JP2016153902A - 光走査装置、及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

光走査装置、及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置本体が熱膨張により伸縮しても、また振動が光学部材に作用しても、光学部材の面の向きがずれることがない光走査装置を提供する。
【解決手段】保持部材121の底板121aの固定孔121cの部位が筐体53の基盤53aに固定され、基盤53aに対して底板121aの長形ガイド孔121dの部位が仮想直線Dと直交する方向で固定されかつ仮想直線Dと平行な方向で変位可能に支持され、基盤53aに対して底板121aの一端121jが底板121aの一端121jが360°いずれの方向にも変位可能に支持されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、光ビームにより被走査体を走査する光走査装置、及びそれを備えた画像形成装置に関する。
例えば、電子写真方式の画像形成装置では、感光体(被走査体)表面を均一に帯電させてから、光ビームにより感光体表面を走査して、静電潜像を感光体表面に形成し、トナーにより感光体表面の静電潜像を現像して、感光体表面にトナー像を形成し、トナー像を感光体から記録用紙に転写している。
光ビームによる感光体表面の走査は、光走査装置により行われる。この光走査装置では、光ビームを出射する半導体レーザ等の発光素子、光ビームを反射するポリゴンミラー等の複数のミラー、光ビームを偏向するfθレンズ等の複数のレンズを備え、半導体レーザの光ビームを各ミラー及び各レンズ等の光学部材により感光体表面へと導き、光ビームにより感光体表面を走査して、感光体表面に静電潜像を形成する。
ところで、このような光走査装置においては、光ビームが入射、出射、又は反射される光学部材の面の向きを高精度で調節して、半導体レーザから感光体表面への光ビームの光路を設定している。しかしながら、光学部材の面の向きを高精度で調節しても、光学部材を取付けた光学装置の本体(筐体やフレーム等)が熱膨張により伸縮すると、光学部材の面の向きがずれて、感光体表面における光ビームの入射位置が大幅にずれることがあった。例えば、光学部材を保持した保持部材を光学装置の筐体に載せて支持し、保持部材上で光学部材の光入射面の向きを調節設定する構成においては、保持部材の位置を固定しても、光学装置の筐体が熱膨張すると、保持部材の位置が変位して、光学部材の面の向きが変化し、これにより光ビームの向きが変化して、感光体表面における光ビームの入射位置が大幅にずれた。
このため、特許文献1では、光学部材の保持部材の複数箇所をそれぞれの板バネによりベースに押し当てるだけにして、ベース上で保持部材を変位可能に支持し、保持部材を固定していない。この場合は、ベースが熱膨張しても、保持部材がベースに追従して変位せず、光学部材の面の向きが変化し難く、光ビームの向きも変化し難い。
また、特許文献2では、光学部材ではなく、ヒートシンクであるが、ヒートシンクの熱膨張により基板が撓むため、バネ状のネジを用いて、ヒートシンクを基板に取付け、熱膨張によるヒートシンクの伸縮分をバネ状のネジで吸収している。
特開2006−251517号公報 特開平05−321914号公報
しかしながら、特許文献1、2では、板バネやバネ状のネジだけを用いて光学部材やヒートシンクを取付けているので、光学部材やヒートシンクを確実に位置決めすることができない。特に、光学部材の場合は、光学部材の面の向きがずれると、感光体表面における光ビームの入射位置が大幅にずれるため、板バネだけによる光学部材の取付けは好ましくない。例えば、ポリゴンミラーの回転駆動に伴う振動や外部からの振動が光学部材に作用した場合は、板バネやバネ状のネジにより光学部材が押付けられていても、光学部材が振動して、光学部材の面の向きが徐々にずれて行く。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、装置本体が熱膨張により伸縮しても、また振動が光学部材に作用しても、光学部材の面の向きがずれることがない光走査装置、及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光走査装置は、発光素子から被走査体までの光ビームの光路上に配置された光学部材を保持部材により保持し、前記保持部材を装置本体に取付けた光走査装置であって、前記保持部材の固定部位を前記装置本体に固定する締結部材と、前記保持部材の第1支持部位を前記装置本体に押し当てて、前記第1支持部位を変位可能に支持する第1押圧部材とを備え、前記保持部材に保持される光学部材は、前記光ビームの光路上に配置された複数の光学部材のうちの1つであって、ミラーまたはレンズであることを特徴とする。
本発明に係る光走査装置では、前記第1押圧部材は、弾性を有する弾性部材と前記弾性部材を押圧するワッシャとを含む構成としてもよい。
本発明に係る光走査装置では、前記光学部材は、前記光学部材の面の向きを変更するネジ部材と、前記保持部材に設けられた凸部とで支持されている構成としてもよい。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る光走査装置を備え、前記光走査装置により被走査体上に潜像を形成し、前記被走査体上の潜像を可視像に現像して、前記可視像を前記被走査体から用紙に転写形成することを特徴とする。
本発明では、締結部材により保持部材の固定部位を装置本体に固定し、第1押圧部材により保持部材の第1支持部位を装置本体に押し当てて変位可能に支持している。従って、保持部材の2箇所を支持していることになり、保持部材及び光学部材を安定的に支持することができる。また、締結部材により保持部材の固定部位を装置本体に固定しているので、保持部材を確実に位置決めすることができ、振動が保持部材及び光学部材に作用しても、保持部材の位置がずれることはなく、光学部材の面の向きを維持することができる。更に、第1押圧部材により保持部材の第1支持部位を装置本体に押し当てて変位可能に支持しているので、熱膨張により装置本体が伸縮しても、保持部材の第1支持部位が装置本体に追従して変位せず、保持部材の固定部位と第1支持部位との位置関係が保たれて、装置本体の伸縮による保持部材の歪や固定部位の変位を抑制することができる。このため、保持部材により保持された光学部材の面の向きが変化することはなく、光ビームの向きが変化することもなく、被走査体における光ビームの入射位置がずれることがない。
本発明の光走査装置の一実施形態を備えた画像形成装置を示す断面図である。 上蓋を外した状態での光走査装置の要部を示す斜視図である。 光走査装置の光学系を概略的に示す斜視図である。 光走査装置の中間ミラーの支持構造を示す斜視図である。 中間ミラーの支持構造を示す平面図である。 図5のA−Aに沿う断面図である。 光走査装置の保持部材を示す斜視図である。 光走査装置の筐体の基盤の保持部材取付け領域付近を示す斜視図である。 光走査装置の弾性支持枠を示す斜視図である。 光走査装置の側壁を背面側から見て示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本発明の光走査装置の一実施形態を適用した画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置1は、モノクロ画像を記録用紙に形成するものであり、その構成を大別すると、原稿用紙搬送部(ADF)11、画像読取り部12、印字部13、記録用紙搬送部14、及び給紙部15等からなる。
原稿用紙搬送部11では、原稿用紙を1枚ずつ原稿セットトレイ21から引き出して原稿搬送経路22を通じて搬送し、この原稿用紙を排紙トレイ23に排出する。
画像読取り部12は、原稿用紙の搬送中に、第1走査ユニット24の光源によって原稿用紙表面を照明し、第1及び第2走査ユニット24、25のミラーによって原稿用紙表面からの反射光を結像レンズ26へと導き、結像レンズ26によって原稿用紙表面の画像をCCD(Charge Coupled Device)27上に結像する。CCD27は、原稿用紙表面の画像を主走査方向に繰り返し読取り、原稿用紙表面の画像を示す画像データを出力する。また、CIS28(Contact Image Sensor)は、原稿用紙の搬送中に、原稿用紙裏面を照明して、原稿用紙裏面の画像を主走査方向に繰り返し読取り、原稿用紙裏面の画像を示す画像データを出力する。
また、原稿用紙が画像読取り部12上面のプラテンガラス29上に置かれた場合は、第1及び第2走査ユニット24、25を相互に所定の速度関係を維持しつつ移動させ、第1走査ユニット24の光源によってプラテンガラス29上の原稿用紙表面を照明し、第1及び第2走査ユニット24、25のミラーによって原稿用紙表面からの反射光を結像レンズ26へと導き、結像レンズ26によって原稿用紙表面の画像をCCD27上に結像する。
CCD27、CIS28から出力された画像データは、マイクロコンピュータ等の制御回路により各種の画像処理を施されてから、印字部13に出力される。
次に、印字部13は、画像データによって示される原稿を用紙に記録するものであって、感光体ドラム31、帯電装置32、光走査装置33、現像装置34、転写装置35、クリーニング装置36、及び定着装置37等を備えている。
感光体ドラム31は、一方向に回転しており、その表面をクリーニング装置36によりクリーニングされてから、その表面を帯電装置32により均一に帯電される。光走査装置33は、画像データを入力し、この画像データに応じて光ビーム(レーザ光)を変調し、この光ビームを感光体ドラム31に照射して、感光体ドラム31表面に静電潜像を形成する。現像装置34は、トナーを感光体ドラム31表面に供給して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム31表面に形成する。転写装置35は、感光体ドラム31表面のトナー像を記録用紙搬送部14により搬送されてきた記録用紙に転写する。定着装置37は、記録用紙を加熱及び加圧して、記録用紙上のトナー像を定着させる。この後、記録用紙は、排紙トレイ38へと更に搬送されて排出される。
記録用紙搬送部14は、記録用紙を搬送するための複数の搬送ローラ41、レジストローラ42、搬送経路43、及び排紙ローラ46等を備えおり、記録用紙を給紙部15から受け取って、記録用紙の先端をレジストローラ42に突き当てて揃えた後、記録用紙を印字部13の転写装置35へと搬送し、更に排紙ローラ46により記録用紙を排紙トレイ38へと搬送する。
給紙部15は、複数の給紙トレイ51を備えている。各給紙トレイ51は、記録用紙を蓄積しておくためのトレイであり、ピックアップローラ52により記録用紙を一枚ずつ引き出して記録用紙搬送部14の搬送経路43へと送り出す。
次に、本実施形態の光走査装置33の構成について図2、図3を用いて詳細に説明する。図2は、上蓋を外した状態での光走査装置33の要部を示す斜視図である。また、図3は、光走査装置33の光学系を概略的に示す斜視図である。尚、図3では、光学系を図2の背面側から見て示している。
図2に示すように光走査装置33の筐体53は、合成樹脂製のものであって、その内部には、半導体レーザ101、ポリゴンミラー102、コリメータレンズ103、凹レンズ104、シリンドリカルレンズ105、中間ミラー106、第1fθレンズ107、第2fθレンズ108、及び出射折り返しミラー109等が配置されている。
図3に示すように光走査装置33では、半導体レーザ101から出射された光ビームBMをミラーやレンズ等により矢印方向に回転駆動されているポリゴンミラー102の反射面へと導き、光ビームBMをポリゴンミラー102の反射面で反射して偏向させ、更に反射された光ビームBMをミラーやレンズ等により感光体ドラム31へと導き、光ビームBMにより感光体ドラム31の表面を主走査方向Yに繰り返し走査するというものである。
半導体レーザ101からポリゴンミラー102までの光路には、半導体レーザ101からポリゴンミラー102へと向う順に、コリメータレンズ103、凹レンズ104、シリンドリカルレンズ105、中間ミラー106等の各光学部材が配置されている。
コリメータレンズ103は、半導体レーザ101から出射された光ビームBMを平行光に変換する。凹レンズ104は、平行光に一旦変換された光ビームBMを拡散させる。シリンドリカルレンズ105は、副走査方向Xについて光ビームBMを再度収束させ、副走査方向Xと直交する主走査方向Yについて光ビームBMをそのまま拡散光として出射する。中間ミラー106は、シリンドリカルレンズ105からの光ビームBMを反射し、ポリゴンミラー102に入射させる。これにより、主走査方向についてはポリゴンミラー102の一反射面に対する光ビームBMの照射領域が該一反射面よりも僅かに大きくされる(オーバーフィルドと称す)。
次に、ポリゴンミラー102から感光体ドラム31までの光路には、ポリゴンミラー102から感光体ドラム31へと向う順に、第1fθレンズ107、第2fθレンズ108、及び出射折り返しミラー109等の各光学部材が配置されている。
第1fθレンズ107は、副走査方向Xについてポリゴンミラー102で反射された光ビームBMを平行光に変換し、主走査方向Yについてポリゴンミラー102で反射された平行光の光ビームBMを感光体ドラム31の表面で所定のビーム径となるように集光して出射する。また、第1fθレンズ107は、ポリゴンミラー102の等角速度運動により主走査方向Yに等角速度で偏向されている光ビームBMを感光体ドラム31上の主走査線上で等線速度で移動するように変換する。
第2fθレンズ108は、副走査方向Xについて第1fθレンズ107で平行光となった光ビームBMを感光体ドラム31上で所定のビーム径となるように集光し、主走査方向Yについて第1fθレンズ107で収束光となった光ビームBMをそのまま感光体ドラム31に入射させる。
出射折り返しミラー109は、第2fθレンズ108を透過した光ビームBMを反射し、光ビームBMを筐体53の基盤53aのスリット53b(図2に示す)を介して感光体ドラム31に入射させる。この結果、光ビームBMのスポットが感光体ドラム31の表面に形成され、光ビームBMにより感光体ドラム31の表面が主走査される。
また、ポリゴンミラー102で反射された光ビームBMは、該光ビームBMによる感光体ドラム31の主走査が開始される直前に、検出ミラー111で反射されてBDセンサ112に入射する。BDセンサ112は、感光体ドラム31の主走査を開始する直前のタイミングで光ビームBMを受光して、この主走査開始直前のタイミングを示すBD信号を出力する。このBD信号に応じて光ビームBMによる感光体ドラム31の主走査の開始タイミングが判定され、画像データに応じた光ビームBMの変調が開始される。
このように光走査装置33においては、光ビームBMがポリゴンミラー102の反射面で反射されて偏向され感光体ドラム31に入射して、光ビームBMにより感光体ドラム31の表面が繰返し主走査される。その一方で、感光体ドラム31が回転駆動されるので、光ビームBMにより感光体ドラム31の2次元表面(周面)が走査され、感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。
ところで、このような光走査装置33においては、各レンズ103〜105、107、108の入射面又は出射面やミラー102、106、109の反射面の向きを高精度で調節して、半導体レーザ101から感光体ドラム31表面への光ビームBMの光路を設定している。
しかしながら、レンズやミラーの面の向きを高精度で調節しても、仮に、熱膨張による筐体53の伸縮や、ポリゴンミラー102を回転駆動するモータや画像形成装置1の各種のモータの振動が原因となって、筐体53に取付けられたレンズやミラーの面の向きがずれたならば、感光体ドラム31表面における光ビームの入射位置が大幅にずれる。特に、中間ミラー106については、中間ミラー106の反射面の向きが僅かでも変化すると、ポリゴンミラー102の反射面に対する入射位置が大幅にずれ、ポリゴンミラー102から感光体ドラム31までの光路も大幅にずれて、感光体ドラム31の表面における光ビームBMの入射位置が大幅にずれる。
そこで、本実施形態の光走査装置33では、熱膨張により筐体53が伸縮しても、あるいはポリゴンミラー102を回転駆動するモータや画像形成装置1の各種のモータの振動が中間ミラー106に作用しても、中間ミラー106の反射面の向きが変化しないように、筐体53の基盤53a上で中間ミラー106を支持している。
次に、中間ミラー106の支持構造を詳しく説明する。図4、図5は、中間ミラー106の支持構造を示す斜視図及び平面図である。また、図6は、図5のA−Aに沿う断面図である。図4及び図5に示すように筐体53の基盤53aには、保持部材121が取付けられ、この保持部材121上に弾性支持枠122が固定され、弾性支持枠122により中間ミラー106が支持されている。尚、図5に示す仮想直線Dは、基盤53aに対する鉛直方向から見て、中間ミラー106の反射面と略平行な線である。
図7は、保持部材121を示す斜視図である。図7に示すように保持部材121は、L字型に折り曲げられた金属板であり、底板121a及び立設板121bを有する。底板121aには、固定孔121c、長形ガイド孔121d、ネジ孔121e、2つの矩形孔121f、及び4つの突起121gが形成されている。また、立設板121bには、該立設板121bの矩形対角線上に並ぶ2つのネジ孔121h、及び一方のネジ孔121hの上方に配された凸部121iが形成されている。
図8は、保持部材121が取付けられる基盤53aの領域付近を示す斜視図である。図8に示すように基盤53aには、低いボス53c及び高いボス53dが突設され、低いボス53cの周囲及び高いボス53dの周囲にそれぞれのスペーサー状リブ53e、53fが形成され、更にコの字型の枠部53g及びスペーサー状リブ53hが形成されている。低いボス53cと高いボス53dとを結ぶ直線が仮想直線D(中間ミラー106の反射面)と略平行であり、各スペーサー状リブ53e、53f、53hの上面が同一高さにされている。
また、基盤53aの一端には、側壁53iが立設され、基盤53aにおける側壁53iの近傍箇所に2つの柱状突起53jが突設されている。更に、側壁53iには、2つの調整孔53kが形成されている。
図4〜図5に示すように基盤53aの低いボス53c及び高いボス53dを保持部材121の底板121aの固定孔121c及び長形ガイド孔121dに挿し通し、基盤53aの各柱状突起53jを底板121aの各矩形孔121fに挿し通して、底板121aを位置決めし、底板121aを各スペーサー状リブ53e、53f、53hの上面に安定的に載せている。
保持部材121の底板121aの固定孔121cの内径が基盤53aの低いボス53cの外径よりも僅かに大きく、低いボス53cが底板121aの固定孔121cにガタツキなく差し込まれる。また、スペーサー状リブ53e上面からの低いボス53cの高さが底板121aの厚みと略同一であり、低いボス53cにねじ込まれたネジ123とスペーサー状リブ53eとの間に底板121aが挟まれて締め付けられる。これにより、スペーサー状リブ53e上で、底板121aの固定孔121cの部位が固定される。
また、保持部材121の底板121aの長形ガイド孔121dの短径が基盤53aの高いボス53dの外径よりも僅かに大きく、長形ガイド孔121dの長径が高いボス53dの外径よりも充分に長くて仮想直線D(中間ミラー106の反射面)と略平行な方向に延在している。仮想直線Dと直交する方向では、高いボス53dが底板121aの長形ガイド孔121dの短径側でガタツキなく挟み込まれ、また仮想直線Dと平行な方向では、基盤53aに対して底板121aの長形ガイド孔121dの部位が変位可能である。この高いボス53dにコイルバネ124を差し込み、ネジ125にワッシャ126を通して、ネジ125を高いボス53dにねじ込み、底板121aとワッシャ126の間にコイルバネ124を短縮して挟みこみ、コイルバネ124の付勢力により底板121aをスペーサー状リブ53fに押し当てて支持している。これにより、スペーサー状リブ53f上で、底板121aの長形ガイド孔121dの部位が、基盤53aに対して仮想直線Dと直交する方向で固定されかつ仮想直線Dと平行な方向で変位可能に支持される。
更に、保持部材121の底板121aの一端121jを基盤53aの枠部53gから僅かに離して配置し、底板121aをスペーサー状リブ53hに載せ、板バネ127の一端を枠部53gの内側に嵌め入れ、板バネ127の他端を底板121aの一端121jの上に載せて、板バネ127の孔を通じてネジ128を枠部53gの内側にねじ込んで締め付け、板バネ127を変形させ、板バネ127の付勢力により底板121aの一端121jをスペーサー状リブ53hに押し当てて支持している。これにより、スペーサー状リブ53h上で、基盤53aに対して底板121aの一端121jがネジ128の軸周り360°いずれの方向にも変位可能に支持される。
従って、保持部材121の底板121aの固定孔121cの部位が基盤53aに固定され、底板121aの長形ガイド孔121dの部位が基盤53aに対して仮想直線Dと直交する方向で固定されかつ仮想直線Dと平行な方向で変位可能に支持され、底板121aの一端121jが基盤53aに対して360°いずれの方向にも変位可能に支持されている。また、各ボス53c、53d及び枠部53gが二等辺三角形の各頂点の位置にあり、各ボス53c、53dを結ぶ線分が二等辺三角形の底辺に対応する。このため、保持部材121の底板121aが3箇所で支持され、保持部材121及び中間ミラー106が安定的に支持される。更に、コイルバネ124により底板121aがスペーサー状リブ53fに押付けられる押圧力を板バネ127により底板121aがスペーサー状リブ53hに押付けられる押圧力よりも小さくして、板バネ127により底板121aの一端121jをより安定的に支持し、またコイルバネ124により底板121aの長形ガイド孔121dの部位をより移動し易い状態で支持している。
図9は、中間ミラー106を取外した状態の弾性支持枠122を示す斜視図である。図9に示すように弾性支持枠122は、薄い金属板を打ち抜いて折り曲げ加工したものであり、底板122a、底板122aの一端中央で折り曲げられた柱部122b、柱部122bの上端で折り曲げられた押え部122c、及び底板122aの一端両側で折り曲げられた各把持爪部122dを有している。底板122aには、円形孔122e及び長形孔122fが形成されている。
図4〜図6に示すように弾性支持枠122の底板122aの円形孔122e及び長形孔122fを保持部材121の底板121aの各突起121gに嵌め入れ、ネジ131を弾性支持枠122の底板122aの穿孔(図示せず)を介して保持部材121の底板121aのネジ孔121eにねじ込んで、保持部材121の底板121a上で弾性支持枠122を位置決め固定している。
そして、中間ミラー106を弾性支持枠122の柱部122bと各把持爪部122dの間に差し入れて挟み込んでいる。同時に、中間ミラー106の下端を保持部材121の底板121aの各突起121gの上に載せ、弾性支持枠122の押え部122cにより中間ミラー106の上端を押さえ付けて、中間ミラー106の上下を保持している。更に、中間ミラー106を各柱状突起53jの間に配置している。
また、図5に示すように中間ミラー106の裏面を保持部材121の立設板121bの凸部121iに当接させ、保持部材121の立設板121bの各ネジ孔121hにそれぞれの虫ネジ132をねじ込んで、各虫ネジ132の先端を中間ミラー106の裏面に当接させ、中間ミラー106の裏面を凸部121iと各虫ネジ132の先端により3点支持し、中間ミラー106の反射面の向きを設定している。
ここで、弾性支持枠122が弾性を有し、また中間ミラー106と各柱状突起53jの間に遊びを設けているので、弾性支持枠122を弾性変形させて、中間ミラー106の反射面の向きを変更することが可能である。詳しくは、図10に示すように筐体53の側壁53iの各調整孔53kを通じて、ドライバにより各虫ネジ132を回転させて、各虫ネジ132の先端の突出長さを変更し、各虫ネジ132の先端による中間ミラー106の裏面のそれぞれの押し出し長さを変える。これにより、中間ミラー106の裏面が立設板121bの凸部121iの当接位置を中心にいずれの方向にも回転して、中間ミラー106の反射面が起伏旋回し、反射面の向きが変わる。例えば、立設板121bの凸部121i下方のネジ孔121hにねじ込まれた虫ネジ132の先端の突出長さを変更すると、中間ミラー106の裏面が凸部121iの当接位置を中心に概ね上下方向に回転して、中間ミラー106の反射面が概ね起伏する。また、立設板121bの凸部121i横方向のネジ孔121hにねじ込まれた虫ネジ132の先端の突出長さを変更すると、中間ミラー106の裏面が凸部121iの当接位置を中心に概ね左右方向に回転して、中間ミラー106の反射面が概ね旋回する。
このように中間ミラー106の反射面の向きを調節することにより、中間ミラー106からポリゴンミラー102を介して感光体ドラム31までの光路を適宜設定し、感光体ドラム31の表面における光ビームBMの入射位置を設定する。
一方、筐体53並びに基盤53aが合成樹脂製で、保持部材121が金属製であり、一般に、合成樹脂の熱膨張率が金属の熱膨張率よりも極めて大きいため、熱膨張により基盤53aが保持部材121よりも大きく伸縮する。また、ポリゴンミラー102を回転駆動するモータや画像形成装置1の各種のモータの振動が基盤53aを通じて保持部材121や中間ミラー106に伝わる。従って、中間ミラー106の反射面の向きがずれる原因が存在する。
ところが、本実施形態の光走査装置33では、ネジ123により保持部材121の固定孔121cの部位が基盤53aに固定されているので、各種のモータの振動が基盤53aを通じて保持部材121に伝わっても、保持部材121の位置がずれることはなく、中間ミラー106の反射面の向きを維持することができる。また、底板121aの長形ガイド孔121dの部位が基盤53aに対して仮想直線Dと直交する方向で固定されかつ仮想直線Dと平行な方向で変位可能に支持され、底板121aの一端121jが基盤53aに対して360°いずれの方向にも変位可能に支持されているので、熱膨張により基盤53aが伸縮しても、底板121aの長形ガイド孔121d及び底板121aの一端121jが基盤53aに追従して変位せず、底板121aの固定孔121cに対する長形ガイド孔121dと一端121jの位置関係が保たれて、保持部材121に歪が生じることはなく、固定孔121cの部位の変位が抑制され、中間ミラー106の反射面の向きを維持することができる。すなわち、各種のモータの振動が基盤53aを通じて保持部材121に伝わっても、熱膨張により基盤53aが伸縮しても、保持部材121により保持された中間ミラー106の反射面の向きが変化することはなく、光ビームBMの向きが変化することもなく、感光体ドラム31表面における光ビームの入射位置がずれることがない。
また、底板121aの長形ガイド孔121dの部位が基盤53aに対して仮想直線Dと平行な方向で変位可能に支持されているので、基盤53aに対する長形ガイド孔121dの変位により中間ミラー106の反射面を回転させる方向の力が保持部材121に作用することはなく、中間ミラー106の反射面の向きが一定に維持される。
特に、本実施形態の光走査装置33では、主走査方向についてはポリゴンミラー102の一反射面に対する光ビームBMの照射領域を該一反射面よりも大きくするというオーバーフィルドを適用していることから、光ビームBMの光路の位置を高精度で維持する必要があり、基盤53aの熱膨張の影響を受けずに、中間ミラー106の反射面の向きを維持することは有意義である。
また、コイルバネ124による押圧力を板バネ127による押圧力よりも小さくして、コイルバネ124により底板121aの長形ガイド孔121dの部位をより移動し易い状態で支持しているので、熱膨張による基盤53aの伸縮長さを中間ミラー106の反射面と平行な方向に容易に逃がすことができ、保持部材121の歪みや固定孔121cの部位の変位をより効果的に防止することができる。
更に、各ボス53c、53d及び枠部53gが二等辺三角形の各頂点の位置にあり、各ボス53c、53dを結ぶ線分が二等辺三角形の底辺に対応し、各ボス53c、53dの間に中間ミラー106が配置されていることから、中間ミラー106に対して入射及び反射する光ビームBMの光路が枠部53gの上方を通過することになるが、枠部53gに固定された板バネ127により底板121aの一端121jを押付ける構成であって、板バネ127の高さが低いことから、板バネ127が光ビームBMの光路を遮ることはない。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
1 画像形成装置
11 原稿用紙搬送部(ADF)
12 画像読取り部
13 印字部
14 記録用紙搬送部
15 給紙部
31 感光体ドラム(被走査体)
32 帯電装置
33 光走査装置
34 現像装置
35 転写装置
36 クリーニング装置
37 定着装置
53 筐体(装置本体)
101 半導体レーザ
102 ポリゴンミラー
103 コリメータレンズ
104 凹レンズ
105 シリンドリカルレンズ
106 中間ミラー(光学部材)
107 第1fθレンズ
108 第2fθレンズ
109 出射折り返しミラー
121 保持部材
121c 固定孔(固定部位)
121d 長形ガイド孔(第1支持部位、ガイド部)
121j 一端(第2支持部位)
122 弾性支持枠(弾性支持部材)
123 ネジ(締結部材)
125、128、131 ネジ
124 コイルバネ(第1押圧部材)
126 ワッシャ
127 板バネ(第2押圧部材)
132 虫ネジ(ネジ部材)

Claims (4)

  1. 発光素子から被走査体までの光ビームの光路上に配置された光学部材を保持部材により保持し、前記保持部材を装置本体に取付けた光走査装置であって、
    前記保持部材の固定部位を前記装置本体に固定する締結部材と、
    前記保持部材の第1支持部位を前記装置本体に押し当てて、前記第1支持部位を変位可能に支持する第1押圧部材とを備え、
    前記保持部材に保持される光学部材は、前記光ビームの光路上に配置された複数の光学部材のうちの1つであって、ミラーまたはレンズであること
    を特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置であって、
    前記第1押圧部材は、弾性を有する弾性部材と前記弾性部材を押圧するワッシャとで構成されていること
    を特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光走査装置であって、
    前記光学部材は、前記光学部材の面の向きを変更するネジ部材と、前記保持部材に設けられた凸部とで支持されていること
    を特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の光走査装置を備え、前記光走査装置により被走査体上に潜像を形成し、前記被走査体上の潜像を可視像に現像して、前記可視像を前記被走査体から用紙に転写形成する画像形成装置。
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