JP2016168973A - ハイブリッド車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの始動から、エンジンによる車両の発進に時間を要しないハイブリッド車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両用駆動装置100は、エンジン1のエンジン軸1aに回転連結された第一スプロケット61と、駆動輪19R、19Lと回転連結された第二部材76と、第一部材75に入力された回転トルクを増幅したうえで第一スプロケット61に伝達する遊星歯車機構40と、第一部材75に入力された回転トルクの遊星歯車機構40を介した第一スプロケット61への伝達を許容する第一ワンウェイクラッチ31と、第一スプロケット61に入力された回転トルクを第一部材75に伝達する第二ワンウェイクラッチ32と、第一部材75が主軸21に回転連結された第一連結状態と、第二部材76が主軸21に回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える切換機構50と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】ハイブリッド車両用駆動装置100は、エンジン1のエンジン軸1aに回転連結された第一スプロケット61と、駆動輪19R、19Lと回転連結された第二部材76と、第一部材75に入力された回転トルクを増幅したうえで第一スプロケット61に伝達する遊星歯車機構40と、第一部材75に入力された回転トルクの遊星歯車機構40を介した第一スプロケット61への伝達を許容する第一ワンウェイクラッチ31と、第一スプロケット61に入力された回転トルクを第一部材75に伝達する第二ワンウェイクラッチ32と、第一部材75が主軸21に回転連結された第一連結状態と、第二部材76が主軸21に回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える切換機構50と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車輪がエンジンとモータジェネレータによって駆動されるハイブリッド車両用の駆動装置に関する。
従来から、特許文献1に示されるように、車両の駆動輪が、エンジンが出力するエンジントルクと、モータジェネレータが出力するモータトルクによって駆動されるハイブリッド車両用の駆動装置がある。特許文献1に示される駆動装置は、エンジン、モータジェネレータ、クラッチ、オートメイテッド・マニュアルトランスミッション(以下、AMTと略す)、遊星歯車機構、第一ワンウェイクラッチ、及び第二ワンウェイクラッチを有している。クラッチは、エンジンとAMTとの間に設けられている。遊星歯車機構は、モータジェネレータの回転軸に設けられている。第一ワンウェイクラッチは、遊星歯車機構とAMTとの間に設けられ、遊星歯車機構を介して伝達されたモータトルクを、AMTに伝達することにより、エンジンに伝達する。第二ワンウェイクラッチは、モータジェネレータとAMTとの間に設けられ、AMTを介して伝達されたエンジントルクを、モータジェネレータに伝達する。
このように構成された、駆動装置では、モータジェネレータの駆動時に、第一ワンウェイクラッチがロックして、モータジェネレータから出力されたモータトルクが遊星歯車機構によって増幅されてエンジンに伝達される。一方で、モータジェネレータでの発電時には、第二ワンウェイクラッチがロックして、エンジンから出力されたエンジントルクがモータジェネレータに伝達される。これにより、モータジェネレータの駆動時と発電時のそれぞれにおいて適した回転速度で、モータジェネレータが回転する。このため、モータジェネレータの効率の良い回転速度の領域で、モータジェネレータが稼働する。
特許文献1に示される駆動装置では、アイドリングストップによりエンジンが停止している状態で、車両がエンジンによって再発進する場合には、クラッチが接続、且つAMTがニュートラルである状態で、モータジェネレータによってエンジンを始動させる。そして、エンジンの始動後に、クラッチを切断させて、AMTにおいて1速を形成させ、クラッチを接続させる。このため、エンジンの始動から、エンジンによる車両の再発進に時間を要する。
また、特許文献1に示される駆動装置では、モータジェネレータはAMTを介して駆動輪に接続されている。このため、モータジェネレータの駆動時や発電時に、AMT内のギヤが回転することよる機械的損失が発生する。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、エンジンの始動から、エンジンによる車両の発進に時間を要しないハイブリッド車両用駆動装置を提供する。
上記の課題を解決するため、請求項1に係るハイブリッド車両用駆動装置の発明は、エンジントルクが入力されるエンジントルク入力部材と、モータトルクを出力するとともに発電するモータジェネレータと、前記エンジントルクが前記エンジントルク入力部材を介して入力される入力軸と、車両の駆動輪に回転連結された出力部材とを有し、前記入力軸の回転速度を前記出力部材の回転速度で除した減速比を可変に変更する変速機と、前記モータジェネレータが前記エンジントルク入力部材に回転連結された第一連結状態と、前記モータジェネレータが前記駆動輪に回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える切換機構と、を有する。
このように、変速機は、エンジントルクが入力される入力軸と、車両の駆動輪に回転連結された出力部材とを有する。そして、切換機構は、モータジェネレータがエンジントルク入力部材に回転連結された第一連結状態と、モータジェネレータが駆動輪に回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える。これにより、エンジンの始動時に、切換機構によってモータジェネレータがエンジントルク入力部材に回転連結された第一連結状態にされることにより、モータジェネレータによってエンジンを始動させることができる。また、エンジンの始動後の車両の発進時には、エンジンが出力するエンジントルクは、変速機を介して駆動輪に伝達されるので、エンジンの始動から、エンジンによる車両の発進に時間を要しない。
また、切換機構によって第二連結状態にされると、モータジェネレータは、変速機を介さずに駆動輪に回転連結される。これにより、モータジェネレータが出力するモータトルクによって駆動輪を駆動する際や、モータジェネレータが駆動輪から伝達された回転トルクによって発電する際に、変速機内のギヤが回転することよる機械的損失の発生を防止することができる。
(ハイブリッド車両用駆動装置の構成)
図1に基づき、本発明の実施形態によるハイブリッド車両用駆動装置100(以下単に、駆動装置100と略す)が搭載されたハイブリッド車両1000(以下単に、車両1000と略す)について説明する。図1に示すように、車両1000は、駆動装置100、デファレンシャル17、ドライブシャフト18、駆動輪19R、19Lを有している。駆動装置100は、エンジン1、モータジェネレータ2、自動変速機3、トルクコンバータ4、インバータ5、バッテリ6、ロックアップコントロールバルブ7、制御部10、主軸21、出力軸22、第一ワンウェイクラッチ31、第二ワンウェイクラッチ32、遊星歯車機構40、切換機構50、第一スプロケット61、第二スプロケット62、チェーン63、第一接続部材65、第二接続部材66、第一ギヤ71、第二ギヤ72、第三ギヤ73、第一部材75、第二部材76、オイルポンプ80、及びハウジング90を有している。なお、以下の説明において、入力軸3a、主軸21、及び出力軸22が設けられている方向を、駆動装置100の軸線方向とする。
図1に基づき、本発明の実施形態によるハイブリッド車両用駆動装置100(以下単に、駆動装置100と略す)が搭載されたハイブリッド車両1000(以下単に、車両1000と略す)について説明する。図1に示すように、車両1000は、駆動装置100、デファレンシャル17、ドライブシャフト18、駆動輪19R、19Lを有している。駆動装置100は、エンジン1、モータジェネレータ2、自動変速機3、トルクコンバータ4、インバータ5、バッテリ6、ロックアップコントロールバルブ7、制御部10、主軸21、出力軸22、第一ワンウェイクラッチ31、第二ワンウェイクラッチ32、遊星歯車機構40、切換機構50、第一スプロケット61、第二スプロケット62、チェーン63、第一接続部材65、第二接続部材66、第一ギヤ71、第二ギヤ72、第三ギヤ73、第一部材75、第二部材76、オイルポンプ80、及びハウジング90を有している。なお、以下の説明において、入力軸3a、主軸21、及び出力軸22が設けられている方向を、駆動装置100の軸線方向とする。
エンジン1は、エンジン軸1aを備えている。エンジン1は、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用し、エンジントルクTeをエンジン軸1aに出力するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等である。
自動変速機3は、入力軸3a、出力ギヤ3b、複数の遊星歯車機構(不図示)、複数又は単一のATクラッチ(不図示)、複数又は単一のATブレーキ(不図示)を有している。入力軸3aは、エンジン軸1aと同軸に設けられている。入力軸3aには、エンジン軸1a及びトルクコンバータ4を介して、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが入力される。複数の遊星歯車機構は、入力軸3a及び出力ギヤ3bに回転連結されている。ATクラッチは、複数の遊星歯車機構の各要素(サンギヤ、キャリア、リングギヤ)同士を係脱可能に接続するものである。ATブレーキは、複数の遊星歯車機構の要素をハウジング90に係脱可能に連結するものである。
複数又は単一のATクラッチ及び複数又は単一のATブレーキからなる摩擦係合要素のそれぞれが、係合状態又は解放状態に選択的に切り換えられることにより、複数の遊星歯車機構の動力伝達経路が切り換えられる。複数の遊星歯車機構の動力伝達経路の切換によって、自動変速機3において、入力軸3aの回転速度を出力ギヤ3bの回転速度で除した減速比がそれぞれ異なる複数の変速段が形成される。このように、自動変速機3は、上記減速比を可変に変更するものである。各摩擦係合要素には、後述するオイルポンプ80によって油圧が供給される。各摩擦係合要素とオイルポンプ80の間には、オイルポンプ80によって供給された油圧を各摩擦係合要素に供給するか供給しないかを切り換えることにより、各摩擦係合要素を係合状態又は解放状態に選択的に切り換えるソレノイドバルブ(電磁弁)(不図示)が設けられている。このソレノイドバルブは、制御部10によって制御される。自動変速機3の構成については、特開2014−194237号公報や特開2014−101926号公報等に示されるように周知技術であるのでこれ以上の説明を省略する。
トルクコンバータ4は、エンジン1のエンジン軸1aと自動変速機3の入力軸3aの間に設けられている。トルクコンバータ4は、エンジン1からのエンジントルクTeを入力軸3aに伝達するものである。トルクコンバータ4は、カバー4a、ポンプインペラ4b、タービンランナ4c、及びロックアップクラッチ4dを有している。
カバー4aは、エンジン1のエンジン軸1aに接続されている。カバー4aの内部にはオイルが収容されている。ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)は、カバー4aに接続されている。このような構成により、ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)は、カバー4aを介してエンジン軸1aに接続され、エンジン軸1aと一体回転し、エンジントルクTeが入力される。タービンランナ4cは、ポンプインペラ4bと対向して配置されている。タービンランナ4cは、入力軸3aに接続され、入力軸3aと一体回転する。ポンプインペラ4bとタービンランナ4cの間には、上記オイルが満たされている。エンジン1が出力するエンジントルクTeによってポンプインペラ4bが回転すると、ポンプインペラ4bの回転によって発生するオイルの螺旋流により、エンジントルクTeが増幅されてタービンランナ4cに伝達される。
ロックアップクラッチ4dは、カバー4aとタービンランナ4cとを直結又は切断することにより、エンジン軸1aと入力軸3aとが直結したロックアップ状態と、エンジン軸1aと入力軸3aとを切断して、エンジン軸1aと入力軸3aとの間に回転差が生じるトルクコンバータ状態とに切り換えるものである。ロックアップクラッチ4dは、ピストン4d1、摩擦材4d2、及びダンパー4d3を備えている。
ピストン4d1は、円板形状であり、タービンランナ4cに相対回転不能且つ軸線方向に沿って移動可能に取り付けられている。ピストン4d1の外縁は、カバー4aの内周壁面と密接又は近接している。ピストン4d1は、カバー4aの内部を液密に区画している。ピストン4d1とカバー4aのタービンランナ4c側の内面との間には、液密な第一室45が形成されている。ピストン4d1とカバー4aのエンジン軸1a側の内面との間には、液密な第二室46が形成されている。摩擦材4d2は、ピストン4d1のエンジン軸1a側のカバー4aの内壁面と対向する位置に設けられている。
第一室45に油圧が供給されると、ピストン4d1がエンジン軸1a側に移動して、摩擦材4d2がカバー4aのエンジン軸1a側の内壁面に押し付けられる。すると、カバー4aとタービンランナ4cとが直結して、トルクコンバータ4がロックアップ状態となる。すると、エンジン軸1aと入力軸3aとが直結し、オイルによるトルク伝達に比べて、エンジン軸1aと入力軸3a間におけるトルクの伝達ロスが低減される。
一方で、第二室46に油圧が供給されると、ピストン4d1がタービンランナ4c側に移動し、摩擦材4d2がカバー4aのエンジン軸1a側の内壁面から離れ、カバー4aとタービンランナ4cとの直結が解除され、トルクコンバータ4がトルクコンバータ状態となる。すると、エンジントルクTeが、ポンプインペラ4bとタービンランナ4cの間にあるオイルによって増幅されて、ポンプインペラ4bからタービンランナ4cに伝達される。
ピストン4d1には、コイルスプリング等の弾性体で構成されたダンパー4d3が設けられている。トルクコンバータ4がロックアップ状態となった場合に、ダンパー4d3が変位(伸縮)することにより、エンジン1から入力軸3aに入力されるエンジントルクTeのトルク変動が吸収される。
ロックアップコントロールバルブ7には、後述するオイルポンプ80からオイルが供給される。そして、ロックアップコントロールバルブ7は、制御部10からの制御信号によって、供給されたオイルによる油圧を第一室45及び第二室46のいずれかに供給することにより、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にする。
第一接続部材65は、円筒形状である。第一接続部材65には、入力軸3aが挿通している。第一接続部材65は、入力軸3aと同軸に、入力軸3aに対して相対回転可能に、入力軸3aに設けられている。第二スプロケット62(第二連結部材)は、第一接続部材65によって、ポンプインペラ4bに接続されている。このような構造によって、第二スプロケット62(第二連結部材)は、エンジン軸1a、ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)、及び入力軸3aと同軸に設けられている。また、第二スプロケット62(第二連結部材)は、第一接続部材65を介してポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結され、ポンプインペラ4b及びカバー4aを介して、エンジン1のエンジン軸1aに回転連結されている。
主軸21及び出力軸22は、入力軸3aと並列に設けられている。出力軸22には、第一ギヤ71及び第二ギヤ72が固定されている。第一ギヤ71のピッチ円直径は、第二ギヤ72のピッチ円直径よりも大きくなっている。第一ギヤ71は、自動変速機3の出力ギヤ3bと噛合している。第二ギヤ72は、デファレンシャル17のリングギヤ17aと噛合している。デファレンシャル17は、ドライブシャフト18を介して、駆動輪19R、19Lと連結している。デファレンシャル17は、駆動輪19R、19Lの回転速度差を吸収するものである。
モータジェネレータ2は、駆動輪19R、19Lに回転駆動力を付与するモータとして作動するとともに、車両1000の運動エネルギーを電力に変換する発電機としても作動するものである。モータジェネレータ2は、エンジン1及び自動変速機3と並列に設けられている。モータジェネレータ2は、ステータ2aとロータ2bを有している。ステータ2aは、駆動装置100のハウジング90に固定されている。モータジェネレータ2のロータ2bは、ステータ2aの内周側に回転可能に設けられ、主軸21に連結(回転連結)している。
インバータ5は、ステータ2a及びバッテリ6と電気的に接続している。また、インバータ5は、制御部10と通信可能に接続している。インバータ5は、制御部10からの制御信号に基づいて、バッテリ6から供給される直流電流を、昇圧するとともに交流電流に変換したうえでステータ2aに供給する。このようにして、インバータ5は、モータジェネレータ2でモータトルクTmを出力させ、モータジェネレータ2をモータとして機能させる。また、インバータ5は、制御部10からの制御信号に基づいて、モータジェネレータ2を発電機として機能させる。そして、インバータ5は、モータジェネレータ2で発電された交流電流を、直流電流に変換するとともに、電圧を降下させて、バッテリ6を充電する。
第一部材75は、円筒形状である。第一部材75には、主軸21が挿通している。このような構造によって、第一部材75は、主軸21と同軸に、主軸21の外周側に、主軸21に相対回転可能に設けられている。第一スプロケット61(第一連結部材)は、第一部材75と同軸に、第一部材75の外周側に設けられている。このようにして、第一スプロケット61は、ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)やエンジン軸1aと並行に(異軸に)設けられている。第一スプロケット61と第二スプロケット62とは、チェーン63(伝達部材)によって、回転連結されている。このような構造によって、エンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)と第一スプロケット61とは、第一接続部材65、第二スプロケット62、及びチェーン63を介して、互いに回転連結されている。第一スプロケット61は、第二接続部材66によって後述のキャリア43に接続されている。このような構造によって、エンジン軸1aとキャリア43は、互いに回転連結されている。
遊星歯車機構40は、主軸21と同軸に、主軸21の外周側に設けられている。遊星歯車機構40は、シングルピニオン式であり、サンギヤ41、複数のプラネタリギヤ42、キャリア43、及びリングギヤ44とから構成されている。サンギヤ41は、第一部材75に連結されて、第一部材75と一体回転する。プラネタリギヤ42は、サンギヤ41の周囲に複数配設され、サンギヤ41と噛合している。キャリア43は、複数のプラネタリギヤ42を回転可能(自転可能)に軸支している。リングギヤ44は、リング状であり、複数のプラネタリギヤ42の外周側に設けられ、複数のプラネタリギヤ42と噛合している。
第一ワンウェイクラッチ31は、リングギヤ44の外周側に設けられ、ハウジング90に固定されている。第一ワンウェイクラッチ31は、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTm(回転トルク)が、サンギヤ41に入力されるとロック状態となり、リングギヤ44がサンギヤ41に入力されたモータトルクTmの反力を受ける。すると、サンギヤ41の回転が、遊星歯車機構40によって減速されてキャリア43から第一スプロケット61に伝達される。つまり、サンギヤ41に入力されたモータトルクTm(回転トルク)が、遊星歯車機構40によって増幅されてキャリア43から第一スプロケット61に伝達される。このように、第一ワンウェイクラッチ31は、サンギヤ41(第一部材75)に入力されたモータトルクTm(回転トルク)の遊星歯車機構40を介した第一スプロケット61への伝達を許容する。
一方で、第一ワンウェイクラッチ31は、エンジン1から出力されたエンジントルクTeがキャリア43に入力されるとフリー状態となり、リングギヤ44がキャリア43に入力されたエンジントルクTeの反力を受けない。このため、キャリア43に入力されたエンジントルクTeは、サンギヤ41に伝達されない。このように、第一ワンウェイクラッチ31は、キャリア43(第一スプロケット61)に入力されたエンジントルクTe(回転トルク)の遊星歯車機構40を介したサンギヤ41(第一部材75)への伝達を許容しない。
第二ワンウェイクラッチ32は、第一部材75及び第一スプロケット61と同軸に、第一部材75と第一スプロケット61の間に設けられている。第二ワンウェイクラッチ32は、エンジン1から出力されたエンジントルクTe(回転トルク)が第一スプロケット61に入力されると、ロック状態となり、当該エンジントルクTeを第一スプロケット61から第一部材75に伝達する。一方で、第二ワンウェイクラッチ32は、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTm(回転トルク)が第一部材75に入力されると、フリー状態となり、当該モータトルクTm(回転トルク)を第一部材75から第一スプロケット61に伝達しない。
第二部材76は、円筒形状である。第二部材76には、主軸21が挿通している。このような構造によって、第二部材76は、主軸21と同軸に、主軸21の外周側に、主軸21に相対回転可能に設けられている。第三ギヤ73は、第二部材76に固定されている。つまり、第三ギヤ73は、主軸21と相対回転可能に設けられている。第三ギヤ73は、第一ギヤ71と噛合している。このような構成によって、第二部材76は、出力ギヤ3b及び駆動輪19R、19Lに回転連結されている。
切換機構50は、ハブ51、第一係合部材52、第二係合部材53、スリーブ54、フォーク55、及び切換アクチュエータ56を有している。ハブ51は、第一部材75と第二部材76の間において、主軸21に固定されている。第一係合部材52は、ハブ51と対向して、第一部材75に連結されている。第二係合部材53は、ハブ51と対向して、第二部材76に連結されている。
スリーブ54は、ハブ51に対して相対回転不能、主軸21の軸線方向に沿って移動可能にハブ51の外周側に設けられている。スリーブ54は、主軸21の軸線方向に沿った位置によって、第一係合部材52又は第二係合部材53と係合し、第一係合部材52及び第二係合部材53と係合しない。フォーク55は、スリーブ54に係合している。
切換アクチュエータ56は、制御部10からの制御信号によって、フォーク55を介して、スリーブ54を主軸21の軸線方向に沿って移動せる。図1に示すように、スリーブ54が第一係合部材52と第二係合部材53との間に位置し、スリーブ54が第一係合部材52及び第二係合部材53のいずれにも係合していないニュートラル状態(図1及び図2においてNと表す)では、第一部材75及び第二部材76のいずれもが、主軸21に回転連結されていない。スリーブ54が切換アクチュエータ56によって第一係合部材52側に移動され、スリーブ54が第一係合部材52と係合すると、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態となる(図1及び図2においてS1と表す)。この第一連結状態では、後述するように、モータジェネレータ2は、ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)やエンジン軸1aに回転連結されている。スリーブ54が切換アクチュエータ56によって第二係合部材53側に移動されて、スリーブ54が第二係合部材53と係合すると、第二部材76が主軸21に回転不能に連結された第二連結状態(図1及び図2においてS2と表す)となる。この第二連結状態では、後述するように、モータジェネレータ2は、駆動輪19R、19Lに回転連結されている。
オイルポンプ80は、主軸21と同軸に設けられている。オイルポンプ80は、ロックアップコントロールバルブ7にオイル(油圧)を供給して、ロックアップコントロールバルブ7を介して、トルクコンバータ4の第一室45及び第二室46にオイル(油圧)を供給する。また、オイルポンプ80は、自動変速機3の各摩擦係合要素に、各ソレノイドバルブを介して、オイル(油圧)を供給する。本実施形態では、オイルポンプ80は、ケーシング81、アウターロータ82、及びインナーロータ83とから構成されたトロコイドポンプである。
ケーシング81は、内部に扁平な円筒形状の空間が形成され、この空間内に連通する吸入口81a及び吐出口81bが形成されている。ケーシング81は、主軸21と同軸に設けられている。ケーシング81は、ハウジング90に取り付けられている。吸入口81aは、オイルが貯留されたオイル貯留部95に接続している。本実施形態では、オイル貯留部95は、ハウジング90に形成されている。吐出口81bは、ロックアップコントロールバルブ7、及び自動変速機3の各摩擦係合要素に接続している。
アウターロータ82は、ケーシング81の空間内に、ケーシング81に対して回転可能に設けられている。アウターロータ82は、リング形状であり、その内周面にトロコイド曲線で形成され内歯が形成されている。
インナーロータ83は、主軸21と同軸に、アウターロータ82の内歯の内側に設けられている。インナーロータ83の外周面には、アウターロータ82の内歯と噛合するトロコイド曲線で形成された外歯が形成されている。インナーロータ83は、キャリア43に連結されて、キャリア43と一体回転する。つまり、インナーロータ83は、キャリア43を介して、第一スプロケット61と連結され、第一スプロケット61と一体回転する。
第一スプロケット61(キャリア43)の回転に伴って、インナーロータ83が回転し、インナーロータ83の外歯とアウターロータ82の内歯との間の空間が吸入口81aから吐出口81b側に順次移動し、吸入口81aから吸入されたオイルが吐出口81bから吐出される。そして、吐出口81bから吐出されたオイルが、ロックアップコントロールバルブ7を介してトルクコンバータ4の第一室45及び第二室46や、自動変速機3の各摩擦係合要素に供給される。なお、トルクコンバータ4の第一室45及び第二室46や、自動変速機3の各摩擦係合要素に供給されたオイルは、その後、オイル貯留部95に戻る。
上述したように、エンジン1のエンジン軸1aとキャリア43は、互いに回転連結されている。このため、インナーロータ83は、エンジン1のエンジン軸1aに回転連結されている。よって、エンジン1のエンジン軸1aが回転すると、インナーロータ83が回転して、上述したように、吸入口81aから吸入されたオイルが吐出口81bから吐出される。
制御部10は、駆動装置100を統括制御するものである。制御部10は、エンジン1を制御して、エンジン1が出力するエンジントルクTeの大きさを制御する。また、制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2をモータとして機能させ、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmの大きさを制御する。また、制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2における発電量を制御し、車両1000に付与される回生制動力の大きさを制御する。
制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7を制御して、オイルポンプ80から供給されたオイル(油圧)を、トルクコンバータ4の第一室45又は第二室46に供給することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態又はトルクコンバータ状態のいずれかにする。
制御部10は、自動変速機3に設けられたソレノイドバルブを制御することにより、オイルポンプ80から吐出されたオイルを各摩擦係合要素に供給させ又は供給させないことにより、自動変速機3において変速段を形成する。なお、制御部10は、車両1000の車速及び運転者によるアクセル(不図示)の操作量であるアクセル開度に基づいて、自動変速機3において形成される変速段を決定する。また、制御部10は、自動変速機3に設けられたソレノイドバルブを制御することにより、オイルポンプ80から吐出されたオイルを各摩擦係合要素に供給させないことにより、自動変速機3において変速段が形成されていないニュートラル状態にする。
制御部10は、切換アクチュエータ56を制御することによって、第一部材75又は第二部材76のいずれかを主軸21に回転連結し、或いは、第一部材75及び第二部材76が主軸21と回転連結していない状態にする。
(ハイブリッド車両用駆動装置の動作)
以下に、図2〜図10を用いて、駆動装置100の各モードにおける、駆動装置100の作動状態について説明する。なお、図2は、駆動装置100の各モードにおいて、駆動装置100を構成する各要素の状態を示している。図2のエンジン1の欄において、被動とは、エンジン軸1aに入力された回転トルクによって、エンジン1が回転されている状態である。
以下に、図2〜図10を用いて、駆動装置100の各モードにおける、駆動装置100の作動状態について説明する。なお、図2は、駆動装置100の各モードにおいて、駆動装置100を構成する各要素の状態を示している。図2のエンジン1の欄において、被動とは、エンジン軸1aに入力された回転トルクによって、エンジン1が回転されている状態である。
[モード1]
以下に図3を用いて、モード1について説明する。モード1は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmによって、エンジン1を始動させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態にする。これにより、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmがポンプインペラ4bに入力されて、タービンランナ4cが回転して、入力軸3aが回転したとしても、車両1000が発進しない。
以下に図3を用いて、モード1について説明する。モード1は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmによって、エンジン1を始動させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態にする。これにより、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmがポンプインペラ4bに入力されて、タービンランナ4cが回転して、入力軸3aが回転したとしても、車両1000が発進しない。
制御部10は、インバータ5に制御信号を出力することにより、モータジェネレータ2を駆動させて、モータジェネレータ2にモータトルクTmを出力させる。すると、モータジェネレータ2から主軸21に入力されたモータトルクTmが、ハブ51、スリーブ54、第一係合部材52、及び第一部材75を介して、サンギヤ41に入力され、サンギヤ41が回転する。すると、第一ワンウェイクラッチ31がロック状態となり、サンギヤ41の回転が減速されてキャリア43に伝達されることにより、サンギヤ41に入力されたモータトルクTmが増幅されてキャリア43に入力される。なお、第二ワンウェイクラッチ32は、フリー状態である。
キャリア43に入力されたモータトルクTmは、第一スプロケット61、チェーン63、第二スプロケット62、第一接続部材65、ポンプインペラ4b、及びカバー4aを介して、エンジン軸1aに入力される。そして、モータトルクTmによってエンジン軸1aが回転されて、エンジン1が始動する。
このように、第一連結状態では、モータジェネレータ2は、主軸21、ハブ51、スリーブ54、第一係合部材52、第一部材75、遊星歯車機構40、第一スプロケット61、チェーン63、第二スプロケット62、及び第一接続部材65を介してポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結され、ポンプインペラ4b及びカバー4aを介して、エンジン軸1aに回転連結されている。
なお、モータトルクTmによって、キャリア43が回転して、インナーロータ83が回転するので、オイルポンプ80はオイルを吐出する。これにより、オイルポンプ80によって吐出されたオイルが、自動変速機3の各ソレノイドバルブやロックアップコントロールバルブ7に供給される。このため、エンジン1の始動後において、自動変速機3における変速段の形成に遅延が生じ無く、トルクコンバータ4がトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にされるのに遅延が生じ無い。
[モード2]
以下に図4を用いて、モード2について説明する。モード2は、車両1000が走行中である状態において、駆動輪19R、19Lの回転を、自動変速機3を介して、モータジェネレータ2に伝達させることによって、モータジェネレータ2で発電させて、車両1000に回生制動力を付与させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。そして、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3で変速段を形成する。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態にする。すると、駆動輪19L、19Rからの回転トルクが、デファレンシャル17、第二ギヤ72、出力軸22、第一ギヤ71、出力ギヤ3b、自動変速機3内の遊星歯車機構、及び入力軸3aを介して、タービンランナ4cに伝達される。トルクコンバータ4はロックアップ状態となっているので、タービンランナ4cに伝達された回転トルクは、ポンプインペラ4bに伝達される。
以下に図4を用いて、モード2について説明する。モード2は、車両1000が走行中である状態において、駆動輪19R、19Lの回転を、自動変速機3を介して、モータジェネレータ2に伝達させることによって、モータジェネレータ2で発電させて、車両1000に回生制動力を付与させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。そして、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3で変速段を形成する。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態にする。すると、駆動輪19L、19Rからの回転トルクが、デファレンシャル17、第二ギヤ72、出力軸22、第一ギヤ71、出力ギヤ3b、自動変速機3内の遊星歯車機構、及び入力軸3aを介して、タービンランナ4cに伝達される。トルクコンバータ4はロックアップ状態となっているので、タービンランナ4cに伝達された回転トルクは、ポンプインペラ4bに伝達される。
ポンプインペラ4bに伝達された回転トルクは、第一接続部材65、第二スプロケット62、チェーン63を介して、第一スプロケット61に伝達される。すると、第二ワンウェイクラッチ32がロック状態となり、第一スプロケット61に伝達された回転トルクは、第一部材75に伝達される。第一部材75に伝達された回転トルクは、第一係合部材52、スリーブ54、ハブ51、及び主軸21を介して、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達される。なお、第一ワンウェイクラッチ31は、フリー状態である。
制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2で発電させて、モータジェネレータ2において回生制動力を発生させる。
なお、このモード2では、駆動輪19L、19Rから伝達された回転トルクが、エンジン軸1aにも伝達されるので、エンジン1においてエンジンブレーキが発生し、車両1000に、エンジンブレーキによる制動力が付与される。このモード2は、より大きな制動力を車両1000に付与させる必要がある場合や、バッテリ6が満充電に近く、モータジェネレータ2において大きな発電量を発電させることが困難な場合に有効である。
[モード3]
以下に図5を用いて、モード3について説明する。モード3は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmを自動変速機3に入力させて、モータトルクTmで駆動輪19R、19Lを駆動させるモードである。モード3は、車両1000がモータトルクTmのみで走行する電動走行モード、車両1000がモータトルクTm及びエンジントルクTeの両方で走行するハイブリッドモードの両方に適用可能である。以下の説明においては、ハイブリッドモードについて、モード3を説明する。
以下に図5を用いて、モード3について説明する。モード3は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmを自動変速機3に入力させて、モータトルクTmで駆動輪19R、19Lを駆動させるモードである。モード3は、車両1000がモータトルクTmのみで走行する電動走行モード、車両1000がモータトルクTm及びエンジントルクTeの両方で走行するハイブリッドモードの両方に適用可能である。以下の説明においては、ハイブリッドモードについて、モード3を説明する。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。また、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3で変速段を形成する。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にする。また、制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2をモータとして機能させ、モータジェネレータ2においてモータトルクTmを出力させる。すると、モード1と同様に、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmが、遊星歯車機構40で増幅されて、ポンプインペラ4b及びカバー4aに伝達される。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが、エンジン軸1aを介して、カバー4a及びポンプインペラ4bに伝達される。
トルクコンバータ4がトルクコンバータ状態である場合には、ポンプインペラ4bに伝達されたモータトルクTm及びエンジントルクTeは、ポンプインペラ4bとタービンランナ4cとの間にあるオイルによって、タービンランナ4cに伝達される。トルクコンバータ4がロックアップ状態である場合には、カバー4aに伝達されたモータトルクTm及びエンジントルクTeは、ロックアップクラッチ4dによって、タービンランナ4cに伝達される。タービンランナ4cに伝達されたモータトルクTm及びエンジントルクTeは、入力軸3aを介して、自動変速機3に入力される。そして、自動変速機3に入力されたモータトルクTm及びエンジントルクTeは、出力ギヤ3b、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、及びドライブシャフト18を介して、駆動輪19R、19Lに伝達されて、駆動輪19R、19Lが駆動される。
上記したモード1でモータジェネレータ2によってエンジン1が始動された後に、モード3で車両1000が発進する場合には、ニュートラル状態にある自動変速機3において変速段が形成される。本実施形態では、自動変速機3の摩擦係合要素に油圧が供給されることによって、自動変速機3において変速段が形成されるので、自動変速機3がAMTである場合と比較して、自動変速機3の変速段の形成に時間を要さない。このため、エンジン1の始動後に、車両1000は速やかに発進できる。
なお、モード3において、電動走行モードで走行する場合には、制御部10は、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態にして、エンジン1を停止させる。
[モード4]
以下に図6を用いて、モード4について説明する。モード4は、車両1000の停車時において、エンジン1が出力するエンジントルクTeで、モータジェネレータ2を回転させて、モータジェネレータ2で発電させるモードである。モード4は、車両1000の停車時において、バッテリ6の充電量が不足している場合に実行される。
以下に図6を用いて、モード4について説明する。モード4は、車両1000の停車時において、エンジン1が出力するエンジントルクTeで、モータジェネレータ2を回転させて、モータジェネレータ2で発電させるモードである。モード4は、車両1000の停車時において、バッテリ6の充電量が不足している場合に実行される。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態にする。これにより、エンジン1から出力されたエンジントルクTeがポンプインペラ4bに入力されて、タービンランナ4cが回転して、入力軸3aが回転したとしても、車両1000が発進しない。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが、エンジン軸1a、カバー4a、ポンプインペラ4b、第一接続部材65、第二スプロケット62、及びチェーン63を介して、第一スプロケット61に伝達される。すると、第二ワンウェイクラッチ32がロック状態となり、第一スプロケット61に伝達されたエンジントルクTeは、第一部材75に伝達される。第一部材75に伝達されたエンジントルクTeは、第一係合部材52、スリーブ54、ハブ51、及び主軸21を介して、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達され、ロータ2bが回転する。
制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2で発電させる。
[モード5]
以下に図7を用いて、モード5について説明する。モード5は、車両1000がエンジントルクTeで走行している状態において、エンジントルクTeでモータジェネレータ2を回転させて、モータジェネレータ2で発電させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3において変速段を形成させる。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にする。
以下に図7を用いて、モード5について説明する。モード5は、車両1000がエンジントルクTeで走行している状態において、エンジントルクTeでモータジェネレータ2を回転させて、モータジェネレータ2で発電させるモードである。制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、第一部材75が主軸21に回転不能に連結された第一連結状態にする。制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3において変速段を形成させる。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態にする。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが、エンジン軸1aを介して、カバー4a及びポンプインペラ4bに伝達される。ポンプインペラ4bに伝達されたエンジントルクTeは、第一接続部材65、第二スプロケット62、及びチェーン63を介して、第一スプロケット61に伝達される。すると、第二ワンウェイクラッチ32がロック状態となり、第一スプロケット61に伝達されたエンジントルクTeは、第一部材75に伝達される。第一部材75に伝達されたエンジントルクTeは、第一係合部材52、スリーブ54、ハブ51、及び主軸21を介して、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達され、ロータ2bが回転する。
制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2で発電させる。
トルクコンバータ4がトルクコンバータ状態である場合には、ポンプインペラ4bに伝達されたエンジントルクTeは、ポンプインペラ4bとタービンランナ4cとの間にあるオイルによって、ポンプインペラ4bからタービンランナ4cに伝達される。トルクコンバータ4がロックアップ状態である場合には、カバー4aに伝達されたエンジントルクTeは、ロックアップクラッチ4dによって、タービンランナ4cに伝達される。そして、タービンランナ4cに伝達されたエンジントルクTeは、入力軸3aを介して、自動変速機3に入力される。そして、自動変速機3に入力されたエンジントルクTeが、出力ギヤ3b、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、及びドライブシャフト18を介して、駆動輪19R、19Lに伝達されて、駆動輪19R、19Lが駆動される。
[モード6]
以下に図8を用いて、モード6について説明する。モード6は、車両1000が高速(例えば80km/h以上)で走行する場合に、エンジントルクTeのみで駆動輪19R、19Lを駆動するモードである。モード6では、モータジェネレータ2のロータ2bは、駆動輪19R、19L、エンジン1、及び自動変速機3から切り離される。
以下に図8を用いて、モード6について説明する。モード6は、車両1000が高速(例えば80km/h以上)で走行する場合に、エンジントルクTeのみで駆動輪19R、19Lを駆動するモードである。モード6では、モータジェネレータ2のロータ2bは、駆動輪19R、19L、エンジン1、及び自動変速機3から切り離される。
制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3において変速段を形成させる。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態又はトルクコンバータ状態にする。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、モード5と同様に、エンジン1から出力されたエンジントルクTeは、入力軸3aに伝達されて、自動変速機3に入力される。そして、自動変速機3に入力されたエンジントルクTeは、出力ギヤ3b、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、及びドライブシャフト18を介して、駆動輪19R、19Lに伝達されて、駆動輪19R、19Lが駆動される。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、スリーブ54が第一係合部材52及び第二係合部材53のいずれにも係合していないニュートラル状態にする。これにより、モータジェネレータ2のロータ2bが、駆動輪19R、19L、エンジン1、及び自動変速機3から切り離される。このため、車両1000が高速で走行される場合に、モータジェネレータ2のロータ2bが速い回転速度で回転されることに起因するモータジェネレータ2の機械損、鉄損、及びコギングトルクによる損失の発生が防止される。よって、車両1000の燃費が向上する。
上述したように、オイルポンプ80のインナーロータ83は、エンジン1のエンジン軸1aに回転連結されている。このため、エンジン1のエンジン軸1aの回転によって、インナーロータ83が回転して、オイルポンプ80からロックアップコントロールバルブ7及び自動変速機3のソレノイドバルブにオイルが供給される。
[モード7]
以下に図9を用いて、モード7について説明する。モード7は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmで、駆動輪19R、19Lを駆動するモードである。モード7では、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmは、自動変速機3を介さずに、直接に出力軸22を介して、駆動輪19R、19Lに伝達される。モード7は、車両1000がモータトルクTmのみで走行する電動走行モード、車両1000がモータトルクTm及びエンジントルクTeの両方で走行するハイブリッドモードの両方に適用可能である。以下の説明においては、ハイブリッドモードについて、モード7を説明する。
以下に図9を用いて、モード7について説明する。モード7は、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmで、駆動輪19R、19Lを駆動するモードである。モード7では、モータジェネレータ2が出力するモータトルクTmは、自動変速機3を介さずに、直接に出力軸22を介して、駆動輪19R、19Lに伝達される。モード7は、車両1000がモータトルクTmのみで走行する電動走行モード、車両1000がモータトルクTm及びエンジントルクTeの両方で走行するハイブリッドモードの両方に適用可能である。以下の説明においては、ハイブリッドモードについて、モード7を説明する。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、スリーブ54が第二係合部材53と係合し、第三ギヤ73が主軸21に回転不能に連結された第二連結状態にする。制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2をモータとして機能させ、モータジェネレータ2においてモータトルクTmを出力させる。これにより、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmは、主軸21、ハブ51、スリーブ54、第二係合部材53、第三ギヤ73、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、ドライブシャフト18を介して、駆動輪19R、19Lに伝達され、駆動輪19R、19Lが駆動される。
このように、第二連結状態では、モータジェネレータ2は、主軸21、ハブ51、スリーブ54、第二係合部材53、第三ギヤ73、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、ドライブシャフト18を介して、駆動輪19R、19Lに回転連結されている。
制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3において変速段を形成させる。また、制御部10は、ロックアップコントロールバルブ7に制御信号を出力することにより、トルクコンバータ4をロックアップ状態又はトルクコンバータ状態にする。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1においてエンジントルクTeを出力させる。すると、モード5と同様に、エンジン1から出力されたエンジントルクTeは、入力軸3aに伝達されて、自動変速機3に入力される。そして、自動変速機3に入力されたエンジントルクTeは、出力ギヤ3b、第一ギヤ71、出力軸22、第二ギヤ72、デファレンシャル17、及びドライブシャフト18を介して、駆動輪19R、19Lに伝達されて、駆動輪19R、19Lが駆動される。
車両1000が電動走行モードで走行する場合には、制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1を停止させる。これにより、エンジン1における燃料の消費が停止される。また、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態とする。これにより、車両1000の走行に伴い、自動変速機3内の各要素が回転されることに起因する機械的損失の発生や、トルクコンバータ4内においてオイルが撹拌されることに起因する機械的損失の発生や、エンジン1が回転されることによるフリクションロスの発生が防止される。
[モード8]
以下に図10を用いて、モード8について説明する。モード8は、車両1000が走行中である状態において、駆動輪19R、19Lの回転を、モータジェネレータ2に伝達させることによって、モータジェネレータ2で発電させて、車両1000に回生制動力を付与させるモードである。
以下に図10を用いて、モード8について説明する。モード8は、車両1000が走行中である状態において、駆動輪19R、19Lの回転を、モータジェネレータ2に伝達させることによって、モータジェネレータ2で発電させて、車両1000に回生制動力を付与させるモードである。
制御部10は、切換アクチュエータ56に制御信号を出力することにより、スリーブ54が第二係合部材53と係合し、第三ギヤ73が主軸21に回転不能に連結された第二連結状態にする。すると、駆動輪19L、19Rからの回転トルクが、デファレンシャル17、第二ギヤ72、出力軸22、第一ギヤ71、第三ギヤ73、第二部材76、第二係合部材53、スリーブ54、ハブ51、及び主軸21を介して、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達され、ロータ2bが回転する。
制御部10は、インバータ5を制御することによって、モータジェネレータ2を発電機として機能させ、モータジェネレータ2で発電させて、モータジェネレータ2において回生制動力を発生させる。
制御部10は、エンジン1に制御信号を出力することにより、エンジン1を停止させる。これにより、エンジン1における燃料の消費が停止される。また、制御部10は、自動変速機3の各ソレノイドバルブに制御信号を出力することにより、自動変速機3をニュートラル状態とする。これにより、車両1000の走行に伴い、自動変速機3内の各要素が回転されることに起因する機械的損失の発生や、トルクコンバータ4内においてオイルが撹拌されることに起因する機械的損失の発生や、エンジン1が回転されることによるフリクションロスの発生が防止される。このように、モード8では、モード2と比較して、エンジン1における燃料の消費、自動変速機3及びトルクコンバータ4内における機械的損失、及びエンジン1におけるフリクションロスの発生が防止され、車両1000の燃費が向上する。
(本実施形態の効果)
以上の説明から明らかなように、自動変速機3は、エンジントルクTeが入力される入力軸3aと、車両1000の駆動輪19R、19Lに回転連結された出力ギヤ3b(出力部材)とを有する。そして、切換機構50は、モータジェネレータ2が、ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結された第一連結状態と、モータジェネレータ2が駆動輪19R、19Lに回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える。これにより、エンジン1の始動時に、切換機構50によってモータジェネレータ2がポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結された第一連結状態にされることにより(モード1)、モータジェネレータ2によってエンジン1を始動させることができる。また、エンジン1の始動後の車両1000の発進時には、エンジン1が出力するエンジントルクTeは、自動変速機3を介して駆動輪19R、19Lに伝達されるので、エンジン1の始動から、エンジン1による車両1000の再発進に時間を要しない。
以上の説明から明らかなように、自動変速機3は、エンジントルクTeが入力される入力軸3aと、車両1000の駆動輪19R、19Lに回転連結された出力ギヤ3b(出力部材)とを有する。そして、切換機構50は、モータジェネレータ2が、ポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結された第一連結状態と、モータジェネレータ2が駆動輪19R、19Lに回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える。これにより、エンジン1の始動時に、切換機構50によってモータジェネレータ2がポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結された第一連結状態にされることにより(モード1)、モータジェネレータ2によってエンジン1を始動させることができる。また、エンジン1の始動後の車両1000の発進時には、エンジン1が出力するエンジントルクTeは、自動変速機3を介して駆動輪19R、19Lに伝達されるので、エンジン1の始動から、エンジン1による車両1000の再発進に時間を要しない。
また、切換機構50によって第二連結状態にされると、モータジェネレータ2は、自動変速機3を介さずに駆動輪19R、19Lに回転連結される。これにより、モータジェネレータ2が駆動輪19R、19Lを駆動する際(モード7)や、モータジェネレータ2が駆動輪19R、19Lから伝達された回転トルクによって発電する際(モード8)に、自動変速機3内のギヤが回転することよる機械的損失の発生を防止することができる。
遊星歯車機構40(減速機構)は、第一部材75に入力されたモータトルクTm(回転トルク)を増幅したうえで第一スプロケット61(第一連結部材)に伝達する。第一ワンウェイクラッチ31は、第一部材75に入力されたモータトルクTm(回転トルク)の遊星歯車機構40を介した第一スプロケット61への伝達を許容する。また、第一ワンウェイクラッチ31は、第一スプロケット61に入力されたエンジントルクTe(回転トルク)の遊星歯車機構40を介した第一部材75への伝達を許容しない。第二ワンウェイクラッチ32は、第一スプロケット61(第一連結部材)に入力されたエンジントルクTe(回転トルク)を第一部材75に伝達する。また、第二ワンウェイクラッチ32は、第一部材75に入力されたモータトルクTm(回転トルク)を第一スプロケット61(第一連結部材)に伝達しない。
これにより、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmが第一部材75に入力された場合には、第一ワンウェイクラッチ31によって第一部材75に入力されたモータトルクTmの遊星歯車機構40を介した第一スプロケット61への伝達が許容される。このため、モータトルクTmが、遊星歯車機構40によって増幅されて第一スプロケット61に伝達され、エンジン1のエンジン軸1aに伝達される。よって、モータジェネレータ2から出力されたモータトルクTmが増幅されずにエンジン1のエンジン軸1aに伝達される構造と比較して、エンジン1の始動時においてより小さいモータトルクTmでエンジン1を回転させることができる。この結果、モータジェネレータ2の小型化が可能となり、駆動装置100の小型化が可能となる。
一方で、エンジン1から出力されたエンジントルクTeが第一スプロケット61に入力された場合には、第一スプロケット61に入力されたエンジントルクTeが、第二ワンウェイクラッチ32によって第一部材75に伝達され、モータジェネレータ2のロータ2bに伝達される。つまり、第一スプロケット61の回転が遊星歯車機構40によって増速されずにモータジェネレータ2のロータ2bに伝達される。このため、エンジントルクTeによってモータジェネレータ2が発電している際に、モータジェネレータ2のロータ2bの回転速度が過剰に速くならない。よって、ロータ2bの回転速度が過剰に速くなることに起因して、モータジェネレータ2において発電できなくなることや、モータジェネレータ2の発電効率の低下が防止される。
切換機構50は、第一連結状態及び第二連結状態以外に、第一部材75及び第二部材76のいずれもが主軸21に連結されていないニュートラル状態に切り換える(図8に示すモード6)。これにより、車両1000が高速(例えば80km/h以上)で走行して、モータジェネレータ2の回転速度が速くなり、モータジェネレータ2の効率が悪化する状況で、モータジェネレータ2のロータ2bを駆動輪19R、19L、エンジン1、及び自動変速機3から切り離すことがきできる。このため、モータジェネレータ2のロータ2bが速い回転速度で回転されることに起因するモータジェネレータ2の機械損、鉄損、及びコギングトルクによる損失の発生が防止される。よって、車両1000の燃費が向上する。
第一スプロケット61(第一連結部材)、第一部材75、及び第二部材76は、主軸21と同軸に設けられている。これにより、第一スプロケット61、第一部材75、及び第二部材76が主軸21と並列に設けられている構造と比較して、駆動装置100の軸線方向と直交する方向の寸法を小型化させることができる。
第一部材75に入力された回転トルクを増幅したうえで第二スプロケットに伝達する減速機構は、遊星歯車機構40である。そして、遊星歯車機構40(減速機構)は、主軸21と同軸に設けられている。これにより、上記減速機構が主軸21と並列に設けられている構造と比較して、駆動装置100の軸線方向と直交する方向の寸法を小型化させることができる。
第一スプロケット61(第一連結部材)は、エンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)と並行に設けられている。そして、第二スプロケット62(第二連結部材)は、エンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)と同軸に設けられ、エンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結されている。そして、第一スプロケット61(第一連結部材)は、チェーン63(伝達部材)及び第二スプロケット62(第二連結部材)を介して、エンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)に回転連結されている。これにより、モータジェネレータ2が連結された主軸21を、エンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)と並列に配置させることができる。このため、モータジェネレータ2が連結された主軸21がエンジン軸1aやポンプインペラ4b(エンジントルク入力部材)と同軸に設けられた構成と比較して、駆動装置100の軸線方向の寸法を小型化させることができる。
自動変速機3にオイルを供給するオイルポンプ80は、主軸21と同軸に設けられている。そして、オイルポンプ80のインナーロータ83は、キャリア43を介して、第一スプロケット61(第一連結部材)に連結されている。これにより、オイルポンプ80が、エンジン軸1aと同軸に設けられている構成と比較して、駆動装置100の軸線方向の寸法を小型化させることができる。
(別の実施形態)
上記の実施形態では、自動変速機3は複数の遊星歯車機構、及び複数の遊星歯車機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦係合要素を備えている。しかし、自動変速機3が、CVT(Continuously Variable Transmission)である駆動装置100であっても差し支え無い。或いは、駆動装置100が、トルクコンバータ4の変わりに自動クラッチを有し、自動変速機3がオートメイテッド・マニュアルトランスミッションである実施形態であっても差し支え無い。或いは、駆動装置100が、トルクコンバータ4の代わりマニュアル式のクラッチを有し、自動変速機3の代わりにマニュアルトランスミッションを有する実施形態であっても差し支え無い。
上記の実施形態では、自動変速機3は複数の遊星歯車機構、及び複数の遊星歯車機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦係合要素を備えている。しかし、自動変速機3が、CVT(Continuously Variable Transmission)である駆動装置100であっても差し支え無い。或いは、駆動装置100が、トルクコンバータ4の変わりに自動クラッチを有し、自動変速機3がオートメイテッド・マニュアルトランスミッションである実施形態であっても差し支え無い。或いは、駆動装置100が、トルクコンバータ4の代わりマニュアル式のクラッチを有し、自動変速機3の代わりにマニュアルトランスミッションを有する実施形態であっても差し支え無い。
上記の実施形態では、第一スプロケット61(第一連結部材)と第二スプロケット62(第二連結部材)は、チェーン63(伝達部材)によって回転連結されている。しかし、第一スプロケット61の代わりに第一ギヤ(第一連結部材)を設け、第二スプロケット62の代わりに第二ギヤ(第二連結部材)を設け、チェーン63(伝達部材)の代わりに第一ギヤ及び第二ギヤと噛み合う単一又は複数の伝達ギヤ(伝達部材)を設けた実施形態であっても差し支え無い。
(附記)
なお、ハイブリッド車両用駆動装置100は、以下の構成をとることができる。
ハイブリッド車両用駆動装置100は、
エンジン軸1aを備え、エンジントルクTeをエンジン軸1aに出力するエンジン2と、
エンジントルクTeがエンジン軸1aを介して入力される入力軸3aと、車両1000の駆動輪19R、19Lに回転連結された出力ギヤ3b(出力部材)とを有し、入力軸3aの回転速度を出力ギヤ3b(出力部材)の回転速度で除した減速比を可変に変更する自動変速機3(変速機)と、
自動変速機3と並列に設けられ、モータトルクTmを出力するとともに発電するモータジェネレータ2と、
モータジェネレータ2がエンジン軸1aに回転連結された第一連結状態と、モータジェネレータ2が駆動輪19R、19Lに回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える切換機構50と、を有する。
なお、ハイブリッド車両用駆動装置100は、以下の構成をとることができる。
ハイブリッド車両用駆動装置100は、
エンジン軸1aを備え、エンジントルクTeをエンジン軸1aに出力するエンジン2と、
エンジントルクTeがエンジン軸1aを介して入力される入力軸3aと、車両1000の駆動輪19R、19Lに回転連結された出力ギヤ3b(出力部材)とを有し、入力軸3aの回転速度を出力ギヤ3b(出力部材)の回転速度で除した減速比を可変に変更する自動変速機3(変速機)と、
自動変速機3と並列に設けられ、モータトルクTmを出力するとともに発電するモータジェネレータ2と、
モータジェネレータ2がエンジン軸1aに回転連結された第一連結状態と、モータジェネレータ2が駆動輪19R、19Lに回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える切換機構50と、を有する。
2…モータジェネレータ、3…自動変速機(変速機)、3a…入力軸、3b…出力ギヤ(出力部材)、4b…ポンプインペラ(エンジントルク入力部材)、19R、19L…駆動輪、21…主軸、31…第一ワンウェイクラッチ、32…第二ワンウェイクラッチ、40…遊星歯車機構(減速機構)、50…切換機構、61…第一スプロケット(第一連結部材)、62…第二スプロケット(第二連結部材)、63…チェーン(伝達部材)、75…第一部材(第一部材)、76…第二部材(第二部材)、100…ハイブリッド車両用駆動装置
Claims (7)
- エンジントルクが入力されるエンジントルク入力部材と、
モータトルクを出力するとともに発電するモータジェネレータと、
前記エンジントルクが前記エンジントルク入力部材を介して入力される入力軸と、車両の駆動輪に回転連結された出力部材とを有し、前記入力軸の回転速度を前記出力部材の回転速度で除した減速比を可変に変更する変速機と、
前記モータジェネレータが前記エンジントルク入力部材に回転連結された第一連結状態と、前記モータジェネレータが前記駆動輪に回転連結された第二連結状態とのいずれかに切り換える切換機構と、を有するハイブリッド車両用駆動装置。 - 前記モータジェネレータに回転連結された主軸と、
第一部材と、
前記駆動輪と回転連結された第二部材と、
前記エンジントルク入力部材に回転連結された第一連結部材と、
前記第一部材に入力された回転トルクを増幅したうえで前記第一連結部材に伝達する減速機構と、
前記第一部材に入力された回転トルクの前記減速機構を介した前記第一連結部材への伝達を許容するとともに、前記第一連結部材に入力された回転トルクの前記減速機構を介した前記第一部材への伝達を許容しない第一ワンウェイクラッチと、
前記第一連結部材に入力された回転トルクを前記第一部材に伝達するとともに、前記第一部材に入力された回転トルクを前記第一連結部材に伝達しない第二ワンウェイクラッチと、を有し、
前記第一連結状態は、前記第一部材が前記主軸に連結された状態であり、
前記第二連結状態は、前記第二部材が前記主軸に連結された状態である請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。 - 前記切換機構は、前記第一連結状態及び前記第二連結状態以外に、前記第一部材及び前記第二部材のいずれもが前記主軸に連結されていないニュートラル状態に切り換える請求項2に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
- 前記第一連結部材、前記第一部材、及び前記第二部材は、前記主軸と同軸に設けられている請求項2又は請求項3に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
- 前記減速機構は、遊星歯車機構であり、
前記減速機構は、前記主軸と同軸に設けられている請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。 - 前記第一連結部材は、前記エンジントルク入力部材と並行に設けられ、
前記エンジントルク入力部材と同軸に設けられ、前記エンジントルク入力部材に回転連結された第二連結部材と、
前記第一連結部材と前記第二連結部材とを回転連結する伝達部材と、を有し、
前記第一連結部材は、前記伝達部材及び前記第二連結部材を介して、前記エンジントルク入力部材に回転連結されている請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。 - 前記変速機にオイルを供給するオイルポンプを有し、
前記オイルポンプは、前記主軸と同軸に設けられ、前記第一連結部材に連結されている請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
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JP2018114922A (ja) * | 2017-01-20 | 2018-07-26 | スズキ株式会社 | 動力伝達装置および動力伝達装置を備えた車両 |
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JP2000046166A (ja) * | 1998-07-30 | 2000-02-18 | Toyota Motor Corp | 自動変速機の作動流体供給装置 |
JP2014231319A (ja) * | 2013-05-30 | 2014-12-11 | 富士重工業株式会社 | 車両用制御装置 |
JP2015009691A (ja) * | 2013-06-28 | 2015-01-19 | ダイハツ工業株式会社 | 動力伝達機構 |
-
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- 2015-03-13 JP JP2015051179A patent/JP2016168973A/ja active Pending
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