JP2016165276A - Dna検出方法、およびdna検出装置 - Google Patents

Dna検出方法、およびdna検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】同時検出するDNAの塩基配列パターンが増えた場合でも、蛍光を検出する光学系が複雑になることなく、小型、安価な構成のDNA検出装置を提供する。
【解決手段】DNA検出装置は、センサチップの表面上の流路を流れるサンプル液滴から出力される蛍光を検出して、検出対象となるDNAを検出するDNA検出装置であって、流路を流れるサンプル液滴から出力される蛍光を検出する蛍光検出部と、検出した前記蛍光の連続時間に基づいて、サンプル液滴それぞれに含まれる蛍光プローブ溶液の種類を判定し、蛍光の光強度のしきい値に対する大小関係に基づいて、サンプル液滴中に、検出対象となる前記DNAが含まれているか否かを判定するDNA検出手段DNA検出手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、遺伝子(DNA)を検出する方法および装置に関する。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)と呼ばれる技術を用いて、遺伝子中の所望のDNA/RNA断片を、検出に必要な量となるまで増幅させ、検出する方法がある。また、その発展型としてqPCR(quantitative PCR)と呼ばれる定量解析技術が用いられることが多い。これら遺伝子の定量解析技術がマイクロ流路チップ内の小型リアクタなどに導入される。
特許文献1には、遺伝子を定量解析するqPCRについての基本的な実現方法が開示されている。この特許文献1には、一本鎖のDNAからなるサンプルに対して、ターゲットDNAの配列鎖の第一の領域に相補的な配列をもつオリゴヌクレオチド(長さの短いDNA/RNAの配列)と、同じターゲットDNAの配列鎖の第二の領域に相補的な配列を含む標識オリゴヌクレオチドを接触させる。ハイブリダイゼーションを生じさせる条件で二本鎖複合体の混合物を形成して、5‘→3’ヌクレアーゼ活性によって、アニールした標識オリゴヌクレオチドを切断して標識断片を遊離させる。その遊離した標識断片を検出する方法が開示されている。標識オリゴヌクレオチドの標識として、蛍光色素と消光剤を用いれば、標識断片が遊離した際に初めて蛍光が発光することになり、上記プロセスを繰り返すことで、蛍光強度が強くなっていく。この蛍光強度を光検出器によって検出することで、ターゲットDNAの所望の配列鎖がどの程度含まれていたかを解析する。一検体あたり複数部位のDNA/RNAを検出する場合は、それぞれの配列鎖に相補的な標識オリゴヌクレオチドを準備し、標識となる蛍光色素の材料、波長をそれぞれの標識オリゴヌクレオチド毎に異ならしめることで、光検出器において蛍光波長の差で、分離解析することが可能となる。
また、特許文献2には、遺伝子を定量解析する手法についての実現方法の一例が開示されている。特に乳化技術を使ったハイスループットアッセイの改善技術についての開示がなされている。乳化技術を使って、生化学反応用の独立した反応チャンバとして機能する液滴を作り出し、それらを用いて個々のサブコンポーネント(細胞や核酸、タンパク質など)を処理し、検査する手法である。
DNA/RNAなどからなる水滴を油中に懸濁させて、油の中に水が入っている状態の乳剤を作る。この乳剤を界面活性剤によって安定化させて、加熱、冷却や輸送中の、液滴の結合を減らすか、または無くすことができ、それによって、温度サイクリングを実施することができる。このため、PCRを利用した液滴中の核酸標的分子の単一コピー増幅は、乳剤を使用して実施している。これら液滴の内、ある標的に対して陽性である液滴をポアソン統計に基づいて解析して、試料中の標的の濃度を推定することができる。液滴によるアッセイでは、液滴中の標識として1種または複数種の蛍光体を用いて、増幅などの反応が起こったかどうかがわかる。液滴を生成し、反応させ、ついで各液滴からの放出光を測定することで液滴中に標的が存在するかどうかを判断しうる。区別可能な異なる蛍光体がそれぞれ異なる標的毎に対応させれば、複数の異なる標的が存在するかどうかを液滴毎に測定できる。このように複数の異なる標的を区別する場合、複数種の蛍光体、つまり波長の異なる蛍光を発する色素材料を用いて、その蛍光波長によって区別することが多い。特許文献2においては、2種類の蛍光色素を用いて、それぞれを区別して検出する方法が開示されている。第1の色素、第2の色素の各々に対応する検出構成(光源と検出器からなる)を設けて、液滴が流路の検出領域を通過するときに第1の色素に対応する検出構成と、第2の色素に対応する検出構成で交互に液滴を検出することによって実現している。
特許第2825976号公報 特表2013−524169号公報
しかしながら従来の構成では、DNA/RNAの塩基配列のうち、目標とする複数の塩基配列パターンを同時検出する場合、それぞれの塩基配列と結合する蛍光プローブの蛍光波長を変えることで、分離検出することが必要となる。この場合、蛍光を検出する検出器は、それぞれの蛍光色素に対応する光源と、それぞれの蛍光色素の蛍光波長に対応する検出器とが必要となる。そのため、同時検出するDNAの塩基配列パターンが増えるにしたがって、蛍光を検出する光学系が複雑となる課題を有している。
本開示は、同時検出するDNAの塩基配列パターンが増えた場合でも、蛍光を検出する光学系が複雑になることなく、小型、安価な構成のセンサチップを提供することを目的とする。
本開示に係るDNA検出方法は、
(a)DNA検出装置にセンサチップを設置し、
前記DNA検出装置は、
PCR処理部と、蛍光検出部と、DNA検出部とを備え、
前記センサチップは、
第1の流路と、第2の流路と、第3の流路と、第4の流路と、第5の流路と、第6の流路と、第7の流路と、第8の流路と、第9の流路とを備え、
前記第1の流路の一端および前記第2の流路の一端が、前記第3の流路の一端と接続され、
前記第3の流路の他端と前記第6の流路の一端とが接続され、
前記第4の流路および前記第5の流路は、前記第3の流路の一端と他端との間に接続され、
前記第6の流路の他端および前記第7の流路の一端が、前記第8の流路の一端と接続され、
前記第8の流路の他端は、前記PCR処理部と接続され、
前記PCR処理部は、前記第9の流路と接続され、
(b)前記第1の流路および第2の流路に、それぞれ、DNA水溶液およびDNA合成酵素水溶液を導入することにより、前記第3の流路に、前記DNA水溶液および前記DNA合成酵素水溶液の第1の混合水溶液を通過させ、前記DNA水溶液は、対象の1本鎖DNAを含み、
(c)前記第3の流路を前記第1の混合水溶液が流れているときに、前記第4の流路に、第1の流量で、第1の蛍光プローブ剤と第1のプライマとが混合された第1の蛍光プローブ水溶液を導入することにより、前記6の流路に、前記第1の混合水溶液および前記第1の蛍光プローブ水溶液の第2の混合水溶液を通過させ、前記第1の蛍光プローブ剤は、第1の一本鎖DNAと相補的に結合し、
(d)前記第7の流路に、第2の流量でオイル材料を導入することにより、第8の流路に、複数の第2の混合水溶液部および複数のオイル材料部を通過させ、前記前記複数の第2の混合水溶液部と前記複数のオイル材料部とは、前記8の流路に沿って、交互に並んでおり、
(e)前記第3の流路を前記第1の混合水溶液が流れているときに、前記第5の流路に、第3の流量で、第2の蛍光プローブ剤と第2のプライマとが混合された第2の蛍光プローブ水溶液を導入することにより、前記第6の流路に、前記第1の混合水溶液および前記第2の蛍光プローブ水溶液の第3の混合水溶液を流し、前記第2の蛍光プローブ剤は、前記第1の蛍光プローブ剤と異なり、かつ第2の一本鎖DNAと相補的に結合し、
(f)前記第7の流路に、第4の流量で前記オイル材料を導入することにより、前記8の流路に、複数の第3の混合水溶液部および複数のオイル材料部を通過させ、前記複数の第3の混合水溶液部と前記複数のオイル材料部とは、前記8の流路に沿って、交互に並んでおり、
(g)前記PCR処理部により、前記複数の第2の混合水溶液部および前記複数の第3の混合水溶液部をPCR処理し、前記第9の流路に通過させ、
(h)前記蛍光検出部により、前記第9の流路を流れる前記複数の第2の混合水溶液部および前記複数の第3の混合水溶液部のそれぞれから出力される蛍光の強度を検出し、
(i)前記DNA検出部により、前記透過光の強度と、前記第1の流量と、前記第2の流量と、第3の流量と、第4の流量とに基づいて、前記対象の一本鎖DNAは、前記第1の一本鎖DNA及び前記第2の一本鎖DNAから選択される少なくとも1つを含むか否かを検出する。
本開示に係るセンサチップを用いたDNA検出方法によれば、同時検出するDNAの塩基配列パターンが増えた場合でも、蛍光プローブに用いる蛍光色素を同一波長のものを使用することが可能となり、蛍光を検出する光学系が複雑になることなく、小型、安価な構成のセンサチップを用いたDNA検出方法を実施できる。
光導波手段の流路を流れてくる液滴の様子を示す概略図であり、および光導波手段の流路を流れてくる液滴について、PMTで検出される光信号の様子を示すグラフである。 実施の形態1に係るセンサチップ及びDNA検出装置の構成を示すブロック図である。 混合溶液生成手段の構成の一例を示す概略図である。 サンプル液滴を生成する一本の流路の構成の一例を示す概略図である。 DNA増幅手段の構成の一例を示す概略図である。 センサチップの光導波路手段の箇所とDNA検出装置210とを含む検出光学系の構成の一例を示す概略図である。 実施の形態1におけるオイル流量を変化させた場合の混合溶液とオイル材料の流量比と液滴容量の関係を示すグラフである。 実施の形態1におけるオイル材料流量/混合溶液流量の流量比を変えた場合に生成するサンプル液滴の容量の分布図である。 サンプル液滴を生成する一本の流路の構成の変形例を示す概略図である。 TaqManプローブを用いたPCRの各過程を示す概略図である。 TaqManプローブを用いたPCRの各過程を示す概略図である。 TaqManプローブを用いたPCRの各過程を示す概略図である。 実施の形態1における混合溶液の流量を変化させた場合の混合溶液とオイル材料の流量比と液滴容量の関係を示すグラフである。
初めに、遺伝子の検査方法に関して説明する。遺伝子とは生物の遺伝情報を担う主要因子であり、あらゆる生物においてDNA/RNA(核酸)を媒体として、その塩基配列に遺伝情報がコードされている。近年、遺伝子を診断する技術の向上により、遺伝子の多様性解析や発現解析の進展が目覚しい。特に、医療分野においては遺伝子情報と疾患の関係が注目されている。例えば、疾患に関連した個々の遺伝子情報(特定部位のDNA/RNAの塩基配列)を解析することで、患者個人毎に適切な治療や投薬を行うこと(テーラーメード医療)が可能になってきた。テーラーメード医療では、その場診断が最も望ましく、POCT(Point of Care Testing)性が高く、迅速、簡便な手法が求められる。そのため、血液など、採取した検体から解析対象の遺伝子のDNA/RNAを抽出、増幅し、その塩基配列の情報あるいはその量の検出を迅速、簡便に行えるデバイスの実現が強く求められている。
これらの要望に応える手段の一つとして、近年、μTAS(μ Total Analysis Systems)またはLoC(Lab on Chip)と呼ばれるデバイスが注目されている。μTASまたはLoCは、基板内にマイクロメートルオーダーの微細構造で構成されたマイクロ流路やポートを設け、その構造内で物質の混合、抽出、精製、化学反応および分析など各種の操作を行うデバイスで、一部は実用化もされている。このようなデバイスは各種の操作が微細構造内で行われるため、所謂専門の研究所、解析機関等で用いられる常用サイズの同種の装置に比べ、サンプルや試薬の使用量が著しく少なく、分析時間も短く、感度も高いなどの特長を有する。また小型のデバイス構成の実現も可能で、専門の研究所だけではなく、現場に携帯し、その場での解析も実現可能である。このような目的のために作製された、基板内にマイクロ流路およびポート等の微細構造を有し、各種機能が実装された構造物は総称してマイクロ流路チップ(センサチップ)またはマイクロ流体デバイスとも呼ばれる。
マイクロ流路チップを用いて短時間で検体中の遺伝子を解析するためには、チップ内に遺伝子のDNA/RNAの抽出、増幅、検出の機能が組み込まれることが望まれる。特に、より多くの情報を短時間で得るために、同一チップ内で一度に複数個の検体を検出することや、一検体あたり複数部位のDNA/RNAの塩基配列を増幅、検出すること(マルチプレックス増幅および検出)が求められる。また、用途によっては、所望の遺伝子の量も解析(定量解析)することが求められる。
以下、本開示の実施の形態に係るセンサチップ及びDNA検出装置について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るセンサチップ201及びDNA検出装置210について、図を参照しながら説明する。図2は、実施の形態1に係るセンサチップ201及びDNA検出装置210の構成を示すブロック図である。
<センサチップ>
センサチップ201について説明する。センサチップ201は、凹部が形成された表面を有する基板である。基板の材料の例はシリコンなどである。凹部が流路(溝)に相当する。例えば、流路は、数百マイクロメートルオーダーの幅および深さを有する。この流路によって、混合溶液生成手段202、サンプル液滴を生成する一本の流路203、DNA増幅手段204、および光導波手段205がつながれている。以下に、センサチップ201を構成する各構成要素について説明する。
<混合溶液生成手段>
図3は、混合溶液生成手段202の構成の一例を示す概略図である。図3に示す混合溶液生成手段202は、複数の流路で構成される。混合溶液生成手段202の流路と流路との結合部には、バルブ306、307が設けられている。
図3に示す混合溶液生成手段202は、第1の流路311と、第2の流路312と、第3の流路313と、第4の流路314と、第5の流路315と、第6の流路316とを有する。第1の流路311は、DNA合成酵素301が流れる。第2の流路312は、DNAが含まれたサンプル302が流れる。第3の流路313は、DNA合成酵素301とDNAが含まれたサンプル302とが混合されたDNA混合液が流れる。第4の流路314は、第1の蛍光プローブ303および第1のプライマ303が流れる。第5の流路315は、第2の蛍光プローブ304および第2のプライマ304が流れる。第6の流路316は、DNA混合液と第1の蛍光プローブ303および第1のプライマ303とが混合された混合液、または、DNA混合液と第2の蛍光プローブ304および第2のプライマ304とが混合された混合液が流れる。 第1の流路311、第2の流路312、第4の流路314、および第5の流路315は、それぞれ、DNA合成酵素301、DNAが含まれたサンプル302、第1の蛍光プローブ303および第1のプライマ303、第2の蛍光プローブ304および第2のプライマ304を導入するためのポンプを有していても良い。
図3に示すように2種類の材料を含む場合は、それぞれの液が混合しないように順次流路に供給される。図3において、第1の蛍光プローブ第1の蛍光プローブ303および第1のプライマ第1のプライマ303第1のプライマ303が流路に供給されているときは、第2の蛍光プローブ第2の蛍光プローブ第2の蛍光プローブ304および第2のプライマ第2のプライマが供給される流路のバルブ307を閉じることにより、第2の蛍光プローブ第2の蛍光プローブ304および第2のプライマ第2のプライマ304が混合させない。
また、第2の蛍光プローブ第2の蛍光プローブ304第2の蛍光プローブ304および第2のプライマ第2のプライマ304を流路に供給する場合は、バルブ306を閉じ、バルブ307を開くことで、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマが流路内に供給されない。このようにして、複数の種類の蛍光プローブとプライマとが用いられる場合は、その組み合わせの種類毎に流路が形成され、各流路と第3の流路とがバルブを介して接続される。各流路と第3の流路との間の各バルブのうち、いずれか1つのバルブのみが開けられるように制御することで、異なる種類の複数の種類の蛍光プローブとプライマとが混ざらないようにする。なお、図3のような構成を示したが、各液体を蛍光プローブやプライマの組み合わせの種類毎に別に混合させることができれば、その他の流路構成でも本開示の効果には何ら影響は与えない。例えば、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマ第1のプライマ303を供給する流路と、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマ第2のプライマ304を供給する流路とをDNAが含まれたサンプル302を流す流路について互いに対向して設けてもよい。
<サンプル液滴を生成する一本の流路>
図4は、サンプル液滴を生成する一本の流路の構成の一例を示す概略図である。一例として図4に示すように、混合溶液生成手段202によって生成された混合溶液403を流すための第6の流路401と、オイル材料404が流れるための第7の流路402がT型に結合して一本の第8の流路に合流する。混合溶液403とオイル材料404とはT型部分で合流し、それぞれが混じりあうことがないために、オイル材料404で小さくちぎられた混合溶液の小さな液滴405が一本の流路(第8の流路)内に形成される。混合溶液の単位時間当たりの流量と、オイル材料の単位時間当たりの流量が安定していれば、ほぼ同じ大きさの液滴が連続して形成される。第7の流路402には、オイル材料を導入するポンプが配置され得る。
例えば、第1の流路311、第2の流路312、第4の流路314、第5の流路315、および第7の流路402に位置されるポンプにより、各流路に単位時間当たりの所定流量が導入されることにより、所定の大きさの液滴が形成される。
ここでは、図4のようにT型に結合した流路を説明したが、形はこれに限らず、混合溶液の供給用流路の両側からオイル材料が合流する構成などは別の構成であってもよい。つまり、混合溶液とオイル材料とがぶつかることで混合溶液の液滴が形成されるものであれば、別の流路構成であっても、効果には影響しない。
<DNA増幅手段>
図5は、DNA増幅手段204の構成の一例を示す概略図である。DNA増幅手段204は、液滴が収められるチャンバ501を含む。チャンバ501の入口503はバルブ504で開閉され、チャンバ501の出口506はバルブ505で開閉される。液滴を導入される時は、入口503、および出口506とも開けられており、チャンバ501の内部が液滴で満たされた後、バルブ504及びバルブ505により入口503及び出口506を閉じる。チャンバ501内では、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)というDNA増幅処理が行われる。この処理をPCR処理とも表記する。DNA増幅手段204の一例は、チャンバ及びヒーターである。チャンバ501は第8の流路および第9の流路の間に位置する。DNA増幅手段204はPCR処理部とも表記される。
図10A〜Cは、TaqManプローブという蛍光プローブを用いたPCRの各過程を示す概略図である。
図10Aに示すように、DNAは、相補的に並んだ塩基配列の二本鎖の構造(1001、1002が結合した状態)を持つ。このDNAは、ある温度まで加熱すると、この二本鎖が外れ、一本鎖のDNA(1001、1002)となる。この一本鎖のDNAを含むサンプルに対して、例えば一本鎖DNA1001がターゲットとなるDNAであった場合、ターゲットDNA1001の配列鎖の第一の領域に相補的な配列をもつプライマ(1003)と、同じターゲットDNAの配列鎖の第二の領域に相補的な配列を含む蛍光プローブ(蛍光色素で標識したオリゴヌクレオチド、1005)を接触させて、ハイブリダイゼーションを生じさせる条件にすると、プライマ1003、蛍光プローブ1005がターゲットDNA1001と二本鎖複合体を形成する。また、ターゲットDNAではない一本鎖DNA1002にも対応するプライマ1004が結合する。しかしターゲットDNAではないため、蛍光プローブは結合しない。
図10Bに示すように、その後、5‘→3’ヌクレアーゼ活性となる条件にすると、DNA合成酵素が働き始め、一本鎖DNA1001および1002に結合したプライマ1003および1004を基準として、DNA伸長が始まる。
図10Cに示すように、DNA伸長が進むと、ターゲットDNA1001に結合した蛍光プローブ1005が遊離する。蛍光プローブ1005に含まれる蛍光色素1006と消光剤1007は、遊離前は近接した領域に存在するため蛍光色素が光ることは無いが、DNA伸長によって蛍光プローブが遊離して、蛍光色素1006と消光剤1007が離れるので、蛍光が発色する。
この一連のサイクルによってターゲットDNA一本に対して、一つの蛍光色素が発光する。また、DNA伸長によって一本鎖DNAはそれぞれ二本鎖DNAとなるため、DNAは2倍に増幅される。つまり、この過程を繰り返すことで、繰り返し回数に応じて、DNAの鎖の数は2の累乗倍だけ増幅され、また同様に蛍光色素の遊離も2の累乗倍生じる。この過程を繰り返すことで蛍光強度が強くなっていく。
プライマや蛍光プローブの種類によって条件は異なるが、二本鎖DNAを一本鎖DNAに分離するには、90度前後の温度、プライマや蛍光プローブをハイブリダイゼーションさせるには、60度前後の温度、ヌクレアーゼ活性となりDNA合成酵素が働き、DNA伸長させるには70度前後の温度にそれぞれ設定されることが多い。つまり、PCRによるDNAの増幅処理は、このように加熱と冷却を繰り返す温度サイクルによって行われる。DNA増幅手段204としては、高速にこの温度サイクルを繰り返す必要があるため、Si基板のように熱伝導率の良好な材料を基板として使用する場合では、例えばチャンバ領域を周囲のSi部材から切り離すなどの放熱抑制が必要である。実施の形態1においても、図5のSi基板に形成されたDNA増幅手段204のチャンバ501の周囲には、エッチング等の方法で隙間(ギャップ)507を設けてある。この構成によって、チャンバを加熱した熱が周囲に拡散することなく、非常に高速な温度サイクルが実現される。
<DNA検出装置>
次に、DNA検出装置210について説明する。DNA検出装置210は、サンプル液滴からの蛍光を検出する蛍光検出手段207と、検出した蛍光の連続時間に基づいてサンプル液滴に含まれる蛍光プローブ溶液の種類を判定し、蛍光のしきい値に対する大小関係に基づいて、検出対象となるDNAの有無を判定するDNA検出手段208と、を備える。なお、蛍光検出のための励起用光源206をさらに備えてもよい。図6は、センサチップの光導波路手段の箇所とDNA検出装置210とを含む検出光学系の構成の一例を示す概略図である。以下に、センサチップの光導波路手段の箇所とDNA検出装置210とを含む検出光学系の各構成要素について説明する。
<センサチップの光導波路手段>
センサチップは、Si基板601上に数百μmの長さの溝を形成し、その上からガラス板602を陽極接合などの方法で貼りあわせることで構成されている。溝はガラス板602を貼りあわせることで、液滴が流れる流路603となる。流路603内を、DNA増幅処理後の液滴604が一列になって連続的に、かつ決められた一定の速度で流れてくる。液滴604に対して蛍光色素を励起する光を照射し、また、それによって発光する蛍光を蛍光検出手段に取り出す必要があるが、この構成のチップにおいてはガラス面を通して、光の入出力を行う。この構成では、このガラス面から液滴が流れている流路までの光学的な経路が光導波手段に相当する。
<光源>
光源は、蛍光色素を効率的に励起するために色素の吸収スペクトルの最大吸収波長付近の波長のレーザ、もしくはLEDなどを用いる。特に光学系としてはできるだけ小型で高出力あることが好ましく、光源としては半導体レーザなどが好ましい。実施の形態1においては、波長490nmの半導体レーザ605を用いた。半導体レーザ605から出射するレーザ光はコリメータレンズ606によって平行光となり、ダイクロイックミラー607で反射される。
<蛍光検出手段>
ダイクロイックミラーは、波長によって反射、透過を選択することが可能なミラーで、実施の形態1では、例えば、カットオフ505nmのダイクロイックミラーを用いる。505nmより短い波長の光を反射し、波長505nmより長い波長の光は透過される。反射したレーザ光は対物レンズ608によって流路603中の液滴通過位置に集光される。ターゲットDNAが含まれた液滴は、液滴中に大量の蛍光色素が遊離した状態となっているため、このレーザ照射によって蛍光色素が励起され、蛍光を発光する。液滴604から発した蛍光のうち一部を対物レンズ608を通して蛍光検出器側に取り出す。
対物レンズ608は、蛍光を出来るだけ効率よく取り込む必要があるため、開口数(NA)の大きいレンズが好ましい。実施の形態1では、例えば、NA0.85の対物レンズを用いる。対物レンズ608と透過してきた蛍光はダイクロイックミラー607を透過する。その後、蛍光波長の光を透過する光学フィルタ609を通して、蛍光以外の光(例えば励起光の漏れこみ、その他の材料から発する蛍光など)を除去した後、レンズ610によって蛍光検出器に集光される。レンズ610によって集光するポイントに、ちょうど絞り込んだ光が透過するサイズのピンホール611を設置することによって、センサチップに絞り込んだレーザ光のうち、焦点以外の領域から反射してきた迷光成分をカットすることが可能となる。そしてピンホールを透過した蛍光のみが蛍光検出器612に入力される。
蛍光検出器612は、励起光の1万分の1〜10万分の1くらいの大きさとなる蛍光を高感度に、そして高速に検出する必要があるため、フォトマルチプライア(PMT)やアバランシェフォトダイオード(APD)、フォトダイオード(PD)などの高感度検出器が用いられる。特に感度も良く応答速度の速いPMTが好ましい。実施の形態1においては、例えば、電流出力型PMTを用いる。
<DNA検出手段>
DNA検出手段208は、検出した蛍光の連続時間が所定値である場合にサンプル液滴に含まれる蛍光プローブ溶液の種類を判定する。蛍光の連続時間とは、閾値以上の強度を有する蛍光を検出し続けた時間である。
より具体的には、DNA検出手段208は、透過光と、オイルの流量と、混合溶液の流量とに基づいて、DNA混合液に、検出対象のDNAが含まれているか否かを検出する。オイルの流量及び混合溶液の流量は、サンプル液滴が第9の流路を流れる時間に対応する。よって、DNA検出手段208は、混合溶液の流量と連続時間とが対応付けられた基準を参照して、検出した連続時間に対応する混合溶液の流量を特定する。特定された混合溶液に含まれる蛍光プローブ剤の検出対象のDNAが、サンプル液滴に含まれているか否かを検出する。DNA検出手段208は、例えば、CPU、メモリ、記憶装置、入出力部、表示部、インタフェース等を備えたコンピュータによって実現してもよい。
以上の各コンポーネントを含むセンサチップ及びDNA検出装置でDNA検出を行うことができる。実施の形態1では、2種類のターゲットDNAを検査するセンサチップを元に具体的な説明を行う。
2種類のターゲットDNAを検査するということは、ターゲットとなる塩基配列が2箇所あるということである。そのため、それぞれの塩基配列に対して相補的に結合する蛍光プローブを別々に準備する。蛍光プローブは、人工的に所望の塩基配列を構成することが可能である。それぞれの蛍光プローブには、その末端に蛍光色素と消光剤を修飾しておく。実施の形態1においては、2種類のターゲットDNAに対応する2種類の蛍光プローブを人工的に構成するが、修飾する蛍光色素は両者とも同じ蛍光色素を用いた。つまり蛍光プローブの塩基配列はそれぞれ異なるものの修飾されている蛍光色素はすべて同じである。実施の形態1では、蛍光色素として、励起波長495nm、蛍光波長520nmのフルオレセインと呼ばれる色素を用いた。ターゲットDNAのうちの一つに対応する蛍光プローブとプライマを第1の蛍光プローブと第1のプライマ、もう一つのターゲットDNAに対応する蛍光プローブとプライマを第2の蛍光プローブと第2のプライマと呼ぶことにする。
図3に示すように、混合溶液生成手段では、希釈したDNAサンプル302とDNA合成酵素301を流路中で混合させた後、バルブ306を開き、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを流路中で混ぜ合わせる。この間、バルブ307は閉めたままにしておき、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマが、DNAサンプルと混ざらないようにしておく。この状態で、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを含んだ混合溶液305は、次のサンプル液滴を生成する一本の流路に送られ、液滴が生成される。この際、各液体を送り出すポンプの流量を一定にして、送り出される混合溶液305の流量を一定にしておけば、サンプル液滴を生成する一本の流路で生成される液滴のサイズもほぼ同じ大きさで形成される。この状態で第1の蛍光プローブと第1のプライマを含む液滴を一定の大きさ(一定の容量)で生成した後、バルブ306を閉じ、次にバルブ307を開くことで、希釈したDNAサンプル、DNA合成酵素と、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを流路中で混合させ、第2の蛍光プローブと第2のプライマを含んだ混合溶液305を次のサンプル液滴を生成する一本の流路に送り出す。第1の蛍光プローブと第1のプライマを送り出す流量と、第2の蛍光プローブと第2のプライマを送り出す流量を変えておくことによって、この混合溶液生成手段から出力される混合溶液305の流量は、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマと、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマとで異なる。第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを送り出す流量と、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを送り出す流量とを異ならしめることは、例えば、それぞれを送り出すためのポンプの圧力を変化させることによって行ってもよいし、あるいは図3に示すように第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを送り出す流路の幅、深さ、断面積と、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを送り出す流路の幅、深さ、断面積を変えて、ポンプの圧力は同じであっても、送り出される流量が異なるようにしてもよい。
図7は、オイル流量を変化させた場合の混合溶液の流量とオイル材料の流量の比に対する液滴サイズの関係を示すグラフである。このグラフは、実験的に、オイル材料の流量を、50、75,100nL/minのそれぞれの流量に固定し、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマの供給ラインのみを有効にして、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを送液するポンプの流量を段階的に変化させていくことによって取得したものである。横軸は、オイル材料流量/混合溶液流量の流量比を表し、縦軸は、生成された液滴、各々おおよそ1000個の液滴の平均容量の平均値を表している。オイル材料と混合溶液との流量比が大きくなるにつれ、生成される液滴の容量は小さくなっていく。本結果から、実施の形態1におけるセンサチップでは、オイル流量50〜100nL/minの範囲において、容量0.1〜2.2nLまでの液滴生成を確認した。また、オイル流量、混合溶液流量と、その流量比を変化させることによって、範囲内の任意の容量の液滴が生成できることを確認した。
図8は、オイル材料流量/混合溶液流量の流量比を変えた場合に生成するサンプル液滴の容量の分布図である。図8では、上記と同様の方法で、オイル材料の流量を100nL/minに固定し、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマの供給ラインのみを有効にして、混合溶液の流量を75、100、125nL/minと変化させた場合の液滴の容量の分布を示した液滴容量と液滴個数との関係を示す分布図である。上記各条件で各々約5000個の液滴を順次生成した。混合溶液の流量75nL/min(流量比1.3)の条件では、液滴容量平均値0.3nL、最大容量0.33nL、最小0.26nL、バラツキ(標準偏差σとして、±3σを計算)は±0.03nLという結果であった。また、混合溶液の流量100nL/min(流量比1.0)の条件では、液滴容量平均値0.38nL、最大容量0.42nL、最小容量0.34nL、バラツキは±0.04nLという結果であった。また、混合溶液の流量125nL(流量比0.8)の条件では、液滴容量平均値0.48nL、最大容量0.52nL、最小容量0.42nL、バラツキは±0.05nLという結果であった。今回の結果では、もっとも小さい液滴群の容量平均値0.3nLと2番目に小さい液滴群の容量平均値0.38nLの容量比は1.26、2番目に小さい液滴群の容量平均値0.38nLと3番目に小さい液滴群の容量平均値0.48nLの容量比は1.26であった。このようにオイル材料と混合溶液の流量比を変化させて、各条件での液滴容量の平均値が、小さいものから順に25%以上ずつ大きく形成されれば、図8に示すようにそれぞれの液滴群の大きさ分布は明確に分離して分布することになり、その液滴群の大きさの違いによって、それぞれの条件毎で液滴群を識別できる。
<DNA検出方法>
次に、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマ、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを使用して、2種類のターゲットDNAを検出する方法について説明する。
<混合溶液生成工程>
混合溶液生成手段は、図3に示すとおり、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを供給する流路と、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを供給する流路が別々に設けられており、それぞれの流路の出口にはバルブが設けられ、それぞれを別々に供給できるようになっている。また、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを供給する流路と、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを供給する流路は、深さは両者とも30μmと同じ深さだが、幅は第1の蛍光プローブの流路は100μm、第2の蛍光プローブの流路は120μmと異なった設計としている。各蛍光プローブを送液するためのポンプの圧力は、同じ圧力のポンプを使用しており、混合溶液生成手段の出力における流量は、この蛍光プローブを供給する流路の幅の違いに応じて変化する。また、ここでは流路の幅を変えたが、深さを変えることによっても同じ効果が得られる。流路の断面積を変えられれば、実施の形態1における効果には影響を及ぼさない。
<サンプル液滴生成工程>
第一に、図3のバルブ306を開き、DNA合成酵素301とDNAサンプル302と第1の蛍光プローブおよび第1のプライマ第1のプライマ303を流路中で混合させ、生成した混合溶液305を次のサンプル液滴を生成する一本の流路へと送液する。このとき、混合溶液生成手段の出口での流量は、例えば、約100nL/minである。この混合溶液305は、図4に示すサンプル液滴を生成する一本の流路の入力流路401に送液される。図4のオイル材料402の供給流路でのオイル材料の流量は約100nL/minに設定した。このとき、サンプル液滴を生成する一本の流路のT型に結合した流路部分で、混合溶液とオイル材料が合流し、図4に示すようにオイル材料によって分離された混合溶液の液滴が順次生成される。混合溶液に含まれるDNAサンプルは大きく希釈されており、このとき生成される液滴中には、DNAが一分子以下の数だけ入るように調整されている。この条件では、生成される液滴の容量は、平均すると0.38nLであった。その後、この液滴は、次のDNA増幅手段へと送られる。
次に、図3のバルブ306を閉じ、バルブ307を開き、DNA合成酵素とDNAサンプルと第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを流路中で混合させ、生成した混合溶液を次のサンプル液滴を生成する一本の流路へと送液する。このとき、混合溶液生成手段の出口での流量は約125nL/minであった。これは、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを供給する流路の幅が、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを供給する流路の幅に対して、広く形成され、流路の断面積が大きくなっていることに起因する。この混合溶液は図4に示すサンプル液滴を生成する一本の流路の入力経路401に送液される。図4のオイル材料402の入力流路でのオイル材料の流量は、先ほどと同じ約100nL/minに設定した。このとき、サンプル液滴を生成する一本の流路にT型に結合した流路部分で、混合溶液とオイル材料が合流し、図4に示すようにオイル材料によって分離された混合溶液の液滴が順次生成される。混合溶液に含まれるDNAサンプルは大きく希釈されており、このとき生成される液滴中には、DNAが一分子以下の数だけ入るように調整されている。この条件では、生成される液滴の容量は、平均すると0.48nLであった。その後、この液滴は次のDNA増幅手段へと送られる。
<DNA増幅工程>
それぞれ順次生成された第1の蛍光プローブを含む液滴と、第2の蛍光プローブを含む液滴は図5に示すようなDNA増幅手段に送られ、DNA増幅チャンバ内に密集した形で満たされる。図5においては、DNAチャンバ内の液滴の数は少なく書かれているが、本実施の形態1においては、第1の蛍光プローブを含む液滴を約5000個、第2の蛍光プロープを含む液滴を約5000個ずつそれぞれ生成して、計約10000個の液滴がDNA増幅チャンバ内を満たしている。また、混合溶液内、あるいはオイル材料内には、界面活性剤が含まれており、このように液滴がチャンバ内で密集した状態においても、また、DNA増幅処理中の温度サイクルを実施しても、液滴同士が結合してしまうことは無い。所定の数の液滴が生成され、DNA増幅チャンバ内が液滴で満たされると、DNA増幅手段の入口、出口のバルブを両者とも閉じ、DNA増幅処理を行う。
DNA増幅処理は、図10で説明した蛍光プローブとプライマを用いた処理を行った。実施の形態1では蛍光プローブとプライマは各ターゲットDNAに対応する2種類の材料を使用している。しかし、各蛍光プローブに用いた蛍光色素は同じ材料を用いて作製されている。ここでは、先に説明したとおりフルオレセインという蛍光色素を用いた。DNA増幅処理は、二本鎖DNAを一本鎖DNAに分離する工程、蛍光プローブおよびプライマをハイブリダイゼーションする工程、そしてプライマを起点にしたDNA伸長を行う工程を、温度サイクルを繰り返すことによってなされる。本実施の形態1においては、DNA増幅手段に液滴が満たされた後、95℃の温度で約5分間チャンバ全体を加熱した後、95℃で10秒、65℃で10秒、75℃で10秒の温度変化を1サイクルとして、このサイクルを40回繰り返した。このDNA増幅処理工程によって、ターゲットDNAが含まれる液滴の中では、対応する蛍光プローブとプライマがターゲットDNAと反応して、DNAが増幅され、その増幅回数に応じて、液滴中に蛍光色素が遊離する。温度サイクルを40回繰り返すと、液滴中の1つのDNA分子が2の40乗個に増幅され、その増幅個数の分だけ蛍光色素も遊離する。ターゲットDNAが含まれていない液滴中では、ターゲットDNAが含まれないために、蛍光プローブが結合することもなく、当然、蛍光色素が遊離することもない。なお、ここで示した温度サイクル条件等は、蛍光プローブの種類や、プライマの種類によって最適な条件が異なるため、その材料に適した温度条件に設定することが好ましい。本実施の形態1においては、上記条件でのDNA増幅処理を行ったが、これと異なる温度条件であっても、ターゲットDNAが含まれる液滴中で、正常にDNA増幅が行われ、DNA増幅に応じて蛍光を発光する材料の機能が有効になりさえすれば、その他の方法であってもその効果には影響を及ぼさない。また、温度サイクルは40回と設定したが、後の蛍光検出時に十分な蛍光強度が得られる条件にさえなれば、必ずしも40回が必要ではない。蛍光プローブやプライマの材料によって最適な値は異なるため、充分な蛍光強度が得られるまでDNAが増幅されれば、他のサイクル回数であっても特に問題はない。
<光照射工程及び蛍光検出工程>
DNA増幅処理後の液滴は、次の光導波手段へと導かれる。本実施の形態1においては、Si基板に掘られた幅50μm、深さ30μmの溝の上から厚み500μmのガラス板を貼りあわせた構造の光導波手段を構成した。この流路中にDNA増幅手段でDNA増幅処理を受けた液滴が、一個ずつ一列になって送液される。このときの送液レートは、蛍光検出手段で流れてくる液滴の数をカウントする間、常に一定に保たれる。図6に示す光学系を用いて、液滴の数をカウントした。
レーザは、今回用いた蛍光色素フルオレセインを励起するために490nmの半導体レーザを用い、蛍光検出器として高感度で高速応答性を有する電流出力型のPMT(フォトマルチプライア)を用いた。また対物レンズはより多くの蛍光を効率よく取り込むため、NA(開口数)0.85の石英の対物レンズを用いた。
<DNA検出工程>
図1の(a)は、光導波手段の流路101を流れてくる液滴102、103の様子を示す概略図である。図1の(b)は、図1の(a)の光導波手段の流路101を流れてくる液滴102、103について、PMTで検出される光信号の様子を示すグラフである。図1の(a)に示すように、光導波手段の流路101の中を液滴102、103が一個ずつ順番に流れてくる。実施の形態1では、2種類の蛍光プローブを用いて、それぞれ異なる容量の液滴を生成するので、4つのパターンの液滴が流路中を流れてくる。それは、第1の蛍光プローブを含む平均容量0.38nLの小さな液滴で、蛍光色素が遊離した液滴と、蛍光色素が遊離していない液滴、そして、第2の蛍光プローブを含む平均容量0.48nLの大きな液滴で、蛍光色素が遊離した液滴と蛍光色素が遊離していない液滴の4種類である。
図6に示す光学系を使い、対物レンズ608でレーザ光をガラス板602を通して流路中の一点に絞り込む。本実施の形態1の光学系の構成では、焦点位置でのビーム直径は約0.7μmとなる。液滴は流路中を一定速度で流れてくるため、レーザ光は、流れてくる液滴一個一個に個別に照射され、その都度、PMTで信号を検出する。図1の(a)のように流路中を液滴が流れてきた場合には、図1の(b)のような信号がPMTで検出される。ターゲットDNAを含む液滴は、レーザ照射によって蛍光を発色するため、PMTで検出する信号の強度も強くなる。また、ターゲットDNAを含まない液滴は、蛍光を発することはないため、非常に弱い信号がPMTで検出される。蛍光を発しない液滴の検出信号を検出可能なレベルに信号検出しきい値105を設定し、そのしきい値を超えた部分の信号強度最大値と、しきい値を超えている時間(これを横断時間と呼ぶ)を取得する。
第1の蛍光プローブを含む液滴は、平均容量が0.38nLと小さいため、横断時間は短く、図1(b)におけるA(秒)となる。また、第2の蛍光プローブを含む液滴は、平均容量が0.48nLと大きいため、横断時間は、Aより長くなり、B(秒)となる。よって、2種類のターゲットDNAの区別を、同じ蛍光色素を用いながらも、横断時間の差によって判定することが可能となる。今回の流路構成と液滴の容量の場合では、液滴の容量差が横断時間の差にほぼ等しくなるため、横断時間Bの平均値は、横断時間Aの平均値より約25%長くなる。このように横断時間によって、第1の蛍光プローブが含まれる液滴か、第2の蛍光プローブが含まれる液滴かを区別した上で、それぞれの液滴の個数をカウントする。
また、第1の蛍光プローブが含まれる液滴の内、横断時間中の信号強度最大値が、しきい値105としきい値106の間にあるか、あるいはしきい値106より大きな値となるかで、液滴中にターゲットDNAが含まれているかどうかが判定される。また、第2の蛍光プローブが含まれる液滴についても同様の判定を行う。
その後、第1の蛍光プローブが含まれる液滴全数に対して、しきい値106より大きな値となる液滴の数の割合を調べることで、もともとのDNAサンプル中でのターゲットDNAの量が定量的に検出できる。第2の蛍光プローブが含まれる液滴に対しても同様の処理を行い、第2の蛍光プローブが含まれる液滴全数に対して、しきい値106より大きな値となる液滴の数の割合を調べることで、もともとのDNAサンプル中でのターゲットDNAの量が定量的に検出できる。なお、液滴中には必ずしもDNAが含まれているわけではなく、DNA1個もしくは0個といういずれかの条件のため、定量値を求めるためには、単純な割り算では求めることができない。よって、定量値は、ポワソン分布の考え方に従い統計的に解析してもよい。
このように実施の形態1においては、ターゲットDNAが2種類と複数となっても、同じ蛍光色素を用いて検出することが可能であり、液滴をカウントするための光学系は蛍光波長一波長にのみ対応すればよく、光学系の構成が非常に簡単となる。ターゲットDNAの数が、3個以上となった場合においても、それぞれに対応する液滴群の容量平均値を25%以上ずつ変えて設定しておけば、同様の効果が得られ、非常に簡易な光学系で複数ターゲットの定量検出が可能となる。
また、ここまでは、サンプル液滴を生成する一本の流路によって、オイル材料の流量を一定に、混合溶液の流量を変化させて蛍光プローブの種類ごとに液滴の大きさを変化させたが、逆に混合溶液の流量を一定にして、オイル材料の流量を変化させても液滴の大きさを変えることは可能である。
第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを含む混合溶液を供給する場合も、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを含む混合溶液を供給する場合も、混合溶液の流量は一定となるように流量を設定する。その上で、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを含む混合溶液が供給されているときのオイル材料の流量と、第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを含む混合溶液が供給されているときのオイル材料の流量とを異ならせる。これによって、蛍光プローブの種類毎に混合溶液とオイル材料との流量比を異ならせ、サンプル液滴を生成する一本の流路で生成される液滴の容量を異ならせる。図11は、混合溶液の流量を変化させた場合の混合溶液とオイル材料の流量比と液滴容量の関係を示すグラフである。図11に混合溶液の流量を50、75、100nL/minと固定した場合にオイル材料の流量を変化させたときの混合溶液とオイル材料の流量比と、生成される液滴の容量の関係を示す。テストした条件で液滴群の容量平均値で0.19nLから1.75nLまでの範囲で任意に液滴の容量を調整できることを確認した。オイル材料の流量を変化させることでも、蛍光プローブ毎の液滴群の容量平均値を25%以上ずつ変えて設定しておけば、異なる複数の蛍光プローブで同じ蛍光色素を使用した場合でも横断時間の差で液滴群を区別することが可能となる。
図9は、サンプル液滴を生成する一本の流路の構成の変形例を示す概略図である。サンプル液滴を生成する一本の流路において、オイル材料の供給流路を複数設け、それぞれの出口にバルブを設けて、個別に開閉できるようにしておく。例えば、第1の蛍光プローブおよび第1のプライマを含む混合溶液が流れている場合は、バルブ903、905、907をすべて開いて、混合溶液とオイル材料が合流する部分におけるオイル材料の流量を高く設定する。第2の蛍光プローブおよび第2のプライマを含む混合溶液が流れている場合は、バルブ907だけ閉じて、オイル材料の流量を小さくすれば、混合溶液とオイル材料の流量比を異ならしめることができ、生成される液滴の容量も変化させることができる。このようにしてオイル材料の流量を調整して流量比を変化させ、生成される液滴の容量を蛍光プローブの種類ごとに25%以上変化させれば効果が得られる。また、ここでは図9のような流路構成を用いたが、オイル材料の流量を所定の量だけ変化させることができれば、上記構成に限ることはない。
本開示に係るDNA検出装置は、血液など採取した検体から解析対象のDNAの量を定量的に解析するマイクロ流路デバイスであり、特に、複数の解析対象のDNAの量を同時に解析する場合に有用である。本開示によって、複数のDNAを同時に解析する場合でも、蛍光検出を行う光学系を非常に簡単な構成で実現することができるため、テーラーメード医療の現場で利用できる、迅速、簡便な装置として特に有用である。
101 流路
102 ターゲットDNAを含まないサンプル液滴
103 ターゲットDNAを含むサンプル液滴
104 蛍光検出信号
105 信号検出しきい値
106 第二のしきい値
201 センサチップ
202 混合溶液生成手段
203 一本の流路
204 DNA増幅手段
205 光導波手段
206 光源
207 蛍光検出手段
301 DNA合成酵素
302 DNAサンプル
303 第1の蛍光プローブと第1のプライマを含む溶液
304 第2の蛍光プローブと第2のプライマを含む溶液
305 混合溶液
306 バルブ
307 バルブ
401 混合溶液入力流路
402 オイル材料入力流路
403 混合溶液
404 オイル材料
405 サンプル液滴
501 DNA増幅チャンバ
502 サンプル液滴
503 入力流路
504 バルブ
505 バルブ
506 出力流路
507 DNA増幅チャンバと周辺部材を分けるギャップ
601 Si基板
602 ガラス板
603 流路
604 液滴
605 レーザ
606 コリメートレンズ
607 ダイクロイックミラー
608 対物レンズ
609 光学フィルタ
610 レンズ
611 ピンホール
612 PMT(フォトマルチプライア)
901 混合溶液
902 オイル材料
903 バルブ
904 オイル材料
905 バルブ
906 オイル材料
907 バルブ
908 サンプル液滴
1001 一本鎖DNA
1002 一本鎖DNA
1003 フォワードプライマ
1004 リバースプライマ
1005 プローブ
1006 蛍光色素
1007 消光剤

Claims (12)

  1. DNA検出方法であって、
    (a)DNA検出装置にセンサチップを設置し、
    前記DNA検出装置は、
    PCR処理部と、蛍光検出部と、DNA検出部とを備え、
    前記センサチップは、
    第1の流路と、第2の流路と、第3の流路と、第4の流路と、第5の流路と、第6の流路と、第7の流路と、第8の流路と、第9の流路とを備え、
    前記第1の流路の一端および前記第2の流路の一端が、前記第3の流路の一端と接続され、
    前記第3の流路の他端と前記第6の流路の一端とが接続され、
    前記第4の流路および前記第5の流路は、前記第3の流路の一端と他端との間に接続され、
    前記第6の流路の他端および前記第7の流路の一端が、前記第8の流路の一端と接続され、
    前記第8の流路の他端は、前記PCR処理部と接続され、
    前記PCR処理部は、前記第9の流路と接続され、
    (b)前記第1の流路および第2の流路に、それぞれ、DNA水溶液およびDNA合成酵素水溶液を導入することにより、前記第3の流路に、前記DNA水溶液および前記DNA合成酵素水溶液の第1の混合水溶液を通過させ、前記DNA水溶液は、対象の1本鎖DNAを含み、
    (c)前記第3の流路を前記第1の混合水溶液が流れているときに、前記第4の流路に、第1の流量で、第1の蛍光プローブ剤と第1のプライマとが混合された第1の蛍光プローブ水溶液を導入することにより、前記6の流路に、前記第1の混合水溶液および前記第1の蛍光プローブ水溶液の第2の混合水溶液を通過させ、前記第1の蛍光プローブ剤は、第1の一本鎖DNAと相補的に結合し、
    (d)前記第7の流路に、第2の流量でオイル材料を導入することにより、第8の流路に、複数の第2の混合水溶液部および複数のオイル材料部を通過させ、前記前記複数の第2の混合水溶液部と前記複数のオイル材料部とは、前記8の流路に沿って、交互に並んでおり、
    (e)前記第3の流路を前記第1の混合水溶液が流れているときに、前記第5の流路に、第3の流量で、第2の蛍光プローブ剤と第2のプライマとが混合された第2の蛍光プローブ水溶液を導入することにより、前記第6の流路に、前記第1の混合水溶液および前記第2の蛍光プローブ水溶液の第3の混合水溶液を流し、前記第2の蛍光プローブ剤は、前記第1の蛍光プローブ剤と異なり、かつ第2の一本鎖DNAと相補的に結合し、
    (f)前記第7の流路に、第4の流量で前記オイル材料を導入することにより、前記8の流路に、複数の第3の混合水溶液部および複数のオイル材料部を通過させ、前記複数の第3の混合水溶液部と前記複数のオイル材料部とは、前記8の流路に沿って、交互に並んでおり、
    (g)前記PCR処理部により、前記複数の第2の混合水溶液部および前記複数の第3の混合水溶液部をPCR処理し、前記第9の流路に通過させ、
    (h)前記蛍光検出部により、前記第9の流路を流れる前記複数の第2の混合水溶液部および前記複数の第3の混合水溶液部のそれぞれから出力される蛍光の強度を検出し、
    (i)前記DNA検出部により、前記透過光の強度と、前記第1の流量と、前記第2の流量と、第3の流量と、第4の流量とに基づいて、前記対象の一本鎖DNAは、前記第1の一本鎖DNA及び前記第2の一本鎖DNAから選択される少なくとも1つを含むか否かを検出する、
    DNA検出方法。
  2. 前記(i)において、前記DNA検出部は、
    前記蛍光検出部で第1の閾値以上の光の強度を検出し続けた連続時間を取得し、
    前記連続時間の長さに、前記第1の流量及び第2の流量に対応する時間、または前記第3の流量および第4の流量に対応する時間があるか否かにより、前記DNA溶液に含まれる前記対象の一本鎖DNAは、前記第1の一本鎖DNA又は前記第2の一本鎖DNAを含むか否かを検出する、
    請求項1に記載のDNA検出方法。
  3. 前記DNA検出部は、
    前記連続時間が前記第1の流量及び第2の流量に対応する時間であった場合、前記対象の一本鎖DNAに、前記第1のDNAが含まれていると検出し、
    前記連続時間が前記第3の流量及び第4の流量に対応する時間であった場合、前記対象の一本鎖DNAに、前記第2のDNAが含まれていると検出する、
    請求項2に記載のDNA検出方法。
  4. 前記第1の流量及び第2の流量に対応する時間は、前記第9の流路における前記複数の第2の混合水溶液部の流量に対応し、
    前記第3の流量及び第4の流量に対応する時間は、前記第9の流路における前記複数の第3の混合水溶液部の流量に対応し、
    請求項3に記載のDNA検出方法。
  5. 前記第2の流量と前記第4の流量とが同じであり、かつ、前記第1の流量が、前記第3の流量と異なることにより、前記第2の混合水溶液と前記第3の混合水溶液との流量比が、前記第1の蛍光プローブ水溶液と前記第2の蛍光プローブ水溶液との流量比に対応して異なる流量比である、
    請求項1に記載のDNA検出方法。
  6. 前記第4の流路の断面積と前記第5の流路の断面積とが異なることにより、前記第1の流量が前記第3の流量と異なる、請求項5に記載のDNA検出方法。
  7. 前記第2の流量と前記第4の流量とが異なる、請求項1に記載のDNA検出方法。
  8. 前記第1の蛍光プローブ水溶液および前記第2の蛍光プローブ水溶液に含まれる蛍光色素は、同一波長の蛍光を発色する蛍光色素である、請求項1に記載のDNA検出方法。
  9. 前記複数の第2の混合水溶液部の容量の平均値と、前記複数の第3の混合水溶液部の容量の平均値とが、25%以上異なる、請求項1に記載のDNA検出方法。
  10. センサチップの表面上の流路を流れる複数のDNA混合水溶液部から出力される蛍光に基づいて、DNAを検出するDNA検出装置であって、
    前記DNA混合水溶液は、DNA混合溶液と第1の蛍光プローブ水溶液又は第2の蛍光プローブ水溶液とが混合された水溶液であり、
    前記DNA混合溶液は、対象の1本鎖DNAを含むDNA溶液とDNA合成酵素とが混合された水溶液であり、
    前記第1の蛍光プローブ水溶液は、第1の1本鎖DNAと相補的に結合する蛍光プローブ剤とプライマとが混合された水溶液であり、
    前記第2の蛍光プローブ水溶液は、第2の1本鎖DNAと相補的に結合する蛍光プローブ剤とプライマとが混合された水溶液であり、
    前記流路を流れる複数のDNA混合水溶液部から出力される蛍光の強度を検出する蛍光検出部と、
    前記蛍光の連続時間に基づいて、複数のDNA混合水溶液部それぞれに含まれる蛍光プローブ水溶液の種類を判定し、前記蛍光のしきい値に対する大小関係に基づいて、前記対象の一本鎖DNAは、前記第1の一本鎖DNA及び前記第2の一本鎖DNAから選択される少なくとも1つを含むか否かを検出するDNA検出部と、
    を備える、DNA検出装置。
  11. 前記DNA検出部は、第1の閾値以上の強度を有する蛍光を検出し続けた連続時間を取得し、
    前記連続時間の長さに基づいて、前記対象の一本鎖DNAは、前記第1の一本鎖DNA及び前記第2の一本鎖DNAから選択される少なくとも1つを含むか否かを検出する、
    請求項10に記載のDNA検出装置。
  12. 前記蛍光プローブ水溶液の種類ごとに生成される前記複数のDNA混合水溶液部による前記蛍光の連続時間の平均値を、短い方からT(n)(秒)(n=1、2、・・・)とすると、
    T(n) × 1.25 ≦ T(n+1)
    の関係が成り立つ、請求項10に記載のDNA検出装置。
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