JP2016162599A - 静電気除去用水蒸気徐放体 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持しているだけで徐々に人または物体から静電気を逃がし、人または物体に静電気が蓄積しないようにする材料として、水及び/又は含水ゲルを含む材料により構成された静電気除去用水蒸気徐放体を提供することを目的とする。
【解決手段】水及び/又は含水ゲルを含む材料により構成された静電気除去用水蒸気徐放体である。好ましくは、通気性フィルムにより前記水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分が包み込まれている静電気除去用水蒸気徐放体である。
【選択図】図1
【解決手段】水及び/又は含水ゲルを含む材料により構成された静電気除去用水蒸気徐放体である。好ましくは、通気性フィルムにより前記水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分が包み込まれている静電気除去用水蒸気徐放体である。
【選択図】図1
Description
本発明は、水及び/又は含水ゲルを含む材料により構成された静電気除去用水蒸気徐放体に関する。
静電気放電は人体や接触している衣服などの摩擦により人体に静電気が帯電した際に、金属部などに接触することにより人体の外部に急激に電流が流れて起こる現象である。発生すると高圧、微弱電流により痛みを感じるだけでなく、静電気の火花によるガソリンの発火や静電気の高圧電流による電子機器の故障などの事故の原因ともなる。空気が乾燥し、かつ重ね着をする傾向にある冬季に起こり易い。これは重ね着により衣類の摩擦が増加することで人体の帯電量が増加し、かつ空気が乾燥することにより導電率が低下し空気への放電が少なくなるためである。また、人体が帯電し続けると、体内のカルシウムが尿中に溶出して骨粗しょう症、不眠症、情緒不安定を引き起こし易くなったり、ビタミンCが減少して風邪、壊血病、胃腸障害、食欲不振を引き起こし易くなったり、血糖値が上昇して糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、疲労を引き起こし易くになったりするとの報告もある。それ故、静電気防止のニーズは極めて高い。静電気防止のために販売されている商品は多岐にわたる。例えば、特許文献1では、静電気防止ストラップが挙げられている。ここでは、導電性材料を用いたストラップを携帯することで静電気を徐々に放電し、防止できると謳われているが、乾燥した大気中に静電気をどのような機構で逃がしているのかが不明であり、実際に動き回った際に静電気が防止できるかについては何ら言及がない。特許文献2では、導電性繊維を使用した紐を有するキーホルダーを装着すると静電気が防止できると謳われている。しかし、特許文献1と同様に乾燥した大気中に静電気をどのような機構で逃がしているのかが不明であり、実際に人がキーホルダーを装着した際に静電気が防止できるかどうかについては何ら言及がない。
特許文献3では、通常の靴に装着可能とする静電気除去用の装着ベルトが挙げられている。この特許中では、靴にベルトを装着することで、靴底の部分から地面に静電気が逃げると謳われている。しかしながら、靴にベルトを装着するという作業が伴い面倒である。
特許文献4では、手につけ爪をすることにより、物体に触れた時に、つけ爪を介して人体に帯電した静電気を逃がすと謳われているが、つけ爪をするのは面倒であり、またつけ爪を装着することにより作業性が低下するという問題がある。また、上記以外にもドアのノブや自動車のドアなどの導体に触れる前に棒(キーホルダー状)をノブやドアに接触させ、人体に帯電した静電気を徐々に逃す商品など多数の商品が販売されている。ただ、これらの商品はドアのノブや自動車のドアなどの導体に触れる前にその都度静電気の除去作業を行う必要があり面倒であるという課題があった。そこで、簡便な方法により効果的に静電気を防止する方法が求められていた。
以上の背景にあって本発明は、簡便な方法で人または物体から静電気を除去する材料を開発することを目的とする。
上記目的に鑑み、本発明者等は、鋭意検討を行ったところ、水及び/又は含水ゲルを含む材料により構成された水蒸気徐放体が高い静電気防止除去効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は水及び/又は含水ゲルを含む材料により構成された静電気除去用水蒸気徐放体である。
本発明の静電気除去用水蒸気徐放体は、水及び/又は含水ゲルを含む材料が、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分と該水蒸気放出成分の支持体により構成されることが好ましい。
本発明の水蒸気徐放体は、支持体が通気性フィルムであり、該通気性フィルムにより、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分が包まれている態様が好ましい。
本発明の水蒸気徐放体は、前記通気性フィルムが導電性を有することが好ましい。
本発明の水蒸気徐放体は、前記通気性フィルムが断熱性を有することが好ましい。
本発明の水蒸気徐放体は、水及び/又は含水ゲルを通気性フィルムで包む形態が、片面の面積が10平方センチメートル以下である扁平袋状であることが好ましい。
本発明の水蒸気徐放体は、前記含水ゲルがビニル系高分子重合体、アクリル系高分子重合体、アルキレングリコール高分子重合体、多糖類高分子又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の水蒸気徐放体は、携帯用であることが好ましい。
本発明の水蒸気徐放体を用いて、静電気帯電体に蓄積した静電気の除去を行うことが好ましい。
更に、本発明は、静電気帯電体に蓄積した静電気を、水蒸気を徐放することにより除去する静電気除去方法を提供する。
本発明の静電気除去用水蒸気徐放体を用いると、簡便な方法により、人又は物体に蓄積した静電気の除去を行うことができる。すなわち、該静電気除去用水蒸気徐放体を保持しておくだけで、効果的に静電気除去が可能である。更に、皮膚などに対しても刺激性がなく安全に利用できる。
本発明の静電気除去用水蒸気徐放体の静電気除去効果は、以下のように推定される。
水蒸気徐放体を保持しておくことで、水蒸気徐放体から水蒸気が蒸発し、水蒸気徐放体近傍の湿度が高くなる。つまり水蒸気徐放体近傍の導電性が高くなり、静電気が人または物体から大気中へ逃げやすくなるため、静電気防止効果が期待できる。それにより、上記で記したような導体に触れる前にその都度静電気を除去する作業が不要となる。
本発明の静電気除去用水蒸気徐放体は、水及び又は含水ゲルを含む材料により構成されており、かつ、水及び含水ゲルを含む材料が、その材料周辺に水蒸気を徐放(経時的に水蒸気を放出)する機能を有し、さらに、その機能に基づき静電気が除去できるものである。
水及び又は含水ゲルを含む材料としては、例えば、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分と該水蒸気放出成分の支持体により構成される態様が例示される。支持体としては、水及び/又は含水ゲルを包み込む部材や吸収する部材等、特に制限されるものではないが、水及び/又は含水ゲルにより生じる水蒸気を徐々に放出できるものであれば良い。1時間以上かけて経時的に水蒸気を放出できるものが好ましい。
支持体としては、通気性フィルムが好ましい。
<水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分>
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分としては、水単独、含水ゲル単独でも良いし、両者共存しても良いし、後述する通り、添加剤等を含有しても良い。
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分としては、水単独、含水ゲル単独でも良いし、両者共存しても良いし、後述する通り、添加剤等を含有しても良い。
(水)
水としては、特に制限なく使用でき、水道水、イオン交換水、蒸留水などを好ましい例として挙げることができる。
水としては、特に制限なく使用でき、水道水、イオン交換水、蒸留水などを好ましい例として挙げることができる。
(含水ゲル)
以下では、含水ゲルを構成する成分について詳細に説明する。含水ゲルとは、高分子重合体に水を含んだものである。高分子重合体としては、例えばビニル系高分子重合体、アクリル系高分子重合体、アルキレングリコール重合体、多糖類高分子を挙げることができる。水の含有量は、含水ゲル中の10質量%以上99.9質量%以下であることが好ましい。なお、含水ゲルには以下の成分の誘導体を用いても良い。以下の成分又はその誘導体は単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。また、互いに共重合させた化合物を用いても良い。
以下では、含水ゲルを構成する成分について詳細に説明する。含水ゲルとは、高分子重合体に水を含んだものである。高分子重合体としては、例えばビニル系高分子重合体、アクリル系高分子重合体、アルキレングリコール重合体、多糖類高分子を挙げることができる。水の含有量は、含水ゲル中の10質量%以上99.9質量%以下であることが好ましい。なお、含水ゲルには以下の成分の誘導体を用いても良い。以下の成分又はその誘導体は単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。また、互いに共重合させた化合物を用いても良い。
ビニル系高分子重合体
ビニル基を有するモノマーを重合したものであれば種類は特に制限されないが、含水のし易さからポリビニルアルコールまたはその誘導体が好ましい。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルアルコール中のヒドロキシル基を反応させたアルキル基含有ポリビニルアルコール、アミノ基含有ポリビニルアルコール、カルボキシル基含有ポリビニルアルコール、アルデヒド基含有ポリビニルアルコール、アリル基含有ポリビニルアルコール、アリール基含有ポリビニルアルコールなどが挙げられる。ビニル系高分子重合体は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。ゲルに適度な粘度を持たせるためにビニル系高分子重合体の重合度は500以上2000以下であることが好ましく、ビニル系高分子重合体の濃度は3%以上30%以下であることが好ましい。
ビニル基を有するモノマーを重合したものであれば種類は特に制限されないが、含水のし易さからポリビニルアルコールまたはその誘導体が好ましい。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルアルコール中のヒドロキシル基を反応させたアルキル基含有ポリビニルアルコール、アミノ基含有ポリビニルアルコール、カルボキシル基含有ポリビニルアルコール、アルデヒド基含有ポリビニルアルコール、アリル基含有ポリビニルアルコール、アリール基含有ポリビニルアルコールなどが挙げられる。ビニル系高分子重合体は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。ゲルに適度な粘度を持たせるためにビニル系高分子重合体の重合度は500以上2000以下であることが好ましく、ビニル系高分子重合体の濃度は3%以上30%以下であることが好ましい。
アクリル系高分子重合体
(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを重合したものであれば種類は特に制限されないが、含水のし易さからポリアクリル酸やポリメタクリル酸やそれらの誘導体が好ましい。ポリアクリル酸やポリメタクリル酸の誘導体としては、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のカルボキシル基を反応させたポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。アクリル系高分子重合体は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。ゲルに適度な粘度を持たせるためにアクリル系高分子重合体の重合度は500以上2000以下であることが好ましく、アクリル系高分子重合体の濃度は3%以上10%以下であることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを重合したものであれば種類は特に制限されないが、含水のし易さからポリアクリル酸やポリメタクリル酸やそれらの誘導体が好ましい。ポリアクリル酸やポリメタクリル酸の誘導体としては、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のカルボキシル基を反応させたポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。アクリル系高分子重合体は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。ゲルに適度な粘度を持たせるためにアクリル系高分子重合体の重合度は500以上2000以下であることが好ましく、アクリル系高分子重合体の濃度は3%以上10%以下であることが好ましい。
アルキレングリコール重合体
アルキレングリコールを重合したものであれば種類は特に制限されないが、コスト面及び含水のし易さからポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどが好ましい。アルキレングリコール重合体は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。ゲルに適度な粘度を持たせるためにアルキレングリコール重合体の重合度は500以上2000以下であることが好ましく、アルキレングリコール重合体の濃度は3%以上20%以下であることが好ましい。
アルキレングリコールを重合したものであれば種類は特に制限されないが、コスト面及び含水のし易さからポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどが好ましい。アルキレングリコール重合体は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。ゲルに適度な粘度を持たせるためにアルキレングリコール重合体の重合度は500以上2000以下であることが好ましく、アルキレングリコール重合体の濃度は3%以上20%以下であることが好ましい。
多糖類高分子
多糖類高分子は、天然物(昆布など)から得られるもの、糖類を脱水縮合して得られるものなど種類は特に制限されないが、例えば、アルギン酸、デンプン、カルボキシメチルセルロース等のセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム等が挙げられる。これらの中でも、入手容易性、取扱い容易性、ゲル化物の物性等の観点から、アルギン酸ナトリウム塩、デンプン、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、カラギーナン等を用いることが好ましい。また、多糖類高分子は、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。
多糖類高分子は、天然物(昆布など)から得られるもの、糖類を脱水縮合して得られるものなど種類は特に制限されないが、例えば、アルギン酸、デンプン、カルボキシメチルセルロース等のセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム等が挙げられる。これらの中でも、入手容易性、取扱い容易性、ゲル化物の物性等の観点から、アルギン酸ナトリウム塩、デンプン、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、カラギーナン等を用いることが好ましい。また、多糖類高分子は、単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。
なお、多糖類高分子の分子量は特に限定されないが、一般的には、多糖類高分子を1重量%含む23℃水溶液のコーンプレート型粘度計で測定した粘度が50mPa・sec〜1000mPa・secの範囲内となる分子量が好ましく、状況によって適宜選択する事が好ましい。多糖類高分子の濃度は0.5%以上10%以下であることが好ましい。
(添加剤)
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分には、以上に説明した各成分以外にも、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、金属塩化合物、非還元糖、低揮発性水溶性溶媒、架橋剤、発熱材、充填材、無機フッ素化合物、アミノ酸化合物、不飽和カルボン酸重合体、抗菌剤、香料、着色料、pH調整剤、防腐剤等が挙げられる。これらは、1種類を単独で添加しても良いし、複数組み合わせて添加しても良い。
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分には、以上に説明した各成分以外にも、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、金属塩化合物、非還元糖、低揮発性水溶性溶媒、架橋剤、発熱材、充填材、無機フッ素化合物、アミノ酸化合物、不飽和カルボン酸重合体、抗菌剤、香料、着色料、pH調整剤、防腐剤等が挙げられる。これらは、1種類を単独で添加しても良いし、複数組み合わせて添加しても良い。
金属塩化合物
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分の導電性を高めるために、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分に金属塩化合物を配合することが好ましい。金属塩化合物の種類は、人体に有害でなく、水及び/又は含水ゲル中で電離するものであれば制限されないが、コストなどの面から食塩などを添加するのが好ましい。金属塩化合物が、水及び/又は含水ゲル中で電離してイオン化ことにより、水及び/又は含水ゲルの導電性が高まり、放散する水蒸気により静電気を大気中に逃す働きが強まる。
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分の導電性を高めるために、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分に金属塩化合物を配合することが好ましい。金属塩化合物の種類は、人体に有害でなく、水及び/又は含水ゲル中で電離するものであれば制限されないが、コストなどの面から食塩などを添加するのが好ましい。金属塩化合物が、水及び/又は含水ゲル中で電離してイオン化ことにより、水及び/又は含水ゲルの導電性が高まり、放散する水蒸気により静電気を大気中に逃す働きが強まる。
金属塩化合物の配合量は、特に限定されないが、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分中に2〜50質量%含まれるのが好ましい。
非還元糖
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分には、蒸発量を調整するために以下の非還元糖を配合することが好ましい。蒸発量を調整することで、静電気除去に必要な量の水蒸気を徐放させつつ、水蒸気徐放体中の水がなくなる、あるいは含水ゲルが乾燥するのを遅らせることができ、静電気防止効果をより長く持続させることができる。非還元糖としては、還元性を示さない公知の糖類であれば特に制限無く利用できる。ここで、「還元性」とは、アルカリ性水溶液中で、銀や銅等の重金属イオンに対して還元作用を示す性質を意味する。還元性を有する糖類は、重金属イオンに対する還元作用を利用したトレンス試薬、ベネジクト試薬又はフェーリング試薬によって検出される。これに対して、非還元糖は、これら試薬で検出できない糖類を意味する。
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分には、蒸発量を調整するために以下の非還元糖を配合することが好ましい。蒸発量を調整することで、静電気除去に必要な量の水蒸気を徐放させつつ、水蒸気徐放体中の水がなくなる、あるいは含水ゲルが乾燥するのを遅らせることができ、静電気防止効果をより長く持続させることができる。非還元糖としては、還元性を示さない公知の糖類であれば特に制限無く利用できる。ここで、「還元性」とは、アルカリ性水溶液中で、銀や銅等の重金属イオンに対して還元作用を示す性質を意味する。還元性を有する糖類は、重金属イオンに対する還元作用を利用したトレンス試薬、ベネジクト試薬又はフェーリング試薬によって検出される。これに対して、非還元糖は、これら試薬で検出できない糖類を意味する。
上述した特性を示す非還元糖としては、トレハロースやスクロース等の二糖類、ラフィノース、メレジトース、スタキオース、シクロデキストリン類等のオリゴ糖類等、公知の非還元糖が利用できる。その中でも、保湿性の点から、二糖類であるトレハロース及びスクロースが特に好ましい。
非還元糖の配合量は、特に限定されないが、蒸発量調整の観点から、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分中に3〜30質量%含まれるのが好ましい。
低揮発性水溶性溶媒
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分には、非還元糖と同様に蒸発量を調整するために低揮発性水溶性溶媒を添加することが好ましい。ここで、低揮発性水溶性溶媒とは、20℃における蒸気圧が5mmHg以下の水溶性溶媒を指す。この条件を満たすものであれば、低揮発性水溶性溶媒の種類は特に制限されないが、グリセリン、エチレングリコール、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオールなどを好ましい例として挙げることが出来る。
水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分には、非還元糖と同様に蒸発量を調整するために低揮発性水溶性溶媒を添加することが好ましい。ここで、低揮発性水溶性溶媒とは、20℃における蒸気圧が5mmHg以下の水溶性溶媒を指す。この条件を満たすものであれば、低揮発性水溶性溶媒の種類は特に制限されないが、グリセリン、エチレングリコール、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオールなどを好ましい例として挙げることが出来る。
低揮発性水溶性溶媒の配合量は、特に限定されないが、蒸発量調整の観点から、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分中に3〜30質量%含まれるのが好ましい。
架橋剤
含水ゲルを瞬時に調製するために、また含水ゲルの物性を調製するために架橋剤を添加することができる。架橋剤の種類は人体に著しく有害なものでない限りは特に制限されないが、ホウ酸、ホウ酸塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などを好ましい例として挙げることができる。
含水ゲルを瞬時に調製するために、また含水ゲルの物性を調製するために架橋剤を添加することができる。架橋剤の種類は人体に著しく有害なものでない限りは特に制限されないが、ホウ酸、ホウ酸塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などを好ましい例として挙げることができる。
架橋剤の配合量は、特に限定されないが、含水ゲルの強度を適切に調製するために、含水ゲルを含む水蒸気放出成分中に0.5〜5質量%含まれるのが好ましい。
発熱材
含水ゲルを加熱して、蒸発量を増やし、水蒸気徐放体近傍の湿度をより高くし、静電気防止効果を高める、また、水蒸気徐放体を皮膚に接触させた場合に冷たさを感じることを防ぐために水及び/又は含水ゲル中に発熱材を添加することが出来る。発熱材の種類は、人体に著しく有害なものでない限りは制限されないが、例として金属粉などを好ましい例として挙げることができ、この中でも安全性やコストの面から鉄粉などをより好ましい例として挙げることが出来る。鉄粉を用いる場合には、水及び/又は含水ゲルと混ぜて用いても良いが、多くの空気(酸素)と接触させて効率的に発熱させるために、図1に示すように通気性フィルムを3重にし、鉄粉が入った層と含水ゲルが入った層の2つの層からなる構造の静電気徐放体を調製することが好ましい。鉄粉を用いる場合には、より効率良く発熱させるため、触媒として作用する食塩や空気(酸素)を吸着する炭素粉などを鉄粉に混ぜても良い。
含水ゲルを加熱して、蒸発量を増やし、水蒸気徐放体近傍の湿度をより高くし、静電気防止効果を高める、また、水蒸気徐放体を皮膚に接触させた場合に冷たさを感じることを防ぐために水及び/又は含水ゲル中に発熱材を添加することが出来る。発熱材の種類は、人体に著しく有害なものでない限りは制限されないが、例として金属粉などを好ましい例として挙げることができ、この中でも安全性やコストの面から鉄粉などをより好ましい例として挙げることが出来る。鉄粉を用いる場合には、水及び/又は含水ゲルと混ぜて用いても良いが、多くの空気(酸素)と接触させて効率的に発熱させるために、図1に示すように通気性フィルムを3重にし、鉄粉が入った層と含水ゲルが入った層の2つの層からなる構造の静電気徐放体を調製することが好ましい。鉄粉を用いる場合には、より効率良く発熱させるため、触媒として作用する食塩や空気(酸素)を吸着する炭素粉などを鉄粉に混ぜても良い。
充填材
水及び/又は含水ゲルの物性を調整するために、充填材を用いることができる。充填材としては、珪藻土、タルク等の粘度鉱物を用いることが好ましく、シリカ、アルミナ等の金属または半金属の酸化物も用いることができる。充填材の配合量は特に制限されるものではないが、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分中に0.1〜10質量%含まれるのが好ましい。
水及び/又は含水ゲルの物性を調整するために、充填材を用いることができる。充填材としては、珪藻土、タルク等の粘度鉱物を用いることが好ましく、シリカ、アルミナ等の金属または半金属の酸化物も用いることができる。充填材の配合量は特に制限されるものではないが、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分中に0.1〜10質量%含まれるのが好ましい。
また、含水ゲルの強度調節の観点からは、フッ化チタンカリウム、ケイフッ化カリウム等の無機フッ素化合物、アミノ酸/ホルムアルデヒド縮合体等のアミノ酸化合物などを配合することが好ましい。
また、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分中には、抗菌作用を有する物質(以下、抗菌剤と呼ぶ)を添加することができる。抗菌剤は、人体に著しく有害なものでない限り、種類の制限なく用いることが出来る。1種類のみを採用してもよいし、2種類以上を採用してもよい。抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の金属塩、ヨウ素、茶葉粉末、ヒノキ粉末、キトサンを好ましい例として挙げることができる。これらの内、金属塩がより好ましく、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化鉄の少なくとも1種が更に好ましい。
抗菌剤の配合量は特に制限されるものではないが、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分中に0.01〜10質量%含まれるのが好ましい。
また、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分には、香料、着色料、pH調整剤、防腐剤等から選択されるいずれか1種または複数種の添加剤を必要に応じて配合することができる。
<支持体>
本発明では、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分を包みこんだり、あるいは吸収させるために支持体を用いることが好ましい。支持体は、水及び/又は含水ゲルより発生する水蒸気を徐放させる機能を有していれば特に制限されない。支持体として、通気性フィルムを用い、通気性フィルムを袋状とし、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分を包み込んで静電気除去用水蒸気徐放体とすることが好ましい。
<支持体>
本発明では、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分を包みこんだり、あるいは吸収させるために支持体を用いることが好ましい。支持体は、水及び/又は含水ゲルより発生する水蒸気を徐放させる機能を有していれば特に制限されない。支持体として、通気性フィルムを用い、通気性フィルムを袋状とし、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分を包み込んで静電気除去用水蒸気徐放体とすることが好ましい。
通気性フィルムは、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分を包有して水蒸気徐放体とするために用いられる。通気性フィルムの種類は、空気、水蒸気を透過するものである限り制限されない。通気性フィルムの例として、多孔質フィルム、不織布、織物、編物、レース、フェルトなどを挙げることができる。また、通気性フィルムの材質として、綿、羊毛、麻、パルプ、絹などの天然繊維、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維、ガラス繊維などの合成繊維を挙げることができる。通気性フィルムの通気性は、通気性フィルムの通気度試験に使用されるガーレ試験機法(米国TAPPI規格、日本JIS−P−8117規格)で測定したガーレ通気度が100000s/100mL以下であることが好ましく、10000s/100mL以下であることがより好ましい。なお、ガーレ通気度とは、100mLの空気が645.16mm2の面積の通気性フィルムを透過するのに要する時間(s)で表す。時間が短いほど通気度が高いことになる。また、通気性フィルムの水蒸気透過度は、50g/m2/d以上であることが好ましく、500g/m2/d以上であることがより好ましい。水蒸気透過度が高いフィルムを選択するのが好ましいが、通気性フィルムの水蒸気透過度が高すぎて水蒸気徐放体外部が水で濡れることのないものを選択することが好ましい。
なお、水蒸気透過度は、1m2の大きさの通気性フィルムが1日に透過する水(蒸気)の量(g)で表わされる。なお、ガーレ通気度の時間(s)が短い通気性フィルム、つまり通気性の良いフィルムの方が、水蒸気透過度が高い傾向にある。ガーレ通気度が100000s/100mL以上及び/又は水蒸気透過度が50g/m2/d以下の通気性フィルムの場合、水蒸気の放散が不十分となり静電気防止効果が低くなる傾向にある。
通気性フィルムの中でも、コストなどの点から多孔質フィルム及び不織布が好ましい。多孔質フィルムの例としては、トクヤマ社製のものを挙げることができる。トクヤマ社製の多孔質フィルムは、ポリエチレン樹脂、炭酸カルシウム、酸化チタン等を含む樹脂組成物を延伸したものである(登録特許4014993号参照)。この多孔質フィルムは微細な孔がフィルムに空いているため、空気や水蒸気は透過するが、液体が透過することはないとい特徴を有する。そのため、シートを装着していても人体あるいは物体が水などの液体により濡れることがなく好ましい。
人体から通気性フィルムを介して通気性フィルムにより包まれた水または含水ゲルを含む水蒸気放出成分に静電気が逃げる、つまり導電パスが出来るように、通気性フィルムは導電性を有するものがより好ましい。一般的に、導電性を有するフィルムとは、表面抵抗率(Ω)が1010Ω以下であるものを指す。導電性を有する通気性フィルムとしては、例えばナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン繊維中に導電性繊維(導電性ポリマー、炭素繊維、金属繊維)を織り込んだり、編み込んだり、絡めたり、コーティングしたものを挙げることができる。この導電性を有するフィルムの例の1つとして、日本バイリーン社製のものを挙げることができる。このフィルムは、炭素繊維をポリエチレンフィルムに織り込んだものであり、表面抵抗率は106Ωであり1010Ω以下である。
水蒸気徐放体を皮膚に接触させる場合は、水や含水ゲルを含む水蒸気放出成分の冷たさが伝わりにくいように通気性フィルムは断熱性を有するものであることがより好ましい。断熱性は、通気性フィルム中の空気(伝熱性が低い)によりもたらされる。そのため、例えば多孔質フィルムの場合では孔が大きく、孔の数が多いフィルムが、また不織布の場合では、空隙が多い布が、空気を多く含み高い断熱性を有するため好ましい。携帯し易く、人体のあらゆる箇所に貼り易いように水蒸気徐放体は小さいものであることが好ましく、水及び/又は含水ゲルを通気性フィルムで包む形態が、片面の面積が10平方センチメートル以下である扁平袋状であることが好ましい。
[作製方法及び使用方法]
静電気除去用水蒸気徐放体の作成方法
(1)水(溶液)及び含水ゲルを含む水蒸気放出成分の調製方法
水(溶液)及び含水ゲルは公知の攪拌混合機を用いて調製することが出来る。ここで、攪拌混合機としては、例えばボールミルのような回転容器型混合混錬機、リボンミキサー、コニーダー、インターナルミキサー、スクリューニーダー、ヘンシェルミキサー、万能ミキサー、レーディゲミキサー、バタフライミキサー、などの水平軸または垂直軸を有する固定容器型の混合混錬機を利用することが出来る。なお、含水ゲル及び水(溶液)の調製に関して各種高分子や各種添加成分が水に対して相対的に溶解性の高い場合は、溶解対象となる成分や、この成分が溶解した溶液に強いせん断力が加わらない攪拌装置を利用することもできる。このような攪拌装置としては、各種攪拌翼を備えた可搬型攪拌機、同堅型攪拌機、同側面攪拌機、管路攪拌機等を用いることが出来る。更に、含水ゲル及び水(溶液)の調製に関しては、上述した各種の混合攪拌機を2種類以上組み合わせて利用することもできる。高分子重合体が常温の水に溶けにくい場合は、加熱して溶解させても良い。
(2)水蒸気徐放体の作製方法
水蒸気徐放体の作製方法は、特に制限されないが、例えば上記のようにして調製した水(溶液)や含水ゲルを含む水蒸気放出成分を通気性フィルムにより包むことで作製できる。
(3)水蒸気徐放体の使用方法
上記のようにして調製した静電気徐放体の使用方法は特に限定されないが、静電気防止効果を高めるために、身体に接触させる態様が好ましい。使用方法として、皮膚や衣服に貼りつけての使用や衣服のポケットの中に入れての使用などを好ましい例として挙げることができる。また、自動車のシートに貼りつけて使用するなどしても良い。
静電気除去用水蒸気徐放体の作成方法
(1)水(溶液)及び含水ゲルを含む水蒸気放出成分の調製方法
水(溶液)及び含水ゲルは公知の攪拌混合機を用いて調製することが出来る。ここで、攪拌混合機としては、例えばボールミルのような回転容器型混合混錬機、リボンミキサー、コニーダー、インターナルミキサー、スクリューニーダー、ヘンシェルミキサー、万能ミキサー、レーディゲミキサー、バタフライミキサー、などの水平軸または垂直軸を有する固定容器型の混合混錬機を利用することが出来る。なお、含水ゲル及び水(溶液)の調製に関して各種高分子や各種添加成分が水に対して相対的に溶解性の高い場合は、溶解対象となる成分や、この成分が溶解した溶液に強いせん断力が加わらない攪拌装置を利用することもできる。このような攪拌装置としては、各種攪拌翼を備えた可搬型攪拌機、同堅型攪拌機、同側面攪拌機、管路攪拌機等を用いることが出来る。更に、含水ゲル及び水(溶液)の調製に関しては、上述した各種の混合攪拌機を2種類以上組み合わせて利用することもできる。高分子重合体が常温の水に溶けにくい場合は、加熱して溶解させても良い。
(2)水蒸気徐放体の作製方法
水蒸気徐放体の作製方法は、特に制限されないが、例えば上記のようにして調製した水(溶液)や含水ゲルを含む水蒸気放出成分を通気性フィルムにより包むことで作製できる。
(3)水蒸気徐放体の使用方法
上記のようにして調製した静電気徐放体の使用方法は特に限定されないが、静電気防止効果を高めるために、身体に接触させる態様が好ましい。使用方法として、皮膚や衣服に貼りつけての使用や衣服のポケットの中に入れての使用などを好ましい例として挙げることができる。また、自動車のシートに貼りつけて使用するなどしても良い。
以下、実施例1〜実施例20、及び実施例の効果などを検証するための比較例1〜比較例7を挙げて、本発明による静電気防止効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1〜実施例20、及び比較例1〜比較例7において水蒸気徐放体作製に用いた原料及び「モニター」、「電位測定」の評価方法は以下の通りである。
<原料>
<水>
イオン交換水
<含水ゲル>
ポリビニルアルコール(重合度500)を15質量%含有した含水ゲル、重量3g:PVA1
ポリビニルアルコール(重合度1000)を15質量%含有した含水ゲル、重量3g:PVA2
ポリビニルアルコール(重合度2000)を15質量%含有した含水ゲル、重量3g:PVA3
ポリアクリル酸ナトリウム(重合度500)を5質量%含有した含水ゲル、重量3g:PAA
ポリメタクリル酸ナトリウム(重合度500)を5質量%含有した含水ゲル、重量3g:PMA
ポリエチレングリコール(重合度500)を15質量%含有した含水ゲル、重量3g:PEG
アルギン酸ナトリウム(重合度500)を5質量%含有した含水ゲル、重量3g:ALG
カルボキシメチルセルロース(重合度500)を5質量%含有した含水ゲル、重量3g:CMC。
<水>
イオン交換水
<含水ゲル>
ポリビニルアルコール(重合度500)を15質量%含有した含水ゲル、重量3g:PVA1
ポリビニルアルコール(重合度1000)を15質量%含有した含水ゲル、重量3g:PVA2
ポリビニルアルコール(重合度2000)を15質量%含有した含水ゲル、重量3g:PVA3
ポリアクリル酸ナトリウム(重合度500)を5質量%含有した含水ゲル、重量3g:PAA
ポリメタクリル酸ナトリウム(重合度500)を5質量%含有した含水ゲル、重量3g:PMA
ポリエチレングリコール(重合度500)を15質量%含有した含水ゲル、重量3g:PEG
アルギン酸ナトリウム(重合度500)を5質量%含有した含水ゲル、重量3g:ALG
カルボキシメチルセルロース(重合度500)を5質量%含有した含水ゲル、重量3g:CMC。
<金属塩化合物>
食塩(NaCl)、水または含水ゲルに5質量%添加
<通気性フィルム>
多孔質フィルム(通気性、ガーレ通気度3000s/100mL、水蒸気透過度5000g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、トクヤマ社製):NF1
多孔質フィルム(通気性、ガーレ通気度10000s/100mL、水蒸気透過度500g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、トクヤマ社製):NF2
多孔質フィルム(通気性、ガーレ通気度100000s/100mL、水蒸気透過度50g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、トクヤマ社製):NF3
多孔質フィルム(低通気性、ガーレ通気度200000s/100mL、水蒸気透過度25g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、トクヤマ社製):NF4
不織布(通気性、ガーレ通気度10000s/100mL、水蒸気透過度500g/m2/d、ポリエステル製、シート大きさ3cm×3cm、日本バイリーン社製):BT
導電性不織布(通気性、ガーレ通気度10000s/100mL、水蒸気透過度500g/m2/d、ポリエステル製、炭素繊維織り込み、表面抵抗率106Ω、シート大きさ3cm×3cm、日本バイリーン社製):CBT
PPシート(非通気性、水蒸気透過度0g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、三菱レイヨン社製):PP
PEシート(非通気性、水蒸気透過度0g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、オカモト社製):PE
PVCシート(非通気性、水蒸気透過度0g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、オカモト社製):PVC
<評価方法>
(1)モニター
湿度が低い(概ね40%以下の)冬の時期に、10人に水蒸気徐放体(シート)を携帯させ、携帯しない場合と変わらない場合を×、携帯しない場合よりもやや静電気が来る頻度が減少した場合を△、殆ど来なくなった場合を○とし、×を0点、△を0.5点、○を1点としてスコアを集計した。
食塩(NaCl)、水または含水ゲルに5質量%添加
<通気性フィルム>
多孔質フィルム(通気性、ガーレ通気度3000s/100mL、水蒸気透過度5000g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、トクヤマ社製):NF1
多孔質フィルム(通気性、ガーレ通気度10000s/100mL、水蒸気透過度500g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、トクヤマ社製):NF2
多孔質フィルム(通気性、ガーレ通気度100000s/100mL、水蒸気透過度50g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、トクヤマ社製):NF3
多孔質フィルム(低通気性、ガーレ通気度200000s/100mL、水蒸気透過度25g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、トクヤマ社製):NF4
不織布(通気性、ガーレ通気度10000s/100mL、水蒸気透過度500g/m2/d、ポリエステル製、シート大きさ3cm×3cm、日本バイリーン社製):BT
導電性不織布(通気性、ガーレ通気度10000s/100mL、水蒸気透過度500g/m2/d、ポリエステル製、炭素繊維織り込み、表面抵抗率106Ω、シート大きさ3cm×3cm、日本バイリーン社製):CBT
PPシート(非通気性、水蒸気透過度0g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、三菱レイヨン社製):PP
PEシート(非通気性、水蒸気透過度0g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、オカモト社製):PE
PVCシート(非通気性、水蒸気透過度0g/m2/d、シート大きさ3cm×3cm、オカモト社製):PVC
<評価方法>
(1)モニター
湿度が低い(概ね40%以下の)冬の時期に、10人に水蒸気徐放体(シート)を携帯させ、携帯しない場合と変わらない場合を×、携帯しない場合よりもやや静電気が来る頻度が減少した場合を△、殆ど来なくなった場合を○とし、×を0点、△を0.5点、○を1点としてスコアを集計した。
(2)金属板電位測定
30cm四方のポリプロピレン製のシート(厚さ3mm、絶縁体)に10cm四方のアルミ板(厚さ1mm)を載せ、帯電ガン(グリーンテクノ株式会社製、型番:GC−25B)により10秒間アルミ板をマイナスに帯電させた。帯電させてから1分後に各種水蒸気徐放体(シート)(大きさ:3cm×3cm)を載せ、水蒸気徐放体(シート)を載せた直後及び水蒸気徐放体(シート)を載せてから5分放置後のアルミ板の電位を電位計(シシド静電気株式会社製、型番:STATIRON DZ4)により測定した。なお、電位計はアルミ板から3cm離して電位を測定した。
30cm四方のポリプロピレン製のシート(厚さ3mm、絶縁体)に10cm四方のアルミ板(厚さ1mm)を載せ、帯電ガン(グリーンテクノ株式会社製、型番:GC−25B)により10秒間アルミ板をマイナスに帯電させた。帯電させてから1分後に各種水蒸気徐放体(シート)(大きさ:3cm×3cm)を載せ、水蒸気徐放体(シート)を載せた直後及び水蒸気徐放体(シート)を載せてから5分放置後のアルミ板の電位を電位計(シシド静電気株式会社製、型番:STATIRON DZ4)により測定した。なお、電位計はアルミ板から3cm離して電位を測定した。
実施例1においては、水3gを多孔質フィルム(NF1、大きさ3cm×3cm)2枚により包んで静電気除去用水蒸気徐放体を作製した。2枚の多孔質フィルム(NF1)はヒートシールにより綴じた。以上のように作成した静電気除去用水蒸気徐放体を用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
実施例2〜実施例4、実施例7、実施例8、実施例10、実施例11においても表1に示すように水/含水ゲル、通気性フィルムを変えた以外は、実施例1と同様に水蒸気徐放体を作製した。以上のように作成した静電気除去用水蒸気徐放体を用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
実施例5においては、水3gを不織布(BT、大きさ3cm×3cm)2枚により包んで水蒸気徐放体を作製した。2枚の不織布(BT)はホットメルト接着剤(酢酸ビニル系)により綴じた。以上のように作成した静電気除去用水蒸気徐放体を用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
実施例6、実施例9、実施例12〜実施例20においても表1に示すように水/含水ゲル、通気性フィルムを変えた以外は、実施例5と同様に水蒸気徐放体を作製した。以上のように作成した静電気除去用水蒸気徐放体を用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
比較例1においては、中に何も入れずに2枚の多孔質フィルム(NF1)をヒートシールにより綴じることによりシートを作製した。以上のように作成したシートを用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
比較例2においては、中に何も入れずに2枚の不織布(BT)をホットメルト接着剤(酢酸ビニル系)により綴じることによりシートを作製した。以上のように作成したシートを用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
比較例3においても比較例2と同様にシートを作製した。以上のように作成したシートを用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
比較例4においては、水3gをPPシート(PP、大きさ3cm×3cm)2枚により包んでシートを作製した。2枚のPPシート(PP)はホットメルト接着剤(酢酸ビニル系)により綴じた。以上のように作成したシートを用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
比較例5、比較例7においても比較例4と同様にシートを作製した。以上のように作成したシートを用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
比較例6においては、水3gをPEシート(PE、大きさ3cm×3cm)2枚により包んでシートを作製した。2枚のPEシート(PE)はヒートシールにより綴じた。以上のように作成したシートを用い、モニターによる評価と金属板電位評価を行った。
実施例1〜実施例20および比較例1〜7の各水蒸気徐放体(シート)について表1及び表2に示した。また、実施例1〜20及び比較例1〜7における、「モニター」、「金属板電位」の評価結果を表3及び表4に示す。
実施例1〜実施例20においては、実施例4を除いてはモニターの結果は8点以上と良好であり、また電位も0に近づくのが早く静電気が帯電させたアルミ板から大気中に多く逃げていることが分かった。実施例4においては、一定のモニターのスコアを得られ、アルミ板からある程度の静電気が大気中に逃げることが分かった。ただ、結果は十分ではなく通気性フィルムの通気性及び透湿性が一定以上であることが高い静電気除去効果につながることが分かった。通気性フィルムとして導電性を有するものを用いた場合(実施例6及び実施例12〜20)では、水蒸気徐放体を載せた瞬間に大きな電位の変動があり、水蒸気徐放体を載せた直後の電位がより0に近くなることが分かった。つまり、通気性フィルムとして導電性を有するものを用いた場合、水蒸気徐放体はより高い静電気除去効果を有することが分かった。通気性フィルムに導電性を有するCBTを用いることにより、導電性を持たないNFやBTを用いた場合と異なり、瞬時に静電気を逃す機能を有することが分かった。また、水あるいは含水ゲルに金属塩化合物(食塩)を添加した場合(実施例10及び11)では、添加しない場合と比べて電位が0に近づくのが早くなった。これは、水あるいは含水ゲルの導電性が高くなることでアルミ板中の静電気がシート中の水あるいは含水ゲルに移動しやすくなり、結果として大気中に静電気が逃げ易くなったためと考えている。含水ゲル中に食塩を添加することにより、静電気がより速く逃げることが分かった(電位変化が速い)。
一方、比較例1〜比較例7においては、いずれの比較例においてもモニターの結果は1点以下と悪く、殆どシートによる静電気防止効果が感じることが出来ないことが分かった。また、シートをアルミ板に載せた後の電位の変化は少なく、帯電させたアルミ板から大気中へ逃げる静電気の量は少ないことが分かった。通気性フィルムとして、導電性不織布を用いた比較例3においても静電気除去効果は殆どなかったことから、静電気を十分に除去するためには、水蒸気(高湿度雰囲気)により大気への静電気の逃げ道を作ることが必要であることが分かった。
Claims (10)
- 水及び/又は含水ゲルを含む材料により構成された静電気除去用水蒸気徐放体。
- 前記水及び/又は含水ゲルを含む材料が、水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分と該水蒸気放出成分の支持体により構成される請求項1に記載の静電気除去用水蒸気徐放体。
- 前記支持体が通気性フィルムであり、該通気性フィルムにより前記水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分が包み込まれていることを特徴とする請求項2に記載の静電気除去用水蒸気徐放体。
- 前記通気性フィルムが導電性を有することを特徴とする請求項3に記載の静電気除去用水蒸気徐放体。
- 前記通気性フィルムが断熱性を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の静電気除去用水蒸気徐放体。
- 水及び/又は含水ゲルを含む水蒸気放出成分を通気性フィルムで包む形態が、片面の面積が10平方センチメートル以下である扁平袋状である請求項3〜5のいずれか一項に記載の静電気除去用水蒸気徐放体。
- 前記含水ゲルがビニル系高分子重合体、アクリル系高分子重合体、アルキレングリコール高分子重合体、多糖類高分子又はその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電気除去用水蒸気徐放体。
- 携帯用である請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電気除去用水蒸気徐放体。
- 静電気帯電体に蓄積した静電気を、水蒸気を徐放することにより除去する静電気除去方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電気除去用水蒸気徐放体を用いて、静電気帯電体に蓄積した静電気の除去を行うことを特徴とする静電気除去方法。
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---|---|---|---|
JP2015040549A JP2016162599A (ja) | 2015-03-02 | 2015-03-02 | 静電気除去用水蒸気徐放体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20210254223A1 (en) * | 2018-04-27 | 2021-08-19 | Applied Materials, Inc. | Protection of components from corrosion |
-
2015
- 2015-03-02 JP JP2015040549A patent/JP2016162599A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20210254223A1 (en) * | 2018-04-27 | 2021-08-19 | Applied Materials, Inc. | Protection of components from corrosion |
US11753727B2 (en) * | 2018-04-27 | 2023-09-12 | Applied Materials, Inc. | Protection of components from corrosion |
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