JP5609383B2 - 低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

低温靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、建設用機械や産業用機械の構造部材(建産機の構造部材ともいう)用として好適な、高強度熱延鋼板およびその製造方法に係り、とくに、低温靭性の向上に関する。なお、ここでいう「鋼板」は、鋼帯を含むものとする。また、ここでいう「高強度熱延鋼板」とは、降伏強さYS:960〜1200MPa級の高強度を有する熱延鋼板(熱延鋼帯)をいうものとする。
近年、建築物の高層化に伴って、クレーン・トラック等の建設用機械も大型化され、また、産業用機械も大型化する傾向にあり、機械の自重を軽くすることが必要とされている。このため、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を有する薄鋼板の要望が高い。
このような要求に対し、例えば、特許文献1には、質量%で、C:0.05〜0.15%、Mn:0.70〜2.50%、Ti:0.12〜0.30%、B:0.0005〜0.0015%を含み、さらにSi、P、S、Al、Nを適正量に調整して含む鋼スラブを、1250℃以上に加熱し、熱延仕上温度Ar3変態点以上950℃以下で全仕上圧下率80%で熱間圧延し、800〜500℃の範囲の冷却速度を30〜80℃/sで冷却し、500℃以下で巻取る、加工性および溶接性のよい高強度熱延鋼板の製造方法が提案されている。特許文献1に記載された技術によれば、降伏点890MPa以上、引張強さ950MPa以上の高強度熱延鋼板が得られるとしている。
また、特許文献2には、質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:0.60%以下、Mn:0.10〜2.50%、solAl:0.004〜0.10%、Ti:0.04〜0.30%、B:0.0005〜0.0015%を含む鋼スラブを、少なくとも1100℃から、TiCの溶体化温度以上1400℃以下の加熱温度までの温度領域を150℃/h以上の昇温速度で加熱し、加熱温度での保定時間を5〜30minとし、その後熱間圧延する、高強度熱延鋼板の製造方法が提案されている。特許文献1に記載された技術では、微量のTiを析出硬化元素とし、微量の固溶Bを冷却時の変態温度を低下させることによるオーステナイト安定化元素として利用し、引張強さ1020MPa程度の高強度と破面遷移温度−70℃程度の高靭性とを有する熱延鋼板が得られるとしている。
また、特許文献3には、質量%で、C:0.05〜0.15%、Si:1.50%以下、Mn:0.70〜2.50%、Ni:0.25〜1.5%、Ti:0.12〜0.30%、B:0.0005〜0.0015%を含み、さらにP、S、Al、Nを適正量に調整して含む鋼スラブを、1250℃以上に加熱し、熱延仕上温度Ar3変態点以上950℃以下で全仕上圧下率80%で熱間圧延し、800〜200℃の範囲の冷却速度を20℃/s以上30℃/s未満で冷却し、200℃以下で巻取り、0.2〜5.0%の加工歪を付与し、100〜400℃の範囲の温度で適正時間保持する熱処理を施し、加工性および溶接性の良い高強度熱延鋼板の製造方法が提案されている。特許文献3に記載された技術によれば、降伏点890MPa以上、引張強さ950MPa以上の高強度熱延鋼板が得られるとしている。
また、特許文献4には、C:0.05〜0.20%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.0〜3.5%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Nb:0.005〜0.30%、Ti:0.001〜0.100%、Cr:0.01〜1.0%、Al:0.1%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなり、かつ0.05≦((wt%)Si+(wt%)P)/((wt%)Cr+(wt%)Ti+(wt%)Nb+(wt%)Mn)≦0.5 の関係を満たして含有する鋼スラブを鋳造後、直ちに又は一旦冷却し、1100〜1300℃に加熱したのち、仕上げ圧延終了温度950〜800℃にて熱間圧延し、圧延終了後0.5秒以内に冷却を開始して、30℃/s以上の冷却速度で冷却を行い、500〜300℃で巻取る、加工性に優れた超高強度熱延鋼板の製造方法が記載されている。これにより、金属組織が体積分率で60〜90%未満のベイナイトを主相とし、パーライト、フェライト、残留オーステナイト、マルテンサイトのうちの少なくとも1種を第2相とする組織であり、しかもベイナイト相の平均粒径が4μm未満である、加工性に優れ、引張強さが980MPa以上でありながら、伸びフランジ成形性と強度延性バランスがともに優れ、かつ低降伏比をも具えた超高強度熱延鋼板となるとしている。
また、特許文献5には、C:0.10〜0.25%、Si:1.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.10%以下、S:0.005%以下、Al:0.01〜0.5%、N:0.010%以下、V:0.10〜1.0%を含み、(10Mn+V)/C≧50を満足し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなる鋼スラブを、1000℃以上に加熱後、粗圧延によりシートバーとし、ついで仕上げ圧延出側温度:800℃以上の条件で仕上げ圧延を施したのち、仕上げ圧延完了後3秒以内に、平均冷却速度:20℃/s以上の速度で、400〜600℃の温度範囲で、かつ11000−3000[%V]≦24×Ta≦15000−1000[%V]を満足する温度Ta℃まで冷却して、巻き取る高強度熱延鋼板の製造方法が記載されている。これにより、焼戻しマルテンサイト相の体積率が80%以上で、粒径:20nm以下のVを含む炭化物が1000個/μm以上析出し、かつ該粒径:20nm以下のVを含む炭化物の平均粒径が10nm以下である組織を有し、さらに引張強さが980MPa以上で、強度−延性バランスに優れた高強度熱延鋼板となるとしている。
特開平5−230529号公報 特開平5−345917号公報 特開平7−138638号公報 特開2000−282175号公報 特開2006−183141号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載された技術では、所望の形状を安定して確保できにくいうえ、降伏強さYS :960MPa以上の、960MPa級〜1200MPa級の高強度と、かつシャルピー衝撃試験の試験温度:−40℃における吸収エネルギーvE−40:40J以上の高靭性とを兼備した熱延鋼板を安定して容易に製造することが難しいという問題があった。
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、板厚が3mm以上12mm未満で、大型建産機の構造部材用として好適な、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を有し、さらにvE−40が40J以上、好ましくは50J以上の高靭性を有する、高強度高靭性の熱延鋼板および該高強度高靭性の熱延鋼板を安定して製造できる熱延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を有する熱延鋼板の靭性に及ぼす各種要因について、鋭意研究した。その結果、マルテンサイトまたは焼戻マルテンサイトを主相とし、圧延方向の断面で旧オーステナイト粒(旧γ粒)のアスペクト比(圧延方向長さ/板厚方向長さ)が3以上18以下となるような組織に調整することにより、高強度であるにもかかわらず、所望の高靭性、さらには所望の曲げ特性を確保できることを知見した。
熱延鋼板の組織を上記した組織に調整するためには、鋼素材の組成をBを含み、さらにC,Si,Mn,Nb,Ti,Mo,Crをそれぞれ適正範囲に調整したうえ、熱間圧延での再結晶γ域における累積圧下率を60%以上90%以下とし、さらに熱間圧延後の冷却を、マルテンサイト生成臨界冷却速度以上の冷却速度で、(Ms点+50℃)以下の冷却停止温度まで、30s以内とする冷却とし、ついで冷却停止温度±100℃の温度範囲で保持したのち、巻き取る工程を施すことが肝要であることを知見した。このような工程を施して得られた熱延鋼板は、マルテンサイトまたは焼戻マルテンサイトを主相とし、圧延方向の断面で旧γ粒のアスペクト比(圧延方向長さ/板厚方向長さ)が3以上18以下で、かつラス内に微細なセメンタイトが析出し、さらには旧γ粒界、ラス界面に析出した粒径:1μm以上の粗大板状セメンタイトが体積率で0.5%以下となる組織を有し、高強度、高靭性に加えて、耐遅れ破壊性にも優れた鋼板となることを知見した。
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎの通りである。
(1)質量%で、C:0.08〜0.25%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.8〜1.5%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.001〜0.05%、Ti:0.001〜0.05%、Mo:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0% を含み、さらに、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、マルテンサイト相または焼戻マルテンサイト相を体積率で90%以上の主相とし、圧延方向断面における旧オーステナイト粒の圧延方向長さと板厚方向長さの比(圧延方向長さ/板厚方向長さ)で定義されるアスペクト比が3〜18である組織を有し、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を有し、さらにvE −40 が40J以上の高靭性を有することを特徴とする低温靭性に優れた高強度熱延鋼板。
(2)(1)において、前記組織が、前記マルテンサイト相または前記焼戻マルテンサイト相のラス内に平均粒径が0.5μm以下の微細セメンタイトを分散させた組織であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
(3)(1)において、前記組織が、前記マルテンサイト相または前記焼戻マルテンサイト相のラス内に平均粒径が0.5μm以下の微細セメンタイトを分散させ、さらに旧オーステナイト粒界および/またはラス界面に析出した粒径:1μm以上のセメンタイトが体積率で0.5%以下である組織であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:0.001〜0.05%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちの1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高強度熱延鋼板。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%を含有する組成とすることを特徴とする高強度熱延鋼板。
(6)鋼素材に、該鋼素材を加熱する加熱工程と、該加熱された鋼素材を粗圧延と仕上圧延とからなる熱間圧延を施す熱延工程と、冷却工程と、巻取工程を順次施し、熱延鋼板とするにあたり、前記鋼素材を、質量%で、C:0.08〜0.25%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.8〜1.5%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.001〜0.05%、Ti:0.001〜0.05%、Mo:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0% を含み、さらに、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、前記加熱工程が、1100〜1250℃の温度に加熱する工程であり、前記熱延工程が、仕上圧延入側温度FETを900〜1100℃の範囲の温度とし、仕上圧延出側温度FDTを800〜900℃の範囲の温度とし、再結晶オーステナイト域での累積圧下率を60%以上90%以下とする仕上圧延を施す工程であり、前記冷却工程が、熱間圧延終了後、5s以内に冷却を開始し、750〜500℃の温度範囲を、板厚中心部での冷却速度CRでマルテンサイト生成臨界冷却速度以上の冷却速度で、冷却開始から30s以内に(Ms点+50℃)以下の冷却停止温度まで冷却し、該冷却停止温度±100℃の温度範囲で10〜60s間保持する工程であり、前記巻取工程が、巻取温度を前記冷却停止温度±100℃の範囲の温度として、コイル状に巻き取る工程であり、マルテンサイト相または焼戻マルテンサイト相を体積率で90%以上の主相とし、圧延方向断面における旧オーステナイト粒の圧延方向長さと板厚方向長さの比(圧延方向長さ/板厚方向長さ)で定義されるアスペクト比が3〜18である組織を有し、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を有し、さらにvE −40 が40J以上の高靭性を有する熱延鋼板とすることを特徴とする低温靭性に優れる高強度熱延鋼板の製造方法。
(7)(6)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:0.001〜0.05%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちの1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする高強度薄熱延鋼板の製造方法。
(8)(6)または(7)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%を含有する組成とすることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、降伏強さYS:960MPa以上の高強度と、vE−40が40J以上、好ましくは50J以上の高靭性を兼備する、高強度高靭性の板厚3mm以上12mm未満程度の熱延鋼板を安定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明になる熱延鋼板は、大型の建設用機械や産業用機械の構造部材用として好適であり、建設用機械や産業用機械の車体重量の軽減に大きく寄与できるという効果もある。
まず、本発明熱延鋼板の組成限定理由について説明する。なお、とくに断らないかぎり、質量%は単に%と記す。
C:0.08〜0.25%
Cは、鋼の強度を上昇させる作用を有する元素であり、本発明では所望の高強度を確保するために、0.08%以上の含有を必要とする。一方、0.25%を超える過剰な含有は、溶接性を低下させるとともに、母材靭性を低下させる。このため、Cは0.08〜0.25%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.15〜0.20%である。
Si:0.01〜1.0%
Siは、固溶強化、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度を増加させる作用を有する。このような効果は0.01%以上の含有で認められる。一方、Siの多量含有は、Cをγ相に濃化させ、γを安定化し、組織の複合化を促進し強度が低下するうえ、溶接部にSiを含む酸化物を形成し、溶接部品質を低下させる。このため、本発明では、Siの上限は1.0%とした。なお、組織の複合化を抑制する観点から、Siは0.8%以下とすることが好ましい。
Mn:0.8〜1.5%
Mnは、焼入性を向上させる作用を有し、焼入性向上を介し鋼板の強度を増加させる。また、Mnは、MnSを形成しSを固定することにより、Sの粒界偏析を防止してスラブ(鋼素材)割れを抑制する。このような効果を得るためには、0.8%以上の含有を必要とする。一方、1.5%を超える含有は、スラブ鋳造時の凝固偏析を助長し、鋼板にMn濃化部を残存させ、セパレーションの発生を増加させる。このMn濃化部を消失させるには、1300℃を超える温度に加熱する必要があり、このような熱処理を工業的規模で実施することは現実的でない。このため、Mnは0.8〜1.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.9〜1.4%である。また、遅れ破壊防止という観点からは、Mnは1.2%以下とすることがより好ましい。
P:0.025%以下
Pは、鋼中に不純物として不可避的に含まれるが、鋼の強度を上昇させる作用を有する。しかし、0.025%を超えて過剰に含有すると溶接性が低下する。このため、Pは0.025%以下に限定した。なお、好ましくは0.015%以下である。
S:0.005%以下
Sは、Pと同様に鋼中に不純物として不可避的に含まれるが、0.005%を超えて過剰に含有すると、スラブ割れを生起させるとともに、熱延鋼板においては粗大なMnSを形成し、延性の低下を生じさせる。このため、Sは0.005%以下に限定した。なお、好ましくは0.004%以下である。
Al:0.005〜0.10%
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには、0.005%以上含有することが望ましい。一方、0.10%を超える含有は、溶接部の清浄性を著しく損なう。このため、Alは0.005〜0.10%に限定した。なお、好ましくは0.05%以下である。
Nb:0.001〜0.05%
Nbは、オーステナイト粒の粗大化、再結晶を抑制する作用を有する元素であり、熱間仕上圧延におけるオーステナイト未再結晶温度域圧延を可能にするとともに、炭窒化物として微細析出することにより、溶接性を損なうことなく、少ない含有量で熱延鋼板を高強度化する作用を有する。このような効果を得るためには、0.001%以上の含有を必要とする。一方、0.05%を超える過剰な含有は、熱間仕上圧延中の圧延荷重の増大をもたらし、熱間圧延が困難となる場合がある。このため、Nbは0.001〜0.05%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.04%である。
Ti:0.001〜0.05%
Tiは、窒化物を形成しNを固定しスラブ(鋼素材)割れを防止する作用を有するとともに、炭化物として微細析出することにより、鋼板を高強度化する。このような効果は、0.001%以上の含有で顕著となるが、0.05%を超える含有は析出強化により降伏点が著しく上昇し、靭性が低下する。また、Ti炭窒化物の溶体化に1250℃超という高温加熱を必要とし、旧オーステナイト粒の粗大化を招き、所望の旧オーステナイト粒のアスペクト比への調整が困難となる。このため、Tiは0.001〜0.05%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.005〜0.035%である。
Mo:0.1〜1.0%
Moは、焼入性を向上させるとともに、炭窒化物を形成して鋼板を高強度化する作用を有する元素であり、このような効果を得るためには0.1%以上含有する必要がある、一方、1.0%を超える多量の含有は、溶接性を低下させる。このため、Moは0.1〜1.0%に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.8%である。
Cr:0.1〜1.0%
Crは、焼入性を向上させ、鋼板強度を増加させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.1%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超える過剰の含有は、溶接性を低下させる。このため、Crは0.1〜1.0%に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.8%である。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、γ粒界に偏析し、少量の含有で焼入れ性を顕著に向上する作用を有し、所望の高強度を確保するために必須の元素である。このような効果を得るためには、0.0005%以上の含有を必要とする。一方、0.0050%を超えて含有しても、効果が飽和するため、含有量に見合う効果が期待できず経済的に不利となる。このため、Bは0.0005〜0.0050%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.0005〜0.0030%である。
上記した成分が基本の成分であるが、基本の成分に加えて、選択元素として必要に応じてさらに、V:0.001〜0.05%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちの1種または2種以上、および/またはCa:0.0005〜0.005%を含有してもよい。
V:0.001〜0.05%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちの1種または2種以上
V、Cu、Niはいずれも、鋼板の強度増加に寄与する元素であり、必要に応じて1種または2種以上を選択して含有できる。
Vは、鋼中に固溶して強度増加に寄与するとともに、炭化物、窒化物あるいは炭窒化物として析出し、析出強化により強度増加に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.001%以上含有することが望ましい。一方、0.05%を超える含有は、靭性を劣化させる。このため、含有する場合には、Vは0.001〜0.05%の範囲に限定することが好ましい。
Cuは、鋼中に固溶して強度増加に寄与するとともに、耐食性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましい。一方、0.50%を超える含有は、鋼板の表面性状を劣化させる。このため、含有する場合には、Cuは0.01〜0.50%の範囲に限定することが好ましい。
Niは、鋼中に固溶して強度増加に寄与するとともに、靭性を向上させる元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましい。一方、0.50%を超える多量のNi含有は、材料コストの高騰を招く。このため、含有する場合には、Niは0.01〜0.50%の範囲に限定することが好ましい。
Ca:0.0005〜0.005%
Caは、SをCaSとして固定し、硫化物系介在物を球状化し、介在物の形態を制御する作用を有し、介在物の周囲のマトリックスの格子歪を小さくし、水素のトラップ能を低下させる作用を有する元素である。このような効果を得るためには、0.0005%以上含有させることが望ましいが、0.005%を超えて含有すると、CaOの増加を招き、耐食性、靭性を低下させる。このため、Caは含有する場合には、0.0005〜0.005%に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0005〜0.0030%である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、N:0.005%以下、O:0.005%以下、Mg:0.003%以下、Sn:0.005%以下が許容できる。
Nは、鋼中に不可避的に含有されるが、過剰の含有は、鋼素材(スラブ)鋳造時の割れを多発させる。このため、Nは0.005%以下に限定することが望ましい。なお、より好ましくは0.004%以下である。
Oは、鋼中では各種の酸化物として存在し、熱間加工性、耐食性、靭性等を低下させる原因となる。このため、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、0.005%までは許容できる。なお、極端な低減は精錬コストを高騰を招くため、Oは0.005%以下に限定することが望ましい。
Mgは、Caと同様に酸化物、硫化物を形成し、粗大なMnSの形成を抑制する作用を有するが、0.003%を超える含有は、Mg酸化物、Mg硫化物のクラスターを多発させ、靭性の低下を招く。このため、Mgは0.003%以下に限定することが望ましい。
Snは、製鋼原料として使用されるスクラップ等から混入する。Snは、粒界等に偏析しやすい元素であり、0.005%を超えて多量に含有すると、粒界強度が低下し、靭性の低下を招く。このため、Snは0.005%以下に限定することが望ましい。
本発明になる熱延鋼板は、上記した組成を有し、さらにマルテンサイト相または焼戻マルテンサイト相を主相とし、圧延方向断面における旧γ粒のアスペクト比が3〜18である組織を有する。
本発明になる熱延鋼板は、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相を主相とする。ここでいう「マルテンサイト相」は、焼戻されていない、転位密度が高いマルテンサイト相をいうものとする。また、「主相」とは、当該相が体積率で90%以上好ましくは95%以上である場合をいうものとする。主相をマルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相とすることにより、所望の高強度を確保することができる。なお、主相以外の第二相は、ベイナイト相および/またはフェライト相である。第二相の組織分率が高くなると、強度が低下し、所望の高強度を確保することができなくなる。このため、第二相は体積率で10%以下とすることが好ましい。
また、本発明になる熱延鋼板では、圧延方向断面における旧γ粒のアスペクト比が3〜18となる。旧γ粒のアスペクト比は、圧延方向の断面で測定した、旧γ粒の圧延方向長さと板厚方向長さの比、(圧延方向長さ/板厚方向長さ)で定義される。この旧γ粒のアスペクト比が、3未満では曲げ特性は良好であるが靭性が低下する。一方、アスペクト比が18を超えると、曲げ特性が劣化する。このため、旧γ粒のアスペクト比を3〜18の範囲に限定した。なお、好ましくは5〜15である。
また、本発明の熱延鋼板では、マルテンサイト相のラス内に平均粒径が0.5μm以下の微細セメンタイトを分散させ、あるいはさらに旧γ粒界および/またはラス界面に、粒径:1μm以上のセメンタイトの析出を、体積率で0.5%以下に抑制した組織とする。粗大なセメンタイトが、ラス内、および/または、ラス界面、旧γ粒界に析出したセメンタイトが粗大化すると、水素のトラップサイトとなり遅れ破壊を生起しやすくなる。このため、本発明では、ラス内に析出分散するセメンタイトを、0.5μm以下の微細セメンタイトに、また、粒径:1μm以上のセメンタイトのラス界面、旧γ粒界への析出量を体積率で0.5%以下に抑制することが好ましい。
次に、上記した組成、組織を有する本発明熱延鋼板の好ましい製造方法について説明する。
本発明の好ましい製造方法では、鋼素材に、該鋼素材を加熱する加熱工程と、該加熱された鋼素材を粗圧延と仕上圧延とからなる熱間圧延を施す熱延工程と、冷却工程と、巻取工程を順次施し、熱延鋼板とする。
鋼素材の製造方法は、とくに限定する必要はないが、上記した組成の溶鋼を転炉等の常用の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。
まず、得られた鋼素材を加熱する加熱工程を施す。
加熱工程では、鋼素材を1100〜1250℃の温度に加熱する。加熱温度SRTが1100℃未満では、変形抵抗が高く圧延負荷が増大し圧延機への負荷が過大となりすぎる。一方、加熱温度が1250℃を超えて高温になると、結晶粒が粗大して低温靭性が低下するうえ、スケール生成量が増大し、歩留りが低下する。このため、鋼素材の加熱温度は1100〜1250℃とすることが好ましい。なお、より好ましくは1240℃以下である。
ついで、加熱された鋼素材をシートバーとする粗圧延と、該シートバーを熱延板とする仕上圧延とからなる熱延工程を施す。粗圧延は、鋼素材を所望の寸法形状のシートバーとすることができればよく、その条件はとくに限定しない。粗圧延に続く仕上圧延は、仕上圧延入側温度FETを900〜1100℃の範囲の温度とし、仕上圧延出側温度FDTを800〜900℃の範囲の温度とし、再結晶γ域での累積圧下率を60%以上90%以下とする工程とすることが好ましい。なお、仕上圧延における温度は、表面温度を用いるものとする。
仕上圧延の入側温度FETが900℃未満では、仕上圧延前段スタンドでの再結晶オーステナイト域での圧下率が減少し、旧オーステナイト粒の微細化が困難になる。そのため、未再結晶オーステナイト域での累積圧下率が過剰となり、旧オーステナイト粒のアスペクト比が過度に大きくなりやすい。また、曲げ特性の悪化を招く。一方、FETが1100℃を超えると、所望のFDTを確保することが困難となる。また、仕上圧延の出側温度FDTが800℃未満では、表面近傍がAr3変態点未満となる場合があり、板厚方向の組織が不均一となり靭性が低下する。一方、FDTが900℃を超えて高温となると、靭性劣化を招く。
なお、とくに仕上厚が厚い場合には、仕上圧延前のシートバーに加速冷却を施すか、あるいはテーブル上でオシレーションなどを行って仕上圧延の入側温度を調整することが好ましい。一方、仕上厚が薄い場合には、バーヒーター等を用いるなどして、仕上圧延時の温度降下を緩和させてもよい。
また、仕上圧延は、上記した圧延温度条件でかつ、再結晶γ域での累積圧下率が60%以上90%以下となる圧延とすることが好ましい。なお、本発明で使用する鋼素材では、未再結晶γ域は概ね920℃以下の温度域である。再結晶γ域での累積圧下率が60%未満では、平均粒径が粗大化するため、所望の靭性を確保することが困難となる。一方、再結晶γ域での累積圧下率が90%超となると、旧γ粒のアスペクト比が増大し、所望のアスペクト比範囲に調整することができにくく、曲げ特性が低下しやすい。このため、再結晶γ域での累積圧下率は60%以上90%以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは70%以上85%以下である。また、部分再結晶γ域、および未再結晶γ域での累積圧下率は30%以下とすることが好ましい。
熱延工程後、熱間圧延終了後、直ちにホットランテーブル上に設置された冷却装置で、冷却を開始し、冷却工程を施す。
冷却工程では、750〜500℃の温度範囲を、板厚中心部での冷却速度CRでマルテンサイト生成臨界冷却速度以上の冷却速度で、冷却開始から30s以内に(Ms点+50℃)以下の冷却停止温度まで冷却する。なお、冷却速度は750〜500℃の温度範囲の平均冷却速度を用いるものとする。なお、仕上圧延スタンドを出てから冷却を開始するまでの時間は、遅くとも5s以内とすることが必要である。冷却開始までの滞留時間が長くなると、マルテンサイト形成臨界時間を超過する恐れがある。
冷却の開始は、板厚中心部の温度が750℃以上であるうちに行うことが望ましい。板厚中心部の温度が750℃未満となると、高温変態フェライト(ポリゴナルフェライト)あるいはベイナイトが形成され、所望の組織を形成できなくなる。
冷却速度CRが、マルテンサイト生成臨界冷却速度未満では、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相を主相とする所望の組織を確保できなくなる。なお、冷却速度の上限は、使用する冷却装置の能力に依存して決定されるが、反り等の鋼板形状の悪化を伴わない冷却速度とすることが好ましい。より好ましい冷却速度CRは、30〜100℃/sである。本発明で使用する鋼素材の組成範囲では、マルテンサイト生成臨界冷却速度は概ね22℃/s程度である。また、冷却停止温度が、(Ms点+50℃)超えの温度では、マルテンサイト相および/または焼戻マルテンサイト相を主相とする所望の組織を確保できなくなる。なお、好ましい冷却停止温度は(Ms点−180℃)〜(Ms点+100℃)である。また、冷却開始から冷却停止温度までの冷却時間が、30sを超えて長くなると、マルテンサイト相以外の第二相の組織分率が高くなり、マルテンサイト変態を十分に進行させることができず、所望の組織を確保できなくなる場合がある。
冷却工程では、上記した冷却を停止した後、冷却停止温度±100℃の温度範囲で10〜60s間保持する。このような保持処理を施すことにより、生成したマルテンサイト相が焼戻され、ラス内に微細なセメンタイトが析出する。これにより、強度(降伏強さ)が上昇し、かつ靭性が向上する。またさらに、水素のトラップサイトとなる粗大なセメンタイトの生成を防止し、遅れ破壊を防止することができるようになる。保持温度が(冷却停止温度−100℃)未満では、低温となりすぎて所望の焼戻効果が期待できない。一方、保持温度が(冷却停止温度+100℃)を超えると、焼戻効果が過剰となりすぎ、セメンタイトが粗大化して所望の靭性、耐遅れ破壊性を確保できなくなる。保持処理の保持時間が10s未満では、十分な保持処理効果が期待できない。一方、60sを超えて長くなると、巻取処理における焼戻効果が減少する。なお、保持処理の具体的な手段としては、誘導加熱等の手段を用いることもできる。なお、冷却停止温度±100℃の温度範囲での保持は、ホットランテーブル上でのマルテンサイト変態発熱を利用し、ホットランテーブル上に複数箇所設置した表面温度計を参照して、水冷バンクの水量ないし水圧を調整することにより行うこともできる。
冷却工程を終了したのち、ついで(冷却停止温度±100℃)の範囲の巻取温度でコイル状に巻き取る、巻取工程を施され、熱延鋼板とする。
以下、さらに実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1に示す組成のスラブ(鋼素材)(肉厚:230mm)を用いて、表2に示す加熱工程、熱延工程、を施し、熱間圧延終了後、表2に示す条件の冷却と、表2に示す保持処理とを行う冷却工程と、さらに表2に示す巻取温度で巻き取る巻取工程とを、順次施し、表2に示す板厚の熱延鋼板(鋼帯)とした。
なお、各鋼のMs点は、次のような方法で決定した値を用いた。各鋼(鋼板)から円柱状試験片を採取し、該試験片を1200℃に加熱し、300s間保持したのち、20℃/sの冷却速度で1000℃まで冷却し、該温度で1/sの歪速度で30%の圧下を加え、ついで1000℃で60s間保持する処理を行った。該処理後、引続き20℃/sの冷却速度で800℃まで冷却し、該温度で1/sの歪速度で50%の圧下を加え、ついで10〜50℃/sの冷却速度で150℃まで連続冷却した。連続冷却中の試験片の熱膨張変化を測定するとともに、冷却後、各試験片の組織観察、硬さ(ビッカース硬さ)測定を行い、熱膨張測定、組織観察、硬さ測定結果からMs点を決定した。得られた結果を表1に併記した。
さらに、得られた熱延鋼板から試験片を採取し、組織観察、引張試験、衝撃試験を実施した。試験方法は次の通りとした。
(1)組織観察
得られた熱延鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面を研磨し、ナイタール液で腐食し、光学顕微鏡(倍率:500倍)で組織を観察した。観察位置は、鋼板表面から1/4tの位置、および板厚中心部とした。また、各観察位置で各2視野以上観察し、撮像して、画像解析装置を用いて、組織の種類、各相の組織分率を測定した。なお、旧γ粒について、圧延方向の長さおよび板厚方向の長さをそれぞれ測定し、(圧延方向の長さ)/(板厚方向の長さ)を、旧γ粒のアスペクト比とした。そして各視野でそれぞれ平均値を求め、さらにそれらの平均をその鋼板の旧γ粒のアスペクト比とした。
また、ラス内に析出したセメンタイトについて、走査型電子顕微鏡(倍率:10000倍)で観察し、各セメンタイト粒の面積を測定し、円相当直径に換算した。得られた各セメンタイト粒の直径を平均し、該鋼板のラス内のセメンタイトの平均粒径とした。また、旧γ粒界および/またはラス界面に析出したセメンタイトについて、各セメンタイト粒の面積を測定し、円相当直径に換算し、粒径1μm以上のセメンタイトの分率(体積%)を算出した。
(2)引張試験
得られた熱延鋼板の所定の位置(コイル長手方向端部、幅方向1/4の位置)から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるように、板状の試験片(平行部幅:25mm、標点間距離:50mm)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して、室温で引張試験を実施し、降伏強さYS、引張強さTS、伸びElを求めた。
(3)衝撃試験
得られた熱延鋼板の所定の位置(コイル長手方向端部、幅方向1/4の位置)の板厚中心部から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるようにVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:−40℃での吸収エネルギーvE−40(J)を求めた。なお、試験片は3本とし、得られた吸収エネルギー値の算術平均をもとめ、その鋼板の吸収エネルギー値vE−40(J)とした。なお、板厚が10mm未満の鋼板については、板厚換算でフルサイズ試験片(10mm厚)における値(吸収エネルギー)に換算して示した。
(4)曲げ試験
得られた熱延鋼板の所定の位置から曲げ試験片(長辺側が圧延方向と直角方向となるように、短辺側が板厚の5倍以上となるようにした短柵状試験片)を採取し、180度曲げ試験を実施し、割れの発生しない最小曲げ半径(mm)を求め、最小曲げ半径/板厚で示した。最小曲げ半径/板厚が4.0以下である場合を曲げ特性に優れたと評価した。
(5)遅れ破壊試験
得られた熱延鋼板から、丸棒引張試験片(GL.25mm)を採取し、陰極水素チャージをしたのち、電気亜鉛めっきを施し、鋼中に水素を封じ込めた試験片Aとした。このような処理を施さない試験片を試験片Bとし、これら試験片を歪速度:10×10-6/s(室温)で引張り、絞り値を求めた。得られた絞り値から絞り比(=(試験片Aの絞り値)/(試験片Bの絞り値))を求めた。絞り比が85%以上を耐遅れ破壊性に優れると評価した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0005609383
Figure 0005609383
Figure 0005609383
本発明例はいずれも,降伏強さYS:960MPa以上の高強度と、伸びEl:12%以上の高延性と、vE−40が40J以上の高靭性を兼備し、さらに、曲げ特性に優れ、耐遅れ破壊性にも優れた高強度高靭性の熱延鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、降伏強さYSが960MPa未満であるか、vE−40が40J未満であるか、あるいは降伏強さYSが960MPa未満でvE−40が40J未満であり、所望の高強度および高靭性を満足できない、熱延鋼板となっている。

Claims (8)

  1. 質量%で、
    C:0.08〜0.25%、 Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.8〜1.5%、 P:0.025%以下、
    S:0.005%以下、 Al:0.005〜0.10%、
    Nb:0.001〜0.05%、 Ti:0.001〜0.05%、
    Mo:0.1〜1.0%、 Cr:0.1〜1.0%
    を含み、さらに、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、マルテンサイト相または焼戻マルテンサイト相を体積率で90%以上の主相とし、圧延方向断面における旧オーステナイト粒の圧延方向長さと板厚方向長さの比(圧延方向長さ/板厚方向長さ)で定義されるアスペクト比が3〜18である組織を有し、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を有し、さらにvE −40 が40J以上の高靭性を有することを特徴とする低温靭性に優れた高強度熱延鋼板。
  2. 前記組織が、前記マルテンサイト相または前記焼戻マルテンサイト相のラス内に平均粒径が0.5μm以下の微細セメンタイトを分散させた組織であることを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板。
  3. 前記組織が、前記マルテンサイト相または前記焼戻マルテンサイト相のラス内に平均粒径が0.5μm以下の微細セメンタイトを分散させ、さらに旧オーステナイト粒界および/またはラス界面に析出した粒径:1μm以上のセメンタイトが、体積率で0.5%以下である組織であることを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:0.001〜0.05%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちの1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度延鋼板。
  5. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
  6. 鋼素材に、該鋼素材を加熱する加熱工程と、該加熱された鋼素材を粗圧延と仕上圧延とからなる熱間圧延を施す熱延工程と、冷却工程と、巻取工程を順次施し、熱延鋼板とするにあたり、
    前記鋼素材を、質量%で、
    C:0.08〜0.25%、 Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.8〜1.5%、 P:0.025%以下、
    S:0.005%以下、 Al:0.005〜0.10%、
    Nb:0.001〜0.05%、 Ti:0.001〜0.05%、
    Mo:0.1〜1.0%、 Cr:0.1〜1.0%
    を含み、さらに、B:0.0005〜0.0050%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成の鋼素材とし、
    前記加熱工程が、1100〜1250℃の温度に加熱する工程であり、
    前記熱延工程が、仕上圧延入側温度FETを900〜1100℃の範囲の温度とし、仕上圧延出側温度FDTを800〜900℃の範囲の温度とし、再結晶オーステナイト域での累積圧下率を60%以上90%以下とする仕上圧延を施す工程であり、
    前記冷却工程が、熱間圧延終了後、5s以内に冷却を開始し、750〜500℃の温度範囲を、板厚中心部での冷却速度CRでマルテンサイト生成臨界冷却速度以上の冷却速度で、冷却開始から30s以内に(Ms点+50℃)以下の冷却停止温度まで冷却し、該冷却停止温度±100℃の温度範囲で10〜60s間保持する工程であり、
    前記巻取工程が、巻取温度を前記冷却停止温度±100℃の範囲の温度として、コイル状に巻き取る工程であり、
    マルテンサイト相または焼戻マルテンサイト相を体積率で90%以上の主相とし、圧延方向断面における旧オーステナイト粒の圧延方向長さと板厚方向長さの比(圧延方向長さ/板厚方向長さ)で定義されるアスペクト比が3〜18である組織を有し、降伏強さYS:960MPa以上の高強度を有し、さらにvE −40 が40J以上の高靭性を有する熱延鋼板とすることを特徴とする低温靭性に優れる高強度熱延鋼板の製造方法。
  7. 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:0.001〜0.05%、Cu:0.01〜0.50%、Ni:0.01〜0.50%のうちの1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項6に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  8. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%を含有する組成とすることを特徴とする請求項6または7に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
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