度信号が所望のSN比となる信号強度よりも大きい値となるように設定する。
ここで、高感度信号と低感度信号の合成によってダイナミックレンジを拡大するためには、以下の数式4を満たす必要である。ここで、高感度信号を取得する第一の光電変換領域121の感度をS1、容量をC1、低感度信号を取得する第二の光電変換領域122の感度をS2、容量をC2とする。なお、前述したように第一の光電変換領域121の感度とは、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の感度の和を意味する。同様に、第一の光電変換領域121の容量とは、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の容量の和を意味する。
C1/S1>C2/S2 (4)
C1/S1、C2/S2は各々の光電変換領域に入射可能な最大光量であるため、C1/S1≦C2/S2の場合、高感度信号を取得する第一の光電変換領域が飽和する光量以下で、低感度信号を取得する第二の光電変換領域が飽和してしまう。従って、数式4を満たすように、予め、C1、C2、S1、S2の値を制御しておく必要がある。
S1とS2の比(光電変換領域間の感度比)は、マイクロレンズ110の第一の方向におけるずれ量を変えたり、各々の光電変換領域やバリア領域の大きさを変えたりすることで制御できる。
また、光電変換領域の容量を大きくするには、光電変換部の体積を広げるか、光電変換部のドープ濃度を高くすれば良い。光電変換領域の体積を広げるには、イオンを打ち込む面積を広げて、光電変換部の開口面積を広げるか、イオンを深く打ち込むことで光電変換部の深さを深くすればよい。但し、第二の光電変換領域(第三の光電変換部131、第四の光電変換部132)122、第一の光電変換部123、第二の光電変換部124の深さおよびドープ濃度が互いに等しい方が、同一のイオン打ち込み条件で各光電変換部を形成できるため、製造プロセスが容易となり、好ましい。
(実施形態5)
本実施形態では、固体撮像素子で取得した互いに感度の異なる複数の信号を、動画像と静止画像を取得するために使用する形態について説明する。本実施形態の場合、感度が互いに異なる複数の光電変換部を互いに異なる露光時間で駆動させ、低感度かつ露光時間の長い画像と、高感度かつ露光時間の短い画像を同時に取得する。
一般的に、滑らかな動画像を取得するために必要な露光時間が、静止画像を取得するために必要な露光時間よりも長いことが多い。そこで、以下では、低感度かつ露光時間の長い光電変換部で取得される信号を動画像用、高感度かつ露光時間の短い光電変換部で取得される信号を静止画像用として説明する。静止画像の露光時間が動画像の露光時間よりも長く必要な場合は、低感度かつ露光時間の長い光電変換部で取得される信号を静止画像用、高感度かつ露光時間の短い光電変換部で取得される信号を動画像用として用いればよい。
本実施形態には、実施形態1乃至3で説明したいずれの固体撮像素子も用いることができるが、ここでは図2に示した固体撮像素子を例にとって説明する。もし、実施形態2で説明した固体撮像素子のように、マイクロレンズの光軸のずれる方向が図2とは逆向きの場合には、第一の光電変換領域で取得した信号を動画用、第二の光電変換領域で取得した信号を静止画用として使用すればよい。
本実施形態では、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の露光時間が、互いに等しく、かつ、第二の光電変換領域122の露光時間よりも短くなるように駆動する。つまり、第一の光電変換領域の露光時間は、第二の光電変換領域の露光時間よりも短くなっている。そして、第一の光電変換部123で取得した信号と第二の光電変換部124で取得した信号の和、即ち、第一の光電変換領域121で取得した信号から静止画像を、第二の光電変換領域122で取得した信号から動画像を生成する。同時に、第二の方向(X方向)に沿って配置された第一の光電変換部123と第二の光電変換部124で、撮影レンズの光軸に対して互いに反対側(−X方向と+X方向)にずれた瞳領域を通過した光束を受光して測距用の信号を取得する。
続いて、本実施形態に示す固体撮像素子に特有の変形例について説明する。具体的には、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122の感度と容量についてである。
実施形態4では、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122で取得した信号を合成することで、ダイナミックレンジの広い一つの画像を生成していた。そのため、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122との間で数式4を満たす必要があった。しかし、本実施形態にかかる固体撮像素子では、第一の光電変換領域121、第二の光電変換領域122で取得した信号で、各々別の画像を生成する。そのため、静止画用の信号と動画用の信号の信号強度およびダイナミックレンジは、なるべく近い方が好ましい。
具体的には、以下の数式5、6を満たすことが最も好ましい。数式5、6では、静止画用の信号を取得する第一の光電変換領域121の感度をS1、容量をC1、露光時間をT1、動画用の信号を取得する第二の光電変換領域122の感度をS2、容量をC2、露光時間をT2と表している。数式5は、信号強度についての条件、数式6はダイナミックレンジについての条件である。
S1×T1=S2×T2 (5)
C1/(S1×T1)=C2/(S2×T2) (6)
前述したように、S1とS2の比は、光導波路の偏心量を変えたり、各々の光電変換部やバリア領域の大きさを変えたりすることで制御できる。数式5からわかるように、本実施形態にかかる固体撮像素子では、使用する静止画像と動画像の露光時間を想定して、S1とS2の比を決めればよい。例えば、動画像の露光時間を1/60秒で、静止画像の露光時間を1/600秒と想定する場合、S1がS2の10倍となるように、画素の構成を決定しておけばよい。
また、数式5と数式6より、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122の容量は等しい方が好ましい。実施形態4でも説明したように、光電変換部の容量は、光電変換部の体積と、光電変換部のドープ濃度で決定することができる。
図2の構成において第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122の容量を等しくする場合について説明する。
例えば、第一の方向(Y方向)における、第一の光電変換部と第二の光電変換部の長さが、第二の光電変換領域の長さよりも長く、第二の方向(X方向)における第一の光電変換領域の長さと第二の光電変換領域の長さを同じにする場合を考える。この場合、C1=C2とするためには、第一の光電変換領域121を構成する第一の光電変換部123と第二の光電変換部124のドープ深さとドープ濃度の少なくとも一方を、第二の光電変換領域122よりも深くあるいは高くすればよい。
次に、第一の光電変換領域121を構成する第一の光電変換部123および第二の光電変換部124と、第二の光電変換領域122のドープ濃度およびドープ深さが等しい場合を考える。
第一の光電変換領域121には、第一の光電変換部と第二の光電変換部とを電気的に分離するための、第二のバリア領域127が設けられている。それに対して、第二の光電変換領域は単一の光電変換部で構成されており、バリア領域は設けられていない。そのため、第一の光電変換領域の容量を考える際には、X方向における光電変換部の長さが、第二の光電変換領域のX方向の長さよりも短くなることを考慮する必要がある。従って、第一および第二の光電変換部のY方向の長さを、第二の光電変換領域のY方向の長さよりも長くするか、第一の光電変換領域のX方向の長さを第二の光電変換領域よりも長くすることにより、C1=C2をとすればよい。
ただし、前述したように、複数の光電変換部の深さおよびドープ濃度が互い等しい方が、同一のイオン打ち込み条件で複数の光電変換部を形成できるため、製造プロセスが容易となり、後者の場合が好ましい。
前述したように、実施形態1乃至3で説明したいずれの固体撮像素子も、本発明では用いることができる。但し、図2に示すように、第一の光電変換領域及び第二の光電変換領域のうち、(測距用の信号を取得するための)複数の光電変換部(第一の光電変換部と第二の光電変換部)を含む第一の光電変換領域の方が、第二の光電変換領域よりも感度が高い場合には、互いに感度が異なる撮像信号を取得しながら、測距信号を取得することを高速に行うことができる、というメリットがある。以下で、説明を行う。
図16は、本発明の固体撮像素子中の画素101、201、202、203、301、302.303、401、501に適用可能な回路図を示したものである。図16に示される回路図は4Tr型と呼ばれる信号取得回路(読み出し回路)の回路図であり、基本的な動作フローは一般的な4Tr型と同じである。しかし、1画素中に複数の光電変換部を備えている点が、一般的な4Tr型とは異なる。図16を用いて信号検出動作の説明を行う。
まず、水平駆動線によって、リセットトランジスタ(RST)175、176と転送トランジスタ(TX)172、173、174を、固体撮像素子(たとえば図1参照)の上側の行から順次、ONにする。これにより、第二の光電変換領域122、第一の光電変換部123、第二の光電変換部124と、それに接続される画素内メモリ(FD)181、182をリセットする。FD181は、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124で共用され、FD182は、第二の光電変換領域122に接続されている。次に、固体撮像素子100の上側の行から順次、TX172、173、174をOFFにし、第二の光電変換領域122、第一の光電変換部123、第二の光電変換部124への電荷蓄積を開始する。
電荷蓄積を行っている間に、相関2重サンプリングを行うためのダークレベル信号を、あらかじめ取得する。具体的には、RST175、176をOFFにした後、固体撮像素子100の上側の行から、順次、選択トランジスタ(SEL)177、178をONにして、FD181、182のダークレベル信号を周辺回路に転送する。
所定の露光時間の間、電荷蓄積を行った後、信号検出動作を行う。まず、第二の光電変換領域122に蓄積された電荷による画素信号(電圧信号)を取得する動作について説明する。固体撮像素子の上側の行から、順次、TX172をONにし、第二の光電変換領域122に蓄積された電荷を、FD182に転送する。TX172をOFFにした後、固体撮像素子の上側の行から、順次、SEL178をONにして、電圧信号を周辺回路に転送する。この場合、周辺回路に転送された電圧信号は、第二の光電変換領域122からFD182に転送された電荷による電圧信号と、ダークレベル信号と、の和になっている。そこで、周辺回路に転送された電圧信号(画素信号とダークレベル信号の和)と、あらかじめ周辺回路に転送しておいたダークレベル信号と、の差分を取ることで、第二の光電変換領域122に蓄積された電荷による電圧信号のみを取得することができる。このようにして、低感度かつ露光時間の長い電圧信号を取得することができる。
次に、第一の光電変換部123、第二の光電変換部124に蓄積された電荷による電圧信号を取得する動作について、2つの手法を説明する。2つの手法のうち、どちらを使用しても良い。また、後述するように、求められる測距精度と画像の品質に応じて、2つの手法を2つのモード(第一のモード、第二のモード)として使い分けても良い。当該2つのモードは、後述する撮像装置(CPU192)に含まれるモード選択部により、自動で選択されるようにしてもよいし、手動で選択されるようにしてもよい。
1つ目の手法(第一のモード)は、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124に蓄積された電荷による電圧信号を別々に取得する手法である。固体撮像素子(たとえば図1参照)の上側の行から、順次、TX173をONにし、第一の光電変換部123に蓄積された電荷を、FD181に転送する。TX173をOFFにした後、固体撮像素子の上側の行から順次、SEL177をONにして、電圧信号を周辺回路に転送する。その後、周辺回路に転送された電圧信号と、ダークレベル信号と、の差分を取ることで、第一の光電変換部123に蓄積された電荷による電圧信号を取得する。
続いて、RST175をONにしてFD181に蓄積された電荷をリセットしたのち、第二の光電変換部124に蓄積された電荷による信号を取得する。具体的には、固体撮像素子の上側の行から、順次、TX174をONにして第二の光電変換部124に蓄積された電荷を、FD181に転送する。TX174をOFFにした後、固体撮像素子の上側の行から順次、SEL177をONにして、電圧信号を取得する。その後、読み出された電圧信号と、ダークレベル信号と、の差分を取ることで、第二の光電変換部124に蓄積された電荷による電圧信号を取得する。高感度かつ露光時間の短い電圧信号は、第一の光電変換部123に蓄積された電荷による電圧信号と、第二の光電変換部124に蓄積された電荷による電圧信号と、の和を、周辺回路において電圧信号間の加算を行うことで求めればよい。
2つ目の手法(第二のモード)は、第一の光電変換部123に蓄積された電荷と第二の光電変換部124に蓄積された電荷を加算した電荷による信号を取得する手法である。2つ目の手法は、第一の光電変換部123に蓄積された電荷による信号を取得するまでは、1つ目の手法と同じである。即ち、固体撮像素子(たとえば図1参照)の上側の行から、順次、TX173をONにして第一の光電変換部123に蓄積された電荷を、FD181に転送する。TX173をOFFにした後、固体撮像素子の上側の行から順次、SEL177をONにして、電圧信号を取得する。その後、読み出された電圧信号と、ダークレベル信号と、の差分を取ることで、第一の光電変換部123に蓄積された電荷による電圧信号を取得する。
続いて、RST175をOFFにしたままTX174をONにして、第二の光電変換部124に蓄積された電荷をFD181に転送する。この場合、FD181には第一の光電変換部123に蓄積された電荷と第二の光電変換部124に蓄積された電荷を加算した電荷が蓄積される。そこで、固体撮像素子の上側の行からSEL177をONにして、電圧信号を取得する。その後、読み出された電圧信号と、ダークレベル信号と、の差分を取ることで、第一の光電変換部123に蓄積された電荷と第二の光電変換部124に蓄積された電荷を加算した電荷による信号を取得することができる。しかし、2つ目の手法では、第二の光電変換部124に蓄積された電荷による信号を直接取得することができない。そのため、第一の光電変換部123に蓄積された電荷と第二の光電変換部124に蓄積された電荷を加算した電荷による電圧信号と、第二の光電変換部124に蓄積された電荷による電圧信号と、の差を、周辺回路において2つの電圧信号間の減算によって求めればよい。
1つ目の手法では、測距用の信号を直接取得する一方、撮影画像用の信号は2つの電圧信号間の加算によって求める。一方、2つ目の手法では、撮影画像用の信号を直接取得する一方、測距用の信号の片方は、電圧信号間の減算によって求める。一般に、2つの電圧信号間の加減算を行うことで、信号のSNが低下してしまうため、1つ目の手法の方が測距用の信号の品質が高く、2つ目の手法の方が撮影画像用の信号の品質が高い。そのため、求められる測距精度が高い場合には1つ目の手法を使用する方が好ましく、求められる画像の品質が高い場合には2つ目の手法を使用する方が好ましい。なお、以上の例で、は第一の光電変換部123に蓄積された電荷を先にFDに転送する場合を示したが、第二の光電変換部124に蓄積された電荷を先にFDに転送しても良い。
第二の光電変換領域122の露光時間(電荷蓄積時間)は、TX172がOFFになってから、ONになるまでの時間である。同様に、第一の光電変換部123、第二の光電変換部124の露光時間(電荷蓄積時間)は、各々、TX173がOFFになってからONになるまでの時間、TX174がOFFになってからONになるまでの時間である。実施形態5では、第一の光電変換部123、第二の光電変換部124の露光時間は等しい。
図17、18は、同一列内に並んだ複数の画素の露光時間を示したものである。図17は、(第一の光電変換部及び第二の光電変換部が設けられた)第一の光電変換領域の方が、第二の光電変換領域(122a、・・・、122f)よりも感度が高い場合を示し、図18は、第一の光電変換領域の方が、第二の光電変換領域よりも感度が低い場合(図10に示す画素501を、固体撮像素子の中心領域内に配置した場合)である。図17と図18は、第一の光電変換領域と第二の光電変換領域の感度の高低関係が異なるため、露光時間の長短関係が異なっている。
図17よりわかるように、図17の方が、図18よりも、測距用の信号及び撮影画像用の信号を取得するための時間が短い。この理由は、以下のように理解できる。
前述したように、FD181に接続される信号線で読み出される信号は、第一の光電変換部123(123a、・・・、123f)に蓄積された電荷による信号と、第二の光電変換部124(124a、・・・、124f)に蓄積された電荷による信号の2種類である。一方、FD182に接続される信号線で読み出される信号は、第二の光電変換領域122に蓄積された電荷による信号の1種類のみである。そのため、FD181に接続される信号線での読み出し時間は、FD182に接続される信号線での読み出し時間よりも長く、FD182に接続される信号線での読み出し時間のほぼ2倍である。なお、第一の光電変換部123に蓄積された電荷による信号と、第二の光電変換部124に蓄積された電荷による信号と、を別々の信号線で読み出せば、読み出し時間は短くなるが、必要なトランジスタや信号線の数が増加する。そして、その結果、光電変換部の開口率が低下したり、製造に必要なコストが増大したりする、というデメリットが生じる。
図17のように、第二の光電変換領域122の露光時間よりも、第一の光電変換領域の露光時間の方が短い場合には、第二の光電変換領域122の露光が完了する前に、時間のかかる第一の光電変換部123、第二の光電変換部124からの信号読み出し動作を先行して行うことができる。そのため、電圧信号を取得する時間を短くすることができる。一方、図18のように、第二の光電変換領域122の露光時間よりも、第一の光電変換領域の露光時間の方が長い場合には、第二の光電変換領域122の露光が終了してから、時間のかかる第一の光電変換部123、第二の光電変換部124からの信号読み出し動作を行う必要がある。そのため、電圧信号を取得する時間が長くなってしまう。
このように、第二の光電変換領域122の露光時間よりも、第一の光電変換領域の露光時間の方が短い場合には、信号を取得する時間を、より短くすることができる。即ち、図2に示すように、測距用の信号を取得するための複数の光電変換部を含む第一の光電変換領域の方が、第二の光電変換領域よりも感度が高い場合には、互いに感度が異なる撮像信号を取得しながら、測距信号を取得することを高速に行うことができる。
第一の光電変換領域から動画像、第二の光電変換領域から静止画像を取得する場合には、信号を取得する時間が短くなることで、静止画像を取得する連写速度を向上することができるというメリットが生じる。また、第一の光電変換領域から静止画像、第二の光電変換領域から動画像を取得する場合には、信号を取得する時間が短くなることで、動画像のフレームレートが向上することができるというメリットが生じる。
特に、第一の光電変換領域の露光時間が第二の光電変換領域の露光時間の半分以下の場合には、第二の光電変換領域の露光中に第一の光電変換部の露光と読み出しの動作が完了することができるため、更に好ましい。
(実施形態6)
図12は、本発明にかかる固体撮像素子100を備えた撮像装置190の概略図である。撮像装置190は、撮影レンズ191を取り付けるためのレンズ取付部196を有する筺体197を備え、筺体内197に、固体撮像素子100と、撮像装置190の動作を制御する制御部198と、を備えている。そして、撮影レンズ191が、レンズ取付部196にて筺体197に取り付けられている。撮像装置190は、撮影レンズ191を筺体197から取り外して交換可能な構成であってもよいし、交換ができない構成であってもよい。制御部は、CPU192、転送回路193、及び信号処理部194、素子駆動回路195を含んでいる。
CPU192は、転送回路193、信号処理部194、素子駆動回路195を制御する回路である。素子駆動回路195は、CPU192からの信号をうけて、固体撮像素子100を駆動する回路であり、例えば各画素に設けられた光電変換部の露光時間や光電変換部で取得した信号の読み出しのタイミング等を制御する。転送回路193は、固体撮像素子100から読みだされた信号を記憶したり、信号処理部194へ転送したりする。信号処理部194は、転送回路193を介して取得した信号の画像処理を行う。
固体撮像素子100は、第一の光電変換部123、第二の光電変換部124、第二の光電変換領域122のそれぞれで取得した信号を伝送回路193へと出力し、伝送回路193に出力された信号は信号処理部194へと伝送される。
信号処理部194では、CPU192からの信号を受けて、各光電変換部で取得した信号から、被写体までの距離の検出や被写体の画像を生成する。ここでは、図2の画素101で構成された固体撮像素子を備える撮像装置を例にとって説明する。
まず、CPU192が、ダイナミックレンジの広い画像を生成する信号を出力する場合について説明する。
この場合、素子駆動回路195は、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124と第二の光電変換領域122の露光時間が互いに等しくなるように動作させる。
信号処理部194は、第一の光電変換部123で取得した信号と第二の光電変換部124で取得した信号を足し合わせ、高感度信号を取得する。そして、第二の光電変換領域122で取得された低感度信号として取得する。画素に入射する光量があらかじめ決めておいた閾値以下の場合には高感度信号を利用し、閾値以上の場合には低感度信号を利用して、両者を合成してダイナミックレンジの広い画像を形成する。さらに、信号処理部194では、第一の光電変換部123で取得した信号で生成した測距像と、第二の光電変換部124で取得した信号から生成した測距像とを比較し、被写体までの距離を算出する。
次に、CPU192が、動画像と静止画像を同時に生成する信号を出力する場合について説明する。
この場合、素子駆動回路195は、第一の光電変換部123と第二の光電変換部124の露光時間が、第二の光電変換領域122の露光時間よりも短くなるように動作させる。
信号処理部194は、第一の光電変換部123で取得した信号と第二の光電変換部124で取得した信号を足し合わせ、高感度信号を取得する。そして、第二の光電変換領域122で取得された低感度信号として取得する。そして、高感度信号から静止画像を生成し、低感度信号から動画像を生成する。さらに、信号処理部194では、第一の光電変換部123で取得した信号で生成した測距像と、第二の光電変換部124で取得した信号から生成した測距像とを比較し、被写体までの距離を算出する。また、算出した距離を用いて、撮像装置190によってオートフォーカスを行っても良い。この場合、高感度かつ露光時間の短い光電変換部で静止画像と共に測距像を取得することで、動画像を取得するフレームレートを低下させずに、被写体までの距離を算出することができる。
また、撮像装置190が、ダイナミックレンジの広い画像を形成するダイナミックレンジ拡大モードと、動画像と静止画像を同時に取得する動静止画同時取得モードとを有しており、ユーザーによってどちらかを選択可能な装置であってもよい。CPU192は、ダイナミックレンジ拡大モードが選択された場合には、ダイナミックレンジの広い画像を生成する信号を、動静止画同時取得モードが選択された場合には、動画像と静止画像を同時に生成する信号を、出力する。当該2つのモードは、撮像装置(CPU192)に含まれるモード選択部により、自動で選択されるようにしてもよいし、手動で選択されるようにしてもよい。
ダイナミックレンジ拡大モードが選択された場合、信号処理部194では、画素に入射する光量が、所定の閾値以下の場合には相対的に感度の高い方の信号を使用し、閾値より大きい場合には相対的に感度の低い信号を使用して、被写体の画像を生成する。一方、動静止画同時取得モードが選択された場合、信号処理部194では、第一の光電変換領域で取得した信号で静止画像および動画像のいずれか一方の画像を生成し、他方の画像を前記第二の光電変換部で取得した信号で生成する。
この様に、撮像装置190がダイナミックレンジ拡大モードと動静止画同時取得モードとを有する場合、固体撮像素子は、どちらの用途にも適した構成である必要がある。そのため、第一の光電変換領域121と第二の光電変換領域122の各々の感度と容量は、少なくとも数式4を満たすように設計する。そのうえで、数式5と数式6を満たしていれば、更に好ましい。
100、1000 固体撮像素子
101 画素
201、202、203 画素
301、302、303 画素
401 画素
501 画素
601 画素
1001 画素
102 中心領域
110、1010 マイクロレンズ
111、1011 マイクロレンズの光軸
112 配線
113 光導波路
114 コア
115 クラッド
116 コアの射出端の中心
120 基板
121 第一の光電変換領域
122 第二の光電変換領域(光電変換部)
123 第一の光電変換部
124 第二の光電変換部
125 第一のバリア領域
126 第一のバリア領域の中心
127 第二のバリア領域
128 第二のバリア領域の中心
190 撮像装置
191 撮影レンズ
192 CPU
193 転送回路
194 信号処理部

Claims (15)

  1. 複数の画素を有し、前記複数の画素ごとに、第一の方向に並列された、互いに感度の異なる第一の光電変換領域及び第二の光電変換領域と、前記第一の光電変換領域と前記第二の光電変換領域に挟まれた第一のバリア領域と、を有する固体撮像素子であって、
    前記第一の光電変換領域は、前記第一の方向と交差する第二の方向に並列された、第一の光電変換部と、第二の光電変換部と、前記第一の光電変換部と前記第二の光電変換部に挟まれた第二のバリア領域と、を含み、
    前記第一のバリア領域の電気的な分離の大きさが、前記第二のバリア領域の電気的な分離の大きさよりも大きいことを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記第一のバリア領域のポテンシャル障壁の高さが、前記第二のバリア領域のポテンシャル障壁の高さよりも高いことにより、前記第一のバリア領域の電気的な分離の大きさが、前記第二のバリア領域の電気的な分離の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記画素は、前記第一の光電変換領域と前記第二の光電変換領域の光の入射側にマイクロレンズを有し、
    前記第一の方向における、前記マイクロレンズの光軸の前記第一のバリア領域の中心に対するずれ量が、前記第二の方向における、前記マイクロレンズの光軸の前記第二のバリア領域の中心に対するずれ量よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記第一の光電変換領域及び前記第二の光電変換領域のうち、前記第一の光電変換領域は相対的に感度が高く、前記第二の光電変換領域は相対的に感度が低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  5. 前記第一の方向と前記第二の方向のなす角は垂直であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  6. 前記画素は、前記第一の光電変換領域と前記第二の光電変換領域の光の入射側にマイクロレンズを有し、
    前記マイクロレンズが、前記マイクロレンズの光軸を含み、前記第一の方向に垂直な平面に対して、非対称な形状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  7. 前記画素は、前記第一の光電変換領域と前記第二の光電変換領域の光の入射側にマイクロレンズを有し、
    前記マイクロレンズが、前記マイクロレンズの光軸を含み、前記第一の方向に垂直な平面に対して、非対称な屈折率分布を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  8. 前記画素は、前記第一の光電変換領域と前記第二の光電変換領域の光の入射側にマイクロレンズを有し、
    前記マイクロレンズの、前記第二の方向の屈折力よりも、前記第一の方向の屈折力が小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  9. 前記画素は、前記第一の光電変換領域と前記第二の光電変換領域の光の入射側にマイクロレンズと、前記マイクロレンズの光の射出側に光導波路と、を有し、
    前記第一の方向における、前記光導波路のコアの射出端の中心の、第一のバリア領域の中心に対するずれ量が、前記第二の方向における、前記光導波路のコアの射出端の中心の、第二のバリア領域の中心に対するずれ量より大きいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  10. 前記第二の光電変換領域が、前記第二の方向に並列された、第三の光電変換部と第四の光電変換部を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  11. 前記第一の光電変換領域の電荷蓄積時間が前記第二の光電変換領域の電荷蓄積時間の半分以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  12. 撮影レンズと、
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載の固体撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
  13. 前記画素に入射する光量が所定の閾値以下の場合には前記相対的に感度の高い信号を使用し、前記画素に入射する光量が前記閾値より大きい場合には前記相対的に感度の低い信号を使用して、被写体の画像を生成することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  14. ダイナミックレンジの広い画像を形成するダイナミックレンジ拡大モードと、動画像と静止画像を同時に取得する動静止画同時取得モードと、を選択可能なモード選択部を有し、
    前記モード選択部により前記ダイナミックレンジ拡大モードが選択された場合には、前記画素に入射する光量が所定の閾値以下の場合には相対的に感度の高い信号を使用し、前記画素に入射する光量が前記所定の閾値より大きい場合には相対的に感度の低い信号を使用し、
    前記モード選択部により被写体の画像を生成し動静止画同時取得モードが選択された場合には、第一の光電変換領域で取得した信号で静止画像および動画像のうち一方の画像を生成し、他方の画像を前記第二の光電変換部で取得した信号で生成することを特徴とする、請求項12に記載の撮像装置。
  15. 第一のモードと、第二のモードと、を選択可能なモード選択部を有し、
    前記モード選択部により前記第一のモードが選択された場合には、前記第一の光電変換部で蓄積された電荷と前記第二光電変換部で蓄積された電荷を加算した電荷による信号を取得し、
    前記モード選択部により前記第二のモードが選択された場合には、前記第一の光電変換部で蓄積された電荷と前記第二の光電変換部に蓄積された電荷による信号を別々に取得することを特徴とする、請求項12に記載の撮像装置。
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