JP5790838B2 - 画像記録装置、及び、画像記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像記録装置、及び、画像記録方法に関する。
画像記録装置として、紙などの媒体に対してヘッドからインクを吐出して画像を印刷するプリンターがある。プリンターの中には、ヘッドに対して媒体が一定の姿勢となるようにプラテンで媒体を支持し、プラテン上の媒体が一定の位置に保持されるように、プラテンに吸引孔を設けて吸引孔から媒体を吸引するプリンターがある。
また、画像が印刷された媒体を加熱することによって、媒体に画像を定着させる乾燥部(加熱部)を有するプリンターも提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−125830号公報
媒体の搬送時には、媒体に対するプラテンの吸引力を下げると良い。特に、印刷の途中でプラテンの吸引力を下げることで、印刷が終了した後すぐに媒体を搬送することができ、全体の作業時間を短縮することができる。ただし、印刷中にも媒体の搬送経路の下流側から媒体に対して張力を付与するプリンターでは、印刷途中にプラテンの吸引力を下げてしまうと、乾燥部にて媒体が収縮した際に、プラテン上の媒体が乾燥部側に引っ張られてしまう。そうすると、印刷中にプラテン上の媒体の位置がずれ、印刷画像の画質が劣化してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記録画像の画質劣化を抑制することにある。
上記課題を解決するための主たる発明は、(A)画像記録領域に位置する媒体に画像を記録する記録部と、(B)前記画像記録領域に位置する前記媒体を、吸引孔の開口部が設けられた支持面で支持する媒体支持部と、(C)前記吸引孔を介して前記媒体支持部に支持された前記媒体を吸引する吸引部と、(D)搬送ローラーにより前記媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送部であって、前記画像記録領域よりも前記搬送経路の下流側に位置する前記搬送ローラーを回転させるモーターを有する搬送部と、(E)前記媒体に記録された画像を定着させる加熱部であって、前記画像記録領域よりも前記搬送経路の下流側であり、前記モーターにより回転する前記搬送ローラーよりも前記搬送経路の上流側に位置する加熱部と、(F)前記搬送部による前記媒体の搬送動作と前記記録部による画像の記録動作とを繰り返し実行させ、前記記録動作の途中に、前記媒体に対する前記吸引部の吸引力を第1の吸引力から前記第1の吸引力よりも低い第2の吸引力に下げ、前記記録動作中であり前記吸引部の吸引力が前記第1の吸引力よりも低い吸引力である期間に前記モーターで発生する第1のトルクを、前記搬送動作中に前記モーターで発生する第2のトルクよりも、低くする制御部と、(G)を備えたことを特徴とする画像記録装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンターの全体構成ブロック図である。 プリンターの概略を示す断面図である。 比較例の印刷処理を説明する図である。 比較例の印刷処理におけるロール紙のずれを説明する図である。 本実施形態の印刷処理を説明する図である。 図6A及び図6Bは、変形例の印刷処理を説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
即ち、(A)画像記録領域に位置する媒体に画像を記録する記録部と、(B)前記画像記録領域に位置する前記媒体を、吸引孔の開口部が設けられた支持面で支持する媒体支持部と、(C)前記吸引孔を介して前記媒体支持部に支持された前記媒体を吸引する吸引部と、(D)搬送ローラーにより前記媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送部であって、前記画像記録領域よりも前記搬送経路の下流側に位置する前記搬送ローラーを回転させるモーターを有する搬送部と、(E)前記媒体に記録された画像を定着させる加熱部であって、前記画像記録領域よりも前記搬送経路の下流側であり、前記モーターにより回転する前記搬送ローラーよりも前記搬送経路の上流側に位置する加熱部と、(F)前記搬送部による前記媒体の搬送動作と前記記録部による画像の記録動作とを繰り返し実行させ、前記記録動作の途中に、前記媒体に対する前記吸引部の吸引力を第1の吸引力から前記第1の吸引力よりも低い第2の吸引力に下げ、前記記録動作中であり前記吸引部の吸引力が前記第1の吸引力よりも低い吸引力である期間に前記モーターで発生する第1のトルクを、前記搬送動作中に前記モーターで発生する第2のトルクよりも、低くする制御部と、(G)を備えたことを特徴とする画像記録装置である。
このような画像記録装置によれば、記録動作中に媒体支持部に支持された媒体の位置がずれてしまうことを防止でき、記録画像の画質劣化を抑制することができる。
かかる画像記録装置であって、前記制御部は、前記搬送動作の終了後であり前記記録動作の開始前に、前記モーターで発生するトルクを前記第1のトルクに変更すること。
このような画像記録装置によれば、記録動作中に媒体支持部に支持された媒体の位置がずれてしまうことを防止でき、記録画像の画質劣化を抑制することができる。
かかる画像記録装置であって、前記制御部は、前記搬送動作の終了後に、前記吸引部の吸引力を前記第2の吸引力から前記第1の吸引力に上げ、前記吸引部の吸引力が前記第1の吸引力に達した後に、前記モーターで発生するトルクを前記第1のトルクに変更すること。
このような画像記録装置によれば、媒体が張っている状態で、媒体支持部に媒体を吸引吸着させることができる。
また、(A)画像記録領域に位置する媒体に画像を記録する記録部と、(B)前記画像記録領域に位置する前記媒体を、吸引孔の開口部が設けられた支持面で支持する媒体支持部と、(C)前記吸引孔を介して前記媒体支持部に支持された前記媒体を吸引する吸引部と、(D)搬送ローラーにより前記媒体を搬送経路に沿って搬送する搬送部であって、前記画像記録領域よりも前記搬送経路の下流側に位置する前記搬送ローラーを回転させるモーターを有する搬送部と、(E)前記媒体に記録された画像を定着させる加熱部であって、前記画像記録領域よりも前記搬送経路の下流側であり、前記モーターにより回転する前記搬送ローラーよりも前記搬送経路の上流側に位置する加熱部と、(F)前記搬送部による前記媒体の搬送動作と前記記録部による画像の記録動作とを繰り返し実行させ、前記記録動作の途中に、前記媒体に対する前記吸引部の吸引力を第1の吸引力から前記第1の吸引力よりも低い第2の吸引力に下げ、前記記録動作中であり前記吸引部の吸引力が前記第1の吸引力よりも低い吸引力である期間に前記モーターで発生する第1のトルクを、前記搬送動作中に前記モーターで発生する第2のトルクよりも、低くする制御部と、(G)を備えた画像記録装置を用いて前記媒体に画像を記録することを特徴とする画像記録方法である。
このような画像記録方法によれば、記録動作中に媒体支持部に支持された媒体の位置がずれてしまうことを防止でき、記録画像の画質劣化を抑制することができる。
===プリンターについて===
以下、「画像記録装置」としてインクジェットプリンター(以下、プリンター)を例に挙げて実施形態を説明する。
図1は、プリンター1の全体構成ブロック図である。図2は、プリンター1の概略を示す断面図である。本実施形態のプリンター1は、媒体として、ロール紙S(連続紙)に画像を印刷する。また、プリンター1はコンピューター2と通信可能に接続されており、コンピューター2が、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データを作成する。なお、コンピューター2の機能がプリンター1内に内蔵されていてもよい。
コントローラー10(制御部に相当)は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11はコンピューター2とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12はユニット制御回路14に従って各ユニットを制御する。なお、プリンター1内の状況を検出器群70が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
給送ユニット20は、ロール紙Sを搬送ユニット30に給送するものである。給送ユニット20は、ロール紙Sが巻かれ回転可能に支持される巻軸21と、巻軸21から繰り出されたロール紙Sを巻き掛けて搬送ユニット30に導くための中継ローラー22と、を有している。なお、給送ユニット20は、プリンター1の本体部1’の外部に位置する。
搬送ユニット30(搬送部に相当)は、複数の搬送ローラーにより、給送ユニット20から送られたロール紙Sを、予め設定された搬送経路に沿って上流側から下流側へと搬送するものである。搬送ユニット30は、複数の中継ローラー31a〜31fと、供給ローラー32、排出ローラー33と、搬送駆動ローラー34とを有する。ロール紙Sがこれらのローラーを順次経由して移動することにより、ロール紙Sを搬送するための搬送経路が形成されることになる。
供給ローラー32は、印刷領域の直ぐ上流側の位置に設けられ、対を成すローラー32a,32bから構成される。ロール紙Sはこの2つのローラー32a,32bに挟持される。そして、一方のローラーは第1のモーターM1により回転する供給駆動ローラー32aであり、他方のローラーは供給駆動ローラー32aに連動して回転する供給従動ローラー32bである。
また、搬送駆動ローラー34は、印刷領域よりも搬送経路の下流側であり、且つ、乾燥炉51(後述)よりも搬送経路の下流側の位置に設けられている。そして、搬送駆動ローラー34は、第2のモーターM2(搬送部が有するモーターに相当)により回転する駆動ローラーである。
コントローラー10は、印刷領域に位置するロール紙Sに画像を印刷させた後、画像が印刷されたロール紙Sの部位を印刷領域から排出させ、未だ画像が印刷されていないロール紙Sの部位を印刷領域に供給させる。即ち、コントローラー10は、印刷動作とロール紙Sの搬送動作を交互に繰り返し実行させる。
また、コントローラー10は、第1のモーターM1を位置制御し、第2のモーターM2をトルク制御する。そして、コントローラー10は、搬送動作時に、第1のモーターM1が所定の回転量を回転するように制御し、第2のモーターM2で所定のトルクが発生するように制御する。よって、搬送動作時には、第2のモーターM2で発生するトルクにより搬送駆動ローラー34が回転し、ロール紙Sを搬送経路の下流側へ搬送しようとする張力がロール紙Sに付与される。また、それと同時に、第1のモーターM1により供給ローラー32も回転する。その結果、搬送動作時にロール紙Sは搬送経路の下流側へ搬送される。
なお、搬送動作時に第1のモーターM1が回転する回転量は、1回の搬送動作で搬送するロール紙Sの長さに対応している。また、搬送動作時に第2のモーターM2で発生するトルクは、搬送動作時にロール紙Sがばたつかないような張力がロール紙Sに付与されるように設定されている。
また、搬送動作時に給送ユニット20(巻軸21)からのロール紙Sの繰り出しが追いつかない場合がある。そこで、給送ユニット20と印刷領域の間に位置する中継ローラー31a,31bに、1回の搬送動作で搬送する分のロール紙Sを巻き掛けて弛ませておく。そして、プリンター1の下方に位置する中継ローラー31bを上下方向に稼動可能とする。そうすることで、搬送動作時に給送ユニット20からのロール紙Sの繰り出しが遅れた場合には、中継ローラー31bが持ち上がり、弛ませておいたロール紙Sが印刷領域に供給される。その結果、所定の長さのロール紙Sを所定の搬送時間で印刷領域に供給することができる。
記録ユニット40(記録部に相当)は、印刷領域に位置するロール紙Sに画像を印刷(記録)するものである。記録ユニット40は、キャリッジ41とヘッド42を有する。キャリッジ41は、ガイド軸(不図示)に案内されながら、ヘッド42をX方向(ロール紙Sが搬送される方向)及びY方向(ロール紙Sの幅方向)に移動させる。ヘッド42はロール紙Sにインクを吐出するためのものであり、ヘッド42の下面にはインク吐出部であるノズルが複数設けられている。ヘッド42がキャリッジ41と共にX方向及びY方向に移動しながらインクを吐出することで、ロール紙Sには2次元の画像が印刷される。
なお、ノズルからのインク吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて圧力室を膨張・収縮させてインクを吐出させるピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によってインクを吐出させるサーマル方式でもよい。
また、印刷領域に位置するロール紙Sは印刷面とは反対側の裏面側からプラテン43の上面で支持される。プラテン43の底面には負圧室45が接続され、負圧室45の底面には第1ファン機構46と第2ファン機構47とが並列に取り付けられている。なお、第2ファン機構47は2つのファン47a,47bから構成され、一方のファン47aの下側に他方のファン47bが取り付けられている。また、プラテン43には上下方向に貫通する吸引孔44が設けられ、負圧室45は吸引孔44を介して外部(プラテン31の上部)と連通している。即ち、プラテン43は、印刷領域に位置するロール紙Sを、吸引孔44の開口部が設けられた支持面(上面)で支持することになる。
第1ファン機構46及び第2ファン機構47は、負圧室45内の空気を外部に吐き出し、負圧室45内を負圧状態にする。その際に、プラテン43の支持面上の外気が吸引孔44を介して負圧室45内に吸引され、プラテン43上のロール紙Sはプラテン43の支持面に吸引吸着する。つまり、負圧室45、第1ファン機構46、及び、第2ファン機構47により、吸引孔44を介してプラテン43上のロール紙Sが吸引され、プラテン43上のロール紙Sが所定の位置に保持される。以下、負圧室45、第1ファン機構46、及び、第2ファン機構47を合わせて「吸引部」と呼ぶ。
また、プラテン43内部には複数のヒーター48(例えばニクロム線)が配設されている。ヒーター48が通電されることによりプラテン43の温度が上昇し、プラテン43上のロール紙Sの温度も上昇する。なお、プラテン43上のロール紙Sに対して熱が均一に伝導するように、プラテン43の全域に亘ってヒーター48が配設されている。その結果、プラテン43上のロール紙Sに着弾したインクの乾燥を促進することができ、印刷画像におけるインクの滲みを抑制できる。
乾燥ユニット50(加熱部に相当)は、ロール紙Sに印刷された画像を定着させるための乾燥炉51を有する。乾燥炉51は、印刷領域よりも搬送経路の下流側であり、第2のモーターM2により回転する搬送駆動ローラー34よりも搬送経路の上流側に位置する。また、乾燥炉51は、複数のファン52と、複数のヒーター53を有する。乾燥炉51では、乾燥炉51内に供給されたロール紙Sの印刷面に対して、ヒーター53により加熱された空気がファン52により吹付けられる。その結果、ロール紙Sに印刷された画像を構成するインクを乾燥させることができ、ロール紙Sに印刷された画像をロール紙Sに定着させることができる。そのため、印刷済みのロール紙Sをロール状に巻き取ったとしても、ロール紙Sの裏面がインクで汚れてしまうことを防止でき、高品質な印刷物を提供することができる。なお、乾燥炉51の構成はこれに限らず、ロール紙Sに吹付けた高温の空気が乾燥炉51内で対流する構成にしても良いし、ヒーター53により乾燥炉51内の空気を加熱するだけの構成にしても良い。
巻取りユニット60は、搬送ユニット30により送られたロール紙S(印刷済みのロール紙S)を巻き取るためのものである。巻取りユニット60は、搬送駆動ローラー34から送られてきたロール紙Sを巻き掛けて搬送する中継ローラー61と、ロール紙Sを巻き取る巻取り駆動軸62とを有する。なお、巻取りユニット60は、プリンター1の本体部1’の外部に位置する。
===高吸引モード・低吸引モード===
前述のように、本実施形態のプリンター1では、吸引部(負圧室45、第1ファン機構46、及び、第2ファン機構47)により、吸引孔44を介してプラテン43に支持されたロール紙Sをプラテン43の支持面に吸引吸着させる。
印刷動作中は、プラテン43上のロール紙Sを所定の位置に保持し、且つ、インクの水分でロール紙Sが膨潤したとしてもロール紙Sが平坦な状態で保持されるように、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引吸着力を出来る限り強くしたい。印刷動作中のロール紙Sが平坦な状態で保持されることで、プラテン43内のヒーター48の熱がプラテン43上のロール紙Sに伝わり易くなり、インクの滲みを抑制できる。また、ロール紙S上の正しい位置にインク滴を着弾させたり、ロール紙Sとヘッド42の接触を防止したりすることができる。
一方、搬送動作中は、搬送に対する大きな抵抗とならないように、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引吸着力を、ロール紙Sがばたつかない程度に、出来る限り弱くしたい。
つまり、搬送動作中は印刷動作中に比べて、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引部の吸引力を弱くしたい。そこで、本実施形態のプリンター1では、ロール紙Sに対する吸引部の吸引力を高い吸引力(第1の吸引力に相当)とする「高吸引モード」と、ロール紙Sに対する吸引部の吸引力を高吸引モード時の吸引力よりも低い吸引力(第2の吸引力に相当)とする「低吸引モード」を、設ける。そして、コントローラー10が高吸引モードと低吸引モードを切り替え可能とする。
コントローラー10は、印刷動作中は高吸引モードに設定し、搬送動作中は低吸引モードに設定する。そうすることで、印刷動作中は、プラテン43上のロール紙Sを所定の位置に平坦な状態で保持することができ、搬送動作中は、ロール紙Sをスムーズに搬送することができる。逆に言えば、搬送動作中に低吸引モードに設定することで、搬送ユニット30によるロール紙Sの搬送力が弱くても(具体的には第2のモーターM2のトルク値が低くとも)、ロール紙Sを搬送することができる。よって、コストダウンや省電力化を図ることができる。
プラテン43上のロール紙Sに対する吸引力を変更するためには、負圧室45内の負圧を変えればよい。負圧室45内の負圧を高くすることで(圧力を下げることで)、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引力を高めることができ、負圧室45内の負圧を低くすることで(圧力を上げることで)、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引力を低くすることができる。
なお、負圧室45内の圧力(負圧)は、搬送ユニット30によるロール紙Sの搬送力やロール紙Sの種類等に応じて設定すればよく、例えば、高吸引モードでは負圧室45内の圧力を大気圧よりも805Pa低い圧力にし、低吸引モードでは負圧室45内の圧力を大気圧よりも140Pa低い圧力にする。また、負圧室45に、負圧室45内の圧力を検出する圧力センサー(不図示)を設け、負圧室45内の圧力が所望の圧力(負圧)であるか否かを確認するようにしてもよい。
本実施形態のプリンター1では、モードに応じて負圧室45内の負圧を変えるために、高吸引モード時には、第1ファン機構46と第2ファン機構47の両方をオン状態にし、低吸引モード時には、第1ファン機構46をオン状態にし、第2ファン機構47をオフ状態にする。
これは、第2ファン機構47のように2つのファン47a,47bを直列に配置する方が(ファンの軸が同軸上に位置するように配置する方が)、同一特性の1つのファン(第1ファン機構46)よりも、静圧を向上させることができるからである。即ち、1つのファンから構成される第1ファン機構46が負圧室45内の空気を吐き出すよりも、2つのファンが直列配置された第2ファン機構47が負圧室45内の空気を吐き出す方が、負圧室45内の負圧を高くすることができる。
また、低吸引モード時には、第2ファン機構47がオフ状態となるため、第1ファン機構46により負圧室45内の空気が外部に吐き出されつつ、第2ファン機構47により負圧室45内が大気開放される。そのため、負圧室45内の負圧は直ぐに低下し(圧力が上がり)、高吸引モードから低吸引モードへの切り替えを速やかに行うことができる。
なお、負圧室45内の負圧を変化させるために、1つのファンから構成される第1ファン機構46と、2つのファン47a,47bが直列配置された第2ファン機構47と、を並列に配置した構成にするに限らない。例えば、ファンの回転数を変化させることによっても、負圧室45内の負圧を変化させることができる。
===印刷処理===
<比較例の印刷処理>
図3は、比較例の印刷処理を説明する図であり、図4は、比較例の印刷処理におけるロール紙Sのずれを説明する図である。図3の上図は、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引部の吸引力と時間との関係を示すグラフであり、図3の中央図は、ロール紙Sの搬送速度と時間との関係を示すグラフであり、図3の下図は、搬送駆動ローラー34を回転させる第2のモーターM2で発生するトルクと時間との関係を示すグラフである。「時間0〜t2」にて印刷動作が行われ、「時間t2〜t5」にて搬送動作が行われる。
前述のように、印刷動作時は、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引部の吸引力を強くすることが好ましく、搬送動作時は、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引部の吸引力を弱くすることが好ましい。しかし、印刷動作の間中ずっと高吸引モードの状態を維持し、印刷動作の終了後に高吸引モードから低吸引モードへ切り替えるとすると、印刷動作の終了後すぐに搬送動作に移行することが出来ない。即ち、印刷動作と搬送動作の間に、高吸引モードから低吸引モードへの切替動作が必要となり、全体の作業時間が長くなってしまう。
そこで、比較例では、印刷動作の途中に、高吸引モードから低吸引モードへ切り替える。ここでは、コントローラー10が、印刷動作の途中である「時間t1」において、高吸引モードから低吸引モードへ切り替える。そうすることで、高吸引モードから低吸引モードへの切替動作が印刷動作と並行して行われるため、全体の作業時間を短縮することができる。なお、搬送動作の終了後は、低吸引モードから高吸引モードへの切替動作が行われ、その後再び印刷動作が開始する。
そして、搬送動作の期間(t2〜t5)は、図3の中央図に示すように、ロール紙Sの動き始めの加速時(t2〜t3)と、ロール紙Sが一定の速度Vで搬送される定速時(t3〜t4)と、ロール紙Sが停止する前の減速時(t4〜t5)の3つの期間に分けられる。なお、搬送動作時以外の時は、ロール紙Sの搬送速度は0である。
コントローラー10は、第2のモーターM2で発生するトルクを制御し、第2のモーターM2により回転する搬送駆動ローラー34を介して、ロール紙Sに、ロール紙Sを搬送するための張力を付与する。よって、コントローラー10は、図3の中央図に示される搬送速度でロール紙Sが搬送されるように、第2のモーターM2のトルクを制御する。
具体的には、図3の下図に示されるように、加速時(t2〜t3)に最も高いトルクT1が第2のモーターM2で発生し、定速時(t3〜t4)に加速時のトルクT1よりも低いトルクT2が第2のモーターM2で発生し、減速時(t4〜t5)に最も低いトルクT4が第2のモーターM2で発生するように、コントローラー10は第2のモーターM2のトルクを制御する。なお、コントローラー10は、第2のモーターM2に流す電流値を制御することで、第2のモーターM2で発生するトルクを制御する。
そして、比較例では、搬送動作時以外の時(0〜t2、t5以降)にも、ロール紙Sに比較的に高い張力を付与する。そのために、コントローラー10は、搬送動作時以外の時に、減速時のトルクT4よりも高いトルクT3が第2のモーターM2で発生するように制御する。
一方、印刷領域の上流側の供給ローラー32を回転させる第1のモーターM1は位置制御されており、搬送動作の終了後、供給ローラー32に挟持されたロール紙Sの部位は、その位置に留まるように制御される。
よって、搬送動作時以外の時にも、供給ローラー32と搬送駆動ローラー34の間のロール紙Sは、弛むことなく張った状態となる。ゆえに、乾燥炉51内のファン52とロール紙Sの接触を防止したり、スムーズに次の搬送動作を行うことが出来たりする。
ところで、プリンター1では、図4に示すように、印刷領域よりも搬送経路の下流側であり、第2のモーターM2で回転する搬送駆動ローラー34よりも搬送経路の上流側の位置に、乾燥炉51が設けられている。乾燥炉51内は、ロール紙Sに印刷された画像を定着させるために、高温(例えば75度)となっている。そのため、乾燥炉51内に位置するロール紙Sの部位は、ロール紙S内の水分やインクの蒸発と共に、乾燥炉51の中央部に向かって収縮する。
この比較例では、搬送動作時以外の時にもロール紙Sに比較的に高い張力が付与される。ただし、高吸引モード時は、吸引部の吸引力F1、即ち、プラテン43上のロール紙Sをその位置に保持する力が強い。よって、高吸引モード時は、第2のモーターM2によりロール紙Sに付与される張力(ロール紙Sを搬送経路の下流側に引っ張る力)よりも、プラテン43上のロール紙Sをその位置に保持する力の方が、強くなる。ゆえに、高吸引モード時に、乾燥炉51内のロール紙Sが収縮すると、搬送駆動ローラー34側のロール紙S(乾燥炉51よりも搬送経路の下流側のロール紙S)が乾燥炉51側に引っ張られる。
一方、吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である時は(即ち、切替動作時や低吸引モード時は)、第2のモーターM2によりロール紙Sに付与される張力よりも、プラテン43上のロール紙Sをその位置に保持する力の方が、弱くなってしまう。ゆえに、切替動作時や低吸引モード時に、乾燥炉51内のロール紙Sが収縮すると、図4に示すように、プラテン43側のロール紙S(乾燥炉51よりも搬送経路の上流側のロール紙S)が乾燥炉51側に引っ張られてしまう。
この比較例では、全体の作業時間の短縮のために、印刷動作の途中に、高吸引モードから低吸引モードへ切替る。そのため、高吸引モードから低吸引モードへの切替え後(図3では切替動作時:時間t1〜t2)に、乾燥炉51内のロール紙Sが収縮すると、印刷動作中であるにもかかわらず、プラテン43上のロール紙Sが乾燥炉51側(搬送経路の下流側)に引っ張られ、画像の印刷位置がずれてしまう。詳しく言うと、高吸引モード時に印刷された画像の位置に対して、高吸引モードから低吸引モードへの切替え後に印刷される画像の位置が、搬送経路の上流側にずれてしまう。その結果、印刷画像の画質が劣化してしまう。
そこで、本実施形態では、印刷画像の画質劣化を抑制することを目的とする。
<本実施形態の印刷処理>
図5は、本実施形態の印刷処理を説明する図である。図5の上図は、プラテン43上のロール紙Sに対する吸引部の吸引力と時間との関係を示すグラフであり、図5の中央図は、ロール紙Sの搬送速度と時間との関係を示すグラフであり、図5の下図は、搬送駆動ローラー34を回転させる第2のモーターM2で発生するトルクと時間との関係を示すグラフである。なお、「時間0〜t2」にて印刷動作が行われ、「時間t2〜t5」にて搬送動作が行われるとする。
本実施形態でも、比較例と同様に、全体の作業時間の短縮のために、印刷動作の途中(時間t1)に高吸引モードから低吸引モードへ切替える。つまり、コントローラー10は、印刷動作の途中に、ロール紙Sに対する吸引部の吸引力を、高い吸引力F1(第1の吸引力に相当)から低い吸引力F2(第2の吸引力に相当)に下げる。
ただし、比較例の印刷動作中は(図3の下図)、第2のモーターM2で発生するトルクT3を減速時(搬送動作時)のトルクT4よりも高いトルクとするのに対して、本実施形態の印刷動作中は(図5の下図)、第2のモーターM2で発生するトルクT5を減速時のトルクT4よりも低くトルクとする。以下、減速時のトルクT4よりも低いトルクT5を「微小トルクT5」とも言う。
より詳しく言うと、本実施形態のプリンター1では、印刷領域よりも搬送経路の下流側の位置であり、第2のモーターM2により回転する搬送駆動ローラー34よりも搬送経路の上流側の位置に乾燥炉51が設けられ、コントローラー10は、印刷動作の途中に高吸引モードから低吸引モードに切り替え、且つ、印刷動作中であり吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である期間に第2のモーターM2で発生するトルクT5(第1のトルクに相当)を、搬送動作中に第2のモーターM2で発生するトルクT1,T2,T4(第2のトルクに相当)よりも低くしている。
よって、本実施形態では、印刷動作中であり吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である期間に第2のモーターM2で発生する微小トルクT5を、その微小トルクT5によりロール紙Sに付与される張力よりもプラテン43上のロール紙Sがその位置に保持される力の方が強くなるほどに、低くすることができる。
そのため、本実施形態では、印刷動作中に高吸引モードから低吸引モードに切替えられ、吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも弱まった後に、乾燥炉51内のロール紙Sが収縮したとしても、高吸引モード時と同様に、搬送駆動ローラー34側のロール紙S(乾燥炉51よりも搬送経路の下流側のロール紙S)が乾燥炉51側に引っ張られる。即ち、本実施形態では、印刷動作中に高吸引モードから低吸引モードに切り替えたとしても、印刷動作中にプラテン43上のロール紙Sの位置がずれてしまうことを防止でき、画像の印刷位置ずれを防止できる。つまり、本実施形態では、全体の作業時間を短縮しつつ、印刷画像の画質劣化を抑制することができる。
なお、印刷動作中であり吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である期間とは、図5では切替動作の期間(時間t1〜t2)が該当する。
また、本実施形態では、印刷動作中であり吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である期間(t1〜t2)にも、微小ではあるが、第2のモーターM2にトルクT5を発生させている。仮に、この期間(t1〜t2)に、第2のモーターM2に全くトルクを発生させないとすると(即ち、第2のモーターM2のトルクを0にしてしまうと)、搬送駆動ローラー34と印刷領域の間のロール紙Sが弛んでしまう。そうすると、乾燥炉51内のファン52とロール紙Sが接触してしまったり、次の搬送動作をスムーズに行うことが出来なかったりする。
一方、比較例(図3)のように、この期間(t1〜t2)に、第2のモーターM2に必要以上のトルク(即ち、減速時のトルクT4よりも大きなトルクT3)を発生させてしまうと、乾燥炉51でのロール紙Sの伸縮により、プラテン43側のロール紙Sの位置がずれてしまう。そうすると、画像の印刷位置がずれ、印刷画像の画質が劣化してしまう。
そこで、本実施形態のように、印刷動作中であり吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である期間(t1〜t2)には、第2のモーターM2に微小トルクT5を発生さるとよい。そうすることで、搬送駆動ローラー34と印刷領域の間のロール紙Sの弛みを防止しつつ、画像の印刷位置ずれを防止することができる。
つまり、本実施形態では、印刷動作中であり吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である期間(t1〜t2)において、乾燥炉51内でロール紙Sが伸縮した際に、第2のモーターM2が搬送動作時とは逆方向に回転する程度の微小トルクT5を、第2のモーターM2に発生させる。言い換えると、プラテン43上のロール紙Sがその位置に保持される力よりも、微小トルクT5によりロール紙Sに付与される張力の方が圧倒的に弱くなるように、第2のモーターM2で発生するトルクT5を微小にする。
例えば、この期間(t1〜t2)において、比較例では第2のモーターM2に33Nのトルクを発生させるのに対して、本実施形態では第2のモーターM2に1N以下のトルク(ただし0Nは含まない)を発生させるようにするとよい。なお、コントローラー10は、第2のモーターM2に流す電流値を制御することによって、第2のモーターM2で発生するトルクを制御する。よって、この期間(t1〜t2)において、例えば、比較例では第2のモーターM2に1Aの電流を流すのに対して、本実施形態では第2のモーターM2に0.27Aの電流を流すようにするとよい。
また、印刷動作中であっても高吸引モード時であれば(時間0〜t1)、第2のモーターM2で発生するトルクを微小トルクT5よりも大きいトルクにしていたとしても、乾燥炉51でのロール紙Sの伸縮によりプラテン43側のロール紙Sがずれてしまう虞はない。ただし、第1のモーターM1は位置制御されている。そのため、搬送動作の終了後は、第1のモーターM1がその位置に留まろうとする力(即ち、供給ローラー32に挟持されたロール紙Sがその位置に留まろうとする力)と、第2のモーターM2によりロール紙Sに付与される張力とが、釣り合った状態で安定している。
この釣り合った状態において第2のモーターM2のトルク値を変動させると、トルク値を変動させた瞬間に、供給ローラー32に挟持されたロール紙Sがその位置に留まろうとする力と第2のモーターM2によりロール紙Sに付与される張力とのバランスが崩れてしまう場合がある。バランスが崩れた瞬間に、プラテン43上のロール紙Sが搬送経路の上流側(第1のモーターM1側)にずれてしまう虞がある。そのため、印刷動作中に、第2のモーターM2のトルクを、例えば減速時のトルクT4から微小トルクT5に下げるとすると、画像の印刷位置がずれてしまう虞がある。
そこで、本実施形態では、搬送動作の終了後であり印刷動作の開始前に(図5のt5〜t6の間に)、第2のモーターM2で発生するトルクを微小トルクT5に変更する。即ち、コントローラー10が、搬送動作の終了後であり印刷動作の開始前に、第2のモーターM2で発生するトルクを、減速時のトルクT4(搬送動作時のトルク)から微小トルクT5に下げる。ここでは、図5の下図に示すように、印刷動作の開始直前(時間t6)に、第2のモーターM2で発生するトルクを減速時のトルクT4から微小トルクT5に下げている。
そうすることで、印刷動作中は第2のモーターM2のトルクが変動しないため、供給ローラー32に挟持されたロール紙Sがその位置に留まろうとする力と第2のモーターM2によりロール紙Sに付与される張力とのバランスが崩れてしまうことを防止できる。よって、印刷動作中に、プラテン43上のロール紙Sの位置がずれ、画像の印刷位置がずれてしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、搬送動作の終了後に低吸引モードから高吸引モードへの切替動作を行い(吸引部の吸引力を第2の吸引力から第1の吸引力に上げ)、吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1に達した後に、第2のモーターM2で発生するトルクを微小トルクT5に変更する。即ち、コントローラー10は、吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1に達した後に、第2のモーターM2で発生するトルクを、減速時のトルクT4(搬送動作時のトルク)から微小トルクT5に下げる。ここでは、図5の下図に示すように、切替動作の終了直後(時間t6)に、第2のモーターM2で発生するトルクを減速時のトルクT4から微小トルクT5に下げている。
そうすることで、第2のモーターM2に微小トルクT5よりも大きいトルク(ここでは減速時のトルクT4)が発生している状態で、低吸引モードから高吸引モードに切り替えることができる。即ち、ロール紙Sに比較的に大きい張力が付与されている状態で、低吸引モードから高吸引モードに切り替わる。そのため、ロール紙Sが弛まずに張っている状態で、ロール紙Sをプラテン43の支持面に吸引吸着させることができる。その結果、ロール紙Sにおける所定の部位を平坦な状態でプラテン43の支持面に吸引吸着させることができる。
なお、本実施形態では、全体の作業時間の短縮のために、印刷動作の途中に高吸引モードから低吸引モードに切り替えるが、印刷動作の後半に高吸引モードから低吸引モードへの切替動作を行うことが好ましい。更に言えば、印刷動作の終了時点(時間t2)から切替動作に要する時間を逆算した時点(時間t1)において、高吸引モードから低吸引モードへの切替動作を開始することが好ましい。そうすることで、印刷動作中において高吸引モードである時間を出来る限り長くすることができる。その結果、印刷動作中のより長い時間に亘って、プラテン43上のロール紙Sを所定の位置に平坦な状態で保持することができる。
<変形例>
図6A及び図6Bは、変形例の印刷処理を説明する図である。前述の実施形態(図5)では、切替動作の終了直後であり、印刷動作の開始直前である「時間t6」において、第2のモーターM2で発生するトルクを、減速時のトルクT4から微小トルクT5に下げているが、これに限らない。
例えば、図6Aに示すように、搬送動作の終了直後である「時間t5」において、第2のモーターM2で発生するトルクを、減速時のトルクT4から微小トルクT5に下げてもよい。この場合、印刷動作中であり吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である期間(図6Aの切替動作時、t1〜t2)において、乾燥炉51内でロール紙Sが伸縮したとしても、プラテン43上のロール紙Sの位置がずれてしまうことを防止でき、印刷画像の画質劣化を抑制することができる。
また、例えば、図6Bに示すように、搬送動作の終了後から印刷動作中の切替動作の開始前までの期間において、第2のモーターM2で発生するトルクを、微小トルクT5よりも高いトルク(例えば、減速時のトルクT4や減速時のトルクT4よりも高いトルクT3)に設定してもよい。そして、印刷動作中の切替動作の開始前までに、第2のモーターM2で発生するトルクを微小トルクT5に変更するようにしてもよい。
この場合、印刷動作中であり吸引部の吸引力が高吸引モード時の吸引力F1よりも低い吸引力である期間(図6Bの切替動作時、t1〜t2)において、乾燥炉51内でロール紙Sが伸縮したとしても、プラテン43上のロール紙Sの位置がずれてしまうことを防止でき、印刷画像の画質劣化を抑制することができる。
ただし、印刷動作中に第2のモーターM2で発生するトルクを変更してしまうと、供給ローラー32に挟持されたロール紙Sがその位置に留まろうとする力と第2のモーターM2によりロール紙Sに付与される張力とのバランスが崩れ、画像の印刷位置がずれてしまう虞がある。よって、前述の実施形態のように、印刷動作の開始前に、第2のモーターM2で発生するトルクを微小トルクT5に変更することが好ましい。
===その他の実施の形態===
本実施形態は、主として画像記録装置について記載されているが、画像記録方法等の開示も含まれる。また、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンターについて>
前述の実施形態では、印刷領域に位置するロール紙Sに対して、ヘッド42をX方向及びY方向に移動させながら画像を印刷するプリンター1を例に挙げているが、これに限らない。例えば、固定されたヘッドの下をロール紙Sが通過する際に画像を印刷するプリンターでもよい。
また、画像を記録する媒体はロール紙に限らず、単票紙でもよいし、ノズルからインク以外の他の流体を吐出することで媒体に画像を記録する画像記録装置であってもよい。
また、画像記録装置はプリンターに限らず、例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。
1 プリンター、1’ 本体部、2 コンピューター、10 コントローラー、11 インターフェース部、12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、20 給送ユニット、21 巻軸、22 中継ローラー、30 搬送ユニット、31a〜31f 中継ローラー、32 供給ローラー、33 排出ローラー、34 搬送駆動ローラー、M1 第1のモーター、M2 第2のモーター、40 記録ユニット、41 キャリッジ、42 ヘッド、43 プラテン、44 吸引孔、45 負圧室、46 第1ファン機構、47 第2ファン機構、48 ヒーター50 乾燥ユニット、51 乾燥炉、52 ファン、53 ヒーター、60 巻取りユニット、61 中継ローラー、62 巻取り駆動軸。

Claims (5)

  1. 媒体を吸引孔が設けられた支持面で支持する媒体支持部と、
    前記媒体支持部に支持された前記媒体に画像を記録する記録部と、
    前記吸引孔を介して前記媒体支持部に支持された前記媒体を吸引する吸引部と、
    前記媒体を搬送する搬送部と、
    前記記録部、前記吸引部及び前記搬送部を制御可能であり、前記搬送部による前記媒体の搬送動作と前記記録部による画像の記録動作とを繰り返し実行するように前記搬送部及び前記記録部を制御すると共に、前記記録動作中に、前記媒体に対する前記吸引部の吸引力を第1の吸引力から第2の吸引力に下げるように前記吸引部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記記録動作中であり前記吸引部の吸引力が前記第1の吸引力よりも低い吸引力である期間に、前記媒体支持部に位置する前記媒体に対して前記媒体の搬送方向にかかる張力が前記媒体支持部上の前記媒体に生じる最大静止摩擦力よりも小さくなるように、前記搬送部を制御することを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記媒体に記録された画像を加熱する加熱部を備え、
    前記搬送部は、搬送ローラーと前記搬送ローラーを回転させるモーターとを有し、
    前記加熱部は、前記搬送方向において前記媒体支持部と前記搬送ローラーの間に位置することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記制御部は、前記記録動作中であり前記吸引部の吸引力が前記第1の吸引力よりも低い吸引力である期間に、前記媒体支持部に位置する前記媒体に対して前記媒体の搬送方向にかかる張力が、前記吸引部によって前記媒体が前記媒体支持部に保持される力よりも小さくなるように、前記モーターを制御することを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記制御部は、前記記録動作中であり前記吸引部の吸引力が前記第1の吸引力よりも低い吸引力である期間に、前記モーターが発生するトルクが0Nよりも大きく、且つ、1N以下となるように前記モーターを制御することを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
  5. 媒体を吸引孔が設けられた支持面で支持する媒体支持部と、
    前記媒体支持部に支持された前記媒体に画像を記録する記録部と、
    前記吸引孔を介して前記媒体支持部に支持された前記媒体を吸引する吸引部と、
    前記媒体を搬送する搬送部と、
    を備えた画像記録装置における画像記録方法であって、
    前記搬送部による前記媒体の搬送動作と前記記録部による画像の記録動作とを繰り返し実行し、且つ、前記記録動作中に、前記媒体に対する前記吸引部の吸引力を第1の吸引力から第2の吸引力に下げると共に、前記記録動作中であり前記吸引部の吸引力が前記第1の吸引力よりも低い吸引力である期間に、前記媒体支持部に位置する前記媒体に対して前記媒体の搬送方向にかかる張力が前記媒体支持部上の前記媒体に生じる最大静止摩擦力よりも小さくすることを特徴とする画像記録方法。
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