JP2016166414A - 溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法 - Google Patents

溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016166414A
JP2016166414A JP2016040455A JP2016040455A JP2016166414A JP 2016166414 A JP2016166414 A JP 2016166414A JP 2016040455 A JP2016040455 A JP 2016040455A JP 2016040455 A JP2016040455 A JP 2016040455A JP 2016166414 A JP2016166414 A JP 2016166414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
steel sheet
molten
plated steel
plating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016040455A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6368730B2 (ja
JP2016166414A5 (ja
Inventor
大居 利彦
Toshihiko Oi
利彦 大居
洋平 佐藤
Yohei Sato
洋平 佐藤
飛山 洋一
Yoichi Tobiyama
洋一 飛山
俊之 大熊
Toshiyuki Okuma
俊之 大熊
古田 彰彦
Akihiko Furuta
彰彦 古田
昌浩 吉田
Masahiro Yoshida
昌浩 吉田
善継 鈴木
Yoshitsugu Suzuki
善継 鈴木
安藤 聡
Satoshi Ando
聡 安藤
松崎 晃
Akira Matsuzaki
晃 松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
JFE Galvanizing and Coating Co Ltd
Original Assignee
JFE Steel Corp
JFE Galvanizing and Coating Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, JFE Galvanizing and Coating Co Ltd filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2016166414A publication Critical patent/JP2016166414A/ja
Publication of JP2016166414A5 publication Critical patent/JP2016166414A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6368730B2 publication Critical patent/JP6368730B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】平板部及び端部の耐食性に優れた溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板を提供する。
【解決手段】上記目的を達成するべく、本発明は、鋼板表面にめっき皮膜を有する溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板であって、前記めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該合金層の上に存在する主層とからなり、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含有し、前記主層の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、平板部及び端部の耐食性に優れた溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板及びその製造方法に関するものである。
溶融Al−Zn系めっき鋼板は、Znの犠牲防食性とAlの高い耐食性とが両立できているため、溶融亜鉛めっき鋼板の中でも高い耐食性を示す。例えば、特許文献1には、めっき皮膜中にAlを25〜75質量%含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板が開示されている。そして、溶融Al−Znめっき鋼板は、その優れた耐食性から、長期間屋外に曝される屋根や壁等の建材分野、ガードレール、配線配管、防音壁等の土木建築分野を中心に近年需要が伸びている。
溶融Al−Zn系めっき鋼板のめっき皮膜は、主層及び下地鋼板と主層との界面に存在する合金層からなり、主層は、主としてZnを過飽和に含有しAlがデンドライト凝固した部分(α−Al相のデンドライト部分)と、残りのデンドライト間隙の部分(インターデンドライト)とから構成され、α−Al相がめっき皮膜の膜厚方向に複数積層した構造を有する。このような特徴的な皮膜構造により、表面からの腐食進行経路が複雑になるため、腐食が容易に下地鋼板に到達しにくくなり、溶融Al−Zn系めっき鋼板はめっき皮膜厚が同一の溶融亜鉛めっき鋼板に比べ優れた耐食性を実現できる。
また、溶融Al−Zn系めっきのめっき皮膜中にMgを含有することで、耐食性のさらなる向上を目的とした技術が知られている。
Mgを含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板(溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板)に関する技術として、例えば特許文献2には、めっき皮膜にMgを含むAl−Zn−Si合金を含み、該Al−Zn−Si合金が、45〜60重量%の元素アルミニウム、37〜46重量%の元素亜鉛及び1.2〜2.3重量%の元素ケイ素を含有する合金であり、該Mgの濃度が1〜5重量%である、Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板が開示されている。
また、特許文献3には、質量%で、Mg:2〜10%、Ca:0.01〜10%、Si:3〜15%を含有し、残部Al及び不可避的不純物であり、且つMg/Siの質量比特定の範囲にしたAl系めっき系表面処理鋼材が開示されている。
特公昭46−7161号公報 特許5020228号公報 特許5000039号公報
しかしながら、引用文献2及び3に開示された溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板については、一定の耐食性は確保できるものの、溶融Al−Zn系めっき鋼板については、上述したように、その優れた耐食性から長期間屋外に曝される屋根や壁などの建材分野に使用されることが多い。そのため、近年の省資源・省エネルギーについての要求から、製品の長寿命化を図るべく、より耐食性に優れた溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の開発が望まれていた。
本発明は、かかる事情に鑑み、平板部及び端部の耐食性に優れた溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板、並びに、該溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の腐食時、めっき皮膜の主層(以下、「めっき主層」ということもある。)中のインターデンドライトに存在するMg2Siが初期に溶解し、腐食生成物の表面にMgを濃化させることによって耐食性の向上に寄与することに着目した。そして、本発明者らは、さらに鋭意研究を重ね、前記めっき皮膜の、前記主層表面におけるMg2Siの面積率を大きくすることによって、めっき皮膜の表面近傍にMg2Siを分散させることができ、腐食生成物の表面へのMgの濃化を促進できるため、特に平板部及び端部の耐食性を大幅に向上できることを見出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
1.鋼板表面にめっき皮膜を有する溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板であって、
前記めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該合金層の上に存在する主層とからなり、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含有し、前記主層の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上であることを特徴とする、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
2.前記界面合金層の厚さが、1μm以下であることを特徴とする、前記1に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
3.前記主層がα−Al相のデンドライト部分を有し、該デンドライト部分の平均デンドライト径と、前記めっき皮膜の厚さとが、以下の式(1)を満足することを特徴とする、前記1又は2に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
t/d≧1.5 ・・・(1)
t:めっき皮膜の厚さ(μm)、d:平均デンドライト径(μm)
4.25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含み、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき浴中に、下地鋼板を浸漬させて溶融めっきを施した後、めっき後の鋼板を、前記めっき浴の浴温〜浴温−150℃である第1冷却温度までは10℃/sec未満の平均冷却速度で冷却し、該第1冷却温度からは10℃/sec以上の平均冷却速度で冷却することを特徴とする、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法。
5.前記溶融めっき時のワイピングガスの酸素濃度が、10体積%以上であることを特徴とする、前記4に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法。
本発明により、従来に比べて平板部及び端部の耐食性に優れた溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板、並びに、該溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法を提供できる。
(a)は、本発明による溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板について腐食前後の状態を示した図であり、(b)は、従来のAl−Zn−Mg−Siめっき鋼板について腐食前後の状態を示した図である。 本発明による溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板について、めっき皮膜の表面における各元素の状態を走査電子顕微鏡のエネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)により示したものである。 Mg及びSiと温度との関係を示す状態図である。 デンドライト径の測定方法を説明するための図である。 めっき皮膜中のSiの含有量とMgの含有量との関係、及び、めっき皮膜の主層中に生成する相の状態を示した図である。 日本自動車規格の複合サイクル試験(JASO-CCT)の流れを説明するための図である。 塗装後耐食性の評価用サンプルを示した図である。 腐食促進試験(SAE J 2334)のサイクルを示した図である。
(溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板)
本発明の対象とする溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板は、鋼板表面にめっき皮膜を有し、該めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該合金層の上に存在する主層からなる。そして、前記めっき皮膜は、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成を有する。
前記めっき皮膜中のAl含有量は、耐食性と操業面のバランスから、25〜80質量%とし、好ましくは35〜65質量%である。めっき主層のAl含有量が25質量%以上であれば、Alのデンドライト凝固が起こる。これにより主層は主としてZnを過飽和に含有し、Alがデンドライト凝固した部分(α−Al相のデンドライト部分)と残りのデンドライト間隙の部分(インターデンドライト部分)からなり、且つ該デンドライト部分がめっき皮膜の膜厚方向に積層した耐食性に優れる構造を確保できる。またこのα−Al相のデンドライト部分が、多く積層するほど、腐食進行経路が複雑になり、腐食が容易に下地鋼板に到達しにくくなるので、耐食性が向上する。極めて高い耐食性を得るためには主層のAl含有量を35質量%以上とすることがより好ましい。一方、主層のAl含有量が80質量%を超えると、Feに対して犠牲防食作用をもつZnの含有量が少なくなり、耐食性が劣化する。このため、主層のAl含有量は80質量%以下とする。また、主層のAl含有量が65質量%以下であれば、めっきの付着量が少なくなり、鋼素地が露出しやすくなった場合にもFeに対して犠牲防食作用を有し、十分な耐食性が得られる。よって、めっき主層のAl含有量は65質量%以下とすることが好ましい。
また、Siは下地鋼板との界面に生成する界面合金層の成長を抑制する目的で、耐食性や加工性の向上を目的にめっき浴中に添加され、必然的にめっき主層に含有される。具体的には、Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の場合、めっき浴中にSiを含有させめっき処理を行うと、鋼板がめっき浴中に浸漬されると同時に鋼板表面のFeと浴中のAlやSiが合金化反応し、Fe−Al系及び/又はFe−Al−Si系の化合物を生成する。このFe−Al−Si系界面合金層の生成により、界面合金層の成長が抑制される。めっき皮膜のSi含有量が0.6質量%を超える場合に界面合金層の十分な成長抑制が可能となる。一方、めっき皮膜のSi含有量が、15質量%を超えた場合、めっき皮膜においてクラックの伝播経路となるため、加工性を低下させ、カソードサイトとなるSi相が析出し易くなる。このため、めっき皮膜中のSi含有量は15質量%以下とする。さらにまた、より高いレベルで、界面合金層の成長及びSi相の析出を抑制できる点からは、めっき皮膜中のSi含有量を2.3超え〜5質量%とすることが好ましく、2.3超え〜3.5質量%とすることが特に好ましい。
さらに、前記めっき皮膜は、Mgを0.1超え〜25質量%含有する。前記めっき皮膜の主層が腐食した際、腐食生成物中にMgが含まれることとなり、腐食生成物の安定性が向上し、腐食の進行が遅延する結果、耐食性が向上するという効果がある。より具体的には、前記めっき皮膜の主層のMgは、上述したSiと結合し、Mg2Siを生成する。このMg2Siは、めっき鋼板が腐食した際、初期に溶解するためMgが腐食生成物に含まれる。Mgは腐食生成物の表面に濃化して、腐食生成物を緻密化させる効果があり、腐食生成物の安定性及び外来腐食因子に対するバリア性を向上できる。
ここで、前記めっき皮膜のMg含有量を0.1質量%超えとしたのは、0.1質量%超えとすることで、Mg2Siを生成できるようになり、腐食遅延効果を得ることができるからである。一方、前記Mgの含有量を25質量%以下としたのは、Mgの含有量が25質量%を超える場合、耐食性の向上効果の飽和に加え、製造コストの上昇とめっき浴の組成管理が難しくなるためである。また、より高いレベルで、製造コストの低減を向上させつつ、より優れた腐食遅延効果を実現する点からは、めっき皮膜中のMg含有量を3〜6質量%とすることが好ましい。
また、めっき皮膜中にMgを5質量%以上含有することで、本発明で課題とする塗装後耐食性の改善が可能となる。Mgを含まない従来の溶融Al−Zn系めっき鋼板のめっき層が大気に触れると、α−Al相の周囲に緻密、且つ安定なAl2O3の酸化膜が直ぐに形成され、この酸化膜による保護作用によってα−Al相の溶解性はインターデンドライト中のZnリッチ相の溶解性に比べ非常に低くなる。この結果、従来のAl−Zn系めっき鋼板を下地に用いた塗装鋼板は、塗膜に損傷が生じた場合、傷部を起点に塗膜/めっき界面でZnリッチ相の選択腐食を起こし、塗装健全部の奥深くに向けて進行して大きな塗膜膨れを起こすことから、塗装後耐食性が劣る。一方、Mgを含有した溶融Al−Zn系めっき鋼板を下地に用いた塗装鋼板の場合、インターデンドライト中に析出するMg2Si相やMg-Zn化合物(MgZn2、Mg32(Al,Zn)49等)が腐食の初期段階で溶け出し、腐食生成物中にMgが取込まれる。Mgを含有した腐食生成物は非常に安定であり、これにより腐食が初期段階で抑制されるため、従来のAl−Zn系めっき鋼板を下地に用いた塗装鋼板の場合に問題となるZnリッチ相の選択腐食による大きな塗膜膨れを抑制できる。その結果、めっき層にMgを含有させた溶融Al−Zn系めっき鋼板は優れた塗装後耐食性を示す。Mgが5質量%以下の場合には、腐食時に溶け出すMgの量が少なく、上記に示した安定な腐食生成物が十分に生成されないことから、塗装後耐食性が向上しないおそれがある。逆に、Mgが10質量%超えの場合には、効果が飽和するだけでなく、Mg化合物の腐食が激しく起こり、めっき層全体の溶解性が過度に上昇する結果、腐食生成物を安定化させても、その溶解速度が大きくなるため、大きな膨れ幅を生じ、塗装後耐食性が劣化するおそれがある。よって、優れた塗装後耐食性を安定的に得るためには、Mgを5超え〜10質量%の範囲で含有させることが好ましい。
そして本発明は、前記めっき皮膜の主層表面におけるMg2Siの面積率が10%以上であることを特徴とする。
前記めっき皮膜の表面におけるMg2Siの面積率を10%以上とすることで、上述したように、前記めっき皮膜の表面のMg2Siが多量且つ微細、均一になる。その結果、腐食時に溶解して腐食生成物中に取り込まれるMgも多くなり、腐食生成物の表面にMgが多量且つ均一に濃化し、耐食性が格段に向上するため、平板部及び端部の耐食性の大幅な向上が可能となる。
これに対し、従来技術では、上述した特許文献3に述べられているように、Mg2Siをある一定量以上の大きさの塊状(具体的には長径が10μm以上、短径の長径に対する比率が0.4以上)としているため、めっき表面のMg2Si粒径が大きくなる一方で、Mg2Siの面積率は下がり、分布も不均一になる。その結果、腐食初期のMg2Siの溶解速度がZnに比べて著しく速く、Mg2Siが優先的に溶解して流出するため、腐食生成物にMgが有効に取り込まれず、腐食生成物表面のMg濃化部も少なく局所的になり、耐食性向上効果は得られない。
同様の観点から、前記めっき皮膜の主層表面におけるMg2Siの面積率は、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
なお、前記めっき主層表面におけるMg2Siの面積率とは、めっき皮膜の主層を表面からみたときの、視野面積に占めるMg2Siの面積の割合(%)のことである。
本発明では、コイル両端100mmを除く部分の任意の場所から、幅方向に3箇所サンプルを採取し、めっき皮膜表面をSEM-EDXでマッピングし、視野中でMgとSiが重なって検出される部分(Mg2Siが存在する部分)の面積率(%)を、画像処理によって算出する。
ここで、図2は、本発明のAl−Zn−Mg−Siめっき鋼板について、めっき皮膜の表面をSEM-EDXでマッピングしたものであるが、MgとSiが重なって検出される部分がMg2Siとなり、その部分の割合を算出することで、Mg2Siの面積率を得ることができる。
なお、図3は、Mg及びSiと温度との関係を示した状態図であるが、Mg及びSiには、金属間化合物がMg2Siしか存在せず、固溶領域も存在しないため、SEM-EDXでマッピングし、MgとSiが重なって検出される部分がMg2Siとなることがわかる。また、前記めっき皮膜の主層中のMg2Si の割合を増やすことによって、腐食生成物の表面へのMgの濃化を促進できるため、平板部及び端部の耐食性向上効果が得られるとともに、Siが全てMg2Siとなるため、カソードサイトとなる単相Siの析出を抑制できるという効果も奏することもできる。
また、前記めっき主層がα−Al相のデンドライト部分を有し、該デンドライト部分の平均デンドライト径と、前記めっき皮膜の厚さとが、以下の式(1)を満足することが好ましい。
t/d≧1.5 ・・・(1)
t:めっき皮膜の厚さ(μm)、d:平均デンドライト径(μm)
上記(1)式を満足することで、上述したα−Al相からなるデンドライト部分のアーム(平均デンドライト径)を相対的に小さくでき、前記インターデンドライト中にMg2Siを分散させ、めっき皮膜の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上の状態を得ることが可能となる。
ここで、図1は、本発明及び従来技術の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板について、腐食した際のめっき皮膜主層の状態変化を模式的に示したものである。
図1(a)に示すように、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板では、めっき皮膜の厚さtに対してデンドライトが小さいため、Mg2Siが微細且つ均一に分散しやすく、めっき皮膜の表面部にも多量に存在し、Mg2Siの面積率も大きいことがわかる。そして、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板が腐食した際、めっき表面にあったMg2Siは溶解し、Mgが腐食生成物の表面に濃化することで、所望の耐食性を実現できる。
一方、図1(b)に示すように、従来の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板では、めっき皮膜の厚さtに対してデンドライトが大きいため、Mg2Siが微細且つ均一に分散しにくく、Mg2Siの面積率も小さいことがわかる。そして、従来の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板が腐食した際、めっき表面にあったMg2Siは溶解し、Mgが腐食生成物の表面の一部に濃化しているものの、めっき表面のMg2Siの量が本願発明に比べて少ないため、前記腐食生成物の表面を覆うMg濃化部分が少ない。その結果、腐食が進行しやすく、耐食性が十分でないことが考えられる。
なお、前記デンドライト径とは、隣接するデンドライトアーム間の中心距離(デンドライトアームスペーシング)のことを意味する。本発明では、前記デンドライト径を、2次枝法([軽金属学会 鋳造・凝固部会、「軽金属」38巻、P54、1988年]を参照。)に従って測定する。本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板のめっき皮膜主層におけるデンドライト部分は、配向性が高く、アームが整列している部分が多いためである。
具体的には、図4に示すように、研磨及び/又はエッチングしためっき皮膜の主層表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて拡大観察し(例えば200倍で観察し)、無作為に選択した視野の中で、デンドライトアームが3本以上整列している部分を選択し(図4では、A−B間の3本を選択している。)、アームが整列している方向に沿って距離(図4では、距離L)を測定する。その後、測定した距離をデンドライトアームの本数で除して(図4では、L/3)、デンドライト径を算出する。当該デンドライト径は、1つの視野の中で、3箇所以上測定し、それぞれ得られたデンドライト径の平均を算出したものを平均デンドライト径とする。
なお、図5は、前記めっき皮膜中のSiの含有量とMgの含有量との関係、及び、めっき皮膜の主層中に生成する相の状態を示したものである。図5から、本発明の組成の範囲内とすることで、確実に主層中にMg2Siを生成するできることがわかる。
また、前記主層中に形成され、腐食の起点となる単相Siをなくし、より優れた耐食性を実現する観点からは、前記めっき皮膜中のMg及びSiの含有量が、以下の式(2)を満足することが好ましい。
Mg/(MSi−0.6)>1.7 ・・・(2)
Mg:Mgの含有量(質量%)、MSi:Siの含有量(質量%)
図5からも、上記式(2)を満足することで、単相Siをなくせることがわかる。
また、前記インターデンドライト中に微細且つ均一に分散するMg2Siの粒子については、長径に対する短径の比が0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。
従来技術では、例えば上述した特許文献3に述べられているように、Mg2Siの粒子については、短径の長径に対する比率で0.4以上としている。この場合、めっき表面のMg2Siの粒径が大きくなる一方でMg2Siの面積率は下がり、分布も不均一になる。その結果、腐食初期のMg2Siの溶解速度がZnに比べて著しく速く、Mg2Siが優先的に溶解して流出することから、腐食生成物にMgが有効に取り込まれず、腐食生成物表面のMg濃化部も少なく局所的になり、耐食性向上効果は得られない。
一方本発明技術では、長径と短径との差(アスペクト比)を大きくすることで、前記めっき皮膜の表面に存在するMg2Siの粒子が増加し、腐食時に溶解して腐食生成物中に含まれるMgも多くなり、腐食生成物の表面にMgが多量且つ均一に分散する。その結果、腐食生成物にMgが多量に取り込まれ、耐食性が飛躍的に向上する。
ここで、前記Mg2Siの長径とは、Mg2Siの粒子の中で最も長い径のことであり、前記Mg2Siの短径とは、Mg2Siの粒子の中で最も短い径のことである。
また、より優れた耐食性を得る点からは、前記めっき皮膜にCaをさらに含有することが好ましい。さらに、前記めっき皮膜がCaをさらに含有する場合には、合計含有量が0.2〜25質量%であることが好ましい。上記合計含有量とすることで、十分な腐食遅延効果を得ることができ、効果が飽和することもないためである。
さらに、前記MgやCaと同様に、腐食生成物の安定性を向上させ、腐食の進行を遅延させる効果を奏することから、前記主層は、さらにMn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBのうちから選択される一種又は二種以上を、合計で0.01〜10質量%含有することが好ましい。
なお、前記界面合金層は、下地鋼板との界面に存在するものであり、前述の通り、鋼板表面のFeと浴中のAlやSiが合金化反応して必然的に生成するFe−Al系及び/又はFe−Al−Si系の化合物である。この界面合金層は、硬くて脆いため、厚く成長すると加工時のクラック発生の起点となることから可能な限り薄いことが好ましい。
ここで、界面合金層及び主層は、研磨及び/又はエッチングしためっき皮膜の断面を、走査型電子顕微鏡等を用いることによって観察できる。断面の研磨方法やエッチング方法はいくつか種類があるが、一般的にめっき皮膜断面を観察する際に用いられる方法であれば特に限定はされない。また、走査型電子顕微鏡での観察条件は、例えば加速電圧15kVで、反射電子像にて1000倍以上の倍率であれば、合金層及び主層を明確に観察することが可能である。
また、主層中に、Mgや、Ca、Mn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBのうちから選択される一種又は二種以上が存在するか否かについては、例えばグロー放電発光分析装置でめっき皮膜を貫通分析することにより確認することができる。ただし、グロー放電発光分析装置を用いるのはあくまでも一例であり、めっき主層中のMgや、Ca、Mn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBの有無・分布を調べることができる方法であれば、他の方法を用いることも可能である。
また、上述したCa、Mn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBのうちから選択される一種又は二種以上は、前記めっき主層中において、Zn、Al及びSiから選択される一種又は二種以上と金属間化合物を生成していることが好ましい。めっき皮膜を設ける過程において、α−Al相がZnリッチ相より先に凝固するため、めっき主層において金属間化合物は凝固過程でα−Al相から排出されてZnリッチ相に集まる。Znリッチ相はα−Al相より先に腐食するため、腐食生成物中にCa、Mn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBのうちから選択される一種又は二種以上が取り込まれることになる。この結果、より効果的に腐食の初期段階における腐食生成物の安定化を図れる。また、前記金属間化合物がSiを含む場合には、金属間化合物がめっき皮膜中のSiを吸収して、めっき主層中の余剰Siが減少する結果、非固溶Si(Si相)がめっき主層に生成成することによる曲げ加工性の低下を防止できるため、さらに好ましい。
なお、前記Mgや、Ca、Mn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBのうちから選択される一種又は二種以上が、Zn、Al及びSiから選択される一種又は二種以上と金属間化合物を生成しているか否かを確認する方法としては、次の方法がある。めっき鋼板の表面から広角X線回折によってこれらの金属間化合物を検出する方法、若しくは、めっき皮膜の断面を透過電子顕微鏡中で電子線回折によって検出するなどの方法等が用いられる。また、これら以外の方法でも、前記金属間化合物を検出できる方法であれば、いずれの方法を用いても構わない。
なお、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板のめっき皮膜の膜厚は、15μm以上27μm以下であることが好ましい。一般的に、前記めっき皮膜が薄いほど、耐食性が悪化する傾向にあり、厚いほど、加工性が劣化する傾向があるためである。
また、前記界面合金層の厚さは、1μm以下であることが好ましい。界面合金層の厚さを1μm以下とすることで、高い加工性が実現でき、より優れた加工部耐食性が得られるからである。例えば、前述したように、めっき皮膜中のSi含有量を0.6質量%超えとすることで、界面合金層の成長を抑制できるので、界面合金層の厚みを1μm以下とすることが可能になる。
ここで、前記めっき皮膜及び前記界面合金層の厚さを得る方法は、正確に把握できる方法であれば特に限定はされない。例えば、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の断面をSEMにより観察し、1視野ごとに3か所の厚さを測定し、3視野で測定した9か所の厚さの平均を算出することで把握することができる。
さらに、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板は、その表面に、化成処理皮膜及び/又は塗膜をさらに備える表面処理鋼板とすることもできる。
なお、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板に用いられる素地鋼板については特に限定されず、通常の溶融Al−Zn系めっき鋼板に用いられる鋼板と同様の鋼板のみならず高張力鋼板等についても用いることができる。
(溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法)
次に、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法について説明する。
本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法は、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含み、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき浴中に、下地鋼板を浸漬させて溶融めっきを施した後、めっき後の鋼板を、前記めっき浴の浴温〜浴温−150℃である第1冷却温度までは10℃/sec未満の平均冷却速度で冷却し、該第1冷却温度からは10℃/sec以上の平均冷却速度で冷却することを特徴とする。
かかる製造方法によって、優れた平板部及び端部の耐食性を有するとともに、加工部耐食性も良好な溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板を製造できる。
本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法では、特に限定はされないが、連続式溶融めっき設備において製造を行う方法が通常採用される。
本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板に用いられる下地鋼板の種類については、特に限定はされない。例えば、酸洗脱スケールした熱延鋼板若しくは鋼帯、又は、それらを冷間圧延して得られた冷延鋼板若しくは鋼帯を用いることができる。
また、前記前処理工程及び焼鈍工程の条件についても特に限定はされず、任意の方法を採用することができる。
前記溶融めっきの条件については、前記下地鋼板にAl−Zn系めっき皮膜を形成できれば特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、前記下地鋼板を還元焼鈍した後、めっき浴温近傍まで冷却し、めっき浴に浸漬させ、その後、ワイピングを行うことによって所望の膜厚のめっき皮膜を得ることができる。
前記溶融めっきのめっき浴は、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含み、残部がZn及び不可避的不純物からなる。
また、前記めっき浴は、さらなる耐食性の向上を目的として、Caをさらに含むこともできる。
さらに、前記めっき浴には、Mn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBのうちから選択される一種又は二種以上を、合計で0.01〜10質量%含有することもできる。このような組成のめっき浴とすることにより、前記めっき皮膜を得ることが可能となる。
なお、前記めっき浴の温度については、めっき浴が凝固せずに溶融Al−Zn−Mg−Siめっきを施すことができるものであれば特に限定はされず、公知のめっき浴温度を採用することができる。例えば、Al濃度が55質量%であるめっき浴の温度は、575〜620℃が好ましく、580〜605℃がより好ましい。
また、上述したように、Al−Zn系めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該界面合金層の上に存在する主層からなる。該主層の組成は界面合金層側でAlとSiがやや低くなるものの、全体としてはめっき浴の組成とほぼ同等となる。よって、めっき主層の組成の制御は、めっき浴組成を制御することにより精度良く行うことができる。
そして、本発明の製造方法は、前記溶融めっき後の鋼板について、前記第1冷却温度までは10℃/sec未満の平均冷却速度で冷却し、該第1冷却温度からは10℃/sec以上の平均冷却速度で冷却する。本発明者らの研究の結果、Mg2Siについては、めっき浴の浴温〜浴温−150℃程度(第1冷却温度)の温度域までに生成しやすいことがわかっており、該第1冷却温度までの冷却速度を平均10℃/sec未満とすることよって、めっき主層中でMg2Siが生成する時間が長くなって生成量が最大化し、Mg2Siがめっき主層全体に偏在することなく微細且つ均一に分散するのに伴って、前記主層の表面におけるMg2Siも増加するため、優れた平面部及び端部の耐食性を得ることが可能となる。一方、第1冷却温度以下の温度域では、前記合金層が成長しやすく、該合金層にSiを消費するとMg2Siが得られないことがわかっており、第1冷却温度からは平均10℃/sec以上の冷却速度とすることで、合金層の成長を抑制することが可能となる。
また、より確実に合金層の成長を防ぐ点からは、第1冷却温度からの平均冷却速度を、20℃/sec以上とすることが好ましく、40℃/sec以上とすることがより好ましい。
また、本発明の製造方法では、前記溶融めっき時のワイピングガスの酸素濃度を、10体積%以上とすることが好ましい。これにより、易酸化性元素であるMgやSiが、めっき主層の凝固前に、選択酸化によりめっき主層の表面に集まりやすくなるため、めっき主層の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上に増加する結果、さらに優れた平板部及び端部の耐食性を実現できる。
なお、本発明の製造方法において前記溶融めっき時及び溶融めっき後の冷却条件以外については、特に限定はされず、常法に従って溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板を製造することができる。
例えば、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板表面に、化成処理皮膜を設けること(化成処理工程)や、別途塗装設備において塗膜を設けること(塗膜形成工程)もできる。
前記化成処理皮膜については、例えば、クロメート処理液又はクロムフリー化成処理液を塗布し、水洗することなく、鋼板温度として80〜300℃となる乾燥処理を行うクロメート処理又はクロムフリー化成処理により形成することが可能である。これら化成処理皮膜は単層でも複層でもよく、複層の場合には複数の化成処理を順次行えばよい。
また、前記塗膜の形成方法としては、ロールコーター塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装等が挙げられる。有機樹脂を含有する塗料を塗装した後、熱風乾燥、赤外線加熱、誘導加熱等の手段により加熱乾燥して塗膜を形成することが可能である。
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
常法で製造した板厚0.5mmの冷延鋼板を下地鋼板として用い、連続式溶融めっき設備において、サンプル1〜57の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造を行った。
製造条件(めっき浴温、ワイピングガスの酸素濃度、第1冷却温度、冷却速度)、さらに、めっき皮膜の条件(組成、Mg2Siの長径、Mg2Siの短径/長径、主層表面におけるMg2Siの面積率、めっき皮膜の厚さ、デンドライト径、上述した式(1)の左辺、界面合金層の膜厚)については、表1に示す。
なお、サンプルとなる全ての溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造では、めっき浴の浴温は590℃とした。
また、サンプル10については、めっき後に200℃で30分保持する処理を実施した。さらに、サンプル11〜13、20及び21については、めっき皮膜の組成が特許文献2に開示された発明と同様の範囲であり、サンプル28、29及び44については、めっき皮膜の組成が特許文献3に開示された発明と同様の範囲であった。
○Mg2Siの面積率
溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、幅方向に3箇所サンプルを採取し、めっき皮膜表面をSEM-EDXでマッピングし、視野中でMgとSiが重なって検出される部分(Mg2Siが存在する部分)の面積率(%)を、画像処理によって算出することで得た。得られたMg2Siの面積率(%)について、表1に示す。
○Mg2Siの短径及び長径
溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、光学顕微鏡(100倍)でめっき表面を撮影し、無作為に5個のMg2Siを選択してそれぞれの長径及び短径を測定し、測定した全ての長径及び短径の平均を算出することで、Mg2Siの長径及び短径を導出した。得られたMg2Siの長径(μm)、及び、長径に対する短径の比を、表1に示す。
○デンドライト径
溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、研磨しためっき皮膜の主層表面を、SEMを用いて200倍で観察し、無作為に選択した視野の中で、デンドライトアームが3本以上整列している部分を選択し、アームが整列している方向に沿って距離を測定した後、測定した距離をデンドライトアームの本数で除すことによって、デンドライト径を算出する。デンドライト径は、1つの視野の中で、3箇所測定し、それぞれ得られたデンドライト径の平均を算出したものを平均デンドライト径とした。得られたデンドライト径を表1に示す。
(めっき耐食性の評価)
(1)平板部及び端部耐食性評価
溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、日本自動車規格の複合サイクル試験(JASO-CCT)を行った。JASO-CCTについては、図6に示すように、特定の条件で、塩水噴霧、乾燥及び湿潤を1サイクルとした試験である。
各サンプルの平板部及び端部について、赤錆が発生するまでのサイクル数を測定し、以下の基準に従って評価した。
◎:赤錆発生サイクル数≧550サイクル
○:350サイクル≦赤錆発生サイクル数<550サイクル
△:250サイクル≦赤錆発生サイクル数<350サイクル
×:赤錆発生サイクル数<250サイクル
表1から、本発明例の各サンプルは、比較例の各サンプルに比べて、平板部及び端部のいずれの耐食性についても優れることがわかる。
(実施例2)
実施例1において製造した溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板のうち、複数のサンプル(サンプル番号については表2を参照。)について、ウレタン樹脂系ベースの化成皮膜(日本パーカライジング(株)製 CT-E-364)を施した。なお、化成皮膜の付着量は1g/m2である。
製造条件(めっき浴温、ワイピングガスの酸素濃度、第1冷却温度、冷却速度)、さらに、めっき皮膜の条件(組成、Mg2Siの長径、Mg2Siの短径/長径、主層表面におけるMg2Siの面積率、めっき皮膜の厚さ、デンドライト径、上述した式(1)の左辺、界面合金層の膜厚)については、表2に示す。
(化成耐食性の評価)
(1)平板部及び端部耐食性評価
化成皮膜を形成した溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、日本自動車規格の複合サイクル試験(JASO-CCT)を行った。JASO-CCTについては、図6に示すように、特定の条件で、塩水噴霧、乾燥及び湿潤を1サイクルとした試験である。
各サンプルの平板部及び端部について、赤錆が発生するまでのサイクル数を測定し、以下の基準に従って評価した。
◎:赤錆発生サイクル数≧650サイクル
○:450サイクル≦赤錆発生サイクル数<650サイクル
△:350サイクル≦赤錆発生サイクル数<450サイクル
×:赤錆発生サイクル数<350サイクル
表2から、本発明例の各サンプルは、比較例の各サンプルに比べて、平板部及び端部のいずれの耐食性についても優れることがわかる。
(実施例3)
実施例1において製造した溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板のうち、複数のサンプル(サンプル番号については表3を参照。)について、それぞれ90mm×70mmのサイズに剪断後、自動車外板用塗装処理と同様に、化成処理としてリン酸亜鉛処理を行った後、電着塗装、中塗り、及び上塗り塗装を施した。
リン酸亜鉛処理:日本パーカライジング社製の脱脂剤であるFC−E2001、日本パーカライジング社製の表面調整剤であるPL−X、及び、日本パーカライジング社製のリン酸亜鉛処理剤であるPB−AX35M(温度:35℃)を用いて、リン酸亜鉛処理液のフリーフッ素濃度を200ppm、リン酸亜鉛処理液の浸漬時間を120秒の条件で行った。
電着塗装:関西ペイント社製の電着塗料であるGT−100を用いて、膜厚が15μmとなるように電着塗装を施した。
中塗り塗装:関西ペイント社製の中塗り塗料であるTP−65−Pを用いて、膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装を施した。
上塗り塗装:関西ペイント社製の中塗り塗料であるNeo6000を用いて、膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装を施した。
製造条件(めっき浴温、ワイピングガスの酸素濃度、第1冷却温度、冷却速度)、さらに、めっき皮膜の条件(組成、Mg2Siの長径、Mg2Siの短径/長径、主層表面におけるMg2Siの面積率、めっき皮膜の厚さ、デンドライト径、上述した式(1)の左辺、界面合金層の膜厚)については、表3に示す。
(塗装耐食性の評価)
塗装処理を施した溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、図7に示すとおり、評価面の端部5mm、及び非評価面(背面)を、テープでシール処理を行った後、評価面の中央にカッターナイフでめっき鋼板の地鉄に到達する深さまで、長さ60mm、中心角90°のクロスカット傷を加えたものを塗装後耐食性の評価用サンプルとした。
上記評価用サンプルを用いて図8に示すサイクルで腐食促進試験(SAE J 2334)を実施した。腐食促進試験を湿潤からスタートし、30サイクル後まで行った後、傷部からの塗膜膨れが最大である部分の塗膜膨れ幅(最大塗膜膨れ幅)を測定し、塗装後耐食性を下記の基準で評価した。評価結果を表4に示す。
◎:最大塗膜膨れ幅≦2.5mm
○:2.5mm<最大塗膜膨れ幅≦3.0mm
×:3.0mm<最大塗膜膨れ幅
表3より、Mgの含有量が5質量%超えのサンプルでは、5質量%以下のサンプルとは異なって、最大塗膜膨れ幅が2.5mm以下抑えられており、塗装後耐食性に優れた溶融Al−Zn系めっき鋼板が得られたことがわかる。
そのため、本発明例のサンプルの中において、めっき層中のMg含有量をそれぞれ適切な範囲に制御することで、優れた塗装後耐食性を有する溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板が得られることがわかる。
本発明によれば、平板部及び端部の耐食性に優れた溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板、並びに、該溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. 鋼板表面にめっき皮膜を有する溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板であって、
    前記めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該合金層の上に存在する主層とからなり、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含有し、
    前記主層の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上であることを特徴とする、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
  2. 前記界面合金層の厚さが、1μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
  3. 前記主層がα−Al相のデンドライト部分を有し、該デンドライト部分の平均デンドライト径と、前記めっき皮膜の厚さとが、以下の式(1)を満足することを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
    t/d≧1.5 ・・・(1)
    t:めっき皮膜の厚さ(μm)、d:平均デンドライト径(μm)
  4. 25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含み、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき浴中に、下地鋼板を浸漬させて溶融めっきを施した後、めっき後の鋼板を、前記めっき浴の浴温〜浴温−150℃である第1冷却温度までは10℃/sec未満の平均冷却速度で冷却し、該第1冷却温度からは10℃/sec以上の平均冷却速度で冷却することを特徴とする、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法。
  5. 前記溶融めっき時のワイピングガスの酸素濃度が、10体積%以上であることを特徴とする、請求項4に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法。
JP2016040455A 2015-03-02 2016-03-02 溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法 Active JP6368730B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015040645 2015-03-02
JP2015040645 2015-03-02

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016166414A true JP2016166414A (ja) 2016-09-15
JP2016166414A5 JP2016166414A5 (ja) 2018-03-08
JP6368730B2 JP6368730B2 (ja) 2018-08-01

Family

ID=56897343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016040455A Active JP6368730B2 (ja) 2015-03-02 2016-03-02 溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6368730B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190099064A (ko) * 2017-01-27 2019-08-23 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 도금 강재
JP2020504238A (ja) * 2016-12-23 2020-02-06 ポスコPosco 加工部耐食性に優れたアルミニウム系合金めっき鋼板
US10913994B2 (en) 2017-09-08 2021-02-09 Nippon Steel Corporation Zn—Al—Mg-based plated steel sheet
CN112771197A (zh) * 2018-09-27 2021-05-07 Posco公司 抗焊接液化脆性和镀覆粘附性优异的高耐蚀镀覆钢板
CN113508186A (zh) * 2019-03-01 2021-10-15 Jfe钢板株式会社 熔融Al-Zn-Mg-Si-Sr镀覆钢板及其制造方法
JP2022073969A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板
JP2022073970A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板
JP2022073972A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
JP2022073976A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
JP2022073973A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
JP2022073977A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
JP2022073971A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg-Sr系めっき鋼板
JP2022073974A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
JP2022073975A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
TWI787118B (zh) * 2022-03-24 2022-12-11 日商杰富意鋼板股份有限公司 熔融Al-Zn系鍍覆鋼板及其製造方法
TWI787119B (zh) * 2022-03-24 2022-12-11 日商杰富意鋼板股份有限公司 熔融Al-Zn系鍍覆鋼板及其製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020179147A1 (ja) 2019-03-01 2020-09-10 Jfe鋼板株式会社 溶融Al−Zn−Mg−Si−Srめっき鋼板及びその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5956570A (ja) * 1982-06-23 1984-04-02 ベスレヘム・スチ−ル・コ−ポレ−シヨン Al−Zn−Mg−Si合金の合金被覆を有する鉄製品並びにその製造方法
WO2000056945A1 (fr) * 1999-03-19 2000-09-28 Nippon Steel Corporation Produit en acier traite en surface, prepare par placage a base d'etain ou d'aluminium
JP2001115247A (ja) * 1999-08-09 2001-04-24 Nippon Steel Corp 耐食性に優れたZn−Al−Mg−Si合金めっき鋼材およびその製造方法
JP2008007842A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Nippon Steel Corp 外観が良好な耐食性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP2008534786A (ja) * 2005-04-05 2008-08-28 ブルースコープ・スティール・リミテッド 金属被覆スチールストリップ
CN101457320A (zh) * 2009-01-04 2009-06-17 上海大学 钢材热浸镀用Al-Zn-Mg-Si合金

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5956570A (ja) * 1982-06-23 1984-04-02 ベスレヘム・スチ−ル・コ−ポレ−シヨン Al−Zn−Mg−Si合金の合金被覆を有する鉄製品並びにその製造方法
WO2000056945A1 (fr) * 1999-03-19 2000-09-28 Nippon Steel Corporation Produit en acier traite en surface, prepare par placage a base d'etain ou d'aluminium
JP2001115247A (ja) * 1999-08-09 2001-04-24 Nippon Steel Corp 耐食性に優れたZn−Al−Mg−Si合金めっき鋼材およびその製造方法
JP2008534786A (ja) * 2005-04-05 2008-08-28 ブルースコープ・スティール・リミテッド 金属被覆スチールストリップ
JP2008007842A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Nippon Steel Corp 外観が良好な耐食性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
CN101457320A (zh) * 2009-01-04 2009-06-17 上海大学 钢材热浸镀用Al-Zn-Mg-Si合金

Cited By (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020504238A (ja) * 2016-12-23 2020-02-06 ポスコPosco 加工部耐食性に優れたアルミニウム系合金めっき鋼板
EP3561139A4 (en) * 2016-12-23 2020-02-19 Posco PLATED ALUMINUM-BASED ALLOY ALLOY WITH EXCELLENT PROCESSING PART CORROSION RESISTANCE
US10837094B2 (en) 2016-12-23 2020-11-17 Posco Aluminum-based alloy plated steel sheet having excellent processing part corrosion resistance
JP7167025B2 (ja) 2016-12-23 2022-11-08 ポスコ 加工部耐食性に優れたアルミニウム系合金めっき鋼板
KR20190099064A (ko) * 2017-01-27 2019-08-23 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 도금 강재
KR102289682B1 (ko) 2017-01-27 2021-08-13 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 도금 강재
US10913994B2 (en) 2017-09-08 2021-02-09 Nippon Steel Corporation Zn—Al—Mg-based plated steel sheet
CN112771197A (zh) * 2018-09-27 2021-05-07 Posco公司 抗焊接液化脆性和镀覆粘附性优异的高耐蚀镀覆钢板
CN112771197B (zh) * 2018-09-27 2024-04-02 浦项股份有限公司 抗焊接液化脆性和镀覆粘附性优异的高耐蚀镀覆钢板
US11530470B2 (en) 2018-09-27 2022-12-20 Posco Co., Ltd Highly corrosion-resistant plated steel sheet having excellent plating adhesion and resistance to liquid metal embrittlement
CN113508186A (zh) * 2019-03-01 2021-10-15 Jfe钢板株式会社 熔融Al-Zn-Mg-Si-Sr镀覆钢板及其制造方法
CN113508186B (zh) * 2019-03-01 2023-10-24 Jfe钢板株式会社 熔融Al-Zn-Mg-Si-Sr镀覆钢板及其制造方法
JP2022073975A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
JP7097491B2 (ja) 2020-10-30 2022-07-07 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
JP2022073971A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg-Sr系めっき鋼板
JP2022073974A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
JP2022073973A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
JP7091533B2 (ja) 2020-10-30 2022-06-27 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板
JP7091534B2 (ja) 2020-10-30 2022-06-27 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
JP7091535B2 (ja) 2020-10-30 2022-06-27 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
JP7097493B2 (ja) 2020-10-30 2022-07-07 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
JP2022073977A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
JP7097490B2 (ja) 2020-10-30 2022-07-07 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
JP7097488B2 (ja) 2020-10-30 2022-07-07 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板
JP7097489B2 (ja) 2020-10-30 2022-07-07 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg-Sr系めっき鋼板
JP7097492B2 (ja) 2020-10-30 2022-07-07 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
JP2022073976A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 塗装鋼板
JP2022073969A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板
JP2022073970A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板
JP2022073972A (ja) * 2020-10-30 2022-05-17 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板
TWI787119B (zh) * 2022-03-24 2022-12-11 日商杰富意鋼板股份有限公司 熔融Al-Zn系鍍覆鋼板及其製造方法
TWI787118B (zh) * 2022-03-24 2022-12-11 日商杰富意鋼板股份有限公司 熔融Al-Zn系鍍覆鋼板及其製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6368730B2 (ja) 2018-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6368730B2 (ja) 溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法
JP6433960B2 (ja) 溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法
JP6715400B1 (ja) 溶融Al−Zn−Mg−Si−Srめっき鋼板及びその製造方法
JP6715399B1 (ja) 溶融Al−Zn−Mg−Si−Srめっき鋼板及びその製造方法
JP6645273B2 (ja) 溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法
TWI737066B (zh) 熔融Al-Zn-Mg-Si-Sr鍍覆鋼板及其製造方法
TWI724674B (zh) 熔融Al-Zn-Mg-Si-Sr鍍覆鋼板及其製造方法
WO2018181391A1 (ja) 溶融Al系めっき鋼板及び溶融Al系めっき鋼板の製造方法
JP2018172783A (ja) 溶融Al系めっき鋼板とその製造方法
JP2020143370A (ja) 溶融Al−Zn−Mg−Si系めっき鋼板及びその製造方法、並びに、塗装鋼板及びその製造方法
WO2020213680A1 (ja) めっき鋼材
JP6315153B1 (ja) 溶融Al−Zn系めっき鋼板
JP7475162B2 (ja) 塗装鋼板及び塗装鋼板の製造方法
JP7120166B2 (ja) 溶融Al-Zn系めっき鋼板の製造方法
JP2020164986A (ja) 溶融Al−Zn−Mg−Si系めっき鋼板及びその製造方法、並びに、塗装鋼板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180125

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180125

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6368730

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250