JP2016166414A - 溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記目的を達成するべく、本発明は、鋼板表面にめっき皮膜を有する溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板であって、前記めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該合金層の上に存在する主層とからなり、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含有し、前記主層の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
Mgを含有する溶融Al−Zn系めっき鋼板(溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板)に関する技術として、例えば特許文献2には、めっき皮膜にMgを含むAl−Zn−Si合金を含み、該Al−Zn−Si合金が、45〜60重量%の元素アルミニウム、37〜46重量%の元素亜鉛及び1.2〜2.3重量%の元素ケイ素を含有する合金であり、該Mgの濃度が1〜5重量%である、Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板が開示されている。
また、特許文献3には、質量%で、Mg:2〜10%、Ca:0.01〜10%、Si:3〜15%を含有し、残部Al及び不可避的不純物であり、且つMg/Siの質量比特定の範囲にしたAl系めっき系表面処理鋼材が開示されている。
1.鋼板表面にめっき皮膜を有する溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板であって、
前記めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該合金層の上に存在する主層とからなり、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含有し、前記主層の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上であることを特徴とする、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
t/d≧1.5 ・・・(1)
t:めっき皮膜の厚さ(μm)、d:平均デンドライト径(μm)
本発明の対象とする溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板は、鋼板表面にめっき皮膜を有し、該めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該合金層の上に存在する主層からなる。そして、前記めっき皮膜は、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなる組成を有する。
ここで、前記めっき皮膜のMg含有量を0.1質量%超えとしたのは、0.1質量%超えとすることで、Mg2Siを生成できるようになり、腐食遅延効果を得ることができるからである。一方、前記Mgの含有量を25質量%以下としたのは、Mgの含有量が25質量%を超える場合、耐食性の向上効果の飽和に加え、製造コストの上昇とめっき浴の組成管理が難しくなるためである。また、より高いレベルで、製造コストの低減を向上させつつ、より優れた腐食遅延効果を実現する点からは、めっき皮膜中のMg含有量を3〜6質量%とすることが好ましい。
前記めっき皮膜の表面におけるMg2Siの面積率を10%以上とすることで、上述したように、前記めっき皮膜の表面のMg2Siが多量且つ微細、均一になる。その結果、腐食時に溶解して腐食生成物中に取り込まれるMgも多くなり、腐食生成物の表面にMgが多量且つ均一に濃化し、耐食性が格段に向上するため、平板部及び端部の耐食性の大幅な向上が可能となる。
これに対し、従来技術では、上述した特許文献3に述べられているように、Mg2Siをある一定量以上の大きさの塊状(具体的には長径が10μm以上、短径の長径に対する比率が0.4以上)としているため、めっき表面のMg2Si粒径が大きくなる一方で、Mg2Siの面積率は下がり、分布も不均一になる。その結果、腐食初期のMg2Siの溶解速度がZnに比べて著しく速く、Mg2Siが優先的に溶解して流出するため、腐食生成物にMgが有効に取り込まれず、腐食生成物表面のMg濃化部も少なく局所的になり、耐食性向上効果は得られない。
同様の観点から、前記めっき皮膜の主層表面におけるMg2Siの面積率は、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
本発明では、コイル両端100mmを除く部分の任意の場所から、幅方向に3箇所サンプルを採取し、めっき皮膜表面をSEM-EDXでマッピングし、視野中でMgとSiが重なって検出される部分(Mg2Siが存在する部分)の面積率(%)を、画像処理によって算出する。
ここで、図2は、本発明のAl−Zn−Mg−Siめっき鋼板について、めっき皮膜の表面をSEM-EDXでマッピングしたものであるが、MgとSiが重なって検出される部分がMg2Siとなり、その部分の割合を算出することで、Mg2Siの面積率を得ることができる。
t/d≧1.5 ・・・(1)
t:めっき皮膜の厚さ(μm)、d:平均デンドライト径(μm)
上記(1)式を満足することで、上述したα−Al相からなるデンドライト部分のアーム(平均デンドライト径)を相対的に小さくでき、前記インターデンドライト中にMg2Siを分散させ、めっき皮膜の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上の状態を得ることが可能となる。
図1(a)に示すように、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板では、めっき皮膜の厚さtに対してデンドライトが小さいため、Mg2Siが微細且つ均一に分散しやすく、めっき皮膜の表面部にも多量に存在し、Mg2Siの面積率も大きいことがわかる。そして、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板が腐食した際、めっき表面にあったMg2Siは溶解し、Mgが腐食生成物の表面に濃化することで、所望の耐食性を実現できる。
一方、図1(b)に示すように、従来の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板では、めっき皮膜の厚さtに対してデンドライトが大きいため、Mg2Siが微細且つ均一に分散しにくく、Mg2Siの面積率も小さいことがわかる。そして、従来の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板が腐食した際、めっき表面にあったMg2Siは溶解し、Mgが腐食生成物の表面の一部に濃化しているものの、めっき表面のMg2Siの量が本願発明に比べて少ないため、前記腐食生成物の表面を覆うMg濃化部分が少ない。その結果、腐食が進行しやすく、耐食性が十分でないことが考えられる。
具体的には、図4に示すように、研磨及び/又はエッチングしためっき皮膜の主層表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて拡大観察し(例えば200倍で観察し)、無作為に選択した視野の中で、デンドライトアームが3本以上整列している部分を選択し(図4では、A−B間の3本を選択している。)、アームが整列している方向に沿って距離(図4では、距離L)を測定する。その後、測定した距離をデンドライトアームの本数で除して(図4では、L/3)、デンドライト径を算出する。当該デンドライト径は、1つの視野の中で、3箇所以上測定し、それぞれ得られたデンドライト径の平均を算出したものを平均デンドライト径とする。
MMg/(MSi−0.6)>1.7 ・・・(2)
MMg:Mgの含有量(質量%)、MSi:Siの含有量(質量%)
図5からも、上記式(2)を満足することで、単相Siをなくせることがわかる。
従来技術では、例えば上述した特許文献3に述べられているように、Mg2Siの粒子については、短径の長径に対する比率で0.4以上としている。この場合、めっき表面のMg2Siの粒径が大きくなる一方でMg2Siの面積率は下がり、分布も不均一になる。その結果、腐食初期のMg2Siの溶解速度がZnに比べて著しく速く、Mg2Siが優先的に溶解して流出することから、腐食生成物にMgが有効に取り込まれず、腐食生成物表面のMg濃化部も少なく局所的になり、耐食性向上効果は得られない。
一方本発明技術では、長径と短径との差(アスペクト比)を大きくすることで、前記めっき皮膜の表面に存在するMg2Siの粒子が増加し、腐食時に溶解して腐食生成物中に含まれるMgも多くなり、腐食生成物の表面にMgが多量且つ均一に分散する。その結果、腐食生成物にMgが多量に取り込まれ、耐食性が飛躍的に向上する。
ここで、前記Mg2Siの長径とは、Mg2Siの粒子の中で最も長い径のことであり、前記Mg2Siの短径とは、Mg2Siの粒子の中で最も短い径のことである。
また、主層中に、Mgや、Ca、Mn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBのうちから選択される一種又は二種以上が存在するか否かについては、例えばグロー放電発光分析装置でめっき皮膜を貫通分析することにより確認することができる。ただし、グロー放電発光分析装置を用いるのはあくまでも一例であり、めっき主層中のMgや、Ca、Mn、V、Cr、Mo、Ti、Sr、Ni、Co、Sb及びBの有無・分布を調べることができる方法であれば、他の方法を用いることも可能である。
また、前記界面合金層の厚さは、1μm以下であることが好ましい。界面合金層の厚さを1μm以下とすることで、高い加工性が実現でき、より優れた加工部耐食性が得られるからである。例えば、前述したように、めっき皮膜中のSi含有量を0.6質量%超えとすることで、界面合金層の成長を抑制できるので、界面合金層の厚みを1μm以下とすることが可能になる。
ここで、前記めっき皮膜及び前記界面合金層の厚さを得る方法は、正確に把握できる方法であれば特に限定はされない。例えば、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の断面をSEMにより観察し、1視野ごとに3か所の厚さを測定し、3視野で測定した9か所の厚さの平均を算出することで把握することができる。
次に、本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法について説明する。
本発明の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法は、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含み、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき浴中に、下地鋼板を浸漬させて溶融めっきを施した後、めっき後の鋼板を、前記めっき浴の浴温〜浴温−150℃である第1冷却温度までは10℃/sec未満の平均冷却速度で冷却し、該第1冷却温度からは10℃/sec以上の平均冷却速度で冷却することを特徴とする。
かかる製造方法によって、優れた平板部及び端部の耐食性を有するとともに、加工部耐食性も良好な溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板を製造できる。
また、前記前処理工程及び焼鈍工程の条件についても特に限定はされず、任意の方法を採用することができる。
また、前記めっき浴は、さらなる耐食性の向上を目的として、Caをさらに含むこともできる。
また、より確実に合金層の成長を防ぐ点からは、第1冷却温度からの平均冷却速度を、20℃/sec以上とすることが好ましく、40℃/sec以上とすることがより好ましい。
例えば、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板表面に、化成処理皮膜を設けること(化成処理工程)や、別途塗装設備において塗膜を設けること(塗膜形成工程)もできる。
また、前記塗膜の形成方法としては、ロールコーター塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装等が挙げられる。有機樹脂を含有する塗料を塗装した後、熱風乾燥、赤外線加熱、誘導加熱等の手段により加熱乾燥して塗膜を形成することが可能である。
(実施例1)
常法で製造した板厚0.5mmの冷延鋼板を下地鋼板として用い、連続式溶融めっき設備において、サンプル1〜57の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造を行った。
製造条件(めっき浴温、ワイピングガスの酸素濃度、第1冷却温度、冷却速度)、さらに、めっき皮膜の条件(組成、Mg2Siの長径、Mg2Siの短径/長径、主層表面におけるMg2Siの面積率、めっき皮膜の厚さ、デンドライト径、上述した式(1)の左辺、界面合金層の膜厚)については、表1に示す。
なお、サンプルとなる全ての溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造では、めっき浴の浴温は590℃とした。
また、サンプル10については、めっき後に200℃で30分保持する処理を実施した。さらに、サンプル11〜13、20及び21については、めっき皮膜の組成が特許文献2に開示された発明と同様の範囲であり、サンプル28、29及び44については、めっき皮膜の組成が特許文献3に開示された発明と同様の範囲であった。
溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、幅方向に3箇所サンプルを採取し、めっき皮膜表面をSEM-EDXでマッピングし、視野中でMgとSiが重なって検出される部分(Mg2Siが存在する部分)の面積率(%)を、画像処理によって算出することで得た。得られたMg2Siの面積率(%)について、表1に示す。
溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、光学顕微鏡(100倍)でめっき表面を撮影し、無作為に5個のMg2Siを選択してそれぞれの長径及び短径を測定し、測定した全ての長径及び短径の平均を算出することで、Mg2Siの長径及び短径を導出した。得られたMg2Siの長径(μm)、及び、長径に対する短径の比を、表1に示す。
○デンドライト径
溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、研磨しためっき皮膜の主層表面を、SEMを用いて200倍で観察し、無作為に選択した視野の中で、デンドライトアームが3本以上整列している部分を選択し、アームが整列している方向に沿って距離を測定した後、測定した距離をデンドライトアームの本数で除すことによって、デンドライト径を算出する。デンドライト径は、1つの視野の中で、3箇所測定し、それぞれ得られたデンドライト径の平均を算出したものを平均デンドライト径とした。得られたデンドライト径を表1に示す。
(1)平板部及び端部耐食性評価
溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、日本自動車規格の複合サイクル試験(JASO-CCT)を行った。JASO-CCTについては、図6に示すように、特定の条件で、塩水噴霧、乾燥及び湿潤を1サイクルとした試験である。
各サンプルの平板部及び端部について、赤錆が発生するまでのサイクル数を測定し、以下の基準に従って評価した。
◎:赤錆発生サイクル数≧550サイクル
○:350サイクル≦赤錆発生サイクル数<550サイクル
△:250サイクル≦赤錆発生サイクル数<350サイクル
×:赤錆発生サイクル数<250サイクル
実施例1において製造した溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板のうち、複数のサンプル(サンプル番号については表2を参照。)について、ウレタン樹脂系ベースの化成皮膜(日本パーカライジング(株)製 CT-E-364)を施した。なお、化成皮膜の付着量は1g/m2である。
製造条件(めっき浴温、ワイピングガスの酸素濃度、第1冷却温度、冷却速度)、さらに、めっき皮膜の条件(組成、Mg2Siの長径、Mg2Siの短径/長径、主層表面におけるMg2Siの面積率、めっき皮膜の厚さ、デンドライト径、上述した式(1)の左辺、界面合金層の膜厚)については、表2に示す。
(1)平板部及び端部耐食性評価
化成皮膜を形成した溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、日本自動車規格の複合サイクル試験(JASO-CCT)を行った。JASO-CCTについては、図6に示すように、特定の条件で、塩水噴霧、乾燥及び湿潤を1サイクルとした試験である。
各サンプルの平板部及び端部について、赤錆が発生するまでのサイクル数を測定し、以下の基準に従って評価した。
◎:赤錆発生サイクル数≧650サイクル
○:450サイクル≦赤錆発生サイクル数<650サイクル
△:350サイクル≦赤錆発生サイクル数<450サイクル
×:赤錆発生サイクル数<350サイクル
実施例1において製造した溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板のうち、複数のサンプル(サンプル番号については表3を参照。)について、それぞれ90mm×70mmのサイズに剪断後、自動車外板用塗装処理と同様に、化成処理としてリン酸亜鉛処理を行った後、電着塗装、中塗り、及び上塗り塗装を施した。
リン酸亜鉛処理:日本パーカライジング社製の脱脂剤であるFC−E2001、日本パーカライジング社製の表面調整剤であるPL−X、及び、日本パーカライジング社製のリン酸亜鉛処理剤であるPB−AX35M(温度:35℃)を用いて、リン酸亜鉛処理液のフリーフッ素濃度を200ppm、リン酸亜鉛処理液の浸漬時間を120秒の条件で行った。
電着塗装:関西ペイント社製の電着塗料であるGT−100を用いて、膜厚が15μmとなるように電着塗装を施した。
中塗り塗装:関西ペイント社製の中塗り塗料であるTP−65−Pを用いて、膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装を施した。
上塗り塗装:関西ペイント社製の中塗り塗料であるNeo6000を用いて、膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装を施した。
製造条件(めっき浴温、ワイピングガスの酸素濃度、第1冷却温度、冷却速度)、さらに、めっき皮膜の条件(組成、Mg2Siの長径、Mg2Siの短径/長径、主層表面におけるMg2Siの面積率、めっき皮膜の厚さ、デンドライト径、上述した式(1)の左辺、界面合金層の膜厚)については、表3に示す。
塗装処理を施した溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の各サンプルについて、図7に示すとおり、評価面の端部5mm、及び非評価面(背面)を、テープでシール処理を行った後、評価面の中央にカッターナイフでめっき鋼板の地鉄に到達する深さまで、長さ60mm、中心角90°のクロスカット傷を加えたものを塗装後耐食性の評価用サンプルとした。
上記評価用サンプルを用いて図8に示すサイクルで腐食促進試験(SAE J 2334)を実施した。腐食促進試験を湿潤からスタートし、30サイクル後まで行った後、傷部からの塗膜膨れが最大である部分の塗膜膨れ幅(最大塗膜膨れ幅)を測定し、塗装後耐食性を下記の基準で評価した。評価結果を表4に示す。
◎:最大塗膜膨れ幅≦2.5mm
○:2.5mm<最大塗膜膨れ幅≦3.0mm
×:3.0mm<最大塗膜膨れ幅
そのため、本発明例のサンプルの中において、めっき層中のMg含有量をそれぞれ適切な範囲に制御することで、優れた塗装後耐食性を有する溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板が得られることがわかる。
Claims (5)
- 鋼板表面にめっき皮膜を有する溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板であって、
前記めっき皮膜は、下地鋼板との界面に存在する界面合金層と該合金層の上に存在する主層とからなり、25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含有し、
前記主層の表面におけるMg2Siの面積率が10%以上であることを特徴とする、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。 - 前記界面合金層の厚さが、1μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
- 前記主層がα−Al相のデンドライト部分を有し、該デンドライト部分の平均デンドライト径と、前記めっき皮膜の厚さとが、以下の式(1)を満足することを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板。
t/d≧1.5 ・・・(1)
t:めっき皮膜の厚さ(μm)、d:平均デンドライト径(μm) - 25〜80質量%のAl、0.6超え〜15質量%のSi及び0.1超え〜25質量%のMgを含み、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき浴中に、下地鋼板を浸漬させて溶融めっきを施した後、めっき後の鋼板を、前記めっき浴の浴温〜浴温−150℃である第1冷却温度までは10℃/sec未満の平均冷却速度で冷却し、該第1冷却温度からは10℃/sec以上の平均冷却速度で冷却することを特徴とする、溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法。
- 前記溶融めっき時のワイピングガスの酸素濃度が、10体積%以上であることを特徴とする、請求項4に記載の溶融Al−Zn−Mg−Siめっき鋼板の製造方法。
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