JP2016156084A - 電解めっき装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】めっき浴槽内における電解めっき金属層の析出厚みのバラツキを小さくすることによって、良好な品質の被めっき物を供給できる電解めっき装置を提供することを課題とする。
【解決手段】垂直に立てられた四角平板状の被めっき物Pの外周辺を囲繞するように上辺および下辺ならびに左辺および右辺を有して配置され、被めっき物Pの上端部および下端部をそれぞれ上辺および下辺に電気的に接続して固定する四角枠状の導電性フレーム1と、導電性フレーム1に接続され整流器から電荷の供給を受ける給電部3と、を具備して成る電解めっき装置Aであって、給電部3は、左辺および右辺における上端と下端との中間点に接続されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解めっき装置に関するものである。
電解めっき技術は、例えば配線基板の配線形成用途として広く用いられており、配線基板の絶縁層表面に電解めっき金属層を析出させることで配線が形成される。
ここで、図4に従来の電解めっき装置Bを概略図で示す。電解めっき装置Bは、導電性フレーム11と、導電性ハンガー12と、給電部13と、整流器(不図示)と、アノード電極14と、めっき浴槽15とを備えている。
導電性フレーム11は、図5に示すように、上辺および下辺ならびに右辺および左辺を有する四角枠状をしている。そして、垂直に立てられた四角平板状の被めっき物Pの外周辺を囲繞するように配置される。被めっき物Pの上端部および下端部は、それぞれ導電性フレーム11の上辺および下辺に配設されたクランプ11aにより導電性フレーム11に電気的に接続して固定される。
導電性ハンガー12は、一方の端部が整流器の陰極側と電気的に接続されるとともに、移動装置(不図示)に接続されている。また、他方の端部が導電性フレーム11の上辺に電気的に接続されている。そして、導電性ハンガー12は、電荷の供給を行いながら被めっき物Pを装着した導電性フレーム11を搬送する。
なお、導電性フレーム11と導電性ハンガー12との接続部は、整流器からの電荷を導電性フレーム11に付与する給電部13として機能する。
アノード電極14は、めっき浴槽15の対向する両内壁付近に等間隔で配置されている。
めっき浴槽15は、内部に電解めっき液(不図示)が入れられている。そして、導電性ハンガー12により吊り下げられた導電性フレーム11が、対向するアノード電極14同士の間を、電解めっき液に浸漬された状態で被めっき物Pの主面に沿った水平方向に搬送されることで、被めっき物Pの主面に電解めっき金属層が析出する。
ところで、従来の電解めっき装置Bにおいては、給電部13に近い被めっき物Pの上端部付近では、電荷の供給距離が短く抵抗値が小さいため電荷の供給量が多くなる。一方で、給電部13から遠い被めっき物Pの下端部付近では、電荷の供給距離が長く抵抗値が大きいため電荷の供給量が少なくなっている。このため、被めっき物Pの上端部付近では電解めっき金属層の厚みが厚くなり、被めっき物Pの下端部付近では電解めっき金属層の厚みが薄くなってしまう。その結果、例えば配線基板の絶縁層表面に電解めっき金属層を析出させて配線を形成する場合に、配線基板内における配線厚みのバラツキが大きくなり電気特性に不具合が生じる等、良好な品質の被めっき物を供給することができないという問題がある。
特開2000−355797号公報
本発明の課題は、めっき浴槽内における電解めっき金属層の析出厚みのバラツキを小さくすることによって、良好な品質の被めっき物を供給できる電解めっき装置を提供することにある。
本発明の電解めっき装置は、垂直に立てられた四角平板状の被めっき物の外周辺を囲繞するように上辺および下辺ならびに左辺および右辺を有して配置され、被めっき物の上端部および下端部をそれぞれ上辺および下辺に電気的に接続して固定する四角枠状の導電性フレームと、導電性フレームに接続され整流器から電荷の供給を受ける給電部とを具備して成る電解めっき装置であって、給電部は、左辺および右辺における上端と下端との中間点に接続されていることを特徴とするものである。
本発明の電解めっき装置によれば、整流器から電荷の供給を受ける給電部が、導電性フレームの左辺および右辺における上端と下端との中間点に接続されている。
このようにすることで、給電部から被めっき物の上端部までの電荷の供給距離と、給電部から被めっき物の下端部までの電荷の供給距離との差を縮小して、両供給経路の抵抗値の差を小さくできる。そのため、上端部付近での電荷の供給量と、下端部付近での電荷の供給量との差が小さくなる。
その結果、被めっき物内において電解めっき金属層の析出厚みのバラツキを小さくすることが可能になり、良好な品質の被めっき物を供給できる電解めっき装置を提供することができる。
図1は、本発明の電解めっき装置の実施形態の一例を示す概略斜視図である。 図2は、図1に示す電解めっき装置の要部拡大図である。 図3は、本発明の電解めっき装置の別の実施形態を示す要部拡大図である。 図4は、従来の電解めっき装置の実施形態の一例を示す概略斜視図である。 図5は、図4に示す電解めっき装置の要部拡大図である。
次に、本発明の電解めっき装置の実施形態の一例を図1および図2を基にして詳細に説明する。なお、図1と図2において同一の箇所には、同じ符号を付して説明する。
本例の電解めっき装置Aは、導電性フレーム1と、導電性ハンガー2と、補助フレームFと、給電部3と、整流器(不図示)と、アノード電極4と、めっき浴槽5とを備えている。
導電性フレーム1は、例えばめっき液による腐食に強いステンレス等の良導電性金属同士を接合することで、図2に示すように、上辺および下辺ならびに左辺および右辺を有する四角枠状に形成される。このような導電性フレーム1は、垂直に立てられた四角平板状の被めっき物Pの外周辺を囲繞するように配置される。そして、被めっき物Pの上端部および下端部をそれぞれ導電性フレーム1の上辺および下辺に配設されたクランプ1aにより固定することで両者が電気的に接続される。
導電性ハンガー2は、例えばステンレス等の良導電性金属から成る。導電性ハンガー2は、被めっき物Pが装着された導電性フレーム1をめっき浴槽5内に浸漬するとともに、めっき浴槽5内に浸漬された被めっき物Pを搬送しながら移動するための移動装置(不図示)に接続されている。
また、導電性ハンガー2の一方の端部は、整流器の陰極側と電気的に接続されている。そして、他方の端部は、導電性フレーム1の上辺に樹脂等の絶縁体Zを介して固定されている。これにより固定部においては、導電性フレーム1と導電性ハンガー2とは絶縁されている。
補助フレームFは、例えばステンレス等の良導電性金属から成る。補助フレームFは、導電性フレーム1の左辺および右辺の外側に隣接して配置されており、その一方の端部は、導電ケーブルCを介して導電性ハンガー2に固定されている。また、補助フレームFの他方の端部は、導電性フレーム1の左辺および右辺における上端と下端との中間点にL1=L2となるようにそれぞれ接続されている。この接続部は、整流器からの電荷を導電性フレーム1に付与する給電部3として機能する。
アノード電極4は、例えばチタン板に酸化イリジウム等をコーティングした良導電性の金属から成り、導電性フレーム1の搬送方向に沿って等間隔で並ぶようにめっき浴槽5の対向する両内壁付近に配置される。なお、アノード電極4は、例えば銅から成るボールタイプの金属を、メッシュ状のアノードバッグに複数投入したものであっても構わない。
めっき浴槽5は、例えば塩化ビニルから成る複数の平板同士を接合することで容器状に形成される。めっき浴槽5は、内部に電解めっき液(不図示)が入れられている。そして、導電性ハンガー2により吊り下げられた導電性フレーム1が、対向するアノード電極4同士の間を、電解めっき液に浸漬された状態で被めっき物Pの主面に沿った水平方向に搬送することで、被めっき物Pの主面に電解めっき金属層が析出する。
ところで、本発明の電解めっき装置Aによれば、整流器からの電荷を導電性フレーム1に付与する給電部3が、導電性フレーム1の左辺および右辺における上端と下端との中間点に接続されている。これにより、給電部3から被めっき物Pの上端部までの電荷の供給距離と、給電部3から被めっき物Pの下端部までの電荷の供給距離との差を縮小して、両供給経路の抵抗値の差を小さくできる。そのため、上端部付近での電荷の供給量と、下端部付近での電荷の供給量との差が小さくなる。
その結果、被めっき物P内において電解めっき金属層の析出厚みのバラツキを小さくすることが可能になり、良好な品質の被めっき物Pを供給できる電解めっき装置Aを提供することができる。
また、本発明は上述の実施形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば上述の実施の形態の一例では、導電性フレーム1の左辺および右辺における上端と下端との中間点に給電部3を設けることで、上端部付近での電荷の供給量と、下端部付近での電荷の供給量との差を小さくする例を示したが、図3に示すように、上辺および下辺の両端と左辺および右辺との間を絶縁した上で、導電性フレーム1の左辺の上端と上辺の左半分に配設されたクランプ1a同士の中間点、および導電性フレーム1の右辺の上端と上辺の右半分に配設されたクランプ1a同士の中間点、さらに、導電性フレーム1の左辺の下端と下辺の左半分に配設されたクランプ1a同士の中間点、および導電性フレーム1の右辺の下端と下辺の右半分に配設されたクランプ1a同士の中間点を導電ケーブルC2で電気的に接続しても構わない。
このように接続することで、導電ケーブルC2が上辺および下辺に接続される位置から各クランプ1aまでの電荷供給経路の抵抗値の差が小さくなるため、各クランプ1aに供給される電荷の供給量の差が小さくなる。
その結果、被めっき物P内において電解めっき金属層の析出厚みのバラツキをさらに小さくすることが可能になり、良好な品質の被めっき物Pを供給できる電解めっき装置Aを提供することができる。
1 導電性フレーム
3 給電部
A 電解めっき装置
P 被めっき物

Claims (2)

  1. 垂直に立てられた四角平板状の被めっき物の外周辺を囲繞するように上辺および下辺ならびに左辺および右辺を有して配置され、前記被めっき物の上端部および下端部をそれぞれ前記上辺および下辺に電気的に接続して固定する四角枠状の導電性フレームと、該導電性フレームに接続され整流器から電荷の供給を受ける給電部と、を具備して成る電解めっき装置であって、前記給電部は、前記左辺および右辺における上端と下端との中間点に接続されていることを特徴とする電解めっき装置。
  2. 前記上辺の左端部と前記左辺との間、および前記上辺の右端部と前記右辺との間、ならびに前記下辺の左端部と前記左辺との間、および前記下辺の右端部と前記右辺との間が絶縁されているとともに、前記上辺および下辺に前記被めっき物を取着するとともに該被めっき物と前記上辺および下辺とを電気的に接続するためのクランプが、前記上辺および下辺にそれぞれ3個以上ずつ、間に所定間隔のクランプ非形成領域を挟んで配設されており、
    前記上辺における前記クランプ非形成領域のひとつと前記左辺の上部との間、および前記上辺の前記クランプ非形成領域の別のひとつと前記右辺の上部との間、ならびに前記下辺の前記クランプ非形成領域のひとつと前記左辺の下部との間、および前記下辺の前記クランプ非形成領域の別のひとつと前記右辺の下部との間が、それぞれ導体を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の電解めっき装置。
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