以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる天板付き家具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
(天板付き家具の構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具の一状態の構成例を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具の別状態の構成例を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具を机本体と棚本体とに分解した状態を示す斜視図である。図1〜3に示すように、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具1は、自立式の机としての機能を有する机本体2と、物品を収容可能な棚本体3とを備え、これらを用途に応じた状態に組み合わせてなる。
机本体2は、天板付き家具1の机機能の主体を担う家具本体の一例である。本実施の形態において、机本体2は、図1〜3に示すように、天板21および脚体22等を備える。天板21は、天板付き家具1が机として使用される際の机上面を形成する平板部材である。脚体22は、机本体2の自立(延いては天板付き家具1の自立)を可能にする構造体であり、自身の上端部に天板21を支持して床面に起立する。また、机本体2は、図3に示すように、脚体22および天板21の奥行方向F1の奥側に、被係合部20a,20bを備える。被係合部20a,20bは、棚本体3における第1の係合部または第2の係合部と着脱可能に係合され、この棚本体3を、机本体2の起立方向F3に受けて着脱可能に支持する。なお、これら第1の係合部および第2の係合部の詳細については、後述する。
棚本体3は、天板付き家具1の棚機能の主体を担う棚構造体である。本実施の形態において、棚本体3は、上下2段式の棚構造体であり、図1〜3に示すように、互いに脚体22の起立方向F3に面対向して離間する下棚板31および上棚板32等を備える。下棚板31および上棚板32は、各々、天板21の奥行方向F1についての寸法(以下、奥行寸法と適宜いう)が互いに異なる棚板である。具体的には、図1〜3に示すように、上棚板32は、下棚板31に比して長い奥行寸法を有する。また、棚本体3は、下棚板31と上棚板32との間に、物品を収容可能な物品収容空間13を形成する。
このような棚本体3は、天板付き家具1内における棚高さの調節のために、上述した机本体2に対して組み替え(付け替え)可能である。すなわち、棚本体3は、天板付き家具1の用途、使用場所、または使用者の好みに応じた棚高さの調節を行うべく第1机状態と第2机状態とが択一的に選択されるように、机本体2の被係合部20a,20bに支持されて、脚体22に対し着脱可能に固定される。ここで、第1机状態は、図1に示すように、棚本体3の物品収容空間13が机本体2の天板21よりも起立方向F3の上側に位置し且つ天板21の奥行方向F1の奥側から手前側に向かって開口する構成となる天板付き家具1の使用状態(第1の状態)である。第2机状態は、図2に示すように、棚本体3の物品収容空間13が机本体2の天板21よりも起立方向F3の下側に位置し且つ天板21の奥行方向F1の奥側から手前側に向かって開口する構成となる天板付き家具1の使用状態(第2の状態)である。
(机本体の構成)
つぎに、本実施の形態における机本体2の構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態における机本体の一構成例を示す後方斜視図である。図4に示すように、本実施の形態における机本体2は、机上面をなす天板21と、天板21等を支持して起立する脚体22と、物品を収容可能な引き出しユニット23とを備える。また、机本体2は、引き出しユニット23を支持する引き出し支持体24と、幕板25と、脚体22を補強する脚補強体26と、物品を吊り下げ可能なフック27とを備える。さらに、机本体2は、脚体22の上端部のうち奥行方向F1の奥側の上端部、すなわち奥上端部22c,22dに、上述した棚本体3を着脱可能に接合するための突起部28a,28bおよび挿入孔29a,29bを備える。
天板21は、机の天板等のように、使用者が天板付き家具1を机等の用途に使用する際、この用途に応じた作業に用いられる平板部材である。天板21の上面は、机としての天板付き家具1の机上面となる。この天板21の上面には、例えば、書籍、文房具、パーソナルコンピュータ(パソコン)、タブレット端末や電子計算機等の各種物品が、天板付き家具1の用途に応じて適宜載置される。
脚体22は、机本体2(延いては天板付き家具1)が床面に自立するための脚として機能するものである。本実施の形態において、脚体22は、図4に示すように、天板21等を協同して支持する右脚体22aと左脚体22bとによって構成される。右脚体22aおよび左脚体22bは、例えば図4に示すように、A字形状の構造体であり、机本体2の幅方向F2に所定の間隔をあけて離間するように配置される。なお、右脚体22aおよび左脚体22bは、A字形状のものに限定されず、平板形状またはH字形状等、天板21等を支持して床面に自立可能な形状のものであればよい。
これら右脚体22aおよび左脚体22bの互いに対向する各内壁面には、引き出し支持体24、幕板25、および脚補強体26が、右脚体22aと左脚体22bとに挟まれるように接合される。この際、引き出し支持体24、幕板25、および脚補強体26は、図4に示すように、右脚体22aおよび左脚体22bの各内壁面に設けられた複数の接合金具に嵌め込まれ、ねじ止め等されて、右脚体22aおよび左脚体22bに固定される。
また、右脚体22aおよび左脚体22bの各内壁面間に接合された引き出し支持体24の上面には、天板21の下面に固定された状態の引き出しユニット23が配置される。引き出しユニット23は、引き出し支持体24によって支持された状態で、ねじ止め等により、右脚体22aおよび左脚体22bの各内壁面に固定される。この引き出しユニット23の接合に伴い、右脚体22aおよび左脚体22bの各上端部には、天板21の幅方向F2における両端部の各下面が各々載置される。この構造により、右脚体22aおよび左脚体22bは、自身の各上端部に天板21を受けて支持する。右脚体22aおよび左脚体22bからなる脚体22は、上述した状態を維持しながら、机本体2の起立方向F3の上方に天板21の上面を向けて自立する。
引き出し支持体24は、引き出しユニット23の支持面を有し且つ机本体2の背面の一部をなす側面視L字形状の構造体である。図4に示すように、引き出し支持体24は、右脚体22aおよび左脚体22bの各内壁面のうち、起立方向F3の上側且つ奥行方向F1の奥側の部位に固定される。引き出し支持体24は、右脚体22aおよび左脚体22bに挟まれ固定された状態で、上述した引き出しユニット23を支持する。
幕板25は、机本体2の背面の一部をなす平板部材である。図4に示すように、幕板25は、右脚体22aおよび左脚体22bの各内壁面のうち、奥行方向F1の奥側であって引き出し支持体24の下面よりも起立方向F3の下側の部位に固定される。この際、幕板25の上端部と引き出し支持体24の下端部との間には、所定の間隙が形成される。このような幕板25は、天板付き家具1が第2机状態(図2参照)である場合、棚本体3の物品収容空間13の底面よりも起立方向F3の上側に突出して、この物品収容空間13の開口の下側一部分を遮蔽する遮蔽部として機能する。
脚補強体26は、側面視L字形状の構造体であり、図4に示すように、右脚体22aおよび左脚体22bの各内壁面のうち、奥行方向F1の奥側であって幕板25の下端部よりも起立方向F3の下側の部位に固定される。脚補強体26は、上述した引き出し支持体24等と協同して、脚体22の強度、特に幅方向F2の強度を補強する。
また、机本体2は、図3に示したように、脚体22の上端部のうち奥行方向F1の奥側に、棚本体3における第1の係合部または第2の係合部と着脱可能に係合される被係合部20a,20bを備える。
本実施の形態において、幅方向F2の右側の被係合部20aは、図4に示す天板21の奥行方向F1の奥端部21aと右脚体22aの奥上端部22cとを備える。奥上端部22cは、右脚体22aの上端部のうち、奥行方向F1の奥側、詳細には、天板21の幅方向F2の右側下面を受けて支持する支持面よりも奥行方向F1の奥側の部分である。この奥上端部22cには、図4に示すように、棚本体3の第1の係合部または第2の係合部と右脚体22aとを接合するための突起部28aおよび挿入孔29aが設けられる。このような奥上端部22cと天板21の奥端部21aとを互いに連続した構造とすることにより、天板21の上面から起立方向F3(詳細には天板21の厚さ方向)に凹む段差状の被係合部20aが形成される。
一方、幅方向F2の左側の被係合部20bは、図4に示す天板21の奥端部21aと左脚体22bの奥上端部22dとを備える。奥上端部22dは、左脚体22bの上端部のうち、奥行方向F1の奥側、詳細には、天板21の幅方向F2の左側下面を受けて支持する支持面よりも奥行方向F1の奥側の部分である。この奥上端部22dには、図4に示すように、棚本体3の第1の係合部または第2の係合部と左脚体22bとを接合するための突起部28bおよび挿入孔29bが設けられる。このような奥上端部22dと天板21の奥端部21aとを互いに連続した構造とすることにより、天板21の上面から起立方向F3に凹む段差状の被係合部20bが形成される。
このような左右一対の被係合部20a,20b(図3参照)は、天板付き家具1が第1机状態(図1参照)である場合、棚本体3の第1の係合部と着脱可能に係合され、天板付き家具1が第2机状態(図2参照)である場合、棚本体3の第2の係合部と着脱可能に係合される。このようにして、被係合部20a,20bは、上述した天板付き家具1の第1机状態と第2机状態とが択一的に選択されるよう、棚本体3を起立方向F3に受けて着脱可能に支持する。
(棚本体の構成)
つぎに、本実施の形態における棚本体3の構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態における棚本体の一構成例を示す正面図である。図6は、本発明の実施の形態における棚本体の一構成例を示す側面図である。図7は、本発明の実施の形態における棚本体の一構成例を示す下面図である。図5〜7に示すように、本実施の形態における棚本体3は、互いに奥行寸法が異なる下棚板31および上棚板32と、これらの下棚板31と上棚板32とを上下に離間した状態で連結する側板33と、棚本体3の背面をなす背板34と、上棚板32による物品収容空間を仕切る複数の仕切り体35とを備える。
下棚板31は、棚本体3が形成する上下2段の物品収容空間のうち下段の物品収容空間13の底面をなす棚板である。具体的には、図5,6に示すように、下棚板31は、棚本体3の幅方向F2を長手とする平板部材であり、上棚板32よりも起立方向F3の下側に位置する。また、下棚板31は、上述した天板21の奥行方向F1について、図3に示した被係合部20a,20bと同じ奥行寸法D1を有する。この下棚板31の奥行寸法D1は、上棚板32と異なる寸法であり、具体的には、図6に示すように、上棚板32の奥行寸法D2よりも短い。また、下棚板31の奥行寸法D1は、右側板33aおよび左側板33bの各奥行寸法(すなわち各板幅)と同じである。一方、下棚板31の幅方向F2の長さ(すなわち幅寸法)は、上述した天板21に比して側板33の厚み分、短い。
このような下棚板31を底面とする物品収容空間13は、図5に示すように、下棚板31と上棚板32と側板33(詳細には右側板33aおよび左側板33b)と背板34とによって囲まれて形成される空間である。物品収容空間13は、図6に示すように、棚本体3の奥行方向F1の手前側に開口しており、この開口を通じ、物品を下棚板31上に載置して収容することができる。また、この開口を通じ、下棚板31上の収容物品を物品収容空間13から取り出すことができる。
上棚板32は、棚本体3が形成する上下2段の物品収容空間のうち上段の物品収容空間の底面をなす棚板である。具体的には、図5,6に示すように、上棚板32は、棚本体3の幅方向F2を長手とする平板部材であり、下棚板31よりも起立方向F3の上側に位置する。且つ、上棚板32は、図6に示すように、奥行方向F1について下棚板31よりも長い奥行寸法D2を有して、上述した被係合部20a,20bの奥行方向F1の寸法(すなわち奥行寸法D1)分、下棚板31よりも奥行方向F1の手前側に延在する。
具体的には、上棚板32は、図6に示すように、下棚板31よりも奥行方向F1の手前側に延在する延在部32aと、下棚板31と面対向する面対向部32bとからなる。延在部32aの奥行寸法D3は、上述した被係合部20a,20bの支持面を形成する脚体22の奥上端部22c,22dの奥行寸法、すなわち下棚板31の奥行寸法D1と同じである。面対向部32bの奥行寸法は、この下棚板31の奥行寸法D1と同じである。上棚板32の奥行寸法D2は、延在部32aの奥行寸法D3と面対向部32bの奥行寸法(=D1)とを合算した寸法、すなわち、奥行寸法D1の2倍の寸法である。一方、上棚板32の幅方向F2の長さ(すなわち幅寸法)は、上述した天板21の幅寸法と同じである。
このような上棚板32を底面とする物品収容空間が、棚本体3における上段の物品収容空間となる。この上段の物品収容空間は、起立方向F3の下側を除く略全域に亘り開放された空間であり、奥行方向F1の手前側等、所望の開放方向から物品を上棚板32上に載置して収容することができる。また、所望の開放方向から、上棚板32上の収容物品、すなわち上段の物品収容空間内の物品を取り出すことができる。以下、この上棚板32を底面とする上段の物品収容空間は、「上棚板32による物品収容空間」と適宜いう。
ここで、本実施の形態において、「寸法が同じ」とは、比較対象の寸法同士が同寸法である場合は勿論、比較対象の寸法同士の差が設計上の寸法公差内である場合も含める。すなわち、「寸法が異なる」とは、比較対象の寸法同士の差が設計上の寸法公差を超過する場合をいう。
側板33は、上述した下棚板31と上棚板32とを、互いに脚体22(図1,2等参照)の起立方向F3に面対向して離間するように連結する連結部として機能する。具体的には、図5に示すように、側板33は、棚本体3の幅方向F2の右側面をなす右側板33aと左側面をなす左側板33bとによって構成される。右側板33aおよび左側板33bは、互いに幅方向F2に対向する板状部材である。これら右側板33aおよび左側板33bの起立方向F3の各下端部33c,33dには、図5に示すように、下棚板31の幅方向F2の各端部が、ねじ止め等によって各々接合される。これにより、下棚板31は、右側板33aおよび左側板33bの各下端部33c,33dに挟まれるような状態で固定される。一方、右側板33aおよび左側板33bの起立方向F3の各上端面には、図5に示すように、上棚板32の幅方向F2の各端部が、ねじ止め等によって各々接合される。これにより、上棚板32は、右側板33aおよび左側板33bの各上端面に支持されるような状態で固定される。
上述したような固定構造により、右側板33aおよび左側板33bは、下棚板31の幅方向F2の各端部と上棚板32の幅方向F2の各端部とを各々連結する。これら右側板33aおよび左側板33bによって連結された下棚板31および上棚板32は、図5に示すように、互いに起立方向F3に面対向して離間した状態、望ましくは、互いに平行をなして起立方向F3に離間した状態になる。
背板34は、棚本体3の背面(奥行方向F1の奥端面)をなす板状部材である。具体的には、図5〜7に示すように、背板34は、下棚板31における奥行方向F1の奥端部と、上棚板32における奥行方向F1の奥端部と、右側板33aにおける奥行方向F1の奥端部と、左側板33bにおける奥行方向F1の奥端部とに、ねじ止め等によって固定される。これにより、背板34は、これら下棚板31、上棚板32、右側板33a、および左側板33bの奥行方向F1の各奥端部同士を連結して、下棚板31と上棚板32と右側板33aと左側板33bとによる矩形の接合構造の強度を補強する。これと同時に、背板34は、右側板33aおよび左側板33bの各下端部33c,33dの位置(すなわち第1の係合部の位置)から上棚板32の位置(すなわち第2の係合部の位置)に亘って、物品収容空間13の奥行方向F1の奥側を閉じる。
また、背板34には、図5,6に示すように、物品収容空間13と棚本体3の背面外側とを通じる開口部34aが設けられる。本実施の形態において、開口部34aは、図5に示すように、背板34の幅方向F2の各端部近傍に1つずつ(合計2つ)形成されるが、本発明において、背板34における開口部34aの形成部位および形成数は、特に問われない。一方、背板34における奥行方向F1の手前側の面(前面)のうち、上棚板32の幅方向F2の中央部下面に相当する部位には、図5に示すように、棚補強板30が固定配置されている。棚補強板30は、上棚板32の幅方向F2の中央部位を支持し、これにより、上棚板32の強度を補強して上棚板32の撓み等の変形を防止する。
さらに、背板34は、図5,6に示すように、上棚板32よりも起立方向F3の上側に突出する背板上部34bを有する。背板上部34bは、背板34における起立方向F3の上側の端部(上端部)である。ここで、上棚板32は、本実施の形態における棚本体3の上下2段の棚板(下棚板31および上棚板32)のうち起立方向F3の上側に位置する棚板である。背板上部34bは、上棚板32の幅方向F2の全域に亘り、上棚板32の上面よりも上方に突出する。このような構造の背板上部34bは、上棚板32の上面に載置された物品が奥行方向F1の奥側へ落下することを防止する。
仕切り体35は、上棚板32による物品収容空間を上棚板32の幅方向F2に沿って仕切る板状の構造体である。図5,6に示すように、仕切り体35は、上棚板32の上面のうち奥行方向F1の奥側に配置され、上棚板32または背板34に対し、幅方向F2に摺動可能且つ着脱可能に取り付けられる。このような仕切り体35は、上棚板32の幅方向F2に沿ってスライド可能であり、幅方向F2に沿ったスライドによって位置調整される。この結果、仕切り体35は、例えば図5に示すように、上棚板32による物品収容空間を、幅方向F2に並ぶ複数の物品収容空間に分ける。
なお、本実施の形態において、仕切り体35は、図5等に示すように、上棚板32の上面に3つ配置しているが、本発明において、仕切り体35の配置数は、特に問われない。また、仕切り体35は、天板付き家具1の用途に応じ、上棚板32または背板34から取り外されてもよい。すなわち、仕切り体35は、棚本体3に配置されていなくてもよい。
ここで、天板付き家具1を第1机状態にすべく棚本体3を机本体2に取り付ける場合、机本体2の被係合部20a,20b(図3参照)には、棚本体3の側板33の所定部位、詳細には、右側板33aおよび左側板33bの各下端部33c,33dが各々係合する。すなわち、右側板33aおよび左側板33bの各下端部33c,33dは、天板付き家具1が第1机状態である場合に被係合部20a,20bと各々係合する第1の係合部として機能する。このような第1の係合部としての側板33の下端部33c,33dは、起立方向F3を上下方向とする物品収容空間13の下側に位置し、各々、被係合部20a,20bに係合した状態で、脚体22の奥上端部22c,22dに着脱可能に支持され、固定される。すなわち、図7に示すように、棚本体3は、第1の係合部としての右側板33aおよび左側板33bの各下端部33c,33dの下面に、机本体2と棚本体3との接合構造として、嵌合孔36a,36bおよび挿入孔37a,37bを備える。
嵌合孔36aおよび挿入孔37aは、図7に示すように、右側板33aの下端面すなわち下端部33cの下面に必要数(例えば1つまたは2つ)形成される。嵌合孔36aは、被係合部20aの奥上端部22cに形成された突起部28aを嵌め入れることが可能な孔である。挿入孔37aは、机本体2と棚本体3とを接合するための棒状の接合金具(図示せず)を挿入する孔である。一方、嵌合孔36bおよび挿入孔37bは、図7に示すように、左側板33bの下端面すなわち下端部33dの下面に必要数(例えば1つまたは2つ)形成される。嵌合孔36bは、被係合部20bの奥上端部22dに形成された突起部28bを嵌め入れることが可能な孔である。挿入孔37bは、机本体2と棚本体3とを接合するための棒状の接合金具(図示せず)を挿入する孔である。
一方、天板付き家具1を第2机状態にすべく棚本体3を机本体2に取り付ける場合、机本体2の被係合部20a,20b(図3参照)には、棚本体3の上棚板32の所定部位、詳細には、延在部32aの幅方向F2の各端部が各々係合する。すなわち、上棚板32の延在部32aは、天板付き家具1が第2机状態である場合に被係合部20a,20bと係合する第2の係合部として機能する。このような第2の係合部としての上棚板32は、物品収容空間13の上側に位置し、延在部32aの幅方向F2の各端部を被係合部20a,20bに各々係合させた状態で、脚体22の奥上端部22c,22dに着脱可能に支持され、固定される。すなわち、図7に示すように、棚本体3は、第2の係合部としての上棚板32の延在部32aの下面に、机本体2と棚本体3との接合構造として、嵌合孔38a,38bおよび挿入孔39a,39bを備える。
嵌合孔38aおよび挿入孔39aは、図7に示すように、上棚板32の延在部32aにおける幅方向F2の右側の端部下面に必要数(例えば1つまたは2つ)形成される。嵌合孔38aは、上述した突起部28aを嵌め入れることが可能な孔である。挿入孔39aは、上述した棒状の接合金具(図示せず)を挿入する孔である。一方、嵌合孔38bおよび挿入孔39bは、図7に示すように、上棚板32の延在部32aにおける幅方向F2の左側の端部下面に必要数(例えば1つまたは2つ)形成される。嵌合孔38bは、上述した突起部28bを嵌め入れることが可能な孔である。挿入孔39bは、上述した棒状の接合金具(図示せず)を挿入する孔である。
なお、本実施の形態において、天板付き家具1の奥行方向F1、幅方向F2、および起立方向F3は、図1〜3に示すように定義される。すなわち、天板付き家具1の奥行方向F1は、机等として天板付き家具1を使用する使用者(図示せず)が椅子に座る等して天板付き家具1(詳細には机本体2)に向かう方向である。この奥行方向F1は、机本体2の脚体22をなす右脚体22aと左脚体22bとの対向方向と、天板21に直交する方向(天板21の上面の法線方向)との双方に対して垂直である。天板付き家具1の幅方向F2は、右脚体22aと左脚体22bとの対向方向に対して平行な方向であり、且つ、天板21に直交する方向に対して垂直な方向である。天板付き家具1の起立方向F3は、床面に起立した状態の天板付き家具1(詳細には机本体2)の上下方向であり、上述した奥行方向F1および幅方向F2に対して垂直である。
上述の奥行方向F1、幅方向F2、および起立方向F3は、天板付き家具1を構成する机本体2および棚本体3についても同様である。すなわち、図4〜7に示すように、上述の奥行方向F1、幅方向F2、および起立方向F3は、机本体2を構成する天板21等の各構成部、および棚本体3を構成する下棚板31等の各構成部についても同様である。
(天板付き家具の第1机状態)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具1の第1机状態について説明する。図8は、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具の第1机状態の一例を示す正面図である。図9は、図8に示す第1机状態の天板付き家具のA−A線断面図である。
図8,9に示すように、天板付き家具1の第1机状態において、棚本体3の物品収容空間13は、机本体2の天板21よりも起立方向F3の上側に位置し、且つ、天板21の奥行方向の奥側から手前側に向かって開口した状態になる。本実施の形態において、「物品収容空間13が天板21よりも起立方向F3の上側に位置する」とは、物品収容空間13の全体が天板21の下面よりも起立方向F3の上側に位置することと定義される。詳細には、この第1机状態において、脚体22を構成する右脚体22aおよび左脚体22bは、天板21の下面を支持し、且つ、図3に示した被係合部20a,20bに側板33の各下端部33c,33d(図5参照)を各々係合させた状態の棚本体3を、この天板21よりも奥行方向F1の奥側において支持している。この際、下棚板31、右側板33a、および左側板33bの各奥行寸法(図6に示す奥行寸法D1参照)が被係合部20a,20bの奥行寸法(詳細には脚体22の奥上端部22c,22dの各奥行寸法)と同じである故に、下棚板31、右側板33a、および左側板33bの奥行方向F1の各手前端部は、天板21の幅方向F2の全域に亘り、天板21の奥端部21a(図4参照)と当接している。この結果、下棚板31の上面は、天板21の上面に連続した状態(すなわち面一の状態)となる。
このような第1机状態においては、図9に示すように、物品収容空間13の底面をなす下棚板31(詳細には下棚板31の上面)の床面からの高さH1は、天板21と同じ寸法である。物品収容空間13の上面(すなわち上棚板32の下面)の床面からの高さH2は、天板21の上面よりも高い。また、棚本体3における上段の物品収容空間の底面をなす上棚板32(詳細には上棚板32の上面)の床面からの高さH3は、下段の物品収容空間13の上面よりも高い。以上の結果、第1机状態における天板付き家具1の高さH4は、図9に示すように、天板21の高さと天板21からの棚本体3の高さとを合算した寸法になる。本実施の形態において、上述した高さH1〜H4のうちの高さH1〜H3が、第1机状態の天板付き家具1内における棚高さを示す数値である。
上述したように天板21よりも上側に位置する物品収容空間13の下棚板31上には、奥行方向F1の手前側から天板21越しに、物品を容易に載置して収容でき、且つ、天板21越しでの収容物品の取り出し並びに天板21との間での物品の出し入れが可能である。なお、第1机状態における物品収容空間13の下棚板31上には、書籍、文房具、パソコン等の電気機器に例示される各種物品が載置(収容)可能である。例えば、下棚板31上に電気機器を載置した場合、この電気機器に電力を供給する電源用コード等のコード類は、図8,9に示す背板34の開口部34aを介して配線することができる。
一方、上述した第1机状態において、天板21よりも起立方向F3の上側には、図8,9に示すように、上棚板32が配置される。この上棚板32は、第1机状態において、棚本体3の上段の物品収容空間(上棚板32による物品収容空間)の底面をなすとともに、この上段の物品収容空間を、天板21に比して起立方向F3の上側に形成する。すなわち、上述したように第1机状態において天板21の上側に位置する物品収容空間13の上方空間は、上棚板32による物品収容空間として有効活用される。このような上段の物品収容空間の上棚板32上には、奥行方向F1の手前側等の所望の方向から物品を容易に載置して収容でき、収容物品を容易に取り出すことができ、且つ、天板21や下段の物品収容空間13との間での物品の出し入れが可能である。
なお、第1机状態における上棚板32上には、比較的背高な辞典等の書籍や照明装置等の電気機器に例示される各種物品が載置(収容)可能である。例えば、上棚板32上に電気機器を載置した場合、この電気機器に電力を供給するコード類は、図8,9に示す背板34の開口部34aを介して配線することができる。また、上棚板32による物品収容空間は、この上棚板32上の物品の寸法や載置数等に応じて、仕切り体35により、適宜画定可能である。さらに、この上棚板32上の物品の落下は、背板34の上部すなわち背板上部34bによって防止可能である。
他方、上述した第1机状態において、天板付き家具1の机上面は、天板21の上面によって形成される。ここで、机上面は、天板付き家具1の机として使用可能な面である。すなわち、この第1机状態における机上面の奥行寸法は、天板21の奥行寸法と同じになり、この机上面の面積は、天板21の上面の面積と同じになる。
また、上述した第1机状態において、引き出しユニット23は、奥行方向F1に出没可能であり、物品を出し入れ可能に収容する。机本体2の左右両側のフック27は、物品を取り出し可能に吊り下げる。また、引き出し支持体24は、その上端面によって下棚板31の下面を起立方向F3に受け、これにより、被係合部20a,20bによる棚本体3の支持を支援する。幕板25は、図8,9に示すように、引き出し支持体24と脚補強体26との間に取り付けられて、机本体2の背面の一部を遮蔽するとともに、下棚板31の幅方向F2の全域に亘り、引き出し支持体24との間に間隙5を形成する。
(天板付き家具の第2机状態)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具1の第2机状態について説明する。図10は、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具の第2机状態の一例を示す正面図である。図11は、図10に示す第2机状態の天板付き家具のB−B線断面図である。
図10,11に示すように、天板付き家具1の第2机状態において、棚本体3の物品収容空間13は、机本体2の天板21よりも起立方向F3の下側に位置し、且つ、天板21の奥行方向の奥側から手前側に向かって開口した状態になる。本実施の形態において、「物品収容空間13が天板21よりも起立方向F3の下側に位置する」とは、物品収容空間13の全体が天板21の上面よりも起立方向F3の下側に位置することと定義される。詳細には、この第2机状態において、脚体22を構成する右脚体22aおよび左脚体22bは、天板21の下面を支持し、且つ、図3に示した被係合部20a,20bに上棚板32の延在部32aの下端部(幅方向F2の各端部下面)を係合させた状態の棚本体3を、この天板21よりも奥行方向F1の奥側において支持している。この際、延在部32aの奥行寸法(図6に示す奥行寸法D3参照)が被係合部20a,20bの奥行寸法と同じである故に、上棚板32の奥行方向F1の手前端部は、天板21の幅方向F2の全域に亘り、天板21の奥端部21a(図4参照)と当接している。この結果、上棚板32の延在部32aおよび面対向部32bの各上面は、天板21の上面に連続した状態(すなわち面一の状態)となる。
このような第2机状態においては、図11に示すように、物品収容空間13の底面をなす下棚板31(詳細には下棚板31の上面)の床面からの高さH5は、天板21の下面の高さよりも低い。物品収容空間13の上面(すなわち上棚板32の下面)の床面からの高さH6は、天板21(詳細には天板21の上面)よりも低い。また、上棚板32(詳細には上棚板32の上面)の床面からの高さH7は、天板21と同じ寸法であり、物品収容空間13よりも高い。以上の結果、物品収容空間13の底面および上面の各高さH5,H6は、上述した第1机状態における物品収容空間13の高さH1,H2に比して各々低くなる。且つ、上段の物品収容空間の底面をなす上棚板32の高さH7は、上述した第1机状態における上棚板32の高さH3に比して低くなる。これらに伴い、第2机状態における天板付き家具1の高さH8は、図11に示すように、上述した第1机状態における天板付き家具1の高さH4に比して低く調節される。本実施の形態において、上述した高さH5〜H8のうちの高さH5〜H7が、第2机状態の天板付き家具1内における棚高さを示す数値である。
上述したように天板21よりも下側に位置する物品収容空間13の下棚板31上には、奥行方向F1の手前側から、引き出し支持体24と幕板25との間隙5を通じて、物品を容易に載置して収容でき、且つ、この間隙5を介した収容物品の取り出し、取扱い、並びに天板21との間での物品の出し入れが可能である。
ここで、第2机状態における物品収容空間13の下棚板31上には、書籍や文房具等の各種物品が載置(収容)可能である。特に、図10,11に示すように、この下棚板31は、例えば天板付き家具1の机上面に載置された電気機器に電力を供給する電源用コード等のコード類6を収容する棚板として好適である。すなわち、第2机状態における物品収容空間13は、その用途の一例として、コード類6を配線するための配線ダクトとして活用可能である。なお、物品収容空間13内のコード類6は、図10,11に示す背板34の開口部34aを介して配線することができる。このようにして、第2机状態においては、天板21よりも起立方向F3の下側に形成される棚本体3の空間が、上述した天板下方側の物品収容棚や配線ダクトに好適な物品収容空間13として有効活用される。
一方、上述した第2机状態において、天板付き家具1の机上面は、図11に示すように、天板21および延在部32aの各上面によって形成される。この際、第2机状態における机上面の奥行寸法は、天板21の奥行寸法に延在部32aの奥行寸法を加えた寸法になる。このように奥行寸法が拡張された机上面の面積は、天板21の上面の面積と延在部32aの上面の面積とを合算したものになる。すなわち、第2机状態において、上棚板32のうち延在部32aは、天板21を奥行方向F1の奥側に拡張する補助天板として活用される。この結果、机上面の面積は、上述した第1机状態に比して、延在部32aの面積分、拡張される。
また、第2机状態において、上棚板32のうち面対向部32bの上面は、棚本体3の上段の物品収容空間の底面をなすとともに、延在部32aを介して天板21の上面に連続する。このような上棚板32の面対向部32bは、奥行方向F1の手前側から天板21越しに、物品を容易に載置して収容でき、且つ、天板21越しでの収容物品の取り出し並びに天板21との間での物品の出し入れが可能な物品収容棚として機能する。
上述した第2机状態における上棚板32の面対向部32b上には、書籍、文房具、パソコンや照明装置等の電気機器に例示される各種物品が載置可能である。例えば、面対向部32b上に載置された電気機器に電力を供給するコード類6は、図10,11に示す背板34の開口部34aを介して配線することができる。また、面対向部32bを底面とする物品収容空間は、この面対向部32b上の物品の寸法や載置数等に応じて、仕切り体35により、適宜画定可能である。さらに、この面対向部32b上の物品の落下は、背板上部34bによって防止可能である。
一方、幕板25は、図10,11に示すように、第2机状態において、下棚板31による物品収容空間13に通じる間隙5を確保するとともに、この下棚板31の上面よりも起立方向F3の上側に突出する。これにより、幕板25は、物品収容空間13の開口の下側一部分を遮蔽する。このような幕板25は、間隙5を介した物品収容空間13内への物品の収容および物品収容空間13内からの物品の取り出しを阻害せずに、下棚板31上の物品の落下を防止する。なお、幕板25は、第2机状態においても、上述した第1机状態の場合と同様に机本体2の背面の一部を遮蔽する。
他方、上述した第2机状態において、引き出しユニット23およびフック27の各機能は、上述した第1机状態の場合と同様である。引き出し支持体24は、その上端面によって上棚板32の下面を起立方向F3に受け、これにより、被係合部20a,20bによる棚本体3の支持を支援する。
(天板付き家具の机本体と棚本体との組替作業)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる天板付き家具1の机本体2と棚本体3との組替作業について説明する。天板付き家具1は、机本体2および棚本体3(図3参照)の組替作業によって、上述した第1机状態(図1参照)または第2机状態(図2参照)に切り替えられる。図12は、組替作業時の机本体と棚本体との接合を説明する図である。以下では、図1〜3および図12を参照しつつ、第1机状態の天板付き家具1を第2机状態に組み替え、その後、第2机状態の天板付き家具1を第1机状態に組み替える場合を例示して、天板付き家具1の机本体2と棚本体3との組替作業を説明する。
まず、第1机状態の天板付き家具1を第2机状態に組み替える際、使用者は、第1机状態の天板付き家具1において、机本体2と棚本体3との固定状態を解除し、ついで、固定状態が解除された棚本体3を持ち上げて、図3に示すように、机本体2の被係合部20a,20bから、棚本体3を取り外す。この際、使用者は、図12に示すように、接合ねじ16を緩める等して、右脚体22aの被係合部20aから棚本体3の右側板33a(詳細には、その下端部33c)を取り外す。特に図示しないが、使用者は、これと同様の作業を、机本体2の被係合部20bおよび棚本体3の左側板33bの下端部33dについても行う。
続いて、使用者は、図12に示すように右側板33aの挿入孔37aに取り付けられている接合金具15を、上棚板32の延在部32aにおける挿入孔39a内に付け替える。また、使用者は、左側板33bの挿入孔37b内に差し込まれている接合金具15(図示せず)についても同様に、延在部32aの挿入孔39b内に付け替える。
つぎに、使用者は、上棚板32の下面を机本体2の被係合部20a,20bに近接させ、延在部32aの幅方向F2の各端部下面を、各々、被係合部20a,20bに係合して取り付ける。この際、使用者は、右脚体22aの奥上端部22cの各突起部28aを延在部32aの各嵌合孔38aに各々嵌め込むとともに、延在部32aの挿入孔39aから突出した接合金具15の部分を、この奥上端部22cの挿入孔29a内に差し込む。これにより、延在部32aの幅方向F2の右端部(第1の係合部の一つ)を、天板21の奥端部21aと右脚体22aの奥上端部22cとによる側面視L字状の被係合部20aに係合する。これと同時に、使用者は、左脚体22bの奥上端部22dの各突起部28bを延在部32aの各嵌合孔38bに各々嵌め込むとともに、延在部32aの挿入孔39bから突出した接合金具15の部分を、この奥上端部22dの挿入孔29b内に差し込む。これにより、延在部32aの幅方向F2の左端部(第1の係合部の一つ)を、天板21の奥端部21aと左脚体22bの奥上端部22dとによる側面視L字状の被係合部20bに係合する。
その後、使用者は、これらの挿入孔29a,29b内に差し込んだ各接合金具15を、接合ねじ16を締める等して各々ねじ止めする。この結果、上棚板32は、延在部32aの下面が被係合部20a,20bおよび引き出し支持体24に支持されるよう、机本体2に取り付けられて固定される。このようにして、使用者は、天板付き家具1を、図1に示す第1机状態から図2に示す第2机状態に組み替える。
一方、第2机状態の天板付き家具1を第1机状態に組み替える際、使用者は、上述した第1机状態から第2机状態への組替作業とは逆の組替作業を行う。これにより、使用者は、右側板33aおよび左側板33bの起立方向F3の各下端部33c,33dを、各々、図3に示す机本体2の被係合部20a,20bに係合して取り付ける。この際、使用者は、右脚体22aの奥上端部22cの各突起部28aを右側板33aの各嵌合孔36aに各々嵌め込むとともに、右側板33aの挿入孔37aから突出した接合金具15の部分を、この奥上端部22cの挿入孔29a内に差し込む(図12参照)。これにより、右側板33aの下端部33c(第2の係合部の一つ)を、天板21の奥端部21aと右脚体22aの奥上端部22cとによる側面視L字状の被係合部20aに係合する。これと同時に、使用者は、左脚体22bの奥上端部22dの各突起部28bを左側板33bの各嵌合孔36bに各々嵌め込むとともに、左側板33bの挿入孔37bから突出した接合金具15の部分を、この奥上端部22dの挿入孔29b内に差し込む。これにより、左側板33bの下端部33d(第2の係合部の一つ)を、天板21の奥端部21aと左脚体22bの奥上端部22dとによる側面視L字状の被係合部20bに係合する。
その後、使用者は、これらの挿入孔29a,29b内に差し込んだ各接合金具15を、接合ねじ16を締める等して各々ねじ止めする。この結果、右側板33aおよび左側板33bは、下棚板31の下面が引き出し支持体24に支持されるよう、机本体2に取り付けられて固定される。このようにして、使用者は、天板付き家具1を、図2に示す第2机状態から図1に示す第1机状態に組み替える。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、脚体によって天板を支持しながら床面に起立する机本体と、物品を収容可能な物品収容空間を形成する棚本体と、を組み合わせてなる天板付き家具において、この物品収容空間の下側に位置する第1の係合部と、この物品収容空間の上側に位置する第2の係合部と、を棚本体に設け、第1の係合部の位置から第2の係合部の位置に亘り、この物品収容空間の奥行方向奥側を閉塞部によって閉じている。さらには、机本体における脚体および天板の奥行方向の奥側に被係合部を設け、物品収容空間が天板よりも起立方向の上側に位置し且つ天板の奥行方向の奥側から手前側に向かって開口する第1机状態の場合、この被係合部に上述の第1の係合部を着脱可能に係合し、物品収容空間が天板よりも起立方向の下側に位置し且つ天板の奥行方向の奥側から手前側に向かって開口する第2机状態の場合、この被係合部に上述の第2の係合部を着脱可能に係合し、これら第1の係合部または第2の係合部と被係合部との係合によって、上述した第1机状態と第2机状態とが択一的に選択されるように構成している。
このため、第1の係合部および第2の係合部に共通の被係合部に対し、第1の係合部または第2の係合部を択一的に係合する簡易な作業を行って、机本体と棚本体とを付け替えることにより、棚本体の物品収納空間の開口を開放状態に維持し且つ同開口の方向を天板の奥行方向に維持しながら、天板付き家具を第1机状態または第2机状態に簡易に組み替えることができる。これにより、物品収容空間が天板の上側に位置する第1机状態の場合は勿論、この物品収容空間が天板の下側に位置する第2机状態の場合であっても、この物品収容空間の物品を収容する機能を損なうことなく、天板に対する棚本体の高さを簡易に調節することができる。この結果、第1机状態または第2机状態のいずれであっても、棚本体の棚板を底面とする空間を物品収容空間として有効活用できる。特に、第2机状態では、天板よりも下側の物品収容空間を配線ダクト等として有効活用することができる。以上のことから、棚本体の物品収容空間を無駄にすることなく、天板付き家具内の棚高さを、高い状態から低い状態あるいは低い状態から高い状態へ簡易に調節することができる。
また、机本体の被係合部を、棚本体の第1の係合部および第2の係合部に共通な係合先としている。このため、棚本体の取り付けに必要な机本体の係合構造(接合構造)の加工工数を可能な限り減らすことができる。これに加え、第1の係合部および第2の係合部のいずれか一方が必ず被係合部に係合した状態にして、第1机状態または第2机状態の天板付き家具を使用することができる。このため、第1机状態または第2机状態のいずれにおいても、係合されていない非使用状態の被係合部が意図せず視認される事態を回避することができる。これにより、天板付き家具の外観体裁が損なわれず、この結果、天板付き家具の美観を確保することができる。
さらに、本発明の実施の形態では、天板付き家具が第2机状態である場合、天板の下側に位置する物品収容空間の底面よりも起立方向の上側に突出する遮蔽部(具体的には机本体の幕板)によって、この物品収容空間の開口の下側一部分を遮蔽している。故に、第2机状態において、天板よりも下側の物品収容空間内(具体的には、この物品収容空間の底面をなす下棚板上)に載置された物品が落下することを、この遮蔽部によって防止することができる。この結果、第2机状態における上述の物品収容空間を、特に配線ダクト等として便利に活用することができる。
また、本発明の実施の形態では、棚本体において、上述した物品収容空間の上側に形成される上段の物品収容空間の底面をなす上棚板を、第2の係合部として構成している。このため、天板付き家具の使用状態(第1机状態または第2机状態)に応じて天板よりも上側または下側に位置する物品収容空間の上方を上棚板によって閉塞するとともに、この上棚板を、物品を載置して収容可能な上段の棚板として活用することができる。このような上棚板を第2の係合部として用いることにより、机本体の被係合部に上棚板を係合した際、机本体に対する棚本体の係合面積および支持面積を増やすことができる。この結果、第2机状態において、机本体に対する棚本体の支持状態を一層安定化することができる。
さらに、本発明の実施の形態では、天板の上面から起立方向(具体的には天板の厚さ方向)に凹む段差状に被係合部を形成している。このため、被係合部の係合面が起立方向の上側(上方)に対して開放された状態となる。故に、第1の係合部および第2の係合部を、被係合部に対して上方から択一的に係合することができ、この結果、第1の係合部および第2の係合部と被係合部との択一的な係合を容易に行うことができる。この作用効果は、上述した上棚板に例示されるように、第1の係合部および第2の係合部の少なくとも一方が板形状のものである場合に顕著である。
また、本発明の実施の形態では、天板の奥端部と脚体の奥上端部とを用いて被係合部を構成している。このため、天板の奥端部を、脚体の奥上端部よりも奥行方向の手前側に位置させることにより、被係合部を形成することができる。この結果、天板に特別な加工を施す必要がなく、簡易に被係合部を実現することができる。
なお、上述した実施の形態では、上棚板32の奥行寸法を下棚板31よりも長くしていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、上棚板32の奥行寸法は、下棚板31よりも短い奥行寸法であってもよいし、同じ奥行寸法であってもよい。この際、上棚板32の奥行方向F1の手前に延在する所定形状(例えば奥行方向に長手な矩形棒状)の第2の係合部を設け、この所定形状をなす第2の係合部を被係合部20a,20bに係合してもよい。
また、上述した実施の形態では、脚体22の奥上端部22c,22dを用いて被係合部20a,20bを形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、脚体22の奥行方向F1の奥端部(後端部)に、脚体22の奥行方向の奥側に突出する形状の被係合部を設けてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、天板21の上面から起立方向F3に凹む段差状の被係合部20a,20bを形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、被係合部は、天板21の奥端部21aから奥行方向F1の手前側に凹む凹形状のものであってもよいし、脚体22の奥端部から奥行方向F1の手前側に凹む凹形状のものであってもよい。すなわち、机本体2は、脚体22および天板21の少なくとも一方の奥行方向の奥側に、所定形状の被係合部を備えていればよい。
また、上述した実施の形態では、上棚板32を第2の係合部としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、第2の係合部は、板状のものに限定されず、奥行方向F1に長手となる矩形棒状のものであってもよい。この際、第2の係合部は、側面視L字状または凹形状の被係合部に載置または嵌め込む等して、被係合部に係合してもよい。
さらに、上述した実施の形態では、棚本体3の側板33を第1の係合部としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、第1の係合部は、下棚板31であってもよいし、板状のものに限定されず、奥行方向F1に長手となる矩形棒状のものであってもよい。この際、第1の係合部は、下棚板31とは別の構造体として設けられてもよいし、側面視L字状または凹形状の被係合部に載置または嵌め込む等して、被係合部に係合してもよい。
また、上述した実施の形態では、脚体22の奥上端部22c,22dを備えた被係合部20a,20bを設けていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、被係合部は、天板21の上面に設けられ、第1の係合部および第2の係合部は、天板21の上面に棚本体3が載置されるように、この被係合部に係合してもよい。
さらに、上述した実施の形態では、第2机状態の天板付き家具1において、上棚板32が、被係合部20a,20bに支持され、着脱可能に固定されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。天板付き家具1を第2机状態にする際、上棚板32と被係合部20a,20bとの固定に加えて、棚本体3の側板33(具体的には右側板33aおよび左側板33b)と脚体22(具体的には右脚体22aおよび左脚体22b)とが着脱可能に固定されてもよい。この際、右脚体22aおよび左脚体22bの奥行方向F1の各奥端部に、ねじ等によるフック部を設け、右側板33aおよび左側板33bの奥行方向F1の各手前端部に、このフック部に係合する凹状の係合部を設け、フック部に係合部を着脱可能に係合することにより、脚体22の奥端部に側板33を掛けて接合してもよい。
あるいは、第2机状態の天板付き家具1において、被係合部20a,20bに右側板33aおよび左側板33bの各下端部33c,33dを着脱可能に固定する代わりに、被係合部20a,20bに下棚板31の幅方向F2の各端部下面を着脱可能に固定してもよい。
また、上述した実施の形態では、上棚板32が、被係合部20a,20bの奥行寸法分、下棚板31よりも奥行方向F1の手前側に延在するようにして、上棚板32の奥行寸法を下棚板31の奥行寸法の2倍にしていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、上棚板32は、被係合部20a、20bに支持されるために必要な奥行寸法分、下棚板31よりも奥行方向F1の手前側に延在するものであってもよいし、下棚板31の奥行寸法は、被係合部20a,20bと異なる寸法であってもよい。この際、第1机状態において、天板21と下棚板31との間に間隙が形成されてもよいし、第2机状態において、天板21と上棚板32との間に間隙が形成されてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、第1机状態において、天板21の奥行方向F1の奥側に並ぶ下棚板31を下段の物品収容棚として活用し、第2机状態において、天板21の奥行方向F1の奥側に並ぶ上棚板32のうち、延在部32aを補助天板として活用し、面対向部32bを上段の物品収容棚として活用していたが、本発明は、これに限定されるものではない。第1机状態において、下棚板31は、その全域に亘り天板として機能してもよく、この下棚板31の全上面と机本体2の天板21の全上面とを加えた全体の上面が、天板付き家具1の机上面として活用されてもよい。また、第2机状態において、上棚板32は、その全域に亘り天板として機能してもよく、この上棚板32の全上面と机本体2の天板21の全上面とを加えた全体の上面が、天板付き家具1の机上面として活用されてもよい。
また、上述した実施の形態では、棚本体3において、背板34の上部(背板上部34b)を上棚板32の上面よりも上方に突出させ、この背板上部34bによって上棚板32からの物品落下を防止していたが、本発明は、これに限定されるものではない。上棚板32の奥行方向F1の奥端部に、上方に向かい起立して上棚板32の上面よりも上方に突出する起立部を設け、この起立部によって上棚板32からの物品落下を防止してもよい。この場合、背板34は、棚本体3に配置されていなくてもよい。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。