JP2016157497A - 磁気テープおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
非磁性支持体の一方の表面上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、他方の表面上に非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有する磁気テープであって、
磁気テープ総厚が4.80μm以下であり、
バックコート層は、脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上を含み、かつ
磁気テープのバックコート層側の表面にて光電子取り出し角10度で行われるX線光電子分光分析により得られるC1sスペクトルにおけるC−Hピーク面積率から算出されるC−H由来C濃度が35〜60原子%の範囲である磁気テープ、
を見出すに至った。上記磁気テープは、バックコート層を有し、かつ総厚4.80μmの磁気テープであるにもかかわらず、優れた走行安定性を示すことができる。この点に関する本発明者による推察は、以下の通りである。
一方、C−H由来C濃度とは、ESCAによる定性分析により検出される全元素の合計(原子基準)100原子%に対して、有機化合物のC−H結合を構成している炭素原子Cが占める割合である。上記磁気テープは、バックコート層に、脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上を含む。脂肪酸および脂肪酸アミドは、それぞれ磁気テープにおいて潤滑剤として機能することのできる成分である。これら成分の一種以上をバックコート層に含む磁気テープにおいて、バックコート層側表面にて光電子取り出し角10度でのESCAによる分析により得られるC−H由来C濃度は、バックコート層のごく表層部における上記成分(脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上)の存在量の指標になるものであると、本発明者は考えている。詳しくは、次の通りである。ESCAによる分析により得られるX線光電子分光スペクトル(横軸:結合エネルギー、縦軸:強度)の中で、C1sスペクトルは、炭素原子Cの1s軌道のエネルギーピークに関する情報を含んでいる。かかるC1sスペクトルにおいて、結合エネルギー284.6eV付近に位置するピークが、C−Hピークである。このC−Hピークは、有機化合物のC−H結合の結合エネルギーに由来するピークである。脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上を含むバックコート層のごく表層部では、C−Hピークの主要構成成分が脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分であると本発明者は推察しており、そのため先に記載したように存在量の指標とすることができると本発明者は考えている。
以下において、上記の光電子取り出し角10度で行われるX線光電子分光分析により得られるC1sスペクトルにおけるC−Hピーク面積率から算出されるC−H由来C濃度を、「バックコート層表層部C−H由来C濃度」とも記載する。
そして、バックコート層表層部C−H由来C濃度が35〜60原子%の範囲である磁気テープは、総厚が4.80μm以下に薄型化されていても、安定走行が可能である(走行安定性に優れる)ことが、本発明者の検討の結果、明らかとなった。これは、バックコート層に脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上を含み、かつバックコート層表層部C−H由来C濃度が上記範囲内の磁気テープは、バックコート層のごく表層部に、脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上が従来の磁気テープよりも多量に存在するからではないかと、本発明者は考えている。これに対し、例えば前述の特許文献1には、バックコート層に潤滑剤を含有させることが記載されているが、本発明者の検討によれば、単にバックコート層に潤滑剤を含有させるのみでは、バックコート層表層部C−H由来C濃度が35原子%以上の磁気テープを得ることは困難であった。
以上が、上記磁気テープが、バックコート層を有する総厚4.80μm以下の磁気テープであるにもかかわらず、優れた走行安定性を示すことが可能な理由についての本発明者による推察である。ただし上記は推察に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。なお、バックコート層を有する磁気テープを総厚4.80μm以下に薄型化すると走行安定性が低下する現象について、本発明者は、総厚が薄くなることで磁気テープの強度が低下し磁気テープが柔軟になる結果、走行中のバックコート層表面とドライブ構成部材との接触状態が変わること等が理由ではないかと考えている。ただしあくまでも推察に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
磁性層形成工程およびバックコート層形成工程を少なくとも含み、
バックコート層形成工程は、
脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上、非磁性粉末、結合剤ならびに溶媒を含むバックコート層形成用組成物を非磁性支持体表面上に塗布することにより塗布層を形成する塗布工程、
上記塗布層を加熱処理により乾燥させる加熱乾燥工程、
を含み、かつ、
塗布工程と加熱乾燥工程との間に、上記塗布層を冷却する冷却工程を更に含む磁気テープの製造方法、
に関する。
以下、上記磁気テープについて、更に詳細に説明する。
上記磁気テープのバックコート層表層部C−H由来C濃度は、35〜60原子%の範囲である。走行安定性の更なる向上の観点からは、バックコート層表層部C−H由来C濃度は、40原子%以上であることが好ましく、50原子%以上であることが更に好ましく、高いほど好ましい。一方、製造の容易性の観点から、上記磁気テープのバックコート層表層部C−H由来C濃度は、60原子%以下とする。
更に、C1sスペクトルを取得する(パスエネルギー:10eV、スキャン範囲:276〜296eV、エネルギー分解能:0.1eV/step)。取得したC1sスペクトルを、ガウス−ローレンツ複合関数(ガウス成分70%、ローレンツ成分30%)による非線形最小二乗法によってフィッティング処理し、C1sスペクトルにおけるC−H結合のピークをピーク分離し、分離されたC−HピークのC1sスペクトルに占める割合(ピーク面積率)を算出する。算出されたC−Hピーク面積率を、上記のC濃度に掛けることにより、C−H由来C濃度を算出する。
以上の処理を磁気テープのバックコート層側表面の異なる位置において3回行い得られた値の算術平均を、バックコート層表層部C−H由来C濃度とする。また、以上の処理の具体的態様を、後述の実施例に示す。なお詳細を後述するように、一態様では、バックコート層には非磁性粉末としてカーボンブラックが含まれる。カーボンブラックは炭素原子を含むが、上記の通り、バックコート層表層部C−H由来C濃度は有機化合物のC−H結合を構成している炭素原子Cが占める割合である。したがって、バックコート層表層部C−H由来C濃度へのカーボンブラックに含まれる炭素原子の寄与はないと本発明者は推察している。
上記磁気テープは、脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上をバックコート層に含む。バックコート層には、脂肪酸および脂肪酸アミドの一方のみが含まれていてもよく、両方が含まれていてもよい。先に記載したように、これら成分がバックコート層のごく表層部に多量に存在することが、総厚4.80μm以下に薄型化された磁気テープの走行安定性を向上することに寄与していると、本発明者は考えている。
脂肪酸アミドとしては、各種脂肪酸のアミド、例えば、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等を挙げることができる。
脂肪酸と脂肪酸の誘導体(アミドおよび後述のエステル等)については、脂肪酸誘導体の脂肪酸由来部位は、併用される脂肪酸と同様または類似の構造を有することが好ましい。例えば、一例として、脂肪酸としてステアリン酸を用いる場合にステアリン酸アミドやステアリン酸エステルを使用することは好ましい。
以上説明した脂肪酸および脂肪酸アミドは、潤滑剤として機能し得る成分である。一方、脂肪酸エステルも潤滑剤として機能し得る成分であるが、総厚4.80μm以下の磁気テープの走行安定性については影響を及ぼさない(または及ぼすとしてもわずかである)と本発明者は推察している。潤滑剤は、一般に流体潤滑剤と境界潤滑剤とに大別される。そして脂肪酸エステルは流体潤滑剤として機能し得る成分と言われるのに対し、脂肪酸アミドおよび脂肪酸は、境界潤滑剤として機能し得る成分と言われている。境界潤滑剤は、粉末の表面に吸着し強固な潤滑膜を形成することで接触摩擦を下げることのできる潤滑剤と考えられる。一方、流体潤滑剤は、それ自体がバックコート層表面に液膜を形成し、この液膜の流動により摩擦を下げることのできる潤滑剤と考えられる。このように脂肪酸および脂肪酸アミドとは潤滑剤としての作用が異なると考えられることが、脂肪酸エステルが、脂肪酸および脂肪酸アミドとは、上記の走行安定性に与える影響が異なる理由ではないかと、本発明者は考えている。脂肪酸エステルは、一般に磁気テープの走行耐久性を向上することに寄与する潤滑剤と言われているため、例えば耐傷性向上のためにバックコート層に脂肪酸エステルが含まれていてもよい。
脂肪酸エステルとしては、上記の各種脂肪酸のエステル、例えば、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸ブチル(ブチルステアレート)、ネオペンチルグリコールジオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、オレイン酸オレイル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸ブトキシエチル等を挙げることができる。
(強磁性粉末)
強磁性粉末としては、磁気テープの磁性層において強磁性粉末として通常用いられる各種粉末を使用することができる。強磁性粉末として平均粒子サイズの小さいものを使用することは、磁気テープの記録密度向上の観点から好ましい。この点から、強磁性粉末としては、平均粒子サイズが50nm以下の強磁性粉末を用いることが好ましい。一方、磁化の安定性の観点からは、強磁性粉末の平均粒子サイズは10nm以上であることが好ましい。
強磁性粉末を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして強磁性粉末を構成する粒子の写真を得る。得られた粒子の写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースし粒子(一次粒子)のサイズを測定する。一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
以上の測定を、無作為に抽出した500個の粒子について行う。こうして得られた500個の粒子の粒子サイズの算術平均を、強磁性粉末の平均粒子サイズとする。上記透過型電子顕微鏡としては、例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いることができる。また、粒子サイズの測定は、公知の画像解析ソフト、例えばカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行うことができる。
本発明において、強磁性粉末、およびその他の粉末についての平均粒子サイズとは、特記しない限り、上記方法により求められる平均粒子サイズをいうものとする。後述の実施例に示す平均粒子サイズの測定は、透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行った。
(1)針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粒子を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、
(2)板状または柱状(ただし、厚さまたは高さが板面または底面の最大長径より小さい)場合は、その板面または底面の最大長径で表され、
(3)球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粒子を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
そして、粒子の形状が特定の場合、例えば、上記粒子サイズの定義(1)の場合、平均粒子サイズは平均長軸長であり、同定義(2)の場合、平均粒子サイズは平均板径であり、平均板状比とは、(最大長径/厚さまたは高さ)の算術平均である。同定義(3)の場合、平均粒子サイズは、平均直径(平均粒径、平均粒子径ともいう)である。
本発明の磁気テープは、磁性層に、強磁性粉末とともに結合剤を含む。結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂である。これらの樹脂は、バックコート層や後述する非磁性層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報段落0028〜0031を参照できる。また、上記結合剤として使用可能な樹脂とともに硬化剤を使用することもできる。硬化剤としては、ポリイソシアネートが好適である。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報段落0124〜0125を参照できる。硬化剤は、磁性層形成用組成物中に、結合剤100.0質量部に対して例えば0〜80.0質量部、塗膜強度向上の観点からは好ましくは50.0〜80.0質量部の量で添加し使用することができる。
磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、非磁性フィラー、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラック等を挙げることができる。また、非磁性フィラーとしては、研磨剤として機能することができる非磁性フィラー、磁性層表面に適度に突出する突起を形成する突起形成剤として機能することができる非磁性フィラー(例えば非磁性コロイド粒子等)が挙げられる。添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して使用することができる。また、前述の通り、磁性層には、脂肪酸、脂肪酸アミドおよび脂肪酸エステルからなる群から選ばれる成分の一種以上が含まれていてもよい。
本発明の磁気テープは、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することができる。非磁性層に使用される非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2011−216149号公報段落0146〜0150を参照できる。非磁性層に使用可能なカーボンブラックについては、特開2010−24113号公報段落0040〜0041も参照できる。非磁性層における非磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。
本発明の磁気テープは、非磁性支持体の磁性層を有する表面とは反対の表面上にバックコート層を有する。バックコート層は、先に記載したように脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選択される成分の一種以上を含み、任意に脂肪酸エステルを含むことができる。更に、バックコート層は、これら成分とともに、非磁性粉末および結合剤を含み、任意に公知の添加剤を含むことができる。バックコート層の結合剤、添加剤等のその他詳細は、バックコート層に関する公知技術を適用することができ、磁性層や非磁性層に関する公知技術を適用することもできる。
次に、非磁性支持体について説明する。非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。
本発明の磁気テープにおける非磁性支持体および各層の厚みについては、非磁性支持体の厚みが、好ましくは3.00〜4.50μmである。磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には0.01μm〜0.15μm(10nm〜150nm)であり、高密度記録化の観点から、好ましくは0.02μm〜0.12μm(20nm〜120nm)であり、更に好ましくは0.03μm〜0.10μm(30nm〜100nm)である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
磁気テープについては、記録容量向上の観点から、磁気テープカートリッジ1巻あたりの記録容量を高めるために磁気テープを薄型化することが望まれている。本発明の磁気テープは総厚が4.80μm以下であるため、記録容量向上の観点から好ましい磁気テープといえる。ただし先に記載したように、バックコート層を有する総厚が4.80μm以下の磁気テープでは、走行安定性が低下する現象が見られた。本発明によれば、かかる走行安定性の低下を、脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上をバックコート層に含む磁気テープにおいて、バックコート表層部C−H由来C濃度を前述の範囲とすることにより解決することができる。磁気テープ総厚は、例えば4.50μm以下または4.30μm以下にすることもできるが、4.80μm以下であれば記録容量向上を十分に達成することができるため、4.50μm超であっても4.30μm超であってもよい。一方、磁気テープの取り扱いの容易性(ハンドリング性)等の観点からは、磁気テープの総厚さは1.00μm以上であることが好ましい。
なお磁気テープの各層および非磁性支持体の厚み、ならびに総厚は、公知の膜厚測定法により求めることができる。一例として、例えば、磁気テープの厚み方向の断面を、イオンビーム、ミクロトーム等の公知の手法により露出させた後、露出した断面において走査型電子顕微鏡による断面観察を行う。断面観察において厚み方向の1箇所において求められた厚み、または無作為に抽出した2箇所以上の複数箇所、例えば2箇所、において求められた厚みの算術平均として、各種厚みを求めることができる。または、各層の厚みは、製造条件から算出される設計厚みとして求めてもよい。
(各層形成用組成物の調製)
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための組成物(塗布液)は、先に説明した各種成分とともに、通常、溶媒を含む。溶媒としては、一般に塗布型磁気記録媒体製造のために使用される各種有機溶媒を挙げることができる。具体的には、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。中でも、塗布型磁気記録媒体に通常使用される結合剤の溶解性の観点からは、バックコート層形成用組成物には、ケトン溶媒の一種以上が含まれることが好ましい。なおバックコート層形成用組成物における溶媒量は特に限定されるものではなく、通常の塗布型磁気記録媒体の各層を形成するための組成物と同様にすることができる。また、磁性層形成用組成物や非磁性層形成用組成物に含まれ得る溶媒についても、上記記載を適用することができる。
混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。
また、各層形成用組成物を分散させるためには、ガラスビーズやその他のビーズを用いることができる。このような分散ビーズとしては、高比重の分散ビーズであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散ビーズの粒径と充填率は最適化して用いることができる。分散機は公知のものを使用することができる。
磁性層は、磁性層形成用組成物を、非磁性層形成用組成物と逐次または同時に重層塗布することにより形成することができる。各層形成のための塗布の詳細については、特開2010−231843号公報段落0066を参照できる。
磁性層形成工程およびバックコート層形成工程を少なくとも含み、
バックコート層形成工程は、
脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上、非磁性粉末、結合剤ならびに溶媒を含むバックコート層形成用組成物を非磁性支持体表面上に塗布することにより塗布層を形成する塗布工程、
上記塗布層を加熱処理により乾燥させる加熱乾燥工程、
を含み、かつ、
塗布工程と加熱乾燥工程との間に、上記塗布層を冷却する冷却工程を更に含む磁気テープの製造方法、
に関する。
バックコート層表層部C−H由来C濃度が高まる傾向があると推察される。この点から、バックコート層表層部C−H由来C濃度の制御手段としては、上記冷却工程を行うことに加えて、バックコート層の非磁性粉末にカーボンブラックが占める割合を調整することを挙げることもできる。
GPC装置:HLC−8120(東ソー製):
カラム:TSK gel Multipore HXL−M(東ソー製、7.8mmID(内径)×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
1.アルミナ分散物の調製
アルファ化率約65%、BET比表面積20m2/gのアルミナ粉末(住友化学社製HIT−80)100.0部に対し、3.0部の2,3−ジヒドロキシナフタレン(東京化成製)、極性基としてSO3Na基を有するポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡製UR−4800(極性基量:80meq/kg))の32%溶液(溶媒はメチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒)を31.3部、溶媒としてメチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1(質量比)の混合溶液570.0部を混合し、ジルコニアビーズ存在下で、ペイントシェーカーにより5時間分散させた。分散後、メッシュにより分散液とビーズとを分け、アルミナ分散物を得た。
(磁性液)
強磁性粉末 100.0部
強磁性六方晶バリウムフェライト粉末または強磁性金属粉末(表1参照)
SO3Na基含有ポリウレタン樹脂 14.0部
重量平均分子量:70,000、SO3Na基:0.2meq/g
シクロヘキサノン 150.0部
メチルエチルケトン 150.0部
(研磨剤液)
上記1.で調製したアルミナ分散物 6.0部
(シリカゾル)
コロイダルシリカ(平均粒子サイズ120nm) 2.0部
メチルエチルケトン 1.4部
(その他成分)
ステアリン酸 表5参照
ステアリン酸アミド 表5参照
ブチルステアレート 表5参照
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネート(登録商標))2.5部
(仕上げ添加溶媒)
シクロヘキサノン 200.0部
メチルエチルケトン 200.0部
非磁性無機粉末:α−酸化鉄 100.0部
平均粒子サイズ(平均長軸長):0.15μm
平均針状比:7
BET比表面積:52m2/g
カーボンブラック 20.0部
平均粒子サイズ:20nm
SO3Na基含有ポリウレタン樹脂 18.0部
重量平均分子量:70,000、SO3Na基:0.2meq/g
ステアリン酸 表5参照
ステアリン酸アミド 表5参照
ブチルステアレート 表5参照
シクロヘキサノン 300.0部
メチルエチルケトン 300.0部
非磁性無機粉末:α−酸化鉄 表5参照
平均粒子サイズ(平均長軸長):0.15μm
平均針状比:7
BET比表面積:52m2/g
カーボンブラック 表5参照
平均粒子サイズ20nm
塩化ビニル共重合体 13.0部
スルホン酸塩基含有ポリウレタン樹脂 6.0部
フェニルホスホン酸 3.0部
ステアリン酸 表5参照
ステアリン酸アミド 表5参照
ブチルステアレート 表5参照
シクロヘキサノン 155.0部
メチルエチルケトン 155.0部
ポリイソシアネート 5.0部
シクロヘキサノン 200.0部
磁性層形成用組成物を、以下の方法により調製した。上記磁性液を、各成分をバッチ式縦型サンドミルを用いて24時間分散(ビーズ分散)することにより調製した。分散ビーズとしては、0.5mmΦのジルコニアビーズを使用した。上記サンドミルを用いて、調製した磁性液および上記研磨剤液を他の成分(シリカゾル、その他成分および仕上げ添加溶媒)と混合し5分間ビーズ分散した後、バッチ型超音波装置(20kHz、300W)で0.5分間処理(超音波分散)を行った。その後、0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過を行い磁性層形成用組成物を調製した。
非磁性層形成用組成物を、以下の方法により調製した。ステアリン酸、シクロヘキサン、メチルエチルケトンを除いた各成分を、バッチ式縦型サンドミルを用いて24時間分散して分散液を得た。分散ビーズとしては、0.5mmΦのジルコニアビーズを使用した。その後、得られた分散液に残りの成分を添加し、ディソルバーで攪拌した。こうして得られた分散液を0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過し非磁性層形成用組成物を調製した。
バックコート層形成用組成物を、以下の方法により調製した。ポリイソシアネート、シクロヘキサノンを除いた各成分をオープンニーダにより混練および希釈した後、横型ビーズミル分散機により、1mmΦのジルコニアビーズを用い、ビーズ充填率80%、ローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を2分とし、12パスの分散処理を行った。その後、得られた分散液に残りの成分を添加し、ディゾルバーで攪拌した。こうして得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィルターを用いてろ過しバックコート層形成用組成物を調製した。
図1に示す具体的態様により磁気テープを作製した。詳しくは、次の通りとした。
表5に示す厚みのポリエチレンナフタレート製支持体を送り出し部から送りだし、一方の表面上に、第一の塗布部において乾燥後の厚みが表5に示す厚みになるように上記5.で調製した非磁性層形成用組成物を塗布して塗布層を形成した。次いで、塗布層を形成した上記支持体を雰囲気温度100℃の第一の加熱処理ゾーンを通過させ加熱乾燥工程を行い非磁性層を形成した。
その後、第二の塗布部において乾燥後の厚みが表5に示す厚みになるように上記5.で調製した磁性層形成用組成物を非磁性層表面上に塗布し塗布層を形成した。この塗布層が湿潤状態(未乾状態)にあるうちに配向ゾーンにおいて磁場強度0.3Tの磁場を、磁性層形成用組成物の塗布層表面に対し垂直方向に印加し垂直配向処理を行った後、第二の加熱処理ゾーン(雰囲気温度100℃)にて乾燥させた。
その後、第三の塗布部において、上記ポリエチレンナフタレート製支持体の非磁性層および磁性層を形成した表面とは反対の表面上に乾燥後の厚みが表5に示す厚みになるように上記5.で調製したバックコート層形成用組成物を非磁性支持体表面に塗布して塗布層を形成した。形成した塗布層が湿潤状態にあるうちに雰囲気温度0℃に調整した冷却ゾーンに表5に示す滞在時間で通過させて冷却工程を行い、その後に第三の加熱処理ゾーン(雰囲気温度100℃)にて上記塗布層を乾燥させた。
その後、金属ロールのみから構成されるカレンダで、速度80m/分、線圧300kg/cm、温度100℃でカレンダ処理(表面平滑化処理)を行った後、雰囲気温度70℃の環境で36時間熱処理を行った。熱処理後1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットし、磁気テープを得た。
表5中、冷却ゾーン滞在時間の欄に「未実施」と記載されている比較例1〜3、5〜12では、冷却ゾーンを含まない製造工程により磁気テープを作製した。
磁気テープの厚み方向の断面を、イオンビームにより露出させた後、露出した断面において走査型電子顕微鏡による断面観察を行う。断面観察において厚み方向の2箇所において求められた厚みの算術平均として、各種厚みを求めた。
1.表層部C−H由来C濃度
以下の方法により、実施例、比較例の磁気テープのバックコート層側表面(測定領域:300μm×700μm)においてESCA装置を用いてX線光電子分光分析を行い、分析結果からバックコート層表層部C−H由来C濃度を算出した。算出された値を、表5に示す。
下記(1)〜(3)の測定は、いずれも表1に示す測定条件にて行った。
磁気テープのバックコート層側表面においてESCA装置によりワイドスキャン測定(測定条件:表2参照)を行い検出された元素の種類を調べた(定性分析)。
上記(1)で検出された全元素について、ナロースキャン測定(測定条件:表3参照)を行った。装置付属のデータ処理用ソフトウエア(Vision2.2.6)を用いて、各元素のピーク面積から検出された各元素の原子濃度(単位:原子%)を算出した。ここでC濃度も算出した。
表4に記載の測定条件にてC1sスペクトルを取得した。取得したC1sスペクトルについて、装置付属のデータ処理用ソフトウエア(Vision2.2.6)を用いて試料帯電によるシフト(物理シフト)の補正を行った後、同ソフトウエアを用いてC1sスペクトルのフィッティング処理(ピーク分離)を実施した。ピーク分離にはガウス−ローレンツ複合関数(ガウス成分70%、ローレンツ成分30%)を用い、非線形最小二乗法によりC1sスペクトルのフィッティングを行い、C1sスペクトルに占めるC−Hピークの割合(ピーク面積率)を算出した。算出されたC−Hピーク面積率を、上記(2)で求めたC濃度に掛けることにより、C−H由来C濃度を算出した。
(1)実施例1と同様の方法で磁気テープ(サンプルテープ)を2つ作製した。一方のサンプルテープは上記ESCA装置による測定後、もう一方のサンプルテープは未測定の状態で、溶媒抽出を行った(溶媒:メタノール)。
抽出により得られた溶液中の脂肪酸、脂肪酸アミドおよび脂肪酸エステル量をガスクロマトグラフ分析により定量したところ、脂肪酸(ステアリン酸)および脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド)は、2つのサンプルテープで定量値の違いはほぼ見られなかった。一方、脂肪酸エステル(ブチルステアレート)は、測定後のサンプルテープでの定量値は、未測定のサンプルテープでの定量値と比べて大幅に低い値であった。これは、脂肪酸エステルが、ESCA装置において測定中に測定対象試料が配置される真空チャンバーにおいて揮発してしまうためと考えられる。
以上の結果から、ESCAによる分析により求められるバックコート層表層部C−H由来C濃度には、脂肪酸エステルは影響を及ぼさないと判断することができる。
(2)バックコート層形成用組成物に含まれる成分の中で、溶媒を除く有機化合物は、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ブチルステアレート、塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂およびフェニルホスホン酸である。これら成分の中で、ブチルステアレートは、前述の通り、上記(1)の結果から、バックコート層表層部C−H由来C濃度には影響を及ぼさないと判断することができる。
次に、以下の方法により、バックコート層表層部C−H由来C濃度への塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂およびフェニルホスホン酸の影響を確認した。
実施例1で用いた塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂およびフェニルホスホン酸について、上記と同様の方法によりC1sスペクトルを取得し、取得したスペクトルについて先に記載した処理により結合エネルギー286eV付近に位置するピークおよびC−Hピークをそれぞれピーク分離した。分離した各ピークがC1sスペクトルに占める割合(ピーク面積率)を算出し、結合エネルギー286eV付近に位置するピークとC−Hピークとのピーク面積比を算出した。
次いで、実施例1で取得したC1sスペクトルにおいて、先に記載した処理により結合エネルギー286eV付近に位置するピークをピーク分離した。塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂およびフェニルホスホン酸は、C1sスペクトルにおいて、結合エネルギー286eV付近に位置するピークを有するのに対し、脂肪酸(ステアリン酸)および脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド)は、上記位置にピークを有さない。したがって、実施例1で取得したC1sスペクトルにおける結合エネルギー286eV付近に位置するピークは、塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂およびフェニルホスホン酸に由来すると判断することができる。そこで、このピークを利用し、上記で算出したピーク面積比から、実施例1で取得したC1sスペクトルのC−Hピークにおける塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂およびフェニルホスホン酸の寄与分を算出したところわずか10%程度であった。この結果から、実施例1で取得したC1sスペクトルのC−Hピークの多く(90%程度)が、脂肪酸(ステアリン酸)および脂肪酸アミド(ステアリン酸アミド)に由来すると判断することができる。
以上の結果から、バックコート層表層部C−H由来C濃度が、脂肪酸および脂肪酸アミドの存在量の指標になり得ることが実証された。
実施例、比較例の磁気テープをリールテスターで走行させデジタルストレージオシロスコープにて磁気テープからのサーボ信号を取得して解析することで、磁気テープの上下動に対してLTO G6(Linear Tape-Open Generation 6)規格の磁気記録ヘッドが追従できなかった量(PES)を求めた。上記方法で測定されるPESは走行安定性による影響を受ける値であり、値が小さいほど走行安定性が良好であることを意味し、70nm以下であれば、走行安定性に優れると判断することができる。結果を表5に示す。
(1)総厚が4.80μmを超える比較例1〜4の磁気テープでは、バックコート層表層部C−H由来C濃度が35〜60原子%の範囲内であっても範囲外であっても、PESは70nm以下であった。即ち、総厚が4.80μmを超える磁気テープは、バックコート層表層部C−H由来C濃度と走行安定性との間には相関は見られない。
(2)これに対し、実施例1〜15と比較例5〜12との対比から、総厚が4.80μm以下の磁気テープは、バックコート層表層部C−H由来C濃度が35原子%未満では走行安定性に劣るのに対し、バックコート層表層部C−H由来C濃度が35〜60原子%の範囲であると優れた走行安定性を得ることができることが確認できる。
Claims (11)
- 非磁性支持体の一方の表面上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、他方の表面上に非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有する磁気テープであって、
磁気テープ総厚が4.80μm以下であり、
前記バックコート層は、脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上を含み、かつ
磁気テープの前記バックコート層側の表面にて光電子取り出し角10度で行われるX線光電子分光分析により得られるC1sスペクトルにおけるC−Hピーク面積率から算出されるC−H由来C濃度が35〜60原子%の範囲である磁気テープ。 - 前記C−H由来C濃度が40〜60原子%の範囲である請求項1に記載の磁気テープ。
- 前記バックコート層に含まれる非磁性粉末は、カーボンブラックおよび非磁性無機酸化物粉末からなる群から選ばれる非磁性粉末である請求項1または2に記載の磁気テープ。
- 前記バックコート層に含まれる非磁性粉末は、カーボンブラックを少なくとも含む請求項3に記載の磁気テープ。
- 前記バックコート層は、脂肪酸エステルを更に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気テープ。
- 前記磁性層に含まれる強磁性粉末は、強磁性六方晶フェライト粉末および強磁性金属粉末からなる群から選ばれる強磁性粉末である請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気テープ。
- 前記非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気テープ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気テープの製造方法であって、
磁性層形成工程およびバックコート層形成工程を少なくとも含み、
前記バックコート層形成工程は、
脂肪酸および脂肪酸アミドからなる群から選ばれる成分の一種以上、非磁性粉末、結合剤ならびに溶媒を含むバックコート層形成用組成物を非磁性支持体表面上に塗布することにより塗布層を形成する塗布工程、
前記塗布層を加熱処理により乾燥させる加熱乾燥工程、
を含み、かつ、
前記塗布工程と加熱乾燥工程との間に、前記塗布層を冷却する冷却工程を更に含む、前記磁気テープの製造方法。 - 前記冷却工程を、前記塗布層を−10℃〜0℃の冷却雰囲気下に置くことにより行う請求項8に記載の磁気テープの製造方法。
- 前記バックコート層形成用組成物に含まれる溶媒は、ケトン溶媒を含む請求項8または9に記載の磁気テープの製造方法。
- 前記バックコート層形成用組成物は、脂肪酸エステルを更に含む請求項8〜10のいずれか1項に記載の磁気テープの製造方法。
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