JP2016155948A - セルロースエステル樹脂用改質剤、セルロースエステル樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置 - Google Patents

セルロースエステル樹脂用改質剤、セルロースエステル樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐透湿性に優れる光学フィルムが得られるセルロースエステル樹脂用改質剤、該改質剤を含有するセルロースエステル樹脂組成物、該樹脂組成物からなる光学フィルム及び該光学フィルムを用いた液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 下記式(1)
【化1】
Figure 2016155948

(式中Gは、炭素原子数2〜10の多価アルコールの残基である。Aは芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸残基である。nは2〜6の整数である。)
で表されることを特徴とするセルロースエステル樹脂用改質剤、セルロースエステル樹脂と該改質剤を含有する樹脂組成物、該樹脂組成物を含有する光学フィルム及び該光学フィルムを有する液晶表示装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は耐透湿性に優れる光学フィルムが得られるセルロースエステル樹脂用改質剤に関する。また、該改質剤を含むセルロースエステル樹脂組成物、該組成物を用いて得られる光学フィルム及び該光学フィルムを有する液晶表示装置に関する。
セルロースエステル樹脂(CA)フィルムは透明性、光学的等方性、強靭性であり、液晶表示装置の偏光子の材料であるポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略記する。)との接着性が良好なことから、テレビ、ノートパソコン等の液晶表示装置の偏光板を構成する偏光板保護フィルム等の光学フィルムとして用いられている。
一般に液晶表示装置の偏光板は、PVAフィルムに二色性分子を配向させた偏光板の両側にセルロースエステルからなる偏光板保護フィルムを貼付した構造を有する。セルロースエステルからなる偏光板保護フィルムは湿度を通しやすく(耐透湿性に劣る、即ち、透湿度が高い)、外部からの湿気を偏光板内部へ取り込みやすい。この湿気によりセルロースエステルからなる偏光板保護フィルムを貼付した偏光板は偏光子が劣化しやすい欠点があった。
セルロースエステル樹脂フィルムの透湿度を低下させる為に、従来、トリフェニルホスフェート等の燐酸エステル系化合物を添加したセルロースエステル樹脂組成物を用いて光学フィルムを得ていた。しかしながら、近年、液晶表示装置の薄型化に伴い、従来は膜厚80μmであったものが10〜50μmと、偏光板保護フィルムの薄膜化も進んでおり、前記燐酸エステル系化合物では耐透湿性を付与することが十分にできなくなってきている。耐透湿性を向上させる為に、前記燐酸エステル系化合物のセルロースエステル樹脂への添加量を多くした場合、フィルムの耐熱性の低下や燐酸エステル系化合物のフィルム表面へのしみ出し(ブリード)といった問題が発生してしまう。
同量の添加量で比較した場合に、透湿度をより低くできる改質剤であれば、フィルムの耐熱性の低下やブリードの問題を発生させずに、薄膜化に対応した充分な耐透湿性を付与することが出来る。よって、同量の添加量で透湿度をより低くできる改質剤が切望されている。
良好な耐透湿性をセルロースエステル樹脂フィルムに付与できる改質剤として、例えば、2〜5個の炭素原子を有するグリコールと、8〜12個の炭素原子を有する芳香族系(無水)ジカルボン酸またはそのエステル化物と、5〜11個の炭素原子を有する芳香族系モノカルボン酸とを反応させて得られ、数平均分子量が300〜5,000であるエステル化合物からなるセルロースエステル樹脂用改質剤が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記特許文献1に開示された改質剤でも、フィルムの薄膜化に対応して充分に低い透湿度を発現することは困難である。
また、使用環境の湿度の変化に対して、Re、Rth等の位相差の変動が小さい光学フィルムを得るために、セルロースエステル樹脂にヒドロキシ安息香酸等の芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族カルボン酸化合物を添加する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、前記特許文献2に開示された化合物では、薄膜化に対応した充分な耐透湿性を付与することはできない。
加えて、セルロースエステル樹脂フィルムを得る際に、セルロースエステル樹脂と、ヒドロキシ安息香酸等の芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族カルボン酸化合物と2−エチルヘキサノールやイソデカノール等のアルコールとのエステル化合物を含有する可塑剤とを含有する組成物を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3に記載された技術は偏光板保護フィルムの鹸化処理時に鹸化液への溶出物を抑制し、該溶出物や異物等による偏光板製造時の故障を低減することを課題として開示されたものであり、フィルムに耐透湿性を付与する事を目的としていない。仮に、特許文献3において開示された可塑剤を用いても、薄膜化に対応した充分な耐透湿性を付与することはできない。
特開2006−282987号公報 特開2011−227508号公報 特開2010−271620号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られるセルロースエステル樹脂用改質剤を提供することである。また、前記改質剤を含有するセルロースエステル樹脂組成物、該樹脂組成物からなる光学フィルム及びこの光学フィルムを用いた液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究した結果、炭素原子数2〜10の多価アルコールを用い、また、モノカルボン酸として、芳香環上に水酸基を有する芳香族モノカルボン酸とを反応させて得られるエステル化合物をセルロースエステル樹脂の改質剤として用いることにより耐透湿性に優れる光学フィルムが得られること等を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記式(1)
Figure 2016155948
(式中Gは、炭素原子数2〜10の多価アルコールの残基である。Aは芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸残基である。nは2〜6の整数である。)
で表されることを特徴とするセルロースエステル樹脂用改質剤を提供するものである。
また、本発明は、前記セルロースエステル樹脂用改質剤とセルロースエステル樹脂とを含有することを特徴とするセルロースエステル樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記セルロースエステル樹脂組成物を含有することを特徴とする光学フィルムを提供するものである。
更に、本発明は、前記光学フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
本発明によれば、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られるセルロースエステル樹脂用改質剤を提供することができる。本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤を用いて得られる光学フィルムは偏光板保護フィルムや位相差フィルムとして好適に使用することができる。
また、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤を用いて得られる位相差フィルムは、環境の湿度に依存してRth(厚み方向の位相差)の値の変化が少ない効果も期待できる。よって、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤を用いることで、色味や視野角が環境の湿度による影響を受けにくい液晶表示装置を提供することができる。
本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤は、下記式(1)
Figure 2016155948
(式中Gは、炭素原子数2〜10の多価アルコールの残基である。Aは芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸残基である。nは2〜6の整数である。)
で表されることを特徴とする。
前記「多価アルコールの残基」とは、多価アルコールが有する水酸基を除いた有機基を表す。また、「芳香族モノカルボン酸残基」とは、芳香族モノカルボン酸が有するカルボキシル基を除いた有機基を表す。また、後述する「鎖状」とは、環を含まないことを表し、鎖状の中には、直鎖状と分岐状が含まれる。
前記Gは、炭素原子数2〜10の多価アルコールの残基である。炭素原子数2〜10の多価アルコールの残基としては、例えば、炭素原子数2〜10の脂肪族多価アルコールの残基や、炭素原子数2〜10の芳香族多価アルコールの残基等が挙げられる。
前記炭素原子数2〜10の脂肪族多価アルコールの残基としては、例えば、炭素原子数2〜10の鎖状の脂肪族多価アルコールの残基や炭素原子数2〜10の環式脂肪族多価アルコールの残基等が挙げられる。前記炭素原子数2〜10の鎖状の脂肪族多価アルコールの残基としては、例えば、エチレングリコールの残基、プロピレングリコールの残基、1,3−プロパンジオールの残基、2−メチル−1,3−プロパンジオールの残基、1,2−ブタンジオールの残基、1,3−ブタンジオールの残基、1,4−ブタンジオールの残基、2,3−ブタンジオールの残基、1,5−ペンタンジオールの残基、3−メチル−1,5−ペンタンジオールの残基、1,6−ヘキサンジオールの残基、1,7−ヘプタンジオールの残基、1,8−オクタンジオールの残基、1,9−ノナンジオールの残基、1,10−デカンジオールの残基等の2価の脂肪族アルコールの残基;グリセリンの残基、1,2,3−ブタントリオールの残基、1,2,4−ブタントリオールの残基、1,2,3−ヘプタトリオールの残基、1,2,4−ヘプタトリオールの残基、1,2,5−ヘプタトリオールの残基、2,3,4−ヘプタトリオールの残基、トリメチロールプロパンの残基等の3価の脂肪族アルコールの残基;ペンタエリトリトールの残基、エリトリトールの残基等の4価の脂肪族アルコールの残基;キシリトールの残基等の5価の脂肪族アルコールの残基;ソルビトールの残基等の6価の脂肪族アルコールの残基等が挙げられる。
前記炭素原子数2〜10の環式脂肪族多価アルコールの残基としては、例えば、シクロペンタンジオールの残基、シクロペンタンジメタノールの残基、シクロヘキサンジオールの残基、シクロヘキサンジメタノールの残基、シクロヘプタンジオールの残基、シクロヘプタンジメタノールの残基等が挙げられる。
本発明において、前記「脂肪族多価アルコールの残基」には、脂肪族構造中にエーテル基(−O−)を有する構造を含む。この場合、炭素原子数は、エーテル基を介して存在する脂肪族基の合計の炭素原子数を言う。脂肪族構造中にエーテル基(−O−)を有する構造を含む残基としては、例えば、ジエチレングリコールの残基、トリエチレングリコールの残基、ジプロピレングリコールの残基、トリプロピレングリコールの残基、ジペンタエリトリトールの残基等が挙げられる。
前記炭素原子数2〜10の芳香族多価アルコールの残基としては、例えば、1,2−ベンゼンジメタノールの残基、1,3−ベンゼンジメタノールの残基、1,4−ベンゼンジメタノールの残基等が挙げられる。
前記Gの中でも、炭素原子数2〜8の鎖状の脂肪族多価アルコールの残基が、フィルムに優れた耐透湿性、耐水性を付与できることから好ましく、炭素原子数2〜6の直鎖状の脂肪族多価アルコールの残基または炭素原子数2〜6の分岐状の脂肪族多価アルコールの残基がより好ましく、エチレングリコールの残基、プロピレングリコールの残基、1,3−プロパンジオールの残基、2−メチル−1,3−プロパンジオールの残基または3−メチル−1,5−ペンタンジオールの残基が更に好ましい。
前記nは、2〜6の整数である。nは、優れた耐透湿性、耐水性をフィルムに付与できることから2〜3の整数が好ましい。ここで、nは後述する炭素原子数2〜10の多価アルコールの価数に相当する。
前記Aは芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸残基である。芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸残基としては、例えば、モノヒドロキシ安息香酸の残基、ジヒドロキシ安息香酸の残基、トリヒドロキシ安息香酸の残基、モノヒドロキシナフタレンカルボン酸の残基等が挙げられる。
前記モノヒドロキシ安息香酸の残基としては、例えば、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)の残基、3−ヒドロキシ安息香酸の残基、4−ヒドロキシ安息香酸(パラヒドロキシ安息香酸)の残基、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸の残基等のモノヒドロキシ安息香酸の残基等が挙げられる。
前記ジヒドロキシ安息香酸の残基としては、例えば、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2−ピロカテク酸)の残基、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(β−レゾルシン酸)の残基、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(ゲンチジン酸)の残基、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(γ−レゾルシン酸)の残基、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(プロトカテク酸)の残基、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(α−レゾルシン酸)の残基等が挙げられる。
前記トリヒドロキシ安息香酸の残基としては、例えば、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸の残基、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸の残基等のトリヒドロキシ安息香酸の残基等が挙げられる。
前記モノヒドロキシナフタレンカルボン酸の残基としては、例えば、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸の残基、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の残基、3−ヒドロキシー2−ナフトエ酸の残基、6−ヒドロキシー2−ナフトエ酸の残基等が挙げられる。
前記Aの中でも、芳香環上の水素原子の一つが水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸の残基(モノヒドロキシ安息香酸の残基)が優れた耐透湿性、耐水性をフィルムに付与できることから好ましく、4−ヒドロキシ安息香酸(パラヒドロキシ安息香酸)の残基がより好ましい。
本発明において、一般式(1)中のnは2〜6の整数である。nで表される整数により一般式(1)中の「−OCO−A」の数が変化する。一般式(1)中に複数個存在する「−OCO−A」中の「−A」は同一であっても良いし、異なっていても良い。また、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤は、一般式(1)で表される化合物の他に、他の化合物、具体的には、一般式(1)において、多価アルコールの水酸基の一部が残存している化合物等の化合物を本発明の効果を損なわない範囲で含んでいても良い。
本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤は、例えば、水酸基の価数が2〜6の炭素原子数2〜10の多価アルコール(g)と、芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸(a)とを反応させることにより得ることが出来る。
前記多価アルコール(g)としては、炭素原子数2〜10の脂肪族多価アルコールや、炭素原子数2〜10の芳香族多価アルコール等が挙げられる。前記炭素原子数2〜10の脂肪族多価アルコールとしては、例えば、炭素原子数2〜10の鎖状の脂肪族多価アルコールや炭素原子数2〜10の環式脂肪族多価アルコール等が挙げられる。
前記炭素原子数2〜10の脂肪族多価アルコールとしては、炭素原子数2〜10の鎖状の脂肪族多価アルコールや炭素原子数2〜10の環式脂肪族多価アルコール等が挙げられる。前記炭素原子数2〜10の鎖状の脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の2価の脂肪族アルコール;グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ヘプタトリオール、1,2,4−ヘプタトリオール、1,2,5−ヘプタトリオール、2,3,4−ヘプタトリオール、トリメチロールプロパン等の3価の脂肪族アルコール;ペンタエリスリトール、エリトリトール等の4価の脂肪族アルコール;キシリトール等の5価の脂肪族アルコール;ソルビトール等の6価の脂肪族アルコール等が挙げられる。前記脂肪族多価アルコール(g)は1種類を用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
炭素原子数2〜10の環式脂肪族多価アルコールとしては、例えば、シクロペンタンジオール、シクロペンタンジメタノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘプタンジオール、シクロヘプタンジメタノール等が挙げられる。
本発明において、脂肪族多価アルコール(g)として、脂肪族構造中にエーテル基(−O−)を有する多価アルコールも使用する事ができる。このようなアルコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジペンタエリトリトール等が挙げられる。
前記炭素原子数2〜10の芳香族多価アルコールとしては、例えば、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール等が挙げられる。
前記多価アルコール(g)の中でも、炭素原子数2〜8の鎖状の脂肪族多価アルコールが、フィルムに優れた耐透湿性、耐水性を付与できることから好ましく、炭素原子数2〜6の直鎖状の脂肪族多価アルコールまたは炭素原子数2〜6の分岐状の脂肪族多価アルコールがより好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは3−メチル−1,5−ペンタンジオールが更に好ましい。
前記芳香族モノカルボン酸(a)としては、例えば、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸(パラヒドロキシ安息香酸)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸等のモノヒドロキシ安息香酸;2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2−ピロカテク酸)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(β−レゾルシン酸)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(ゲンチジン酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(γ−レゾルシン酸)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(プロトカテク酸)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(α−レゾルシン酸)等のジヒドロキシ安息香酸;3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸等のトリヒドロキシ安息香酸;2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシー2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシー2−ナフトエ酸等のモノヒドロキシナフタレンカルボン酸等が挙げられる。
前記芳香族モノカルボン酸(a)の中でも、芳香環上の水素原子の一つが水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸(モノヒドロキシ安息香酸)が、フィルムに優れた耐透湿性、耐水性を与えることから好ましく、4−ヒドロキシ安息香酸がより好ましい。
本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤は、例えば、前記多価アルコール(g)と芳香族モノカルボン酸(a)とを、必要に応じてエステル化触媒の存在下で、例えば、100〜250℃の温度範囲内で2〜25時間、エステル化反応させることにより製造することができる。尚、エステル化反応の温度、時間などの条件は特に限定せず、適宜設定してよい。
前記エステル化触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒;ジブチル錫オキサイド等のスズ系触媒;p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸系触媒などが挙げられる。
前記エステル化触媒の使用量は、適宜設定すればよいが、通常、原料の全量100質量部に対して、0.001〜0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤を得る際には、本発明の効果を損なわない範囲で前記芳香族モノカルボン酸(a)以外のカルボン酸や多価アルコール(g)以外のアルコールを使用しても良い。
前記芳香族モノカルボン酸(a)以外のカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、水酸基を有さない芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、フマル酸等やこれらの脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、酸塩化物等が挙げられる。
前記脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキシル酸、ノナン酸等や、これらの脂肪族モノカルボン酸のメチルエステル、酸塩化物及び酸無水物等が挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸やこれらの芳香族ジカルボン酸のメチルエステル、酸塩化物及び酸無水物等が挙げられる。
前記水酸基を有さない芳香族モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、テトラメチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、クミン酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、ナフトエ酸、ニコチン酸、フロ酸、アニス酸等やこれらの芳香族モノカルボン酸のメチルエステル、酸塩化物及び酸無水物等が挙げられる。
前記多価アルコール(g)以外のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、イソノニルアルコール、1−ノニルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコール、乳酸メチル、乳酸エチル等のモノアルコール;水添ビスフェノールA、ダイマージオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール等が挙げられる。
上記の前記芳香族モノカルボン酸(a)以外のカルボン酸や多価アルコール(g)以外のアルコールの使用量は、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤の原料100質量部中、合計で0〜50質量部が好ましく、0〜30質量部がより好ましい。
本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤の数平均分子量(Mn)は、フィルムに優れた耐透湿性、耐水性を与えることから200〜1000の範囲が好ましく、250〜700の範囲がより好ましい。
ここで、数平均分子量(Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製高速GPC装置「HLC−8320GPC」
カラム:東ソー株式会社製「TSK GURDCOLUMN SuperHZ−L」+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZM−M」+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZM−M」+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZ−2000」+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZ−2000」
検出器:RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「EcoSEC Data Analysis バージョン1.07」
カラム温度:40℃
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.35mL/分
測定試料:試料15mgを10mlのテトラヒドロフランに溶解し、得られた溶液をマイクロフィルターでろ過したものを測定試料とした。
試料注入量:20μl
標準試料:前記「HLC−8320GPC」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−300」
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤の性状は、前記数平均分子量(Mn)や組成などにより異なるが、通常、常温にて液体、固体、ペースト状などである。
本発明のセルロースエステル樹脂組成物は、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤とセルロースエステル樹脂とを含有することを特徴とする。
前記セルロースエステル樹脂は、綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等から得られるセルロースの有する水酸基の一部、又は全部がエステル化されたものである。これらの中でも、綿花リンターから得られるセルロースをエステル化して得られるセルロースエステル樹脂を使用して得られるフィルムは、フィルムの製造装置を構成する金属支持体から剥離しやすく、フィルムの生産効率を向上させることが可能となるため好ましい。
前記セルロースエステル樹脂の具体例としては、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロース等のセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート、セルロースアセテートフタレート及び硝酸セルロース等が挙げられる。これらのセルロースエステル樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。本発明のセルロースエステル樹脂組成物からなるフィルムを光学フィルム、特に偏光板保護フィルムとして使用する場合には、セルロースアセテートを使用することが、機械的物性及び透明性に優れたフィルムを得ることができるため好ましい。
前記セルロースアセテートとしては、平均酢化度(結合酢酸量)が50.0〜62.5質量%の範囲のものであると、得られるセルロースエステル樹脂組成物からなる光学フィルムは機械的物性及び透明性に優れたフィルムとなるため好ましい。
また、光学フィルムの耐透湿性を向上させるためには、セルロースアセテートの平均酢化度が54〜61.5質量%の範囲であることが好ましい。平均酢化度がより高いトリアセチルセルロースを用いることで、耐透湿性に優れるセルロースエステル樹脂フィルムを得ることが出来る。また、光学フィルムを高い位相差値に調整するためには、セルロースアセテートの平均酢化度が50.0〜58質量%の範囲であることが好ましい。
なお、平均酢化度は、セルロースアセテートの質量を基準として、該セルロースアセテートをケン化することによって生成する酢酸の質量割合である。
前記セルロースエステル樹脂は、数平均分子量が30,000〜300,000の範囲のものであると、フィルムの機械的物性を向上することができるため好ましい。また、より高い機械的物性が必要な場合は、50,000〜200,000の範囲のものを用いるとより好ましい。
本発明のセルロースエステル樹脂組成物中のセルロースエステル樹脂用改質剤の含有量としては、セルロースエステル樹脂100質量部に対して、0.5〜50質量部の範囲が好ましく、0.5〜30質量部の範囲がより好ましく、5〜15質量部の範囲がより好ましい。前記セルロースエステル樹脂用改質剤をかかる範囲で用いるならば、耐透湿性に優れ、しかも、透明性に優れ光学用途に好適に使用できるフィルムが得られる組成物となる。
本発明の光学フィルムは、本発明のセルロースエステル樹脂組成物を含有するフィルムである。本発明のセルロースエステルフィルムの膜厚は使用される用途により異なるが、一般に10〜200μmの範囲が好ましい。
本発明の光学フィルムは、光学異方性あるいは光学等方性等の特性を有していてもよいが、前記光学フィルムを偏光板用保護フィルムに使用する場合には、光の透過を阻害しない光学等方性のフィルムを使用することが好ましい。
本発明の光学フィルムは、種々の用途で用いることができる。最も有効な用途としては、例えば、液晶表示装置の光学等方性を必要とする偏光板用保護フィルムがあるが、光学補償機能を必要とする偏光板用保護フィルムの支持体にも使用することができる。
本発明の光学フィルムは、種々の表示モードの液晶セルに用いることができる。例えばIPS(In−Plane Switching)、TN(Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、OCB(Optically Compensatory Bend)等が例示できる。
本発明の光学フィルムは、例えば、溶融押出法により製造することができる。具体的には、前記セルロースエステル樹脂、セルロースエステル樹脂用改質剤、及び必要に応じてその他の各種添加剤等を含有してなるセルロースエステル樹脂組成物を、例えば、押出機等で溶融混練し、Tダイ等を用いてフィルム状に成形することにより得ることができる。
また、本発明の光学フィルムは、前記成形方法の他に、例えば、前記セルロースエステル樹脂と前記セルロースエステル樹脂用改質剤とを有機溶剤中溶解して得られた樹脂溶液を、金属支持体上に流延させ、次いで、前記有機溶剤を留去し乾燥させる、いわゆる溶液流延法(ソルベントキャスト法)で成形することによって得ることができる。
前記溶液流延法によれば、表面に凹凸が形成されにくく、表面平滑性に優れるフィルムが得られる。その為、該溶液流延法により得られるフィルムは光学用途に好ましく用いることが出来、特に偏光板用保護フィルム用途として好ましく使用できる。
前記溶液流延法は、一般に、前記セルロースエステル樹脂と前記セルロースエステル樹脂用改質剤とを有機溶剤中に溶解させ、得られた樹脂溶液を金属支持体上に流延させる第1工程と、流延させた前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤を留去し乾燥させてフィルムを形成する第2工程、それに続く、金属支持体上に形成されたフィルムを金属支持体から剥離し加熱乾燥させる第3工程からなる。
前記第1工程で使用する金属支持体としては、無端ベルト状又はドラム状の金属製のものなどを例示でき、例えば、ステンレス製でその表面が鏡面仕上げの施されたものを使用することができる。
前記金属支持体上に樹脂溶液を流延させる際には、得られるフィルムに異物が混入することを防止するために、フィルターで濾過した樹脂溶液を使用することが好ましい。
前記第2工程の乾燥方法としては、特に限定しないが、例えば30〜50℃の温度範囲の風を前記金属支持体の上面及び/又は下面に当てることで、流延した前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤の50〜80質量%を蒸発させ、前記金属支持体上にフィルムを形成させる方法が挙げられる。
次いで、前記第3工程は、前記第2工程で形成されたフィルムを金属支持体上から剥離し、前記第2工程よりも高い温度条件下で加熱乾燥させる工程である。前記加熱乾燥方法としては、例えば100〜160℃の温度条件にて段階的に温度を上昇させる方法が、良好な寸法安定性を得ることができるため、好ましい。前記温度条件にて加熱乾燥することにより、前記第2工程後のフィルム中に残存する有機溶剤をほぼ完全に除去することができる。
尚、前記第1工程〜第3工程で、有機溶媒は回収し再使用することも可能である。
前記セルロースエステル樹脂と前記セルロースエステル樹脂用改質剤を有機溶剤に混合させ溶解する際に使用できる有機溶剤としては、それらを溶解可能なものであれば特に限定しないが、例えばセルロースエステル樹脂としてセルロースアセテートを使用する場合は、良溶媒として、例えばメチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類を使用することが好ましい。
また、前記良溶媒と共に、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等の貧溶媒を併用することが、フィルムの生産効率を向上させるうえで好ましい。
前記良溶媒と貧溶媒との混合割合は、質量比で良溶媒/貧溶媒=75/25〜95/5の範囲が好ましい。
前記樹脂溶液中のセルロースエステル樹脂の濃度は、10〜50質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。
前記溶液流延法において、第3工程で加熱乾燥させたフィルムを得た後、更にこのフィルムを加熱延伸する第4工程を設けることができる。
第4工程では、第1工程〜第3工程により本発明のセルロースエステル樹脂組成物を用いて製膜後、得られたフィルムを加熱延伸する。延伸操作は多段階に分割して実施してもよく、流延方向、幅手方向に二軸延伸を実施しても良い。また、二軸延伸を行う場合には、同時二軸延伸を行ってもよいし、段階的に実施してもよい。この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。
また、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方向については張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時二軸延伸の好ましい延伸倍率は、例えば、幅方向に×1.05〜×1.5倍で長手方向(流延方向)に×0.8〜×1.3倍であり、特に幅方向に×1.1〜×2.5倍、長手方向に×0.8〜×0.99倍とすることが好ましい。特に好ましくは幅方向に×1.1〜×2.0倍、長手方向に×0.9〜×0.99倍である。
前記必要に応じて添加する事ができるその他の各種添加剤としては、例えば、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤以外の改質剤、熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤、マット剤、染料等が挙げられる。
前記必要に応じて添加する事ができるその他の各種添加剤としては、例えば、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤以外の改質剤が挙げられる。本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤以外の改質剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル;トリメチロールプロパントリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラアセテート、アセチルクエン酸トリブチル等の多価アルコールのエステル化合物;末端が酢酸等の脂肪族モノカルボン酸で封止されたポリエステル化合物、末端が安息香酸等の芳香族モノカルボン酸で封止されたポリエステル化合物、末端が水酸基となっているポリエステルポリオール等のポリエステル化合物;スクロースオクタアセテート、スクロースベンゾエート等のフラノース構造もしくはピラノース構造を有する糖エステル化合物;バルビツール酸構造を有する化合物;イミダゾール、トリアゾール、ピラゾール等の5員の芳香族複素環と6員の芳香族炭化水素環とが連結された構造を有する化合物等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエステルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、トルエンスルホンアミド樹脂等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、特に限定しないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。前記紫外線吸収剤は、前記セルロースエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜2質量部の範囲が好ましい。
前記マット剤としては、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク等が挙げられる。前記マット剤は、前記セルロースエステル樹脂100質量部に対して、0.1〜0.3質量部の範囲が好ましい。
前記染料としては、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、種類や配合量など特に限定しない。
本発明の光学フィルムの膜厚は、5〜120μmの範囲が好ましく、8〜100μmの範囲がより好ましく、10〜80μmの範囲が特に好ましい。前記光学フィルムを偏光板用保護フィルムとして用いる場合には、膜厚が10〜80μmの範囲であれば、液晶表示装置の薄型化を図る際に好適であり、且つ充分なフィルム強度、Rth安定性、耐透湿性などの優れた性能を維持することができる。
本発明の光学フィルムは、耐透湿性が良好なことから、偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、反射板、視野角向上フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルム、カラーフィルター等の液晶表示装置の部材として好適に使用する事ができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に具体的に説明する。例中の部及び%は断りがない限り質量基準である。
実施例1(セルロースエステル樹脂用改質剤)
温度計、撹拌器及び水分離器を備えた1リットルの四つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸138g、エチレングリコール39g、溶媒としてキシレン200g、触媒としてp−トルエンスルホン酸・1水和物1.9gを加えた。キシレンとの共沸脱水条件下にエステル化反応を行う為に、140℃まで1.5時間かけて昇温し、140℃で3時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、析出した内容物を濾過して、固体を得た。得られた固体にイオン交換水500gを加え、30分撹拌した後、濾過して、120℃で4時間乾燥した。このときの得られた固体にメタノール300gを加え、15分撹拌した後、未溶解分を濾過して、120℃で1時間乾燥させることで本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(1)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(1)は常温では固体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は390、重量平均分子量は393であった。
実施例2(同上)
温度計、撹拌器及び水分離器を備えた1リットルの四つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸138g、プロピレングリコール47.9g、溶媒としてキシレン200g、触媒としてp−トルエンスルホン酸・1水和物1.9gを加えた。キシレンとの共沸脱水条件下にエステル化反応を行う為に、140℃まで1時間かけて昇温し、140℃で3時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、酢酸エチル200gを加え、30分撹拌した。均一の溶液とした後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100gを加え、室温で30分撹拌後、静置した。上層の有機層を分液漏斗に移し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50gで2回、飽和食塩水で2回洗浄した。得られた有機層に燐酸を加えpH7に調整した。有機層を無水硫酸ナトリウム20gを用いて乾燥し、40℃で減圧し溶剤を除去し、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(2)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(2)は常温では高粘度液体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は470、重量平均分子量は500であった。
実施例3(同上)
温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた0.5リットルの四つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸234.8g、プロピレングリコール71.1g、触媒としてテトライソプロピルチタネート 0.018gを加えた。窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温して、合計20時間反応させた。反応後、180℃で未反応のプロピレングリコールを減圧除去し、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(3)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(3)は常温では固体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は640、重量平均分子量は830であった。
実施例4(同上)
温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた0.5リットルの四つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸221.0質量部、1,3−プロパンジオール48.7質量部を加えた。窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温して、合計12時間反応させた。反応後、180℃で未反応の1,3−プロパンジオールを減圧除去し、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(4)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(4)は常温では固体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は440、重量平均分子量は470であった。
実施例5(同上)
温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた0.5リットルの四つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸221.0g、2−メチル−1,3−プロパンジオール46.7gを加えた。窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温して、合計12.5時間反応させた。反応後、180℃で未反応の2−メチル−1,3−プロパンジオールを減圧除去し、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(5)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(5)は常温では固体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は460、重量平均分子量は490であった。
実施例6(同上)
温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた0.5リットルの四つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸221g、2−メチル−1,3−プロパンジオール93.4gを加えた。窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温して、合計9時間反応させた。反応後、180℃で未反応の2−メチル−1,3−プロパンジオールを減圧除去し、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(6)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(6)は常温では高粘度液体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は440、重量平均分子量は480であった。
実施例7(同上)
温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた0.5リットルの四つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸221g、3−メチル‐1,5−ペンタンジオール75.6gを加えた。窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温して、合計12.5時間反応させた。反応後、180℃で未反応の3−メチル−1,5−ペンタンジオールを減圧除去し、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(7)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(7)は常温では高粘度液体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は440、重量平均分子量は450であった。
実施例8(同上)
温度計、撹拌器及び水分離器を備えた0.3リットルの四つ口フラスコに、サリチル酸243g、エチレングリコール25g、触媒としてp−トルエンスルホン酸・1水和物3.3gを加えた。エステル化反応を行う為に、140℃まで1時間かけて昇温し、140℃で3時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100gを加えた後、析出した淡赤色の固形分を濾別した。得られた固形分に対して、メタノール100gを加えて溶解し、イオン交換水200gを加えて白色の固形分を析出させた。トルエン100gを加えて白濁溶液とし、濾過することで、淡黄色であるトルエン溶液を得た。トルエン溶液を無水硫酸ナトリウム20gを用いて乾燥し、40℃で減圧し、トルエンを除去し、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(8)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(8)は常温では固体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は286、重量平均分子量は288であった。
実施例9(同上)
温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた0.5リットルの四つ口フラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸236.0質量部、2−メチル−1,3−プロパンジオール145.3質量部、コハク酸31.9質量部、テレフタル酸44.9質量部、触媒としてテトライソプロピルチタネート 0.027gを加えた。窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温して、合計17時間反応させた。反応後、200℃で未反応の2−メチル−1,3−プロパンジオールを減圧除去し、本発明のセルロースエステル樹脂用改質剤(9)を得た。セルロースエステル樹脂用改質剤(9)は常温では固体であった。GPCによる分析の結果、数平均分子量は610、重量平均分子量は810であった。
実施例10(セルロースエステル樹脂組成物)
トリアセチルセルロース(製品名LT−35、酢化度61%、ダイセル化学工業製)100部、セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部に対し、メチレンクロライド810部及びメタノール135部を加えて溶解し、ドープ液を得た。ドープ液をガラス板上に厚み約0.8mmとなるように流延し、室温で一晩放置後、50℃で30分、120℃で30分乾燥し、膜厚60μmのセルロースエステルフィルム(1−1)を得た。
得られたセルロースエステルフィルム(1−1)の透湿性、厚さ方向のレタデーション値(Rth値)、HAZE値及び耐水性を下記方法に従って評価した。評価結果を第1表に示す。
<透湿性の評価方法>
JIS Z 0208に記載の方法に従い、測定した。測定条件は、温度40℃、相対湿度90%で行なった。得られる値が小さい程、耐透湿性に優れることを表す。
<Rth値の評価方法>
位相差測定装置KOBRA−WR(王子計測機器株式会社製)を用いて平行ニコル回転法により、フィルムの厚さ方向のレターデーション値(Rth値)を測定した。なお、フィルムは23℃、55%RHで1時間以上放置したものを測定に使用した。
<HAZE値の測定方法>
HAZE値の測定は、濁度計(日本電色工業株式会社製「NDH 5000」)を用いて、JIS K 7105に準じて測定した。
<耐水性の評価方法>
耐水性は環境の湿度によって変化するRth値の割合で評価した。前記<Rth値の評価方法>にてRthを測定したのち、セルロースエステルフィルム(1−1)を23℃のイオン交換水に12時間以上浸漬した。イオン交換水から取り出し後、直ぐに水気をふき取り、Rth値を測定した。測定は23℃、55%RHの環境に設置されている前記KOBRA−WRにて行なった。Rth値の変化の割合を下記式に従い求めた。この値が0%に近い程、湿度によるRth値の変化量が少なく耐水性に優れると判断した。
Rth値の変化の割合(%)=〔(イオン交換水に浸漬した後のRthの値−イオン交換水に浸漬する前のRthの値)/イオン交換水に浸漬する前のRthの値〕×100
実施例11(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(2)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にしてセルロースエステルフィルム(2−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例12(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(3)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にしてセルロースエステルフィルム(3−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例13(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(4)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にしてセルロースエステルフィルム(4−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例14(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(5)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にしてセルロースエステルフィルム(5−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例15(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(6)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にしてセルロースエステルフィルム(6−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例16(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(7)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にしてセルロースエステルフィルム(7−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例17(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(8)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にしてセルロースエステルフィルム(8−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
実施例18(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(9)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にしてセルロースエステルフィルム(9−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第1表に示す。
Figure 2016155948
実施例19(同上)
ジアセチルセルロース(製品名L−50、酢化度55%、ダイセル化学工業製)100部、セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部に対し、メチレンクロライド810部、メタノール135重量部を加えて溶解し、ドープ液を得た。ドープ液をガラス板上に厚み約0.8mmとなるように流延し、室温で一晩放置後、50℃で30分、120℃で30分乾燥し、膜厚60μmのセルロースエステルフィルム(1−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
実施例20(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(2)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にしてセルロースエステルフィルム(2−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
実施例21(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(3)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にしてセルロースエステルフィルム(3−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
実施例22(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(4)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にしてセルロースエステルフィルム(4−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
実施例23同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(5)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にしてセルロースエステルフィルム(5−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
実施例24(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(6)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にしてセルロースエステルフィルム(6−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
実施例25(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(7)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にしてセルロースエステルフィルム(7−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
実施例26(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(8)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にしてセルロースエステルフィルム(8−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
実施例27(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、セルロースエステル樹脂用改質剤(9)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にしてセルロースエステルフィルム(26−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第2表に示す。
Figure 2016155948
比較例1(比較対照用セルロースエステル樹脂用改質剤)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を付した内容積3リットルの四つ口フラスコに、テレフタル酸ジメチル463g、プロピレングリコール410g、安息香酸648g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート 0.091gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温し、合計17時間縮合反応させた。反応後、200℃にて未反応のプロピレングリコールを減圧除去し、常温高粘度液体である比較対照用セルロースエステル樹脂用改質剤(1´)(酸価 0.5、水酸基価 10、数平均分子量 450)を得た。
比較例2(同上)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を付した内容積3リットルの四つ口フラスコに、安息香酸 1709質量部、1,2−プロピレングリコール 639質量部、及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート 0.141gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温し、合計11時間縮合反応させた。反応後、200℃にて未反応のプロピレングリコールを減圧除去し、常温液体である比較対照用セルロースエステル樹脂用改質剤(2´)(酸価 0.2、水酸基価 5、数平均分子量 300)を得た。
比較例3(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、比較対象用セルロースエステル樹脂用改質剤(1´)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にして比較対照用セルロースエステルフィルム(1´−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第3表に示す。
比較例4(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、比較対象用セルロースエステル樹脂用改質剤(2´)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にして比較対照用セルロースエステルフィルム(2´−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第3表に示す。
比較例5(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、パラヒドロキシ安息香酸10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にして比較対照用セルロースエステルフィルム(3´−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第3表に示す。
比較例6(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、サリチル酸ベンジル10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にして比較対照用セルロースエステルフィルム(4´−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第3表に示す。
比較例7(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、スクロースベンゾエート(モノペットSB、第一工業製薬製)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にして比較対照用セルロースエステルフィルム(5´−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第3表に示す。
比較例8(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、4-ヒドロキシ安息香酸 2エチルヘキシル(6’)(2−Ethylhexyl 4−Hydroxybenzoate、東京化成工業株式会社製)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例10と同様にして比較対照用セルロースエステルフィルム(6´−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第3表に示す。
比較例9(同上)
トリアセチルセルロース(製品名LT−35、酢化度61%、ダイセル化学工業製)100質量部に対し、メチレンクロライド810重量部、メタノール90重量部を加えて溶解し、ドープ液を得た。ドープ液をガラス板上に厚み約0.8mmとなるように流延し、室温で一晩放置後、50℃で30分、120℃で30分乾燥し、膜厚60μmの比較対照用セルロースエステルフィルム(7´−1)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第3表に示す。
Figure 2016155948
比較例10(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、比較対照用セルロースエステル樹脂用改質剤(1´)10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にして比較対照用セルロースエステルフィルム(1´−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第4表に示す。
比較例11(同上)
セルロースエステル樹脂用改質剤(1)10部の代わりに、パラヒドロキシ安息香酸10部を用い、メタノール135部の代わりにメタノール90部を用いた以外は実施例19と同様にして比較対照用セルロースエステルフィルム(2´−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第4表に示す。
比較例12(同上)
ジアセチルセルロース(製品名L−50、酢化度55%、ダイセル化学工業製)100質量部に対し、メチレンクロライド810重量部、メタノール90重量部を加えて溶解し、ドープ液を得た。ドープ液をガラス板上に厚み約0.8mmとなるように流延し、室温で一晩放置後、50℃で30分、120℃で30分乾燥し、膜厚60μmの比較対照用セルロースエステルフィルム(3´−2)を得た。実施例10と同様にして評価を行い、その結果を第4表に示す。
Figure 2016155948
第3表、第4表の脚注
POB:パラヒドロキシ安息香酸
BnS:サリチル酸ベンジル

Claims (17)

  1. 下記式(1)
    Figure 2016155948
    (式中Gは、炭素原子数2〜10の多価アルコールの残基である。Aは芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸残基である。nは2〜6の整数である。)
    で表されることを特徴とするセルロースエステル樹脂用改質剤。
  2. 前記Gが、炭素原子数2〜8の鎖状の脂肪族多価アルコールの残基である請求項1記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  3. 前記Gが、炭素原子数2〜6の直鎖状の脂肪族多価アルコールの残基または炭素原子数2〜6の分岐状の脂肪族多価アルコールの残基である請求項1記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  4. 前記Gが、エチレングリコールの残基、プロピレングリコールの残基、1,3−プロパンジオールの残基、2−メチル−1,3−プロパンジオールの残基、3−メチル−1,5−ペンタンジオールの残基からなる群から選ばれる一種以上の残基である請求項2または3記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  5. 前記Aが、芳香環上の水素原子の一つが水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸の残基である請求項1記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  6. 前記Aが、パラヒドロキシ安息香酸の残基である請求項1または4記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  7. 水酸基の価数が2〜6の炭素原子数2〜10の多価アルコール(g)と、芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸(a)とを反応させて得られる請求項1記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  8. 前記炭素原子数2〜10の多価アルコール(g)が、前記炭素原子数2〜8の鎖状の脂肪族多価アルコールである請求項7記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  9. 前記炭素原子数2〜10の多価アルコール(g)が、炭素原子数2〜6の直鎖状の脂肪族多価アルコールまたは炭素原子数2〜6の分岐状の脂肪族多価アルコールである請求項7記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  10. 前記炭素原子数2〜10の多価アルコール(g)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなる群から選ばれる一種以上のアルコールである請求項7記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  11. 前記芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸(a)が、芳香環上の水素原子の一つが水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸である請求項7記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  12. 前記前記芳香環上の水素原子の一部乃至全部が水酸基に置換された構造を有する芳香族モノカルボン酸(a)が、パラヒドロキシ安息香酸である請求項7記載のセルロースエステル樹脂用改質剤。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項記載のセルロースエステル樹脂用改質剤とセルロースエステル樹脂とを含有することを特徴とするセルロースエステル樹脂組成物。
  14. 前記セルロースエステル樹脂100質量部に対してセルロースエステル樹脂用改質剤を0.5〜50質量部含有する請求項13記載のセルロースエステル樹脂組成物。
  15. 請求項13または14記載のセルロースエステル樹脂組成物を含有することを特徴とする光学フィルム。
  16. 偏光子保護フィルムである請求項15記載の光学フィルム。
  17. 請求項15または16に記載の光学フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
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