JP5831186B2 - 内燃機関の消音器および自動二輪車 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の消音器およびこの消音器を備える自動二輪車に関する。
一般的に、自動二輪車や自動車の内燃機関の排気経路には、排気音の低減のために消音器が設けられる。たとえば、特許文献1には、消音器の内部に所定の数の膨張室が形成されるとともに、触媒収容室と略U字形状の排気パイプが設けられる構成が開示されている。そして、消音器の内部に流入した排気ガスは、触媒収容室と略U字形状の排気パイプを通過して膨張室の内部に放出され、膨張室を通過した後に外部に排出される。このように、消音器の内部に略U字形状の排気パイプが設けられる構成によれば、排気ガスが通過する経路を長くしつつ、消音器の全長を短くできる。したがって、このような構成は、スクーター型の自動二輪車などといった、小型の自動二輪車に好適に用いられている。
特開2004−150310号公報
しかしながら、消音器の内部に触媒収容室と略U字形状の排気パイプが設けられる構成は、次のような問題が生じることがある。まず、略U字形状の排気パイプの一部(下流側の部分)と触媒収容室とが並列に設けられるため、消音器の外径を小さくすることが困難である。また、膨張室の内部に触媒収容室と略U字形状の排気パイプが設けられるため、膨張室の内部の容積が減少する。このため、膨張室による消音の効果が低下する。また、触媒収容室と消音器の内壁(=膨張室の内壁)とが接近するため、消音器の内壁および外壁が、触媒収容室の発する熱によって加熱されて温度上昇しやすい。このため、消音器の内壁および外壁の耐久性の低下を招くおそれがある。また、略U字形状の排気パイプの下流側の部分は、膨張室の内部に突出している。このため、この部分が片持ちで支持される構成であると、この部分が振動などによって損傷するおそれがある。
上記実情に鑑み、本発明は、小型化を図ることができるとともに消音の効果を高めることができる消音器と、この消音器を備える自動二輪車を提供することを目的とする。また、本発明は、内壁および外壁の温度上昇を抑制できる消音器と、この消音器を備える自動二輪車を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、内燃機関の排気ガスを浄化するとともに排気音を低減する内燃機関の消音器であって、内部に膨張室が形成される筺体と、前記筺体の内部に設けられ、前記排気ガスを浄化する触媒が収容される触媒収容室と、前記触媒収容室を通過した前記排気ガスの一部を前記膨張室の内部に流出させるリーク経路と、前記筺体の内部であって前記触媒収容室の下流に設けられ、前記内燃機関と排気ガスを流通可能に接続される排気パイプよりも内径が大きい筒内膨張室と、前記筒内膨張室を通過した前記排気ガスを前記膨張室の内部に流出させる通気パイプと、を有し、前記通気パイプは、一端が前記筒内膨張室に接続され、他端が前記排気ガスが流通できないように閉鎖されるとともに、前記通気パイプの周壁面には前記排気ガスを前記膨張室に流出させる第一の通気経路が形成されることを特徴とする。
前記通気パイプの前記一端と前記他端との間が、支持部材によって前記筺体に支持されることを特徴とする。
前記膨張室には前記支持部材によって一の領域と他の一の領域が形成され、前記支持部材には、前記一の領域と前記他の一の領域とを前記排気ガスが流通可能に連通する第二の通気経路が形成され、前記第一の通気経路は、前記通気パイプと前記膨張室の前記一の領域とを前記排気ガスが流通可能に連通し、前記第二の通気経路は、前記膨張室の前記他の一の領域と前記一の領域とを前記排気ガスが流通可能に連通し、前記リーク経路は、触媒収容室と前記膨張室の前記他の一の領域とを前記排気ガスが流通可能に連通することを特徴とする。
前記触媒収容室と前記膨張室の前記一の領域との間には、前記筒内膨張室と前記通気パイプと前記第一の通気経路とを通じて前記排気ガスが流通可能に連通する経路と、前記リーク経路と前記膨張室の前記他の一の領域と前記第二の通気経路とを通じて前記排気ガスが流通可能に連通する他の経路と、が並列して形成されることを特徴とする。
本発明の自動二輪車は、前記いずれかの内燃機関の消音器を備えることを特徴とする。
本発明によれば、消音器の筺体の外径を小さくすることができ、消音器の小型化を図ることができる。また、触媒収容室を通過した排気ガスの一部が通過するリーク経路と、筺体の内周面との間の距離を大きくすることができる。したがって、筺体の内周面に高温の排気ガスが直接的に噴射されることを防止できるから、筺体の温度が局所的に高くなることを防止できる。したがって、消音器の耐久性の向上を図ることができる。また、筺体の内部に設けられる排気パイプは、支持部材によって筺体に支持されるため、排気パイプの振動や損傷を防止できる。
図1は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車の構成を示す左側面図である。 図2は、本発明の実施形態にかかる自動二輪車を上から見た平面図である。 図3は、本発明の実施形態にかかる消音器の組み付け構造を模式的に示す右側面図である。 図4は、本発明の実施形態にかかる消音器の内部構造を模式的に示す斜視図である。 図5は、本発明の実施形態にかかる消音器の内部構造を模式的に示す断面図である。 図6は、図5のVI−VI線断面図である。 図7は、図5のVII−VII線断面図である。 図8は、本発明の実施形態にかかる消音器における排気ガスの流れを模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。説明の便宜上、本発明の実施形態にかかる消音器を、「本消音器」5と称し、本消音器5を備える自動二輪車を、「本自動二輪車」1と称する。なお、本自動二輪車1の排気量は限定されるものではなく、本自動二輪車1には原動機付自転車も含まれる。また、本消音器5および本自動二輪車1の「前」「後」「上」「下」の各向きは、本自動二輪車1に搭乗する運転者の向きを基準とする。本消音器5および本自動二輪車1を構成する各種機器や装置についても同様とする。各図においては、本消音器5および本自動二輪車1の前方を矢印「Fr」で、後方を矢印「Rr」で、上方を矢印「Tp」で、下方を矢印「Bt」で示す。
まず、本自動二輪車1の全体的な構成について、図1と図2を参照して説明する。図1は、本自動二輪車1の構成を模式的に示す左側面図である。図2は、本自動二輪車1を上側から見た平面図である。本自動二輪車1の例として、スクーター型の自動二輪車を示す。本自動二輪車1は、車体フレームと、操舵装置と、駆動装置と、車体カバーと、着座シート104と、ステップボード105と、排気装置と、その他所定の機器類とを含む。
車体フレームは、ステアリングヘッドパイプ106と、左右一対のダウンチューブ101と、左右一対のリヤフレーム102と、ステップフレーム(図略)とを含む。車体フレームは、鋼やアルミニウム合金などの金属材料により形成される。ステアリングヘッドパイプ106は、フロントフォーク110(後述)を回転可能に支持する部分であり、後傾する筒状の構成を有する。左右一対のダウンチューブ101は、前端(上端)がステアリングヘッドパイプ106に結合され、後端がリヤフレーム102(後述)に結合される。左右一対のダウンチューブ101の前部はステアリングヘッドパイプ106から斜め下後方に向かって延出し、後部は本自動二輪車1の下部を略水平に前後方向に延伸し、中間部は屈曲または湾曲するという構成を有する。左右一対のリヤフレーム102のそれぞれは、左右一対のダウンチューブ101のそれぞれの後端部から後上がりに延伸する。ステップフレームは、ステップボード105を支持する部分であり、左右一対のダウンチューブ101の後部(下部)に設けられる。
操舵装置は、ハンドル107と、フロントフォーク110と、前輪108とを含んで構成される。フロントフォーク110は、車体フレームのステアリングヘッドパイプ106に回転可能に支持されており、車体フレームに対して略左右方向に回転できる。前輪108は、フロントフォーク110の下端に回転可能に支持される。ハンドル107は、フロントフォーク110の上端に、フロントフォーク110と一体に回転するように設けられる。また、前輪108には一体に回転するブレーキディスク109が設けられ、フロントフォーク110の下端にはブレーキキャリバーが設けられ、ハンドル107には前輪108のブレーキを操作するブレーキレバーが設けられる。さらにハンドル107には、ヘッドライトやウィンカーなどの灯火類や、これらの灯火類を操作するスイッチ類や、スピードメータや、クラクションボタンなどが設けられる。
駆動装置は、エンジンユニット112と後輪116とを含む。エンジンユニット112は、シリンダアセンブリ119と、クランクケースアセンブリ118と、変速ユニット117とを有し、これらがユニット化された構成を有する。そして、側面視において、前側から順に、シリンダアセンブリ119と、クランクケースアセンブリ118と、変速ユニット117とが、略前後方向に並ぶように配列される。シリンダアセンブリ119には、たとえば単気筒の空冷式エンジンのシリンダヘッドおよびピストンが設けられる。エンジンは、シリンダの軸線が本自動二輪車1の前後方向に沿って略水平となる姿勢で搭載される。クランクケースアセンブリ118には、エンジンのクランク軸が設けられる。変速ユニット117には、クランクシャフトの回転動力が伝達されるドリブンシャフトと、回転動力を断続するクラッチとが設けられる。クラッチには、一般的な遠心クラッチが適用できる。そして、クランクシャフトとドリブンシャフトの間に跨るように、変速機構が設けられる。変速機構には、たとえば一般的なベルト式の無段階変速機が適用できる。すなわち、クランクシャフトには駆動プーリが設けられ、ドリブンシャフトには従動プーリが設けられ、駆動プーリと従動プーリとの間には、Vベルトが巻き掛けられる。そして、駆動プーリおよび従動プーリの溝幅を調整することによって変速する。なお、駆動プーリと従動プーリは前後方向に並べられるように配設されており、Vベルトは略水平方向に巻き掛けられる。エンジンユニット112の後端部近傍には、後輪116が設けられる。そして、エンジンからの回転動力は、変速機構とクラッチとを介して、後輪116に伝達される。また、変速ユニット117の上側には、エアクリーナ115が設けられる。エアクリーナ115は、シリンダアセンブリ119の吸気ポートに供給する空気を浄化する。
駆動装置は、車体フレームに上下方向に揺動可能に取付けられる。具体的には次のとおりである。車体フレームの左右一対のダウンチューブ101には、エンジンブラケット122が設けられる。エンジンブラケット122には、ステー121が設けられる。一方、エンジンユニット112のシリンダアセンブリ119には、スイングピボット部120が設けられる。そして、スイングピボット部120が、ステー121に上下方向に揺動可能に結合される。また、リヤフレーム102とエンジンユニット112との間には、ショックアブソーバ113が設けられる。このような構成により、エンジンユニット112は、後輪116の回転動力源として機能するとともに、後輪116を上下方向に揺動可能に支持するスイングアームとして機能する。また、このような構成によれば、エンジンユニット112は、側面視において前後方向に沿って略水平となる姿勢で本自動二輪車1の下部に設けられる。したがって、本自動二輪車1の車高の抑制や低重心化を図ることができる。
エンジンユニット112の上方には、運転者が着座する着座シート104が設けられる。着座シート104の下側には、物品収容スペースが設けられる。着座シート104は、ヒンジなどによって車体フレームに対して回転可能に取付けられており、物品収容スペースの蓋としても機能する。本自動二輪車1の下部であって、着座シート104の前方には、運転者が足を載せるステップボード105が設けられる。ステップボード105は、ステップフレームに支持される。
車体カバーは、本自動二輪車1の外観を構成する。車体カバーは、フロントレッグシールド111と、リヤフレームカバー103と、レッグフレームカバー131と、リヤフェンダ114とを含む。フロントレッグシールド111は、本自動二輪車1の前部を覆う。なお、フロントレッグシールド111には、ヘッドライトやウィンカーなどが設けられることがある。レッグフレームカバー131は、本自動二輪車1の下部を覆う部材である。リヤフレームカバー103は、本自動二輪車1の後部を覆う部材である。そして、リヤフレームカバー103の内側に、物品収容スペースが形成される。なお、フロントレッグシールド111と、リヤフレームカバー103と、レッグフレームカバー131と、ステップボード105とは、一体的な外観を構成する。また、後輪116の後方上側には、リヤフェンダ114が設けられる。
次に、排気装置の組み付け構成について、図3を参照して説明する。図3は、排気装置の組み付け構成を模式的に示す右側面図である。図3に示すように、排気装置は、排気パイプ509と本消音器5とを備える。そして、排気装置は、本自動二輪車1の右側後部に設けられる。排気パイプ509の前端は、シリンダアセンブリ119の下面に形成されるエグゾーストポート(図略)に接続され、後方に向かって湾曲して延伸する。排気パイプ509の後端は本消音器5に接続される。本消音器5は、筒状の構成を有し、後上がりに傾斜する態様で本自動二輪車1に搭載される。排気パイプ509の後端部近傍および本消音器5には、マフラーサポートブラケット130が一体に設けられる。そして、マフラーサポートブラケット130は、エンジンユニット112のシリンダアセンブリ119(またはクランクケースアセンブリ118)にネジなどによって固定される。これによって、排気装置は、エンジンユニット112に一体に取り付けられる。また、本消音器5の側面には、マフラーカバー123が設けられる。さらに本消音器5の内部には、排気音を低減するための構造物が設けられるとともに、排気ガスを浄化するための触媒512が設けられる。そして、エンジンの排気ガスは、排気パイプ509を通じて本消音器5の前端から内部に導かれ、触媒によって浄化されるとともに排気音が低減され、後端から外部に排出される。
次に、本消音器5の内部構造の詳細について、図4〜図7を参照して説明する。図4は、本消音器5の内部構造を模式的に示す斜視図である。図5は、本消音器5の内部構造を模式的に示す断面図である。図6は、図5のVI−VI線断面図である。図7は、図5のVII−VII線断面図である。
図4と図5に示すように、本消音器5は、筺体としてのマフラーボディ50を有する。マフラーボディ50の内部には、触媒収容部材51と、接続パイプ57と、第一膨張室形成部材52と、内部通気パイプ53と、支持部材54と、第一バッフルプレート55と、第二バッフルプレート56と、接続パイプ57と、第一バッフルパイプ551と、第二バッフルパイプ561とが設けられる。またマフラーボディ50の後端部には、後壁506と、排出パイプ504と、尾筒505とが組み付けられる。なお、説明の便宜上、特に断らない限り、単に「軸線方向」という場合には、マフラーボディ50の軸線(=中心線)の延伸方向をいうものとし、単に「半径方向」という場合には、マフラーボディ50の軸線の延伸方向に直角な方向をいうものとする。
マフラーボディ50は、外筒502と内筒501の二重構造を有する。すなわち、外筒502および内筒501は、いずれも筒状の構成を有し、外筒502の内周側に内筒501が設けられる。そして、外筒502と内筒501との間には隙間が形成され、この隙間に吸音材503が設けられる。吸音材503には、グラスウールなど、公知の各種吸音材が適用される。マフラーボディ50の前端部(=軸線方向の一端部)には、排気パイプ509の後端部が入り込んでいる。マフラーボディ50の後端部(=軸線方向の他の一端部)には、尾筒505が設けられる。尾筒505は、排出パイプ504(後述)を保護するとともに、マフラーボディ50の後端部の外観を構成する。
マフラーボディ50の内部には、前端側から順に、第一バッフルプレート55と、第二バッフルプレート56とが設けられる。そして、マフラーボディ50の後端部には、後壁506が設けられる。第一バッフルプレート55と、第二バッフルプレート56と、後壁506とは、いずれも板状の部材である。これによって、マフラーボディ50の内部には、軸線方向の一端側から順に、第二膨張室62と、第三膨張室63と、第四膨張室64とが、軸線方向に沿って直列に配列されるように形成される。具体的には、第一バッフルプレート55の前側の空間が、第二膨張室62となる。第一バッフルプレート55と第二バッフルプレート56との間の空間が、第三膨張室63となる。第二バッフルプレート56と後壁506との間の空間が、第四膨張室64となる。さらに、第二膨張室62の軸線方向中間には支持部材54が設けられており、第二膨張室62は、この支持部材54によって、前部領域621と後部領域622の二つの領域に区画される。支持部材54も、第一バッフルプレート55などと同様に、板状の部材である。
第二膨張室62の前端部(=マフラーボディ50の内部の前端部)には、排気パイプ509の後端部が入り込んでいる。そして、第二膨張室62の内部には、前端側から順(換言すると、排気ガスの流れの上流側から順に)に、触媒収容部材51と、接続パイプ57と、第一膨張室形成部材52と、内部通気パイプ53とが、軸線方向に沿って直列に並べられるように設けられる。排気パイプ509の後端と触媒収容部材51の前端とは、排気ガスが流通可能に接続される。触媒収容部材51の後端と第一膨張室形成部材52の前端とは、接続パイプ57によって排気ガスが流通可能に接続される。接続パイプ57には、前後方向に貫通する環状の部材が適用される。第一膨張室形成部材52の後端には、内部通気パイプ53が接続される。内部通気パイプ53は、その軸線方向の中間部が、支持部材54によってマフラーボディ50に支持される。
触媒収容部材51は筒状の部材であり、内部に触媒収容室511が形成される。そして、触媒収容室511には触媒512が収容される。触媒512には、白金、パラジウム、ロジウムを主成分とする三元触媒など、公知の各種触媒が適用できる。触媒収容部材51の前部にはダイバージェントコーン513が設けられており、前側(=上流側)に向かうにしたがって内径が徐々に小さくなる。また、触媒収容部材51の後部にはコンバージェントコーン514が設けられており、後側(=下流側)に向かうにしたがって内径が徐々に小さくなる。触媒収容部材51の外径は、第二膨張室62の前部領域621の内径よりも小さい。このため、触媒収容部材51の外周面と第二膨張室62の前部領域621の内周面とは接触しておらず、所定の隙間が形成される(特に図8参照)。
さらに、コンバージェントコーン514には、リーク経路515が形成される。このリーク経路515は、触媒収容部材51の内部(=触媒収容室511)と外部(=第二膨張室62の前部領域621)とを、排気ガスが流通可能に連通する貫通孔である。なお、リーク経路515の内径は、触媒収容室511の内径およびコンバージェントコーン514の最小内径よりも小径に形成される。このような構成によれば、排気パイプ509を通じて消音器の内部に流入した排気ガスは、まず、ダイバージェントコーン513を通過して徐々に膨張し、触媒収容室511を通過する際に触媒512によって浄化される。そして、浄化された排気ガスは、コンバージェントコーン514によって徐々に圧縮され、接続パイプ57に導かれる。また、浄化された排気ガスの一部は、コンバージェントコーン514に形成されるリーク経路515を通じて、第二膨張室62の前部領域621に流入する。
接続パイプ57は、触媒512によって浄化された排気ガスを、第一膨張室61に導く経路となる部材である。接続パイプ57は、軸線方向に貫通する筒状の構成を有する。接続パイプ57の前端(=上流側端)は触媒収容部材51の後端に接続され、後端(=下流側端)は第一膨張室形成部材52の前端に接続される。そして、接続パイプ57は、触媒収容部材51の内部に形成される触媒収容室511と、第一膨張室形成部材52の内部に形成される第一膨張室61とを、排気ガスが流通可能に連通する。なお、接続パイプ57が設けられず、触媒収容部材51の後端と第一膨張室形成部材52の前端とが直接的に接続される構成であってもよい。
第一膨張室形成部材52は、筒内膨張室としての第一膨張室61を形成する部材である。第一膨張室形成部材52は、内部に空間が形成される円筒容器状の構成を有する。そして、第一膨張室形成部材52の内部の空間が第一膨張室61となる。第一膨張室61の内径は、排気パイプ509の後端部(=マフラーボディ50の内部に入り込んでいる部分)および接続パイプ57の内径よりも大きい。このため、排気ガスが接続パイプ57を通過して第一膨張室61に流入すると、急激に膨張する。第一膨張室形成部材52の外径は、内筒501の内径よりも小さい。そして、第一膨張室形成部材52の外周面と内筒501の内周面とは接触していない。このため、第一膨張室形成部材52の外周面と内筒501の内周面との間には隙間が形成され、排気ガスはこの隙間を軸線方向に通過することができる(特に図8参照)。このようにマフラーボディ50の内部には、内筒501と第一バッフルプレート55によって第二膨張室62が形成され、さらにこの第二膨張室62の内部(特に半径方向内側)には、筒内膨張室として、第一膨張室61が形成される。
このような構成であると、エンジンの排気ガスは、排気パイプ509を通じて、マフラーボディ50の前端からその内部に導入される。そして排気ガスは、触媒収容室511、接続パイプ57の順に通過し、第一膨張室61の内部に達する。このように、触媒収容室511の下流側に、筒内膨張室としての第一膨張室61が設けられる。
内部通気パイプ53は、第一膨張室61を通過した排気ガスを、第二膨張室62の後部領域622に導く経路を構成する部材である。内部通気パイプ53は、排気ガスが流通可能な筒状の構成を有する。内部通気パイプ53の内径は、第一膨張室61の内径よりも小さい径に形成される。内部通気パイプ53の前端(=上流側端)は、第一膨張室形成部材52の後端に接続される。内部通気パイプ53は、その軸線方向中間部において、支持部材54により支持される。このため、内部通気パイプ53の後部は、支持部材54よりも後側に突出している。内部通気パイプ53の後端(=下流側端)には蓋部材531が設けられており、排気ガスが流通できないように閉鎖される。そして、支持部材54よりも後側に突出している部分の周壁面(外周面。換言すると、内筒501の内周面に対向する面)には、所定の数の第一通気経路532が形成される。第一通気経路532は、内部通気パイプ53の内部と外部(=第二膨張室62の後部領域622)とを排気ガスが流通可能に連通する貫通孔である。そして、第一通気経路532の軸線は略半径方向を向いている。なお、第一通気経路532の数は、特に限定されるものではない。第一通気経路532は単数であってもよく複数であってもよい。複数の第一通気経路532が形成される場合には、これら複数の第一通気経路532が内部通気パイプ53の周方向に沿って直列状または千鳥状に配列されるように形成される構成が適用できる。
このような構成であると、第一膨張室61を通過した排気ガスは、内部通気パイプ53に流入する。そして、内部通気パイプ53を通過した排気ガスは、第一通気経路532を通じて、半径方向外側に噴出する態様で、第二膨張室62の後部領域622の内部に流入する。すなわち、内部通気パイプ53に流入した排気ガスの流動方向は、蓋部材531と第一通気経路532とによって、軸線方向から半径方向に変えられる。一方、内部通気パイプ53の後端は蓋部材531によって閉鎖されるから、内部通気パイプ53から第二膨張室62に流入した排気ガスは、直接的に第一バッフルプレート55に衝突しない。
支持部材54は、内部通気パイプ53を支持するとともに、第二膨張室62を前部領域621と後部領域622に区画する部材である。特に図6に示すように、内部通気パイプ53の半径方向外側の位置に、軸線方向に貫通する第二通気経路541が形成される。そして、第二膨張室62の前部領域621と後部領域622とは、支持部材54に形成される第二通気経路541によって、排気ガスが流通可能に連通する。第二通気経路541の軸線は、マフラーボディ50の軸線と略平行である。また、第二通気経路541の後部領域622側の端部の位置は、内部通気パイプ53の第一通気経路532よりも軸線方向前側に位置する。このような構成であると、触媒収容部材51のリーク経路515から第二膨張室62の前部領域621に流入した排気ガスは、支持部材54に形成される第二通気経路541を通じて、第二膨張室62の後部領域622に流入する。この際、支持部材54の第二通気経路541を通過する排気ガスは、軸線方向に沿って後側に向かって流れる。そして、第二通気経路541は、内部通気パイプ53の半径方向外側に位置するとともに、第二通気経路541の後端は第一通気経路532よりも前側に位置する。このため、第二通気経路541を通過した排気ガスは、第一通気経路532から流出する排気ガスと衝突して流れが阻害される。換言すると、第一通気経路532から流出する排気ガスは、第二通気経路541を通過した排気ガスが第二膨張室62の後部領域622に流入する際の抵抗となる。このため、第二通気経路541を通過した排気ガスのエネルギーが減衰し、排気音が低減される。
排気パイプ509の後端部と、触媒収容部材51と、接続パイプ57と、内部通気パイプ53とは、一体に接合される。そして、排気パイプ509が内筒501および外筒502に接合されて支持され、内部通気パイプ53が支持部材54によって支持される。このような構成であると、リーク経路515とマフラーボディ50の内周面(ここでは、第二膨張室の内周面)との距離を大きくできる。したがって、リーク経路515を通じて第二膨張室に流入した高温の排気ガスが、マフラーボディ50の内周面の局所的な部分に直接的に衝突することが防止される。また、触媒収容部材51および第一膨張室形成部材52とは、内筒501に接触しない状態に保持される。したがって、触媒収容部材51および第一膨張室形成部材52の熱が、直接的に内筒501および吸音材503に伝導することが防止される。したがって、内筒501および吸音材503の温度が局所的に高くなることが防止され、吸音材503や内筒501の耐久性の向上を図ることができる。さらに、排気パイプ509の後端部と、触媒収容部材51と、接続パイプ57と、内部通気パイプ53との組立体は、軸線方向の両端部において支持される。このような構成であると、この組立体の振動が抑制され、振動による損傷を防止できるとともに、振動音の発生を防止できる。なお、図4〜図8においては、排気パイプ509の後端部と、触媒収容部材51と、接続パイプ57と、内部通気パイプ53とが、マフラーボディ50に同軸に設けられる構成を示すが、同軸でなくてもよい。
第一バッフルプレート55には、第一バッフルパイプ551が設けられる。第二バッフルプレート56には、第二バッフルパイプ561が設けられる。後壁506には、排出パイプ504が設けられる。第一バッフルパイプ551および第二バッフルパイプ561は、軸線方向に貫通する筒状の構成を有する。排出パイプ504は、中間部において屈曲または湾曲する筒状の構成を有する。排出パイプ504の前部が軸線方向に略平行であり、後部が軸線に対して所定の角度をもって傾斜する。なお、排出パイプ504の後部の軸線は、本消音器5が本自動二輪車1に組み付けられた状態において、略水平になる。そして、第一バッフルパイプ551は、第二膨張室62と第三膨張室63とを、排気ガスが流通可能に連通する。第二バッフルパイプ561は、第三膨張室63と第四膨張室64とを排気ガスが流通可能に連通する。排気パイプ509は、第四膨張室64とマフラーボディ50の外部とを、排気ガスが流通可能に連通する。このような構成によれば、排気ガスは、第一バッフルパイプ551を通じて第二膨張室62から第三膨張室63に流入する。次いで、排気ガスは、第二バッフルパイプ561を通じて第三膨張室63から第四膨張室64に流入する。最後に、排気ガスは、排出パイプ504を通じて第四膨張室64からマフラーボディ50の外部に排出される。
第一バッフルパイプ551と、第二バッフルパイプ561と、排出パイプ504の前部とは同軸ではなく、それぞれの軸線が互いにずれている。具体的には、特に図5に示すように、第一バッフルパイプ551と、第二バッフルパイプ561と、排出パイプ504の前部とは、マフラーボディ50の中心線から半径方向外側にオフセットした位置に設けられる。そして、第一バッフルパイプ551と第二バッフルパイプ561とは、マフラーボディ50の中心線に関して略点対称の位置に設けられる。同様に、第二バッフルパイプ561と排出パイプ504の前部とは、マフラーボディ50の中心線に関して略点対称の位置に設けられる。たとえば、図4と図5に示すように、第一バッフルパイプ551と排出パイプ504の前部とが、マフラーボディ50の中心線よりも上方に設けられ、第二バッフルパイプ561がマフラーボディ50の中心線よりも下方に設けられる。
このような構成によれば、第二膨張室62を通過した排気ガスは、第一バッフルパイプ551を通じて、第三膨張室63の半径方向の一端近傍に流入する。第二バッフルパイプ561は、マフラーボディ50の中心線に関して半径方向の反対側に位置するから、第三膨張室63に流入した排気ガスは、半径方向の一端近傍から他の一端近傍に向かって、第三膨張室63を横断するように流れる。そして、第三膨張室63を通過した排気ガスは、第二バッフルパイプ561を通じて、第四膨張室64に流入する。第二バッフルパイプ561は、マフラーボディ50の中心線に関して第二バッフルパイプ561とは半径方向の反対側に位置するから、第四膨張室64に流入した排気ガスは、半径方向の一端近傍から他の一端近傍に向かって、第四膨張室64を横断するように流れる。そして、第四膨張室64を通過した排気ガスは、排出パイプ504を通じて外部に流出する。このように、第一バッフルパイプ551と、第二バッフルパイプ561と、排出パイプ504の前部とが、半径方向に互いにオフセットして設けられる構成であると、排気ガスの流通経路を長くできる。したがって、本消音器5による消音の効果を高めることができる。
なお、第一バッフルパイプ551と、第二バッフルパイプ561と、排出パイプ504の前部との位置関係は、前記関係に限定されない。要は、第一バッフルパイプ551と第二バッフルパイプ561とが、軸線方向に対して直角な方向にできるだけ離れている構成であればよい。同様に、第二バッフルパイプ561と排出パイプ504の前部とが、軸線方向に対して直角な方向にできるだけ離れている構成であればよい。
次に、本消音器5の内部における排気ガスの流れの態様と、本消音器5の作用について、図8を参照して説明する。図8は、本消音器5の内部における排気ガスの流れの態様を、模式的に示す断面図である。また、図8中の矢印は、排気ガスの流れを模式的に示す。
図8に示すように、エンジンから排出された排気ガスは、排気パイプ509を通じて触媒収容室511に流入する。触媒収容部材51の前部にはダイバージェントコーン513が設けられているため、排気パイプ509から触媒収容室511に流入する排気ガスは、徐々に膨張し、半径方向(=流れの方向に対して直角な方向)の全体に拡散する。そして、排気ガスは、触媒収容室511を通過する間に、触媒512によって浄化される。触媒収容部材51の後部にはコンバージェントコーン514が設けられており、触媒512により浄化された排気ガスは、徐々に圧縮される。また、コンバージェントコーン514には、リーク経路515が形成されているため、触媒512によって浄化された排気ガスの一部が、リーク経路515を通じて第二膨張室62の前部領域621に流入する。
リーク経路515を通じて第二膨張室62の前部領域621に流入した排気ガスは、触媒収容室511に収容される触媒512を、外側から加熱する。このような構成であれば、本自動二輪車1の使用開始時などにおいて、触媒512を早急に加熱することができる。したがって、本自動二輪車1の使用開始後、短時間で、触媒512が所定の浄化作用を発揮できるようになる。そして、使用開始後も、第二膨張室62の前部領域621に流入する排気ガスによって加熱が継続されるから、触媒512の浄化作用が安定して継続する。
さらに、本発明の実施形態によれば、触媒収容部材51の配置位置(特に、半径方向位置)の自由度が高く、リーク経路515と内筒501の内周面との距離を大きくできる。このため、リーク経路515から噴出した高温の排気ガスが内筒501の内周面に衝突することが防止できるから、内筒501および吸音材503の温度が局所的に高くなることを防止できる。したがって、吸音材503や内筒501の耐久性の向上を図ることができる。すなわち、従来のような、排気パイプ509が略U字形状に形成される構成では、触媒収容部材51と排気パイプ509とを内筒501の内部に並列に配設する必要がある。このため、触媒収容部材51に形成されるリーク経路515と内筒501の内周面とが接近する。そうすると、リーク経路515から噴出した高温の排気ガスが、内筒501の内周面の局所的な部分に衝突し、内筒501および吸音材503の局所的な部分が高温になる。したがって、吸音材503や内筒501の耐久性が低下する。これに対して、本発明の実施形態によれば、触媒収容部材51のリーク経路515と内筒501の内周面との距離を大きくすることによって、前記問題の発生を防止できる。したがって、吸音材503や内筒501の耐久性の向上を図ることができる。
また、リーク経路515を通過した排気ガスは、第二膨張室62の前部領域621に流入する際に急激に膨張して圧力が低下する。そしてこの際に、排気ガスが有するエネルギーが減衰し、消音効果が得られる。
リーク経路515から第二膨張室62の前部領域621に流入しなかった排気ガスは、接続パイプ57を通じて第一膨張室61に流入する。第一膨張室61の内径は、排気パイプ509および接続パイプ57の内径よりも大きく形成される。このため、接続パイプ57を通過した排気ガスは、第一膨張室61に流入すると、急激に膨張して圧力が低下する。したがって、排気ガスのエネルギーが減衰して消音効果が得られる。
第一膨張室61を通過した排気ガスは、内部通気パイプ53に流入する。そして、排気ガスは、内部通気パイプ53の内部を後方に向かって流れ、第一通気経路532から第二膨張室62の後部領域622に流入する。内部通気パイプ53の後端は閉鎖されており、第一通気経路532は内部通気パイプ53の側面に形成される。このため、内部通気パイプ53を通過した排気ガスは、第一通気経路532を通過する際に、半径方向外側に向かって流れの方向を変える。そして、第一通気経路532から噴出する態様で、第二膨張室62の後部領域622に流入する。第一通気経路532の内径は、内部通気パイプ53および第二膨張室62の後部領域622の断面積よりも小さい。このため、第一通気経路532は、排気ガスの流通の抵抗となる。したがって、排気ガスが第一通気経路532を通過する際にエネルギーを失うため、消音効果が得られる。さらに、第一通気経路532を通過した排気ガスは、第二膨張室62の後部領域622に流入すると、急激に膨張する。そしてその際に、排気ガスのエネルギーが減衰し、消音効果が得られる。
触媒収容部材51のリーク経路515を通じて第二膨張室62の前部領域621に流入した排気ガスは、支持部材54の第二通気経路541を通じて、第二膨張室62の後部領域622に流入する。この際、排気ガスは、軸線方向に沿って後側に向かって流れる。そして、内部通気パイプ53の第一通気経路532から第二膨張室62の後部領域622に流入した排気ガスと衝突する。このように、第一通気経路532から流出する排気ガスは、第二通気経路541を通過して第二膨張室62の後部領域622に流入する排気ガスの流動の抵抗となる。このため、支持部材54の第二通気経路541を通じて第二膨張室62の後部領域622に流入する排気ガスのエネルギーが減衰し、消音効果が得られる。
また、触媒収容室511と第二膨張室62の後部領域622との間には、触媒収容部材51のリーク経路515と第二膨張室62の前部領域621とを経由する経路と、第一膨張室61と内部通気パイプ53を経由する経路との二つの経路が並列的に形成される。これら二つの経路は、構成および長さが互いに異なるため、一方の経路を経由して第二膨張室62の後部領域622に流入した排気ガスと、他方の経路を経由して第二膨張室62の後部領域622に流入した排気ガスとで、排気音の位相が異なる。このため、これら二つの経路を経由した排気ガスが第二膨張室62の後部領域622に流入して合流すると、排気音が位相差によって打ち消し合う。したがって、消音効果が得られる。
さらに、内部通気パイプ53の後端は蓋部材531によって閉鎖されている。このため、内部通気パイプ53を通過した排気ガスは、第一バッフルプレート55に直接的に衝突しない。したがって、第一バッフルプレート55が振動して振動音を発することを防止できる。このため、振動音の発生を防止しつつ、内部通気パイプ53の後端と第一バッフルプレート55との間の距離を小さくできる。したがって、マフラーボディ50の軸線方向長さの短縮を図ることができる。
第二膨張室62の後部領域622に流入した排気ガスは、第一バッフルプレート55に設けられる第一バッフルパイプ551を通じて、第三膨張室63に流入する。第三膨張室63に流入した排気ガスは、第二バッフルプレート56に設けられる第二バッフルパイプ561を通じて、第四膨張室64に流入する。第一バッフルパイプ551の内径は、第二膨張室62の後部領域622および第三膨張室63の内径よりも小さい。同様に、第二バッフルパイプ561の内径は、第三膨張室63および第四膨張室64の内径よりも小さい。このような構成であると、排気ガスは、第二膨張室62の後部領域622から第一バッフルパイプ551に流入する際に急激に収縮する。次いで、排気ガスは、第一バッフルパイプ551から第三膨張室63に流入する際に急激に膨張する。次いで、排気ガスは、第三膨張室63から第二バッフルパイプ561に流入する際に急激に収縮する。次いで、排気ガスは、第二バッフルパイプ561から第四膨張室64に流入する際に急激に膨張する。最後に、排気ガスは、第四膨張室64から排出パイプ504に流入する際に急激に収縮する。このように、排気ガスは、第二膨張室62の後部領域622、第一バッフルパイプ551、第三膨張室63、第二バッフルパイプ561、第四膨張室64、排出パイプ504の順で通過し、その間に急激な膨張と収縮を繰り返す。したがって、排気ガスが有するエネルギーが減衰して排気音が低減する。そして、第四膨張室64に流入した排気ガスは、排出パイプ504を通過して外部に排出される。
前記のとおり、第一バッフルパイプ551と第二バッフルパイプ561とは、マフラーボディ50の中心線から半径方向外側にオフセットした位置に設けられ、かつマフラーボディ50の中心線を挟んで反対側に位置する。第二バッフルパイプ561と排出パイプ504も同様である。このため、第一バッフルパイプ551を通じて第三膨張室63に流入した排気ガスは、第三膨張室63を半径方向外の一方から他方に向かって横断するように流れ、その後、第二バッフルパイプ561に流入する。同様に、第二バッフルパイプ561を通じて第四膨張室64に流入した排気ガスは、第四膨張室64を半径方向外の一方から他方に向かって横断するように流れ、その後、排出パイプ504を通じてマフラーボディ50の外部に流出する。このような構成によれば、排気ガスの通過経路を長くできる。したがって、本消音器5の消音の効果を高めることができる。
また、本発明の実施形態によれば、第二膨張室62の後部領域622と、第三膨張室63と、第四膨張室64の容積を大きくすることができ、消音の効果の向上を図ることができる。すなわち、従来のような、マフラーボディ50の内部にU字形状の排気パイプを設ける構成であると、マフラーボディ50の内部に形成される膨張室が、U字形状の排気パイプによって圧迫され、容積が減少する。このため、膨張室による消音の効果が減少する。これに対して本発明の実施形態によれば、U字形状の排気パイプが設けられないから、第二膨張室62の後部領域622と、第三膨張室63と、第四膨張室64との内部の容積を大きくすることができる。したがって、消音の効果の向上を図ることができる。さらに、マフラーボディ50の内部にU字形状の排気パイプが設けられないから、マフラーボディ50の外径を小さくすることができる。したがって、消音の効果の向上を図りつつ、消音器の小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、本自動二輪車としてスクータータイプの自動二輪車を示したが、本発明が適用できる自動二輪車の種類は限定されない。たとえば、本発明は、オンロードタイプやオフロードタイプの自動二輪車にも適用できる。さらに、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車や船舶にも適用できる。このように、本発明の消音器は、内燃機関の消音器として、分野を問わずに適用できる。
本発明は、内燃機関の消音器に有効な技術である。
1:本発明の実施形態にかかる自動二輪車、5:消音器、50:マフラーボディ、501:内筒、502:外筒、503:吸音材、504:排出パイプ、505:尾筒、506:後壁、509:排気パイプ、51:触媒室形成部材、511:触媒収容室、512:触媒、513:ダイバージェントコーン、514:コンバージェントコーン、515:リーク経路、52:第一膨張室形成部材、53:内部通気パイプ、531:蓋部材、532:第一通気経路、54:支持部材、541:第二通気経路、55:第一バッフルプレート、551:第一バッフルパイプ、56:第二バッフルプレート、561:第二バッフルパイプ、57:接続パイプ、61:第一膨張室、62:第二膨張室、621:第二膨張室の前部領域、622:第二膨張室の後部領域、63:第三膨張室、64:第四膨張室

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気ガスを浄化するとともに排気音を低減する内燃機関の消音器であって、
    内部に膨張室が形成される筺体と、
    前記筺体の内部に設けられ、前記排気ガスを浄化する触媒が収容される触媒収容室と、
    前記触媒収容室を通過した前記排気ガスの一部を前記膨張室の内部に流出させるリーク経路と、
    前記筺体の内部であって前記触媒収容室の下流に設けられ、前記内燃機関と排気ガスを流通可能に接続される排気パイプよりも内径が大きい筒内膨張室と、
    前記筒内膨張室を通過した前記排気ガスを前記膨張室の内部に流出させる通気パイプと、
    を有し、
    前記通気パイプは、一端が前記筒内膨張室に接続され、他端が前記排気ガスが流通できないように閉鎖されるとともに、
    前記通気パイプの周壁面には前記排気ガスを前記膨張室に流出させる第一の通気経路が形成されることを特徴とする内燃機関の消音器。
  2. 前記通気パイプの前記一端と前記他端との間が、支持部材によって前記筺体に支持されることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の消音器。
  3. 前記膨張室には前記支持部材によって一の領域と他の一の領域が形成され、
    前記支持部材には、前記一の領域と前記他の一の領域とを前記排気ガスが流通可能に連通する第二の通気経路が形成され、
    前記第一の通気経路は、前記通気パイプと前記膨張室の前記一の領域とを前記排気ガスが流通可能に連通し、
    前記第二の通気経路は、前記膨張室の前記他の一の領域と前記一の領域とを前記排気ガスが流通可能に連通し、
    前記リーク経路は、触媒収容室と前記膨張室の前記他の一の領域とを前記排気ガスが流通可能に連通することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の消音器。
  4. 前記触媒収容室と前記膨張室の前記一の領域との間には、
    前記筒内膨張室と前記通気パイプと前記第一の通気経路とを通じて前記排気ガスが流通可能に連通する経路と、
    前記リーク経路と前記膨張室の前記他の一の領域と前記第二の通気経路とを通じて前記排気ガスが流通可能に連通する他の経路と、
    が並列して形成されることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の消音器。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の内燃機関の消音器を備えることを特徴とする自動二輪車。
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