JP2016150516A - プリフォーム、プラスチックボトル、及びプラスチックボトルの製造方法 - Google Patents

プリフォーム、プラスチックボトル、及びプラスチックボトルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016150516A
JP2016150516A JP2015029276A JP2015029276A JP2016150516A JP 2016150516 A JP2016150516 A JP 2016150516A JP 2015029276 A JP2015029276 A JP 2015029276A JP 2015029276 A JP2015029276 A JP 2015029276A JP 2016150516 A JP2016150516 A JP 2016150516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
preform
sectional area
cross
trunk
neck
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015029276A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6589289B2 (ja
Inventor
章智 関根
Akitomo Sekine
章智 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=56695072&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2016150516(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015029276A priority Critical patent/JP6589289B2/ja
Publication of JP2016150516A publication Critical patent/JP2016150516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6589289B2 publication Critical patent/JP6589289B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】プリフォームからブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性が良好なプリフォーム、プラスチックボトル、及びプラスチックボトルの製造方法を提供する。【解決手段】有底筒状のプリフォーム1において、サポートリング12を有する口部10と、サポートリング12に連接する胴部20とを備え、胴部20の全長(胴部20の高さH2)に対するサポートリング12の直下からの距離Hを比率で表した胴部首下距離をXとし、胴部首下距離がXの位置における胴部20の断面積比をYとし、断面積比は、胴部20の内で、断面積の最も小さい箇所が0%で、断面積の最も大きい箇所が100%であり、横軸を胴部首下距離、縦軸を断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示す。【選択図】図2

Description

本発明は、プリフォーム、プラスチックボトル、及びプラスチックボトルの製造方法に関し、より詳細には、軽量化されたプリフォーム、プラスチックボトル、及びプラスチックボトルの製造方法に関する。
例えば、飲料が充填される容器としてプラスチックボトルが用いられる。プラスチックボトルの製造には、射出成形機等で、樹脂から試験管状のプリフォームを成形し、プリフォームをブロー成形機でボトル状に成形する方法が多く用いられる。
プラスチックボトルの生産量は年々増加傾向にある。一方で、省資源化、ごみの減量化や、輸送時の環境負荷低減等による、エネルギー使用量、及び二酸化炭素排出量の低減の観点から原料の使用量を削減することによるプラスチックボトルの軽量化が取り組まれている。
プラスチックボトルの重量の大小は、延伸ブロー成形の前におけるプリフォームの樹脂の重量によるので、プリフォームが軽量化されることによってプラスチックボトルも軽量化される。しかしながら、プラスチックボトルを軽量化しようとするとプラスチックボトルの肉厚が全体的に薄くなるため、プラスチックボトルを成形するための条件がより厳しくなる。したがって、軽量化されたプラスチックボトルを良好に成形するためのプリフォームを設計する必要が生じる。
特許文献1には、開放端を構成するネック部と、ネック部に接続される管状の胴部と、閉鎖端を構成し、閉鎖端に向かうにつれて外径が狭まる略円錐形状を有する底部と、胴部と底部とを接続する屈曲部とを備え、胴部の中心軸に対して直交する方向における屈曲部の厚みが略一定である、樹脂成型ボトル用プリフォームが開示されている。
特開2013−226709号公報
特許文献1の樹脂成型ボトル用プリフォームによれば、底部を略円錐形とすることによって、半球状の底部を有するプリフォームと比べて樹脂量を低減することができるので、軽量かつ薄肉の樹脂ボトルを実現できるとされている。更に、胴部の中心軸と直交する方向における屈曲部の厚みを略一定とすることで、屈曲部の各部の熱吸収を均一化することができるので、樹脂ボトルのうち屈曲部に対応する箇所の白化を抑制し、歩留まりを向上させることが可能となるとされている。
しかしながら、特許文献1では、底部の樹脂量が低減されているに過ぎず、プラスチックボトルをより軽量化するには限界がある。そして、特許文献1の樹脂成型ボトル用プリフォームでは、プリフォームの底部からプラスチックボトルの底(ヒール)部までの距離が長く、その分だけ延伸倍率が高くなるので、薄肉化し、時には白化してしまう。更に、特許文献1では、底部の径の狭まり方や、屈曲部の局面の曲率等といった具体的な形状が何ら開示されておらず、プラスチックボトルを軽量化する方法を一般化することができない。そして、特許文献1では、プリフォームからブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性についての記載乃至示唆が一切ない。そこで本発明の目的は、プリフォームからブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性が良好なプリフォーム、プラスチックボトル、及びプラスチックボトルの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、有底筒状のプリフォームにおいて、サポートリングを有する口部と、前記サポートリングに連接する胴部とを備え、前記胴部の全長に対する前記サポートリングの直下からの距離を比率で表した胴部首下距離をXとし、前記胴部首下距離がXの位置における前記胴部の断面積比をYとし、前記断面積比は、前記胴部の内で、断面積の最も小さい箇所が0%で、前記断面積の最も大きい箇所が100%であり、横軸を前記胴部首下距離、縦軸を前記断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示すことを特徴とする。
更に、前記極小値が7%以上、15%以下の範囲であることを特徴とする。
更に、前記極小値を示す前記胴部首下距離よりXが大の位置、かつ5%≦Y≦50%の範囲において、前記胴部首下距離−断面積比特性曲線は、Y=6X以上、Y=35X以下の傾きを有することを特徴とする。
更に、前記極小値が最小値であることを特徴とする。
更に、本発明に係るプラスチックボトルは、上述のプリフォームがブロー成形機でボトル状に成形されることを特徴とする。
更に、前記ブロー成形機による成形が、縦方向の延伸倍率が2.4倍以上、4.0倍以下、横方向の延伸倍率が2.4倍以上、6.0倍以下の二軸延伸ブロー成形であることを特徴とする。
更に、前記胴部の成形後の厚さが0.07mm以上、0.25mm以下であることを特徴とする。
更に、前記極小値を示す部分が、水平方向に対して傾斜を有する肩部を形成することを特徴とする。
更に、本発明に係るプラスチックボトルの製造方法は、サポートリングを有する口部と、前記サポートリングに連接する胴部とを備え、前記胴部の全長に対する前記サポートリングの直下からの距離を比率で表した胴部首下距離をXとし、前記胴部首下距離がXの位置における前記胴部の断面積比をYとし、前記断面積比は、前記胴部の内で、断面積の最も小さい箇所が0%で、前記断面積の最も大きい箇所が100%であり、横軸を前記胴部首下距離、縦軸を前記断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示すプリフォームを製造する工程と、前記プリフォームをブロー成形機でボトル状に成形する工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る構成によれば、有底筒状のプリフォームにおいて、サポートリングを有する口部と、サポートリングに連接する胴部とを備え、胴部の全長に対するサポートリングの直下からの距離を比率で表した胴部首下距離をXとし、胴部首下距離がXの位置における胴部の断面積比をYとし、断面積比は、胴部の内で、断面積の最も小さい箇所が0%で、断面積の最も大きい箇所が100%であり、横軸を胴部首下距離、縦軸を断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示すので、プリフォームからブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性を良好にすることができる。
更に、極小値が7%以上、15%以下の範囲である構成によれば、プリフォームからブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性をより良好にすることができる。
更に、極小値を示す胴部首下距離よりXが大の位置、かつ5%≦Y≦50%の範囲において、胴部首下距離−断面積比特性曲線は、Y=6X以上、Y=35X以下の傾きを有する構成によれば、プリフォームからブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性をより良好にすることができる。
更に、極小値が最小値である構成によれば、プリフォームからブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性をより良好にすることができる。
更に、本発明に係るプラスチックボトルは、上述のプリフォームがブロー成形機でボトル状に成形されるので、プリフォームから良好なブロー成形性で軽量化されたプラスチックボトルを成形することができる。
更に、ブロー成形機による成形が、縦方向の延伸倍率が2.4倍以上、4.0倍以下、横方向の延伸倍率が2.4倍以上、6.0倍以下の二軸延伸ブロー成形である構成によれば、プリフォームからより良好なブロー成形性で軽量化されたプラスチックボトルを成形することができる。
更に、胴部の成形後の厚さが0.07mm以上、0.25mm以下である構成によれば、プリフォームからより良好なブロー成形性で軽量化されたプラスチックボトルを成形することができる。
更に、極小値を示す部分が、水平方向に対して傾斜を有する肩部を形成する構成によれば、プリフォームからより良好なブロー成形性で軽量化されたプラスチックボトルを成形することができる。
更に、本発明に係るプラスチックボトルの製造方法は、サポートリングを有する口部と、サポートリングに連接する胴部とを備え、胴部の全長に対するサポートリングの直下からの距離を比率で表した胴部首下距離をXとし、胴部首下距離がXの位置における胴部の断面積比をYとし、断面積比は、胴部の内で、断面積の最も小さい箇所が0%で、断面積の最も大きい箇所が100%であり、横軸を胴部首下距離、縦軸を断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示すプリフォームを製造する工程と、プリフォームをブロー成形機でボトル状に成形する工程とを備えるので、プリフォームから良好なブロー成形性で軽量化されたプラスチックボトルを製造することができる。
本実施形態に係るプリフォームの一例が示された正面図である。 図1のプリフォームの断面図である。 比較例のプリフォームが示された断面図である。 本実施形態に係るプリフォーム、及び比較例のプリフォームにおけるそれぞれの胴部の断面積比の変化が示されたグラフである。 プリフォームを製造するための射出成形装置の一例が示された概略図である。 プリフォームの加熱装置の一例が示された断面図である。 プリフォームと、ブロー成形後のPETボトルとが模式的に示された断面図である。 本実施形態に係るプリフォームから形成されたPETボトルが示された正面図である。 本実施形態に係るプリフォームから形成された別のPETボトルが示された正面図である。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。まず、本実施形態に係るPET(PolyEthylene Terephthalate:ポリエチレンテレフタラート)ボトル成形用のプリフォーム1(予備成形体)の構成を詳細に説明する。図1は本実施形態に係るプリフォーム1の一例が示された正面図である。更に、図2は図1のプリフォーム1の断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、プリフォーム1の一端側の開放された側が上を向いた図1の状態におけるプリフォーム1の口部10を上とする。
本実施形態に係るプリフォーム1は、一端側が開放された有底筒状であって、開放された側の口部10と、底の側の胴部20とを備える。口部10は、その上端に円形の開口部11を有するとともに外方に突出する環状のサポートリング12をその下端に有する。
口部10の外周にはブロー成形機でプリフォーム1がボトル状に成形された後に図示せぬ蓋が取り付けられるためのねじ部13が設けられる。口部10は、ブロー成形機による成形後もその形状が変化しない。したがって、プリフォーム1の口部10の外径OD(ねじ谷径に相当)、及び内径ID(図2参照)は例えば、飲料用のPETボトルで標準的に用いられている寸法とされることが好ましい。
口部10は例えば、PCO1810規格や、PCO1881規格に対応した寸法とされると良い。より具体的に、口部10の内径IDは21.74mm±0.13mmであることが好ましい。更に、口部10の外径ODは24.94mm±0.13mmであることが好ましい。なお、サポートリング12の下面から口部10の上端までの距離が口部10の高さH1である。より具体的に、口部10の高さH1は21.00mm±0.25mm(PCO1810規格)、及び17.00mm±0.25mm(PCO1881規格)のいずれかであることが好ましい。
胴部20は、円筒状であって、ブロー成形の際に、ボトルの形状となるように膨らむ部分である。胴部20は、口部10(サポートリング12の下面)に連接された首部21と、首部21に連設された胴中部22と、胴中部22に連設された底部23とを有する。
本実施形態に係るプリフォーム1の特徴として首部21は、口部10の側から胴中部22の側に向かってその外径、及び内径がともに縮径して円錐台状に構成される。すなわち、首部21の上端(サポートリング12の直下)における胴径D1より首部21の下端における胴径D2は小である(図2参照)。
更に、首部21の上端付近の肉厚T1が均一である構成には限定されないものの、図2に例示されたように首部21の上端付近には、肉厚T1が均一とされた領域が予め定められた範囲に設けられると良い。そして、均一な肉厚T1の領域の下側では更に、肉厚T1が均一に構成されていても構わないものの、本実施形態に係るプリフォーム1の特徴を有する首部21は、プリフォーム1からボトル状に成形される際のブロー成形性を良好にする観点から図2に例示されたように口部10の側から胴中部22の側に向かって厚みが増すように構成されると良い。すなわち、首部21の上端における肉厚T1より首部21の下端における肉厚T2は大である(図2参照)。なお、ここでの胴径D1や、胴径D2は肉厚T1や、肉厚T2の中心における直径である。
胴中部22の胴径D2、及び肉厚T2は上下方向にほとんど変化しない略真円筒形状である(図2参照)。ただし、胴中部22には、プリフォーム1の作製の際に用いられるここでは図示せぬ射出成形装置の金型からの取り出しを容易にするための傾斜である抜き勾配が設けられていても良く、胴径D2、及び肉厚T2が上下方向にわずかに変化していても良い。
底部23は外方に湾曲した略半球状に構成されている。なお、底部23は、円錐形状であったり、角に丸みを持った円柱形状であったり、その他の形状であっても良い。底部23には、プリフォーム1が射出成形によって作製される際の溶融樹脂の流入口(ゲート)において付随的に形成された固化した部分が付着する。図1、及び図2には、その部分が切り取られた後の形態が示されている。
胴中部22の胴径D2は12mm以上、25mm以下であることが既存の装置を用いることができることから好ましい。更に、サポートリング12の下面から底部23の下端までの距離が胴部20の高さH2である。高さH2は35mm以上、74mm以下であることが既存のブロー成形機を用いることができることから好ましい。
ここで、本実施形態に係るプリフォーム1の特徴を有していない比較例について説明する。図3は、比較例のプリフォーム100が示された断面図である。
比較例のプリフォーム100は、プリフォーム1と同様に口部110と、胴部120とを備えており、そして、胴部120は、首部121と、胴中部122と、底部123とを有している。しかしながら、比較例のプリフォーム100は、胴部120、特に首部121の形状が、プリフォーム1とは異なる。すなわち、比較例のプリフォーム100の胴部120はその外径が寸胴に形成されている。その一方で、比較例のプリフォーム100の首部121は、口部110の側から胴中部122の側に向かって厚みが増すように構成されている。すなわち、首部121の上端における肉厚T3より首部121の下端における肉厚T4は大である。
なお、比較例のプリフォーム100の形状は、図3に例示された胴部120の外径が寸胴に形成されたものとは限らない。例えば、口部110の側から胴中部122の側に向かって首部121の外径が縮径しつつそれ以上に厚みが増すように構成されたものも本実施形態に係るプリフォーム1の特徴を有しておらず、比較例のプリフォーム100に含まれる。
次に、本実施形態に係るプリフォーム1の有する特徴について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るプリフォーム1、及び比較例のプリフォーム100におけるそれぞれの胴部20、及び胴部120の断面積比の変化が示されたグラフである。図4において、本実施形態に係るプリフォーム1については実線eで示され、比較例のプリフォーム100については点線cで示されている。
本実施形態に係るプリフォーム1の特徴を表すための指標としては正規化(無次元化)された値が用いられる。より詳細には、胴部20の高さH2(全長)(図1参照)に対するサポートリング12の直下からの距離H(図2参照)が比率で表された胴部首下距離がXとされ、胴部首下距離がXの位置における胴部20の断面積比がYとされる。
すなわち、胴部首下距離とは、サポートリング12の直下の位置が0%、底部23の下端の位置が100%とされたときの胴部20におけるサポートリング12の直下(X=0%)からの距離が比率で表されたものである(0%≦X≦100%)。そして、断面積比は、胴部20(0%≦X≦100%)の内で、水平方向の断面積の最も小さい箇所が0%で、水平方向の断面積の最も大きい箇所が100%とされる。
なお、断面積の値は、当該箇所、例えばサポートリング12の直下からの距離H、すなわち胴部首下距離がXの位置における胴径Dと肉厚Tとから求められる(図2参照)。更に、胴部首下距離がXの位置における胴部20の断面積がS、断面積の最も小さい箇所の値がSmin、最も大きい箇所の値がSmaxであるときに、(S−Smin)/(Smax−Smin)の計算式によって断面積比を求めることができる。なお、本実施形態で用いられる断面積、及び断面積比はその算出において底部23を除いたものとされる。
本実施形態において用いられる指標では、胴部首下距離が用いられることによってプリフォーム1の長さの違いによらずその特徴を一般化することができる。更に、断面積が用いられることによって、胴径D、及び肉厚Tの両方の因子が加味された特徴を表すことができる。そして、断面積比が用いられることによって胴径D、及び肉厚Tの大小によらず特徴を集約することができる。
比較例のプリフォーム100では、胴部120の上端(X=0%)付近において断面積が最も小さく、断面積比が0%となっている。そして、上述のように、口部110の側から胴中部122の側に向かって肉厚T3から肉厚T4へと厚みが増すように首部121が構成されている(図3参照)。このため、X=5%付近から25%付近へと大きくなるにつれて断面積比が、0%から100%へと増加し、その傾向は、シグモイド曲線形状を示す。そして、胴中部122においては肉厚T4で厚みが一定であるため断面積比が、100%のまま一定で推移する。
これに対して、プリフォーム1では、胴部20の上端(X=0%)付近における断面積が最小ではなく、断面積比が0%とはならない。上述のように、口部10の側から胴中部22の側に向かって肉厚T1が一定で、胴径D1から胴径D2へと縮径するように首部21の上側が構成される(図2参照)。このため、X=0%から10%付近へと大きくなるにつれて断面積比が減少していったん0%になる。なお、この傾向は、プリフォーム1が軽量であるほど顕著になりやすい。一方で、その下側では、口部10の側から胴中部22の側に向かって肉厚T1から肉厚T2へと厚みが増すように首部21が構成される(図2参照)。このため、X=10%付近から25%付近へと大きくなるにつれて断面積比が、0%から100%へと増加する。なお、胴中部22においては肉厚T2で厚みが一定であるため断面積比が、100%のまま一定で推移する。
このように、プリフォーム1は、口部10の側から胴中部22の側に向かって首部21が縮径することによって効果的に軽量化が図られ、大きく延伸される胴中部22の側の厚みが増すことによって適切な延伸性を有するように構成されている。このため、本実施形態に係るプリフォーム1は、横軸を胴部首下距離、縦軸を断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示す。このような特性を有することによって、プリフォーム1からブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性を良好にすることができる。なお、プリフォーム1は、ブロー成形性だけでなく、射出成形性や、搬送適性が加味された上での設計がなされたものである。したがって、本実施形態に係るプリフォーム1は原料から製品となるまで総合的に優れた性能を発揮するものである。
プリフォーム1は、極小値がX=7%以上、15%以下の範囲であるように構成されることが好ましい。このように構成されることによって、プリフォーム1を効果的に軽量化することができるとともに、この範囲外においてより延伸性を有するようにすることができる。したがって、プリフォーム1からブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性をより良好にすることができる。
更に、プリフォーム1は、極小値を示す胴部首下距離よりXが大の位置、かつ5%≦Y≦50%の範囲において、胴部首下距離−断面積比特性曲線は、Y=6X以上、Y=35X以下の傾きを有するように構成されることが好ましい。このように構成されることによって、プリフォーム1からブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性をより良好にすることができる。胴部首下距離−断面積比特性曲線の傾きがY=6Xより小の場合には、首部21の胴中部22の側が延伸されにくくなり、Y=35Xより大の場合には、首部21の中で、延伸されやすい部分と延伸されにくい部分との2つの領域が明確に分離してしまい、ブロー成形性が低下して好ましくない。
なお、プリフォーム1が有する胴部首下距離−断面積比特性曲線におけるV字型の底の部分は、少なくとも極小値であれば良く、プリフォーム1の全長(ただし、底部23を除く)を通じた最小値であることがより好ましい。このような構成によれば、プリフォーム1からブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性をより良好にすることができる。
次に、本実施形態に係るプリフォーム1の製造方法の一例を詳細に説明する。図5は、プリフォーム1を製造するための射出成形装置30の一例が示された概略図である。射出成形装置30は、ホッパドライヤ31と、ホッパ32と、加熱シリンダ33と、金型34とを備える。
ホッパドライヤ31は、プリフォーム1の主原料となる例えばペレット形状の成形材料の投入口である。ホッパドライヤ31は、成形材料を乾燥した後にホッパ32に送り出すように構成される。ホッパドライヤ31は投入された成形材料を予め定められた水分率まで乾燥することができれば良く、例えば、熱風乾燥型や、除湿熱風乾燥型、減圧伝熱乾燥型であっても良い。
射出成形装置30は、ホッパ32に投入された成形材料が、加熱シリンダ33で溶融可塑化され、金型34に送り出されるように構成される。筒状の加熱シリンダ33は、外周に図示せぬヒータを備えるとともに、内部には、金型34への射出用の図示せぬスクリュを備える。加熱シリンダ33は、ヒータからの伝熱によって成形材料を例えば270℃〜300℃に加熱させるように構成される。
複数に分割されて構成される金型34には、成形品としてのプリフォーム1の形状に該当する空間部分であるキャビティ35が形成される。なお、キャビティ35は、本実施形態に係るプリフォーム1の特徴を有する形状に対応するように形成される。加熱シリンダ33から射出された成形材料はキャビティ35に注入されるように構成される。金型34には、金型34を加熱する図示せぬヒータと、金型34を冷却する図示せぬ冷却機とが設けられる。金型34は、ヒータによって加熱されたキャビティ35に溶融した成形材料が注入、及び加圧された後に冷却機によって冷却され、プリフォーム1が成形されるように構成される。
このような射出成形装置30が用いられてプリフォーム1が製造される。まず、射出成形装置30のホッパドライヤ31で乾燥された上でホッパ32に投入されたPET樹脂が加熱シリンダ33で溶融可塑化されて、金型34に射出される。PET樹脂が、加熱シリンダ33から金型34のキャビティ35に射出、及び加圧された後に冷却機によって冷却されることによってプリフォーム1が成形される。
なお、成形されたプリフォーム1は、箱積み、いわゆるパレタイジングされて倉庫等でいったん保管されても良く、そのまま、引き続き、次の工程へと進められても良い。すなわち、プリフォーム1の成形と、ブロー成形とが別の場所や装置で行われる、いわゆるコールドパリソン方式(2ステージ方式)であっても良く、プリフォーム1の成形と、ブロー成形とが同じの場所や装置で行われる、いわゆるホットパリソン方式(1ステージ方式)であっても良い。更に、プリフォーム1の成形から内容物の充填等に至るまでの製造工程がインラインで連続的なものであっても良い。
次に、本実施形態に係るプリフォーム1からボトル状に成形する方法の一例を詳細に説明する。プリフォーム1がボトル状に成形されるにあたってまず、プリフォーム1の加熱が行われる。図6は、プリフォーム1の加熱装置40の一例が示された断面図である。なお、図6は、プリフォーム1の搬送方向に対して垂直方向の断面を示す。
加熱装置40は、搬送装置41と、ヒータ42とを備える。搬送装置41は、プリフォーム1を周方向に均等に加熱するために、プリフォーム1の軸を中心に回転させながら搬送するように構成される。ヒータ42は、複数の例えばハロゲンランプによって構成され、ブロー成形に適した温度例えば80℃〜140℃にプリフォーム1を加熱するように構成されている。更に、加熱装置40は、ヒータ42からの熱をプリフォーム1に反射させるための反射板43や、ヒータ42からの熱を加熱装置40の外方へ逃がさないようにするための遮蔽部材44等を備えていても良い。なお、図6の加熱装置40では、プリフォーム1は口部10が下側を向いた状態で搬送、及び加熱されている。
ここで、胴部首下距離−断面積比特性において極小値を示す箇所は首部21の内で、口部10の側から胴中部22の側に向かって縮径している部分である。このような縮径している部分は、ヒータ42との位置関係がより遠くなるので、縮径していない部分より温まりにくく、ブロー成形によって延伸されにくい。
一方で、胴部首下距離−断面積比特性において断面積比が極小値から増加を示す箇所は首部21の内で、口部10の側から胴中部22の側に向かって厚みが増している部分である。厚肉の部分は、プリフォーム1の熱容量がより大きくなるため、ヒータ42によってより温まりにくくなる半面で、いったん温まると冷めにくくなる。したがって、首部21の内で、胴中部22の側はブロー成形によって延伸されやすい。
このように、胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示すプリフォーム1は延伸の度合いがその位置によって大きく変化する首部21において軽量化されて薄肉に形成されている樹脂がより効率的に延伸される設計となっている。
加熱されたプリフォーム1は次に、ブロー成形機によって、プラスチックボトル例えばPETボトル2に成形される。図7は、プリフォーム1と、ブロー成形後のPETボトル2とが模式的に示された断面図である。ブロー成形機の一例としての二軸延伸ブロー成形装置50は、金型51と、延伸ロッド52と、図示せぬ高圧エア供給装置と、これらを制御する図示せぬ制御装置とを備える。なお、図7には、下向きのブロー成形方法が例示されているものの、材料が重力の影響を受けにくい上向きのブロー成形方法が用いられても良い。
ここで、PETボトル2は、口部10と、肩部60と、胴部70と、底部80とを有する。ブロー成形の前後においておおよそ、プリフォーム1の首部21がPETボトル2の肩部60に対応し、プリフォーム1の胴中部22がPETボトル2の胴部70に対応する。
金型51は、形成されるPETボトル2に対応した形状を有して例えば、半割りで構成されるとともに、金型51の表面の温度が、PETボトル2の用途、特に耐熱性に応じて例えば40℃〜130℃に制御されるように構成されている。
延伸ロッド52は金型51内を伸縮自在に構成される。そして、延伸ロッド52は、金型51に口部10の取り付けられたプリフォーム1の胴部20を縦(軸)方向に延伸するように構成される。高圧エア供給装置からは、温度調節された高圧エアAが吹き出されるように構成される。高圧エアAは、金型51に取り付けられたプリフォーム1の内部に供給されれば良く、延伸ロッド52から吹き出されても良く、延伸ロッド52とは別の部材から吹き出されても構わない。高圧エアAは、プリフォーム1の胴部20を横(径)方向に延伸するとともに、延伸の後に、胴部20の表面温度を下げるように構成される。
加熱されたプリフォーム1は、二軸延伸ブロー成形装置50の金型51に装着される。その後には、金型51に装着されたプリフォーム1の胴部20が延伸ロッド52によって縦方向に延伸される。この際のプリフォーム1からPETボトル2への縦延伸倍率は2.4倍以上、4.0倍以下であることが好ましい。
ここで、縦延伸倍率とは、プリフォーム1の胴部20における高さH2(図1も参照)に対するPETボトル2の肩部60、及び胴部70における高さH3の比である。なお、サポートリング12の下面から底部80の下端の底壁81までの距離が肩部60、及び胴部70の高さH3である。非晶部と、結晶部との集合体であるアモルファス構造を有するプリフォーム1の分子は延伸によって配向結晶化がおこり、その結果として、PETボトル2の強度や、剛性、及び耐熱性等が上がる。縦延伸倍率が2.4未満の場合にはPETボトル2(プリフォーム1)の分子の配向性が上がらず、一方で、縦延伸倍率が4.1以上の場合にはPETボトル2が成形しにくくなる。
更に、縦方向に延伸されたプリフォーム1の胴部20が高圧エアAによって横方向に、金型51に当たるまで延伸される。この際のプリフォーム1からPETボトル2への横延伸倍率は2.4倍以上、6.0倍以下であることが好ましい。
ここで、横延伸倍率とは、プリフォーム1の胴部20(胴中部22)における胴径D2(図2も参照)に対するPETボトル2の胴部70における胴径D3の比である。なお、胴部70の対向するそれぞれの壁面における肉厚T5の中心間の距離が胴部70の胴径D3とされる。プリフォーム1の分子は横方向の延伸によっても同様に配向結晶化がおこり、その結果として、PETボトル2の強度や、剛性、耐熱性等が上がる。横延伸倍率が2.4未満の場合にはPETボトル2(プリフォーム1)の分子の配向性が上がらず、一方で、横延伸倍率が6.1以上の場合にはPETボトル2が成形しにくくなる。
このように、二軸延伸ブロー成形装置50による成形が、縦方向の延伸倍率が2.4倍以上、4.0倍以下、横方向の延伸倍率が2.4倍以上、6.0倍以下の二軸延伸ブロー成形である構成によれば、プリフォーム1からより良好なブロー成形性で軽量化されたPETボトル2を成形することができる。
以上のように、本実施形態に係るPETボトル2の製造方法は、胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示すプリフォーム1を製造する工程と、プリフォーム1をブロー成形機でボトル状に成形する工程とを備える。そして、この製造方法によって、プリフォーム1から良好なブロー成形性で軽量化されたPETボトル2を製造することができる。そして、その際に、特殊な製法を用いる必要がない。
なお、胴部70の成形後の厚さ(肉厚T5)が0.07mm以上、0.25mm以下であることが好ましい。胴部70の厚さがこの範囲であれば、プリフォーム1からより良好なブロー成形性で軽量化されたPETボトル2を成形することができる。
更に、プリフォーム1の内で、胴部首下距離−断面積比特性において極小値を示す極小部分24を有する首部21が、PETボトル2の内で、水平方向に対して傾斜を有する肩部60を形成するように成形されることが好ましい。このように成形されることによって、最も延伸されにくい箇所が肩部60の領域内となり、プリフォーム1からより良好なブロー成形性で軽量化されたPETボトル2を成形することができる。
なお、本実施形態においては、成形されるPETボトル2の用途が限定されない。したがって、PETボトル2は、耐圧性や耐熱性等を有するように成形されても良い。更に、PETボトル2への内容物の充填方法についても限定されない。したがって、PETボトル2は、ホット充填に用いられても、アセプティック充填に用いられても良い。
以上のように、本実施形態に係るPETボトル2はプリフォーム1が、二軸延伸ブロー成形装置50でボトル状に成形される。そして、二軸延伸ブロー成形装置50が用いられることによって効果的に、本実施形態に係るプリフォーム1から良好なブロー成形性で軽量化されたPETボトル2を成形することができる。
次に、本実施形態に係るプリフォーム1から形成されるPETボトル2の構成を詳細に説明する。図8は、本実施形態に係るプリフォーム1から形成されたPETボトル2が示された正面図である。図8に例示されたPETボトル2は水平方向の断面視が略正方形の角ボトルである。上述されたように、PETボトル2は、口部10と、肩部60と、胴部70と、底部80とを有する。そして、上述されたように、PETボトル2の口部10の構成はプリフォーム1の口部10の構成と同様である。
肩部60は、その上側が口部10のサポートリング12の下面に連なり、一方で、その下側が胴部70に連なる。肩部60は、上方から下方に向かって拡径する略四角錐台の形状を有する。
胴部70は、互いに同一の形状からなる4つの壁部71が周(水平)方向に連接して、全体として略正四角筒の形状を有している。壁部71の各々は、圧力吸収パネル72や、複数の横溝73、縦溝74等を有している。凹凸形状の圧力吸収パネル72は、PETボトル2の内部の圧力が特に、減圧側に変化した際に、自身が変形することによって圧力変化を吸収するとともに、PETボトル2の特に、水平方向の荷重に耐える強度である側壁強度を保持する機能を有する。横溝73も、胴部70の側壁強度を保持する機能を有する。一方で、縦溝74は、胴部70の上下方向の荷重に耐える強度である座屈強度を向上させる機能を有する。
底部80はその上側が、胴部70の下側に連なる。底部80は、底壁81や、ドーム82等を有している。略平板環状の底壁81は、胴部70に対して垂直方向に延び、PETボトル2の接地面となる。ドーム82は、底壁81の内周において底壁81から、PETボトル2の内方(上方)へ突出するように構成され、底部80の強度を向上させる機能を有する。なお、底部80の構成は、図8の例示に限らず、内容物に対応した形状、例えば放射状にリブが設けられた形状や、いわゆるペタロイド形状であっても良い。
PETボトル2の特にサポートリング12より下の形状は、図8の例示に限らず、プリフォーム1がブロー成形されることによって形成されるものであればどのような形状であっても良い。例えば、本実施形態においては、図8に示された角ボトルを好適に形成することができる。しかしながら、本実施形態において形成されるプラスチックボトルは角ボトルには限定されず、丸ボトルであっても良い。更に、胴部70の幅が下方に向けて拡開する形状であっても良い。そして、胴部70に形成される圧力吸収パネル72や、横溝73、縦溝74の形状についても自由に設計することができる。
図9は、本実施形態に係るプリフォーム1から形成された別のPETボトル3が示された正面図である。上述された角ボトルのPETボトル2と同様に、PETボトル3は、口部10と、肩部360と、胴部370と、底部380とを有する。本実施形態においては、図9に示された丸ボトルも好適に形成することができる。
なお、このようにして成形されたPETボトル2、及びPETボトル3(以下では、単にPETボトル2と称す)と、このPETボトル2に充填される内容物と、内容物の充填されたPETボトル2を密閉するキャップとによって充填体が構成される。
本実施形態に係るPETボトル2にはサイズによる限定はなく、種々のサイズに対して適用することができる。例えば、PETボトル2の容積が100ml〜2000mlであっても良く、特に、容積が500ml〜1000mlであるPETボトル2に対して好適である。とりわけ、PETボトル2の全高が120mm〜260mmであり、胴部70の胴径D3が40mm〜75mmであることが好ましく、本実施形態に係るPETボトル2の奏する効果を好適に得ることができる。
上述においては、本実施形態に係るプリフォーム1に特に好適な材料としてPETが用いられた例が示された。しかしながら、本実施形態においては、ブロー成形に対する適性を有する材料であれば良い。したがって、本実施形態に係るPETボトル2の材料としては熱可塑性樹脂が用いられることが好ましい。
PETボトル2を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタラート以外にも例えば、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、又はこれらの共重合体等の熱可塑性ポリエステル、これらの樹脂、あるいは他の樹脂とのブレンド物が好適であり、特に、ポリエチレンテレフタラート等のエチレンテレフタラート系熱可塑性ポリエステルを好適に使用することができる。更に、アクリロニトリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等も使用することができる。更に、植物由来のバイオマス系プラスチック、例えば、ポリ乳酸(PLA:PolyLactic Acid)を用いることも可能である。
上述された樹脂には、成形品の品質を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、核剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を配合することができる。なお、PETボトル2は、過酸化水素、過酢酸を添加して無菌化させることが好ましい。
PETボトル2を構成するエチレンテレフタラート系熱可塑性樹脂として、エステル反復部分の大部分、一般に70モル%以上をエチレンテレフタラート単位が占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃であり、融点(Tm)が200〜275℃の範囲にあるものが好適である。また、エチレンテレフタラート系熱可塑性ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタラートが耐圧性等の点で特に優れているものの、エチレンテレフタラート単位以外に、イソフタル酸や、ナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸と、プロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位を少量含む共重合ポリエステルも使用することができる。
更に、PETボトル2は、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成することもできる。更に、PETボトル2は、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成する場合には、層間にバリア層や、酸素吸収層等の中間層を備えることができる。酸素吸収層としては、酸化可能有機成分、及び遷移金属触媒の組み合わせ、あるいは実質的に酸化しないガスバリア性樹脂等を含む層を使用することができる。
本実施形態に係るプリフォーム1は、プラスチック、特に、PETである構成によれば、適度な強度と、塑性変形性を併せ持ち、汎用性の高い材料で効果的に成形することができる。そして、プラスチック、特にPETは、PETボトル2としての成形が容易であり、PETボトル2は、汎用性の高い装置で製造することができる。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係る有底筒状のプリフォーム1は、サポートリング12を有する口部10と、サポートリング12に連接する胴部20とを備え、胴部20の全長(胴部20の高さH2)に対するサポートリング12の直下からの距離Hを比率で表した胴部首下距離をXとし、胴部首下距離がXの位置における胴部20の断面積比をYとし、断面積比は、胴部20の内で、断面積の最も小さい箇所が0%で、断面積の最も大きい箇所が100%であり、横軸を胴部首下距離、縦軸を断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示す。そして、本実施形態に係る構成によれば、プリフォーム1から二軸延伸ブロー成形装置50で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性を良好にすることができる。
以下に、実施例を示して、本開示を更に詳細、かつ具体的に説明する。しかしながら、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料、及び方法>
[実施例1]
図1、及び図2に示される本実施形態に係るプリフォーム1が用いられた。すなわち、プリフォーム1は、図4の横軸を胴部首下距離、縦軸を断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示す実線eの特徴を有している。プリフォーム1は、ポリエチレンテレフタラート製であり、重量が17.7gであった。加熱装置40、及び二軸延伸ブロー成形装置50が用いられ、プリフォーム1がブロー成形されることによって図8に示されるPETボトル2が作製された。作製されるPETボトル2の容量は500mlとされた。なお、ブロー成形時に賦形不良が発生することはなかった。
[比較例1]
図3に示される比較例のプリフォーム100が用いられた。すなわち、プリフォーム100は、図4の横軸を胴部首下距離、縦軸を断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、点線cを示し、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示す実線eの特徴を有していない。プリフォーム100は、ポリエチレンテレフタラート製であり、重量が23.2gであった。加熱装置40、及び二軸延伸ブロー成形装置50が用いられ、プリフォーム100がブロー成形されることによってPETボトル2の形状のボトルが作製された。作製されるPETボトルの容量は500mlとされた。なお、ブロー成形時に賦形不良が発生することはなかった。
[比較例2]
図3に示される比較例のプリフォーム100が用いられた。すなわち、プリフォーム100は、図4の横軸を胴部首下距離、縦軸を断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、点線cを示し、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示す実線eの特徴を有していない。プリフォーム100は、ポリエチレンテレフタラート製であり、重量が17.7gであった。加熱装置40、及び二軸延伸ブロー成形装置50が用いられ、プリフォーム100がブロー成形されることによってPETボトル2の形状のボトルが作製された。作製されるPETボトルの容量は500mlとされた。なお、ブロー成形時に、底部が薄肉となることによって白化が生じる賦形不良が発生した。
<結果>
(軽量化評価)
実施例1、比較例1、及び比較例2のそれぞれのプリフォーム1、及び100の各々について軽量化の評価がなされた。表1には、各プリフォーム1、及び100の軽量化の評価の結果が示され、○:20.0g未満、×:20.0g以上、で表記されている。
(ブロー成形評価)
実施例1、比較例1、及び比較例2のそれぞれのプリフォーム1、及び100の各々についてブロー成形性の評価がなされた。表1には、各プリフォーム1、及び100からブロー成形によって作製されたボトルの目視による成形評価の結果が示され、○:賦形不良なし、×:賦形不良発生、で表記されている。
(総合評価)
上述された軽量化評価、及びブロー成形評価に基づいて、実施例1、比較例1、及び比較例2のそれぞれのプリフォーム1、及び100の総合評価がなされた。表1には、総合評価の結果が示されている。総合評価は、○:良好、×:適性なし、で表記されている。
Figure 2016150516
上述された実施例から以下の点が導き出された。表1に示されたように、実施例1は、軽量化が実現されており、ブロー成形性が良好であった。比較例1は、ブロー成形性を有していたものの、軽量化が実現されていなかった。比較例2は、ブロー成形時に賦形不良が発生した。
以上の実施例の結果から、本実施形態に係るプリフォーム1は、ブロー成形機で軽量化ボトルが成形される際のブロー成形性を良好にすることが示された。
本開示は、内容物として液体が充填される種々の容器に好適に利用することができる。しかしながら、本開示は、上述された実施形態に限定されるものではない。本開示の容器は、内容物に、例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、果汁、清涼飲料等の各種非炭酸飲料や、炭酸飲料、あるいはしょうゆ、ソース、みりん等の調味料、食用油、酒類を含む食品等、洗剤、シャンプー、化粧品、医薬品、その他を収容した、あらゆる容器に有用であり、容器の形状が限定されないので自動販売機等による販売にも適している。更に、内容物として液体に限らず粉体が充填される容器にも利用することができる。
1 プリフォーム
2 PETボトル(プラスチックボトル)
10 口部
12 サポートリング
20 胴部(プリフォーム)
21 首部
22 胴中部
30 射出成形装置
40 加熱装置
42 ヒータ
50 二軸延伸ブロー成形装置(ブロー成形機)
51 金型
52 延伸ロッド
60 肩部
70 胴部(PETボトル)
D1 首部の上端の胴径
D2 首部の下端の胴径
D3 PETボトルの胴部の胴径
H2 胴部(プリフォーム)の高さ
H3 肩部、及び胴部(PETボトル)の高さ
T5 胴部(PETボトル)の肉厚

Claims (9)

  1. 有底筒状のプリフォームにおいて、
    サポートリングを有する口部と、
    前記サポートリングに連接する胴部と
    を備え、
    前記胴部の全長に対する前記サポートリングの直下からの距離を比率で表した胴部首下距離をXとし、
    前記胴部首下距離がXの位置における前記胴部の断面積比をYとし、
    前記断面積比は、前記胴部の内で、断面積の最も小さい箇所が0%で、前記断面積の最も大きい箇所が100%であり、
    横軸を前記胴部首下距離、縦軸を前記断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示すことを特徴とする
    プリフォーム。
  2. 前記極小値が7%以上、15%以下の範囲であることを特徴とする
    請求項1に記載のプリフォーム。
  3. 前記極小値を示す前記胴部首下距離よりXが大の位置、かつ5%≦Y≦50%の範囲において、前記胴部首下距離−断面積比特性曲線は、Y=6X以上、Y=35X以下の傾きを有することを特徴とする
    請求項1乃至2のいずれか1項に記載のプリフォーム。
  4. 前記極小値が最小値であることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリフォーム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリフォームがブロー成形機でボトル状に成形されることを特徴とする
    プラスチックボトル。
  6. 前記ブロー成形機による成形が、縦方向の延伸倍率が2.4倍以上、4.0倍以下、横方向の延伸倍率が2.4倍以上、6.0倍以下の二軸延伸ブロー成形であることを特徴とする
    請求項5に記載のプラスチックボトル。
  7. 前記胴部の成形後の厚さが0.07mm以上、0.25mm以下であることを特徴とする
    請求項5乃至6のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  8. 前記極小値を示す部分が、水平方向に対して傾斜を有する肩部を形成することを特徴とする
    請求項5乃至7のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  9. サポートリングを有する口部と、前記サポートリングに連接する胴部とを備え、前記胴部の全長に対する前記サポートリングの直下からの距離を比率で表した胴部首下距離をXとし、前記胴部首下距離がXの位置における前記胴部の断面積比をYとし、前記断面積比は、前記胴部の内で、断面積の最も小さい箇所が0%で、前記断面積の最も大きい箇所が100%であり、横軸を前記胴部首下距離、縦軸を前記断面積比として得られる胴部首下距離−断面積比特性において、極小値を有するV字型の胴部首下距離−断面積比特性曲線を示すプリフォームを製造する工程と、
    前記プリフォームをブロー成形機でボトル状に成形する工程と
    を備えることを特徴とする
    プラスチックボトルの製造方法。
JP2015029276A 2015-02-18 2015-02-18 プリフォーム、及びプラスチックボトルの製造方法 Active JP6589289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029276A JP6589289B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 プリフォーム、及びプラスチックボトルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015029276A JP6589289B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 プリフォーム、及びプラスチックボトルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016150516A true JP2016150516A (ja) 2016-08-22
JP6589289B2 JP6589289B2 (ja) 2019-10-16

Family

ID=56695072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015029276A Active JP6589289B2 (ja) 2015-02-18 2015-02-18 プリフォーム、及びプラスチックボトルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6589289B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7370799B2 (ja) 2019-10-11 2023-10-30 メビウスパッケージング株式会社 プリフォーム加熱方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS578123A (en) * 1980-06-17 1982-01-16 Mitsubishi Chem Ind Ltd Manufacture of hollow container
JPS6218215A (ja) * 1985-07-17 1987-01-27 Toyo Seikan Kaisha Ltd 延伸ブロ−成形用プリフオ−ム
JPH023302A (ja) * 1987-12-24 1990-01-08 Continental Pet Technol Inc 加熱充填物用容器、その製造方法及びその中間成形品
WO1996033062A1 (en) * 1995-04-18 1996-10-24 The Coca-Cola Company Preform and bottle using pet/pen blends and copolymers
JP2008540185A (ja) * 2005-05-11 2008-11-20 ザ・コカ−コーラ・カンパニー 軽量の延伸ブロー成形petコポリマー容器およびそれを製造するためのプリフォーム
JP2009045877A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Dainippon Printing Co Ltd プラスチックボトル成形用プリフォーム
JP2013543805A (ja) * 2010-11-12 2013-12-09 ナイアガラ・ボトリング・エルエルシー 軽量ボトルを加工するための伸長仕上げされたプリフォーム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS578123A (en) * 1980-06-17 1982-01-16 Mitsubishi Chem Ind Ltd Manufacture of hollow container
JPS6218215A (ja) * 1985-07-17 1987-01-27 Toyo Seikan Kaisha Ltd 延伸ブロ−成形用プリフオ−ム
JPH023302A (ja) * 1987-12-24 1990-01-08 Continental Pet Technol Inc 加熱充填物用容器、その製造方法及びその中間成形品
WO1996033062A1 (en) * 1995-04-18 1996-10-24 The Coca-Cola Company Preform and bottle using pet/pen blends and copolymers
JP2008540185A (ja) * 2005-05-11 2008-11-20 ザ・コカ−コーラ・カンパニー 軽量の延伸ブロー成形petコポリマー容器およびそれを製造するためのプリフォーム
JP2009045877A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Dainippon Printing Co Ltd プラスチックボトル成形用プリフォーム
JP2013543805A (ja) * 2010-11-12 2013-12-09 ナイアガラ・ボトリング・エルエルシー 軽量ボトルを加工するための伸長仕上げされたプリフォーム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7370799B2 (ja) 2019-10-11 2023-10-30 メビウスパッケージング株式会社 プリフォーム加熱方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6589289B2 (ja) 2019-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10793313B2 (en) Assembly comprising a wide-mouth plastic preform or container having a reinforced neck finish and a screwable closure
CA2723864C (en) Hot-fill container
US7891513B2 (en) Container base with feet
CA2713866C (en) Hybrid base design
US7866496B2 (en) Lightweight finish for hot-fill container
JP2007001617A (ja) 合成樹脂製容器
WO2013051601A1 (ja) プリフォームおよびプラスチックボトル
JP6531401B2 (ja) プラスチックボトル
JP2017007264A (ja) プリフォーム、プラスチックボトル、及びプラスチックボトルの製造方法
JP6589289B2 (ja) プリフォーム、及びプラスチックボトルの製造方法
JP7059563B2 (ja) プリフォームの製造方法
US10723504B2 (en) Heat set container with label boundary panel
JP5593076B2 (ja) 樹脂製容器、及び樹脂製容器の成形方法
JP7003448B2 (ja) プラスチック容器
JP2017013797A (ja) 充填体の製造方法、プラスチックボトル、充填体、及び充填体の製造装置
JP2018150077A (ja) プラスチックボトル、及びプラスチックボトルの製造方法
JP6957978B2 (ja) プラスチック容器
JP7355185B2 (ja) プリフォーム、プリフォームの製造方法及びプラスチックボトルの製造方法
JP2018150076A (ja) プラスチックボトル、及び充填体
JP7188550B2 (ja) プリフォーム及びプラスチックボトルの製造方法
JP2018122920A (ja) プラスチックボトル、プリフォーム、及びプリフォームの製造方法
JP7006101B2 (ja) プリフォーム及びプラスチックボトルの製造方法
CA3201346A1 (en) Container base with deep inset recesses
JP2019072902A (ja) プリフォーム、プラスチックボトル及びその製造方法
JP2019006481A (ja) プラスチック容器、及び充填体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190902

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6589289

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157