JP2016160252A - キサンテンの製造方法 - Google Patents

キサンテンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016160252A
JP2016160252A JP2015043786A JP2015043786A JP2016160252A JP 2016160252 A JP2016160252 A JP 2016160252A JP 2015043786 A JP2015043786 A JP 2015043786A JP 2015043786 A JP2015043786 A JP 2015043786A JP 2016160252 A JP2016160252 A JP 2016160252A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
xanthone
xanthene
aluminate
methoxyethoxy
organic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015043786A
Other languages
English (en)
Inventor
史哲 岩崎
Fumiaki Iwasaki
史哲 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2015043786A priority Critical patent/JP2016160252A/ja
Publication of JP2016160252A publication Critical patent/JP2016160252A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)

Abstract

【課題】有機溶媒中、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとキサントンとを反応させるという、非常に簡便な方法により、医薬中間体として工業上非常に有用なキサンテンを、高収率・高選択率で製造できる方法を提供することにある。
【解決手段】例えば、トルエンのような有機溶媒中、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとキサントンとを反応させることにより、高収率・高選択率でキサンテンを製造する方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、キサントンを還元してキサンテンを製造する新規な方法に関する。
キサンテンは、下記式
Figure 2016160252
で示される化合物であり、胃腸薬として広く使用されているプロパンテリン酸臭化物の中間体として極めて重要な化合物である。
従来のキサンテンの製造方法としては、下記式
Figure 2016160252
で示されるキサントンを様々な還元剤で還元する方法が数多く知られている。例えば、水酸化カリウム存在下、ヒドラジンでキサントンを還元する方法(特許文献1参照)や、ジボランでキサントンを還元する方法(非特許文献1参照)、リチウムアルミニウムハイドライドでキサントンを還元する方法(非特許文献2参照)等が知られている。
しかし、ヒドラジンは、アンモニアに似た強い刺激臭がある上に、引火性が高いといった問題があった。ジボランは、引火性が高い上に爆発性で毒性が高いといった問題があった。また、リチウムアルミニウムハイドライドは、禁水性の化合物であり水と反応すると激しく水素が発生し、引火、爆発の危険性があるといった問題があった。そのため、これら従来技術の還元剤を使用するときには、その取り扱いに最大限の注意を払う必要があった。このため、取り扱いが容易な還元剤を用いて、温和な条件下でキサンテンを製造できる方法の開発が強く望まれていた。
中国特許出願公開103319447号明細書
ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー 28巻 10号 2935−2936頁 1963年(Journal of Organic Chemistry, 28(10), 2935-2936 (1963)) ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー 26巻 12号 4817−4820頁 1961年(Journal of Organic Chemistry, 26(12), 4187-4820 (1961))
以上の背景にあって、本発明は、キサントンを原料に還元してキサンテンを製造する方法において、比較的簡便な方法によりキサンテンを高収率で得る方法を目的とする。
かかる実情に鑑み、本発明者らは、キサントンのような電子供与性の酸素原子が組み込まれた芳香族系複素環化合物の還元について、様々な還元剤を試し、その最適条件を検討した。そして、有機溶媒中、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートを還元剤として使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、有機溶媒中、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとキサントンとを反応させることを特徴とするキサンテンの製造方法である。
本発明によれば、キサントンとナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとを反応させ簡便な方法により、高収率でキサンテンを得ることができる。したがって、工業的に極めて有用である。
本発明は、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとキサントンとを反応させてキサンテンとする方法である。キサントンは、公知の方法で製造することができ、市販のものを使用することができる。本発明によれば、極めて簡便な操作でキサンテンを高収率で取得することができる。条件の最適化を図れば、温和な条件下でワンステップの反応でキサンテンを高収率で取得できる。以下、本発明に用いられる化合物を、順を追って説明する。
(ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネート)
本発明で使用するナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとしては、工業原料および試薬として入手可能なものが何ら制限なく使用できる。ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートは、70質量%トルエン溶液(登録商標:VITRIDE(ビトライド) バーテラス・スペシャルティーズ・インコーポレーテッド製)の形態で、一般的には入手可能である。ビットライドは、溶液の形態でそのまま反応に用いることができるため、本発明においても好適に使用できる。
本発明で使用するナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートの量は、特に制限はないが、キサントン1モルを還元してキサンテンシに変換するためには、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネート1モルが最低必要となる。しかしながら、使用する量が多過ぎると後処理操作が煩雑となる傾向にあるため、通常、キサントン1モルに対して、1.0〜10.0モルの範囲であることが好ましく、1.0〜6.0モルの範囲であることがより好ましい。
このナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートは、キサントンと反応することにより、キサントンを還元するものと考えられる。そして、還元されたキサントンは、キサンテンとなる。
(有機溶媒)
本発明で用いられる有機溶媒としては、反応を阻害しないものであれば、工業原料あるいは試薬として入手可能な溶媒が何等制限なく用いられる。本発明に用いられる溶媒としては、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、塩素化脂肪族炭化水素類、エーテル類が挙げられる。具体的に例示すると、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化脂肪族炭化水素類、ジエチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、混合して用いてもよい。混合して用いる場合、その混合比率に特に制限はない。これらの溶媒の中でも特に高い収率が期待できる、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化脂肪族炭化水素類が好適に使用される。
本発明に使用されるナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートはトルエン溶液として使用されることが最も一般的であるため、有機溶媒もトルエンを使用することが最も一般的である。
本発明で使用する有機溶媒の量は、特に制限はないが、量が少な過ぎると各成分を混合するための攪拌が十分とならない傾向にあり、量が多過ぎると、一バッチあたりの収量が低減する傾向にある。そのため、一般的には、キサントンの溶媒中の濃度が、0.1〜60質量%となる範囲であることが好ましく、さらには1〜30質量%の範囲であることが好ましい。
(その他の反応条件)
本発明においては、有機溶媒中で、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとキサントンとを接触させることにより、両者を反応させることができる。この反応によりキサントンが還元されてキサンテンとなる。
有機溶媒中、キサントンとナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートを反応させるには、キサントン、及びナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートを接触させればよい。これら2成分を接触させるためには、2成分を混合すればよく、例えば、攪拌混合を行って反応を実施すればよい。
この場合、反応温度は、特に制限はないが、温度が高過ぎると還元反応を制御するのが困難となる傾向にあり、温度が低過ぎると反応時間が長くなる傾向にあるため、0℃から用いる溶媒の沸点までの範囲から適宜選択すればよい。その中でも、操作性を考慮すると、反応温度は、10〜80℃の範囲であることが好ましい。
本発明おいて、反応時間は、原料となるキサントンが完全に消費される時間まで行えばよい。そのため、この反応時間は、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネート、およびキサントンの量等によって最適時間が異なるため一概に限定できないが、通常、0.1〜30時間の範囲であることが好ましい。なお、この反応時間は、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネート、キサントンの2成分全てが混合されてからの時間である。
本発明の方法は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。また、本発明の方法は、酸素、大気等の酸素存在下だけでなく、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体雰囲気下でも実施することができる。
本発明において、有機溶媒中、キサントンとナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとを反応させてキサンテンとするには、キサントン及びナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとを混合することにより実施できる。これら各成分の混合方法は、特に制限されるものではない。例えば、有機溶媒中に溶解させたキサントンにナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートのトルエン溶液を投入して混合してもよいし、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートのトルエン溶液にキサントンの有機溶媒溶液を投入してもよい。その中でも、副生物をより低減し、キサンテンの収率をより高めるためには、不活性気体雰囲気下、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートのトルエン溶液を攪拌しながら、溶媒で希釈したキサントンを加えて攪拌(混合)することが好ましい。
以上のような方法に従えば、キサントンをキサンテンへ変換できる。このようにして得られたキサンテンの単離精製方法としては、特に制限はなく公知の方法が採用される。例えば、先ず、反応終了後(原料のキサントンの消費を確認した後)、水、希塩酸、炭酸水素ナトリウム溶液を加えて反応を停止させ、水と相溶しない有機溶媒を加えて有機相に反応性生物を抽出する。次いで、有機相を分離し、さらに、該有機相を水、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、または炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。その後、得られた有機相を硫酸マグネシウム等の乾燥剤を用いて乾燥し、最後に有機溶媒を留去することによって目的とするキサンテンを得ることができる。さらに、得られたキサンテンは、公知の方法、例えば、再結晶、シリカゲルカラムトグラフィーによって分離精製することにより、純度の高い精製されたキサンテンとすることができる。
以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等制限させるものではない。
実施例1
50mlの茄子型フラスコにナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートの70質量%トルエン溶液(登録商標:VITRIDE(ビトライド) バーテラス・スペシャルティーズ・インコーポレーテッド製)3.47g(12mmol)、トルエン10mlを加えて窒素雰囲気下とし、トルエン(和光純薬試薬特級)10mlに溶解させたキサントン(和光純薬試薬1級)588mg(3mmol)を加えて室温(23℃)下で攪拌した。その後、この溶液を60℃まで昇温し、3時間加熱攪拌した。
放冷後、2N水酸化ナトリウム水溶液10mlを氷冷下加えてアルカリ性とした。有機相を分液し、さらにこの有機相を飽和炭酸水素ナトリウム10mlで2回洗浄した。洗浄後の有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去したところ、残渣として固体(粗体のキサンテン)を取得した。この粗体のキサンテンをシリカゲルカラムトグラフィーで精製したところ、キサンテン492mg(収率90%)を取得した。
実施例2
50mlの茄子型フラスコにトルエン10mlに溶解させたキサントン(和光純薬試薬1級)588mg(3mmol)を加えて窒素雰囲気下とし、トルエン10mlで希釈したナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートの70質量%トルエン溶液(登録商標:VITRIDE(ビトライド) バーテラス・スペシャルティーズ・インコーポレーテッド製)3.47g(12mmol)、キサントン(和光純薬試薬1級)588mg(3mmol)を加えて室温(23℃)下で攪拌した。その後の操作は実施例1と同様の操作を行ったところ、キサンテン490mg(収率90%)を取得した。
実施例3
キサントンを溶解させた有機溶媒をトルエンからキシレン(和光純薬試薬特級)に代えた以外、実施例1と同様の操作を行った。その結果、キサンテン465mg(収率85%)を取得した。
実施例4
キサントンを溶解させた溶媒をトルエンから塩化メチレンに代え、反応温度を40℃、攪拌時間を12時間にした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、キサンテン383mg(収率70%)を取得した。
実施例5
キサントンを溶解させた溶媒をトルエンからテトラヒドロフランに代え、反応温度を40℃、攪拌時間を12時間にした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、キサンテン390mg(収率71%)を取得した。
実施例6
ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートの70質量%トルエン溶液(登録商標:VITRIDE(ビトライド) バーテラス・スペシャルティーズ・インコーポレーテッド製) をトルエンで希釈せずにそのまま用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、キサンテン490mg(収率90%)を取得した。

Claims (2)

  1. 有機溶媒中、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートとキサントンとを反応させることを特徴とするキサンテンの製造方法。
  2. キサントン1モルに対して、ナトリウムジハイドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートを1〜10モルの範囲で使用することを特徴とする請求項1記載のキサンテンの製造方法。
JP2015043786A 2015-03-05 2015-03-05 キサンテンの製造方法 Pending JP2016160252A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043786A JP2016160252A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 キサンテンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043786A JP2016160252A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 キサンテンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016160252A true JP2016160252A (ja) 2016-09-05

Family

ID=56844327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015043786A Pending JP2016160252A (ja) 2015-03-05 2015-03-05 キサンテンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016160252A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5056946B2 (ja) 2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法
TW201642742A (zh) 製備硝磺草酮之方法
WO2006001493A1 (ja) (z)-1-フェニルー1-ジエチルアミノカルボニル-2-アミノメチルシクロプロパン塩酸塩の製造方法
JP5106048B2 (ja) パーフルオロアルキル基を有するベンゼン類の製造方法
EP2298756A1 (en) Method for producing 3-methyl-2-thiophenecarboxylic acid
JP2016160252A (ja) キサンテンの製造方法
KR20160026720A (ko) 에테르 화합물 제조 방법
JP4956088B2 (ja) ω−ブロモ長鎖カルボン酸の製造法
JP3986200B2 (ja) 3−シアノテトラヒドロフランの製造法
JP2018135293A (ja) アミド化合物の製造方法
JP2021161106A (ja) 5−ブロモ−4−アルコキシ−2−アルキル安息香酸の製造方法
JP5188475B2 (ja) 2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルの製造方法
CN111170837A (zh) 一种甲基酮类化合物的合成方法
JP2016160240A (ja) キサンテンの製造方法
JP2017149687A (ja) O−ベンゼンスルホニル−アセトヒドロキサム酸エステル誘導体およびニトリル化合物の製造方法
JP4951957B2 (ja) フルフラール類の製造方法
JP5105825B2 (ja) 4−ヒドロキシ−2−アダマンタノン化合物の製造方法
CN107382640A (zh) β‑芳基苯丙酮类化合物的合成方法
CN109206396B (zh) 2-c-甲基-4,5-o-(1-甲基乙烯基)-d-阿拉伯糖酸乙酯的制备方法
JP5374085B2 (ja) 4−アルキルレゾルシノールおよび4−アルケニルレゾルシノールの製造方法
JPH03112940A (ja) (±)―4―ホルミル―α―アルキルベンジルアルコール類の製造方法
JP2016160236A (ja) キサンテンの製造法
JP6754131B2 (ja) 脱離基を有する有機化合物と有機ホウ素化合物とのカップリング体の製造方法
WO2008108420A1 (ja) ε-カプロラクトン化合物の製造方法
JP4374287B2 (ja) (z)−1−フェニル−1−ジエチルアミノカルボニル−2−ヒドロキシメチルシクロプロパンの製造方法