JP2016156316A - 内燃機関の排気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関に設けられた排気ポート17から延出されるエキゾーストパイプ21と、エキゾーストパイプ21により誘導される排気ガスを浄化する触媒35と、を有する内燃機関の排気装置20であって、エキゾーストパイプ21の一部に沿った状態で、エキゾーストパイプ21のうち少なくとも前部の外周を覆う包囲パイプ30を有することを特徴とする。
【選択図】図5
Description
図1は、自動二輪車100の右側面図である。先ず、図1を用いて自動二輪車100の全体構成について説明する。なお、以下の説明において図1を含めた各図で、必要に応じて車体前方を矢印Frにより、車体後方を矢印Rrによりそれぞれ示し、また、車体右側を矢印Rにより、車体左側を矢印Lによりそれぞれ示す。
エンジン10は、クランクシャフト12を回転可能に軸支して収容するクランクケース11と、図示しないピストンを上下動可能に収容するシリンダブロック13と、動弁装置を収容するシリンダヘッド14と、シリンダヘッド14に蓋着するシリンダヘッドカバー15とが上下に沿って連接されている。シリンダブロック13のシリンダ軸Cyは垂直方向に対してやや前傾(傾斜角度略15°)している。また、シリンダブロック13のシリンダ軸Cyはクランクシャフト12のクランク軸Crに対して直交している。
図5は、排気装置20の一部の構成を示す平面図である。図5では、包囲パイプ30を水平方向に切断した状態を示している。図6は、排気装置20の一部の構成を示す右側面図である。図6では、包囲パイプ30を二点鎖線で示している。図7は、図5に示すI−I線の断面図である。
本実施形態では、エキゾーストパイプ21および包囲パイプ30を用いて、触媒35を活性温度まで早期に達するように構成する。以下、具体的にエキゾーストパイプ21および包囲パイプ30の構成について説明する。
中間部23は、鉛直面F2から、エキゾーストパイプ21が車体後方に向かって直線状に真直ぐな延出を開始する部位を通る車体左右方向に平行な鉛直面F3までの範囲をいうものとする。
後部24は、鉛直面F3から、マフラ34に接続されるエキゾーストパイプ21の後端までの範囲をいうものとする。
曲部25には、バイパスパイプ27が溶接によって結合される。バイパスパイプ27は、曲部25の車体外側の位置に結合され、その軸線(図7に示す一点鎖線La)が曲部25の曲率半径の中心から略径方向、すなわち車体外側であって、やや上側に向かって指向している。バイパスパイプ27は、エキゾーストパイプ21内の空間28と、包囲パイプ30内の後述する空間32とを連通させる。
後部24は、車体後方に向かって直線状に、ある程度の長さで延出した後に、マフラ34に向かって形成される。
なお、包囲パイプ30は、上下に分割され、エキゾーストパイプ21を上下から挟むようにして境界部31で溶接することで構成される。また、包囲パイプ30は、一方の端部と他端の端部とがエキゾーストパイプ21に溶接されることで結合される。したがって、包囲パイプ30内の空間32はエキゾーストパイプ21によって閉塞される。なお、エキゾーストパイプ21および包囲パイプ30は、容易に溶接できるように同一の材質(例えばステンレス鋼板)であることが好ましい。
ここで、包囲パイプ30は、エキゾーストパイプ21に比べて車体外側に大きく膨出するように湾曲している。具体的には、図7に示すように、車体外側でのエキゾーストパイプ21の表面と包囲パイプ30の表面との間の距離L1が、車体内側でのエキゾーストパイプ21の表面と包囲パイプ30の表面との間の距離L2よりも大きい。換言すると、エキゾーストパイプ21は、包囲パイプ30内の空間32において車体内側に偏って配置されている。
このとき、包囲パイプ30がエキゾーストパイプ21の外周を覆っていることで、包囲パイプ30の空間32内の空気によってエキゾーストパイプ21の保温性を向上させることができる。したがって、エンジン10から排気された排気ガスは、エキゾーストパイプ21内で冷却されるのが抑制され、高温のまま触媒35に到達する。そのため、触媒35はエンジン10の始動時から浄化作用を発揮できる活性温度まで早期に達することができ、触媒35の浄化性能を向上させることができる。
また、包囲パイプ30がエキゾーストパイプ21の少なくとも前部22を覆うことから、車体前方からの走行風によりエキゾーストパイプ21が過冷却されるのを防止でき、より排気ガスを高温のまま触媒35に到達させることができる。
また、エキゾーストパイプ21は、エキゾーストパイプ21内の空間28と、包囲パイプ30内の空間32とを連通させるバイパスパイプ27を有することから、包囲パイプ30をレゾネータとして機能させることができる。包囲パイプ30をレゾネータとして機能させることで、エキゾーストパイプ21の長さが短くても十分な出力を得ることができるために、触媒の早期適温化に加えて、出力特性改善および排気装置20の小型化を図ることができる。ここでの出力特性改善とは、エンジン回転数の低回転域における出力が低下しないようになることをいう。また、包囲パイプ30をレゾネータとして機能させることで、レゾネータを固定するためのブラケットが必要なく、振動による脱落等の虞もない。
上述した実施形態では、内燃機関の排気装置20を自動二輪車100に適用する場合について説明したが、この場合に限られず、自動三輪車や四輪車に適用してもよい。
上述した実施形態では、エンジン10に水冷式の単気筒エンジンを適用する場合について説明したが、この場合に限られず、複数気筒エンジンを適用してもよい。この場合には各排気ポートに接続される各エキゾーストパイプはそれぞれ包囲パイプによって覆われることが好ましい。
Claims (6)
- 内燃機関に設けられた排気ポートから延出されるエキゾーストパイプと、
前記エキゾーストパイプにより誘導される排気ガスを浄化する触媒と、を有する内燃機関の排気装置であって、
前記エキゾーストパイプの一部に沿った状態で、前記エキゾーストパイプのうち少なくとも前部の外周を覆う外壁部を有することを特徴とする内燃機関の排気装置。 - 前記エキゾーストパイプは、前記排気ポートから車体前方に向かって延出した後に、曲部を経て、車体後方に向かって延出して形成され、
前記外壁部は、前記曲部を覆うことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気装置。 - 前記エキゾーストパイプは、前記外壁部内の空間において車体内側に偏って配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気装置。
- 前記エキゾーストパイプのうち前記外壁部の後端から露出する露出部は、車体幅方向において前記外壁部の車体外側の表面よりも、車体内側に配置されることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の内燃機関の排気装置。
- 前記外壁部は、前記内燃機関のシリンダブロックまたはシリンダヘッドの側方まで延出していることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の内燃機関の排気装置。
- 前記エキゾーストパイプは、該エキゾーストパイプ内の空間と、前記外壁部内の空間とを連通させるバイパスパイプを有することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の内燃機関の排気装置。
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2015
- 2015-02-24 JP JP2015034372A patent/JP6524700B2/ja active Active
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