JP2016147314A - ワーク保持装置および端面研削装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ベーンの端面は、湾曲させることによりケーシング内面と線で密着して密閉性が高まり、摺動抵抗が減少する。
そこで、ベーンを円板に固定し、円板を正逆回転させてベーンを揺動させながら、その湾曲する端面を移動するテープ状のサンドペーパーに押し当ててベーンの端面を研磨する技術が開示されている(特許文献1)。
しかし、例えば特許文献1の装置のように、ボルト等でワークを揺動装置に保持させる方法では、手作業でのワークの固定に手間取り、研磨処理等を効率よく行うことができない。
ワーク保持装置は、ワークを挿入および取り出し可能なワーク収容孔、ワークを移動不能にワーク収容孔内に固定するための固定材、および動作することにより固定材に対してワークを固定させる動作部材を有する。固定材は、動作部材の動作を受けてワークをその挿入方向に対して直交方向に押圧し、ワーク収容孔の内壁に押しつけるように形成される。
動作部材は、固定材に接しまたは固定材に連結され、動作すると固定材が回動してまたは往動してその押圧部分がワークをワーク収容孔の内壁に押しつけるように構成される。
端面研削装置は、砥石装置を有する。
有する。
ワーク揺動装置2は、揺動装置5、ワーク保持装置3、揺動部移動装置6およびワーク往復移動装置7からなる。
揺動装置5は、サーボモータ11、軸受ボックス12およびブラケット13で構成される。サーボモータ11は、回転角度を検出可能なエンコーダを備え、正逆回転動作を精度よく制御できる。
ワーク収容部21は、端面を湾曲面に成形しまたは湾曲する端面を研磨するために、ワークの被研削面(被研磨面)を露出させて収容するものである。ワーク収容部21は、全体として断面形状を長方形とする四角柱の一方の底面にこの長方形を底面とする角錐台が連結された形状である。ここでいう「断面」とは、図3および図4において図に直交し上下方向に拡がる平面における断面である。
削等が終わったワークを抜き出す方向であり、この両方向を「収容方向」という。図3における上下方向を「幅方向」、および図4の上下方向を「厚さ方向」という。
図3〜6に示されるワーク収容部21は、ベーンポンプに使用されるベーン(以下「ワークW」という)の端面を研削するためのものである。
下収容部24は、四角柱と角錐台との連結形状における厚さ方向の下方略3分の2を占める部分である。下収容部24における上蓋部25側の面には、収容方向の一方の端から他方の端の途中まで延びたプレート案内溝27を備える。プレート案内溝27は、その幅が深さに対して大きな、断面が矩形の溝である。
下収容部24は、その角錐台部分に、厚さ方向に貫通し断面が矩形であって下固定枠用溝28に開口する、角錐台の端が切り欠きとなった固定材収容孔29を有する。固定材収容孔29は、平面視におけるその矩形断面の4辺(切り欠き部分を除けば3辺)が、幅方向および収容方向のいずれかに延びており、うち収容方向の2辺が他の2辺より長い。
上蓋部25は、下収容部24に対向する面の下固定枠用溝28に重なる部分に、上固定枠用溝30が設けられている。上固定枠用溝30は、収容方向内方の途中から他方の端(外形が角錐台となった側の端)まで収容方向に延びた溝である。上固定枠用溝30の幅は、下固定枠用溝28の幅に等しい。
ワーク固定枠26は、組み合わされると断面が矩形の四角柱であってその高さ方向を貫通する断面矩形の孔が形成される2つの部分32,33からなる。ワーク固定枠26の断面矩形の長辺の長さは、下固定枠用溝28の幅に略等しい。
下方部分32は、平面視(図3)において固定材収容孔29と同一断面形状の切り欠き35を有する。切り欠き35は、下方部分32が下固定枠用溝28に収められると、固定材収容孔29にぴったり重なる。
ワーク固定枠26は、ワーク保持装置3がワークW(ベーン)を保持するとき、ワークWの四方の面に密着してとり囲み、振動、がたつき等の発生を防止する。
ワーク固定枠26は、例えば、ワークWが丸棒であり被研削面がその端面の場合には、下方部分32および上方部分33のいずれにも、断面形状が半円の溝が設けられる。ワーク固定枠26は、これらとは異なる断面形状(被研削面形状)のワークWに対しては、その断面形状に応じて、ワーク用溝34の断面形状、上方部分33の形状等が変更される。
ワーク位置調整部22は、プッシュプレート41、連結部42および位置決めシリンダ装置43からなる。
プッシュプレート41は、矩形板状であって、矩形の短辺の長さが下収容部24におけ
るプレート案内溝27の幅方向寸法に略等しく、その厚さがプレート案内溝27の深さに略等しい。プッシュプレート41の矩形における長辺の長さは、ワーク収容部21の収容方向の長さからワークWの被研削面に直交する方向(図6,7の横方向)の長さを差し引いた長さよりも若干大きい。
位置決めシリンダ装置43は、複動型エアシリンダである。
ワーク固定部23は、固定材51、押しロッド52、第1アーム53、第2アーム54および固定用シリンダ装置55からなる。
固定材51は、その厚さ方向を幅方向と一致させて固定材収容孔29に収められ、支持孔56を貫通させた支持軸57の両端が下収容部24に保持されることにより、ワーク収容部21に一体化される。固定材51は、支持軸57まわりに自由に揺動する。
固定材51は、(支持孔56が設けられた後の)重心Gが、その厚さ方向に拡がる側面の一つがワーク用溝34と平行になったときに支持軸57の軸心に対して、外方(プレート案内溝27から離れた側)かつ上蓋部25とは反対側(上蓋部25から離れた側)に位置する。
なお、固定材51を支持する支持軸57は、貫通孔17よりもプレート案内溝27に近い位置に設けられている。
第1アーム53は、やや厚い板材で細長く形成されている。第1アーム53は、その厚さ方向をワーク収容部21の厚さ方向に一致させ、その長手方向が幅方向となるように配される。第1アーム53は、その細長い一方の端が、ブラケット13の他方の部分15における先端近傍から突出する揺動軸47に揺動可能に保持されている。第1アーム53は、位置決めシリンダ装置43側の貫通孔17の開口の外方に配される。第1アーム53は、そのワーク収容部21側の側面59(以下「押圧面59」という)を押しロッド52の端面60に当接させてまたはこの端面60に対向させて、貫通孔17に略直交して延びる。
ブラケット13に保持されて揺動する第1アーム53の揺動軸47、第1アーム53と第2アーム54とを相対的に回動させる回動軸48、および固定用シリンダ装置55のロッド58と第2アーム54とを揺動可能に連結する揺動軸49は、いずれもワーク収容部21の厚さ方向に延び、これらの軸心(AX1〜3)は互いに平行である。
移動台63は、アリミゾを有する移動上部61、およびこのアリミゾに組み合わされるアリガタを有して下方で移動上部61を支える支持下部62が組み合わされたものである。
移動装置は、サーボモータ64およびボールネジ等で形成され、サーボモータ64の正転または反転により、揺動装置5を往復移動させる。
砥石装置4は、砥石回転装置8および砥石移動装置9からなる。
砥石回転装置8は、周壁の厚さが厚い円筒状の砥石Gsが保持された回転体71、および回転体71を回転させる回転装置72からなる。
平らである。
回転装置72は、モータ73およびモータ73と回転体71とを連結する軸受装置74で構成される。砥石回転装置8は、一定回転数で回転体71が回転する。
移動部75は、その上面に、回転装置72の軸受装置74が固定されている。移動部75の下面には、回転装置72の回転軸方向に延びたアリミゾが設けられている。
移動装置77は、ボールネジ81およびサーボモータ82等で構成される。
ボールネジ81は、ネジ軸83、ナット84およびナット84内に保持された複数の鋼球等からなる公知のものである。ボールネジ81は、ネジ用溝78内に入れられ、ネジ軸83の一端が、基部76に固定された軸受85に支持されている。ネジ軸83の他端は、サーボモータ82の回転軸に連結されている。ナット84は、移動部75に固定されている。サーボモータ82は、基部76に一体化されている。移動装置77は、ボールネジ81によってのみ基部76に繋がっている。
砥石装置4は、その回転軸の延長がワーク揺動装置2おける揺動軸S−Aと同じ高さに、かつ揺動軸S−Aに直角に交わるように配される。
ワーク往復移動装置7およびワーク揺動装置2が停止しており、ワーク揺動装置2が砥石Gsから遠ざかった状態で、ワーク収容部21のワーク固定枠26内にワークWであるベーンポンプのベーンが、研削処理の設定位置より少し奥まで差し入れられる。
ここで、固定材51は、その重心Gの位置が支持軸57の軸心に対して前述したような特定の関係になるように設計されていることにより、ベーン挿入時にベーンの挿入を妨げる姿勢(図4(b))になるのが回避される(図4(a))。
位置決めシリンダ装置43が伸張し、ワークWは、プッシュプレート41に押されて抜き出し方向に移動し、砥石Gs中央に埋められた金属に当たって停止する。この状態で、固定用シリンダ装置55が伸張し、第2アーム54を移動させて第1アーム53をその押圧面59側に揺動させる。押圧面59は押しロッド52を貫通孔17の奥に押し入れ、押しロッド52は、固定材51を押して揺動させる。全体として直方体である固定材51は、回転してその辺がベーンを上方に押し、ベーンは、ワーク固定枠26の上方部分33と固定材51とに挟まれて、しっかりとワーク収容部21に固定される。
ワーク往復移動装置7が揺動装置5を移動させて、ベーンを砥石Gsに対向する位置まで移動させる。このとき、砥石移動装置9が、移動前には回転体71(砥石回転装置8)をベーンから遠ざけ、移動後には回転体71(砥石回転装置8)を元の位置に戻す。
ワーク往復移動装置7は、ワーク保持装置3が揺動を開始すると、ワーク揺動装置2を、回転体71の径方向に往復移動させる。往復移動は、端面の研削処理中継続して行われる。ワーク保持装置3の揺動範囲は、ワークWの被研削面(端面)の全部が環状の砥石Gsから外れない範囲で行われる。
ワーク保持装置3は、ワーク固定部23を有することにより、揺動動作に起因して研削処理時に生ずるワークWの微細な振動、ワーク収容部21に対するワークWのがたつき等を防止し、ワークWの端面を、設計通りの湾曲面に精度よく研削することができる。
ワーク保持装置3Bは、ワーク収容部21B、ワーク位置調整部22およびワーク固定部23Bで形成される。
下収容部24Bは、プレート案内溝27、下固定枠用溝28、固定材収容孔29B、貫通孔17を備える。下収容部24Bの外形、およびプレート案内溝27、下固定枠用溝28、貫通孔17は、その形態、機能等が前述したワーク保持装置3と略同じである。
ワーク固定枠26Bにおけるワーク用溝34および上方部分33は、ワーク保持装置3におけるものと同じである。
固定材51Bは、伝達部88Bおよび押圧部89Bからなる。
伝達部88Bは、外観が下孔部87Bと略同一形状で各辺がこれより長い矩形断面の棒状である。伝達部88Bは、外観八面体の一つの面が、対向する面に対して傾斜している。この傾斜する面を受力面90Bという。
押しロッド52Bは、断面が円形の棒である。押しロッド52Bの一端は、固定材収容孔29Bから露出し、露出する端近傍の周面が軸心に対して傾斜する平面となって端に向かうほど細くなっている。つまり、固定材収容孔29Bに露出する端では、端に向かうほど断面の円弧が小さくなり弦が大きくなる。この傾斜する面を滑面94Bという。
押しロッド52Bは、滑面94Bが内方(上蓋部25側)を向くようにして貫通孔17に挿入され、他端が第1アーム53Bに非固定的に連結されている。
ワーク保持装置3Bにおける固定材51Bは、揺動軸93Bが一方の突起91B側に偏って位置するため、ワークWを保持しない状態では外方側の突起92Bが下降し、ワークWのワーク固定枠26B内への挿入が妨げられることなく円滑に行ない得る(図9(d))。ワークWがワーク固定枠26B内に挿入されると、一対の突起91B,92BのいずれもがワークWに向き合う(図9(e))。固定用シリンダ装置が伸張動作し押しロッド52Bが前進すると、押しロッド52Bの滑面94Bが伝達部88Bの受力面90Bを押し上げ、固定材51BがワークW側に移動し、一対の突起91B,92BのいずれもがワークWに接する。さらに押しロッド52Bが前進すると、一対の突起91B,92BがワークWをワーク固定枠26Bの上方部分33Bに向けて押圧する。固定材51Bは、離れた位置にある2つの突起91B,92BがワークWを安定に押圧する。
ワーク保持装置3Bは、一対の突起91B,92Bにより、揺動装置の揺動動作に起因して生ずるワークWの微細な振動、ワーク収容部21Bに対するワークWのがたつき等を防止し、ワークWの端面を精度よく研削することができる。
ワーク保持装置3Cは、ワーク収容部21C、ワーク排出部36Cおよびワーク固定部23で形成される。
下収容部24Cは、プレート案内溝27C、ワーク用下溝96C、固定材収容孔29、貫通孔17を備える。下収容部24Cの外形、および固定材収容孔29、貫通孔17は、その形態、機能等が前述したワーク保持装置3と略同じである。
プレート案内溝27Cは、位置決めシリンダ装置43側の端から収容方向他方の端に向けて延びた、その幅が深さに対して大きな、断面が矩形の溝である。プレート案内溝27Cの幅は、ワークWの幅よりも小さい。
上蓋部25Cは、ワーク用下溝96Cに重なる部分に、ワーク用上溝97Cが設けられる。ワーク用上溝97Cは、その幅がワーク用下溝96Cの幅に等しく、ワークWの厚さからワーク用下溝96Cの深さを減じた深さを有する。ワーク用上溝97Cは、下収容部24Cと上蓋部25Cとが重ねられたとき、ワーク用下溝96Cとともに形成する空間の(収容方向に直交する)断面の形状、大きさが、ワークWの厚さ方向の断面と略等しい。
プッシュプレート41Cは、矩形板状であって、矩形の短辺の長さがプレート案内溝27Cの幅方向寸法に略等しく、その厚さがプレート案内溝27Cの深さに略等しい。
連結部42および排出シリンダ装置50Cの構成は、ワーク保持装置3における連結部42および位置決めシリンダ装置43と同じである。
ワーク保持装置3Cは、要約すると、ワーク保持装置3からワーク固定枠26を除き、ワーク固定枠26の機能を下収容部24Cおよび上蓋部25Cに行わせたものである。
ワーク保持装置3Cにおけるワーク収容部21Cは、下収容部24Cにおいてプレート案内溝27Cとワーク用下溝96Cとで段をなし、ワーク用下溝96Cの内方を向く側面(「下当接面98C」という)を形成する。また、ワーク収容部21Cには、上蓋部25Cにも、当接面98Cと同じ位置にワーク用上溝97Cの内方を向く側面(「上当接面9
9C」という)が形成される。
ワーク保持装置3Cを有する端面研削装置では、ワーク往復移動装置7およびワーク揺動装置2が停止した状態で、ワークWであるベーンポンプのベーンが、プレート案内溝27Cとワーク用下溝96Cとで形成された空間に差し入れられる。
ワーク保持装置3Cにおける排出シリンダ装置50Cは、ワーク保持装置3における位置決めシリンダ装置43と同じ構成であるが、ワーク保持装置3Cにおいては位置決めをせず、研削が終了したワークWの排出作業のみを行う。
図11は他のワーク保持装置3Dの平面部分断面図、図12はワーク保持装置3Dの正面図、図13はワーク保持装置3Dの動作を示す図である。
ワーク収容部21Dは、下収容部24D、上蓋部25およびワーク固定枠26Dからなる。
下収容部24Dは、プレート案内溝27、下固定枠用溝28、固定材収容部29Dを備える。下収容部24Dの外形、およびプレート案内溝27、下固定枠用溝28は、その形態、機能等がワーク保持装置3と略同じである。
下収容部24Dにおけるプレート案内溝27および下固定枠用溝28は、ワーク保持装置3におけるプレート案内溝27および下固定枠用溝28と同じ構成である。
ワーク固定枠26Dは、下方部分32D、上方部分の2つの部分からなる。下方部分32Dは、ワーク保持装置3における下方部分32と同じワーク用溝34を有する。ワーク用溝34における固定材収容部29D側の側壁には、溝18Dと同じ断面形状を有する切り欠き19Dが設けられている。
固定材51Dは、板材で形成され、形状は全体として「L」字状であり、一端に、他端とは逆向きに突出する押圧部89Dを有する。押圧部89Dの幅は、「L」字状である他の部分に比べて狭い。固定材51Dは、「L」字状の折れ曲がる部分が、ワーク用溝34の底に直交する支持軸57Dにより下収容部24Dに回動可能に支持される。固定材51Dの押圧部89Dは、固定材収容部29Dの溝18D、およびワーク用溝34の切り欠き19Dに収められている。
一体化されている。
アーム54Dは、短冊状に長い厚板であり、長手方向の一端が回動軸48Dによりアーム54Dに連結されている。回動軸48Dは、支持軸57Dを挟んでワーク固定枠26D(の下方部分32D)の反対側に位置する。回動軸48Dは、アーム54Dおよび固定材51Dの厚さ方向に延び、いずれの部分にも一体化されずその位置は変化可能である。
ワーク固定部23Dは、押圧部89Dが、固定用シリンダ装置55の収縮時にはワーク用溝34の外に位置し、固定用シリンダ装置55が伸張するとワーク用溝34の内側に移動する。
いずれのワーク固定枠26,26Dも、ワークWの収容、取り出しを可能とするために、その矩形断面の縦、横の寸法が、それぞれワークWの縦、横寸法より大きい。そのため、ワークWは、ワーク固定枠26,26D内で僅かであるが移動可能である。
ワーク保持装置3では、固定材51は揺動軸S−A方向および収容方向のいずれにも直交する方向からワークWを押圧する。この場合、ワークWは、ワーク固定枠26内において、揺動軸S−A方向および収容方向で特定される面(平面)内で移動(ずれ)するおそれがある。
したがって、例えば、ベーンWbの被研削面を断面円弧の湾曲面に加工するとき、ベーンWbの被研削面は、常に揺動軸S−A方向に拡がり、母線を有する断面が円弧状の湾曲面に加工される(図13(c))。
上述の実施形態において、ワーク保持装置3における支持軸57を、幅方向ではなく収容方向に延びたものとしてもよい。その場合、押しロッド52の固定材側の端近傍を、押しロッド52Bの先端のような押圧部89Bを90度回転させた形状とする。この形状部分を「押圧部」と仮称する。固定材の下端には押圧部の傾斜に対応する傾斜部分を備え、押しロッドが往動(固定材側に移動)すると、傾斜部分が押されることにより固定材が回動してベーン(ワークWb)を上蓋部25側に押圧し(図9(g)に類似する固定材の動作)、ベーンはワーク収容部21に固定される。
法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
3,3B〜3D ワーク保持装置
4 砥石装置
5 揺動装置
8 砥石回転装置
9 砥石移動装置
51,51B,51D 固定材
52,52B 押しロッド(動作部材)
54D アーム(動作部材)
57,57D 支持軸
89D 押圧部(押圧部分)
91B 突起(押圧部分)
92B 突起(押圧部分)
W ワーク
Gs 砥石
ベーンの端面は、湾曲させることによりケーシング内面と線で密着して密閉性が高まり、摺動抵抗が減少する。
そこで、ベーンを円板に固定し、円板を正逆回転させてベーンを揺動させながら、その湾曲する端面を移動するテープ状のサンドペーパーに押し当ててベーンの端面を研磨する技術が開示されている(特許文献1)。
しかし、例えば特許文献1の装置のように、ボルト等でワークを揺動装置に保持させる方法では、手作業でのワークの固定に手間取り、研磨処理等を効率よく行うことができない。
ワーク保持装置は、ワーク収容部およびワーク固定部を備える。ワーク収容部は、ワークを挿入および取り出し可能なワーク収容孔を有する。ワーク固定部は、ワークを移動不能にワーク収容孔内に固定するための固定材、およびワークを固定させるために固定材に作用する動作部材を有する。
固定材は、支持軸周りに回動可能であって回動によりその押圧部分と支持軸との距離が変化し、または往復移動可能であって往動側に押圧部分を有するものが好ましい。「押圧部分」とは、ワークを押圧するための形状、構造を有する部分をいう。
本発明に係る端面研削装置は、ワークの端面を研削するための装置である。端面研削装置は、ワークを保持する前述したワーク保持装置、およびワークを揺動させるための揺動装置を有する。揺動装置は、ワークの挿入方向に直交する方向を揺動軸としてワークを揺動させるように形成されている。
砥石装置は、ワーク収容孔の開口部分に対向する位置に配された砥石を回転させる砥石回転装置、および砥石回転装置をワーク保持装置に近づけおよび遠ざける砥石移動装置を有する。
ワーク揺動装置2は、揺動装置5、ワーク保持装置3、揺動部移動装置6およびワーク往復移動装置7からなる。
揺動装置5は、サーボモータ11、軸受ボックス12およびブラケット13で構成され
る。サーボモータ11は、回転角度を検出可能なエンコーダを備え、正逆回転動作を精度よく制御できる。
ワーク収容部21は、端面を湾曲面に成形しまたは湾曲する端面を研磨するために、ワークの被研削面(被研磨面)を露出させて収容するものである。ワーク収容部21は、全体として断面形状を長方形とする四角柱の一方の底面にこの長方形を底面とする角錐台が連結された形状である。ここでいう「断面」とは、図3および図4において図に直交し上下方向に拡がる平面における断面である。
図3〜6に示されるワーク収容部21は、ベーンポンプに使用されるベーン(以下「ワークW」という)の端面を研削するためのものである。
下収容部24は、四角柱と角錐台との連結形状における厚さ方向の下方略3分の2を占める部分である。下収容部24における上蓋部25側の面には、収容方向の一方の端から他方の端の途中まで延びたプレート案内溝27を備える。プレート案内溝27は、その幅が深さに対して大きな、断面が矩形の溝である。
下収容部24は、その角錐台部分に、厚さ方向に貫通し断面が矩形であって下固定枠用溝28に開口する、角錐台の端が切り欠きとなった固定材収容孔29を有する。固定材収容孔29は、平面視におけるその矩形断面の4辺(切り欠き部分を除けば3辺)が、幅方向および収容方向のいずれかに延びており、うち収容方向の2辺が他の2辺より長い。
上蓋部25は、下収容部24に対向する面の下固定枠用溝28に重なる部分に、上固定枠用溝30が設けられている。上固定枠用溝30は、収容方向内方の途中から他方の端(外形が角錐台となった側の端)まで収容方向に延びた溝である。上固定枠用溝30の幅は、下固定枠用溝28の幅に等しい。
ワーク固定枠26は、組み合わされると断面が矩形の四角柱であってその高さ方向を貫通する断面矩形の孔が形成される2つの部分32,33からなる。ワーク固定枠26の断
面矩形の長辺の長さは、下固定枠用溝28の幅に略等しい。
下方部分32は、平面視(図3)において固定材収容孔29と同一断面形状の切り欠き35を有する。切り欠き35は、下方部分32が下固定枠用溝28に収められると、固定材収容孔29にぴったり重なる。
ワーク固定枠26は、ワーク保持装置3がワークW(ベーン)を保持するとき、ワークWの四方の面に密着してとり囲み、振動、がたつき等の発生を防止する。
ワーク固定枠26は、例えば、ワークWが丸棒であり被研削面がその端面の場合には、下方部分32および上方部分33のいずれにも、断面形状が半円の溝が設けられる。ワーク固定枠26は、これらとは異なる断面形状(被研削面形状)のワークWに対しては、その断面形状に応じて、ワーク用溝34の断面形状、上方部分33の形状等が変更される。
ワーク位置調整部22は、プッシュプレート41、連結部42および位置決めシリンダ装置43からなる。
プッシュプレート41は、矩形板状であって、矩形の短辺の長さが下収容部24におけるプレート案内溝27の幅方向寸法に略等しく、その厚さがプレート案内溝27の深さに略等しい。プッシュプレート41の矩形における長辺の長さは、ワーク収容部21の収容方向の長さからワークWの被研削面に直交する方向(図6,7の横方向)の長さを差し引いた長さよりも若干大きい。
位置決めシリンダ装置43は、複動型エアシリンダである。
ワーク固定部23は、固定材51、押しロッド52、第1アーム53、第2アーム54および固定用シリンダ装置55からなる。
固定材51は、その厚さ方向を幅方向と一致させて固定材収容孔29に収められ、支持孔56を貫通させた支持軸57の両端が下収容部24に保持されることにより、ワーク収容部21に一体化される。固定材51は、支持軸57まわりに自由に揺動する。
固定材51は、(支持孔56が設けられた後の)重心Gが、その厚さ方向に拡がる側面の一つがワーク用溝34と平行になったときに支持軸57の軸心に対して、外方(プレート案内溝27から離れた側)かつ上蓋部25とは反対側(上蓋部25から離れた側)に位置する。
なお、固定材51を支持する支持軸57は、貫通孔17よりもプレート案内溝27に近い位置に設けられている。
第1アーム53は、やや厚い板材で細長く形成されている。第1アーム53は、その厚さ方向をワーク収容部21の厚さ方向に一致させ、その長手方向が幅方向となるように配される。第1アーム53は、その細長い一方の端が、ブラケット13の他方の部分15における先端近傍から突出する揺動軸47に揺動可能に保持されている。第1アーム53は、位置決めシリンダ装置43側の貫通孔17の開口の外方に配される。第1アーム53は、そのワーク収容部21側の側面59(以下「押圧面59」という)を押しロッド52の端面60に当接させてまたはこの端面60に対向させて、貫通孔17に略直交して延びる。
ブラケット13に保持されて揺動する第1アーム53の揺動軸47、第1アーム53と第2アーム54とを相対的に回動させる回動軸48、および固定用シリンダ装置55のロッド58と第2アーム54とを揺動可能に連結する揺動軸49は、いずれもワーク収容部21の厚さ方向に延び、これらの軸心(AX1〜3)は互いに平行である。
その結果、ワーク保持装置3は、サーボモータ11の回転軸の延長線を揺動軸S−Aとして揺動する。
移動台63は、アリミゾを有する移動上部61、およびこのアリミゾに組み合わされるアリガタを有して下方で移動上部61を支える支持下部62が組み合わされたものである。
移動装置は、サーボモータ64およびボールネジ等で形成され、サーボモータ64の正転または反転により、揺動装置5を往復移動させる。
砥石装置4は、砥石回転装置8および砥石移動装置9からなる。
砥石回転装置8は、周壁の厚さが厚い円筒状の砥石Gsが保持された回転体71、および回転体71を回転させる回転装置72からなる。
回転装置72は、モータ73およびモータ73と回転体71とを連結する軸受装置74で構成される。砥石回転装置8は、一定回転数で回転体71が回転する。
移動部75は、その上面に、回転装置72の軸受装置74が固定されている。移動部75の下面には、回転装置72の回転軸方向に延びたアリミゾが設けられている。
移動装置77は、ボールネジ81およびサーボモータ82等で構成される。
ボールネジ81は、ネジ軸83、ナット84およびナット84内に保持された複数の鋼球等からなる公知のものである。ボールネジ81は、ネジ用溝78内に入れられ、ネジ軸83の一端が、基部76に固定された軸受85に支持されている。ネジ軸83の他端は、サーボモータ82の回転軸に連結されている。ナット84は、移動部75に固定されている。サーボモータ82は、基部76に一体化されている。移動装置77は、ボールネジ81によってのみ基部76に繋がっている。
砥石装置4は、その回転軸の延長がワーク揺動装置2おける揺動軸S−Aと同じ高さに、かつ揺動軸S−Aに直角に交わるように配される。
ワーク往復移動装置7およびワーク揺動装置2が停止しており、ワーク揺動装置2が砥石Gsから遠ざかった状態で、ワーク収容部21のワーク固定枠26内にワークWであるベーンポンプのベーンが、研削処理の設定位置より少し奥まで差し入れられる。
ここで、固定材51は、その重心Gの位置が支持軸57の軸心に対して前述したような特定の関係になるように設計されていることにより、ベーン挿入時にベーンの挿入を妨げ
る姿勢(図4(b))になるのが回避される(図4(a))。
位置決めシリンダ装置43が伸張し、ワークWは、プッシュプレート41に押されて抜き出し方向に移動し、砥石Gs中央に埋められた金属に当たって停止する。この状態で、固定用シリンダ装置55が伸張し、第2アーム54を移動させて第1アーム53をその押圧面59側に揺動させる。押圧面59は押しロッド52を貫通孔17の奥に押し入れ、押しロッド52は、固定材51を押して揺動させる。全体として直方体である固定材51は、回転してその辺がベーンを上方に押し、ベーンは、ワーク固定枠26の上方部分33と固定材51とに挟まれて、しっかりとワーク収容部21に固定される。
ワーク往復移動装置7が揺動装置5を移動させて、ベーンを砥石Gsに対向する位置まで移動させる。このとき、砥石移動装置9が、移動前には回転体71(砥石回転装置8)をベーンから遠ざけ、移動後には回転体71(砥石回転装置8)を元の位置に戻す。
ワーク往復移動装置7は、ワーク保持装置3が揺動を開始すると、ワーク揺動装置2を、回転体71の径方向に往復移動させる。往復移動は、端面の研削処理中継続して行われる。ワーク保持装置3の揺動範囲は、ワークWの被研削面(端面)の全部が環状の砥石Gsから外れない範囲で行われる。
ワーク保持装置3は、ワーク固定部23を有することにより、揺動動作に起因して研削処理時に生ずるワークWの微細な振動、ワーク収容部21に対するワークWのがたつき等を防止し、ワークWの端面を、設計通りの湾曲面に精度よく研削することができる。
ワーク保持装置3Bは、ワーク収容部21B、ワーク位置調整部22およびワーク固定部23Bで形成される。
下収容部24Bは、プレート案内溝27、下固定枠用溝28、固定材収容孔29B、貫通孔17を備える。下収容部24Bの外形、およびプレート案内溝27、下固定枠用溝28、貫通孔17は、その形態、機能等が前述したワーク保持装置3と略同じである。
ワーク固定枠26Bにおけるワーク用溝34および上方部分33は、ワーク保持装置3におけるものと同じである。
固定材51Bは、伝達部88Bおよび押圧部89Bからなる。
伝達部88Bは、外観が下孔部87Bと略同一形状で各辺がこれより長い矩形断面の棒状である。伝達部88Bは、外観八面体の一つの面が、対向する面に対して傾斜している。この傾斜する面を受力面90Bという。
押しロッド52Bは、断面が円形の棒である。押しロッド52Bの一端は、固定材収容孔29Bから露出し、露出する端近傍の周面が軸心に対して傾斜する平面となって端に向かうほど細くなっている。つまり、固定材収容孔29Bに露出する端では、端に向かうほど断面の円弧が小さくなり弦が大きくなる。この傾斜する面を滑面94Bという。
押しロッド52Bは、滑面94Bが内方(上蓋部25側)を向くようにして貫通孔17に挿入され、他端が第1アーム53Bに非固定的に連結されている。
Bとの連結部分に遊びを有する。すなわち、押しロッド52Bの揺動軸95Bと第1アーム53Bの揺動軸47との距離の変化が可能なように、押しロッド52Bと第1アーム53Bとが連結される。
ワーク保持装置3Bにおける固定材51Bは、揺動軸93Bが一方の突起91B側に偏って位置するため、ワークWを保持しない状態では外方側の突起92Bが下降し、ワークWのワーク固定枠26B内への挿入が妨げられることなく円滑に行ない得る(図9(d))。ワークWがワーク固定枠26B内に挿入されると、一対の突起91B,92BのいずれもがワークWに向き合う(図9(e))。固定用シリンダ装置が伸張動作し押しロッド52Bが前進すると、押しロッド52Bの滑面94Bが伝達部88Bの受力面90Bを押し上げ、固定材51BがワークW側に移動し、一対の突起91B,92BのいずれもがワークWに接する。さらに押しロッド52Bが前進すると、一対の突起91B,92BがワークWをワーク固定枠26Bの上方部分33Bに向けて押圧する。固定材51Bは、離れた位置にある2つの突起91B,92BがワークWを安定に押圧する。
ワーク保持装置3Bは、一対の突起91B,92Bにより、揺動装置の揺動動作に起因して生ずるワークWの微細な振動、ワーク収容部21Bに対するワークWのがたつき等を防止し、ワークWの端面を精度よく研削することができる。
ワーク保持装置3Cは、ワーク収容部21C、ワーク排出部36Cおよびワーク固定部23で形成される。
下収容部24Cは、プレート案内溝27C、ワーク用下溝96C、固定材収容孔29、貫通孔17を備える。下収容部24Cの外形、および固定材収容孔29、貫通孔17は、その形態、機能等が前述したワーク保持装置3と略同じである。
プレート案内溝27Cは、位置決めシリンダ装置43側の端から収容方向他方の端に向けて延びた、その幅が深さに対して大きな、断面が矩形の溝である。プレート案内溝27Cの幅は、ワークWの幅よりも小さい。
および深さがプレート案内溝27の幅、深さよりも大きい。ワーク用下溝96Cの幅はワークWの幅に略等しい。
上蓋部25Cは、ワーク用下溝96Cに重なる部分に、ワーク用上溝97Cが設けられる。ワーク用上溝97Cは、その幅がワーク用下溝96Cの幅に等しく、ワークWの厚さからワーク用下溝96Cの深さを減じた深さを有する。ワーク用上溝97Cは、下収容部24Cと上蓋部25Cとが重ねられたとき、ワーク用下溝96Cとともに形成する空間の(収容方向に直交する)断面の形状、大きさが、ワークWの厚さ方向の断面と略等しい。
プッシュプレート41Cは、矩形板状であって、矩形の短辺の長さがプレート案内溝27Cの幅方向寸法に略等しく、その厚さがプレート案内溝27Cの深さに略等しい。
連結部42および排出シリンダ装置50Cの構成は、ワーク保持装置3における連結部42および位置決めシリンダ装置43と同じである。
ワーク保持装置3Cは、要約すると、ワーク保持装置3からワーク固定枠26を除き、ワーク固定枠26の機能を下収容部24Cおよび上蓋部25Cに行わせたものである。
ワーク保持装置3Cにおけるワーク収容部21Cは、下収容部24Cにおいてプレート案内溝27Cとワーク用下溝96Cとで段をなし、ワーク用下溝96Cの内方を向く側面(「下当接面98C」という)を形成する。また、ワーク収容部21Cには、上蓋部25Cにも、当接面98Cと同じ位置にワーク用上溝97Cの内方を向く側面(「上当接面99C」という)が形成される。
ワーク保持装置3Cを有する端面研削装置では、ワーク往復移動装置7およびワーク揺動装置2が停止した状態で、ワークWであるベーンポンプのベーンが、プレート案内溝27Cとワーク用下溝96Cとで形成された空間に差し入れられる。
ワーク保持装置3Cにおける排出シリンダ装置50Cは、ワーク保持装置3における位置決めシリンダ装置43と同じ構成であるが、ワーク保持装置3Cにおいては位置決めをせず、研削が終了したワークWの排出作業のみを行う。
図11は他のワーク保持装置3Dの平面部分断面図、図12はワーク保持装置3Dの正面図、図13はワーク保持装置3Dの動作を示す図である。
ワーク収容部21Dは、下収容部24D、上蓋部25およびワーク固定枠26Dからなる。
下収容部24Dは、プレート案内溝27、下固定枠用溝28、固定材収容部29Dを備える。下収容部24Dの外形、およびプレート案内溝27、下固定枠用溝28は、その形態、機能等がワーク保持装置3と略同じである。
下収容部24Dにおけるプレート案内溝27および下固定枠用溝28は、ワーク保持装置3におけるプレート案内溝27および下固定枠用溝28と同じ構成である。
ワーク固定枠26Dは、下方部分32D、上方部分の2つの部分からなる。下方部分32Dは、ワーク保持装置3における下方部分32と同じワーク用溝34を有する。ワーク用溝34における固定材収容部29D側の側壁には、溝18Dと同じ断面形状を有する切り欠き19Dが設けられている。
固定材51Dは、板材で形成され、形状は全体として「L」字状であり、一端に、他端とは逆向きに突出する押圧部89Dを有する。押圧部89Dの幅は、「L」字状である他の部分に比べて狭い。固定材51Dは、「L」字状の折れ曲がる部分が、ワーク用溝34の底に直交する支持軸57Dにより下収容部24Dに回動可能に支持される。固定材51Dの押圧部89Dは、固定材収容部29Dの溝18D、およびワーク用溝34の切り欠き19Dに収められている。
アーム54Dは、短冊状に長い厚板であり、長手方向の一端が回動軸48Dによりアーム54Dに連結されている。回動軸48Dは、支持軸57Dを挟んでワーク固定枠26D(の下方部分32D)の反対側に位置する。回動軸48Dは、アーム54Dおよび固定材51Dの厚さ方向に延び、いずれの部分にも一体化されずその位置は変化可能である。
ワーク固定部23Dは、押圧部89Dが、固定用シリンダ装置55の収縮時にはワーク用溝34の外に位置し、固定用シリンダ装置55が伸張するとワーク用溝34の内側に移動する。
いずれのワーク固定枠26,26Dも、ワークWの収容、取り出しを可能とするために、その矩形断面の縦、横の寸法が、それぞれワークWの縦、横寸法より大きい。そのため、ワークWは、ワーク固定枠26,26D内で僅かであるが移動可能である。
ワーク保持装置3では、固定材51は揺動軸S−A方向および収容方向のいずれにも直交する方向からワークWを押圧する。この場合、ワークWは、ワーク固定枠26内において、揺動軸S−A方向および収容方向で特定される面(平面)内で移動(ずれ)するおそれがある。
ークWを押圧する。この場合、少なくとも、揺動軸S−A方向および収容方向で特定される面(平面)内で、ワークWの移動(ずれ)は生じない。
したがって、例えば、ベーンWbの被研削面を断面円弧の湾曲面に加工するとき、ベーンWbの被研削面は、常に揺動軸S−A方向に拡がり、母線を有する断面が円弧状の湾曲面に加工される(図13(c))。
上述の実施形態において、ワーク保持装置3における支持軸57を、幅方向ではなく収容方向に延びたものとしてもよい。その場合、押しロッド52の固定材側の端近傍を、押しロッド52Bの先端のような押圧部89Bを90度回転させた形状とする。この形状部分を「押圧部」と仮称する。固定材の下端には押圧部の傾斜に対応する傾斜部分を備え、押しロッドが往動(固定材側に移動)すると、傾斜部分が押されることにより固定材が回動してベーン(ワークWb)を上蓋部25側に押圧し(図9(g)に類似する固定材の動作)、ベーンはワーク収容部21に固定される。
3,3B〜3D ワーク保持装置
4 砥石装置
5 揺動装置
8 砥石回転装置
9 砥石移動装置
21,21B〜21D ワーク収容部
23,23B,23D ワーク固定部
51,51B,51D 固定材
52,52B 押しロッド(動作部材)
54D アーム(動作部材)
57,57D 支持軸
89D 押圧部(押圧部分)
91B 突起(押圧部分)
92B 突起(押圧部分)
W ワーク
Gs 砥石
Claims (4)
- 端面を被研削面とするワークを研削するために前記ワークを保持するワーク保持装置であって、
前記ワークを挿入および取り出し可能なワーク収容孔と、
前記ワークを移動不能に前記ワーク収容孔内に固定するための固定材と、
動作することにより前記固定材に対して前記ワークを固定させる動作部材と、を有し、
前記固定材は、前記動作部材の動作を受けて、前記ワークをその挿入方向に対して直交方向に押圧し前記ワーク収容孔の内壁に押しつけるように形成された
ことを特徴とするワーク保持装置。 - 前記固定材は、
支持軸周りに回動可能であって回動によりその押圧部分と前記支持軸との距離が変化し、または往復移動可能であって往動側に押圧部分を有し、
前記動作部材は、前記固定材に接し若しくは前記固定材に連結されており、
前記動作部材が動作すると前記固定材が回動してその押圧部分が前記ワークを前記ワーク収容孔の内壁に押しつけるように、
または前記動作部材が動作すると前記固定材が往動してその押圧部分が前記ワークを前記ワーク収容孔の内壁に押しつけるように、構成された
請求項1に記載のワーク保持装置。 - ワークの端面を研削するための端面研削装置であって、
前記ワークを保持する請求項1または請求項2に記載のワーク保持装置と、
前記ワークを揺動させるための揺動装置と、を有し、
前記揺動装置は、前記挿入方向に直交する方向を揺動軸として前記ワークを揺動させるように形成されている
端面研削装置。 - 砥石装置を有し、
前記砥石装置は、
前記ワーク収容孔の開口部分に対向する位置に配された砥石を回転させる砥石回転装置と、
前記砥石回転装置を前記ワーク保持装置に近づけおよび遠ざける砥石移動装置と、を有する
請求項3に記載の端面研削装置。
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