JP2016161495A - 炉内構造物の解体回収工法と解体回収設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子炉圧力容器内の炉内構造物を、冠水させずに短期間に解体し回収することができ、かつ必要機器の設置も短期間にできる炉内構造物の解体回収工法と解体回収設備を提供する。【解決手段】第1遮蔽室22、第2遮蔽室24、上部プラットホーム26、下部プラットホーム28、及び回収装置30を準備する。上部プラットホーム26は、ワイヤまたはチェーン27bを昇降駆動する昇降機構27aを有する。下部プラットホーム28は、ワイヤまたはチェーン27bに吊り下げられ第1遮蔽室内と原子炉圧力容器内との間で昇降する。回収装置30は下部プラットホーム28に取り付けられ、遠隔操作により炉内構造物Xを解体し回収する。回収装置30により、炉内構造物Xを上部から順に、下部プラットホーム28と共に吊上げ可能な切断片に解体して第1遮蔽室22に回収し、第2遮蔽室24において切断片を細断して廃棄物缶に収容する。【選択図】図6

Description

本発明は、原子炉圧力容器内の炉内構造物を、冠水させずに解体し回収する炉内構造物の解体回収工法と解体回収設備に関する。
破損した原子炉から溶融した燃料デブリ等を取り出す場合、冠水させた燃料デブリ等からの放射線を水で遮蔽した状態で行う冠水工法が知られている。しかし、原子炉格納容器が破損している場合、漏水のため冠水工法の適用が難しい。
そこで、冠水させずに原子炉圧力容器内の燃料デブリ等を回収する手段として、特許文献1,2が提案されている。
特許文献1の「原子力プラントにおける核燃料物質の搬出方法」では、切削装置を有するボーリング装置が、原子炉圧力容器内の炉心上方に配置される。切削装置の回転軸及び外筒はそれぞれ回転しながら下降し、旋回する内刃及び外刃によって炉心内の核燃料物質が切削される。この核燃料物質の切削屑は、外筒内に入って回転するスクリューによって外筒内を移送され、さらに、回収物吐出口及び移送ダクトを通り、燃料キャスクに収納される。
特許文献2の「沸騰水型原子力プラントにおける燃料デブリの搬出方法及び作業ハウスシステム」では、原子炉建屋の上に気密機能を備えた第1ハウスと第3ハウスを設置し、DSP内にも気密機能を備えた第2ハウスを設置する。原子炉ウエル部および原子炉圧力容器内と第1ハウスから第3ハウス内の雰囲気を管理し、原子炉圧力容器内を気中状態として溶融した燃料デブリを搬出する。
特開2013−19875号公報 特開2015−4555号公報
特許文献1に記載の工法の場合、切削装置の旋回する内刃及び外刃によって炉心内の核燃料物質を切削するため、細断された燃料デブリが飛散又は落下するとともに燃料デブリ冷却のための冷却水や内部の気体を汚染する可能性がある。また、原子炉圧力容器内の炉内構造物も細断する必要があり、炉内構造物の解体撤去作業が長期化する。
特許文献2に記載の工法の場合、第1、第2、第3ハウス内に、各炉内構造物(蒸気乾燥器、気水分離器、シュラウドヘッド、など)を吊り上げ可能な大型クレーンを設置する必要がある。遮蔽室内に大型クレーンを設置することは困難であり、仮に設置可能であっても設置作業が長期化するおそれがある。
また、これらの炉内構造物は一部が損傷している可能性があり、通常の方法では取外しできないと想定される。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、原子炉圧力容器内の炉内構造物を、冠水させずに短期間に解体し回収することができ、かつ必要機器の設置も短期間にできる炉内構造物の解体回収工法と解体回収設備を提供することにある。
本発明によれば、原子炉圧力容器内の炉内構造物の解体回収工法であって、
原子炉ウエルと燃料プールの上部を密閉状態で囲む第1遮蔽室と、
前記第1遮蔽室との間に開閉可能な遮蔽扉を有し、機器仮置きプールの上部を密閉状態で囲む第2遮蔽室と、
ワイヤまたはチェーンを昇降駆動する昇降機構を有し、前記第1遮蔽室に設置された上部プラットホームと、
前記ワイヤまたは前記チェーンに吊り下げられ、前記第1遮蔽室内と前記原子炉圧力容器内との間で昇降可能な下部プラットホームと、
前記下部プラットホームに取り付けられ、遠隔操作により前記炉内構造物を解体し回収する回収装置と、を準備し、
前記回収装置により、前記炉内構造物を上部から順に、前記下部プラットホームと共に前記昇降機構で吊上げ可能な切断片に解体して前記第1遮蔽室に回収し、
前記第2遮蔽室において前記切断片を細断して廃棄物缶に収容する、ことを特徴とする炉内構造物の解体回収工法が提供される。
(A)前記原子炉圧力容器の上蓋に前記下部プラットホームが通過可能なアクセス開口を設ける開口工程と、
(B)前記原子炉圧力容器の上部から前記アクセス開口を通して前記下部プラットホームを昇降可能に吊り下げる吊下げ工程と、
(C)前記回収装置を用いて、前記炉内構造物を上部から順に前記切断片に解体し、前記アクセス開口を通して前記原子炉圧力容器の外部に回収する解体撤去工程と、を有する。
前記解体撤去工程において、前記炉内構造物のうち、蒸気乾燥器、気水分離器及びシュラウドヘッドを上部から下部、外周部から中心部または中心部から外周部に向かって順に解体し撤去する。
前記解体撤去工程において前記切断片が落下し、後続作業の支障とならないように把持または固定する落下防止対策を行う。
前記蒸気乾燥器の解体撤去は、
(A)湿分分離ユニットを外側から内側に、または内側から外側に向かって順次解体して撤去するユニット撤去工程と、
(B)底板を切断して撤去する底板撤去工程と、
(C)ドレン配管を切断して撤去する配管撤去工程と、
(D)吊り部を残してスカートを内面から切断して撤去するスカート撤去工程と、を有する。
前記気水分離器の解体撤去は、
(A)上部フランジリング、上部フランジリブ、シュラウドヘッドボルト、及び気水分離器間の上部ブレーシングを切断して、中間フランジリングより上部の前記気水分離器をRPV炉壁側の外周部から中心部に、または中心部から外周部に向かって順次切断し撤去する上部撤去工程と、
(B)中間フランジリング、中間フランジリブ、給水スパージャ、炉心スプレイ配管、シュラウドヘッドボルトを切断撤去後、直立した管状のスタンドパイプを外周部から中心部に、または中心部から外周部に向かって切断撤去するため、スタンドパイプ間の下部ブレージング、及び長尺リブを順に切断し撤去する下部撤去工程と、を有する。
前記シュラウドヘッドの解体撤去は、
前記シュラウドヘッドを外周部から中心部に、または中心部から外周部に向かって前記切断片に切断して撤去する。
前記解体撤去工程において、
(A)燃料デブリ又は燃料デブリが付着した前記切断片を、前記回収装置を用いて、収納バスケットに収納し、
(B)前記第1遮蔽室において、前記収納バスケットを収納缶に収納し、
(C)前記収納缶を燃料プール内に保管する。
また、本発明によれば、原子炉圧力容器内の炉内構造物の解体回収設備であって、
原子炉ウエルと燃料プールの上部を密閉状態で囲む第1遮蔽室と、
前記第1遮蔽室との間に開閉可能な遮蔽扉を有し、機器仮置きプールの上部を密閉状態で囲む第2遮蔽室と、
ワイヤまたはチェーンを昇降駆動する昇降機構を有し、前記第1遮蔽室内に設置された上部プラットホームと、
前記ワイヤまたは前記チェーンに吊り下げられ、前記第1遮蔽室内と前記原子炉圧力容器内との間で昇降可能な下部プラットホームと、
前記下部プラットホームに取り付けられ、遠隔操作により前記炉内構造物を解体し回収する回収装置と、を備え、
前記回収装置により、前記炉内構造物を上部から順に、前記下部プラットホームと共に前記昇降機構で吊上げ可能な切断片に解体して前記第1遮蔽室に回収し、
前記第2遮蔽室において前記切断片を細断して廃棄物缶に収容する、ことを特徴とする炉内構造物の解体回収設備が提供される。
前記回収装置は、前記下部プラットホームに取り付けられたマニピュレータを有し、
前記マニピュレータは、その先端に、水ジェット、レーザ切断装置を含む機械的または熱的切断装置を有する。
上記本発明によれば、上部プラットホームから吊り下げられた下部プラットホームの回収装置により、炉内構造物を上部から順に、下部プラットホームと共に吊上げ可能な切断片に解体して第1遮蔽室に回収する。
この際、遮蔽扉を閉じておくことで、冠水させずに、外部への放射線漏れを防止して炉内構造物を解体し回収することができる。
工程短縮と作業効率化のためRPV炉内での切断長さ、切断回数を最少とするため、切断片は下部プラットホームと共に昇降機構で吊上げ可能な大きさ(例えば最大1〜2m)と重量(例えば最大5〜10トン)とする。回収された切断片を第2遮蔽室において細断して廃棄物缶に収容するため、炉内での解体撤去工程と並行作業が可能となり解体回収期間を短縮でき、廃棄物処理も円滑にできる。
また、切断片は、解体しない各炉内構造物(単体重量は少なくとも30〜40トン)と比較して大きさ及び重量が大幅に小さいので、各炉内構造物を一体で吊上げる大型クレーンと比較して、昇降機構(例えば電動ウインチ)が小型であり容易かつ短期間に設置できる。さらに、第1遮蔽室と第2遮蔽室も大型クレーンを設置しないので、小型にでき容易かつ短期間に設置できる。
従って、本発明によれば、原子炉圧力容器内の炉内構造物を、冠水させずに短期間に解体し回収することができ、かつ必要機器の設置も短期間にできる。
本発明による解体回収設備を備えた原子炉建屋の概略図である。 原子炉圧力容器(RPV)の内部構造図である。 上部プラットホーム、下部プラットホーム、及び回収装置の全体斜視図である。 マニピュレータの模式的構造図である。 本発明による解体回収工法を示す全体フロー図である。 本発明の解体回収工法を示す模式図である。 蒸気乾燥器の解体撤去工程(S4−1)を示す模式図である。 気水分離器の解体撤去工程(S4−2)を示す模式図である。 シュラウドヘッドの解体撤去工程(S4−3)を示す模式図である。 第1遮蔽室内に回収した切断片Yと切断片Zの処理保管方法を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明による解体回収設備20を備えた原子炉建屋1の概略図である。
この図において、原子炉建屋1は、沸騰水型原子力プラントの建屋であり、2は原子炉圧力容器(RPV)、3は原子炉格納容器(PCV)、5は原子炉格納容器3の上蓋、6はドライウェル、7は圧力抑制室、9はシールドプラグ、10は原子炉建屋1の運転床である。
さらに、この図において、4は燃料プール、8は機器仮置きプール(DSピット)、11は原子炉ウエル、12は天井クレーンである。
図2は、原子炉圧力容器2(RPV)の内部構造図である。
この図において、13は原子炉圧力容器2の上蓋(RPVヘッド)、14は蒸気乾燥器、15は気水分離器、16はシュラウドヘッド、17は燃料集合体、18は制御棒、19は制御棒駆動機構である。
本発明の解体回収設備20は、原子炉圧力容器2内の炉内構造物Xの解体回収設備である。
本発明において、炉内構造物Xとは、上述した蒸気乾燥器14、気水分離器15、シュラウドヘッド16、燃料集合体17、及び制御棒18と、これらに付随する各種部材を意味する。なお、炉内構造物Xはこれらに限定されず、原子炉圧力容器2の内部に存在するその他の構造物を含む。
図1において、本発明の解体回収設備20は、第1遮蔽室22、第2遮蔽室24、上部プラットホーム26、下部プラットホーム28、及び回収装置30を備える。
第1遮蔽室22は、原子炉ウエル11と燃料プール4の上部を密閉状態で囲む。第1遮蔽室22は、原子炉ウエル11の上部全体と燃料プール4の上部の一部を密閉状態で囲むのがよい。
第2遮蔽室24は、第1遮蔽室22との間に開閉可能な遮蔽扉24aを有し、DSピット8の上部を密閉状態で囲む。第2遮蔽室24は、第1遮蔽室22に隣接して設けられ、DSピット8の上部全体を密閉状態で囲むのがよい。
上部プラットホーム26は、ワイヤまたはチェーン27bを昇降駆動する昇降機構27aを有し、第1遮蔽室22内に設置される。
下部プラットホーム28は、ワイヤまたはチェーン27bの下端に吊り下げられ、第1遮蔽室22内と原子炉圧力容器2内との間で昇降可能に構成されている。
回収装置30は、下部プラットホーム28に取り付けられ、遠隔操作により炉内構造物Xを解体し回収するようになっている。
図1において、シールドプラグ9には、下部プラットホーム28を鉛直に通すプラグ開口9aが設けられている。また、本発明の解体回収設備20は、シールドプラグ9のプラグ開口9aを開閉可能に遮蔽する開閉扉21a,21bを有している。
開閉扉21a,21bは、下部プラットホーム28を第1遮蔽室22まで上昇させた状態で全閉することにより、炉内構造物Xからの放射線を遮蔽して、外部への放射線漏れを防止するようになっている。
図1において、本発明の解体回収設備20は、さらに、第1遮蔽室22に設置され、収納バスケット36を昇降可能に吊り下げる巻上装置38を備える。収納バスケット36は巻上装置38のワイヤまたはチェーン38aに吊り下げられ、第1遮蔽室22内と原子炉圧力容器2内との間で昇降可能に構成されている。
巻上装置38は、昇降機構27aとは独立に制御される。また、巻上装置38は、第1遮蔽室22内で水平移動可能であり、収納バスケット36を第1遮蔽室22内で移動可能に構成されている。
図3は、上部プラットホーム26、下部プラットホーム28、及び回収装置30の全体斜視図である。
上部プラットホーム26は、シールドプラグ9のプラグ開口9a(図1参照)を囲む平面視でリング状の部材である。この例において、上部プラットホーム26は、第1遮蔽室22内の運転床10に固定された下部中空円板26aと、下部中空円板26aの上方に間隔を隔てて位置する上部中空円板26bと、上部中空円板26bと下部中空円板26aを連結する複数の鉛直支持板26cとを有する。
上部中空円板26bには、複数(この例で3つ)の昇降機構27a(例えば電動ウインチ)が取り付けられており、ワイヤまたはチェーン27bを介して下部プラットホーム28を昇降可能に吊り下げている。
複数の昇降機構27aは、互いに同期して作動し、下部プラットホーム28の姿勢を保持したままで、下部プラットホーム28を昇降するようになっている。
下部プラットホーム28と共に昇降機構27aで吊上げ可能な切断片Yの大きさは例えば最大1〜2mであり、その重量は例えば最大5〜10トンである。炉内での切断回数、切断長さを最少として、炉外での細断作業を並行して行うことにより炉内作業の工程短縮と作業の効率化を図る。
なお、複数の昇降機構27aの全体での吊上げ能力は、第1遮蔽室内に容易かつ短期間に設置できる範囲で大きいことが好ましい。
下部中空円板26aと上部中空円板26bは、その内側に下部プラットホーム28を吊り上げて収容できる大きさに設定されている。
またこの例で下部中空円板26aと上部中空円板26bは、周方向の一部が切り欠かれて切欠き開口26dを形成している。切欠き開口26dは、炉内構造物Xの切断片Yが通過できる大きさに設定されている。
さらに、上部プラットホーム26の高さは、下部プラットホーム28と共に切断片Yをその内側に収容できるように設定されている。
下部プラットホーム28は、上部プラットホーム26の内側に収容可能な大きさの平面視でリング状の部材である。また、下部プラットホーム28の直径は、原子炉圧力容器2の上蓋13に設けることができるアクセス開口2a(後述する)を鉛直に通る限りで大きいことが好ましい。
アクセス開口2aは、可能な限り原子炉圧力容器2の内径に近い大きさに設定することが好ましい。
またこの例で下部プラットホーム28は、周方向の一部が切り欠かれて切欠き開口28aを形成している。切欠き開口28aは、炉内構造物Xの切断片Yが通過できる大きさに設定されている。また、周方向の一部を切り欠かず、剛性を確保するために連続していても良い。
回収装置30は、下部プラットホーム28に取り付けられた複数(例えば3台)のマニピュレータ32を有する。
図4は、マニピュレータ32の模式的構造図である。
この例で、マニピュレータ32は、下部プラットホーム28に取り付けられたベース部32aと、ベース部32aから順に揺動可能に取り付けられた4つのアーム32b,32c,32d,32eとを有する。
ベース部32aは、下部プラットホーム28に固定された鉛直軸を中心に水平に旋回可能であり、4つのアーム32b,32c,32d,32eは、それぞれ独立した液圧シリンダによりそれぞれの末端に設けられた水平軸を中心に上下に揺動可能である。
この構成により、マニピュレータ32はその先端部を下部プラットホーム28に近接する3次元位置に自由な姿勢で位置決めすることができる。
なお、マニピュレータ32は、この構成に限定されず、その先端部を自由な姿勢で位置決めできるその他の構成であってもよい。
マニピュレータ32は、その先端に炉内構造物Xを切断する切断ツール33を有する。切断ツール33は、機械的切断装置、水ジェット切断装置、又はレーザ切断装置等の熱的切断装置である。また、機械的切断装置は、例えば、せん断ツール、ディスクカッタ、などである。
なお、切断ツール33はこの例に限定されず、その他の加工ツールであってもよい。
また、回収装置30は、マニピュレータ32に限定されず、その他に、カメラ、ホイスト、回収容器、などを有するのがよい。
上述した構成により、回収装置30により、炉内構造物Xを上部から順に、上部プラットホーム26で吊上げ可能な切断片Yに解体して回収し、第2遮蔽室24において切断片Yを細断して廃棄物缶b(図10参照)に収容することができる。
本発明による解体回収工法は、上述した解体回収設備20を準備し、回収装置30により、炉内構造物Xを上部から順に、上部プラットホーム26で吊上げ可能な切断片Yに解体して回収し、第2遮蔽室24において切断片Yを細断して廃棄物缶bに収容する。
図5は、本発明による解体回収工法を示す全体フロー図である。
この図に示すように、本発明の解体回収工法は、S1〜S4の各工程からなる。
図6は、本発明の解体回収工法を示す模式図である。
準備工程(S1)では、上述した解体回収設備20、すなわち、第1遮蔽室22、第2遮蔽室24、上部プラットホーム26、下部プラットホーム28、及び回収装置30を準備する。
また、この準備工程において、シールドプラグ9のプラグ開口9aと、プラグ開口9aを開閉可能に遮蔽する開閉扉21a,21bを設ける。
開口工程(S2)では、原子炉格納容器3の上蓋5と原子炉圧力容器2の上蓋13(RPVヘッド)に下部プラットホーム28が通過可能なアクセス開口5a,2aを設ける。
アクセス開口5a,2aは、可能な限り原子炉圧力容器2(RPV)の内径に近い大きさ(例えば、4〜6m)に設定することが好ましい。
また、アクセス開口5a,2aは、上蓋5,13の中央部を切断片Yに順次切り分けて解体し、切断片Yを下部プラットホーム28と共に昇降機構27aで吊上げて、第1遮蔽室22に回収する。
なおこの際、切断片Y又はその破片(切断片Z)が原子炉圧力容器2(RPV)内に落下しないように、切断片Yは回収装置30により保持し、切断片Zは収納バスケット36に収容する。
この切断片Yと切断片Zの取り扱いは、他の工程でも同様である。
上述した開口工程(S2)において、RPVヘッド13上のノズル周辺を切断し、RPVヘッド13からノズルを切り離す。引き続き、RPVヘッド13を切断片Yに切断して分割しながら解体を進め、RPVヘッド13の胴フランジとの接続部近傍(直径約5m)まで解体切断を進める。フランジ近傍はボルト及びナットとの干渉を避けるため、切断ツール33(図4参照)をRPVヘッド13の内側に入れ、内側から切断し解体する。
本発明では、炉内構造物Xを切断片Yとして取り出し、DSピット8で小片に切断し解体することにより、炉内での作業の効率化とクリティカル工程の短縮を図っている。このために、RPVヘッド上のアクセス開口径は物理的な上限である直径約5mであるのがよい。これら一連の作業は下部プラットホーム28に付属しているホイストやマニピュレータ32を使って行い、回収した切断片は放射性廃棄物として処理する。
吊下げ工程(S3)では、原子炉圧力容器2の上部からアクセス開口5a,2aを通して下部プラットホーム28を昇降可能に吊り下げる。
解体撤去工程(S4)では、下部プラットホーム28を用いて、炉内構造物Xを上部から順に切断片Yに解体し、アクセス開口5a,2aを通して原子炉圧力容器2の外部に撤去する。
解体撤去工程(S4)において、炉内構造物Xのうち、蒸気乾燥器14、気水分離器15及びシュラウドヘッド16を上部から下部、外周部から中心部または中心部から外周部に向かって順に解体し撤去する。なおこの工程において、燃料集合体17、制御棒18、及びこれらに付随する各種部材も順に解体し撤去することが好ましい。
また解体撤去工程(S4)において切断片Yが落下し、後続作業の支障とならないように把持または固定する落下防止対策を行うことが好ましい。
図7は、蒸気乾燥器14の解体撤去工程(S4−1)を示す模式図である。
蒸気乾燥器14の単体重量は約31トンである。蒸気乾燥器14は、5つの湿分分離ユニット14a、ハウジング、スカート14c及びドレン配管から構成されている。湿分分離ユニット14aはステンレス鋼の薄板構造体である。
蒸気乾燥器14の解体撤去工程は、ユニット撤去工程、底板撤去工程、配管撤去工程、及びスカート撤去工程を有する。
ユニット撤去工程では、湿分分離ユニット14aを内包しているハウジングを上面とRPVと乾燥器の間の側面からレーザ切断装置等の熱的切断または機械的切断装置によって切断して撤去し、湿分分離ユニット14aを外側から内側に、または内側から外側に向かって順次解体して撤去する。
最初に、5つの湿分分離ユニット14aのうち、主蒸気出口ノズルに直交する90°と270°の方向の両端の湿分分離ユニット14aを解体する。次いで、中央の3つの湿分分離ユニット14aを外側から解体する。このように、外側から5つの湿分分離ユニット14aを順次解体することで、作業スペースを確保して、円滑に解体ができる。
炉内構造物Xの解体撤去の際、付随する各種部材のうち切断片Zは、収納バスケット36に収容し、巻上装置38を用いて第1遮蔽室22に適宜回収する。
また、切断片Yは、下部プラットホーム28と共に昇降機構27aで吊上げて、第1遮蔽室22に回収する。
切断片Zと切断片Yの第1遮蔽室22までの回収工程は、他の工程でも同様である。
底板撤去工程では、底板14bを切断片Yに切断して撤去する。底板14bを撤去するとスカート14cとドレン配管(図示せず)が残る。
配管撤去工程では、ドレン配管を切断して撤去する。ドレン配管を撤去するとスカート14cが残る。
スカート撤去工程では、吊り部を残してスカート14cを内面から切断片Yに切断して撤去する。吊り部を残すのは、切断された切断片Yの落下を防止するためである。また内面から切断するのは内側に作業スペースを確保して、円滑に解体ができるからである。
スカート撤去工程では、残ったスカート14cの切断片がRPV上蓋のアクセス開口を通過するように複数または4分割に分割して切断し解体する。
4分割の場合、325°〜35°、145°〜215°のセパレータブラケット部で支えられた部分を残し切断し解体する。90°方位近傍の上端部を把持して、両側に35°から40°の範囲をスカート内側からレーザ切断装置等の熱的切断または機械的切断によって切断する。
引き続き、270°方位近傍の上端部を把持して、同じく両側に35°から40°の範囲を切断する。切断片が大きい場合、適時、切断方位を増やすのがよい。なお、325°〜35°、145°〜215°の範囲はドレンチャンネルが設けられているため、これを避けて切断する。蒸気乾燥器14の切断と解体とともに0°と180°の方位にあるガイドロッドも小片に切断し解体する。これらの切断片はDSピット8に仮置きしたのち、放射性廃棄物として処理する。
図8は、気水分離器15の解体撤去工程(S4−2)を示す模式図である。
気水分離器15の単体重量は約42トンである。気水分離器15は151本あり、スタンドパイプを介してシュラウドヘッド16と溶接接合した一体構造となっている。また、シュラウドヘッド16は全周36本、等間隔に配置されたシュラウドヘッドボルトによりシュラウドにフランジ締結されている。
気水分離器15の解体撤去工程は、上部撤去工程と下部撤去工程を有する。
上部撤去工程では、上部フランジリング15a、上部フランジリブ15b、シュラウドヘッドボルト、及び気水分離器間の上部ブレーシングを切断して、中間フランジリング15cより上部の気水分離器15をRPV炉壁側の外周部から中心部に、または中心部から外周部に向かって、図に破線で示す位置で順次切断し撤去する。
気水分離器15の解体は、先ずシュラウドヘッドボルトとこれの上部と中間部に設けられている上部フランジリング15aを切断して撤去し、RPV内面壁との作業スペースを確保する。シュラウドヘッドボルトは全長約5mの長尺のため、工程が進むごとに順次小片に切断し撤去する。シュラウドヘッドボルトの切断と解体とともに0°と180°の方位にあるガイドロッドも小片に切断し解体する。
次いで、気水分離器上部のハニカム状に配置された上部ブレーシングを上方向から下向きにレーザ切断装置等の熱的切断または機械的切断によりブレーシングに沿わせて2方向を切断し解体する。ブレーシングが切断された気水分離器15を把持しながらスタンドパイプとの接続ソケットの直上をレーザ切断装置等の熱的切断または機械的切断装置で切断し解体する。切断と解体は外周部から中心部(または、中心部から外周部)へ順次実施し、すべての気水分離器15を切断する。
下部撤去工程では、中間フランジリング15c、中間フランジリブ、給水スパージャ、炉心スプレイ配管、シュラウドヘッドボルトを切断撤去後、直立した管状のスタンドパイプを外周部から中心部に、または中心部から外周部に向かって切断撤去するため、スタンドパイプ間の下部ブレージング、及び長尺リブを順に切断し撤去する。
中間フランジリング15cより上部の気水分離器15の切断撤去の完了後に、スタンドパイプ間の下部ブレーシングとスタンドパイプの切断を外周部から中心部へ順次実施する。これらの切断片はDSピット8に仮置きしたのち、放射性廃棄物として処理する。
図9は、シュラウドヘッド16の解体撤去工程(S4−3)を示す模式図である。
シュラウドヘッド16の解体撤去工程では、シュラウドヘッド16を外周部から中心部(または中心部から外周部)に向かって切断片Yに切断して撤去する。
すべてのスタンドパイプの切断と解体後、シュラウドヘッド16を切断し、解体する。切断部が落下しないよう把持しながら切断し撤去する。切断片はDSピット8に仮置きされた後、必要に応じて小片に切断し放射性廃棄物として処理する。
シュラウドヘッド16の撤去後、燃料集合体17および燃料デブリの状態を目視観察するとともに、冷却水の流下状況を観察する。
燃料集合体17、制御棒18、その他の解体撤去工程(S4−4)も、S4−1〜S4−3と同様に上部から順に解体し撤去する。またこの工程において、燃料デブリ又は燃料デブリが付着した切断片Zを、回収装置30を用いて、収納バスケット36に収納する。この収納バスケット36は、燃料デブリの回収専用のものが好ましい。
シュラウドヘッド解体以降の解体手順は炉内の状況に依存する。炉内観察の結果を正しく把握し、適切な燃料デブリの冷却の継続、再臨界を防止しながら回収作業を行う必要がある。
上述した本発明によれば、上部プラットホーム26から吊り下げられた下部プラットホーム28の回収装置30により、炉内構造物Xを上部から順に、下部プラットホーム28と共に吊上げ可能な切断片Yに解体して第1遮蔽室22に回収することができる。
また、同時に、炉内構造物Xの解体撤去の際、付随する各種部材のうち切断片Zは、収納バスケット36に収容し、巻上装置38を用いて第1遮蔽室22に適宜回収することができる。
図10は、第1遮蔽室内に回収した切断片Yと切断片Zの処理保管方法を示す模式図である。
この図に示すように、処理保管方法は、ルートAとルートBの2ルートに区分されている。
ルートAでは、燃料デブリ及び燃料デブリが付着した切断片Zを切削、破砕し、収納バスケット36に入れて回収し、そのまま収納缶aに入れる。収納缶aは蓋をして、水を抜き乾燥させた後、燃料プール4内に保管する。
ルートBでは、切断片Yを第2遮蔽室24の下部のDSピット8に移動し、そこで機械的に細断して廃棄物缶bに収容する。また、収納バスケット36に収容した燃料デブリが付着していない切断片Zは、第2遮蔽室24においてそのまま廃棄物缶bに収容する。
廃棄物缶bは、ダブルシールドアシステムを介して、ダブルシール容器cに収容し、外部の保管施設に保管する。
上述した処理保管方法により、第1遮蔽室22において、燃料デブリ及び燃料デブリが付着した切断片ZをルートAで燃料プール内に保管することができる。
また、第2遮蔽室24において、切断片Y及び燃料デブリが付着していない切断片ZをルートBで外部の保管施設に保管することができる。
第1遮蔽室22と第2遮蔽室24の間は、遮蔽扉24aで遮蔽されているので、遮蔽扉24aを全閉することにより、放射線を遮蔽して、第1遮蔽室22と第2遮蔽室24の間の放射線漏れを防止することができる。
上述した本発明によれば、上部プラットホーム26から吊り下げられた下部プラットホーム28の回収装置30により、炉内構造物Xを上部から順に、下部プラットホーム28と共に吊上げ可能な切断片Yに解体して第1遮蔽室22に回収する。
この際、遮蔽扉24aを閉じておくことで、冠水させずに、外部への放射線漏れを防止して炉内構造物Xを解体し回収することができる。
切断片Yは、下部プラットホーム28と共に昇降機構27aで吊上げ可能な大きさ(例えば最大1〜2m)と重量(例えば最大5〜10トン)であり、炉内で細断する場合と比較して短期間に解体し回収することができる。
また、炉内構造物Xの解体と並行して、第2遮蔽室24において切断片Yを細断して廃棄物缶bに収容するので、解体回収期間を短縮でき、廃棄物処理も円滑にできる。
また、切断片Yは、解体しない各炉内構造物X(単体重量は少なくとも30〜40トン)と比較して大きさ及び重量が大幅に小さいので、各炉内構造物Xを一体で吊上げる大型クレーンと比較して、昇降機構27a(例えば電動ウインチ)が小型であり容易かつ短期間に設置できる。さらに、第1遮蔽室22と第2遮蔽室24も大型クレーンを設置しないので、小型にでき容易かつ短期間に設置できる。
従って、本発明によれば、原子炉圧力容器内の炉内構造物Xを、冠水させずに短期間に解体撤去することができ、かつ必要機器の設置も短期間にできる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
X 炉内構造物、Y 切断片、Z 切断片、a 収納缶、b 廃棄物缶、
c ダブルシール容器、
1 原子炉建屋、2 原子炉圧力容器(RPV)、2a アクセス開口、
3 原子炉格納容器(PCV)、4 燃料プール、5 原子炉格納容器の上蓋、
5a アクセス開口、6 ドライウェル、7 圧力抑制室、
8 機器仮置きプール(DSピット)、9 シールドプラグ、9a プラグ開口、
10 原子炉建屋の運転床、11 原子炉ウエル、12 天井クレーン、
13 原子炉圧力容器の上蓋(RPVヘッド)、14 蒸気乾燥器、
14a 湿分分離ユニット、14b 底板、14c スカート、
15 気水分離器、15a 上部フランジリング、15b 上部フランジリブ、
15c 中間フランジリング、16 シュラウドヘッド、17 燃料集合体、
18 制御棒、19 制御棒駆動機構、20 解体回収設備、
21a,21b 開閉扉、22 第1遮蔽室、24 第2遮蔽室、24a 遮蔽扉、
26 上部プラットホーム、26a 下部中空円板、26b 上部中空円板、
26c 鉛直支持板、26d 切欠き開口、27a 昇降機構、
27b ワイヤまたはチェーン、28 下部プラットホーム、28a 切欠き開口、
30 回収装置、32 マニピュレータ、32a ベース部、
32b,32c,32d,32e アーム、
33 切断ツール(機械式切断装置、ウォータジェット切断装置、レーザ切断装置)、
36 収納バスケット、38 巻上装置、38a ワイヤまたはチェーン

Claims (10)

  1. 原子炉圧力容器内の炉内構造物の解体回収工法であって、
    原子炉ウエルと燃料プールの上部を密閉状態で囲む第1遮蔽室と、
    前記第1遮蔽室との間に開閉可能な遮蔽扉を有し、機器仮置きプールの上部を密閉状態で囲む第2遮蔽室と、
    ワイヤまたはチェーンを昇降駆動する昇降機構を有し、前記第1遮蔽室に設置された上部プラットホームと、
    前記ワイヤまたは前記チェーンに吊り下げられ、前記第1遮蔽室内と前記原子炉圧力容器内との間で昇降可能な下部プラットホームと、
    前記下部プラットホームに取り付けられ、遠隔操作により前記炉内構造物を解体し回収する回収装置と、を準備し、
    前記回収装置により、前記炉内構造物を上部から順に、前記下部プラットホームと共に前記昇降機構で吊上げ可能な切断片に解体して前記第1遮蔽室に回収し、
    前記第2遮蔽室において前記切断片を細断して廃棄物缶に収容する、ことを特徴とする炉内構造物の解体回収工法。
  2. (A)前記原子炉圧力容器の上蓋に前記下部プラットホームが通過可能なアクセス開口を設ける開口工程と、
    (B)前記原子炉圧力容器の上部から前記アクセス開口を通して前記下部プラットホームを昇降可能に吊り下げる吊下げ工程と、
    (C)前記回収装置を用いて、前記炉内構造物を上部から順に前記切断片に解体し、前記アクセス開口を通して前記原子炉圧力容器の外部に回収する解体撤去工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の炉内構造物の解体回収工法。
  3. 前記解体撤去工程において、前記炉内構造物のうち、蒸気乾燥器、気水分離器及びシュラウドヘッドを上部から下部、外周部から中心部または中心部から外周部に向かって順に解体し撤去する、ことを特徴とする請求項2に記載の炉内構造物の解体回収工法。
  4. 前記解体撤去工程において前記切断片が落下し、後続作業の支障とならないように把持または固定する落下防止対策を行う、ことを特徴とする請求項2に記載の炉内構造物の解体回収工法。
  5. 前記蒸気乾燥器の解体撤去は、
    (A)湿分分離ユニットを外側から内側に、または内側から外側に向かって順次解体して撤去するユニット撤去工程と、
    (B)底板を切断して撤去する底板撤去工程と、
    (C)ドレン配管を切断して撤去する配管撤去工程と、
    (D)吊り部を残してスカートを内面から切断して撤去するスカート撤去工程と、を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の炉内構造物の解体回収工法。
  6. 前記気水分離器の解体撤去は、
    (A)上部フランジリング、上部フランジリブ、シュラウドヘッドボルト、及び気水分離器間の上部ブレーシングを切断して、中間フランジリングより上部の前記気水分離器をRPV炉壁側の外周部から中心部に、または中心部から外周部に向かって順次切断し撤去する上部撤去工程と、
    (B)中間フランジリング、中間フランジリブ、給水スパージャ、炉心スプレイ配管、シュラウドヘッドボルトを切断撤去後、直立した管状のスタンドパイプを外周部から中心部に、または中心部から外周部に向かって切断撤去するため、スタンドパイプ間の下部ブレージング、及び長尺リブを順に切断し撤去する下部撤去工程と、を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の炉内構造物の解体回収工法。
  7. 前記シュラウドヘッドの解体撤去は、
    前記シュラウドヘッドを外周部から中心部に、または中心部から外周部に向かって前記切断片に切断して撤去する、ことを特徴とする請求項3に記載の炉内構造物の解体回収工法。
  8. 前記解体撤去工程において、
    (A)燃料デブリ又は燃料デブリが付着した前記切断片を、前記回収装置を用いて、収納バスケットに収納し、
    (B)前記第1遮蔽室において、前記収納バスケットを収納缶に収納し、
    (C)前記収納缶を燃料プール内に保管する、ことを特徴とする請求項2に記載の炉内構造物の解体回収工法。
  9. 原子炉圧力容器内の炉内構造物の解体回収設備であって、
    原子炉ウエルと燃料プールの上部を密閉状態で囲む第1遮蔽室と、
    前記第1遮蔽室との間に開閉可能な遮蔽扉を有し、機器仮置きプールの上部を密閉状態で囲む第2遮蔽室と、
    ワイヤまたはチェーンを昇降駆動する昇降機構を有し、前記第1遮蔽室内に設置された上部プラットホームと、
    前記ワイヤまたは前記チェーンに吊り下げられ、前記第1遮蔽室内と前記原子炉圧力容器内との間で昇降可能な下部プラットホームと、
    前記下部プラットホームに取り付けられ、遠隔操作により前記炉内構造物を解体し回収する回収装置と、を備え、
    前記回収装置により、前記炉内構造物を上部から順に、前記下部プラットホームと共に前記昇降機構で吊上げ可能な切断片に解体して前記第1遮蔽室に回収し、
    前記第2遮蔽室において前記切断片を細断して廃棄物缶に収容する、ことを特徴とする炉内構造物の解体回収設備。
  10. 前記回収装置は、前記下部プラットホームに取り付けられたマニピュレータを有し、
    前記マニピュレータは、その先端に、水ジェット、レーザ切断装置を含む機械的または熱的切断装置を有する、ことを特徴とする請求項9に記載の炉内構造物の解体回収設備。
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