JP2016159234A - 臼および飲料製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】投入された粉砕対象物の大きさの違いによって生じる粉末の粒度のバラツキを抑制することができる臼を提供する。【解決手段】互いに対向して配置される第1臼および第2臼を備え、第1臼360および第2臼が中心軸を中心として相対的に回転することにより、粉砕対象物がせん断溝によって粉砕される臼であって、第1臼360は、第1擦り合せ面360aを含み、第2臼は、第1擦り合せ面360aに対向して配置される第2擦り合せ面を含み、第1擦り合せ面360aおよび第2擦り合せ面の少なくとも一方は、第1せん断溝361が設けられ中央に位置する第1領域R11と、第2せん断溝362が設けられ第1領域R11を取り囲む第2領域R12と、第1せん断溝361および第2せん断溝362が分断されるように第1領域R11および第2領域R12の間に設けられた環状の第1平坦部F11とを有する。【選択図】図14

Description

本発明は、粉砕対象物を粉砕して粉末を得る臼およびこれを備えた飲料製造装置に関する。
従来、茶葉、穀物等の粉砕対象物を粉砕する手段として臼を備えた粉挽き機が用いられている。粉挽き機では、臼を構成する上臼と下臼との間で粉砕対象物を細かく粉砕することにより、粉末が得られる。
このような粉挽き機が開示された文献として、たとえば特開2007−105559号公報(特許文献1)が挙げられる。
特許文献1に開示の粉挽き機は、中心部から外周縁に向かうように複数の放射状溝が設けられた上臼および下臼を備える。複数の放射状溝のうち、所定の本数は中心部から外周縁へ導出され、残りが外周縁へ達する手前で堰止めされている。また、複数の放射状溝には、複数の分岐溝が外周縁に向かうように形成されている。
上臼および下臼で擂り潰された粉砕対象物のうち、外周縁に導出されている放射状溝に入ったものは、そのまま外周縁から比較的粒径の大きいままの粉砕物として臼外へ排出される。上臼および下臼で擂り潰された粉砕対象物のうち、途中で堰止めされている溝に入ったものは、この堰止めで溝から溢れ出し、溝間の平坦面で擂り潰され粒径が小さくされて隣接する分岐溝へ運ばれる。分岐溝へ運ばれて粉砕対象物は、この分岐溝にてさらに擂り潰されて外周縁から排出される。
これにより、特許文献1に開示の粉挽き機にあっては、粒径の大きい粉末と小さい粉末とが混合された粉砕物を生成することができる。
特開2007−105559号公報
しかしながら、特許文献1に開示の粉挽き機にあっては、粒径の大きい粉末と粒径の小さい粉末とが混合された状態、すなわち粉末の粒度にバラツキが発生している状態で排出されてしまう。このため、得られた粉砕物を液体中で撹拌させて飲料を製造する場合には、これを均一に分散させることができなかった。
一方で、放射状溝に全く堰止めを設けない構成とした場合には、粉砕対象物が比較的短時間で臼から排出されてしまうため、粉砕対象物が十分に粉砕されない場合があった。このような場合には、投入された粉砕対象物の大きさの違いにより得られる粉末の粒度にバラツキが発生してしまう。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、投入された粉砕対象物の大きさの違いによって生じる粉末粒度のバラツキを抑制することができる臼およびこれを備えた飲料製造装置を提供することにある。
本発明に基づく臼は、共通の中心軸を有し互いに対向して配置される第1臼および第2臼を備え、上記第1臼および上記第2臼が上記中心軸を中心として相対的に回転することにより、粉砕対象物がせん断溝によって粉砕される臼であって、上記第1臼は、第1擦り合せ面を含み、上記第2臼は、上記第1擦り合せ面に対向して配置される第2擦り合せ面を含み、上記第1擦り合せ面および上記第2擦り合せ面の少なくとも一方は、第1せん断溝が設けられ中央に位置する第1領域と、第2せん断溝が設けられ上記第1領域を取り囲む第2領域と、上記第1せん断溝および上記第2せん断溝が分断されるように上記第1領域および上記第2領域の間に設けられた環状の第1平坦部とを有する。
上記本発明に基づく臼にあっては、上記第1擦り合せ面および上記第2擦り合わせ面の両方が、上記第1領域、上記第2領域および上記第1平坦部を有していてもよい。この場合には、上記第1平坦部の形状は円形状であり、かつ、上記第1臼と上記第2臼が回転する際に重なり合っていることが好ましい。
上記本発明に基づく臼にあっては、上記中心軸に交差する径方向における上記第1擦り合せ面の上記第1平坦部の長さが、上記径方向における上記第2擦り合せ面の上記第1平坦部の長さと異なっていてもよい。
上記本発明に基づく臼にあっては、上記第1領域に設けられた上記第1せん断溝の本数が、上記第2領域に設けられた上記第2せん断溝の本数と異なっていてもよい。
本発明に基づく飲料製造装置は、粉砕対象物を粉砕して粉末を得る粉挽きユニットと、液体を貯留するタンクと、上記粉挽きユニットによって得られた上記粉末と上記液体とが供給され、上記粉末と上記液体とを混ぜ合わせる撹拌槽と、を備え、上記粉挽きユニットには、上記のいずれかに記載の臼が用いられている。
本発明によれば、投入された粉砕対象物の大きさの違いによって生じる粉末粒度のバラツキを抑制することができる臼およびこれを備えた飲料製造装置を提供することができる。
実施の形態1に係る飲料製造装置の全体斜視図である。 図1に示すII−II線に沿った断面図である。 図1に示す飲料製造装置の概略構成要素を示す全体斜視図である。 図1に示す飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第1製造フローを示す図である。 図1に示す飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第2製造フローを示す図である。 図1に示す飲料製造装置を用いたお茶吐出を示す第3製造フローを示す図である。 図1に示す飲料製造装置の内部構造を示す斜視図である。 実施の形態1に係る粉挽きユニットの斜視図である。 図8に示す粉挽きユニットの分解斜視図である。 図8に示す粉挽きユニットの縦断面図である。 実施の形態1に係る撹拌ユニットの分解斜視図である。 図11に示す撹拌ユニットの縦断面図である。 実施の形態1に係る臼の構成を示す斜視図である。 図13に示す臼に具備される上臼の擦り合せ面を示す図である。 図14に示す上臼の擦り合せ面に設けられているせん断溝を説明するための図である。 図13に示す臼に具備される下臼の擦り合せ面を示す図である。 上臼のせん断溝と下臼のせん断溝との交差角を示す図である。 上臼のせん断溝および下臼のせん断溝の交差角とせん断力との関係、および上臼のせん断溝および下臼のせん断溝の交差角と送り能力との関係を示す図である。 図13に示す臼を用いて茶葉が粉砕される様子を示す図である。 実施の形態2に係る臼に具備される下臼の擦り合せ面を示す図である。 実施の形態3に係る臼に具備される下臼の擦り合せ面を示す図である。 実施の形態4に係る臼に具備される下臼の擦り合せ面を示す図である。 実施の形態5に係る臼に具備される下臼の擦り合せ面を示す図である。 図23に示す下臼の分解斜視図である。 実施の形態6に係る臼に具備される下臼の擦り合せ面を示す図である。 実施の形態7に係る粉挽きユニットの上臼と下臼とに作用する圧力を調整する圧力調整機構の構成を示す分解斜視図である。 図26に示す下臼支持部を下方側から見た斜視図である。 図26に示す圧力調整機構の非係合状態を示す図である。 図26に示す圧力調整機構の非係合状態と係合状態の間にある途中状態を示す図である。 図26に示す圧力調整機構の係合状態を示す図である。 実施の形態8に係る粉挽きユニットの上面図である。 図31に示す粉挽きユニットの縦断面図である。 実施の形態9に係る粉挽きユニットの概略断面図である。 図33に示す粉挽きユニットに具備される圧力調整機構の動作を示す図である。 バネ保持部材が近距離位置に位置する場合の係合爪部と茶葉粉末受皿との位置関係を示す模式図である。 バネ保持部材が遠距離位置に位置する場合の係合爪部と茶葉粉末受皿との位置関係を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
以下に示す、実施の形態においては、一例として、粉砕対象物として茶葉を用い、飲料としてお茶を製造する場合について説明するが、粉砕対象物は茶葉に限定されることなく、穀物、乾物、その他の粉砕対象物を用いて、飲料を製造する場合にも適用することが可能である。以下では、茶葉とは、粉砕前の固形状態を意味し、茶葉粉末とは、粉砕された茶葉を意味し、お茶とは、茶葉粉末とお湯とが撹拌された(混ぜ合わされた)飲料を意味する。
(実施の形態1)
(飲料製造装置1)
図1から図3を参照して、本実施の形態に係る飲料製造装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係る飲料製造装置1の全体斜視図、図2は、図1に示すII−II線に沿った断面図、図3は、図1に示す飲料製造装置1の概略構成要素を示す全体斜視図である。
飲料製造装置1は、粉砕対象物として茶葉を用い、この茶葉を粉砕して茶葉粉末を得る。この得られた茶葉粉末を用いて、飲料としてお茶を製造する。飲料製造装置1は、装置本体100、粉挽きユニット300、撹拌ユニット500、液体貯留タンク700、液体供給経路155(図2参照)と、茶葉粉末受皿800、および、載置ベース900を備える。載置ベース900は、装置本体100の前側下方において、前側に突出するように設けられており、カップ(図示省略)および茶葉粉末受皿800の載置が可能である。茶葉粉末受皿800は、利用者が把持して移動できるように設けられている。
(粉挽きユニット300)
粉挽きユニット300は、装置本体100の前面側に設けられた粉挽きユニット装着部180(図3参照)に対して、着脱可能に装着される。粉挽きユニット300は、たとえば正面から見た場合に撹拌ユニット500に含まれる撹拌槽510の下方において撹拌槽510と重ならないように撹拌槽510から離れて配置される。
粉挽きユニット装着部180には、粉挽駆動力連結機構130(図3参照)が前方に突
出するように設けられ、この粉挽駆動力連結機構130に粉挽きユニット300が着脱可能に装着される。粉挽きユニット300は、粉挽駆動力連結機構130に連結されることにより、粉砕対象物である茶葉を挽くための駆動力を得る。
粉挽きユニット300の上部から粉挽きユニット300の内部に投入された茶葉は、粉挽きユニット300の内部において細かく粉砕される。粉砕された茶葉は、粉挽きユニット300の下方に載置された茶葉粉末受皿800に茶葉粉末として落下して集められる。なお、粉挽きユニット300の詳細構造については、図8から図11を用いて後述する。
(液体貯留タンク700)
液体貯留タンク700は、装置本体100の上面側および背面側に設けられた液体貯留タンク装着部195に着脱可能に装着される。液体貯留タンク700は、上面開口を有するタンク本体710と、タンク本体710の上面開口を塞ぐ蓋部720とを含む。液体貯留タンク700は、水等の液体を貯留する。
(液体供給経路155)
液体供給経路155は、装置本体100内に収容されている。液体供給経路155は、液体貯留タンク700に接続される(図7参照)。液体供給経路155には、液体貯留タンク700が接続された側とは反対側に供給口171が設けられている。液体供給経路155は、給湯パイプ150と、給湯ノズル170とを含む。給湯パイプ150は、一端側が液体貯留タンク700に接続され、他端側が給湯ノズル170に接続される。液体貯留タンク700から液体供給経路155に導入された液体は、給湯パイプ150、給湯ノズル170を通って撹拌ユニット500に供給される。
(撹拌ユニット500)
撹拌ユニット500は、液体と粉末とを撹拌する撹拌羽根550と、撹拌羽根550を収容する撹拌槽510とを含む。撹拌槽510は、装置本体100の前面側に設けられた撹拌槽装着部190(図3参照)に対して、着脱可能に装着される。装置本体100から鉛直方向と交差する方向に突出するように、撹拌槽510は撹拌槽装着部190に装着されている。具体的には、撹拌槽510の一部が装置本体100の前面から前方へ突出するように、撹拌槽510が装着される。
撹拌槽装着部190には、撹拌モータ非接触テーブル140Aが設けられている。撹拌ユニット500は、撹拌モータ非接触テーブル140A上に載置される。撹拌ユニット500の内部に設けられた撹拌羽根550は、撹拌モータ非接触テーブル140Aの下方に位置するように装置本体100内に収容された撹拌モータユニット140およびこれに連結された磁石141によって回転する。
装置本体100の撹拌槽装着部190の上部には、給湯ノズル170が設けられている。装置本体100の内部において、給湯パイプ150内の水が所定温度に上昇され、給湯ノズル170から撹拌槽510内にお湯が供給される。撹拌槽510内には、装置本体100において作成されたお湯と、粉挽きユニット300によって得られた茶葉粉末とが投入され、撹拌槽510内の撹拌羽根550によって、お湯と茶葉粉末とが撹拌される。これにより、撹拌槽510内においてお茶が製造される。
撹拌ユニット500内で製造されたお茶は、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出口開閉機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップ(図示省略)に、お茶を注ぐことができる。なお、撹拌ユニット500の詳細構造については、図11および図12を用いて後述する。
(お茶(飲料)の製造フロー)
次に、図4から図6を参照して、上記飲料製造装置1を用いたお茶(飲料)の製造フローについて説明する。図4から図6は、図1に示す飲料製造装置1を用いたお茶吐出を示す第1から第3の製造フローを示す図である。なお、粉挽きユニット300には、所定量のお茶葉が投入され、液体貯留タンク700には所定量の水が蓄えられている。
(第1製造フロー)
図4を参照して、第1製造フローについて説明する。この第1製造フローは、粉挽きユニット300における茶葉の粉砕と、装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が同時に行なわれるフローである。
飲料製造装置1は、ステップ11における粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きと、ステップ13における装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が同時に開始される。次に、ステップ12において、粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ14における装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が終了する。
ステップ15においてはステップ12において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット500内へ投入される。
次に、ステップ16において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ17において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ18において、利用者によって、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出口開閉機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、茶葉の粉挽きと給湯が同時に行なわれるため、短時間で効率よくお茶飲料の製造が可能となる。
(第2製造フロー)
図5を参照して、第2製造フローについて説明する。この第2製造フローは、粉挽きユニット300における茶葉が粉砕された後に、装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が行なわれるフローである。
飲料製造装置1は、ステップ21において、粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きが開始される。ステップ22において、粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きが終了する。ステップ23において、ステップ22において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット500内へ投入される。
ステップ24において、装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が開始される。ステップ25において、装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が終了する。
次に、ステップ26において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ27において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ28において、利用者によって、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出口開閉機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、茶葉の粉挽き後に給湯が行なわれるため、お湯の温度低下を抑えることが可能となる。
(第3製造フロー)
図6を参照して、第3製造フローについて説明する。この第3製造フローは、撹拌ユニット500においてお湯を撹拌により冷却するステップを備えている。
飲料製造装置1は、ステップ31における粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きと、ステップ33における装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が同時に開始される。ステップ34における装置本体100から撹拌ユニット500への給湯が終了する。
次に、ステップ32において、粉挽きユニット300による茶葉の粉挽きが終了するとともに、ステップ35において、撹拌ユニット500において給湯の冷却撹拌を開始する。ステップ36において、撹拌ユニット500において給湯の冷却撹拌が終了する。
ステップ37においてはステップ32において得られた茶葉粉末が、利用者によって、撹拌ユニット500内へ投入される。
次に、ステップ38において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が開始される。ステップ39において、撹拌ユニット500での茶葉粉末とお湯との撹拌が終了する。ステップ40において、利用者によって、撹拌ユニット500の下方に設けられた吐出口開閉機構540の操作レバー542を操作することにより、載置ベース900に載置されたカップへのお茶の吐出が行なわれる。本フローによれば、玉露等、比較的低温のお湯に適した茶葉に対して、適切な温度でお茶飲料を製造することが可能となる。
(装置本体100の内部構造)
次に、図7を参照して、装置本体100の内部構造について説明する。図7は、図1に示す飲料製造装置1の内部構造を示す斜視図である。飲料製造装置1の装置本体100の内部においては、液体貯留タンク700の前面側には、電子部品が搭載されたプリント配線基板を用いた制御ユニット110が配置されている。利用者によるスタート信号の入力に基づき、上記お茶の製造フローが、制御ユニット110により実行される。
制御ユニット110の下方位置には、粉挽きユニット300に駆動力を与えるための粉挽モータユニット120が配置されている。この粉挽モータユニット120の下方位置には、前方に突出するように設けられ、粉挽モータユニット120の駆動力を粉挽きユニット300に伝達するための粉挽駆動力連結機構130が設けられている。
具体的には、粉挽駆動力連結機構130は、回転駆動軸131を含み、この回転駆動軸131が後述する下臼支持部材340(図9参照)に連結されることにより、粉挽モータユニット120の駆動力が下臼支持部材340に伝達される。これにより、下臼支持部材340が回転駆動する。
液体貯留タンク700の底面には、底面から下方に一旦延び、U字形状に上向きに延びる給湯パイプ150の一端が連結されている。給湯パイプ150の他端側には、撹拌ユニット500の撹拌槽510にお湯を注ぐための給湯ノズル170が連結されている。給湯パイプ150の途中領域には、給湯パイプ150内を通過する水を加熱するためのU字形状のヒータ160が装着されている。ヒータ160によって加熱された水がお湯となって撹拌槽510に供給される。
(粉挽きユニット300の構造)
次に、図8から図10を参照して、粉挽きユニット300の構造について説明する。図8は、本実施の形態に係る粉挽きユニット300の斜視図、図9は、図8に示す粉挽きユニット300の分解斜視図、図10は、図8に示す粉挽きユニット300の縦断面図である。
粉挽きユニット300は、全体として円筒形状を有する筐体310を有し、下方の側面には、粉挽駆動力連結機構130が内部に挿入される連結用窓300Wが設けられている。筐体310の内部には、後述する第1臼としての上臼360と第2臼としての下臼350とによって生成された茶葉粉末を貯留する貯留部311(図10参照)と、貯留部311に連通する排出経路312とが設けられている。筐体310の最下端部となる排出経路312の下端部には、茶葉粉末を茶葉粉末受皿800に向けて排出する排出口312aが設けられている。排出口312aは、後述する保温タンク512(図12参照)の開口部513よりも下方に位置するように設けられている。これにより、保温タンク512内に供給されたお湯から生成される湯気が排出口312aから侵入することを防止することができる。
粉挽きユニット300は、粉砕対象物を粉砕する上臼360および下臼350を有する臼2と、当該下臼350が取り付けられる下臼支持部材340とを含む。筐体310の内部には、下方から、下臼支持部材340、下臼350、上臼360が順番に設けられている。
下臼支持部材340は、上臼360が位置する側と反対側(下臼350の下方側)から下臼350を支持する。下臼支持部材340は、略円柱形状の本体部341、係合突起部342、粉掻き取り部343を有する。粉挽き軸345は、本体部341の下面に設けられ、下方に向けて延在する。粉挽き軸345は、粉挽駆動力連結機構130に連結する。これにより、下臼支持部材340が下臼350を支持した状態で回転可能となる。
係合突起部342は、本体部341の上面に設けられ、上方に向けて突出する。係合突起部342は、下臼350を取り付けるための部位である。粉掻き取り部343は、本体部341の周縁部に設けられている。粉掻き取り部343は、下臼支持部材340が回転することにより、貯留部311に貯留された茶葉粉末を掻き取って排出経路312に搬送する。
下臼350は、上臼360の擦り合せ面360a(第1擦り合せ面)に対向して配置される擦り合せ面350a(第2擦り合せ面)と、擦り合せ面350aの反対側に位置する主面350bを含む。下臼350の擦り合せ面350aには後述するせん断溝等が形成されている。
下臼350の主面350bには、係合凹部350dが設けられている。係合凹部350dは、下臼支持部材340の係合突起部342に対応する位置に設けられ、係合突起部342に係止される。下臼350は、下臼支持部材340と連動して回転する。下臼350の中央部には、回転軸芯に沿って上方に向かって伸びるコア356が設けられている。
コア356は、上臼360の中央部に設けられた貫通孔365を貫通するように設けられている。コア356は、らせん状に設けられた羽根部356aを有する。
上臼360は、下臼350の擦り合せ面350aに対向して配置される擦り合せ面360aと、当該擦り合せ面360aと反対側に位置する主面360bとを含む。上臼360の擦り合せ面360aにはせん断溝等が形成されている。
上臼360は、その上方に配置された上臼保持部材370によって保持されている。たとえば、上臼360の上面には不図示の穴部が設けられており、当該穴部に上臼保持部材370に設けられた不図示のピン部が入り込むことにより、上臼360の回転が防止される。
上臼保持部材370は、孔部371aを有する底面部371と、底面部371の周縁から上方に向けて立設された外筒部372と、孔部371aの周縁から上方に向けて立設された内筒部373とを含む。孔部371aは、上臼360の貫通孔361に連通するように設けられている。外筒部372と内筒部373との間には、上臼360を下方に向けて押圧する付勢手段としてのバネ381および保持部としてのバネ保持部材380が収容されている。バネ381によって、上臼360と下臼350との間に作用する粉砕圧力が調節される。
筐体310の上端開口部310b側には、粉砕対象物を上臼360と下臼350との間に供給するためのホッパー部320が取り付けられている。ホッパー部320は、漏斗形状を有する。ホッパー部320は、拡筒部321と、円筒部322を有する。
拡筒部321は、上方に向かうにつれて内径が拡大するように設けられている。円筒部322は、拡筒部321の下端に連設するように設けられている。円筒部322は、内筒部373の内側に挿入される。
円筒部322は、上端側に開口部323を有する。この開口部323は、円筒部322内に粉砕対象物を投入する粉砕対象物投入口として機能する。拡筒部321の内周面が傾斜するように設けられることにより、拡筒部321内の茶葉は、粉砕対象物投入口に向けて案内される。
円筒部322内には、コア356の先端側が収容されている。円筒部322内には、たとえば、複数の直線状のリブ391,392,393が設けられている。複数の直線状のリブ391,392,393は、円筒部322内を橋渡しするように設けられている。
茶葉を粉砕する際には、ホッパー部320は、カバー部330によって覆われることが好ましい。これにより、茶葉を粉砕対象物投入口に投入した後に、粉挽きユニット300内に異物が侵入することを防止するとともに、粉砕された茶葉が飛散することを防止することができる。なお、茶葉を投入する際には、カバー部330は、ホッパー部320から取り外される。
粉砕対象物投入口に投入された茶葉は、上臼保持部材370から露出する上臼360の上面および円筒部322の内周面によって規定される空間内に収容される。当該空間に収容された茶葉は、らせん状の羽根部356aが下臼350の回転に伴って回転することにより、上臼360と下臼350との間に案内される。
上臼360と下臼350との間に案内された茶葉は、粉砕されて茶葉粉末としてこれら上臼360と下臼350との周縁から下方へ落下する。落下した茶葉粉末の一部は、排出経路312を通って排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。落下した茶葉粉末のその他の部分は、貯留部311に貯留される。貯留部311内の茶葉粉末は、粉掻き取り部343が下臼支持部材340の回転に伴って回転することにより、排出経路312に搬送されて排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。
(撹拌ユニット500の構造)
次に、図11および図12を参照して、撹拌ユニット500の構造について説明する。図11は、本実施の形態に係る撹拌ユニット500の分解斜視図、図12は、図11に示す撹拌ユニット500の縦断面図である。
撹拌ユニット500は、撹拌槽510、撹拌羽根550および撹拌カバー530を備える。撹拌槽510は、樹脂製の外装ホルダー511と、この外装ホルダー511に保持される保温タンク512と、開口部513とを含む。外装ホルダー511には、樹脂により一体成形されたグリップ520が設けられている。保温タンク512は、有底筒形状を有し、上方に向けて開口する開口部513を有する。
撹拌カバー530は、開口部513を開閉可能に覆う。撹拌カバー530には、粉挽きユニット300により粉砕された茶葉粉末を投入する粉末投入口531、および、装置本体100内で形成されたお湯が給湯ノズル170から注がれる給湯口532が設けられている。給湯口532は、給湯ノズル170の供給口171に対応する位置に設けられている。
粉末投入口531および給湯口532は、開口部513に連通している。移動された茶葉粉末受皿800から粉末投入口531に投入された茶葉粉末は、開口部513を介して撹拌槽510内に投入される。給湯ノズル170から給湯口532に注がれたお湯は、開口部513を介して撹拌槽510内に供給される。
撹拌槽510の底部には、撹拌羽根550が載置される。撹拌槽510の底部には、上方に延びる回転軸560が設けられ、この回転軸560に撹拌羽根550の軸受部551が挿入される。
撹拌羽根550には、磁石552が埋め込まれている。撹拌モータ非接触テーブル140Aにおいて、撹拌羽根550に埋め込まれた磁石552と、撹拌モータユニット140側に設けられた磁石141とが非接触の状態で磁気結合することで、撹拌モータユニット140の回転駆動力が、撹拌羽根550に伝達される。
撹拌槽510は、生成された飲料を吐出するための吐出部545をさらに備える。吐出部545は、装置本体100から突出する部分の撹拌槽510に設けられている。吐出部545は、撹拌槽510の底部に設けられた吐出口541と、吐出口541を開閉する吐出口開閉機構540とを含む。吐出口541は、茶葉粉末とお湯とが撹拌羽根550によって撹拌されて生成されたお茶を吐出させるための部位である。
吐出口開閉機構540は、吐出口541を開閉可能に、吐出口541に挿入された開閉ノズル543と、開閉ノズル543の位置を制御する操作レバー542とを含む。開閉ノズル543は、通常状態においてはバネ等の付勢部材(図示省略)により吐出口541を塞ぐように付勢されている。利用者が、操作レバー542を付勢力に対抗して移動させた場合には、開閉ノズル543が移動し、吐出口541が開放される。これにより、撹拌槽510内のお茶が、載置ベース900に載置されたカップ(図示省略)に注出される。
(臼2)
図13を参照して、本実施の形態に係る臼2について説明する。図13は、本実施の形態に係る臼2の構成を示す斜視図である。
図13に示すように、下臼350および上臼360は、共通の中心軸Cを有する。上臼360が固定された状態で、下臼350が中心軸Cを中心として回転することにより、粉砕対象物が擦り合せ面360aと擦り合せ面350aとの間で粉砕される。具体的には、粉砕対象物は、擦り合せ面360aおよび擦り合せ面350aに設けられたせん断溝によって粉砕される。
図14を参照して、上臼360の擦り合せ面360aについて説明する。図14は、図13に示す臼2に具備される上臼360の擦り合せ面360aを示す図である。
図14に示すように、上臼360の擦り合せ面360aは、第1領域R11、第2領域R12、および第1平坦部F11を有する。第1領域R11は、擦り合せ面360aの中央に位置する。第1領域R11には、複数の第1せん断溝361が設けられている。また、第1領域R11には送り溝364が設けられている。第2領域R12は、第1領域R11を取り囲む。第2領域R12には、複数の第2せん断溝362が設けられている。
第1平坦部F11は、環状に設けられている。第1平坦部F11は、円環形状を有する。第1平坦部F11は、第1せん断溝361および第2せん断溝362が分断されるように第1領域R11および第2領域R12の間に設けられている。
第1平坦部F11は、中心軸に交差する径方向に幅(長さ)W1を有する。この径方向における第1平坦部F11の幅(長さ)W1は、径方向における下臼350の第1平坦部F21の幅(長さ)W2(図16参照)よりも長くなることが好ましい。
第1せん断溝361および第2せん断溝362は、主として粉砕対象物を粉砕するための溝である。送り溝364は、主として粉砕された粉末を臼2の中心部から外周部に送るための溝である。
また、上臼360の貫通孔365の内周面から擦り合せ面360aに向かう領域366に螺旋状に延びる3本の引き込み溝366aが設けられている。この引き込み溝366aは、貫通孔365に開口した形状を有する。引き込み溝366aは、コア356の周囲に配置される。これにより、コア356によって取り込まれた茶葉を引き込み溝366aにスムーズに引き込むことができる。
引き込み溝366aは、外周に向かって浅くなるように傾斜して設けられることが好ましい。引き込み溝366aは、後述する等角螺旋に沿うように設けられている。
図15を参照して、上臼360の擦り合せ面360aに設けられているせん断溝について説明する。図15は、図14に示す上臼360の擦り合せ面360aに設けられているせん断溝を説明するための図である。なお、図15においては、便宜上のため、第1領域R11よりも外側を省略している。
図15に示すように、中心軸Cの軸線方向から見た場合に、複数の第1せん断溝361は、内周側から外周側に向かうにつれて周方向に湾曲するように設けられている。複数の第1せん断溝361は、回転中心に対して回転対象に設けられている。複数の第1せん断溝361は、後述する等角螺旋に沿って延在している。複数の第2せん断溝362は、複数の第1せん断溝361の延長線上に設けられている。
複数の第1せん断溝361は、中心軸Cの軸線方向から見た場合に、等角螺旋S1に沿って形成されている。回転中心を原点として等角螺旋S(S1)はパラメータa、bを用いて、以下の式1で表わされる。
S=a・exp(b・θ)・・・(式1)
回転中心から伸ばした半直線Lと等角螺旋が成す角α(α1)は、以下の式2で表わされる。
α=arccot(b)・・・(式2)
第1せん断溝361に好適な等角螺旋S1は、(式1)においてa=5、b=0.306であり、(式2)においてα=17.0°である。現実的には、半直線Lと等角螺旋S1(第1せん断溝361)との成す角度α1は、0°<α1<45°であれば良く、好ましくは、10°≦α1≦20°であり、さらに好ましくは、α1=17.0°となる。
ここで、上記(式1)で表わされる等角螺旋の数学的な性質として、回転中心から伸ばした半直線Lと等角螺旋S1が成す角αは、中心軸方向から見た場合に常に一定の角度で交わることである。
送り溝364は、上述の(式1)を満たす等角螺旋S2に沿って延在し、回転中心から伸ばした半直線Lと等角螺旋が成す角α2も上述の(式2)を満たす。
送り溝364に好適な等角螺旋S2は、上述の(式1)においてa=5、b=3.7であり、(式2)においてα=74.9°である。現実的には、半直線Lと等角螺旋S2(送り溝364)との成す角度α2は、45°<α2<90°であれば良く、好ましくは、70°≦α2≦80°であり、さらに好ましくは、α2=74.9°となる。
図16を参照して、下臼350の擦り合せ面350aについて説明する。図16は、図13に示す臼2に具備される下臼350の擦り合せ面350aを示す図である。
図16に示すように、下臼350擦り合せ面350aは、第1領域R21、第2領域R22、および第1平坦部F21を有する。第1領域R21は、擦り合せ面350aの中央に位置する。第1領域R21には、複数の第1せん断溝351が設けられている。複数の第1せん断溝351は、複数のせん断溝351aおよび複数のせん断溝351bによって構成されている。複数のせん断溝351bのそれぞれは、互いに隣り合うせん断溝351aの間に設けられている。複数の第1せん断溝351は、上述同様に等角螺旋に沿って設けられている。
第2領域R22には、複数の第2せん断溝352が設けられている。複数の第2せん断溝352は、複数の第1せん断溝351の延長線上に設けられている。
第1平坦部F21は、環状に設けられている。第1平坦部F21は、円環形状を有する。第1平坦部F21は、第1せん断溝351および第2せん断溝352が分断されるように第1領域R21および第2領域R22の間に設けられている。
第1平坦部F21は、中心軸に交差する径方向に幅(長さ)W2を有する。この径方向における第1平坦部F21の幅(長さ)W2は、上述の上臼360における第1平坦部F11の幅(長さ)W1よりも短くなることが好ましい。
固定される側である上臼360に設けられた第1平坦部F11の幅W1を、回転する側である下臼350に設けられた第1平坦部F21の幅W2よりも大きくすることにより、下臼350が多少ずれて配置された場合であっても、平坦部同士を互いに対向することができる。これにより、茶葉を粉砕する際に、後述するように、上臼360の第1領域R11と下臼350の第1領域R21間に茶葉を安定して滞留させることができる。
図17を参照して、上臼360のせん断溝と下臼350のせん断溝との交差角について説明する。図17は、上臼360のせん断溝と下臼350のせん断溝との交差角を示す図である。
図17に示すように、擦り合せ面360aと擦り合せ面350aとが対向配置された状態にあっては、中心軸Cの軸線方向から見た場合に、擦り合せ面360aの第1せん断溝361と擦り合せ面350aの第1せん断溝351とは、湾曲方向が反対となるようにして交差する。
したがって、上臼360の第1擦合せ面360aと下臼350の第2擦合せ面350aとを当接させて回転させる場合には、中心軸Cの軸線方向から見た場合に、上臼360側のせん断溝と下臼350側のせん断溝とが交差する交差角βは常に2αとなる。
図18を参照して、上臼360のせん断溝および下臼350のせん断溝の交差角βとせん断力との関係、および上臼360のせん断溝および下臼350のせん断溝の交差角βと送り能力との関係について説明する。図18は、上臼360のせん断溝および下臼350のせん断溝の交差角βとせん断力との関係、および上臼360のせん断溝および下臼350のせん断溝の交差角βと送り能力との関係を示す図である。
図18に示すように、上臼360のせん断溝(第1せん断溝361および第2せん断溝362)と下臼350のせん断溝(第1せん断溝351および第2せん断溝352)との交差角βが大きいほどせん断力が大きく、粉砕対象物が逃げやすくなる。一方、上臼360のせん断溝と下臼350のせん断溝との交差角βが小さいほどせん断力は小さく、せん断対象は逃げにくい。
交差角βは、10°≦β≦50°の範囲で効果的にせん断可能で、特に交差角が30°程度で効率がよい。せん断溝に等角螺旋に沿う形状を選定することで、常に同じ交差角が得られ、効率的な粉砕が可能となる。
図19を参照して、本実施の形態に係る臼2を用いて茶葉が粉砕される様子を説明する。図19は、図13に示す臼2を用いて茶葉が粉砕される様子を示す図である。
図19に示すように、コア356の回転に伴って引き込み溝366aによって引き込まれた茶葉Tは、上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に侵入する。擦り合せ面360aと擦り合せ面350aとの間に侵入した茶葉Tは、まず、上臼360における第1領域R11の第1せん断溝361および下臼350における第1領域R21の第1せん断溝351によって粉砕される。
第1領域R11,R21の外側には、第1平坦部F11,F21が設けられている。第1平坦部F11,F21は、互いに対向するように設けられている。第1平坦部F11と第1平坦部F21との間の隙間は、第1せん断溝351,361が設けられている第1領域R11,R21間の隙間よりも狭くなっている。
このため、茶葉Tは、第1平坦部F11,F21間の隙間を通過可能な大きさに粉砕されるまで、第1領域R11,R21間に滞留する。これにより、第1平坦部F11,F21が設けられていない場合と比較して、茶葉Tを粉砕する時間を相当程度長くすることができる。
茶葉Tは、第1領域R11,R21間で相当程度時間をかけて粉砕される。このため、ホッパー320内に投入された茶葉Tの大きさに因らず、茶葉Tは、粒径の大きさがほぼ均一となるように相当程度細かく粉砕される。
相当程度細かく粉砕された茶葉Tは、第1平坦部F11,F21間を通過して、第2領域R12,22間に導かれる。第2領域R12,22間に導かれた茶葉Tは、第2領域R12の第2せん断溝362および第2領域R22の第2せん断溝352によってさらに細かく粉砕される。
第2領域R12,22間においては、粒径のほぼ均一な茶葉Tが導入されるため、茶葉Tは、ほぼ均一な粒径を有するように粉砕される。これにより、第2領域R12,22間で粉砕された茶葉Tは、粒径のほぼ均一な微細な茶葉粉末となって排出経路312に搬送されて排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。
以上のように、本実施の形態に係る臼2およびこれを備えた飲料製造装置1においては、投入された茶葉の大きさの違いによって生じる粉末粒度のバラツキを抑制することができる。
(実施の形態2)
図20を参照して、本実施の形態に係る臼について説明する。図20は、本実施の形態に係る臼に具備される下臼350A1の擦り合せ面350aを示す図である。
本実施の形態に係る臼は、実施の形態1に係る臼2と比較した場合に、下臼350A1の擦り合せ面350aの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
図20に示すように、下臼350A1に設けられた第1せん断溝351は、せん断溝351aとせん断溝351bとが中心から外側にかけて分岐する形状を有する。また、擦り合せ面350aのうち分岐部の内側近傍に位置する部分には、凹部357が設けられている。凹部357が設けられることにより、第1領域R21の擦り合せ面350aが、上臼の擦り合せ面に接触する接触面積が小さくなる。
このように凹部357を設けることにより、第1領域R21内で粉砕された茶葉粉末は、凹部357に滞留する。粉砕された茶葉粉末は、上臼の擦り合せ面と下臼350A1の擦り合せ面との間に入ることで臼全体の隙間を拡げようとするが、第1領域R21の擦り合せ面の接触面積が小さいため、臼の外周側すなわち第2領域R22側により大きな圧力をかけることができる。これにより、粉砕された茶葉粉末が所望の粒度に達するまで、臼の外部に排出されることを抑制できる。
以上のように、本実施の形態に係る臼においても、実施の形態1に係る臼2とほぼ同様の効果を得ることができる。なお、本実施の形態においては、第1平坦部F21を設けない場合においても、凹部357を設けた構成とすることにより、茶葉は、粒径の大きさがほぼ均一となるように相当程度細かく粉砕される。
(実施の形態3)
図21を参照して、本実施の形態に係る臼について説明する。図21は、本実施の形態に係る臼に具備される下臼350A2の擦り合せ面350aを示す図である。
本実施の形態に係る臼は、実施の形態1に係る臼2と比較した場合に、下臼350A2の擦り合せ面350aの第1平坦部F21Aの構成および上臼の擦り合せ面の第1平坦部の構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
図21に示すように、下臼350A2の擦り合せ面350aの第1平坦部F21Aは、六角形環形状を有する。同様に、上臼の擦り合せ面の第1平坦部も六角形環形状を有する。下臼350A2の第1平坦部F21Aおよび上臼の第1平坦部が六角形環形状を有する場合であっても、上臼の第1領域内および下臼350A2の第1領域R21A内に茶葉を滞留させることができる。
これにより、平坦部が設けられていない場合と比較して、茶葉を粉砕する時間を相当程度長くすることができる。この結果、投入された茶葉の大きさに因らず、茶葉は、粒径の大きさがほぼ均一となるように相当程度細かく粉砕される。
上臼および下臼350A2の第2領域間には、粒径のほぼ均一な茶葉が導入されるため、茶葉は、ほぼ均一な粒径を有するように粉砕される。これにより、上臼および下臼350A2の第2領域間で粉砕された茶葉は、粒径のほぼ均一な微細な茶葉粉末となって排出経路312に搬送されて排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。
以上のように、本実施の形態に係る臼においても、実施の形態1に係る臼2とほぼ同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図22を参照して、本実施の形態に係る臼について説明する。図22は、本実施の形態に係る臼に具備される下臼350Bの擦り合せ面350aを示す図である。
本実施の形態に係る臼は、実施の形態1に係る臼2と比較した場合に、下臼350Bの擦り合せ面350aの構成および上臼の擦り合せ面の構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
図22に示すように、下臼350Bの擦り合せ面350aは、実施の形態1に係る下臼350の擦り合せ面350aと比較した場合に、第3領域R23および第2平坦部F22をさらに含む点において相違する。
第3領域R23は、第2領域R22を取り囲む。第3領域R23には、複数の第3せん断溝353が設けられている。複数の第3せん断溝353は、複数の第2せん断溝352の延長線上、すなわち、複数の第1せん断溝351の延長線上に設けられている。
第2平坦部F22は、環状に設けられている。第2平坦部F22は、円環形状を有する。第2平坦部F22は、第2せん断溝352および第3せん断溝353が分断されるように第2領域R22および第3領域R23の間に設けられている。
本実施の形態に係る上臼の擦り合わせ面は、上述の下臼350Bの擦り合せ面350aと同様に、第1せん断溝が設けられた第1領域、第2せん断溝が設けられた第2領域、第3せん断溝が設けられた第3領域、第1せん断溝と第2せん断溝を分断するように第1領域と第2領域との間に設けられた環状の第1平坦部、第2せん断溝と第3せん断溝を分断するように第2領域と第3領域との間に設けられた環状の第2平坦部を含む。
上臼の第1平坦部および下臼350Bの第1平坦部F21は、互いに対向するように設けられている。上臼の第2平坦部および下臼350Bの第2平坦部F22は、互いに対向するように設けられている。
このように、上臼の擦り合わせ面および下臼350Bの擦り合せ面350aを構成した場合には、擦り合せ面360aと擦り合せ面350aとの間に侵入した茶葉は、上臼および下臼350Bの第1平坦部間の隙間を通過可能な大きさに粉砕されるまで、上臼および下臼350B間に滞留する。
これにより、平坦部が設けられていない場合と比較して、茶葉を粉砕する時間を相当程度長くすることができる。この結果、投入された茶葉の大きさに因らず、茶葉は、粒径の大きさがほぼ均一となるように相当程度細かく粉砕される。
上臼および下臼350Bの第1平坦部間を通過して、上臼および下臼350Bの第2領域間に導かれた茶葉は、上臼の第2領域に設けられた第2せん断溝および下臼350Bの第2領域R22に設けられた第2せん断溝352によってさらに細かく粉砕される。
この際、上臼および下臼350Bの第2領域間においては、粒径のほぼ均一な茶葉が導入されるため、上臼および下臼350Bの第2領域間で粉砕された茶葉も、ほぼ均一な粒径となるように粉砕される。
上臼および下臼350Bの第2領域の外側には、第2平坦部が互いに対向するように設けられている。上臼および下臼350Bの第2平坦部間の間隔は、上臼および下臼350Bの第2領域間の間隔よりも狭くなっている。
このため、上臼および下臼350Bの第2領域間においても茶葉が相当程度の時間滞留することとなる。これにより、本実施の形態にあっては、実施の形態1と比較して、上臼および下臼350Bの第2領域間で粉砕される時間を相当程度長くすることができる。
これにより、上臼および下臼350Bの第2領域間においてより細かく、かつより均一に茶葉を粉砕することができる。
上臼および下臼350Bの第2平坦部間を通過して、上臼および下臼350Bの第3領域間に導かれた茶葉は、上臼の第3領域に設けられた第3せん断溝および下臼350Bの第3領域R23に設けられた第3せん断溝353によってさらに細かく粉砕される。
上臼および下臼350Bの第3領域間においては、粒径がほぼ均一で細かい茶葉が導入される。このため、茶葉は、均一な粒径を有するように粉砕される。これにより、上臼および下臼350Bの第3領域間で粉砕された茶葉は、粒径が均一であり、さらに微細な茶葉粉末となって排出経路312に搬送されて排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。
以上のように、本実施の形態に係る臼においては、実施の形態1同様に、投入された茶葉の大きさの違いによって生じる粉末粒度のバラツキを抑制できる。加えて、本実施の形態に係る臼においては、実施の形態1よりも、さらに微細な茶葉粉末を得ることができる。
(実施の形態5)
図23および図24を参照して、本実施の形態に係る臼について説明する。図23は、本実施の形態に係る臼に具備される下臼350Cの擦り合せ面350aを示す図である。図24は、図23に示す下臼の分解斜視図である。
本実施の形態に係る臼は、実施の形態1に係る臼2と比較した場合に、下臼350Cの第2領域R22が第1領域R21に対して着脱可能に設けられている点、および第1領域に設けられているせん断溝の本数と第2領域に設けられているせん断溝の本数とが異なる点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
図23および図24に示すように、第2領域R22に設けられている第2せん断溝352の本数は、第1領域R21に設けられている第1せん断溝351の本数よりも多くなっている。
下臼350Cは、第1領域R21を有する第1部分3501と、第2領域R22を有する第2部分3502とを含む。第1部分3501は、円板形状を有する。第2部分3502は、円環状形状を有する。
第1部分3501と第2部分3502との間には、環状の境界部BLが設けられている。環状の境界部BLは、第1平坦部F21の途中領域に設けられている。たとえば、環状の境界部BLは、第1平坦部F21の略中央に設けられている。
なお、境界部BLは、第2領域R22の内側近傍に位置することが好ましい。この場合には、後述する取外し状態において、第1平坦部F21の領域を広く確保することができる。このため、取外し状態における茶葉の粉砕時に上臼および下臼350Cの第1領域間に、安定して茶葉を滞留させることができる。
第2部分3502は、第1部分3501に対して着脱可能に設けられている。これにより、下臼350Cの第2領域R22が第1領域R21に対して着脱可能に設けられている。
下臼350Cは、第2部分3502が第1部分3501の外周に嵌め込まれて、第1領域R21と第2領域R22とが同一平面上に位置する装着状態と、第2部分3502を第1部分3501から軸線方向に取り外された取外し状態とを切り換えて使用することができる。
取り外し状態で下臼350Cを使用する場合においても、第1部分3501の第1領域R21の外側には第1平坦部F21が少なからず存在する。このため、上臼と下臼350Cとの間に侵入した茶葉は、上述同様の理由により、上臼と下臼350Cの第1領域間で滞留する。これにより、第1平坦部F11,F21が設けられていない場合と比較して、茶葉を粉砕する時間を相当程度長くすることができる。
粉砕時間が相当程度長くなることにより、ホッパー320内に投入された茶葉は、大きさに因らず、粒径の大きさがほぼ均一となるように相当程度細かく粉砕される。上臼と下臼350Cの第1領域間で粉砕された茶葉は、均一な粒径を有する茶葉粉末として第1部分の外周から排出経路312に搬送される。排出経路312に搬送された茶葉粉末は、排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。
一方、装着状態で下臼350Cを使用する場合には、実施の形態1に係る臼2の状態と同様に、上臼と下臼350Cとの間に侵入した茶葉は、上臼および下臼350Cの第1領域間で滞留しつつ粉砕された後に、上臼と下臼350Cの第2領域間でさらに細かく均一に粉砕される。これにより、装着状態で得られる茶葉粉末の粒径は、取外し状態で得られる茶葉粉末の粒径よりも小さくなる。
また、第2領域R22に設けられている第2せん断溝352の本数が、第1領域R21に設けられている第1せん断溝351の本数よりも多くすることにより、上臼および下臼350Cの第2領域間で粉砕された茶葉の粒径を上臼および下臼350Cの第1領域間にて粉砕された茶葉の粒径よりもさらに小さくすることができる。
以上のように、本実施の形態に係る臼においても、実施の形態1同様に、投入された茶葉の大きさの違いによって生じる粉末粒度のバラツキを抑制することができる。加えて、下臼350Cの装着状態および取外し状態を適宜選択することにより、生成される茶葉粉末の粒径を選択することができる。
(実施の形態6)
図25を参照して、本実施の形態に係る臼について説明する。図25は、本実施の形態に係る臼に具備される下臼350Dの擦り合せ面350aを示す図である。
本実施の形態に係る臼は、実施の形態1に係る臼2と比較した場合に、下臼350Dの第1平坦部F21に貫通孔354が設けられている点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
貫通孔354は、複数設けられている。複数の貫通孔354は、中心軸に平行な方向に貫通するように設けられている。複数の貫通孔354は、周方向に間隔をあけて並んでいる。複数の貫通孔354は、栓等の開閉部材(不図示)によって開閉可能に設けられている。栓が貫通孔354を塞いでいる場合には、貫通孔354は閉状態となる。栓が貫通孔354から取り外されている場合には、貫通孔354は開状態となる。
開状態で下臼350Dを使用する場合においても、第1領域R21の外側には第1平坦部F21が設けられているため、上臼と下臼350Cとの間に侵入した茶葉は、上述同様の理由により、上臼と下臼350Dの第1領域間で滞留する。これにより、第1平坦部が設けられていない場合と比較して、茶葉を粉砕する時間を相当程度長くすることができる。
相当程度長い時間をかけて粉砕された茶葉は、上臼の第1平坦部および下臼350Dの第1平坦部F21との間を通過する際に、貫通孔354から落下する。貫通孔354から落下した茶葉粉末は、排出経路312に搬送されて排出口312aから茶葉粉末受皿800に排出される。また、貫通孔354から落下しなかった茶葉粉末は、臼の外周から落下することになる。臼の外周部から落下する茶葉粉末は、貫通孔354から落下する粉末に比べ、粒径を小さくすることができるため、粒径の異なる茶葉粉末を生成することができる。
一方、閉状態で下臼350Dを使用する場合には、実施の形態1に係る臼2の状態と同様に、上臼と下臼350Dとの間に侵入した茶葉は、上臼および下臼350Dの第1領域間で滞留しつつ粉砕された後に、上臼と下臼350Dの第2領域間でさらに細かく均一に粉砕される。これにより、閉状態で得られる茶葉粉末の粒径は、開状態で得られる茶葉粉末の粒径よりも小さくなる。
以上のように、本実施の形態に係る臼においても、実施の形態1同様に、投入された茶葉の大きさの違いによって生じる粉末粒度のバラツキを抑制することができる。加えて、貫通孔354の開閉状態を適宜選択することにより、生成される茶葉粉末の粒径を選択することができる。
なお、貫通孔354を開状態とし、粒径の異なる茶葉粉末が生成される場合であっても、上臼の第1平坦部および下臼350Dの第1平坦部F21との間を通過する時点で粉末の粒径は相当程度小さいため、粒径の異なる茶葉粉末が生成された場合でも、投入された茶葉の大きさに起因する茶葉粉末の粒径のバラツキを十分に抑制することができる。
以下、実施の形態7から9においては、互いに対向して配置される上臼と下臼とに作用する圧力を容易に変更でき、上臼と下臼との間に残留した残留物によって上臼および下臼が固着することを防止することができる粉挽きユニット(粉砕装置)の構成について説明する。
一般的に、粉挽き機による粉砕後には、上臼と下臼との間に粉砕対象物およびこれが粉砕された粉末等の残留物が残留した状態で放置される場合があった。このような場合には、上臼と下臼とが残留物を介して固着するという問題があった。上臼と下臼が固着すると、回転駆動させる際にトルクが不足して臼が回転しなかったり、駆動部品に負荷が掛かって部品が破損したりする。
ここで、上述の特許文献1に開示の粉挽き機にあっては、下臼を支持する下臼支持台に複数の弾性支持手段を設け、弾性支持手段の支持位置を可変させることにより、粉砕時における上臼と下臼との間の接触圧を変更することができる。
しかしながら、粉砕後に上臼と下臼とに作用する圧力を調整することについては、十分に考慮されていなかった。また、接触圧を変更する場合であっても複数の弾性支持手段の位置をそれぞれ変更しなければならず、その調整に手間がかかり不便であった。
実施の形態7から9に係る粉砕装置は、上記のような問題を解決すべく、互いに対向して配置される上臼と下臼とに作用する圧力を容易に変更でき、上臼と下臼との間に残留した残留物によって上臼および下臼が固着することを防止することを目的としている。
実施の形態7から9に係る粉挽きユニットは、上臼擦り合せ面が設けられた上臼および当該上臼擦り合せ面に対向する下臼擦り合せ面が設けられた下臼を含み、上臼および下臼が相対的に回転することにより粉砕対象物を粉砕する臼と、上臼を前記下臼に向けて付勢する付勢手段と、粉砕の際と粉砕後とにおける付勢手段の付勢力を調整可能に構成され、上臼擦り合せ面と下臼擦り合せ面とに作用する圧力を調整する圧力調整機構とを、備えたものである。
実施の形態7から9においては、圧力調整機構の構成がそれぞれ相違しており、各実施の形態においては、圧力調整機構の具体的な構成について説明する。
(実施の形態7)
図26および図27を参照して、本実施の形態に係る粉挽きユニットについて説明する。図26は、本実施の形態に係る粉挽きユニットの上臼と下臼とに作用する圧力を調整する圧力調整機構200の構成を示す分解斜視図である。図27は、図26に示す下臼支持部材340Eを下方側から見た斜視図である。
図26および図27に示すように、本実施の形態に係る粉挽きユニットは、実施の形態1に係る粉挽きユニット300と比較した場合に、粉砕の際と粉砕後とにおける上臼の擦り合せ面と下臼の擦り合せ面とに作用する圧力を調整する圧力調整機構200をさらに備えている点において相違する。具体的には、下臼支持部材340Eとこれに連結される回転駆動軸131の構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
圧力調整機構200は、下臼の下方側から下臼を支持する下臼支持部材340Eと、下臼支持部材340Eに連結され、下臼支持部材340Eを回転させる回転駆動軸131とによって構成される。
下臼支持部材340Eは、回転駆動軸131の回転動作時に回転駆動部に係合する係合部を含む。回転駆動軸131は、係合部に係合される被係合部を含む。下臼支持部材340Eは、係合部が被係合部に係合した係合状態と、係合部が被係合部に係合していない非係合状態とで下臼支持部材340Eの高さ位置が異なるように構成されている。
具体的には、下臼支持部材340Eは、回転駆動軸131が挿入される挿入部348を有する。挿入部348は、略円筒形状を有する粉挽き軸345が有する内周面によって規定されている。粉挽き軸345は、下方に開口するように設けられている。これにより、回転駆動軸131を粉挽き軸345の下方から挿入することができる。
挿入部348には、その内表面から内側に向けて突出する突出部346が設けられている。この突出部346は、上述の係合部として機能する。また、挿入部348には、突出部346が設けられている位置とは異なる位置において、軸線方向に沿って延在するように一対の突出壁部347が設けられている。
一対の突出壁部347は、互いに対向するように設けられている。一対の突出壁部347は、180°ピッチで周方向に設けられている。一対の突出壁部347は、対向面347aと、対向面347aに交差するように設けられた突き当り面347bを有する。
一対の対向面347aは、回転駆動軸131の後述する内壁部132の外周面132aに摺動可能に設けられている。一対の対向面347aの間に内壁部132が嵌り込むことにより、下臼支持部材340Eと回転駆動軸131とが連結される。
突き当り面347bは、一対の対向面347aが内壁部132の外周面132aに摺動しながら回転することにより、回転駆動軸131の外壁部133の側面133aに突き当たるように設けられている。
回転駆動軸131は、先端側に、筒状の内壁部132を有する。内壁部132は、回転駆動軸131の下端側よりも内側に後退するように設けられている。内壁部132の周囲には、周方向に間隔をあけて一対の外壁部133が設けられている。
一対の外壁部133は、たとえば180°ピッチで周方向に設けられている。一対の外壁部133は、軸線方向に略平行な側面133aを有する。また、一対の外壁部133には、側面133a側が開口するように溝部134が設けられている。溝部134は、粉砕対象物としての茶葉を粉砕する際に回転駆動軸131を回転させる回転方向(図中矢印AR1方向)の後方に向かうにつれて上方に向かうように設けられている。
図28から図30を参照して、圧力調整機構200における上臼の擦り合せ面と下臼の擦り合せ面とに作用する圧力の調整動作について説明する。図28は、図26に示す圧力調整機構200の非係合状態を示す図である。図29は、図26に示す圧力調整機構200の非係合状態と係合状態の間にある途中状態を示す図である。図30は、図26に示す圧力調整機構200の係合状態を示す図である。
図28に示すように、圧力調整機構200の非係合状態においては、下臼支持部材340Eの突出部346が、回転駆動軸131の溝部134の入口部に位置する。これにより、下臼支持部材340Eは、下方側に位置した状態が維持される。
図29に示すように、圧力調整機構200の非係合状態と係合状態の間にある途中状態においては、茶葉を粉砕するに際して回転駆動軸131が回転方向(矢印AR1方向)に回転する。これにより、下臼支持部材340Eの突出部346が回転駆動軸131の溝部134の奥側に案内される。
溝部134は、回転方向(図中矢印AR1方向)の後方に向かうにつれて上方に向かうように設けられている。このため、下臼支持部材340Eの突出部346が溝部134の奥側に案内されることにより、下臼支持部材340Eが全体的に上方へ移動する。
図30に示すように、圧力調整機構200の係合状態においては、下臼支持部材340Eの突き当り面347bが、回転駆動軸131の外壁部133の側面133aに突き当たる。これにより、突出部346と溝部134が係合して、下臼支持部材340Eの上方への移動が制限される。この際、下臼支持部材340Eの位置は、圧力調整機構200の非係合状態における下臼支持部材340Eの位置よりも高さhだけ高くなる。
下臼支持部材340の位置が高くなることにより、ばねの付勢力に抗して下臼350が上臼360側に移動する。これにより、付勢力が強くなり、上臼の擦り合せ面と下臼の擦り合せ面との間に作用する圧力が、非係合状態の圧力よりも大きくなる。
また、突き当り面347bが側面133aに突き当たることにより、下臼支持部材340Eは、回転駆動軸131と一体となって回転方向(図中矢印AR方向)に回転する。これにより、係合状態においては、上臼の擦り合せ面と下臼の擦り合せ面との間に作用する圧力が大きい状態が維持されて、茶葉を効率よく粉砕することができる。
一方、茶葉の粉砕が終了した後には、粉砕時の回転方向とは逆の方向に回転駆動軸131を回転させる。これにより、下臼支持部材340Eの突出部346が回転駆動軸131の溝部134の入口部に移動し、突出部346と溝部134との係合が解除される。
突出部346が溝部134の入口部に移動することにより、下臼支持部材340Eは、下方に移動することなる。これにより、付勢力が弱くなり、上臼の擦り合せ面と下臼の擦り合せ面との間に作用する圧力が、係合状態の圧力よりも小さくなる。
このため、粉砕後に上臼の擦り合せ面と下臼の擦り合せ面との間に粉砕対象物や粉末が残留した場合であっても、残留物に負荷される圧力が緩和され、残留した残留物によって上臼および下臼が固着することを防止することができる。
また、回転駆動軸131の回転方向を制御するだけで下臼支持部材340Eの上下方向の位置(高さ位置)を容易に変更することができる。これにより、上臼の擦り合せ面と下臼の擦り合せ面との間に作用する圧力を容易に変更することができる。
以上のように、本実施の形態に係る粉挽きユニットにあっては、上記圧力調整機構200は、上記下臼の下方側から上記下臼を支持する下臼支持部(下臼支持部材340E)と、上記下臼支持部に連結され、上記下臼支持部を回転させる回転駆動軸131とによって構成されることが好ましい。この場合には、上記下臼支持部は、上記回転駆動軸131の回転動作時に上記回転駆動軸131に係合する係合部(たとえば突出部346)を含むことが好ましく、上記回転駆動軸131は、上記係合部に係合される被係合部(たとえ溝部134)を含むことが好ましい。さらにこの場合には、上記係合部が上記被係合部に係合した係合状態と、上記係合部が上記被係合部に係合していない非係合状態とで上記下臼支持部の高さ位置が異なることが好ましい。
また、本実施の形態に係る粉挽きユニットにあっては、上記下臼支持部は、上記回転駆動軸131が挿入される挿入部348を有することが好ましい。また、上記係合部は、上記挿入部348の内表面から内側に向けて突出する突出部346であることが好ましく、上記被係合部は、上記挿入部348に挿入される部分において上記回転駆動軸131の外表面に設けられた溝部134であることが好ましい。さらに、上記溝部134は、粉砕対象物を粉砕する際に上記回転駆動軸131を回転させる回転方向の後方に向かうにつれて上方に向かうように設けられることが好ましい。この場合には、上記係合状態における上記下臼支持部の高さ位置が、上記非係合状態における上記下臼支持部の高さ位置よりも高くなることが好ましい。
(実施の形態8)
図31および図32を参照して、本実施の形態に係る粉挽きユニット300Fについて説明する。図31は、本実施の形態に係る粉挽きユニット300Fの上面図である。図32は、図31に示す粉挽きユニット300Fの縦断面図である。
図31および図32に示すように、本実施の形態に係る粉挽きユニット300Fは、実施の形態7に係る粉挽きユニットと比較した場合に、圧力調整機構200Fが相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
圧力調整機構200Fは、付勢手段としてのバネ381を保持する保持部としてのバネ保持部材380の高さ位置を変更可能に設けられている。バネ保持部材380の高さ位置を変更することにより、バネ381の付勢力を調整し、この結果、上臼360の擦り合わせ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力を調整することができる。
具体的には、圧力調整機構200Fは、上臼360の上方に位置し、バネ保持部材380を上臼360に向けて押さえ込むとともに粉砕対象物が導入されるホッパー部320と、ホッパー部320を上下方向に移動させる移動機構とによって構成されている。
ホッパー部320が上下方向に移動することにより、ホッパー部320に押さえ込まれるバネ保持部材380も上下方向に移動する。これにより、上述のように上臼360の擦り合わせ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力を調整することができる。
移動機構は、ホッパー部320を軸線周りに回転させる回転機構20と、ホッパー部320の回転に伴ってホッパー部320の上下方向への移動を案内するように筐体310に設けられたスロープ部317とによって構成されている。
回転機構20は、回転ギア21と、従動ギア22とを含む。回転ギア21は、不図示の駆動モータによって回転駆動される。従動ギア22は、回転ギア21に噛み合っている。従動ギア22は、回転ギア21の回転により図中矢印AR2方向に移動する。
ホッパー部320の外周面には、従動ギア22に噛み込む噛み込み部325および径方向外側に向けて突出する2つの移動規制部327が設けられている。2つの移動規制部327は、周方向に間隔をあけて設けられている。2つの移動規制部327は、ホッパー部320の移動範囲を規制するものである。
噛み込み部325は、2つの移動規制部327との間に設けられている。噛み込み部325が従動ギア22に噛み込むことにより、ホッパー部320は、従動ギア22の移動に伴って図中矢印AR3方向に回転移動する。
スロープ部317は、螺旋状に設けられている。スロープ部317は、たとえば筐体310の内周面に設けられた嵌合溝部によって構成されている。スロープ部317には、ホッパー部320の外周に設けられた嵌合凸部326がスロープ部317に沿って移動可能に嵌合している。
たとえば、茶葉を粉砕する際には、回転ギア21を正転させる。回転ギア21が正転することにより、ホッパー部320が正転する。この際、ホッパー部320の嵌合凸部326が筐体310のスロープ部317に沿って下方側に移動し、この移動に伴ってホッパー部320が下方に移動する。この際、バネ保持部材380が、バネ381の付勢力に抗して下方に押し込まれる。これにより、付勢力が強くなり、上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力が、大きくなる。
一方、茶葉の粉砕が終了した後には、回転ギア21を反転させる。回転ギア21が反転することにより、ホッパー部320が反転する。この際、ホッパー部320の嵌合凸部326が筐体310のスロープ部317に沿って上方側に移動し、この移動に伴ってホッパー部320が上方に移動する。この際、バネ保持部材380も上方に移動する。これにより、付勢力が弱くなり、上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力が、小さくなる。
このため、粉砕後に上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に粉砕対象物や粉末が残留した場合であっても、残留物に負荷される圧力が緩和され、残留した残留物によって上臼360および下臼350が固着することを防止することができる。
また、回転ギア21の回転を制御するだけでホッパー部320およびバネ保持部材380の上下方向の位置(高さ位置)を容易に変更することができる。これにより、上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力を容易に変更することができる。
なお、本実施の形態においては、スロープ部317が溝部によって構成されている場合を例示して説明したが、これに限定されず、筐体310の内周面から内側に突出するように設けられた螺旋状の凸部によって構成されていてもよい。この場合には、嵌合凸部326がらせん状の凸部上を摺動しながら移動することにより、ホッパー部320の高さ位置が変更される。
以上のように、本実施の形態に係る粉挽きユニットは、上臼擦り合せ面360aが設けられた上臼360および上記上臼擦り合せ面360aに対向する下臼擦り合せ面350aが設けられた下臼350を含み、上記上臼360および上記下臼350が相対的に回転することにより粉砕対象物を粉砕する臼2と、上記上臼360を上記下臼350に向けて付勢する付勢手段(たとえばバネ381)と、粉砕の際と粉砕後とにおける上記付勢手段の付勢力を調整可能に構成され、上記上臼擦り合せ面360aと上記下臼擦り合せ面350aとに作用する圧力を調整する圧力調整機構200Fとを、備えており、上記付勢手段を保持する保持部(たとえばバネ保持部材380)をさらに備えることが好ましい。この場合には、上記圧力調整機構200Fは、上記保持部の高さ位置を変更可能に設けられていることが好ましい。
また、本実施の形態に係る粉挽きユニットは、上記上臼360の上方に位置し、上記保持部を上記上臼360に向けて押さえ込むとともに粉砕対象物が導入されるホッパー部320と、上記ホッパー部320を上下方向に移動させる移動機構と、をさらに備えることが好ましい。この場合には、上記移動機構による上記ホッパー部320の移動により、上記保持部の高さ位置が変更されることが好ましい。
さらに、本実施の形態に係る粉挽きユニットは、上記ホッパー部320を収容する筐体310をさらに備えていてもよい。この場合には、上記移動機構は、上記ホッパー部320を上記ホッパー部320の軸線周りに回転させる回転機構20と、上記ホッパー部320の回転に伴って上記ホッパー部320の上記上下方向への移動を案内するように上記筐体310に設けられたスロープ部317とによって構成されることが好ましい。
(実施の形態9)
図33を参照して、本実施の形態に係る粉挽きユニット300Gについて説明する。図33は、本実施の形態に係る粉挽きユニット300Gの概略断面図である。
図33に示すように、本実施の形態に係る粉挽きユニット300Gは、実施の形態7に係る粉挽きユニットと比較した場合に、圧力調整機構200Gが相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
圧力調整機構200Gは、付勢手段としてのバネ381を保持する保持部としてのバネ保持部材380Gの高さ位置を変更可能に設けられている。バネ保持部材380Gの高さ位置を変更することにより、バネ381の付勢力を調整し、この結果、上臼360の擦り合わせ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力を調整することができる。
上臼360および下臼350、ならびに付勢手段としてのバネ381は実施の形態1同様に筐体310内に収容されている。
バネ保持部材380Gは、プレート部382、延在部383、押し込み部384、および係合爪部385を含む。プレート部382は、筐体310の内部に位置する。プレート部382は、バネ381の上方側からバネ381に接触する。
延在部383は、プレート部382の周縁から下方に向けて延在する。延在部383は、たとえば、下臼支持部材340の下端と同じ高さ位置となるように延在する。押し込み部384は、延在部383の途中領域に設けられている。押し込み部384は、延在部383から筐体310の外部に突出するように設けられている。押し込み部384は、下方に向けて押し込み可能に設けられている。ここで、押し込み可能に設けられているとは、押し込み部384の下方への押し込み移動に伴って、バネ保持部材380Gが全体的に下方に移動可能に設けられていることを意味する。
係合爪部385は、延在部383の下方に設けられている。係合爪部385は、筐体310の下端に着脱可能に設けられている。係合爪部385は、その下端側に筐体310の下端に係合する爪部386を有する。係合爪部385は、ヒンジ機構387によって開いた状態と、閉じた状態(一対の爪部386が近づいた状態)とを切換え可能に設けられている。
バネ保持部材380Gは、プレート部382がバネ381の付勢力に抗して上臼360に近づいた近距離位置と、プレート部382が近距離位置から上方に離れた遠距離位置とを移動可能に設けられている。
図34を参照して、圧力調整機構200Gの動作について説明する。図34は、図33に示す粉挽きユニットに具備される圧力調整機構の動作を示す図である。
図34を示すように、押し込み部384が図中矢印AR4に示すように下方に押し込まれると、バネ保持部材380Gが全体的に下方に移動する。これに連動して、係合爪部385が互いに近づくように内側に回動する。これにより、係合爪部385の爪部386が筐体310の下端に係合し、バネ保持部材380Gが近距離位置に位置する状態が維持される。
この状態においては、プレート部382が下方に押し込まれている状態が維持されるため、バネ381の付勢力が強くなり、上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力が、大きくなる。
一方、茶葉の粉砕が終了した後には、図中矢印AR5に示すように、ヒンジ機構387よりも上方側に位置する係合爪部385の上端側を内側に向けて押し込むことにより、係合爪部385の下端側が開き、爪部386が筐体310の下端から外れる。
これにより、係合爪部385による筐体310の下端への係合が解除される。係合爪部385による係合が解除されると、プレート部382がバネ381の付勢力により上方へ戻されることにより、バネ保持部材380Gが遠距離位置に戻される。
この状態においては、付勢力が弱くなり、上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力が、小さくなる。
このため、粉砕後に上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に粉砕対象物や粉末が残留した場合であっても、残留物に負荷される圧力が緩和され、残留した残留物によって上臼360および下臼350が固着することを防止することができる。
また、押し込み部384を押し込んだり、係合爪部385の上端側を内側に押し込んだりするだけで、バネ保持部材380Gの上下方向の位置(高さ位置)を容易に変更することができる。これにより、上臼360の擦り合せ面360aと下臼350の擦り合せ面350aとの間に作用する圧力を容易に変更することができる。
図35および図36を参照して、バネ保持部材380が近距離位置に位置する場合および遠距離位置に位置する場合の係合爪部385と茶葉粉末受皿800との位置関係について説明する。図35および図36は、バネ保持部材380が近距離位置に位置する場合および遠距離位置に位置する場合の係合爪部385と茶葉粉末受皿800との位置関係を示す模式図である。
図35に示すように、バネ保持部材380Gが遠距離位置に位置する場合には、バネ保持部材380Gは、全体的に上方に移動している。このため、係合爪部385の下端は、茶葉粉末受皿800の上端の位置よりも上方に位置する。これにより、図中矢印に示すように、茶葉粉末受皿800を水平方向に移動させ、これを取り出すことができる。
図36に示すように、バネ保持部材380Gが上述の近距離位置に位置する場合には、バネ保持部材380Gが全体的に下方に移動している。このため、係合爪部385の下端は、筐体310の下端よりも相当程度下方に位置する。具体的には、係合爪部385の下端は、茶葉粉末受皿800の上端の位置よりも下方側に位置する。これにより、バネ保持部材380Gが近距離位置に位置する場合には、茶葉粉末受皿800を水平方向に移動させようとすると、係合爪部385の下端に茶葉粉末受皿800が引っ掛かる。この結果、茶葉粉末受皿800取り出しが禁止され、粉砕終了後においても、係合爪部385と筐体310の下端との係合を解除しない限り、茶葉粉末受皿800を取り出せなくなる。
これにより、粉砕終了後に使用者が、上記の係合を解除することを忘れることを防止することができ、上臼と下臼との間の残留物によって上臼と下臼とが固着することを確実に防止することができる。
以上のように、本実施の形態に係る粉挽きユニットは、上臼擦り合せ面360aが設けられた上臼360および上記上臼擦り合せ面360aに対向する下臼擦り合せ面350aが設けられた下臼350を含み、上記上臼360および上記下臼350が相対的に回転することにより粉砕対象物を粉砕する臼2と、上記上臼360を上記下臼350に向けて付勢する付勢手段(たとえばバネ381)と、粉砕の際と粉砕後とにおける上記付勢手段の付勢力を調整可能に構成され、上記上臼擦り合せ面360aと上記下臼擦り合せ面350aとに作用する圧力を調整する圧力調整機構200Gとを、備えており、上記付勢手段を保持する保持部(たとえバネ保持部材380G)をさらに備えることが好ましい。この場合には、上記圧力調整機構200Gは、上記保持部の高さ位置を変更可能に設けられていることが好ましい。
また、本実施の形態に係る粉挽きユニットは、上記上臼360および下臼350、ならびに上記付勢手段を収容する筐体310をさらに備えることが好ましい。この場合には、上記保持部は、上記筐体310の内部に位置し、上記付勢手段に上記付勢手段の上方側から接触するプレート部382と、上記プレート部382の周縁から下方に向けて延在する延在部383と、上記延在部383から上記筐体310の外部に突出するように設けられ下方に向けて押し込み可能な押し込み部384と、上記延在部383の下方に設けられ上記筐体310の下端に着脱可能に係合する係合爪部385とを含むことが好ましい。また、上記保持部は、上記プレート部382が上記付勢力に抗して上記上臼360に近づいた近距離位置と、上記プレート部382が上記近距離位置から上方に離れた遠距離位置とを移動可能に設けられることが好ましい。さらに、この場合には、上記押し込み部384が下方に押し込まれ、上記保持部が下方に移動することで上記係合爪部385が上記筐体310の上記下端に係合することにより、上記保持部が上記近距離位置に位置する状態が維持されることが好ましく、上記係合爪部385による上記筐体310の上記下端への係合が解除されることにより、上記プレート部382が上記付勢手段の上記付勢力により上方へ戻されることにより、上記保持部が上記遠距離位置に戻されることが好ましい。
なお、上述した実施の形態1から5においては、上臼の擦り合わせ面および下臼の擦り合せ面のいずれにもする第1領域、第2領域、および第1平坦部が設けられる場合を例示して説明したが、これに限定されず、上臼の擦り合わせ面および下臼の擦り合せ面の少なくともいずれか一方に設けられていればよい。
上臼の擦り合わせ面および下臼の擦り合せ面の一方に第1領域、第2領域、および第1平坦部に設けられる場合には、他方の擦り合せ面においては、せん断溝が設けられる限り、平坦部は設けられていなくてもよい。この場合には、上臼の擦り合わせ面および下臼の擦り合せ面の一方における第1領域内に茶葉を滞留させることができるため、上述同様の理由により、投入された粉砕対象物の大きさの違いによって生じる粉末粒度のバラツキを抑制することができる。
また、実施の形態2から6に係る臼および実施の形態7から9に係る粉挽きユニットは、実施の形態1に係る飲料製造装置に適応することができる。このように、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組み合わせることは、当初から予定されている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 飲料製造装置、2 臼、20 回転機構、21 回転ギア、22 従動ギア、100 装置本体、110 制御ユニット、120 粉挽モータユニット、130 粉挽駆動力連結機構、131 回転駆動軸、132 内壁部、132a 外周面、133 外壁部、133a 側面、134 溝部、140 撹拌モータユニット、140A 非接触テーブル、141 磁石、150 給湯パイプ、155 液体供給経路、160 ヒータ、170 給湯ノズル、171 供給口、180 粉挽きユニット装着部、190 撹拌槽装着部、195 液体貯留タンク装着部、200,200F,200G 圧力調整機構、300,300F,300G 粉挽きユニット、300W 連結用窓、310 筐体、310b 上端開口部、311 貯留部、312 排出経路、312a 排出口、317 スロープ部、320 ホッパー部、321 拡筒部、322 円筒部、323 開口部、325 噛み込み部、326 嵌合凸部、327 移動規制部、330 カバー部、340,340E 下臼支持部材、341 本体部、342 係合突起部、343 粉掻き取り部、345 粉挽き軸、346 突出部、347 突出壁部、347a 対向面、347b 突き当り面、348 挿入部、350,350A1,350A2,350B,350C,350D 下臼、350a 擦り合せ面、350b 主面、350d 係合凹部、351 第1せん断溝、351a,351b せん断溝、352 第2せん断溝、353 第3せん断溝、354 貫通孔、356 コア、356a 羽根部、凹部 357、360 上臼、360a 擦り合せ面、360b 主面、361 第1せん断溝、362 第2せん断溝、364 送り溝、365 貫通孔、366 領域、366a 引き込み溝、370 上臼保持部材、371 底面部、371a 孔部、372 外筒部、373 内筒部、380,380G バネ保持部材、381 バネ、382 プレート部、383 延在部、384 押し込み部、385 係合爪部、386 爪部、387 ヒンジ機構、391,392,393 リブ、500 撹拌ユニット、510 撹拌槽、511 外装ホルダー、512 保温タンク、513 開口部、520 グリップ、530 撹拌カバー、531 粉末投入口、532 給湯口、540 吐出口開閉機構、541 吐出口、542 操作レバー、543 開閉ノズル、545 吐出部、550 撹拌羽根、551 軸受部、552 磁石、560 回転軸、700 液体貯留タンク、710 タンク本体、720 蓋部、800 茶葉粉末受皿、900 載置ベース、3501 第1部分、3502 第2部分、F11,F21,F21A 第1平坦部、F22 第2平坦部、R11,R21 第1領域、R12,R22 第2領域、R23 第3領域。

Claims (5)

  1. 共通の中心軸を有し互いに対向して配置される第1臼および第2臼を備え、前記第1臼および前記第2臼が前記中心軸を中心として相対的に回転することにより、粉砕対象物がせん断溝によって粉砕される臼であって、
    前記第1臼は、第1擦り合せ面を含み、
    前記第2臼は、前記第1擦り合せ面に対向して配置される第2擦り合せ面を含み、
    前記第1擦り合せ面および前記第2擦り合せ面の少なくとも一方は、第1せん断溝が設けられ中央に位置する第1領域と、第2せん断溝が設けられ前記第1領域を取り囲む第2領域と、前記第1せん断溝および前記第2せん断溝が分断されるように前記第1領域および前記第2領域の間に設けられた環状の第1平坦部とを有する、臼。
  2. 前記第1擦り合せ面および前記第2擦り合わせ面の両方が、前記第1領域、前記第2領域および前記第1平坦部を有し、
    前記第1平坦部の形状は円形状であり、かつ、前記第1臼と前記第2臼が回転する際に重なり合っている、請求項1に記載の臼。
  3. 前記中心軸に交差する径方向における前記第1擦り合せ面の前記第1平坦部の長さが、前記径方向における前記第2擦り合せ面の前記第1平坦部の長さと異なる、請求項2に記載の臼。
  4. 前記第1領域に設けられた前記第1せん断溝の本数が、前記第2領域に設けられた前記第2せん断溝の本数と異なる、請求項1から3のいずれか1項に記載の臼。
  5. 粉砕対象物を粉砕して粉末を得る粉挽きユニットと、
    液体を貯留するタンクと、
    前記粉挽きユニットによって得られた前記粉末と前記液体とが供給され、前記粉末と前記液体とを混ぜ合わせる撹拌槽と、を備え、
    前記粉挽きユニットには、請求項1から4のいずれか1項に記載の臼が用いられている、飲料製造装置。
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