JP6327277B2 - 板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6327277B2
JP6327277B2 JP2016059747A JP2016059747A JP6327277B2 JP 6327277 B2 JP6327277 B2 JP 6327277B2 JP 2016059747 A JP2016059747 A JP 2016059747A JP 2016059747 A JP2016059747 A JP 2016059747A JP 6327277 B2 JP6327277 B2 JP 6327277B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strength
less
steel sheet
rolled steel
rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016059747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016183414A (ja
Inventor
純二 嶋村
純二 嶋村
珠子 有賀
珠子 有賀
金晴 奥田
金晴 奥田
上岡 悟史
悟史 上岡
元彦 占部
元彦 占部
浩史 前田
浩史 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2016183414A publication Critical patent/JP2016183414A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6327277B2 publication Critical patent/JP6327277B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、建設用機械、産業用機械の構造部材(以下、建設用機械と産業用機械を併せて、建産機と称することもある)等の素材として好適な、板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、建築物の高層化に伴って、建築物の建設に使用するクレーンやトラック等の建設用機械は大型化されている。また、産業用機械も大型化する傾向にある。このため、これら機械の自重を軽くすることが必要とされ、これらの大型建産機の構造部材の素材として、降伏強さ(以下、YSと称することもある):960MPa以上の高強度を有する薄鋼板への要望が高まっている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、質量%でC:0.05〜0.15%、Si:1.50%以下、Mn:0.70〜2.50%、Ni:0.25〜1.5%、Ti:0.12〜0.30%、B:0.0005〜0.0015%を含み、さらにP、S、Al、Nを適正量に調整して含む鋼スラブを、1250℃以上に加熱し、Ar3変態点〜950℃、全仕上圧下率80%以上で熱間圧延し、800〜500℃の範囲の冷却速度を30〜80℃/sとして冷却し、500℃以下の温度で巻取る、加工性および溶接性のよい高強度熱延鋼板の製造方法が開示されている。特許文献1に記載された技術によれば、降伏点890MPa以上、引張強さ950MPa以上を有し、曲げ加工性、溶接性に優れた高強度熱延鋼板を製造できるとしている。
特許文献2には、質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.60%以下、Mn:0.10〜2.50%、sol.Al:0.004〜0.10%、Ti:0.04〜0.30%、B:0.0005〜0.0015%を含む鋼スラブを、少なくとも1100℃から、TiCの溶体化温度以上1400℃以下まで150℃/h以上の昇温速度で加熱し、加熱温度での保定時間を5〜30minとし、その後熱間圧延する、高強度熱延鋼板の製造方法が開示されている。特許文献2に記載された技術によれば、微量のTiを析出硬化元素とし、微量の固溶Bをオーステナイト(γ)安定化元素として利用し、冷却時の変態温度を低下させ、変態後のフェライト組織を微細化することにより、引張強さ1020MPa程度の高強度と破面選移温度vTrs:−70℃程度の高靭性とを有する熱延鋼板が得られるとしている。
特許文献3には、質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:1.50%以下、Mn:0.70〜2.50%、Ni:0.25〜1.5%、Ti:0.12〜0.30%、B:0.0005〜0.0015%を含み、さらにP、S、Al、Nを適正量に調整して含む鋼スラブを、1250℃以上に加熱し、Ar3変態点〜950℃の温度域で全仕上圧下率80%以上で熱間圧延し、800〜200℃の範囲の温度域を冷却速度:20℃/s以上30℃/s未満で冷却し、200℃以下で巻取り、0.2〜5.0%の加工歪を付与し、100〜400℃の範囲の温度で適正時間保持する加工熱処理を施し、曲げ加工性、溶接性に優れた高強度熟延鋼板の製造方法が開示されている。特許文献3に記載された技術によれば、降伏点890MPa以上、引張強さ950MPa以上の高強度熱延鋼板を容易に製造できるとしている。
特許文献4には、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Nb:0.005〜0.30%、Ti:0.001〜0.100%、Cr:0.01〜1.0%、Al:0.1%以下を含有し、かつSi、P、Cr、Ti、Nb、Mnが特定の関係を満足するように含有する組成からなる鋼スラブを鋳造後、直ちに又は一旦冷却し、1100〜1300℃に加熱したのち、仕上圧延終了温度950〜800℃にて熱間圧延し、圧延終了後0.5秒以内に冷却を開始して、30℃/s以上の冷却速度で冷却を行い、500〜300℃で巻取る、加工性に優れた超高強度熱延鋼板の製造方法が開示されている。特許文献4に記載された技術によれば、体積分率で60〜90%未満のベイナイトを主相とし、パーライト、フェライト、残留オーステナイト、マルテンサイトのうちの少なくとも1種を第2相とする金属組織を有し、かつ、ベイナイト相の平均粒径が4μm未満である、引張強さが980MPa以上で、伸びフランジ成形性と強度と延性のバランスが優れ、かつ低降伏比をも具えた、加工性に優れた超高強度熱延鋼板が得られるとしている。
特許文献5には、C:0.10〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.10%以下、S:0.005%以下、Al:0.01〜0.5%、N:0.010%以下、V:0.10〜1.0%を含み、(10Mn+V)/Cが50以上を満足するように含有する組成からなる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、粗圧延によリシートバーとし、次いで、仕上圧延出側温度:800℃以上の条件で仕上圧延を施したのち、仕上圧延完了後3秒以内に、平均冷却速度:20℃/s以上の冷却速度で、400〜600℃の温度範囲、かつ、11000−3000[%V]≦24×Ta≦15000−1000[%V] を満足するTa℃まで冷却して、巻取る、高強度熱延綱板の製造方法が開示されている。特許文献5に記載された技術によれば、焼戻しマルテンサイト相の体積率が80%以上で、粒径:20nm以下のVを含む炭化物が1000個/μm以上析出し、かつ、粒径:20nm以下のVを含む炭化物の平均粒径が10nm以下である組織を有し、引張強さが980MPa以上で、強度と延性のバランスに優れた高強度熱延鋼板が得られるとしている。
特開平05−230529号公報 特開平05−345917号公報 特開平07−138638号公報 特開2000−282175号公報 特開2006−183141号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載された技術では、所望の形状を安定して確保できにくいうえ、大型建産機の構造部材として用いるために不可欠な、幅方向の強度安定性が得られる保証がない。大型建産機の、特にブームなど骨格部品は熱延鋼板を幅方向で2ないし3分割し、かつ長さ数mの条に切断して加工を施す。そのため熱延鋼板の強度が幅方向で安定していることは大型建産機の構造部材の素材、すなわち、大型建産機の構造部材用鋼板として極めて重要である。
本発明は、かかる課題を解決し、大型建産機の構造部材の素材として好適な、板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、熱延鋼板に降伏強さYS:960MPa以上の高強度を付与する手法、さらには幅方向に均一に高強度を保つ手法について鋭意研究した。その結果、鋼板の組織を幅方向全域にわたって、主相を焼戻マルテンサイトとし、圧延方向に平行な断面における旧オーステナイト(γ)粒の平均粒径が20μm以下で、かつ圧延方向に直交する断面における旧オーステナイト粒の平均粒径が15μm以下である組織とすることにより、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を幅方向に均一に有する高強度熱延鋼板が得られることを見出した。
さらに、上記したような組織を得るためには、冷却速度と冷却停止温度等を中心とした製造条件を所定の範囲にすることが必要であることも見出した。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、以下を要旨とするものである。
[1]質量%で、C:0.10〜0.25%、Si:0.10%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.01〜0.05%、Ti:0.005〜0.05%、Cr:0.05〜1.0%、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、焼戻マルテンサイト相が、組織全体に対する体積率で95%以上であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下である組織を有し、降伏強度(YS)960MPa以上であることを特徴とする、板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
[2]前記焼戻マルテンサイト相は、ラス内に平均粒径が0.5μm以下のセメンタイトを有する組織であることを特徴とする上記[1]に記載の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
[3]前記旧オーステナイト粒の粒界および/または前記焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した粒径が1μm以上のセメンタイトの合計量が、組織全体に対する体積率で0.5%以下であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
[4]前記成分組成に加えて、さらに、質量%で、V:0.001〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
[5]前記成分組成に加えて、さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%を含有することを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の高強度熱延鋼板を製造する方法であって、鋼片を、圧延前加熱温度1100〜1250℃で加熱し、粗圧延を施し、部分再結晶オーステナイト域および未再結晶オーステナイト域での累積圧下率を再結晶オーステナイト域での累積圧下率で除した値を0〜0.2とする仕上圧延を行い、次いで、仕上圧延終了後直ちに冷却を開始し、750℃〜マルテンサイト生成温度(Ms点)℃の温度域における平均冷却速度が70℃/s以上で、冷却を開始してから30s以内に300℃以下の冷却停止温度まで冷却する冷却を行い、冷却停止後、前記冷却停止温度±100℃の温度域において5〜60s保持し、前記冷却停止温度以下かつ200℃以上の温度域でコイル状に巻取ることを特徴とする、板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
なお、本発明において、高強度熱延鋼板とは、降伏強さYS:960MPa以上である熱延鋼板である。
本発明によれば、板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板が得られる。
また、本発明の高強度熱延鋼板は、板幅方向全般にわたって降伏強さYS:960MPa以上の高強度を維持でき、強度均一性に富んだ熱延鋼板であるため、大型の建設用機械や産業用機械の構造部材として好適であり、建設用機械や産業用機械の車体重量の軽減に大きく寄与する。以上のように、本発明は、産業上極めて有用な発明である。
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明の高強度熱延鋼板の成分組成の限定理由について説明する。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.10〜0.25%
Cは、鋼の強度を増加させる作用を有する元素であり、本発明では所望の高強度を確保するために、0.10%以上の含有を必要とする。一方、0.25%を超える過剰な含有は、溶接性を低下させるとともに、靭性を低下させる。以上より、Cは0.10〜0.25%の範囲に限定する。好ましくは0.12〜0.18%である。
Si:0.10%以下
Siは、固溶強化、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。しかし、Siの過剰な添加は鋼板表面にスケール(鉄の酸化層)を生成させ、鋼板表面の美麗を損ねる。そのため、Siは0.10%以下に限定する。好ましくは0.08%以下である。
Mn:1.0〜2.0%
Mnは、焼入性の向上を介し、鋼板の強度を増加させる作用を有する。また、MnSを形成しSを固定することにより、Sの粒界偏析を防止してスラブ(鋼片)割れを抑制する。このような効果を得るためには、1.0%以上の含有を必要とする。一方、2.0%を超える含有は、スラブ鋳造時の凝固偏析を助長し、鋼板にMn濃化部を残存させ、セパレーションの発生を増加させる。Mn濃化部を消失させるには、1300℃を超える温度に加熱する必要があり、このような熱処理を工業的規模で実施することは現実的でない。以上より、Mnは1.0〜2.0%の範囲に限定する。好ましくは1.3〜2.0%である。
P:0.025%以下
Pは、鋼中に不純物として不可避的に含まれるが、鋼の強度を上昇させる作用を有する。しかし、0.025%を超えて過剰に含有すると溶接性が低下する。以上より、Pは0.025%以下に限定する。好ましくは0.015%以下である。
S:0.005%以下
Sは、Pと同様に、鋼中に不純物として不可避的に含まれるが、0.005%を超えて過剰に含有すると、スラブ割れを生起させるとともに、熱延鋼板においては粗大なMnSを形成し、延性の低下が生じる。以上より、Sは0.005%以下に限定する。好ましくは0.004%以下である。
Al:0.005〜0.10%
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには、0.005%以上含有する。一方、0.10%を超える含有は、溶接部の清浄性を著しく損なう。以上より、Alは0.005〜0.10%に限定する。好ましくは0.01〜0.05%である。
Nb:0.01〜0.05%
Nbは、炭窒化物として微細析出することにより、溶接性を損なうことなく、少ない含有量で熱延鋼板を高強度化する作用を有する。また、オーステナイト粒の粗大化、再結晶を抑制する作用を有する元素でもあり、熱間仕上圧延におけるオーステナイト未再結晶温度域圧延を可能にする。これらの効果を得るためには、0. 01%以上含有する。一方、0.05%を超える過剰な含有は、熱間仕上圧延中の圧延荷重の増大をもたらし、熱間圧延が困難となる。以上より、Nbは0.01〜0.05%の範囲に限定する。好ましくは0.02〜0.04%である。
Ti:0.005〜0.05%
Tiは、炭化物として微細析出することにより、鋼板を高強度化するとともに、窒化物を形成してNを固定しスラブ(鋼片)割れを防止する作用を有する。このような効果は、0.005%以上の含有で顕著となる。一方、0.05%を超える含有は析出強化により降伏点が著しく上昇し、靭性が低下する。また、Ti炭化物を溶体化するのに1250℃超という高温加熱を必要とし、旧オーステナイト粒の粗大化を招き、所望の旧オーステナイト粒の微細化が困難となる。以上より、Tiは0.005〜0.05%の範囲に限定する。好ましくは0.01〜0.03%である。
Cr:0.05〜1.0%
Crは、焼入性を向上させ、鋼板強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.05%以上含有する。一方、1.0%を超える過剰の含有は、(溶接した場合の)溶接性を低下させる。以上より、Crは0.05〜1.0%に限定する。好ましくは0.2〜0.6%である。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、オーステナイト粒界に偏析し、少量の含有で焼入れ性を顕著に向上させる作用を有する元素であり、所望の高強度を確保するために含有する。このような効果を得るためには、0.0005%以上含有する。一方、0.0050%を超えて含有しても、効果が飽和するため、含有量に見合う効果が期待できず経済的に不利となる。以上より、Bは0.0005〜0.0050%の範囲に限定する。好ましくは0.0005〜0.0030%である。
上記以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、N:0.005%以下、O:0.005%以下、Mg:0.003%以下、Sn:0.005%以下が許容できる。
Nは、鋼中に不可避的に含有されるが、過剰の含有は、スラブ(鋼片)鋳造時の割れを多発させる。このため、Nは0.005%以下が好ましい。より好ましくは0.004%以下である。
Oは、鋼中では各種の酸化物として存在し、熱間加工性、耐食性、靭性等を低下させる原因となる。このため、本発明ではできるだけ低減することが好ましいが、0.005%までは許容できる。極端な低減は精錬コストの高騰を招くため、Oは0.005%以下に低減することが好ましい。
Mgは、Caと同様に酸化物、硫化物を形成し、粗大なMnSの形成を抑制する作用を有するが、0.003%を超える含有は、Mg酸化物、Mg硫化物のクラスターを多発させ、靭性の低下を招く。このため、Mgは0.003%以下に低減することが好ましい。
Snは、製鋼原料として使用されるスクラップ等から混入する。Snは、粒界等に偏析しやすい元素であり、0.005%を超えて多量に含有すると、粒界強度が低下し、靭性の低下を招く。このため、Snは0.005%以下に低減することが好ましい。
以上が本発明の高強度熱延鋼板の基本成分であるが、本発明の熱延鋼板は、さらに必要に応じて、選択元素として、V:0.001〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上、および/または、Ca:0.0005〜0.005%を含有することができる。
V:0.001〜0.50%
Vは、鋼中に固溶して固溶強化により鋼板の強度増加に寄与するとともに、炭化物、窒化物あるいは炭窒化物として析出し、析出強化により強度増加に寄与する元索である。このような効果を得るためには、0.001%以上含有することが好ましい。一方、0.50%を超える含有は、靭性を低下させる場合がある。以上より、含有する場合は、Vは0.001〜0.50%とする。
Cu:0.01〜0.50%
Cuは、鋼中に固溶して強度増加に寄与するとともに、耐食性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが好ましい。一方、0.50%を超える含有は、鋼板の表面性状を劣化させる。このため、含有する場合は、Cuは0.01〜0.50%とする。
Ni:0.01〜0.50%
Niは、鋼中に固溶して強度増加に寄与するとともに、靭性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが好ましい。一方、0.50%を超える多量のNi含有は、材料コストの高騰を招く。このため、含有する場合は、Niは0.01〜0.50%とする。
Ca:0.0005〜0.005%
Caは、SをCaSとして固定し、硫化物系介在物を球状化し、介在物の形態を制御する作用を有する。さらに、介在物の周囲のマトリックスの格子歪を小さくし、水素のトラップ能を低下させる作用を有する元素でもある。このような効果を得るためには、0.0005%以上含有させることが好ましい。一方、0.005%を超えて含有すると、CaOの増加を招き、耐食性、靭性を低下させる場合がある。以上より、含有する場合は、Caは0.0005〜0.005%とする。好ましくは0.0005〜0.003%である。
次に、本発明の高強度熱延鋼板の組織の限定理由について説明する。
本発明の高強度熱延鋼板は、焼戻マルテンサイト相が組織全体に対する体積率で95%以上であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下である組織を有することを特徴とする。好ましくは、焼戻マルテンサイト相のラス内に平均粒径が0.5μm以下のセメンタイトを有する組織である。好ましくは、旧オーステナイト粒界および/または焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した粒径が1μm以上のセメンタイトの合計量が、組織全体に対する体積率で0.5%以下である。
焼戻マルテンサイト相
本発明の高強度熱延鋼板は、焼戻マルテンサイト相を主相とする。ここでいう「主相」とは、焼戻マルテンサイト相が体積率で95%以上である場合をいうものとする。主相以外の第二相は、ベイナイト相、フェライト相またはパーライト相であって、これら第二相の組織分率が高くなると、強度が低下し、所望の高強度を確保することができなくなる。このため、第二相は体積率で5%以下とすることが好ましい。
旧オーステナイト粒の平均粒径
旧オーステナイト粒の平均粒径は、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下とする。旧オーステナイト粒の平均粒径が圧延方向に平行な断面(L方向断面)で20μmを超える場合、もしくは圧延方向に直交する断面(C方向断面)で15μmを超える場合は、粗大化し、所望する高強度を確保できなくなる。好ましくは、旧オーステナイト粒の平均粒径は、圧延方向に平行な断面で18μm以下、圧延方向に直交する断面で13μm以下である。
焼戻マルテンサイト相中のセメンタイト
焼戻マルテンサイト相のラス内には、平均粒径が0.5μm以下の微細セメンタイトを有していることが好ましい。平均粒径が0.5μm以下のセメンタイトを焼戻マルテンサイト相のラス内に有することで所望のYS(降伏強度)を確保することが可能となる。
旧オーステナイト粒界および/または焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出したセメンタイト
旧オーステナイト粒界および/または焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した、粒径が1μm以上のセメンタイトは、合計量が、体積率で0.5%以下であることが好ましい。粒径が1μm以上のセメンタイトを、合計量で、0.5%以下とすることで所望のシャルピー特性を確保することが可能となる。
なお、焼戻マルテンサイト相の体積率、旧オーステナイト粒の平均粒径、焼戻マルテンサイト相中のセメンタイトの有無、旧オーステナイト粒界および/または焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出したセメンタイトの粒径および体積率は、後述する実施例の方法にて測定することができる。
本発明の高強度熱延鋼板は、降伏強度(YS)960MPa以上とする。
YSが960MPa未満では、大型建産機の構造部材として用いるために不可欠な強度が得られない。
また、本発明が目的とする高強度熱延鋼板は、板厚が3mm以上12mm以下であることが好ましい。
以上からなる成分組成、組織および降伏強度(YS)とすることにより、所望の高強度を有し、板幅方向の強度均一性に優れた熱延鋼板が得られることになる。
次に、本発明の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法について説明する。
本発明では、上記した成分組成を有する鋼片を加熱する加熱工程と、加熱された鋼片を粗圧延と仕上圧延とからなる熱間圧延を施す熱延工程と、冷却工程と、巻き取り工程を順次施し、熱延鋼板とする。
具体的には、本発明の高強度熱延鋼板は、上記した成分組成からなる鋼片を、圧延前加熱温度1100〜1250℃で加熱し、粗圧延を施し、部分再結晶オーステナイト域および未再結晶オーステナイト域での累積圧下率を再結晶オーステナイト域での累積圧下率で除した値を0〜0.2とする仕上圧延を行い、次いで、仕上圧延終了後直ちに冷却を開始し、750℃〜マルテンサイト生成温度(Ms点)℃の温度域における平均冷却速度が70℃/s以上で、冷却を開始してから30s以内に300℃以下の冷却停止温度まで冷却する冷却を行い、冷却停止後、冷却停止温度±100℃の温度域において5〜60s保持し、前記冷却停止温度以下かつ200℃以上の温度域でコイル状に巻取ることにより製造することができる。
以下、詳細に説明する。
鋼片の製造方法は、特に限定する必要はなく、上記した組成を有する溶鋼を、転炉等で溶製し、連続鋳造等の鋳造方法でスラブ等の鋼片とする、常用の方法がいずれも適用できる。なお、造塊−分塊方法を用いてもよい。
加熱工程
加熱工程では、鋼片を圧延前加熱温度1100〜1250℃で加熱する。加熱温度が1100℃未満では、変形抵抗が高く圧延負荷が増大し圧延機への負荷が過大となりすぎる。一方、加熱温度が1250℃を超えて高温になると、結晶粒が粗大化して低温靭性が低下するうえ、スケール生成量が増大し、歩留りが低下する。以上より、鋼片の加熱温度は1100〜1250℃とする。好ましくは1120〜1240℃である。
熱延工程
次いで、加熱された鋼片を粗圧延して好ましくはシートバーとし、さらにシートバーに仕上圧延を施す。
粗圧延は、鋼片を所望の寸法形状のシートバーとすることができればよく、圧延条件はとくに限定しない。なお、シートバー厚さは、仕上圧延機内の温度低下量に影響を及ぼすため、仕上圧延機内の温度低下量や、仕上圧延開始温度と仕上圧延終了温度との差を考慮してシートバー厚さを選択することが好ましい。本発明が対象としている板厚3mm以上12mm以下程度の熱延鋼板では、シートバー厚さは30〜45mmとすることが好ましい。
粗圧延に続く仕上圧延では、部分再結晶オーステナイト域および未再結晶オーステナイト域での累積圧下率を再結晶オーステナイト域での累積圧下率で除した値(以下、累積圧下率比と称することもある)が0〜0.2となる圧延を施す。累積圧下率比が0.2を超えると、旧オーステナイト粒が圧延方向に伸長し、圧延方向に平行な断面での平均粒径が20μm以下かつ圧延方向に直交する断面での平均粒径が15μm以下である組織を確保することができなくなる。好ましくは、累積圧下率比は0.15以下である。
なお、上記した仕上圧延の圧下状態を達成するためには、仕上圧延入側(開始)温度は900〜1050℃の範囲の温度とし、仕上圧延出側(終了)温度は、800〜950℃の範囲の温度とし、仕上圧延の入側(開始)温度と出側(終了)温度との差△Tを200℃以下とすることが好ましい。△Tが、200℃を超えて大きくなると、仕上圧延終了温度が低下するため、所望の旧オーステナイト粒径を確保できなくなる場合がある。なお、仕上圧延における温度は、表面温度を用いるものとする。
熱延工程における仕上圧延は、通常、タンデム圧延でありパス間時間が短く、部分再結晶オーステナイト域を含む未再結晶オーステナイト域が高温側にシフトし、さらに製品板厚が薄い場合には、仕上圧延機内の温度降下量が大きくなりやすい。このため、上記した仕上圧延条件をバランスよく満足させるためには、適正なシートバー厚を選択し、仕上圧延の板厚スケジュール管理(圧下スケジュール)を適正化するとともに、スケールブレーカ、ストリップクーラント等を利用し、仕上圧延機内の温度降下量を調整することが好ましい。
冷却工程
仕上圧延終了後直ちに、好ましくは5s以内に冷却を開始する。例えば、ホットランテーブル上に設置された冷却装置で冷却工程を施す。冷却開始までの滞留時間が長くなると、マルテンサイト生成臨界時間を超過する恐れがあるとともに、オーステナイト粒の粒成長が進行し、焼戻マルテンサイト相のブロックサイズが不均一となる。
750℃〜マルテンサイト生成温度(Ms点)℃の温度域における平均冷却速度は、マルテンサイト生成臨界冷却速度より十分余裕を持たせるように70℃/s以上とする。70℃/s未満では、板幅内でミクロ組織のばらつきが発生し、ベイナイト組織が混じる場合があり、板幅全般にわたって安定して焼戻マルテンサイト相を主相とする所望の組織を得ることができなくなる。冷却速度の上限は、使用する冷却装置の能力に依存して決定されるが、反り等の鋼板形状の悪化を伴わない冷却速度とすることが好ましく、好ましい冷却速度の上限は100℃/sである。750℃未満では、高温で変態するフェライト(ポリゴナルフェライト)またはパーライトが形成され、所望の組織を形成できなくなる。なお、上記750℃は板厚中心部での温度である。
冷却を開始してから30s以内に300℃以下の冷却停止温度まで冷却する。冷却停止温度が、300℃超えの温度では、部分的に焼戻マルテンサイト相を主相とする所望の組織を確保できなくなる。好ましい冷却停止温度は、200℃〜300℃である。冷却開始から冷却停止温度までの冷却時間が30sを超えて長くなると、マルテンサイト相以外の第二相(ベイナイト、フェライト、パーライト)の組織分率が高くなり、低温での変態であるマルテンサイト変態を十分に進行させることができず、所望の組織を確保できなくなる。
以上のような条件で冷却を行うことにより、板幅方向全般にわたって、確実に焼き戻しマルテンサイト主相の組織を得ることが可能となる。なお、平均冷却速度とは750℃からマルテンサイト生成温度(Ms点)℃までの温度域の平均冷却速度を用いるものとする。
なお、マルテンサイト生成温度(Ms点)は、次式を用いて算出した値を用いるものとする。式中に示される元素のうち、含有しないものは零として計算するものとする。
Ms(℃)=561−474C−33Mn−17Cr−17Ni−21Mo
(ここで、C、Mn、Cr、Ni、Mo:各元素の含有量(質量%))
冷却停止後、冷却停止温度±100℃の温度域で5〜60s間保持する。このような保持処理を施すことにより、生成したマルテンサイト相が焼戻され、ラス内に微細なセメンタイトが析出する。これにより、強度(降伏強さ)が上昇する。なお、保持温度が(冷却停止温度−100℃)未満では、所望の焼戻効果が期待できない。一方、保持温度が(冷却停止温度+100℃)を超えると、焼戻効果が過剰となりすぎ、セメンタイトが粗大化して所望の強度を確保できなくなる。保持時間が5s未満では、十分な保持処理効果、すなわち所望の焼戻効果が期待できない。一方、60sを超えて長くなると、巻取工程における焼戻効果が減少するとともに、生産性が低下する。
保持処理の具体的な手段としては、誘導加熱等の手段を用いることもできる。また、(冷却停止温度±100℃)の温度範囲での保持は、ホットランテーブル上でのマルテンサイ卜変態発熱を利用し、ホットランテーブル上に複数箇所設置した表面温度計を参照して、水冷バンクの水量ないし水圧を調整することにより行うこともできる。
巻取工程
冷却停止温度以下かつ200℃以上の温度域でコイル状に巻取る。コイル状に巻き取られ、熱延鋼板は所定の焼戻を受ける。巻取温度が、冷却停止温度〜200℃の範囲を外れると、所望の焼戻効果を確保できなくなる。
巻取り後は、常法にしたがい、調質圧延を施してもよく、また、酸洗を施して表面に形成されたスケールを除去してもよい。
表1に示す成分組成からなるスラブ(鋳片)(肉厚:230mm)を用いて、表2に示す条件で、加熱工程、熱延工程を施した。次いで、表2に示す条件で冷却処理と保持処理を行う冷却工程を施し、さらに、表2に示す巻取温度で巻き取る巻取工程とを、施し、表2に示す板厚の熱延鋼板を製造した。
以上により得られた熱延鋼板から試験片を採取し、組織観察、引張試験を実施した。組織観察方法および各種試験方法は以下の通りである。
(1)組織観察
得られた熱延鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向に平行な断面(L方向断面)および圧延方向に直交する断面(C方向断面)を研磨し、旧オーステナイト粒界が現出するように腐食して、光学顕微鏡(倍率:500倍)で組織を観察、撮影し、圧延方向に平行な断面および圧延方向に直交する断面における各旧オーステナイト粒の粒径を測定した。観察位置は、板厚方向1/4t(t:板厚)の位置とし、各2視野以上実施した。
さらに、組織観察用試験片のL向断面を研磨し、ナイタール腐食して、表面から板厚の1/4位置の3視野以上で、走査型電子顕微鏡(倍率:2000倍)を用いて組織を観察、撮影し、画像解析装置を用いて、焼戻マルテンサイト相やセメンタイト等の組織の種類、各相の組織分率(体積率)、粒径を測定した。焼戻マルテンサイト相や焼戻マルテンサイト相以外の第2相の組織分率は、各相内やラス界面に析出したセメンタイトを含めた組織の体積分率としている。
(2)引張試験
得られた熱延鋼板の所定の位置(コイルの幅中心、1/4幅、エッジから50mmの位置)から、圧延方向(L方向)が試験片の長手方向となるように、板状の試験片(平行部幅:25mm、標点間距離:50mm)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して、室温で引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTS、全伸びElを求めた。降伏強さYSの最大値と最小値の差ΔYSが50MPa以下の場合を板幅方向の強度均一性が良好、50MPa超えの場合を板幅方向の強度均一性が劣っているとした。
(3)衝撃試験
得られた熱延鋼板の所定の位置(コイル長手方向端部、幅方向1/4の位置)の板厚中心部から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるようにVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:−40℃での吸収エネルギーvE−40(J)を求めた。なお、試験片は各3本とし、得られた吸収エネルギー値の算術平均をもとめ、その鋼板の吸収エネルギー値vE−40(J)とした。なお、板厚が10mm未満の鋼板については、サブサイズでの測定値を記載した。
以上により得られた結果を表3に示す。
Figure 0006327277
Figure 0006327277
Figure 0006327277
表3に示すように、本発明例の熱延鋼板は、いずれも、幅全域にわたって、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を有する高強度熱延鋼板となっており、ΔYSが50MPa以下となっている。すなわち、板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板が得られている。また、vE−40が30J以上の高靭性を有していた。
一方、本発明の範囲を外れる比較例は、降伏強さYSが960MPa未満であるか、幅方向の降伏強さYSの最大値と最小値の差ΔYS50MPa超えとなっており、ばらつきがあり材質均一性が劣っている。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.10〜0.25%、Si:0.10%以下、Mn:1.0〜2.0%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.01〜0.05%、Ti:0.005〜0.05%、Cr:0.05〜1.0%、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    焼戻マルテンサイト相が、組織全体に対する体積率で95%以上であり、
    旧オーステナイト粒の平均粒径が、圧延方向に平行な断面で20μm以下、圧延方向に直交する断面で15μm以下である組織を有し、
    降伏強度(YS)960MPa以上であり、降伏強度(YS)の最大値と最小値の差ΔYSが50MPa以下であることを特徴とする、板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
  2. 前記焼戻マルテンサイト相は、ラス内に平均粒径が0.5μm以下のセメンタイトを有する組織であることを特徴とする請求項1に記載の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
  3. 前記旧オーステナイト粒の粒界および/または前記焼戻マルテンサイト相のラス界面に析出した粒径が1μm以上のセメンタイトの合計量が、組織全体に対する体積率で0.5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
  4. 前記成分組成に加えて、さらに、質量%で、V:0.001〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
  5. 前記成分組成に加えて、さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の高強度熱延鋼板を製造する方法であって、
    鋼片を、圧延前加熱温度1100〜1250℃で加熱し、粗圧延を施し、
    部分再結晶オーステナイト域および未再結晶オーステナイト域での累積圧下率を再結晶オーステナイト域での累積圧下率で除した値を0〜0.2とする仕上圧延を行い、
    次いで、仕上圧延終了後直ちに冷却を開始し、
    750℃〜マルテンサイト生成温度(Ms点)℃の温度域における平均冷却速度が70℃/s以上で、冷却を開始してから30s以内に300℃以下の冷却停止温度まで冷却する冷却を行い、
    冷却停止後、前記冷却停止温度±100℃の温度域において5〜60s保持し、
    前記冷却停止温度以下かつ200℃以上の温度域でコイル状に巻取ることを特徴とする、板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
JP2016059747A 2015-03-26 2016-03-24 板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 Active JP6327277B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015064980 2015-03-26
JP2015064980 2015-03-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016183414A JP2016183414A (ja) 2016-10-20
JP6327277B2 true JP6327277B2 (ja) 2018-05-23

Family

ID=57242827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016059747A Active JP6327277B2 (ja) 2015-03-26 2016-03-24 板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6327277B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102075642B1 (ko) * 2018-08-06 2020-02-10 주식회사 포스코 구멍확장성이 우수한 고강도 열연 도금강판 및 그 제조방법
KR102618288B1 (ko) * 2019-02-18 2023-12-29 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 열연 강판 및 그 제조 방법
KR102604593B1 (ko) * 2019-05-31 2023-11-22 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 핫 스탬프용 강판
CN110318008B (zh) * 2019-06-20 2022-01-14 江阴兴澄特种钢铁有限公司 一种大厚度抗层状撕裂屈服强度960MPa级高强钢板及其生产方法
JP7088235B2 (ja) * 2019-07-26 2022-06-21 Jfeスチール株式会社 耐摩耗鋼板およびその製造方法
JP7136061B2 (ja) * 2019-10-11 2022-09-13 Jfeスチール株式会社 高強度熱延鋼板及びその製造方法
CN114585764B (zh) * 2019-10-31 2023-07-07 杰富意钢铁株式会社 钢板、部件及其制造方法
CN115109905B (zh) * 2022-06-28 2023-07-25 武汉钢铁有限公司 一种表面质量优良的车用大梁钢板及其制造方法
WO2024058096A1 (ja) * 2022-09-12 2024-03-21 日本製鉄株式会社 高強度熱延鋼板

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5630125B2 (ja) * 2009-08-06 2014-11-26 Jfeスチール株式会社 低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5598225B2 (ja) * 2010-09-30 2014-10-01 Jfeスチール株式会社 曲げ特性と低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
KR101699582B1 (ko) * 2011-03-29 2017-01-24 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 내응력 부식 균열성이 우수한 내마모 강판 및 그 제조 방법
WO2013065346A1 (ja) * 2011-11-01 2013-05-10 Jfeスチール株式会社 曲げ特性と低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016183414A (ja) 2016-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6327277B2 (ja) 板幅方向の強度均一性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5609383B2 (ja) 低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5594344B2 (ja) 曲げ特性と低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5630125B2 (ja) 低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5598225B2 (ja) 曲げ特性と低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP6477570B2 (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
JP6327282B2 (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP6179461B2 (ja) 高強度鋼板の製造方法
JP5056876B2 (ja) 冷間加工性と焼入れ性に優れた熱延鋼板およびその製造方法
JP5605526B2 (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
JP5672421B1 (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP2018188675A (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP6079726B2 (ja) 高強度鋼板の製造方法
EP2796584A1 (en) High-strength steel sheet and process for producing same
CN110832095B (zh) 热轧钢板及其制造方法
JP6519024B2 (ja) 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板の製造方法
JP2019199649A (ja) 非調質低降伏比高張力厚鋼板およびその製造方法
JP5786720B2 (ja) 引張強さ780MPa以上の高張力厚鋼板およびその製造方法
JP5413276B2 (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
JP3915460B2 (ja) 高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP6066023B1 (ja) 熱延鋼板、フルハード冷延鋼板及び熱延鋼板の製造方法
JP5481941B2 (ja) 高強度冷延鋼板用熱延鋼板およびその製造方法、ならびに高強度冷延鋼板の製造方法
JP6123734B2 (ja) 鋼管杭向け低降伏比高強度電縫鋼管およびその製造方法
JP5776764B2 (ja) 冷延鋼板およびその製造方法
EP3822383A1 (en) Hot rolled coated steel sheet having high strength, high formability, excellent bake hardenability and method of manufacturing same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6327277

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250