JP2016150439A - プリント装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートにプリントされる画像の品位を安定させるように、搬送ベルトの温度を調節する。【解決手段】シートを保持して搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送されるシートにプリントを行うプリント部と、前記プリント部でプリントされ、前記搬送ベルトにより搬送されるシートを乾燥させる乾燥部と、前記搬送ベルトの温度を調節する調節部とを有し、前記調節部は、前記搬送ベルトの周回方向において前記乾燥部から前記プリント部に至る経路の途中に設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、シートを搬送ベルトで搬送しながらプリントする技術に関するものである。
特許文献1には、インクジェットプリントによりプリントされたシートの乾燥を促進させるために、インクが付与されたシートに熱を与えて乾燥させる乾燥部を備えたプリント装置が開示されている。乾燥部では搬送ベルトによりシートが搬送され、搬送ベルトの裏面側に設けられたヒータによりベルトを介してシートを加熱する。
特許文献1の装置の乾燥部は、搬送ベルトの昇温に伴って、ベルト表面の摩擦係数が変動したり、搬送方向のベルト長さが変化したりして、ベルト搬送精度の低下を招く場合がある。そして長時間に高温になると搬送ベルトの劣化が進みやすい。さらに、プリントヘッドは乾燥部とは別にその手前側に設けられており、装置の小型化には改善の余地がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、シートにプリントされる画像の品位を安定させるように、搬送ベルトの温度を調節するための技術を提供することにある。
本発明は、シートを保持して搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送されるシートにプリントを行うプリント部と、前記プリント部でプリントされ、前記搬送ベルトにより搬送されるシートを乾燥させる乾燥部と、前記搬送ベルトの温度を調節する調節部とを有し、前記調節部は、前記搬送ベルトの周回方向において前記乾燥部から前記プリント部に至る経路の途中に設けられている。
本発明によれば、搬送ベルトの温度が大きく変動することなくベルト搬送精度が維持されるため、シートにプリントされる画像の品位を安定させることが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「プリント」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合に限られないものとする。すなわち、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くシート上に画像、模様、パターン等を形成する場合、またはシートの加工を行う場合を言うものとする。
また、本明細書および特許請求の範囲において、「シート」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを表すものとする。「シート」が紙である場合、例えば、カット状の枚葉紙、ロール紙やファンフォールド紙などの連続紙を表す。
さらに、「インク」とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきものであり、シート上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、媒体の加工、或いはインクまたは媒体の処理に供される液体を言うものとする。
本発明の実施形態では、シートを搬送する搬送部材である搬送ベルトの経路に、搬送ベルトの温度を調節する温度調節部を設け、搬送ベルトの温度の安定化を図ることによって、搬送ベルトの搬送精度を保持し、プリント部でプリントされる画像の品位を安定させる。
最初に、搬送ベルトを有する従来のプリント装置を、本発明の実施形態の比較例として説明したのち、本発明の実施形態に係るプリント装置について説明する。なお以下に説明するプリント装置は、インクジェット式のプリントヘッドを用いるものであるが、本発明はこれに限られない。
<比較例>
図1(a)に比較例に係る、搬送ベルトを有するプリント装置の構成の模式図を示す。図1(a)に示す一点鎖線は、記録媒体としてのシート1を表す。プリント装置100は、シート1を搬送する搬送ベルト2、搬送ベルト2が張架されている搬送ローラ21aおよび搬送ローラ21b、シート1にプリントを行うプリント部3、プリントされた面を乾燥させる乾燥部4を備える構成になっている。
図1(a)に比較例に係る、搬送ベルトを有するプリント装置の構成の模式図を示す。図1(a)に示す一点鎖線は、記録媒体としてのシート1を表す。プリント装置100は、シート1を搬送する搬送ベルト2、搬送ベルト2が張架されている搬送ローラ21aおよび搬送ローラ21b、シート1にプリントを行うプリント部3、プリントされた面を乾燥させる乾燥部4を備える構成になっている。
図1(b)は、搬送ベルト2の移動方向を説明するための、搬送ベルト2を上方から見た平面図である。搬送ローラ21aおよび21bが同じ方向(図1(a)では時計回り)にそれぞれ回転することによって、搬送ベルト2は、A方向に移動する。搬送ベルト2がA方向に移動することによって、搬送ベルト2に保持されたシート1は、B方向に搬送され、プリント部3、乾燥部4の順に案内される。
シート1は、例えば、不図示の供給側ロールから給紙され、搬送ベルト2に保持される。保持されたシート1は、搬送ベルト2によって、プリント部3におけるインク吐出口が形成された面と対向する位置、つまり、プリント部3のプリント位置に搬送され、シート1には、例えば、画像がプリントされる。プリント後、シート1は、搬送ベルト2によって乾燥部4の乾燥位置に搬送され、乾燥部4において、例えば、熱風が吹き付けられることによってシート1のプリントされた面が乾燥される。乾燥後、シート1は搬送ベルト2から接離されて排出される。
搬送ローラ21aおよび21bは、プリント装置100のフレーム、あるいは充分な強度・剛性を有するパネル等に軸支されており、駆動機構によって図1(a)中矢印の方向(時計回り)に回転駆動される。搬送ベルト2は、搬送ローラ21a、21bの2つのローラに張架され、無端ベルトとして構成される。搬送ローラ21a、21bが回転することによって、搬送ベルト2に保持されたシート1は、プリント部3によるプリント位置へ搬送される。
プリント部3は、シート1の幅方向の全体に亘ってカバーする範囲で吐出口列が形成されたフルライン形式のプリントヘッドを備える。乾燥部4は、プリント部3でプリントされたシート1の表面に付与されたインクを迅速に乾燥させるためのユニットであり、例えば、シート1を加熱する加熱部(加熱手段)を備える。乾燥部4は、例えば、80〜90℃の熱風をシート1のプリントされた面に吹き付ける。なお、乾燥方式は熱風を付与する方式に限らず、電磁波(赤外線や紫外線など)をシート表面に照射する方式であってもよい。
<第1の実施形態>
(構成)
図2に本発明の第1の実施形態に係る、搬送ベルトを有するプリント装置の構成の模式図を示す。図2に示すプリント装置200の構成は、図1に示す比較例に係るプリント装置100の構成に温度調節部(調節部)5を付加した構成となっている。図2に示すプリント装置200を構成する各部のうち、比較例と同一の符号を付したものについては、同様の機能有するため説明を省略する。
(構成)
図2に本発明の第1の実施形態に係る、搬送ベルトを有するプリント装置の構成の模式図を示す。図2に示すプリント装置200の構成は、図1に示す比較例に係るプリント装置100の構成に温度調節部(調節部)5を付加した構成となっている。図2に示すプリント装置200を構成する各部のうち、比較例と同一の符号を付したものについては、同様の機能有するため説明を省略する。
本実施形態では、プリント装置200は、プリント部3に対しシート1を搬送する搬送部を備えた構成になっている。搬送部は、搬送ベルト2と、シート1を搬送ベルト2上に固定保持させる保持部と、を含む構成である。
ここで「シートを搬送ベルト上に保持」することとは、例えば、シート1を搬送ベルト2上に吸着および/または粘着させて保持することをいう。吸着は、例えば、空気吸着と静電吸着とに分けられる。シート1を搬送ベルト2上に保持して搬送する方式の具体例を、次の(1)から(3)に挙げて説明する。
(1)空気吸着で保持させる方式
搬送ベルト2に保持されたシート1は、搬送ベルト2を介した吸気動作によって搬送ベルト2に保持される。具体的には、搬送ベルト2は、通気可能な微細な多数の孔が全体的、または部分的に形成される。そして、搬送ベルト2は、プリント装置200に内蔵されたファン等で搬送ベルト2の内側から吸気することによって、搬送ベルト2に保持されたシート1に負圧が掛かり、シート1は搬送ベルト2に吸着され保持される。
搬送ベルト2に保持されたシート1は、搬送ベルト2を介した吸気動作によって搬送ベルト2に保持される。具体的には、搬送ベルト2は、通気可能な微細な多数の孔が全体的、または部分的に形成される。そして、搬送ベルト2は、プリント装置200に内蔵されたファン等で搬送ベルト2の内側から吸気することによって、搬送ベルト2に保持されたシート1に負圧が掛かり、シート1は搬送ベルト2に吸着され保持される。
(2)静電吸着で保持させる方式
搬送ベルト2に保持されたシート1は、搬送ベルト2に静電吸着されることによって保持される。具体的には、シート1と搬送ベルト2との間に静電的な引力を発生させ、搬送ベルト2の表面にシート1を吸着させて保持させる。シート1を充分に搬送ベルト2に静電吸着させるため、シート1をプリント部3に案内する前に搬送ベルト2に加圧するような加圧ローラを、プリント装置200に備えさせてもよい。
搬送ベルト2に保持されたシート1は、搬送ベルト2に静電吸着されることによって保持される。具体的には、シート1と搬送ベルト2との間に静電的な引力を発生させ、搬送ベルト2の表面にシート1を吸着させて保持させる。シート1を充分に搬送ベルト2に静電吸着させるため、シート1をプリント部3に案内する前に搬送ベルト2に加圧するような加圧ローラを、プリント装置200に備えさせてもよい。
(3)粘着で保持させる方式
搬送ベルト2に保持されたシート1は、搬送ベルト2の表面に設けられた粘着部材によって保持される。シート1は、例えば、プリント部3に搬送される前に、粘着保持用のローラによって搬送ベルト2に保持されるように加圧され、搬送ベルト2の表面に粘着された状態で搬送される。プリント後に乾燥されたシート1は、搬送ベルト2から剥離され排出される。
搬送ベルト2に保持されたシート1は、搬送ベルト2の表面に設けられた粘着部材によって保持される。シート1は、例えば、プリント部3に搬送される前に、粘着保持用のローラによって搬送ベルト2に保持されるように加圧され、搬送ベルト2の表面に粘着された状態で搬送される。プリント後に乾燥されたシート1は、搬送ベルト2から剥離され排出される。
シート1は、プリント部3においてインクを吸収することによって膨張し、シート1には皺や波打ち(いわゆる、コックリング)が発生しやすくなる。本実施形態では、シート1が搬送ベルト2上に保持されたままプリント部3に案内されるので、シート1に皺や波打ちが発生しにくい。また、本実施形態では、プリントされたシート1は、搬送ベルト2上に保持されたまま乾燥されるため、搬送ベルト2から接離されて排出されるときには、吸収されていた水分が蒸発し、排出されたシート1に皺や波打ちが発生する可能性が低下することになる。
搬送ベルト2は、搬送ローラ21aおよび21bが回転することで、両ローラの間で周回し、保持ベルト上に保持されるシート1を搬送する。搬送ベルト2は、少なくともプリント部3によってプリントが行われる間、シート1を保持して搬送し、より好ましくは、少なくともプリント部3によるプリント位置と乾燥部4による乾燥位置との間でシート1を搬送ベルト2に保持して搬送する。なお、搬送ベルト2は、2つ以上のローラにより張架される構成であってもよい。
本実施形態では、温度調節部5は、搬送ベルト2の周回方向において乾燥部4からプリント部3に至る経路の途中に設けられている。すなわち、搬送ベルト2は少なくとも2つローラにより回転可能に保持され、2つのローラの間で回転する搬送ベルト2の一方の側にプリント部3と乾燥部4とが設けられており、他方の側に温度調節部5が設けられている。
温度調節部5は、少なくとも温度を含む搬送ベルト2の表面の条件に基づいて搬送ベルト2の温度を調節する。ここで、搬送ベルト2の表面の条件とは、搬送ベルト2の表面状態を示すパラメータであり、例えば、搬送ベルト2の表面の温度(表面温度)、表面の湿度(表面湿度)を含む。温度調節部5は、周回している搬送ベルト2の表面温度が予め定められた範囲(所定の範囲)内に収まるように搬送ベルト2の表面の温度を調節する機構を備えている。搬送ベルト2の表面とは、搬送ベルト2の外側の面または内側の面をいう。予め定められた範囲とは、例えば、25℃を基準として一定の範囲の温度をいい、本実施形態では、下限温度から上限温度までの範囲と言うものとする。
温度調節部5は、温度調節部5に案内された搬送ベルト2の表面温度を測定する温度センサ51と、測定された温度に基づいて決定された温度で搬送ベルト2の温度を調節する温度調節ユニットと、を備えた構成となっている。温度センサ51は、例えば、搬送ベルト2に接触せずに表面温度を測定する非接触型温度計(放射温度計)によって構成される。非接触型温度計は、温度調節部5に案内された搬送ベルト2の表面から放射された電磁波(例えば、赤外線や可視光線)の強度を計測することによって、搬送ベルト2の表面温度を測定する。温度調節ユニットは、搬送ベルト2の温度を上昇させるための加熱部(加熱手段)と搬送ベルト2の温度を低下させるための冷却部(冷却手段)の両方の機能を併せ持ったユニットである。
温度調節部5は、搬送ベルト2の表面温度が予め定められた範囲内に収まるように、温度調節ユニットの加熱部および冷却部を制御する。温度調節部5は、搬送ベルト2の表面に風を直接吹き付け、搬送ベルト2の表面温度の調節を行う。温度調節ユニットは、冷却手段としてペルチェ素子を備えた構成であってもいい。具体的には、搬送ベルト2に近接配置させたペルチェ素子に印加する電圧を制御することで、ペルチェ素子の温度を制御し、ペルチェ素子に近接した搬送ベルト2の表面温度の調節を行う。
温度調節部5から搬送ベルト2に吹き付けられる風の吹出温度は、例えば、温度調節ユニットの風の吹出し口付近に備えられた温度センサによって測定され、吹出温度が目標に到達しているか監視される。温度調節部5が、周回している搬送ベルト2の表面温度を予め定められた範囲内に収めるように温度調節することで、搬送ベルト2の温度が安定し、搬送ベルト2の搬送精度が保持されることになる。温度調節部5は、搬送ベルト2の周回の経路上、乾燥部4とプリント部3との間に配置される。また、温度調節部5は、シート1が保持されていない、搬送ベルト2の周回の経路上の部位において搬送ベルト2の温度を調節するように配置される。
図3は、図2に示したプリント装置200の制御系300の構成を示すブロック図である。制御系300は、プリント装置200全体の動作の制御を行う。例えば、制御系300は、シート1を搬送したり、シート1に画像をプリントしたり、プリントした面を乾燥したりする制御を行う。また、本実施形態では、制御系300は、温度センサ51で測定した温度に基づいて決定された吹出温度で、搬送ベルト2に風を吹き付けることによって、搬送ベルト2の表面温度が予め定められた範囲内に収まるようにフィードバック制御する。
図3において、CPU301は、ROM302に格納された制御プログラムを実行して、搬送ベルト2の表面温度を制御する処理など、本プリント装置200における各機構の駆動制御やデータ処理を行う。その際に、RAM303をワークエリアとして使用する。また、CPU301は、モータドライバ305、307、および309を介して給紙モータ306、搬送ベルトモータ308、および排紙モータ310の駆動を制御して、シート1の搬送を行う。
また、CPU301は、ヘッドドライバ304を介してプリントヘッドであるプリント部3を駆動しシート1に対してインクを吐出する。プリントすべき画像のデータは、ホストコンピュータ314から、あるいはスキャナなどの画像入力機構などから与えられ、RAM303に格納して使用する。ホストコンピュータ314に対しユーザーからプリント動作の実行が命令された場合には、プリント画像やプリント画像品位などのデータがI/F(インターフェース)313を介して送信され、CPU301と通信が行なわれる。
CPU301は、モータドライバ311を介して乾燥部4(例えば、内蔵されたファンを回転させるモータ)を駆動することでシート1のプリントされた面に熱風が吹き付けられる。また、CPU301は、モータドライバ312を介して温度調節部5(例えば、内蔵されたファンを回転させるモータ)を駆動し周回している搬送ベルト2の表面に風を吹き付ける。
CPU301は、ベルト温度測定部351を介して、温度センサ51で測定された温度を取得する。なお、温度センサ51で測定された温度は、A/D変換されて取得される。また、CPU301は、判定部352を介して、温度センサ51で測定された温度が予め定められた範囲内に在るか否かを判定する。なお、この判定対象の温度は、例えば、一定時間に温度センサ51で測定された温度の平均値であってもよい。
CPU301は、吹出温度決定部353を介して、判定結果に基づいて、温度調節部5で吹出される風の温度を決定する。吹出温度決定部353で決定される吹出温度は、後述する第1および第2の吹出温度を含み、ROM302に予め格納されたものとすることができる。吹出温度は、ホストコンピュータ314から、あるいはプリント装置200に設けられた操作パネルの入力操作などによって設定可能であってもよい。CPU301は、吹出制御部354を介して、決定された吹出温度で風を吹出すようにモータドライバ312を通じて温度調節部5に指示を出す。また、CPU301は、測定された温度が予め定められた範囲内に在る場合、例えば、風の吹出しを停止するようにモータドライバ312を通じて温度調節部5に指示を出す。なお、第1の吹出温度とは搬送ベルト2の加熱を行うための温度であって、温調ユニットに備えられる加熱部の駆動に伴って得られる温度である。一方、第2の吹出温度とは、搬送ベルト2の冷却を行うための温度であって、温調ユニットに備えられる冷却部の駆動に伴って得られる温度である。
(搬送ベルトの動作および温度調節)
図4に本発明の第1の実施形態に係る、搬送ベルト2の温度調節手順のフローチャートを示す。図4のフローチャートは、CPU301が、ROM302に格納されている制御プログラムを実行することにより行われる処理の流れを示す。
図4に本発明の第1の実施形態に係る、搬送ベルト2の温度調節手順のフローチャートを示す。図4のフローチャートは、CPU301が、ROM302に格納されている制御プログラムを実行することにより行われる処理の流れを示す。
ステップS401において、ベルト温度測定部351の機能として、温度調節部5内部の温度センサ51が測定した温度を取得する処理を行う。
判定部352は、ベルト温度測定部351において取得された温度が、予め定められた範囲内に在るか否かを判定する。具体的には、ステップS402において、判定部352は、ベルト温度測定部351において取得された温度が、下限温度未満であるか否か判定する。
肯定判定の場合、ステップS403において、吹出温度決定部353は、第1の吹出温度を、搬送ベルト2に吹き付ける風の吹出温度として決定する。
ステップS404において、吹出制御部354は、決定された第1の吹出温度で搬送ベルト2に風を吹き付ける指示を温度調節部5に送信する。温度調節部5は、受信した指示に基づいて、第1の吹出温度で風の吹出しを開始し、搬送ベルト2の表面に対して風の吹き付けを開始する。
一方、否定判定の場合、ステップS405において、判定部352は、ベルト温度測定部351において取得された温度が、上限温度超過であるか否か判定する。
肯定判定の場合、ステップS406において、吹出温度決定部353は、第2の吹出温度を、搬送ベルト2に吹き付ける風の吹出温度として決定する。
ステップS407において、吹出制御部354は、決定された第2の吹出温度で搬送ベルト2に風を吹き付ける指示を温度調節部5に送信する。温度調節部5は、受信した指示に基づいて、第2の吹出温度で風の吹出しを開始し、搬送ベルト2の表面に対して風の吹き付けを開始する。
一方、ステップS405にて否定判定の場合、吹出制御部354は、吹出しの停止指示を温度調節部5に送信する。温度調節部5は、受信した指示に基づいて、搬送ベルト2の表面に対する風の吹出しを停止して、処理を終了する。なお、この停止指示を受信する前から、吹出しを停止していた場合、例えば、温度調節部5は吹出し停止状態を維持したまま待機する。
第1または第2の吹出温度の風の吹出しの開始から一定時間の経過後、再び、ベルト温度測定部351は、温度センサ51を介して、搬送ベルト2の表面温度を取得する。判定部352は、ベルト温度測定部351において再度取得された温度が、予め定められた範囲内に在るか否かを判定する。このように、ステップS401からステップS407で行われた処理と同様の処理を、ベルト温度測定部351において取得された温度が予め定められた範囲内に収まるまで繰り返す。
判定部352は、ベルト温度測定部351において取得された温度が、予め定められた範囲内に在るか否かを判定する。具体的には、ステップS402において、判定部352は、ベルト温度測定部351において取得された温度が、下限温度未満であるか否か判定する。
肯定判定の場合、ステップS403において、吹出温度決定部353は、第1の吹出温度を、搬送ベルト2に吹き付ける風の吹出温度として決定する。
ステップS404において、吹出制御部354は、決定された第1の吹出温度で搬送ベルト2に風を吹き付ける指示を温度調節部5に送信する。温度調節部5は、受信した指示に基づいて、第1の吹出温度で風の吹出しを開始し、搬送ベルト2の表面に対して風の吹き付けを開始する。
一方、否定判定の場合、ステップS405において、判定部352は、ベルト温度測定部351において取得された温度が、上限温度超過であるか否か判定する。
肯定判定の場合、ステップS406において、吹出温度決定部353は、第2の吹出温度を、搬送ベルト2に吹き付ける風の吹出温度として決定する。
ステップS407において、吹出制御部354は、決定された第2の吹出温度で搬送ベルト2に風を吹き付ける指示を温度調節部5に送信する。温度調節部5は、受信した指示に基づいて、第2の吹出温度で風の吹出しを開始し、搬送ベルト2の表面に対して風の吹き付けを開始する。
一方、ステップS405にて否定判定の場合、吹出制御部354は、吹出しの停止指示を温度調節部5に送信する。温度調節部5は、受信した指示に基づいて、搬送ベルト2の表面に対する風の吹出しを停止して、処理を終了する。なお、この停止指示を受信する前から、吹出しを停止していた場合、例えば、温度調節部5は吹出し停止状態を維持したまま待機する。
第1または第2の吹出温度の風の吹出しの開始から一定時間の経過後、再び、ベルト温度測定部351は、温度センサ51を介して、搬送ベルト2の表面温度を取得する。判定部352は、ベルト温度測定部351において再度取得された温度が、予め定められた範囲内に在るか否かを判定する。このように、ステップS401からステップS407で行われた処理と同様の処理を、ベルト温度測定部351において取得された温度が予め定められた範囲内に収まるまで繰り返す。
プリント装置200は、上記判定部352を備えずに、テーブルを参照して搬送ベルト2の表面温度を調節してもよい。具体的には、ベルト温度測定部351で測定された温度と、搬送ベルト2に吹き付ける風の吹出温度との組合せを予め格納し、且つ、その組合せを細かく規定した次の表1のようなテーブルを参照して搬送ベルト2の表面温度を調節してもよい。
表1の1行目の各項目は測定された温度を、2行目の各項目は1行目の各項目に対応する項目、例えば、温度調節部5から吹出される風の吹出温度を表す。表1の2行目の吹出温度は、吹出時間、消費電力等を考慮して予め設定された温度である。
吹出温度決定部353は、上記テーブルを参照して、ベルト温度測定部351で測定した温度が「tm40(℃)」であった場合、測定温度「tm40(℃)」に紐付けられた吹出温度「tb15(℃)」の情報を取得する。そして、吹出制御部354は、取得された「tb15(℃)」の吹出温度でシート1に風を吹き付けるように、温度調節部5に対して指示を送信する。また、吹出温度決定部353は、上記テーブルを参照して、ベルト温度測定部351で測定した温度が「tm22(℃)」であった場合、測定温度「tm22(℃)」に紐付けられた「吹出し停止」の情報を取得する。そして、吹出制御部354は、取得された「吹出し停止」の情報に基づいて、風の吹出しを停止するように、温度調節部5に対して指示を送信する。なお、上記表1に示すようなテーブルは、ROM302に格納されたものとすることができる。
乾燥部4において、シート1の温度は、例えば、プリントされた面を乾燥させるため吹き付けられる熱風により上昇するが、この温度上昇に伴って、搬送するシート1に当接している搬送ベルト2の温度も上昇する。搬送ベルト2の表面温度が予め定められた範囲内に収まることによって、搬送ベルト2の温度が安定し搬送ベルト2の状態も安定することになる。よって、搬送精度が保持されるため、シート1にプリントされる画像の品位を安定させることが可能となる。
また、温度調節部5によって表面温度が安定した搬送ベルト2は、搬送ローラ21a、21bの回転によって移動し、搬送ベルト2上には新たなシートが給紙され保持される。そして、搬送ベルト2は、搬送ローラ21a、21bの回転によって、保持された新たなシートと共にプリント部3のプリント位置に再び案内される。搬送ベルト2の温度は、温度調節部5によって、プリントに適した温度に温度調節され、搬送ベルト2に当接した新たなシートの温度もプリントに適した温度となる。よって、新たなシートは、安定したプリント環境でプリントが行われるため、プリントされる画像の品位を安定させることが可能となる。
さらに、搬送ベルト2が粘着タイプである場合、搬送ベルト2の温度安定によって、搬送ベルト2の表面に設けられた粘着部材のシートに対する粘着力が安定することが可能となる。その結果、搬送ベルト2の搬送精度が保持され、プリントされる画像の品位を安定させることが可能となる。
これに対して、本実施形態のような温度調節部5を備えない図1に示す比較例の構成の場合、搬送ベルト2が短時間で周回することによって、搬送ベルト2が充分に放熱されないまま、再び乾燥部4に到達する可能性がある。この場合、搬送ベルト2のうち、乾燥部4においてさらに温度上昇した部分については、搬送ベルト2の回転動作により、表面の摩擦係数が変動したり、搬送方向の長さが変化したりするため、搬送ベルト2の搬送精度が低下することがある。ここで、搬送動作とプリント動作とは連動しているので、搬送ベルト2の搬送精度の低下は、シート1にプリントされる画像の品位の低下を引き起こすことになる。本実施形態によれば、このような搬送精度の低下を抑えることができるので、シート1にプリントされる画像の品位の低下も抑止することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、特許文献1に記載の搬送ベルトの場合に起こり得る、表面の摩擦係数が一様でなく、長時間の使用により劣化しやすいという問題を解決できることになる。さらに、搬送ベルト2の一方の側にプリント部3と乾燥部4とを設け、他方の側に温度調節部5を設けた構成により、装置全体の小型化が実現する。
<第2の実施形態>
図5に本発明の第2の実施形態に係る搬送ベルトを有するプリント装置の構成の模式図を示す。図5に示すプリント装置500の構成は、温度調節部5の位置を図2に示すプリント装置200の構成と異ならせ乾燥部4の近く、すなわち、シート1を保持した状態の搬送ベルト2に対して、温度調節が行われる構成になっている。図5に示すプリント装置500を構成する各部のうち、第1の実施形態と同一の符号を付したものについては、同様の機能有するため説明を省略する。
図5に本発明の第2の実施形態に係る搬送ベルトを有するプリント装置の構成の模式図を示す。図5に示すプリント装置500の構成は、温度調節部5の位置を図2に示すプリント装置200の構成と異ならせ乾燥部4の近く、すなわち、シート1を保持した状態の搬送ベルト2に対して、温度調節が行われる構成になっている。図5に示すプリント装置500を構成する各部のうち、第1の実施形態と同一の符号を付したものについては、同様の機能有するため説明を省略する。
乾燥部4で熱を与えられたシート1のプリントされた面には、乾燥し終わるまで、さらなる熱が与えられないようにすることが望ましい。プリント装置500は、温度調節部5から吹き出される風を、シート1のプリントされた面に直接当てずに、搬送ベルト2の内側の面、つまり、シート1が保持されていない面に直接当てる構成になっている。
温度調節部5を乾燥部4に近付けすぎると、例えば、温度調節部5で吹出される風が乾燥部4で吹出された風に作用して、乾燥部4で乾燥が充分に行われない場合があるため、温度調節部5と乾燥部4との距離は、適切に設定されることが望ましい。よって、温度調節部5と乾燥部4の双方の機能が有効に実現できる範囲で、搬送ベルト2が乾燥部4から温度調節部5に案内されるまでの時間が最短となるように、温度調節部5の乾燥部4に対する位置が設定される。なお、温度調節部5は、乾燥部4に対する距離を調整できる機構を備えることもできる。
温度調節部5の位置が乾燥部4に対して適切に定められることで、搬送ベルト2が高温となっている時間が短縮され、搬送ベルト2が変形する可能性が低下し、搬送ベルト2の搬送精度が保たれ、シート1にプリントされる画像の品位を安定させることが可能となる。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られることに加え、搬送ベルトの状態が迅速に安定するため、シートにプリントされる画像の品位を迅速に安定させることが可能となる。
<第3の実施形態>
(構成)
図6に本発明の第3の実施形態に係る搬送ベルトを有するプリント装置の構成の模式図を示す。図6に示すプリント装置の構成は、図5に示すプリント装置500の構成において、プリント部3に案内された搬送ベルト2の表面温度を測定する温度センサ61および搬送ベルト2の表面湿度を測定する湿度センサ62がそれぞれ備えられる。プリント装置600に備えられた温度調節部6は、温度センサ51が内蔵されていないこと以外、第1の実施形態にかかる温度調節部5と同じ機能を有する。図6に示すプリント装置600を構成する各部のうち、第2の実施形態と同一の符号を付したものについては、同様の機能有するため説明を省略する。
(構成)
図6に本発明の第3の実施形態に係る搬送ベルトを有するプリント装置の構成の模式図を示す。図6に示すプリント装置の構成は、図5に示すプリント装置500の構成において、プリント部3に案内された搬送ベルト2の表面温度を測定する温度センサ61および搬送ベルト2の表面湿度を測定する湿度センサ62がそれぞれ備えられる。プリント装置600に備えられた温度調節部6は、温度センサ51が内蔵されていないこと以外、第1の実施形態にかかる温度調節部5と同じ機能を有する。図6に示すプリント装置600を構成する各部のうち、第2の実施形態と同一の符号を付したものについては、同様の機能有するため説明を省略する。
温度センサ61の構成は、第1の実施形態における温度センサ51と同様である。温度センサ61は、プリント部3によるプリント位置に案内された搬送ベルト2の表面温度を測定する。
湿度センサ62は、例えば、内部に備えられた櫛型の電極間に形成された薄膜が、水分を吸収することによって変形し、変形に伴って変化する電極間の抵抗値に基づいて、電気的に湿度を測定する電気式湿度計をいう。湿度センサ62は、プリント部3によるプリント位置に案内された搬送ベルト2の表面から蒸発された水分に基づいて、搬送ベルト2の表面湿度を測定する。温度調節部6は、温度センサ61で測定された温度が予め定められた範囲内に収まり、湿度センサ62で測定された湿度が一定の条件を満たすように、搬送ベルト2の表面温度を調節する。
プリント装置600全体の動作の制御は、図3に示す制御系300の構成に加え、CPU301と通信可能に接続されるベルト湿度測定部が備えられたものによって行われる。温度センサ61で測定した温度および湿度センサ62で測定した湿度に基づいて決定された吹出温度で、搬送ベルト2に風を吹き付ける。本実施形態では、搬送ベルト2の表面温度を調節することによって、搬送ベルト2の表面温度が予め定められた範囲内に収まり、且つ、搬送ベルト2の表面湿度が許容範囲内に収まるようにフィードバック制御する。
CPU301は、ベルト温度測定部351を介して、温度センサ61で測定された温度を取得する。また、CPU301は、ベルト湿度測定部を介して、湿度センサ62で測定された湿度を取得する。なお、温度センサ61および湿度センサ62で測定された値は、それぞれA/D変換されて取得される。CPU301は、判定部352を介して、湿度センサ62で測定された湿度が予め定められた許容範囲内に収まるか否かを判定する。吹出温度決定部353で決定される吹出温度は、後述する第3の吹出温度を含み、ROM302に予め格納されたものとすることができる。当該吹出温度は、第1および第2の吹出温度と同様に、設定可能であってもよい。第3の吹出温度とは搬送ベルト2の表面湿度を調整するための温度であって、温調ユニットに備えられる加熱部または冷却部の駆動を伴って得られる温度である。
(搬送ベルトの動作および温度調節)
図7に本発明の第3の実施形態に係る、搬送ベルト2の温度調節手順のフローチャートを示す。図7のフローチャートは、CPU301が、ROM302に格納されている制御プログラムを実行することにより行われる処理の流れを示す。図7におけるステップS702〜S707では、第1の実施形態におけるステップS402〜S407と同様の処理をそれぞれ行う。
図7に本発明の第3の実施形態に係る、搬送ベルト2の温度調節手順のフローチャートを示す。図7のフローチャートは、CPU301が、ROM302に格納されている制御プログラムを実行することにより行われる処理の流れを示す。図7におけるステップS702〜S707では、第1の実施形態におけるステップS402〜S407と同様の処理をそれぞれ行う。
ステップS708において、ベルト温度測定部351の機能として、温度センサ61が測定した温度を取得する処理を行う。
ステップS709において、ベルト湿度測定部の機能として、湿度センサ62が測定した湿度を取得する処理を行う。
ステップS705にて否定判定の場合、ステップS710において、判定部352は、測定された湿度が許容範囲内に収まるか否かを判定する。
否定判定の場合、ステップS711において、吹出温度決定部353は、第3の吹出温度を、搬送ベルト2に吹き付ける風の吹出温度として決定する。具体的には、測定された湿度が、許容される下限値を下回った場合、湿度が高くなるように、吹出温度を下げる処理を行う。この場合、例えば、吹出温度の下限温度を下回らないようにして行う。また、測定された湿度が、許容される上限値を上回った場合、湿度が低くなるように、吹出温度を上げる処理を行う。この場合、例えば、吹出温度の上限温度を上回らないようにして行う。
ステップS712において、吹出制御部354は、決定された第3の吹出温度で搬送ベルト2に風を吹き付ける指示を温度調節部6に送信する。温度調節部6は、受信した指示に基づいて、第3の吹出温度で風の吹出しを開始し、搬送ベルトの表面に対して風の吹き付けを開始する。
一方、ステップS710にて肯定判定の場合、吹出制御部354は、吹出しの停止指示を温度調節部6に送信する。温度調節部6は、受信した指示に基づいて、搬送ベルト2の表面に対する風の吹出しを停止して、処理を終了する。なお、この停止指示を受信する前から、吹出しを停止していた場合、例えば、温度調節部6は吹出し停止状態を維持したまま待機する。
第3の吹出温度の風の吹出しの開始から一定時間の経過後、再び、ベルト温度測定部351は、温度センサ61を介して、搬送ベルト2の表面温度を取得し、ベルト湿度測定部は、湿度センサ62を介して、搬送ベルト2の表面湿度を取得する。判定部352は、ベルト温度測定部351において再度取得された温度が、予め定められた範囲内に収まるか否かを判定する。このように、ステップS701からS712で行われた処理と同様の処理を、搬送ベルト2の表面温度が予め定められた範囲内に収まり、且つ、搬送ベルト2の表面湿度が許容範囲に収まるまで繰り返す。
ステップS709において、ベルト湿度測定部の機能として、湿度センサ62が測定した湿度を取得する処理を行う。
ステップS705にて否定判定の場合、ステップS710において、判定部352は、測定された湿度が許容範囲内に収まるか否かを判定する。
否定判定の場合、ステップS711において、吹出温度決定部353は、第3の吹出温度を、搬送ベルト2に吹き付ける風の吹出温度として決定する。具体的には、測定された湿度が、許容される下限値を下回った場合、湿度が高くなるように、吹出温度を下げる処理を行う。この場合、例えば、吹出温度の下限温度を下回らないようにして行う。また、測定された湿度が、許容される上限値を上回った場合、湿度が低くなるように、吹出温度を上げる処理を行う。この場合、例えば、吹出温度の上限温度を上回らないようにして行う。
ステップS712において、吹出制御部354は、決定された第3の吹出温度で搬送ベルト2に風を吹き付ける指示を温度調節部6に送信する。温度調節部6は、受信した指示に基づいて、第3の吹出温度で風の吹出しを開始し、搬送ベルトの表面に対して風の吹き付けを開始する。
一方、ステップS710にて肯定判定の場合、吹出制御部354は、吹出しの停止指示を温度調節部6に送信する。温度調節部6は、受信した指示に基づいて、搬送ベルト2の表面に対する風の吹出しを停止して、処理を終了する。なお、この停止指示を受信する前から、吹出しを停止していた場合、例えば、温度調節部6は吹出し停止状態を維持したまま待機する。
第3の吹出温度の風の吹出しの開始から一定時間の経過後、再び、ベルト温度測定部351は、温度センサ61を介して、搬送ベルト2の表面温度を取得し、ベルト湿度測定部は、湿度センサ62を介して、搬送ベルト2の表面湿度を取得する。判定部352は、ベルト温度測定部351において再度取得された温度が、予め定められた範囲内に収まるか否かを判定する。このように、ステップS701からS712で行われた処理と同様の処理を、搬送ベルト2の表面温度が予め定められた範囲内に収まり、且つ、搬送ベルト2の表面湿度が許容範囲に収まるまで繰り返す。
プリント装置600は、上記判定部352を備えずに、テーブルを参照して搬送ベルト2の表面温度および表面湿度を調整してもよい。具体的には、測定された温度および湿度と、搬送ベルトに吹き付ける風の吹出温度との組合せを予め格納し、且つ、その組合せを細かく規定した次の表2のようなテーブルを参照して搬送ベルト2の表面温度および表面湿度を調整してもよい。
表2の左端の縦項目は測定された温度を、上端の横項目は測定された湿度を、中の項目は搬送ベルト2に吹き付ける風の吹出温度を表す。
吹出温度決定部353は、上記テーブルを参照して、例えば、ベルト温度測定部351で測定した温度が「tm80(℃)」であり、ベルト湿度測定部で測定した湿度が「hm70(%)」であった場合、紐付けられた吹出温度「tb15(℃)」の情報を取得する。そして、吹出制御部354は、取得された「tb15(℃)」の吹出温度で風をシート1に吹き付けるように、温度調節部6に対して指示を送信する。なお、上記表2に示すようなテーブルは、ROM302に格納されたものとすることができる。
本発明の第3の実施形態は、プリント部3のプリント位置に案内された搬送ベルト2の表面温度や表面湿度を適切に設定し保持することが可能となる。そのため、他の実施形態と比較して、搬送ベルト2の搬送精度がより一層保持可能となり、その結果、シートにプリントされる画像の品位をより一層安定させることが可能となる。
<その他>
本発明の第1の実施形態から第3の実施形態は、シート1を保持し、プリント部3によるプリント位置に搬送するべく周回する搬送ベルト2と、搬送ベルト2の温度を調節する温度調節部と、を備える搬送装置によって構成されてもよい。この場合、温度調節部は、搬送ベルト2の周回の経路上、当該プリント位置より上流側(シート1が供給される側)において、配置される。
本発明の第1の実施形態から第3の実施形態は、シート1を保持し、プリント部3によるプリント位置に搬送するべく周回する搬送ベルト2と、搬送ベルト2の温度を調節する温度調節部と、を備える搬送装置によって構成されてもよい。この場合、温度調節部は、搬送ベルト2の周回の経路上、当該プリント位置より上流側(シート1が供給される側)において、配置される。
第1の実施形態から第3の実施形態では、温度調節部に備えられた温度調節ユニットが、加熱部と冷却部の双方を備える場合を説明したが、冷却機能で充分であれば、冷却部のみを備えた温度調節ユニットであっても良い。
第1の実施形態から第3の実施形態は、フルライン形式のプリントヘッドを備えたプリント装置に適用されるが、これに限られない。プリントヘッドの主走査方向の移動と、シート1の副走査方向の搬送とが連動して画像をプリントするいわゆるシリアルスキャンタイプのプリント装置にも適用可能である。
第1の実施形態から第3の実施形態に係るプリント装置は、上記実施形態に限定されず、他の方式のプリント装置であってもよい。例えば、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。また、本発明は液体をシートに付与することでプリントを行うインクジェットプリント装置に適用して好適なものである。しかしながら、シートを搬送しつつシートにプリントが行われるプリント装置の搬送ベルトの状態を安定化させるという観点から、他の形式のプリント装置に適用されても良い。
第1の実施形態から第3の実施形態で用いられるシートは、供給側ロールから給紙される連続紙に限られない。例えば、供給側の給紙部から1枚ずつ供給されて搬送ベルトに保持されるカットシート状のものでもよい。
第1の実施形態から第3の実施形態は、片面プリントのほか、両面プリントの場合にも適用可能である。シートがロール紙である場合、排紙側に巻き取りロールを設け、片面プリントされたシートを乾燥後に巻き取り、巻き取られたシートを反転させて搬送ベルトに保持し、プリント部のプリント位置に再度搬送させて両面プリントを行う。また、シートが枚葉紙である場合、片面プリントされたシートを乾燥後に反転させて搬送ベルトに保持し、プリント部のプリント位置に再度搬送させて両面プリントを行う。
1 シート
2 搬送ベルト
3 プリント部
4 乾燥部
5、6 温度調節部
2 搬送ベルト
3 プリント部
4 乾燥部
5、6 温度調節部
Claims (6)
- シートを保持して搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトにより搬送されるシートにプリントを行うプリント部と、
前記プリント部でプリントされ、前記搬送ベルトにより搬送されるシートを乾燥させる乾燥部と、
前記搬送ベルトの温度を調節する調節部と
を有し、
前記調節部は、前記搬送ベルトの周回方向において前記乾燥部から前記プリント部に至る経路の途中に設けられていることを特徴とするプリント装置。 - 前記搬送ベルトは少なくとも2つローラにより回転可能に保持され、前記2つのローラの間で回転する前記搬送ベルトの一方の側に前記プリント部と前記乾燥部とが設けられており、他方の側に前記調節部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のプリント装置。
- 前記乾燥部は加熱手段を備え、前記調節部は冷却手段を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のプリント装置。
- 前記調節部は、前記冷却手段とともに加熱手段を備えることを特徴とする、請求項3に記載のプリント装置。
- 前記調節部は、少なくとも温度を含む前記搬送ベルトの表面の条件に基づいて前記搬送ベルトの温度を調節することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプリント装置。
- 前記調節部は、前記条件が所定の範囲内に収まるように、前記搬送ベルトの温度を調節することを特徴とする、請求項5に記載のプリント装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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CN113442619A (zh) * | 2020-03-24 | 2021-09-28 | 卡西欧计算机株式会社 | 造形装置及造形物的制造方法 |
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-
2015
- 2015-02-16 JP JP2015027089A patent/JP2016150439A/ja active Pending
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