JP2016147929A - シリコーンゲル表面処理剤とケーブル接続部用パッキンおよびシリコーンゲル - Google Patents

シリコーンゲル表面処理剤とケーブル接続部用パッキンおよびシリコーンゲル Download PDF

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【課題】 非粘着性あるいは低粘着性であると共に柔軟性を具備するシリコーンゲルと、このようなシリコーンゲルを形成するためのシリコーンゲル表面処理剤と、このようなシリコーンゲルを用いたケーブル接続部用パッキンを提供する。【解決手段】 シリコーンゲルの表面の粘着性を低下させるためのシリコーンゲル表面処理剤を、シランカップリング剤、金属アルコキシド、溶剤を含有するものとし、ケーブル接続部用パッキンを、ケーブルの接続部を収納した状態で相互に閉じ合わせ可能な一対のケース半体からなるケース体と、各ケース半体に位置するシリコーンゲルとを備えたものとし、シリコーンゲルはケース半体において露出している部位の粘着力が60gf以下であり、かつ、針入度が120〜350の範囲であるものとする。【選択図】 図1

Description

本発明は、シリコーンゲルの粘着性を低下させるためのシリコーンゲル表面処理剤と、シリコーンゲルを用いたケーブル接続部用パッキン、および、表面が非粘着性あるいは低粘着性を具備すると共に所望の柔軟性を発現するシリコーンゲルに関するものである。
従来から、電力ケーブル、光通信ケーブル等のケーブルの接続部は、水の侵入等を防止するために保護が必要とされている。例えば、ケーブルの接続部にゴムスペーサを装着した後、その上からテープを巻き付けること、あるいは、インナーコアを用いて拡径した状態の常温収縮チューブをケーブル接続部に配設し、その後、インナーコアを取り去って常温収縮チューブを縮径させ密着させることにより保護が行われている。しかし、従来のケーブル接続部の保護方法は、施工に手間やコストがかかり、また、作業を行うための十分な空間を確保する必要があり狭いスペースでは適用できないという問題があった。
このため、近年、シーリング材料を用いたケーブル接続部用パッキンが使用されている。このケーブル接続部用パッキンは、ケーシング内にシーリング材料を有するものであり、ケーシング内にケーブルの接続部を収納することにより、ケーシングとケーブル接続部との間にシーリング材料が圧縮状態で存在することとなり、このシーリング材料の変形によってケーブル接続部とケーシングとの隙間を埋めて気密保持性を高めたものである。このようなケーブル接続部用パッキンに使用するシーリング材料としては、例えば、ブチル系未加硫ゴム、シリコーンゲル、尿素ゲル、ウレタンゲル等が一般的である(特許文献1)。
その中でケーブル接続部用パッキンにシーリング材料として使用される従来のシリコーンゲルは、高い粘着性を有している。このためケーシングにおけるケーブルの収納位置を修正したり、パッキンを付け替えたりする場合、ケーブルに対してシーリング材料が高い粘着性を発現することとなり、作業性が著しく低下し、作業時間が長くなるという問題があった。
このような問題の解消策として、シリコーンゲルの表面にタルク等の粉体を塗布して低粘着とする方法、シリコーンゲルの表面のみ架橋密度を上げて硬くすることにより低粘着とする方法等が試みられている。
また、特定の表面処理剤を使用してシリコーンゲルの表面に表面処理層を形成することにより低粘着性あるいは非粘着性とする手法(特許文献2)を利用することが試みられている。
特表2000−516729号公報 特開2005−162924号公報
しかし、上記のようなシリコーンゲルの表面にタルク等の粉体を塗布して低粘着とする方法、シリコーンゲルの表面のみ架橋密度を上げて硬くすることにより低粘着とする方法では、シリコーンゲルからの粉体の脱落、シリコーンゲル表面の粗さ増大、シリコーンゲルの柔軟性の消失等がみられ、ケーブル接続部用パッキンの目的であるケーブル接続部の気密保持に支障を来すという問題があった。
また、上記のような表面処理剤を用いる表面処理層の形成は、比較的柔軟性の低いシリコーンゲル上では容易であるが、ケーブル接続部の気密保持のために高い柔軟性を具備するシリコーンゲルからなるシーリング材料では、表面にシワや亀裂が発生し易く、表面処理層の形成が難しいという問題があった。また、シーリング材料上に表面処理層が形成できた場合であっても、ケーシングとケーブル接続部との間におけるシーリング材料の圧縮変形に表面処理層が追従できず、例えば、ケーシングにおけるケーブルの収納位置を修正すると、シリコーンゲル表面から表面処理層が脱落し、作業性が著しく低下するという問題があった。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、シリコーンゲルの柔軟性をほぼ維持しながら粘着性を低下させるためのシリコーンゲル表面処理剤と、シリコーンゲルを用いたケーブル接続部用パッキン、および、表面が非粘着性あるいは低粘着性であると共に柔軟性を具備するシリコーンゲルを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のシリコーンゲル表面処理剤は、シリコーンゲルの表面の粘着性を低下させるための表面処理剤であり、シランカップリング剤、金属アルコキシド、溶剤を含有するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記シランカップリング剤は、反応性官能基としてビニル基、メタクリル基のいずれかを有するものであり、前記金属アルコキシドはチタニウムアルコキシドあるいはアルミニウムアルコキシドであるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記チタニウムアルコキシドの含有量は、0.4〜1.3重量%の範囲内であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記アルミニウムアルコキシドの含有量は、0.4〜1.0重量%の範囲内であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記シランカップリング剤の含有量は、1.7〜3.0重量%の範囲内であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記溶剤は、前記シリコーンゲルの溶解度パラメータとの差が1.6以下である溶解度パラメータを具備する溶剤であるような構成とした。
本発明のケーブル接続部用パッキンは、ケーブルの接続部を収納した状態で相互に閉じ合わせ可能な一対のケース半体からなるケース体と、各ケース半体に位置するシリコーンゲルとを備え、該シリコーンゲルは前記ケース半体において露出している部位の粘着力が60gf以下であり、かつ、針入度が120〜350の範囲であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記シリコーンゲルは、前記ケース半体において露出している部位に上述のいずれかのシリコーンゲル表面処理剤を用いて表面処理を施したものであるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、一対の前記ケース半体は、ヒンジ部を介して開閉可能に連結されたものであるような構成とした。
本発明のシリコーンゲルは、少なくとも表面の一部が低粘着領域であり、該低粘着領域の粘着力は60gf以下であり、かつ、針入度は120を超える範囲であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、表面の一部に前記低粘着領域が位置しており、前記低粘着領域の粘着力は前記低粘着領域を除く領域の粘着力の70%以下であり、前記低粘着領域の針入度は前記低粘着領域を除く領域の針入度の80〜110%であるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記低粘着領域は、上述のいずれかのシリコーンゲル表面処理剤を用いて表面処理を施したものであるような構成とした。
本発明のシリコーンゲル表面処理剤は、非粘着性あるいは低粘着性と共に柔軟性を具備するシリコーンゲルの形成が可能である。
本発明のケーブル接続部用パッキンは、各ケース半体に位置するシリコーンゲルが非粘着性あるいは低粘着性と共に柔軟性を発現し、ケーブル接続部を収納する作業性が良好であるとともに、ケーブル接続部の気密保持を容易かつ確実に行うことができる。
本発明のシリコーンゲルは、所望の表面が非粘着性あるいは低粘着性と共に良好な柔軟性を具備しており、シリコーンゲルが接触する対象物に対して不要な粘着性を発現することなく、対象物の形状に追従することが可能である。
図1は本発明のケーブル接続部用パッキンの一実施形態を示す斜視図である。 図2は本発明のケーブル接続部用パッキンにおいて、ケーブル接続部を収納するようにしてケース半体を閉じ合わせることを説明するための斜視図である。
以下に、本発明の実施形態を例示して説明する。
[シリコーンゲル表面処理剤]
本発明のシリコーンゲル表面処理剤は、シリコーンゲルの表面の粘着性を低下させるための表面処理剤であり、シランカップリング剤、金属アルコキシド、溶剤を含有する。
本発明のシリコーンゲル表面処理剤を用いて表面処理を施す対象となるシリコーンゲルは、粘着性を具備するようなシリコーンゲルであり、例えば、粘着力が60gfを超えるようなシリコーンゲルを挙げることができる。また、表面処理を施す対象となるシリコーンゲルの柔軟性には特に制限はなく、例えば、針入度が1〜400の範囲のシリコーンゲルに対して、当該シリコーンゲルの柔軟性の低下(硬化)を抑制しながら表面の粘着性を低下させることができる。このようなシリコーンゲルは、2液付加硬化型、1液硬化型のいずれであってもよい。2液付加硬化型の場合、2液の混合比を適宜設定して針入度、粘着力を調整したシリコーンゲルであってよい。
ここで、シリコーンゲルの針入度は、JIS K2220に準拠した針入度測定機を使用して測定した値とする。また、シリコーンゲルの粘着力は、タッキング試験機((株)レスカ製 TAC−II)を使用して、荷重15gf、プローブ径5.1mm、押し込み速度600mm/分の条件で測定する。以下の説明においても同様である。
本発明のシリコーンゲル表面処理剤に使用するシランカップリング剤は、例えば、下記の化学構造式(1)で示されるものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
3-mmSi−(CH2)n−Y (1)
(Rは加水分解性基であり、アルコキシ基を示し、Xは不活性基であり、アルキル基を示し、mは0,1,2のいずれかを示し、Yは反応性官能基であり、ビニル基を示し、nは1〜10の整数を示す)
使用するシランカップリング剤は、反応性官能基としてビニル基、メタクリル基のいずれかを有するものである。
このようなシランカップリング剤としては、例えば、信越シリコーン(株)製のKBM−1003、KBM−503、KBM−603、KBE−903、KBM−103、KBE−9007、東レ・ダウコーニング(株)製のZ6062、Z6300等を挙げることができる。
シリコーンゲル表面処理剤に含有させるシランカップリング剤量は、例えば、1.7〜3.0重量%、好ましくは2.4〜2.9重量%の範囲とすることができる。含有させるシランカップリング剤量が1.7重量%未満であると、シリコーンゲルの粘着力を低下させる作用が不充分となる。一方、含有させるシランカップリング剤量が3.0重量%を超えると、シリコーンゲルの粘着力を低下させる作用は十分であるものの、シリコーンゲルの表面が濡れた状態となり、好ましくない。
本発明のシリコーンゲル表面処理剤に使用する金属アルコキシドは、例えば、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムエトキシド等のチタニウムアルコキシド、アルミニウムトリ-sec-ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシドを挙げることができる。
シリコーンゲル表面処理剤に含有させるチタニウムアルコキシド量は、例えば、0.4〜1.3重量%、好ましくは0.8〜0.9重量%の範囲とすることができる。また、アルミニウムアルコキシド量は、例えば、0.4〜1.0重量%、好ましくは0.6〜0.8重量%の範囲とすることができる。含有させる金属アルコキシド量が上記の含有量未満であると、シリコーンゲルの粘着力を低下させる作用が不充分となる。一方、含有させる金属アルコキシド量が上記の含有量を超えると、シリコーンゲルの表面にヒビ割れが発生したり、粉体が存在する状態となり、好ましくない。
本発明のシリコーンゲル表面処理剤に使用する溶剤は、例えば、n−ヘキサン、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、メタノール、ジエチルエーテル、n−オクタン、シクロヘキサン、エチルベンゼン、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。このような溶剤の中から、処理対象であるシリコーンゲルの溶解度パラメータ(SP値)を考慮して、1種または2種以上を選択することが好ましい。すなわち、シリコーンゲルの溶解度パラメータとの差が1.6以下である溶解度パラメータを具備する溶剤を使用することが好適である。溶剤の溶解度パラメータとシリコーンゲルの溶解度パラメータとの差が1.6を超えると、シリコーンゲルに対する表面処理剤の濡れ性が悪く、シリコーンゲル上で表面処理剤がはじかれて液滴状となり、良好な表面処理が行えないことがあり、好ましくない。
このような本発明のシリコーンゲル表面処理剤は、シリコーンゲルの所望の面に供給し、その後、例えば、80〜150℃の温度範囲で硬化させることにより、シランカップリング剤のアルコキシ基が加水分解してシラノール基となり、これが金属アルコキシドのOH基と縮合反応を生じる。また、シランカップリング剤の反応性官能基がシリコーンゲルのSi−H部位と反応を生じる。これにより、当該シリコーンゲルの表面の粘着力が低減されるとともに、当該シリコーンゲルの柔軟性の低下が抑制される。例えば、処理対象のシリコーンゲルの粘着力を60gf以下、更には40gf以下に低減することができる。また、処理対象であるシリコーンゲルの処理前における針入度に対して、処理後における針入度の低下を20%以下に抑えて、処理対象であるシリコーンゲルの柔軟性を維持することができる。さらに、本発明のシリコーンゲル表面処理剤は、処理対象であるシリコーンゲルが、針入度が120を超えるような柔軟性を具備する場合であっても、シリコーンゲルにしわ、亀裂等を生じることが防止される。したがって、本発明のシリコーンゲル表面処理剤は、非粘着性あるいは低粘着性と共に柔軟性を具備するシリコーンゲルの形成が可能である。
シリコーンゲルの所望の面へのシリコーンゲル表面処理剤の供給方式は特に限定されず、例えば、スプレー方式、刷毛塗り方式等を挙げることができる。
[シリコーンゲル]
本発明のシリコーンゲルは、少なくとも表面の一部が低粘着領域であり、この低粘着領域の粘着力は60gf以下であり、かつ、針入度は120を超える範囲である。そして、低粘着領域がシリコーンゲルの表面の一部に位置する場合、低粘着領域の粘着力は、低粘着領域を除く領域の粘着力の70%以下であり、また、低粘着領域の針入度は、低粘着領域を除く領域の針入度の80〜110%の範囲である。
本発明のシリコーンゲルは、例えば、粘着力が60gfを超え、針入度が120を超えるシリコーンゲル基材の表面の全域、あるいは、所望の領域に対して、上述の本発明のシリコーンゲル表面処理剤を用いて表面処理を施して低粘着領域を形成することにより、作製することができる。シリコーンゲル基材は、2液付加硬化型、1液硬化型のいずれであってもよく、2液付加硬化型の場合、2液の混合比を適宜設定して針入度、粘着力を制御することができる。このように作製された本発明のシリコーンゲルは、低粘着領域における粘着力が低いにもかかわらず、この低粘着領域における針入度が高く、シリコーンゲル基材が具備する良好な柔軟性が維持されたものである。
このような本発明のシリコーンゲルの形状は特に限定されず、単体として取り扱われるものであってよく、また、容器、器具、装置等に収納された状態で取り扱われるものであってもよい。
本発明のシリコーンゲルは、所望の表面が、針入度が120を超えるような柔軟なシリコーンゲルでありながら、非粘着性あるいは低粘着性を具備しており、また、表面にシワや亀裂がなく、これにより、シリコーンゲルが接触する対象物に対して不要な粘着性を発現することなく、対象物の形状に追従することが可能である。
[ケーブル接続部用パッキン]
図1は本発明のケーブル接続部用パッキンの一実施形態を示す斜視図である。図1において、本発明のケーブル接続部用パッキン11は、相互に閉じ合わせ可能な一対のケース半体22,23からなるケース体21と、各ケース半体22,23内に位置するシリコーンゲル31とを備えている。尚、図1では、シリコーンゲル31に斜線を付して示している。
ケーブル接続部用パッキン11のケース体21を構成するケース半体22,23は、中空円柱形状体を軸方向に沿って略二分割したような形状を有しており、ヒンジ部24を介して開閉可能に連結されている。図1では、ケース半体22とケース半体23が180°開かれた状態を示している。
ケース半体22は、矢印aで示される軸方向の両端部に、ケーブルを挟持するための半円形状の切欠き部22A,22Bを有している。また、ヒンジ部24と対向するケース半体22の端辺部には、係合用の凸部26が突設されている。ケース半体23も、矢印aで示される軸方向の両端部に、ケーブルを挟持するための半円形状の切欠き部23A,23Bを有している。さらに、ヒンジ部24と対向するケース半体23の端辺部には、係合爪部27が設けられており、この係合爪部27はケース半体23の端辺部から突設されている基部27aと、この基部27aの先端部に位置する爪部27bを有している。
上記の切欠き部22Aと切欠き部23A、および切欠き部22Bと切欠き部23Bは、ケース半体22,23を閉じ合せてケース体21としたときに、相互に対向してケーブルを挟持するための円形開口を形成する。
このようなケース半体22,23は、ケース体21に要求される特性に応じて適宜材料を選択して形成することができ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート等の樹脂材料、鉄、銅、アルミニウム、またはそれら1種以上を主成分とした合金等の金属材料等の材料を挙げることができる。
ケーブル接続部用パッキン11のケース体21を構成するケース半体22,23内に位置するシリコーンゲル31は、ケース半体22,23において露出している部位(斜線が付されている部位)の粘着力が60gf以下、好ましくは40gf以下であり、かつ、針入度が120〜350、好ましくは250〜300の範囲である。シリコーンゲル31の粘着力が60gfを超えると、ケーブル接続部用パッキン11におけるケーブルの収納位置を修正したり、ケーブル接続部用パッキンを付け替えたりする場合、ケーブルに対してシリコーンゲル31が高い粘着性を発現して作業性が著しく低下するので好ましくない。また、シリコーンゲル31の針入度が120未満であると、下記のようにケース半体22,23を閉じ合せてケース体21としたときに、ケーブル接続部とシリコーンゲル31との隙間がシリコーンゲル31の変形では埋まらず、十分な気密保持性が得らないことがある。一方、針入度が350を超えると、ケース半体22,23内に位置するシリコーンゲル31が切欠き部22A,22B、切欠き部23A,23Bから外部に流出して、ケーブル接続部用パッキンとして使用できないことがある。また、ケース半体22,23を閉じ合せてケース体21としたときに、ケース半体22が備える切欠き部22A,22B、ケース半体23が備える切欠き部23A,23Bからシリコーンゲル31がケース体21の外部に流出し、十分な気密保持性が得らないことがある。
このようなシリコーンゲル31は、例えば、粘着力が60gfを超えるようなシリコーンゲルをケース半体22,23に載置し、ケース半体22,23において露出しているシリコーンゲルに上述の本発明のシリコーンゲル表面処理剤を用いて表面処理を施すことにより得ることができる。
このようなケース半体22,23は、図2に示されるように、ケーブル接続部41を収納するようにしてヒンジ部24を中心に相互に折り曲げることにより閉じ合わせることが可能である。閉じ合わされた状態では、係合用の凸部26に係合爪部27の爪部27bが係合してケース体21の閉じ合せ状態が維持される。
このような本発明のケーブル接続部用パッキン11は、各ケース半体22,23に位置するシリコーンゲル31が非粘着性あるいは低粘着性と共に柔軟性を具備しているので、ケーブル接続部41を収納する作業性が良好であるとともに、ケーブル接続部41の気密保持を容易かつ確実に行うことができる。また、ケーブル接続部用パッキン11からケーブル接続部41を取り出す場合、係合爪部27の爪部27bを係合用の凸部26から外すことによりケース半体22,23を開いてケーブル接続部41を取り出すことができ、この際、シリコーンゲル31が非粘着性あるいは低粘着性であるので、ケーブル接続部41の取り出しが容易である。
上述のケーブル接続部用パッキンは一実施形態であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上述のケース半体22,23を、ヒンジ部を介した連結状態とせずに、独立した別個のケース半体22,23としてもよい。この場合、例えば、一方のケース半体22の開口端辺部には、係合用の挿入孔を設け、他方のケース半体23の開口端辺部には、係合用の爪部を設けることができる。これにより、ケーブル接続部を収納するようにしてケース半体22,23を対向させて閉じ合わせ、係合用の爪部を係合用の挿入孔に挿入係止して、閉じ合わせることが可能である。さらに、ケーブル接続部を収納して閉じ合わされた本発明のケーブル接続部用パッキンの外周部をベルト等の締め具により封止してもよい。
また、ケース体21の外形形状は、上述の実施形態のような中空円柱形状に限定されず、したがって、ケース半体22,23の形状は、ケース体21の外形形状に応じて設定することができる。
また、本発明のケーブル接続部用パッキンは、複数のケーブル接続部を並列に収納するものであってもよく、ケース体21の形状、寸法、および、ケース半体22,23に位置する切欠き部の数、位置等は適宜設定することができる。
さらに、ケース半体22,23の内部が仕切り部材により複数に仕切られたような構造であってもよい。この場合、ケース半体22,23の一部の仕切り区画にシリコーンゲル31が位置するものであってもよい。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
<シリコーンゲル基材の作製>
シリコーンゲルとして、KCC社製 SL5100A、および、KCC社製 SL5100Bを準備した。この2種のシリコーンゲルを5100A:5100B=1:0.8(重量比)で混合し、真空乾燥機にて室温で5分間脱泡し、次いで、100℃で2時間硬化させることにより、8cm×8cm、厚み2mmの直方体形状のシリコーンゲル基材を作製した。また、針入度測定用として、直径10cm、高さ8cmの円柱形状のシリコーンゲル基材を作製した。
このように作製したシリコーンゲル基材の粘着力は87gfであり、針入度は260であった。尚、粘着力は、タッキング試験機((株)レスカ製 TAC−II)を使用し、荷重15gf、プローブ径5.1mm、押し込み速度600mm/分の条件で測定した。また、針入度は、JIS K2220に準拠した針入度測定機を使用して測定した。
また、作製したシリコーンゲル基材の溶解度パラメータは7.3であった。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−1)の調製>
ビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製 Z6300)0.05g、チタニウムテトライソプロポキシド(関東化学(株)製)0.018g、nーヘキサン(関東化学(株)製)3mLを10分間撹拌することにより、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−1)を調製した。調製したシリコーンゲル表面処理剤(試料1−1)におけるシランカップリング剤量は2.45重量%、チタニウムテトライソプロポキシド量は0.88重量%であった。
尚、n−ヘキサンの溶解度パラメータは7.3であり、上記のシリコーンゲル基材の溶解度パラメータと同等であった。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−2〜試料1−7)の調製>
シリコーンゲル表面処理剤におけるシランカップリング剤量を、下記の表1に示される含有量とした他は、試料1−1と同様にして、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−2〜試料1−7)を調製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−8〜試料1−13)の調製>
シリコーンゲル表面処理剤におけるチタニウムテトライソプロポキシド量を、下記の表1に示される含有量とした他は、試料1−1と同様にして、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−8〜試料1−13)を調製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−14)の調製>
金属アルコキシドとして、チタニウムテトライソプロポキシドに代えてチタニウム(IV)エトキシド(関東化学(株)製)を使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−14)を調製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−15〜試料1−19)の調製>
溶剤として、トルエンを使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−15)を調製した。トルエンの溶解度パラメータは8.9であり、上記のシリコーンゲル基材の溶解度パラメータ(7.3)との差は1.6であった。
また、溶剤として、テトラヒドロフラン(THF)を使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−16)を調製した。テトラヒドロフラン(THF)の溶解度パラメータは9.1であり、上記のシリコーンゲル基材の溶解度パラメータ(7.3)との差は1.8であった。
また、溶剤として、メタノールを使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−17)を調製した。メタノールの溶解度パラメータは14.5であり、上記のシリコーンゲル基材の溶解度パラメータ(7.3)との差は7.2であった。
また、溶剤として、アセトンを使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−18)を調製した。アセトンの溶解度パラメータは9.9であり、上記のシリコーンゲル基材の溶解度パラメータ(7.3)との差は2.6であった。
さらに、溶剤として、ジメチルスルホキシドを使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−19)を調製した。ジメチルスルホキシドの溶解度パラメータは18.4であり、上記のシリコーンゲル基材の溶解度パラメータ(7.3)との差は11.1であった。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−20〜試料1−24)の調製>
シランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシランに代えて3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製 KBM−503)を使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−20)を調製した。
また、シランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシランに代えてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製 KBM−603)を使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−21)を調製した。
また、シランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシランに代えて3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン(株)製 KBE−903)を使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−22)を調製した。
また、シランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシランに代えて3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製 KBM−103)を使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−23)を調製した。
さらに、シランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシランに代えてイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン(株)製 KBE−9007)を使用した他は、試料1−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−24)を調製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−25)の調製>
ビニルトリメトキシシランを含有しない他は、試料1−1と同様にして、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−25)を調製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−26)の調製>
チタニウムテトライソプロポキシドを含有しない他は、試料1−1と同様にして、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−26)を調製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−27)の調製>
下記の式(2)で示される特定のフッ素含有化合物0.04g、テトラエトキシシラン0.4g、テトラエトキシチタン0.004g、メルカプトシラン(日本ユニカー(株)製 A−189)0.01g、0.1N塩酸0.05gを、アセトン9.5gに添加し、1時間撹拌することにより、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−27)を調製した。
Figure 2016147929
<シリコーンゲル表面処理剤(試料1−28)の調製>
ジメチルポリシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)10g、ポリジメチルハイドロジェンシロキサン(アヅマックス(株)製 DMS−H11)60gを、アルミナ(日本軽金属(株)製 SA32−S915)10gに添加し、さらに、白金触媒を添加して、混合・分散することにより、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−28)を調製した。
<評 価>
上記のように調製したシリコーンゲル表面処理剤(試料1−1〜試料1−28)を使用して、シリコーンゲル基材の表面処理を行った。すなわち、シリコーンゲル基材の1つの8mm×8mmの面に、シリコーンゲル表面処理剤3mLをスプレー方式で供給(スプレー圧50kPa)し、その後、100℃で10分間硬化させることにより、表面処理を施した。尚、試料1−23のシリコーンゲル表面処理剤については、100℃での硬化時間を60分とした。また、試料1−28のシリコーンゲル表面処理剤については、硬化条件を150℃、5分とした。
同様に、針入度測定用としての直径10cm、高さ8cmの円柱形状のシリコーンゲル基材の上平面に、シリコーンゲル表面処理剤(試料1−1〜試料1−28)を使用して表面処理を行った。
このように表面処理を施した面について、上記と同様に、粘着力、針入度を測定し、下記の基準で粘着力低下性、柔軟維持性の評価を行い、結果を下記の表1、表2に示した。
また、シリコーンゲル基材の処理面の外観を下記の基準で評価し、結果を下記の表1、表2に示した。
(粘着力低下性の評価基準)
◎ : 処理前の粘着力(87gf)が、処理後に40gf以下となる。
○ : 処理前の粘着力(87gf)が、処理後に60gf以下となる。
× : 処理前の粘着力(87gf)が、処理後に60gfを超える。
(柔軟維持性の評価基準)
○ : 処理後の針入度が処理前の針入度(260)の80〜110%の範囲
となる。
× : 処理後の針入度が処理前の針入度(260)の80%未満となる。
(処理面外観の評価基準)
○ : 目視で変色が見られず、また、処理面にヒビ割れ、脱落がみられない。
△ : 目視で変色が見られず、また、処理面にヒビ割れ、脱落がみられない
が、SEM観察を行うと、処理面にヒビ割れがみられる。
× : 目視で白化等の変色が見られる、あるいは、処理面にヒビ割れ、脱落
がみられる。
Figure 2016147929
Figure 2016147929
[実施例2]
<シリコーンゲル基材の作製>
実施例1と同様にして、直方体形状のシリコーンゲル基材を作製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料2−1)の調製>
ビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製 Z6300)0.05g、アルミニウム-sec-ブトキシド(関東化学(株)製)0.015g、ヘキサン(関東化学(株)製)3mLを10分間撹拌することにより、シリコーンゲル表面処理剤(試料2−1)を調製した。調製したシリコーンゲル表面処理剤(試料2−1)におけるシランカップリング剤量は2.46重量%、アルミニウム-sec-ブトキシド量は0.74重量%であった。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料2−2〜試料2−7)の調製>
シリコーンゲル表面処理剤におけるシランカップリング剤量を、下記の表3に示される含有量とした他は、試料2−1と同様にして、シリコーンゲル表面処理剤(試料2−2〜試料2−7)を調製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料2−8〜試料2−13)の調製>
シリコーンゲル表面処理剤におけるアルミニウム-sec-ブトキシド量を、下記の表3に示される含有量とした他は、試料2−1と同様にして、シリコーンゲル表面処理剤(試料2−8〜試料2−13)を調製した。
<シリコーンゲル表面処理剤(試料2−14)の調製>
金属アルコキシドとして、アルミニウム-sec-ブトキシドに代えてアルミニウムトリエトキシド(関東化学(株)製)を使用し、溶剤として、ヘキサンに代えてトルエンを使用した他は、試料2−1の調製と同様に、シリコーンゲル表面処理剤(試料2−14)を調製した。調製したシリコーンゲル表面処理剤(試料2−14)におけるシランカップリング剤量は1.75重量%、アルミニウムトリエトキシド量は0.52重量%であった。
<評 価>
上記のように調製したシリコーンゲル表面処理剤(試料2−1〜試料2−14)を使用して、シリコーンゲル基材の表面処理を行った。すなわち、シリコーンゲル基材の1つの8mm×8mmの面に、シリコーンゲル表面処理剤3mLをスプレー方式で供給(スプレー圧50kPa)し、その後、100℃で10分間硬化させることにより、表面処理を施した。
同様に、針入度測定用としての直径10cm、高さ8cmの円柱形状のシリコーンゲル基材の上平面に、シリコーンゲル表面処理剤(試料2−1〜試料2−14)を使用して表面処理を行った。
このように表面処理を施した面について、実施例1と同様にして、粘着力低下性、柔軟維持性、外観、長期耐久性の評価を行い、結果を下記の表3に示した。
Figure 2016147929
[実施例3]
<シリコーンゲル基材の作製>
実施例1と同様に、2種のシリコーンゲルを5100A:5100B=1:0.8(重量比)で混合し、直方体形状のシリコーンゲル基材(試料A)を作製した。このシリコーンゲル基材(試料A)の粘着力は87gfであり、針入度は260であった。また、シリコーンゲル基材(試料A)の溶解度パラメータは7.3であった。
また、2種のシリコーンゲルを5100A:5100B=1:1(重量比)で混合した他は、実施例1と同様にして、直方体形状のシリコーンゲル基材(試料B)を作製した。このシリコーンゲル基材(試料B)の粘着力は66gfであり、針入度は164であった。また、シリコーンゲル基材(試料B)の溶解度パラメータは7.3であった。
さらに、2種のシリコーンゲルを5100A:5100B=0.8:1(重量比)で混合した他は、実施例1と同様にして、直方体形状のシリコーンゲル基材(試料C)を作製した。このシリコーンゲル基材(試料C)の粘着力は38gfであり、針入度は80であった。また、シリコーンゲル基材(試料C)の溶解度パラメータは7.3であった。
<シリコーンゲル表面処理剤の調製>
実施例1のシリコーンゲル表面処理剤(試料1−1)と同様にして、シリコーンゲル表面処理剤を調製した。このシリコーンゲル表面処理剤に含有されるヘキサンの溶解度パラメータは7.3であり、上記のシリコーンゲル基材(試料A)、シリコーンゲル基材(試料B)、シリコーンゲル基材(試料C)の溶解度パラメータと同等であった。
<評 価>
上記のように調製したシリコーンゲル表面処理剤を使用して、各シリコーンゲル基材(試料A、試料B、試料C)の表面処理を行った。すなわち、シリコーンゲル基材の1つの8mm×8mmの面に、シリコーンゲル表面処理剤3mLをスプレー方式で供給(スプレー圧50kPa)し、その後、100℃で10分間硬化させることにより、表面処理を施した。
同様に、針入度測定用としての直径10cm、高さ8cmの円柱形状の各シリコーンゲル基材(試料A、試料B、試料C)の上平面に、同様のシリコーンゲル表面処理剤を使用して表面処理を行った。
このように表面処理を施した面について、実施例1と同様にして、粘着力、針入度を測定し、表面処理前の粘着力、針入度とともに、下記の表4に示した。
Figure 2016147929
表4に示されるように、処理後の粘着力は、処理前の粘着力の70%以下であり、また、処理後の針入度は、処理前の針入度の80〜110%の範囲にあり、本発明のシリコーンゲル表面処理剤は、粘着力、針入度(柔軟性)の異なる種々のシリコーンゲルに対して、適用可能であることが確認された。
本発明は、シリコーンゲルを使用する種々の分野において有用である。
11…ケーブル接続部用パッキン
21…ケース体
22,23…ケース半体
24…ヒンジ部
31…シリコーンゲル

Claims (12)

  1. シリコーンゲルの表面の粘着性を低下させるための表面処理剤であり、シランカップリング剤、金属アルコキシド、溶剤を含有することを特徴とするシリコーンゲル表面処理剤。
  2. 前記シランカップリング剤は、反応性官能基としてビニル基、メタクリル基のいずれかを有するものであり、前記金属アルコキシドはチタニウムアルコキシドあるいはアルミニウムアルコキシドであることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンゲル表面処理剤。
  3. 前記チタニウムアルコキシドの含有量は、0.4〜1.3重量%の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のシリコーンゲル表面処理剤。
  4. 前記アルミニウムアルコキシドの含有量は、0.4〜1.0重量%の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のシリコーンゲル表面処理剤。
  5. 前記シランカップリング剤の含有量は、1.7〜3.0重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理剤。
  6. 前記溶剤は、前記シリコーンゲルの溶解度パラメータとの差が1.6以下である溶解度パラメータを具備する溶剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理剤。
  7. ケーブルの接続部を収納した状態で相互に閉じ合わせ可能な一対のケース半体からなるケース体と、各ケース半体に位置するシリコーンゲルとを備え、該シリコーンゲルは前記ケース半体において露出している部位の粘着力が60gf以下であり、かつ、針入度が120〜350の範囲であることを特徴とするケーブル接続部用パッキン。
  8. 前記シリコーンゲルは、前記ケース半体において露出している部位に請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理剤を用いて表面処理を施したものであることを特徴とする請求項7に記載のケーブル接続部用パッキン。
  9. 一対の前記ケース半体は、ヒンジ部を介して開閉可能に連結されたものであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のケーブル接続部用パッキン。
  10. 少なくとも表面の一部が低粘着領域であり、該低粘着領域の粘着力は60gf以下であり、かつ、針入度は120を超える範囲であることを特徴とするシリコーンゲル。
  11. 表面の一部に前記低粘着領域が位置しており、前記低粘着領域の粘着力は前記低粘着領域を除く領域の粘着力の70%以下であり、前記低粘着領域の針入度は前記低粘着領域を除く領域の針入度の80〜110%であることを特徴とする請求項10に記載のシリコーンゲル。
  12. 前記低粘着領域は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のシリコーンゲル表面処理剤を用いて表面処理を施したものであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のシリコーンゲル。
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