JP2016166030A - 袋体、包装体及び袋体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】袋体100は、袋本体10と、1枚又は複数枚のシート片30と、を備えている。袋本体10は、内容物20を収容する収容領域11aを内部に有する胴体部11と、内容物20の吐出流路12aを内部に有するノズル部12と、を含むように、1枚又は複数枚のフィルム50を部分的にシールすることにより形成されている。1枚又は複数枚のシート片30は、袋本体10の外面又は内面のうち、ノズル部12の外面又は内面の少なくとも一方の一部分を含む領域に貼り付けられている。1枚又は複数枚のシート片30が貼り付けられた領域には、内容物20の吐出方向に沿ってノズル部12を折り曲げやすくする折り曲げ誘導線31が形成されている。
【選択図】図1
Description
内容物を収容する収容領域を内部に有する胴体部と、前記内容物の吐出流路を内部に有するノズル部と、を含むように、1枚又は複数枚のフィルムを部分的にシールすることにより形成された袋本体と、
前記袋本体の外面又は内面のうち、前記ノズル部の外面又は内面の少なくとも一方の一部分を含む領域に貼り付けられた、1枚又は複数枚のシート片と、
を備え、
前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域には、前記内容物の吐出方向に沿って前記ノズル部を折り曲げやすくする折り曲げ誘導線が形成されている袋体を提供する。
本発明の袋体と、
前記収容領域に収容された内容物と、
を備える包装体を提供する。
袋体を形成する工程を備え、
前記袋体は、
内容物を収容する収容領域を内部に有する胴体部と、前記内容物の吐出流路を内部に有するノズル部と、を含むように、1枚のフィルムを部分的にシールすることにより形成された袋本体と、
前記袋本体の外面又は内面のうち、前記ノズル部の外面又は内面の少なくとも一方の一部分を含む領域に貼り付けられた、1枚又は複数枚のシート片と、
を備え、
前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域には、前記内容物の吐出方向に沿って前記ノズル部を折り曲げやすくする折り曲げ誘導線が形成されている袋体であり、
前記袋体を形成する工程は、
前記1枚又は複数枚のシート片を前記1枚のフィルムの少なくとも一方の面に貼り付ける工程と、
前記1枚のフィルムを折り曲げて部分的にシールすることにより、前記袋本体を形成する工程と、
を有する袋体の製造方法を提供する。
先ず、第1の実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。
ここで、図1及び図2は、袋体100内に内容物20を充填してなる包装体200を示しており、図7(a)及び(b)は、内容物20が充填される前の袋体100を示している。
袋本体10は、内容物20(図1、図2参照)を収容する収容領域11aを内部に有する胴体部11と、内容物20の吐出流路12aを内部に有するノズル部12と、を含むように、1枚又は複数枚のフィルム50を部分的にシールすることにより形成されている。
1枚又は複数枚のシート片30は、袋本体10の外面又は内面のうち、ノズル部12の外面又は内面の少なくとも一方の一部分を少なくとも含む領域に貼り付けられている。本実施形態に係る袋体100においては、シート片30は、袋本体10の外面のうち、ノズル部12の外面の一部分を少なくとも含む領域に貼り付けられている。そして、1枚又は複数枚のシート片30が貼り付けられた領域には、内容物20の吐出方向に沿ってノズル部12を折り曲げやすくする折り曲げ誘導線31が形成されている。
なお、以下の説明において、1枚又は複数枚のシート片30が貼り付けられた領域を、貼付領域と称することがある。
例えば、図2に示すように、袋本体10は、1枚のフィルム50の一部分である第1フィルム部50aと、1枚のフィルム50の他の一部分である第2フィルム部50bと、1枚のフィルム50の残りの部分である第3フィルム部50cと、により構成されている。
第1フィルム部50aと第2フィルム部50bとは、互いに同一の形状に形成されており、互いの外形線が一致するように互いに重ね合わされている。
第3フィルム部50cは、第1フィルム部50aと第2フィルム部50bの一端どうし(図1における下端どうし)を相互に繋ぐ部分であり、袋本体10の底部11bのマチを構成している。
なお、内容物20が充填されていない袋体100の状態では、第3フィルム部50cは、例えば、図7(b)に示すように、第1フィルム部50aと第2フィルム部50bの一端部どうしの間に、断面V字状に折り込まれている。
第1フィルム部50aと第2フィルム部50bとが直接重なり合っている部分では、第1フィルム部50aの周縁部と第2フィルム部50bの周縁部とが相互にシールされている。
また第1フィルム部50aと第2フィルム部50bとの間に第3フィルム部50cが折り込まれている部分では、第1フィルム部50aの周縁部と第3フィルム部50cの周縁部とが相互にシールされているとともに、第2フィルム部50bの周縁部と第3フィルム部50cの周縁部とが相互にシールされている。
これにより、胴体部11とノズル部12とを有する袋本体10が形成されている。
袋本体10の一方の面は第1フィルム部50aにより構成され、袋本体10の他方の面は第2フィルム部50bにより構成され、袋本体10の底部11bは第3フィルム部50cにより構成されている。
より具体的には、袋本体10は、その全体が、1枚のフィルム50により構成されており、袋本体10はより簡単な構造となっている。
ノズル部12の先端部から内容物20を袋体100内に充填した後、ノズル部12の先端部にシール部73(図1)を形成することにより、包装体200が構成される。
ノズル部12は、胴体部11の一端部に繋がっている。ノズル部12の内部領域である吐出流路12aと、胴体部11の内部領域である収容領域11aとは、相互に連通している。胴体部11に収容された内容物20は、ノズル部12の吐出流路12aを通って、袋体100から吐出される。
本実施形態の場合、例えば、胴体部11の幅は、底部11b側に向けて、一旦幅広となった後、底部11b側に向けて幅狭になっている。
また、胴体部11は、ノズル部12の片側に位置する肩部11cを有している。
なお、肩部11cにおいて、部分的にシール部71の幅が広くなっており、この部分は、ユーザが包装体200を持つときに摘みやすい摘み部71aとなっている。
本実施形態の場合、ノズル部12は、例えば、矩形状(例えば長方形状)に形成されている。
ノズル部12は、例えば、胴体部11よりも細く形成されている。ノズル部12の幅は、例えば、胴体部11の幅の半分以下となっている。
ただし、ノズル部12の形状は、この例に限らない。
吐出流路12aは、収容領域11aよりも細く(幅狭に)形成されている。したがって、ノズル部12と胴体部11との境界は、それらの内部領域(吐出流路12a、収容領域11a)の幅が変化する部位であると考えることができる。
ここで、収容領域11a内の内容物20を吐出流路12aを介して包装体200の外部に吐出する際の、吐出流路12aにおける内容物20の流動方向を、(内容物20の)吐出方向D(図1)と称する。なお、図1に示される吐出方向Dは、必ずしも、内容物20の実際の流動方向を正確に表したものではなく、実際には、内容物20は、吐出流路12a内を図1の吐出方向Dに対して斜めの方向に流動したり、曲線状に流動したりする場合も想定される。
本実施形態の場合、ノズル部12は、例えば、吐出方向に長尺に形成されている。
フィルム50の材料は特に限定されない。
フィルム50の材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(L−LDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等のオレフィン系フィルム等が挙げられる。フィルム50は、これらの材料の単層又は積層フィルムとすることができる。
積層フィルムは、袋本体10の内面を構成する内層と、袋本体10の外面を構成する外層と、の二層からなるものであっても良いし、内層と外層との間に他の層(中間層)が介在する三層以上の構造のものであっても良い。
積層フィルムは、一例として、延伸ナイロン/ポリエチレンとすることができる。すなわち、外層は、延伸ナイロンにより構成することができ、内層は、ポリエチレンにより構成することができる。
積層フィルムの他の例としては、ナイロン/リニア低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/リニア低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/無延伸ポリプロポレン、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン/リニア低密度ポリエチレン等が挙げられる。
例えば、外層は強度付与の観点で、内層はシール性の観点で、それぞれ材料を選択することが好ましい。
ただし、ここで説明したフィルム50の材料は、単なる例示であり、フィルム50は、その他の材料により構成されていても良い。
なお、後述する開封案内線60においてノズル部12を容易に切断できるように、フィルム50は、易カットフィルムであってもよい。
易カットフィルムのシーラント層は、例えば、C4−LLDPEで表される炭素数4のα−オレフィンを側鎖に有するリニア低密度ポリエチレンとCOCで表される環状オレフィンコーポリマーを配合した層を少なくとも1層含んでなる。
シート片30は、袋本体10の片面側にのみ貼り付けられていても良いが、本実施形態の場合、袋本体10の両面に、それぞれ1枚ずつのシート片30が貼り付けられている。
なお、袋体100の袋本体10の外面は、1枚又は複数枚のシート片30が貼りつけられていない領域を有する。例えば、胴体部11の外面は、1枚又は複数枚のシート片30が貼り付けられていない領域を有している。また、ノズル部12の外面も、1枚又は複数枚のシート片30が貼り付けられていない領域を有していても良い。
袋本体10を構成するフィルム50に対してシート片30を貼り付ける方法は特に限定されない。一例として、予め片面に接着剤又は粘着剤が塗布されているシート片30を用いることが挙げられる。また、他の一例として、シート片30に対して接着剤又は粘着剤を塗布しながら、フィルム50上にシート片30を配置することが挙げられる。更に他の一例として、予め接着剤又は粘着剤が塗布されたフィルム50上にシート片30を配置することが挙げられる。
これにより、内容物20の吐出の際にノズル部12が折れ曲がって閉塞してしまうことを抑制することができる。
なお、中心位置41は、ノズル部12を吐出方向において二等分する位置である。
これにより、内容物20の吐出の際に、ノズル部12と胴体部11との境界42の近傍で袋本体10が折れ曲がって、当該部分が閉塞してしまうことを抑制することができる。
内容物20の吐出時に閉塞しやすい箇所の1つが、ノズル部12の基端部近傍の部分である。このため、上記貼付領域が、ノズル部12と胴体部11との境界42を越えて胴体部11側に延びている構造とすることにより、ノズル部12の基端部での閉塞を抑制することができる。
ここで、シート片30の形状は、ノズル部12の形状と同様の形状であることが好ましい一例である。例えば、図1に示すように、ノズル部12が吐出方向Dに長い長方形状である場合、シート片30も吐出方向Dに長い長方形状であることが好ましい。
シート片30の厚みは、フィルム50と同じであるか、又は、フィルム50よりも薄いことが好ましい。
折り曲げ誘導線31が形成されていることによって、例えば図3に示すようにノズル部12を折り曲げて、吐出流路12aの開口面積を十分に確保することができる。
この切り込みは、シート片30の表裏を貫通する深さに形成された切断線であっても良いし、シート片30の表裏を貫通しない深さに形成されたハーフカット線(ハーフカット溝)であっても良い。
また、折り曲げ誘導線31は、シート片30に連続的な切り込み(切断線又はハーフカット線)が形成されることにより構成されていても良いし、シート片30に複数の切り込み(切断線又はハーフカット線)が間欠的に形成されることにより構成されていても良い。すなわち、折り曲げ誘導線31は、シート片30に形成されたミシン目などであっても良い。
また、折り曲げ誘導線31は、シート片30に罫線が(連続的又は間欠的に)形成されることにより構成されていても良い。
これらにより、袋体100を簡単な構造とすることができる。すなわち、袋体100は、製造容易性に優れた構造であるといえる。
図3には、シート片30に形成された切断線により折り曲げ誘導線31が構成されている例を示している。
また、図19には、シート片30に形成されたハーフカット線により折り曲げ誘導線31が構成されている例を示している。
或いは、折り曲げ誘導線31は、後述する図11のように複数枚のシート片30どうしの間にスリット状の間隙が形成されていることにより構成されていても良い。
これらの場合も、袋体100を、製造容易性に優れた簡単な構造とすることができる。
一方、ノズル部12において折り曲げ誘導線31の周囲の部分(両脇の部分)は、シート片30によって補強されているため、折り曲げ誘導線31の形成箇所よりも折れ曲がりにくい。
図1及び図7(a)には、折り曲げ誘導線31がシート片30を縦断している例を示している。
また、図20には、折り曲げ誘導線31がシート片30を縦断しておらず、折り曲げ誘導線31の両端が、シート片30の外形線の内側に位置している例を示している。
好ましくは、シート片30の幅方向における折り曲げ誘導線31の位置は、シート片30の幅方向における中央部となっている。ここで、シート片30の幅方向における中央部とは、シート片30を幅方向に3等分したときに真ん中に位置する部分を指す。
より具体的には、本実施形態の場合、シート片30の幅方向における折り曲げ誘導線31の位置は、シート片30の幅方向における中心となっている。シート片30の幅方向における中心とは、シート片30を幅方向に二等分する位置である。
好ましくは、ノズル部12の幅方向における折り曲げ誘導線31の位置は、ノズル部12の幅方向における中央部(例えば、中心)となっている。ここで、ノズル部12の幅方向における中央部とは、ノズル部12を幅方向に3等分したときに真ん中に位置する部分を指す。また、ノズル部12の幅方向における中心とは、ノズル部12を幅方向に二等分する位置である。
図1においては、折り曲げ誘導線31が、シート片30の幅方向中心、且つノズル部12の幅方向中心に位置している。
このようにすることにより、シール部72a、72b、71と、袋本体10においてシール部72a、72b、71に囲まれた部分との境界において、袋本体10が容易に折れ曲がるようにできるとともに、シール不良(良好なシールが施されないこと)を低減することができる。
また、上記貼付領域は、吐出流路12aの幅方向において、吐出流路12aの幅(シール部72aとシール部72bとの距離)の40%以上の範囲に存在していることが好ましく、吐出流路12aの幅の50%以上の範囲に存在していることが更に好ましい。本実施形態の場合、上記貼付領域は、吐出流路12aの幅方向において、吐出流路12aの幅の90%以上の範囲に存在している。
上記貼付領域が、上記範囲に存在していることにより、シート片30によるノズル部12の補強を十分に行うことができるので、内容物20の吐出時における吐出流路12aの開口面積の確保、及び、開口形状の維持を十分に行うことができる。
また、上記貼付領域は、吐出流路12aの幅方向において、吐出流路12aの幅の100%以下の範囲に存在していることが好ましく、95%以下の範囲に存在していることが更に好ましい。
上記貼付領域が、吐出流路12aの周方向において、上記範囲に存在していることにより、シート片30によるノズル部12の補強を十分に行うことができる。その結果、内容物20の吐出時における吐出流路12aの開口面積の確保、及び、開口形状の維持を十分に行うことができる。
この間隙を適切に設定することにより、すなわち、ノズル部12に形成されたシール部72a、72bから上記貼付領域を離間させることにより、ノズル部12を開きやすくなるため、ノズル部12の開口面積をより十分に確保しやすくなる。
シート片30は、樹脂薄板であることが好ましく、この場合、シート片30の十分な曲げ剛性が得られる。
なお、シート片30は、粘着テープ等であっても良い。
本実施形態の場合、開封案内線60は、吐出方向に対して斜めに延在しているため、開封案内線60でノズル部12を切断することによって形成された開口(以下、吐出口と称する場合がある)の開口面積をより広くすることができ、吐出口から内容物20を注ぎやすくなる。
また、開封案内線60の一端部61には、開封の際の破断の起点を容易に形成するための開封用切欠形状部であるノッチ55が形成されていることが好ましい。ノッチ55の形状は、V字形、U字形などとすることができる。
切断誘導線33が形成されていることにより、開封の際のノズル部12の切断方向を切断誘導線33に沿って誘導することができるので、ノズル部12の開封(ノズル部12を手で切断して吐出口を形成すること)をより確実に行うことができる。
すなわち、切断誘導線33は、例えば、一のシート片30に切断線が形成されていること、一のシート片30にハーフカット線が形成されていること、一のシート片30に罫線が形成されていること、一のシート片30が袋本体10に対して部分的に非接着とされていること、又は、複数枚のシート片30どうしの間にスリット状の間隙が形成されていること、により構成されている。
これにより、袋体100を簡単な構造とすることができる。すなわち、袋体100は、製造容易性に優れた構造であるといえる。
切断誘導線33は、例えば、シート片30をフィルム50に対して貼り付ける前に形成することができる。
このようにすることによって、切断誘導線33により、開封案内線60に沿ったノズル部12の切断をスムーズに誘導することができる。
この場合、切断誘導線33と開封案内線60とが互いに延長上に位置するように、切断誘導線33及び開封案内線60が配置されていることが好ましい。
なぜなら、ノズル部12においてシート片30が貼り付けられた部位は、シート片30により補強されていることにより撓みが抑制されているため、平板状に維持された状態で挙動するとともに、折り曲げ誘導線31の形成箇所では、該折り曲げ誘導線31に沿ってノズル部12が容易に折れ曲がることができるためである。
つまり、折り曲げ誘導線31の形成箇所は、その周囲の部分よりも剛性が小さくなっているため、折り曲げ誘導線31の形成箇所をヒンジのように動かして、吐出流路12a及び吐出口を開くことができる。
よって、図3に示すように、吐出流路12aを、例えば、菱形形状などの四角形状に開くことができる。吐出口も、吐出流路12aと同様の形状に開くことができる。
なお、収容領域11a内の内容物20を袋体100の外側から加圧し、吐出流路12aを通して内容物20を吐出口から押し出すことによっても、折り曲げ誘導線31の形成箇所をヒンジのように動かして吐出流路12a及び吐出口を開くことができるが、上記のようにノズル部12を指で押圧することによって、より十分に吐出流路12a及び吐出口を開くことができる。
そして、図4(b)に示すように、例えば、フィルム原反81の片面における所定箇所に、図示しない自動貼り付け装置によってシート片30を貼り付ける。なお、シート片30を貼り付けるタイミングは、その他のタイミングであっても良い。
自動貼り付け装置によりフィルム原反81の片面にシート片30を貼り付ける動作は、例えばニップロール等の搬送ロール(図示省略)によって、フィルム原反81を連続的に繰り出し方向に搬送しながら(フィルム原反81の搬送を停止させることなく)行うことができる。
折り曲げ誘導線31および切断誘導線33が、シート片30に切り込み又は罫線等の加工を施すことにより構成されている場合、自動貼り付け装置によりフィルム原反81にシート片30を貼り付ける前に、予め、当該加工がシート片30に施されているものとする。
フィルム原反81を折り曲げ線51に沿って折り曲げる工程は、例えば、フィルム原反81を連続的に搬送しながら行うことができる。
これにより、第1フィルム部50aと第2フィルム部50bとが相互に重なった状態にフィルム50が折り返されるとともに、折り込み部52を有する第3フィルム部50cが第1フィルム部50aと第2フィルム部50bとの間に形成される。
フィルム原反81に折り込み部52を形成する工程は、例えば、フィルム原反81を連続的に搬送しながら行うことができる。
この工程は、フィルム原反81にシールを施す一対のロール間にフィルム原反81を通すことにより、フィルム原反81を連続的に搬送しながら行うことができる。
この工程は、フィルム原反81を切断する一対のロール間にフィルム原反81を通すことにより、フィルム原反81を連続的に搬送しながら行うことができる。
これにより、袋体100(ただし、開封案内線60は未形成のもの)が得られる。
なお、この段階では、シール部73は形成されていない。
なお、この状態でノズル部12の表裏の所定箇所にそれぞれシート片30が貼り付けられた状態となるように、予め、上記の自動貼り付け装置によってフィルム50における所定箇所にそれぞれシート片30を貼り付けるものとする。
このように、シート片30をフィルム50に貼るだけで、吐出しやすいノズル部12を有する袋体100を、簡単に、且つ、安定して、しかも、高速に製造することができる。
ここで、上記のように、フィルム50を折り返す図5(b)の工程を行う前に、自動貼り付け装置によりフィルム50にシート片30を貼り付けるため、自動貼り付け装置は、フィルム50の片面に対してのみシート片30を貼り付ければよい。よって、両面にそれぞれシート片30が貼り付けられた構造の袋体100を製造する場合であっても、フィルム50にシート片30を貼り付ける自動貼り付け装置は、1つの製造ラインにつき、1つだけ配置されていれば足りる。
また、袋体100を製造する工程のうち、ノッチ55を形成する工程と、フィルム原反81にシールを施して切断する工程とは、順序を入れ替えても良い。
次に、図8(b)に示すように、ノズル部12の先端部にシール部73を形成する。
これにより、図1及び図2に示す構造の包装体200が得られる。
よって、袋体100からの内容物20の吐出時に、折り曲げ誘導線31に沿ってノズル部12を折り曲げることにより、例えば、図3に示されるように、吐出流路12aの開口面積及びノズル部12先端の吐出口の開口面積を十分に確保することができるとともに、その開口形状を容易に維持させることができる。
ここで、袋体100は、袋本体10の外面にシート片30を貼り付けることにより構成できるため、内容物20の充填前の多数枚の袋体100を積層して圧縮したとしても、袋体100が変形しにくいので、袋体100の機能が損なわれにくい。
一方、特許文献1の技術では、プレス等によって袋体に凸部と凹部とを形成する工程が必要であるため、少なくともその工程では、フィルムの搬送を停止させる必要がある。よって、製造ラインの高速化に適していない。
また、図13(b)に示す変形例2のように、シート片30が貼り付けられた上記貼付領域は、内容物20の吐出方向におけるノズル部12の中心位置41をまたいでいなくても良い。例えば、図13(b)に示すように、上記貼付領域は、中心位置41よりも胴体部11側に配置されていても良いし、図示は省略するが、中心位置41よりもノズル部12の先端側に配置されていても良い。変形例2の場合、ノズル部12の基端部での閉塞を抑制することができる。
なお、図13(a)及び図13(b)においては、折り曲げ誘導線31及び開封案内線60の図示を省略している。
例えば、図14(b)〜(d)に示すように、シート片30は、矩形以外の多角形状であっても良い。
また、図14(c)に示す変形例4及び図14(d)に示す変形例5のように、シート片30は、細長い台形状であっても良い。この場合、例えば、2つの底辺のうち長い方の底辺がノズル部12の先端側に位置するように、シート片30を袋本体10に貼り付けても良いし(図14(c)参照)、2つの底辺のうち短い方の底辺がノズル部12の先端側に位置するように、シート片30を袋本体10に貼り付けても良い(図14(d)参照)。変形例4及び変形例5の場合も、変形例3と同様の効果が得られる。
また、図14(f)に示す変形例7のように、変形例6(図14(e))のシート片30の長手方向における一端部に凹み部30cを形成した形状のシート片30を用いても良い。変形例7の場合、変形例6と同様の効果が得られると共に、凹み部30cがあることにより、ノズル部12を指で押圧したときに、折り曲げ誘導線が折れやすく、ノズル部12が開口し易くなるという効果が得られる。
この包装体200においては、図15(a)に示すように、シート片30の括れ部30bと対応する位置において、シール部72a、72bとシート片30との間隙が広がっている。
そして、図15(b)に矢印で示されるように、ノズル部12の幅方向両側からノズル部12をユーザが指で押圧することにより、吐出流路12aの開口面積を十分に広げることができる。
すなわち、シール部72a、72bとシート片30との間隙が広い部分では、吐出流路12aの奥行き寸法を容易に拡大させることができる。
よって、内容物20の吐出をよりスムーズに行うことが可能となる。
以下、図16乃至図18を用いて、シート片の貼り付け範囲の例を説明する。
上記貼付領域は、吐出流路12aの周方向において、前述の特定の範囲に存在していることが好ましい。この条件を満たすためのシート片30の具体的な貼り付け方について、周長の40%以上の範囲を例として説明する。
シート片30が袋本体10の片面にのみ貼り付けられている場合、貼付面(シート片30が貼り付けられている方の面)の剛性が非貼付面(シート片30が貼り付けられていない方の面)の剛性よりも大きくなることにより生じる剛性の差によって、内容物20がノズル部12に入るときにノズル部12が開口しやすくなるという効果が得られる。
シート片30の幅方向における中心が、吐出流路12aの幅方向における中心からオフセットされている場合、変形例6、7と同様に、ノズル部12を指で押圧するときに、押圧しやすいという効果が得られる。
内容物20の吐出時に閉塞しやすい箇所は、例えば、ノズル部12の基端部近傍や、ノズル部12の先端部近傍である。
これに対し、シート片30を図17(a)に示す配置とすることにより、ノズル部12の基端部近傍と、ノズル部12の先端部近傍を、それぞれ幅広部30eによって補強できるので、それらの位置での吐出流路12aの閉塞を抑制することができる。
一例として、表側のシート片30の貼り付け位置と裏側のシート片30の貼り付け位置とは、吐出流路12aの軸中心を中心とした回転対称位置とすることができる。
また、袋本体10の胴体部11の形状は、例えば、図21(a)に示すように、ノズル部12の両側にそれぞれ肩部11cを有する形状となっていても良い。より具体的には、例えば、袋本体10は、左右対称形とすることができる。
図21(a)の例では、胴体部11は縦長のホームベース形となっており、肩部11cは、内容物20の吐出方向に対して傾斜している。すなわち、肩部11cは、なで肩形状となっている。
ただし、肩部11cは、図1及び図7(a)に示す例と同様に、内容物20の吐出方向に対して直交していても良い。
以下、図9及び図10を用いて第2の実施形態を説明する。
本実施形態に係る袋体100及び包装体200は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る袋体100及び包装体200と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る袋体100及び包装体200と同様に構成されている。
これにより、図10に示すように、シール部72a、72bの近傍において、折り曲げ誘導線32に沿ってノズル部12を容易に折り曲げることができるため、より容易に吐出流路12aの開口面積を確保しやすくなるとともに、吐出流路12aの開口形状を維持させやすくなる。
また、両面のシート片30にそれぞれ折り曲げ誘導線32が形成されていても良いし、両面のシート片30のうち片面のシート片30にのみ折り曲げ誘導線32が形成されていても良い。
以下、図11を用いて第3の実施形態を説明する。
なお、本実施形態の場合、袋本体10の片面に貼り付けられた2枚のシート片30をまとめて包絡する包絡線の内側の領域が、上記貼付領域となる。
以下、図12を用いて第4の実施形態を説明する。
このようなシート片30を貼り付けることによって、袋本体10が構成されている。
ただし、袋本体10において、少なくとも、ノズル部12と、胴体部11の少なくともノズル部12に隣接する部分と、を含む部分は、複数枚のフィルムにより構成されていても良い。すなわち、袋本体10において、少なくとも、ノズル部12と、胴体部11の少なくともノズル部12に隣接する部分と、を含む部分は、複数枚のフィルムのうちの第1フィルムと、複数枚のフィルムのうちの第2フィルムと、を互いに重ね合わせ、第1フィルムと第2フィルムとをそれらの周縁部で互いにシールすることにより構成されていても良い。
例えば、袋本体10は、3枚のフィルムにより構成することができる。一例として、第1の実施形態において第1フィルム部50aに相当する部分を第1フィルムにより構成し、第2フィルム部50bに相当する部分を第2フィルムにより構成し、第3フィルム部50cに相当する部分を第3フィルムにより構成することができる。すなわち、マチの部分は、第3フィルムにより構成することができる。この場合、これら第1乃至第3フィルムを相互にシールすることによって、袋本体10を構成することができる。
また、表側のシート片30の貼り付け位置と裏側のシート片30の貼り付け位置とは、互いに同じとすることができる。この場合、表側のシート片30の貼り付け位置と裏側のシート片30の貼り付け位置とは、吐出流路12aの軸中心を中心とした回転対称位置としても良いし、互いに重なる位置としても良い。
ただし、表側のシート片30の貼り付け位置と裏側のシート片30の貼り付け位置とは、互いに異なっていても良い。
また、シート片は、袋本体10の外面及び内面のうち、ノズル部12の内面の一部分及び外面の一部分を含む領域にそれぞれ貼り付けられていてもよい。すなわち、シート片は、袋本体10の外面及び内面の両方に貼り付けられていても良い。なお、袋本体10の外面及び内面の両方にシート片30が貼り付けれた構造の袋体100を製造する場合には、フィルム50の両面にそれぞれシート片30を貼り付ける。
11 胴体部
11a 収容領域
12 ノズル部
12a 吐出流路
20 内容物
30 シート片
31 折り曲げ誘導線(第1の折り曲げ誘導線)
32 折り曲げ誘導線(第2の折り曲げ誘導線)
33 切断誘導線
35 間隙
41 中心位置
42 境界
50 フィルム
51 折り曲げ線
52 折り込み部
53 切断予定線
55 ノッチ
60 開封案内線
61 一端部
71 シール部
72a シール部
72b シール部
73 シール部
80 原反ロール
81 フィルム原反
92 切断予定線
100 袋体
200 包装体
Claims (11)
- 内容物を収容する収容領域を内部に有する胴体部と、前記内容物の吐出流路を内部に有するノズル部と、を含むように、1枚又は複数枚のフィルムを部分的にシールすることにより形成された袋本体と、
前記袋本体の外面又は内面のうち、前記ノズル部の外面又は内面の少なくとも一方の一部分を含む領域に貼り付けられた、1枚又は複数枚のシート片と、
を備え、
前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域には、前記内容物の吐出方向に沿って前記ノズル部を折り曲げやすくする折り曲げ誘導線が形成されている袋体。 - 前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域は、前記内容物の吐出方向における前記ノズル部の中心位置をまたぐ範囲に存在している請求項1に記載の袋体。
- 前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域は、前記ノズル部と前記胴体部との境界を越えて前記胴体部側に延びている請求項1又は2に記載の袋体。
- 前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域は、前記吐出流路の周方向において、前記吐出流路の周長の40%以上の範囲に存在している請求項1乃至3の何れか一項に記載の袋体。
- 前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域は、前記シールによって前記ノズル部に形成されたシール部から離間している請求項1乃至4の何れか一項に記載の袋体。
- 前記折り曲げ誘導線として、
第1の前記折り曲げ誘導線と、
前記第1の折り曲げ誘導線よりも、前記シールにより前記ノズル部に形成されたシール部の近くに配置された第2の前記折り曲げ誘導線と、
が形成されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の袋体。 - 前記折り曲げ誘導線は、一の前記シート片に切断線が形成されていること、一の前記シート片にハーフカット線が形成されていること、一の前記シート片に罫線が形成されていること、一の前記シート片が前記袋本体に対して部分的に非接着とされていること、又は、複数枚の前記シート片どうしの間にスリット状の間隙が形成されていること、により構成されている請求項1乃至6の何れか一項に記載の袋体。
- 前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域には、前記吐出方向に対して交差する横断方向に沿って前記ノズル部を切断しやすくする切断誘導線が形成されている請求項1乃至7の何れか一項に記載の袋体。
- 前記切断誘導線は、一の前記シート片に切断線が形成されていること、一の前記シート片にハーフカット線が形成されていること、一の前記シート片に罫線が形成されていること、一の前記シート片が前記袋本体に対して部分的に非接着とされていること、又は、複数枚の前記シート片どうしの間にスリット状の間隙が形成されていること、により構成されている請求項8に記載の袋体。
- 請求項1乃至9の何れか一項に記載の袋体と、
前記収容領域に収容された内容物と、
を備える包装体。 - 袋体を形成する工程を備え、
前記袋体は、
内容物を収容する収容領域を内部に有する胴体部と、前記内容物の吐出流路を内部に有するノズル部と、を含むように、1枚のフィルムを部分的にシールすることにより形成された袋本体と、
前記袋本体の外面又は内面のうち、前記ノズル部の外面又は内面の少なくとも一方の一部分を含む領域に貼り付けられた、1枚又は複数枚のシート片と、
を備え、
前記1枚又は複数枚のシート片が貼り付けられた領域には、前記内容物の吐出方向に沿って前記ノズル部を折り曲げやすくする折り曲げ誘導線が形成されている袋体であり、
前記袋体を形成する工程は、
前記1枚又は複数枚のシート片を前記1枚のフィルムの少なくとも一方の面に貼り付ける工程と、
前記1枚のフィルムを折り曲げて部分的にシールすることにより、前記袋本体を形成する工程と、
を有する袋体の製造方法。
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