JP2016147416A - 自己修復性フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
[1]基材フィルム上に自己修復性樹脂層(A)を有する自己修復性フィルムであって、前記基材フィルムと自己修復性樹脂層(A)との間に、ぬれ張力が52mN/m以下である樹脂層(B)を有することを特徴とする、自己修復性フィルム。
[2]前記樹脂層(B)が熱硬化層である、[1]に記載の自己修復性フィルム。
[3]前記樹脂層(B)が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を含有する、[1]または[2]に記載の自己修復性フィルム。
[4]前記樹脂層(B)が架橋剤を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の自己修復性フィルム。
[5]前記基材フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、[1]〜[4]のいずれかに記載の自己修復性フィルム。
[6]前記自己修復性樹脂層(A)のマルテンス硬さが50N/mm2以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の自己修復性フィルム。
本発明にかかる自己修復性樹脂層(A)は、自己修復性樹脂層(A)表面に付けられた傷が自己修復する機能(傷修復機能)を有する層である。具体的には、常温(23℃)環境下で金属ブラシ(真鍮ブラシ)によって自己修復性樹脂層(A)表面に付けられた傷が消失することを意味する。
本発明にかかる自己修復性樹脂層(A)は、基材フィルム上に樹脂層(B)を介して自己修復性樹脂組成物を塗布し、必要に応じて乾燥した後、熱もしくは活性エネルギー線を照射し、硬化させることによって形成することができる。つまり、本発明にかかる自己修復性樹脂層(A)を形成するための自己修復性樹脂組成物は、熱硬化性組成物あるいは活性エネルギー線硬化性組成物であることが好ましい。
ポリシロキサン系化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物や、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたオルガノシリカゾル、または該オルガノシリカゾルにラジカル重合性を有する上記シラン化合物を付加させたもの等を使用することができる。
ポリジメチルシロキサン系化合物としては、ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、(メタ)アクリレート変性ポリジメチルシロキサン(例えば、東亞合成(株)製GUV−235)などが挙げられる。
ポリジメチルシロキサン系共重合体は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよいが、ブロック共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
自己修復性樹脂層(A)を形成するための熱硬化性組成物は、ポリカプロラクトンを含有する化合物とイソシアネート基を含有する化合物を少なくとも含むことが好ましい。このような組成物は、熱を与えることによってポリカプロラクトンを含有する化合物の水酸基とイソシアネート基を含有する化合物のイソシアネート基がウレタン結合を生起してポリカプロラクトン骨格を有するウレタン樹脂を生成する。
ポリカプロラクトンは、下記化4で表される構造を有する。また、ポリカプロラクトンを含有する化合物は少なくとも1以上の水酸基を含有する必要がある。水酸基は、ポリカプロラクトンを含有する化合物の末端にあることが好ましい。
イソシアネート基を含有する化合物としては、例えば、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンイソシアネートのビューレット体などのポリイソシアネート、および上記イソシアネートのブロック体などを挙げることができる。
ポリカプロラクトンとイソシアネート基を含有する樹脂とは、一分子鎖内に上述したポリカプロラクトンとイソシアネート基を含有する樹脂であって、少なくとも1以上の水酸基を有する樹脂である。水酸基は、樹脂の末端にあることが好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる、自己修復性樹脂層(A)を形成するための熱硬化性組成物の具体例を説明する。但し、本発明はこれらの具体例に限定されることはない。
自己修復性樹脂層(A)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化する組成物である。かかる組成物としては、例えばウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば下記の化合物が挙げられる。
a)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとポリカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(ポリカプロラクトン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート)、
b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、
c)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとポリカーボネートジオールおよびヒドロキシ変性(メタ)アクリレートとを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート(ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート)、
d)1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートと、ヒドロキシ変性(メタ)アクリレートおよびポリカプロラクトン含有多官能アルコールとを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート(ポリカプロラクトン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート)、
e)1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートと長鎖アルキルアルコールおよびポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(ポリカプロラクトン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート)、
f)1分子中に2以上のイソシアネート基を有する有機イソシアネートと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(ポリアルキレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート)。
基材フィルムとしては、各種プラスチックフィルムが好ましく用いられる。係るプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびセルロース樹脂が好ましく、特にポリエステル樹脂が好ましく用いられ、更にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。また、基材フィルムは、上記の樹脂からなる層が2層以上積層された積層プラスチックフィルムであってもよい。
本発明にかかる樹脂層(B)は、基材フィルムと自己修復性樹脂層(A)との間に介在し、基材フィルムと自己修復性樹脂層(A)との密着性を向上させる。特に、汗や化粧水に含有される乳酸に対する密着性を向上させる。
本発明にかかる自己修復性フィルムは、樹脂層(B)および自己修復性樹脂層(A)が基材フィルムの片面に設けられたものであってもよいし、基材フィルムの両面にそれぞれ設けられたものであってもよい。
樹脂層(B)が積層された基材フィルムを常態(23℃、相対湿度50%)の雰囲気下で6時間シーズニングして、同雰囲気下でJIS−K−6768(1999)に準拠して測定した。
自己修復性フィルムを150mm×50mmのサイズに切り出して試験サンプルを作製した。
・移動台の移動速度;300mm/分
・移動台の移動距離;片道120mm
・測定環境;23℃、55%RH。
ΔHz2=(Hz2)−(Hz0) ・・・式3
ΔHz3=(Hz3)−(Hz0) ・・・式4。
S;ΔHz1が0.30%未満である(優れた傷修復機能を有する)。
A;ΔHz1が0.30%以上、ΔHz2が0.30%未満である(良好な傷修復機能を有する)。
B;ΔHz2が0.30%以上、ΔHz3が0.30%未満である(傷修復機能を有する)。
C;ΔHz3が0.30%以上である(傷修復機能を有しない)。
JIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−2000」を用いて測定した。測定に際し、自己修復性フィルムの自己修復性樹脂層(A)が設けられている側の表面に光が入射するように配置した。
自己修復性フィルムを150mm×50mmのサイズに切り出し、裏面(自己修復性樹脂層(A)が積層された面とは反対面)のほぼ全面に黒粘着テープを貼り付けて試験サンプルを作製した。
・移動台の移動速度;300mm/分
・移動台の移動距離;片道120mm
・測定環境;23℃、55%RH。
S;傷消失時間が10秒未満である。
A;傷消失時間が10秒以上3分未満である。
B;傷消失時間が3分以上30分未満である。
C;傷消失時間が30分以上24時間未満である。
D;24時間以上経過しても傷が消失しない。
樹脂層(B)が積層された基材フィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO4 染色、OsO4 染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で断面構造が目視可能な以下の条件にて観察し、その断面写真から樹脂層(B)の厚みを測定する。尚、測定個所は粒子が存在しない部分である。なお、5箇所を測定して、その平均値を樹脂層(B)の厚みとした。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製 H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧 100kV
・試料調整:凍結超薄切片法
・倍率:30万倍。
基材フィルムに積層された樹脂層(B)の表面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて倍率1万倍で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観察箇所を変えてデータを取り込み、合計粒子数5000個以上となったところで次の数値処理を行ない、それによって求めた数平均径dを平均粒径(直径)とした。
・d=Σdi /N
ここでdi は粒子の等価円直径(粒子の断面積と同じ面積を持つ円の直径)、Nは個数である。
自己修復性フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で加速電圧100kVにて観察する。試料調整は超薄切片法もしくは凍結超薄切片法を用いる。5〜30万倍の倍率で観察し、自己修復性樹脂層(A)の厚みを測定する。
基材フィルム上に積層された自己修復性樹脂層(A)のマルテンス硬さを、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で超微小硬さ試験装置((株)フィッシャー・インストルメンツ社製の「フィッシャースコープH−100」)を用いて、最大荷重が2mN、第1クリープが5sec、第2クリープが5secの条件で測定した。
自己修復性フィルムの自己修復性樹脂層の表面に、汗を模した液(濃度5質量%の乳酸水溶液)を3ml滴下した後、90℃のオーブン内で12時間熱した。その後、自己修復性フィルムをオーブンから取り出して、室温で10分間放置して試験サンプルを作製した。
S:20回往復させても膜剥がれがない。
A:10回往復では膜剥がれはないが、20回往復で膜剥がれがある。
B:10回往復で膜剥がれがある。
(樹脂層(B)形成用塗布液a)
固形分質量比で、ポリエステル樹脂aを27質量%、ポリエステル樹脂bを54質量%、メラミン系架橋剤を18質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂a;2,6−ナフタレンジカルボン酸43モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されているポリエステル樹脂。
・ポリエステル樹脂b;テレフタル酸38モル%/トリメリット酸12モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されているポリエステル樹脂。
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」)
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
固形分質量比で、ポリエステル樹脂cを42質量%、アクリル樹脂aを42質量%、エポキシ系架橋剤を6質量%、界面活性剤を9質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂c;テレフタル酸35モル%/イソフタル酸11モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸4モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール4モル%/ポリエチレングリコール(繰り返し単位数n=23)1モル%で構成されているポリエステル樹脂。
・アクリル樹脂a;メチルメタクリレート75モル%/エチルアクリレート18モル%/N−メチロールアクリルアミド4モル%/メトキシポリエチレングリコール(繰り返し単位数n=10)メタクリレート3モル%で構成されているアクリル樹脂。
・エポキシ系架橋剤;1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミン)シクロヘキサン
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
固形分質量比で、ポリエステル樹脂dを40質量%、アクリル樹脂bを40質量%、メラミン系架橋剤を10質量%、界面活性剤を9質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル樹脂d;テレフタル酸30モル%/イソフタル酸15モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%/エチレングリコール30モル%/1,4−ブタンジオール20モル%で構成されているポリエステル樹脂。
・アクリル樹脂b;メチルメタクリレート75モル%/エチルアクリレート22モル%/アクリル酸1モル%/N−メチロールアクリルアミド2モル%で構成されているアクリル樹脂
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」)
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
固形分質量比で、ポリエステル樹脂eを45質量%、アクリル樹脂cを45質量%、メラミン系架橋剤を5質量%、界面活性剤を4質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・ポリエステル共重合体e:テレフタル酸32モル%/イソフタル酸12モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸6モル%/エチレングリコール46モル%/ジエチレングリコール4モル%で構成されているポリエステル共重合体。
・アクリル樹脂c:メチルメタクリレート70モル%/エチルアクリレート22モル%/N−メチロールアクリルアミド4モル%/N,N−ジメチルアクリルアミド4モル%で構成されているアクリル共重合体。
・メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」)
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
固形分質量比で、ポリウレタン樹脂を85質量%、エポキシ系架橋剤を5質量%、界面活性剤を9質量%、粒子を1質量%混合して塗布液を調製した。
・ポリウレタン樹脂;大日本インキ化学工業(株)製の「ハイドランAP−20」
・エポキシ系架橋剤;トリエチレングリコールジグリシジルエーテル
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
固形分質量比で、アクリル樹脂dを90質量%、界面活性剤を9質量%、粒子を1質量%混合して水分散塗布液を調製した。
・アクリル樹脂d;メチルメタクリレート70モル%/エチルアクリレート22モル%/N−メチロールアクリルアミド4モル%/アクリロイルモルホリン4モル%で構成されているアクリル共重合体。
・界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル
・粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
下記の要領で自己修復性フィルムを作製した。
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの一方の面(第1面)に樹脂層(B)形成用塗布液a、他方の面(第2面)に下記の易接着層形成用塗布液をそれぞれ塗布した。
下記のポリエステル樹脂を固形分換算で22質量部、自己架橋型ポリウレタン樹脂水溶液(第一工業製薬製:商品名エラストロンH−3;固形分濃度20質量%)を固形分換算で80質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬製:商品名Cat64)を5質量部、および粒子(平均粒子径が0.19μmのコロイダルシリカ)を3質量部含む。
ジメチルテレフタレート95質量部、ジメチルイソフタレート95質量部、エチレングリコール35質量部、ネオペンチルグリコール145質量部、酢酸亜鉛0.1質量部及び三酸化アンチモン0.1質量部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。次に5−ナトリウムイソフタル酸6質量部を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(固形分濃度30質量%の水分散液)を得た。
上記で得られた樹脂層(B)が積層されたPETフィルムの第1面に設けられた樹脂層(B)の上に、下記の熱硬化性組成物aをスリットダイコーターにて、厚み(硬化後の厚み)が17μmとなるように塗布した。塗布後、熱風にて90℃で120秒間乾燥し、次いで150℃で150秒間加熱し硬化させて、自己修復性樹脂層(A)を形成した。
下記のポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体65質量部、下記のポリシロキサン10質量部、および水酸基を有するポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業(株)製の「プラクセル308」)25質量部を配合(混合)した組成物100質量部に対し、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(武田薬品工業(株)製の「タケネートD−170N」)を35質量部添加し、さらにメチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分濃度40質量%の熱硬化性組成物を調製した。
攪拌機、温度計、コンデンサおよび窒素ガス導入管を備えたフラスコに、トルエン50質量部、メチルイソブチルケトン50質量部、ポリジメチルシロキサン系高分子重合開始剤(和光純薬(株)製の「VPS−0501」)20質量部、メタクリル酸メチル30質量部、メタクリル酸ブチル26質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23質量部、メタクリル酸1質量部および1−チオグリセリン0.5質量部を仕込み、80℃で8時間反応させて、固形分50質量%のポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体を得た。
攪拌機、温度計、コンデンサおよび窒素ガス導入管を備えたフラスコに、エタノール106質量部、テトラエトキシシラン320質量部、脱イオン水21質量部、および1質量%塩酸1質量部を仕込み、85℃で2時間保持した後、昇温しながらエタノールを回収し、180℃で3時間保持した。その後、冷却し、粘調なポリシロキサンを得た。
実施例1の樹脂層(B)が積層されたPETフィルムの製造において、樹脂層(B)形成用塗布液を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてそれぞれの自己修復性フィルムを作製した。
実施例1と同様にて樹脂層(B)が積層されたPETフィルムを作製した。
次いで、上記で得られた樹脂層(B)が積層されたPETフィルムの第1面に設けられた樹脂層(B)の上に、下記の活性エネルギー線硬化性組成物bをスリットダイコーターにて、厚み(硬化後の厚み)が17μmとなるように塗布し、熱風にて90℃で120秒間乾燥し、次いで紫外線(400mJ/cm2)を照射し硬化させて、自己修復性樹脂層(A)を形成した。
下記のポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートを固形分換算で84質量部、ジペンタエリストールヘキサアクリレート4質量部、上記のポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体を固形分換算で4質量部、イソシアネート系架橋剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体;武田薬品工業(株)製「タケネートD−170N」)2質量部、光重合開始剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製「イルガキュア184」)6質量部、トルエン10質量部を混合して調製した。
トルエン100質量部、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート(協和発酵工業(株)製「LDI」)50質量部およびポリカーボネートジオール((株)ダイセル製「プラクセルCD−210HL」、数平均分子量1,000)119質量部を混合し、40℃にまで昇温して8時間保持した。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製「ライトエステルHOA」)28質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を加えて70℃で30分間保持した後、ジブチル錫ラウレート0.02質量部を加えて80℃で6時間保持した。そして、最後にトルエン97質量部を加えて固形分濃度が50質量%となるように調整した。
実施例5の樹脂層(B)が積層されたPETフィルムの製造において、樹脂層(B)形成用塗布液を表1に示すように変更した以外は、実施例5と同様にしてそれぞれの自己修復性フィルムを作製した。
以下の要領でハードコートフィルムを作製した。
次いで、上記で得られた樹脂層(B)が積層されたPETフィルムの第1面に設けられた樹脂層(B)の上に、下記のハードコート層形成用組成物cをスリットダイコーターにて、厚み(硬化後の厚み)が4μmとなるように塗布し、熱風にて90℃で120秒間乾燥し、次いで紫外線(400mJ/cm2)を照射し硬化させて、ハードコート層を形成した。
活性エネルギー線硬化性樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレートを50質量部と、ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック社製の「EBECRYL92070」)を50質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶媒(メチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1(質量比)の混合溶媒)に溶解して調製した。
比較例5の樹脂層(B)が積層されたPETフィルムの製造において、樹脂層(B)形成用塗布液を表1に示すように変更した以外は、比較例5と同様にしてそれぞれのハードコートフィルムを作製した。
上記で作製した実施例および比較例の自己修復性フィルムおよびハードコートフィルムについて、測定および評価した結果を表1に示す。
Claims (6)
- 基材フィルム上に自己修復性樹脂層(A)を有する自己修復性フィルムであって、前記基材フィルムと自己修復性樹脂層(A)との間に、ぬれ張力が52mN/m以下である樹脂層(B)を有することを特徴とする、自己修復性フィルム。
- 前記樹脂層(B)が熱硬化層である、請求項1に記載の自己修復性フィルム。
- 前記樹脂層(B)が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1または2に記載の自己修復性フィルム。
- 前記樹脂層(B)が架橋剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の自己修復性フィルム。
- 前記基材フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜4のいずれかに記載の自己修復性フィルム。
- 前記自己修復性樹脂層(A)のマルテンス硬さが50N/mm2以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の自己修復性フィルム。
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