JP5206228B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置に関する。
インクジェット式のプリンタの中には、用紙サイズがA2以上の大判のものを用いるタイプがある。かかる大判のインクジェットプリンタにおいては、単票紙以外に、いわゆるロール紙(以下、用紙が巻回されたいわゆるロール紙をロール体とし、ロール体から引き出される部分を用紙とする。)が利用されることが多い。ロール体からの用紙の引き出しは、現状、紙送りモータ(PFモータ)によって為されている。このとき、PFモータは、PID制御によって制御駆動させられる。このようなロール体を用いるプリンタとしては、特許文献1に示すものがある。また、PID制御を行うプリンタとしては、特許文献2〜4に示すものがある。
特開2007−290866号公報 特開2006−240212号公報 特開2003−79177号公報 特開2003−48351号公報
大判のプリンタにおけるロール体は、その重量が重く、従ってロール体から用紙を引き出すときの負荷は、大きなものとなっている。そのため、PFモータからの駆動のみでは、用紙が破断する等の可能性がある。そこで、ロール体を回転駆動させるためのロールモータを設け、PFモータと共に、ロールモータを駆動させて、用紙を引き出すようにしている機種が開発されつつある。
ここで、大判のロール体においては、幅寸法が大きいため、用紙を引き出すにつれて、用紙の長手方向が本来の引き出し方向に対して徐々に傾いていく、いわゆるスキューが発生しがちとなる。そのため、適宜、スキューを解消する必要がある。これに対して、PFモータとロールモータとを同時に駆動させ、その同時駆動によってスキューの解消を図ることが検討されているが、当該同時駆動においては、PFモータとロールモータとの間のテンションが大きくなると、用紙が破断する等の問題がある。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、第1モータと第2モータとの間でロール紙などの媒体を搬送する場合に生じるテンション(張力)を良好に制御することが可能な印刷装置、および印刷方法を提供しよう、とするものである。
上記目的を達成するための主たる発明は、
媒体が巻回されているロール体を回転させるための駆動力を与える第1モータと、
前記媒体の供給方向に沿って前記ロール体よりも下流側に設けられる搬送駆動ローラであって前記媒体を搬送させるための搬送駆動ローラを駆動させる駆動力を与える第2モータと、
前記第1モータと前記第2モータとを共に駆動させて前記媒体を搬送させるときにおいて、前記ロール体と前記搬送駆動ローラとの間の前記媒体に生ずる張力を所定以下とするように前記第1モータの制御を行う制御部と、
を備える印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付の図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
媒体が巻回されているロール体を回転させるための駆動力を与える第1モータと、
前記媒体の供給方向に沿って前記ロール体よりも下流側に設けられる搬送駆動ローラであって前記媒体を搬送させるための搬送駆動ローラを駆動させる駆動力を与える第2モータと、
前記第1モータと前記第2モータとを共に駆動させて前記媒体を搬送させるときにおいて、前記ロール体と前記搬送駆動ローラとの間の前記媒体に生ずる張力を所定以下とするように前記第1モータの制御を行う制御部と、
を備える印刷装置。
このようにすることで、制御部により第1モータと第2モータは共に駆動され、媒体の搬送動作が実現される。また、制御部は、ロール体と搬送駆動ローラとの間の媒体に与えられる張力が所定以下となるように、第1モータを制御する。そして、媒体に大きな張力が作用するのを防止でき、媒体が破断するなどの不具合を防止することができる。また、媒体に張力が付与される状態で搬送されることにより、媒体にスキューが生ずるのを防止することができる。
また、前記制御部は、前記媒体を前記ロール体に巻き取らせるために、前記供給方向とは反対方向に前記媒体が搬送されるように前記第1モータ及び前記第2モータを制御することが望ましい。
このようにすることで、ロール体で媒体を巻き取る動作を実現することができ、この巻き取り動作によって、媒体に生ずるスキューを良好に解消することができるようになる。
また、前記制御部は、PID制御における積分要素から出力される制御値と、前記媒体の搬送速度に応じて変動する速度変動閾値であって所定の前記張力を与える速度変動閾値とを比較し、前記制御値が前記速度変動閾値を超える場合には前記制御値を前記速度変動閾値に変更する補正を行うことが望ましい。
このようにすることで、積分要素から出力される制御値は、所定の張力を与える速度変動閾値を超えない状態で、PID制御における最終出力値が求められる。そして、媒体に大きな張力が作用するのを防止することができ、媒体が破断するのを防止することができる。
また、前記制御部は、PID制御における比例要素、積分要素、微分要素から出力される制御値の合計値と、前記媒体の搬送速度に応じて変動する速度変動閾値であって所定の前記張力を与える速度変動閾値とを比較し、前記合計値が前記速度変動閾値を超える場合には前記合計値を前記速度変動閾値に変更する補正を行うことが望ましい。
このようにすることで、各制御値を合計した合計値は、所定の張力を与える速度変動閾値を超えない状態となる。そして、媒体に大きな張力が作用するのを防止して、媒体が破断するのを防止することができる。
また、前記制御部は、前記第1モータと前記第2モータの駆動を同時に開始させるか、又は、前記第1モータの駆動を前記第2モータの駆動よりも先に開始させることが望ましい。
このようにすることで、第1モータを駆動させる時点において、媒体に弛みが生ずるのを良好に防止することができる。
また、前記制御部は、前記第1モータの駆動による前記媒体の搬送速度が、前記第2モータの駆動による前記媒体の搬送速度よりも速くなるように、前記第1モータ及び前記第2モータを制御することが望ましい。
このようにすることで、媒体には第1モータと第2モータとの間の送り量の差を起因とする張力が付与される。そのため、媒体の巻き取りにおいて、媒体に生ずるスキューを良好に解消することができる。
また、前記第1モータを駆動するための制御値と該制御値に対する第1モータの回転速度との関係は一次式で表され、該一次式は前記第1モータを第1の回転速度で回転させたときにおける第1の制御値と第2の回転速度で回転させたときにおける第2の制御値とに基づいて求められることが望ましい。
このようにすることで、モータの個体差を取り除くようにして、所望の回転速度を実現するような制御値を求めることができるようになる。
また、前記一次式は、前記第1の回転速度で回転させたときにおける第1の制御値が第1所定範囲内の値であるときの前記第1の制御値と、前記第2の回転速度で回転させたときにおける第2の制御値が第2所定範囲内の値であるときの前記第2の制御値と、に基づいて求められることが望ましい。
このようにすることで、第1の制御値及び第2の制御値が異常値であるときを除外して、一次式を求めることができるようになる。
また、前記第1所定範囲は、前記第1の回転速度で最小の重さのときの前記ロール体と最大の重さのときの前記ロール体を回転させるときにおける前記第1モータに対する制御値に基づいて求められ、前記第2所定範囲は、前記第2の回転速度で最小の重さのときの前記ロール体と最大の重さのときの前記ロール体を回転させるときにおける前記第1モータに対する制御値に基づいて求められることが望ましい。
このようにすることで、第1所定範囲と第2所定範囲を求めて、異常な第1の制御値及び第2の制御値を除外することができるようになる。
また、前記一次式は、前記第2の制御値と前記第1の制御値との差が所定範囲内であるときにおける前記第1の制御値と前記第2の制御値に基づいて求められることが望ましい。
このようにすることで、第1の制御値及び第2の制御値が異常値であるときを除外して、一次式を求めることができるようになる。
また、媒体が巻回されているロール体を回転させるための駆動力を与える第1モータと、
前記媒体の供給方向に沿って前記ロール体よりも下流側に設けられる搬送駆動ローラであって前記媒体を搬送させるための搬送駆動ローラを駆動させる駆動力を与える第2モータと、
前記第1モータと前記第2モータとを共に駆動させて前記媒体を搬送させるときにおいて、前記ロール体と前記搬送駆動ローラとの間に生ずる張力を所定以下とするように前記第1モータの制御を行う制御部と、
前記媒体に対して流体を噴射する流体噴射ヘッドと、
を備える印刷装置。
このようにすることで、ロール体から媒体が引き出されるタイプの印刷装置において、媒体に大きな張力が作用するのを防止することができ、媒体が破断するなどの不具合を防止することができる。また、媒体に張力が付与される状態で搬送されることにより、媒体にスキューが生ずるのを防止することができる。
また、媒体が巻回されているロール体を回転させるための駆動力を与える第1モータと、前記媒体の供給方向の下流側に設けられ前記媒体を搬送させるための搬送駆動ローラを駆動させるための駆動力を与える第2モータと、を共に駆動させて前記媒体を搬送させることと、
前記ロール体と前記搬送駆動ローラとの間に生ずる張力を所定以下とするように前記第1モータの制御を行うことと、
を含む印刷方法。
このようにすることで、第1モータと第2モータは共に駆動され、媒体の搬送動作が実現される。また、ロール体と搬送駆動ローラとの間の媒体に与えられる張力が所定以下となるように、第1モータが制御される。そして、媒体に大きな張力が作用するのを防止でき、媒体が破断するなどの不具合を防止することができる。また、媒体に張力が付与される状態で搬送されることにより、媒体にスキューが生ずるのを防止することができる。
===実施形態===
以下、一実施の形態に係る印刷装置としてのプリンタ10および駆動制御方法について、図1から図11に基づいて説明する。なお、本実施の形態のプリンタ10は、例えばJIS規格のA2以上のサイズを有する、サイズの大きな用紙を印刷するためのプリンタである。また、本実施の形態におけるプリンタは、インクジェット式のプリンタであるが、かかるインクジェット式プリンタは、インクを吐出して印刷可能な装置であれば、いかなる吐出方法を採用した装置でも良い。
また、以下の説明においては、下方側とは、プリンタ10が設置される側を指し、上方側とは、設置される側から離間する側を指す。また、用紙Pが供給される側を給送側(後端側)、用紙Pが排出される側を排紙側(手前側)として説明する。
<プリンタ10の概略構成>
図1に示すように、プリンタ10は、一対の脚部11と、当該脚部11に支持される本体部20とを有している。脚部11には、支柱12が設けられていると共に、回転自在なキャスタ13がキャスタ支持部14に取り付けられている。そのため、プリンタ10は、ユーザが自在に移動させることを可能としている。
本体部20は、不図示のシャーシに支持される状態で、内部の各種機器が搭載されており、それらが外部ケース21によって覆われている。また、図2に示すように、本体部20には、DCモータを用いる駆動系として、ロール駆動機構30と、キャリッジ駆動機構40と、用紙搬送機構50とが設けられている。これらのうち、ロール駆動機構30は、本体部20に存在するロール搭載部22に設けられている。ロール搭載部22は、図1に示すように、本体部20のうち、背面側かつ上方側に設けられていて、上述の外部ケース21を構成する一要素である開閉蓋23を開くことにより、その内部にロール体RPを搭載し、ロール駆動機構30によってロール体RPを回転駆動させることが可能となっている。
また、ロール体RPを回転させるためのロール駆動機構30は、図2および図3に示すように、回転ホルダ31と、ギヤ輪列32と、ロールモータ33と、回転検出部34とを有している。これらのうち、回転ホルダ31は、ロール体RPに設けられている中空孔RP1の両端側から挿入されるものであり、ロール体RPを両端側から支持すべく、一対設けられている。また、ロールモータ33は、第1モータに対応する。このロールモータ33は、一対の回転ホルダ31のうち、一端側に位置する回転ホルダ31aに対して、ギヤ輪列32を介して駆動力(回転力)を与えるものである。さらに、回転検出部34は、本実施の形態ではロータリエンコーダを用いている。そのため、回転検出部34は、円盤状スケール34aと、ロータリセンサ34bとを具備している。円盤状スケール34aは、その周方向に沿って一定の間隔毎に、光を透過させる透光部と、光の透過を遮断する遮光部とを有している。また、ロータリセンサ34bは、不図示の発光素子と、同じく不図示の受光素子と、同じく不図示の信号処理回路を主要な構成要素としている。
なお、本実施の形態では、ロータリセンサ34bからの出力により、図4に示すような、互いに位相が90度異なるパルス信号(A相のENC信号,B相のENC信号)が制御部100に入力される。そのため、ロールモータ33が正転状態にあるのか、または逆転状態にあるのかを、位相の進行/遅れによって検出可能となっている。
また、本体部20には、キャリッジ駆動機構40が設けられている。キャリッジ駆動機構40は、インク供給/噴射機構の構成要素の一部ともなるキャリッジ41と、キャリッジ軸42と、その他不図示のキャリッジモータ、ベルト等を具備している。
これらのうち、キャリッジ41は、各色のインク(流体に対応)を貯留するためのインクタンク43を具備していて、このインクタンク43には、図示しないチューブを介して、本体部20の前面側に固定的に設けられているインクカートリッジ(図示省略)からインクが供給可能となっている。また、図2に示すように、キャリッジ41の下面には、インク滴を吐出可能な印刷ヘッド44(流体噴射ヘッドに対応)が設けられている。印刷ヘッド44には、各インクに対応づけられた不図示のノズル列が設けられていて、このノズル列を構成するノズルには、不図示のピエゾ素子が配置されている。このピエゾ素子の作動により、インク通路の端部にあるノズルからインク滴を吐出することが可能となっている。
なお、これらキャリッジ41、インクタンク43、不図示のチューブ、インクカートリッジ、印刷ヘッド44によって、インク供給/噴射機構が構成されている。また、印刷ヘッド44は、ピエゾ素子を用いたピエゾ駆動方式に限られず、例えばインクをヒータで加熱し、発生する泡の力を利用するヒータ方式、磁歪素子を用いる磁歪方式、ミストを電界で制御するミスト方式等を採用しても良い。また、インクカートリッジ/インクタンク43に充填されるインクは、染料系インク/顔料系インク等、いずれの種類のインクを搭載しても良い。
図2、図5等に示すように、用紙搬送機構50は、搬送ローラ対51と、ギヤ輪列52と、PFモータ53と、回転検出部54とを有している。搬送ローラ対51は、搬送駆動ローラ51aと、搬送従動ローラ51bとを具備していて、これらの間で、ロール体RP
から引き出される用紙P(ロール紙に対応)を挟持可能となっている。また、PFモータ53は、搬送駆動ローラ51aに対して、ギヤ輪列52を介して駆動力(回転力)を与えるものである。さらに、回転検出部54は、本実施の形態ではロータリエンコーダを用いていて、上述の回転検出部34と同様に、円盤状スケール54aと、ロータリセンサ54bとを具備し、図4に示すようなパルス信号を出力可能としている。
また、搬送ローラ対51よりも下流側(排紙側)には、プラテン55が設けられていて、用紙Pは当該プラテン55上をガイドさせられる。また、プラテン55には、印刷ヘッド44が対向するように配設されている。このプラテン55には、吸引孔55aが形成されている。一方、吸引孔55aは、吸引ファン56に連通可能に設けられていて、吸引ファン56が作動することによって、印刷ヘッド44側から吸引孔55aを介して空気が吸引される。それにより、プラテン55上に用紙Pが存在する場合には、当該用紙Pを吸引保持することが可能となっている。なお、プリンタ10は、その他、用紙Pの幅を検出する紙幅検出センサ等、その他の各種センサを備えている。
<制御部に関して>
次に、制御部100について、図6、図7等に基づいて説明する。制御部100は、各種の制御を行う部分である。この制御部100は、後述するようなPID制御を実現するための部分である。この制御部100には、上述のロータリセンサ34b,54b、不図示のリニアセンサ、不図示の紙幅検出センサ、不図示のギャップ検出センサ、プリンタ10の電源をオン/オフする電源スイッチ等の各出力信号が入力される。
図2に示すように、制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、PROM104、ASIC105、モータドライバ106等を具備していて、これらが例えばバス等の伝送路107を介して接続されている。また、制御部100は、コンピュータCOMに接続されている。そして、これらのハードウエアと、ROM102やPROM104に記憶されているソフトウエアおよび/またはデータの協働、または特有の処理を行う回路や構成要素の追加等によって、図6のブロック図に示すような、主制御部110と、ロールモータ制御部120と、PFモータ制御部130とが実現される。
これらのうち、主制御部110は、後述するようなロールモータ33とPFモータ53との同期駆動(シンクロ駆動)を実現すべく、ロールモータ制御部120と、PFモータ制御部130との両方に対して指令を与える。また、ロールモータ制御部120と、PFモータ制御部130の両方には、それぞれPID演算部140a,140b(以下、両者を区別する必要がない場合には、単にPID演算部140と表記する。)が実現される。また、ロールモータ制御部120においては、上述のPID演算部140aに加えて、出力補正部121が設けられている。以下の説明においては、2つのPID演算部140a,140bは、基本的に共通であるため、図7に基づいて、これらPID演算部140a,140bのブロック図について先に説明する。また、ロールモータ制御部120における、PID演算部140aと出力補正部121との関係についても説明する。なお、図7において破線で囲まれている部分(出力補正部121の一部を為すもの)は、上述したようにロールモータ制御部120のみに実現されるものである。
図7に示すように、PID演算部140は、位置演算部141と、速度演算部142と、第1減算部143と、目標速度発生部144と、第2減算部145と、比例要素146と、積分要素147と、微分要素148と、積分補正部149(必要に応じて実現)と、加算部150と、最終出力補正部151(必要に応じて実現)と、PWM信号出力部152と、タイマ153とを具備している。
これらの構成要素のうち、積分補正部149と最終出力補正部151とは、上述の出力補正部121の一部要素に対応する構成であり、ロールモータ制御部120のみに実現される部分である。また、これら積分補正部149と、最終出力補正部151とは、いずれか一方が選択的に実現されれば足りるものである。すなわち、図6におけるブロック図では、積分補正部149が実現される場合には、最終出力補正部151は必要なく、最終出力補正部151が実現される場合には、積分補正部149は必要ない。しかしながら、積分補正部149と最終出力補正部151との両方を備える構成としても良い。
これらのうち、位置演算部141は、ロータリセンサ34b,54bから入力される、矩形波である出力信号(図4参照)のエッジをカウントすることにより、用紙Pの送り量を算出する。また、速度演算部142には、ロータリセンサ34b,54bから入力される、矩形波である出力信号のエッジをカウントすると共に、タイマ153で計測される時間(周期)に関する信号も入力される。そして、カウントしたエッジと時間(周期)に基づいて、用紙Pの送り速度を算出する。
また、第1減算部143は、位置演算部141から出力される送り量(現在位置)に関する情報と、ROM102またはPROM104等のメモリから出力される目標位置(目標停止位置)に関する情報とに基づき、目標位置(目標停止位置)から現在位置を減算して位置偏差を算出する。目標速度発生部144には、第1減算部143から出力される位置偏差に関する情報が入力される。そして、目標速度発生部144は、この位置偏差に応じた目標速度に関する情報を出力する。なお、この目標速度に関する情報は、図8に示すような速度テーブルに関するものである。図8に示すように、速度テーブルは、ロールモータ33に関する速度テーブルRollと、PFモータ53に関する速度テーブルPFの2つが存在する。
第2減算部145は、目標速度から現在のモータ(ロールモータ33またはPFモータ53)の送り速度(現在速度)を減算して、速度偏差ΔVを算出し、比例要素146、積分要素147および微分要素148にそれぞれ出力する。比例要素146、積分要素147および微分要素148は、入力される速度偏差ΔVに基づいて、以下の比例制御値QPと、積分制御値QIと、微分制御値QDとを算出する。
QP(j)=ΔV(j)×Kp …(式1)
QI(j)=QI(j− 1)+ΔV(j)×Ki …(式2)
QD(j)={ΔV(j)− ΔV(j− 1)}×Kd …(式3)
ここで、jは、時間であり、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、Kdは微分ゲインである。
また、積分補正部149は、本実施の形態では、積分要素147から出力される積分制御値QIと、速度変動閾値Dxとを比較する。この比較の結果が|QI|<Dxであれば、積分補正部149から加算部150への出力を積分制御値であるQIとする。また、上述の比較の結果が|QI|≧Dxであれば、積分補正部149から加算部150への出力を速度変動閾値であるDxとする。なお、|QI|は、QIの絶対値である。
なお、積分補正部149が実現されない場合には、積分要素147からの出力は、加算部150に入力される。
加算部150は、積分補正部149が実現されない場合には、比例要素146、積分要素147、および微分要素148から出力される各制御値を加算し、その加算により求めた制御値の和(合計値;Qpid)をPWM信号出力部152(または最終出力補正部151)へ出力する。また、加算部150は、積分補正部149が実現される場合には、比例要素146および微分要素148から出力される各制御値と、積分補正部149から出力される制御値とを加算し、その加算により求めた制御値の和(Qpid)をPWM信号出力部152へ出力する。
最終出力補正部151は、本実施の形態では、加算部150から出力される制御値Qpidと、速度変動閾値Dxとを比較する。この比較の結果が|Qpid|<Dxであれば、加算部150からPWM信号出力部152への出力を積分制御値であるQpidとする。また、上述の比較の結果が|Qpid|≧Dxであれば、加算部150からPWM信号出力部152への出力を速度変動閾値であるDxとする。なお、|Qpid|は、Qpidの絶対値である。
PWM信号出力部152には、最終出力補正部151が実現されない場合には、加算部150から出力される制御値Qpidが入力される。逆に、最終出力補正部151が実現される場合には、当該最終出力補正部151を経た制御値が入力される。そして、PWM信号出力部152では、供給される制御値を換算して得たDuty値のPWM信号を出力する。タイマ153は、不図示のクロックからの信号を受信する。そして、例えば100μsec等のような、所定のPID演算周期が到来すると、そのPID演算周期ごとに、速度演算部142にタイマ信号を出力する。
また、モータドライバ106は、PWM信号出力部152から出力されるPWM信号に基づいて、ロールモータ33またはPFモータ53をPWM制御にて、制御駆動する。
続いて、出力補正部121に関して説明する。出力補正部121は、上述のように、積分補正部149、最終出力補正部151として実現される以外に、次に述べる速度変動閾値Dxを求めるための計算を実行する。この速度変動閾値Dxの計算は、(式4)に示すように、基本的には、用紙Pが破れないようにするテンションを与える規定のテンションFを与えるのに必要なDuty値であるDuty(f)と、ある速度Vnでロールモータ33を駆動させるのに必要なDuty値であるDuty(ro)の加算により求められる。
Dx=Duty(f)+Duty(ro)=F×r×Duty(max)/(Kt×E)+aVn+b …(式4)
ここで、rはロール体RPの半径、Duty(max)はDuty値の最大値、Ktはロールモータ33のモータ定数、Eはロールモータ33に供給される電源電圧値、係数a,bは、以下の(式6)および(式7)で定義される値である。上述の(式4)は、以下のようにして求められる。
<(式4)の算出方法>
ある速度Vnでロールモータ33を駆動させるのに必要なDuty値を求めるために、メジャメント動作(モータの負荷を知るために、モータを所定の回転速度で回転させたときのモータの出力値を測定)を実行している。このメジャメント動作では、図9に示すように、低速側の速度VLと高速側の速度VHとでロール体RPを回転駆動させる。そして、低速側の速度VLでロールモータ33を駆動させるのに必要なメジャメント値ave TiLと、高速側の速度VHでロールモータ33を駆動させるのに必要なメジャメント値ave TiHを算出する。なお、メジャメント値ave TiLとメジャメント値ave TiHは、それぞれの速度でPID制御を行う場合における、積分要素127から出力される制御値の平均となっている。
図9に示すような一次式の関係から、ある速度Vnでロールモータ33を駆動させるためのDuty(ro)は、係数a,bを用いて容易に求められる。
Duty(ro)=aVn+b …(式5)
a=(ave TiH− ave TiL)/(VH− VL) …(式6)
b=ave TiH−(ave TiH− ave TiL)×VL/(VH− VL) …(式7)
また、ある速度Vnでロールモータ33を駆動させ、そのときテンションFが用紙Pに与えられる場合を考える。そのとき、ロールモータ33を駆動させるのに必要な電流値Ioは、ロール体RPの半径をrとし、ロールモータ33を駆動させるのに必要なトルクをTroとし、モータ定数をKtとすると、以下の式により求められる。
Io=(F×r+Tro)/Kt …(式8)
ここで、ある速度VnでテンションFを与えながらロールモータ33を駆動させる場合に必要なDuty値Dx(速度変動閾値)は、電源電圧E、ロールモータ33の内部抵抗R、ロールモータ33の逆起電力定数をKeとすると、以下のようになる。
Io=(E×Dx/Duty(max)− KeVn)/R …(式9)
また、ロールモータ33をある速度Vnで駆動させる場合に必要なトルクTro、そのときのDuty値をDuty(ro)とすると、トルクTroは、電流値I1とモータ定数の積から求められる。
Tro=Kt×I1=Kt×(E×Duty(ro)/Duty(max)− Ke×Vn)
…(式10)
(式8)と(式9)とは等しく、さらに(式8)のTroに(式10)を代入し、両辺を整理すると、以下のようになる。
(F×r/Kt)+(E×Duty(ro)/Duty(max)− Ke×Vn)/R
=(E×Dx/Duty(max)− Ke×Vn)/R
∴Dx=F×r×Duty(max)/(Kt×E)+Duty(ro) …(式11)
Duty(f)=F×r×Duty(max)/(Kt×E) …(式12)
(式11)と(式5)から、結局は、速度変動閾値に対応するDuty値Dxは、以下の式のようになる。
Dx=F×r×Duty(max)/(Kt×E)+aVn+b …(式4)
<メジャメント値の検証>
前述のように、(式6)及び(式7)を用いて、速度VLと速度VHにてロールモータ33を駆動させるのに必要なそれぞれのメジャメント値ave TiLとave TiHが求められた。メジャメント値は、前述のように積分要素127から出力される制御値の平均値である。
しかしながら、速度VLを得るためのメジャメント値ave TiLと、速度VHを得るためのメジャメント値ave TiHが、何らかの理由により不正確に求められてしまう場合がある。このような不正確なメジャメント値に基づいて前述の係数a,bが求められることとなると、前述の(式5)を用いて正確なDutyを求めることができなくなり、モータの制御に不具合を生ずる。
よって、ここでは、さらに以下に示すような方法により、得られたメジャメント値ave TiL及びave TiHが異常値であるか否かの検証を行うことができる。
前述のような手法によって、低速側の速度VLでロールモータ33を駆動させるのに必要なメジャメント値ave TiL、及び、高速側の速度VHでロールモータ33を駆動させるのに必要なメジャメント値ave TiHが取得されると、得られたメジャメント値が、次の不等式を満たすか否かについて判定される。
Amin<ave TiH<Amax
Bmin<ave TiL<Bmax
そして、上不等式を満たさない場合には、取得されたメジャメント値は異常値であるとし、このようなメジャメント値を用いて前述の係数a,bの算出を行わないようにする。このような場合には、再度、メジャメント値ave TiH,ave TiLを取得しなおすこととする。一方、上不等式を満たす場合には、取得されたメジャメント値ave TiH,ave TiLを用いて、係数a,bが求められる。
ところで、前述の不等式において各メジャメント値の範囲を規定するAmin、Amax、Bmin、及び、Bmaxは次のようにして求めることができる。
本実施形態において、メジャメント値の範囲を規定するAminは、ロール紙が最小の重さのときに低速側の速度VLでロールモータ33を駆動させるときにおけるメジャメント値が採用される。また、メジャメント値の範囲を規定するAmaxは、ロール紙が最大の重さのときに低速側の速度VLでロールモータ33を駆動させるときにおけるメジャメント値が採用される。尚、本実施形態におけるロール体の重さは、最小で0.5Kgであり、最大で15Kgとなっている。
例えば、Aminについては、最小の重さのときのロール紙をセットしたときにおいて速度VLでロールモータ33を駆動させ、そのときのメジャメント値を実測して求めることとしてもよい。Amaxについても同様にして、最大の重さのときのロール紙をセットしたときにおいて速度VHでロールモータ33を駆動させ、そのときのメジャメント値を実測して求めることができる。尚、このようにして求められたAmin、Amaxは、個々のモータが有する個体差によっても若干異なる値となることがあるため、複数のモータをロールモータ33として使用したときに得られた値の平均値を採用することもできる。
また、Amin及びAmaxを、推定することによって求めることとしてもよい。例えば、定速でロール体を回転させた場合、ロールモータ33が定速回転を維持するために必要なトルクは、ロール体を支持しロールモータ33からロール体へ駆動力(トルク)を伝達するための伝達機構で消費される摩擦損失分のトルクである。そこで、予め伝達機構が有する総摩擦係数を設計段階で求めておき、ロール体が0.5Kgであるときの摩擦損失分のトルクと、ロール体が15Kgであるときの摩擦損失分のトルクなどに基づいて、採りうるメジャメント値の範囲Amin〜Amaxを推測することとしてもよい。
同様にして、メジャメント値の範囲を規定するBminは、ロール紙が最小の重さのときに高速側の速度VHでロールモータ33を駆動させるときにおけるメジャメント値が採用される。また、メジャメント値の範囲を規定するBmaxは、ロール紙が最大の重さのときに高速側の速度VHでロールモータ33を駆動させるときにおけるメジャメント値が採用される。
尚、メジャメント値aveTiHとaveTiLとの差が、ある所定範囲内にあるか否かに基づいて、メジャメント値の検証を行うこともできる。このとき、次のような不等式を満たすか否かについて判定される。
SAmin<ave TiH−ave TiL<SAmax
そして、上不等式を満たさない場合には、取得されたメジャメント値は異常値であるとし、このようなメジャメント値を用いて前述の係数a,bの算出を行わないようにする。このような場合には、再度、メジャメント値ave TiH,ave TiLを取得しなおすこととする。一方、上不等式を満たす場合には、取得されたメジャメント値ave TiH,ave TiLを用いて、係数a,bが求められる。
尚、SAmin及びSAmaxの値は、
SAmin=Amin+Bmin
SAmax=Amax+Bmax
として求めることがきる。
このようにすることによって、メジャメント値が異常値であるか否かを判定することができる。そして、異常値であるときのメジャメント値を用いて係数a,bを求めないようにすることができる。
上述のようなメジャメント動作、及び、メジャメント値の検証は、ロールモータ33以外のモータにも当然に適用可能である。例えば、PFモータ53にも適用することができる。
<ロールモータ33とPFモータ53の制御方法>
以上のような構成を有するプリンタ10における、ロールモータ33とPFモータのシンクロ駆動制御(スキュー取り)の方法について、図10の処理フローに基づきながら以下に説明する。
まず、スキュー取りを実施するための駆動に先立って、メジャメント動作を実行する(S01)。メジャメント動作においては、主制御部110からの指令に基づいて、低速側と高速側の2つの速度VL,VHでロールモータ33を駆動させ、それによって上述したような(式4)における、係数a,bが求められる。
続いて、ロールモータ33の駆動による送り量を算出する(S02)。この送り量の算出は、ロータリセンサ34b,54bでのパルス数カウントに基づくものであるが、かかる送り量Lroll(ENC信号のカウント数)は、搬送駆動ローラ51aが1周するときにカウントされるENC信号のカウント数をCpf、ロール体RPが1周するときにカウントされるENC信号のカウント数をCroll、搬送駆動ローラの直径をDpf、ロール体RPの直径をDroll、搬送駆動ローラの送り量に対応するENC信号のカウント数をLpfとすると、以下の式によって求められる。
Lroll=(Dpf×π×Lpf/Cpf)/(Droll×π)×Croll …(式13)
ここで、ロール体RPの直径Drollは、用紙Pを引き出すにつれて変化するものであるから、当該直径Drollを求める必要がある。この直径Drollの算出手法としては、ロールモータ33またはPFモータ53のいずれか一方のみに通電させて、いずれか他方には通電しない状態としつつ、ロータリセンサ34b,54bから出力されるENC信号のカウント数の関係に基づいて算出するものがある。また、ロール体RPと搬送ローラ対51との間に存在する、不図示のダイレクトディテクからの検出値と、いずれか一方のロータリセンサ34b,54bから出力されるENC信号のカウント数との関係から、直径Drollを算出するようにしても良い。
S02で送り量が算出されると、主制御部110からの指令に基づいて、ロールモータ33およびPFモータ53の駆動を開始させる(S03)。このとき、ロールモータ33およびPFモータ53は、図8に示すような駆動テーブルに従って、駆動させられる。図8に示す駆動テーブルでは、ロールモータ33の駆動による用紙Pの送り速度が、PFモータ53の駆動による送り速度よりも大きくなるように設定されていて、用紙Pが弛むのを防止している。尚、「弛む」とは、ロール体RPと搬送ローラ対51との間の用紙のいずれかの箇所において搬送方向の張力が生じていないような箇所が存在する場合をいう。また、言い換えると、「弛む」とは、ロール体RPと搬送ローラ対51を図5のように横から見たときにおいて、用紙Pが直線状態を維持しており、曲線になっていない状態のことをいう。
また、ロールモータ33およびPFモータ53の駆動に際しては、ロール体RPと搬送ローラ対51との間で用紙Pが弛んでしまうと、当該用紙Pに生じているスキューを解消することはできない。そのため、ロールモータ33とPFモータ53とを同時に駆動させるか、またはロールモータ33を先に駆動させて、その後規定の量だけロールモータ33が回転駆動された場合にPFモータ53を駆動させるかの、いずれかの駆動手法が採用される。
また、S03におけるロールモータ33およびPFモータ53の駆動に際しては、用紙Pに作用するテンションFを制御しつつ、駆動させることになる。このテンションFの制御では、上述したように、積分補正部149か、または最終出力補正部151のいずれかにおいて、速度変動閾値Dxとの大小関係が比較される。すなわち、積分補正部149を用いる場合、積分要素147から出力される積分制御値QIの絶対値と、速度変動閾値Dxとを比較し、比較の結果が|QI|<Dxであれば、積分補正部149から加算部150への出力を積分制御値であるQIとする。また、上述の比較の結果が|QI|≧Dxであれば、積分補正部149から加算部150への出力を速度変動閾値であるDxとする。
また、最終出力補正部151を用いる場合、加算部150から出力される制御値Qpidと、速度変動閾値Dxとを比較し、この比較の結果が|Qpid|<Dxであれば、加算部150からPWM信号出力部152への出力を積分制御値であるQpidとする。また、上述の比較の結果が|Qpid|≧Dxであれば、加算部150からPWM信号出力部152への出力を速度変動閾値であるDxとする。以上のような、用紙Pを破損させないためのテンション制御(積分出力または最終出力が速度変動閾値Dxを超えないようにする制御)を、S02では行う。
以上のようなS03の、テンション制御しながらの駆動が進行すると、用紙Pは、テンションFが作用する状態で、ロール体RPに巻き取られて行く。ここで、用紙Pにスキューが生じている場合、図11に示すように、用紙Pの幅方向(キャリッジ41が走査する主走査方向)に沿って一端側から他端側に進行すると、一端側においては何等弛みが存在しないものの、他端側に向かうにつれて徐々に用紙Pの弛み量が増大する、という状態が発生する。そこで、S03のようにテンションを付与しながら、用紙Pをロール体RPに巻き取っていくと、用紙Pのうち弛んでいる部分では、その弛み部分の巻き取りがしない段階では、それよりも下流側の部位に存在する用紙Pが、上流側に向かって送り込まれない。そのため、用紙Pにテンションを付与しながら、ロール体RPに巻き取らせるようにすると、当該用紙Pに生じているスキューを解消することが可能となる。
以上のようなS03の処理をしている際には、主制御部110は、所定のタイミング毎に、予め定められている送り量だけ送られたか否かを判断する(S04)。ここでの送り量とは、上述のS01における送り量Lpf、および送り量Lrollである。このS04における判断は、送り量Lpfと、送り量Lrollのうちの、いずれか一方のみに基づいて為されるようにしても良い。
また、上述のS04において、予め定められている送り量だけ送られたと判断される場合(Yesの場合)、ロールモータ33およびPFモータ53の駆動を停止させる(S05)。このとき、図8に示す駆動テーブルに従って、先にPFモータ53が停止させられ、その後にロールモータ33が停止させられる。しかしながら、PFモータ53とロールモータ33とを同時に停止させるようにしても良い。
なお、S04における判断において、予め定められている送り量だけ送られていないと判断される場合(Noの場合)、S03に戻り、処理を継続する。
<本実施形態の適用による効果>
上述のような構成のプリンタ10によると、用紙Pに付与されるテンションは、テンションF以下となるように、制御される。それにより、用紙Pに大きなテンションが作用するのを防止することが可能となり、用紙Pが破断する等の不具合を防止することが可能となる。特に、図11に示すように、用紙Pにスキューが生じる場合、用紙Pの一端側から他端側に向かうにつれて、徐々に用紙Pの弛み量が増大している。このため、用紙Pのうち、弛みが生じていない一端側のみに、極部的にテンションが作用した場合に、当該用紙Pが破断する、という事態が良好に防止可能となる。
また、テンションを制御しつつ、ロール体RPに用紙Pを巻き取らせることにより、用紙Pに生じているスキューを良好に解消させることが可能となる。
さらに、図7に示すように、積分要素147から出力される制御値は、積分補正部149を設ける場合には、その積分補正部147を経ることにより、所定のテンションFを与える速度変動閾値Dxを超えない状態で、加算部150側に出力され、その後にPID制御における最終出力値が算出される。このような積分補正部149を設けることにより、用紙Pに大きなテンションが作用するのを防止可能となり、用紙Pが破断するのを防止可能となる。
また、図7に示すように、最終出力補正部151を設ける場合には、その最終出力補正部151を経ることにより、比例要素146、積分要素147および微分要素148からの制御値の合計値と、所定のテンションFを与える速度変動閾値Dxを超えない状態で、PWM信号出力部152に制御値が出力される。そのため、用紙Pに大きなテンションが作用するのを防止可能となり、用紙Pが破断するのを防止可能となる。
さらに、図8に示すように、制御部100は、ロールモータ33の方をPFモータ53よりも先に駆動させるか、または両者を同時に駆動させるようにしている。そのため、PFモータ53を駆動させる時点において、用紙Pに弛みが生じるのを良好に防止可能となる。
また、本実施の形態では、ロールモータ33による用紙Pの送り量が、PFモータ53による用紙Pの送り量よりも大きくなる状態で、ロールモータ33およびPFモータ53の駆動を制御している。そのため、用紙Pには、これらの間の送り量の差を起因とするテンションが付与され、用紙Pの巻き取りにおいて、当該用紙Pに生じるスキューを良好に解消可能となる。
<変形例>
以上、一実施の形態について述べたが、本実施形態は、種々変形可能である。以下、それについて述べる。上述の実施の形態においては、モータ制御装置は、プリンタ10に設けられている場合について説明している。しかしながら、モータ制御装置は、プリンタ10に設ける場合には限られず、ロール体(ロール紙)を用いるファックス等に適用するようにしても良い。また、上述の実施の形態において、用紙Pをロール紙としているが、用紙P以外に、フィルム状の部材、樹脂製のシート、アルミ箔等を用いるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、出力信号(ENC信号)のレベル変化を検出する場合、A相およびB相の2つのENC信号を用いている。しかしながら、出力信号のレベル変化を検出するのに際して、1つのみのENC信号、または位相が互いに異なる3つ以上のENC信号を用いるように構成しても良い。
また、制御部100は、上述の実施の形態のものには限られず、例えばASIC105のみでロールモータ33、PFモータ53の制御を司るように構成しても良く、また、これら以外に種々の周辺機器が組み込まれた1チップマイコン等を組み合わせて、制御部100を構成するようにしても良い。
さらに、上述の実施の形態では、制御部100におけるPID制御は、速度に関して行っているが、位置に関するPID制御を行うようにしても良い。また、ロールモータ33およびPFモータ53の制御は、PID制御には限られず、PI制御に本実施形態を適用するようにしても良い。また、積分補正部149を設けない場合、PD制御、P制御等に本実施形態を適用するようにしても良い。
また、上述の実施の形態におけるプリンタ10は、スキャナ装置やコピー装置のような、複合的な機器の一部であっても良い。さらに、上述の実施の形態においては、インクジェット方式のプリンタ10に関して説明している。しかしながら、プリンタ10としては、流体を噴射可能なものであれば、インクジェット方式のプリンタには限られない。例えば、ジェルジェット方式のプリンタ、トナー方式のプリンタ、ドットインパクト方式のプリンタ等、種々のプリンタに対して、本実施形態を適用することが可能である。
一実施の形態に係るプリンタの構成を示す斜視図である。 図1のプリンタの概略構成を示す図である。 ロール体を保持する回転ホルダの構成を示す斜視図である。 ENC信号を示す図である。 ロール体と搬送ローラ対、印刷ヘッドの位置関係を示す図である。 制御部の構成の一例を示すブロック図である。 PID演算部の概略構成を示すブロック図である。 速度テーブルの一例を示す図である。 メジャメント動作におけるDuty値と速度との関係を示す図である。 シンクロ駆動制御における動作フローを示す図である。 用紙にスキューが生じている状態を示す斜視図である。
符号の説明
10…プリンタ、20…本体部、30…ロール駆動機構、
33…ロールモータ(第1モータに対応、34,54…回転検出部、
34b,54b…リニアセンサ、40…キャリッジ駆動機構、
44…印刷ヘッド(流体噴射ヘッドに対応)、50…用紙搬送機構、
51…搬送ローラ対、53…PFモータ(第2モータに対応)、
100…制御部、
110…主制御部、120…ロールモータ制御部、121…出力補正部、
130…PFモータ制御部、140a,140b…PID演算部、
149…積分補正部、151…最終出力補正部、RP…ロール体、
P…用紙(ロール紙に対応)

Claims (8)

  1. 媒体が巻回されているロール体を回転させるための駆動力を与える第1モータと、
    前記媒体の供給方向に沿って前記ロール体よりも下流側に設けられる搬送駆動ローラであって前記媒体を搬送させるための搬送駆動ローラを駆動させる駆動力を与える第2モータと、
    前記第1モータの制御を行う第1モータ制御部と
    前記第2モータの制御を行う第2モータ制御部とを有する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記第1モータと前記第2モータとを共に駆動させて前記媒体を前記ロール体に巻き取らせる場合において、前記ロール体と前記搬送駆動ローラとの間の前記媒体に生ずる張力が所定の張力以下とするように前記第1モータの制御を行いながら、前記供給方向とは反対方向に前記媒体が搬送されるように前記第1モータ及び前記第2モータを制御し、
    前記媒体の搬送速度に応じて変動する速度変動閾値であって前記所定の張力を与える速度変動閾値と、前記第1モータ制御部のPID演算部における積分要素から出力される制御値と、を比較し、前記制御値が前記速度変動閾値を超える場合には前記制御値を前記速度変動閾値に変更する補正を行うことを特徴とする印刷装置。
  2. 媒体が巻回されているロール体を回転させるための駆動力を与える第1モータと、
    前記媒体の供給方向に沿って前記ロール体よりも下流側に設けられる搬送駆動ローラであって前記媒体を搬送させるための搬送駆動ローラを駆動させる駆動力を与える第2モータと、
    前記第1モータの制御を行う第1モータ制御部と
    前記第2モータの制御を行う第2モータ制御部とを有する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記第1モータと前記第2モータとを共に駆動させて前記媒体を前記ロール体に巻き取らせる場合において、前記ロール体と前記搬送駆動ローラとの間の前記媒体に生ずる張力が所定の張力以下とするように前記第1モータの制御を行いながら、前記供給方向とは反対方向に前記媒体を搬送されるように前記第1モータ及び前記第2モータを制御し、
    前記媒体の搬送速度に応じて変動する速度変動閾値であって前記所定の張力を与える速度変動閾値と、前記第1モータ制御部のPID演算部における比例要素、積分要素、微分要素から出力される制御値の合計値と、を比較し、前記制御値が前記速度変動閾値を超える場合には前記制御値を前記速度変動閾値に変更する補正を行うことを特徴とする印刷装置。
  3. 前記制御部は、前記第1モータと前記第2モータの駆動を同時に開始させるか、又は、前記第1モータの駆動を前記第2モータの駆動よりも先に開始させる、請求項1〜2のいずれかに記載の印刷装置。
  4. 前記制御部は、前記第1モータの駆動による前記媒体の搬送速度が、前記第2モータの駆動による前記媒体の搬送速度よりも速くなるように、前記第1モータ及び前記第2モータを制御する、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記第1モータを駆動するための制御値と該制御値に対する第1モータの回転速度との関係は一次式で表され、該一次式は前記第1モータを第1の回転速度で回転させたときにおける第1の制御値と第2の回転速度で回転させたときにおける第2の制御値とに基づいて求められる、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記一次式は、前記第1の回転速度で回転させたときにおける第1の制御値が第1所定範囲内の値であるときの前記第1の制御値と、前記第2の回転速度で回転させたときにおける第2の制御値が第2所定範囲内の値であるときの前記第2の制御値と、に基づいて求められる、請求項に記載の印刷装置。
  7. 前記第1所定範囲は、前記第1の回転速度で最小の重さのときの前記ロール体と最大の重さのときの前記ロール体を回転させるときにおける前記第1モータに対する制御値に基づいて求められ、
    前記第2所定範囲は、前記第2の回転速度で最小の重さのときの前記ロール体と最大の重さのときの前記ロール体を回転させるときにおける前記第1モータに対する制御値に基づいて求められる、請求項に記載の印刷装置。
  8. 前記一次式は、前記第2の制御値と前記第1の制御値との差が所定範囲内であるときにおける前記第1の制御値と前記第2の制御値に基づいて求められる、請求項5〜7に記載の印刷装置。
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