JP2016168577A - 金属回収装置及び金属回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝集剤を使用することなく有価金属を回収することができる金属回収装置及び金属回収方法を提供することである。【解決手段】実施形態の金属回収装置は、析出槽と、分離回収装置と、を持つ。析出槽は、金属イオンを含む被処理水を塩基性にして金属イオンを金属化合物として析出させる。分離回収装置は、被処理水中の金属化合物を分離回収するフィルターを持つ。フィルターは、フィルター基材と、フィルター基材の表面を被覆するめっき層とを持つ。めっき層の表面には、多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体を持つ。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、金属回収装置及び金属回収方法に関する。
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業排水などの排水の再利用が重要である。排水を再利用するには、水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。水中から他の物質を分離する方法として、膜分離法、遠心分離法、活性炭吸着法、オゾン処理法、凝集による浮遊物質の除去法など種々の方法がある。これらの方法を用いて水中に含まれるリンや窒素などの環境に影響の大きい物質を除去することや、水中に分散した油類やクレイなどを除去することなどができる。
これら各種の水処理方法のうち、膜分離法は水中の不溶物質を除去するのに最も一般的に使用されている方法のひとつである。膜分離実施後の分離膜の洗浄を行う際、分離された不溶物質と分離膜との分離性が悪いと、分離膜の洗浄効率が落ち、洗浄水の消費量の増大や膜の性能低下を引き起こす。また不溶物質が微粒子である場合は、予め微粒子を凝集させるための凝集剤を添加する必要がある。膜分離法によって水中のレアメタル等の有価金属を回収する場合は、凝集剤由来の不純物が混入する可能性がある。
特開2008−180206号公報
本発明が解決しようとする課題は、凝集剤を使用することなく有価金属を回収することができる金属回収装置及び金属回収方法を提供することである。
実施形態の金属回収装置は、析出槽と、ろ過器と、を持つ。
析出槽は、金属イオンを含む被処理水を塩基性にして金属イオンを金属化合物として析出させる。
ろ過器は、被処理水中の金属化合物を分離回収するフィルターを持つ。
フィルターは、フィルター基材と、フィルター基材の表面を被覆するめっき層とを持つ。
めっき層の表面には、多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体を持つ。
第1の実施形態の金属回収装置を示す模式図。 フィルターの平面模式図。 フィルターの部分断面模式図。 フィルターの要部の拡大断面模式図。 フィルターのめっき層表面の電子顕微鏡写真。 フィルターのめっき層表面の電子顕微鏡写真。 第1の実施形態の金属回収方法を説明するブロック図。 第2の実施形態の金属回収装置を示す模式図。 第2の実施形態の金属回収方法を説明するブロック図。 フィルター他の例を示した外観斜視図。 図10に示すフィルターを端面側から見た時の断面図。 フィルターの他の例を示した平面模式図。 フィルターの他の例を示した平面模式図。 フィルターの他の例を示した平面模式図。 円筒状に形成されたフィルターの他の例を示した概略図。 図15に示すフィルターを端面側から見た時の断面図。 図15に示すフィルターの内周面側を示す要部拡大断面図。 フィルターの他の例における内周面側を示す要部拡大断面図。 フィルターの他の例を示す外観斜視図。 フィルターの他の例を示す外観斜視図。
以下、実施形態の金属回収装置及び金属回収方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態の金属回収装置1は、図1に示すように、被処理水中の金属イオンを金属化合物として析出させる析出槽2と、被処理水から金属化合物を回収するフィルター3を備えたろ過器4と、フィルター3に洗浄水を供給する洗浄機構5と、洗浄後の洗浄水を貯留する回収タンク6と、フィルター3を通過した被処理水を貯留する処理水槽7と、が備えられている。また、図1に示す金属回収装置1には、フィルター3を加熱するフィルター加熱装置8が更に備えられている。
本実施形態の金属回収装置1によって処理される被処理水は、例えば、各種の金属イオンを含む酸性乃至中性の水を例示でき、より望ましくは各種金属イオンを含む酸性水である。金属イオンの金属種としては、Cu、Cr、Ni、Zn、Al、Cd、Ga、Au、Ag、Co、Fe、Pb、Be、Mg、Mn等を例示できる。被処理水には、これら金属イオンを1種また2種以上を含んでもよい。金属イオンの濃度は特に限定されない。
析出槽2には、図示しない原水供給源からラインL1を介して金属イオンを含む被処理水が供給され、析出槽2ではこれを一時的に貯留する。ラインL1には遮断弁S1があり、析出槽2への原水の供給を制御できるようになっている。また、析出槽2には、被処理水を撹拌する攪拌機2aと、被処理水を塩基性にするpH調整装置2bが備えられる。pH調整装置2bは、被処理水に酸またはアルカリを添加させる。pH調整装置2bからアルカリを添加させることで、被処理水をpH9以上の塩基性にする。また、pH調整のためにpH調整装置2bから酸を添加してもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウムを例示できる。また、酸としては、硫酸を例示できる。析出槽2は、被処理水を塩基性にすることで、被処理水中の金属イオンを金属化合物として析出させる。
ろ過器4は、内部を一次側スペース4aと二次側スペース4bとに仕切るフィルター3を内蔵している。一次側スペース4aはフィルター3を通過する前の被処理水が導入されるスペースであり、二次側スペース4bはフィルター3を通過した被処理水が流入するスペースである。フィルター3は、金属からなるフィルター基材と、フィルター基材の表面を被覆するめっき層とを有する。フィルター3のめっき層の表面には多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられている。フィルター3については後述する。
ろ過器4の一次側スペース4aは、加圧ポンプP1を有する供給ラインL2を介して析出槽2に接続されている。供給ラインL2には遮断弁S2が設けられる。また、一次側スペース4aには、一次スペース4aに洗浄水を供給するための洗浄ラインL3と、洗浄後の洗浄水を回収する回収ラインL4とが接続されている。洗浄ラインL3及び回収ラインL4にはそれぞれ遮断弁S3、S4が設けられている。また、洗浄ラインL3には洗浄水を一次側スペース4aに送出させる加圧ポンプP2が備えられている。洗浄ラインL3及び加圧ポンプP2によって洗浄機構5が構成されている。
洗浄ラインL3は、一次側スペース4aに洗浄水を側方から供給してフィルター3上から堆積層を剥離させて除去するものである。洗浄ラインL3を介してろ過器4の一次側スペース4aに側方から水量および圧力ともに十分な洗浄水を導入し、水力でフィルター3上から堆積層を剥離させ、除去する。洗浄水の流量及び水圧は加圧ポンプP2によって制御される。また、洗浄ラインL3とろ過器4との接続部分に噴射ノズルを取り付け、ノズルから水を勢いよく噴射させるようにすると、堆積層の剥離効果が高まり、除去効率がさらに向上する。
回収ラインL4は、フィルター3の洗浄に供された洗浄水をろ過器4の側方から排出するものである。回収ラインL4の先には回収タンク6が接続されている。
回収タンク6は、ろ過器4から回収ラインL4を経由して排出された洗浄水を貯留する。貯留された洗浄水には、フィルター3から剥離された金属化合物が含まれる。
また、ろ過器4の二次側スペース4bは、排出ラインL5を介して処理水槽7に接続されている。排水ラインL5には遮断弁S5が設けられる。
処理水槽7には、フィルター3を通過した被処理水が貯留される。また、処理水槽7には、洗浄ラインL3が接続されている。洗浄ラインL3は、遮断弁S3よりも上流側において被処理水排出ラインL6と分岐している。被処理水排出ラインL6には遮断弁S6が設けられている。
更に、本実施形態の金属回収装置1には、フィルター加熱装置8が備えられている。フィルター加熱装置8は、フィルター3を加熱できるものであればよく、例えば、フィルター3を加熱する電熱ヒータ、フィルター3に高温蒸気を吹き付けて加熱する蒸気噴射装置、または、フィルター3に高温の燃焼ガス等を吹き付ける高温ガス噴射装置等を用いることができる。フィルター加熱装置8は、フィルター3を最高500℃まで加熱可能とされている。
次に、ろ過器4に備えられたフィルター3について説明する。図2には、濾過フィルターの平面模式図を示し、図3には、濾過フィルターの部分断面図を示す。図3は、図1のA−A’線における断面図である。
図2及び図3に示す濾過用フィルター3は、フィルター基材16と、フィルター基材16の表面に、電気めっき処理等によって形成されためっき層13とを有する。図2及び図3に示す例では、フィルター基材16は、金属からなる線材12が綾織された金網で構成されている。図3に示すように、フィルター基材16をなす線材12の表面には、下地層14が形成され、下地層14上にめっき層13が形成されている。めっき層13の表面には、図示略の多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられている。
フィルター基材16は、線材12が綾織されて網目状となっており、線材12同士が交差する部分に線材12が重なり合うことで隙間が形成され、この隙間が複数の貫通孔18となる。貫通孔18の長径は、0.5μm〜20μmの範囲が好ましく、1μm〜10μmの範囲がより好ましい。貫通孔18の長径が0.5μm以上であると、適切な濾過流量が確保されやすくなる。貫通孔18の長径が20μm以下であれば、金属化合物を容易に補足できる。
線材12の材料は、めっき処理によってめっき層13のみまたはめっき層13および下地層14を容易に形成するために、金属であることが好ましい。線材12に用いる金属としては、例えば、鉄、ニッケル、銅、および、これらの合金などを用いることが好ましい。その中でも特に、線材12として、耐食性に優れ、低コストで、加工しやすい材料であるステンレス鋼線を用いることが好ましい。
下地層14は、めっき層13の線材12への密着性を高めるために、必要に応じて設けられる。下地層14の材質としては、例えば、線材12の表面にニッケル合金からなるめっき層13を形成する場合には、ニッケルまたはニッケル合金を用いることが好ましい。ニッケル合金としては、ホウ素、リン、亜鉛から選ばれる一種以上の元素を含有するものが挙げられる。
下地層14の厚みは、めっき層13の線材12への密着性を向上可能な厚み以上であればよい。また、下地層14を形成する場合は、下地層14の厚みによって貫通孔18の長径が決まるので、貫通孔18の長径を勘案して下地層14の厚みを決めるとよい。
めっき層13は、図3に示すように、下地層13の表面に形成されてもよく、下地層14を省略する場合は線材12の表面に直接形成してもよい。めっき層13には、図示略の多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられている。これら集合体については、後ほど詳しく説明する。
めっき層13に用いられる金属としては、電気めっき等の処理によって、フィルター基材12の表面に多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体を析出できるものを用いる。このような金属としては、鉄、ニッケル、銅、および、これらの合金などが挙げられる。めっき層13に用いられる金属としては、上記の金属の中でも特に、多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体の形状の制御がしやすく耐食性に優れた金属である、ニッケルまたはニッケル合金を用いることが好ましい。ニッケル合金としては、ホウ素、リン、亜鉛から選ばれる一種以上の元素を含有するものが挙げられる。
次に、めっき層13の詳細について説明する。本実施形態では、複数の針状析出物の集合体を備えためっき層、または、多面体形状の析出物の集合体を備えためっき層を用いることができる。
まず、複数の針状析出物の集合体を備えためっき層について説明する。図4に、複数の針状析出物の集合体を示す。図4には、濾過の過程でめっき層表面に捕捉された金属化合物も図示されている。
複数の針状析出物の集合体を備えためっき層13は、図4に示すように、複数の針状構造物15が下地層14の表面に集合してなる複合体である。各針状構造物15では、各針状構造物15の線材12側の基部15aと、隣接する他の針状構造物15の基部15aとが一体化されている。針状構造物15の基部15aは、下地層14の表面に連続して形成されている。各針状構造物15は、例えば、多角錐状または円錐状の形状を有する。このような錐状の形状を有する各針状構造物15は、図4に示すように、基端153aから先端152に向けて先細りの形状を有している。隣接する針状構造物15間には、断面視で基端153aに近づくにつれて幅が狭くなる谷153が形成されている。谷153は、平面視で各針状構造物15を取り囲むように形成されている。各針状構造物15を取り囲む谷153は、隣接する別の針状構造物15を取り囲む谷153と平面視で繋がって形成されている。図4に示すように、複数の針状構造物15の一部に、被処理液中から捕捉した金属化合物が付着している。
フィルター基材16の単位面積(1μm)当たりの針状構造物15の数は、1.2〜10.0個/μmが好ましく、3.0〜7.0個/μmがより好ましい。
単位面積当たりの針状構造物15の数が1.2個/μm以上であると、フィルター3の表面積が十分に広くなり、隣接する針状構造物15間に金属化合物が補足されやすくなる。
単位面積当たりの針状構造物15の数が10.0個/μm以下であれば、隣接する針状構造物15間の隙間が狭くなりすぎない。このため、隣接する針状構造物15間に形成されている谷153と、めっき層13上に形成されている金属化合物とに囲まれた十分な広さの空間131が形成される。空間131は、金属化合物が形成された時に、被処理水が流れる流路として機能する。針状構造物15を有さないフィルターと比較すると、金属化合物を通過した処理液の得られる面積が大きくなるため、濾過流量を大きくすることができる。したがって、フィルター3は、金属化合物が除去されやすく、濾過流量の大きいものとなる。
フィルター基材16の単位面積(1μm)当たりの針状構造物15の数は、以下に示す方法により測定できる。
フィルター3を電子顕微鏡で観察し、縦2μm、横2μm、面積4μmの正方形の領域内に存在する針状構造物の頂点の数を、4箇所測定する。そして、4箇所で測定した針状構造物の頂点の数を平均し、単位面積(1μm)当たりの針状構造物の数を算出する。
また、フィルター基材16の断面における単位長さ(1μm)当たりの針状構造物15の数は1.0〜4.0個/μmが好ましく、1.5〜3.0個/μmがより好ましい。
単位長さ当たりの針状構造物15の数が1.0個/μm以上であると、単位面積当たりの針状構造物15の数が1.2個/μm以上である場合と同様に、金属化合物を捕捉できる優れた除去機能を有するものとなる。
単位長さ当たりの針状構造物15の数が4.0個/μm以下であると、単位面積当たりの針状構造物15の数が10.0個/μm以下である場合と同様に、隣接する針状構造物15間の隙間が狭くなりすぎることが防止される。このため、隣接する針状構造物15間に形成されている谷153と、めっき層13上に形成されている金属化合物とに囲まれた十分な広さの空間131が形成されるものとなり、濾過流量の大きなフィルター3となる。
フィルター基材16の断面における単位長さ(1μm)当たりの針状構造物15の数は、以下に示す方法により測定できる。
フィルター13を埋め込み樹脂で固定して切断し、その切断面をイオンミリングで平滑化して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影する。その後、撮影したフィルター基材の断面の拡大写真におけるフィルター基材16の表面の略延在方向に沿って、10μm当たりの針状構造物の数を測定する。そして、測定した針状構造物の数から単位長さ(1μm)当たりの針状構造物の数を算出する。
本実施形態において、フィルター基材16の断面における針状構造物15の平均高さHおよび基端部の平均幅Dは、以下に示す部分の寸法を、以下に示す測定方法により測定する。
図4に示すように、フィルター基材16の断面において隣接する針状構造物15間には、谷153が形成されている。フィルター基材16の断面において、針状構造物15を挟んで対向する谷底である基端153a、153a間を、直線151でつなぎ、その長さを針状構造物15の基端部の幅D1、D2とする。また、針状構造物15の先端152と上記の直線151との最短距離を、針状構造物15の高さH1、H2とする。
フィルター基材16の断面において、2つの針状構造物157、158が一体化されている場合(図3における符号159で示す針状構造物)には、以下に示す部分の寸法を、針状構造物157、158の高さH3、H4および針状構造物157、158の基端部の幅D3、D4とする。
まず、針状構造物157、158が一体化された針状構造物159を挟んで対向する谷底である基端153a、153a間を、直線154でつなぐ。次いで、2つの針状構造物157、158間の谷155の谷底から直線154に向かって垂線156を引く。垂線156と直線154との交点から各基端153a、153aまでのそれぞれの距離を、針状構造物157、158の基端部の幅D3、D4とする。また、各針状構造物157、158の先端152a、152bと上記の直線154との最短距離を、各針状構造物157、158の高さH3、H4とする。なお、垂線156の長さが、針状構造物157、158の高さH3、H4の両方の高さの3/4未満である場合には、独立した2つの針状構造物とみなす。また、2つの針状構造物157、158が一体化されているとする基準は、前記独立した2つの針状構造物とみなされる場合以外とする。
針状構造物15の高さおよび針状構造物15の基端部の幅を測定するには、フィルター3を埋め込み樹脂で固定して切断し、その切断面をイオンミリングで研磨して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影する。その後、撮影したフィルター基材16の断面の拡大写真におけるフィルター基材の表面の略延在方向に沿う長さ10μmの範囲を1つの測定領域とし、4箇所の測定領域に存在する全ての上記の針状構造物15の高さおよび基端部の幅を測定する。そして、測定した4箇所の針状構造物15の高さの平均値を、針状構造物15の平均高さHとする。また、測定した4箇所の針状構造物15の基端部の幅の平均値を、針状構造物15の基端部の平均幅Dとする。
フィルター基材16の断面における針状構造物15の高さの変動係数は0.15〜0.50が好ましく、0.18〜0.36がより好ましい。変動係数とは、上述したフィルター基材16の断面における針状構造物15の高さの分布の標準偏差を、前記針状構造物15の高さの算術平均値で除したものである。
変動係数が0.15以上であると、針状構造物15の高さのばらつきが十分に大きいものとなる。このため、フィルター3に被処理水を通過させる際に、フィルター3の表面での金属化合物を含む被処理水の流れが複雑になるとともに、高さの高い針状構造物15に金属化合物が引っかかりやすくなる。その結果、金属化合物が捕捉されやすくなる。
変動係数が0.50以下であると、めっき層13の表面に形成された金属化合物を、高さの低い針状構造物15が支えることによって、隣接する針状構造物15間に形成されている谷153と金属化合物とに囲まれた空間131の広さが確保されやすくなる。このため、被処理水が空間131内を流れやすくなり、濾過流量が増大する。
フィルター基材16の断面における針状構造物15の平均高さHは、0.2〜2.5μmであることが好ましく、0.4〜1.8μmであることがより好ましい。平均高さHが0.2μm以上であると、隣接する針状構造物15間に形成されている谷153と、めっき層13上に形成される金属化合物とに囲まれた十分な高さの空間131が形成される。このため、濾過の際に金属化合物が形成された後に、被処理水が空間131内を流れやすくなり、濾過流量に優れたものとなる。
また、平均高さHが2.5μm以下であると、隣接する針状構造物15間の隙間が狭くなりすぎることが防止される。このため、10.0個/μm以下である場合と同様に、空間131が十分に確保された濾過流量に優れたフィルター3となる。
図4に示すフィルター3を製造するには、まず、綾織されて網目状とされた線材12を用意する。
次いで、線材12の表面全面に、めっき処理を用いて、下地層14を形成する。下地層14を形成するためのめっき処理としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ニッケルまたはニッケル合金からなるめっき層13を形成する前に、ステンレスからなる線材12の表面に下地層14を形成する場合には、電解ニッケルめっき処理または無電解ニッケルめっき処理を用いて、ニッケルまたはニッケル合金からなる下地層14を形成することが好ましい。
次に、下地層14の設けられた線材12の表面全面に、電気めっき処理によって、複数の針状構造物15を析出させて、線材12をめっき層13で被覆する。めっき層13を形成するための電気めっき処理としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、下地層14およびめっき層13がニッケルまたはニッケル合金からなるものである場合、下地層14の形成後、めっき浴に添加剤を添加して、連続して電解ニッケルめっき処理または無電解ニッケルめっき処理を用いて、めっき層13を形成することが好ましい。
複数の針状構造物15を析出させる電気めっき処理では、めっき浴に添加する添加剤の種類、濃度、めっき時間を変化させることにより、針状構造物15の形状および大きさを変化させることができる。添加剤としては、エチレンジアミン二塩酸塩(ethylenediamine dihydrochloride)、エチレンジアミン(EDA)などが挙げられる。
めっき層13を形成するためのめっき処理を行った後、必要に応じて熱処理を行って、めっき層13の結晶化を促進してもよい。
次に、めっき層の別の例として、多面体形状の析出物の集合体を備えためっき層について説明する。図5及び図6に、多面体形状の析出物の集合体を備えためっき層のSEM写真を示す。
図5及び図6に示すめっき層は、多面体形状の複数の析出物が下地層の表面に集合してなる集合体で形成されている。図5に示す集合体は、複数の多面体が相互に結合して体積の一部を共有している。多面体形状の複数の析出物は、それぞれ、3つ以上の平面が交わる頂点を複数有している。各析出物は、図5および図6に示すように、それぞれ異なる形状および異なる大きさを有しており、下地層の表面に密集して形成されている。その結果、多面体形状の辺に相当する部分は、不規則な方向を向いている。
多面体形状の析出物の最大外形寸法の平均値は0.5〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましい。析出物の平均最大外形寸法が上記範囲内であると、被処理水中の金属化合物が引っかかりやすいものとなる。特に、被処理水中の金属化合物の平均粒子径が0.1〜10μmである場合、めっき層に金属化合物が引っかかりやすいものとなる。したがって、被処理水中の金属化合物の平均粒子径が上記範囲である場合に、効率よく金属化合物を捕捉できる。また、析出物の平均最大外形寸法が上記範囲内であると、めっき層に金属化合物が引っかかりやすくなり、金属化合物を除去する機能の高いフィルター3となる。
多面体形状の析出物の平均最大外形寸法は、以下に示す測定方法により測定する。
すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて拡大したフィルターの写真を撮影し、画像処理を行う。具体的には、多面体形状の析出物の最も大きさの大きい部分の外形寸法を、一つの写真に対して代表的な10か所を選択して測定し、その平均値を平均最大外形寸法と定義する。
平面視で、めっき層の被覆された貫通孔の長径は、貫通孔の内壁に接する内接円の直径と近似したときに、平均値で1〜20μmが好ましい。内接円の直径の平均値は、貫通孔の大きさおよびフィルター3の開孔率を決定するものである。フィルターでは、内接円の直径の平均値は、下地層およびめっき層を形成する前の線材間の間隔と、下地層の厚みと、めっき層の厚みのうち、いずれか一つ以上を変化させることによって、調整できる。
平面視で、めっき層の被覆された貫通孔の長径が1〜20μmであると、特に、被処理水中の金属化合物の平均粒子径が0.1〜10μmである場合に、貫通孔の大きさが適切なものとなる。
貫通孔の内壁に接する内接円の直径の平均値は、以下に示す測定方法により測定する。
すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて拡大したフィルターの写真を撮影し、画像処理を行う。具体的には、平面視で、めっき層の被覆された貫通孔の内壁に接する内接円の直径を、一つの写真に対して代表的な10か所を選択して測定し、その平均値を内接円の直径の平均値と定義する。
次に、図5または図6に示すフィルターの製造方法について説明する。
線材の表面全面に、めっき処理を用いて、下地層を形成するまでは、先に説明した例のめっき層と同様である。
次に、下地層が設けられた線材の表面全面に、めっき処理によって、複数の多面体形状を有する析出物を析出させて、線材をめっき層で被覆する。めっき層を形成するためのめっき処理としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、下地層およびめっき層がニッケルまたはニッケル合金からなるものである場合、下地層の形成後、めっき浴に添加剤を添加して、連続して電解ニッケルめっき処理または無電解ニッケルめっき処理を用いて、めっき層を形成することが好ましい。
複数の多面体形状を有する析出物で形成されているめっき層を形成するためのめっき処理では、めっき浴に添加する添加剤の種類および濃度を変化させることにより、多面体形状の析出物の形状および大きさを変化させることができる。添加剤としては、2−ブチン−1,4−ジオールなどが挙げられる。
めっき層を形成するためのめっき処理を行った後、必要に応じて熱処理を行って、めっき層の結晶化(多面体化)を促進してもよい。
次に、金属回収装置1を用いた金属回収方法について、図1及び図7を参照して説明する。
本実施形態の金属回収方法は、金属イオンを含む被処理水を塩基性にして金属イオンを金属化合物として析出させる析出工程と、被処理水中に析出させた金属化合物をフィルター3によって分離回収する回収工程と、から構成される。また、回収工程後に、金属化合物を加熱する加熱工程を更に実行する。加熱工程は、フィルター3に金属化合物を付着させたまま、フィルター3を加熱する工程である。更に、加熱工程後に、フィルターを洗浄する洗浄工程を行う。
図1において、初期段階では、全ての遮断弁が閉じられているとする。
まず、析出工程では、ラインL1の遮断弁S1を開き、金属イオンを含む被処理水を析出槽2に流入させる。そして、pH調整装置2bを作動させて被処理水のpHを塩基性に調整する。被処理水のpHは、回収しようとする金属の種類によって変更すればよい。例えば、銅を回収する場合は、被処理水のpHを9〜11程度にすればよい。これにより、被処理水中の金属イオンは、金属の水酸化物(金属化合物)として析出する。例えば、銅の場合は、金属化合物の一種である水酸化銅(Cu(OH))となって析出する。
次に、回収工程では、遮断弁S2及び遮断弁S5を開くとともに、加圧ポンプP1を作動させて、塩基性に調整した被処理水をろ過器4の一次側スペース4aに供給する。被処理水はフィルター3によって濾過される。濾過の際に、被処理水中の金属水酸化物(金属化合物)は、フィルター3のめっき層上の針状析出物または多面体状の析出物によって補足され、フィルター3のめっき層に付着した状態で回収される。フィルター3を通過した被処理水は、排水ラインL5を経由して処理水槽7に貯留される。
なお、析出工程及び回収工程を実施する順序は特に制限はなく、析出工程の次に回収工程を行ってもよいし、析出工程の継続中に回収工程を開始してもよいし、析出工程を休止させたまま回収工程を行ってもよい。
次に、加熱工程では、加圧ポンプP1を停止させ、遮断弁S2を閉じる。これにより、分離供給装置4への被処理水の供給を停止する。遮断弁S5は開けておいてもよく、閉めてもよい。そして、フィルター加熱装置8を作動させてフィルター3を加熱する。フィルター3を加熱することで、フィルター3に付着した金属化合物が加熱される。フィルター3の加熱温度は、回収しようとする金属種によっても異なるが、下限は60℃以上であればよい。また、上限は、500℃以下であればよい。フィルター3に付着した金属化合物は金属水酸化物であり、この金属水酸化物を加熱することで、脱水反応が起きて金属酸化物が生成する。例えば、銅の場合は、水酸化銅(Cu(OH))が酸化銅(CuO)になる。水酸化銅を酸化銅に変化させるためには、加熱温度は60〜80℃の範囲で十分である。銅以外の他の金属の場合は、その金属の水酸化物を酸化物に変化させるための最適な加熱温度を採用すればよい。
一般に金属水酸化物は水和している状態で析出するため金属含有率が低い状態にあるが、これを金属酸化物に変化させることで、金属含有率を高くすることができる。また、金属の種類によっては、金属酸化物の状態ではフィルター3の最表面のめっき層に固着しやすい性質を持つものもあるが、金属酸化物に変化させることで、フィルターの表面から剥離しやすくなる。
次に、フィルター3の表面を洗浄する洗浄工程を行う。まず、遮断弁S5を開けておいた場合はこれを閉じる。ついで、洗浄ラインL3の加圧ポンプP2を作動させ、遮断弁S3及び遮断弁S4を開く。これにより、処理水槽7に貯留されていた濾過済みの被処理水が洗浄ラインL3を経由し、洗浄水としてろ過器4の一次側スペース4aに流入する。流入した洗浄水は、フィルター3に付着していた金属酸化物をフィルター3から剥離させる。洗浄水によって剥離された金属酸化物は、洗浄水とともに回収ラインL4を経由して回収タンク6に送られる。
洗浄工程における洗浄水の使用量は、回収工程においてフィルター3を通過した被処理水の量よりも大幅に少ない。よって、回収工程から洗浄工程を経ることによって、金属水酸化物が金属酸化物に変化するとともに、洗浄工程後の洗浄水中の金属酸化物の濃度が、回収工程前の被処理水中の金属水酸化物の濃度より高くなる。
回収タンク6に回収された金属酸化物は、タンク内で沈降分別されるか、あるいは更に別の濾過装置によって固液分離される。このようにして、被処理水中の金属イオンを金属酸化物の形態で回収する。
また、処理水槽7に貯留された被処理水は、一部が洗浄水として使用され、残部は処理水として、遮断弁S6を開けた被処理水排出ラインL6によって外部に排出させる。
本実施形態の金属回収装置1によれば、被処理水中の金属イオンを金属化合物として析出させる析出槽2と、金属化合物を分離回収するフィルター3を備えたろ過器4とを備え、フィルター3に多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられているので、析出させた金属化合物をこれらの集合体によって捕捉させつつ、被処理水の濾過流量を高くすることができ、被処理水中の金属を効率よく回収でき、凝集剤等の添加装置が不要になる。
また、本実施形態の金属回収装置1によれば、金属化合物が付着したフィルター3に洗浄水を供給する洗浄機構5と、金属化合物を含む洗浄水を貯留する回収タンク6と、が更に備えられるので、金属化合物を容易に回収できる。
更に、本実施形態の金属回収装置1によれば、金属化合物が付着したフィルター3を加熱するフィルター加熱装置8が更に備えられるので、金属化合物を安定化させて回収を容易に行うことができる。特に、被処理水中の金属イオンを金属水酸化物として析出させた場合、フィルター3の加熱によって金属水酸化物を金属酸化物に変化させることができる。金属酸化物は、金属水酸化物に比べて単位質量あたりの金属含有量が高く、また、フィルター3から剥離しやすいものとなる。従って、フィルター3に付着した金属水酸化物を加熱して金属酸化物とすることで、高品位の金属化合物として回収でき、また、金属化合物の回収率及びフィルターの洗浄効率を高めることができる。
また、フィルター3を構成するフィルター基材及びめっき層が金属で構成されるので、フィルター3を加熱してもフィルターが変質することがなく、フィルター3を繰り返し使用することができる。
更に、フィルター3をステンレスやニッケル等の耐食性に優れた金属で構成することで、塩基性にした被処理水にも充分に耐えることができる。
次に、本実施形態の金属回収方法によれば、被処理水中の金属イオンを金属化合物として析出させ、この被処理水をフィルター3で濾過することにより金属化合物を分離回収する際に、フィルター3として、表面に多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられたフィルター3を用いることで、析出させた金属化合物をこれらの集合体によって捕捉させつつ、被処理水の濾過流量を高くすることができ、被処理水中の金属を効率よく回収でき、凝集剤等の添加が不要になる。
また、本実施形態の金属回収方法によれば、金属化合物を回収後に、金属化合物を加熱するので、金属化合物を安定化させて回収を容易に行うことができる。特に、被処理水中の金属イオンを金属水酸化物として析出させた場合、金属水酸化物を加熱して金属酸化物に変化させることができる。金属酸化物は、金属水酸化物に比べて単位質量あたりの金属含有量が高い。従って、金属水酸化物を加熱して金属酸化物とすることで、高品位の金属化合物として回収できる。
また、本実施形態の金属回収方法によれば、フィルター3に金属水酸化物(金属化合物)を付着させたまま、フィルター3を加熱するので、金属水酸化物を、フィルター3からの剥離が容易な金属酸化物に変化させることができる。これにより、金属化合物の回収率及びフィルター3の洗浄効率を高めることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態である金属回収装置及び金属回収方法について図8及び図9を参照して説明する。
本実施形態の金属回収装置101は、フィルター加熱装置8が備えられず、その代わりに、回収タンク6内の金属化合物を含む洗浄水を加熱する水加熱装置108が備えられる点で、第1の実施形態の金属回収装置1と異なっている。その他の構成は両者に相違がない。相違のない構成については、図8において図1と同じ符号を付けて、その説明を省略する。
本実施形態の金属回収装置101は、図8に示すように、析出槽2と、フィルター3を備えたろ過器4と、洗浄機構5と、回収タンク6と、処理水槽7と、が備えられている。また、図8に示す金属回収装置101には、回収タンク6に貯留された金属化合物を含む洗浄水を加熱する水加熱装置108が更に備えられている。
回収タンク6は、ろ過器4から回収ラインL4を経由して排出された洗浄水を貯留する。貯留された洗浄水には、フィルター3から剥離された金属化合物が含まれる。
また、水加熱装置8は、回収タンク内に貯留された洗浄水を加熱できるものであればよく、例えば、洗浄水を直接加熱または間接加熱する電熱装置、洗浄水に高温蒸気を吹き付けて加熱する蒸気噴射装置、または、洗浄水に高温の燃焼ガス等を吹き付ける高温ガス噴射装置等を用いることができる。水加熱装置108は、洗浄水を100℃程度まで加熱可能とされている。
次に、本実施形態の金属回収方法について、図8及び図9を参照して説明する。
本実施形態の金属回収方法は、金属イオンを金属化合物として析出させる析出工程と、金属化合物をフィルター3によって分離回収する回収工程と、から構成される。また、回収工程後に、洗浄工程と、金属化合物を加熱する加熱工程を更に実行する。洗浄工程及び加熱工程では、フィルター3を洗浄した洗浄水を回収タンク6に回収してから、回収タンク6内において金属化合物を含む洗浄水を加熱する。
析出工程及び回収工程は、第1の実施形態の場合と同様であるので説明を省略する。
回収工程によって被処理水中の金属水酸化物(金属化合物)を固液分離した後、フィルター3の表面を洗浄する洗浄工程を行う。まず、回収工程において遮断弁S5を開けておいた場合はこれを閉じる。次いで、洗浄ラインL3の加圧ポンプP2を作動させ、遮断弁S3及び遮断弁S4を開く。これにより、処理水槽7に貯留されていた濾過済みの被処理水が洗浄ラインL3を経由し、洗浄水としてろ過器4の一次側スペース4aに流入する。流入した洗浄水は、フィルター3に付着していた金属水酸化物をフィルター3から剥離させる。洗浄水によって剥離された金属水酸化物は、洗浄水とともに回収ラインL4を経由して回収タンク6に送られる。
次に、加熱工程では、加圧ポンプP2を停止させ、遮断弁S3及びS4を閉じる。次いで、水加熱装置108を作動させて回収タンク6内の洗浄水を加熱する。洗浄水を加熱することで、洗浄水に含まれる金属水酸化物が加熱される。加熱温度は、回収しようとする金属種によっても異なるが、下限は60℃以上であればよい。また、上限は100℃以下であればよい。回収タンク6に回収された金属化合物は金属水酸化物であり、この金属水酸化物を加熱することで、脱水反応が起きて金属酸化物が生成する。例えば、銅の場合は、水酸化銅(Cu(OH))が酸化銅(CuO)になる。水酸化銅を酸化銅に変化させるためには、加熱温度は60〜80℃の範囲で十分である。銅以外の他の金属の場合は、その金属の水酸化物を酸化物に変化させるための最適な加熱温度を採用すればよい。
金属水酸化物は水和している状態で析出するため金属含有率が低い状態にあるが、これを金属酸化物に変化させることで、金属含有率を高くすることができる。
洗浄工程における洗浄水の使用量は、回収工程においてフィルター3を通過した被処理水の量よりも大幅に少ない。よって、回収工程から加熱工程を経ることによって、金属水酸化物が金属酸化物に変化するとともに、洗浄工程後の洗浄水中の金属酸化物の濃度が、回収工程前の被処理水中の金属水酸化物の濃度より高くなる。
回収タンク6内において加熱されて生成した金属酸化物は、タンク内で沈降分別されるか、あるいは更に別の濾過装置によって固液分離される。このようにして、被処理水中の金属イオンを金属酸化物の形態で回収する。
処理水槽7に貯留された被処理水は、一部が洗浄水として使用され、残部は処理水として、遮断弁S6を開けた被処理水排出ラインL6によって外部に排出させる。
本実施形態の金属回収装置101は、第1の実施形態と同様な効果が得られるとともに、以下の効果も得られる。
本実施形態の金属回収装置101によれば、回収タンク6に回収した洗浄水を加熱する水加熱装置108が備えられるので、金属化合物を安定化させて回収を容易に行うことができる。特に、被処理水中の金属イオンを金属水酸化物として析出させた場合、洗浄水の加熱によって金属水酸化物を金属酸化物に変化させることができる。金属酸化物は、金属水酸化物に比べて単位質量あたりの金属含有量が高いものとなる。従って、洗浄水中の金属水酸化物を加熱して金属酸化物とすることで、高品位の金属化合物として回収できる。
また、本実施形態の金属回収方法は、第1の実施形態と同様な効果が得られるとともに、以下の効果も得られる。
本実施形態の金属回収方法によれば、回収タンク6に回収した洗浄水を加熱するので、金属化合物を安定化させて回収を容易に行うことができる。特に、被処理水中の金属イオンを金属水酸化物として析出させた場合、金属水酸化物を加熱して金属酸化物に変化させることができる。金属酸化物は、金属水酸化物に比べて単位質量あたりの金属含有量が高い。従って、金属水酸化物を加熱して金属酸化物とすることで、高品位の金属化合物として回収できる。
上記各実施形態では、綾織りした網目状の線材12からなるフィルター基材16を備えたフィルター3を例に挙げて説明したが、フィルター3のフィルター基材は、上記の例に限定されるものではない。
例えば、フィルター基材として、複数の貫通孔の形成された板状の基材を有するフィルターを用いてもよい。
図10は、フィルター他の例を示した外観斜視図である。図11は、図10に示すフィルターを端面側から見た時の断面図である。
フィルター212の有する板状の基材211は、上記各実施形態における網目状の基材11と同じ材料で形成されている。以下、フィルター212についての説明において、上記各実施形態におけるフィルター10と同じ構成については、説明を省略する。
板状のフィルター基材211には、厚み方向に貫通する複数の貫通孔213、213…が形成されている。貫通孔213、213…は、フィルター基材211の一次面211aと二次面211bとを結ぶ円筒形の孔である。貫通孔213、213…は、一次面211aに沿って千鳥配列となるように配置されている。
貫通孔213の平均孔径は0.1〜100μmであることが好ましい。貫通孔213、213…の平均孔径が0.1μm以上であると、フィルター212を有するろ過器において濾過流量が確保しやすくなり、効率的に被処理液の濾過を行うことができる。貫通孔213、213…の平均孔径が100μm以下であると、金属化合物を捕捉しやすくなる。
貫通孔213、213…の平均孔径とは、フィルター212を貫通する複数の貫通孔213、213…の内接円の直径の平均値を意味する。
フィルター212の表面全面には、複数の微細構造物205が形成されている。すなわち、微細構造物205は、フィルター212の一次面(流入面)211aと、被処理液が流出する二次面(流出面)211bと、貫通孔213の内壁面とを覆うように形成されている。微細構造物205としては、上記各実施形態における針状構造物または多面体構造物が形成されている。微細構造物205は、貫通孔213の平均孔径よりも最大外形寸法が小さいものである。
図10に示すフィルター212は、上記各実施形態におけるフィルター基材に代えて、フィルター基材211を用いること以外は、上記各実施形態におけるフィルター3と同様にして製造できる。
図10に示すフィルター212では、フィルター基材211に、平面視円形の貫通孔213を千鳥配列となるように配置しているが、個々の貫通孔の形状やその配置は限定されない。
図12〜図14は、フィルターの他の例を示した平面模式図である。図12に示すフィルター291では、平面形状が矩形である貫通孔292を格子状に等間隔で配列している。図13に示すフィルター294では、平面形状が長方形である貫通孔295を千鳥配列となるように形成している。図14に示すフィルター297では、平面形状が六角形である貫通孔298を千鳥配列となるように形成している。
これ以外にも、基材に形成する貫通孔の平面形状は、三角形や五角形など多角形状、楕円形状、十字形状など各種形状とすることができ、特に限定されるものでは無い。
また、複数の貫通孔の配列形態に関しても、例えば、図12に示すフィルター291のように均等配列であってもよいし、図10、図13、図14に示すに示すフィルター212、294、297のように、千鳥配列であってもよいし、その他、ランダムに配列してもよく、特に限定されるものでは無い。
これらの平面形状を有する貫通孔の平均孔径とは、フィルターを貫通する複数の貫通孔の内接円の直径の平均値を意味する。
これらのフィルター291、294、297の表面全面には、図10に示すフィルター212と同様に、複数の微細構造物205が形成されている。微細構造物205としては、上記各実施形態における針状構造物または多面体構造物が形成されている。微細構造物205は、貫通孔213の平均孔径よりも最大外形寸法が小さいものである。
図10〜図14に示すフィルター212、291、294、297は、板状のまま使用してもよいし、例えば、円筒状に形成して用いてもよい。
また、フィルター基材として、線材を面状に配列させた濾過体と、前記線材を支持する支持部材とを有し、互いに隣接する前記線材どうしの間には隙間が形成され、前記濾過体のうち、被処理液が流入する一次面側に臨む前記線材は平坦面を成す基材を有するフィルターを用いてもよい。
図15は、円筒状に形成されたフィルターの他の例を示した概略図である。図16は、図15に示すフィルターを端面側から見た時の断面図である。図17は、図15に示すフィルターの内周面側を示す要部拡大断面図である。
フィルター300のフィルター基材310は、線材311を面状に配列させた濾過体312と、線材311を支持する支持部材313とから形成されている。濾過体312は、長尺の線材311をコイル状に巻回させ、中空の筒状体に成形させたものである。
線材311は、延伸方向に対して直角な断面形状が三角形である。線材311は、隣接する線材同士の間に所定幅の隙間を保って離間するように、支持部材313に支持されている。これにより、円筒形の濾過体312には、内周面312aと外周面312bとの間を貫通するスリット状の隙間316が形成されている。
支持部材313は、断面が四角形の線材である。支持部材313は、濾過体312の外周面312b側で線材311に接合されている。支持部材313は、線材311の周回方向に沿って、例えば等間隔で4か所形成されている。支持部材313は、濾過体312の中心軸に対して平行に延び、巻回された線材311を外周面312b側から支持している。支持部材313と線材311とは、例えば、焼結によって接合されている。
濾過体312の内周面312a側に臨む線材311は、平坦面311fを有する。すなわち、断面形状が三角形である線材311の三角形の1辺が、内周面312aに沿うように配置されている。そして、線材311の内周面312aに沿う三角形の1辺と対向する三角形の頂点で、線材311が支持部材313に接合されている。
図15に示すフィルター300では、濾過体312の内周面312aに向けて被処理水を流入させ、隙間316を通過させて被処理水の濾過を行い、外周面312bから濾過後の処理水を流出させる。周回違いで隣接する線材311、311同士の隙間316は、断面形状が三角形の線材311を用いることによって、被処理液が流入する内周面(一次面)312a側から、処理液が流出する外周面(二次面)312b側に向けて幅が広がるように形成されている。
図15に示すフィルター300において、貫通孔の平均孔径とは、線材311間の隙間316における最も狭い部分の平均距離を意味する。言い換えると、フィルター300における貫通孔の平均孔径とは、内周面312a側に臨む隣接する平坦面311f間の距離を意味する。
フィルター300では、被処理液が流入する内周面312a側(言い換えると、内周面312a側に臨む線材311の平坦面311f(図17参照))に、複数の微細構造物305が形成されている。フィルター300の有する複数の微細構造物305としては、上記各実施形態における針状構造物または多面体構造物が形成されている。微細構造物305は、貫通孔の平均孔径よりも最大外形寸法が小さいものである。
微細構造物305は、フィルター300の表面全面に形成されていてもよい。
図15に示すフィルター300は、上記各実施形態におけるフィルター3のフィルター基材16に代えて、コイル状に巻回した線材311と支持部材313とを焼結して結合したフィルター基材310を用いること以外は、上記各実施形態におけるフィルター3と同様にして製造できる。
図15に示すフィルター300では、被処理液の流入する内周面312aを構成する線材311の平坦面311fに、複数の微細構造物305が形成されている。したがって、被処理水の流入時におけるフィルター300への水圧が均一となり、フィルター300の表面に水圧が局部的に集中することはない。このため、図15に示すフィルター300では、被処理水の流入時の水圧に対するフィルター300の耐久性が高められるとともに、ケークの形成が促進される。
図15に示すフィルター300では、断面が三角形の線材を用いた例を示したが、線材の断面形状は三角形に限定されるものではなく、例えば台形であってもよい。
図18は、フィルターの他の例における内周面側を示す要部拡大断面図である。図18に示すフィルター370は、延伸方向に対して直角な断面形状が台形である線材371をコイル状に巻回させ、中空の筒状体にした濾過体372を備えている。線材371は、隣接する線材371同士の間に所定幅の隙間376を保って離間するように、外周面372b側で支持部材373に支持されている。
図18に示すフィルター370では、濾過体372の内周面372aが、被処理水が流入する一次面とされ、外周面372bが、濾過体372によって濾過された処理水が流出する二次面とされる。濾過体372のうち、内周面372a側に臨む線材371は平坦面371fを有する。断面形状が台形の線材371は、台形の平行な2辺のうち長い方の一辺が内周面372aに沿うように配置され、平行な2辺のうち短い方の一辺が支持部材313に接合されている。
フィルター370では、被処理水が流入する平坦な内周面372a側と、隙間376の内表面とに、複数の微細構造物305が形成されている。微細構造物305は、濾過体372の内周面372a(一次面)側に形成されていればよく、フィルター370の表面全面に形成されていてもよい。
図15および図18に示すフィルター300、370では、線材をコイル状に巻回させて中空の筒状体にした例を示したが、複数本の線材を一面上に配列させ、平板状としてもよい。図19は、フィルターの他の例を示す外観斜視図である。
図19に示すフィルター390は、基材として、複数の線材391を面状に配列させた濾過体392と、線材391を支持する支持部材393とを備えている。濾過体392は、延伸方向に直角な断面形状が三角形である複数本の線材391を平面上に配列し、平板状に成形したものである。
線材391は、隣接する線材391、391同士の間に所定幅のスリット状の隙間396を保つように、支持部材393に固着されている。フィルター390では、図19における上側となる一面392a側に臨む線材391が平坦面391fを成している。断面形状が三角形の線材391の場合、三角形の1辺が一面392aに沿うように配置され、この一辺に対向する三角形の頂点で支持部材393に接合されている。
支持部材393は、例えば、断面が矩形や三角形の線材からなり、濾過体392の他面392b側で線材391に接合されている。支持部材393は、線材391の配列方向に沿って延在し、複数の線材391と接合している。支持部材393と線材391とは、例えば、焼結によって接合されている。
フィルター390では、図19における上側となる一面(一次面)392a側から被処理水を流入させ、他面(二次面)392bから濾過後の処理水を流出させる。
フィルター390では、被処理水が流入する平坦な一面392aに、複数の微細構造物305が形成されている。微細構造物305は、濾過体392の一面392a(一次面)側に形成されていればよく、フィルター390の表面全面に形成されていてもよい。
図15、図18、図19に示すフィルター300、370、390では、線材を支持する支持部材によって、隣接する線材同士の間に隙間を形成する場合の例を示したが、凸部を有する線材用いて、隣接する線材同士の間を所定幅の隙間を保って離間させてもよい。
図20は、フィルターの他の例を示す外観斜視図である。
図20に示すフィルター90は、フィルター基材として、複数本の線材91を平面上に配列し、平板状に成形した濾過体92と、この線材91を支持する支持部材93とを備えている。
線材91は、断面が矩形のものであり、矩形の一辺に、所定の間隔で、凸部95が形成されている。凸部は、隣接する線材91同士の間を所定幅の隙間を保って離間させるものである。凸部95は、例えば、濾過体92を平面視したときに、線材91の配列方向に沿って千鳥配列になるように、隣接する線材91同士で位置をずらして形成されている。
図20に示すフィルター90の平板状の濾過体92には、線材91に形成した凸部95によって、一面92aと他面92bとの間を貫通するスリット状の隙間96が形成されている。
図20に示すフィルター90において、貫通孔の平均孔径とは、線材91間の隙間96の平均距離を意味する。
支持部材93は、例えば、断面が矩形や三角形の線材(図20では矩形)である。支持部材93は、例えば線材91の配列方向に沿って延びるように形成されている。支持部材93は、濾過体92の他面92b側で複数の線材91に接合されている。支持部材93と線材91とは、例えば、焼結によって接合されている。
図20に示すフィルター90の有するフィルター基材は、(図20における濾過体92と支持部材93)は、上記各実施形態における網目状の基材11と同じ材質で形成されている。
フィルター90では、被処理水が流入する一面(一次面)92a側、および隙間96の内表面に、複数の微細構造物305が形成されている。フィルター90の有する複数の微細構造物305としては、上記各実施形態における針状構造物または多面体構造物が形成されている。微細構造物305は、貫通孔の平均孔径よりも最大外形寸法が小さいものである。
微細構造物305は、フィルター90の表面全面に形成されていてもよい。
図20に示すフィルター90は、上記各実施形態におけるフィルター3のフィルター基材16に代えて、支持部材93と線材91とを焼結して結合したものを用いること以外は、上記各実施形態におけるフィルター10と同様にして製造できる。
図20に示すフィルター90は、板状のまま使用してもよいし、例えば、円筒状に形成して用いてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、被処理水中の金属イオンを金属化合物として析出させる析出槽と、金属化合物を分離回収するフィルターを備えたろ過器とを備え、フィルターに多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体を持つことにより、析出させた金属化合物をこれらの集合体によって捕捉させつつ、被処理水の濾過流量を高くすることができ、被処理水中の金属を効率よく回収でき、凝集剤等の添加装置が不要になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、101…金属回収装置、2…析出槽、3…フィルター、4…ろ過器、5…洗浄機構、6…回収タンク、8…フィルター加熱装置、13…めっき層、16…フィルター基材、108…水加熱装置。

Claims (17)

  1. 金属イオンを含む被処理水を塩基性にして前記金属イオンを金属化合物として析出させる析出槽と、
    前記被処理水中の前記金属化合物を分離回収するフィルターを備えたろ過器と、を備え、
    前記フィルターが、フィルター基材と、フィルター基材の表面を被覆するめっき層とを有し、前記めっき層の表面には多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられている、金属回収装置。
  2. 前記金属化合物が付着した前記フィルターに洗浄水を供給する洗浄機構と、
    前記金属化合物を含む前記洗浄水を貯留する回収タンクと、が更に備えられる請求項1に記載の金属回収装置。
  3. 前記回収タンク内の前記金属化合物を含む前記洗浄水を加熱する水加熱装置が更に備えられる請求項2に記載の金属回収装置。
  4. 前記金属化合物が付着した前記フィルターを加熱するフィルター加熱装置が更に備えられる請求項1または請求項2に記載の金属回収装置。
  5. 前記針状析出物は、基端から先端に向けて先細りの形状である請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の金属回収装置。
  6. 前記フィルター基材の単位面積当たりの前記針状析出物の数が1.2〜10.0個/μmであるか、または、
    前記フィルター基材の断面における単位長さ当たりの前記針状構造物の数が1.0〜4.0個/μmである請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の金属回収装置。
  7. 前記フィルター基材の断面における前記針状析出物の平均高さが0.2〜2.5μmである請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の金属回収装置。
  8. 前記多面体形状の析出物の最大外形寸法の平均値が0.5〜10μmであり、
    前記めっき層の被覆された前記貫通孔の直径の平均が1〜20μmであり、
    前記フィルター基材の面積に対する前記めっき層の被覆された前記貫通孔の面積が0.04〜5.00%である請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の金属回収装置。
  9. 前記多面体形状の析出物の集合体または前記複数の針状析出物の集合体を含む前記めっき層が、ニッケルまたはニッケル合金からなる請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の金属回収装置。
  10. 前記フィルター基材が、金属網である請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の金属回収装置。
  11. 前記フィルター基材が、複数の前記貫通孔が設けられた金属板である請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の金属回収装置。
  12. 前記フィルター基材が、複数の線材を隙間を設けて平行に配列させた濾過体と、前記複数の線材を固定して支持する支持部材と、から構成され、
    前記濾過体のうち前記被処理液が流入する一次面側に臨む前記線材に平坦面が設けられ、少なくとも前記平坦面に前記めっき層が形成されている請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の金属回収装置。
  13. 前記フィルター基材が、線材を隙間を設けて螺旋状に巻回させた濾過体と、前記線材を固定して支持する支持部材と、から構成され、
    前記濾過体のうち前記被処理液が流入する一次面側に臨む前記線材に平坦面が設けられ、少なくとも前記平坦面に前記めっき層が形成されている請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の金属回収装置。
  14. 金属イオンを含む被処理水を塩基性にして前記金属イオンを金属化合物として析出させる析出工程と、
    前記被処理水中の前記金属化合物をフィルターによって分離回収する回収工程と、を含み、
    前記フィルターとして、フィルター基材と、フィルター基材の表面を被覆するめっき層とを有し、前記めっき層の表面に多面体形状の析出物の集合体または複数の針状析出物の集合体が備えられてなるものを用いる、金属回収方法。
  15. 前記回収工程後に、前記金属化合物を加熱する加熱工程を更に備える請求項14に記載の金属回収方法。
  16. 前記加熱工程は、前記フィルターに前記金属化合物を付着させたまま、前記フィルターを加熱する工程である請求項15に記載の金属回収方法。
  17. 前記加熱工程は、前記フィルターに付着した前記金属化合物を洗浄水で洗浄し、洗浄後の前記金属化合物を含む前記洗浄水を加熱する工程である請求項15に記載の金属回収方法。
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