まず、本発明の実施形態の概略を説明する。本発明の実施形態は概略、電話回線がn(nは正の整数)回線接続可能であり、その後段に電話機がm(mは正の整数であってnを超える数)台以上接続可能である通信装置が行なう制御に関する。
具体的には、優先順位が高い電話機が電話回線を全て使用しており、電話回線の空きがない場合に、優先順位が低い方の端末が電話回線を利用する際の待ち時間を短くする、というものである。
そのために、本実施形態では、優先順位の低い電話機が、発呼したが空き回線が無かった場合、優先順位が低い電話機を、そのままの状態で、空き回線が出来るのを待たせ、空き回線ができ次第、通信装置が自動で発呼を行なうという処理である自動発呼処理を行なう。
これにより、本実施形態では、空き回線が出た場合に、ユーザによる再度の発呼のための操作を要すること無く、回線が空いた時点で速やかに発呼を行なうことが可能となる。そのため、本実施形態では、優先順位の低い電話機及び回線を効率的に利用することができるという効果を奏する。
次に、本発明の実施形態の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態全体の構成を表すブロック図である。図1を参照すると、本実施形態は、通信装置100、高順位側電話機110、低順位側電話機120、高順位側スイッチ130、低順位側スイッチ140及び電話回線150を含む。
通信装置100は、通信制御を行う通信装置であり、例えば電話交換機により実現される。また、通信装置100には、高順位側電話機110、低順位側電話機120及び外線である電話回線150が接続されている。
そして、高順位側電話機110及び低順位側電話機120は、通信装置100の制御に基づいて電話回線150に接続されている外線電話機(図示を省略する)と通話を行なう。また、通信装置100は、各電話機に割り当てられた優先順位と、高順位側スイッチ130及び低順位側スイッチ140の状態との双方に基づいた「優先制御処理」を行なう。具体的には、各電話機に割り当てられた優先順位及び各スイッチの状態に応じて、電話回線150を優先的に使用させる電話機を決定し、決定した電話機に電話回線150を優先的に使用させる、という優先制御処理を行なう。
また、通信装置100は、上述したように優先順位が低い電話機を、そのままの状態で、空き回線が出来るのを待たせ、空き回線ができ次第、通信装置が自動で発呼を行なうという本実施形態特有の処理である「自動発呼処理」も行なう。
高順位側電話機110及び低順位側電話機120は、ユーザが通話を行なうための電話機である。高順位側電話機110及び低順位側電話機120は、汎用の電話機によって実現することができる。ここで、本実施形態では、電話機に割り当てた優先順位に基づいて優先制御を実行する。これに関連して、高順位側電話機110には、高い優先順位が割り当てられており、低順位側電話機120には、高順位側電話機110よりも低い優先順位が割り当てられている。割り当てられた優先順位は通信装置100によって管理される。具体的には、通信装置100が、各電話機を識別するための情報と、各電話機に割り当てられた優先順位とを紐付けて記憶しておく。または、各電話機が発呼を試みる際に、次電話機に割りてられた優先順位を通信装置100に通知するようにしても良い。
高順位側スイッチ130及び低順位側スイッチ140は、本実施形態特有の優先制御を行なうために利用されるスイッチである。ここで、高順位側スイッチ130は、高順位側電話機110に対応して設けられており、高順位側電話機110のユーザによりオン又はオフに状態を切り替えられる。同様に、低順位側スイッチ140は、低順位側電話機120に対応して設けられており、低順位側電話機120のユーザによりオン又はオフに状態を切り替えられる。ユーザは、緊急性のある要件等で発呼を行なう場合等に、これらスイッチをオンに切り替えてから発呼を行なう。こうすることにより、かかる発呼は後述する優先制御の対象となる。
電話回線150は、いわゆる外線であり、例えば公衆電話網により実現される。
なお、本説明では、通信装置100に収容される電話回線は1つであり、電話機は2つとなっているが、これは本実施形態の構成を限定する趣旨ではない。本実施形態では、電話回線がn(nは正の整数)回線であり、電話機がm(mは正の整数であってnを超える数)台の条件を満たすのであれば任意の回線数及び任意の電話機の台数であって良い。
次に、図2を参照して通信装置100に含まれる機能ブロックについて説明をする。なお、高順位側電話機110及び低順位側電話機120は、上述したように汎用の電話機にて実現可能であるので、これら各電話機についてのブロック図を参照した説明を省略する。
図2を参照すると、通信装置100は、制御部101、通信部102、タイマ103及びスイッチ状態検出部104を含む。
制御部101は、通信装置100全体を制御する部分である。制御部101は、通信装置100を通常の電話交換機として動作させる。また、制御部101の制御により、通信装置100は上述の優先制御処理及び自動発呼処理を行なう。
ここで、制御部101は、演算処理装置と、所定のプログラムを記憶する記憶装置により実現される。そして、制御部101に含まれる演算処理装置が、この所定のプログラムを読み込んで演算を行い、その演算結果に基づいて通信装置100に含まれる各ハードウェアを制御することにより、制御部101による制御が実現される。すなわち、制御部101を含む通信装置100は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現される。
通信部102は、高順位側電話機110及び低順位側電話機120や、電話回線150に接続された外線電話機と接続される。そして、制御部101の制御のもと、各電話機の求めに応じて呼制御を行なうことにより回線を切り替えて電話機間の通話を実現する。
タイマ103は、時間を計測するためのタイマであり、制御部101により利用される。制御部101は、自動発呼処理に関連して、所定の長さの一定時間が経過したか否かを、タイマ103を利用して判定する。
スイッチ状態検出部104は、高順位側スイッチ130及び低順位側スイッチ140と接続される。そして、スイッチ状態検出部104は、高順位側スイッチ130及び低順位側スイッチ140の現在の状態を検知する。ここで、高順位側スイッチ130及び低順位側スイッチ140の現在の状態とは、これらスイッチが現在オンとなっているか、オフとなっているか、ということを指す。スイッチ状態検出部104が検知した各スイッチの現在の状態は制御部101に出力される。
次に、図3を参照して、通信装置100が行なう優先制御処理における優先順位について説明する。
図3に表わされるように、本実施形態では「電話機種別」と「スイッチの状態」の組み合わせに応じて、優先順位が決定される。そして、通信装置100は、かかる優先順位に基づいて優先制御処理を行なうか否か、すなわち、現在行われている通話を強制切断するか否かを判定する。
例えば、本実施形態において優先順位が最も高いのは、高順位側電話機110が発呼した場合であって、高順位側電話機110に対応するスイッチである高順位側スイッチ130がオンとなっている場合である。この場合には、仮に低順位側電話機120が通話中であり電話回線150の空きがないとしても、低順位側電話機120による通話を強制切断して、電話回線150を空け、高順位側電話機110による発呼を優先的に行なう。
次に、優先順位が高いのは、低順位側電話機120が発呼した場合であって、低順位側電話機120に対応するスイッチである低順位側スイッチ140がオンとなっている場合である。この場合には、仮に高順位側電話機110が通話中であり、且つ、高順位側スイッチ130がオフとなっているのであれば、電話回線150の空きがないとしても、高順位側電話機110による通話を強制切断して、電話回線150を空け、低順位側電話機120による発呼を優先的に行なう。ただし、高順位側電話機110が通話中であり、且つ、高順位側スイッチ130がオンとなっているのであれば、高順位側電話機110の方が、優先順位が高いこととなるので、高順位側電話機110による通話を強制切断することはしない。
その次に、優先順位が高いのは、高順位側電話機110が発呼した場合であって、高順位側電話機110に対応するスイッチである高順位側スイッチ130がオフとなっている場合である。この場合には、仮に低順位側電話機120が通話中であり、且つ、低順位側スイッチ140がオフとなっているのであれば、電話回線150の空きがないとしても、低順位側電話機120による通話を強制切断して、電話回線150を空け、高順位側電話機110による発呼を優先的に行なう。ただし、低順位側電話機120が通話中であり、且つ、低順位側スイッチ140がオンとなっているのであれば、低順位側電話機120の方が、優先順位が高いこととなるので、低順位側電話機120による通話を強制切断することはしない。
次に、もっとも優先順位が低いのは、低順位側電話機120が発呼した場合であって、低順位側電話機120に対応するスイッチである低順位側スイッチ140がオフとなっている場合である。この場合には、仮に高順位側電話機110が通話中であったならば、高順位側スイッチ130がオフであってもオンであっても高順位側電話機110による通話を強制切断することはしない。
以上、通信装置100は、状況に応じて強制切断を行ったり、強制切断を行わなかったりするという優先制御処理を行なう。また、仮に発呼を行った電話機の優先順位が低い場合であって、強制切断を行わない場合には、優先順位が低い電話機を、そのままの状態で、空き回線が出来るのを待たせ、空き回線ができ次第、通信装置が自動で発呼を行なうという自動発呼処理も行なう。
次に、図4−1、図4−2、図5−1及び図5−2の各フローチャートを参照して、通信装置100が行なう優先制御処理や自動発呼処理を行なう場合の動作について説明する。
まず、図4−1及び図4−2を参照して、低順位側電話機120が発呼を試みた場合の動作について説明する。
まず、低順位側電話機120のユーザが発呼を試みるために、低順位側電話機120の受話器を手に取る。これにより、低順位側電話機120はオフフックとなる。すると、制御部101は通信部102を介してこのオフフックを検出する(ステップS1)。
オフフックを検出した制御部101は、自動発呼処理を行なう場合に備えて、まずタイマ103を利用して時間の計測を開始する(ステップS2)。
次に、制御部101は、高順位側電話機110が、現在電話回線150を使用中であるか否かを判定する(ステップS3)。
ここで、高順位側電話機110が、現在電話回線150を使用していない場合、すなわち、電話回線150が空いている場合には(ステップS3においてNo)、ステップS8に進む。
そして、制御部101は、低順位側電話機120ステップS8にて低順位側電話機120に対してダイヤルトーン又は無音を送出しながら低順位側電話機120からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力を待つ。そして、低順位側電話機120から電話番号のダイヤル入力があったならば、空いている電話回線150を使用して、入力された電話番号に対応する電話機と低順位側電話機120との間での通話を行なうための発呼処理を行なう。そして、発呼に対して通話相手からの応答があると、低順位側電話機120は通話を開始することができる。
一方で、高順位側電話機110が現在電話回線150を使用している場合、すなわち、現在電話回線150が空いていない場合には(ステップS3においてYes)、ステップS4に進む。
ステップS4では、スイッチ状態検出部104により低順位側スイッチ140の状態を確認する。そして、低順位側スイッチ140がオンなのであれば(ステップS4においてYes)、ステップS5に進む。
次に、ステップS5において、スイッチ状態検出部104により、今度は高順位側スイッチ130の状態を確認する。そして、高順位側スイッチ130がオフなのであれば(ステップS5においてNo)、ステップS6に進む。この場合、低順位側スイッチ140がオンであり、且つ、高順位側スイッチ130がオフということになるので、図3を参照して説明したように、低順位側電話機120の優先順位の方が高いこととなる。
そのため、ステップS6では、高順位側電話機110をビジー処理する。ここで、ビジー処理とは、通話を強制切断するための処理である。
これにより、高順位側電話機110により行われている通話が強制切断される。その後、制御部101は、電話回線150を開放する(ステップS7)。次に、ステップS8に進み、上述したステップS3にてNoだった場合のステップS8の処理と同様の処理を行なう。これにより、低順位側電話機120は通話を開始することができる。
一方で、低順位側スイッチ140がオフの場合(ステップS4においてNo)や、低順位側スイッチ140がオンであっても(ステップS4においてYes)高順位側スイッチ130もオンの場合(ステップS5においてYes)は、図3を参照して説明したように、低順位側電話機120の優先順位の方が低いこととなる。これらの場合には、ステップS9に進む。
ステップS9以降では、優先順位が低い低順位側電話機120を、そのままの状態で、空き回線が出来るのを待たせ、空き回線ができ次第、通信装置100が自動で発呼を行なうという自動発呼処理を行なう。
ステップS9において、低順位側電話機120は電話回線150を使用できない。このように電話回線150を使用できない場合には、通常は、その旨を表すビジートーンを低順位側電話機120に対して送出する。しかしながら、本実施形態では、自動発呼処理を行なうことから、ビジートーンではなく、ダイヤルトーン又は無音を低順位側電話機120に対して一定時間送出する(ステップS9)。
また、低順位側電話機120は電話回線150を使用できない状態ではある。しかし、本実施形態では、電話回線150が空いた場合には、自動発呼処理を行なうので、それに備えて低順位側電話機120からの発呼先の電話番号のダイヤル入力の受け付けを開始する(ステップS10)。これ以後、何れかのステップを処理中に電話番号のダイヤル入力の受け付けた場合には制御部101は受け付けた電話番号を、自動発呼処理を行なうために記憶しておく。また、何れかのステップを処理中に電話番号のダイヤル入力の受け付け完了した場合にはリングバックトーン又は無音を低順位側電話機120に対して送出する。
次に、低順位側電話機120がオンフックしたかを確認する(ステップS11)。なぜなら、ステップS9にて送出されたダイヤルトーン又は無音を聞いたユーザが、即時に発呼できないと判断して、空き回線ができる前に受話器をフックスイッチに置いて低順位側電話機120をオンフックする場合があるからである。
ここで、低順位側電話機120がオンフックしたのを検出した場合には(ステップS16)、通信装置100は低順位側電話機120が再度オフフックするのを待機する。そして、低順位側電話機120が再度オフフックしたのを検出した場合、再度ステップS1からの処理を行なう。
一方で、低順位側電話機120のオンフックしたのを検出しない場合には(ステップS11においてNo)、高順位側電話機110が、現在電話回線150から切断されていないかを確認する(ステップS12)。例えば、高順位側電話機110のユーザの通話相手となっているユーザの外線電話機のユーザとの通話が終了したとする。そして、通話相手のユーザが外線電話機の受話器をフックスイッチに置いたことによって通話先の外線電話機がオンフック状態となった場合に、高順位側電話機110が現在電話回線150から切断される(ステップS12においてYes)。この場合には、高順位側電話機110に対してビジー処理を行なう(ステップS17)。そして、高順位側電話機110が使用していた電話回線150を開放する(ステップS18)。
ステップS19では、低順位側電話機120からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力があり次第、自動発呼処理を行なう(ステップS19)。
このステップS19における処理について具体的に説明する。ステップS10以降の処理中に、既に、低順位側電話機120からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力があった場合には、ステップS10の説明の際に述べたように、制御部101は、発呼先の電話番号を記憶している。そこで、制御部101は、空いている電話回線150を使用して、記憶している電話番号に対応する外線電話機と低順位側電話機120との間での通話を行なうための処理を、ユーザからの他の操作を要することなく自動で行なう。また、ステップS18が終了した時点で、低順位側電話機120からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力が未だない場合には、電話回線150を開放した後、制御部101は、低順位側電話機120に対してダイヤルトーン又は無音を送出しながら低順位側電話機120からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力を待つ。そして、低順位側電話機120から電話番号のダイヤル入力があったならば、空いている電話回線150を使用して、入力された電話番号に対応する電話機と低順位側電話機120との間での通話を行なうための処理を、ユーザからの他の操作を要することなく自動で行なう。
何れの場合であっても、これにより、低順位側電話機120は通話を開始することができる。
このように、本実施形態では自動発呼処理を行なう。これにより、ユーザによるダイヤル入力は一度で済むことから、ユーザが再発呼を行なうために、複数回ダイヤル入力をしなければならなかったという問題を解消することができる。また、このように通信装置100が、回線が空き、且つ、ダイヤル入力があり次第、即座に自動発呼処理を行なうことにより、無駄な待機時間を生じさせることなく、低順位側電話機120及び電話回線150を効率よく利用することが可能となる。
一方で、高順位側電話機110が現在電話回線150から切断されていない場合には(ステップS12においてNo)、高順位側電話機110がオンフックしたかを確認する(ステップS13)。例えば、高順位側電話機110のユーザの通話相手となっているユーザの外線電話機のユーザとの通話が終了したとする。そして、高順位側電話機110のユーザが高順位側電話機110の受話器をフックスイッチに置いたことによって高順位側電話機110がオンフック状態となった場合に、制御部101は、高順位側電話機110のオンフックを検出する(ステップS13においてYes)。
すると、制御部101は、高順位側電話機110が使用していた電話回線150を開放する(ステップS18)。
そして、ステップS19の処理を行なう。この場合のステップS19の処理はステップ上述したステップS12においてYesの場合におけるステップS19の処理と同じ内容であるので、再度の説明を省略する。
また、ステップS13による確認を行った結果、高順位側電話機110がオンフックされていない場合(ステップS13においてNo)、すなわち、高順位側電話機110が未だ通話中である場合には、ステップS1における低順位側電話機120のオンフック検出から一定時間が経過していないかを確認する。具体的には、制御部101がステップS2においてタイマ103を利用して計測を開始した時間が、一定時間を経過していないかを確認する。なお、一定時間の長さは、予め定めた任意の長さとすることができる。
ここで、一定時間を経過していない場合には(ステップS14においてNo)、ステップS11に戻り、それ以降のステップの処理を行なうことを繰り返す。
一方で、一定時間を経過した場合には、ステップS15に進み、低順位側電話機120に対してビジー処理を行なう(ステップS15)。高順位側電話機110による通話が継続し、電話回線150が長時間空かない場合に、低順位側電話機120のユーザを延々と待機させておくのは好ましくないからである。
以上説明したように、本実施形態では、低順位側電話機120が発呼した場合に、電話回線150が使用中であっても、低順位側電話機120を一定時間待機させ、ダイヤル入力があり、且つ、電話回線150が空き次第、速やかに自動発呼処理を行なう。
これにより、ユーザによる操作は一度のダイヤル入力で済むことから、ユーザが再発呼を行なうために、複数回ダイヤル入力をしなければならなかったという問題を解消することができる、という効果を奏する。
また、これにより、無駄な待機時間を生じさせることなく、低順位側電話機120及び電話回線150を効率よく利用することが可能となる。
次に、図5−1及び図5−2を参照して、低順位側電話機120ではなく、高順位側電話機110が発呼を試みた場合の動作について説明する。
まず、高順位側電話機110のユーザが発呼を試みるために、高順位側電話機110の受話器を手に取る。これにより、高順位側電話機110はオフフックとなる。すると、制御部101は通信部102を介してこのオフフックを検出する(ステップS21)。
オフフックを検出した制御部101は、自動発呼処理を行なう場合に備えて、まずタイマ103を利用して時間の計測を開始する(ステップS22)。
次に、制御部101は、低順位側電話機120が、現在電話回線150を使用中であるか否かを判定する(ステップS23)。
ここで、低順位側電話機120が、現在電話回線150を使用していない場合、すなわち、電話回線150が空いている場合には(ステップS23においてNo)、ステップS28に進む。
そして、制御部101は、ステップS28にて高順位側電話機110に対してダイヤルトーン又は無音を送出しながら高順位側電話機110からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力を待つ。そして、高順位側電話機110から電話番号のダイヤル入力があったならば、空いている電話回線150を使用して、入力された電話番号に対応する電話機と高順位側電話機110との間での通話を行なうための発呼処理を行なう。そして、発呼に対して通話相手からの応答があると、高順位側電話機110は通話を開始することができる。
一方で、低順位側電話機120が現在電話回線150を使用している場合、すなわち、現在電話回線150が空いていない場合には(ステップS23においてYes)、ステップS24に進む。
ステップS24では、スイッチ状態検出部104により低順位側スイッチ140の状態を確認する。そして、低順位側スイッチ140がオフなのであれば(ステップS24においてNo)、ステップS26に進む。このように、低順位側スイッチ140がオフである場合には図3を参照して説明したように、高順位側スイッチ130がオンであろうとオフであろうと、何れにしても高順位側電話機110の優先順位の方が高いこととなる。
そのため、ステップS26では、低順位側電話機120をビジー処理する。
これにより、低順位側電話機120により行われている通話が強制切断される。その後、制御部101は、電話回線150を開放する(ステップS27)。次に、ステップS28に進み、上述したステップS23にてNoだった場合のステップS28の処理と同様の処理を行なう。これにより、高順位側電話機110は通話を開始することができる。
一方で、そして、低順位側スイッチ140がオンなのであれば(ステップS24においてYes)、ステップS25に進む。
次に、ステップS25において、スイッチ状態検出部104により、今度は高順位側スイッチ130の状態を確認する。そして、高順位側スイッチ130がオンなのであれば(ステップS25においてYes)、ステップS26に進む。この場合、高順位側スイッチ130がオンであり、且つ、低順位側スイッチ140がオフということになるので、図3を参照して説明したように、高順位側電話機110の優先順位の方が低いこととなる。
そのため、ステップS26では、低順位側電話機120をビジー処理する。
これにより、低順位側電話機120により行われている通話が強制切断される。その後、制御部101は、電話回線150を開放する(ステップS27)。次に、ステップS28に進み、上述したステップS22にてNoだった場合のステップS28の処理と同様の処理を行なう。これにより、高順位側電話機110は通話を開始することができる。
一方で、低順位側スイッチ140がオンの場合で(ステップS24においてYes)、高順位側スイッチ130がオフの場合(ステップS25においてNo)は、図3を参照して説明したように、低順位側電話機120の優先順位の方が高いこととなる。この場合には、ステップS29に進む。
ステップS29以降では、優先順位が低い高順位側電話機110を、そのままの状態で、空き回線が出来るのを待たせ、空き回線ができ次第、通信装置100が自動で発呼を行なうという自動発呼処理を行なう。
ステップS29において、高順位側電話機110は電話回線150を使用できない。このように電話回線150を使用できない場合には、通常は、その旨を表すビジートーンを高順位側電話機110に対して送出する。しかしながら、本実施形態では、自動発呼処理を行なうことから、ビジートーンではなく、ダイヤルトーン又は無音を高順位側電話機110に対して一定時間送出する(ステップS29)。
また、高順位側電話機110は電話回線150を使用できない状態ではある。しかし、本実施形態では、電話回線150が空いた場合には、自動発呼処理を行なうので、それに備えて高順位側電話機110からの発呼先の電話番号のダイヤル入力の受け付けを開始する(ステップS30)。これ以後、何れかのステップを処理中に電話番号のダイヤル入力の受け付けた場合には制御部101は受け付けた電話番号を、自動発呼処理を行なうために記憶しておく。また、何れかのステップを処理中に電話番号のダイヤル入力の受け付け完了した場合にはリングバックトーン又は無音を高順位側電話機110に対して送出する。
次に、高順位側電話機110がオンフックしたかを確認する(ステップS31)。なぜなら、ステップS29にて送出されたダイヤルトーン又は無音を聞いたユーザが、即時に発呼できないと判断して、空き回線ができる前に受話器をフックスイッチに置いて高順位側電話機110をオンフックする場合があるからである。
ここで、高順位側電話機110がオンフックしたのを検出した場合には(ステップS36)、通信装置100は高順位側電話機110が再度オフフックするのを待機する。そして、高順位側電話機110が再度オフフックしたのを検出した場合、再度ステップS21からの処理を行なう。
一方で、高順位側電話機110のオンフックしたのを検出しない場合には(ステップS31においてNo)、低順位側電話機120が、現在電話回線150から切断されていないかを確認する(ステップS32)。例えば、低順位側電話機120のユーザの通話相手となっているユーザの外線電話機のユーザとの通話が終了したとする。そして、通話相手のユーザが外線電話機の受話器をフックスイッチに置いたことによって通話先の外線電話機がオンフック状態となった場合に、低順位側電話機120が現在電話回線150から切断される(ステップS32においてYes)。この場合には、低順位側電話機120に対してビジー処理を行なう(ステップS37)。そして、低順位側電話機120が使用していた電話回線150を開放する(ステップS38)。
ステップS39では、高順位側電話機110からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力があり次第、自動発呼処理を行なう(ステップS39)。
このステップS39における処理について具体的に説明する。ステップS30以降の処理中に、既に、高順位側電話機110からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力があった場合には、ステップS30の説明の際に述べたように、制御部101は、発呼先の電話番号を記憶している。そこで、制御部101は、空いている電話回線150を使用して、記憶している電話番号に対応する外線電話機と高順位側電話機110との間での通話を行なうための処理を、ユーザからの他の操作を要することなく自動で行なう。また、ステップS38が終了した時点で、高順位側電話機110からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力が未だない場合には、電話回線150を開放した後、制御部101は、高順位側電話機110に対してダイヤルトーン又は無音を送出しながら高順位側電話機110からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力を待つ。そして、高順位側電話機110から電話番号のダイヤル入力があったならば、空いている電話回線150を使用して、入力された電話番号に対応する電話機と高順位側電話機110との間での通話を行なうための処理を、ユーザからの他の操作を要することなく自動で行なう。
何れの場合であっても、これにより、高順位側電話機110は通話を開始することができる。
このように、本実施形態では自動発呼処理を行なう。これにより、ユーザによるダイヤル入力は一度で済むことから、ユーザが再発呼を行なうために、複数回ダイヤル入力をしなければならなかったという問題を解消することができる。また、このように通信装置100が、回線が空き、且つ、ダイヤル入力があり次第、即座に自動発呼処理を行なうことにより、無駄な待機時間を生じさせることなく、高順位側電話機110及び電話回線150を効率よく利用することが可能となる。つまり、優先順位が低い電話機の発信機会が増え、優先順位が低い電話機の使用効率がよくなる。
一方で、低順位側電話機120が現在電話回線150から切断されていない場合には(ステップS32においてNo)、低順位側電話機120がオンフックしたかを確認する(ステップS33)。例えば、低順位側電話機120のユーザの通話相手となっているユーザの外線電話機のユーザとの通話が終了したとする。そして、低順位側電話機120のユーザが低順位側電話機120の受話器をフックスイッチに置いたことによって低順位側電話機120がオンフック状態となった場合に、制御部101は、低順位側電話機120のオンフックを検出する(ステップS33においてYes)。
すると、制御部101は、低順位側電話機120が使用していた電話回線150を開放する(ステップS38)。
そして、ステップS39の処理を行なう。この場合のステップS39の処理はステップ上述したステップS32においてYesの場合におけるステップS39の処理と同じ内容であるので、再度の説明を省略する。
また、ステップS33による確認を行った結果、低順位側電話機120がオンフックされていない場合(ステップS33においてNo)、すなわち、低順位側電話機120が未だ通話中である場合には、ステップS3における高順位側電話機110のオンフック検出から一定時間が経過していないかを確認する。具体的には、制御部101がステップS32においてタイマ103を利用して計測を開始した時間が、一定時間を経過していないかを確認する。なお、一定時間の長さは、予め定めた任意の長さとすることができる。
ここで、一定時間を経過していない場合には(ステップS34においてNo)、ステップS31に戻り、それ以降のステップの処理を行なうことを繰り返す。
一方で、一定時間を経過した場合には、ステップS35に進み、高順位側電話機110に対してビジー処理を行なう(ステップS35)。低順位側電話機120による通話が継続し、電話回線150が長時間空かない場合に、高順位側電話機110のユーザを延々と待機させておくのは好ましくないからである。
以上説明したように、本実施形態では、高順位側電話機110が発呼した場合に、電話回線150が使用中であっても、高順位側電話機110を一定時間待機させ、ダイヤル入力があり、且つ、電話回線150が空き次第、速やかに自動発呼処理を行なう。
これにより、高順位側電話機110が発呼した場合であっても、低順位側電話機120が発呼した場合と同様の効果を奏することが可能となる。
次に、本実施形態の自動発呼処理に関連した情報のやり取りについて、図6及び図7のシーケンス図を参照して説明する。ここで、図6は、低順位側電話機120が、一定時間待つことにより、回線利用可能となる場合の処理を表すシーケンス図である。一方で、図7は、低順位側電話機120が、一定時間待っても、回線利用可能とならなかった場合の処理を表すシーケンス図である。
また、本実施形態にて、自動発呼処理の対象となる状況は、図4−1、図4−2、図5−1及び図5−2の各フローチャートを参照して説明したように、ステップS4にてNoの場合、及び、ステップS5においてYesの場合及びステップS25においてYesの場合の3つの場合である。ここで、以下の説明では、ステップS4にてNoの場合、すなわち、高順位側スイッチ130及び低順位側スイッチ140の双方がオフの場合を例にとって説明する。
なお、図6及び図7では、後述のステップA70でのビジートーンの送出については図示するが、他のステップにおける、ダイヤルトーン、リングバックトーン及び無音の送出については、図面が煩雑になることを防止するために記載を省略する。
まず、緊急事態が生じた等の理由で、高順位側電話機110のユーザが高順位側スイッチ130のスイッチをONとする。すると、スイッチ状態検出部104を介して制御部101が高順位側スイッチ130のスイッチがONとなったことを認識する(ステップA51)。
続いて、高順位側電話機110のユーザが通話を行なうために、受話器を手に取ると、高順位側電話機110がオフフックとなる。すると、通信部102を介して制御部101が、高順位側電話機110がオフフックとなったことを認識する(ステップA52、前述のステップS21における処理に相当)。また、制御部101は、高順位側電話機110がオフフックとなったことを認識したことに伴い、タイマ103を利用した時間の計測を開始する(前述のステップS22における処理に相当)。
次に、制御部101は、前述のステップS23における処理に相当する判定を行なう。本例では、現在電話回線150は、低順位側電話機120には使用されていない(前述のステップS23においてNoに相当する判定結果)。そこで、前述のステップS28における発呼処理に相当する処理を行なう。
具体的には、高順位側電話機110のユーザによる発呼先の電話番号のダイヤル入力を受ける。すると、通信部102を介して制御部101が発呼先の電話番号を認識する(ステップA53)。
電話番号を認識した制御部101は、ステップA54にて認識した発呼先の電話番号に対応する外線電話機と高順位側電話機110との間での通話を行なうため、発呼先の電話番号に対して、発呼元を低順位側電話機120とした発呼処理を行なう(ステップA54)。そして、この発呼処理に応じて、発呼した電話番号に対応する外線電話機から発呼に応じる旨の応答がなされたとする(ステップA55)。
この応答を受信した、制御部101は、ステップA54にて認識した発呼先の電話番号に対応する発呼先の電話番号に対応する外線電話機と、高順位側電話機110との間での通話を開始させ、両電話機は通話中の状態となる(ステップA56)。そして、両電話機のユーザは通話を開始する。
一方、緊急事態が生じた等の理由で、高順位側電話機110のユーザのみならず低順位側電話機120のユーザも低順位側スイッチ140のスイッチをONとする。すると、スイッチ状態検出部104を介して制御部101が低順位側スイッチ140のスイッチがONとなったことを認識する(ステップA57)。
続いて、低順位側電話機120のユーザが通話を行なうために、受話器を手に取ると、低順位側電話機120がオフフックとなる。すると、通信部102を介して制御部101が、低順位側電話機120がオフフックとなったことを認識する(ステップA58、前述のステップS1における処理に相当)。また、制御部101は、低順位側電話機120がオフフックとなったことを認識したことに伴い、タイマ103を利用した時間の計測を開始する(前述のステップS2における処理に相当)。
次に、制御部101は、前述のステップS3における処理に相当する判定を行なう。この点、現在電話回線150は、通話中の高順位側電話機110に使用されているので(前述のステップS3においてYesに相当する判定結果)、前述のステップS4及びステップA5における処理に相当する判定を行なう。すると、現在ステップA57において低順位側スイッチ140がオンとされており、更に、ステップA51において高順位側スイッチ130がオンとされていることから、前述のステップS4においてYes及び前述のステップS5においてYesに相当する判定結果となる。
この判定結果から、低順位側電話機120は、通話中の高順位側電話機110よりも優先順位が低いことが分かるため、高順位側電話機110は強制切断されることはない。優先順位が低い低順位側電話機120を、そのままの状態で、空き回線が出来るのを待たせ、空き回線ができ次第、通信装置100が自動で発呼を行なうという自動発呼処理を行なう。
具体的には、上述したように、低順位側電話機120に対して、ビジートーンではなく、ダイヤルトーン又は無音を送出する(前述のステップS9における処理に相当)。
そして、低順位側電話機120からの、発呼先の電話番号のダイヤル入力の受け付けを開始する(前述のステップS10における処理に相当)。
そして、一定時間が経過するまでの間、前述のステップS11乃至ステップS14の処理における判定に相当する判定を行なう。
ここで、一定時間が経過する前に、低順位側電話機120から発呼先の電話番号のダイヤル入力を受け付けたとする(ステップA59)。この場合には、制御部101は受け付けた発呼先の電話番号を記憶する。また、何れかのステップを処理中に電話番号のダイヤル入力の受け付け完了した場合にはリングバックトーン又は無音を低順位側電話機120に対して送出する。
そして、一定時間が経過する前に、高順位側電話機110のユーザの通話相手となっているユーザの外線電話機のユーザとの通話が終了したとする。そして、高順位側電話機110のユーザが高順位側電話機110の受話器をフックスイッチに置いたことによって高順位側電話機110がオンフック状態となった場合に、制御部101は、高順位側電話機110のオンフックを検出する(ステップA60、前述のステップS13においてYesに相当)。
すると、制御部101は、電話回線150に接続されている高順位側電話機110のユーザの通話相手となっているユーザの外線電話機と、高順位側電話機110とを切断する(ステップA61)。これにより、電話回線150に接続されている高順位側電話機110のユーザの通話相手となっているユーザの外線電話機と、高順位側電話機110との間の通話は終話し、電話回線150は開放される(ステップA62、前述のステップS18における処理に相当)。
ここで、上述したように、ステップA59において、制御部101は、低順位側電話機120から発呼先の電話番号のダイヤル入力を受け付けており、この電話番号を記憶している。そこで、制御部101は、この記憶している電話番号に対応する外線電話機と低順位側電話機120との間での通話を行なうため、この記憶している電話番号に対して、発呼元を低順位側電話機120とした発呼処理を行なう(ステップA63)。そして、この発呼処理に応じて、発呼した電話番号に対応する外線電話機から発呼に応じる旨の応答がなされたとする(ステップA64)。
この応答を受けた制御部101は、発呼した電話番号に対応する外線電話機と低順位側電話機120の間を通話状態とする(ステップA65、前述のステップS19における処理に相当)。
これにより、低順位側電話機120のユーザは、ダイヤル入力した電話番号に対応する外線電話機のユーザと通話を行なうことができる。
つまり、かかる通信装置100が行った自動発呼処理により、発呼時に電話回線150が既に使用されている状況であっても、複数回のダイヤル入力を要求されることなく、外線電話機のユーザと通話を行なうことが可能となる。
以上図6を参照して、低順位側電話機120が、一定時間待つことにより、回線利用可能となる場合の処理について説明した。次に、図7を参照して低順位側電話機120が、一定時間待っても、回線利用可能とならなかった場合の処理について説明する。
この点、図7の例は、図6の例と同様に、低順位側電話機120は、通話中の高順位側電話機110よりも優先順位が低いことから、通話中の高順位側電話機110を強制切断することなく自動発呼処理を試みるという例である。そのため、図7のステップA59までの処理は、図6を参照して説明したステップA59までの処理と同じである。従って、再度の説明は省略し、ステップA59以降の処理について説明する。
図6の例では、ステップA59において低順位側電話機120から発呼先の電話番号のダイヤル入力を受け付けた制御部101が、受け付けた発呼先の電話番号を記憶した(ステップA59)。また、何れかのステップを処理中に電話番号のダイヤル入力の受け付け完了した場合にはリングバックトーン又は無音を低順位側電話機120に対して送出した。
そして、図6の例では、低順位側電話機120のオフフック検出から一定時間内に高順位側電話機110のオンフックが検出された(ステップA60)。
これに対して、図7の例でも低順位側電話機120から発呼先の電話番号のダイヤル入力を受け付けた制御部101が、受け付けた発呼先の電話番号を記憶する(ステップA59)。
しかしながら、図7の例では、ステップS59において低順位側電話機120のオフフックを検出してから一定時間経過しても高順位側電話機110の通話は継続し、高順位側電話機110のオンフックが検出されなかったものとする。
この場合、制御部101は、一定時間が経過した時点で、低順位側電話機120に対してビジー処理を行なう。これにより、低順位側電話機120が自動発呼処理に備えて発呼を試みている状態は終了し、低順位側電話機120に対してビジートーンが送出される(ステップS70、前述のステップS15における処理に相当)。
低順位側電話機120のユーザは、かかるビジートーンを低順位側電話機120の受話器を介して聞くことにより、現在電話回線150が使用できないことを知る。そのため、低順位側電話機120のユーザは、低順位側電話機120の受話器をフックスイッチに置く。これにより、低順位側電話機120はオンフック状態となった場合に、制御部101は、低順位側電話機120のオンフックを検出する(ステップA71)。
これにより、処理は終了する。そのため、低順位側電話機120についての自動発呼処理はできないが、電話回線150が空かないにも関わらず、低順位側電話機120が長時間待機させられることを防止することができる。また、優先順位の高い高順位側電話機110による通話は強制切断されることがないので、電話回線150は引き続き、高順位側電話機110により利用できる。つまり、優先順位の高い高順位側電話機110による通話を継続することが可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、以上説明した実施形態では、通信装置100に、高順位側電話機110と低順位側電話機120の合計2台の電話機を接続しているが、更に、高順位側電話機110や低順位側電話機120を接続して合計3台以上の電話機を接続するようにしても良い。また、通信装置100に1つの電話回線150を接続しているが、それ以上の電話回線150を接続しても良い。そして、複数の電話回線150の全てが使用中に、新たな発呼があった場合に、優先制御処理や、自動発呼処理を行なうようにすると良い。また、高順位側電話機110や低順位側電話機120を接続した場合に、或る電話機が電話回線150を使用中に、この或る電話機と同じ優先順位の電話機の発呼があったのならば、その時は、優先制御処理による強制切断を行なうようにしても良いし、強制切断を行なうのではなく自動発呼処理を行なうようにしても良い。
また、ステップS12やステップS32を参照して説明したように、高順位側電話機110や低順位側電話機120と通話中の外線電話機がオンフックしたことにより、高順位側電話機110や低順位側電話機120が電話回線150から切断された場合に、優先順位の低い電話機についての発呼処理を行なうようにしても良い。しかしそうするのではなく、高順位側電話機110や低順位側電話機120がオンフックした場合に、優先順位の低い電話機についての発呼処理を行なうようにしても良い。
更に、スイッチは必ずしも全ての電話機に必要ではない、即ち、優先使用を設定する電話機にのみスイッチを設けてスイッチをオンすることで電話機の優先順位を設定し、優先順位を設定しない電話機にはスイッチを設けなくても良い。その場合には、優先順位を設定しない電話機については、例えば優先制御処理の対象外として扱うものとする。
更に、スイッチをセンサにより実現するようにしても良い。例えば、火災発生時の煙や、地震発生時の振動を検知するセンサにより実現する。そして、通常時は、スイッチオフの状態として扱い、火災発生時の煙や、地震発生時の振動を検知した場合には、非常時であるとしてスイッチオンの状態として扱うようにすると良い。
また、上述の説明では、自動発呼処理の途中に、発呼先の電話機に対応する電話番号のダイヤル入力を受け付けると、電話回線150に空きが無いことを表す音であるビジートーンを送出するのではなく、リングバックトーン又は無音を発呼元の電話機に送出するようにしていた。そして、このようにして、電話回線150に空きが無いことを表す音であるビジートーン以外の音を送出することにより、ユーザが電話回線150に空きが無いと判断して、受話器をフックボタンに置いてしまうことを防止していた。
これを変形して、リングバックトーン又は無音ではなく、自動発呼処理の途中であることを表す音を送出するようにしても良い。このようにすれば、ユーザが電話回線150に空きが無いと判断して、受話器をフックボタンに置いてしまうことを防止できるだけでなく、ユーザが、現在自動発呼処理が行われているということを把握することが可能となる。
また、上述の説明では、高順位側スイッチ130及び低順位側スイッチ140は、オン又はオフの状態をとるものとして説明していた。これを変形して、これらスイッチが、更に複数の状態を取るようにしても良い。
例えば、第1の状態(スイッチオフに相当)、第2の状態(スイッチオン、且つ、優先度低に相当)、及び第3の状態(スイッチオン、且つ、優先度高に相当)の3つの状態とすると良い。
そして、第1の状態よりも第2の状態の優先順位が高いものとして扱い、第2の状態よりも第3の状態の優先順位が高いものとして扱うようにすると良い。
例えば、高順位側スイッチ130が第1の状態であって、低順位側スイッチが第2の状態や第3の状態であるならば、低順位側電話機120の優先順位が高いものとして扱うようにすると良い。
また、高順位側スイッチ130が第1の状態や第2の状態であって、低順位側スイッチが第3の状態であるならば、低順位側電話機120の優先順位が高いものとして扱うようにすると良い。
更に、高順位側スイッチ130と低順位側電話機120の状態が同じ状態の場合には、低順位側電話機120よりも高順位側電話機110の優先順位が高いものとして取り扱うと良い。
なお、上記の通信装置及び各電話機のそれぞれは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の通信装置及び各電話機により行なわれる端末利用方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1) 発呼元電話機からの発呼要求を受け付けたが、他の電話機が回線を利用しているため空き回線が無い場合に、前記発呼元電話機に発呼要求している状態のまま待機をさせると共に発呼を保留し、前記他の電話機による回線の利用が終了して回線が空いたことを契機として発呼を実行することを特徴とする発呼制御装置。
(付記2) 各電話機に優先順位を割り当て、前記発呼元電話機の優先順位が、前記他の電話機の優先順位よりも高い場合に、前記他の電話機を回線から強制切断することによって回線を空けてから、発呼を実行することを特徴とする付記1に記載の発呼制御装置。
(付記3) 各電話機に優先順位を割り当て、前記発呼元電話機の優先順位が、前記他の電話機の優先順位よりも低い場合に、前記発呼要求を受け付けてから所定時間が経過しても回線が空かないならば、前記発呼元電話機の前記待機を終了させ、発呼を中止することを特徴とする付記1又は2に記載の発呼制御装置。
(付記4) 各電話機それぞれに対応して設けられているスイッチの状態を検出し、各電話機に割り当てられている優先順位よりも、各スイッチの状態に割り当てられている優先順位を優先的な判断基準として、前記発呼元電話機の優先順位と前記他の電話機の優先順位の何れが高いのかを判断することを特徴とする付記2又は3に記載の発呼制御装置。
(付記5) 前記他の電話機がオンフックとなったことを検出した場合又は、前記他の電話機の通信相手の電話機がオンフックとなったことによって前記他の電話機が回線から切断されたことを検出した場合に、前記他の電話機による回線の利用が終了して回線が空いたと判断することを特徴とする付記1乃至4の何れか1に記載の発呼制御装置。
(付記6) 前記発呼元電話機に前記待機をさせている間に前記発呼元電話機から受信した発呼先の電話番号を記憶しておき、前記他の電話機の回線の利用が終了して回線が空いたならば前記記憶した電話番号に対応する電話機に対して発呼を実行することを特徴とする付記1乃至5の何れか1に記載の発呼制御装置。
(付記7) 前記発呼元電話機に前記待機をさせている間は、前記発呼元電話機に対して、発呼を保留していることを表す音を送信することを特徴とする付記1乃至5の何れか1に記載の発呼制御装置。
(付記8) 前記発呼を保留していることを表す音を、発呼を実行中に前記発呼元電話機に対して送信する音とは異なる音とすることを特徴とする付記7に記載の発呼制御装置。
(付記9) 発呼元電話機からの発呼要求を受け付けたが、他の電話機が回線を利用しているため空き回線が無い場合に、前記発呼元電話機に発呼要求している状態のまま待機をさせると共に発呼を保留し、前記他の電話機による回線の利用が終了して回線が空いたことを契機として発呼を実行する発呼制御方法。
(付記10) 発呼制御プログラムであって、
コンピュータを、
発呼元電話機からの発呼要求を受け付けたが、他の電話機が回線を利用しているため空き回線が無い場合に、前記発呼元電話機に発呼要求している状態のまま待機をさせると共に発呼を保留し、前記他の電話機による回線の利用が終了して回線が空いたことを契機として発呼を実行する発呼制御装置として機能させることを特徴とする発呼制御プログラム。