JP2016155731A - 高炉出銑孔閉塞用マッド材 - Google Patents

高炉出銑孔閉塞用マッド材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、マッド材に温度依存性の低いバインダーを含有することで、マッド材充填時に発生する充填性能の低下という問題点を解決し、マッド材使用時の温度のバラつきがあっても流動性の温度依存性が少なく安定した充填性能をもち、更に、炉内に充填された後も十分な強度を保ち良好な基盤を築けるマッド材を提供することにある。【解決手段】本発明のマッド材は、耐火骨材及びバインダーからなるマッド材において、耐火骨材100質量%に対し、植物油とコールタールを混合したバインダーを外掛けで10〜30質量%配合することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は高炉出銑孔閉塞用マッド材に関し、更に詳細には、使用するバインダーの粘性の温度依存性を低くすることによって、材料の流動性の温度依存性を低減した高炉出銑孔閉塞用マッド材に関するものである。
高炉出銑孔閉塞用マッド材(以下、「マッド材」と記載する)は、高炉出銑孔の閉塞に用いる不定形材料であり、円滑な高炉操業を行う上で重要な機能材料である。一般的なマッド材は、アルミナ、SiC、カーボン、窒化珪素などの耐火原料にバインダーとしてコールタールを添加し、ミキサーで練り込んだ材料である。
高炉においては、通常、2つの出銑孔を用いて交互に出銑と閉塞を繰り返す。閉塞は、マッドガンと称される圧入機によって、出銑中の出銑孔内にマッド材が圧入されて出銑孔が閉塞され、出銑が停止される。もう一つの出銑孔から出銑中、閉塞された出銑孔は閉塞したままで待機する。出銑の状態を観察して、出銑が継続できないと判断されると、該当する出銑孔は閉塞され、もう一つの出銑孔は開孔機とよばれるドリルを用い、閉塞したマッド材を掘削して外部に通ずる孔が開けられ、それが新たな出銑孔となる。出銑と閉塞はそれぞれ3〜4時間に一度行われるため、一日当たりの閉塞回数は、4〜6回程度となる。
この出銑孔の閉塞と開孔が規則的に行われることが好ましいが、実際にはいくつかの問題点がある。その主たる問題は以下の3点である:
第1の問題点は、マッド材の流動性の温度依存性が大きいことである。従来のマッド材は、バインダーとしてコールタールを添加している。コールタールの粘性は温度依存性が高く、常温では見掛け上、固体のようにみえる。温度が数十℃以上に上がると適度な流動性を持つようになる。この温度依存性の高いコールタールと上述のような耐火原料を混合しているため、高炉出銑孔への良好な充填性を得るためには製造時に細やかな調整が必要となる。しかし、製造時に調整して出荷したとしても、実機である圧入機内の温度が異なれば、マッド材の流動性が変化する。例えば、待機時の温度が低い時にはマッド材の流動性が悪いためにマッドガンの圧入能力を超えてしまう振り切りと呼ばれる現象を引き起こすことがある。マッドガンの圧入能力を超えてしまうとそれ以上マッド材を充填できないために規定量のマッド材を炉内に充填できなくなってしまう。その場合、出銑口深度の低下、あるいは炉内の堆積基盤の形成を阻害するため炉底温度の上昇を招き、減風、減産など多大な被害を引き起こしてしまう可能性がある。逆に、温度が高すぎる場合、マッド材の流動性が良すぎてマッド材の可塑性が失われ高炉内への充填性が損なわれるとされる。このようなマッド材の温度によるバラつきは、マッドガンで待機している時の雰囲気温度や作業者のマッドガンの保温方法等により往々にして生じるため、温度管理が難しいという側面がある。それに対する対策としては、マッド材の流動性の温度依存性は小さいものが好ましく、その対策が望まれてきた。
第2の問題点は、材料強度が高過ぎる場合である。炉内に充填され、待機時に焼成されたマッド材の強度が高すぎる場合、開孔時にドリルで掘削できない現象(横穴と称する)が発生する。また、材料強度が高いマッド材は、開孔時の衝撃や熱スポーリングによってマッド材で形成する炉内の堆積基盤に亀裂が生じ、溶銑が差し込むことによって更なる横穴を併発する点が問題として考えられる。
第3の問題点は、材料強度が低すぎる場合である。炉内に充填されたマッド材の強度が低すぎる場合、閉塞、待機時にマッド材が溶損、摩耗してしまい炉内の堆積基盤を形成することができない。
これらの問題点に対して、対応した例としては以下のようなものがある。
例えば、特許文献1には、耐火骨材、耐火粘土及び焼結剤からなる閉塞材原料100重量部に対し、シリコンオイル0.01〜5重量部及びタール15〜40重量部を配合したことを特徴とする出銑口及び出湯口の閉塞材が開示されている。この閉塞材は、タールをバインダーとして用いたマッド材にシリコンオイルを配合することによって、マッド材の充填性能、乾燥性能および耐食性能を向上させようとするものである。ここで、シリコンオイルは、耐火材料粒子とタールとの界面に膜を形成し、タールの粘性が変化しても当初の可塑性を維持し且つタールの低分子量成分の耐火材料粒子への吸着あるいは浸透を防止し、更に、耐火材料粒子の潤滑剤としても作用する。このように、シリコンオイルは優れた効果を示すため、タールの配合量を少なくしても、マッド材の充填性能が低下する恐れはない。
また、非特許文献1では、コールタールをバインダーとして用いたマッド材への10μm以下の超微粉原料の添加効果の検討において、シリカ超微粉を使用することでマッド材の流動性の温度依存性が低減できるとしている。
更に、特許文献2には、耐火性配合物用エコロジカルバインダー系の調製方法であって、a)ベンゾ(a)ピレン濃度が12000ppm程度であるコールタールを180℃前後の温度で蒸留してベンゾ(a)ピレン高含量のタールを得る工程と、b)前記工程a)で得られたタールを、温度470±20℃、圧力0.01〜1.5バールで分別蒸留して、ベンゾ(a)ピレン濃度が600ppm以下である変性ピッチを得る工程と、c)アントラセン油を40〜70%の範囲で添加して、60℃での粘度220〜1200cps、体積密度1〜1.3、ベンゾ(a)ピレン濃度500ppm未満である材料を得る工程とからなることを特徴とする方法;前記得られたピッチを、植物性タール及び有機化合物添加物などの他の原料と混合することからなる前記方法;前記バインダー系組成物の他の原料が、各0〜70質量%の割合の大豆油、あまに油、ひまし油、ディーゼル油、なたね油、バイオディーゼル、バイオピッチ(植物性タール)、デキストリン(コーンスターチ)、ステアリン、パラフィン、植物性ワックス、植物性ワックス(クプアス)種子、シアナッツ、ムルムル(パームワックス)、フェノール樹脂、フラン樹脂、ウレタン、エポキシ、塩化ビニル、ポリエチレンおよびポリテレフタル酸エチルである前記方法が開示されている。特許文献2は、コールタールを約470℃の高温で加熱して変性ピッチ(固体ピッチ)とした後、この固体ピッチにアントラセンオイルや植物油などを混合して液体のバインダーとすることでベンゾ(a)ピレンなどの有害物質含有量の少ない液状バインダーとするものであり、その用途として、高炉の出湯口の閉鎖材(マッド材)が挙げられている。
特開昭62−187177号公報 特表2011−516623号公報
耐火物58[10]576〜581(2006)
しかしながら、特許文献1に開示されるようにタールとシリコンオイルを併用することにより、少量のタール添加量でも、良好な充填性は得られるものの、温度変化によりタールの粘性が変化した場合に、マッド材としての流動性の温度依存性はほとんど改善されないという問題点があった。
また、非特許文献1のようにシリカ超微粉を配合すると、他の超微粉原料に比べて焼結性が高く加熱後の強度が高くなり、閉塞、待機時に焼成されたマッド材の強度が高くなりすぎて開孔時に横穴が発生する点が問題点があった。
更に、特許文献2に開示されるような変性ピッチ(固体ピッチ)と、常温で液体の油とを混合したバインダーでは、温度依存性は低減できるものの、残炭が少なく加熱後の強度が低く、閉塞、待機時にマッド材の強度が不十分となりマッド材が溶損、摩耗してしまい炉内の堆積基盤を形成することができないという問題点があった。また、コールタールを一度加熱することによってマッド材の流動性に影響する液分が蒸発してしまうためにマッド材の流動性が低下してしまうという問題点もあった。
上述のように、上記3つの問題点を同時に対策することは難しいと考えられてきたものの、依然としてその改善が求められていた。
従って、本発明の目的は、マッド材に温度依存性の低いバインダーを含有することで、マッド材充填時に発生する充填性能の低下という問題点を解決し、マッド材使用時の温度のバラつきがあっても流動性の温度依存性が少なく安定した充填性能をもち、更に、炉内に充填された後も十分な強度を保ち良好な基盤を築けるマッド材を提供することにある。
即ち、本発明は、耐火骨材及びバインダーからなるマッド材において、耐火骨材100質量%に対し、植物油とコールタールを混合したバインダーを外掛けで10〜30質量%配合することを特徴とするマッド材である。
また、本発明のマッド材は、バインダー中の植物油とコールタールの割合が植物油20〜80質量%、コールタール80〜20質量%であることを特徴とする。
更に、本発明のマッド材は、植物油がひまし油であることを特徴とする。
本発明のマッド材によれば、植物油とコールタールを混合したバインダーを配合することにより、マッド材の流動性の温度依存性を大幅に低減することが可能になり、その結果、従来発生していた低温での待機時にマッド材が硬いために振り切れと呼ばれる充填不良を低減することができるという効果を奏する。
本発明は、耐火骨材及びバインダーからなるマッド材の耐火骨材100質量%に対し、植物油とコールタールを混合したバインダーを配合することを特徴とするものである。
ここで、前記バインダーの配合量は、耐火骨材100質量%に対し、外掛け10〜30質量%の範囲内であり、好ましくは12〜25質量%の範囲内である。該バインダーの配合量が、外掛けで10質量%未満では、十分に耐火骨材の隙間にバインダーが行き届かず、耐火骨材どうしが滑らず、充填性能が低下するため好ましくない。一方、該バインダーの配合量が、外掛けで30質量%を超えると、マッド材の強度の低下が著しく好ましくない。
なお、上記バインダーにおいて、植物油とコールタールの割合は、植物油20〜80質量%、コールタール80〜20質量%の範囲内であり、好ましくは植物油30〜70質量%、コールタール70〜30質量%の範囲内である。植物油の割合が20質量%未満、即ち、コールタールの割合が80質量%を超えると、バインダーの特性がコールタールに近くなってしまいマッド材の温度依存性が高くなってしまうため好ましくない。一方、植物油の割合が80質量%を超える、即ち、コールタールの割合が20質量%未満の場合には、コールタール由来のカーボン結合が少ないことからマッド材の強度が低くなってしまうため好ましくない。
バインダーに用いるコールタールとしては、カットバックタール、無水タール等を挙げることができ、好ましくは残留炭素を10〜40質量%含有するもの、より好ましくは残留炭素を15〜35質量部含有するものである。残留炭素が40質量%を超えると、コールタールの低温時の粘性が高くなってしまい、植物油と混合しても低温時粘性が下げることができない。また、残留炭素が10質量%未満では、カーボン結合が少ないことからマッド材の強度が低くなってしまうため好ましくない。また、コールタールの粘性は、60℃で10〜10000cPであることが好ましく、500〜5000cPであることがより好ましい。60℃での粘性が50cP未満では、粘性が低すぎてマッド材の可塑性が失われるために好ましくない。また、粘性が10000cPを超えると、低温時の粘性が高くなってしまい、植物油と混合しても低温時の粘性が下げることができないために好ましくない。
次に、バインダーに用いる植物油としては、ひまし油、コーン油、大豆油、亜麻仁油、及び菜種油からなる群から選択される1種又は2種以上を例示できる。植物油の温度依存性は、コールタールの温度依存性より小さいのみならず、植物油とコールタールと混合したバインダーの温度依存性は、植物油とコールタールの混合比に対して比例的な関係にはなく、植物油を少量配合することによってバインダーの温度依存性は大きく低下する。このため、コールタールに植物油を混合することで、効率的に温度依存性を低減することが可能となる。植物油の中でも、特に、ひまし油は、温度依存性の低下効果が顕著であり、また、マッド材の強度を比較的高く保持できるという特徴を合わせてもつため、ひまし油を使用することがより好ましい。
バインダーに、ひまし油を併用することで、バインダーの温度依存性が顕著に低下する理由は必ずしも明確でない。ひまし油は、トウゴマの種子から得られる植物油であり、脂肪油として、粘度、比重ともに最大であるのに加えて、低温下においても高い流動性をもつため、各種工業用の原料として広い用途があることが知られる。また、油脂として潤滑性に優れ、過去には潤滑剤としても使用されることも多かった。マッド材においてコールタールのみをバインダーとして使用した場合には、コールタールの粘性流動によって流動性が得られる。そのため、コールタールと同様の温度依存性を有することになる。それに対して、マッド材にひまし油をコールタールとともに使用した場合、ひまし油が固体の耐火骨材の周囲を覆うことで、あたかも潤滑作用のような作用を及ぼし、その結果、温度依存性の顕著な低下をもたらすものと考えられる。
ひまし油以外の上述のような植物油もひまし油ほどではないが、ひまし油と同様の潤滑性を発揮することができるため、マッド材のバインダーとしてコールタールと併用すると、温度依存性を大幅に低下することができる。
上記バインダーを使用すれば、マッド材の流動性の温度依存性に対して、耐火骨材の種類や粒度構成はほとんど影響を及ぼすことはない。従って、流動性の温度依存性に関しては、耐火骨材の種類、粒度は特には限定されるものではない。しかしながら、マッド材に要求されるその他の特性を考慮して下記のような耐火骨材を使用することが好ましい:
本発明のマッド材の耐火骨材は、例えばアルミナ質、アルミナ・シリカ質、粘土質原料およびシリカ質原料から選択される1種または2種以上の耐火原料;炭素質原料;炭化珪素;窒化珪素系原料などから構成される。
上記耐火原料の例としては、焼結アルミナ、電融アルミナ、礬土頁岩、ボーキサイト、シャモット質、蝋石などの原料を挙げることができる。なお、アルミナ質、アルミナ・シリカ質、粘土質およびシリカ質原料から選択される1種または2種以上の耐火原料は、主骨材をなし、5〜75質量%の範囲内、好ましくは10〜70質量%の範囲内で配合される。ここで、耐火原料の配合量が5質量%未満であると、施工体が低気孔率とならないために好ましくない。また、耐火原料の配合量が75質量%を超えると、耐食性が低下するために好ましくない。
次に、炭素質原料としては、例えば黒鉛、土状黒鉛、石炭コークス、石油コークスおよびそれらのコークスの粉末、黒鉛電極屑、カーボンブラック、石炭ピッチ、石油ピッチなどが挙げられる。炭素質原料はスラグの浸透抑制並びに過焼結抑制を目的に添加されるものであり、その配合量は2〜20質量%の範囲内、好ましくは2.5〜18質量%の範囲内である。炭素質原料の配合量が2質量%未満であると、焼結過多となり好ましくない。一方、炭素質原料の配合量が20質量%を超えると、著しく強度が低下するために好ましくない。
次に、炭化珪素系原料としては、例えばアチソン法で製造した炭化珪素原料や、シリカを還元炭化した炭化珪素原料などを使用可能である。炭化珪素系原料は、スラグに対する耐食性向上を目的として添加されるものであり、その配合量は5〜50質量%の範囲内、好ましくは6〜40質量%の範囲内である。炭化珪素系原料の配合量が5質量%未満では、耐食性向上の寄与が少ないために好ましくない。また、炭化珪素系原料の配合量が50質量%を超えると、焼結後の強度が低下するために好ましくない。
また、窒化珪素系原料も、耐食性向上を目的として添加されるものであり、その配合量は5〜45質量%の範囲内、好ましくは6〜40質量%の範囲内である。窒化珪素系原料の配合量が5質量%未満では、耐食性向上に対する十分な効果が得られないために好ましくない。一方、窒化珪素系原料の配合量が45質量%を超えると、コストに見合った添加効果が得られないために好ましくない。なお、窒化珪素系原料としては、シリカを還元窒化して得た窒化珪素、金属珪素を直接窒化した窒化珪素、フェロシリコンを直接窒化珪素鉄などを使用可能である。
なお、耐火骨材の粒度配合は、粒径が1000μm以上の粗粒部を5〜40質量%、粒径が1000μm未満75μm以上の中粒部を10〜50質量%、粒径が75μm未満の微粉部を30〜80質量%の範囲内とする。ここで、粗粒部の配合割合が5質量%未満では、微粉部が多い配合となりバインダーの配合量が多くなりすぎることから強度が低下するために好ましくない。また、粗粒部の配合割合が40質量%を超えると、マッド材の流動性が失われ、充填性が低下するため好ましくない。なお、粗粒部の配合割合は、好ましくは10〜35質量%の範囲内である。次に、中粒部の配合割合が10質量%未満では、粗粒部と微粉部が多い配合となり、マッド材の流動性が失われ、充填性が低下するため好ましくない。また、中粒部の配合割合が50質量%を超えると、マッド材の流動性が失われ、充填性が低下するため好ましくない。なお、中粒部の配合割合は、好ましくは15〜45質量%の範囲内である。更に、微粉部の配合割合が30質量%未満では、粗粒部と中間粒が多い配合となり、マッド材の流動性が失われ、充填性が低下するため好ましくない。また、微粉部の配合割合が80質量%を超えると、微粉が多い配合となりバインダーの配合量が多くなりすぎることから強度が低下するために好ましくない。なお、微粉部の配合割合は、好ましくは35〜75質量%の範囲内である。
また、本発明のマッド材には、上記耐火骨材に加えて、金属アルミニウム、金属珪素および金属アルミニウム・珪素合金の1種または2種以上を外掛けで0.5〜10質量%の範囲内で配合することもできる。
なお、本発明のマッド材において、混練方法は、特定されず一般の混練方法が利用できる。例えば、深井式のコナーミキサー、上回りミキサーなどが利用できる。
以下の表1に本発明品のマッド材を、表2に比較品のマッド材を示し、本発明を説明する。
Figure 2016155731
Figure 2016155731
表中、
耐火骨材:粗粒部および中粒部には、礬土頁岩を用い、微粉部には、仮焼アルミナ、ボールクレー、シリカヒューム、炭素原料としてコークス粉と黒鉛、並びに炭化珪素、フェロ窒化珪素を用いた;
低粘性タール:60℃での粘性が250cP、残留炭素が32質量%の無水タール;
高粘性タール:60℃での粘性が1100cP、残留炭素が35質量%の無水タール;
シリコンオイル:分子量74のメチルポリシロキサン。
評価は、耐火骨材に各種のバインダーを混合してマッド材を作成し、マッド材の流動性(押し出し抵抗値)、マッド材流動性の温度依存性、焼成後の圧縮強さを測定することにより行われた:。
「マッド材の流動性」:押し出し抵抗値(マーシャル値)の測定によって評価した。入口径φ60mm、出口径φ20mmのモールドに、温度を60℃に保持したマッド材を投入し、体積速度2.82cm/秒で押し出した際の押し出し荷重(kgf)を測定し、押し出し抵抗値とした。押し出し抵抗値が大きい場合には、マッド材は変形し難く流動性が悪く、逆に、押し出し抵抗値が小さい場合は、変形し易い流動性の良いマッド材であると評価した。実機においては、マッド材の流動性が良すぎても、また悪すぎても好ましくないが、特に低温での流動性の劣るマッド材は振り切れが発生し易くトラブルを起こし易い。押し出し抵抗値は、1000kgf以上となるとマッド材として流動性が悪く、充填不良が発生するリスクが高まることから押し出し抵抗値は1000kgf未満となることが好ましい。なお、より好ましくは800kgf未満である。また押し出し抵抗は、100kgf未満となると流動性が良すぎるため可塑性がなく充填性が低下することから押し出し抵抗値は100kgf以上が好ましくない。なお、より好ましくは150kgf以上である;
「マッド材流動性の温度依存性」:60℃の押し出し抵抗値を100℃の押し出し抵抗値で割った数値とした。マッド材流動性の温度依存性が大きいほど使用時の温度のバラついた場合に振り切れを発生させ易い。マッド材流動性の温度依存性は、1.4未満が良好である。なお、より好ましくは1.2未満である;
「加熱後圧縮強さ」:混練後のマッド材を成形圧5MPaで160mm×40mm×40mmの金枠に成形し、300℃で24時間乾燥して硬化することにより試験片を作成した。試験片を電気炉に入れ、5℃/分で昇温して1500℃で3時間加熱した。冷却後、圧縮強度を、JIS R 2553「キャスタブル耐火物の強さ試験方法」に準拠して測定し、加熱後圧縮強さの測定方法とした。加熱後圧縮強さはマッド材を高炉に充填後した後に溶損、摩耗によって損傷されないように5MPa以上とする必要がある。なお、さらに好ましくは7MPa以上である。
「総合評価」:マッド材の流動性、マッド材流動性の温度依存性、焼結後の圧縮強さの評価において、3項目共により好ましい値にあるものを○、いずれも好ましい範囲にあるが、一つでもより好ましい範囲にないものを△、一つでも好ましい範囲に満たないものを×とした。
本発明品1〜5は、バインダーとして低粘性タールとひまし油を使用し、バインダー中のひまし油の比率を50質量%に固定し、耐火骨材100質量%に対するバインダーの配合量を外掛けで10質量%から30質量%まで変化させたものである。いずれの場合も、60℃でのマーシャル値は1000kgf未満100kgf以上で、温度依存性は1.4未満で、加熱後圧縮強度も5MPaで、良好な結果が得られた。
本発明品6〜10は、耐火骨材100質量%に対するバインダーの配合量を外掛けで20質量%に固定し、 バインダーとして低粘性タールとひまし油を使用し、バインダー中のひまし油の比率を20質量%から80質量%まで変化させたものである。いずれの場合も、60℃でのマーシャル値は1000kgf未満100kgf以上で、温度依存性は1.4未満で、加熱後圧縮強度も5MPa以上で、良好な結果が得られた。
本発明品11は、バインダーとして高粘性タールとあまに油を使用し、バインダー中のあまに油の比率を50質量%とし、耐火骨材100質量%に対するバインダーの配合量を外掛けで20質量%としたものである。60℃でのマーシャル値は1000kgf未満100kgf以上で、温度依存性は1.4未満で、加熱後圧縮強度も5MPa以上で、良好な結果が得られた。
本発明品12は、バインダーとして低粘性コールタールと菜種油を使用し、バインダー中の菜種油の比率を50質量%とし、耐火骨材100質量%に対するバインダーの配合量を外掛けで20質量%としたものである。60℃でのマーシャル値は1000kgf未満100kgf以上で、温度依存性は1.4未満で、加熱後圧縮強度も5MPa以上で、良好な結果が得られた。
本発明品13および14は、バインダーとして低粘性コールタールとひまし油を使用し、バインダー中のひまし油の比率を50質量%とし、耐火骨材100質量%に対するバインダーの配合量を外掛けで20質量%とし、更に、本発明品1〜12とは異なる耐火骨材の粒度構成としたものである。いずれの場合も、60℃でのマーシャル値は1000kgf未満100kgf以上で、温度依存性は1.4未満で、加熱後圧縮強度は5MPa以上で、良好な結果が得られた。
上述のように、本発明品は、いずれもマッド材の流動性が適正値であり、マッド材の流動性の温度依存性が低く、焼成後の圧縮強さが十分に高い、優れたものであることが解る。
比較品1は、バインダーの配合量が少なく、マッド材として硬すぎる性状である。
比較品2は、バインダーの配合量が多いことから、加熱時の揮発分が多くなり、高気孔率となることによって十分な強度が確保できていない。
比較品3は、従来型のマッド材でバインダーに低粘性タールのみを使用した例である。マッド材流動性の温度依存性が大きいという問題点がある。
比較品4は、バインダー中のひまし油の比率が低いことから、マッド材流動性の温度依存性が大きくなっていた。
比較品5および6は、バインダー中の植物油の比率が高いことから、加熱時の揮発分が多くなり、高気孔率となることによって十分な強度が確保できなかった。
比較品7〜9は、低粘性タールとシリコンオイルを併用したものであるが、低粘性タールの温度依存性の影響が大きくマッド材流動性の温度依存性が大きくなっていた。

Claims (3)

  1. 耐火骨材及びバインダーからなる高炉出銑孔閉塞用マッド材において、耐火骨材100質量%に対し、植物油とコールタールを混合したバインダーを外掛けで10〜30質量%配合したことを特徴とする高炉出銑孔閉塞用マッド材。
  2. バインダー中の植物油とコールタールの割合が植物油20〜80質量%、コールタール80〜20質量%である、請求項1記載の高炉出銑孔閉塞用マッド材。
  3. 植物油がひまし油である、請求項1記載の高炉出銑孔閉塞用マッド材。
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