JP2016156475A - リベット - Google Patents
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本出願では比較技術のリベット9の課題を解消するリベットを提供する。図2(a)は第1実施例のリベット1の構成部材を示している。第1実施例のリベット1は、第1筒状部材10、第2筒状部材20、ロック部材30及びピン部材40を備えている。第2筒状部材20は、図2(b)に示すように、ロック部材30とピン部材40を内蔵した状態で第1筒状部材10に後端部13から挿入される。図2(c)は図2(a)のA部を拡大して示すものである。まず、第1筒状部材10、第2筒状部材20、ロック部材30及びピン部材40の各個についてそれぞれその構造を説明する。
第1筒状部材10の構造は図2(a)、図2(b)、図3(a)及び図3(b)等に示される。第1筒状部材10は先端部11、胴部12及び後端部13を備える。第1筒状部材10の材料は、先端部11が広がる材料であれば、樹脂でも金属でも良い。先端部11はドーム状をしており、最先端部に貫通孔14がある。貫通孔14の縁部から胴部12に向かって複数のスリット(切れ込み)15が設けられている。本実施例ではスリット15は胴部12の中ほどまで延伸されて設けられているが、スリット15の長さは限定されるものではなく、リベット1が結合する板状の部材の板厚に合わせれば良い。また、スリット15は通路18に何も挿入された状態では隙間が無い状態であるが、隙間があっても良い。
第2筒状部材20の構造は図2(a)、図2(b)及び図4(a)から図4(d)等に示される。第2筒状部材20は先端部21、胴部22及び後端部23を備える。第2筒状部材20の材料も樹脂でも金属でも良い。図2(a)に示すように、先端部21はドーム状をしており、先端部21と胴部22の間にテーパ状の先端周辺部24がある。先端周辺部24には、ロック部材30を収容するロック部材収容孔25が設けられている。胴部22は円柱状であり、後端部23には胴部22に対して膨出されて直径が次第に増大するテーパ部23Tがある。
ピン部材40の構造は図2(a)、図2(b)及び図4(a)及び図4(b)等に示される。ピン部材40は先端部41、胴部42及び後端部43を備える。ピン部材40の材料も樹脂でも金属でも良い。図2(a)に示すように、ピン部材40の胴部42の中間部にはバネ係止フランジ44が設けられており、ピン部材40の先端部41から胴部42に挿入されたバネ45はバネ係止フランジ44で係止される。胴部42は円柱状であり、先端部41は胴部42に垂直な端面であるが、後端部43には胴部42に対して直径が次第に増大するテーパ部43Tがある。ピン部材40のテーパ部43Tの傾斜角度は、第2筒状部材20のテーパ部26Tの傾斜角度に等しくなっている。
ロック部材30の構造は図5(a)から図5(c)に詳細に示される。ロック部材30は、2つの樹脂製の脚部材31と金属製の板バネ33とから形成することができる。脚部材31は側面視逆三角形状の本体31Hを備えており、内部は空洞31Cになっている。なお、図5(a)には2つの脚部材31を側面から見た2つの側面図と、2つの脚部材31の共通の正面図が1つ示されている。本体31Hの下端部に回転軸32が形成され、本体31Hの上端部にはストッパ片31Sが突設されている。板バネ33の両端部には取付軸34が設けられている。
第1筒状部材10、第2筒状部材20、ロック部材30及びピン部材40を備えるリベット1の組立について説明する。リベット1を組み立てる場合は、まず、図4(a)に示すロック部材30を、図4(b)に示すように、第2筒状部材20のロック部材収容孔25に入れる。この時、ロック部材30の回転軸32は第2筒状部材20のロック部材収容孔25の先端部側に設けられた軸穴25Hに挿入し、ロック部材30のストッパ片31Sはロック部材収容孔25の後端部側に設けられたストッパ25Sの内側に位置させる。
以上のようにして組み立てられた第2筒状部材20は、図2(b)に示すように、第1筒状部材10の通路18の中に、第2筒状部材20の後端部23を押しながら挿入する。第2筒状部材20を第1筒状部材10の通路18に挿入する際には、ピン部材40の後端部43には力を加えないようにする。第2筒状部材20の先端周辺部24に内蔵されたロック部材30の2つの脚部材31は、第2筒状部材20が第1筒状部材10の外にある時には、図4(d)に示すように、第2筒状部材20の先端周辺部24から外に突出している。
ここで、リベット1を用いた板状部材の結合動作について説明する。ここでは、図6(a)に示すような、電子機器の筐体4の底面5の四隅に設けられた基板支持用の板金6に回路基板7をリベット1を用いて取り付ける場合を説明する。板金6は底面5からL字状に折り曲げた状態で設けられており、底面5に平行な部分には取付孔6Hが設けられている。回路基板7側にも、板金6の取付孔6Hに対応する位置に取付孔7Hが設けられている。板金6の上に回路基板7を搭載する場合は、図6(b)に示すように、板金6の上に回路基板7を、板金6の取付孔6Hに回路基板7の取付孔7Hを合わせて載置し、回路基板7の取付孔7Hと板金6の取付孔6Hにリベット1を挿通する。
次に、リベット1による板状部材の結合を解除するために、リベット1を引き抜く動作について説明する。ここでは、図7(c)に示した状態から、リベット1を引き抜き、板金6と回路基板7との結合を解除する場合を説明する。リベット1を引き抜く場合は、図8(a)に示すように、第2筒状部材20の後端部23の内側に位置するピン部材40の後端部43を、矢印Qで示すように押してピン部材40を第2筒状部材20の中に押し込む。この時、ピン部材40は、拡径部25E内にあるバネ45を収縮させて、第2筒状部材20の内部通路26を第2筒状部材20の先端部21側に向かって移動する。
第1実施例のリベット1は、図9(a)に示すように、第2筒状部材20の後端部23がテーパ部23Tによってラッパ状をしており、開口部内にピン部材40の後端部43が露出している。これに対して第2実施例のリベット2は、図9(b)及び図10(a)に示すように、第2筒状部材20Aの後端部23の構造が、第1実施例のリベット1の第2筒状部材20の後端部23の構造と異なる。即ち、図10(a)に示す第2実施例のリベット2の構造において、D−D線から下の構造は、第1実施例のリベット1の構造と同じである。よって、第2実施例のリベット2の構造における第1実施例のリベット1の構造と同じ構造の部材には、図7及び図8で説明した第1実施例のリベット1と同じ符号を付してその説明を省略し、構造が異なる部分だけを説明する。
図10(a)は第1実施例のリベット1を用いた場合の図7(a)に対応しており、板金6と回路基板7に設けられた取付孔6H,7Hに、第2実施例のリベット2の第1筒状部材10が挿入された状態を示している。第2実施例のリベット2では、この状態で、第2筒状部材20Aの後端部23にある大径部27の端面27Fを矢印Pで示すように押して、第2筒状部材20Aを第1筒状部材10に押し込めば良い。
次に、図10(b)に示した状態からリベット2を引き抜き、板金6と回路基板7との結合を解除する場合を説明する。リベット2を引き抜く場合は、図10(c)に示すように、第2筒状部材20Aの大径部27の開口29の内側に位置するピン部材40の後端部43を、矢印Qで示すように押してピン部材40の後端部43を開口29の最下部まで移動させる。すると、ピン部材40は拡径部25E内にあるバネ45を収縮させて、第2筒状部材20Aの内部通路26を第2筒状部材20Aの先端部21側に向かって移動する。
前記第1筒状部材よりも長い全長を備え、前記第1筒状部材内を移動してその先端部が前記第1筒状部材の先端部から突出した状態で前記スリットを介して前記第1筒状部材の先端部を広げる第2筒状部材と、
前記第2筒状部材の先端周辺部に内蔵され、前記第2筒状部材の先端部が前記第1筒状部材の先端部から突出した状態で、前記第2筒状部材の先端周辺部の外周面から突出する脚部が前記第1筒状部材の広がった先端部に係合し、前記第2筒状部材をその先端部が前記第1筒状部材の先端部から突出した状態で係止するロック部材と、
前記第2筒状部材の内部に移動可能に設けられ、前記第2筒状部材の後端側から押されて前記第2筒状部材内を移動し、その先端部が前記第2筒状部材の先端側から突出した状態で前記ロック部材による前記第2筒状部材の係止を解除するピン部材とを備え、
複数の被結合部材に設けられた結合孔に前記第1筒状部材を挿入し、前記第2筒状部材を移動させて前記ロック部材によって前記第2筒状部材を前記第1筒状部材に対して係止して前記複数の被結合部材を結合し、結合解除時は前記ピン部材を移動して前記第2筒状部材の先端側から突出させるリベット。
(付記2) 前記第1筒状部材は、閉じられた前記先端部に貫通孔を備え、前記スリットは前記貫通孔の縁部から前記胴部方向に放射状に設けられており、
前記第2筒状部材は、前記先端周辺部が先細形状をしており、
前記ロック部材は、先細形状の前記先端周辺部が前記第1筒状部材内に位置する時は前記脚部が付勢部材の収縮によって先細形状の前記先端周辺部内に位置し、先細形状の前記先端周辺部が前記第1筒状部材の先端部から突出した状態で前記付勢部材の伸長によって前記脚部が先細形状の前記先端周辺部から突出し、
前記ピン部材は、その先端部が前記第2筒状部材の先端側から突出して前記付勢部材を押すことによって前記付勢部材を収縮させる付記1に記載のリベット。
(付記3) 前記ロック部材の前記脚部は、先細形状の前記先端周辺部の対向位置に設けられた開口部から突出するように2つ設けられ、その基部が前記第2筒状部材の先端側の前記開口部に回転可能に軸支され、その自由端部が板バネで接続されており、
前記板バネは、先細形状の前記先端周辺部が前記第1筒状部材内に位置する時は、前記脚部の先端部が前記第1筒状部材の内壁に押されて収縮し、先細形状の前記先端周辺部が前記第1筒状部材の先端部から突出している時は、前記第2筒状部材の先端から突出した前記ピン部材に押されて収縮する付記2に記載のリベット。
(付記4) 前記ロック部材が合成樹脂で形成され、前記板バネは前記2つの脚部と一体的に成型されている付記3に記載のリベット。
(付記5) 前記ロック部材の2つの脚部が合成樹脂で形成され、前記板バネの両端部は前記2つの脚部の先端部間に回転軸で軸支されている付記3に記載のリベット。
(付記7) 前記第2筒状部材の後端部側が膨出されており、前記ピン部材の後端側の端面は、前記第2筒所部材の後端面と同一面或いは前記第2筒所部材の後端面よりも前端側に位置している付記6に記載のリベット。
(付記8) 前記第2筒状部材の後端部側が閉じられて端面が形成され、前記第2筒状部材の後端部側の端面の近傍の前記胴部には前記第2筒状部材の軸線方向に延びるスライド孔が設けられており、
前記ピン部材の後端側の端部は折り曲げられてレバー部が形成され、
前記レバー部の自由端は、前記スライド孔の後端側に位置し、外部からのスライド操作で前記スライド孔の前端側への移動が可能である付記6に記載のリベット。
(付記9) 前記付勢部材は、前記第2筒状部材内の内周面が拡径されて形成された空間内に収容されている付記6に記載のリベット。
(付記10) 前記第2筒状部材は、その軸線を通る面で左右に二分割された状態で形成され、前記ピン部材が前記第2筒状部材内に収容された状態で結合される付記1から9の何れかに記載のリベット。
6 板金
6H,7H 取付孔
7 回路基板
10 第1筒状部材
14 貫通孔
15 スリット
17 係止溝
20 第2筒状部材
25 ロック部材収容孔
30 ロック部材
31 脚部材
33 板バネ
40 ピン部材
Claims (6)
- 閉じられた先端部と胴部と膨出部が設けられた後端部を備え、前記先端部から前記胴部の方向に複数のスリットが設けられた第1筒状部材と、
前記第1筒状部材よりも長い全長を備え、前記第1筒状部材内を移動してその先端部が前記第1筒状部材の先端部から突出した状態で前記スリットを介して前記第1筒状部材の先端部を広げる第2筒状部材と、
前記第2筒状部材の先端周辺部に内蔵され、前記第2筒状部材の先端部が前記第1筒状部材の先端部から突出した状態で、前記第2筒状部材の先端周辺部の外周面から突出する脚部が前記第1筒状部材の広がった先端部に係合し、前記第2筒状部材をその先端部が前記第1筒状部材の先端部から突出した状態で係止するロック部材と、
前記第2筒状部材の内部に移動可能に設けられ、前記第2筒状部材の後端側から押されて前記第2筒状部材内を移動し、その先端部が前記第2筒状部材の先端側から突出した状態で前記ロック部材による前記第2筒状部材の係止を解除するピン部材とを備え、
複数の被結合部材に設けられた結合孔に前記第1筒状部材を挿入し、前記第2筒状部材を移動させて前記ロック部材によって前記第2筒状部材を前記第1筒状部材に対して係止して前記複数の被結合部材を結合し、結合解除時は前記ピン部材を移動して前記第2筒状部材の先端側から突出させるリベット。 - 前記第1筒状部材は、閉じられた前記先端部に貫通孔を備え、前記スリットは前記貫通孔の縁部から前記胴部方向に放射状に設けられており、
前記第2筒状部材は、前記先端周辺部が先細形状をしており、
前記ロック部材は、先細形状の前記先端周辺部が前記第1筒状部材内に位置する時は前記脚部が付勢部材の収縮によって先細形状の前記先端周辺部内に位置し、先細形状の前記先端周辺部が前記第1筒状部材の先端部から突出した状態で前記付勢部材の伸長によって前記脚部が先細形状の前記先端周辺部から突出し、
前記ピン部材は、その先端部が前記第2筒状部材の先端側から突出して前記付勢部材を押すことによって前記付勢部材を収縮させる請求項1に記載のリベット。 - 前記ロック部材の前記脚部は、先細形状の前記先端周辺部の対向位置に設けられた開口部から突出するように2つ設けられ、その基部が前記第2筒状部材の先端側の前記開口部に回転可能に軸支され、その自由端部が板バネで接続されており、
前記板バネは、先細形状の前記先端周辺部が前記第1筒状部材内に位置する時は、前記脚部の先端部が前記第1筒状部材の内壁に押されて収縮し、先細形状の前記先端周辺部が前記第1筒状部材の先端部から突出している時は、前記第2筒状部材の先端から突出した前記ピン部材に押されて収縮する請求項2に記載のリベット。 - 前記ピン部材は前記付勢部材によって付勢された状態で前記第2筒状部材内に保持されており、この状態では前記ピン部材の先端側の端部が前記ロック部材から離れた位置にある請求項1から3の何れか1項に記載のリベット。
- 前記第2筒状部材は、その軸線を通る面で左右に二分割された状態で形成され、前記ピン部材が前記第2筒状部材内に収容された状態で結合される請求項1から4の何れか1項に記載のリベット。
- 前記第1筒状部材の前記胴部の前記後端部側の内周面には、前記第2筒状部材が前記第1筒状部材から引き抜かれる方向に移動した時に、前記ロック部材の前記脚部を受け入れて前記第2筒状部材のそれ以上の移動を係止する係止溝が設けられている請求項1から5の何れか1項に記載のリベット。
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