JP2016153633A5 - - Google Patents

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図3に示すように、固定装置100は、ラジアルピン102と、シールユニット104と、蓋部材106と、ライナ108と、を有し、貫通孔66及び凹部56に挿入される。ここで、図3及び図4を用いて、固定装置100が挿入される貫通孔66及び凹部56について説明する。ここで、以下では、蒸気タービン10の回転部であるロータ12の径方向をロータ径方向という。ロータ径方向は、蒸気タービン径方向であり、回転機械の回転軸の径方向を示す回転機械径方向となる。貫通孔66は、ロータ径方向内側(ロータ16の径方向24における内側24b)の部分である第1面67の径が、ロータ径方向外側(ロータ16の径方向24における外側24a)の部分である第2面68の径よりも小さくなっている。貫通孔66は、第1面67と第2面68の境界が段差部69となる。段差部69は、ロータ径方向外側から覗いた場合に見える面、つまりロータ径方向外側を向く面である。段差部69は、ロータ径方向外側の部分の径がロータ径方向内側の部分の径よりも大きくなる。このように、貫通孔66は、第2面68で形成された部分である外側貫通孔、及び、第1面67で形成された部分である外側貫通孔にロータ径方向内側で繋がり外側貫通孔より径の小さな内側貫通孔を有する。また、貫通孔66は、第2面68にねじ溝68aが形成されている。凹部56は、内側部材上半52の溝部57に形成されている。溝部57は、回転方向の全周に形成されている溝である。つまり溝部57は、内側部材上半52と内側部材下半54の両方に形成され、それぞれの溝部が繋がって、全周に形成された溝となる。溝部57は、外側部材60の貫通孔66が形成されている部分に設けられた凸部65が挿入されている。凸部65は、ロータ径方向内側に突出した突起であり、溝部57と対面する位置に形成され、溝部57と同様に回転方向の全周に形成されている。溝部57と凸部65とは、軸方向22において、高圧蒸気空間25側、つまりより高圧な蒸気が流れる空間側の接触面である面57aと面65aとが接し、シール面となる。固定装置100は、面57aと面65aが接触しているシール面よりも蒸気入口部40側の空間が高圧蒸気空間25となり、面57aと面65aが接触しているシール面よりも軸方向22端部側の空間が高圧蒸気空間25よりも圧力が低い低圧蒸気空間26となる。なお、溝部57と、凸部65とは、面57aと面65aとが接していればよいため、軸方向22においてシール面と反対側の面57b、65bは、周方向の一部または全部がなくてもよい。
また、固定装置100は、ねじ穴を形成する場合は、ライナ108に円柱状の孔150を設けることで、ライナ108を対象の部品のロータ径方向外側に設置した状態でも棒状工具をねじ穴にねじ込むことができる。ライナ108は、作業性を高くすることができるため、貫通孔を備えていることが好ましいが、貫通孔を備えていなくてもよい。また、ライナ108にねじ穴が形成されていてもよい。なお、ライナ108に棒状工具192を引っかける構造を設け、ライナ108を棒状工具192で引き抜くことで、ライナ108とともにスリーブ112を引き抜いてもよい。また、スリーブ112を非貫通な形状とし、スリーブ112の底(ロータ径方向内側の部分)にねじ穴が形成し、棒状工具192でスリーブ112を貫通孔66から引き抜く構造としてもよい。
固定装置100cは、単位ユニット111、111cを直列に複数配置することで、各単位ユニット111、111cでシール面を形成することができる。これにより、シールユニット104cのシール性を高くすることができる。固定装置100cは、単位ユニット111と単位ユニット111との間及び単位ユニット111とラジアルピン102との間にライナ108をさらに備えている。ライナ108を配置することで、スリーブ112とラジアルピン102または挿入部材114とをより確実に接触させることができ、単位ユニット111のロータ径方向の位置を調整することができる。固定装置100cは、単位ユニット111と単位ユニット111cとを組み合わせたが、全ての単位ユニットを単位ユニット111としてもよく、単位ユニット111cとしてもよい。
図18は、固定装置の他の例の概略構成を示す模式図である。図19は、蓋部材の概略構成を示す上面図である。図18に示す固定装置100eは、蓋部材106bがボルト240で外側部材上半62に固定されている。蓋部材106bは、貫通孔を塞ぐ板部230と板部230から貫通孔66に突出し、挿入部材114と接する突起部232と、を有する。板部230は、貫通孔66よりも大きく、貫通孔66の全面を塞ぐ。蓋部材106bは、板部230の貫通孔66よりも大きい部分が、外側部材上半62の、ロータ径方向外側の面と接する。ボルト240は、板部230の外側部材上半62と接する位置に設けられ、外側部材上半62に設けられたねじ穴にねじ込まれている。蓋部材106bは、図19に示すように、突起部232の周りを囲うように4か所にボルト240が設けられている。このように、固定装置100cは、貫通孔66にねじ穴を設けずに、ボルト240で外側部材上半62に固定される。このようにボルト240を用いて、蓋部材106bを外側部材上半62に固定してもよい。固定装置100eは、蓋部材106bをロータ径方向外側から見た場合、短手方向と長手方向がある略長方形状とすることで、蓋部材の取り付けスペースが狭い場合でも設置できる。
図20は、固定装置の他の例の概略構成を示す模式図である。図20に示す固定装置100fは、封止部材109を有する。封止部材109は、固定装置100の蓋部材106と挿入部材114とを一体化した部材である。封止部材109は、貫通孔を塞ぐ板部250と板部250から貫通孔66に突出し、スリーブ112と接する突起部252と、を有する。板部250は、貫通孔66よりも大きく、貫通孔66の全面を塞ぐ。蓋部材106bは、板部250の貫通孔66よりも大きい部分が、外側部材上半62の、ロータ径方向外側の面と接する。ボルト240は、板部250の外側部材上半62と接する位置に設けられ、外側部材上半62に設けられたねじ穴にねじ込まれている。突起部252は、外周面の径が、ロータ径方向内側に向かうにしたがって小さくなる形状であり、テーパが形成されている。突起部252は、外周面がスリーブ112の内周面と接する。突起部252がスリーブ112と接し、スリーブ112が貫通孔66の内周面と接することで、貫通孔66は塞がれる。このように、蓋部材106と挿入部材114とを一体化してもよい。
また、上記実施形態では、ロータの回転方向において、最も高い位置、つまり、鉛直方向上側の端部に固定装置100を設けたがこれに限定されない。固定装置100は、ロータ16の回転方向のいずれの位置に設けてもよい。例えば、外側部材の最も低い位置、つまり、鉛直方向下側の端部の貫通孔に固定装置を設置してもよい。つまり上述した固定装置は、外側部材下半に設けてもよい。固定装置を外側部材下半に設けた場合も、上述した固定装置の装着方法、取外方法を用いることができ、回転機械の製造方法、組立方法、取外方法(開放方法)に用いることができる。

Claims (16)

  1. 回転機械の静止体の外側部材と内側部材の回転方向における相対位置を固定する固定装置であって、
    前記外側部材を前記回転機械径方向に貫通し、前記回転機械径方向外側の部分の径が径方向内側の部分の径よりも大きい段差部が形成された貫通孔に挿入され、前記回転機械径方向内側の一部が前記内側部材の凹部に挿入され、前記回転機械径方向外側に、前記貫通孔の前記回転機械径方向内側の部分の径よりも外径が大きいフランジ部を有するラジアルピンと、
    前記貫通孔に挿入され、前記ラジアルピンよりも前記回転機械径方向外側で、前記貫通孔の前記回転機械径方向に沿った内周面に接し、前記貫通孔をシールするシールユニットと、
    前記シールユニットの前記回転機械径方向外側に配置され、かつ、前記外側部材に固定される蓋部材と、を有し、
    前記フランジ部は、前記貫通孔の前記回転機械径方向外側の部分の径よりも外径が小さく、前記段差部と接することを特徴とする固定装置。
  2. 前記シールユニットは、前記回転機械径方向に沿って内周面の径が変化するスリーブと、
    前記スリーブに挿入され、前記スリーブの内周面と接する柱状の挿入部材と、を有し、
    前記スリーブの外周面が前記貫通孔と接し、前記スリーブの内周面と前記挿入部材とが接し、前記貫通孔をシールすることを特徴とする請求項1に記載の固定装置。
  3. 前記スリーブは、前記内周面が前記回転機械径方向に沿って貫通しており、
    前記ラジアルピンは、前記径方向外側の端面に、前記径方向外側から治具を着脱自在な係合部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の固定装置。
  4. 前記スリーブは、前記挿入部材よりも前記回転機械径方向内側に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の固定装置。
  5. 前記スリーブと前記ラジアルピンとの間に配置されたライナを有し、
    前記ライナは、外径が前記ラジアルピンの外径よりも大きく、かつ、前記ラジアルピンの径方向において前記ラジアルピンの外径よりも内側まで延在していることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の固定装置。
  6. 前記シールユニットを複数有し、
    前記シールユニットは、前記回転機械径方向に直列に配置されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の固定装置。
  7. 前記蓋部材は、外周面にねじ溝が形成され、前記貫通孔に形成されたねじ溝にねじ込まれることで、前記外側部材に固定されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の固定装置。
  8. 前記フランジ部は、前記回転機械径方向内側の端面にシールリングが配置され、前記シールリングが前記貫通孔及び前記フランジ部と接することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の固定装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の固定装置と、
    前記外側部材と、
    前記内側部材と、
    前記内側部材よりも前記回転機械径方向内側に配置される回転体と、を有することを特徴とする回転機械。
  10. 前記外側部材は、前記貫通孔が形成されている部分が前記回転機械径方向内側に突出する凸部を有し、
    前記凸部には、前記回転機械の軸に垂直な方向に沿った面が回転方向に形成され、
    前記内側部材は、前記凸部に対面する部分に前記回転機械径方向内側に凹み、前記凸部の前記回転機械の軸に垂直な方向に沿った面と接する溝部を有し、
    前記溝部は、前記凸部の前記回転機械の軸に垂直な方向に沿った面と接する面が、前記回転機械の軸に垂直な方向に沿った面であることを特徴とする請求項9に記載の回転機械。
  11. 回転機械の静止体の外側部材と内側部材の回転方向における相対位置を固定し回転機械を製造する回転機械の製造方法であって、
    前記外側部材を前記回転機械径方向に貫通し、前記回転機械径方向外側の部分の径が径方向内側の部分の径よりも大きい段差部が形成された貫通孔に、前記貫通孔の前記回転機械径方向内側の部分の径よりも外径が大きく、前記貫通孔の前記回転機械径方向外側の部分の径よりも外径が小さいフランジ部を有するラジアルピンを挿入し、前記段差部と前記フランジ部を接触させ、かつ、前記ラジアルピンの前記回転機械径方向内側の端部を前記外側部材の前記回転機械径方向内側に配置された前記内側部材の凹部に挿入するステップと、
    前記ラジアルピンが挿入された前記貫通孔にシールユニットを挿入するステップと、
    前記貫通孔に挿入された前記シールユニットを前記回転機械径方向内側に付勢し、前記シールユニットを前記貫通孔の前記回転機械径方向に沿った内周面に接触させ、前記貫通孔をシールするステップと、を有することを特徴とする回転機械の製造方法。
  12. 前記外側部材に前記回転機械径方向に沿って形成されている孔の前記回転機械径方向外側の部分を、前記孔よりも径を大きくして、前記貫通孔を形成するステップを有することを特徴とする請求項11に記載の回転機械の製造方法。
  13. 回転機械の静止体の外側部材と内側部材の回転方向における相対位置を固定し回転機械を組み立てる回転機械の組立方法であって、
    前記外側部材を前記回転機械径方向に貫通し、前記回転機械径方向外側の部分の径が径方向内側の部分の径よりも大きい段差部が形成された貫通孔に、前記貫通孔の前記回転機械径方向内側の部分の径よりも外径が大きく、前記貫通孔の前記回転機械径方向外側の部分の径よりも外径が小さいフランジ部を有するラジアルピンを挿入し、前記段差部と前記フランジ部を接触させ、かつ、前記ラジアルピンの前記回転機械径方向内側の端部を前記外側部材の前記回転機械径方向内側に配置された前記内側部材の凹部に挿入するステップと、
    前記ラジアルピンが挿入された前記貫通孔にシールユニットを挿入するステップと、
    前記貫通孔に挿入された前記シールユニットを前記回転機械径方向内側に付勢し、前記シールユニットを前記貫通孔の前記回転機械径方向に沿った内周面に接触させ、前記貫通孔をシールするステップと、を有することを特徴とする回転機械の組立方法。
  14. 前記外側部材に前記回転機械径方向に沿って形成されている孔の前記回転機械径方向外側の部分を、前記孔よりも径を大きくして、前記貫通孔を形成するステップを有することを特徴とする請求項13に記載の回転機械の組立方法。
  15. 静止体の内側部材と外側部材が固定装置で固定されている回転機械を取外す回転機械の取外方法であって、
    前記固定装置は、前記外側部材に形成された貫通孔に、前記回転機械径方向内側の一部が前記内側部材の凹部に挿入されたラジアルピンと、前記ラジアルピンよりも前記回転機械径方向外側で前記貫通孔の前記回転機械径方向に沿った内周面に接触し、前記貫通孔をシールするシールユニットと、前記シールユニットよりも前記回転機械径方向外側で前記外側部材に固定された蓋部材と、が配置され、
    前記貫通孔に挿入された前記蓋部材を取り外すステップと、
    前記シールユニットを前記貫通孔から取り出すステップと、
    前記ラジアルピンを前記貫通孔から取り出すステップと、を有し、
    前記シールユニットは、前記貫通孔と接触するスリーブを有し、
    前記シールユニットを前記貫通孔から取り出すステップは、前記スリーブの前記回転機械径方向内側の面に直接または間接的に接触しており、前記回転機械径方向外側の面に、前記回転機械径方向外側から治具を取り付け可能な係合部が形成された対象部材の前記係合部に、前記冶具を取り付けるステップと、
    前記対象部材とともに前記スリーブを前記貫通孔から取り出すステップと、を有し、
    前記シールユニットを前記貫通孔から取り出すステップで、前記冶具を前記スリーブに挿入し前記係合部へ前記治具を取り付けることを特徴とする回転機械の取外方法。
  16. 静止体の内側部材と外側部材が固定装置で固定されている回転機械を取外す回転機械の取外方法であって、
    前記固定装置は、前記外側部材に形成された貫通孔に、前記回転機械径方向内側の一部が前記内側部材の凹部に挿入されたラジアルピンと、前記ラジアルピンよりも前記回転機械径方向外側で前記貫通孔の前記回転機械径方向に沿った内周面に接触し、前記貫通孔をシールするシールユニットと、前記シールユニットよりも前記回転機械径方向外側で前記外側部材に固定された蓋部材と、が配置され、
    前記貫通孔に挿入された前記蓋部材を取り外すステップと、
    前記シールユニットを前記貫通孔から取り出すステップと、
    前記ラジアルピンを前記貫通孔から取り出すステップと、を有し、
    前記外側部材は、外側部材上半と外側部材下半とに分割される構造であり、
    前記ラジアルピンが取り出された前記外側部材上半または前記外側部材下半の前記貫通孔に工具を貫通させ、前記工具で前記内側部材を抑えるステップと、
    前記工具で前記内側部材を抑えた状態で前記内側部材に対し、前記ラジアルピンが取り出された前記外側部材上半または前記外側部材下半を相対移動させるステップと、を有することを特徴とする回転機械の取外方法。
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