以下、本発明における伝送システム、伝送管理システム、伝送管理装置及びプログラムの実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例]
<システム>
図1は、実施例における伝送システム1の概略図である。図2は、伝送システム1における画像データ、音データ及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。
また、伝送システムには、伝送管理装置を介して一方の伝送端末から複数の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理装置を介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。コミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理装置(「伝送管理装置」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、ビデオ会議システムやビデオ電話システム等が例として挙げられる。
本実施例では、コミュニケーションシステムの一例としてのビデオ会議システム、コミュニケーション管理装置の一例としてのビデオ会議管理装置及びコミュニケーション端末の一例としてのビデオ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理装置及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理装置は、ビデオ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム、又はデータ伝送システムにも適用される。
図1に示すように、伝送システム1は、複数の伝送端末10aa、10ab、・・・と、各伝送端末10aa、10ab、・・・用のディスプレイ120aa、120ab、・・・と、中継装置30と、伝送管理システムとしての伝送管理装置50と、プログラム提供装置90と、を備えている。伝送端末10aa、10ab、・・・は、コンテンツデータとして、例えば、画像データ及び音データの送受信による伝送を行うようになっている。
なお、以下の説明において、複数の伝送端末10aa、10ab、・・・のうち、任意の伝送端末は、「伝送端末10」と表され、複数のディスプレイ120aa、120ab、・・・のうち、任意のディスプレイは、「ディスプレイ120」と表される。また、ビデオ会議の開始を要求する要求元の伝送端末10は、「要求元端末」と表され、要求先の伝送端末10は、「宛先端末」と表される。
また、ディスプレイ120は、伝送端末10に組み込まれてもよい。また、伝送端末10は、専用機でもよいし、伝送システム1におけるプログラムをインストールした汎用のPC(Personal Computer)などでもよい。伝送端末10がPCの場合、カメラやマイクが内蔵されていなければ、外付けでカメラやマイクが接続される。
図2に示すように、伝送システム1において、要求元端末と宛先端末との間では、伝送管理装置50を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。
また、管理情報用セッションseiが確立した伝送端末10間では、中継装置30を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ及び音データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。なお、本実施形態において、これら4つのセッションは、まとめて、「画像・音データ用セッションsed」と表される。なお、画像データは、解像度の違いにより複数のデータを必ずしも送受信する必要はなく、所定の解像度の画像データ1つでもよい。
ここで、本実施例で扱われる画像データは、スケーラブルに符号化されてもよい。例えば、本実施例で扱われる画像データは、横が320画素、縦が180画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像データと、横が640画素、縦が360画素から成る中解像度の画像データと、横が1280画素、縦が720画素から成る高解像度の画像データとがある。
ここで、画像データが伝送される帯域が狭い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみが伝送され、受信側の伝送端末10は、伝送された低解像度の画像データに基づいて、低画質の画像のみを表示することができる。
また、画像データが伝送される経由する帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ及び中解像度の画像データが伝送され、受信側の伝送端末10は、伝送された低解像度の画像データ及び中解像度の画像データに基づいて、中画質の画像を表示することができる。
また、画像データが伝送される経由する帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中解像度の画像データ及び高解像度の画像データが伝送され、受信側の伝送端末10は、伝送された低解像度の画像データ、中解像度の画像データ及び高解像度の画像データに基づいて、高画質の画像を表示することができる。
図1において、中継装置30は、複数の伝送端末10の間で、コンテンツデータの中継を行うようになっている。伝送管理装置50は、伝送端末10からのログイン認証、伝送端末10の伝送状態の管理、宛先リストの管理等及び中継装置30の伝送状況等を一元的に管理するようになっている。なお、画像データが表す画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画との両方であってもよい。
複数のルータ70a、70b、70c、70d、70ab、70cdは、画像データ及び音データの最適な経路の選択を行う。なお、以下の説明において、ルータ70a、70b、70c、70d、70ab、70cdのうち、任意のルータは、「ルータ70」と表される。
プログラム提供装置90は、後述するHD(Hard Disk)204を備えており、伝送端末10に各種機能を実現させるための伝送端末制御プログラムが記憶され、伝送端末制御プログラムを伝送端末10に送信することができる。
また、プログラム提供装置90のHD204には、中継装置30に各種機能を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置用プログラムを中継装置30に送信することができる。
更に、プログラム提供装置90のHD204には、伝送管理装置50に各種機能を実現させるための伝送管理プログラムも記憶されており、伝送管理プログラムを伝送管理装置50に送信することができる。
検索装置110は、最寄り駅間を入力することで交通費や移動時間などを検索する検索エンジンを有する。検索エンジンは、例えば、駅すぱあと、駅前探検倶楽部、乗換案内、えきねっとなどがある。検索装置110は、伝送管理装置50から複数の最寄り駅が入力され、複数の最寄り駅のうち任意の最寄り駅間の交通費や移動時間などを検索結果として伝送管理装置50に返す。
伝送端末10aa、10ab、10ac、・・・及びルータ70aは、LAN2aによって伝送可能に接続されている。伝送端末10ba、10bb、10bc、・・・及びルータ70bは、LAN2bによって伝送可能に接続されている。
また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって伝送可能に接続されており、所定の地域A内に設けられている。例えば、地域Aは、関西であり、LAN2aは東京の事業所内に設けられ、LAN2bは新横浜の事業所内に設けられている。
一方、伝送端末10ca、10cb、10cc、・・・及びルータ70cは、LAN2cによって伝送可能に接続されている。伝送端末10da、10db、10dc、・・・及びルータ70dは、LAN2dによって伝送可能に接続されている。
また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって伝送可能に接続されており、所定の地域B内に設けられている。例えば、地域Bは関東であり、LAN2cは大阪の事業所内に設けられ、LAN2dは京都の事業所内に設けられている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ70ab、70cdからインターネット2iを介して相互に伝送可能に接続されている。
また、中継装置30、伝送管理装置50、プログラム提供装置90、検索装置110は、インターネット2iを介して、各伝送端末10と伝送可能に接続されている。ここで、中継装置30、伝送管理装置50、プログラム提供装置90及び検索装置110は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施例では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c及びLAN2dによって、本実施例の伝送ネットワーク2が構成されている。伝送ネットワーク2には、有線だけでなく、WiFi(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による伝送が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各伝送端末10、中継装置30、伝送管理装置50、各ルータ70、プログラム提供装置90及び検索装置110の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、伝送端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、各伝送端末10は、複数の事業所間でのビデオ会議や、同じ事業所内の異なる部屋間でのビデオ会議だけでなく、同じ部屋内でのビデオ会議や、屋外と屋内又は屋外と屋外でのビデオ会議で使われてもよい。各伝送端末10が屋外で使われる場合には、携帯電話伝送網等の無線による伝送が行われる。
<各装置のハードウェア構成>
図3は、伝送端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示す例の伝送端末10は、伝送端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101と、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102と、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103と、伝送端末制御プログラム、画像データ及び音データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104と、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105と、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107と、伝送端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108と、伝送端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109と、伝送ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111とを備えている。
また、伝送端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112と、カメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113と、音を入力する内蔵型の集音装置としてのマイク114と、音を出力する内蔵型のスピーカ115と、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する音入出力I/F116と、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117と、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118と、非接触IC用無線通信規格に準拠したNFC(Near Field Communication)により、後述のNFCタグ22と無線通信を行う通信I/F119と、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110とを備えている。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示装置を構成する。ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続されている。ケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズと、光を電荷に変換して被写体の像を電子化する固体撮像素子とを含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)又はCCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク及び外付けスピーカ等の外部機器を接続できるようになっている。
外部機器接続I/F118に外付けカメラが接続された場合には、CPU101は、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラを駆動するようになっている。また、外部機器接続I/F118に外付けマイクや外付けスピーカが接続された場合には、CPU101は、内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115にそれぞれ優先して、外付けマイクや外付けスピーカを駆動するようになっている。
なお、記録メディア106は、伝送端末10に対して着脱自在に構成されている。また、伝送端末10は、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に代えて、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
また、伝送端末制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア106等のような、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、伝送端末制御プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
図4は、伝送管理装置、中継装置、プログラム提供装置又は検索装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示す例では、伝送管理装置50は、伝送管理装置50全体の動作を制御するCPU201と、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM202と、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203と、伝送管理プログラム等の各種データを記憶するHD204と、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205と、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207と、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208と、伝送ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209と、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211と、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212と、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214と、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210とを備えている。
なお、伝送管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、伝送管理プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されていてもよい。
また、中継装置30は、伝送管理装置50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。
この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、中継装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されていてもよい。
また、プログラム提供装置90は、伝送管理装置50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、プログラム提供装置90を制御するためのプログラム提供装置用プログラムが記録されている。
この場合も、プログラム提供装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、プログラム提供装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されていてもよい。
また、検索装置110は、伝送管理装置50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD204には、検索装置110を制御するための検索装置用プログラムが記録されている。
また、伝送管理装置50、中継装置30、プログラム提供装置90及び検索装置110は、ディスプレイ208、キーボード211、マウス212などは必ずしも必要な構成ではなく、必要に応じて備えられていなくてもよい。
なお、上述したコンピュータで読み取り可能な記録媒体として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等を適用してもよい。
<システムの機能構成>
図5は、伝送システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示す例では、伝送端末10、中継装置30、伝送管理装置50及び検索装置110は、伝送ネットワーク2を介してデータを伝送することができるように接続されている。また、伝送端末10は、図3に示した通信I/F119により、NFCタグ22と近距離無線通信を確立し、NFCタグ22から情報を取得することができる。また、伝送端末10に入力される情報は、必ずしも通信I/F119により入力される必要はなく、手入力されてもよい。つまり、通信I/F119は、情報を入力する入力部の一例である。なお、図1に示したプログラム提供装置90は、ビデオ会議に関するデータの伝送に直接関係ないため、図5では図示が省略されている。
《伝送端末の機能構成》
伝送端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音入力部15a、音出力部15b、NFC受信部16と、表示制御部17及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、フラッシュメモリ104からRAM103上に展開された伝送端末制御プログラムを実行するCPU101によって実現される機能である。また、伝送端末10は、RAM103及びフラッシュメモリ104によって構成される記憶部1000を有している。
送受信部11は、CPU101及びネットワークI/F111によって構成され、伝送ネットワーク2を介して他の伝送端末10又は装置30、50、90と各種データや情報の送受信を行うようになっている。なお、送受信部11は、本実施例に係る伝送端末10の送信部及び受信部を構成する。送信される各種データには、NFCタグ22から読み取られた情報も含まれる。
送受信部11は、所望の宛先端末とビデオ会議を開始する前から、伝送管理装置50より、ビデオ会議の接続先の候補としての各伝送端末10の状態を示す各状態情報の受信を開始するようになっている。
状態情報は、各伝送端末10がオンラインかオフラインかの伝送状態を表すだけでなく、オンラインで伝送可能であるか、オンラインで伝送中であるか等の伝送状態も表す。
また、他の例としては、状態情報は、各伝送端末10の伝送状態だけでなく、伝送端末10でケーブル120cが伝送端末10から外れていたり、音を出力するが画像は出力させなかったり、音を出力させないようにする(MUTE)等、様々な状態を表してもよい。
操作入力受付部12は、CPU101、操作ボタン108及び電源スイッチ109によって構成され、利用者による各種入力を受け付けるようになっている。例えば、利用者が、電源スイッチ109をONにすると、操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、伝送端末10の電源をONにするようになっている。
ログイン要求部13は、CPU101によって構成され、電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から伝送ネットワーク2を介して伝送管理装置50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報及び現時点の自端末のIPアドレスを送信するようになっている。
また、利用者が電源スイッチ109をONの状態からOFFの状態にすると、送受信部11が伝送管理装置50に電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部12が伝送端末10の電源を完全にOFFにするようになっている。これにより、伝送管理装置50側では、伝送端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
撮像部14は、CPU101、カメラ112及び撮像素子I/F113によって構成され、被写体を撮像し、撮像して得られた画像データを送受信部11に出力するようになっている。
音入力部15aは、CPU101及び音入出力I/F116によって構成される。音入力部15aには、マイク114によって集音されて得られた音を表す音信号が入力され、入力された音信号を音データに変換するようになっている。
音出力部15bは、CPU101及び音入出力I/F116によって構成され、音データを音信号に変換し、変換した音信号をスピーカ115に出力することにより、スピーカ115に音を出力させるようになっている。
NFC受信部16は、CPU101および通信I/F119によって構成され、NFCタグ22が所定の通信圏内に接近し、NFCタグ22と電磁誘導による無線通信(以下、NFC通信と称する)が確立すると、NFCタグ22に格納されている情報を受信する。すなわち、NFC受信部16は、機器としてのNFCタグ22から情報を入力するデータ入力部として機能する。また、データ入力部としては、手入力により情報が入力されてもよい。
表示制御部17は、CPU101及びディスプレイI/F117によって構成され、各種情報をディスプレイ120に表示する。表示制御部17は、送受信部11に受信された解像度の異なる画像データを組み合わせ、組み合わせた画像データをディスプレイ120に送信することにより、画像データが表す画像をディスプレイ120に表示させるようになっている。
また、表示制御部17は、送受信部11が伝送管理装置50から受信した宛先リストの情報をディスプレイ120に送信することにより、宛先リストをディスプレイ120に表示させるようになっている。
記憶・読出処理部19は、CPU101及びSSD105によって構成され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出したりするようになっている。
記憶部1000には、伝送端末10を識別するための識別子(以下、「端末ID」という)及びパスワード等が記憶されている。更に、記憶部1000は、宛先端末とビデオ会議を行う際に受信される画像データ及び音データの受信バッファとしても用いられる。
なお、本実施形態の端末IDは、伝送端末10を一意に識別するために使われる言語、文字、記号又は各種の標し等の情報を示す。また、端末IDは、言語、文字、記号及び各種の標しのうち、少なくとも2つが組み合わされた情報であってもよい。
《NFCタグの機能構成》
NFCタグ22は、通信機能および記憶領域を有している。通信機能は、NFC受信部16に近接すると、記憶領域に記憶されている情報をNFC通信により、NFC受信部16に送信する。NFCタグ22とNFC受信部16は、両者間の距離が10cm程度よりも短い場合に、非接触無線通信であるNFC通信が可能である。
図6は、NFCタグ22の記憶領域のデータ構造の一例を示す図である。記憶領域は、複数のブロックに分割されている。各ブロックには、例えば32バイトの情報が格納できる。ブロックNo.1には、ICカード固有の情報である固有番号が記憶されている。また、ブロックNo.2には、ユーザを識別するための情報である社員番号などが記憶されている。
なお、NFCタグ22は、パッシブタイプ、セミパッシブタイプおよびアクティブタイプのいずれであってもよい。また、NFCタグ22は、例えば会議に参加する可能性のある利用者が所持する社員証などのICカードに、NFCチップとして埋め込まれてもよく、また他の例としては、利用者が所持するスマートフォンや、携帯電話にNFCチップとして埋め込まれてもよい。
また、記憶領域は、必ずしもNFCタグ22内に設けられる必要はなく、NFCタグ22がアクセス可能な記憶領域に設けられていてもよい。例えば、NFCタグ22がスマートフォンなど他の機器に埋め込まれている場合には、記憶領域は、この機器が備える記憶領域や、SIMカードやSDカードなど、この機器に外付けされた記憶領域に設けられていてもよい。
また、NFCタグ22にかえて、マイクロ波を利用したRFID(Radio Frequency Identification)タグを用いることとしてもよい。この場合には、伝送端末10は、NFC受信部16に替えて、RFID受信部を有し、RFID受信部は、RFIDタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm〜数m)の無線通信によって情報を受信する。
NFCタグ22は、伝送端末10が取得可能な状態に情報を記憶することのできる機器であればよく、他の例としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリのような携帯型の外付けメモリであってもよい。なお、この場合には、伝送端末10は、USBコネクタを備える必要がある。
《伝送管理装置の機能構成》
伝送管理装置50は、送受信部51、端末認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、表示制御部55、削減コスト算出部56、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、HD204からRAM203上に展開された伝送管理プログラムを実行するCPU201によって実現される機能である。また、伝送管理装置50は、HD204により構成される記憶部5000を有している。
(端末認証管理テーブル)
図7は、端末認証管理テーブルの一例を示す図である。記憶部5000には、図7に示すような端末認証管理テーブルを有する端末認証管理DB5002が構築されている。端末認証管理テーブルでは、伝送管理装置50によって管理される全ての伝送端末10の各端末を識別するIDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図7に示した端末認証管理テーブルは、伝送端末10aaの端末IDが「01aa」で、パスワードが「aaaa」であることを示している。
(宛先リスト管理テーブル)
図8は、宛先リスト管理テーブルの一例を示す図である。記憶部5000には、図8に示すような宛先リスト管理テーブルを有する宛先リスト管理DB5005が構築されている。
宛先リスト管理テーブルでは、要求元端末の端末IDと、宛先端末の端末IDが対応付けられて管理されている。ここで、要求元端末とはビデオ会議に利用される伝送の開始を要求する伝送要求の要求元の端末である。また、宛先端末は、要求元端末が伝送要求の宛先とすることのできる端末であり、宛先の候補として登録されている端末である。
例えば、図8に示した宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である伝送端末10aaからビデオ会議の開始を要求することのできる宛先端末は、端末IDが「01ab」の伝送端末10ab、端末IDが「01ba」の伝送端末10ba及び端末IDが「01db」の伝送端末10dbであることが示されている。宛先端末の候補は、伝送端末10から伝送管理装置50に対してなされる要求に応じて、追加又は削除される。
(端末管理テーブル)
図9は、端末管理テーブル(その1)の一例を示す図である。記憶部5000には、図9に示すような端末管理テーブル(その1)を有する端末管理DB5003が構築される。図9に示す例では、伝送端末10は、例えば専用機であり、事業所外への移動がないことを想定している。
端末管理テーブルでは、各伝送端末10の端末ID毎に、端末のIPアドレスと、設置場所と、最寄り駅と、伝送状態と、受信日時と、参加者とが関連付けられて管理されている。端末管理テーブルには、他にも、切断日時などが管理されてもよい。切断日時とは、例えば伝送端末10からのセッション切断が要求された日時である。
例えば、図9に示す端末管理テーブルは、端末IDが「01aa」の伝送端末10aaに対して、IPアドレスが「1.2.1.3」で、設置場所が「東京本社」で、最寄り駅は、「新橋」で、伝送状態が「オンライン(伝送中)」で、受信日時が「2012/1/23 13:00」で、参加者が「p1001,p1002,p1003」であることを表している。端末管理テーブルの端末IDは、伝送端末10が伝送システム1に登録されるときに、ユニークに割り当てられる。
図10は、端末管理DB内のテーブルの一例を示す図である。図10(A)は、事業所テーブルの一例を示す図である。図10(B)は、端末管理テーブル(その2)の一例を示す図である。記憶部5000には、図10(A)や図10(B)に示す各テーブルを有する端末管理DB5003が構築される。図10に示す例では、伝送端末10は、例えばノートPCであり、事業所外への移動があることを想定している。
図10(A)に示す事業所テーブルは、一拠点である事業所毎に、割り当て可能なIPアドレスと、拠点名と、最寄り駅とが関連付けられている。例えば、東京本社では、割り当て可能なIPアドレスが「1.2.1.3〜1.2.1.n1」である。東京本社において、伝送端末10がネットワーク通信を行う際に、割り当て可能なIPアドレスのいずれかが管理装置などから割り当てられて、ネットワーク通信が行われる。
図10(B)に示す端末管理テーブル(その2)は、伝送端末の端末IDと、IPアドレスと、伝送状態と、受信日時と、参加者とが関連付けられている。伝送管理装置50は、伝送端末10のネットワーク情報からIPアドレスを抽出し、このIPアドレスがどの事業所のIPアドレスに属するかを、事業所テーブルを参照して判断する。伝送管理装置50は、事業所が特定できれば、最寄り駅も特定できる。
よって、伝送端末10が事業所間を移動する場合であっても、ネットワーク情報を用いることで、どの事業所からアクセスしているかを伝送管理装置50は把握することができる。
(会議履歴管理テーブル)
図11は、会議履歴管理テーブル(その1)の一例を示す図である。記憶部5000には、図11に示すような会議履歴管理テーブル(その1)を有する会議履歴管理DB5004が構築される。図11に示す会議履歴管理テーブル(その1)は、図9に示す端末管理テーブル(その1)を用いる場合の会議履歴管理テーブルである。
会議履歴管理テーブル(その1)は、図11に示すように、会議ID、参加端末ID、会議参加者ID、開始日時、終了日時、会議時間、交通費の削減量、移動時間の削減量(分)の各属性を含む。
各属性のうち、属性「会議ID」は、会議を識別するためのIDである。属性「参加端末ID」は、会議に用いられた伝送端末を識別するためのIDである。属性「会議参加者ID」は、会議の参加者を識別するためのIDと、その参加者がどの伝送端末を用いたかを示す端末IDとを連結して表す。例えば、会議参加者IDが示す「@」の前部分が参加者IDを表し、「@」の後部分が端末IDを表す。図11に示す「p1001@01aa」は、伝送端末「01aa」を用いて会議に参加した参加者「p1001」であることを表す。
また、属性「開始日時」は、会議全体の開始日時を示し、例えば端末管理テーブルの受信日時である。属性「終了日時」は、会議全体の終了日時を示し、例えば端末管理テーブルの切断日時である。属性「会議時間」は、会議全体の実施時間を示す。属性「交通費の削減量」は、遠隔会議を用いることで削減された交通費を表す。属性「移動時間の削減量(分)」は、遠隔会議を用いることで削減された移動時間を表す。
なお、会議履歴管理テーブルの属性は、あくまで一例であり、これ以外のデータ項目や値を含んでいてもよい。
図12は、会議履歴管理テーブル(その2)の一例を示す図である。記憶部5000には、図12に示すような会議履歴管理テーブル(その2)を有する会議履歴管理DB5004が構築される。図12に示す会議履歴管理テーブル(その2)は、図10に示す端末管理テーブル(その2)を用いる場合の会議履歴管理テーブルである。
図12に示す会議履歴管理テーブルで、図11と異なる点は、最寄り駅の属性が含まれることである。これは、伝送端末10が事業所間を移動する可能性があるために、会議で用いられた伝送端末10がどの事業所(最寄り駅)にあるかを特定して記録しておく必要があるからである。
図12に示す例では、属性「最寄り駅」には、端末IDと最寄り駅とを関連付けて管理させる。例えば、端末IDと最寄り駅とを「@」で連結する。「01aa@新橋」は、端末ID「01aa」の伝送端末が存在する事業所の最寄り駅は、「新橋」を表す。なお、会議ID「c002」の端末ID「01ba」の伝送端末10は、「新横浜」からネットワークアクセスしているが、会議ID「c003」では、「新大阪」からネットワークアクセスしている。
会議履歴管理テーブルは、端末管理テーブルを基に伝送管理装置50により作成される。伝送管理装置50は、遠隔会議が行われると、会議IDを付与して、会議履歴管理テーブルの属性にデータを書き込み、会議情報を管理する。
(伝送管理装置の各機能構成)
送受信部51は、CPU201及びネットワークI/F209によって構成され、伝送ネットワーク2を介して他の伝送端末10又は装置30、90、110と各種データや情報の送受信を行うようになっている。送受信部51は、伝送端末10を識別するための端末IDやIPアドレスと、通信参加者を識別するための参加者ID(第2識別情報)とを各伝送端末から受信する受信部として機能する。端末IDやIPアドレスは、第1識別情報とも称す。
端末認証部52は、CPU201によって構成され、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、記憶部5000の端末認証管理DB5002を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行うようになっている。
状態管理部53は、CPU201によって構成され、ログイン要求してきた要求元端末の伝送状態を管理すべく、端末管理DB5003に、要求元端末の端末IDに対して、伝送状態、伝送管理装置50でログイン要求情報が受信された受信日時及びIPアドレスを関連付けて記憶して管理するようになっている。
また、状態管理部53は、利用者が伝送端末10の電源スイッチ109の状態をONからOFFにすることで、伝送端末10から送られてきた、電源をOFFする旨の状態情報に基づいて、端末管理DB5003における伝送端末10の伝送状態をオンラインからオフラインに変更するようになっている。
端末抽出部54は、CPU201によって構成され、ログイン要求した要求元端末の端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DB5005を検索し、要求元端末に対する宛先端末の候補の端末IDを抽出するようになっている。
また、端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末の端末IDを検索キーとして、宛先リスト管理DB5005を検索し、要求元端末の端末IDを宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末IDも抽出するようになっている。
記憶・読出処理部59は、CPU201及びHDD205によって構成され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりするようになっている。
また、記憶・読出部59は、特定部60を有し、特定部60は、端末IDやIPアドレスと最寄り駅とを関連付けた情報(例えば図9、図10(A)参照)に基づいて、送受信部51により受信された第1識別情報に対応する最寄り駅を特定する。また、特定部60は、図10に示す各テーブルを用いる場合、つまり、各拠点の事業所が有する複数のIPアドレスを最寄り駅と関連付けた情報に基づいて、送受信部51により受信されたIPアドレスに対応する最寄り駅を特定する。特定部60は、特定した最寄り駅を会議IDに関連付けて削減コスト算出部56に通知する。
削減コスト算出部56は、会議に参加している伝送端末の最寄り駅情報および各伝送端末の会議参加人数を取得して、経費削減効果となる交通費と移動時間を算出する。交通費と移動時間は会議の開催場所と会議参加者の人数によって変わるため、削減コスト算出部56は、例えば、会議に用いられた伝送端末の拠点毎に算出した結果を比較して最も安価だったものを経費削減効果とする。
なお、削減コスト算出部56は、取得部61を有し、取得部61は、各伝送端末10に対応する最寄り駅を、交通費及び/又は移動時間を検索する検索エンジンに送信し、検索エンジンが算出した最寄り駅間の交通費及び/又は移動時間を検索エンジンから取得する。検索エンジンは、検索装置110に備えられ、公知の乗換案内システムを適用することができる。
例えば、削減コスト算出部56は、伝送端末毎に集計された参加者の数と、取得部61により取得された交通費及び/又は移動時間とに基づいて、伝送端末10が存在する各拠点のうちいずれか1つに参加者が集まった場合にかかる交通費及び/又は移動時間を算出する。
例えば、「東京本社」の2人、「大阪事業所」の3人で会議が開催された場合、削減コスト算出部56は、以下の処理を行う。
まず、取得部61は、最寄り駅の「新橋」と「新大阪」とを検索装置110に送信することで、新橋から新大阪までの片道の交通費、移動時間を取得することができる。
図13は、経路探索システムの検索結果の一例を示す図である。取得部61は、各拠点の最寄り駅を検索装置110に送信することで、図13に示すような検索結果を取得することができる。なお、取得部61は、図13に示すような表示結果の画面情報ではなく、実際は検索結果の交通費や移動時間などのデータを取得する。
削減コスト算出部56は、会議の開催場所を東京本社とした場合又は大阪事業所とした場合で、以下の計算を行う。
(1)開催場所が東京本社の場合:
交通費 57,000円(28,500円(往復)×2人)
移動時間 10時間40分(5時間20分×2人)
(2)開催場所が大阪事業所の場合
交通費 85,500円(28,500円(往復)×3人)
移動時間 16時間00分(5時間20分×3人)
削減コスト算出部56は、算出した交通費及び/又は移動時間を会議IDに関連付けて記憶・読出処理部59に出力し、会議履歴管理DB5004に記録させる。
これにより、開催場所を東京本社とした場合の結果をコスト削減効果として扱うことができる。また、削減コスト算出部56は、伝送端末が3拠点以上、例えば「東京本社」、「大阪事業所」、「新横浜事業所」の伝送端末を接続して遠隔会議を開催した場合でも、同様に3地点の場所毎に求めた結果を比較してコスト削減効果を算出することができる。
表示制御部55は、会議履歴管理DB5004に記憶される会議履歴管理テーブルの各属性を表示部に表示するよう表示制御する。また、表示制御部55は、会議におけるコスト削減効果を示す情報のみを表示制御するようにしてもよい。
なお、送受信部51は、複数の伝送端末の少なくとも1つの伝送端末から通信の終了を通知されると、記憶部5000から読み出した会議の交通費及び/又は移動時間を各伝送端末10に送信してもよい。
また、送受信部51は、図示しない情報処理装置から会議履歴情報の取得要求を受けると、記憶部5000から読み出した、取得要求の対象となる会議の交通費及び/又は移動時間を情報処理端末に送信してもよい。
<伝送端末の画面遷移>
次に、伝送端末10におけるディスプレイ120で表示される画面の画面遷移について説明する。図14〜図16は、ディスプレイ120に表示される画面の一例を示す図である。
図14は、宛先リストの表示例を示す図である。伝送端末10は、会議を行うための認証処理が終了すると、会議に参加する端末を選択させるための宛先リストがディスプレイ120に表示される。
宛先リストには、宛先リスト枠400−1と、伝送端末10に対応付けられている宛先端末の端末ID400−2と、端末名400−3と、状態情報を反映させたアイコン400−4a〜400−4cが含まれている。
アイコンとしては、OFFラインで通話できないことを示すOFFラインアイコン400−4aと、ONラインで通話可能であることを示す通話可能アイコン400−4bと、ONラインで通話中であることを示す通話中アイコン400−4cとがある。
図15は、全画面表示モードの表示例を示す図である。会議が始まった後に、全画面表示モードが選択されると、伝送端末10の表示制御部17は、ビデオ会議に参加している各伝送端末10から送信された全ての画像をディスプレイ120に表示させる。
図15に示す表示画面には、比較的広い1つの第1画像領域500と、比較的狭い複数の第2画像領域510とが割り当てられている。例えば、各第2画像領域510には、ビデオ会議に参加している各伝送端末10から送信された画像データが表す画像が表示され、第1画像領域500には、ビデオ会議に参加している伝送端末10の中から主要な伝送端末10の画像データが表す画像が表示される。
例えば、表示制御部17は、ビデオ会議に参加している伝送端末10のなかで、受信した音データの中で音声を表す音データの送信元の伝送端末を主要な端末として特定する。ここで、音声を表す音データとは、受信された各音データに対して音声区間の検出が行われ、有声区間があると判定された音データのことである。なお、音声区間の検出は、公知の技術を用いて実現することができる(例えば、新美、「音声認識」、共立出版、pp.68−72参照)。
図16は、コスト削減効果の表示例を示す図である。図16に示す画面は、会議中の伝送端末10のいずれかで、終了ボタンが押下された場合に表示される画面である。図16に示すコスト削減効果を示すデータは、伝送管理装置50から送信される。
図16に示す画面は、図13に示す例を用いてコスト削減効果を算出した場合の一例を示す。図16に示す例では、東京本社に集まって会議を行った場合の削減コストを示すが、大阪事業所に集まって会議を行った場合の削減コストが表示されてもよいし、東京の場合と大阪の場合との両方が表示されてもよい。
ディスプレイ120における画面遷移としては、例えば図14に示す画面、図15に示す画面、図16に示す画面の順で表示される。
<動作>
次に、本実施例に係る伝送システム1の動作について説明する。図17は、伝送端末10がビデオ会議に参加する準備状態になるまでの準備段階動作を示すシーケンス図である。なお、図17は、伝送端末10aaが準備状態になる例が示されている。準備段階動作においては、管理情報用セッションsei(図2参照)で各種情報が送受信される。
ステップS21で、伝送端末10aaの利用者が、伝送端末10aaの電源スイッチ109をONにすると、操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。
ステップS22で、ログイン要求部13は、電源ONの受け付けを契機とし、伝送端末10aaの送受信部11から伝送ネットワーク2を介して伝送管理装置50にログイン要求を表すログイン要求情報を送信する。
ログイン要求情報には、ログイン要求元の伝送端末10aaを識別するための端末ID及びパスワードが含まれている。これら端末ID及びパスワードは、記憶・読出処理部19によって記憶部1000から読み出される。
なお、伝送端末10aaから送信されたログイン要求情報が伝送管理装置50に受信されたときには、伝送管理装置50は、送信側である伝送端末10abのIPアドレスを把握することができる。
ステップS23で、伝送管理装置50の端末認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、端末認証を行う。端末認証部52は、記憶部5000の端末認証管理DB5002(図7参照)を検索し、端末認証管理DB5002に検索キーと同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。
ここで、端末認証部52によって、検索キーと同一の端末ID及びパスワードが管理されていないと判断された場合、すなわち、正当な利用権限を有する伝送端末10からのログイン要求でないと判断された場合には、送受信部51は、端末認証部52によって得られた認証結果を表す認証結果情報をログイン要求してきた伝送端末10aaに伝送ネットワーク2を介して送信し、準備段階の動作は終了することとなる。
ステップS24で、端末認証部52によって、検索キーと同一の端末ID及びパスワードが管理されていると判断された場合、すなわち、正当な利用権限を有する伝送端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部53は、端末管理DB5003に、伝送端末10aaの端末ID、伝送端末10aaのIPアドレス、及び設置場所、最寄り駅、伝送状態、受信日時、参加者などを関連付けて記憶する。
これにより、端末管理テーブルは、端末ID「01aa」、伝送端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」、設置場所「東京本社」、最寄り駅「新橋」、伝送状態「オンライン」、受信日時「2012/1/23/ 13:00(年/月/日 時間)」を関連付けて管理することになる。なお、端末管理テーブルには、端末ID、IPアドレス、設置場所、最寄り駅などが予め関連付けられており、伝送状態、受信日時及び参加者がその都度関連付けられるようにしてもよい。
ステップS25で、伝送管理装置50の送受信部51は、端末認証部52によって得られた認証結果を表す認証結果情報をログイン要求してきた伝送端末10aaに伝送ネットワーク2を介して送信する。
ステップS26で、伝送管理装置50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた伝送端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5005(図8参照)を検索し、伝送端末10aaに対する宛先端末の候補の端末IDを抽出する。
ここでは、伝送端末10aaの端末ID「01aa」に対する宛先端末である伝送端末10ab、10ba、10dbのそれぞれの端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」が抽出されることになる。
ステップS27で、伝送管理装置50の端末状態取得部55は、端末抽出部54によって抽出された宛先端末の候補の端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」を検索キーとして、端末管理DB5003を検索し、端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に伝送状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」を読み出すことにより、伝送端末10ab、10ba、10dbの各伝送状態を取得する。
ステップS28で、伝送管理装置50の送受信部51は、ステップS27で使用された検索キーとしての端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」と、それぞれに対応する伝送端末10ab、10ba、10dbの伝送状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」とが含まれた宛先状態情報を、伝送ネットワーク2を介して伝送端末10aaに送信する。
これにより、伝送端末10aaは、宛先端末の候補である伝送端末10ab、10ba、10dbの現時点のそれぞれの伝送状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」を把握することができる。
ステップS29で、伝送管理装置50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた伝送端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5005を検索し、伝送端末10aaの端末ID「01aa」を宛先端末の候補として登録している他の伝送端末の端末IDを抽出する。例えば、図8に示した宛先リスト管理テーブルでは、抽出される端末IDは、「01ab」、「01ba」及び「01db」である。
ステップS30で、伝送管理装置50の状態管理部53は、ログイン要求して来た伝送端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理DB5003を検索し、ログイン要求してきた伝送端末10aaの伝送状態「オンライン(伝送可能)」を取得する。
ステップS31−1,S31−2で、伝送管理装置50の送受信部51は、ステップS29で抽出された端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」で識別されるそれぞれの伝送端末10ab、10ba、10dbのうち、端末管理DB5003で伝送状態が「オンライン(伝送可能)」となっている伝送端末10ba、10dbに、ステップS30で取得された伝送端末10aaの端末ID「01aa」と伝送状態「オンライン(伝送中)」とが含まれる宛先状態情報を送信する。
なお、伝送端末10ba、10dbに宛先状態情報を送信するときには、送受信部51は、各端末ID「01ba」、「01db」に基づいて、端末管理テーブルで管理されている伝送端末のIPアドレスを参照する。
これにより、ログイン要求してきた伝送端末10aaを宛先端末として指定して伝送することができる伝送端末10db、10baに、ログイン要求してきた伝送端末10aaの端末ID「01aa」及び伝送状態「オンライン(伝送中)」を伝えることができる。
また、準備段階動作のステップS28が完了したときに、伝送端末10aaの表示制御部17は、ディスプレイ120に表示させた宛先リストの情報から、ビデオ会議に参加中の端末、すなわち、伝送状態が「オンライン(伝送中)」や「オンライン(伝送可能)」である伝送端末10dbの情報をディスプレイ120に強調表示させる等して、ビデオ会議に参加している伝送端末10又は参加可能な伝送端末10を利用者に認識させることができる。
図18は、伝送端末10がビデオ会議に参加する参加状態になるまでの会議参加動作を示すシーケンス図である。なお、図18は、伝送端末10aaが参加状態になる例が示されている。会議参加動作においては、管理情報用セッションsei(図2参照)で各種情報が送受信される。
ステップS41で、利用者が操作ボタン108を押下してビデオ会議の参加を選択すると、操作入力受付部12は、伝送端末10dbとビデオ会議を参加する旨の要求を受け付ける。
ステップS42で、この要求に応じて、伝送端末10aaの送受信部11は、伝送端末10aaの端末ID「01aa」及び伝送端末10dbの端末ID「01db」が含まれ、ビデオ会議に参加する旨を表す参加要求情報を伝送管理装置50に送信する。
これにより、伝送管理装置50の送受信部51は、参加要求情報を受信すると共に、送信元である伝送端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を確認することができる。
ステップS43で、伝送管理装置50の状態管理部53は、参加要求情報に含まれる伝送端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、端末管理DB5003(図10参照)を検索し、参加要求してきた伝送端末10aaの伝送状態を「オンライン(伝送中)」に設定する。
ステップS44で、伝送管理装置50の送受信部51は、伝送端末10aaの端末ID「01aa」を含む参加要求情報を伝送端末10dbに伝送ネットワーク2を介して送信する。これにより、伝送端末10dbは、どの伝送端末10からビデオ会議に参加したいとの要求があったのかを把握することができる。
なお、説明を省略するが、端末管理DB5003においては、伝送端末10cbの伝送状態も「オンライン(伝送中)」であるため、伝送管理装置50の送受信部51は、伝送端末10aaの端末ID「01aa」を含む参加要求情報を伝送端末10cbに伝送ネットワーク2を介して送信する。
ステップS45で、伝送端末10dbは、送受信部11から伝送ネットワーク2を介して伝送管理装置50に参加要求情報の受信が完了した旨を示す受信完了情報を送信する。
ステップS46で、伝送管理装置50の送受信部51は、伝送ネットワーク2を介して中継装置30に中継を開始する旨の要求を表す中継開始要求情報を送信する。中継開始要求情報には、伝送端末10aa及び伝送端末10dbの各IPアドレス「1.2.1.3」、「1.3.2.4」が含まれている。
ステップS47で、中継装置30は、伝送端末10aa、10db間で、低解像度、中解像度及び高解像度の3つの画像データ、並びに、音データを伝送するためのセッションを確立する。このように、伝送端末10aaは、伝送端末10dbとのビデオ会議に参加することができるようになる。
ステップS48で、伝送管理装置50の送受信部51は、伝送端末10aaの端末ID「01aa」と伝送状態「オンライン(伝送中)」とが含まれる端末状態変更情報を、端末管理DB5003に登録されている各伝送端末10にキャストする。これにより、端末状態変更情報を受信した各伝送端末は、必要に応じて、端末ID「01aa」の伝送端末10aaの伝送状態を記憶および表示することができる。
図19は、コスト削減効果を算出する動作の一例を示すフローチャートである。図19は、伝送端末10aaと、伝送端末10dbが接続された例を示す。
ステップS51−1で、伝送端末10aaは、会議参加者の個人IDを、ICカードなどで読み取る。なお、個人IDは、伝送端末10aaに手入力されてもよい。
ステップS52−1で、伝送端末10aaは、個人IDを、伝送管理装置50に送信する。
ステップS51−2で、伝送端末10dbは、会議参加者の個人IDを、ICカードなどで読み取る。なお、個人IDは、伝送端末10dbに手入力されてもよい。
ステップS52−2で、伝送端末10dbは、個人IDを、伝送管理装置50に送信する。
ステップS53で、伝送管理装置50の送受信部51は、各伝送端末から会議参加者の個人IDを受信する。伝送管理装置50は、受信した個人IDは、伝送端末毎に管理し、端末管理テーブルに記録する。
ステップS54で、伝送管理装置50の取得部61は、会議に用いられている伝送端末がある事業所(拠点)の最寄り駅を端末管理DB5003から取得する。取得のタイミングは、任意のタイミングでよい。
ステップS55で、削減コスト算出部56は、取得した最寄り駅を検索装置110に送信し、最寄り駅間の交通費、移動量を算出させる。
ステップS56で、削減コスト算出部56は、検索装置110から最寄り駅間の交通費、移動量を取得し、遠隔会議における削減コスト(例えば交通費、移動時間)を算出し、記憶・読出処理部59に出力する。記憶・読出処理部59は、取得した交通費、移動時間を会議履歴管理テーブルに記録する。これにより、後に会議情報の表示要求があった場合に、削減コスト(例えば交通費、移動時間)を表示させることができる。
図20は、コスト削減効果を算出、表示する動作の一例を示すフローチャートである。図20に示すステップS63までの処理は、図19に示すステップS53までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS64−1で、伝送端末10aaは、会議終了ボタンの押下を検知し、会議終了の旨を伝送管理装置50に送信する。
ステップS65〜S67の処理は、図19に示すステップS54〜S56の処理と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS68で、伝送管理装置50は、会議履歴管理テーブルから、その会議の交通費、移動コストなどを含む会議履歴情報を読み出し、表示要求とともに会議履歴情報を各伝送端末に送信する。
ステップS69−1で、伝送端末10aaは、伝送管理装置50から受信した会議履歴情報を画面に表示する。
ステップS69−2で、伝送端末10dbは、伝送管理装置50から受信した会議履歴情報を画面に表示する。各伝送端末では、例えば図16に示すような画面が表示される。
図21は、会議履歴情報を表示する動作の一例を示すフローチャートである。図21に示すステップS71で、情報処理装置は、会議履歴情報を表示するために、伝送端末の端末IDを伝送管理装置50に送信する。情報処理装置は、会議参加者がログインしたPCや、会議の管理者がログインしたPCなどである。
ステップS72で、伝送管理装置50は、情報処理装置から伝送端末の端末IDを受信する。
ステップS73で、伝送管理装置50は、受信した端末IDをキーとして、会議履歴情報管理テーブルから、この端末IDを含む会議履歴情報を検索する。
ステップS74で、伝送管理装置50は、検索された会議履歴情報を含む検索結果を情報処理装置に送信する。
ステップS75で、情報処理装置は、受信した検索結果に含まれる会議履歴情報を画面に表示する。これにより、会議の後日などに、会議履歴情報を表示し、会議で削減できたコストを把握することができる。
以上、実施例によれば、伝送管理システムを利用する場合におけるコスト削減効果を、適切かつ簡便に可視化することが可能になる。
なお、削減コスト算出部56は、会議参加者の役職に対応する労働時間単価に基づき、移動時間の削減効果を金額として算出してもよい。この場合、記憶部5000には、個人(例えば個人ID)毎の労働時間単価を対応付けた労働時間テーブルが管理される。
削減コスト算出部56は、会議参加者のIDに対応する労働時間単価を取得し、その個人の移動時間に労働時間単価を乗算することで、移動時間の削減効果を金額で表すことができる。
なお、上記遠隔会議は、通信の一例として、上記会議参加者は、通信参加者の一例として、上記伝送管理装置は、会議管理装置の一例として用いられる。
また、実施例の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、実施例の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、実施例の各装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
実施例の各装置で実行されるプログラムは、前述した各部を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては、CPUがROMやHDDからプログラムを読み出して実行することにより上記各部のうち1又は複数の各部がRAM上にロードされ、1又は複数の各部がRAM上に生成されるようになっている。
なお、上記の伝送システム、伝送管理システム、伝送管理装置及びプログラムは、上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。