以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
本実施形態の伝送システムは、2つの伝送システムのうち一方のIDを用いてユーザが他方の伝送システムにログインすることができる。すなわち、ユーザは他方の伝送システムのIDを意識することなく他方の伝送システムで宛先端末と通信することが可能となる。このように2つの伝送システムが一方の伝送システムのIDによるユーザの他方の伝送システムへのログインを可能とする利用形態を伝送システムの連携という。
そして、本実施形態の伝送システムは、ユーザが2つの伝送システムの一方の伝送システムAを利用して利用料金が発生した場合でも、伝送システムAの利用料金をユーザは伝送システムBの残高から支払うことを可能になる。
また、本実施形態では、伝送システムとは独立した他システムのIDとパスワードによりユーザが伝送システムにログインすることも可能である。ユーザは他システムにログインできれば、伝送システムのIDを入力することなく宛先端末と通信することができる。なお、他システムは、例えばTwitter(登録商標)、Google(登録商標)、Facebook(登録商標)、Line(登録商標)、Yahoo(登録商標)などのサービスを提供するためのシステムであるが、これらには制限されない。
ここで、IDを以下のように定義する。
伝送システムのうちテレビ会議管理システムのID…通信ID(テレビ会議管理システムにユーザがログインする際の認証で利用される)。通信IDは第1の識別情報の一例である。
伝送システムのうちテキストチャット管理システムのID…ユーザID(テキストチャット管理システムにユーザがログインする際の認証で利用される)。ユーザIDは第2の識別情報の一例である。
伝送システムの管理者のID…管理者ID(通信IDとユーザIDを対応づける際にテレビ会議管理システムに管理者がログインする際の認証で利用される)
他システムのID…システムID(他システムにユーザがログインする際の認証で利用される)。
本実施形態のIDは、伝送端末若しくはこの伝送端末を利用するユーザを一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、通信IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る伝送システムの一例の概略図である。伝送システム1には、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム、テキストチャットシステム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議及びテキストチャットを行うことができるシステムを想定した上で、伝送システムについて説明する。すなわち、本実施形態のコミュニケーションシステムは、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスを提供することができる伝送システムである。また、本実施形態では、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム及びテキストチャット管理システムを想定した上で、伝送管理システムについて説明する。同様に、コミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議若しくはテキストチャットのいずれか又はその両方を行うことができる端末を想定した上で、伝送端末について説明する。
すなわち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、上記の伝送システムに適用されるだけでなく、その他のコミュニケーションシステムやデータ提供システム等にも適用される。
図1に示されている伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa,10ab,・・・,20aa,20ab,・・・)、各伝送端末(10aa,10ab,・・・)用のディスプレイ(120aa,120ab,・・・)、複数の中継装置(30a,30b,・・・)、複数の伝送管理システム(501,502、・・・)、複数の料金管理システム(601、602)、共通情報管理装置80及びプログラム提供システム90によって構築されている。
複数の伝送端末10は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データの送受信を行う。すなわち、複数の伝送端末10は、テレビ会議サービスを利用することができるテレビ会議端末である。本実施形態では、伝送端末10は、テレビ会議サービス専用の端末(テレビ会議専用端末)であるとする。以降、伝送端末10をテレビ会議専用端末10と表す。これらのテレビ会議専用端末10は、テレビ会議サービスの呼制御を管理する伝送管理システム501により管理される。なお、テレビ会議専用端末10は必ずしも端末のハードウェア自体がテレビ会議サービスに特化した端末でなくてもよく、ハードウェアは汎用的であっても端末が利用可能なアプリケーションがテレビ会議サービスに特化した端末も含まれる。
また、コミュニケーション管理システムが音声会議システムまたは音声電話システムの場合にはコンテンツデータの一例として音声データの送受信を行い、音声通話サービスを利用することができる。
他方、複数の伝送端末20は、コンテンツデータの一例としての画像データ及び音声データ、又は、テキストデータの送受信を行う。すなわち、複数の伝送端末20は、テレビ会議又はテキストチャットを利用することができる端末である。本実施形態では、伝送端末20は、特に断らない限り、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスの両方を利用することができるタブレット型端末、携帯電話、スマートフォンなどの汎用の携帯端末であるとする。伝送端末20は、少なくともテキストチャットサービスを利用することができればよく、テレビ会議サービスは必ずしも利用することができなくてもよい。なお、伝送端末20は、例えば携帯電話通信網やWiFi(Wireless Fidelity)などを介して通信ネットワーク2に無線で接続されている。以降、伝送端末20を携帯端末20と表す。これらの携帯端末20は、テキストチャットサービスの呼制御を管理する伝送管理システム502により管理される。
なお、上記のテレビ会議専用端末10及び携帯端末20は、上述した通りコミュニケーション端末の一例であり、コミュニケーション端末としては、会議専用端末、タブレット型端末、携帯電話、スマートフォンの他に、ゲーム機器、汎用PC端末、自動車に搭載されるカーナビゲーション端末、プロジェクタなどの投影装置、電子黒板、ウェアラブル端末などの各種電子機器であってもよい。
なお、以下では、複数のテレビ会議専用端末(10aa,10ab,・・・)のうちの任意の端末は「テレビ会議専用端末10」と表され、複数の携帯端末(20aa,20ab,・・・)のうちの任意の端末は「携帯端末20」と表されている。
また、複数のディスプレイ(120aa,120ab,・・・)のうち任意のディスプレイは「ディスプレイ120」と表され、複数の中継装置(30a,30b,・・・)のうち任意の中継装置は「中継装置30」と表されている。また、複数の伝送管理システム(501,502、・・・)のうち任意の伝送管理システムは「伝送管理システム50」と表されている。複数の料金管理システム(601,602、・・・)のうち任意の料金管理システムは「料金管理システム60」と表されている。さらに、一方のテレビ会議専用端末10若しくは携帯端末20から他方のテレビ会議専用端末10若しくは携帯端末20へのテレビ会議若しくはテキストチャットの開始を要求する端末は「要求元端末」と表され、要求先である宛先としての端末は「宛先端末」と表されている。
また、伝送システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、伝送管理システム50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションが確立される(通信接続が確立される)。また、要求元端末と宛先端末との間では、中継装置30を介して、コンテンツデータを送受信するためのセッションが確立される。なお、要求元端末と宛先端末との間で送受信されるコンテンツデータがテキストデータのみである場合、伝送管理システム50を介したセッション又は要求元端末と宛先端末とが直接セッションを確立してもよい。
ここで、本実施形態では、要求元端末がテレビ会議専用端末10である場合は伝送管理システム501を介してセッションが確立され、他方、要求元端末が携帯端末20である場合は伝送管理システム502を介してセッションが確立される。換言すれば、テレビ会議サービスのみを利用するテレビ会議専用端末10は伝送管理システム501により呼制御が管理され、他方、テキストチャットサービスを利用する携帯端末20は伝送管理システム502により呼制御が管理される。このように、本実施形態では、サービス毎に呼制御を行う伝送管理システム50が異なり、各伝送端末は、いずれのサービスを主に利用するかに応じて、いずれかの伝送管理システム50により呼制御が管理される。以降では、伝送管理システム501は「テレビ会議管理システム501」、伝送管理システム502は「テキストチャット管理システム502」と表される。
図1に示されている中継装置30は、複数のテレビ会議専用端末10の間、及び/又は、複数の携帯端末20の間で、コンテンツデータの中継を行う。
伝送管理システム50は、伝送端末のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置30の通話状況の管理等を行う。伝送管理システム50は情報処理装置の一例である。また、伝送管理システム50は、これらの管理を、各サービスの呼制御を管理する伝送管理システム50毎に管理する。換言すれば、テレビ会議専用端末10のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、中継装置30の通話状況等はテレビ会議管理システム501で管理される。他方、携帯端末20のログイン認証、通話状況の管理、宛先リストの管理、中継装置30の通話状況等はテキストチャット管理システム502で管理される。なお、後述するように、通話状況の管理などのいわゆる各伝送端末の状態情報は、関係する各伝送管理システム50間において互いに通知される。
料金管理システム601はテレビ会議サービスの利用料金を計算し、料金管理システム602はテキストチャットサービスの利用料金を計算する。それぞれの利用料金は後述するそれぞれの残高管理テーブルから差し引かれるが、本実施形態ではテレビ会議サービスの利用料金が料金管理システム602の残高管理テーブルから差し引かれることが可能である。この逆に、テキストチャットサービスの利用料金が料金管理システム601の残高管理テーブルから差し引かれることが可能である。なお、料金管理システム601は、伝送管理システム501に含まれる構成であってよく、料金管理システム602は、伝送管理システム502に含まれる構成であってよい。
共通情報管理装置80は、各伝送管理システム50間で共通に利用する情報を管理するDB(Database)サーバなどである。共通情報管理装置80は、各伝送管理システム50間で共通に利用する情報を記憶する例えばネットワークストレージなどの記憶装置であってもよい。なお、本実施形態では、共通情報管理装置80は、各伝送管理システム50と別に設けられている構成であるが、各伝送管理システム50に含まれる構成であってもよい。
複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、コンテンツデータの最適な経路選択を行う。なお、以下では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータは「ルータ70」と表されている。
プログラム提供システム90は、後述のHD(Hard Disk)204を備えており、テレビ会議専用端末10や携帯端末20に各種機能を実現させる(又は、テレビ会議専用端末10、携帯端末20を各種手段として機能させる)ための端末用プログラムが記憶され、テレビ会議専用端末10、携帯端末20に端末用プログラムを送信することができる。
また、プログラム提供システム90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させる(又は、中継装置30を各種手段として機能させる)ための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHD204には、伝送管理システム50に各種機能を実現させる(又は、伝送管理システム50を各種手段として機能させる)ための伝送管理用プログラムも記憶されており、伝送管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。さらに、プログラム提供システム90のHD204には、共通情報管理装置80に各種機能を実現させる(又は、共通情報管理装置80を各種手段として機能させる)ための情報管理用プログラムも記憶されており、共通情報管理装置80に、情報管理用プログラムを送信することができる。
ところで、テレビ会議専用端末(10aa,10ab,10ac,・・・)、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。テレビ会議専用端末(10ba,10bb,10bc,・・・)、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。また、携帯端末(20aa,20ab,・・・)は、地域Aで利用されている。
一方、テレビ会議専用端末(10ca,10cb,10cc,・・・)、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。テレビ会議専用端末(10da,10db,10dc,・・・)、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカ合衆国であり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。また、携帯端末(20ba,20bb,・・・)は、地域Bで利用されている。
地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
なお、テレビ会議専用端末10は必ずしも専用線を介する必要はなく、インターネット2iに直接接続されていてもよい。
また、伝送管理システム50、料金管理システム60、及び、プログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、中継装置30、及び共通情報管理装置80と通信可能に接続されている。伝送管理システム50、料金管理システム60、共通情報管理装置80、又は、プログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFiや、Bluetooth(登録商標)等の無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20、各中継装置30、各伝送管理システム50、共通情報管理装置80、各ルータ70、プログラム提供システム90、及びメンテナンスシステム100の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、テレビ会議専用端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20は、複数の事業所間での通信や、同じ事業者内の異なる部屋間での通信だけでなく、同じ部屋内での通信や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通信で使われてもよい。各テレビ会議専用端末10、各携帯端末20が屋外で使われる場合には、携帯電話通信網等の無線による通信が行われる。
<ハードウェア構成>
<<テレビ会議専用端末>>
次に、図2を用いて、テレビ会議専用端末10のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態に係るテレビ会議専用端末のハードウェア構成図である。図2に示されているように、本実施形態のテレビ会議専用端末10は、テレビ会議専用端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、端末用プログラム、画像データ、及び音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、テレビ会議専用端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、テレビ会議専用端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を備えている。
また、テレビ会議専用端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118、及び、上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。なお、テレビ会議専用端末10は、内蔵型のカメラ112を必ずしも備えていなくてもよく、外部機器接続I/F118を介して外付けカメラのみが接続されていてもよい。同様に、テレビ会議専用端末10は、内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115を必ずしも備えていなくてもよく、外部機器接続I/F118を介して外付けマイクや外付けスピーカのみが接続されていてもよい。また、テレビ会議専用端末10のディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続されているが、これに限られず、ディスプレイ120は、テレビ会議専用端末10に内蔵されていてもよい。
また、テレビ会議専用端末10は、外部機器接続I/F118以外にもSDカードやSIM(Subscriber Identity Module)カードなどの外部記録媒体を読み込み可能な外部記録媒体I/Fを備えていてもよい。
なお、記録メディア106は、テレビ会議専用端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
さらに、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
<<携帯端末>>
図3は、本実施形態に係る携帯端末の一例のハードウェア構成図である。図3に示されているように、本実施形態の携帯端末20は、携帯端末20全体の動作を制御するCPU201、携帯端末20に各種操作信号を入力するための入力装置202、携帯端末20による処理結果を表示するための表示装置203、外付けマイク、外付けカメラや外部記録媒体(記録メディア)などの各種外部装置とのインタフェースである外部I/F204、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM205、携帯端末20のOSの設定やネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されるROM206、携帯電話通信網などを利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F207、端末用プログラム等の各種データを記憶するフラッシュメモリ208、CPU201の制御にしたがってフラッシュメモリ208に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD209を備えている。
また、携帯端末20は、CPU201の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ210、このカメラ210の駆動を制御する撮像素子I/F211、音声を入力する内蔵型のマイク212、音声を出力する内蔵型のスピーカ213、CPU201の制御に従ってマイク212及びスピーカ213との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F214、及び上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン215を備えている。なお、携帯端末20がテキストチャットサービスのみを利用する端末である場合、カメラ210やマイク212、スピーカ213などは備えていなくてもよい。
また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ208に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
上記端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ208ではなくROM206に記憶させるようにしてもよい。
<<中継装置、伝送管理システム、共通情報管理装置、プログラム提供システム、料金管理システム>>
次に、中継装置30、伝送管理システム50、共通情報管理装置80、プログラム提供システム90、及び料金管理システム60のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施形態に係る中継装置、伝送管理システム、共通情報管理装置、プログラム提供システム、及び、料金管理システム60のハードウェア構成図である。
伝送管理システム50は、伝送管理システム50全体の動作を制御するCPU301、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM302、CPU301のワークエリアとして使用されるRAM303、伝送管理用プログラム等の各種データを記憶するHD304、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)305、フラッシュメモリ等の記録メディア306に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ307、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ308、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F309、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード311、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス312、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)313に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ314、及び、上記各構成要素を図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン310を備えている。
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア306やCD−ROM313等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記伝送管理用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。
また、中継装置30、共通情報管理装置、プログラム提供システム、及び、料金管理システム60は、上記の伝送管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。ただし、HD304には、中継装置30、共通情報管理装置、プログラム提供システム、及び、料金管理システム60を制御するためのプログラムが記憶されている。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<機能構成>
次に、図5を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図5は、本実施形態に係る伝送システムを構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図5では、テレビ会議専用端末10、携帯端末20、伝送管理システム50、料金管理システム60、及び共通情報管理装置80が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。なお、図1に示されている中継装置30,及び、プログラム提供システム90は、本実施形態では直接関係ないため、図5では省略されている。
<<端末の各機能構成>>
テレビ会議専用端末10及び携帯端末20は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、宛先リスト作成部17、及び記憶・読出処理部18を有している。以降では、図5の伝送端末がテレビ会議専用端末10である場合について主に説明する。
上記の各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能される手段である。
また、テレビ会議専用端末10は、図2に示されているRAM103によって構築される揮発性記憶部2000、及び図2に示されているフラッシュメモリ104によって構築される不揮発性記憶部1000を有している。
次に、図2及び図5を用いて、テレビ会議専用端末10の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、テレビ会議専用端末10の各機能構成部を説明するにあたって、図2に示されている各構成要素のうち、テレビ会議専用端末10の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図5に示されているテレビ会議専用端末10の送受信部11は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介してほかの端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。この送受信部11は、所望の宛先端末と通話を開始する前から、テレビ会議管理システム501より、宛先候補としての各伝送端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。なお、この状態情報は、各テレビ会議専用端末10又は/及び各携帯端末20の稼働状態(オンラインかオフラインかの状態)だけでなく、オンラインであってもさらに通話中であるか、離席中であるか等の詳細な状態を示す。また、この状態情報は、各テレビ会議専用端末10の稼働状態だけでなく、テレビ会議専用端末10でケーブル120cがテレビ会議専用端末10から外れていたり、音声を出力するが画像は出力させなかったり、音声を出力させないようにする(MUTE)等、様々な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼働状態を示す場合について説明する。なお、上記において、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、送受信部11は、所望の宛先端末と通話を開始する前から、テキストチャット管理システム502より、宛先候補としての各端末の状態を示す各状態情報の受信を開始する。
操作入力受付部12は、図2に示されているCPU101からの命令、並びに図2に示されている操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現され、ユーザによる各種入力を受け付ける。例えば、ユーザが、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。なお。図5の伝送端末が携帯端末20である場合、CPU201からの命令、及び操作入力受付部12は、入力装置202によって実現される。
ログイン要求部13は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介してテレビ会議管理システム501に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、端末種別を示す情報、この端末が利用することができるサービス名、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、ユーザが電源スイッチ109をONの状態からOFFにすると、送受信部11がテレビ会議管理システム501へ電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部12が電源を完全にOFFにする。これにより、テレビ会議管理システム501側では、テレビ会議専用端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
なお、上記において、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、ログイン要求部13はCPU201からの命令によって実現され、携帯端末20のユーザが行ったログイン操作の受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介してテキストチャット管理システム502に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び要求元端末の端末種別を示す情報、この伝送端末が利用することができるサービス名、及び要求元端末の現時点のIPアドレスを送信する。このように、携帯端末20においては、この携帯端末20にインストールされたプログラム(端末用プログラム)においてユーザがログイン操作を行うことでログイン要求等がテキストチャット管理システム502に送信される。
撮像部14は、図2に示されているCPU101からの命令、並びに図2に示されているカメラ112及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。なお、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、撮像部14は図3に示されているCPU201からの命令、並びに図3に示されているカメラ210及び撮像素子I/F211によって実現される。ただし、携帯端末20がテキストチャットサービスのみ利用することができるときは、携帯端末20は、撮像部14を有しなくてもよい。
音声入力部15aは、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、マイク114によってユーザの音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部15bは、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されている音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカに出力し、スピーカ115から音声を出力させる。なお、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、音声入力部15a及び音声出力部15bは図3に示されているCPU201からの命令、並びに図3に示されている音声入出力I/F214によって実現される。ただし、携帯端末20がテキストチャットサービスのみ利用することができるときは、携帯端末20は、音声入力部15a及び音声出力部15bを有しなくてもよい。
表示制御部16は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ120に対して画像データを送信するための制御を行う。なお、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、表示制御部16は図3に示されているCPU201からの命令、及びに図3に示されている表示装置203によって実現され、表示装置203に画像データ等を送信するための制御を行う。
宛先リスト作成部17は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、管理システム50から受信した宛先リスト情報及び各宛先候補としてのテレビ会議専用端末10及び/又は携帯端末20の状態情報に基づいて、宛先リストの作成及び更新を行う。なお、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、宛先リスト作成部17は図3に示されているCPU201からの命令によって実現される。
記憶・読出処理部18は、図2に示されているCPU101からの命令、及び図2に示すSSD105によって実行され、不揮発性記憶部1000に各種データを記憶したり、揮発性記憶部2000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。この不揮発性記憶部1000には、通信先としてのテレビ会議専用端末10の端末又はユーザを識別するための通信ID(Identification)、及びパスワード等が記憶される。なお、通信ID及びパスワードは不揮発性記憶部1000に記憶されておらず、例えば伝送管理システム50に対してログイン要求を行う際に都度、ユーザが入力するようにしてもよい。
また、記憶・読出処理部18は、揮発性記憶部2000に各種データを記憶したり、揮発性記憶部2000に記憶された各種データを読み出したりする処理も行う。この揮発性記憶部2000には、宛先端末との通話を行う際に受信される画像データや音声データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120に画像が表示される、上書きされる前の音声データによってスピーカ150から音声が出力される。なお、上記において、図5の伝送端末が携帯端末20である場合、記憶・読出処理部18は図3に示されているCPU201からの命令、及び図3に示されているSSD209によって実現される。また、揮発性記憶部2000には、宛先端末とのテキストチャットを行う際に受信されるテキストデータも記憶される。
<<伝送管理システムの機能構成>>
伝送管理システム50は、送受信部51、認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態通知・取得部55、セッション管理部56、通知先判定部57、テキスト/テレビ呼び出し部58、管理者認証部59、ID取得部61、残高確認部62、及び記憶・読出処理部63を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開された管理システム用プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、伝送管理システム50は、伝送管理システム50の電源をOFFにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部3000を有しており、この不揮発性記憶部3000は図4に示されているHD304により構築されている。
この不揮発性記憶部3000には、表1に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB3002が構築されている。このセッション管理テーブルでは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられるセッションID毎に、データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末の通信ID及び宛先端末の通信IDが関連付けられて管理される。例えば、表1に示されているセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、通信IDが「02aa」の要求元端末(携帯端末02aa)と、通信IDが「01ab」の宛先端末(テレビ会議専用端末10ab)との間で、データを中継することが示されている。
さらに、不揮発性記憶部3000には、表2に示されているような宛先情報を管理するテレビ会議管理システムの宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB3003が構築されている。表2は、テレビ会議管理システム50
1が管理する宛先情報が登録されている宛先リスト管理テーブルの一例である。
他方、表3は、テキストチャット管理システム50
2が管理する宛先情報が登録されているテキストチャット管理システムの宛先リスト管理テーブルの一例である。これらの宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議サービスやテキストチャットサービスにおける接続の開始(発呼)を要求する要求元端末の通信IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の通信ID又はユーザIDが宛先情報として全て関連付けられて管理される。また、宛先端末の通信ID又はユーザIDには、「@」以降に、それぞれこの宛先端末の呼制御を管理している管理システム50の情報が関連付けられている。
例えば、表2に示されているテレビ会議管理システム501が管理する宛先リスト管理テーブルにおいて通信IDが「01ab」である要求元端末(テレビ会議専用端末10ab)からテレビ会議サービスを利用した接続開始を要求することができる宛先端末の候補は、テレビ会議管理システムで管理されている通信IDが「01aa」のテレビ会議専用端末10ab、テキストチャット管理システムで管理されているユーザIDが「02AA」の携帯端末20aa等であることが示されている。
他方、例えば表3に示されているテキストチャット管理システム502が管理する宛先リスト管理テーブルにおいてユーザIDが「02AA」である要求元端末(携帯端末20aa)からテレビ会議サービス又はテキストチャットサービスを利用した接続開始を要求することができる宛先端末の候補は、テキストチャット管理システムで管理されているユーザIDが「02AB」の携帯端末20ab、テレビ会議管理システムで管理されている通信IDが「01ab」のテレビ会議専用端末10ab等であることが示されている。なお、宛先リストで管理されている場合であっても、宛先端末が利用することができないサービスの接続開始要求をすることはできない。例えば、ユーザIDが「02AA」の携帯端末20aaは、通信ID「01ab」の宛先端末とテキストチャットサービスの接続開始要求をすることはできない(一方、テレビ会議サービスの接続開始要求をすることはできる。)。
なお、表2,表3に示されている「@」以降の記載はそれぞれの伝送管理システム50に対応するドメイン情報(ドメイン名)であってもよい。
また、不揮発性記憶部3000には、表4に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB3005が構築されている。表4は、テレビ会議管理システム50
1が認証に用いる認証管理テーブルである。表4の認証管理テーブルでは、テレビ会議管理システム50
1によって管理されるすべての伝送端末(テレビ会議専用端末10及び携帯端末20)の各通信IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、表4に示されている認証管理テーブルにおいて、テレビ会議専用端末10aaの通信IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
表5は、テキストチャット管理システム50
2が認証に用いる認証管理テーブルである。表5の認証管理テーブルでは、テキストチャット管理システム50
2によって管理されるすべての伝送端末(テレビ会議専用端末10及び携帯端末20)のユーザIDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、表5に示されている認証管理テーブルにおいて、テレビ会議専用端末10AAのユーザIDは「01AA」で、パスワードは「AAAA」であることが示されている。また、各ユーザIDにはユーザ名が対応づけて登録されているが、ユーザ名がなくてもユーザはテキストチャットのサービスを受けることができる。
不揮発性記憶部3000には、表6に示されているようなID情報登録テーブルによって構成されているID情報登録DB3004が構築されている。このID情報登録テーブルでは、管理番号に通信IDとユーザIDが対応づけられている。例えば、表6に示されているID情報登録テーブルにおいて、管理番号1には通信IDの「01aa」とユーザIDの「01AA」が対応づけられている。
なお、ユーザIDと通信IDはそれぞれユニークである。つまり、ユーザIDは他のユーザIDと重複しないし、通信IDは他の通信IDと重複しない。ID情報登録テーブルは対応情報の一例である。
不揮発性記憶部3000には、表7に示されているような管理者リストテーブルによって構成されている管理者リスト管理DB3006が構築されている。この管理者リストテーブルでは、管理者IDとパスワードが対応づけられている。例えば、表7に示されている管理者リストテーブルにおいて、管理者IDが「X001」の管理者にはパスワード「999」が対応づけられている。
管理者IDとは、テレビ会議管理システム501の管理者又はテレビ会議管理システム501によるサービスの提供を受けるユーザ側(企業側)の管理者を識別するための識別情報である。テキストチャット管理システム502の管理者又はテキストチャット管理システム502によるサービスの提供を受けるユーザ側(企業側)の管理者を識別するための識別情報でもよい。管理者は、ユーザ側で使用可能な通信IDを確認したり、新たに登録したりすることができるため、ユーザとは区別されるが、ユーザの一人が管理者となる場合もある。
不揮発性記憶部3000には、表8に示されているようなテレビ会議サービスの利用ログテーブルによって構成されている利用ログ管理DB3007が構築されている。この利用ログテーブルでは、履歴ID、通信ID、会議ID、セッションID、参加日時、退出日時、参加時間、及び、退出時間が対応付けられている。履歴IDは利用ログテーブルのレコードを識別するための一意の識別情報である。通信IDは上述の識別情報である。会議IDはそれぞれの会議を識別するための識別情報である。セッションIDはセッションを識別するための識別情報である(会議に1つのセッションが張られる場合と、複数のセッションで1つの会議が構築される場合がある)。参加日時は会議への参加日時であり、退出日時は会議からの退出日時である。参加時間は退出日時と参加日時の差である。退出状況は現在の会議への勤怠(参加中・退出・強制終了など)を示す。
また、利用ログ管理DB3007には、表9に示されているようなテキストチャットサービスの利用ログテーブルも記憶されている。この利用ログテーブルでは、通信IDの代わりにユーザIDが登録されている。
<<伝送管理システム50の各機能>>
次に、伝送管理システム50の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、伝送管理システム50の各機能構成部を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、伝送管理システム50の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部51は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
認証部52は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードを検索キーとし、認証管理DB3005を検索し、認証管理DB3005に同一の通信ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって認証を行う。
状態管理部53は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態を管理すべく、共通情報管理装置80のID管理DB9003に、この要求元端末の稼動状態を、通信IDなどと関連して記憶させる。
端末抽出部54は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、ログイン要求した要求元端末の通信IDをキーとして、宛先リスト管理DB3003を検索し、要求元端末と接続することができる宛先端末の候補の通信IDと、この通信IDの端末の呼制御を管理している伝送管理システム50の情報とを読み出す。
端末状態通知・取得部55は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の通信IDのうち、自身で管理している伝送端末の稼働状態を取得する。また、端末状態通知・取得部55は、受け取った要求元端末の稼働状態を、該当の宛先候補の端末に通知する。
セッション管理部56は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、不揮発性記憶部3000のセッション管理DB3002に、コンテンツデータを中継する中継装置30の中継装置IDと、セッションID、要求元端末の通信ID、及び宛先端末の通信IDを関連付けて記憶して管理する。
通知先判定部57は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、要求元端末からのログイン要求情報に含まれるサービス名に応じて、この要求元端末の稼働状態を通知する伝送管理システム50を判定する。すなわち、例えば、テレビ会議サービスを利用することができる携帯端末20がテキストチャット管理システム502にログインした場合、この携帯端末20の稼働状態をテレビ会議管理システム501に通知するように判定する。これにより、異なる呼制御で管理される異なるサービス間において、サービスを跨いで利用することができる伝送端末の稼働状態などの状態情報を通知・取得できるようになる。
テキスト/テレビ呼び出し部58は、図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、ログイン中のテキストチャット管理システム502からテレビ会議管理システム501を呼び出しテレビ会議の開始を要求する。また、ログイン中のテレビ会議管理システム501からテキストチャット管理システム502を呼び出しテキストチャットの開始を要求する。
管理者認証部59は図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、管理者の認証が成立するか否かを判定し、認証が成立した場合には管理者によるID情報登録DB3004へのユーザIDと通信IDの登録を許可する。
ID取得部61は図4に示されているCPU301からの命令によって実現され、ID情報登録テーブルから、ユーザIDに対応付けられた通信ID、又は、通信IDに対応付けられたユーザIDを取得する。
残高確認部62は、テレビ会議の開始前に料金管理システム60に対しユーザの残高の確認を要求し、また、テレビ会議サービスの提供中は周期的にユーザの残高の確認を要求する。
記憶・読出処理部63は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているHDD305によって実行され、不揮発性記憶部3000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<<共通情報管理装置の機能構成>>
共通情報管理装置80は、送受信部71及び記憶・読出処理部72を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開された管理システム用プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、共通情報管理装置80は、共通情報管理装置80の電源をOFFにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部9000を有しており、この不揮発性記憶部9000は図4に示されているHD304により構築されている。
不揮発性記憶部9000には、表10に示されているようなサービス管理テーブルによって構成されているサービス管理DB9001が構築されている。このサービス管理テーブルでは、伝送システム1のサービス名毎に、各サービスの呼制御を行う伝送管理システム名が関連付けられて管理される。例えば、表10に示されているサービス管理テーブルにおいて、サービス名が「テレビ会議」は、伝送管理システム名が「テレビ会議管理システム」(伝送管理システム50
1)によって呼制御が管理されることを示されている。同様に、サービス名が「テキストチャット」は、伝送管理システム名が「テキストチャット管理システム」(伝送管理システム50
2)によって呼制御が管理されることを示されている。
なお、表10に示されている管理システム名はそれぞれの伝送管理システム50に対応するドメイン情報(ドメイン名)であってもよい。
また、不揮発性記憶部9000には、表11に示されているような端末種別テーブルによって構成されている端末種別管理DB9002が構築されている。この端末種別テーブルでは、伝送システム1を構成するすべての伝送端末の端末種別名と、この端末種別の端末が利用することができるサービス名とが関連付けられて管理される。例えば、表11に示されている端末種別テーブルにおいて、端末種別名が「テレビ会議専用」は、サービス名が「テレビ会議」のサービスを利用できることが示されている。同様に、端末種別名が「汎用」は、サービス名が「テレビ会議」とサービス名が「テキストチャット」のサービスを利用できることが示されている。端末種別名が「チャット専用」は、サービス名が「テキストチャット」のサービスが利用できることが示されている。
なお、本実施形態において、テレビ会議専用端末10の端末種別は「テレビ会議専用」であり、携帯端末20の端末種別は「汎用」であるものとする。ただし、携帯端末20は、この携帯端末20に、テキストチャットサービスのみが行えるプログラムをインストールすることで、端末種別が「チャット専用」の端末として用いることができる。同様に、携帯端末20に、テレビ会議サービスのみが行えるプログラムをインストールすることで、端末種別が「テレビ会議専用」の端末として用いることができる。このように、携帯端末20は、インストールする端末用プログラムの種類に応じて、異なる端末種別の端末として用いることができる。
さらに、不揮発性記憶部9000には、表12に示されているようなID管理テーブルによって構成されているID管理DB9003が構築されている。このID管理テーブルでは、伝送システム1を構成する各端末の通信ID毎に、各通信IDを宛先とした場合の名称、各端末の稼動状態、稼働状態の通知先、ログイン要求情報が伝送管理システム50で受信された受信日時、及び端末のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、表12に示されているID管理テーブルにおいて、通信IDが「01aa」のテレビ会議専用端末10aaは、名称が「AA会議端末」で、稼動状態が「オンライン(通信可能)」で、通知先が「−」(設定なし)で、伝送管理システム50(テレビ会議管理システム50
1)でログイン要求情報が受信された日時が「2013年11月10日の13時40分」で、このテレビ会議専用端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。なお、通知先が「−」(設定なし)の場合は、端末の稼働状態は、他の伝送管理システム50には通知されない。換言すれば、この端末の稼働状態は、ログイン要求を行った伝送管理システム50にのみ通知される。上記の例では、テレビ会議専用端末10aaの稼働状態は伝送管理システム50
1(テレビ会議管理システム)にのみ通知される。
他方、ユーザIDが「02AA」の携帯端末20aaは、名称が「AA携帯端末」で、稼働状態が「オンライン(通信可能)」で、通知先が「テレビ会議管理システム」で、伝送管理システム50(テキストチャット管理システム502)でログイン要求情報が受信された日時が「2013年11月25日の14時30分」で、この携帯端末20aaのIPアドレスが「1.4.1.1」であることが示されている。なお、通知先が設定されている場合、この端末の稼働状態を、設定されている他の伝送管理システム50には通知する。上記の例では、携帯端末20aaの稼働状態は伝送管理システム501(テレビ会議管理システム)にも通知される。なお、通知先は、例えば「テレビ会議管理システム、○○○管理システム、・・・」というように、複数設定されていてもよい。
<<共通情報管理装置80の各機能>>
次に、共通情報管理装置80の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、共通情報管理装置80の各機能構成部を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、共通情報管理装置80の各機能構成部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部71は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50と各種データ(または情報)の送受信を行う。
記憶・読出処理部72は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているHDD305によって実行され、不揮発性記憶部9000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部9000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<<料金管理システムの機能構成>>
図6(a)は料金管理システム601の機能ブロック図の一例であり、図6(b)は料金管理システム602の機能ブロック図の一例である。料金管理システム601は、送受信部81、出納部82、算出部83、及び記憶・読出処理部89を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD304からRAM303上に展開された料金管理システム用プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、料金管理システム601は、料金管理システム601の電源をOFFにしても各種データ(または情報)の記憶が維持される不揮発性記憶部7000を有しており、この不揮発性記憶部7000は図4に示されているHD304により構築されている。
不揮発性記憶部7000には、表13に示されているようなプリペイドカードテーブルによって構成されているプリペイド管理DB7001が構築されている。このプリペイドカードテーブルでは、発行済みのプリペイドカードが管理されている。カードIDはプリペイドカードを一意に識別するための識別情報である。Priceは、プリペイドカードの金額又は利用可能額を示す。hashは各プリペイドカードに固有の(ユニークな)キーで、購入したプリペイドカードに記載されているプリペイドコードから作成可能な値である。ユーザがプリペイドカードを利用する際、ユーザはプリペイドコードを入力し、プリペイドコードから作成されたhashとプリペイドカードテーブルのhashと照合される。usedはプリペイドカードが利用済みかどうかを示すフラグである。利用済みとはプリペイドカードのprice(入金情報)が残高管理DB7003に入金されたことをいう。usedには入金済みを示すtrue、入金済みでないことを示すfalseが登録される。なお、利用済みのプリペイドカードのレコードを料金管理システム60
1が削除することとした場合、usedのカラムはなくてもよい。
料金管理システム60
1の不揮発性記憶部7000には、表14に示されているような残高管理テーブルによって構成されている残高管理DB7002が構築されている。表14の残高管理テーブルには、テレビ会議サービスの利用料金が支払われるための残高が登録されている。残高IDは残高管理テーブルにおいて残高を管理するための一意の識別情報である。残高はユーザが入金した金額の残りである。表14の残高は第1の残高情報の一例である。
料金管理システム60
2の不揮発性記憶部7000には、表15に示されているような残高管理テーブルによって構成されている残高管理DB7002が構築されている。表15の残高管理テーブルには、テキストチャットサービスの利用料金が支払われるための残高が登録されている。したがって、表14の通信IDの代わりにユーザIDに対応付けて残高が登録されている。表15の残高は第2の残高情報の一例である。
<<料金管理システムの各機能>>
料金管理システム601の各機能について説明する。送受信部81は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているネットワークI/F309によって実行され、通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50等と各種データ(または情報)の送受信を行う。
出納部82は図4に示されているCPU301からの命令によって実行され、請求部821と入金部822を有している。入金部822は、ユーザが利用料金を入金した場合に入金処理を行う。本実施形態の以下で説明するように利用料金の前払い制が採用された場合、入金されている残額(残高管理テーブルの残高)の範囲内でユーザはテキストチャットサービス及びテレビ会議サービスを利用できる。請求部821は、利用料金の後払い制が採用された場合、サービスを利用したユーザに利用料金を請求する。
料金管理システム601の算出部83は、図4に示されているCPU301からの命令によって実行され、ビデオ会議料金算出部831を有している。ビデオ会議料金算出部831はビデオ会議の利用料金を算出する。算出方法は適宜設計されるものであるが一例としては従量制が採用される。ビデオ会議料金算出部831は、例えば1分あたりの単価に利用時間(分)を乗じて利用料金を算出する。また、1日当たりの固定利用料金や1月当たりの固定利用料金が採用されてもよい。
記憶・読出処理部89は、図4に示されているCPU301からの命令、及び図4に示されているHDD305によって実行され、不揮発性記憶部7000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部7000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
料金管理システム602の機能は料金管理システム601の機能と同様であるが、算出部83がテキストチャット料金算出部832を有している。テキストチャット料金算出部832はテキストチャットの利用料金を算出する。テキストチャット料金算出部832は、例えば1文字あたりの単価にテキストチャットの文字数を乗じて利用料金を算出する。また、1日当たりの固定利用料金や1月当たりの固定利用料金が採用されてもよい。
<処理の詳細>
以下では、ユーザがテレビ会議管理システム501又はテキストチャット管理システム502にログインする際の処理手順について説明する。本実施形態では先にどちらの伝送システムにログインしたとしても、ユーザが後に伝送システムにログインする際のID(ユーザID又は通信ID)及びパスワード(テキストチャット管理システムのパスワード又はテレビ会議管理システムのパスワード)の入力を省略できる。
<<テレビ会議管理システムへのログイン>>
図7を用いて、ユーザがテレビ会議専用端末10abを操作して、このテレビ会議専用端末10abとの宛先端末の候補のリストである宛先リストを表示させる処理の詳細について説明する。図7は、本実施形態に係るテレビ会議専用端末のログインから宛先リスト表示までの一例のシーケンス図である。
ユーザが、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS1401)。すると、ログイン要求部13は、上記電源ONの受け付けを契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介してテレビ会議管理システム501に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS1402)。なお、ログイン要求はユーザの指示入力に応じて送信してもよい。このログイン要求情報には、要求元としての自端末であるテレビ会議専用端末10abを識別するための通信ID、及びパスワードが含まれている。また、ログイン要求情報には、テレビ会議専用端末10abの端末種別名とサービス名が含まれている。なお、通信ID及びパスワードは、記憶・読出処理部18を介して不揮発性記憶部1000から読み出されてもよいし、ユーザから操作入力受付部12を介して入力されてもよい。また、外部記録媒体に記録されている通信ID及びパスワード、サービス名、端末種別名を記憶・読出処理部18を介して読み出されてもよい。なお、テレビ会議専用端末10abからテレビ会議管理システム501へログイン要求情報が送信されると、受信側であるテレビ会議管理システム501は、送信側であるテレビ会議専用端末10abのIPアドレスを把握することができる。
以降では、テレビ会議専用端末10abが送信したログイン要求情報に含まれる端末種別名は「テレビ会議専用」であり、サービス名は「テレビ会議」であるとして説明する。
次に、テレビ会議管理システム501の認証部52は、送受信部51を介してログイン要求情報を受信すると認証処理を行う(ステップS1403)。この認証処理は、認証管理テーブルにS1402で送信された通信IDとパスワードが登録されているかに基づき判定される。
テレビ会議管理システム501の送受信部51は、上記のステップS1403の認証処理において生成された認証結果をテレビ会議専用端末10abに送信する(ステップS1404)。テレビ会議管理システム501は、ログイン成功を示す認証結果をテレビ会議専用端末10abに送信したものとして説明を続ける。なお、テレビ会議専用端末10abは、テレビ会議管理システム501からログイン失敗を示す認証情報を受信した場合、ログインが失敗したことを示す画面をテレビ会議専用端末10abのディスプレイ120abに表示させ、処理を終了させる。
続いて、テレビ会議専用端末10abの送受信部11は、ログイン成功を示す認証結果をテレビ会議管理システム501から受け取ると、宛先リスト情報を要求すると共に、テレビ会議専用端末10abの稼働状態を通知する(ステップS1405)。ここで通知するテレビ会議専用端末10abの稼働状態は、稼働状態が「オンライン(通信可能)」であることを示す情報である。なお、例えば、稼働状態がオンラインであるが、何らかの理由により他の伝送端末と通信を行うことができない状態等である場合は「オンライン(通信不可)」などであることを示す情報であってもよい。
その後、テレビ会議管理システム501の状態管理部53は、共通情報管理装置80のID管理DB9003おける要求元端末(テレビ会議専用端末10ab)の稼動状態を「オンライン(通信可能)」にする(ステップS1406)。
すると、テレビ会議管理システム501は、稼働状態通知判定処理を行う(ステップS1407)。この稼働状態通知判定処理について、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る稼働状態通知判定処理の一例を示すフローチャートである。
テレビ会議管理システム501の端末抽出部54は、宛先リスト管理DB3003の宛先リスト管理テーブルから要求元端末(テレビ会議専用端末10ab)の宛先リストを取得する(ステップS1601)。ここでテレビ会議専用端末10abの宛先リストとして取得されるのは、「01aa@テレビ会議管理システム」、「02AA@テキストチャット管理システム」、・・・等である。
次に、テレビ会議管理システム501の通知先判定部57は、上記のステップS1601で取得した宛先リストに、他の伝送管理システム50が管理する伝送端末が存在するか否かを判定する(ステップS1602)。
ここでは、テレビ会議専用端末10ab(通信ID「01ab」)の宛先リストは、他の伝送管理システム50により管理されている「02AA@テキストチャット管理システム」が含まれている。したがって、他の伝送管理システム50が管理する伝送端末が存在するため、ステップS1603に進む。
なお、取得した宛先リストに他の伝送管理システム50が管理する伝送端末が存在しない場合、処理を終了させる。すなわち、この場合、取得した宛先リストに含まれる宛先端末の候補は、すべてテレビ会議管理システム501で管理される伝送端末である。したがって、テレビ会議管理システム501の通知先判定部57は、要求元端末の稼働状態を他の伝送管理システム50に通知したり他の伝送管理システム50から稼働状態を取得したりする必要はないと判定する。
次に、テレビ会議管理システム501の通知先判定部57は、要求元端末(テレビ会議専用端末10ab)について、ID管理テーブルの通知先が設定されているか否かを判定する(ステップS1603)。
ここでは、テレビ会議専用端末10ab(通信ID「01ab」)のID管理テーブルにおける通知先は設定されていないため、ステップS1605に進む。なお、要求元端末のID管理テーブルにおける通知先が設定されている場合、ステップS1604に進む。このステップS1604の処理については図11にて説明する。
続いて、テレビ会議管理システム501の通知先判定部57は、要求元端末(テレビ会議専用端末10ab)の宛先リストの宛先端末の候補について、ID管理テーブルの通知先に自身(テレビ会議管理システム501)を設定している宛先端末があるか否かを判定する(ステップS1605)。
ここでは、テレビ会議専用端末10abの宛先リストに含まれる宛先端末の候補である携帯端末20aa(通信ID「02aa」)の通知先に「テレビ会議管理システム」が設定されているため、ステップS1606に進む。
なお、宛先端末の候補について、ID管理テーブルの通知先に自身(テレビ会議管理システム501)を設定している宛先端末がない場合、処理を終了させる。すなわち、この場合、取得した宛先リストに含まれる宛先端末の候補には、他の伝送管理システム50で管理される伝送端末があるものの、要求元端末の稼働状態を他の伝送管理システム50に通知する必要がない。換言すれば、宛先リストに含まれる他の伝送管理システム50で管理される伝送端末とは稼働状態などの状態情報をやり取りしない場合である。これは、例えば、テレビ会議専用端末10の宛先リストの宛先端末の候補として、テキストチャット専用の伝送端末が含まれるような場合である。このような場合、テレビ会議専用端末10とテキストチャット専用の伝送端末は互いのサービスを利用することができないため、稼働状態などの状態情報を通知・取得する必要がない。
次に、テレビ会議管理システム501の通知先判定部57は、自身(テレビ会議管理システム501)を通知先に設定している宛先端末の候補を管理している伝送管理システム50に対して稼働状態の通知及び取得要と判定する(ステップS1606)。
ここでは、テレビ会議専用端末10abの宛先リストに含まれる携帯端末20aa(通信ID「02aa」)を管理しているテキストチャット管理システム502に対して、稼働状態の通知及び取得が必要であると判定して処理を終了させる。
図7の説明に戻る。ステップS1407の稼働状態通知判定処理において、他の伝送管理システム50に対して、稼働状態の通知及び取得が必要であると判定された場合、ステップS1408〜S1410の処理を行う。ここでは、上述した通り、テキストチャット管理システム502に対して、稼働状態の通知及び取得が必要であると判定されたため、ステップS1408〜S1410の処理を行う。
まず、テレビ会議管理システム501の送受信部51は、要求元端末(テレビ会議専用端末10ab)の稼働状態「オンライン(通信可能)」と、該当の宛先端末の候補(携帯端末20aa)の稼働状態の取得要求とをテキストチャット管理システム502に対して行う(ステップS1408)。
次に、テキストチャット管理システム502の端末状態通知・取得部55は、上記の要求元端末の稼働状態と、該当の宛先端末の候補の稼働状態の取得要求とを受信すると、この該当の宛先端末の候補の稼働状態を取得するとともに、この宛先端末の候補に要求元端末の稼働状態を通知する(ステップS1409)。ただし、要求元端末の稼働状態は、宛先端末の候補の稼働状態が「オンライン」である場合にのみ、宛先端末の候補に通知される。
ここでは、テキストチャット管理システム502の端末状態通知・取得部55は、宛先端末の候補である携帯端末20aa(通信ID「02aa」)の稼働状態をID管理DB9003から取得する。そして、この携帯端末20aaの稼働状態は「オンライン」であるため、テキストチャット管理システム502の端末状態通知・取得部55は、携帯端末20aaに対して、テレビ会議専用端末10abが「オンライン」になったことを通知する。これにより、携帯端末20aaは、自身の宛先リストの宛先端末の候補であるテレビ会議専用端末10abが「オンライン」になったことを検知することができる。
続いて、テキストチャット管理システム502の送受信部51は、宛先端末の候補(携帯端末20aa)の稼働状態をテレビ会議管理システム501に通知する(ステップS1410)。
テレビ会議管理システム501の端末状態通知・取得部55は、要求元端末(テレビ会議専用端末10ab)の宛先端末の候補のうち、自身(テレビ会議管理システム501)が管理する伝送端末の稼働状態をID管理DB9003から取得する(ステップS1411)。ここでは、テレビ会議管理システム501の端末状態通知・取得部55は、テレビ会議専用端末10abの宛先端末の候補のうち、自身が管理する伝送端末であるテレビ会議専用端末10aa(通信ID「01aa」)の稼働状態をID管理DB9003から取得する。
そして、テレビ会議管理システム501の送受信部51は、要求元端末(テレビ会議専用端末10ab)に対して、この要求元端末の宛先リストの情報(宛先端末の候補の通信IDなど)と、上記のステップS1410及びS1411で取得した宛先端末の候補の稼働状態とを送信する(ステップS1412)。ここでは、要求元端末であるテレビ会議専用端末10abの宛先リストの情報と、この宛先リストに含まれる宛先端末の候補であるテレビ会議専用端末10aa及び携帯端末20aaの稼働状態とをテレビ会議専用端末10abに送信する。
テレビ会議専用端末10abの宛先リスト作成部17は、テレビ会議管理システム501から宛先リストの情報と、宛先端末の候補の稼働状態とを受け取ると、宛先リストを作成し、ディスプレイ120abに表示させる(ステップS1413)。ここで、テレビ会議専用端末10abのディスプレイ120abには、例えば図9に示されるような宛先リストが表示される。
図9は、テレビ会議専用端末に表示される宛先リスト表示画面の一例のイメージ図である。図9に示される宛先リスト表示画面600は、宛先リスト610と、自端末の通信ID620と、自端末が撮像した映像表示630とが含まれる。宛先リスト610は、テレビ会議専用端末10abの宛先端末の候補としての伝送端末の一覧が表示されている。これらの宛先端末の候補の一覧には、宛先端末の候補の通信IDと、名称と、稼働状態とが表示されている。
通信ID620は、この宛先リスト表示画面600を表示しているテレビ会議専用端末10abの通信IDが表示される。映像表示630は、この宛先リスト表示画面600を表示しているテレビ会議専用端末10abのカメラ1021で撮像されている映像が表示されている。
テレビ会議専用端末10abのユーザは、この宛先リスト表示画面600の宛先リスト610から通信を行いたい所望の伝送端末を選択することで、選択した伝送端末とテレビ会議を行うことができる。なお、図示してはいないが、宛先リスト610に表示されている宛先端末の候補の一覧のうち、例えば稼働状態が「オフライン」である伝送端末や、稼働状態が「オンライン」であっても他の伝送端末と通信中であるような場合には、このような伝送端末とはテレビ会議を行うことができない。
次に、図10を参照して、テレビ会議専用端末が他のテレビ会議専用端末10又は携帯端末20とのセッションを確立する処理について説明する。図10はテレビ会議専用端末が他のテレビ会議専用端末10又は携帯端末20とのセッションを確立する処理の一例を示すシーケンス図である。本実施形態では、要求元端末10abは、宛先の候補としてのテレビ会議専用端末10のうち、上記ステップS1412において受信した宛先状態情報により、稼働状態が「オンライン」である通信IDが「01aa」のテレビ会議専用端末10aaと通信IDが「02aa」の携帯端末20と通信を行うことができる。以下の記載では、要求元端末10aaを有するユーザが、通信IDが「02aa」の携帯端末20と通信を開始することを選択した場合について説明する。
図10は、テレビ会議専用端末10abがセッションを確立する処理の一例を示すシーケンス図である。まず、ユーザが操作ボタン108を押下して携帯端末20aaを選択すると、テレビ会議専用端末10abの操作入力受付部12は、宛先端末の選択を受け付ける(ステップS41)。
次に、テレビ会議専用端末10abの送受信部11は、要求元端末10abの通信ID「01ab」および宛先端末20aaの通信ID「02aa」が含まれる、通信を開始したい旨を示す開始要求情報を、テレビ会議管理システム501へ送信する(ステップS42)。これにより、テレビ会議管理システム501の送受信部51は、開始要求情報を受信するとともに、送信元である要求元端末10abのIPアドレス「1.2.1.3」を把握することになる。
そして、状態管理部53は、開始要求情報に含まれる要求元端末10abの通信ID「01ab」および宛先端末20aaの通信ID「02aa」に基づいて、ID管理DB9003のID管理テーブル上で、通信ID「01ab」および通信ID「02aa」がそれぞれ含まれるレコードの稼働状態のフィールド部分を、それぞれ「通信中」に変更する(ステップS43)。
テレビ会議管理システム501は、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する(ステップS44)。そして、セッション管理部56は、不揮発性記憶部3000のセッション管理テーブルに、ステップS44で生成された選択用セッションID「se1」、要求元端末10aaの通信ID「01ab」、および宛先端末20aaの通信ID「02aa」を関連付けて記憶して管理する(ステップS45)。
この後、伝送管理システム50は、要求元端末10abと宛先端末である携帯端末20aaとの通信を中継するための中継装置30の絞り込みを行う(ステップS46)。絞り込みの詳細は省略した。テレビ会議管理システム501のセッション管理部56は、セッション管理DB3002のセッション管理テーブルにおいて、選択用セッションID「se1」が含まれるレコードの中継装置IDのフィールド部分に、1つ選択した中継装置30aの中継装置ID「111a」を記憶して管理する。
送受信部51は中継装置30aに中継開始要求情報を送信する(S47)。この中継開始要求情報には、中継される要求元端末10abおよび宛先端末20aaの各IPアドレス(「1.2.1.3」、「1.3.2.4」)が含まれている。
これにより、中継装置30aは、テレビ会議専用端末10abと携帯端末20aaとのIPアドレスを把握して、テレビ会議専用端末10abと携帯端末20aaとの間で、画像データと音声データを通信するためのセッションを確立する(ステップS48)。テレビ会議専用端末10abと携帯端末20aaは、テレビ会議を開始することができる。
<<テキストチャット管理システムへのログイン>>
次に、図11を用いて、ユーザが携帯端末20aaを操作して、この携帯端末20aaの宛先端末の候補のリストである宛先リストを表示させる処理の詳細について説明する。図11は、本実施形態に係る携帯端末20のログインから宛先リスト表示までの一例のシーケンス図である。なお、図7との違いは、通信IDがユーザIDに変更されていることとログイン先がテキストチャット管理システム502に変更されている点なので主に相違点を説明する。
ユーザが、携帯端末20の入力装置202を介して、ログイン操作を行う(ステップS1801)。すると、携帯端末20の操作入力受付部12は、このログイン操作を受け付けて、ログイン要求情報をテキストチャット管理システム502に送信する(ステップS1802)。このログイン要求情報には、要求元端末である携帯端末20aaのユーザID、及びパスワードが含まれている。また、ログイン要求情報には、携帯端末20の端末種別名とサービス名が含まれている。なお、ユーザID及びパスワードは、ログイン操作の際に、ユーザから操作入力受付部12を介して入力される。また、テキストチャット管理システム502は、送信側である携帯端末20aaのIPアドレスを把握することができる。
次に、テキストチャット管理システム502の認証部52は、送受信部51を介してログイン要求情報を受信すると認証処理を行う(ステップS1803)。この認証処理について、テレビ会議専用端末10abの認証処理と同様となる。
テキストチャット管理システム502の送受信部51は、ステップS1803の認証処理において生成された認証結果を携帯端末20aaに送信する(ステップS1804)。テキストチャット管理システム502は、ログイン成功を示す認証結果を携帯端末20aaに送信したものとして説明を続ける。
携帯端末20aaの送受信部11は、ログイン成功を示す認証結果をテキストチャット管理システム502から受け取ると、宛先リスト要求を送信すると共に、携帯端末20aaの稼働状態を通知する(ステップS1805)。ここで通知する携帯端末20aaの稼働状態は、稼働状態が「オンライン(通信可能)」であることを示す情報である。
その後、テキストチャット管理システム502の状態管理部53は、共通情報管理装置80のID管理DB9003おける要求元端末(携帯端末20aa)の稼動状態を「オンライン(通信可能)」にする(ステップS1806)。
すると、テキストチャット管理システム502は、稼働状態通知判定処理を行う(ステップS1807)。この稼働状態通知判定処理について、図8と同様であるが、ステップS1603において、携帯端末20aa(ユーザID「02AA」)のID管理テーブルにおける通知先が「テレビ会議管理システム」設定されているため、ステップS1604に進む。
テキストチャット管理システム502の通知先判定部57は、要求元端末のID管理テーブルにおける通知先に設定されている他の伝送管理システム50(テレビ会議管理システム501)に対して稼働状態の通知及び取得要と判定して、処理を終了させる(ステップS1604)。このように、通知先判定部57は、ID管理テーブルにおいて要求元端末の通知先が設定されている場合、この通知先に対して要求元端末の稼働状態を通知するとともに要求元端末の宛先端末の候補の稼働状態の取得する必要があると判定する。
図11に戻り、ステップS1807の稼働状態通知判定処理において、他の伝送管理システム50に対して、稼働状態の通知及び取得が必要であると判定された場合、ステップS1808〜S1810の処理を行う。ここでは、上述した通り、テレビ会議管理システム501に対して、稼働状態の通知及び取得が必要であると判定されたため、ステップS1808〜S1810の処理を行う。
まず、テキストチャット管理システム502の送受信部51は、要求元端末(携帯端末20aa)の稼働状態「オンライン(通信可能)」と、該当の宛先端末の候補(テレビ会議専用端末10ab)の稼働状態の取得要求とをテレビ会議管理システム501に対して行う(ステップS1808)。
次に、テレビ会議管理システム501の端末状態通知・取得部55は、上記の要求元端末の稼働状態と、該当の宛先端末の候補の稼働状態の取得要求とを受信すると、この該当の宛先端末の候補の稼働状態を取得するとともに、この宛先端末の候補に要求元端末の稼働状態を通知する(ステップS1809)。ただし、要求元端末の稼働状態は、宛先端末の候補の稼働状態が「オンライン」である場合にのみ、宛先端末の候補に通知される。
ここでは、テレビ会議管理システム501の端末状態通知・取得部55は、宛先端末の候補であるテレビ会議専用端末10ab(通信ID「01ab」)の稼働状態をID管理DB9003から取得する。そして、このテレビ会議専用端末10abの稼働状態は「オフライン」であるため、要求元端末(携帯端末20aa)の稼働状態は、テレビ会議専用端末10abには通知されない。
続いて、テキストチャット管理システム502の送受信部51は、宛先端末の候補(テレビ会議専用端末10ab)の稼働状態をテキストチャット管理システム502に通知する(ステップS1810)。
テキストチャット管理システム502の端末状態通知・取得部55は、要求元端末(携帯端末20aa)の宛先端末の候補のうち、自身(テキストチャット管理システム502)が管理する伝送端末の稼働状態をID管理DB9003から取得する(ステップS1811)。ここでは、テキストチャット管理システム502の端末状態通知・取得部55は、携帯端末20aaの宛先端末の候補のうち、自身が管理する伝送端末である携帯端末20ab(ユーザID「02AB」)の稼働状態をID管理DB9003から取得する。
そして、テキストチャット管理システム502の送受信部51は、要求元端末(携帯端末20aa)に対して、この要求元端末の宛先リストの情報(宛先端末の候補の通信IDなど)と、上記のステップS1810及びS1811で取得した宛先端末の候補の稼働状態とを送信する(ステップS1812)。ここでは、要求元端末である携帯端末20aaの宛先リストの情報と、この宛先リストに含まれる宛先端末の候補である携帯端末20ab及びテレビ会議専用端末10abの稼働状態とを携帯端末20aaに送信する。
携帯端末20aaの宛先リスト作成部17は、テキストチャット管理システム502から宛先リストの情報と、宛先端末の候補の稼働状態とを受け取ると、宛先リストを作成し、表示装置203に表示させる(ステップS1813)。ここで、携帯端末20aaの表示装置203には、例えば図12に示されるような宛先リストが表示される。
図12(a)は、携帯端末に表示される宛先リスト表示画面の一例のイメージ図である。図12(a)に示される宛先リスト表示画面700は、宛先リスト710と、自端末のユーザID720と、自端末が撮像した映像表示730と、が含まれる。宛先リスト710は、携帯端末20aaの宛先端末の候補としての伝送端末の一覧が表示されている。これらの宛先端末の候補の一覧には、宛先端末の候補の通信ID・ユーザIDと、名称と、稼働状態と、この宛先端末の候補が利用可能なサービス(テレビ会議、テキストチャット)が表示されている。
ユーザID720は、この宛先リスト表示画面700を表示している携帯端末20aaのユーザIDが表示される。映像表示730は、この宛先リスト表示画面700を表示している携帯端末20aaのカメラ210で撮像されている映像が表示されている。
図11に戻り説明する。携帯端末20aaのユーザは、この宛先リスト表示画面700の宛先リスト710から通信を行いたい所望の伝送端末を選択する(S1814)。
次に、携帯端末20aaの送受信部11は、要求元端末20aaのユーザID「02AA」および宛先端末20abのユーザID「02AB」が含まれる、通信を開始したい旨を示す開始要求情報を、テキストチャット管理システム502へ送信する(ステップS1815)。開始要求情報は通信接続要求の一例である。
これにより、テキストチャット管理システム502は、ID管理テーブルを参照して宛先端末である携帯端末20abのIPアドレスを読み出し、携帯端末20aaと携帯端末20abの間でテキストチャットのセッションを確立する(S1816)。
テキストチャット管理システム502は、携帯端末20aaと携帯端末20abの間でテキストチャットのデータを送受信する。中継装置30によるセッションを確立する必要はないが、中継装置30により中継してもよい。
<テキストチャット管理システムによる認証を利用したテレビ会議管理システムへのログイン>
以上のように、本実施形態においてユーザはテキストチャット管理システム502又はテレビ会議管理システム501の両方にログインできる。しかしながら、テキストチャット管理システム502にログインしたユーザがテレビ会議管理システム501にログインするためには、通信IDとパスワードによるログインが必要であり、テレビ会議管理システムにログインしたユーザがテキストチャット管理システムにログインするためには、ユーザIDとパスワードによるログインが必要であった。
本実施形態では、ユーザがテキストチャット管理システム502にログインしたことを利用して、テレビ会議管理システム501にログインしたり、ユーザがテレビ会議管理システム501にログインしたことを利用して、テキストチャット管理システム502にログインしたりすることが可能である(伝送システムの連携)。
なお、このような伝送システムの連携には、ID情報登録テーブルに通信IDとユーザIDが対応付けて登録されている必要がある。本実施形態では管理者が通信IDとユーザIDを予めID情報登録テーブルへ予め登録しているものとする。
<<テキストチャット管理システムへのログイン>>
次に、図13を用いてテキストチャット管理システム502へのログインとテレビ会議の開始の手順を説明する。図13は携帯端末20がテキストチャット管理システム502へのログイン後にテレビ会議を行う手順を示すシーケンス図の一例である。
S1:携帯端末20aaはテキストチャット管理システムのトップページにアクセスする。これにより、携帯端末20aaの表示装置203にはログイン画面が表示される。
図14は、ログイン画面の一例を示す図である。ログイン画面5000は、ユーザID入力欄5001、パスワード入力欄5002、ログインボタン5003、及び、他システムIDでログインボタン5004を有している。ユーザはログインボタン5003又は他システムIDでログインボタン5004のどちらかでログインできるが、まず、ログインボタン5003が選択された場合のログインについて説明する。
S2:図13に戻り、ユーザがログイン画面5000にユーザIDとパスワードを入力してログインボタン5003を押下すると、携帯端末20aaはログイン要求と共にユーザIDとパスワードをテキストチャット管理システム502に送信する。テキストチャット管理システム502が行う認証処理については図11にてすでに説明した。図11にて説明したように携帯端末20aaの表示装置203には図12に示した宛先リスト表示画面が表示される。
S3:ユーザが宛先端末を選択することで、携帯端末は図11のS1814で説明した開始要求情報をテキストチャット管理システム502に送信する。開始要求情報には、要求元端末のユーザIDと宛先端末のユーザIDが含まれている。
S4:本実施形態では、テキストチャット管理システム502のID取得部61が開始要求情報に含まれるユーザIDを用いてID情報登録DB3004に対し通信ID有無判定を送信する。ID情報登録DB3004からは、宛先端末のユーザIDに通信IDが対応づけられているか否かを示す検索結果が帰ってくるので、テキストチャット管理システム502のID取得部61は、携帯端末20aaがテキストチャットの相手とテレビ会議できるか否かを判断できる。
S5:ユーザは携帯端末20aaを操作して宛先端末のユーザとテキストチャットを行う。
図15は、テキストチャット画面の一例を示す図である。テキストチャット画面6000には、自分のユーザ名を示すユーザ名表示6001、テキストチャットの相手を示す相手ユーザ名表示6002、テレビ会議開始ボタン6003、チャット表示欄6004、6005、及び、テキストチャット可能ユーザ表示欄6006が表示されている。
まず、ユーザ名表示6001により「Mike」というユーザがテキストチャット管理システム502にログインしていることが示される。また、現在のチャット相手が「Ryu」というユーザであることが相手ユーザ名表示6002により示されている。また、チャット表示欄6004には「Mike」が入力したテキストが表示されており、チャット表示欄6005には「Ryu」が入力したテキストが表示されている。さらに、テキストチャット可能ユーザ表示欄6006には、テキストチャットが可能なユーザのユーザ名が表示されている。テキストチャットが可能なユーザとは、ID管理テーブルにおいて稼働状態がオンライン又はオンライン(通信可能)の伝送端末を所持するユーザである。すなわち、図12に表示された宛先リストに含まれる宛先端末の候補のうちオンラインの携帯端末20のユーザである。
そして、テレビ会議開始ボタン6003の「video available」という表示は、現在のチャット相手である「Ryu」とテレビ会議を開始できることを示している。テレビ会議では、これまで説明したように通信IDで宛先を特定するので、テレビ会議を開始できるとは、少なくとも「Ryu」のユーザIDと通信IDとがID情報登録テーブルにて対応づけられていることが必要である。よって、「video available」という表示はユーザIDと通信IDとがID情報登録テーブルにて対応づけられていることを示す。
本実施形態では、テレビ会議管理システム501がユーザIDに対応する通信IDを保持するため、「Mike」は「Ryu」の通信IDを知らなくても「Ryu」というユーザにテレビ会議を要求するだけでテレビ会議を行うことができる。すなわち、「Mike」はテレビ会議開始ボタン6003を押下すれば「Ryu」とテレビ会議することができる。
S6:図13に戻り、ユーザがテキストチャット画面6000のテレビ会議開始ボタン6003を押下することで、携帯端末20aaはユーザ名が「Ryu」である携帯端末20abとのテレビ会議を要求する。この要求には要求元端末と宛先端末のユーザID(02AAと02AB)が含まれている。
S7:テキストチャット管理システム502のID取得部61は、テレビ会議の要求と共に送信された要求元端末と宛先端末のユーザIDによりID情報登録DB3004を検索する。検索の結果、要求元端末と宛先端末の通信ID(02aa、02ab)をそれぞれ取得できる。
S8:テキストチャット管理システム502のテキスト/テレビ呼び出し部58は、テレビ会議管理システム501に対しテレビ会議の開始を要求する。この要求には、要求元端末と宛先端末の通信IDが含まれている。
このステップS8のテレビ会議の開始は、図10のステップS42の開始要求情報の送信に相当する。したがって、ID管理テーブルに宛先端末の稼働状態がオンラインであることとIPアドレスが登録されている場合、図10で説明したようにテレビ会議を開始することができる。
なお、宛先端末がテレビ会議管理システム501にIPアドレスを通知する仕組みとしては、テキストチャットしている間にテレビ会議管理システム501にIPアドレスを送信することが考えられる。
<利用料金の管理>
以下では、テレビ会議サービスとテキストチャットサービスの利用料金の管理について説明する。
本実施形態では、ユーザはプリペイドカードを購入してプリペイドカードの購入金額に応じて伝送管理システム50に入金する。入金された金額はテレビ会議サービスの利用により支払われることも、テキストチャットサービスの利用により支払われることも可能である。
図16は、ユーザがテキストチャットサービスの利用料金を入金する手順を示すシーケンス図の一例である。なお、ユーザはすでにプリペイドカードを購入済みであるものとする。
S1:携帯端末20aaのユーザがテキストチャット管理システム502のトップページへアクセスする。これにより、携帯端末20aaの表示装置203には図14のようなログイン画面が表示される。
S2:携帯端末20aaのユーザがログイン画面5000にユーザIDとパスワードを入力してログインボタン5003を押下すると、携帯端末20aaはログイン要求と共にユーザIDとパスワードをテキストチャット管理システム502に送信する。これにより、携帯端末20aaの表示装置203には図12に示した宛先リスト表示画面が表示される。
S3:携帯端末20aaのユーザが図12(a)のユーザID720や自映像730を押下すると、図12(b)に示すようなユーザ管理画面750が表示される。ユーザ管理画面750はユーザ情報(登録されている名称など)を管理する画面である。ユーザ管理画面750のプリペイドカードボタン751をユーザが押下すると、携帯端末20aaの表示装置203には図12(c)に示すようなプリペイドカードの有効化画面760が表示される。有効化画面760には番号入力欄761、及び、有効化ボタン762が表示されている。ユーザは番号入力欄761にプリペイドカードに記載されたプリペイドコードを入力し、有効化ボタン762を押下する。これにより、携帯端末20aaの送受信部11はプリペイドコードをテキストチャット管理システム502に送信する。なお、プリペイドコードを入力に例えばQRコード(登録商標)が利用してもよい。
S3.1:テキストチャット管理システム502はプリペイドコードが有効かどうかを料金管理システム602に問い合わせることで検証する。このため、テキストチャット管理システム502の送受信部51はログインしている携帯端末20aaのユーザのユーザIDとプリペイドコードを料金管理システム602に送信する。
S3.1.1:料金管理システム602の送受信部81はユーザIDとプリペイドコードを受信して入金部822に送出する。入金部822はプリペイド管理DB7001に対しhashに変換されたプリペイドコードを送出してコード検証を要求する。コード検証では、プリペイドコードから変換されたhashと同じhashがプリペイドカードテーブルに登録されていること及びusedにtrueが登録されていることが確認できた場合、入金部822にOK(成功)が返される。なお、コード検証が成功した場合、入金部822はプリペイドカードテーブルからpriceを読み出す。
S3.1.2:コード検証が成功した場合、入金部822は、プリペイドカードテーブルから読み出したpriceを残高管理DB7002に入金する。入金のためテキストチャット管理システム502から取得したユーザIDが残高管理DB7002に送出される。残高管理テーブルでは、重複しない残高IDが生成され、残高IDに対応付けてユーザIDのカラムにユーザIDが、残高のカラムにpriceがそれぞれ登録される。なお、すでに同じユーザIDが残高管理テーブルに登録されている場合、残高管理テーブルの残高とpriceを合計した金額を残高管理テーブルの残高に登録する。
入金部822はステップS3.1の入金に対する応答として、入金が完了した旨のメッセージ(成功)などをテキストチャット管理システム502に返送し、テキストチャット管理システム502は携帯端末20aaに同様のメッセージを送信する。携帯端末20aaは表示装置203に入金が完了した旨の画面を表示する。
図16ではユーザはテキストチャットサービスの利用料金を入金したが、ユーザがテレビ会議サービスの利用料金を入金する入金方法も同様である。すなわち、ユーザがログインしたテキストチャット管理システム502又はテレビ会議管理システム501に入金できる。
また、図16のシーケンスではテキストチャット管理システム502が入金処理を行ったが、入金処理を扱う別のシステムが入金処理を行ってもよい。例えば、料金管理システム602がユーザを認証し、認証が成立したら料金管理システム602が残高管理DB7002に入金してもよい。
また、ユーザはプリペイドカードで入金するほか、クレジットカード、Paypal(登録商標)、銀行口座からの振り込みなどで入金してもよい。
また、サービス提供者が利用料金の前払いを要求しない場合やユーザが後払いを望む場合、請求部821が例えばサービスの利用の直後、毎週、毎月、半年又は年間などの決まった期間の利用料金をユーザに請求する。ユーザは利用料金を後払いするが、後払いの方法も前払いと同様(プリペイドカード、クレジットカード、Paypal(登録商標)、銀行口座からの振り込み)でよい。
<<残高の管理>>
続いて、図17を用いて残高の管理について説明する。図17は、残高の管理の手順を示すシーケンス図の一例である。なお、携帯端末20aaと携帯端末20abのユーザはすでにテレビ会議管理システム501にログインしているものとする。
S1:携帯端末20aaのユーザが携帯端末20abとのテレビ会議をテレビ会議管理システム501に要求する。このため携帯端末20aaは要求元端末と宛先端末の通信ID(02aaと02ab)を送信する。この処理は図10のステップS42と同様である。本実施形態では図10のようにすぐにテレビ会議を始めるのでなく、まず、利用料金の残高が確認される。
S2:テレビ会議管理システム501のセッション管理部56は残高を検証するため、携帯端末20aaと携帯端末20abの通信ID(02aa、02ab)を残高確認部62に送出する。
S3:残高確認部62は通信ID(02aa、02ab)と共に残高の検証を料金管理システム601に要求する。
S4:料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831は残高管理テーブルを参照して、通信ID(02aaと02ab)に対応付けられている残高を残高管理テーブルから読み出す。
S5:ビデオ会議料金算出部831は通信ID(02aaと02ab)に紐付けられていた残高が残高Aより多いか否かを判定する(残高を検証する)。残高Aは、テレビ会議サービスの提供が全くできない金額に相当し、例えばゼロやゼロに近い金額をいう(残高Aは第2の閾値の一例である。よって第2の閾値以下かどうかを判断してもよい)。ここでは、テレビ会議の開始が可能な残高Aより多い残高があることが確認されないものとして説明する。ビデオ会議料金算出部831は会議の開始が可能な残高Aがないこと意味するNGを残高確認部62に返す。なお、テレビ会議は最低二拠点で行うため、通信ID(02aaと02ab)に紐付けられていた2つの残高のいずれもが残高Aより多い必要がある。
S6:残高確認部62はNGを取得したため、料金管理システム602の残高を確認する。このため、まず、ID取得部61に通信ID(02aaと02ab)を送出する。
S7:ID取得部61は、通信ID(02aa、02ab)を用いてID情報登録DB3004を検索し、通信ID(02aa、02ab)に対応付けられているユーザID(02AA、02AB)それぞれ取得する。これは、料金管理システム602の残高管理テーブルではユーザIDに残高が紐付けられているためである。
S8:次に、残高確認部62は料金管理システム602の残高管理テーブルからユーザID(02AA、02AB)に対応付けられている残高をそれぞれ取得する。この時点で、残高確認部62が、残高が残高Aより多いかどうかを判断してもよい。このように、テレビ会議管理システム501はテレビ会議サービスの料金管理システム601に残高がなくても、別のシステムであるテキストチャット管理システム502の残高を利用してテレビ会議を開始することができる。
S9:残高確認部62はユーザID(02AA、02AB)に対応付けられていた残高と共に残高の検証を料金管理システム601に要求する。
S10:ビデオ会議料金算出部831は、テレビ会議管理システム501から取得した残高が残高Aより多いか否かを判定する(残高を検証する)。ここでは、テレビ会議の開始が可能な残高Aより多い残高があることが確認されたものとして説明する。ビデオ会議料金算出部831は会議の開始が可能な残高があること意味するOKを残高確認部62に返す。
S11:残高確認部62は利用料金の算出の開始をビデオ会議料金算出部831に要求する。利用料金の算出の開始により、ビデオ会議料金算出部831はビデオ会議の開催中、周期的に残高を更新できる。なお、テレビ会議の開始が可能な残高Aより多い残高があることが確認できたので、残高確認部62はステップS2の応答としてテレビ会議を開始してよい旨を示す開始OKをセッション管理部56に送出する。以降の処理は図10のステップS42以降の処理と同様であり、携帯端末20aaと20abの間にセッションが確立される。したがって、残金が残高Aより多い場合にだけ、テレビ会議を開始できる。
S12:セッション管理部56は携帯端末20abを呼び出す。また、ステップS1に対する応答として携帯端末20aaに会議の開始を通知する。
なお、テレビ会議管理システム501が料金管理システム602の残高を取得する前に携帯端末20aaに料金管理システム602の残高を使用してよいかどうかを問い合わせてもよい。これにより、ユーザはテキストチャット管理システム502の残高を使用するかどうかを判断できる。
また、図17では、テレビ会議管理システム501がテキストチャット管理システム502の残高を使用する態様を説明したが、テキストチャット管理システム502がテレビ会議管理システム501の残高を使用することも可能である。
このように、本実施形態ではIDが別々のシステム間で別々に管理されている残高を別々のシステムが相互に利用できる。
なお、図17のシーケンス図では、料金管理システム601がテレビ会議の開始に必要な残高がある否かを判断したが、この判断をテレビ会議管理システム501又はテキストチャット管理システム502が行ってもよい。この場合、料金管理システム601はテレビ会議管理システム501又はテキストチャット管理システム502に残高を通知すればよい。
次に、図18、19を用いて会議中の利用料金の管理について説明する。図18、19は、会議中の利用料金の管理を説明するためのシーケンス図の一例である。なお、携帯端末20aaのユーザと携帯端末20abのユーザはすでにテレビ会議を開始している。また、図18ではテレビ会議サービスの利用のみに対し利用料金を算出するものとする。
料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831は周期的にテレビ会議の利用料金に基づき残高管理テーブルの残高を更新する。なお、周期的の「周期」は一定でなくてもよく、極端に長い間隔でなければよい繰り返しの間隔を意味している。
S1:料金管理システム601の算出部83は、残高確認部62からの利用料金の算出の開始に応じて、テレビ会議を行っている携帯端末20aaと携帯端末20abの利用ログを利用ログ管理DB3007から取得する。利用ログテーブルでは通信IDに対応付けて利用ログが登録されているので、要求元端末と宛先端末の通信ID(02aa、02ab)が利用ログ管理DB3007に送信される。
S2:次に、ビデオ会議料金算出部831は利用ログに基づいてユーザID(02aa、02ab)のテレビ会議の利用料金を算出する。すなわち、利用料金の算出周期に予め定められた単価を乗じてテレビ会議の利用料金を算出する。
S3:次に、ビデオ会議料金算出部831は通信ID(02aa、02ab)に関するビデオ会議の利用料金の支払い処理を行う。すなわち、料金管理システム601の残高管理テーブルの通信ID(02aa、02ab)に対応付けられている残高から算出した利用料金を引き落とす。しかしながら、料金管理システム601の残高管理テーブルでは通信ID(02aa、02ab)に対応付けられている残高が不足しているため、支払い処理を行えない。なお、ここでは説明の便宜上、通信ID(02aa、02ab)のどちらも残高が足りないものとするが、残高が足りている通信IDがある場合には料金管理システム601の残高管理DB7002から利用料金が支払われる。
S4:次に、ビデオ会議料金算出部831は、残高が足りないため、テレビ会議管理システム501のID情報登録DB3004から要求元端末と宛先端末の通信ID(02aa、02ab)に対応付けられているユーザID(02AA、02AB)を取得する。これは、料金管理システム602の残高管理テーブルでは残高がユーザIDに紐付けられているためである。
S5:ビデオ会議料金算出部831はユーザID(02AA、02AB)に関するビデオ会議の利用料金の支払い処理を行う。すなわち、料金管理システム602の残高管理テーブルのユーザID(02AA、02AB)に対応付けられている残高から、ステップS2で算出された利用料金を引き落とす。このように、料金管理システム601の残高が足りなくても、テキストチャット管理システム502の残高が管理される料金管理システム602の残高管理DB7002からビデオ会議の利用料金を支払うことができる。
次に、テレビ会議管理システム501の残高確認部62は周期的に残高を検証する。これにより、残高がテレビ会議を継続できないほどに少なくなる前にユーザに入金を促すことができる。
S6:テレビ会議管理システム501の残高確認部62は、料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831に対し通信ID(02aa、02ab)のユーザの残高の検証を要求する。残高の検証とは、ユーザに入金を促すべき残高かどうかや、テレビ会議を開始できる残高Aより多い残高が残高管理テーブルに残っているかどうかを判断することである。
S7:料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831は残高管理DB7002から、通信ID(02aa、02ab)に紐付けられている残高を読み出す。
S8:料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831は、テレビ会議を継続可能な残高が残っているかどうかを通信ID(02aa、02ab)ごとに検証する。ここでは、料金管理システム601の残高管理DB7002には残高Aより多い残高は残っていないものとする。
S9:このため、料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831は、テレビ会議管理システム501のID情報登録DB3004から要求元端末と宛先端末の通信ID(02aa、02ab)に対応付けられているユーザID(02AA、02AB)を取得する。これは、料金管理システム602の残高管理DB7002では残高がユーザIDに紐付けられているためである。
S10:料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831は料金管理システム602の残高管理DB7002から、ユーザID(02AA、02AB)に紐付けられている残高を読み出す。
S11:料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831は、テレビ会議を開始可能な残高Aより多い残高が残っているかどうかをユーザID(02AA、02AB)ごとに検証する。ここではユーザID(02AA、02AB)の残高はいずれも残高Aより多いものとする。このため、料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831は残高が残高Aより多いことを示すOKを残高確認部62に送信する。
続いてのステップS12〜S16までの処理はステップS1〜S5の処理と同じである。すなわち、ビデオ会議料金算出部831は周期的に支払い処理を行う。また、ステップS17〜S22までの処理はステップS6〜S11の処理と同じである。すなわち、残高確認部62は周期的に残高を確認する。
次に、ステップS22でユーザID(02AA)の残高が、残高B未満であると判断された場合を説明する。ビデオ会議料金算出部831は、ステップS17の残高の検証の要求に対し、残高が足りないユーザの通信ID(02aa)と共に残高警告をテレビ会議管理システム501の残高確認部62に通知する。なお、残高Bは残高Aよりも大きい値で、残高が少なく追加の入金が好ましい残高をいう(残高Bは第1の閾値の一例である。)。
S23:テレビ会議管理システム501の残高確認部62は残高警告を通知されると、送受信部51を介して通知された通信ID(02aa)の携帯端末20aaに残高警告を送信する。
残高警告を受信した携帯端末20aaの表示制御部16は入金が必要な旨を表示装置203に表示するので、携帯端末20aaのユーザは図16で説明した手順に基づいて入金する。入金することで携帯端末20aaのユーザはこれまで通りテレビ会議を継続できる。
続いて、残高警告を受信した携帯端末20aaのユーザが入金しなかった場合についてステップS24〜S39の処理に基づき説明する。ステップS24〜S28までの処理はステップS1〜S5の処理と同じである。ステップS28の応答でビデオ会議料金算出部831にOKが戻っているのは、残高が残高Bを下回った状態でも支払い処理は可能であったためである。あるいは、支払い処理に関しては、例えば残高が支払金額より少なくても一度だけ支払いを許可してよい(残高はゼロになる)。ユーザは残高がゼロになるまでサービスを利用できる。
次に、残高確認部62はステップS29〜S34で残高を検証するが、ステップS34で通信ID(02aa)の残高が、残高A以下になったと判断されたものとする。すなわち、通信ID(02aa)の携帯端末20aaはもはやテレビ会議を継続できる残高を料金管理システム601と602のどちらにも有していない。ビデオ会議料金算出部831は、ステップS29の残高の検証の要求に対し、残高が足りないユーザの通信ID(02aa)と共に残高A以下になった旨を示す残高不足をテレビ会議管理システム501の残高確認部62に通知する。
S36:テレビ会議管理システム501の残高確認部62は残高不足を通知されると、送受信部51を介して料金管理システム601のビデオ会議料金算出部831に通信ID(02aa、02ab)を指定して会議終了通知を送信する。残高が足りなくなった通信ID(02aa)のユーザとテレビ会議を行っているユーザの通信ID(02ab)はセッション管理テーブルに登録されている。これにより、ビデオ会議料金算出部831は利用料金の支払い処理を終了する。
S37:次に、テレビ会議管理システムの残高確認部62は、セッション管理部56に通信ID(02aa、02ab)を指定して会議終了を要求する。セッション管理部56は、中継装置30に対し通信ID(02aa、02ab)のセッションを切断するよう要求する。これにより中継装置30は画像データと音声データの配信を行わなくなるので、テレビ会議は終了する。なお、3拠点以上でテレビ会議を行っている場合に、1拠点のみの残高が足りなくなった場合(2拠点以上の残高が残っている場合)、残高が足りない拠点のみ中継が終了される。したがって、テレビ会議中でも残高が足りないユーザのテレビ会議を強制的に終了できる。
S38:次に、セッション管理部56は携帯端末20aaに会議終了通知を送信する。
S39:同様に、セッション管理部は携帯端末20abに会議終了通知を送信する。
ステップS38とS39により、携帯端末20aaと20abは表示装置203に残高の不足によりテレビ会議が終了した旨のメッセージを表示するなどする。したがって、ユーザはテレビ会議が終了したことを把握できる。
このように、テレビ会議管理システム501はテレビ会議の開催中、残高が十分か否かを周期的に判断できる。また、テレビ会議管理システム501の料金管理システム601に残高がなくなっても、テキストチャット管理システム502の料金管理システム602の残高から支払うことができる。支払い時は、テレビ会議管理システム501の料金管理システム601の残高から先に確認するので、料金管理システム601の残高管理DB7002に入金された場合は、ビデオ会議料金算出部831は料金管理システム601の残高から支払うことができる。
なお、図17,18ではユーザがテレビ会議サービスを利用している場合を説明したが、ユーザがテキストチャットサービスを利用している場合も同様である。すなわち、テキストチャット管理システム502の料金管理システム602に残高がなくなっても、テキストチャット料金算出部832はテレビ会議管理システム501の料金管理システム601の残高から支払うことができる。
また、ユーザはテレビ会議サービスとテキストチャットサービスを並行して利用することもでき、この場合も一方の料金管理システム601又は602に残高があれば、両方のサービスを利用できる。例えば、料金管理システム601の残高が少なくなりビデオ会議の継続が困難になったときに、「まもなく残高が足りなくなるためビデオ会議は続行できなくなります。テキストチャットサービスであれば、あと○文字送信できます。」というようなメッセージを出してもよい。
<その他の好適例>
<<ID情報登録テーブルの別の例>>
表6に示したID情報登録テーブルでは、通信IDとユーザIDが1対1に対応付けられていたが、1つのユーザIDに複数の通信IDが対応付けられていてもよい(ユーザIDと通信IDが1対多に対応付けられている)。
表16はID情報登録テーブルの別の一例を示す。表16のID情報登録テーブルでは、ユーザID(01AA)に通信ID(01aa、01ab)が対応付けられている。また、ユーザID(02AA)に通信ID(02aa、02ab、02ba)が対応付けられている。
このように、1つのユーザIDに複数の通信IDが対応付けられている場合、実際にどの通信IDが使用されたかに関わらず、1つのユーザIDに対し課金される。例えば、通信ID(01aa、01ab)に関するテレビ会議サービスの利用料金はユーザID(01AA)に請求され、通信ID(02aa、02ab、02ba)に関するテレビ会議サービスの利用料金はユーザID(02AA)に請求される。
テレビ会議の開始時は、図17のステップS7で通信ID(02aa、02ab)に対し、表16で対応付けられているユーザID(02AA)が取得される。したがって、ユーザID(02AA)の残高から携帯端末20aaと20abの二人分のテレビ会議の利用料金が支払われる。図18,19の会議中の支払いも同様である。
<<あるユーザの支払いを別のユーザが支払う場合>>
表6,16のID情報登録テーブルでは、通信IDに対応付けられているユーザIDのユーザが利用料金を支払っていたが、あるユーザの支払いを別のユーザが支払うことも可能である。この場合、ID情報登録テーブルにユーザIDと支払いIDが多対1に対応付けられている。
表17は、支払いIDが追加されたID情報登録テーブルの一例を示す。表17では通信IDとユーザIDに対応付けて、支払いIDが登録されている。支払いIDとしてはユーザIDが登録される。表17によれば、通信ID(01aa、01ab、01ba、01bb)に対応付けられたユーザID(01AA、01AB、01BA、01BB)の利用料金の支払いをユーザID(01AA)のユーザが行う。このような仕組みにより、例えば企業の従業員の支払いをまとめてあるユーザが支払ったり、知り合いの支払いをまとめてあるユーザが支払ったりすることが可能になる。
このようなID情報登録テーブルでは、図17のステップS7で通信ID(02aa、02ab)に対し、表17で対応付けられている支払いID(02AA)が取得される。図18,19の会議中の支払いも同様である。
そして、支払いIDのユーザの残高が足りなくなったら、支払いIDに紐付けられている通信IDのユーザの残高からテレビ会議サービスの利用料金が支払われ、この通信IDのユーザの残高が足りなくなったら支払いIDに紐付けられているユーザIDのユーザの残高から利用料金が支払われる。
こうすることで、支払いIDのユーザがまとめて支払うこともでき、支払いIDのユーザの残高が足りない場合は通信ID又はユーザIDに対応付けられている残高からテレビ会議の利用料金を支払うことができる。なお、ID情報登録テーブルとは別に、ユーザIDに支払いIDが対応付けられているテーブルを用意してもよい。
<<他システムのシステムIDを用いたテキストチャット管理システムへのログイン>>
本実施形態では、テキストチャット管理システム502へのログインを利用してテレビ会議管理システム501がテレビ会議の開始を許可するか、この逆にテレビ会議管理システム501へのログインを利用してテキストチャット管理システム502がテキストチャットの開始を許可した。しかし、テレビ会議管理システム501以外の他システムへのログインを利用してテキストチャット管理システム502がテレビ会議の開始を許可することもできる。
<<その他の変形例>>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、共通情報管理装置80が有する各種のデータベースは伝送管理システム50が有していてもよい。
また、本実施形態ではID情報登録DB3004はテレビ会議管理システム501が有しているが、テキストチャット管理システム502や共通情報管理装置80が有していてもよい。また、不揮発性記憶部3000,1000、9000は、伝送管理システム50及び共通情報管理装置80が通信ネットワーク2からアクセス可能な場所にあればよい。
また、複数のテレビ会議管理システム501、複数のテキストチャット管理システム502がそれぞれ存在してもよい。また、複数のテレビ会議管理システム501、複数のテキストチャット管理システム502の機能の一部が別の装置により分散して保持されていてもよい。
また、本実施形態では、伝送システムがテレビ会議システムとテキストチャットシステムを例にして説明したが、通話システム、SNS(Social Network Service)、電子メールシステムの任意の2つ以上の組み合わせに適用できる。
また、本実施形態では、テキストチャットシステムからテレビ会議システムへのシームレスなログインを例にして説明したが、さらにテキストチャットシステムから例えば通話システムへのシームレスなログインが可能であってもよい。