以下に添付図面を参照して、この発明に係る火災報知システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、監視領域における火災を検知して警報を行う火災報知システムに関するものである。この火災報知システムの制御方式は任意であり、例えば、ポーリング/セレクティング方式によって感知器等の端末機器と受信機との相互間で応答制御を行う方式(いわゆるR型方式)と、受信機の回線毎に信号線が引き出され、この回線に接続された端末機器の接点の開閉に基づいて受信機が端末機器からの発報を受ける方式(いわゆるP型方式)とを含む。なお、実施の形態に係る火災報知システムの設置対象や適用対象は任意であり、例えば、集合住宅、オフィスビル、あるいは商業施設(以下、単に「建物」と称する)に適用することができる。以下、実施の形態1では、火災報知システムが、建物に適用されたR型方式のシステムである場合について説明し、実施の形態2では、火災報知システムが、建物に適用されたP型方式のシステムである場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る火災報知システムについて説明する。この実施の形態1は、火災報知システムの制御方式をR型方式とした形態である。
(構成)
まず、実施の形態1に係る火災報知システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る火災報知システムの構成を示す概略図である。この図1に示すように、火災報知システム1は、感知器10と、複合報知装置20と、受信機80と、通報装置90とを備えて構成されている。また、感知器10は、建物の天井や壁に配置されていると共に、複合報知装置20及び受信機80は、建物の壁に配置されている。このうち、感知器10及び複合報知装置20は、法定の設置間隔を満たすように、各階毎に1台又は複数台が配置されている。また、受信機80及び通報装置90は、それぞれ建物に1台配置されており、例えば建物の管理人室に設置されている。
また、これら装置の接続形態については、以下に示す通りに設定されている。具体的には、各装置が共通の信号線で接続される方式(いわゆるR型方式)が採用されているので、感知器10、後述する発信機30、後述するAED40、後述する検知装置50、及び通報装置90の各々が、第1配線2を介して受信機80と接続されている。また、後述する表示装置60が、第2配線3を介して受信機80と接続されていると共に、後述する音響装置70が、第3配線4を介して受信機80と接続されている。このような接続により、受信機80と、感知器10、後述する発信機30、後述するAED40、後述する検知装置50、後述する表示装置60、後述する音響装置70、及び通報装置90の各々との相互間で通信を行うことができると共に、受信機80から感知器10、後述する発信機30、後述するAED40、後述する検知装置50、後述する表示装置60、後述する音響装置70、及び通報装置90の各々に向けて電力を供給することができる(すなわち、第1配線2、第2配線3、及び第3配線4の各々は、信号線として機能すると共に、電源線としても機能する)。
(構成−感知器)
次に、感知器10の構成について説明する。感知器10は、火災を報知する火災信号、又は火災からの復旧を報知する火災復旧信号を送信する有線式の火災端末器である。この感知器10は、センサ部、通信部、及び、制御部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。なお、この感知器10は、例えば公知の有線式感知器等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
センサ部は、温度や煙濃度等を検知するための検知手段である。通信部は、第1配線2を介して受信機80との間で通信する通信手段である。また、この通信部は、例えば、感知器10が備える公知の記憶部(図示省略)に予め記憶された情報であって、当該感知器10を一意に識別する感知器識別情報を火災信号又は火災復旧信号に含めて送信する。なお、公知の記憶手段に記憶される、感知器識別情報としては、例えば感知器10のアドレス番号又はシリアル番号が用いられる(なお、後述する発信機30の発信機識別情報、後述するAED40のAED識別情報についても同様とする)。制御部は、感知器10の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成される(なお、後述する発信機30の制御部、後述するAED40の制御部49、後述する検知装置50の制御部55、後述する表示装置60の制御部、後述する音響装置70の制御部、後述する受信機80の制御部87、及び後述する通報装置90の制御部94についても同様とする)。なお、この制御部によって実行される処理の詳細については後述する。
(構成−複合報知装置)
次に、複合報知装置20の構成について説明する。図2は、複合報知装置20の正面図である。図3は、複合報知装置20の電気的構成を示したブロック図である。複合報知装置20は、火災を報知するための機器と人を治療するための機器とを組み合わせた装置である。図2、図3に示すように、この複合報知装置20は、建物内(すなわち監視領域内)に設けられた筐体21の内部において、発信機30と、AED40と、検知装置50と、表示装置60と、音響装置70とを一体に収容して構成されている。また、この複合報知装置20を構成する装置の接続形態については任意であるが、実施の形態1においては、図3に示すように、AED40と検知装置50とが、無線通信可能に接続されている。このような接続により、AED40と検知装置50との相互間で通信を行うことができる。
(構成−複合報知装置−筐体)
筐体21は、複合報知装置20の基本構造体であり、発信機30と、AED40と、検知装置50と、表示装置60と、音響装置70とを外部から保護する保護手段である。この筐体21は、例えば金属材料等にて形成された略箱状体である。具体的には、この筐体21は、一側面(例えば、前面等)を開放した略箱形状のベース部22aであって、発信機30、AED40、検知装置50、表示装置60、及び音響装置70を収容するベース部22aと、このベース部22aの上方部分をその開放面側から略覆う上部正面パネル部22bと、このベース部22aの下方部分をその開放面側から略覆う下部正面パネル部22cとを備えて構成されており、上部正面パネル部22b及び下部正面パネル部22cはベース部22aに対して嵌合構造や固定具等にて固定されている(あるいは、上部正面パネル部22b及び下部正面パネル部22cはベース部22aに対して一体に形成されてもよい)。
ここで、このベース部22aにおいては、当該ベース部22aの上方において、発信機30、検知装置50、表示装置60、及び音響装置70の各々を構成する各部が固定されていると共に、当該ベース部22aの下方において、AED40を構成する各部が固定されている。また、発信機30、検知装置50、AED40、表示装置60、又は音響装置70に接続された第1配線2、第2配線3、及び第3配線4が、ベース部22aに形成された開口部(図示省略)を介して筐体21の外部に引き出されている。
また、上部正面パネル部22bには、後述する発信機30の非常ボタン31aを操作するための第1操作口23aと、後述する発信機30の復旧ボタン31bの一部を外部に露出するための第2操作口23bと、後述する音響装置70の非常ベルから出力された音を、当該筐体21の外部に放出するための音響孔23cと、後述する表示装置60の表示灯61の光を外部に向けて導光するための導光孔23dとが形成されている。また、下部正面パネル部22cには、後述するAED40のAED本体部41を筐体21内から取り出すための開閉自在な扉部23eが設けられている。また、この扉部23eには、外部からAED本体部41を視認することができるように、透明な樹脂材料にて形成された扉窓部23fが設けられている。
(構成−複合報知装置−発信機)
次に、発信機30の構成について説明する。発信機30は、火災信号、火災復旧信号等を送信する有線式の火災端末器である。図3に示すように、この発信機30は、操作部、通信部、確認表示灯、制御部、及び記憶部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。なお、この発信機30は、例えば公知の有線式発信機等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
操作部は、発信機30に対する操作入力を受け付けるものであり、非常ボタン31aと、復旧ボタン31bとを備えている。このうち、非常ボタン31aは、火災信号の送信指示を受け付ける操作手段であり、第1操作口23aを介して筐体21の外部に露出されるように配置されている。また、復旧ボタン31bは、非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられた場合に、機械的操作によって非常ボタン31aの状態を火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧させるボタンであり、第2操作口23bを介して筐体21の外部に露出されるように配置されている。通信部は、受信機80との間で第1配線2を介して通信を行うための通信手段である。確認表示灯は、非常ボタン31aが押された旨を表示するものである。この確認表示灯は、例えば、公知のLEDランプ、蛍光ランプ等を用いて構成されており、筐体21の内部において、筐体21の外部から当該確認表示灯を視認できる位置(例えば、筐体21の第1操作口23a近傍の位置等)に配置されている。制御部は、発信機30の各部を制御する制御手段である。なお、この制御部によって実行される処理の詳細については後述する。記憶部は、発信機30の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、発信機30を一意に識別する発信機識別情報等)を記憶する記憶手段である。この記憶部は、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる(なお、後述するAED40の記憶部401、後述する検知装置50の記憶部56、後述する受信機80の記憶部88、及び後述する通報装置90の記憶部95についても同様とする)。
(構成−複合報知装置−AED)
次に、AED40の構成について説明する。AED40は、上述した除細動を行う医療機器である。図3に示すように、このAED40は、AED本体部41の内部において、操作部42(少なくとも一部が露出)、検知部43、通信部44、無線通信部45、電源部46、表示部47(少なくとも一部が露出)、撮像部48、制御部49、及び記憶部401を備えて構成されている。なお、このAED40は、例えば公知のAED等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
AED本体部41は、AED40の基本構造体であり、例えば、公知のAED40の本体部分(具体的には、心臓が正常に拍動できなくなった状態となった人に対して電気ショックを与えるための電極パッドや、当該人の健康状態を計測するための各種センサ(例えば心拍センサ、血圧センサ等)等)と同様に構成されている。また、このAED本体部41には、表示部47の光を外部に向けて導光するための導光孔(図示省略)が設けられている。
操作部42は、AED40に対する操作入力を受け付ける操作手段であり、例えばスイッチやタッチパネル等の公知の操作手段を用いて構成されている(なお、後述する受信機80の操作部91、及び後述する通報装置90の操作部91についても同様とする)。
検知部43は、AED40の状態を検知するための検知手段である。ここで、「AED40の状態」とは、ある時点におけるAED40の有り様を意味し、例えば、AED40の使用状態、AED40の故障状態、AED40の使用が必要とされている使用必要状態とを含む概念である。この検知部43は、例えば、AED40に異常(具体的には、電源異常や機能異常等)が生じている等のAED40の故障状態を検知するための公知の電流センサを用いて構成されている。
通信部44は、受信機80との間で第1配線2を介して通信を行うための通信手段である。
無線通信部45は、図示しない無線アンテナを介して検知装置50との間で無線にて通信を行うための無線通信手段であり、例えば、公知の移動体無線通信網を用いて通信を行う公知の通信手段等を用いて構成されている(なお、後述する検知装置50の無線通信部54についても同様とする)。なお、このAED40に対しては、AED40と検知装置50との相互間で通信可能にするために、これらAED40と検知装置50との相互間における通信を確立する処理(すなわち、ペアリング処理)が後述する火災報知処理、後述する使用状態報知処理、及び後述する点検到来報知処理が行われる前に行われる。
電源部46は、受信機80から第1配線2を介して供給される電力を蓄電する蓄電手段であると共に、受信機80から供給された電力又は当該電源部46に蓄電された電力を、AED40の各部に供給する電力供給手段である。
表示部47は、制御部49の制御に基づいて各種の情報を表示するものであり、例えば、公知のLEDランプや、公知の液晶ディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いて構成されている(なお、後述する受信機80の表示部84についても同様とする)。
撮像部48は、AED40の周囲の画像を撮像し、当該撮像した画像を電気信号(すなわち、画像信号)に変換する撮像手段であり、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の公知の撮像素子、及びレンズやプリズム等の公知の光学系部品を用いて構成されている。
制御部49は、AED40の各部を制御する制御手段である。
記憶部401は、AED40の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。
(構成−複合報知装置−検知装置)
次に、検知装置50の構成について説明する。検知装置50は、AED40の状態を検知する装置である。この検知装置50は、操作部51、検知部52、通信部53(送信手段)、無線通信部54、制御部55、及び記憶部56を備えて構成されている。
操作部51は、検知装置50に対する操作入力を受け付けるものであり、送信停止ボタン51aを備えている。ここで、送信停止ボタン51aは、後述する状態情報を含む信号の送信停止の指示を受け付ける送信停止操作手段であり、筐体21の内部(例えば、筐体21の扉部23e近傍位置等)に配置されている。
検知部52は、AED40の状態を検知するための検知手段である。この検知部52は、上述した3つのAED40の状態のうち、AED40の使用状態を検知するものであり、例えば、筐体21の扉部23eの状態を検知する公知の開閉センサ(具体的には、リミットスイッチ、磁気センサ、赤外線センサ等)を用いて構成されている。
通信部53は、受信機80との間で第1配線2を介して通信を行うための通信手段である。
無線通信部54は、図示しない無線アンテナを介してAED40との間で無線にて通信を行うための無線通信手段である。
制御部55は、検知装置50の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、判定部55aと、画像処理部55bと、タイミング判定部55cとを備えている。ここで、判定部55aは、AED40の状態を判定するものである。画像処理部55bは、上述した3つのAED40の状態のうち、AED40の使用必要状態を検知するために、AED40の撮像部48にて撮像された画像を処理する画像処理手段である。タイミング判定部55cは、AED40を点検すべき所定のタイミングが到来したことを判定するタイミング判定手段である。なお、上述した「AED40の検知部43」と、「検知部52」と、「判定部55a」と、「画像処理部55b」とは、特許請求の範囲における「判定手段」に対応する。また、この制御部55によって実行される処理の詳細については後述する。
記憶部56は、検知装置50の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、AED40を一意に識別するAED識別情報等)を記憶する記憶手段である。
(構成−複合報知装置−表示装置)
次に、表示装置60の構成について説明する。表示装置60は、火災が発生した旨を表示する装置である。この表示装置60は、表示灯61、通信部(図示省略)、及び制御部(図示省略)を備えて構成されている。
表示灯61は、火災が発生した旨を表示する出力手段であり、例えば公知のLEDランプ、蛍光ランプ等を用いて構成される。通信部は、受信機80との間で第2配線3を介して通信を行うための通信手段である。制御部は、表示装置60の各部を制御する制御手段である。
(構成−複合報知装置−音響装置)
次に、音響装置70の構成について説明する。音響装置70は、火災が発生した旨を警報音で出力する装置である。この音響装置70は、非常ベル、通信部、及び制御部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。
非常ベルは、火災が発生した旨をベル音(すなわち、警報音)で出力する警報音出力手段であり、例えば、公知のベル等を用いて構成されている。通信部は、受信機80との間で第3配線4を介して通信を行うための通信手段である。制御部は、音響装置70の各部を制御する制御手段である。
(構成−受信機)
次に、受信機80の構成について説明する。図4は、受信機80の電気的構成を示したブロック図である。受信機80は、感知器10、発信機30、検知装置50、表示装置60、音響装置70、又は通報装置90から受信された信号に基づいて所定処理を行うものである。図4に示すように、受信機80は、操作部81、通信部82、移報信号送信部83、表示部84、音声出力部85、電力供給部86、制御部87、及び記憶部88を備えて構成されている。なお、この受信機80は、例えば公知の受信機等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
操作部81は、受信機80に対する操作入力を受け付ける操作手段である。
通信部82は、感知器10、発信機30、AED40、検知装置50、表示装置60、又は音響装置70との間で第1配線2、第2配線3、第3配線4のいずれか1つを介して通信を行うための通信手段である。
移報信号送信部83は、通報装置90と第1配線2を介して接続されたものであって、後述する第1移報信号や後述する第2移報信号を通報装置90を介して当該火災報知システム1の外部に送信する移報信号送信手段である。
表示部84は、制御部87の制御に基づいて各種の情報を表示する出力手段である。
音声出力部85は、制御部87の制御に基づいて各種の情報を音声で出力する出力手段であり、例えばブザーやスピーカ等の公知の音響機器を用いて構成されている。
電力供給部86は、第1配線2、第2配線3、第3配線4のいずれか1つを介して商用電源から供給された電力を受信機80の各部、感知器10、発信機30、AED40、検知装置50、表示装置60、音響装置70、及び通報装置90に供給するための電力供給手段である。
制御部87は、受信機80の各部を制御する制御手段である。なお、この制御部87によって実行される処理の詳細については後述する。
記憶部88は、受信機80の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、後述する火災情報、後述する使用状態情報、後述する故障状態情報、後述する位置情報、又は後述する点検到来情報等に関連する音声データ、テキストデータ等)を記憶する記憶手段である。
(構成−通報装置)
次に、通報装置90の構成について説明する。図5は、通報装置90の電気的構成を示したブロック図である。通報装置90は、受信機80から受信された場合に、所定信号を電話回線(図示省略)を介して火災報知システム1の外部に設置された外部装置(例えば、消防局に設置されているセンタ装置等)に通報するためのものである。図5に示すように、この通報装置90は、操作部91、移報信号受信部92、移報信号送信部93、制御部94、及び記憶部95を備えて構成されている。なお、この通報装置90は、例えば公知の通報装置等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
操作部91は、通報装置90に対する操作入力を受け付ける操作手段である。
移報信号受信部92は、受信機80から第1配線2を介して後述する第1移報信号や後述する第2移報信号を受信する移報信号受信手段である。
移報信号送信部93は、外部装置との間で電話回線を介して後述する第1移報信号や後述する第2移報信号、又はこれら信号に関連するデータを送信する移報信号送信手段である。
制御部94は、通報装置90の各部を制御する制御手段である。なお、この制御部94によって実行される処理の詳細については後述する。
記憶部95は、通報装置90の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、後述する第1移報信号又は後述する第2移報信号等に関連する音声データ等)を記憶する記憶手段である。
(処理)
次に、このように構成された火災報知システム1によって実行される処理について説明する。この火災報知システム1によって実行される処理は、火災報知処理と、使用状態報知処理と、故障状態報知処理と、使用必要状態報知処理と、点検到来報知処理とに大別される。以下、火災報知処理と、使用状態報知処理と、故障状態報知処理と、使用必要状態報知処理と、点検到来報知処理とのそれぞれについて説明する。
(処理−火災報知処理)
まず、火災報知処理について説明する。図6は、火災報知処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。火災報知処理は、火災の報知を行う処理である。この火災報知処理においては、概略的には、受信機80の表示部84又は音声出力部85に後述する火災情報を出力させる処理が行われる。また、この火災報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1においては、感知器10、発信機30、受信機80、及び通報装置90に電源が投入された後に起動されるものとして説明する。また、この火災報知処理の前提としては、以下に示す通りとなる(なお、使用状態報知処理の前提、故障状態報知処理の前提、使用必要状態報知処理の前提、及び点検到来報知処理の前提についても同様とする)。具体的には、通常時において発信機30の確認表示灯、及び受信機80の表示部84や音声出力部85は出力停止されているので、これら確認表示灯、表示部84、及び音声出力部85が出力停止されているものとする。なお、この火災報知処理については、建物に設置されている各感知器10又は各発信機30(以下、「各感知器10」、「各発信機30」と称する)と受信機80との相互間で個別に行われるものとして説明する。
火災報知処理が起動されると、図6に示すように、受信機80の管理者等及び外部装置の管理者等に対して、火災を報知できるように、各感知器10(又は各発信機30)の制御部は、SA1及びSA2を行うと共に、受信機80の制御部87は、SB1からSB3の処理を行う。
まず、SA1において、各感知器10の制御部は、センサ部の検知結果に基づいて火災が検知された否かを判定する。また、各発信機30の制御部は、非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたか否かを判定する。ここで、感知器10の判定については、例えば、建物で火災が発生した場合に、検知部52にて検知された温度(又は煙濃度)が閾値を上回ると、火災が検知されたと判定する。また、発信機30の判定については、例えば、建物で火災が発生した場合に、建物にいる人(例えば、住居者や訪問者等)によって非常ボタン31aが押圧されると、上記火災信号の送信指示が受け付けられたと判定する。各感知器10の制御部は、火災が検知されたと判定されるまで待機し、また各発信機30の制御部は、非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定されるまで待機し(SA1、No)、そして、各感知器10の制御部が火災検知されたと判定したり、各発信機30の制御部が非常ボタン31aの操作により火災信号の送信指示が受け付けられたと判定すると(SA1、Yes)、SA2に移行する。
SA2において、SA1にて火災が検知されたと判定された感知器10の制御部は、火災を報知する火災信号を通信部及び第1配線2を介して受信機80に送信する。また、SA1にて非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定された発信機30の制御部は、火災信号を通信部及び第1配線2を介して受信機80に送信すると共に、非常ボタン31aが押された旨を報知するために、確認表示灯を点灯表示させる。ここで、この火災信号の送信については任意であるが、実施の形態1においては、火災信号を送信した感知器10(又は発信機30)を容易に特定することができるように、火災信号に感知器識別情報(又は発信機識別情報)を付加して送信する(なお、後述するSA4の火災復旧信号の送信についても同様とする)。
SB1において受信機80の制御部87は、SA1にて火災が検知されたと判定された感知器10(又は、SA1にて非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定された発信機30)から送信された火災信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、火災信号が受信されるまで待機し(SB1、No)、火災信号が受信された場合に(SB1、Yes)、SB2に移行する。
SB2において受信機80の制御部87は、受信機80の管理者等に対して火災を報知するために、SB1にて受信された火災信号に基づいて、火災情報を表示部84又は音声出力部85に出力させる。ここで、「火災情報」とは、火災の報知を示す情報である。また、この火災情報の出力については任意であるが、例えば、表示部84が、点灯表示又は点滅表示したり、音声出力部85が、受信機80の記憶部88に格納されている音声データのうち、火災情報に関連する音声データを出力する。この実施の形態1においては、表示部84による火災情報の表示として、表示部84における状態表示領域であって、火災報知システム1を構成する各装置の状態を表示する状態表示領域のうち、SB1にて受信された火災信号に付加された感知器識別情報(又は発信機識別情報)に対応する感知器10(又は発信機30)の状態を表示する領域を点灯表示する。また、音声出力部85による火災情報の出力として、記憶部88に格納されている火災情報に関連する音声データのうち、SB1にて受信された火災信号に付加された感知器識別情報(又は発信機識別情報)に対応する音声データ(例えば、「○○○階の△△△室で火災が発生しました」との定型メッセージを含む音声データ等)を出力する。このような処理により、受信機80の管理者等が建物で火災が発生したことを把握することができる。よって、受信機80の管理者等が、建物に設置された消火器具(例えば消火栓等)を用いて消火活動を行う等の措置を迅速に取ることが可能となる。
SB3において受信機80の制御部87は、外部装置の管理者等に対して火災を報知するために、第1移報信号を移報信号送信部83、第1配線2、通報装置90、及び電話回線を介して外部装置に送信する。ここで、「第1移報信号」とは、火災情報を含む移報信号である。また、この第1移報信号の送信については、具体的には、まず、受信機80の制御部87が、第1移報信号を移報信号送信部83及び第1配線2を介して通報装置90に送信し、より具体的には、所定の電圧値(以下、「第1電圧値」と称する)で信号を送信することで、第1移報信号を送信する。次に、通報装置90の制御部94が、第1配線2を流れる電圧の電圧値に基づいて、受信機80から第1移報信号を第1配線2及び移報信号受信部92を介して受信したか否かを判定し、受信機80から第1移報信号が受信されたと判定された場合(すなわち、第1配線2を流れる信号の電圧値が第1電圧値である場合)に、記憶部95に格納されている音声データの中から、当該受信した第1移報信号に関連する音声データ(例えば、「○○○市△△△町×××番地の□□□マンションで火災が発生しました」との定型メッセージを含む音声データ等)を取得する。そして、通報装置90の制御部94が、上記取得された第1移報信号に関連する音声データを移報信号送信部93及び電話回線を介して外部装置に送信する。このような処理により、外部装置の管理者等に対して火災情報を提示できるので、外部装置の管理者等が建物で火災が発生したことを把握することができる。よって、外部装置の管理者等が、消防車の出動を要請したり、近隣住民に対して避難勧告を行う等の措置を迅速に取ることが可能となる。
次に、図6に示すように、受信機80の表示部84又は音声出力部85の出力状態を、火災信号を受信する前の状態に戻すために、SA2にて火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)の制御部は、SA3及びSA4の処理を行うと共に、受信機80の制御部87は、SB4及びSB5の処理を行う。
まず、SA3において、SA2にて火災信号が送信された感知器10の制御部は、センサ部の検知結果に基づいて火災が検知されなくなったか否かを判定する。また、SA2にて火災信号が送信された発信機30の制御部は、非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたか否かを判定する。ここで、感知器10の判定については、例えば、建物で発生した火災が消火された後に、当該建物内の温度(又は煙濃度)が閾値を下回ると、火災が検知されなくなったと判定する。また、発信機30の判定については、例えば、建物で発生した火災が消火された後に、建物にいる人又は受信機80の管理者等によって復旧ボタン31bが押圧されると、非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定する。この感知器10の制御部は、火災が検知されなくなったと判定されるまで待機し、またこの発信機30の制御部は、非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定されるまで待機し(SA3、No)、そして、この感知器10の制御部が火災検知されなくなったと判定したり、この発信機30の制御部が復旧ボタン31bの操作により火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定されると(SA3、Yes)、SA4に移行する。
SA4において、SA3にて火災が検知されなくなったと判定された感知器10の制御部は、火災が消火されたことを報知する火災復旧信号を通信部及び第1配線2を介して受信機80に送信する。また、SA3にて非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定された発信機30の制御部は、火災復旧信号を通信部及び第1配線2を介して受信機80に送信すると共に、確認表示灯の出力状態を、発信機30が火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に戻すために、所定時間(例えば、60min等)経過後に確認表示灯の点灯表示を停止させる。その後、この感知器10の制御部(又は、この発信機30の制御部)は、SA1に移行し、以降同様に、SA1からSA4の処理を行う。
SB4において受信機80の制御部87は、SA3にて火災が検知されなくなったと判定された感知器10(又は、SA3にて非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定された発信機30)から送信された火災復旧信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、火災復旧信号が受信されるまで待機し(SB4、No)、火災復旧信号が受信された場合に(SB4、Yes)、SB5に移行する。
SB5において受信機80の制御部87は、受信機80の管理者等に対して火災が消火されたことを報知するために、SB4にて受信された火災復旧信号に基づいて、表示部84又は音声出力部85による火災情報の出力を停止させる。ここで、火災情報の出力の停止については任意であるが、実施の形態1においては、表示部84による火災情報の表示として、表示部84における上記状態表示領域のうち、SB1にて受信された火災信号に付加された感知器識別情報(又は発信機識別情報)に対応する感知器10(又は発信機30)の状態を表示する領域を点灯表示する場合に、この点灯表示されている領域のうち、SB4にて受信された火災復旧信号に付加された感知器識別情報(又は発信機識別情報)に対応する感知器10(又は発信機30)の状態を表示する領域の点灯表示を停止する。また、音声出力部85による火災情報の出力として、受信機80の記憶部88に格納されている火災情報に関連する音声データのうち、SB1にて受信された火災信号に付加された感知器識別情報(又は発信機識別情報)に対応する音声データを出力する場合に、この出力されている音声データのうち、SB4にて受信された火災復旧信号に付加された感知器識別情報(又は発信機識別情報)に対応する音声データの出力を停止する。その後、受信機80の制御部87は、SB1に移行し、以降同様に、SB1からSB5の処理を行う。このような処理により、受信機80の管理者等に対して火災が消火されたことを報知できるので、受信機80の管理者等が、建物における火災によって損害を受けた箇所を修理する等の措置を迅速に取ることが可能となる。
(処理−使用状態報知処理)
次に、使用状態報知処理について説明する。図7は、使用状態報知処理のフローチャートである。使用状態報知処理は、AED40が使用状態であることを報知する処理である。この使用状態報知処理においては、概略的には、受信機80の表示部84又は音声出力部85に後述する使用状態情報を出力させる処理が行われる。また、この使用状態報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1においては、AED40の一部(具体的には、無線通信部45及び制御部49)、検知装置50、受信機80、及び通報装置90に電源が投入された後に起動され、上述した火災報知処理と並行して実行されるものとして説明する。なお、この使用状態報知処理については、建物に設置されている各検知装置50(以下、「各検知装置50」と称する)と受信機80との相互間で個別に行われるものとして説明する(なお、故障状態報知処理、使用必要状態報知処理、及び点検到来報知処理についても同様とする)。
使用状態報知処理が起動されると、図7に示すように、受信機80の管理者等及び外部装置の管理者等に対して、AED40が使用状態であることを報知できるように、各検知装置50の制御部55は、SC1からSC4を行うと共に、受信機80の制御部87は、SD1からSD3の処理を行う。
まず、SC1において各検知装置50の制御部55は、当該検知装置50が収容されている筐体21の扉部23eが開かれたことが検知部52にて検知されたか否かを判定する。例えば、建物にいる人又は受信機80の管理者等によって扉部23eを開く操作が行われることで、扉部23eが開かれた状態になった場合に、扉部23eが開かれたことが検知部52にて検知されたと判定する。そして、各検知装置50の制御部55は、扉部23eが開かれたことが検知部52にて検知されるまで待機し(SC1、No)、扉部23eが開かれたことが検知部52にて検知されると(SC1、Yes)、SC2に移行する。
SC2において、SC1にて扉部23eが開かれたことが検知されたと判定された検知装置50の制御部55は、送信停止ボタン51aを介して後述する使用状態信号の送信停止指示が受け付けられたか否かを判定する。例えば、SC1にて筐体21の扉部23eが開かれたことが検知されてから所定時間内(例えば、10sec以内等)に、この送信停止ボタン51aが操作されたか否かを判定し、所定時間内にこの送信停止ボタン51aが操作された場合には、後述する使用状態信号の送信停止指示が受け付けられたと判定し、所定時間内にこの送信停止ボタン51aが操作されなかった場合には、後述する使用状態信号の送信停止指示が受け付けられなかったと判定する。そして、この検知装置50の制御部55は、後述する使用状態信号の送信停止指示が受け付けられなかったと判定された場合(SC2、No)、SC3に移行する。一方、後述する使用状態信号の送信停止指示が受け付けられたと判定された場合(SC2、Yes)、受信機80の表示部84又は音声出力部85による後述する使用状態情報の出力を回避するために、SC1に移行することで、表示部84又は音声出力部85による後述する使用状態情報の出力を停止させる。このような処理により、例えば、受信機80の管理者等がAED40の点検を行う場合に、後述する使用状態情報が受信機80の表示部84又は音声出力部85によって出力されることを回避できるため、AED40が使用されていないにも関わらず、使用状態情報が誤って出力されることを防止できる。ここで、「点検」とは、AED40の異常の有無を検査することを意味する。
SC3において、SC2にて使用状態信号の送信停止指示が受け付けられなかったと判定された検知装置50の判定部55aは、当該検知装置50が収容されている筐体21に収容されたAED40が使用状態であるか否かを判定する。このAED40が使用状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、SC1にてこの筐体21の扉部23eが開かれたことが検知されてから所定時間内に、このAED40から無線通信部54を介して当該AED40が起動した旨を示す起動信号が受信されたか否かに基づいて判定する。また、SC3における所定時間の設定については任意であるが、実施の形態1においては、SC2にて送信停止指示が受け付けられるまでの間に、このAED40が使用状態であるか否かが判定されないように、SC2における所定時間よりも長く設定されている(例えば、15sec等)。
ここで、この検知装置50の判定部55aは、SC1にてこの筐体21の扉部23eが開かれたことが検知されてから所定時間内に、このAED40から無線通信部54を介して起動信号が受信された場合に、このAED40が使用状態であると判定する。一方、SC1にて筐体21の扉部23eが開かれたことが検知されてから所定時間内に、このAED40から無線通信部54を介して起動信号が受信されていない場合に、このAED40が使用状態でないと判定する。そして、この検知装置50の判定部55aは、このAED40が使用状態でないと判定された場合(SC3、No)、SC1に移行し、SC3にてこのAED40が使用状態であると判定されるまで、SC1からSC3の処理を繰り返す。一方、このAED40が使用状態であると判定された場合(SC3、Yes)、SC4に移行する。
SC4において、SC3にてAED40が使用状態であると判定された検知装置50の制御部55は、使用状態信号を生成し、当該生成した使用状態信号を通信部53及び第1配線2を介して受信機80に送信する。ここで、「使用状態信号」とは、AED40が使用状態である旨を示す状態情報(以下、「使用状態情報」と称す)を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。また、この使用状態信号の送信については任意であるが、実施の形態1においては、使用状態であるAED40を容易に特定することができるように、この検知装置50の記憶部56に格納されたAED識別情報であって、当該検知装置50が収容されている筐体21に収容されたAED40のAED識別情報を使用状態信号に付加して送信する(なお、後述するSC6の不使用状態信号の送信、後述するSE2の故障状態信号の送信、SE4の故障状態復旧信号の送信、後述するSG4の使用必要状態信号の送信、後述するSG8の使用不要状態信号の送信、後述するSI2の点検到来信号の送信についても同様とする)。
SD1において受信機80の制御部87は、SC3にてAED40が使用状態であると判定された検知装置50から送信された使用状態信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、上記使用状態信号が受信されるまで待機し(SD1、No)、上記使用状態信号が受信された場合に(SD1、Yes)、SD2に移行する。
SD2において受信機80の制御部87は、受信機80の管理者等に対してAED40が使用状態であることを報知するために、表示部84又は音声出力部85によって、上記使用状態信号に含まれる使用状態情報を出力させる。この使用状態情報の出力については任意であるが、例えば、使用状態情報を火災情報と識別可能に出力できるように、表示部84が、火災情報の表示とは異なる当該表示部84の領域、時間間隔、又は表示色等で表示したり、音声出力部85が、受信機80の記憶部88に格納されている音声データのうち、火災情報に関連する音声データとは異なる音声データであって、使用状態情報に関連する音声データを出力する。この実施の形態1においては、表示部84による使用状態情報の表示として、表示部84における上記状態表示領域のうち、SD1にて受信された使用状態信号に付加されたAED識別情報に対応するAED40の状態を表示する領域を点灯表示する。また、音声出力部85による使用状態情報の出力として、記憶部88に格納されている音声データのうち、SD1にて受信された使用状態信号に関連する音声データ(例えば、「○○○階の□□□に設置されているAEDが使用されています」との定型メッセージを含む音声データ等)を出力する。
このような処理により、受信機80の管理者等が、AED40の状態を把握でき、従来技術に比べてAED40の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。特に、使用状態報知処理においては、受信機80の管理者等が建物でAED40が使用状態であることを把握することができる。よって、受信機80の管理者等が、建物にいる人に対して救命活動に参加するように呼びかけたり、心臓が正常に拍動できなくなった状態となった人に対して応急処置を行う等の措置を迅速に取ることができることから、AED40の使用者が当該使用者以外の第三者からのサポートを受けやすくなる。
なお、上述したように、この使用状態報知処理は、火災報知処理と並行して実行されることから、例えば、火災報知処理のSB2が実行されている場合において、SD1にて使用状態信号が受信された場合に、SD2が実行される。すなわち、火災情報の出力と使用状態情報の出力とが重複することが想定される。このような場合には、例えば、受信機80の管理者等に対して、火災情報及び使用状態情報の両方を提示できるように、受信機80の制御部87が、表示部84によって、火災情報及び使用状態情報を当該表示部84のそれぞれ対応する領域に同時に表示させると共に、音声出力部85によって、火災情報と使用状態情報とを所定時間(例えば、20sec等)毎に交互に出力させてもよい(なお、後述する故障状態報知処理の故障状態情報の出力、後述する使用必要状態報知処理の位置情報の出力、及び後述する点検到来報知処理の点検到来情報の出力についても同様とする)。あるいは、火災報知の確実性や信頼性の観点から、火災情報の出力を優先させるために、火災報知処理のSB4にて火災復旧信号が受信されるまで、受信機80の制御部87が、表示部84によって、火災情報のみを表示させると共に、音声出力部85によって、火災情報のみを出力させてもよい(なお、後述する故障状態報知処理の故障状態情報の出力、後述する使用必要状態報知処理の位置情報の出力、及び後述する点検到来報知処理の点検到来情報の出力についても同様とする)。
SD3において受信機80の制御部87は、外部装置の管理者等に対してAED40が使用状態であることを報知するために、第2移報信号を移報信号送信部83、第1配線2、通報装置90、及び電話回線を介して外部装置に送信する。ここで、「第2移報信号」とは、受信機80から受信された状態信号に含まれる状態情報と、措置要請情報とを含む移報信号である。また、この「措置要請情報」とは、状態情報に対応する必要な措置を要請する旨を示す情報を意味し、例えば、使用状態報知処理においては、救援を要請する旨を示す措置要請情報等が該当する。
また、この第2移報信号の送信については、具体的には、まず、受信機80の制御部87が、第2移報信号を移報信号送信部83及び第1配線2を介して通報装置90に送信し、より具体的には、第1電圧値とは異なる所定の電圧値(以下、「第2電圧値」と称する)で信号を送信することで、第2移報信号を送信する。次に、通報装置90の制御部94が、第1配線2を流れる電圧の電圧値に基づいて、受信機80から第2移報信号を第1配線2及び移報信号受信部92を介して受信したか否かを判定し、受信機80から第2移報信号が受信されたと判定された場合(すなわち、信号の電圧値が第2電圧値である場合)に、記憶部95に格納されている音声データの中から、当該受信した第2移報信号に関連する音声データ(例えば、「○○○市△△△町×××番地の□□□マンションでAEDが使用されています。救急支援を要請します。」との定型メッセージを含む音声データ等)を取得する。そして、通報装置90の制御部94が、上記取得された第2移報信号に関するする音声データを移報信号送信部93及び電話回線を介して外部装置に送信する。
このような処理により、外部装置の管理者等に対して使用状態情報及び措置要請情報を提示できるので、外部装置の管理者等が建物でAED40が使用されたことや、救急を要請していることを把握することができる。よって、外部装置の管理者等が、救急車の出動を要請したり、近隣住民に対して救命活動の参加を呼びかける等の措置を迅速に取ることができることから、AED40の使用者が当該使用者以外の第三者からのサポートを一層受けやすくなる。なお、上述したように、この使用状態報知処理は、火災報知処理と並行して実行されることから、例えば、火災報知処理のSB3とSD3とがほぼ同じタイミングで処理される場合には、火災報知の確実性や信頼性の観点から、第1移報信号を優先的に送信させ、その後第2移報信号を送信させてもよい。
次に、図7に示すように、受信機80の表示部84又は音声出力部85の出力状態を、使用状態信号を受信する前の状態に戻すために、SC4にて使用状態信号が送信された検知装置50の制御部55は、SC5及びSC6の処理を行うと共に、受信機80の制御部87は、SD4及びSD5の処理を行う。
まず、図7に示すように、SC5において、SC4にて使用状態信号が送信された検知装置50の判定部55aは、AED40が不使用状態であるか否かを判定する。このAED40が不使用状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、SC3にてAED40が使用状態であると判定されてから所定時間(例えば、60min等)を超えたか否か、及び、SC3にてAED40が使用状態であると判定されてから、当該検知装置50が収容されている筐体21に収容されたAED40から無線通信部54を介して当該AED40の駆動が停止した旨を示す停止信号が受信されたか否かに基づいて判定する。このように所定時間の経過を考慮した判定を行う理由としては、単にAED40から停止信号が受信されたか否かのみに基づいて、AED40が不使用状態であるか否かが判定されると、AED40の駆動を一旦停止した後に当該AED40を再び駆動させた場合でも、AED40が不使用状態であると判定されるので、このような事態を回避するためである。具体的には、この検知装置50の判定部55aは、SC3にてAED40が使用状態であると判定されてから所定時間を超え、且つ、SC3にてAED40が使用状態であると判定されてから、このAED40から無線通信部54を介して停止信号が受信された場合に、AED40が不使用状態であると判定する。一方、SC3にてAED40が使用状態であると判定されてから所定時間を超えておらず、又は、SC3にてAED40が使用状態であると判定されてから、このAED40から無線通信部54を介して停止信号が受信されていない場合に、AED40が不使用状態でないと判定する。ただし、これに限られず、例えば、SC3にてAED40が使用状態であると判定されてから所定時間を超えたか否かのみに基づいて判定したり、又は、SC3にてAED40が使用状態であると判定されてから、このAED40から無線通信部54を介して停止信号が受信されたか否かのみに基づいて判定してもよい。そして、この検知装置50の判定部55aは、AED40が不使用状態でないと判定された場合(SC5、No)、AED40が不使用状態であると判定されるまでSC5の処理を繰り返し、AED40が不使用状態であると判定された場合(SC5、Yes)、SC6に移行する。
SC6において、SC5にてAED40が不使用状態であると判定された検知装置50の制御部55は、不使用状態信号を生成し、当該生成した不使用状態信号を通信部53及び第1配線2を介して受信機80に送信する。ここで、「不使用状態信号」とは、AED40が不使用状態である旨を示す不使用状態情報を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。その後、この検知装置50の制御部55は、SC1に移行し、以降同様に、SC1からSC6の処理を行う。
SD4において受信機80の制御部87は、SC5にてAED40が不使用状態であると判定された検知装置50から送信された不使用状態信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、上記不使用状態信号が受信されるまで待機し(SD4、No)、上記不使用状態信号が受信された場合に(SD4、Yes)、SD5に移行する。
SD5において受信機80の制御部87は、表示部84又は音声出力部85による使用状態情報の出力を停止させる。この使用状態情報の出力の停止については任意であるが、実施の形態1においては、表示部84による使用状態情報の表示として、表示部84における上記状態表示領域のうち、SD1にて受信された使用状態信号に付加されたAED識別情報に対応するAED40の状態を表示する領域を点灯表示する場合に、この点灯表示されている領域のうち、SD4にて受信された不使用状態信号に付加されたAED識別情報に対応するAED40の状態を表示する領域の点灯表示を停止する(なお、後述する故障状態報知処理における表示部84による故障状態情報の出力の停止についても同様とする)。また、音声出力部85による使用状態情報の出力として、受信機80の記憶部88に格納されている使用状態情報に関連する音声データのうち、SD1にて受信された使用状態信号に付加されたAED識別情報に対応する音声データを出力する場合に、この出力されている音声データのうち、SD4にて受信された不使用状態信号に付加されたAED識別情報に対応する音声データの出力を停止する(なお、後述する故障状態報知処理における音声出力部85による故障状態情報の出力の停止についても同様とする)。その後、受信機80の制御部87は、SD1に移行し、以降同様に、SD1からSD5の処理を行う。このような処理により、受信機80の管理者等に対してAED40が使用されなくなったことを報知できるので、受信機80の管理者等が、AED40が収納されていた筐体21に戻されているか否かを確認する等の措置を迅速に取ることが可能となる。
(処理−故障状態報知処理)
次に、故障状態報知処理について説明する。図8は、故障状態報知処理のフローチャートである。故障状態報知処理は、AED40が故障状態であることを報知する処理である。この故障状態報知処理においては、概略的には、受信機80の表示部84又は音声出力部85に後述する故障状態情報を出力させる処理が行われる。また、この故障状態報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、AED40の一部(具体的には、検知部43、無線通信部45、及び制御部49)、検知装置50、及び受信機80に電源が投入された後に起動され、上述した火災報知処理、及び上述した使用状態報知処理と並行して実行されるものとして説明する。
故障状態報知処理が起動されると、図8に示すように、受信機80の管理者等に対して、AED40が故障状態であることを報知できるように、各検知装置50の制御部55は、SE1及びSE2を行うと共に、受信機80の制御部87は、SF1及びSF2の処理を行う。
まず、図8に示すように、SE1において各検知装置50の判定部55aは、当該検知装置50が収容された筐体21に収容されているAED40が故障状態であるか否かを判定する。このAED40が故障状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、AED40に異常(例えば、電源異常や機能異常等)が生じていることが検知部43にて検知された場合に、その旨を示す異常信号をAED40から無線通信部54を介して受信したか否かに基づいて判定する。ここで、各検知装置50の判定部55aは、異常信号がこのAED40から無線通信部54を介して受信された場合に、このAED40が故障状態であると判定する。一方、異常信号がこのAED40から無線通信部54を介して受信されていない場合に、このAED40が故障状態でないと判定する。そして、各検知装置50の判定部55aは、このAED40が故障状態でないと判定された場合(SE1、No)、このAED40が故障状態であると判定されるまで、SE1の処理を繰り返し、このAED40が故障状態であると判定された場合(SE1、Yes)、SE2に移行する。
SE2において、SE1にてAED40が故障状態であると判定された検知装置50の制御部55は、故障状態信号を生成し、当該生成した故障状態信号を通信部53及び第1配線2を介して受信機80に送信する(実施の形態1においては、この故障状態信号に検知装置50の記憶部56に格納されたAED識別情報が付加されたものを送信する)。ここで、「故障状態信号」とは、AED40が故障状態である旨を示す状態情報(以下、「故障状態情報」と称す)を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。
SF1において受信機80の制御部87は、SE1にてAED40が故障状態であると判定された検知装置50から送信された故障状態信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、上記故障状態信号が受信されるまで待機し(SF1、No)、上記故障状態信号が受信された場合に(SF1、Yes)、SF2に移行する。
SF2において受信機80の制御部87は、受信機80の管理者等に対してAED40が故障状態であることを報知するために、表示部84又は音声出力部85によって、上記故障状態信号に含まれる故障状態情報を出力させる。この故障状態情報の出力については任意であるが、例えば、故障状態情報を火災情報及び使用状態情報と識別可能に出力できるように、表示部84が、火災情報及び使用状態情報の表示とは異なる当該表示部84の領域、時間間隔、又は表示色等で表示したり、音声出力部85が、受信機80の記憶部88に格納されている音声データのうち、火災情報及び使用状態情報に関連する音声データとは異なる音声データであって、故障状態情報に関連する音声データを出力する。この実施の形態1においては、表示部84による故障状態情報の表示として、表示部84における上記状態表示領域のうち、SF1にて受信された故障状態信号に付加されたAED識別情報に対応するAED40の状態を表示する領域を所定の時間間隔(例えば、5sec間隔等)で点滅表示する。また、音声出力部85による故障状態情報の出力として、記憶部88に格納されている音声データのうち、SF1にて受信された故障状態信号に関連する音声データ(例えば、「○○○階の□□□に設置されているAEDが故障しています」との定型メッセージを含む音声データ等)を出力する。
このような処理により、受信機80の管理者等が、AED40が故障状態であることを把握でき、AED40の点検や修理等を迅速に行うことが可能となる。
次に、図8に示すように、受信機80の表示部84又は音声出力部85の出力状態を、故障状態信号を受信する前の状態に戻すために、SE2にて故障状態信号が送信された検知装置50の制御部55は、SE3及びSE4の処理を行うと共に、受信機80の制御部87は、SF3及びSF4の処理を行う。
まず、図8に示すように、SE3において、SE2にて故障状態信号が送信された検知装置50の判定部55aは、当該検知装置50が収容されている筐体21に収容されたAED40が故障状態から正常状態に復旧したか否かに基づいて判定する。このAED40が復旧したか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、AED40に異常が生じていることが検知部43にて検知されなくなった場合に、その旨を示す異常復旧信号をAED40から無線通信部54を介して受信したか否かに基づいて判定する。ここで、この検知装置50の判定部55aは、異常復旧信号がこのAED40から無線通信部54を介して受信された場合に、このAED40が復旧したと判定する。一方、異常復旧信号がこのAED40から無線通信部54を介して受信されていない場合に、このAED40が復旧していないと判定する。そして、この検知装置50の判定部55aは、このAED40が復旧していないと判定された場合(SE3、No)、このAED40が復旧したと判定されるまで、SE3の処理を繰り返し、このAED40が復旧したと判定された場合(SE3、Yes)、SE4に移行する。
SE4において、SE3にてAED40が復旧したと判定された検知装置50の制御部55は、故障状態復旧信号を生成し、当該生成した故障状態復旧信号を通信部53及び第1配線2を介して受信機に送信する。ここで、「故障状態復旧信号」とは、AED40が故障状態から正常状態に復旧した旨を示す故障状態復旧情報を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。その後、この検知装置50の制御部55は、SE1に移行し、以降同様に、SE1からSE4の処理を行う。
SF3において受信機80の制御部87は、SE3にてAED40が復旧したと判定された検知装置50から送信された故障状態復旧信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、上記故障状態復旧信号が受信されるまで待機し(SF3、No)、上記故障状態復旧信号が受信された場合に(SF3、Yes)、SF4に移行する。
SF4において受信機80の制御部87は、表示部84又は音声出力部85による故障状態情報の出力を停止させる。その後、受信機80の制御部87は、SF1に移行し、以降同様に、SF1からSF4の処理を行う。
(処理−使用必要状態報知処理)
使用必要状態報知処理について説明する。図9は、使用必要状態報知処理のフローチャートである。使用必要状態報知処理は、AED40が使用必要状態であることを報知する処理である。この使用必要状態報知処理においては、概略的には、受信機80の表示部84又は音声出力部85に後述する位置情報を出力させる処理が行われる。また、この使用必要状態報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、AED40の一部(具体的には、無線通信部45、撮像部48、及び制御部49)、検知装置50、及び受信機80に電源が投入された後に起動され、上述した火災報知処理、上述した使用状態報知処理、及び上述した故障状態報知処理と並行して実行されるものとして説明する。
使用状態報知処理が起動されると、図9に示すように、受信機80の管理者等に対して、後述する位置情報を提示できるように、各検知装置50の制御部55は、SG1からSG4を行うと共に、受信機80の制御部87は、SH1及びSH2の処理を行う。
まず、図9に示すように、SG1において各検知装置50の制御部55は、当該検知装置50が収容された筐体21に収容されているAED40から無線通信部54を介して所定のタイミング(例えば、30min毎等)で送信される画像信号であって、当該AED40の撮像部48にて撮像された画像を含む画像信号を受信した否かを判定する。そして、各検知装置50の制御部55は、上記画像信号が受信されるまで待機し(SG1、No)、上記画像信号が受信された場合に(SG1、Yes)、SG2に移行する。
SG2において、SG1にて画像信号が受信された検知装置50の画像処理部55bは、公知の画像処理手法を用いて、当該画像信号に含まれる画像を処理する。この画像の画像処理については任意であるが、例えば、この画像から所定の輪郭を有する形状を抽出し、当該抽出した形状と、記憶部56にあらかじめ記憶された人の姿勢を特定するデータとのマッチングを行うことにより、この画像に含まれる人の姿勢を特定する(なお、後述するSG6における画像の画像処理についても同様とする)。
SG3において、SG1にて画像信号が受信された検知装置50の判定部55aは、当該検知装置50が収容された筐体21に収容されているAED40が使用必要状態であるか否かを判定する。このAED40が使用必要状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、SG2にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する否かに基づいて判定する。ここで、この検知装置50の判定部55aは、SG2にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する場合に、このAED40が使用必要状態であると判定する。一方、SG2にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在しない場合に、このAED40が使用必要状態でないと判定する。そして、この検知装置50の判定部55aは、このAED40が使用必要状態でないと判定された場合(SG3、No)、SG1に移行し、SG3にてこのAED40が使用必要状態であると判定されるまで、SG1からSG3の処理を繰り返す。一方、このAED40が使用必要状態であると判定された場合(SG3、Yes)、SG4に移行する。
SG4において、SG3にてAED40が使用必要状態であると判定された検知装置50の制御部55は、使用必要状態信号を生成し、当該生成した使用必要状態信号を通信部53及び第1配線2を介して受信機80に送信する(実施の形態1においては、この使用必要状態信号に検知装置50の記憶部56に格納されたAED識別情報が付加されたものを送信する)。ここで、「使用必要状態信号」とは、AED40が使用必要状態である旨を示す状態情報(以下、「使用必要状態情報」と称す)を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。
SH1において受信機80の制御部87は、SG3にてAED40が使用必要状態であると判定された検知装置50から送信された使用必要状態信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、上記使用必要状態信号が受信されるまで待機し(SH1、No)、上記使用必要状態信号が受信された場合に(SH1、Yes)、SH2に移行する。
SH2において受信機80の制御部87は、表示部84又は音声出力部85によって、位置情報を出力させる。この位置情報の出力については任意であるが、例えば、表示部84が、受信機80の記憶部88に格納されているテキストデータのうち、位置情報に関連するテキストデータを表示する。また、音声出力部85が、受信機80の記憶部88に格納されている音声データのうち、火災情報、使用状態情報、及び故障状態情報に関連する音声データとは異なる音声データであって、位置情報に関連する音声データを出力する。この実施の形態1においては、表示部84による位置情報の表示として、表示部84におけるテキストデータを表示する領域に、受信機80の記憶部88に格納されている位置情報に関連するテキストデータのうち、SH1にて受信された使用必要状態信号に付加されたAED識別情報に対応するテキストデータ(例えば、「○○○階の□□□付近にAEDが設置されています」との定型メッセージを含むテキストデータ等)を出力する。また、音声出力部85による位置情報の出力として、記憶部88に格納されている位置情報に関連する音声データのうち、SH1にて受信された使用必要状態信号に付加されたAED識別情報に対応する音声データ(例えば、「○○○階の□□□付近にAEDが設置されています」との定型メッセージを含む音声データ等)を出力する。
このような処理により、AED40の使用が必要なタイミングで、受信機80の管理者等に対して位置情報を提示でき、最適なAED40の設置場所を案内することが可能となる。
次に、図9に示すように、受信機80の表示部84又は音声出力部85の出力状態を、使用必要状態信号を受信する前の状態に戻すために、SG4にて使用必要状態信号が送信された検知装置50の制御部55は、SG5からSG8の処理を行うと共に、受信機80の制御部87は、SH3及びSH4の処理を行う。
まず、図9に示すように、SG5において、SG4にて使用必要状態信号が送信された検知装置50の制御部55は、当該検知装置50が収容された筐体21に収容されているAED40から無線通信部54を介して所定のタイミングで送信される画像信号を受信した否かを判定する。そして、この検知装置50の制御部55は、上記画像信号が受信されるまで待機し(SG5、No)、上記画像信号が受信された場合に(SG5、Yes)、SG6に移行する。
SG6において、SG5にて画像信号が受信された検知装置50の画像処理部55bは、公知の画像処理手法を用いて、当該画像信号に含まれる画像を処理する。
SG7において、SG5にて画像信号が受信された検知装置50の判定部55aは、当該検知装置50が収容された筐体21に収容されているAED40の使用を必要としない使用不要状態であるか否かを判定する。このAED40が使用不要状態であるか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、SG6にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する否かに基づいて判定する。ここで、この検知装置50の判定部55aは、SG6にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在する場合に、AED40が使用不要状態でないと判定する。一方、SG6にて処理された画像に、地面に倒れている人の輪郭を有する形状が存在しない場合に、AED40が使用不要状態であると判定する。そして、この検知装置50の判定部55aは、このAED40が使用不要状態でないと判定された場合(SG7、No)、SG5に移行し、SG7にてこのAED40が使用不要状態であると判定されるまで、SG5からSG7の処理を繰り返す。一方、このAED40が使用不要状態であると判定された場合(SG7、Yes)、SG8に移行する。
SG8において、SG7にてAED40が使用必要状態であると判定された検知装置50の制御部55は、使用不要状態信号を生成し、当該生成した使用不要状態信号を通信部53及び第1配線2を介して受信機80に送信する。ここで、「使用不要状態信号」とは、AED40が使用不要状態である旨を示す使用不要状態情報を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。その後、この検知装置50の制御部55は、SG1に移行し、以降同様に、SG1からSG8の処理を行う。
SH3において受信機80の制御部87は、SG7にてAED40が使用不要状態であると判定された検知装置50から送信された使用不要状態信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、上記使用不要状態信号が受信されるまで待機し(SH3、No)、上記使用不要状態信号が受信された場合に(SH3、Yes)、SH4に移行する。
SH4において受信機80の制御部87は、表示部84又は音声出力部85による位置情報の出力を停止させる。この位置情報の出力の停止については任意であるが、実施の形態1においては、表示部84による位置情報の表示として、表示部84におけるテキストデータを表示する領域に、受信機80の記憶部88に格納されている位置情報に関連するテキストデータのうち、SH1にて受信された使用必要状態信号に付加されたAED識別情報に対応するテキストデータを表示する場合に、この表示されている領域のうち、SH3にて受信された使用不要状態信号に付加されたAED識別情報に対応するテキストデータの表示を停止する。また、音声出力部85による位置情報の出力として、受信機80の記憶部88に格納されている位置情報に関連する音声データのうち、SH1にて受信された使用必要状態信号に付加されたAED識別情報に対応する音声データを出力する場合に、この出力されている音声データのうち、SH3にて受信された使用不要状態信号に付加されたAED識別情報に対応する音声データの出力を停止する。その後、受信機80の制御部87は、SH1に移行し、以降同様に、SH1からSH4の処理を行う。
(処理−点検到来報知処理)
次に、点検到来報知処理について説明する。図10は、点検到来報知処理のフローチャートである。点検到来報知処理は、AED40を点検すべき所定のタイミングが到来したことを報知する処理である。この点検到来報知処理においては、概略的には、受信機80の表示部84又は音声出力部85に後述する点検到来情報を出力させる処理が行われる。また、この点検到来報知処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1においては、検知装置50及び受信機80に電源が投入された後に起動され、上述した火災報知処理、上述した使用状態報知処理、上述した故障状態報知処理、及び上述した使用必要状態報知処理と並行して実行されるものとして説明する。
点検到来報知処理が起動されると、図10に示すように、SI1において各検知装置50のタイミング判定部55cは、AED40を点検すべき所定のタイミングが到来したか否かを判定する。このAED40を点検すべき所定のタイミングが到来したか否かの判定については任意であるが、実施の形態1においては、所定の時間間隔(例えば、1年間等)が経過した場合に、AED40を点検すべき所定のタイミングが到来したと判定する。そして、各検知装置50のタイミング判定部55cが、AED40を点検すべき所定のタイミングが到来したと判定されるまで待機し(SI1、No)、AED40を点検すべき所定のタイミングが到来したと判定されると(SI1、Yes)、SI2に移行する。
SI2において、SI1にてAED40を点検すべき所定のタイミングが到来したと判定された検知装置50の制御部55は、点検到来信号を生成し、当該生成した点検到来信号を通信部53及び第1配線2を介して受信機80に送信する(実施の形態1においては、この点検到来信号に検知装置50の記憶部56に格納されたAED識別情報が付加されたものを送信する)。ここで、「点検到来信号」とは、AED40を点検すべき所定のタイミングが到来した旨を示す点検到来情報を含む信号であり、所定のフォーマットで生成される。その後、この検知装置50の制御部55は、SI1に移行し、以降同様に、SI1及びSI2の処理を行う。
SJ1において受信機80の制御部87は、SI1にてAED40を点検すべき所定のタイミングが到来したと判定された検知装置50から送信された点検到来信号を第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、上記点検到来信号が受信されるまで待機し(SJ1、No)、上記点検到来信号が受信された場合に(SJ1、Yes)、SJ2に移行する。
SJ2において受信機80の制御部87は、受信機80の管理者等に対してAED40を点検すべきであることを報知するために、表示部84又は音声出力部85によって、上記点検到来信号に含まれる点検到来報知情報を所定時間(例えば、60min等)経過するまで出力させる。この点検到来情報の出力については任意であるが、点検到来情報を火災情報、使用状態情報、故障状態情報、及び位置情報と識別可能に出力できるように、表示部84が、点検到来情報を火災情報、使用状態情報、故障状態情報、及び位置情報の表示とは異なる当該表示部84の領域、時間間隔、又は表示色等で表示したり、音声出力部85が、受信機80の記憶部88に格納されている音声データのうち、火災情報、使用状態情報、故障状態情報、及び位置情報に関連する音声データとは異なる音声データであって、点検到来情報に関連する音声データを出力する。この実施の形態1においては、表示部84による点検到来情報の表示として、表示部84における上記状態表示領域のうち、SJ1にて受信された点検到来信号に付加されたAED識別情報に対応するAED40の状態を表示する領域を所定の時間間隔(例えば、10sec間隔等)で点滅表示する。また、音声出力部85による点検到来情報の出力として、記憶部88に格納されている点検到来情報に関連する音声データのうち、SJ1にて受信された点検到来信号に付加されたAED識別情報に対応する音声データ(例えば、「○○○階の△△△付近に設置されているAEDを点検して下さい」との定型メッセージを含む音声データ等)を出力する。その後、受信機80の制御部87は、SJ1に移行し、以降同様に、SJ1及びSJ2の処理を行う。
このような処理により、受信機80の管理者等に対して点検到来情報を提示できるので、受信機80の管理者等が当該点検到来情報に対応するAED40を点検すべきことを把握することができる。よって、受信機80の管理者等が、AED40を点検し忘れることを低減でき、AED40の管理を適切に行うことが可能となる。
(効果)
このように実施の形態1によれば、受信機80が、検知部52及び判定部55a等の判定結果に基づいて、状態情報を表示部84又は音声出力部85に出力させるので、受信機80の管理者等に対して状態情報を提示できる。よって、受信機80の管理者等が、AED40の状態を把握でき、従来技術に比べてAED40の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。
また、受信機80が、検知部52及び判定部55aによってAED40が使用状態であると判定された場合に、使用状態情報を表示部84又は音声出力部85に出力させるので、受信機80の管理者等が建物でAED40が使用状態であることを把握することができる。よって、受信機80の管理者等が、建物にいる人に対して救命活動に参加するように呼びかけたり、心臓が正常に拍動できなくなった状態となった人に対して応急処置を行う等の措置を迅速に取ることができることから、AED40の使用者が当該使用者以外の第三者からのサポートを迅速に受けやすくなる。
また、受信機80が、検知部43及び判定部55aによってAED40が故障状態であると判定された場合に、故障状態情報を表示部84又は音声出力部85に出力させるので、受信機80の管理者等が、AED40が故障状態であることを把握でき、AED40の点検や修理等を迅速に行うことが可能となる。
また、受信機80が、通信部53から状態情報を含む信号を受信した場合に、当該状態情報を表示部84又は音声出力部85に出力させるので、受信機80と検知部52及び判定部55a等とを別体に設けた場合でも、状態情報を表示部84又は音声出力部85に出力でき、当該火災報知システム1の設計の自由度を高めることが可能となる。
また、通信部53が、送信停止ボタン51aを介して状態情報を含む信号の送信停止の指示が受け付けられた場合に、状態情報を含む信号の送信を停止するので、例えば、受信機80の管理者等がAED40の点検を行う場合に、状態情報が受信機の表示部84又は音声出力部85によって出力されることを回避できるため、状態情報が誤って出力されることを防止できる。
また、受信機80が、建物に設けられた感知器10又は発信機30から火災信号を受信した場合に、第1移報信号を当該火災報知システム1の外部に直接的又は間接的に送信し、検知部52及び判定部55a等の判定結果に基づいて、第2移報信号を当該火災報知システム1の外部に直接的又は間接的に送信する移報信号送信部83を備えたので、外部装置の管理者等に対して第1移報信号に含まれる火災情報を提示でき、外部装置の管理者等が監視領域で火災が発生したことを把握することができる。よって、外部装置の管理者等が、消防車の出動を要請したり、近隣住民に対して避難勧告を行う等の措置を迅速に取ることが可能となる。また、外部装置の管理者等に対して第2移報信号に含まれる使用状態情報や措置要請情報を提示でき、外部装置の管理者等がAED40の状態や、当該状態に応じた必要措置を要請していることを把握することができる。よって、外部装置の管理者等が、AED40の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。
また、受信機80が、判定部55a及び画像処理部55bによってAED40が使用必要状態であると判定された場合に、位置情報を表示部84又は音声出力部85に出力させるので、AED40の使用が必要なタイミングで、受信機80の管理者等に対して位置情報を提示でき、最適なAED40の設置場所を案内することが可能となる。
また、受信機80が、検知装置50の通信部53から点検到来信号を受信した場合に、当該点検到来信号に含まれる点検到来情報を表示部84又は音声出力部85に出力させるので、受信機80の管理者等に対して点検到来情報を提示でき、受信機80の管理者等が当該点検到来情報に対応するAED40を点検すべきことを把握することができる。よって、受信機80の管理者等が、AED40を点検し忘れることを低減でき、AED40の管理を適切に行うことが可能となる。
また、AED40が、受信機80から第1配線2を介して供給される電力にて充電される電源部46を備えたので、受信機80から供給された電力を電源部46に充電できるため、AED40の電池交換等を行う手間を省略することが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る火災報知システムについて説明する。この実施の形態2は、火災報知システムの制御方式をP型方式とした形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る火災報知システムの構成を説明する。図11は、実施の形態2に係る火災報知システムの構成を示す概略図である。図12は、複合報知装置の電気的構成を示したブロック図である。図11、図12に示すように、火災報知システム101は、感知器10と、複合報知装置20と、受信機80と、通報装置90とを備えて構成されている。
また、これら装置の接続形態については、以下に示す通りに設定されている。具体的には、受信機80と感知器10、発信機30、及びAED40の各々との相互間の接続については、火災信号等を共通の信号として通信する方式(いわゆるP型方式)が採用されているので、建物の各階毎に設置された少なくとも1つ以上の感知器10、発信機30、及びAED40が第1配線2を介して受信機80と接続されている。ここで、第1配線2の構成については、具体的には、3本の信号線を含んで構成されており、より具体的には、第1配線2はL線(図示省略)、C線(図示省略)、A線(図示省略)を含んで構成されている。なお、第1配線2におけるL線とC線との間、及びA線とC線との間には、受信機80から所定の電圧が印加されている。また、これらL線及びC線の終端、及びA線及びC線の終端の各々には、図示しない終端器(例えば抵抗器)が接続されている。そして、受信機80は、電気的にこれら終端器の接続の有無を判断することで(例えば、L線から終端器を介してC線に流れる電流が所定範囲にあるか否かを判断することで)、L線及びC線(又はA線及びC線)が断線(又は短絡)しているか否かを判定する。
また、感知器10及び発信機30以外の装置と受信機80との相互間の接続については、表示装置60が、第2配線3を介して受信機80と接続されていると共に、音響装置70が、第3配線4を介して受信機80と接続されている。また、検知装置50が、第4配線5を介して受信機80と接続されていると共に、通報装置90が、第5配線6を介して受信機80と接続されている。
(構成−複合報知装置)
次に、複合報知装置20の構成について説明する。図12に示すように、複合報知装置20は、筐体21の内部において、発信機30と、AED40と、検知装置50と、表示装置60と、音響装置70とを一体に収容して構成されている。
(構成−複合報知装置−検知装置)
検知装置50は、操作部51、検知部52、通信部53、無線通信部54、制御部55、及び記憶部56を備えて構成されている。このうち、通信部53は、受信機80との間で第4配線5を介して通信を行うものである。
(構成−受信機)
次に、受信機80の構成について説明する。図13は、受信機80の電気的構成を示したブロック図である。図13に示すように、受信機80は、操作部81、通信部82、移報信号送信部83、表示部84、音声出力部85、電力供給部86、制御部87、及び記憶部88を備えて構成されている。このうち、通信部82は、L−C入力部82aと、A−C入力部82bとを備えて構成されている。ここで、L−C入力部82aは、第1配線2のL線及びC線を介して、感知器10又は発信機30から送信された信号を受信機80に入力するL−C入力手段である。A−C入力部82bは、第1配線2のA線及びC線を介して、発信機30から送信された信号を受信機80に入力するA−C入力手段である。また、移報信号送信部83は、通報装置90と第5配線6を介して接続されており、第1移報信号や第2移報信号を通報装置90を介して当該火災報知システム101の外部に送信するものである。
(構成−通報装置)
次に、通報装置90の構成について説明する。通報装置90は、操作部91、移報信号受信部92、移報信号送信部93、制御部94、及び記憶部95を備えて構成されている。このうち、移報信号受信部92は、受信機80から第5配線6を介して第1移報信号や第2移報信号を受信するものである。
(処理)
次に、このように構成された火災報知システム101によって実行される火災報知処理、使用状態報知処理、故障状態報知処理、使用必要状態報知処理、及び点検到来報知処理について説明する。
(処理−火災報知処理)
まず、火災報知処理について説明する。図14は、火災報知処理のフローチャートである。実施の形態2に係る火災報知処理については、図14のSA2、SA4、SB1からSB5の処理の内容を除いて、図6に示す実施の形態1に係る火災報知処理の各処理と同様であるので、その説明を省略する。
SA1の処理後、SA2において、SA1にて火災が検知されたと判定された感知器10の制御部は、火災信号を通信部及び第1配線2を介して受信機80に送信する。また、SA1にて非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定された発信機30の制御部は、火災信号を通信部及び第1配線2を介して受信機80に送信すると共に、確認表示灯を点灯表示させる。ここで、感知器10における火災信号の送信については任意であるが、実施の形態2においては、通常時において、第1配線2のA線、L線、及びC線が断線している場合には、これらL線及びC線のみが導通するように接続されることで、火災信号を送信する。また、発信機30における火災信号の送信及び確認表示灯の表示については任意であるが、実施の形態2においては、通常時において、第1配線2のA線、L線、及びC線が断線している場合には、これらL線及びC線が導通するように接続されることで、火災信号を送信し、このA線が導通するように接続されることで、確認表示灯を点灯表示する。また、上述したSA2における第1配線2のA線、L線、及びC線の接続状態については、SA2にて火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)の制御部がSA4に移行するまで継続される(すなわち、SA4に移行するまで火災信号は継続して送信される)。
SB1において、受信機80の制御部87は、SA1にて火災が検知されたと判定された感知器10から送信された火災信号を第1配線2及び通信部82のL−C入力部82aを介して受信したか否かを判定する。また、SA1にて非常ボタン31aを介して火災信号の送信指示が受け付けられたと判定された発信機30から送信された火災信号を第1配線2及び通信部82のL−C入力部82aを介して受信したか否かを判定する。
SB2において受信機80の制御部87は、SB1にて受信された火災信号に基づいて、火災情報を表示部84又は音声出力部85に出力させる。この火災情報の出力については任意であるが、表示部84の地区表示領域であって、建物の各階を1つの警戒地区とみなしてその状態を表示する地区表示領域のうち、SA2にて火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)と接続されている第1配線2に対応する警戒地区の状態を表示する領域を点灯表示する。また、音声出力部85による火災情報の出力として、受信機80の記憶部88に格納されている火災情報に関連する音声データのうち、SA2にて火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)と接続されている第1配線2に対応する警戒地区の状態を示す音声データ(例えば、「○○○階で火災が発生しました」との定型メッセージを含む音声データ等)を出力する。
SB3において受信機80の制御部87は、第1移報信号を移報信号送信部83、第5配線6、通報装置90、及び電話回線を介して外部装置に送信する。
SA4において、SA3にて火災が検知されなくなったと判定された感知器10の制御部(又は、SA3にて非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定された発信機30の制御部)は、SA2の感知器10(又は発信機30)の火災信号の送信を行っている状態から当該火災信号の送信を行う前の状態に復旧させる、すなわち、通信部による火災信号の送信を停止させる(なお、発信機30の場合には、確認表示灯の表示も停止させる)。ここで、感知器10における火災信号の送信停止については任意であるが、実施の形態2においては、火災信号を送信する場合において、第1配線2のL線及びC線のみが導通するように接続される場合には、通常時の接続状態となるように、これらL線及びC線を断線させることにより、火災信号の送信を停止する。また、発信機30における火災信号の送信停止及び確認表示灯の表示停止については任意であるが、実施の形態2においては、火災信号を送信し、且つ確認表示灯を点灯表示する場合において、第1配線2のA線、L線、及びC線が導通するように接続される場合には、通常時の接続状態となるように、これらA線、L線、及びC線を断線させることにより、火災信号の送信を停止すると共に、確認表示灯の点灯表示を停止する。
SB4において受信機80の制御部87は、SA3にて火災が検知されなくなったと判定された感知器10(又は、SA3にて非常ボタン31aが火災信号の送信指示を受け付ける前の状態に復旧されたと判定された発信機30)から送信されている火災信号を第1配線2、及びL−C入力部82aを介して継続して受信しているか否かを判定する。そして、受信機80の制御部87は、火災信号を継続して受信していると判定された場合(SB4、Yes)、火災信号を継続して受信していないと判定されるまでSB4の処理を繰り返し、火災信号を継続して受信していないと判定された場合(SB4、No)、SB5に移行する。
SB5において受信機80の制御部87は、SB4にて受信停止された火災信号に基づいて、表示部84又は音声出力部85による火災情報の出力を停止させる。ここで、火災情報の出力の停止については任意であるが、実施の形態2においては、表示部84による火災情報の表示として、表示部84における上記地区表示領域のうち、SA2にて火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)と接続されている第1配線2に対応する警戒地区の状態を表示する領域を点灯表示する場合に、この点灯表示されている領域のうち、SB4にて火災信号の受信が停止された感知器10(又は発信機30)と接続されている第1配線2に対応する警戒地区の状態を表示する領域の点灯表示を停止する。また、音声出力部85による火災情報の出力として、受信機80の記憶部88に格納されている火災情報に関連する音声データのうち、SA2にて火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)と接続されている第1配線2に対応する警戒地区の状態を示す音声データを出力する場合に、この出力されている音声データのうち、SB4にて火災信号の受信が停止された感知器10(又は発信機30)と接続されている第1配線2に対応する警戒地区の状態を示す音声データの出力を停止する。
(処理−使用状態報知処理)
次に、使用状態報知処理について説明する。実施の形態2に係る使用状態報知処理については、図7のSC4、SC6、SD1、SD3、及びSD4の処理の内容を除いて、実施の形態1に係る使用状態報知処理の各処理と同様であるので、フローチャートの図示及び説明を省略する。
SC3の処理後、SC4において、SC3にてAED40が使用状態であると判定された検知装置50の制御部55は、使用状態信号を通信部53及び第4配線5を介して受信機80に送信する。
SD1において、受信機80の制御部87は、SC3にてAED40が使用状態であると判定された検知装置50から送信された使用状態信号を第4配線5及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。
また、SD3において受信機80の制御部87は、第2移報信号を移報信号送信部83、第5配線6、通報装置90、及び電話回線を介して外部装置に送信する。
また、SC5の処理後、SC6において、SC5にてAED40が不使用状態であると判定された検知装置50の制御部55は、不使用状態信号を通信部53及び第4配線5を介して受信機80に送信する。
SD4において受信機80の制御部87は、SC5にてAED40が不使用状態であると判定された検知装置50から送信された不使用状態信号を第4配線5及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。
(処理−故障状態報知処理)
次に、故障状態報知処理について説明する。実施の形態2に係る故障状態報知処理については、図8のSE2、SE4、SF1、及びSF3の処理の内容を除いて、実施の形態1に係る故障状態報知処理の各処理と同様であるので、フローチャートの図示及び説明を省略する。
SE1の処理後、SE2において、SE1にてAED40が故障状態であると判定された検知装置50の制御部55は、故障状態信号を通信部53及び第4配線5を介して受信機80に送信する。
SF1において受信機80の制御部87は、SE1にてAED40が故障状態であると判定された検知装置50から送信された故障状態信号を第4配線5及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。
また、SE3の処理、SE4において、SE3にてAED40が復旧したと判定された検知装置50の制御部55は、故障状態復旧信号を通信部53及び第4配線5を介して受信機に送信する。
SF3において受信機80の制御部87は、SE3にてAED40が復旧したと判定された検知装置50から送信された故障状態復旧信号を第4配線5及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。
(処理−使用必要状態報知処理)
次に、使用必要状態報知処理について説明する。実施の形態2に係る使用必要状態報知処理については、図9のSG4、SG8、SH1、及びSH3の処理の内容を除いて、実施の形態1に係る使用必要状態報知処理の各処理と同様であるので、フローチャートの図示及び説明を省略する。
SG3の処理後、SG4において、SG3にてAED40が使用必要状態であると判定された検知装置50の制御部55は、使用必要状態信号を通信部53及び第4配線5を介して受信機80に送信する。
SH1において受信機80の制御部87は、SG3にてAED40が使用必要状態であると判定された検知装置50から送信された使用必要状態信号を第4配線5及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。
また、SG7の処理後、SG8において、SG7にてAED40が使用必要状態であると判定された検知装置50の制御部55は、使用不要状態信号を通信部53及び第4配線5を介して受信機80に送信する。
SH3において受信機80の制御部87は、SG7にてAED40が使用不要状態であると判定された検知装置50から送信された使用不要状態信号を第4配線5及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。
(処理−点検到来報知処理)
次に、点検到来報知処理について説明する。実施の形態2に係る点検到来報知処理については、図10のSI2及びSJ1の処理の内容を除いて、実施の形態1に係る点検到来報知処理の各処理と同様であるので、フローチャートの図示及び説明を省略する。
SI1の処理後、SI2において、SI1にてAED40を点検すべき所定のタイミングが到来したと判定された検知装置50の制御部55は、点検到来信号を通信部53及び第4配線5を介して受信機80に送信する。
SJ1において受信機80の制御部87は、SI1にてAED40を点検すべき所定のタイミングが到来したと判定された検知装置50から送信された点検到来信号を第4配線5及び通信部82を介して受信したか否かを判定する。
(効果)
このように実施の形態2によれば、火災報知システム101の制御方式がP型方式である場合でも、実施の形態1に係る火災報知システム1(すなわち、制御方式がR型方式である)である場合と同様に、受信機80が、検知部52及び判定部55a等の判定結果に基づいて、状態情報を表示部84又は音声出力部85に出力させるので、受信機80の管理者等に対して状態情報を提示できる。よって、受信機80の管理者等が、AED40の状態を把握でき、従来技術に比べてAED40の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。例えば、従来のシステムよりも受信機80の管理者等に対してAED40の状態を報知することができない場合であっても、従来のシステムと同程度に、AED40の状態を報知することが従来のシステムとは異なる本願発明のシステムによって達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、感知器10、発信機30、検知装置50、受信機80、通報装置90をそれぞれ複数の装置に分散して構成したり、感知器10、発信機30、検知装置50、受信機80、通報装置90の一方の機能の一部を他方に持たせたりしてもよい。また、各部を分散する場合において、これら各部の相互間の連携は、有線と無線のいずれか一方又は両方により行うことができる。
(実施の形態の相互関係について)
複数の実施の形態が記載されている場合において、これら複数の実施の形態の相互間においては、その構成や処理の一部を相互に入れ替えたり、一方の構成や処理を他方に適用したりしてもよい。
(形状、数値、構造、時系列について)
各実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(複合報知装置について)
上記実施の形態1、2では、複合報知装置20は、筐体21の内部において、発信機30と、AED40と、検知装置50と、表示装置60と、音響装置70とを一体に収容して構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、これらの装置に加えて、他の機器や設備(例えば消火栓等)を一体に収容して構成されてもよい。
(通報装置について)
上記実施の形態1、2では、火災報知システムが通報装置90を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、通報装置90を省略してもよい。ここで、通報装置90とは別の通信ルートで第1移報信号又は第2移報信号を送信するために、受信機80と外部装置とを公知のネットワークを介して第1移報信号又は第2移報信号を直接的に送信してもよい。あるいは、第1移報信号及び第2移報信号の送信を取りやめる場合には、火災報知処理のSB3を省略することができると共に、使用状態報知処理のSD3も省略することができる。
また、上記実施の形態1、2では、通報装置90における第1移報信号や第2移報信号の送信先である外部装置が、消防局に設置されているセンタ装置であると説明したが、これに限られず、例えば、建物の住居者が携帯する携帯電話であってもよい。これにより、建物の住居者が外出している場合でも、当該建物の住居者に対して火災情報や使用状態情報を提示できるので、当該建物の住居者が当該建物の住居者以外の他の住居者の安否を確認する等の措置を迅速に取ることが可能となる。
(受信機について)
上記実施の形態1、2では、使用必要状態報知処理において、受信機80が、使用必要状態信号を受信した場合にのみ、表示部84又は音声出力部85によって位置情報を出力すると説明したが、これに限られない。例えば、受信機80が、火災報知処理、使用状態報知処理、故障状態報知処理、又は点検到来報知処理における任意のタイミングで、操作部81を介して所定の操作が受け付けられた場合に、表示部84又は音声出力部85によって位置情報を出力してもよい。ここで、表示部84による位置情報の表示については、例えば、当該表示部84におけるテキストデータを表示する領域に、受信機80の記憶部88に格納されている位置情報に関連するテキストデータを順次表示する。また、音声出力部85による位置情報の出力については、例えば、記憶部88に格納されている位置情報に関連する音声データを順次出力する。このような処理により、受信機80の管理者等に対して位置情報を提示できる。よって、例えば、受信機80の管理者等がAED40を使用し又は点検する際に、AED40の設置場所を探す手間を低減することが可能となる。
(判定部及び画像処理部について)
上記実施の形態1では、判定部55a及び画像処理部55bが、検知装置50に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、判定部55a及び画像処理部55bが、検知装置50に代えて受信機80に設けられてもよい。
この場合において、使用状態報知処理においては、SC3、SC5、SD2、SD3、SD5の処理が受信機80の制御部87によって行われ、SC1、SC2、SC4、SC6、SD1、及びSD3を省略することができる。ここで、SC3におけるAED40が使用状態であるか否かの判定については任意であるが、例えば、受信機80の判定部55aが、受信機80に設けられた検知部であって、AED40と受信機80と通信状態を検知する検知部(図示省略)の検知結果に基づいて判定してもよい(なお、SC5におけるAED40が復旧したか否かの判定についても同様とする)。具体的には、AED40を使用するために、AED40が第1配線2から切り離されることで、検知部によってAED40と受信機80との相互間の通信ができないと検知された場合、判定部55aは、AED40が使用状態であると判定する。
また、故障状態報知処理においては、SE1、SE3、SF2、SF4の処理が受信機80の制御部87によって行われ、SE2、SE4、SF1、及びSF3を省略することができる。ここで、SE1におけるAED40が故障状態であるか否かの判定については、例えば、受信機80の判定部55aが、AED40に異常が生じていることが検知部43にて検知された場合に、異常信号をAED40から第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かに基づいて判定する。また、SE3におけるAED40が復旧した否かの判定については、例えば、受信機80の判定部55aが、AED40に異常が生じていることが検知部43にて検知されなくなった場合に、異常復旧信号をAED40から第1配線2及び通信部82を介して受信したか否かに基づいて判定する。
また、使用状態報知処理においては、SG1からSG3、SG5からSG7、SH2、及びSH4が受信機80の制御部87によって行われ、SG4、SG8、SH1、及びSH3を省略することができる。ここで、SG1、SG5における画像信号の受信については、AED40から検知装置50及び第1配線2を介して受信される。
以上のような処理により、判定部55a及び画像処理部55bが、受信機80に設けられた場合でも、受信機80の管理者等に対して使用状態情報、故障状態情報、及び位置情報を提示することが可能となる。
(タイミング判定部について)
上記実施の形態1、2では、タイミング判定部55cが、検知装置50に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、タイミング判定部55cが、検知装置50に代えてAED40に設けられてもよい。この場合において、点検到来信号の送信については、具体的には、まず、AED40の制御部49が、点検到来信号を無線通信部45を介して検知装置50に送信する。次に、検知装置50の制御部55が、AED40から無線通信部54を介して受信した点検到来信号を第1配線2(又は第4配線5)を介して受信機80に送信する。これにより、AED40がタイミング判定部55cを備えた場合でも、点検到来情報を受信機80の表示部84又は音声出力部85に出力することが可能となる。あるいは、単に検知装置50のタイミング判定部55cを省略するだけでもよい。この場合には、点検到来報知処理も省略することができる。
(火災報知処理について)
上記実施の形態1、2では、受信機80の表示部84又は音声出力部85による火災情報の出力を自動的に停止できるように、SA3、SA4、SB4、及びSB5の処理が行われると説明したが、これに限られない。例えば、この火災情報の出力停止を受信機80の操作部81を介して手動で行う場合には、SA3、SA4、SB4、SB5の処理を省略してもよい。
また、上記実施の形態1では、SB2において受信機80の制御部87が、表示部84又は音声出力部85によって、単に火災情報を出力させると説明したが、これに限られない。例えば、火災時において、受信機80の管理者等に対して最適なAED40の設置場所を案内できるように、SB2において受信機80の制御部87が、火災情報に加えて位置情報も出力させてもよい。この位置情報の出力については、具体的には、表示部84が、SB1にて受信した火災信号に付加された感知器識別情報(又は発信機識別情報)に基づいて、当該表示部84におけるテキストデータを表示する領域に、受信機80の記憶部88に格納されている位置情報に関連するテキストデータのうち、受信機80から所定距離以内(例えば20m以内等)の場所であり、且つ当該火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)から所定距離以上(例えば20m以上等)離れた場所に設置されているAED40に対応するテキストデータ(例えば、「△△△階の×××付近にAEDが設置されています」との定型メッセージを含むテキストデータ等)を出力する。また、音声出力部85が、SB1にて受信した火災信号に付加された感知器識別情報(又は発信機識別情報)に基づいて、記憶部88に格納されている位置情報に関連する音声データのうち、受信機80から所定距離以内の場所であり、且つ当該火災信号が送信された感知器10(又は発信機30)から所定距離以上離れた場所に設置されているAED40に対応する音声データ(例えば、「△△△階の×××付近にAEDが設置されています」との定型メッセージを含む音声データ等)を出力する。このような処理により、火災時において、受信機80の管理者等に対して位置情報を提示できることから、受信機80の管理者等に対して最適なAED40の設置場所を案内することが可能となる。
(使用状態報知処理について)
上記実施の形態1、2では、受信機80の表示部84又は音声出力部85による使用状態情報の出力を自動的に停止できるように、SC5、SC6、SD4、及びSD5の処理が行われると説明したが、これに限られない。例えば、この使用状態情報の出力停止を受信機80の操作部81を介して手動で行う場合には、SC5、SC6、SD4、及びSD5の処理を省略してもよい。
また、上記実施の形態1、2は、SC1及びSC2の処理が行われると説明したが、これに限られず、例えば、SC1及びSC2の処理を省略してもよい。この場合には、実施の形態1、2では、SC3において、検知装置50の判定部55aが、検知部52の検知結果のみに基づいてAED40が使用状態であるか否かを判定し、検知部52にて筐体21の扉部23eが開かれたことが検知されていない場合に、AED40が使用状態でないと判定し、検知部52にて筐体21の扉部23eが開かれたことが検知された場合に、AED40が使用状態であると判定する。
また、上記実施の形態1、2では、SC3におけるAED40が使用状態であるか否かの判定については、検知装置50の制御部55が、SC1にて筐体21の扉部23eが開かれたことが検知されてから所定時間内に、AED40から無線通信部54を介して当該AED40が起動した旨を示す起動信号が受信されたか否かに基づいて判定すると説明したが、これに限られない。例えば、SC1にて筐体21の扉部23eが開かれたことが検知されてから所定時間(例えば、15sec等)を超えたか否かに基づいて判定してもよい。あるいは、上記起動信号が受信されたか否かに基づいて判定した後に、上記所定時間を超えたか否かに基づいて判定してもよい。
(使用必要状態報知処理について)
上記実施の形態1、2では、撮像部48にて撮像された画像を用いて、AED40が使用必要状態(又は使用不要状態)であるか否かを判定すると説明したが、これに限られない。例えば、建物に設けられた公知のセキュリティシステムを構成する監視カメラであり、当該検知装置50の近傍に設置された監視カメラにて撮像された画像を用いて、AED40が使用必要状態(又は使用不要状態)であるか否かを判定してもよい。
(付記)
上述した課題を解決し、目的を達成するために、付記1の火災報知システムは、監視領域における火災を検知して警報を行う火災報知システムであって、受信機と、除細動を行う自動体外式除細動器と、前記自動体外式除細動器の状態を判定する判定手段と、を備え、前記受信機は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記自動体外式除細動器の状態を示す状態情報を出力手段に出力させる。
付記2の火災報知システムは、付記1に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器の状態として、当該自動体外式除細動器の使用状態を含み、前記受信機は、前記判定手段によって前記自動体外式除細動器が使用状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が使用状態である旨を示す前記状態情報を前記出力手段に出力させる。
付記3の火災報知システムは、付記1又は2に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器の状態として、当該自動体外式除細動器の故障状態を含み、前記受信機は、前記判定手段によって前記自動体外式除細動器が故障状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が故障状態である旨を示す前記状態情報を前記出力手段に出力させる。
付記4の火災報知システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記状態情報を含む信号を前記受信機に送信する送信手段を備え、前記受信機は、前記送信手段から前記状態情報を含む信号を受信した場合に、当該状態情報を出力手段に出力させる。
付記5の火災報知システムは、付記4に記載の火災報知システムにおいて、前記状態情報を含む信号の送信停止の指示を受け付ける送信停止操作手段を備え、前記送信手段は、前記送信停止操作手段を介して前記状態情報を含む信号の送信停止の指示が受け付けられた場合に、当該状態情報を含む信号の送信を停止する。
付記6の火災報知システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記受信機は、当該受信機と通信可能に接続され、前記監視領域内に設けられた火災端末器から火災を報知する火災信号を受信した場合に、当該火災の報知を示す火災情報を含む第1移報信号を当該火災報知システムの外部に直接的又は間接的に送信し、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第1移報信号とは異なる情報を含む第2移報信号であって、前記状態情報と、当該状態情報に対応する措置を要請する旨を示す措置要請情報とを含む第2移報信号を当該火災報知システムの外部に直接的又は間接的に送信する移報信号送信手段を備えた。
付記7の火災報知システムは、付記1から6のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記受信機は、操作入力を受け付ける操作手段を備え、前記操作手段を介して所定の操作が受け付けられた場合に、前記自動体外式除細動器の位置を特定する位置情報を前記出力手段に出力させる。
付記8の火災報知システムは、付記6及び7に記載の火災報知システムにおいて、前記受信機は、前記送信手段から前記火災信号を受信した場合に、前記位置情報を前記出力手段に出力させる。
付記9の火災報知システムは、付記7に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器の状態として、当該自動体外式除細動器の使用を必要とする使用必要状態を含み、前記受信機は、前記判定手段によって前記自動体外式除細動器が使用必要状態であると判定された場合に、前記位置情報を前記出力手段に出力させる。
付記10の火災報知システムは、付記1から9のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器を点検すべき所定のタイミングが到来したことを判定するタイミング判定手段を備え、前記受信機は、前記タイミング判定手段の判定結果に基づいて、前記自動体外式除細動器を点検すべき所定のタイミングが到来した旨を示す点検到来情報を前記出力手段に出力させる。
付記11の火災報知システムは、付記1から10のいずれか一項に記載の火災報知システムにおいて、前記自動体外式除細動器は、前記受信機から電源線を介して供給される電力にて充電される蓄電手段を備えた。
(付記の効果)
付記1に記載の火災報知システムによれば、受信機が、判定手段の判定結果に基づいて、状態情報を出力手段に出力させるので、受信機の管理者等に対して状態情報を提示できる。よって、受信機の管理者等が、自動体外式除細動器の状態を把握でき、従来技術に比べて自動体外式除細動器の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。
付記2に記載の火災報知システムによれば、受信機が、判定手段によって自動体外式除細動器が使用状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が使用状態である旨を示す状態情報を出力手段に出力させるので、受信機の管理者等が監視領域で自動体外式除細動器が使用状態であることを把握することができる。よって、受信機の管理者等が、監視領域にいる人に対して救命活動に参加するように呼びかけたり、心臓が正常に拍動できなくなった状態となった人に対して応急処置を行う等の措置を迅速に取ることができることから、自動体外式除細動器の使用者が当該使用者以外の第三者からのサポートを迅速に受けやすくなる。
付記3に記載の火災報知システムによれば、受信機が、判定手段によって自動体外式除細動器が故障状態であると判定された場合に、当該自動体外式除細動器が故障状態である旨を示す状態情報を出力手段に出力させるので、受信機の管理者等が、自動体外式除細動器が故障状態であることを把握でき、自動体外式除細動器の点検や修理等を迅速に行うことが可能となる。
付記4に記載の火災報知システムによれば、受信機が、送信手段から状態情報を含む信号を受信した場合に、当該状態情報を出力手段に出力させるので、受信機と判定手段とを別体に設けた場合でも、状態情報を出力手段に出力でき、当該火災報知システムの設計の自由度を高めることが可能となる。
付記5に記載の火災報知システムによれば、送信手段が、送信停止操作手段を介して状態情報を含む信号の送信停止の指示が受け付けられた場合に、当該状態情報を含む信号の送信を停止するので、例えば、受信機の管理者等が自動体外式除細動器の点検を行う場合に、状態情報が受信機の出力手段によって出力されることを回避できるため、状態情報が誤って出力されることを防止できる。
付記6に記載の火災報知システムによれば、受信機が、監視領域内に設けられた火災端末器から火災信号を受信した場合に、第1移報信号を当該火災報知システムの外部に直接的又は間接的に送信し、判定手段の判定結果に基づいて、第2移報信号を当該火災報知システムの外部に直接的又は間接的に送信する移報信号送信手段を備えたので、外部装置の管理者等に対して第1移報信号に含まれる火災情報を提示でき、外部装置の管理者等が監視領域で火災が発生したことを把握することができる。よって、外部装置の管理者等が、消防車の出動を要請したり、近隣住民に対して避難勧告を行う等の措置を迅速に取ることが可能となる。また、外部装置の管理者等に対して第2移報信号に含まれる状態情報や措置要請情報を提示でき、外部装置の管理者等が自動体外式除細動器の状態や、当該状態に応じた必要な措置を要請していることを把握することができる。よって、外部装置の管理者等が、自動体外式除細動器の状態に応じた必要な措置を迅速に取ることが可能となる。
付記7に記載の火災報知システムによれば、受信機が、操作手段を介して所定の操作が受け付けられた場合に、位置情報を出力手段に出力させるので、受信機の管理者等に対して位置情報を提示できる。よって、例えば、受信機の管理者等が自動体外式除細動器を使用し又は点検する際に、自動体外式除細動器の設置場所を探す手間を低減することが可能となる。
付記8に記載の火災報知システムによれば、受信機が、送信手段から火災信号を受信した場合に、位置情報を出力手段に出力させるので、火災時において、受信機の管理者等に対して位置情報を提示できることから、受信機の管理者等に対して最適な自動体外式除細動器の設置場所を案内することが可能となる。
付記9に記載の火災報知システムによれば、受信機が、判定手段によって自動体外式除細動器が使用必要状態であると判定された場合に、位置情報を出力手段に出力させるので、自動体外式除細動器の使用が必要なタイミングで、受信機の管理者等に対して位置情報を提示でき、最適な自動体外式除細動器の設置場所を案内することが可能となる。
付記10に記載の火災報知システムによれば、受信機が、送信手段から点検到来情報を含む信号を受信した場合に、当該点検到来情報を出力手段に出力させるので、受信機の管理者等に対して点検到来情報を提示でき、受信機の管理者等が自動体外式除細動器を点検すべきことを把握することができる。よって、受信機の管理者等が、自動体外式除細動器を点検し忘れることを低減でき、自動体外式除細動器の管理を適切に行うことが可能となる。
付記11に記載の火災報知システムによれば、自動体外式除細動器が、受信機から電源線を介して供給される電力にて充電される蓄電手段を備えたので、受信機から供給された電力を蓄電手段に充電できるため、自動体外式除細動器の電池交換等を行う手間を省略することが可能となる。