JP2016154857A - 判定装置および判定方法 - Google Patents

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信行 大森
智啓 村澤
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智啓 村澤
淳平 相澤
Jumpei Aizawa
淳平 相澤
吉人 小山
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吉人 小山
浩 栗田
Hiroshi Kurita
浩 栗田
英哉 百瀬
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英哉 百瀬
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Abstract

【課題】飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って測定される被測定量を有効利用する。
【解決手段】飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って測定される被測定量に基づいて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態を判定する判定処理を実行する処理部15を備え、被験者が飲食物を嚥下するときの被測定量を統計処理して得た判定基準を示す判定基準データDcを記憶する記憶部13を備え、処理部15は、判定処理において、判定基準と判定対象についての被測定量とに基づいて、判定対象についての判定対象事項の状態を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って測定される被測定量に基づいて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態を判定する判定装置および判定方法に関するものである。
飲食物を嚥下するときの筋活動に関する被測定量を測定する装置として、特開2014−168490号公報において出願人が開示した嚥下活動測定装置が知られている。この嚥下活動測定装置は、センサシート、レコーダ部、測定データ分析部、筋活動分析部および記録・表示部を備えて構成されている。この嚥下活動測定装置では、被験者の前頚部に貼りつけたセンサシートに配設されている複数の筋電図電極および複数の振動ピックアップから出力される電気信号が記憶装置に保存され、その電気信号に対して測定データ分析部がフィルタ処理を行う。次いで、筋活動分析部が、測定データ分析部によってフィルタ処理された電気信号に基づき、嚥下に関連する筋群の活動継続時間や、筋群の活動開始および活動終了の順序を計算する。
特開2014−168490号公報(第7−8頁、第1図)
ところが、上記した従来の嚥下活動測定装置には、解決すべき以下の課題がある。すなわち、この嚥下活動測定装置は、嚥下に関連する筋群の活動継続時間や、筋群の活動開始および活動終了の順序を測定することができるものの、これらの測定値を利用して、嚥下に関する事項(判定対象事項)の良否や適否を判定する手段を備えていない。このため、従来の嚥下活動測定装置には、測定した測定値を有効利用することができないという課題が存在する。具体的には、従来の嚥下活動測定装置では、測定値を得ることができるものの、例えば、飲食物の嚥下難易度や、被験者の嚥下機能の状態といった、判定対象事項の状態適否の判定にあたり、基準となる測定値の範囲やしきい値を得ることができないことに起因して、測定値を有効利用することができない状況となっている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って測定される被測定量を有効利用し得る判定装置および判定方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の判定装置は、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って測定される被測定量に基づいて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態を判定する判定処理を実行する処理部を備え、被験者が飲食物を嚥下するときの前記被測定量を統計処理して得た判定基準を記憶する記憶部を備え、前記処理部は、前記判定処理において、前記判定基準と前記判定対象についての前記被測定量とに基づいて、当該判定対象についての前記判定対象事項の状態を判定する。
また、請求項2記載の判定装置は、請求項1記載の判定装置において、前記記憶部は、嚥下機能が低下している嚥下機能低下者と嚥下機能が低下していない嚥下機能正常者とを前記被験者としたときの前記被測定量を統計処理して得た前記判定基準を記憶し、前記処理部は、前記判定処理において、前記判定基準と前記判定対象としての判定対象者についての前記被測定量とに基づいて、当該判定対象者の嚥下機能の状態を前記判定対象事項の状態として判定する。
また、請求項3記載の判定装置は、請求項1記載の判定装置において、前記記憶部は、嚥下が容易な嚥下容易飲食物および嚥下が困難な嚥下困難飲食物を前記被験者が嚥下するときの前記被測定量を統計処理して得た前記判定基準を記憶し、前記処理部は、前記判定処理において、前記判定基準と前記判定対象としての判定対象飲食物を前記被験者が嚥下するときの前記被測定量とに基づいて、当該判定対象飲食物の嚥下難易度を前記判定対象事項の状態として判定する。
また、請求項4記載の判定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の判定装置において、前記筋活動に伴って生じる物理量の経時変化を示す波形から測定される当該筋活動の活動時間、前記波形の振幅、および前記波形の周波数の1つ以上を前記被測定量とする。
また、請求項5記載の判定装置は、請求項1から4のいずれかに記載の判定装置において、前記被測定量の基礎となる物理量を検出するセンサを有して人の頸部に装着可能なセンサシートを備え、前記センサシートは、当該センサシートの長さ方向に沿って連続すると共に前記センサがそれぞれ配設された第1領域および第2領域を有し、前記第1領域の長さ方向に対して前記第2領域の長さ方向が傾斜する形状に形成されている。
また、請求項6記載の判定方法は、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って測定される被測定量に基づいて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態を判定する判定処理において、被験者が飲食物を嚥下するときの前記被測定量を統計処理して得た判定基準と、前記判定対象についての前記被測定量とに基づいて、当該判定対象についての前記判定対象事項の状態を判定する。
また、請求項7記載の判定方法は、請求項6記載の判定方法において、前記判定処理において、嚥下機能が低下している嚥下機能低下者と嚥下機能が低下していない嚥下機能正常者とを前記被験者としたときの前記被測定量を統計処理して得た前記判定基準と、前記判定対象としての判定対象者についての前記被測定量とに基づいて、当該判定対象者の嚥下機能の状態を前記判定対象事項の状態として判定する。
また、請求項8記載の判定方法は、請求項6記載の判定方法において、前記判定処理において、嚥下が容易な嚥下容易飲食物および嚥下が困難な嚥下困難飲食物を前記被験者が嚥下するときの前記被測定量を統計処理して得た前記判定基準と、前記判定対象としての判定対象飲食物を前記被験者が嚥下するときの前記被測定量とに基づいて、当該判定対象飲食物の嚥下難易度を前記判定対象事項の状態として判定する。
また、請求項9記載の判定方法は、請求項6から8のいずれかに記載の判定方法において、前記筋活動に伴って生じる物理量の経時変化を示す波形から測定される当該筋活動の活動時間、前記波形の振幅、および前記波形の周波数の1つ以上を前記被測定量とする。
請求項1記載の判定装置、および請求項6記載の判定方法では、被験者が飲食物を嚥下するときの被測定量を統計処理して得た判定基準と、判定対象についての被測定量とに基づいて、判定対象についての判定対象事項の状態を判定する。このため、この判定装置および判定方法によれば、嚥下の際の被測定量を測定する機能だけを備えた従来の測定装置とは異なり、測定した被測定量を用いて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態の判定を確実かつ容易に行うことができる。したがって、この判定装置および判定方法によれば、嚥下の際の被測定量を十分に有効利用することができる。
また、請求項2記載の判定装置、および請求項7記載の判定方法では、嚥下機能が低下している嚥下機能低下者と嚥下機能が低下していない嚥下機能正常者とを被験者としたときの被測定量を統計処理して得た判定基準と、判定対象者についての被測定量とに基づいて、判定対象者の嚥下機能の状態を判定対象事項の状態として判定する。この場合、判定対象者の嚥下機能の状態を判定することには、多くの需要が見込まれる。したがって、この判定装置および判定方法によれば、このように多くの需要が見込まれる嚥下機能の状態の判定を嚥下の際の被測定量を用いて確実かつ容易に行うことができるため、嚥下の際の被測定量をより十分に有効利用することができる。
また、請求項3記載の判定装置、および請求項8記載の判定方法では、嚥下が容易な嚥下容易飲食物および嚥下が困難な嚥下困難飲食物を被験者が嚥下するときの被測定量を統計処理して得た判定基準と、判定対象飲食物を被験者が嚥下するときの被測定量とに基づいて、判定対象飲食物の嚥下難易度を判定対象事項の状態として判定する。したがって、この判定装置および判定方法によれば、客観的な判定が困難な嚥下難易度の判定を嚥下の際の被測定量を用いて確実かつ容易に行うことができるため、嚥下の際の被測定量をより十分に有効利用することができる。
また、請求項4記載の判定装置、および請求項9記載の判定方法では、筋活動に伴って生じる物理量の経時変化を示す波形から測定される筋活動の活動時間、波形の振幅、および波形の周波数の1つ以上を被測定量とする。この場合、これらの被測定量は、物理量の経時変化を示す波形から正確に測定することができる。このため、この判定装置および判定方法によれば、測定した被測定量を用いて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態を正確に判定することができる。
また、請求項5記載の判定装置は、被測定量の基礎となる物理量を検出するセンサがそれぞれ配設された第1領域および第2領域を有し、第1領域の長さ方向に対して第2領域の長さ方向が傾斜する形状に形成されて人の頸部に装着可能なセンサシートを備えている。この場合、センサシートの装着対象部位である人の頸部は、前頸部から頤下部にかけて屈曲しているため、第2領域が第1領域に対して傾斜していない形状のセンサシート(全体として長方形のセンサシート)を頸部に装着したときには、頸部の屈曲部においてセンサシートに皺が発生する。この場合、皺が発生した部位では、センサと頸部の皮膚との間の電気抵抗が大きくなることがあり、この結果、センサによって検出された物理量にノイズが混入することがある。これに対して、この判定装置のセンサシートでは、第1領域の長さ方向に対して第2領域の長さ方向が傾斜する形状に形成したことで、頸部の屈曲部分に沿ってセンサシートが屈曲するため、この部分における皺の発生が十分に少なく抑えられる。このため、この判定装置のセンサシートでは、センサと頸部の皮膚とが密着して両者の間の電気抵抗が小さくなり、この結果、検出される物理量へのノイズの混入を十分に少なく抑えることが可能となっている。したがって、この判定装置によれば、判定処理において用いる被測定量を正確に測定することができる。
判定装置1の構成を示す構成図である。 センサシート11の構成を示す平面図である。 嚥下機能判定基準作成処理50のフローチャートである。 判定基準データDc1の作成方法、および判定基準データDc1を用いた判定方法を説明する説明図である。 嚥下機能判定処理60のフローチャートである。 嚥下難易度判定基準作成処理70のフローチャートである。 判定基準データDc2の作成方法、および判定基準データDc2を用いた判定方法を説明する説明図である。 嚥下難易度判定処理80のフローチャートである。 センサシート31の構成を示す平面図である。 センサシート31を装着した判定対象者100の左側の頸部101を斜め前方から見た装着状態図である。 センサシート31を装着した判定対象者100の頸部101を正面から見た装着状態図である。
以下、判定装置および判定方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、判定装置の一例としての図1に示す判定装置1の構成について説明する。判定装置1は、判定対象における飲食物の嚥下に関する判定対象事項の状態を、後述する判定方法に従って判定可能に構成されている。
この場合、この判定装置1では、人(以下、「判定対象者100」ともいう)を判定対象として、判定対象者100の嚥下機能の状態を判定対象事項の状態として判定する。具体的には、判定対象者100が嚥下機能低下者(嚥下の機能が低下している人)であるか嚥下機能正常者(嚥下の機能が低下していない人)であるかを判定する。また、この判定装置1では、飲食物(以下、「判定対象飲食物200」ともいう)を判定対象として、判定対象飲食物200の嚥下難易度を判定対象事項の状態として判定する。具体的には、判定対象飲食物200が嚥下容易飲食物(嚥下が容易な飲食物)であるか嚥下困難飲食物(嚥下が困難な飲食物)であるかを判定する。
この場合、判定装置1は、図1に示すように、センサシート11、操作部12、記憶部13、表示部14および処理部15を備えて構成されている。
センサシート11は、図2に示すように、粘着シート21、複数の筋電図電極22(センサの一例)、複数の振動ピックアップ23(センサの他の一例)、および取り付け指標24を備えて、人の頸部に貼付(装着)可能に構成されている。粘着シート21は、一面が粘着面となっている。筋電図電極22は、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って生じる電圧(物理量)の経時変化を検出して電気信号S1を出力する。振動ピックアップ23は、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って生じる振動(物理量の経時変化)を検出して電気信号S2を出力する。また、筋電図電極22および振動ピックアップ23は、粘着シート21のいずれかの面(例えば、粘着面とは逆側の面)に両面テープや接着剤等で固定されている。
取り付け指標24は、センサシート11を判定対象者100や後述する被験者300(以下、「判定対象者100等」ともいう)の貼付対象部位(具体的には、前頚部)に貼付する際に位置合わせをするための指標(目印)であって、粘着シート21の両面に設けられている。このセンサシート11では、判定対象者100等毎に予め設定された目標位置と取り付け指標24とが一致するように粘着シート21を判定対象者100等の貼付対象部位に貼付したときに、筋電図電極22および振動ピックアップ23が筋活動を測定する対象の筋(以下「測定対象筋」ともいう)に対向するように、筋電図電極22、振動ピックアップ23および取り付け指標24の位置が規定されている。
操作部12は、各種の操作が可能に構成されており、操作に応じた操作信号を出力する。記憶部13は、処理部15の制御に従い、センサシート11の筋電図電極22から出力された電気信号S1(具体的には、電気信号S1の波形を示す波形データ)、およびセンサシート11の振動ピックアップ23から出力された電気信号S2(具体的には、電気信号S2の波形を示す波形データ)を記憶する。また、記憶部13は、処理部15の制御に従い、処理部15によって実行される嚥下機能判定基準作成処理50(図3参照)において作成される判定基準データDc1を記憶する。この場合、判定基準データDc1は、処理部15によって実行される嚥下機能判定処理60(図5参照)において用いられる。また、記憶部13は、処理部15の制御に従い、処理部15によって実行される嚥下難易度判定基準作成処理70(図6参照)において作成される判定基準データDc2(以下、判定基準データDc1,Dc2を区別しないときには「判定基準データDc」ともいう)を記憶する。この場合、判定基準データDc2は、処理部15によって実行される嚥下難易度判定処理80(図8参照)において用いられる。
ここで、この判定装置1では、記憶部13は、被験者300が飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って生じる物理量の経時変化を示す波形としての電圧波形や振動波形から測定される筋活動の活動時間Tおよび波形の振幅Aを被測定量として、その被測定量を統計処理して得た判定基準を示す判定基準データDcを記憶する。具体的には、記憶部13は、嚥下の機能が低下している複数の嚥下機能低下者と嚥下の機能が低下していない複数の嚥下機能正常者とを被験者300としたときの各被測定量の分布状態から、嚥下機能低下者の被測定量が属する領域と、嚥下機能正常者の被測定量が属する領域とを区画し(統計処理の一例)、判定対象者100の被測定量がどちらの領域に属するかによって判定対象者100の嚥下機能の状態を判定する判定基準を示す判定基準データDc1を記憶する。また、記憶部13は、嚥下が容易な複数の嚥下容易飲食物と嚥下が困難な複数の嚥下困難飲食物とを被験者300が嚥下するときの各被測定量の分布状態から、嚥下容易飲食物を嚥下するときの被測定量が属する領域と、嚥下困難飲食物を嚥下するときの被測定量が属する領域とを区画し(統計処理の他の一例)、判定対象飲食物200を嚥下するときの被測定量がどちらの領域に属するかによって判定対象飲食物200の嚥下難易度を判定する判定基準を示す判定基準データDc2を記憶する。
表示部14は、処理部15の制御に従い、センサシート11から出力される電気信号S1,S2の波形の画像や、処理部15によって実行される嚥下機能判定処理60および嚥下難易度判定処理80の結果(判定結果)を表示する。
処理部15は、操作部12から出力される操作信号に従って各種の処理を行う。具体的には、処理部15は、図3に示す嚥下機能判定基準作成処理50、および図5に示す嚥下機能判定処理60を実行する。また、処理部15は、図6に示す嚥下難易度判定基準作成処理70、および図8に示す嚥下難易度判定処理80を実行する。
次に、判定装置1を用いて判定対象についての判定対象事項の状態を判定する判定方法について、図面を参照して説明する。
最初に、判定対象としての判定対象者100の嚥下機能の状態(判定対象者100が嚥下機能低下者であるか嚥下機能正常者であるか)を判定対象事項の状態として判定(以下、「嚥下機能判定」ともいう)を行う例について説明する。この嚥下機能判定を行う際には、まず、判定基準(以下、「嚥下機能判定基準」ともいう)を作成する。
この嚥下機能判定基準の作成では、嚥下の機能が低下している複数の嚥下機能低下者と、嚥下の機能が低下していない複数の嚥下機能正常者とを被験者300として選定する。
次いで、各被験者300が飲食物を嚥下するときの筋活動に伴う物理量の経時変化を検出して記憶させる。具体的には、被験者300の目標位置とセンサシート11の取り付け指標24とが一致するようにセンサシート11の粘着シート21を被験者300の前頚部(貼付対象部位)に貼付する。この際に、センサシート11の筋電図電極22および振動ピックアップ23が被験者300の測定対象筋に対向する。
続いて、操作部12を操作して、物理量の経時変化の検出開始を指示する。次いで、被験者300に対して、飲食物(例えば、嚥下が容易なゼリー状の飲食物)を嚥下するよう指示する。
続いて、センサシート11の筋電図電極22が、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って生じる電圧の経時変化を検出して電気信号S1を出力する。また、センサシート11の振動ピックアップ23が、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って生じる振動を検出して電気信号S2を出力する。
次いで、処理部15は、筋電図電極22および振動ピックアップ23からそれぞれ出力された電気信号S1,S2を記憶部13に記憶させる。続いて、操作部12を操作して、物理量の経時変化の検出終了を指示する。以上により、1人の被験者300についての物理量の経時変化の検出および記憶(以下「検出・記憶作業」ともいう)が終了する。以下同様にして、他の被験者300について検出・記憶作業を行う。
次いで、全ての被験者300についての検出・記憶作業が終了したときには、操作部12を操作して、処理部15に対して図3に示す嚥下機能判定基準作成処理50の実行を指示する。この嚥下機能判定基準作成処理50では、処理部15は、まず、記憶部13に記憶されている各被験者300についての電気信号S1,S2の中から、1人の被験者300についての電気信号S1,S2を読み出す(ステップ51)。続いて、処理部15は、電気信号S1に基づいて電圧波形(物理量の経時変化を示す波形の一例)を特定すると共に、電気信号S2に基づいて振動波形(物理量の経時変化を示す波形の他の一例)を特定する(ステップ52)。
次いで、処理部15は、電圧波形に基づき、嚥下時における被験者300の測定対象筋の活動時間Tを被測定量として測定して(ステップ53)、記憶部13に記憶させる。この場合、処理部15は、電圧波形(電圧の経時変化)から、筋活動の開始時刻および筋活動の終了時刻を求め、開始時刻から終了時刻までの時間を活動時間Tとして測定する。続いて、処理部15は、振動波形に基づき、被験者300の前頚部の振動の振幅Aを被測定量として測定して(ステップ54)、記憶部13に記憶させる。この場合、処理部15は、振動波形から、活動時間T内における最大の振幅を振幅Aとして測定する。
次いで、処理部15は、全ての被験者300についての被測定量の測定を終了したか否かを判別する(ステップ55)。この場合、この時点では、全ての被験者300についての測定が終了していないため、処理部15は、次の被験者300を対象として上記したステップ51〜ステップ54を実行した後に、ステップ55を実行する。以下、処理部15は、全ての被験者300についての測定が終了するまでステップ51〜ステップ55を繰り返して実行する。
続いて、処理部15は、全ての被験者300についての被測定量の測定が終了したときには、嚥下機能判定基準を作成する(ステップ56)。この嚥下機能判定基準の作成では、処理部15は、上記のように測定した被測定量(活動時間Tおよび振幅A)を統計処理して嚥下機能判定基準を作成する。具体的には、処理部15は、一例として、図4に示すように、活動時間TをX軸(横軸)とすると共に振幅AをY軸(縦軸)とするXY平面上に、各被験者300についての活動時間Tおよび振幅Aで特定されるポイントをプロットする。
この場合、嚥下機能低下者である被験者300については、活動時間Tが短くかつ振幅Aが小さい傾向にあり、図4に示すように、XY平面の領域C1(同図における直線L1で区画された左下の領域)にポイントが集中する。また、嚥下機能正常者である被験者300については、活動時間Tが長くかつ振幅Aが大きい傾向にあり、同図に示すように、XY平面の領域C2(直線L1で区画された右上の領域)にポイントが集中する。この際には、処理部15は、判定対象者100の活動時間Tおよび振幅Aによって特定されるXY平面上のポイントが領域C1に位置するときには、判定対象者100が嚥下機能低下者であると判定し、ポイントが領域C2に位置するときには、判定対象者100が嚥下機能正常者であると判定する旨を嚥下機能判定基準とする。次いで、処理部15は、嚥下機能判定基準を示す判定基準データDc1を記憶部13に記憶させて(ステップ57)、嚥下機能判定基準作成処理50を終了する。
続いて、被験者300を対象とした検出・記憶作業と同じ手順で、判定対象者100を対象として検出・記憶作業を行う。この場合、上記した被験者300を対象とした検出・記憶作業と同じ飲食物を用いて検出・記憶作業を行う。
次いで、操作部12を操作して、処理部15に対して、図5に示す嚥下機能判定処理60の実行を指示する。この嚥下機能判定処理60では、処理部15は、記憶部13に記憶されている判定対象者100についての電気信号S1,S2を読み出す(ステップ61)。続いて、処理部15は、電気信号S1に基づいて電圧波形を特定すると共に、電気信号S2に基づいて振動波形を特定する(ステップ62)。
次いで、処理部15は、電圧波形に基づいて嚥下時における判定対象者100の測定対象筋の活動時間Tを測定して(ステップ63)、記憶部13に記憶させ、続いて、振動波形に基づいて判定対象者100の前頚部の振動の振幅A(活動時間T内における最大の振幅)を測定して(ステップ64)、記憶部13に記憶させる。
次いで、処理部15は、記憶部13から判定基準データDc1を読み出す(ステップ65)。続いて、処理部15は、判定基準データDc1によって示される嚥下機能判定基準に基づいて判定対象者100が嚥下機能低下者であるか嚥下機能正常者であるか(判定対象事項の状態)を判定する(ステップ66)。具体的には、処理部15は、判定基準データDc1に基づき、図4に示すように、活動時間TをX軸、振幅AをY軸とするXY平面上における領域C1,C2を特定する。
次いで、処理部15は、記憶部13から判定対象者100についての活動時間Tおよび振幅Aを読み出して、活動時間Tおよび振幅Aで特定されるポイント(図4に示す十字マーク)をXY平面上にプロットする。この際に、そのポイントが領域C1に位置するときには、処理部15は、判定対象者100が嚥下機能低下者であると判定する。一方、そのポイントが領域C2に位置するときには、判定対象者100が嚥下機能正常者であると判定する。続いて、処理部15は、判定結果を表示部14に表示させて(ステップ67)、嚥下機能判定処理60を終了する。以上により、判定装置1を用いた嚥下機能判定が完了する。
次に、判定対象としての判定対象飲食物200の嚥下難易度(嚥下容易飲食物であるか嚥下困難飲食物であるか)を判定対象事項の状態として判定(以下、「嚥下難易度判定」)を行う例について説明する。この嚥下難易度判定を行う際には、まず、判定基準(以下、「嚥下難易度判定基準」ともいう)を作成する。
この嚥下難易度判定基準の作成では、嚥下が容易な複数種類の嚥下容易飲食物(例えば、液状またはゼリー状の飲食物)と、嚥下が困難な複数の嚥下困難飲食物(例えば、餅等)とを被験飲食物400として選定する。また、嚥下の機能が低下していない嚥下機能正常者を被験者300として選定する。
次いで、上記した嚥下機能判定における検出・記憶作業と同じ手順で、被験者300を対象として、被験飲食物400毎に検出・記憶作業を行う。この場合、各被験飲食物400(各嚥下容易飲食物および各嚥下困難飲食物)を被験者300が嚥下する際の物理量の経時変化について、被験飲食物400毎に検出・記憶作業を行う。
続いて、全ての被験飲食物400についての検出・記憶作業が終了したときには、操作部12を操作して、処理部15に対して、図6に示す嚥下難易度判定基準作成処理70の実行を指示する。この嚥下難易度判定基準作成処理70では、処理部15は、まず、記憶部13に記憶されている各被験飲食物400についての電気信号S1,S2の中から、1つの被験飲食物400についての電気信号S1,S2を読み出す(ステップ71)。次いで、処理部15は、電気信号S1に基づいて電圧波形を特定すると共に、電気信号S2に基づいて振動波形を特定する(ステップ72)。
続いて、処理部15は、電圧波形に基づいて活動時間Tを測定して(ステップ73)、記憶部13に記憶させ、次いで、振動波形に基づいて振幅A(活動時間T内における最大の振幅)を被測定量として測定して(ステップ74)、記憶部13に記憶させる。
続いて、処理部15は、全ての被験飲食物400についての被測定量の測定を終了したかを判別する(ステップ75)。この場合、この時点では、全ての被験飲食物400についての測定が終了していないため、処理部15は、次の被験飲食物400を対象として上記したステップ71〜ステップ74を実行した後に、ステップ75を実行する。以下、処理部15は、全ての被験飲食物400についての測定が終了するまでステップ71〜ステップ75を繰り返して実行する。
次いで、処理部15は、全ての被験飲食物400についての被測定量の測定が終了したときには、嚥下難易度判定基準を作成する(ステップ76)。この嚥下難易度判定基準の作成では、処理部15は、上記のように測定した被測定量(活動時間Tおよび振幅A)を統計処理して判定基準を作成する。具体的には、処理部15は、一例として、図7に示すように、活動時間TをX軸(横軸)とすると共に振幅AをY軸(縦軸)とするXY平面上に、各被験飲食物400についての活動時間Tおよび振幅Aで特定されるポイントをプロットする。
この場合、嚥下容易飲食物である被験飲食物400については、活動時間Tが短くかつ振幅Aが小さい傾向にあり、図7に示すように、XY平面の領域C3(同図における直線L2で区画された左下の領域)にポイントが集中する。また、嚥下困難飲食物である被験飲食物400については、活動時間Tが長くかつ振幅Aが大きい傾向にあり、同図に示すように、XY平面の領域C4(直線L2で区画された右上の領域)にポイントが集中する。この際には、処理部15は、判定対象飲食物200の活動時間Tおよび振幅Aによって特定されるXY平面上のポイントが領域C3に位置するときには、判定対象飲食物200が嚥下容易飲食物であると判定し、ポイントが領域C4に位置するときには、判定対象飲食物200が嚥下困難飲食物であると判定する旨を嚥下難易度判定基準とする。続いて、処理部15は、嚥下難易度判定基準を示す判定基準データDc2を記憶部13に記憶させて(ステップ77)、嚥下難易度判定基準作成処理70を終了する。
次いで、被験飲食物400を対象とした検出・記憶作業と同じ手順で、判定対象飲食物200を対象として検出・記憶作業を行う。この場合、上記した被験飲食物400を対象とした検出・記憶作業と同じ被験者300に判定対象飲食物200を嚥下させて検出・記憶作業を行う。
続いて、操作部12を操作して、処理部15に対して、図8に示す嚥下難易度判定処理80の実行を指示する。この嚥下難易度判定処理80では、処理部15は、記憶部13に記憶されている判定対象飲食物200についての電気信号S1,S2を読み出す(ステップ81)。次いで、処理部15は、電気信号S1に基づいて電圧波形を特定すると共に、電気信号S2に基づいて振動波形を特定する(ステップ82)。
続いて、処理部15は、電圧波形に基づいて嚥下時における被験者300の測定対象筋の活動時間Tを測定して(ステップ83)、記憶部13に記憶させ、次いで、振動波形に基づいて被験者300の前頚部の振動の振幅A(活動時間T内における最大の振幅)を測定して(ステップ84)、記憶部13に記憶させる。
続いて、処理部15は、記憶部13から判定基準データDc2を読み出す(ステップ85)。次いで、処理部15は、判定基準データDc2によって示される嚥下難易度判定基準に基づいて判定対象飲食物200が嚥下容易飲食物であるか嚥下困難飲食物であるか(判定対象事項の状態)を判定する(ステップ86)。具体的には、処理部15は、判定基準データDc2に基づき、図7に示すように、活動時間TをX軸、振幅AをY軸とするXY平面上における領域C3,D4を特定する。
続いて、処理部15は、記憶部13から判定対象飲食物200についての活動時間Tおよび振幅Aを読み出して、活動時間Tおよび振幅Aで特定されるポイント(図7に示す十字マーク)をXY平面上にプロットする。この際に、そのポイントが領域C3に位置するときには、処理部15は、判定対象飲食物200が嚥下容易飲食物であると判定する。一方、そのポイントが領域C4に位置するときには、判定対象飲食物200が嚥下困難飲食物であると判定する。次いで、処理部15は、判定結果を表示部14に表示させて(ステップ87)、嚥下機能判定処理60を終了する。 以上により、判定装置1を用いた嚥下難易度判定が完了する。
このように、この判定装置1および判定方法では、被験者が飲食物を嚥下するときの被測定量を統計処理して得た判定基準と、判定対象についての被測定量とに基づいて、判定対象についての判定対象事項の状態を判定する。このため、この判定装置1および判定方法によれば、嚥下の際の被測定量を測定する機能だけを備えた従来の測定装置とは異なり、測定した被測定量を用いて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態の判定を確実かつ容易に行うことができる。したがって、この判定装置1および判定方法によれば、嚥下の際の被測定量を十分に有効利用することができる。
また、この判定装置1および判定方法では、嚥下機能低下者と嚥下機能正常者とを被験者300としたときの被測定量を統計処理して得た嚥下機能判定基準と、判定対象者100について被測定量とに基づいて、判定対象者100の嚥下機能の状態を判定する。この場合、判定対象者100の嚥下機能の状態を判定することには、多くの需要が見込まれる。したがって、この判定装置1および判定方法によれば、このように多くの需要が見込まれる嚥下機能の状態の判定を嚥下の際の被測定量を用いて確実かつ容易に行うことができるため、嚥下の際の被測定量をより十分に有効利用することができる。
また、この判定装置1および判定方法では、被験者300が嚥下容易飲食物および嚥下困難飲食物を嚥下するときの被測定量を統計処理して得た嚥下難易度判定基準と、判定対象飲食物200を被験者300が嚥下するときの被測定量とに基づいて、判定対象飲食物の嚥下難易度を判定する。したがって、この判定装置1および判定方法によれば、客観的な判定が困難な嚥下難易度の判定を嚥下の際の被測定量を用いて確実かつ容易に行うことができるため、嚥下の際の被測定量をより十分に有効利用することができる。
また、この判定装置1および判定方法では、筋活動に伴って生じる物理量の経時変化を示す波形から測定される筋活動の活動時間Tおよび波形の振幅Aを被測定量とする。この場合、活動時間Tおよび波形の振幅Aは、検出した物理量の経時変化を示す波形から正確に測定することができる。このため、この判定装置1および判定方法によれば、測定した被測定量を用いて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態を正確に判定することができる。
なお、判定装置および判定方法は、上記の構成および方法に限定されず、適宜変更することができる。例えば、判定処理において、筋活動に伴って生じる物理量の経時変化(電圧の経時変化や振動)を示す波形から特定される筋活動の活動時間Tおよび波形の振幅Aを被測定量として測定する例について上記したが、物理量の経時変化を示す波形の周波数を被測定量として測定する構成および方法を採用することもできる。この場合、活動時間T、振幅Aおよび周波数のうちの任意の1つ以上を判定基準の作成や判定処理に用いることができる。また、これら以外の被測定量を測定して判定基準の作成や判定処理に用いることもできる。
また、筋活動に伴って生じる物理量の経時変化として、電圧の経時変化および振動を検出する例について上記したが、他の物理量の経時変化(例えば、電流の経時変化)を検出して、その波形から測定される被測定量を判定基準の作成や判定処理に用いる構成および方法を採用することもできる。
また、統計処理を行って判定基準を作成する際に、XY平面を直線L1,L2で区画(分割)して領域を規定する例について上記したが、XY平面の区画方法は、直線による区画方法に限定されず、例えば、多項式で表される線(線分)で区画する方法や、これらの直線や線を組み合わせて区画する方法、さらに円や四角形といった閉じた図形で区画する方法等を採用することもできる。また、上記の例では、被測定量が2つのため、2次元のXY平面を区画して領域を規定しているが、被測定量が3つ以上の場合においても、領域を規定して判定基準を作成することができる。例えば、被測定量が3つの場合には、3次元のXYZ空間内に3つの被測定量で特定されるポイントをプロットして、平面、球、四面体、および多項式で表される面等でXYZ空間を区画する方法、さらにこれらの面や形状を組み合わせてXYZ空間を区画することが可能である。
また、上記したセンサシート11に代えて、図9に示すセンサシート31を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記したセンサシート11と同様の構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。このセンサシート31は、同図に示すように、粘着シート41、複数(一例として8つ)の筋電図電極42a〜42h(センサの一例であって、以下、区別しないときには「筋電図電極42」ともいう)、および取り付け指標43を備えて構成されている。粘着シート41は、センサシート11の粘着シート21と同様に、一面が粘着面となっている。なお、同図では、粘着シート41の粘着面とは逆側の表面から見た状態でセンサシート31を図示している。
筋電図電極42は、センサシート11の筋電図電極22と同様に、飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って生じる電圧(物理量)の経時変化を検出して電気信号S1を出力する。このセンサシート31では、一例として、2つの筋電図電極42を1組とする4組(合計8つ)の筋電図電極42を備えている。また、各筋電図電極42は、粘着シート41の粘着面に固定されている。
取り付け指標43は、図10,11に示すように、判定対象者100等における貼付対象部位としての頸部101に貼付(装着)する際にセンサシート31の位置合わせをするための指標(目印)であって、図9に示すように、粘着シート41の縁部に形成された切り欠きによって構成されている。
この場合、このセンサシート31では、図10,11に示すように、判定対象者100等の頸部101における喉頭隆起102(喉仏)の近傍(外側)に取り付け指標43が位置するように粘着シート41を頸部101に貼付したときに(以下、この状態を「規定状態」ともいう)、各筋電図電極42が測定対象筋(嚥下に関与する筋)に対向するように、各筋電図電極42および取り付け指標43の位置が規定されている。具体的には、規定状態において、測定対象筋の一例としての胸骨甲状筋、胸骨舌骨筋、甲状舌骨筋およびオトガイ筋(いずれも図示を省略する)の各近傍に各筋電図電極42が対向するように構成されている。より具体的には、規定状態において、筋電図電極42a,42bが胸骨甲状筋の近傍に対向し、筋電図電極42c,42dが胸骨舌骨筋の近傍に対向し、筋電図電極42e,42fが甲状舌骨筋の近傍に対向し、筋電図電極42g,42hがオトガイ筋の近傍に対向するように構成されている。
また、図9に示すように、このセンサシート31は、センサシート31の長さ方向に沿って連続すると共に上記の筋電図電極42(センサ)がそれぞれ配設された第1領域31aおよび第2領域31bを有して構成され、第1領域31aの長さ方向(同図における上下方向であって、同図に示す矢印Aの方向)に対して、第2領域31bの長さ方向(同図に示す矢印Bの方向)が傾斜する形状に形成されている。
なお、図9では、頸部101の左側(向かって右側)に貼付するセンサシート31(以下、「左用のセンサシート31」ともいう)を図示している。この左用のセンサシート31は、同図に示すように、表面を手前側にして、第1領域31aの長さ方向(矢印Aの方向)を垂直とした状態において、第2領域31bの先端部(同図における上端部)側が左側に向くように傾斜する形状に形成されている。また、頸部101の右側(向かって左側)に貼付するセンサシート31(右用のセンサシート31)は、上記した左用のセンサシート31を同図における上下方向を対称軸とする線対称の形状に形成される。
ここで、図10に示すように、センサシート31の貼付対象部位である頸部101は、前頸部101aから頤下部101bにかけて屈曲しているため、第2領域31bが第1領域31aに対して傾斜していない形状のセンサシート(全体として長方形のセンサシート)を頸部101に貼付したときには、頸部101の屈曲部においてセンサシートに皺が発生する。この場合、皺が発生した部位では、筋電図電極42と頸部101の皮膚との間の電気抵抗が大きくなることがあり、この結果、筋電図電極42によって検出された電圧にノイズが混入することがある。これに対して、このセンサシート31では、第1領域31aの長さ方向に対して第2領域31bの長さ方向が傾斜する形状に形成したことで、頸部101の屈曲部分に沿ってセンサシート31が屈曲するため、この部分における皺の発生が十分に少なく抑えられる。このため、このセンサシート31では、筋電図電極42と頸部101の皮膚とが密着して両者の間の電気抵抗が小さくなり、この結果、測定波形へのノイズの混入を十分に少なく抑えることが可能となっている。したがって、このセンサシート31を備えた判定装置1によれば、判定処理において用いる被測定量を正確に測定することができる。
また、発明者らは、第1領域31aの長さ方向と第2領域31bの長さ方向とのなす角度(図9参照:以下、「傾斜角度θ」ともいう)が110°〜170°の範囲内のときに、皺の発生を抑える効果が十分に高いことを実験結果から見いだしている。このため、このセンサシート31では、傾斜角度θが110°〜170°の範囲内の一例としての150°に規定されている。
なお、センサシート31に配設する筋電図電極42(センサ)の数は、上記した構成で例示した8つに限定されず、任意に規定することができる。また、センサシート31に配設するセンサの種類も、物理量としての電圧を検出する上記の筋電図電極42に限定されず、例えば、上記したセンサシート11に配設されている振動ピックアップ23(物理量としての振動を検出するセンサ)を用いることもできるし、電圧や振動以外の他の物理量を検出するセンサを用いることもできる。また、異なる物理量を検出する複数種類のセンサを配設する構成を採用することもできる。
1 判定装置
11,31センサシート
13 記憶部
15 処理部
22 筋電図電極
23 振動ピックアップ
31a 第1領域
31b 第2領域
42a〜42h 筋電図電極
60 嚥下機能判定処理
80 嚥下難易度判定処理
100 判定対象者
200 判定対象飲食物
300 被験者
301 頸部
400 被験飲食物
A 振幅
T 活動時間

Claims (9)

  1. 飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って測定される被測定量に基づいて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態を判定する判定処理を実行する処理部を備え、
    被験者が飲食物を嚥下するときの前記被測定量を統計処理して得た判定基準を記憶する記憶部を備え、
    前記処理部は、前記判定処理において、前記判定基準と前記判定対象についての前記被測定量とに基づいて、当該判定対象についての前記判定対象事項の状態を判定する判定装置。
  2. 前記記憶部は、嚥下機能が低下している嚥下機能低下者と嚥下機能が低下していない嚥下機能正常者とを前記被験者としたときの前記被測定量を統計処理して得た前記判定基準を記憶し、
    前記処理部は、前記判定処理において、前記判定基準と前記判定対象としての判定対象者についての前記被測定量とに基づいて、当該判定対象者の嚥下機能の状態を前記判定対象事項の状態として判定する請求項1記載の判定装置。
  3. 前記記憶部は、嚥下が容易な嚥下容易飲食物および嚥下が困難な嚥下困難飲食物を前記被験者が嚥下するときの前記被測定量を統計処理して得た前記判定基準を記憶し、
    前記処理部は、前記判定処理において、前記判定基準と前記判定対象としての判定対象飲食物を前記被験者が嚥下するときの前記被測定量とに基づいて、当該判定対象飲食物の嚥下難易度を前記判定対象事項の状態として判定する請求項1記載の判定装置。
  4. 前記筋活動に伴って生じる物理量の経時変化を示す波形から測定される当該筋活動の活動時間、前記波形の振幅、および前記波形の周波数の1つ以上を前記被測定量とする請求項1から3のいずれかに記載の判定装置。
  5. 前記被測定量の基礎となる物理量を検出するセンサを有して人の頸部に装着可能なセンサシートを備え、
    前記センサシートは、当該センサシートの長さ方向に沿って連続すると共に前記センサがそれぞれ配設された第1領域および第2領域を有し、前記第1領域の長さ方向に対して前記第2領域の長さ方向が傾斜する形状に形成されている請求項1から4のいずれかに記載の判定装置。
  6. 飲食物を嚥下するときの筋活動に伴って測定される被測定量に基づいて判定対象についての嚥下に関する判定対象事項の状態を判定する判定処理において、被験者が飲食物を嚥下するときの前記被測定量を統計処理して得た判定基準と、前記判定対象についての前記被測定量とに基づいて、当該判定対象についての前記判定対象事項の状態を判定する判定方法。
  7. 前記判定処理において、嚥下機能が低下している嚥下機能低下者と嚥下機能が低下していない嚥下機能正常者とを前記被験者としたときの前記被測定量を統計処理して得た前記判定基準と、前記判定対象としての判定対象者についての前記被測定量とに基づいて、当該判定対象者の嚥下機能の状態を前記判定対象事項の状態として判定する請求項6記載の判定方法。
  8. 前記判定処理において、嚥下が容易な嚥下容易飲食物および嚥下が困難な嚥下困難飲食物を前記被験者が嚥下するときの前記被測定量を統計処理して得た前記判定基準と、前記判定対象としての判定対象飲食物を前記被験者が嚥下するときの前記被測定量とに基づいて、当該判定対象飲食物の嚥下難易度を前記判定対象事項の状態として判定する請求項6記載の判定方法。
  9. 前記筋活動に伴って生じる物理量の経時変化を示す波形から測定される当該筋活動の活動時間、前記波形の振幅、および前記波形の周波数の1つ以上を前記被測定量とする請求項6から8のいずれかに記載の判定方法。
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