JP5324620B2 - 分割型シール環 - Google Patents
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Description
この点、特許文献1に記載の技術では、静止側シール環や回転側シール環を周方向に2つ割構造とすることによって、ポンプへの組み付けや部品交換の作業性を向上しているが、回転側シール環については、2つ割された分割体を単にボルトによって連結するのみであるので、両分割体のシール面を面一に合わせ難く、当該シール面を面一に合わせるには相当の熟練や長い作業時間が必要であった。両分割体のシール面が面一でないと、当然にシール性が悪化し、水漏れやポンプ効率の低下の原因となる。
前記テーパー孔の小径側が形成されている分割体の外周部には、前記テーパー孔の小径側の端部が開口する凹部が形成されていてもよい。
前記テーパー孔は、当該分割型シール環の軸方向及び径方向に関して前記連結具よりも前記シール面から離れた位置に配置されていてもよい。
ポンプ軸11は、ポンプケース10の開口10aを貫通するように上下方向に向けて配置されている。ポンプケース10の開口10aの周りには、シールケース13が固定され、このシールケース13の中心孔には、Oリング19を介してスプリングリテーナ14が上下移動可能に挿入されている。スプリングリテーナ14は、シールケース13との間に介在しているスプリング17によって上方へ向けて付勢されている。
押さえ体14bは、中央に静止側シール環15用の装着孔14b1を有する環状体であり、ボルト21によってリテーナ本体14aに連結されている。
回転側シール環16は、固定リング23の下側に配置されるとともにドライブピン24によって固定リング23に一体回転可能に連結されている。回転側シール環16の内周部には、ポンプ軸11との間をシールするOリング27が設けられている。回転側シール環16のシール面16aは、静止側シール環15よりも硬質な素材(セラミック等)によって形成され、静止側シール環15のシール面15aに当接している。
図2に示すように、回転側シール環16は、周方向に2つの分割体30,31から構成されている。なお、本明細書では、便宜的に図2の左側に配置された分割体30を第1分割体30と呼び、右側に配置された分割体31を第2分割体31と呼ぶことにする。
なお、図2に示すように、上側のボルト孔41は、回転側シール環16の中心Oを基準として下側のボルト孔41と点対称の関係で設けられている。したがって、上側の連結ボルト42は、第1分割体30側からボルト孔41に挿入され、第2分割体31に螺合している。
図2〜図4に示すように本実施形態の回転側シール環16には、分割体30,31の相対位置を所定に位置合わせするための位置合わせ手段46が設けられている。この位置合わせ手段46は、第1,第2分割体30,31の突き合わせ面(端面30a,31a)を直交状に通るように第1,第2分割体30,31にわたって形成されたテーパー孔43と、このテーパー孔43に挿入されるテーパーピン44と、テーパー孔43に挿入されたテーパーピン44を固定するための固定ナット(固定具)45とを備えている。
一方、テーパーピン44は、テーパー孔43の内面形状に適合した外面形状、すなわちテーパー孔43の内面と同一傾斜角度の外面を有する円錐形状に形成されており、テーパー孔43の内面に密着した状態で挿入可能とされている。
テーパーピン44は、第2分割体31側からテーパー孔43内に挿入され、雄ねじ部44aは、第1分割体30の小径側開口から突出している。そして、テーパー孔43から突出する雄ねじ部44aには固定ナット45が螺合されている。
また、第1,第2分割体30,31には、固定ナット45を収めるための凹部30b,31cが形成されており、この凹部30b,31cによって固定ナット45が第1,第2分割体30,31の外周面から突出しないように構成されている。また、図5に示すように、テーパー孔43は、回転側シール環16の軸方向に関してボルト孔41よりもシール面16aから離れた位置に配置され、回転側シール環16の径方向に関してボルト孔41よりも外側に配置されている。
そして、図7に示すように、テーパー孔43にテーパーピン44を挿入するとともに、雄ねじ部44aに固定ナット45を締結する。この固定ナット45を締め付けていくと、テーパーピン44はテーパー孔43の大径側から小径側へと引き込まれ、テーパー孔43の内面に強く密着する。この作用によって、第1分割体30の小径孔43aと、第2分割体31の大径孔43bと、テーパーピン44との軸心が一致し、第1,第2分割体30,31が適切な相対位置で位置合わせされ、特に、第1,第2分割体30,31のシール面16aが面一に合わせられる。その後、図6に示すように、ボルト孔41に連結ボルト42を挿入して螺合することにより、第1,第2分割体30,31が連結される。
そして、本実施形態のテーパーピン44は、第1の実施形態のような雄ねじ部44a(図7参照)を備えておらず、テーパー孔43内に挿入された状態で大径側の端部が雌ねじ孔47側へ突出するようになっている。
なお、第2の実施形態において、テーパー孔43の小径孔43aは有底状であってもよい。また、押さえネジ48は、頭付きであってもよい。
16 回転側シール環(分割型シール環)
16a シール面
30 第1分割体
30a 第1分割体の周方向端面(突き合わせ面)
31 第2分割体
31a 第2分割体の周方向端面(突き合わせ面)
41 ボルト孔
42 連結ボルト
43 テーパー孔
44 テーパーピン
44a 雄ねじ部
45 固定ナット(固定具)
46 位置合わせ手段
47 雌ねじ孔
48 押さえネジ(固定具)
Claims (3)
- 複数の分割体を環状に連結することによって構成され、かつ軸方向の一端面
にシール面を有している分割型シール環であって、
複数の分割体を相互に連結する六角穴付きの連結ボルトと、
周方向に隣接する2つの分割体の突き合わせ面を通るように当該2つの分割体にわたって形成され前記連結ボルトと軸線が平行に設けられたテーパー孔と、
前記テーパー孔の内面に密着状態で挿入されるテーパーピンと、
前記テーパー孔に挿入された前記テーパーピンを固定する押えネジと、を備えており、
前記テーパーピンと前記連結ボルトは一対となって、シール環の中心を基準として各分割体の点対称位置に設けられ、且つ当該連結ボルトはシール環の外周面から突出しないように構成され、
前記テーパー孔が、当該2つの分割体を貫通するように形成され、
当該2つの分割体のうち、前記テーパー孔の大径側が形成されている分割体に、当該テーパー孔の大径側に同軸心状に連通する雌ねじ孔が形成され、
前記押えネジが、前記雌ねじ孔に螺合されるとともに、前記テーパーピンの大径側端面を押さえるように構成され、
前記連結ボルトの頭部と前記押さえネジとは同一の分割体の外周部に位置しており、
前記テーパーピンを前記テーパー孔に挿入し、前記押さえネジを前記連結ボルトと同方向から締め付けることによって前記テーパーピンを前記テーパー孔内に固定した状態で、前記押さえネジの下端部と雌ねじ孔の内底部との間に空間が形成されていることを特徴とする分割型シール環。 - 前記テーパー孔の小径側が形成されている分割体の外周部には、前記テーパー孔の小径側の端部が開口する凹部が形成されている請求項1に記載の分割型シール環。
- 前記テーパー孔は、当該分割型シール環の軸方向及び径方向に関して前記連結具よりも前記シール面から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の分割型シール環。
Priority Applications (1)
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JP2011113240A JP5324620B2 (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | 分割型シール環 |
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2011
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