JP2016155099A - オーバーフロー型フローコーター、及びオーバーフロー型フローコーターシステム - Google Patents

オーバーフロー型フローコーター、及びオーバーフロー型フローコーターシステム Download PDF

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誠一郎 小柴
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Abstract

【課題】オーバーフローする塗料の量が、正常な状態から変動した場合であっても、迅速にその量をコントロールすることができるオーバーフロー型フローコーター、及びオーバーフロー型フローコーターシステムを提供すること。
【解決手段】貯留タンク10に貯留された塗料をオーバーフローさせて、その下方に位置する被塗布物200に塗料を塗布するオーバーフロー型フローコーター100において、貯留タンク10は、その内部の容積を可変可能な容積可変手段8を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、オーバーフロー型フローコーター、及びオーバーフロー型フローコーターシステムに関する。
従来から、被塗布物に塗料を塗布する塗布方法の一つとして、オーバーフロー型フローコーターを用いた塗布方法が用いられている(例えば、特許文献1)。オーバーフロー型フローコーターは、一般的に、供給ポンプ等により、塗料供給用タンクから供給管路を通って供給された塗料を貯留するための貯留タンクを備えており、オーバーフロー型フローコーターを用いた塗布方法は、貯留タンク内に塗料を連続的に供給することで該貯留タンクからオーバーフローした塗料を、その下方に位置する被塗布物に塗布する塗布方法である。
被塗布物に塗料が塗布されることで形成される塗布膜の厚みは、貯留タンクに相対する被塗布物の搬送速度、或いは被塗布物に相対する貯留タンクの搬送速度(以下、単に搬送速度と言う場合がある。)、及び貯留タンクからオーバーフローする塗料の量によって決定される。したがって、オーバーフロー型フローコーターを用いた塗布方法を用いて、塗布膜の厚みが均一となるような塗布を行うにあたっては、搬送速度を一定としつつ、貯留タンクからオーバーフローする塗料の量を一定とすることが重要であるといえる。貯留タンクからオーバーフローする塗料の量は、供給ポンプにより、塗料供給用タンクから貯留タンクに供給される塗料の量に対応し、塗料供給用タンクから貯留タンクに供給される塗料の量は、供給ポンプに印加する印加電圧に対応している。つまり、供給ポンプに印加する印加電圧を一定としておくことで、貯留タンクからオーバーフローする塗料の量を一定とすることができ、これにより、被塗布物に厚みが均一な塗布膜を形成することができるようにも考えられる。
ところで、何らかの要因によって貯留タンクに塗料を供給するための塗料供給用タンク内の塗料において粘度変化が生じた場合、例えば、塗料に含まれる溶剤の揮発等によって塗料の粘度が、当初の粘度から変動した場合や、ロットが異なる塗料を追加投入等して、塗料供給用タンク内の塗料の粘度が変動した場合には、供給ポンプに印加する印加電圧を一定とした場合であっても、貯留タンクへの塗料の供給量が変動してしまい、被塗布物に形成される塗布膜の厚みに変動が生ずることとなる。
このような状況下、特許文献2には、塗料の粘度上昇等に起因する塗料の過塗布の問題を解決すべく、所定量の濃度調整材を自動的に塗料に供給するオーバーフロー形式のフローコーターが提案されている。このフローコーターによれば、過塗布、塗膜不良の問題を解消することができるとされている。
しかしながら、特許文献2に提案がされているように、塗料の粘度をコントロールした場合であっても、粘度がコントロールされた塗料が、貯留タンクに供給されるまでには所定の時間を要する。したがって、長期的な観点、つまりは、粘度のコントロールが行われた塗料が貯留タンクに供給された後においては、被塗布物に形成される塗布膜の厚みを一定とすることができるものの、短期的な観点、つまりは、粘度のコントロールが行われた塗料が貯留タンクに供給される前においては、粘度が不安定な状態での塗布膜の形成が行われることとなり、被塗布物に形成される塗布膜の厚みを常に一定とするまでには至らないのが現状である。
さらに、供給管路内に空気等を抱き込んだ状態で、貯留タンクに塗料の供給がされる場合には、一時的に、貯留タンク内への塗料の供給量が変動し、粘度のコントロールを行った場合であっても、被塗布物に形成される塗布膜の厚みに変動が生ずることとなる。
特開2005−205313号公報 特開2003−275657号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、オーバーフローする塗料の量が、変動した場合であっても、迅速にその量をコントロールすることができるオーバーフロー型フローコーター、及びオーバーフロー型フローコーターシステムを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、貯留タンクに貯留された塗料をオーバーフローさせて、その下方に位置する被塗布物に塗料を塗布するオーバーフロー型フローコーターであって、前記貯留タンクには、その内部の容積を可変可能な容積可変手段が備えられていることを特徴とする。
また、上記の発明において、前記容積可変手段が、貯留タンク内に出し入れ可能な錘であってもよい。また、前記容積可変手段が、貯留タンク内に設置された、膨張収縮可能な部材であってもよい。また、前記容積可変手段が、貯留タンク内に設置された、移動可能な可動壁であってもよい。
また、上記の発明において、前記貯留タンク内に貯留されている塗料の量を計測するセンサーを備えていてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、オーバーフロー型フローコーターシステムであって、上記の貯留タンクと、前記貯留タンクに塗料を供給する供給手段と、前記貯留タンク内に貯留されている塗料の量に応じて前記容積可変手段を制御する第1制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、上記の発明において、さらに、前記供給手段による塗料の供給量を制御する第2制御手段を備えていてもよい。
本発明のオーバーフロー型フローコーターや、オーバーフロー型フローコーターシステムによれば、貯留タンクからオーバーフローしている塗料の量に変化が生じた場合であっても、迅速にその量をコントロールすることができる。
一実施形態のオーバーフロー型フローコーターの概略断面図である。 一実施形態のオーバーフロー型フローコーターの概略断面図である。 (a)は、図1に示す錘を貯留タンク内に挿入した状態を示す概略断面図であり、(b)は、図2に示す錘を貯留タンクから引き上げた状態を示す概略断面図である。 一実施形態のオーバーフロー型フローコーターの概略断面図である。 (a)、(b)は、図4に示す部材を膨張・収縮させた状態を示す概略断面図である。 一実施形態のオーバーフロー型フローコーターの概略断面図である。 一実施形態のオーバーフロー型フローコーターの概略断面図である。 (a)、(b)は、図6に示す可動壁を移動させた状態を示す概略断面図である。 一実施形態のオーバーフロー型フローコーターシステムの概略構成図である。 一実施形態のオーバーフロー型フローコーターシステムを用いて被塗布物に塗布を行うときのフローチャートである。
<<オーバーフロー型フローコーター>>
以下、本発明の一実施形態のオーバーフロー型フローコーターについて、各図を用いて具体的に説明する。なお、図1〜図8は、一実施形態のオーバーフロー型フローコーターの一例を示す概略概略図である。
各図に示すように、本発明の一実施形態のオーバーフロー型フローコーター100(以下、一実施形態のフローコーターと言う場合がある)は、貯留タンク10を備えており、貯留タンク10からオーバーフローした塗料を、その下方に位置する被塗布物200に塗布して塗布膜を形成するために用いられる。被塗布物200は、コンベア等によって、一実施形態のフローコーターに対して相対的に移動可能となっている。なお、一実施形態のフローコーターを被塗布物に対して相対的に移動可能としてもよい。図示する形態では、貯留タンク10の側壁面の一部は、他の部分と比較して低くなっており、当該低くなっている部分から、塗料がオーバーフローする構成をとっている。図示する形態のフローコーター10は、被塗布物に塗布された塗料の一部を掻きとるための塗布バー6、貯留タンク10内に貯留されている塗料の液面の高さを検知するセンサー7を備えているが、塗布バー6、及びセンサー7は、一実施形態のフローコーター100における任意の構成である。
そして、一実施形態のフローコーター100は、貯留タンク10が、その内部の容積を可変可能な容積可変手段を有していることを特徴としている。この特徴を有する一実施形態のフローコーターによれば、貯留タンク10からオーバーフローしている塗料の量に変化が生じた場合であっても、容積可変手段により貯留タンク10内の容積を可変させることにより、迅速にその量をコントロールすることができる。換言すれば、容積可変手段によって、適宜貯留タンク10内の容積を可変させることで、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を、所望の状態とすることができる。
例えば、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量が、正常な状態として予め定められた量から「所定の量」多くなっている場合には、容積可変手段により、貯留タンク10内の容積を、上記「所定の量」増やすように変化させることで、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を上記「所定の量」減らすことができる。この結果、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を、正常な状態として予め定められた量とすることができる。
また、例えば、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量が、正常な状態として予め定められた量から「所定の量」少なくなっている場合には、容積可変手段により、貯留タンク10内の容積を、上記「所定の量」減らすように変化させることで、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を上記「所定の量」増やすことがでる。この結果、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を、正常な状態として予め定められた量とすることができる。
なお、本願明細書で言う、「貯留タンクの容積を可変可能」とは、「貯留タンクの容積を変化させることができる」、具体的には「貯留タンクの容積を減らすように変化させることができる」、或いは、「貯留タンクの容積を増やすように変化させることができる」ことを意味する。また、本願明細書において、「貯留タンク内の容積」とは、「容積可変手段により貯留タンク内の容積を変化させる前の状態において塗料を貯留可能な容積」を意味する。つまり、貯留タンク10の容積を減らすことは、貯留タンク内に貯留可能な塗料の量を減らすことと同義であり、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を増やすことにつながる。また、貯留タンク10の容積を増やすことは、貯留タンク10内に貯留可能な塗料の量を増やすことと同義であり、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を減らすことにつながる。
一実施形態のフローコーター100を構成する貯留タンク10の材質、大きさについていかなる限定もされることはなく、塗料の材料や、被塗布物の大きさなどに応じて適宜決定することができる。例えば、塗料として、有機溶剤等を含む塗料を用いる場合や、ある程度高温の塗料を用いる場合には、耐溶剤性や、耐熱性のある材料、例えば、金属材料等を選択すればよい。一例としての、貯留タンクの容積は、90cc〜20000cc程度である
また、貯留タンク10は、ヒーター等の加熱機構、或いは断熱材などの保温機構を備えていてもよい。
貯留タンク10が供給された塗料を受け入れる位置について特に限定はないが、図示するように、貯留タンク10において、塗料がオーバーフローする位置から離れた位置に設けることが好ましい。
また、一実施形態のフローコーター100を用いた塗布膜の形成に用いられる塗料についていかなる限定もされることはなく、被塗布物に形成される塗布膜に所望される用途によって適宜選択することができる。例えば、従来公知のレジストや、樹脂バインダーを含む樹脂コーティング剤等を挙げることができる。
以下、一実施形態のフローコーターについて具体的な例を挙げて説明する。
図1、図2は、一実施形態のフローコーターの概略断面図であり、貯留タンク10、駆動手段9、及び当該駆動手段9に連結された錘8を備えており、駆動手段を上下方向に移動させることで、錘8を貯留タンク10内に出し入れ可能としている。換言すれば、錘8を貯留タンク10内に出し入れすることで、貯留タンク10の容積を可変可能としている。なお、図1に示す実施形態のフローコーター100において錘8は容積可変手段を構成する。
容積可変手段としての錘8は、初期状態、つまりは、錘8を出し入れする前の状態において、図1に示すように、貯留タンク10の外に位置していてもよく、図2に示すように、錘8の一部分、或いは全体(図示しない)が、予め貯留タンク10内に挿入されていてもよい。
錘8は、所定の体積と、質量を有するものであれば、その材料などについて特に限定されることはないが、貯留タンク10内に貯留されている塗料によって、変質等しない材料であることが好ましい。例えば、耐溶剤性を有する樹脂材料や、金属材料などを適宜選択して用いることができる。また、錘8の体積や、質量は、貯留タンク10の大きさ等によって適宜決定すればよい。また、錘8の形状についていかなる限定もされることはない。
図1に示す形態のフローコーター100では、駆動手段としてのステージ9を上下させることで、或いは、ステージ9と錘8とを連結する駆動手段としての連結部材を伸び縮みさせることで、容積可変手段としての錘8の一部分、或いは錘8全体を、貯留タンク10内に出し入れ可能としている。図示する形態では、ステージ9は、錘8と連結部材を介して、間接的に連結されているが、ステージ9と錘8は、直接的に連結されていてもよい。
初期状態にある錘8を、貯留タンク10に挿入した場合には、図3(a)に示すように、錘8が初期状態にあるときの貯留タンク10内における塗料の液面高さ(図1の液面A参照)よりも、その液面の高さを高くすることができる(図3(a)の液面B参照)。そして、貯留タンク内に貯留されている塗料の液面の高さを高くすることにより、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を増やすことができる。換言すれば、初期状態にある錘8を、貯留タンク10に挿入した場合には、錘8が初期状態にあるときの貯留タンク10の容積よりも、その容積を減らすことができ、その結果、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を増やすことができる。
また、初期状態にある錘8の全体、或いは錘8の一部分を、貯留タンク10から引き上げた場合には、図3(b)に示すように、錘8が初期状態にあるときの貯留タンク10内における塗料の液面高さ(図2の液面A'参照)よりも、その液面の高さを低くすることができる(図3(b)の液面B'参照)。そして、貯留タンク内に貯留されている塗料の液面の高さを低くすることにより、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を減らすことができる。換言すれば、初期状態にある錘8を、貯留タンク10から引き上げた場合には、錘8が初期状態にあるときの貯留タンク10の容積よりも、その容積を増やすことができ、その結果、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を減らすことができる。
つまりは、錘8を、貯留タンク10に出し入れする、換言すれば、貯留タンク10内に錘8を挿入する、或いは貯留タンク10内に挿入されている錘8を引き上げることで、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を変化させることができる。
図4は、一実施形態のフローコーターの概略断面図であり、貯留タンク10、及び貯留タンク内に設置された膨張収縮可能な部材20を備えており、当該部材20を膨張、或いは収縮させることで、貯留タンク10の容積を可変可能としている。なお、図2に示す形態のフローコーター100において部材20は容積可変手段を構成する。
膨張収縮可能な部材20(以下、部材20と言う場合がある。)は、当該部材20自体が膨張、或いは収縮可能であるとの条件を満たせばよい。部材20としては、例えば、空気や、ガス等を供給、及び排出可能な出入口を備えたバック等を挙げることができる。また、機械的な制御によって、部材20を膨張、及び収縮可能な構成とすることもできる。なお、図示しない空気、ガス等を供給するためのポンプ、機械的な制御は、駆動手段を構成する。
部材20の材料について特に限定はないが、貯留タンク10内に貯留されている塗料によって、変質等しない材料であることが好ましい。例えば、部材20の材料としては、耐溶剤性を有する樹脂材料や、金属材料などを適宜選択して用いることができる。また、部材20の初期状態、つまりは、部材20を膨張、或いは収縮させる前の大きさ等は、貯留タンク10の大きさ等によって適宜決定すればよい。また、部材20の形状についていかなる限定もされることはない。
容積可変手段としての部材20は、図4に示すように、予め膨張させた状態で貯留タンク10内に設置してもよく、膨張させない状態で貯留タンク10内に設置してもよい(図示しない)。
図4に示す形態のフローコーター100では、初期状態にある部材20(図4に示す部材20)を膨張させることで、図5(a)に示すように、部材20が初期状態にあるときの貯留タンク10内における塗料の液面高さ(図4の液面A参照)よりも、その液面の高さを高くすることができる(図5(a)の液面B参照)。
また、初期状態にある部材20(図4に示す部材20)を収縮させることで、図5(b)に示すように、部材20が初期状態にあるときの貯留タンク10内における塗料の液面高さ(図4の液面A参照)よりも、その液面の高さを低くすることができる(図5(b)の液面C参照)。つまりは、初期状態にある部材20を、膨張、或いは収縮させることで貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を変化させることができる。
図6は、一実施形態のフローコーターの概略断面図であり、貯留タンク10、及び貯留タンク内に設置された移動可能な可動壁30を備えており、当該可動壁30を稼働させることで、貯留タンク10の容積を可変可能としている。
可動壁30は、手動で動かしてもよく、図示しないエアシリンダ、油圧シリンダ、ばね等の駆動手段を用いて動かすこともできる。また、図示する形態では、可動壁30は、図の上下方向に移動可能な構成をとっているが、図の左右方向に移動可能な構成としてもよい(図示しない)。
可動壁30の材質についても特に限定はなく、貯留タンク10内に貯留されている塗料によって、変質等しない材料であることが好ましい。例えば、耐溶剤性を有する樹脂材料や、金属材料などを適宜選択して用いることができる。また、可動壁30の形状は、可動壁を動かしたときに、貯留タンク10内の容積を変化させることができる形状、つまりは、可動壁30によって、貯留タンク10内を隙間なく区画することができる形状であればよい。
容積可変手段としての可動壁10は、図6に示すように、予め、貯留タンク10内を区画するように設置してもよく、図7に示すように、貯留タンク10の底面、或いは側壁面と密着するように(図示する形態では、可動壁30は、貯留タンク10の底面と密着している。)設置してもよい。
図6に示す形態のフローコーター100では、初期状態にある可動壁30(図6に示す可動壁30)を、塗料の液面方向に可動することで、図8(a)に示すように、可動壁30が初期状態であるときの貯留タンク内における塗料の液面高さ(図6、図8の液面A参照)よりも、その液面の高さを高くすることができる(図8(a)の液面B参照)。
また、初期状態にある可動壁30を、塗料の液面から離れる方向に可動することで、図8(b)に示すように、可動壁30が初期状態であるときの貯留タンク内における塗料の液面高さ(図6、図8の液面A参照)よりも、その液面の高さを低くすることができる(図8(b)の液面C参照)。つまりは、可動壁30を動かすことで、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量を変化させることができる。
また、各図に示すように、好ましい形態のフローコーター100、及び後述するオーバーフロー型フローコーターシステムは、センサー7を備えており、当該センサー7によって、貯留タンク10内に貯留されている塗料の液面の高さを検知している。センサー7としては、液面の高さを検知可能な従来公知のセンサーを適宜選択して用いることができる。このようなセンサー7としては、例えば、フロート式、光学式、超音波式の液面レベルセンサー等を挙げることができる。センサー7を備えるフローコーター100によれば、正常なオーバーフロー量であるときの塗料の液面の高さ(以下、基準位置と言う場合がある。)から、液面の高さが変化しているかを、センサー7によって容易に判別することができ、液面の高さが基準位置から変化することで、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量が突発的に変化等した場合であっても、直ちに、液面の高さの変化を見極めることができる。
また、上記センサー7によって液面の高さを検知する方法にかえて、目視で、液面の高さを監視することもできる。例えば、貯留タンク10の側壁面に、図示しない基準位置を示す目盛を設けておくことで、目視によって、容易に、貯留タンク10内に貯留されている塗料の液面の高さが基準位置から変化したかを見極めることができる。
また、好ましい形態のフローコーター100は、貯留タンク10からオーバーフローし、被塗布物に付着した塗料を掻き取るための塗布バー6を備えている。塗布バー6としては、塗布装置等の分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。例えば、ワイヤーバー、ドクターを備えるバー等を挙げることができる。
<<オーバーフロー型フローコーターシステム>>
次に、本発明の一実施形態のオーバーフロー型フローコーターシステム300(以下、一実施形態のシステムと言う場合がある。)について、図9を参照して説明する。
一実施形態のシステム300は、貯留タンク10を備えるオーバーフロー型フローコーター100と、被塗布物200へ塗料を塗布するときに、被塗布物200に相対してオーバーフロー型フローコーター100を搬送する、又はオーバーフロー型フローコーター100に相対して被塗布物200を搬送する搬送手段と、貯留タンク10に塗料を供給する供給手段と、貯留タンク10内に貯留されている塗料の量に応じて、オーバーフロー型フローコーター100の容積を変化させるための容積可変手段を制御する第1制御手段とを備えている。一実施形態のシステム300を構成するオーバーフロー型フローコーター100は、上記一実施形態のオーバーフロー型フローコーター100を適宜選択して用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
また、一実施形態のシステム300は、供給手段による塗料の供給量を制御する第2制御手段を更に備えていることが好ましい。
上記特徴を有する一実施形態のシステム300によれば、貯留タンク10内に貯留されている塗料の量が何らかの要因によって突発的に変化し、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量に変化が生じた場合であっても、迅速にその量をコントロールすることができる。換言すれば、貯留タンク内に貯留されている塗料の液面の高さが、基準位置から変化した場合であっても、迅速に、塗料の液面の高さを基準位置に戻すことができる。
また、上記第2制御手段を備える一実施形態のシステム300によれば、突発的な塗料の量の変化に対応しつつも、長期にわたって、貯留タンク10からオーバーフローする塗料の量をコントロールすることができる。
図9に示される一実施形態のシステム300は、塗料供給用タンク1、塗料供給用タンク1と貯留タンク10を繋ぐ供給路4、塗料供給用タンク1から貯留タンク10に塗料を送り出すためのポンプ3を備えている。ポンプ3は、一実施形態のシステム300における供給手段を構成する。また、オーバーフロー型フローコーター100は、容積可変手段8を駆動させるための駆動手段9を備えており、駆動手段9は、伝送ケーブル11を介してセンサー7と接続されている。
また、一実施形態のシステム300は、オーバーフロー型フローコーター100、或いは被塗布物200を搬送するための搬送手段を備えており、当該搬送手段は、オーバーフロー型フローコーター100を被塗布物に相対して搬送する、或いは、被塗布物200をオーバーフロー型フローコーター100に相対して搬送する。搬送手段としては、例えば、オーバーフロー型フローコーター100を搬送可能なモーター(図示しない)や、被塗布物200を搬送可能なコンベア(図示しない)等を挙げることができる。図示しないモーター、コンベア等は、一実施形態のシステム300における搬送手段を構成する。
供給用タンク1について特に限定はなく、用いられる塗料の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、樹脂を溶融させた塗料を用いる場合あっては、供給用タンクは、樹脂を溶融するための溶融タンクとしての機能を備える。供給路4の管路径や、管路長についていかなる限定もされることはない。
制御部50は、センサー7による貯留タンク10内における塗料の液面の高さの検知結果に基づいて駆動手段9、及び必要に応じて、ポンプ3による塗料の送り出し量を制御する。ポンプ3による塗料の送出し量は、例えば、ポンプ3に印加する印加電圧によって制御することができる。
また、一実施形態のシステム300は、液面の高さを上記「基準位置」とするための、上記「基準位置」からの液面の高さの変化量と、駆動手段9の駆動量との対応関係、及び、液面の高さを上記「基準位置」とするための、上記「基準位置」からの液面の高さの変化量と、ポンプ3の制御量との対応関係が既知となっているデータベースを備えている。
そして、一実施形態のシステム300は、センサー7等による検知結果を受けて、貯留タンク10内における塗料の液面の高さが上記「基準位置」から変化したと判別したときに、液面の高さの変化量を算出し、データベースを参照して、塗料の液面の高さが「基準位置」となるように、液面の高さの変化量に対する駆動手段9の制御量を決定する。制御部50は、決定された制御量に基づいて、容積可変手段による貯留タンク内の容積の制御を行う。具体的には、制御部50は、駆動手段9を駆動させ、駆動手段9が容積可変手段を作動させることで貯留タンク10内の容積を変化させる。また、制御部50は、データベースを参照して、塗料の液面の高さが「基準位置」となるように、液面の高さの変化量に対するポンプの制御量を決定し、ポンプの印加電圧等を変化させて、貯留タンク10への塗料の送出し量を変化させる。
一実施形態のシステム300において、制御部50は、第1制御手段、及び第2制御手段を構成する。なお、図示する形態では、1つの制御部50によって、駆動手段9、及びポンプ3を制御しているが、異なる制御部によって、駆動手段9、ポンプ3を独立して制御してもよい。
次に、図10を参照して、一実施形態のシステム300を用いた具体的な実施の例について説明する。図10は、一実施形態のシステムを用いて被塗布物に塗料の塗布を行うときのフローチャートである。
一実施形態のシステム300を用いた被塗布物200へ塗料の塗布を行うにあたっては、初めに、一実施形態のシステム300の定常化処理を行う(ステップS1)。定常化処理は、供給手段により、貯留タンク10内に塗料を連続的に供給し、連続的に供給された塗料が貯留タンク10からオーバーフローしたことに伴い、搬送手段により、被塗布物200の上流側から下流側に向かってオーバーフロー型フローコーター100を搬送する処理である。定常化処理を行うことで、被塗布物への塗料の塗布が開始される。なお、定常化処理では、オーバーフロー型フローコーター100を搬送させることにかえて、搬送手段としてのコンベア上に被塗布物200を載置し、コンベアを駆動させて貯留タンク10からオーバーフローした塗料の下を被塗布物200が通るように被塗布物200を搬送してもよい。
ステップS1の後に、貯留タンク内10の塗料の液面が基準位置にあるか否かを判別する(ステップS2)。つまりは、正常なオーバーフロー量であるか否かを判別する。このとき、液面が基準位置にあると判別された場合には、基準位置を維持した状態で継続して被対象物200に塗料の塗布を行う(ステップ8)。
一方で、ステップS2において、液面が基準位置から変化したと判別された場合には、塗料の液面が基準位置となるように、容積可変手段により貯留タンク内の容積を変化させる(ステップS3)。貯留タンク内の容積の変化量を決定するにあたっては、データベース60を参照してもよく、目視等により行ってもよい。
ステップS3の後に、液面の高さを継続して検知し、容積可変手段により貯留タンク内の容積を変化させた後において、継続して、液面の高さが基準位置を維持しているか否かを判別する(ステップS4)。このとき、液面の高さが基準位置を維持していると判別した場合には、ステップS2において液面の高さが基準位置から変化した要因は、気泡の発生等による突発的な要因や塗料粘度の局在による一時的な要因であると判別することができる。したがって、この場合には、液面の高さが基準位置を維持した状態で、継続して、被塗布物に塗料の塗布を行う(ステップS8)。
一方で、ステップS4において、液面の高さが基準位置を維持していないと判別された場合には、ステップS2において液面の高さが基準位置から変化した要因は、突発的、或いは一時的な要因とは異なる要因であると判別することができる。例えば、継時的な塗料の粘度変化などにより、貯留タンク10への塗料の送出し量が継時に変化するなどの要因が生じていると判別することができる。したがって、この場合には、第1制御手段により、液面の高さが一定となるように制御を行いつつ、データベース60を参照し、第2制御手段により、塗料の液面が基準位置となるように、ポンプ3の印加電圧を変化させ、供給手段であるポンプ3による塗料の送出し量を制御する(ステップS5)。
ステップS5の後に、液面の高さを継続して検知し、液面の高さが基準位置となったか、また、液面の高さが基準位置を維持しているか否かを判別する(ステップS6)。このとき、液面の高さが基準位置となっており、また、液面の高さが基準位置を維持していると判別した場合には、ステップS2において液面の高さが基準位置から変化した要因は、貯留タンク10への塗料の送出し量であると判別することができる。この場合には、液面の高さが基準位置を維持している状態で、継続して、被塗布物200に塗料の塗布を行う(ステップ8)。
一方で、ステップS6において、液面の高さが基準位置を維持していないと判別された場合には、ステップS2において液面の高さが基準位置から変化した要因は、突発的、或いは一時的な要因、さらには、ポンプ3の送出し量等に起因するものではないと判別することができる。この場合には、被塗布物への塗布を中止し、液面が基準位置から変化した原因を解決する(ステップS7)。具体的には、ポンプの故障についての確認や、用いている塗料が正しいものであるかなどの確認を行い、液面が基準位置を維持することができていない原因を解決した後に、定常化処理を再び行い、新たな被塗布物200に対して塗料の塗布を行う。新たな被塗布物に対して塗料の塗布を行うことにかえて、中止されている被塗布物に対し塗料の塗布を再開してもよい。
ステップS8の後に、被塗布物200への塗料の塗布が完了したか否かを判別する(ステップS9)。このときに、被塗布物200への塗料の塗布が完了したと判別された場合には、必要に応じて、ステップS10の処理を行った後に、当該被塗布物200への塗料の塗布を完了させる。具体的には、ステップS3において、容積可変手段を用いて、貯留タンク10の容積を変化させた場合には、容積可変手段を初期状態に戻し被塗布物200への塗料の塗布を完了させる。なお、ステップS5において、ポンプ3による塗料の送出し量を制御した場合には、制御後の塗料の送出し量で、次の被塗布物への塗料の塗布を行えばよい。
ステップS10において、容積可変手段を初期位置に戻す処理は、1つの被塗布物への塗料の塗布が完了した後に行ってもよく、所定の数の被塗布物への塗布が完了した後に行ってもよい。つまり、容積可変手段を初期状態に戻すことなく、次の被塗布物200に対して塗料の塗布を行うこともできる。
一方で、ステップS9において、被塗布物への塗料の塗布が完了していない、つまりは、被塗布物200に対して継続して塗料の塗布が行われていると判別された場合には、当該被塗布物200への塗料の塗布が完了したと判別されるまで、ステップS2〜ステップS9の処理を繰り返し行う。
以上説明した、本発明のオーバーフロー型フローコーター、及びオーバーフロー型フローコーターシステムによれば、貯留タンクからオーバーフローする塗料の量が、正常な状態から変動した場合であっても、迅速にその量をコントロールすることができる。なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での各種の変形態様とすることができる。例えば、貯留タンク10からオーバーフローした塗料を回収し、塗料供給用タンクに戻す機構等を備えていてもよい。
1…塗料供給用タンク
3…ポンプ
4…供給路
6…塗布バー
7…センサー
8…錘(容積可変手段)
9…ステージ
10…貯留タンク
11…伝送ケーブル
20…膨張収縮可能な部材(容積可変手段)
30…可動壁(容積可変手段)
50…制御部
60…データベース
100…オーバーフロー型フローコーター
200…被塗布物
300…オーバーフロー型フローコーターシステム

Claims (7)

  1. 貯留タンクに貯留された塗料をオーバーフローさせて、その下方に位置する被塗布物に塗料を塗布するオーバーフロー型フローコーターであって、
    前記貯留タンクには、
    その内部の容積を可変可能な容積可変手段が備えられていることを特徴とするオーバーフロー型フローコーター。
  2. 前記容積可変手段が、
    貯留タンク内に出し入れ可能な錘であることを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー型フローコーター。
  3. 前記容積可変手段が、
    貯留タンク内に設置された膨張収縮可能な部材であることを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー型フローコーター。
  4. 前記容積可変手段が、
    貯留タンク内に設置された移動可能な可動壁であることを特徴とする請求項1に記載のオーバーフロー型フローコーター。
  5. さらに、前記貯留タンク内に貯留されている塗料の量を計測するセンサーを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のオーバーフロー型フローコーター。
  6. 前記請求項1乃至5の何れか1項に記載のオーバーフロー型フローコーターと、
    前記貯留タンクに塗料を供給する供給手段と、
    前記貯留タンク内に貯留されている塗料の量に応じて、前記容積可変手段を制御する第1制御手段と、
    を備えることを特徴とするオーバーフロー型フローコーターシステム。
  7. さらに、前記供給手段による塗料の供給量を制御する第2制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載のオーバーフロー型フローコーターシステム。
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