JP6090490B2 - 複数の核酸ターゲットの解析方法 - Google Patents
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Description
本開示は、核酸ターゲットを解析する方法に関する。
これを実現するための基本技術としては、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)と呼ばれる技術を用いて、DNAやRNAなどの核酸中の所望の核酸ターゲットを、検出に必要な量となるまで増幅させ、検出する方法が一般的である。また、その発展型としてqPCR(quantitative PCR)と呼ばれる定量解析技術が用いられることが一般的である。これら核酸ターゲットの定量解析技術がマイクロ流路チップ内の小型リアクタなどに導入される。
特許文献1には、遺伝子を定量解析するqPCRについての基本的な実現方法が開示されている。この特許文献1には、一本鎖のDNAからなるサンプルに対して、ターゲットDNAの配列鎖の第一の領域に相補的な配列をもつオリゴヌクレオチド(長さの短いDNA/RNAの配列)と、同じターゲットDNAの配列鎖の第二の領域に相補的な配列を含む標識オリゴヌクレオチドを接触させて、ハイブリダイゼーションを生じさせる条件で二本鎖複合体の混合物を形成して、5‘→3’ヌクレアーゼ活性によって、アニールした標識オリゴヌクレオチドを切断して標識断片を遊離させ、その遊離した標識断片を検出する方法が開示されている。標識オリゴヌクレオチドの標識断片として、蛍光色素と消光剤を用いれば、標識断片が遊離した際に初めて蛍光が発光するため、上記プロセスを繰り返すことで、蛍光強度が強くなっていく。一般的には、ハイブリダイゼーションを生じさせる条件や、ヌクレアーゼ活性を生じさせる条件などは、一定の温度条件に検体をさらすことによって実現される。つまり、上記プロセスを繰り返すということは、検体に対して、所定の温度の上げ下げ(温度サイクル)を繰り返すということである。この蛍光強度の強さを光検出器によって検出し、上記プロセスの繰り返し回数(温度サイクルの回数)と蛍光強度の強さの関係を調べることで、ターゲットDNAの所望の配列鎖がどの程度含まれていたかを解析することが可能となる。一検体あたり複数部位のターゲットを検出する場合は、それぞれの配列鎖に相補的な標識オリゴヌクレオチドを準備し、標識となる蛍光色素の材料、波長をそれぞれの標識オリゴヌクレオチド毎に異ならしめることで、光検出器において蛍光波長の差で、分離解析することが可能となる。
また、特許文献2には、遺伝子を定量解析する手法についての実現方法の一例が開示されている。特に乳化技術を使ったハイスループットアッセイの改善技術についての開示がなされている。乳化技術を使って、生化学反応用の独立した反応チャンバとして機能する液滴を作り出し、それらを用いて個々のサブコンポーネント(細胞や核酸、タンパク質など)を処理し、検査する手法である。
DNA/RNAなどからなる水滴を油中に懸濁させて、油の中に水が入っている状態の乳剤を作ることができる。この乳剤を界面活性剤によって安定化させて、加熱、冷却や、輸送中の液滴の結合を減らすか、または無くすことができ、それによって、PCR技術などで行われる温度サイクリングを実施することができる。このため、PCRを利用した液滴中の核酸標的分子の単一コピー増幅は、乳剤を使用して実施している。これら液滴の内、ある標的に対して陽性である液滴をポアソン統計に基づいて解析して、試料中の標的の濃度を推定することができる。液滴によるアッセイでは、液滴中の標識として1種または複数種の蛍光体を用いて、増幅などの反応が起こったかどうかがわかる。液滴を生成し、反応させ、ついで各液滴からの放出光を測定することで液滴中に標的が存在するかどうかを判断しうる。区別可能な異なる蛍光体を、それぞれ異なる標的毎に対応させれば、複数の異なる標的が存在するかどうかを液滴毎に測定できる。このように複数の異なる標的を区別する場合、複数種の蛍光体、つまり波長の異なる蛍光を発する色素材料を用いて、その蛍光波長によって区別する手法を用いることが一般的である。特許文献2においては、2種類の蛍光色素を用いて、それぞれを区別して検出する方法が開示されている。第1の色素、第2の色素の各々に対応する検出構成(光源と検出器からなる)を設けて、液滴が流路の検出領域を通過するときに第1の色素に対応する検出構成と、第2の色素に対応する検出構成で交互に液滴を検出することによって実現している。
しかしながら従来の構成では、DNA/RNAなどの核酸のうち、目標とする複数の核酸ターゲットを同時検出する場合、それぞれの核酸ターゲットの塩基配列と相補的な塩基配列を有するプライマ、プローブなどの反応薬液を準備し、プライマやプローブなどを修飾する蛍光色素を、それぞれの核酸ターゲット毎に変更することで、分離検出することが必要となる。また、それぞれの蛍光色素を励起するための光源や、それぞれの蛍光色素の蛍光波長を検出するための光学系が必要となる。同時検出する核酸ターゲットの種類が増えるにしたがって、対応する蛍光色素の準備や、蛍光を検出する光学系が複雑になる課題を有している。
本開示は、同時検出する核酸ターゲットの種類が増えた場合でも、蛍光を検出する光学系が複雑になることなく、小型、安価な構成による複数の核酸ターゲットを解析する方法を提供することを目的とする。
本開示に係るマイクロ流路チップを用いて、第1の核酸ターゲットおよび第2の核酸ターゲットを検出する検出方法は、
(a)検出装置にマイクロ流路チップチップを設置し、
前記検出装置は、
PCR処理部と、PCRリアクタと、蛍光検出部と、検出回路とを備え、
前記マイクロ流路チップは、
第1の流路と、第2の流路と、第3の流路と、第4の流路と、第5の流路とを備え、
前記第4の流路に、前記第1の流路の一端と、前記第2の流路の一端と、前記第3の流路の一端とが接続され、
前記PCRリアクタは、前記第4の流路及び前記第5の流路の間に位置し、
(b)(i)前記第1の流路の他端から、第1の水溶液、第1のオイル、および第2の水溶液を、この順で供給し、(ii)前記第2の供給流路の他端から、サンプル水溶液が供給し、および(iii)前記第3の供給流路の他端から、第2のオイルを供給することにより、前記第4の流路に、前記第1の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第1の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第2の液滴と、前記第2の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第3の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第4の液滴とを、この順に通過させ、
ここで、前記第1の水溶液は、前記第1の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第1のDNAを有し、前記第1のDNAは第1の蛍光色素で修飾され、前記第2の水溶液は、前記第2の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第2のDNAを有し、前記第2のDNAは第2の蛍光色素で修飾され、
(c)前記第4の流路を通過して前記PCRリアクタに到達した前記第1の液滴から前記第4の液滴を、前記PCR処理部によりPCR処理し、前記第5の流路に前記PCR処理された前記第1の液滴から前記第4の液滴を通過させ、
(d)前記第1の液滴から第4の液滴が前記第5の流路を流れているときに、前記蛍光検出部により、前記第1の液滴から前記第4の液滴から出力される蛍光強度を検出し、
(e)前記蛍光強度に基づいて、前記第5の流路の流路を流れる前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得し、
(f)前記検出回路により、前記蛍光強度と、前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界とに基づいて、第1の閾値以上の蛍光強度を有する前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数を取得し、かつ、前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数に基づいて、前記サンプル水溶液に、前記第1の核酸ターゲット及び前記第2の核酸ターゲットからなる群から選択される少なくとも1つが含まれているか否かを検出する。
(a)検出装置にマイクロ流路チップチップを設置し、
前記検出装置は、
PCR処理部と、PCRリアクタと、蛍光検出部と、検出回路とを備え、
前記マイクロ流路チップは、
第1の流路と、第2の流路と、第3の流路と、第4の流路と、第5の流路とを備え、
前記第4の流路に、前記第1の流路の一端と、前記第2の流路の一端と、前記第3の流路の一端とが接続され、
前記PCRリアクタは、前記第4の流路及び前記第5の流路の間に位置し、
(b)(i)前記第1の流路の他端から、第1の水溶液、第1のオイル、および第2の水溶液を、この順で供給し、(ii)前記第2の供給流路の他端から、サンプル水溶液が供給し、および(iii)前記第3の供給流路の他端から、第2のオイルを供給することにより、前記第4の流路に、前記第1の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第1の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第2の液滴と、前記第2の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第3の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第4の液滴とを、この順に通過させ、
ここで、前記第1の水溶液は、前記第1の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第1のDNAを有し、前記第1のDNAは第1の蛍光色素で修飾され、前記第2の水溶液は、前記第2の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第2のDNAを有し、前記第2のDNAは第2の蛍光色素で修飾され、
(c)前記第4の流路を通過して前記PCRリアクタに到達した前記第1の液滴から前記第4の液滴を、前記PCR処理部によりPCR処理し、前記第5の流路に前記PCR処理された前記第1の液滴から前記第4の液滴を通過させ、
(d)前記第1の液滴から第4の液滴が前記第5の流路を流れているときに、前記蛍光検出部により、前記第1の液滴から前記第4の液滴から出力される蛍光強度を検出し、
(e)前記蛍光強度に基づいて、前記第5の流路の流路を流れる前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得し、
(f)前記検出回路により、前記蛍光強度と、前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界とに基づいて、第1の閾値以上の蛍光強度を有する前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数を取得し、かつ、前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数に基づいて、前記サンプル水溶液に、前記第1の核酸ターゲット及び前記第2の核酸ターゲットからなる群から選択される少なくとも1つが含まれているか否かを検出する。
本開示の複数の核酸ターゲットの解析方法によれば、同時検出する核酸ターゲットが増えた場合でも、マイクロ流路チップの流路構成を複雑にすることなく、また、核酸ターゲットと一対一に反応する反応薬液を修飾する蛍光色素を同一波長のものを使用することができるため、蛍光を検出する光導波手段が簡単な構成で実現できる。このことから、小型で安価な装置構成を提供することができる。
遺伝子の検索方法に関して説明する。遺伝子とは生物の遺伝情報を担う主要因子であり、あらゆる生物においてDNAやRNAなどの核酸を媒体として、その塩基配列にコードされている。近年、遺伝子を診断する技術の向上により、遺伝子の多様性解析や発現解析の進展が目覚しい。特に医療分野においては遺伝子情報と疾患の関係が注目されている。例えば、疾患に関連した個々の遺伝子情報(特定部位のDNAやRNAの塩基配列)を解析することで、患者個人毎に適切な治療や投薬を行うこと(テーラーメード医療)が可能になってきた。テーラーメード医療では、その場診断が最も望ましく、POCT(Point of Care Testing)性が高く、迅速、簡便な手法が求められる。そのため、血液など、採取した検体から解析対象の遺伝子を含むDNAやRNAなどの核酸を抽出、増幅し、その塩基配列の情報あるいはその量の検出を迅速、簡便に行えるデバイスの実現が強く求められている。ここでは、解析対象である核酸のことを、核酸ターゲットと呼ぶ。核酸ターゲットとしては、DNAやRNAの塩基配列の内の一部分も含まれるし、あるいは血液や体液に含まれるメッセンジャーRNA(mRNA)や、マイクロRNA(miRNA)などのような短い核酸の断片も含まれる。
これらの要望に応える手段の一つとして、近年、μTAS(μ Total Analysis Systems)またはLoC(Lab on Chip)と呼ばれるデバイスが注目されている。μTASまたはLoCは、基板内にマイクロメートルあるいはナノメートルオーダーの微細構造で構成されたマイクロ流路やポートを設け、その構造内で物質の混合、抽出、精製、化学反応および分析など各種の操作を行うデバイスで、一部は実用化もされている。このようなデバイスは各種の操作が微細構造内で行われるため、所謂専門の研究所、解析機関等で用いられる常用サイズの同種の装置に比べ、サンプルや試薬の使用量が著しく少なく、分析時間も短く、感度も高いなどの特長を有する。また小型のデバイス構成の実現も可能で、専門の研究所だけではなく、現場に携帯し、その場での解析も実現可能である。このような目的のために作製された、基板内にマイクロ流路およびポート等の微細構造を有し、各種機能が実装された構造物は総称してマイクロ流路チップまたはマイクロ流体デバイスとも呼ばれる。
マイクロ流路チップを用いて短時間で検体中の核酸ターゲットを解析するためには、チップ内に、検査対象である核酸ターゲットを含む核酸の抽出、増幅、検出の機能が組み込まれることが望まれる。特に、より多くの情報を短時間で得るために、同一チップ内で一度に複数個の検体を解析することや、あるいは一検体に含まれる複数の核酸ターゲットを増幅、検出すること(マルチプレックス増幅および検出)が求められる。また、用途によっては、検体に含まれる核酸ターゲットの量も解析(定量解析)することが求められる。
以下、本開示の実施の形態に係る核酸ターゲットを解析する方法及びマイクロ流路チップについて、添付図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1における複数の核酸ターゲットを解析するマイクロ流路チップについて、図を参照しながら説明する。図3Aは、実施の形態1に係るマイクロ流路チップの外観を示す斜視図であり、図3Bは、マイクロ流路チップの構成の一例を示す概略図である。マイクロ流路チップは、少なくとも、反応薬液と第1のオイルとが流れるための第1の供給流路と、核酸を含むサンプル溶液が流れるための第2の供給流路と、第2のオイルが流れるための第3の供給流路と、反応薬液を含む液滴群と反応薬液を含まない液滴群とが生成される流路合流部と、生成された液滴群が流れるための第4の流路と、液滴群における各液滴中に含まれ得る核酸を増幅する核酸増幅手段と、核酸増幅手段を通過した液滴群が流れるための第5の流路と、第5の流路中の液滴群の透過光又は反射光を外部に取出可能な光導波手段と、を備える。
流路合流部で、第1の供給流路と、第2の供給流路と、第3の供給流路とが合流することにより第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群とが生成される。
反応薬液ライブラリは、複数の反応薬液(例えば、第1の反応薬液、第2の反応薬液)を保持する流路を有する。例えば、流路において第1の反応薬液と第2の反応薬液との間はオイルが配置されており、反応薬液ライブラリは、第1の反応薬液と第2の反応薬液とは分離して保持する。
複数の反応薬液のそれぞれは、異なる核酸ターゲットと一対一で反応し、かつ蛍光色素で修飾されている。
なお、反応薬液ライブラリは、マイクロ流路チップには必ずしも備えていなくてもよい。必要に応じて反応薬液ライブラリから第1の供給流路に反応薬液と第1のオイルとを供給すればよい。
一本の流路中(第5の流路中)を、増幅された核酸を含む複数の液滴が生成された順番に通流する。また、第5の流路は、増幅された核酸を含む液滴に外部からの光が透過可能であって、液滴を透過した透過光又は前記液滴を透過後に反射した反射光を外部に取出可能な材料により規定される。
本開示の実施の形態1における複数の核酸ターゲットを解析するマイクロ流路チップについて、図を参照しながら説明する。図3Aは、実施の形態1に係るマイクロ流路チップの外観を示す斜視図であり、図3Bは、マイクロ流路チップの構成の一例を示す概略図である。マイクロ流路チップは、少なくとも、反応薬液と第1のオイルとが流れるための第1の供給流路と、核酸を含むサンプル溶液が流れるための第2の供給流路と、第2のオイルが流れるための第3の供給流路と、反応薬液を含む液滴群と反応薬液を含まない液滴群とが生成される流路合流部と、生成された液滴群が流れるための第4の流路と、液滴群における各液滴中に含まれ得る核酸を増幅する核酸増幅手段と、核酸増幅手段を通過した液滴群が流れるための第5の流路と、第5の流路中の液滴群の透過光又は反射光を外部に取出可能な光導波手段と、を備える。
流路合流部で、第1の供給流路と、第2の供給流路と、第3の供給流路とが合流することにより第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群とが生成される。
反応薬液ライブラリは、複数の反応薬液(例えば、第1の反応薬液、第2の反応薬液)を保持する流路を有する。例えば、流路において第1の反応薬液と第2の反応薬液との間はオイルが配置されており、反応薬液ライブラリは、第1の反応薬液と第2の反応薬液とは分離して保持する。
複数の反応薬液のそれぞれは、異なる核酸ターゲットと一対一で反応し、かつ蛍光色素で修飾されている。
なお、反応薬液ライブラリは、マイクロ流路チップには必ずしも備えていなくてもよい。必要に応じて反応薬液ライブラリから第1の供給流路に反応薬液と第1のオイルとを供給すればよい。
一本の流路中(第5の流路中)を、増幅された核酸を含む複数の液滴が生成された順番に通流する。また、第5の流路は、増幅された核酸を含む液滴に外部からの光が透過可能であって、液滴を透過した透過光又は前記液滴を透過後に反射した反射光を外部に取出可能な材料により規定される。
以下に、反応薬液ライブラリ及びマイクロ流路チップについて説明する。
<反応薬液ライブラリ>
図2は、反応薬液ライブラリの構成の一例を示す概略図である。異なる複数の核酸ターゲットを解析する場合、それぞれの核酸ターゲットの塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマやプローブ、あるいは核酸ターゲットの増幅を行うための酵素などを含む反応薬液を個別に準備することが必要になる。薬液タンク201は、内部に設けられた仕切りによって、排出口202に向かって細い一本の流路が続いているような形に構成されており、その流路中には、反応薬液203が保持されている。図に示すように、異なる核酸ターゲットと反応する異なる複数の反応薬液(図の網掛け部分)がお互いに混じり合わないように、それぞれの間にオイル(第1のオイル)204を封入して保持されている。また、排出口202とは別に空気孔205も設けられており、薬液保存時は空気孔205をふさいでおくが、実際に使用する時にこの空気孔205を開放することによって、薬液タンク201内の反応薬液やオイルが排出口202から順次マイクロ流路チップに供給される。この構成をとることによって、薬液タンク201の排出口202から、その先にあるマイクロ流路チップに順に複数の反応薬液を交じり合うことなく順番に供給することができる。つまり、複数の反応薬液を供給可能な反応薬液ライブラリが構成されている。
図2は、反応薬液ライブラリの構成の一例を示す概略図である。異なる複数の核酸ターゲットを解析する場合、それぞれの核酸ターゲットの塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマやプローブ、あるいは核酸ターゲットの増幅を行うための酵素などを含む反応薬液を個別に準備することが必要になる。薬液タンク201は、内部に設けられた仕切りによって、排出口202に向かって細い一本の流路が続いているような形に構成されており、その流路中には、反応薬液203が保持されている。図に示すように、異なる核酸ターゲットと反応する異なる複数の反応薬液(図の網掛け部分)がお互いに混じり合わないように、それぞれの間にオイル(第1のオイル)204を封入して保持されている。また、排出口202とは別に空気孔205も設けられており、薬液保存時は空気孔205をふさいでおくが、実際に使用する時にこの空気孔205を開放することによって、薬液タンク201内の反応薬液やオイルが排出口202から順次マイクロ流路チップに供給される。この構成をとることによって、薬液タンク201の排出口202から、その先にあるマイクロ流路チップに順に複数の反応薬液を交じり合うことなく順番に供給することができる。つまり、複数の反応薬液を供給可能な反応薬液ライブラリが構成されている。
この反応薬液ライブラリを用いることで、排出口202の先に繋がっているマイクロ流路チップ内に形成された流路に対して、反応薬液A、オイル、反応薬液B、オイル、反応薬液Cのように異なる複数の反応薬液とオイルとが交互に供給される。図2では、反応薬液の種類をAからJまでの10種類の場合について描いたが、本開示においては2種類以上の反応薬液であれば、その種類は何種類であってもよい。オイルを介して2種類以上の反応薬液を分離して保持する構成をとることで、反応薬液の種類が増減した場合においても同様に対応することが可能となる。また、ここでは薬液タンク201内に壁を設けて、細い一本の細い流路を形成したが、薬液タンク201の形状はこの形状に限らず、異なる複数の反応薬液とオイルが交互に保持され、かつ薬液タンクの排出口から、反応薬液とオイルが交互に供給されれば、この形でなくても効果には何ら影響を与えない。例えば、薬液タンク内に細い一本の管状のチューブを入れて、そのチューブ内に反応薬液とオイルを交互に封入する形であってもよい。
<マイクロ流路チップ>
図3A及び図3Bは、実施の形態1におけるマイクロ流路チップの概略を示す図である。図3Aは、マイクロ流路チップの流路の一部の断面を切り出した斜視図である。マイクロ流路チップは、Si基板301などの基材に、ガラス板302などを貼りあわせた構造からなっている。Si基板301などの基材は、表面をエッチングなどの技術によって所定の幅、深さに掘り込まれており、液体を流す流路となる溝が形成されている。Si基板301などの基材の溝が形成されている面にガラス板302などを貼りあわせることで、サンプルや反応薬液などが流れる流路303が形成される。このように作製された流路を用いて、血や体液などの核酸を含むサンプルを流したり、図2に示した薬液タンクから供給される反応薬液を流したりできるようになる。また、これら流路を結合したり分岐したりすることで、これら液体を混合したり分離したりすることができるようになっている。また、同様のプロセスで、様々な処理を行うリアクタなどの任意の形状を基材に形成することも可能である。マイクロ流路チップは、これらリアクタなどの要素やそれらを繋ぐ流路を形成して、ポンプやバルブを用いて、小さなチップ内で少量の液体を流しながら、自動的に様々な処理をすることが可能となっている。また、図3Aのように、Si基板などの基材に貼りあわせた板がガラス板などの光を透過する材料であった場合、ガラス板側からは、レーザやランプの光を流路に照射したり、あるいは流路中を流れる液体からの反射光や蛍光などの光信号を計測したりできるようになっている。ここでは、Si基板とガラス板を貼り合わせた構造を説明したが、両方ともガラス板などにして、両側から流路中を流れる反応薬液やサンプルに対して光を照射したり、光検出できるようにしても良い。少なくとも一方の板は、レーザやLEDなどの光や、あるいは流路中を流れる蛍光色素からの蛍光などを透過する材料であれば良い。
図3A及び図3Bは、実施の形態1におけるマイクロ流路チップの概略を示す図である。図3Aは、マイクロ流路チップの流路の一部の断面を切り出した斜視図である。マイクロ流路チップは、Si基板301などの基材に、ガラス板302などを貼りあわせた構造からなっている。Si基板301などの基材は、表面をエッチングなどの技術によって所定の幅、深さに掘り込まれており、液体を流す流路となる溝が形成されている。Si基板301などの基材の溝が形成されている面にガラス板302などを貼りあわせることで、サンプルや反応薬液などが流れる流路303が形成される。このように作製された流路を用いて、血や体液などの核酸を含むサンプルを流したり、図2に示した薬液タンクから供給される反応薬液を流したりできるようになる。また、これら流路を結合したり分岐したりすることで、これら液体を混合したり分離したりすることができるようになっている。また、同様のプロセスで、様々な処理を行うリアクタなどの任意の形状を基材に形成することも可能である。マイクロ流路チップは、これらリアクタなどの要素やそれらを繋ぐ流路を形成して、ポンプやバルブを用いて、小さなチップ内で少量の液体を流しながら、自動的に様々な処理をすることが可能となっている。また、図3Aのように、Si基板などの基材に貼りあわせた板がガラス板などの光を透過する材料であった場合、ガラス板側からは、レーザやランプの光を流路に照射したり、あるいは流路中を流れる液体からの反射光や蛍光などの光信号を計測したりできるようになっている。ここでは、Si基板とガラス板を貼り合わせた構造を説明したが、両方ともガラス板などにして、両側から流路中を流れる反応薬液やサンプルに対して光を照射したり、光検出できるようにしても良い。少なくとも一方の板は、レーザやLEDなどの光や、あるいは流路中を流れる蛍光色素からの蛍光などを透過する材料であれば良い。
実施の形態1におけるマイクロ流路チップ304は、図3Bに示すように、チップ304は、前処理手段305、流路合流部306、PCR用リアクタ307、光導波手段308を有する。各要素は液体が流れる流路303で繋がっている。マイクロ流路チップ304は、血液や体液などの検体を入力するための検体供給口309、薬液タンクを接続して反応薬液ライブラリを供給する反応薬液供給口310、液滴生成のためのオイルを供給するオイル供給口311を有する。詳細は後述する。
前処理手段305において、血液や体液などの検体から検査対象である核酸を含むサンプル溶液が準備される。前処理手段305は、後述する核酸増幅処理(PCR)を行うために、細胞などを破壊することにより、核酸を取り出す。または、前処理手段305は、検査するために必要な物質だけを後段に供給するためにフィルタリングする。前処理手段305では、後段でPCRできる形にサンプル溶液が精製されさえすれば、どのような処理が行われても、本開示の効果には何ら影響を与えない。前処理手段305で精製されたサンプル溶液は、次の流路合流部306に送液される。
流路合流部306では、薬液タンクから供給された反応薬液とオイルとを用いて液滴及び液滴群が生成される。なお、流路合流部306における液滴及び液滴群の生成については後述する。
流路合流部306で生成された液滴群は、次のPCR用リアクタ307に供給される。PCR用リアクタ307では、核酸ターゲットの核酸増幅処理(PCR)が行われる。そこで、所望の核酸ターゲットが含まれる液滴内でのみ、核酸の増幅が行われるため、核酸ターゲットが含まれる液滴内は、蛍光を発する状態となり、核酸ターゲットが含まれない液滴内は、蛍光を発しない状態となる。PCR後の液滴群は、次の光導波手段に送液される。PCR用リアクタの例は、チャンバ及びヒーターである。
光導波手段では、一本の流路(第5の流路)を流れてくる液滴に対して、光学的に検出を行うところである。例えば、流れてくる液滴の数を光学的に計数し、液滴や、液滴間のオイルの横断時間を計測し、あるいは液滴に対して蛍光を励起する光を照射し、液滴から発せられる蛍光の強度を検出する。
流路合流部306では、薬液タンクから供給された反応薬液とオイルとを用いて液滴及び液滴群が生成される。なお、流路合流部306における液滴及び液滴群の生成については後述する。
流路合流部306で生成された液滴群は、次のPCR用リアクタ307に供給される。PCR用リアクタ307では、核酸ターゲットの核酸増幅処理(PCR)が行われる。そこで、所望の核酸ターゲットが含まれる液滴内でのみ、核酸の増幅が行われるため、核酸ターゲットが含まれる液滴内は、蛍光を発する状態となり、核酸ターゲットが含まれない液滴内は、蛍光を発しない状態となる。PCR後の液滴群は、次の光導波手段に送液される。PCR用リアクタの例は、チャンバ及びヒーターである。
光導波手段では、一本の流路(第5の流路)を流れてくる液滴に対して、光学的に検出を行うところである。例えば、流れてくる液滴の数を光学的に計数し、液滴や、液滴間のオイルの横断時間を計測し、あるいは液滴に対して蛍光を励起する光を照射し、液滴から発せられる蛍光の強度を検出する。
図4A及び図4Bは、流路合流部306の構成の一例を示す概略図である。図4A及び図4Bに示すように、第1の供給流路401の一端と、第2の供給流路402の一端と、第3の供給流路403の一端とは、第4の流路の結合点404で接続される。流路合流部306とは、第1の供給流路401と、第2の供給流路402と、第3の供給流路403と、結合点404を含む第4の流路との総称を意味する。
第1の供給流路401には、複数の反応薬液405と、複数の反応薬液405の間に位置する第1のオイル406とが流れる。図4Aは、第1の供給流路401から結合点404に反応薬液405が流れてきた状態を示す図である。図4Bは、第1の供給流路401から結合点404に第1のオイル406が流れてきた状態を示す図である。
第1の供給流路401の他端は、図2に示す薬液タンクと繋がっている。薬液タンクに含まれる複数の反応薬液405と、複数の反応薬液405の間に位置する第1のオイル406とが第1の供給流路401の他端から供給される。具体的には、第1の反応薬液、第1のオイル406、第2の反応薬液の順に、第1の供給流路401に供給される。第1の反応薬液、及び第2の反応薬液は、複数の反応薬液405に含まれる。例えば、第1の供給流路401は、複数の反応薬液405を含む液体が供給するためのポンプを有しても良い。第1の供給流路401の他端は、反応薬液供給口310に相当する。
第2の供給流路402の他端から検査対象である核酸を含むサンプル溶液が供給される。例えば、第2の供給流路402は、サンプル溶液を供給するためのポンプを有しても良い。第2の供給流路402の他端は、検体供給口309に相当する。
第3の供給流路403の他端から第2のオイル408が供給される。例えば、第3の供給流路403は、第2のオイル408を供給するためのポンプを有していても良い。第3の供給流路403の他端は、オイル供給口311に相当する。
第4の流路の一端は、結合点411に相当する。第1の供給流路401、第2の供給流路402、第3の供給流路403からは、各液体が各々一定の流速で流れてきて、流路の結合点404で、各液体を合流(衝突)する。水系のサンプル溶液407および反応薬液405と、第1のオイル406および第2のオイル408とが流路の結合点404で合流すると、水系のサンプル溶液407および反応薬液405が、第1のオイル406および第2のオイル408で引きちぎられて、液滴409が生成される。液滴409の大きさは、流路の結合点404における水系の溶液(たとえばサンプル溶液407および反応薬液405)と、オイル406、408との流量比によって決定される。オイル406、408の流量に対して、水系の溶液405、407の流量の比率が大きくなればなるほど、生成される液滴409の大きさは大きくなる。
第1の供給流路401には、複数の反応薬液405と、複数の反応薬液405の間に位置する第1のオイル406とが流れる。図4Aは、第1の供給流路401から結合点404に反応薬液405が流れてきた状態を示す図である。図4Bは、第1の供給流路401から結合点404に第1のオイル406が流れてきた状態を示す図である。
第1の供給流路401の他端は、図2に示す薬液タンクと繋がっている。薬液タンクに含まれる複数の反応薬液405と、複数の反応薬液405の間に位置する第1のオイル406とが第1の供給流路401の他端から供給される。具体的には、第1の反応薬液、第1のオイル406、第2の反応薬液の順に、第1の供給流路401に供給される。第1の反応薬液、及び第2の反応薬液は、複数の反応薬液405に含まれる。例えば、第1の供給流路401は、複数の反応薬液405を含む液体が供給するためのポンプを有しても良い。第1の供給流路401の他端は、反応薬液供給口310に相当する。
第2の供給流路402の他端から検査対象である核酸を含むサンプル溶液が供給される。例えば、第2の供給流路402は、サンプル溶液を供給するためのポンプを有しても良い。第2の供給流路402の他端は、検体供給口309に相当する。
第3の供給流路403の他端から第2のオイル408が供給される。例えば、第3の供給流路403は、第2のオイル408を供給するためのポンプを有していても良い。第3の供給流路403の他端は、オイル供給口311に相当する。
第4の流路の一端は、結合点411に相当する。第1の供給流路401、第2の供給流路402、第3の供給流路403からは、各液体が各々一定の流速で流れてきて、流路の結合点404で、各液体を合流(衝突)する。水系のサンプル溶液407および反応薬液405と、第1のオイル406および第2のオイル408とが流路の結合点404で合流すると、水系のサンプル溶液407および反応薬液405が、第1のオイル406および第2のオイル408で引きちぎられて、液滴409が生成される。液滴409の大きさは、流路の結合点404における水系の溶液(たとえばサンプル溶液407および反応薬液405)と、オイル406、408との流量比によって決定される。オイル406、408の流量に対して、水系の溶液405、407の流量の比率が大きくなればなるほど、生成される液滴409の大きさは大きくなる。
第1の供給流路401からは、水系の反応薬液405と第1のオイル406が交互に流れてくる。流路の結合点404に、反応薬液405が到達した場合と、第1のオイル406が到達した場合で、液滴409の生成条件が異なる。図4Aは、流路の結合点404に反応薬液405が到達している場合の状態を示している。流路の結合点404では、第1の供給流路401から水系の反応薬液405が、第2の供給流路402からは水系のサンプル溶液407が、そして第3の供給流路403からは第2のオイル408がそれぞれ流れてきて合流する。この場合、水系のサンプル溶液407と反応薬液405の混合液を第2のオイル408が引きちぎることになり、図4Aに示すように、サンプル溶液407と反応薬液405とが混合した液滴409が、第2のオイル408を介して生成され、液滴群を構成される。
図4Bは、第1の供給流路401から、流路の結合点404に第1のオイル406が到達している場合の状態を示している。流路の結合点404では、第1の供給流路401から第1のオイル406が、第2の供給流路402からは水系のサンプル溶液407が、そして第3の供給流路403からは第2のオイル408がそれぞれ流れてきて合流する。この場合、水系のサンプル溶液407を、第1の供給流路401から流れてくる第1のオイル406と、第3の供給流路403から流れてくる第2のオイル408が引きちぎることになり、図4Bに示すように、サンプル溶液407だけで形成される液滴410が、第1のオイルと第2のオイルの混合液を介して生成され、液滴群が構成される。
第1の供給流路401、第2の供給流路402、および第3の供給流路403から、各液体が各々一定の流速を保ちながら流れてくるため、図4Aのように第1の供給流路401から反応薬液405が流路の結合点404に到達している状態では、図4Bに示す第1の供給流路401から第1のオイル406が流路の結合点404に到達している状態に比べ、液滴生成時のオイルの流量に対する水系の溶液の流量の比率が大きくなるため、生成される液滴の大きさが大きくなる。つまり、図2のような薬液タンク(反応薬液ライブラリ)を構成し、図4に示す流路合流部に各液体を各々一定の流速を保って流した場合、反応薬液を含む液滴群409と、反応薬液を含まない液滴群410が交互に生成され、かつ、反応薬液を含む液滴409の大きさは、反応薬液を含まない液滴410に比べ大きく生成される。
また、図4Aのように第1の供給流路401から反応薬液405が流路の結合点404に到達している状態では、図4Bに示す第1の供給流路401から第1のオイル406が流路の結合点404に到達している状態に比べ、オイルの流量に対する水系の溶液の流量の比率が大きくなるため、生成される液滴の大きさが大きくなるとともに、逆に液滴間のオイルの量は少なくなる。これは、流路の結合点404における液滴生成時の水系の溶液とオイルとの量のバランスによるものである。つまり、図4A条件で生成される反応薬液405を含む液滴群409では、図4Bの条件で生成される反応薬液405を含まない液滴群410に比べ、液滴間のオイルの量が少なくなる。つまりオイル部分の大きさが小さくなる。
これらは、流路の結合点404における、液滴生成時の水系の溶液の流量と、オイルの流量とのバランスによって決定され、図4A及びBのように第1の供給流路401、第2の供給流路402、第3の供給流路403を結合させてなる流路合流部において、第1の供給流路401から、反応薬液とオイルを交互に流す反応薬液ライブラリを構成すれば、各供給流路からの液体の流量を異なる設定としても、それぞれの供給流路から流れてくる液体の流速をそれぞれ一定にしておけば、必ず、反応薬液405を含む液滴409の大きさが、反応薬液405を含まない液滴410の大きさに対して大きくなる。また、反応薬液405を含む液滴409群内のオイルの大きさが、反応薬液405を含まない液滴410群内のオイルの大きさに対して小さくなる。
また、ここでは図4A及びBに示す流路構成について説明したが、流路の結合の仕方に関しては、この図に示した形に限らず、どのような結合の仕方でもかまわない。例えば第1の供給流路と、第2の供給流路と、第3の供給流路がそれぞれ90度ずつの角度を持って結合する、つまり十字状に結合するなどの形であってもかまわない。第1の供給流路と、第2の供給流路と、第3の供給流路から各液体が各々一定の流速を保って供給されさえすれば、結合の仕方が変わっても効果に影響を及ぼさない。
図5は、核酸ターゲットの増幅を行うPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)用リアクタの構成の一例を示す概略図である。PCRリアクタ内においても、流路合流部で生成された液滴群が、生成された順番を崩すことなく通流する必要がある。そのため、図5に示すようにPCRリアクタ内も一本の流路が続いた形状となっており、液滴が一個ずつ順番を変えることなく流れてくる。このPCR用リアクタ内では、PCRによる核酸増幅処理が行われる。
このPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)の一例として、図6A〜Cは、TaqManプローブという蛍光プローブを用いたPCRによる核酸増幅処理の各過程を示す図である。血液や体液などの検体は、図3Bに示した前処理手段であらかじめPCRによる核酸増幅処理を行えるように処理がなされる。例えば、細胞を壊したり、エクソソームのような血液や体液に含まれる小胞体を壊したり、あるいはその中からフィルタリングなどの技術によって高濃度の核酸を濃縮したり、などの処理が含まれる。PCRによる核酸増幅処理をするためには、それらの処理を行った後、ある程度の長さの塩基配列(少なくとも反応薬液中のプライマやプローブよりも充分長い塩基配列)をもつ二本鎖の構造にする必要があるため、例えば、miRNAのような20塩基対程度の非常に短い核酸断片を核酸ターゲットとすると、そのmiRNAを長い二本鎖のDNAに変換する逆転写とよばれる処理が必要になるが、前処理手段ではこのような処理も含まれる。この前処理工程の手法に関しては効果に影響を及ぼすものではなく、どのような手法がとられてもかまわない。
図6Aに示すように、PCRリアクタ内に到達した核酸は、相補的に並んだ塩基配列の二本鎖の構造(601、602が結合した状態)を持つ。この核酸をある温度まで加熱すると、この二本鎖が外れ、一本鎖の核酸(601、602)に分かれる。この一本鎖の核酸からなるサンプルに対して、例えば一本鎖核酸601が検出したい核酸ターゲットであった場合、核酸ターゲット601の配列鎖の第一の領域に相補的な配列をもつプライマ(603)と、同じ核酸ターゲットの配列鎖の第二の領域に相補的な配列を含む蛍光プローブ(蛍光色素で標識したオリゴヌクレオチド、605)を接触させて、ハイブリダイゼーションを生じさせる条件にすると、プライマ603、蛍光プローブ605が核酸ターゲット601と二本鎖複合体を形成する(図6A参照)。また、核酸ターゲットではない一本鎖DNA602にも対応するプライマ604が結合する。しかし、検出したい核酸ターゲットではないため、蛍光プローブ605は結合しない。
その後、5‘→3’ヌクレアーゼ活性となる条件にすると、核酸合成酵素が働き始め、一本鎖核酸601および602に結合したプライマ603および604を基点として、核酸の伸長が始まる(図6B参照)。
核酸の伸長が進むと、核酸ターゲット601に結合した蛍光プローブ605を遊離させる(図6C参照)。蛍光プローブ605に含まれる蛍光色素606と消光剤607は遊離前には近接した領域に存在するため蛍光色素が光ることは無いが、核酸の伸長によって蛍光プローブが遊離して、蛍光色素606と消光剤607が離れると、蛍光が発色できるようになる。この一連のサイクルによって核酸ターゲット一本に対して、一つの蛍光色素が遊離し、発光可能となる。また、核酸の伸長によって一本鎖核酸はそれぞれ二本鎖核酸となるため、核酸は2倍に増幅される。つまり、この過程を繰り返すことで、繰り返し回数に応じて、核酸の数は2の累乗倍だけ増幅され、また同様に蛍光色素の遊離も2の累乗倍生じる。検出対象である核酸ターゲットがサンプルに含まれていた場合、この過程を繰り返すことで発光可能な蛍光色素の量が増えていく。
その後、5‘→3’ヌクレアーゼ活性となる条件にすると、核酸合成酵素が働き始め、一本鎖核酸601および602に結合したプライマ603および604を基点として、核酸の伸長が始まる(図6B参照)。
核酸の伸長が進むと、核酸ターゲット601に結合した蛍光プローブ605を遊離させる(図6C参照)。蛍光プローブ605に含まれる蛍光色素606と消光剤607は遊離前には近接した領域に存在するため蛍光色素が光ることは無いが、核酸の伸長によって蛍光プローブが遊離して、蛍光色素606と消光剤607が離れると、蛍光が発色できるようになる。この一連のサイクルによって核酸ターゲット一本に対して、一つの蛍光色素が遊離し、発光可能となる。また、核酸の伸長によって一本鎖核酸はそれぞれ二本鎖核酸となるため、核酸は2倍に増幅される。つまり、この過程を繰り返すことで、繰り返し回数に応じて、核酸の数は2の累乗倍だけ増幅され、また同様に蛍光色素の遊離も2の累乗倍生じる。検出対象である核酸ターゲットがサンプルに含まれていた場合、この過程を繰り返すことで発光可能な蛍光色素の量が増えていく。
なお、プライマや蛍光プローブの種類によって条件は異なるが、二本鎖核酸を一本鎖核酸に分離するには、90℃前後の温度、プライマや蛍光プローブをハイブリダイゼーションさせるには、60℃前後の温度、ヌクレアーゼ活性となり核酸合成酵素が働き、核酸の伸長をさせるには70℃前後の温度に加熱することが多い。つまり、PCRによる核酸増幅処理は、このように90℃前後から60℃前後の間の温度で、加熱と冷却を繰り返す温度サイクルを行うことによって行われる。PCR用リアクタは、高速にこの温度サイクルを繰り返す必要があるため、実施の形態1のように、Si基板などの熱伝導率の良好な材料を基板として使用する場合では、例えば温度サイクルを行うべきリアクタの領域を周囲のSi部材から切り離すなどの断熱手段が有効である。実施の形態1においても、図5のSi基板に形成されたPCR用リアクタのリアクタ501の周囲には、エッチング等の方法で隙間(ギャップ)502を設けてある。この構成によって、リアクタを加熱した熱が周囲に拡散することなく、非常に高速な温度サイクルが実現されるようになっている。また、このリアクタ内の液滴全体に対してPCRによる核酸ターゲットの増幅処理を行うため、PCRリアクタ全体の温度を変化させることができるように、PCR用リアクタ全体をカバーするようにペルチェ素子などの温度制御デバイスを接触させてもよい。あるいは、ペルチェ素子に熱伝導率の高いCuやAlなどの金属プレートを接触させ、その金属プレートをPCRリアクタ全体に接触するように設けてもよい。
このPCR用リアクタには、前段の流路合流部で生成した液滴群が供給口503から生成された順番に流れてくる。PCRを行う際は、このリアクタ501内に液滴群をとどめておくため、例えばPCRリアクタの供給口503、および排出口504付近に設けたバルブなどを閉めておく。
また、反応薬液を含む液滴505内には、核酸を含むサンプル溶液とプライマやプローブ、酵素などの反応薬液が含まれている。PCR用リアクタ内にある液滴(505あるいは506)は、PCRの温度サイクルを行っても、形状が崩れることはない。つまり、それぞれの液滴内で個別にPCRによる核酸増幅処理が実施される。液滴内に検出対象である核酸ターゲットが含まれている場合は、その液滴内で核酸の増幅が行われ、遊離した蛍光色素の量が温度サイクルの回数に応じて増加する。つまり、蛍光を励起する波長の光を照射すれば、その液滴は蛍光発色する。また、液滴内に検出対象である核酸ターゲットが含まれていない場合は、PCRによる核酸増幅処理を行っても、蛍光色素が遊離することはなく、蛍光を励起する波長の光を照射しても、この液滴は蛍光発色しない。つまり、同じ種類の反応薬液を含む液滴群の全数に対して、蛍光発色する液滴の数の割合を計数すれば、元のサンプル内に検出対象である核酸ターゲットがどの程度の割合で含まれていたかを解析することができる。
ここでは図5に示す形状のPCRリアクタについて説明を行ったが、生成された液滴の順番が変わらず、液滴が一個ずつ順番に通流することができ、かつPCRリアクタ内全領域に対して、PCRの温度サイクルが実現できる構成であれば、図5に示す形状でなくても効果には何ら影響を与えない。
図7は、実施の形態1におけるマイクロ流路チップ700の光導波手段及び核酸ターゲット解析装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。
マイクロ流路チップ700の光導波手段は、Si基板701などの基材上に数百μmの溝を形成し、その上からガラス板702を陽極接合などの方法で貼りあわせることで構成されている。溝は、ガラス板702を貼りあわせることで、液滴が流れる流路703となる。その溝からなる流路703内を、PCR後の液滴704が一列になって連続的に、かつ決められた一定の速度で流れてくる。液滴704に対して蛍光色素を励起する光を照射し、また、それによって発光する蛍光を検出する必要がある。この構成のチップにおいてはガラス面を通して、光の入出力を行う。PCR用リアクタで増幅された液滴が流れる流路703を、第5の流路とも表記する。
光源は、蛍光色素を効率的に励起するために蛍光色素の吸収スペクトルの最大吸収波長付近の波長のレーザもしくはLEDなどを用いることが多い。特に光学系としてはできるだけ小型で高出力であることが好ましく、光源としては半導体レーザなどが好ましい。実施の形態1においては、例えば、波長650nmの半導体レーザ705を用いた。
マイクロ流路チップ700の光導波手段は、Si基板701などの基材上に数百μmの溝を形成し、その上からガラス板702を陽極接合などの方法で貼りあわせることで構成されている。溝は、ガラス板702を貼りあわせることで、液滴が流れる流路703となる。その溝からなる流路703内を、PCR後の液滴704が一列になって連続的に、かつ決められた一定の速度で流れてくる。液滴704に対して蛍光色素を励起する光を照射し、また、それによって発光する蛍光を検出する必要がある。この構成のチップにおいてはガラス面を通して、光の入出力を行う。PCR用リアクタで増幅された液滴が流れる流路703を、第5の流路とも表記する。
光源は、蛍光色素を効率的に励起するために蛍光色素の吸収スペクトルの最大吸収波長付近の波長のレーザもしくはLEDなどを用いることが多い。特に光学系としてはできるだけ小型で高出力であることが好ましく、光源としては半導体レーザなどが好ましい。実施の形態1においては、例えば、波長650nmの半導体レーザ705を用いた。
半導体レーザ705から出射するレーザ光はコリメータレンズ706によって平行光となり、ダイクロイックミラー707で反射される。ダイクロイックミラーは波長によって反射、透過を選択することが可能なミラーで、実施の形態1では、カットオフ660nmのダイクロイックミラーを用いた。660nmより短い波長の光を反射し、波長660nmより長い波長の光は透過される。
反射したレーザ光は対物レンズ708によって第5の流路703中の液滴通過位置に集光される。核酸ターゲットを含む液滴704は、PCRによって、液滴中に大量の蛍光色素が遊離した状態となっているため、このレーザ照射によって蛍光色素が励起され、蛍光を発光する。液滴704から発した蛍光のうちの一部を対物レンズ708を通して蛍光検出器側に取り出す。対物レンズ708は、蛍光を出来るだけ効率よく取り込む必要があるため、開口数(NA)の大きいレンズが好ましい。実施の形態1では、NA0.85の対物レンズを用いた。対物レンズ708を透過してきた蛍光はダイクロイックミラー707を透過する。その後、蛍光波長の光を透過する光学フィルタ709を通して、蛍光以外の光(例えば励起光の漏れこみ、その他の材料から発する自家蛍光など)の強度を抑制した後、レンズ710によって蛍光検出器に集光される。レンズによって集光するポイントに、ちょうど絞り込んだ光が透過するサイズのピンホール711を設置することによって、センサチップに絞り込んだレーザ光のうち、焦点以外の領域から反射してきた迷光成分をカットすることが可能となる。そしてピンホールを透過した蛍光のみが蛍光検出器712に入力される。
反射したレーザ光は対物レンズ708によって第5の流路703中の液滴通過位置に集光される。核酸ターゲットを含む液滴704は、PCRによって、液滴中に大量の蛍光色素が遊離した状態となっているため、このレーザ照射によって蛍光色素が励起され、蛍光を発光する。液滴704から発した蛍光のうちの一部を対物レンズ708を通して蛍光検出器側に取り出す。対物レンズ708は、蛍光を出来るだけ効率よく取り込む必要があるため、開口数(NA)の大きいレンズが好ましい。実施の形態1では、NA0.85の対物レンズを用いた。対物レンズ708を透過してきた蛍光はダイクロイックミラー707を透過する。その後、蛍光波長の光を透過する光学フィルタ709を通して、蛍光以外の光(例えば励起光の漏れこみ、その他の材料から発する自家蛍光など)の強度を抑制した後、レンズ710によって蛍光検出器に集光される。レンズによって集光するポイントに、ちょうど絞り込んだ光が透過するサイズのピンホール711を設置することによって、センサチップに絞り込んだレーザ光のうち、焦点以外の領域から反射してきた迷光成分をカットすることが可能となる。そしてピンホールを透過した蛍光のみが蛍光検出器712に入力される。
蛍光検出器は、一般的に励起光の1万分の1から10万分の1くらいの大きさとなる蛍光を高感度に、そして高速に検出する必要があるため、フォトマルチプライア(PMT)やアバランシェフォトダイオード(APD)、フォトダイオード(PD)などの高感度検出器が用いられる。特に感度も良く応答速度の速いPMTが好ましい。実施の形態1においては電流出力型のPMTを用いた。
境界検出部により、蛍光強度に基づいて、第5の流路の流路を流れる第1の液滴から第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得する。検出部は、蛍光強度と、第1の液滴から第4の液滴までのそれぞれの間の境界とに基づいて、第1の閾値以上の蛍光強度を有する第2の液滴及び第4の液滴の数を取得し、かつ、第2の液滴及び第4の液滴の数に基づいて、対象の核酸ターゲットに、第1の核酸ターゲット及び第2の核酸ターゲットからなる群から選択される少なくとも1つが含まれているか否かを検出する。
本開示において、境界検出部及び検出部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は一つ以上の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIやICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration) と呼ばれるかもしれない。 LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array (FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
本開示において、境界検出部及び検出部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は一つ以上の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIやICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration) と呼ばれるかもしれない。 LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array (FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
<複数の核酸ターゲットの解析方法>
以下に、異なる複数の反応薬液を含む液滴群を分離検出して、複数の核酸ターゲットの解析方法を説明する。
図4A及びBを用いて説明した通り、流路合流部において、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群が交互に生成されている。また、反応薬液を含む液滴の大きさは、反応薬液を含まない液滴に対して必ず大きく生成される。流路合流部で生成された液滴は、PCR用リアクタを通して、生成された順番を崩すことなく一本の細い流路を流れてきて、光導波手段の流路中の液滴通過位置を順番に通過していく。
図1の上段は、マイクロ流路チップの光導波手段の一本の流路中を通流する複数の液滴群を示す概略図であり、図1の下段は、図1の上段の複数の液滴群について計測される出力信号の一例を示す図である。つまり、図1の上段は、光導波手段の第5の流路中の液滴通過位置付近の液滴の状態を示している。図1の上段に示す通り、反応薬液を含む液滴群101あるいは102、反応薬液を含まない液滴群103あるいは104が交互に現れる。図1の上段では反応薬液を含まない液滴群103、反応薬液を含む液滴群101、反応薬液を含まない液滴群104、反応薬液を含む液滴群102が順に流れてくる様子を示している。この第5の流路中の一点を液滴通過位置と定め、その固定された位置に、蛍光励起光を対物レンズで絞り込んで照射すると、液滴とオイルの屈折率の違いにより液滴とオイルの境界部分で、対物レンズを通して取り込まれる蛍光波長付近の反射光の強度が変化する。つまり、蛍光励起光を対物レンズによって液滴のサイズと同等、好ましくは液滴のサイズよりも小さく絞り込んで、液滴通過位置に照射すると、液滴通過位置を液滴が通過するたびに、蛍光検出器(たとえばPMTの電流出力)では、図1の下段に示すような信号の強弱が現れる。また、液滴は一定の流速を保って流れてくるため、液滴の大きさによって、液滴通過位置を横切る時の横断時間が変わる。例えば蛍光検出器の出力レベルに閾値を設け、閾値110と信号が交差した位置の情報を取得すると、液滴一個一個の横断時間(112、113)を計測することができる。反応薬液を含む液滴は、反応薬液を含まない液滴に比べ、液滴の大きさは大きくなるので、横断時間も長くなる。つまり反応薬液を含む液滴が液滴通過位置を流れている間は、比較的長さの長いパルス状の信号パターン107、108が液滴の個数分続く。その後、反応薬液を含まない液滴が液滴通過位置を流れてくるので、長さの短いパルス状の信号パターン109が液滴の個数分続く。液滴の横断時間を計測しておけば、長さの長いパルス状信号と、長さの短いパルス状信号の境界を判定することができる。境界検出部により、これらの処理は行われる。つまり、境界検出部により、蛍光強度に基づいて、第5の流路の流路を流れる第1の液滴から第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得する。
以下に、異なる複数の反応薬液を含む液滴群を分離検出して、複数の核酸ターゲットの解析方法を説明する。
図4A及びBを用いて説明した通り、流路合流部において、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群が交互に生成されている。また、反応薬液を含む液滴の大きさは、反応薬液を含まない液滴に対して必ず大きく生成される。流路合流部で生成された液滴は、PCR用リアクタを通して、生成された順番を崩すことなく一本の細い流路を流れてきて、光導波手段の流路中の液滴通過位置を順番に通過していく。
図1の上段は、マイクロ流路チップの光導波手段の一本の流路中を通流する複数の液滴群を示す概略図であり、図1の下段は、図1の上段の複数の液滴群について計測される出力信号の一例を示す図である。つまり、図1の上段は、光導波手段の第5の流路中の液滴通過位置付近の液滴の状態を示している。図1の上段に示す通り、反応薬液を含む液滴群101あるいは102、反応薬液を含まない液滴群103あるいは104が交互に現れる。図1の上段では反応薬液を含まない液滴群103、反応薬液を含む液滴群101、反応薬液を含まない液滴群104、反応薬液を含む液滴群102が順に流れてくる様子を示している。この第5の流路中の一点を液滴通過位置と定め、その固定された位置に、蛍光励起光を対物レンズで絞り込んで照射すると、液滴とオイルの屈折率の違いにより液滴とオイルの境界部分で、対物レンズを通して取り込まれる蛍光波長付近の反射光の強度が変化する。つまり、蛍光励起光を対物レンズによって液滴のサイズと同等、好ましくは液滴のサイズよりも小さく絞り込んで、液滴通過位置に照射すると、液滴通過位置を液滴が通過するたびに、蛍光検出器(たとえばPMTの電流出力)では、図1の下段に示すような信号の強弱が現れる。また、液滴は一定の流速を保って流れてくるため、液滴の大きさによって、液滴通過位置を横切る時の横断時間が変わる。例えば蛍光検出器の出力レベルに閾値を設け、閾値110と信号が交差した位置の情報を取得すると、液滴一個一個の横断時間(112、113)を計測することができる。反応薬液を含む液滴は、反応薬液を含まない液滴に比べ、液滴の大きさは大きくなるので、横断時間も長くなる。つまり反応薬液を含む液滴が液滴通過位置を流れている間は、比較的長さの長いパルス状の信号パターン107、108が液滴の個数分続く。その後、反応薬液を含まない液滴が液滴通過位置を流れてくるので、長さの短いパルス状の信号パターン109が液滴の個数分続く。液滴の横断時間を計測しておけば、長さの長いパルス状信号と、長さの短いパルス状信号の境界を判定することができる。境界検出部により、これらの処理は行われる。つまり、境界検出部により、蛍光強度に基づいて、第5の流路の流路を流れる第1の液滴から第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得する。
また、反応薬液を含む液滴群の中には、検出対象である核酸ターゲットを含む液滴が含まれることがある。検出対象である核酸ターゲットを含む液滴はPCR用リアクタでの核酸増幅処理によって多数の蛍光色素が遊離した状態となっており、照射した蛍光励起光で蛍光色素が励起され、液滴から蛍光を発する。つまり液滴群の中で、核酸ターゲットを含まない液滴からは、弱い信号108しか検出できず、核酸ターゲットを含む液滴からは、より大きな信号107を検出する。この蛍光検出器の出力信号の強度を、ある閾値を超えるか超えないかで分離することで、同じ反応薬液を含む液滴群の全個数に対して、蛍光を発する液滴の数の割合を計算で求めることができる。図1の下段では、閾値111を超える信号が検出された場合、核酸ターゲットを含む、蛍光液滴であると判断している。つまり、閾値110を超えるものを計数すると全液滴数が、閾値111を超えるものを計数すると蛍光液滴、つまり核酸ターゲットが含まれる液滴の数が計測される。検出部により、これらの処理は行われる。つまり、検出部は、蛍光強度と、第1の液滴から第4の液滴までのそれぞれの間の境界とに基づいて、第1の閾値以上の蛍光強度を有する第2の液滴及び第4の液滴の数を取得し、かつ、第2の液滴及び第4の液滴の数に基づいて、対象の核酸ターゲットに、第1の核酸ターゲット及び第2の核酸ターゲットからなる群から選択される少なくとも1つが含まれているか否かを検出する。
図2で示した反応薬液ライブラリを使った場合について、光導波手段及び複数の核酸ターゲットの解析方法における処理の方法について説明する。
まず、大きさの大きい(横断時間の長い)反応薬液Aを含む液滴群が流れてくる。例えば、反応薬液Aを含む液滴が100個連続で流れてきたとする。光導波手段では、図1の下段のように液滴が通過するたびに蛍光検出器の出力信号は上下する。この上下する信号をある第1の閾値110でコンパレートして、第1の閾値110を横切る回数を計数することで液滴の数を把握することができる。液滴が100個流れてくるので、このパルス状の信号は100個連続で現れる。その後、大きさの小さい(横断時間の短い)反応薬液を含まない液滴群が流れてくる。この反応薬液を含まない液滴が50個連続で流れてきたとする。反応薬液Aを含んだ液滴群と反応薬液を含まない液滴群の境界部分では、蛍光検出器で検出されるパルス状の信号の長さ(横断時間)が変化するので、その信号の長さをモニタしておくことで、反応薬液Aを含む液滴群が100個目で終わることが判断できる。反応薬液Aを含む100個の液滴の内、いくつかは蛍光強度が強く検出される液滴が含まれ、その数が10個あったとする。その10個の液滴が液滴通過位置を通過すると、その他の液滴が流れてきたときの蛍光検出器の出力信号に比べ、非常に強い信号が検出される。これを第1の閾値110よりも強度が強い第2の閾値111でコンパレートすることで、蛍光強度が強く検出される液滴の数を検出することができる。つまり、この例の場合、反応薬液Aと一対一で反応する核酸ターゲットは、反応薬液Aを含む液滴の全数100個に対して、10個だけであるということが分かる。この全液滴数に対する蛍光液滴の数の割合から、もとのサンプル溶液に反応薬液Aと一対一で反応する核酸ターゲットがどの程度の割合で含まれていたかを計算できる。
まず、大きさの大きい(横断時間の長い)反応薬液Aを含む液滴群が流れてくる。例えば、反応薬液Aを含む液滴が100個連続で流れてきたとする。光導波手段では、図1の下段のように液滴が通過するたびに蛍光検出器の出力信号は上下する。この上下する信号をある第1の閾値110でコンパレートして、第1の閾値110を横切る回数を計数することで液滴の数を把握することができる。液滴が100個流れてくるので、このパルス状の信号は100個連続で現れる。その後、大きさの小さい(横断時間の短い)反応薬液を含まない液滴群が流れてくる。この反応薬液を含まない液滴が50個連続で流れてきたとする。反応薬液Aを含んだ液滴群と反応薬液を含まない液滴群の境界部分では、蛍光検出器で検出されるパルス状の信号の長さ(横断時間)が変化するので、その信号の長さをモニタしておくことで、反応薬液Aを含む液滴群が100個目で終わることが判断できる。反応薬液Aを含む100個の液滴の内、いくつかは蛍光強度が強く検出される液滴が含まれ、その数が10個あったとする。その10個の液滴が液滴通過位置を通過すると、その他の液滴が流れてきたときの蛍光検出器の出力信号に比べ、非常に強い信号が検出される。これを第1の閾値110よりも強度が強い第2の閾値111でコンパレートすることで、蛍光強度が強く検出される液滴の数を検出することができる。つまり、この例の場合、反応薬液Aと一対一で反応する核酸ターゲットは、反応薬液Aを含む液滴の全数100個に対して、10個だけであるということが分かる。この全液滴数に対する蛍光液滴の数の割合から、もとのサンプル溶液に反応薬液Aと一対一で反応する核酸ターゲットがどの程度の割合で含まれていたかを計算できる。
ただし、サンプル溶液は希釈され、液滴1個のなかに核酸分子が約1個入るように濃度調整を行うが、必ずしも液滴1個の中に核酸分子が1個ずつ入るとは限らない。例えば、ある液滴は核酸分子が入ってないかもしれないし、あるいは、ある液滴は核酸分子が2個入るかもしれない。しかし、これは確率統計的に処理することができ、ポワソン分布の考え方で推定することが可能となる。ポワソン分布の考え方を適応することで、全液滴数に対する蛍光液滴の割合から、液滴中に含まれる核酸分子数の平均値が求められる。全液滴数に対する蛍光液滴の割合をpとすると、液滴中に含まれる核酸分子数の平均値は、−ln(1−p)の数式で求めることができ、例えば先ほどの例では、全液滴数100個に対して、蛍光液滴数は10個であるため、全液滴数に対する蛍光液滴の割合は0.1となる。ポワソン分布の考え方から、一つの液滴中に含まれる核酸分子数の平均値は0.11となるので、全液滴100個分の容積のサンプル溶液中に核酸ターゲット分子が11個入っていたと推定することができる。このように同じ種類の反応薬液からなる液滴群を、他の反応薬液からなる液滴群と明確に区別して、液滴数と蛍光液滴数を計数することができれば、サンプル溶液に含まれる核酸ターゲットの量を定量的に解析することができる。
反応薬液を含まない液滴50個が流れてきた後、次は、反応薬液Bを含む大きさの大きい(横断時間の長い)液滴群が流れてくる。反応薬液を含まない液滴群と、反応薬液Bを含む液滴群の境界部分では、蛍光検出器で検出されるパルス状の信号の長さ(横断時間)が変化するので、その信号の長さをモニタしておくことで、反応薬液Bを含む液滴群の最初の液滴の位置が確認できる。反応薬液Bを含む液滴群でも、反応薬液Aを含む液滴群で行ったのと同じ方法で、反応薬液Bを含む液滴の全数と、第2の閾値を超える蛍光液滴の数を計数すれば、反応薬液Bと一対一で反応する核酸ターゲットが、もとのサンプル溶液にどの程度の割合で含まれていたかを計算できる。
以降は、上記の繰り返しになる。図2のように10種類の反応薬液(反応薬液AからJまで)が薬液タンクに保持されていた場合は、この反応薬液を含む液滴群と反応薬液を含まない液滴群の繰り返しが10回生じる。反応薬液を含む液滴群の最初と最後は、蛍光検出器で検出されるパルス状の信号の長さ(横断時間)の変化を確認すれば把握できるため、それぞれの反応薬液毎の液滴数に対する蛍光液滴の数を計数すれば、10種類の核酸ターゲットについて順番に解析することが可能になる。
この実施の形態1では、例えば、第1のオイルと、第2のオイルとは、同じ材料を用いている。第1のオイルと、第2のオイルと、は水系の溶液を明確に分離できさえすれば、必ずしも同じ材料でなくても問題は無いが、流路合流部で第1のオイルと第2のオイルを混合した場合、同じ材料で構成した方が、混合時の薬液の安定性や、液滴生成条件が変化することが無い。そこで、第1のオイルと、第2のオイルとは、同じ材料を用いることがより好ましい。
また、実施の形態1では、例えば、異なる複数の反応薬液に含まれる蛍光色素は同じ一つの蛍光色素を用いている。必ずしも蛍光色素は一つである必要は無いが、全ての反応薬液に対して同じ波長の蛍光を発する蛍光色素を用いた方が、光導波手段及び複数の核酸ターゲットの解析装置の光学系の構成が非常に簡単になるため、より効果が大きくなる。
また、図1の下段では、液滴の大きさの情報(液滴の横断時間)112、113によって反応薬液を含む液滴群101、102と、反応薬液を含まない液滴群103、104との境界を判定した。これに限られず、例えば、図8の上段及び下段のように、反応薬液を含む液滴群801、802内のオイルの横断時間812と、反応薬液を含まない液滴群803、804内のオイルの横断時間813を計測することによっても境界の判定が可能である。図8は、図1と同様、光導波手段で検出される信号のパターンと、異なる複数の反応薬液を含む液滴群を分離検出する方法を説明する図である。図4を用いて説明した通り、流路合流部において、反応薬液を含む液滴群801、802と、反応薬液を含まない液滴群803、804が交互に生成されている。また、反応薬液を含む液滴群801、802内のオイル部分の大きさは、反応薬液を含まない液滴群803、804内のオイル部分の大きさに対して必ず小さく生成される。流路合流部で生成された液滴は、PCR用リアクタを通して、生成された順番を崩すことなく一本の細い流路を流れてきて、光導波手段の流路中の液滴通過位置を順番に通過していく。図8の上段は、光導波手段の流路中の液滴通過位置付近の液滴の状態を示している。図8の上段に示す通り、反応薬液を含む液滴群801あるいは802、反応薬液を含まない液滴群803あるいは804が交互に現れる。図8の上段では反応薬液を含まない液滴群803、反応薬液を含む液滴群801、反応薬液を含まない液滴群804、反応薬液を含む液滴群802が順に流れてくる様子を示している。先ほどと同様、液滴群内のオイル部分の横断時間は、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群とで異なるため、その情報を元に、反応薬液を含む液滴群の最初と最後を把握することが出来る。その情報を元に反応薬液の種類毎に液滴群を分離して、同じ種類の反応薬液を含む液滴群の全数に対して、第2の閾値を超える蛍光液滴の数を計数することによって、もとのサンプル溶液に核酸ターゲットがどの程度の割合で含まれていたかを計算することが出来る。
(実施の形態2)
本開示の実施の形態2では、液滴を生成する流路合流部の構造だけが、実施の形態1と異なる。その他の構成については実施の形態1と同じため、説明を省略する。
図9Aは、実施の形態2における流路合流部の構成の一例を示す概略図であって、第1の供給流路から結合点904に反応薬液が流れてきた状態を示す図であり、図9Bは、第1の供給流路から結合点904に第1のオイルが流れてきた状態を示す図である。
図に示すとおり実施の形態2における液滴を生成する流路合流部は、図2に示した薬液タンクの排出口から繋がっており、複数の反応薬液と第1のオイルが交互に流れてくる第1の供給流路901と、血液や体液などの検体から、検査対象である核酸を含むサンプル溶液を作製する前処理手段から繋がっており、核酸を含むサンプル溶液が流れてくる第2の供給流路902とが結合点904で結合している。その結合流路と、第2のオイルが流れてくる第3の供給流路903とが結合点911で結合した形状となっている。第1の供給流路、第2の供給流路、第3の供給流路からは、各液体が各々一定の流速で流れてきて、流路の結合点904、および結合点911で各液体が合流する。水系のサンプル溶液907や反応薬液905と、オイル906、908が流路の結合点で合流すると、水系のサンプル溶液907や反応薬液905が、オイルで引きちぎられて液滴909が生成される。この液滴909の大きさは、流路の結合点における水系の溶液(たとえばサンプル溶液や反応薬液)と、オイルとの流量比によって決定される。オイルの流量に対して、水系の溶液の流量の比率が大きくなればなるほど、生成される液滴の大きさは大きくなる。
本開示の実施の形態2では、液滴を生成する流路合流部の構造だけが、実施の形態1と異なる。その他の構成については実施の形態1と同じため、説明を省略する。
図9Aは、実施の形態2における流路合流部の構成の一例を示す概略図であって、第1の供給流路から結合点904に反応薬液が流れてきた状態を示す図であり、図9Bは、第1の供給流路から結合点904に第1のオイルが流れてきた状態を示す図である。
図に示すとおり実施の形態2における液滴を生成する流路合流部は、図2に示した薬液タンクの排出口から繋がっており、複数の反応薬液と第1のオイルが交互に流れてくる第1の供給流路901と、血液や体液などの検体から、検査対象である核酸を含むサンプル溶液を作製する前処理手段から繋がっており、核酸を含むサンプル溶液が流れてくる第2の供給流路902とが結合点904で結合している。その結合流路と、第2のオイルが流れてくる第3の供給流路903とが結合点911で結合した形状となっている。第1の供給流路、第2の供給流路、第3の供給流路からは、各液体が各々一定の流速で流れてきて、流路の結合点904、および結合点911で各液体が合流する。水系のサンプル溶液907や反応薬液905と、オイル906、908が流路の結合点で合流すると、水系のサンプル溶液907や反応薬液905が、オイルで引きちぎられて液滴909が生成される。この液滴909の大きさは、流路の結合点における水系の溶液(たとえばサンプル溶液や反応薬液)と、オイルとの流量比によって決定される。オイルの流量に対して、水系の溶液の流量の比率が大きくなればなるほど、生成される液滴の大きさは大きくなる。
第1の供給流路901からは、水系の反応薬液905と第1のオイル906が交互に流れてくる。流路の結合点904に、反応薬液905が到達した場合と、第1のオイル906が到達した場合で、液滴の生成条件が異なる。図9Aは、流路の結合点904に反応薬液905が到達している場合の状態を示している。流路の結合点904では、第1の供給流路901から水系の反応薬液905が、第2の供給流路902からは水系のサンプル溶液907が流れてきて合流する。両者とも水系の溶液のため、両者が混じりあいながら、次の結合点911に向かって流れる。そして第3の供給流路903から流れてきた第2のオイル908と結合点911で合流する。結合点911では、反応薬液905とサンプル溶液907とが混じりあった混合溶液が第2のオイル908で引きちぎられて、図に示すように、サンプル溶液と反応薬液が混合した液滴群909が、第2のオイル908を介して生成される。
図9Bは、第1の供給流路901から、流路の結合点904に第1のオイル906が到達している場合の状態を示している。流路の結合点904では、第1の供給流路901から第1のオイル906が、第2の供給流路902からは水系のサンプル溶液907が流れてきて合流する。この場合、水系のサンプル溶液907が第1の供給流路901から流れてくる第1のオイル906によって引きちぎられて、図に示すようにサンプル溶液だけで構成される液滴群910が、第1のオイル906を介して生成される。その後、第3の供給流路903から流れてくる第2のオイル908と結合点911で合流するが、既に小さい液滴910となったサンプル溶液907は、第3の供給流路903から流れてくる第2のオイル908で引きちぎられること無く、液滴間の第1のオイルと、第2のオイルの混合オイルによって液滴間が広げられた状態で流れていく。図に示すようにサンプル溶液だけで構成される液滴群910が、第1のオイルと第2のオイルの混合液を介して生成される。
第1の供給流路901、第2の供給流路902、および第3の供給流路903から、各液体が各々一定の流速を保ちながら流れてくる。各供給流路から流れてくる各液体の流量設定は、一般的には次のような比率に設定されることが多い。後段の核酸増幅処理で、核酸ターゲットを増幅するためには、一般的には、核酸を含むサンプル溶液に対して多量の反応薬液(プライマやプローブ、酵素など)が必要であり、第1の供給流路901からは、第2の供給流路902に対して大きな流量設定がなされる。例えば、10倍から15倍程度に設定されることが考えられる。また、安定した液滴生成のために、第3の供給流路からは、結合点904で混合した混合溶液と同程度の流量の第2のオイルを供給する設定にすることが考えられる。すなわち、第2の供給流路902から流れてくるサンプル溶液907の単位時間当たりの流量を1とすると、第1の供給流路901からは流量15の反応薬液905あるいは第1のオイル906が、第3の供給流路903からは、流量16の第2のオイル908が流れてくる。このように一般的にはサンプル溶液に対して、反応薬液や第1のオイル、および第2のオイルの流量は大きく設定されることが想定される。図9Aのように第1の供給流路901から反応薬液905が流路の結合点904に到達しており、その混合溶液が結合点911に到達している状態では、混合溶液と、第2のオイルの流量比は、ほぼ1:1であり、図9Bに示す第1の供給流路901から第1のオイル906が流路の結合点904に到達している状態での流路の結合点904のサンプル溶液と第1のオイルの流量比が1:15であると考えると、液滴群909の方が、液滴群910に比べ、各液滴の大きさが大きくなる。つまり、図2のような薬液タンク(反応薬液ライブラリ)を構成し、図9に示す流路合流部に各液体を各々一定の流速を保って流した場合、反応薬液を含む液滴群909と、反応薬液を含まない液滴群910が交互に生成され、かつ、反応薬液を含む液滴の大きさは、反応薬液を含まない液滴に比べ大きく生成される。
また、図9Aの状態で生成される液滴群909内の液滴間のオイルの量は、図9Bの状態で生成される液滴群910内の液滴間のオイルの量に比べ少なくなる。つまりオイル部分の大きさが小さくなる。
これらは、流路の結合点904や結合点911における、液滴生成時の水系の溶液の流量と、オイルの流量とのバランスによって決定される。つまり、図9Aのように流路合流部を構成し、サンプル溶液に対する反応薬液や、第1のオイル、第2のオイルの流量が大きければ、各供給流路からの液体の流量を異なる設定としても、それぞれの供給流路から流れてくる液体の流速をそれぞれ一定にしていれば、必ず、反応薬液を含む液滴909の大きさが、反応薬液を含まない液滴910の大きさに対して大きくなる。一方、反応薬液を含む液滴909群内のオイルの大きさは、反応薬液を含まない液滴910群内のオイルの大きさに対して小さくなる。
これらは、流路の結合点904や結合点911における、液滴生成時の水系の溶液の流量と、オイルの流量とのバランスによって決定される。つまり、図9Aのように流路合流部を構成し、サンプル溶液に対する反応薬液や、第1のオイル、第2のオイルの流量が大きければ、各供給流路からの液体の流量を異なる設定としても、それぞれの供給流路から流れてくる液体の流速をそれぞれ一定にしていれば、必ず、反応薬液を含む液滴909の大きさが、反応薬液を含まない液滴910の大きさに対して大きくなる。一方、反応薬液を含む液滴909群内のオイルの大きさは、反応薬液を含まない液滴910群内のオイルの大きさに対して小さくなる。
本実施の形態2においても、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群が交互に流れ、かつ反応薬液を含む液滴の大きさが、反応薬液を含まない液滴の大きさに対して大きく、また反応薬液を含む液滴群内のオイルの大きさが、反応薬液を含まない液滴群内のオイルの大きさに対して小さくなるため、本実施の形態1で説明したことと同様の方法で、光導波手段を用いて、異なる種類の核酸ターゲットの定量解析が可能となる。
また、ここでは図9に示す流路構成について説明したが、流路の結合の仕方に関しては、この図に示した形に限らず、どのような結合の仕方でもかまわない。例えば第1の供給流路と、第2の供給流路が90度の角度を持って結合し、また第3の供給流路が90度の角度を持って結合する形であってもかまわない。第1の供給流路と、第2の供給流路と、第3の供給流路から各液体が各々一定の流速を保って供給されさえすれば、結合の仕方が変わっても効果に影響を及ぼさない。
また、ここでは図9に示す流路構成について説明したが、流路の結合の仕方に関しては、この図に示した形に限らず、どのような結合の仕方でもかまわない。例えば第1の供給流路と、第2の供給流路が90度の角度を持って結合し、また第3の供給流路が90度の角度を持って結合する形であってもかまわない。第1の供給流路と、第2の供給流路と、第3の供給流路から各液体が各々一定の流速を保って供給されさえすれば、結合の仕方が変わっても効果に影響を及ぼさない。
(実施例1)
実施例1では、図4に示す流路合流部を用いた具体例について説明する。薬液タンクには種類の異なる3種類の反応薬液A、B、Cをオイルを介して保持した。オイルは、Biorad社のオイルミックスを用いた。また、反応薬液は、Biorad社のマスターミックスをベースに、所望の核酸ターゲットにあったプライマおよび、蛍光標識プローブを人工的に作製して、混合させた。また、蛍光標識プローブはそれぞれの核酸ターゲットに合った所定の塩基配列を人工的に作製したものを混合させており、修飾した蛍光色素はいずれも同じCy5色素を用いて作製した。
実施例1では、図4に示す流路合流部を用いた具体例について説明する。薬液タンクには種類の異なる3種類の反応薬液A、B、Cをオイルを介して保持した。オイルは、Biorad社のオイルミックスを用いた。また、反応薬液は、Biorad社のマスターミックスをベースに、所望の核酸ターゲットにあったプライマおよび、蛍光標識プローブを人工的に作製して、混合させた。また、蛍光標識プローブはそれぞれの核酸ターゲットに合った所定の塩基配列を人工的に作製したものを混合させており、修飾した蛍光色素はいずれも同じCy5色素を用いて作製した。
マイクロ流路チップは、Si基板とパイレックス(登録商標)ガラスを陽極接合によって貼りあわせて構成されており、Si基板に掘り込んだ約30μm幅、20μm深さの流路が構成されている。検体供給口から、光導波手段に至るまで、同じ大きさの流路が繋がった構成となっている。検体供給口から血液を注入し、前処理手段において、バッファ溶液などからなる溶媒と混合した後、加熱処理を行うことによって細胞を破壊し、検査対象となる核酸を抽出している。抽出された核酸を含むサンプル溶液は、外部に設けられたポンプを用いて、流路合流部の第2の供給流路を通して、流路合流部に供給される。サンプル溶液は5nL/minの一定の流速で第2の供給流路から供給した。
薬液タンクの排出口は、マイクロ流路チップの反応薬液供給口に接続され、外部に設けられたポンプによって一定の流速で流路合流部の第1の供給流路を通して供給される。流速は、75nL/minに設定した。
マイクロ流路チップのオイル供給口からは、薬液タンク内に封入したオイルと同じオイル材料を外部に設けられたポンプを用いて供給した。流速は、75nL/minに設定した。
図4に示す構造の流路合流部に3つの供給流路から、それぞれの液体が供給され、流路の結合点において、順次液滴が生成された。
まず、反応薬液Aが流路の結合点に供給された。このとき、流路の結合点では、第1の供給流路から75nL/minの流速で反応薬液Aが、第2の供給流路からサンプル溶液が5nL/minの流速で、第3の供給流路からオイルが75nL/minの流速で流れてきており、それらが合流していた。このとき生成される液滴は、サンプル溶液と反応薬液Aの混合液からなり、約1000個の液滴群を生成した。流路中を流れる反応薬液Aを含む液滴の長さは約87±4μm、液滴間にあるオイル部分の長さは約23±1μmであった。反応薬液Aを含む液滴の容量を流路中の液滴の長さから計算すると52±2pLの大きさの液滴群が形成されていた。
まず、反応薬液Aが流路の結合点に供給された。このとき、流路の結合点では、第1の供給流路から75nL/minの流速で反応薬液Aが、第2の供給流路からサンプル溶液が5nL/minの流速で、第3の供給流路からオイルが75nL/minの流速で流れてきており、それらが合流していた。このとき生成される液滴は、サンプル溶液と反応薬液Aの混合液からなり、約1000個の液滴群を生成した。流路中を流れる反応薬液Aを含む液滴の長さは約87±4μm、液滴間にあるオイル部分の長さは約23±1μmであった。反応薬液Aを含む液滴の容量を流路中の液滴の長さから計算すると52±2pLの大きさの液滴群が形成されていた。
次に、第1の供給流路からオイルが流路の結合点に供給された。このとき流路の結合点では、第1の供給流路からオイルが75nL/minの流速で、第2の供給流路からサンプル溶液が5nL/minの流速で、第3の供給流路からオイルが75nL/minの流速で流れてきており、それらが合流していた。このとき生成される液滴は、サンプル溶液のみからなり、いずれの反応薬液も含まれなかった。このサンプル溶液からなる反応薬液を含まない液滴は、約100個生成された。流路中を流れる反応薬液を含まない液滴の長さは約30±2μm、液滴間にあるオイル部分の長さは約80±3μmであった。液滴の容量を流路中の液滴の長さから計算すると18±1pLの大きさの液滴群が形成されていた。
この後、同様に、第1の供給流路からは反応薬液B、オイル、反応薬液C、オイルの順に順次流路の結合点に75nL/minの流速で液体が供給された。反応薬液B、Cが流路の結合点に到達している場合は、反応薬液Aのときと同様に、約50pL程度の液滴群が形成され、オイルが流路の結合点に到達している場合は、約20pL程度の液滴群が形成された。
流路合流部で生成された液滴は、生成された順番に流路を流れていき、PCR用リアクタに供給された。本実施例1では、3mm×6mmの範囲に形成されたPCR用リアクタを用いた。PCR用リアクタ内は、図5に示すように30μm幅の流路が、20μmの間隔を隔てて折りたたまれるように配置されている。リアクタ内には約3mmの長さの流路が120本並んだような形状となっている。このPCR用リアクタは、3mm×3mmの面積のペルチェ素子を2個用いた温度制御デバイスをSi基板側から接触させ、加熱冷却を高速に行うことが出来る。このPCR用リアクタ内に、流路合流部で生成した液滴群が生成された順番に満たされる。液滴がPCR用リアクタ内を満たした時点で、PCR用リアクタの入口と出口に設けられたバルブを閉じ、PCRによる核酸増幅処理が行われる。ここでは、90℃5秒、57℃5秒、68℃5秒を1サイクルとして、40サイクルの核酸増幅処理を行った。このプロセスにより、所望の核酸ターゲットが含まれた液滴中でのみ、核酸増幅処理が進み、液滴中に蛍光色素が遊離される。所望の核酸ターゲットが含まれない液滴中では、蛍光色素の遊離は生じない。
その後、PCR用リアクタの入口、出口のバルブを開き、ポンプを用いて、液滴を生成した順番に次の光導波手段に送る。
本実施例1の光導波手段は、光源として波長650nmの半導体レーザ、蛍光検出器として電流出力型PMTを用いて構成した。PMTからの電流出力は、ADコンバータを用いてデジタル変換され、パソコンにデータを取り込んだ。取得したデータから、液滴の横断時間や、蛍光強度を解析し、液滴数の計数や、蛍光が発光している液滴の計数などを行い、核酸ターゲットの含有量を定量的に解析する。対物レンズは液滴通過位置にレーザ光が照射されるように固定されている。
光導波手段での液滴数を計数する際は、外部に設けられたポンプで、約400nL/minの流速で液滴を流した。これは毎秒100個の液滴を計数することができる流速である。
図10は、液滴通過位置を通過した液滴の横断時間の分布を示す分布図である。液滴の横断時間は、図1で説明した通り、取得した蛍光検出器の出力信号において、閾値レベル110を設定し、液滴が通過したときに信号が立上りながら閾値110を横切るタイミングと、立下りながら横切るタイミングの間の時間を計測することで得られる。図10に示す通り、横断時間は、3msec以下の集団と、7msec以上の集団に明確に分かれて検出されている。7msec以上の横断時間を持つ液滴は反応薬液を含む液滴であり、3msec以下の横断時間を持つ液滴は反応薬液を含まない液滴である。液滴は生成された順番を崩すことなく液滴通過位置を通過するため、横断時間の大きな変化点が、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群の境界部分であることが分かる。この横断時間の変化点をもとに、反応薬液Aを含む液滴群、反応薬液Bを含む液滴群、反応薬液Cを含む液滴群をそれぞれ分離して解析することが可能になり、それぞれの液滴群内での全液滴数に対する蛍光液滴の数の割合を解析することで元のサンプルに対して核酸ターゲットがどれくらい含まれていたかを判断できる。
また、図11は、液滴通過位置を通過した液滴間のオイル部分の横断時間を示す分布図である。オイルの横断時間は液滴の場合と逆に、図8に示す通り、閾値810を立下りながら横切るタイミングと、立上りながら横切るタイミングの間の時間を計測することで得られる。図11に示す通り、オイルの横断時間も6msec以上の集団と、3msec以下の集団に明確に分かれて分布している。オイルの横断時間によっても、反応薬液Aを含む液滴群、反応薬液Bを含む液滴群、反応薬液Cを含む液滴群を明確に分離して解析することが可能である。
また、各反応薬液毎の解析は次のようにして行われる。図10において計測開始から約50個付近に液滴横断時間の変化点が現れる。この変化点から次の変化点(計測開始から約1050個付近)までの液滴が、反応薬液Aが含まれた液滴群と判断できる。この間の約1000個の液滴の計測データに対して、図1に示した閾値110と、閾値111の2つの閾値レベルを用いて、液滴の計数を行う。閾値110を立ち上がりながら横切る回数を計数することで、反応薬液Aが含まれた全液滴数を得ることができる。その中で、閾値111を立ち上がりながら横切る回数を計数することで、蛍光を発する液滴、つまり検出対象である反応薬液Aと反応することができる核酸ターゲットを含む液滴の数を得ることができる。本実施例1では、反応薬液Aを含む液滴の総数は、1005個であり、そのうち蛍光を発する液滴の数は、54個であった。液滴数から割合を求めると、5.4%が核酸ターゲットを含む液滴であったことが分かる。しかし、1個の液滴中に1個の核酸ターゲットが含まれているかどうかは分からないため、ポワソン分布の考えを適応し、確率的に、1つの液滴に含まれる核酸ターゲットの個数を推定する。図12は、蛍光液滴の割合と液滴中の核酸ターゲットの平均個数の関係を示すグラフである。図12に示す通り、ポワソン分布の考えでは、全液滴数に対する蛍光液滴の割合から、1つの液滴に含まれる核酸ターゲットの数を想定できる。蛍光液滴の割合が5.4%の場合、1つの液滴に含まれる核酸ターゲットの数は0.056個と想定できる。反応薬液Aを含む全液滴数が1005個であるから、核酸ターゲットの数は、1005×0.056=55.8個であることが分かる。つまり1005個の液滴生成に使われたサンプル溶液の容量中に、反応薬液Aと反応する核酸ターゲットが55.8個入っていたことがわかる。
以上のようにして、反応薬液Bおよび反応薬液Cに対しても同様のプロセスを行うことによって、それぞれの反応薬液が反応する核酸ターゲットの量を測定することができる。
なお、ここでは反応薬液A、B、Cの3種類で実験したが、反応薬液を3種類より増やしていっても同様のプロセスを行うことでそれぞれを分離検出することができる。
以上のようにして、反応薬液Bおよび反応薬液Cに対しても同様のプロセスを行うことによって、それぞれの反応薬液が反応する核酸ターゲットの量を測定することができる。
なお、ここでは反応薬液A、B、Cの3種類で実験したが、反応薬液を3種類より増やしていっても同様のプロセスを行うことでそれぞれを分離検出することができる。
(実施例2)
本実施例2では、図9に示す流路合流部を用いた具体例について説明する。流路合流部以外は、実施例1で説明したものと同様の条件で測定を行った。実施例1と同様に、液滴の横断時間、および液滴間のオイル部分の横断時間を計測した。図13は、液滴の横断時間の分布を示す分布図である。図14は、液滴間のオイル部分の横断時間の分布を示す分布図である。図13、図14ともに横断時間の分布に明確な変化点が見られる。この変化点は、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群の境界であり、この横断時間の情報を得ることによって、反応薬液毎の液滴群を分離し検出できる。それぞれの反応薬液毎の核酸ターゲットの定量解析については実施例1と同様のプロセスによって行うことができる。
本実施例2では、図9に示す流路合流部を用いた具体例について説明する。流路合流部以外は、実施例1で説明したものと同様の条件で測定を行った。実施例1と同様に、液滴の横断時間、および液滴間のオイル部分の横断時間を計測した。図13は、液滴の横断時間の分布を示す分布図である。図14は、液滴間のオイル部分の横断時間の分布を示す分布図である。図13、図14ともに横断時間の分布に明確な変化点が見られる。この変化点は、反応薬液を含む液滴群と、反応薬液を含まない液滴群の境界であり、この横断時間の情報を得ることによって、反応薬液毎の液滴群を分離し検出できる。それぞれの反応薬液毎の核酸ターゲットの定量解析については実施例1と同様のプロセスによって行うことができる。
(各態様に係る方法)
第1の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、マイクロ流路チップを用いて、複数の核酸ターゲットを解析する方法であって、
前記マイクロ流路チップは、
蛍光色素で修飾され、かつ異なる核酸ターゲットと一対一で反応する第1の反応薬液及び第2の反応薬液と、第1のオイルとが流れるための第1の供給流路と、
核酸を含むサンプル溶液が流れるための第2の供給流路と、
第2のオイルが流れるための第3の供給流路と、
前記第1の供給流路の一端と、前記第2の供給流路の一端と、前記第3の供給流路の一端とが接続される結合部である一端を有する第4の流路と、
前記第4の流路の他端と接続され前記核酸を増幅する処理を行う核酸増幅手段と、
前記核酸増幅手段と接続され、前記核酸を増幅された液滴が流れる第5の流路と、
前記第5の流路を流れる液滴を透過した透過光又は前記液滴を透過後に反射した反射光を外部に取出可能な光導波手段とを備え、
前記第1の流路の他端から前記第1の反応薬液、前記第1のオイル、前記第2の反応薬液の順に供給され、前記第2の供給流路の他端から前記核酸を含むサンプル溶液が供給され、かつ、前記第3の供給流路の他端から前記第2のオイルが供給されることにより、前記第4の流路に、少なくとも、前記第1の反応薬液および前記サンプル溶液を含む第1の液滴、前記サンプル溶液の第2の液滴、前記第2の反応薬液および前記サンプル溶液を含む第3の液滴、前記サンプル溶液の第4の液滴とが順に供給され、
前記第4の流路を流れて前記核酸増幅手段に到達した前記第1の液滴から第4の液滴が、前記核酸増幅手段により増幅され、
前記核酸増幅手段により増幅された前記第1の液滴から第4の液滴が第5の流路を流れているときに、前記光導波手段により、前記液滴群内の液滴の大きさと、前記液滴の蛍光の強度とを検出し、
検出した前記液滴群内の液滴の大きさに基づいて、所定以上の大きさを有する前記反応薬液を含む第1の液滴及び第3の液滴を含む液滴群を識別し、
検出した前記液滴の蛍光の強度に基づいて、前記サンプル溶液は、前記反応薬液を含む第1の液滴及び第3の液滴のうち、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴に含まれる反応薬液に対応するターゲットであることを解析する。
第1の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、マイクロ流路チップを用いて、複数の核酸ターゲットを解析する方法であって、
前記マイクロ流路チップは、
蛍光色素で修飾され、かつ異なる核酸ターゲットと一対一で反応する第1の反応薬液及び第2の反応薬液と、第1のオイルとが流れるための第1の供給流路と、
核酸を含むサンプル溶液が流れるための第2の供給流路と、
第2のオイルが流れるための第3の供給流路と、
前記第1の供給流路の一端と、前記第2の供給流路の一端と、前記第3の供給流路の一端とが接続される結合部である一端を有する第4の流路と、
前記第4の流路の他端と接続され前記核酸を増幅する処理を行う核酸増幅手段と、
前記核酸増幅手段と接続され、前記核酸を増幅された液滴が流れる第5の流路と、
前記第5の流路を流れる液滴を透過した透過光又は前記液滴を透過後に反射した反射光を外部に取出可能な光導波手段とを備え、
前記第1の流路の他端から前記第1の反応薬液、前記第1のオイル、前記第2の反応薬液の順に供給され、前記第2の供給流路の他端から前記核酸を含むサンプル溶液が供給され、かつ、前記第3の供給流路の他端から前記第2のオイルが供給されることにより、前記第4の流路に、少なくとも、前記第1の反応薬液および前記サンプル溶液を含む第1の液滴、前記サンプル溶液の第2の液滴、前記第2の反応薬液および前記サンプル溶液を含む第3の液滴、前記サンプル溶液の第4の液滴とが順に供給され、
前記第4の流路を流れて前記核酸増幅手段に到達した前記第1の液滴から第4の液滴が、前記核酸増幅手段により増幅され、
前記核酸増幅手段により増幅された前記第1の液滴から第4の液滴が第5の流路を流れているときに、前記光導波手段により、前記液滴群内の液滴の大きさと、前記液滴の蛍光の強度とを検出し、
検出した前記液滴群内の液滴の大きさに基づいて、所定以上の大きさを有する前記反応薬液を含む第1の液滴及び第3の液滴を含む液滴群を識別し、
検出した前記液滴の蛍光の強度に基づいて、前記サンプル溶液は、前記反応薬液を含む第1の液滴及び第3の液滴のうち、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴に含まれる反応薬液に対応するターゲットであることを解析する。
第2の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、一本の流路で構成された薬液タンクに、蛍光色素で修飾され、かつ異なる核酸ターゲットと一対一で反応する複数の反応薬液が前記反応薬液の種類ごとに第1のオイルを介して分離、保持された反応薬液ライブラリから前記反応薬液と前記第1のオイルとを第1の供給流路に交互に供給し、核酸を含むサンプル溶液を第2の供給流路に供給し、第2のオイルを第3の供給流路に供給する供給工程と、
前記第1の供給流路と前記第2の供給流路と前記第3の供給流路とを一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する液滴生成工程と、
前記液滴を導入し、前記液滴中の核酸を増幅する核酸増幅工程と、
通流する液滴群からの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴の大きさと、前記液滴の蛍光の強度とを検出する蛍光検出工程と、
検出した前記液滴群内の液滴の大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴と、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴とを識別して、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群との境界を取得する境界検出工程と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数とを計数する計数工程と、
を含む。
前記第1の供給流路と前記第2の供給流路と前記第3の供給流路とを一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する液滴生成工程と、
前記液滴を導入し、前記液滴中の核酸を増幅する核酸増幅工程と、
通流する液滴群からの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴の大きさと、前記液滴の蛍光の強度とを検出する蛍光検出工程と、
検出した前記液滴群内の液滴の大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴と、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴とを識別して、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群との境界を取得する境界検出工程と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数とを計数する計数工程と、
を含む。
第3の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、一本の流路で構成された薬液タンクに、蛍光色素で修飾され、かつ異なる核酸ターゲットと一対一で反応する複数の反応薬液が前記反応薬液の種類ごとに第1のオイルを介して分離、保持された反応薬液ライブラリから前記反応薬液と前記第1のオイルとを第1の供給流路に交互に供給し、核酸を含むサンプル溶液を第2の供給流路に供給し、第2のオイルを第3の供給流路に供給する供給工程と、
前記第1の供給流路と前記第2の供給流路と前記第3の供給流路とを一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する液滴生成工程と、
前記液滴を導入し、前記液滴中の核酸を増幅する核酸増幅工程と、
通流する液滴群からの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴を区切るオイルの大きさ、並びに、前記液滴の蛍光の強度を検出する蛍光検出工程と、
検出した前記液滴群の液滴を区切るオイルの大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴を区切る前記第2のオイルと、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴を区切る前記第1のオイルと前記第2のオイルとの混合液とを識別し、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群の境界を取得する境界検出工程と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数を計数する計数工程と、
を含む。
前記第1の供給流路と前記第2の供給流路と前記第3の供給流路とを一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する液滴生成工程と、
前記液滴を導入し、前記液滴中の核酸を増幅する核酸増幅工程と、
通流する液滴群からの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴を区切るオイルの大きさ、並びに、前記液滴の蛍光の強度を検出する蛍光検出工程と、
検出した前記液滴群の液滴を区切るオイルの大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴を区切る前記第2のオイルと、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴を区切る前記第1のオイルと前記第2のオイルとの混合液とを識別し、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群の境界を取得する境界検出工程と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数を計数する計数工程と、
を含む。
第4の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、一本の流路で構成された薬液タンクに、蛍光色素で修飾され、かつ異なる核酸ターゲットと一対一で反応する複数の反応薬液が前記反応薬液の種類ごとに第1のオイルを介して分離、保持された反応薬液ライブラリから前記反応薬液と前記第1のオイルとを第1の供給流路に交互に供給し、核酸を含むサンプル溶液を第2の供給流路に供給し、第2のオイルを第3の供給流路に供給する供給工程と、
前記第1の供給流路と前記第2の供給流路とを合流させた後、さらに前記第3の供給流路を一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する液滴生成工程と、
前記液滴を導入し、前記液滴中の核酸を増幅する核酸増幅工程と、
通流する液滴群からの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴の大きさと、前記液滴の蛍光の強度とを検出する蛍光検出工程と、
検出した前記液滴群内の液滴の大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴と、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴とを識別して、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群との境界を取得する境界検出工程と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数とを計数する計数工程と、
を含む。
前記第1の供給流路と前記第2の供給流路とを合流させた後、さらに前記第3の供給流路を一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する液滴生成工程と、
前記液滴を導入し、前記液滴中の核酸を増幅する核酸増幅工程と、
通流する液滴群からの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴の大きさと、前記液滴の蛍光の強度とを検出する蛍光検出工程と、
検出した前記液滴群内の液滴の大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴と、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴とを識別して、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群との境界を取得する境界検出工程と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数とを計数する計数工程と、
を含む。
第5の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、上記第2又は第4の態様において、前記蛍光検出工程では、通流する前記液滴群内の液滴の通過時間によって前記液滴の大きさを検出してもよい。
第6の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、一本の流路で構成された薬液タンクに、蛍光色素で修飾され、かつ異なる核酸ターゲットと一対一で反応する複数の反応薬液が前記反応薬液の種類ごとに第1のオイルを介して分離、保持された反応薬液ライブラリから前記反応薬液と前記第1のオイルとを第1の供給流路に交互に供給し、核酸を含むサンプル溶液を第2の供給流路に供給し、第2のオイルを第3の供給流路に供給する供給工程と、
前記第1の供給流路と前記第2の供給流路とを合流させた後、さらに前記第3の供給流路を一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する液滴生成工程と、
前記液滴を導入し、前記液滴中の核酸を増幅する核酸増幅工程と、
通流する液滴群からの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴を区切るオイルの大きさ、並びに、前記液滴の蛍光の強度を検出する蛍光検出工程と、
検出した前記液滴群の液滴を区切るオイルの大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴を区切る前記第2のオイルと、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴を区切る前記第1のオイルと前記第2のオイルとの混合液とを識別し、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群の境界を取得する境界検出工程と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数を計数する計数工程と、
を含む。
前記第1の供給流路と前記第2の供給流路とを合流させた後、さらに前記第3の供給流路を一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する液滴生成工程と、
前記液滴を導入し、前記液滴中の核酸を増幅する核酸増幅工程と、
通流する液滴群からの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴を区切るオイルの大きさ、並びに、前記液滴の蛍光の強度を検出する蛍光検出工程と、
検出した前記液滴群の液滴を区切るオイルの大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴を区切る前記第2のオイルと、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴を区切る前記第1のオイルと前記第2のオイルとの混合液とを識別し、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群の境界を取得する境界検出工程と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数を計数する計数工程と、
を含む。
第7の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、上記第3又は第6の態様において、前記蛍光検出工程では、通流する前記液滴群内の液滴を区切るオイルの通過時間によって前記オイルの大きさを検出してもよい。
第8の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、上記第1から第7のいずれかの態様において、前記第1のオイルと、前記第2のオイルとは、同一材料で構成されていてもよい。
第9の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、上記第1から第8のいずれかの態様において、前記反応薬液ライブラリ内の前記蛍光色素は、単一種類の材料で構成されていてもよい。
第10の態様に係る複数の核酸ターゲットを解析する方法は、上記第1から第9のいずれかの態様において、さらに、前記一本の流路中を生成された順番に通流する前記増幅された核酸を含む液滴に光を照射する光照射工程を含んでもよい。
第11の態様に係るマイクロ流路チップは、一本の流路で構成された薬液タンクに、蛍光色素で修飾され、かつ異なる核酸ターゲットと一対一で反応する複数の反応薬液が前記反応薬液の種類ごとに第1のオイルを介して分離、保持された反応薬液ライブラリから前記反応薬液と前記第1のオイルとが交互に供給される第1の供給流路と、核酸を含むサンプル溶液が供給される第2の供給流路と、第2のオイルを供給する第3の供給流路とを、一本の流路に合流させて、前記第1の供給流路から供給される液体の種類に応じて、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群と、を生成する流路の合流部と、
前記液滴群を導入し、前記液滴群内の液滴中の核酸を増幅する核酸増幅手段と、
前記一本の流路中を生成された順番に通流する前記増幅された核酸を含む液滴に外部からの光が透過可能であって、前記液滴を透過した透過光又は前記液滴を透過後に反射した反射光を外部に取出可能な光導波手段と、
を備える。
前記液滴群を導入し、前記液滴群内の液滴中の核酸を増幅する核酸増幅手段と、
前記一本の流路中を生成された順番に通流する前記増幅された核酸を含む液滴に外部からの光が透過可能であって、前記液滴を透過した透過光又は前記液滴を透過後に反射した反射光を外部に取出可能な光導波手段と、
を備える。
第12の態様に係る核酸ターゲット解析装置は、核酸を含むサンプル溶液と、蛍光色素で修飾され且つ異なる核酸ターゲットと一対一で反応する反応薬液とからなる液滴からの蛍光を検出して、核酸ターゲットを検出する核酸ターゲット解析装置であって、
一本の流路内を通流する前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群とからの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴の大きさと、前記液滴の蛍光の強度とを検出する蛍光検出手段と、
検出した前記液滴群内の液滴の大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴と、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴とを識別して、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群との境界を取得する境界検出手段と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数とを計数する計数手段と、を備える。
一本の流路内を通流する前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群とからの蛍光を検出して、前記液滴群内の液滴の大きさと、前記液滴の蛍光の強度とを検出する蛍光検出手段と、
検出した前記液滴群内の液滴の大きさに基づいて、前記反応薬液を含む液滴群内の液滴と、前記反応薬液を含まない液滴群内の液滴とを識別して、前記反応薬液を含む液滴群と、前記反応薬液を含まない液滴群との境界を取得する境界検出手段と、
前記境界により分離検出された前記反応薬液を含む液滴群内の、全液滴数と、定められた閾値以上の強度の蛍光を発する液滴の数とを計数する計数手段と、を備える。
本開示に係る核酸ターゲットの解析方法は、血液など採取した検体から解析対象の核酸ターゲットの量を定量的に解析するマイクロ流路デバイスに活用できる。特に、複数の解析対象の核酸ターゲットの含有量を同時に解析する場合に有用である。本開示によって、複数の核酸ターゲットを同時に解析する場合でも、マイクロ流路デバイスの流路構成、および蛍光検出を行う光学検出系を非常に簡単な構成で実現することができるため、テーラーメード医療の現場で利用でき、迅速、簡便な診断装置として特に有用である。
101 反応薬液を含む液滴群
102 反応薬液を含む液滴群
103 反応薬液を含まない液滴群
104 反応薬液を含まない液滴群
105 核酸ターゲットを含み蛍光を発する液滴
106 蛍光を発しない液滴
107 蛍光を発する液滴からの光信号
108 蛍光を発しない液滴からの光信号
109 反応薬液を含まない液滴からの光信号
110 液滴数を計数するための閾値レベル
111 蛍光を発する液滴数を計数するための閾値レベル
112 反応薬液を含む液滴の横断時間
113 反応薬液を含まない液滴の横断時間
201 薬液タンク
202 薬液タンクの排出口
203 反応薬液
204 第1のオイル
205 空気孔
301 Si基板などの基材
302 ガラス板
303 流路
304 マイクロ流路チップ
305 前処理手段
306 流路合流部
307 PCR用リアクタ(核酸増幅手段)
308 光導波手段
309 検体供給口
310 反応薬液供給口
311 オイル供給口
401 第1の供給流路
402 第2の供給流路
403 第3の供給流路
404 流路の結合点(第4の流路の一端)
405 反応薬液
406 第1のオイル
407 サンプル溶液
408 第2のオイル
409 反応薬液を含む液滴
410 反応薬液を含まない液滴
501 PCR用リアクタ
502 ギャップ
503 供給口
504 排出口
505 反応薬液を含む液滴
506 反応薬液を含まない液滴
601 一本鎖核酸
602 一本鎖核酸
603 フォワードプライマ
604 リバースプライマ
605 プローブ
606 蛍光色素
607 消光剤
700 マイクロ流路チップ
701 Si基板などの基材
702 ガラス板
703 第5の流路
704 液滴
705 レーザ
706 コリメータ
707 ダイクロイックミラー
708 対物レンズ
709 光学フィルタ
710 レンズ
711 ピンホール
712 PMT
801 反応薬液を含む液滴群
802 反応薬液を含む液滴群
803 反応薬液を含まない液滴群
804 反応薬液を含まない液滴群
805 核酸ターゲットを含み蛍光を発する液滴
806 蛍光を発しない液滴
807 蛍光を発する液滴からの光信号
808 蛍光を発しない液滴からの光信号
809 反応薬液を含まない液滴からの光信号
810 液滴数を計数するための閾値レベル
811 蛍光を発する液滴数を計数するための閾値レベル
812 反応薬液を含む液滴の横断時間
813 反応薬液を含まない液滴の横断時間
901 第1の供給流路
902 第2の供給流路
903 第3の供給流路
904 流路の結合点
905 反応薬液
906 第1のオイル
907 サンプル溶液
908 第2のオイル
909 反応薬液を含む液滴
910 反応薬液を含まない液滴
911 流路の結合点
102 反応薬液を含む液滴群
103 反応薬液を含まない液滴群
104 反応薬液を含まない液滴群
105 核酸ターゲットを含み蛍光を発する液滴
106 蛍光を発しない液滴
107 蛍光を発する液滴からの光信号
108 蛍光を発しない液滴からの光信号
109 反応薬液を含まない液滴からの光信号
110 液滴数を計数するための閾値レベル
111 蛍光を発する液滴数を計数するための閾値レベル
112 反応薬液を含む液滴の横断時間
113 反応薬液を含まない液滴の横断時間
201 薬液タンク
202 薬液タンクの排出口
203 反応薬液
204 第1のオイル
205 空気孔
301 Si基板などの基材
302 ガラス板
303 流路
304 マイクロ流路チップ
305 前処理手段
306 流路合流部
307 PCR用リアクタ(核酸増幅手段)
308 光導波手段
309 検体供給口
310 反応薬液供給口
311 オイル供給口
401 第1の供給流路
402 第2の供給流路
403 第3の供給流路
404 流路の結合点(第4の流路の一端)
405 反応薬液
406 第1のオイル
407 サンプル溶液
408 第2のオイル
409 反応薬液を含む液滴
410 反応薬液を含まない液滴
501 PCR用リアクタ
502 ギャップ
503 供給口
504 排出口
505 反応薬液を含む液滴
506 反応薬液を含まない液滴
601 一本鎖核酸
602 一本鎖核酸
603 フォワードプライマ
604 リバースプライマ
605 プローブ
606 蛍光色素
607 消光剤
700 マイクロ流路チップ
701 Si基板などの基材
702 ガラス板
703 第5の流路
704 液滴
705 レーザ
706 コリメータ
707 ダイクロイックミラー
708 対物レンズ
709 光学フィルタ
710 レンズ
711 ピンホール
712 PMT
801 反応薬液を含む液滴群
802 反応薬液を含む液滴群
803 反応薬液を含まない液滴群
804 反応薬液を含まない液滴群
805 核酸ターゲットを含み蛍光を発する液滴
806 蛍光を発しない液滴
807 蛍光を発する液滴からの光信号
808 蛍光を発しない液滴からの光信号
809 反応薬液を含まない液滴からの光信号
810 液滴数を計数するための閾値レベル
811 蛍光を発する液滴数を計数するための閾値レベル
812 反応薬液を含む液滴の横断時間
813 反応薬液を含まない液滴の横断時間
901 第1の供給流路
902 第2の供給流路
903 第3の供給流路
904 流路の結合点
905 反応薬液
906 第1のオイル
907 サンプル溶液
908 第2のオイル
909 反応薬液を含む液滴
910 反応薬液を含まない液滴
911 流路の結合点
Claims (13)
- マイクロ流路チップを用いて、第1の核酸ターゲットおよび第2の核酸ターゲットを検出する検出方法であって、
(a)検出装置にマイクロ流路チップを設置し、
前記検出装置は、
PCR処理部と、PCRリアクタと、蛍光検出部と、検出回路とを備え、
前記マイクロ流路チップは、
第1の流路と、第2の流路と、第3の流路と、第4の流路と、第5の流路とを備え、
前記第4の流路に、前記第1の流路の一端と、前記第2の流路の一端と、前記第3の流路の一端とが接続され、
前記PCRリアクタは、前記第4の流路及び前記第5の流路の間に位置し、
(b)(i)前記第1の流路の他端から、第1の水溶液、第1のオイル、および第2の水溶液を、この順で供給し、(ii)前記第2の流路の他端から、サンプル水溶液が供給し、および(iii)前記第3の流路の他端から、第2のオイルを供給することにより、前記第4の流路に、前記第1の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第1の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第2の液滴と、前記第2の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第3の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第4の液滴とを、この順に通過させ、
ここで、前記第1の水溶液は、前記第1の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第1のDNAを有し、前記第1のDNAは第1の蛍光色素で修飾され、前記第2の水溶液は、前記第2の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第2のDNAを有し、前記第2のDNAは第2の蛍光色素で修飾され、
(c)前記第4の流路を通過して前記PCRリアクタに到達した前記第1の液滴から前記第4の液滴を、前記PCR処理部によりPCR処理し、前記第5の流路に前記PCR処理された前記第1の液滴から前記第4の液滴を通過させ、
(d)前記第1の液滴から第4の液滴が前記第5の流路を流れているときに、前記蛍光検出部により、前記第1の液滴から前記第4の液滴から出力される蛍光強度を検出し、
(e)前記蛍光強度に基づいて、前記第5の流路の流路を流れる前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得し、
(f)前記検出回路により、前記蛍光強度と、前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界とに基づいて、第1の閾値以上の蛍光強度を有する前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数を取得し、かつ、前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数に基づいて、前記サンプル水溶液に、前記第1の核酸ターゲット及び前記第2の核酸ターゲットからなる群から選択される少なくとも1つが含まれているか否かを検出する、
検出方法。 - 前記工程(b)において、(iv)前記第1の流路を流れる前記第1の水溶液、前記第1のオイル、および前記第2の水溶液の流速と、(v)前記第2の流路を流れる前記サンプル水溶液の流速と、(vi)前記第3の流路を流れる前記第2のオイルの流速とは、一定である、
請求項1に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - 前記第4の流路の一端は、前記第1の流路の一端、前記第2の流路の一端、および前記第3の流路の一端と接続されている、
請求項1に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - 前記第4の流路の一端は、前記第1の流路の一端、および前記第2の流路の一端と接続されており、
前記第3の流路の一端は、前記第4の流路の前記一端及び前記他端の間と接続されている、
請求項1に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - 前記工程(d)において、複数の蛍光強度の変化を検出し、ここで、前記複数の蛍光強度の変化は、第2の閾値以上の前記蛍光強度の変化であり、
前記工程(e)において、前記複数の蛍光強度の変化を検出した位置のそれぞれに基づいて、(vii)前記第1の液滴及び前記第2の液滴の間の境界、(viii)前記第2の液滴及び前記第3の液滴の間の境界、(viii)前記第3の液滴及び前記第4の液滴の間の境界、および(ix)前記第4の液滴及び前記第1の液滴の間の境界からなる群から選択される少なくとも1つの境界として取得することにより、複数の境界を取得する、請求項1に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - 前記複数の蛍光強度の変化は、第1の蛍光強度の変化と、第2の蛍光強度の変化とを含み、
前記工程(e)において、前記第1の蛍光強度の変化が検出された時刻と、前記第2の蛍光強度の変化が検出された時刻との間の時間間隔に基づいて、前記第2の液滴及び前記第4の液滴を特定することにより、前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得する、
請求項5に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - 前記工程(e)において、前記時間間隔が所定時間以上である場合、前記第2の蛍光強度の変化に対応する境界を、(viii)前記第2の液滴及び前記第3の液滴の間の境界、又は(x)前記第4の液滴及び前記第1の液滴の間の境界として取得する、
請求項6に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - 前記工程(e)において、前記時間間隔が所定時間より短い場合、前記第2の蛍光強度の変化に対応する境界を、(vii)前記第1の液滴及び前記第2の液滴の間の境界、または
(ix)前記第3の液滴及び前記第4の液滴の間の境界として取得する、
請求項6に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - 前記第1のオイルと前記第2のオイルとは、同じ材料である、
請求項1に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - 前記第1の蛍光色素と前記第2の蛍光色素とは、同じ材料である、
請求項1に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - さらに、前記(c)と前記(d)の間に、光源により、前記第5の流路の流路を流れる前記第1の液滴から前記第4の液滴に光を照射する、
請求項1に記載の核酸ターゲットの検出方法。 - マイクロ流路チップを用いた検出装置であって、
前記マイクロ流路チップは、流路を有し、
前記流路は、前記第1の水溶液液および前記サンプル水溶液からなる第1の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第2の液滴と、前記第2の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第3の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第4の液滴とが流れ、
ここで、前記サンプル溶液は、対象の核酸ターゲットを含み、
前記第1の水溶液は、前記第1の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第1のDNAを有し、前記第1のDNAは第1の蛍光色素で修飾され、前記第2の水溶液は、前記第2の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第2のDNAを有し、前記第2のDNAは第2の蛍光色素で修飾され、
前記流路を流れる前記第1の液滴から前記第4の液滴に、PCR処理するPCRリアクタと、
前記PCR処理後の前記第1の液滴から前記第4の液滴から出力される蛍光強度を検出する蛍光検出部と、
(xi)前記蛍光強度に基づいて、前記第5の流路の流路を流れる前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得し、(xii)前記蛍光強度と、前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界とに基づいて、第1の閾値以上の蛍光強度を有する前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数を取得し、かつ、(xiii)前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数に基づいて、前記対象の核酸ターゲットに、前記第1の核酸ターゲット及び前記第2の核酸ターゲットからなる群から選択される少なくとも1つが含まれているか否かを検出する検出回路とを備える、
検出装置。 - マイクロ流路チップを用いて、第1の核酸ターゲットおよび第2の核酸ターゲットを定量する定量方法であって、
(a)定量装置にマイクロ流路チップを設置し、
前記定量装置は、
PCR処理部と、PCRリアクタと、蛍光検出部と、定量回路とを備え、
前記マイクロ流路チップは、
第1の流路と、第2の流路と、第3の流路と、第4の流路と、第5の流路とを備え、
前記第4の流路に、前記第1の流路の一端と、前記第2の流路の一端と、前記第3の流路の一端とが接続され、
前記PCRリアクタは、前記第4の流路及び前記第5の流路の間に位置し、
(b)(i)前記第1の流路の他端から、第1の水溶液、第1のオイル、および第2の水溶液を、この順で供給し、(ii)前記第2の流路の他端から、サンプル水溶液が供給し、および(iii)前記第3の流路の他端から、第2のオイルを供給することにより、前記第4の流路に、前記第1の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第1の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第2の液滴と、前記第2の水溶液および前記サンプル水溶液からなる第3の液滴と、前記サンプル水溶液からなる第4の液滴とを、この順に通過させ、
ここで、前記サンプル溶液は、前記第1の核酸ターゲットおよび前記第2の核酸ターゲットを含み、前記第1の水溶液は、前記第1の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第1のDNAを有し、前記第1のDNAは第1の蛍光色素で修飾され、前記第2の水溶液は、前記第2の核酸ターゲットと相補的な配列を有する第2のDNAを有し、前記第2のDNAは第2の蛍光色素で修飾され、
(c)前記第4の流路を通過して前記PCRリアクタに到達した前記第1の液滴から前記第4の液滴を、前記PCR処理部によりPCR処理し、前記第5の流路に前記PCR処理された前記第1の液滴から前記第4の液滴を通過させ、
(d)前記第1の液滴から第4の液滴が前記第5の流路を流れているときに、前記蛍光検出部により、前記第1の液滴から前記第4の液滴から出力される蛍光強度を検出し、
(e)前記蛍光強度に基づいて、前記第5の流路の流路を流れる前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界を取得し、
(f)前記定量回路により、前記蛍光強度と、前記第1の液滴から前記第4の液滴までのそれぞれの間の境界とに基づいて、第1の閾値以上の蛍光強度を有する前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数を取得し、かつ、前記第2の液滴及び前記第4の液滴の数に基づいて、前記サンプル水溶液に含まれる前記第1の核酸ターゲットの量及び前記第2の核酸ターゲットの量を定量する、
検出方法。
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