JP2016160501A - 加工性に優れた熱延鋼板とその製造方法 - Google Patents
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Description
(i)熱間圧延終了後、300℃以下に冷却した熱延鋼板を、巻き取る直前に、400℃以上750℃以下の温度域で保熱することにより、炭化物及び第二相の1種又は2種が結晶粒内に分散したミクロ組織を有する、又は、
(ii))熱間圧延終了後、300℃以下に冷却して巻き取った熱延鋼板を、巻き戻す工程で、巻き取る直前に、400℃以上Ac3点+20℃以下の温度域で保熱することにより、炭化物及び第二相の1種又は2種が結晶粒内に分散したミクロ組織を有する
ことを特徴とする。
(i)熱間圧延終了後、熱延鋼板を300℃以下に冷却し、巻き取る直前に、急速加熱で、好ましくは100℃/秒以上の加熱速度で、400℃以上750℃以下の温度域に加熱して5秒以下保熱し、保熱後、そのまま、又は、冷却して巻き取る、又は、
(ii)熱間圧延終了後、熱延鋼板を300℃以下に冷却し、そのまま巻き取り、その後、巻き戻す工程で、巻き取る直前に、急速加熱で、好ましくは100℃/秒以上の加熱速度で、400℃以上Ac3点+20℃以下の温度域に加熱して5秒以下保熱し、保熱後、そのまま、又は、冷却して巻き取る
ことを特徴とする。
(iii)前記(ii)の巻き戻す工程での巻取り前の冷却過程において、300℃以上500℃以下の温度域で、0.1秒以上300秒以下保熱し、保熱後、そのまま、又は、冷却して巻き取る
ことを特徴とする。
熱間圧延に供する鋼片の加熱温度は、通常の範囲内の1000〜1300℃が好ましい。1000℃未満では、その後の仕上げ圧延において、所要の仕上げ温度を確保できないばかりでなく、スケールの剥離性が劣化し、表面疵の発生が懸念されるので、加熱温度は1000℃以上が好ましい。より好ましくは1050℃以上である。
仕上げ圧延温度も、通常の範囲内のAr3〜1000℃が好ましい。Ar3点未満であると、熱延鋼板のミクロ組織が不均一となり、加工性が劣化するので、仕上げ圧延温度はAr3点以上が好ましい。より好ましくはAr3点+20℃以上である。一方、1000℃を超えると、ミクロ組織が粗大化して、加工性が劣化するので、仕上げ圧延温度は1000℃以下が好ましい。より好ましくは980℃以下である。
Cは、鋼板に要求される強度及び加工性に応じて添加する元素である。0.0005%未満では添加効果が発現しないので、Cは0.0005%以上が好ましい。より好ましくは0.0010%以上である。一方、0.30%を超えると、加工性が低下するので、Cは0.30%以下が好ましい。より好ましくは0.20%以下である。
Siは、強度の向上に寄与する元素である。0.20%未満では、添加効果が発現しないでの、Siは0.20%以上が好ましい。より好ましくは0.50%以上である。一方、2.00%を超えると、硬くなりすぎて、加工性が低下するので、Siは2.00%以下が好ましい。より好ましくは1.70%以下である。
Mnは、強度の向上に寄与する元素である。0.50%未満では、添加効果が発現しないので、Mnは0.50%以上が好ましい。より好ましくは0.80%以上である。一方、3.00%を超えると、硬くなりすぎて、加工性が低下するので、Mnは3.00%以下が好ましい。より好ましくは2.00%以下である。
Pは、不純物元素であるので、少ないほど好ましく、0.01%以下が好ましい。より好ましくは0.005%以下である。下限は0%を含むが、0.0001%以下に低減すると、製造コストが大幅に上昇するので、実用鋼板上、0.0001%が実質的な下限である。
Sは、Pと同様に、不純物元素であるので、少ないほど好ましく、0.01%以下が好ましい。より好ましくは0.005%以下である。下限は0%を含むが、0.0001%以下に低減すると、製造コストが大幅に上昇するので、実用鋼板上、0.0001%が実質的な下限である。
Alは、脱酸のために添加する元素である。0.001%未満であると、添加効果が発現しないので、Alは0.001%以上が好ましい。より好ましくは0.005%以上である。一方、0.10%を超えると、添加効果が飽和するとともに、脱酸生成物が鋼板中に残存し、加工性が低下するので、0.10%以下が好ましい。より好ましくは0.05%以下である。
Nは、鋼原料から不可避的に混入する元素であるので、少ないほど好ましく、0.01%以下が好ましい。より好ましくは0.005%以下である。下限は0%を含むが、0.0001%以下に低減すると、製造コストが大幅に上昇するので、実用鋼板上、0.0001%が実質的な下限である。
Oは、鋼板中に不可避的に残留する元素であるので、少ないほど好ましく、0.01%以下が好ましい。より好ましくは0.005%以下である。下限は0%を含むが、0.0001%以下に低減すると、製造コストが大幅に上昇するので、実用鋼板上、0.0001%が実質的な下限である。
表1に示す成分組成の鋳片を連続鋳造で製造し、表2、表3(表2の続き)、及び、表4(表3の続き)に示す熱延−冷却条件で、熱延、冷却、及び、再加熱を行い、そのまま巻き取った。
表1に示す鋼D及び鋼Mを用い、表5に示す熱延−冷却条件で、板厚:2mmの熱延鋼板を製造し巻き取った。巻き取った熱延鋼板を巻き戻す際に、表5に示す熱履歴で再加熱処理を実施し、1%のスキンパス圧延を実施した。
F1、F2、・・・、Fn 圧延スタンド
2 冷却手段
3 巻取機
4 加熱手段
S’ 粗バー
S 熱延鋼板
Claims (7)
- 熱間圧延終了後、300℃以下に冷却した熱延鋼板を、巻き取る直前に、400℃以上750℃以下の温度域で保熱することにより、炭化物及びの第二相の1種又は2種が結晶粒内に分散したミクロ組織を有することを特徴とする加工性に優れた熱延鋼板。
- 熱間圧延終了後、300℃以下に冷却して巻き取った熱延鋼板を、巻き戻す工程で、巻き取る直前に、400℃以上Ac3点+20℃以下の温度域で保熱することにより、炭化物及び第二相の1種又は2種が結晶粒内に分散したミクロ組織を有することを特徴とする加工性に優れた熱延鋼板。
- 前記熱延鋼板が、質量%で、C:0.001〜0.30%、Si:0.20〜2.00%、Mn:0.50〜3.00%、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.01%以下、O:0.01%以下を含むことを特徴とする請求項1又2に記載の加工性に優れた熱延鋼板。
- 請求項1又は3に記載の加工性に優れた熱延鋼板を、連続熱延工程で製造する方法であって、熱間圧延終了後、熱延鋼板を300℃以下に冷却し、巻き取る直前に、急速加熱で、400℃以上750℃以下の温度域に加熱して5秒以下保熱し、保熱後、そのまま、又は、冷却して巻き取ることを特徴とする加工性に優れた熱延鋼板の製造方法。
- 請求項2又は3に記載の加工性に優れた熱延鋼板を、連続熱延工程で製造する方法であって、熱間圧延終了後、熱延鋼板を300℃以下に冷却し、そのまま巻き取り、その後、巻き戻す工程で、巻き取る直前に、急速加熱で、400℃以上Ac3点+20℃以下の温度域に加熱して5秒以下保熱し、保熱後、そのまま、又は、冷却して巻き取ることを特徴とする加工性に優れた熱延鋼板の製造方法。
- 前記巻き戻す工程での巻取り前の冷却過程において、300℃以上500℃以下の温度域で、0.1秒以上300秒以下保熱し、保熱後、そのまま、又は、冷却して巻き取ることを特徴とする請求項5に記載の加工性に優れた熱延鋼板の製造方法。
- 前記急速加熱を100℃/秒以上の加熱速度で行うことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の加工性に優れた熱延鋼板の製造方法。
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