JP2016161398A - 外観限度見本具の製造方法及び外観限度見本具 - Google Patents

外観限度見本具の製造方法及び外観限度見本具 Download PDF

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Abstract

【課題】外観限度見本具を容易かつ安価に製造することができるとともに、様々なバリエーションの欠陥見本を容易に形成することができる外観限度見本具の製造方法を提供する。【解決手段】欠陥見本を備えた外観限度見本具10の製造方法であって、透明光学部材11の表面に器具を押圧し、複数の圧痕を集中させて第一欠陥見本13を形成する欠陥見本形成工程を含むことを特徴とする。欠陥見本形成工程の後、透明光学部材11の表面に被覆層12をコーティングするコーティング工程を含むことが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、外観限度見本具の製造方法及び外観限度見本具に関する。
透明光学部材の外観品質検査を行う際に、現物の欠陥製品を外観限度見本具として採用する場合がある。現物の欠陥製品を外観限度見本具として採用すると、同じ欠陥を備えた外観限度見本具を複数個用意することが困難になるため、外観品質検査を行う部署ごとに外観限度見本具(基準)が異なるという問題がある。
このような問題を解決する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、微小の凸条を透明光学部材に形成して外観限度見本具を製造する技術が開示されている。この微小な凸条が欠陥を模擬した部分(以下、「欠陥見本」と言う。)である。この従来の製造方法では、成形型に凸凹を形成しつつ射出成形によって透明光学部材の表面に複数の凸条を形成している。
特開2009−180674号公報
しかし、特許文献1に記載の製造方法では、透明光学部材の材料(例えば、ガラス)によっては成形型を用いて形成することができない場合がある。また、当該製造方法では、非常に高額な成形型を使用するため製造コストが増加するという問題がある。
また、透明光学部材の実際の欠陥は、点状のキズ、線状のキズ(引っかきキズ)、凸条等様々な形態がある。特許文献1の製造方法において、欠陥見本の大きさや形状のバリエーションを増やす場合には、複数種類の成形型を製造しなければならない。そのため、作業工程や製造コストが著しく増加するという問題がある。
このような観点から本発明は、外観限度見本具を容易かつ安価に製造することができるとともに、様々なバリエーションの欠陥見本を容易に形成することができる外観限度見本具の製造方法及び外観限度見本具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、欠陥見本を備えた外観限度見本具の製造方法であって、透明光学部材の表面に器具を押圧し、複数の圧痕を集中させて前記欠陥見本を形成する欠陥見本形成工程を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、透明光学部材に器具を押圧するだけで欠陥見本を備えた外観限度見本具を容易にかつ安価に製造することができる。また、圧痕の数や隣り合う合う圧痕との間隔を適宜変更することにより、様々なバリエーションの欠陥見本を容易に形成することができる。また、透明光学部材に器具を押圧するだけであるため、透明光学部材の材料を問わず製造可能である。
また、欠陥見本形成工程の後に、前記透明光学部材の表面に被覆層をコーティングするコーティング工程を含むことが好ましい。かかる製造方法によれば、被覆層の割れを防止できる。
また、前記欠陥見本形成工程では、大きさの異なる複数の前記欠陥見本を間隔をあけて形成することが好ましい。
一の透明光学部材に、大きさの異なる複数の欠陥見本を形成しておけば、対比の対象となる光学部品(以下、「対象光学部品」と言う。)に形成された欠陥との対比が容易となる。これにより、外観品質検査における精度、検査スピード等を高めることができる。
また、前記器具の押圧側の先端をダイヤモンドで形成することが好ましい。かかる製造方法によれば、圧痕の形状を安定させることができる。
また、本発明に係る外観限度見本は、透明光学部材の表面に複数の圧痕が集まって構成された欠陥見本が形成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、様々な形態の欠陥見本を容易に表現することができる。つまり、欠陥見本の圧痕の数や隣り合う圧痕との間隔を適宜変更することにより、様々なバリエーションの欠陥見本を容易に形成することができる。また、透明光学部材に複数の圧痕を形成するだけで外観限度見本具を容易にかつ安価に製造することができる。
また、大きさの異なる複数の前記欠陥見本が間隔をあけて形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、対象光学部品に形成された欠陥との対比が容易となる。これにより、外観品質検査における精度、検査スピード等を高めることができる。
本発明に係る外観限度見本具の製造方法及び外観限度見本具によれば、外観限度見本具を容易かつ安価に製造することができる。また、外観限度見本具に設けられた欠陥見本のバリエーションを容易に増やすことができる。
第一実施形態に係る外観限度見本具を示す斜視図である。 第一実施形態に係る欠陥見本を示す拡大平面図であり、(a)は第一欠陥見本を示し、(b)は第二欠陥見本を示し、(c)は第三欠陥見本を示す。 (a)は第一実施形態に係る第一欠陥見本の一部の拡大平面図であり、(b)は(a)のI−I断面図である。 第一実施形態に係る外観限度見本具の製造方法で用いる押圧装置を示す斜視図である。 変形例に係る欠陥見本を示す平面図である。 第二実施形態に係る外観限度見本具を示す平面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る外観限度見本具について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る外観限度見本具10は、透明光学部材11と、被覆層12と、第一欠陥見本13と、第二欠陥見本14と、第三欠陥見本15と、3つの目印線16とで主に構成されている。なお、図中の被覆層12は非常に薄く、また、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15は、非常に小さいものであるが、説明の便宜上実際の寸法よりも大きく描画している。
外観限度見本具10は、対象光学部品の外観品質検査に使用されるものである。対象光学部品は、例えば、光学ガラス、フィルター、ミラー、偏光板、反射シート等である。外観品質検査では、対象光学部品と外観限度見本具10とを対比観察して、品質のチェックを行う。
透明光学部材11は、光学ガラス、光学樹脂等で形成されており、矩形板状を呈する。透明光学部材11は、本実施形態では矩形板状を呈するが、他の形状であってもよい。透明光学部材11の厚さは特に制限されないが、例えば、0.2〜10.0mm、好ましくは0.3〜5.0mmで形成されている。透明光学部材11の材料、厚さ及び形状等は外観品質検査で対比する対象光学部品と同等に形成されていることが好ましい。
被覆層12は、透明光学部材11の表面を覆う層状部材である。被覆層12は、単数又は複数の薄膜を積層して形成されている。被覆層12の材料及び厚さは、透明光学部材11の材料や対象光学部品の用途に応じて適宜設定される。例えば、透明光学部材11を光学ガラスで形成する場合、透明光学部材11の表面に酸化シリカ(SiO)の薄膜及び酸化チタン(TiO)の薄膜を蒸着して被覆層12を構成する。被覆層12の厚さは、例えば1μm以下で適宜設定される。被覆層12の材料、厚さ等は対象光学部品と同等に形成することが好ましい。なお、被覆層12は、省略してもよい。
図1及び図2に示すように、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15は、対象光学部品に形成される可能性のある欠陥を模擬したものである。図2の(a)に示すように、第一欠陥見本13は、複数の圧痕17を模擬すべき欠陥の平面形状に対応する所定の範囲(領域)に集合させることによって構成された圧痕集合体である。また、図2の(b)及び(c)に示すように、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15も、複数の圧痕17を所定の範囲に集合させることによって構成された圧痕集合体である。第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15は、それぞれ凹状かつ点状のキズを表現している。つまり、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15は、対象光学部品に実際に形成された欠陥と対比される部位である。第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15は、それぞれの外径Φ1〜Φ3の大きさが主に相違する。
図2の(a)に示すように、第一欠陥見本13は、本実施形態では複数の圧痕17を外径Φ1となる範囲(外径Φ1となる仮想円)内に集中させることにより構成されている。第一欠陥見本13の外径Φ1は、本実施形態では約60μmである。図2の(a)では37個の圧痕17を集中させて第一欠陥見本13を構成しているが、圧痕17の個数を限定するものではない。
図3の(a)は第一欠陥見本13の一部の拡大平面図であり、(b)は(a)のI−I断面図である。図3の(a)及び(b)に示すように、圧痕17は、後記する押圧部(器具)23を透明光学部材11に押しつけて形成された凹部である。圧痕17の凹部は本実施形態では正四角錐を呈するが、他の角錐、円錐、半球、直方体等でもよい。圧痕17の凹部は、光が反射しやすく、かつ、成形しやすい形状であることが好ましい。圧痕17の大きさ、形状はそれぞれ異なるように形成してもよいが、本実施形態では概ね同一の大きさ、形状になっている。
圧痕17の辺aの長さ寸法は1〜20μmに設定すればよく、好ましくは2〜10μmに設定し、より好ましくは3〜6μmに設定するとよい。圧痕17の辺aの長さ寸法が1μm未満であると成形が困難になるとともに、光が反射しづらくなるため外観品質検査における観察が困難になる。また、圧痕17の辺aの長さ寸法が20μmを超えても光が反射しづらくなるため外観品質検査における観察が困難になる。なお、圧痕の凹部が他の形状である場合は、外径Φ4の仮想円(図3の(a)参照)内に当該圧痕が含まれる大きさで形成するのがよい。外径Φ4は、1.4〜28.2μmに設定すればよく、好ましくは2.8〜14.1μmに設定し、より好ましくは4.2〜8.5μmに設定するとよい。
隣り合う圧痕17,17は重複しても構わないが、所定の間隔をあけて形成することが好ましい。隣り合う圧痕17,17の間隔は、全て均一に設定してもよいが、本実施形態のように異なるように設定してもよい。隣り合う圧痕17,17の間隔は1〜20μmに設定すればよく、好ましくは2〜10μmに設定し、より好ましくは3〜5μmに設定するとよい。隣り合う圧痕17,17の間隔が1μm未満であると外観限度見本具10の強度が低下するおそれがあるため好ましくない。一方、隣り合う圧痕17,17の間隔が20μmを超えると、各欠陥見本が薄くなり観察しづらくなるため点状の欠陥見本としては好ましくない。
前記したように、光学部品の欠陥は、点状のキズ、線状のキズ(引っかきキズ)、凸条、異物混入、気泡、汚れ、ぼかし等様々な形態がある。本実施形態では、点状のキズを模して第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15を形成しているため、圧痕17の大きさや、隣り合う圧痕17,17の間隔を前記のように設定した。圧痕17の形態や、隣り合う圧痕17,17の間隔を適宜変更することにより、様々なバリエーションの欠陥見本を形成することができる。バリエーションの詳細については後記する。
図2の(b)に示すように、第二欠陥見本14は、本実施形態では複数の圧痕17を外径Φ2となる範囲(外径Φ2となる仮想円)内に集中させることにより構成されている。第二欠陥見本14の外径Φ2は、本実施形態では約70μmである。図2の(b)では52個の圧痕17を集中させて第二欠陥見本14を構成しているが、圧痕17の個数を限定するものではない。第二欠陥見本14の圧痕17の大きさ、形状は第一欠陥見本13と概ね同一である。また、第二欠陥見本14の隣り合う圧痕17,17の間隔も第一欠陥見本13と概ね同じ寸法内で配置されている。
図2の(c)に示すように、第三欠陥見本15は、本実施形態では複数の圧痕17を外径Φ3となる範囲(外径Φ3となる仮想円)内に集中させることにより構成されている。第三欠陥見本15の外径Φ3は、本実施形態では約80μmになっている。図2の(c)では88個の圧痕17を集中させて第三欠陥見本15を構成しているが、圧痕17の個数を限定するものではない。第三欠陥見本15の圧痕17の大きさ、形状は第一欠陥見本13と概ね同一である。また、第三欠陥見本15の隣り合う圧痕17,17の間隔も第一欠陥見本13と概ね同じ寸法内で配置されている。
なお、各欠陥見本の外径は、前記した寸法に限定されるものではなく、例えば、40μm〜500μmの範囲内で適宜設定すればよい。
図1に示すように、目印線16は、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15をそれぞれ囲む補助的な線である。目印線16の中央位置に第一欠陥見本13、第二欠陥見本14又は第三欠陥見本15がそれぞれ形成されている。目印線16は、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15が肉眼では見えないか又は肉眼では見づらい大きさである場合に設けるとよい。目印線16を設けると、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15を見つけ易くなる。
目印線16の外径Φ5は、本実施形態では例えば、約5〜10mmで形成されている。目印線16は、例えば色の付いた線で描いても構わないが、本実施形態では複数の圧痕を、円周上に配置することで円形状の線を表している。目印線16の圧痕の大きさ及び間隔は、視認可能な範囲で適宜設定すればよい。目印線16は、各欠陥見本が見つけ易い形状であれば他の形状でもよい。
次に、外観限度見本具10の製造方法について説明する。外観限度見本具の製造方法では、準備工程と、欠陥見本形成工程と、目印形成工程と、コーティング工程とを行う。
準備工程は、透明光学部材11及び図4に示す押圧装置20を用意して欠陥見本形成工程の準備を行う工程である。図4に示すように、押圧装置20は、操作者が予め設定した条件に基づいて、透明光学部材11に複数の圧痕17を形成する装置である。押圧装置20は、テーブル21と、昇降部22と、押圧部23と、ロードセルと、制御部(いずれも図示省略)とで構成されている。テーブル21は、透明光学部材11を移動不能に拘束する部位であって、板状を呈する。テーブル21は、制御部からの制御信号に基づいて前後、左右に移動する。
昇降部22は、制御部からの制御信号に基づいて昇降する部位である。昇降部22は、テーブル21の上方に配置されている。押圧部23は、昇降部22に設けられている。押圧部23は、特許請求の範囲の「器具」に相当する部位である。押圧部23の押圧側の先端を透明光学部材11に押し付けることにより圧痕17が形成される。押圧部23の先端部23aは、透明光学部材11よりも硬度の高い材料(例えば、ダイヤモンド)で形成されている。先端部23aの形状は、圧痕17の形状に合わせて形成されており、本実施形態では正四角錐を呈する。
ロードセルは、力(質量)を検出するセンサーである。本装置のロードセルは、押圧部23に作用する力を検知し、それを電気信号に変換して制御部に出力する。
制御部は、予め設定された条件に基づいて、押圧装置20の全体の制御を行う部位である。制御部は、例えば、CPU等で構成された演算手段、メモリ等の記憶手段、モニタ等の表示手段、キーボード及びマウス等の入力手段で構成されている。制御部は、記憶手段に記憶された圧痕17の辺aの長さ寸法(又は外径Φ4の寸法)、押圧位置(隣り合う圧痕17,17の間隔)等の各条件に基づいて押圧装置20を制御する。
また、制御部は、透明光学部材11に対して押圧部23を押圧する際の押圧力を制御することができる。透明光学部材11に対する押圧部23の押圧力は、透明光学部材11の材料によって適宜設定すればよい。例えば、透明光学部材11が光学ガラスで形成されている場合、当該押圧力を1〜100g、好ましくは5〜50g、より好ましくは10〜20gに設定することができる。当該押圧力が1g未満であると圧痕17が形成しづらい。一方、当該押圧力が100gを超えると透明光学部材11が破損するおそれがある。
欠陥見本形成工程は、透明光学部材11に押圧部23を押圧して(押し付けて)複数の圧痕17を形成し、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15をそれぞれ形成する工程である。操作者が、制御部の実行ボタンを押下すると、設定された条件に基づいて押圧装置20が稼働し、透明光学部材11に各欠陥見本が形成される。
目印形成工程は、透明光学部材11に押圧部23を押圧して複数の圧痕を形成し、目印線16をそれぞれ形成する工程である。操作者が、制御部の実行ボタンを押下すると、設定された条件に基づいて押圧装置20が稼働し、透明光学部材11に目印線16が形成される。なお、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14、第三欠陥見本15及び3つの目印線16を形成する順番は特に制限されるものではない。
コーティング工程は、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14、第三欠陥見本15及び3つの目印線16が形成された透明光学部材11に被覆層12を形成する工程である。被覆層12は、例えば蒸着によって一又は複数の薄膜を積層させる。以上により外観限度見本具10が形成される。
次に、外観限度見本具10の使用方法について説明する。外観品質検査においては、対象光学部品と外観限度見本具10とを、例えば目視又は光学顕微鏡を用いて微分干渉観察等を行い、対象光学部品の品質の適否を判定する。外観限度見本具10は、大きさの異なる第一欠陥見本13、第二欠陥見本14、第三欠陥見本15を備えている。そのため、例えば、対象光学部品の欠陥が、第一欠陥見本13及び第二欠陥見本14と同等か、それよりも小さい場合は適合であると判定し、第三欠陥見本15と同程度か、それよりも大きい場合は不適合と判定することができる。
以上説明した外観限度見本具10及びその製造方法によれば、第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15は、それぞれ大きさの異なる「欠陥見本」となる。透明光学部材11に押圧部(器具)23を押圧するだけで欠陥見本を備えた外観限度見本具10を容易にかつ安価に製造することができる。また、透明光学部材11に押圧部23を押圧するだけであるため、樹脂やガラス等の透明光学部材11の材料を問わず製造可能である。
また、各欠陥見本の圧痕17の数や隣り合う合う圧痕17,17の間隔を適宜変更することにより、様々なバリエーションの欠陥見本を容易に形成することができる。光学部品の高精度化に伴い、欠陥に対する要求も年々厳しくなる傾向にある。本実施形態によれば、圧痕17の数を少なくするだけで、欠陥見本をより小さく形成できるため、このような要求にも容易に対応できる。
なお、欠陥見本形成工程は、被覆層12をコーティングした後に行ってもよいが、この方法であると被覆層12が割れる(破損する)可能性がある。本実施形態では、圧痕17を形成した後に被覆層12を形成しているため、圧痕17の形成による被覆層12の割れを防止することができる。
また、本実施形態では、一の透明光学部材11に大きさの異なる複数の欠陥見本(第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15)を間隔をあけて形成しているため、対象光学部品に形成された欠陥との対比が容易となる。これにより、外観品質検査における精度、検査スピード等を高めることができる。
また、押圧部23の先端部(先端)23aをダイヤモンドで形成することにより、押圧部23の欠損や摩耗を防ぐことができるため、圧痕17の形状を長期間にわたって安定させることができる。
また、圧痕17の凹部の形状は、他の他角錐、半球、直方体等他の形状でもよいが、凹部の形状が四角錐であると、他の形状と比べて光が乱反射しやすい。これにより、外観品質検査における対比が容易となるため、外観品質検査の精度を高めることができる。
ここで、図5は、変形例に係る欠陥見本を示す平面図である。第一実施形態に係る第一欠陥見本13、第二欠陥見本14及び第三欠陥見本15は、略円形の点状のキズを模したものであるが、図5に示す欠陥見本31は、長丸状又は楕円状の点状のキズを模したものである。欠陥見本31は、辺aの長さ寸法が異なる複数種類の圧痕17で構成されている。圧痕17は、長丸状又は楕円状の仮想領域(図5の点線で示す領域)の内側に形成されている。なお、圧痕17は平面視正方形としているが、平面視長方形、ひし形、他の多角形、円又は楕円等としてもよい。
対象光学部品の欠陥のうち線状のキズを表す場合は、複数の圧痕17を間隔をあけて線状に形成し圧痕集合体を形成する。これにより、線状のキズに近い「欠陥見本」を形成することができる。
また、対象光学部品の欠陥のうち「汚れ」や「ぼかし」を表現する場合は、圧痕17を所定の範囲に集中させつつ隣り合う圧痕17,17の間隔を大きくする。この場合、欠陥見本(圧痕集合体)の大きさを0.3〜1.0mmの比較的大きな範囲に設定する。また、当該欠陥見本の隣り合う圧痕の間隔を1〜50μm、より好ましくは20〜40μmに設定する。圧痕の間隔を大きく設定すると、対比観察の際に薄く見える効果があるため、「汚れ」や「ぼかし」に近い欠陥見本を形成することができる。
以上のように、「欠陥見本」の種類を増やす場合は、圧痕17の形状、大きさ、隣り合う圧痕17,17の間隔及び圧痕集合体の形状、大きさの各要素のうち、少なくとも一つの要素を変更するか、又はこれらを二つ以上組み合わせて変更する。このようにするだけで、対象光学部品の様々な欠陥を模擬した「欠陥見本」を容易に形成することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る外観限度見本具について説明する。図6は、第二実施形態に係る外観限度見本具を示す平面図である。図6に示すように、外観限度見本具40は、円形状を呈する。外観限度見本具40は、透明光学部材41と、被覆層42と、第一欠陥見本51〜第九欠陥見本59と、9つの目印線60とで主に構成されている。つまり、外観限度見本具40には、九つの「欠陥見本」が形成されている。なお、第一欠陥見本51〜第九欠陥見本59は、非常に小さいものであるが、説明の便宜上実際の寸法よりも大きく描画している。
第一欠陥見本51〜第九欠陥見本59は、第一実施形態と同様に複数の圧痕を所定の仮想円内に集中させて形成されている。第一欠陥見本51〜第九欠陥見本59は、等間隔で配置されている。目印線60は、各欠陥見本を中央に配置した円状の線である。
各欠陥見本の外径の大きさは、第一欠陥見本51が最も小さく、第二欠陥見本52、第三欠陥見本53、第四欠陥見本54、第五欠陥見本55、第六欠陥見本56、第七欠陥見本57、第八欠陥見本58、第九欠陥見本59の順に徐々に大きくなる。各欠陥見本の外径の大きさは、例えば、約10μmずつ大きくなるように形成されている。欠陥見本の外径の差は、対象光学部品に応じて適宜設定すればよい。
従来の外観限度見本具の製造方法であると、欠陥見本の大きさのバリエーションを増やすのは困難であった。したがって、ある対象光学部品を実機に採用した場合に、実際にどの程度の大きさの欠陥であると不適合となるのか、その閾値を決定するのが非常に困難であった。よって、従来では欠陥(キズ)に対する要求が厳しくなり、過剰性能になる傾向があった。
しかし、第二実施形態であれば、圧痕の数を増減させることで、大きさの異なる複数の「欠陥見本」を備えた外観限度見本具40を容易に形成することができる。外観限度見本具40を実機に採用して品質検査を行うことで、欠陥(キズ)の適合又は不適合となる閾値を容易にかつ正確に決定することができる。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態の押圧部(器具)23は、一回の押圧で一の圧痕17を形成するものであったが、押圧部を複数の突起を有するように変形し、一回の押圧で複数の圧痕17が形成されるようにしてもよい。また、本実施形態では各透明光学部材11,41に対して3個又は9個の欠陥見本を備える場合を例示したが、個数を限定するものではない。一の透明光学部材11に対して1個の欠陥見本を備える形態であってもよい。また、前記説明中の各部位の寸法はあくまで例示であって、対象光学部品の欠陥の種類に応じて適宜設定すればよい。
10 外観限度見本具
11 透明光学部材
12 被覆層
13 第一欠陥見本(欠陥見本)
14 第二欠陥見本(欠陥見本)
15 第三欠陥見本(欠陥見本)
16 目印線
17 圧痕
20 押圧装置
23 押圧部(器具)
23a 先端部(先端)

Claims (6)

  1. 欠陥見本を備えた外観限度見本具の製造方法であって、
    透明光学部材の表面に器具を押圧し、複数の圧痕を集中させて前記欠陥見本を形成する欠陥見本形成工程を含むことを特徴とする外観限度見本具の製造方法。
  2. 欠陥見本形成工程の後に、前記透明光学部材の表面に被覆層をコーティングするコーティング工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の外観限度見本具の製造方法。
  3. 前記欠陥見本形成工程では、大きさの異なる複数の前記欠陥見本を間隔をあけて形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外観限度見本具の製造方法。
  4. 前記器具の押圧側の先端をダイヤモンドで形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の外観限度見本具の製造方法。
  5. 透明光学部材の表面に複数の圧痕が集まって構成された欠陥見本が形成されていることを特徴とする外観限度見本具。
  6. 大きさの異なる複数の前記欠陥見本が間隔をあけて形成されていることを特徴とする請求項5に記載の外観限度見本具。
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