JP2016145281A - 多価カルボン酸樹脂、それを用いた熱硬化性樹脂組成物、およびその熱硬化性樹脂組成物を反射材として使用した光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水酸基当量が20〜170g/eq.であるアルコール化合物(A)と酸無水物化合物(B)を反応させて得られる多価カルボン酸樹脂を含有するLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。アルコール化合物(A)が、トリシクロデカンジメタノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジトリメチロールプロパン、スピログリコール、ジオキサングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、EO変性グリセロール、PO変性グリセロール、ジペンタエリスリトール、及び特定構造で表される多価アルコールから選択される1種類以上のアルコールであるLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】図1
Description
そのため、従来知られている材料として、上記課題を解決できる化合物を見出せていなかった。
(1)水酸基当量が20〜170g/eq.であるアルコール化合物(A)と酸無水物化合物(B)を反応させて得られる多価カルボン酸樹脂を含有することを特徴とするLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
(2)請求項1記載のアルコール化合物(A)が、トリシクロデカンジメタノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ジトリメチロールプロパン、スピログリコール、ジオキサングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、EO変性グリセロール、PO変性グリセロール、ジペンタエリスリトール、下記式(1)で表される多価アルコールからなる群から選択される1種類以上のアルコールである(1)記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
(3)(1)記載の酸無水物化合物(B)が、下記式(5)および/または下記式(5A)
(式(5)中、R2は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、カルボキシル基を表す。)
(式(5A)中、R3は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはカルボキシル基を表す。)
で表される酸無水物化合物であることを特徴とするLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
(4)(1)記載のアルコール化合物の融点が50℃〜250℃の範囲にあることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか一項に記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれか一項に記載の多価カルボン樹脂及び、トリメリット酸、無水トリメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、およびシクロヘキサントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸、水添ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物、水添ピロメリット酸無水物、グルタル酸無水物、ジエチルグルタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸から選ばれる1種または2種以上の化合物とを含む熱硬化性樹脂用硬化剤であり、トリメリット酸、無水トリメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸、水添ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物、水添ピロメリット酸無水物、グルタル酸、ジエチルグルタル酸ヘキサヒドロ無水フタル酸、およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸から選ばれる1種または2種以上の化合物の合計が、熱硬化性樹脂組成物に占める割合が1重量%〜90重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
(6)さらに熱硬化性樹脂を含有する(1)〜(5)のいずれか一項に記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
(7)前記熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物のガラス転移温度(Tg)が30℃以上である、(6)に記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
(8)(6)又は(7)のいずれかに記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物を熱硬化してなる硬化物。
(9)(8)に記載の硬化物を反射材として使用した光半導体装置。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、多価カルボン酸樹脂として、水酸基当量が20〜170g/eq.であるアルコール化合物(A)と酸無水物化合物(B)を反応させて得られる多価カルボン酸樹脂を使用する。水酸基当量が20〜170g/eq.であるアルコール化合物であれば、公知のものを特に限定することなく使用することができるが、具体例としてはトリシクロデカンジメタノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ジトリメチロールプロパン、スピログリコール、ジオキサングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、EO変性グリセロール、PO変性グリセロール、ジペンタエリスリトール、下記式(1)で表される多価アルコール等が挙げられる。
水酸基の官能基当量が一定範囲であるアルコール化合物(A)として、水酸基当量は30〜100g/eq.であることが好ましく、50〜90g/eq.であることがより好ましく、70〜90であることが極めて好ましい。
このように、水酸基当量が一定範囲のアルコール(A)を使用することで、ガラス転移温度が高く、粘度が低い熱硬化性樹脂組成物を実現することが可能となる。
また、アルコール化合物(A)の融点としては50〜250℃が好ましく、80〜150℃がより好ましく、100〜140℃が特に好ましく、120〜140℃が極めて好ましい。
さらに、アルコール化合物(A)は3官能以上であることが好ましく、3官能又は4官能であることがより好ましく、3官能であることが特に好ましい。
無水トリメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、水添ピロメリット酸無水物、グルタル酸無水物、ジエチルグルタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸のうち、着色しにくさの点で、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、水添ピロメリット酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましく、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸がさらに好ましい。
シクロヘキサントリカルボン酸無水物としては、シクロヘキサン‐1、2、4‐トリカルボン酸‐1、2‐無水物が、シクロヘキサン‐1、2、3‐トリカルボン酸‐1、2‐無水物が挙げられる。本発明では、これらの酸無水物を組み合わせて使用することもできるが、シクロヘキサン‐1、2、4‐トリカルボン酸‐1、2‐無水物が好ましい。
これらの溶剤は1種又は2種以上を混合して用いても良い。溶剤を用いる場合の使用量は、前述の水酸基当量が50〜250g/eq.のアルコール化合物(A)と酸無水物化合物(B)の合計100質量部に対して、0.5〜300質量部が好ましい。
触媒を用いる場合、1種または2種以上を混合して用いることもできる。
触媒を用いる場合の使用量は、前述の水酸基当量が50〜250g/eq.のアルコール化合物(A)と酸無水物化合物の合計100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましい。
触媒の添加方法は、直接添加するか、可溶性の溶剤等に溶解させた状態で使用する。この際、メタノール、エタノール等のアルコール性の溶媒や水を用いることは、未反応の、酸無水物化合物と反応してしまうため、避けることが好ましい。
本発明においては、得られる熱硬化性樹脂組成物(C)の硬化物において、透明性、耐熱透明性を向上させる観点からはオクチル酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛を触媒として好ましく使用することができ、得られる多価カルボン酸樹脂又は熱硬化性樹脂組成物(C)の着色を低減させる観点からは無触媒で反応を行うことが好ましい。
中でも、透明性、耐硫化性に優れる硬化物を得るために、特にステアリン酸カルシウム、カルボン酸亜鉛(2−エチルヘキサン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、ミスチリン酸亜鉛)やリン酸エステル亜鉛(オクチルリン酸亜鉛、ステアリルリン酸亜鉛等)等の亜鉛化合物が好ましく使用できる。
水洗工程を行なう場合、使用している溶剤の種類によっては水と分離可能な溶剤を加えることが好ましい。好ましい溶剤としては例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、ブタン酸イソプロピルなどのエステル類、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンのような炭化水素等が例示できる。
反応や水洗に溶剤を用いた場合、減圧濃縮などによって除くことができる。
また、本発明の多価カルボン酸樹脂の官能基当量は、135〜312g/eqのものが好ましく、150〜300g/eqのものがより好ましく、特に180〜280g/eqが好ましい。
当該範囲に調整することにより、常温(25℃)で固型となり、成形が容易となり、ボイド等の不具合を効果的に防止することができるようになるためである。また、このような低粘度の熱硬化性樹脂組成物に設定することで、従来結晶性を有するため軟化点あるいは融点が高く、混練が困難であった各成分が硬化剤に十分に溶融・分散するため、結晶が崩れ、主剤となるエポキシ樹脂と十分混練されることとなり、各成分が効果的に配列し、優れた物性を有する硬化物を得ることができる。軟化点においては、40〜130℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましく、特には70〜100℃であることが好ましい。このような軟化点にあることで、十分な混練を行うことが可能となる。
また、本発明の多価カルボン酸組成物は、軟化点が20〜150℃であることが好ましく、50〜130℃であることがより好ましい。
当該範囲に調整することにより、各種成分をミキサー等によって容易に撹拌、混合することができ、それをされにミキシングロール、押出機、ニーダー、ロール、エクストルーダー等によって混練または溶融混練し、冷却、粉砕することが可能となる。
上記エポキシ樹脂としては、いずれのエポキシ樹脂であっても使用できるが、耐熱性や耐光性の面から望ましくは芳香族環を含有しない、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン誘導体エポキシ樹脂、エポキシ基を有するシルセスキオキサン化合物が好ましい。
脂環式エポキシ樹脂としては1,2:8,9−ジエポキシリモネン、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等の分子内に少なくとも1個の4〜7員環の環状脂肪族基と分子内に少なくとも1個のエポキシ基とを有する化合物等が挙げられる。このような脂環式エポキシ樹脂としては、分子内に2以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂が好ましい。分子内に2以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂は、市販品として入手が可能で、例えば、セロキサイド8000、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、EHPE 3150(いずれも(株)ダイセル製)等があげられる。
また、トリアジン誘導体エポキシ樹脂としては、1,3,5−トリス(オキシラニルメチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。これらのトリアジン誘導体エポキシ樹脂は市販品として入手が可能で、例えば、TEPIC-S、TEPIC-L、TEPIC-VL、TEPIC-PAS B22、TEPIC-UC(いずれも日産化学製)があげられる。
また、使用し得るエポキシ基を有するシルセスキオキサン化合物としては、分子内に2以上のエポキシ基を有するシルセスキオキサン化合物が好ましい。分子内に2以上のエポキシ基を有するシルセスキオキサン化合物としては、特に骨格は限定されないが、例えば鎖状、環状、ラダー状、あるいはそれら少なくとも2種以上の混合構造のシロキサン構造にグリシジル基および/またはエポキシシクロヘキサン構造を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
分子内に2以上のエポキシ基を有するシルセスキオキサン化合物の具体例としては、例えば、例えば、特開2005−263869に記載のエポキシ環を有する籠型シルセスキオキサン、特開2008−248169号公報に記載の脂環エポキシ基含有シリコーン樹脂、特開2008−19422号公報に記載の一分子中に少なくとも2個のエポキシ官能性基を有するオルガノポリシルセスキオキサン樹脂などを使用することができる。これらの分子内に2以上のエポキシ基を有するシルセスキオキサン化合物は市販品として入手が可能で、分子内に2以上のエポキシ基を有する環状シロキサンである、商品名「X−40−2670」(信越化学工業(株)製)などがあげられる。
シクロヘキサントリカルボン酸無水物としては、シクロヘキサン‐1、2、4‐トリカルボン酸‐1、2‐無水物が、シクロヘキサン‐1、2、3‐トリカルボン酸‐1、2‐無水物が挙げられる。本発明では、これらの酸無水物を組み合わせて使用することもできるが、シクロヘキサン‐1、2、4‐トリカルボン酸‐1、2‐無水物が好ましい。
具体的な構造式としては、下記式(9A)
の構造を有し、分子内にエステル構造(好ましくは2つのエステル構造)を有する化合物である。また末端に複数のカルボキシル基を有する化合物である。
中でも、前記式(9A)の末端カルボン酸のオリゴエステルが炭素数6以上の2〜6官能の多価アルコールと飽和脂肪族環状酸無水物とのエステル化反応により得られた化合物であることが好ましい。
より具体的には、前記式(9A)に記載の末端カルボン酸のオリゴエステルにおいて、連結基Rは炭素数4〜10のシクロアルカン骨格、もしくはノルボルナン骨格が好ましく、シクロアルカン骨格においては置換、もしくは無置換のシクロヘキサン構造、特にメチル基を具備するメチルシクロヘキサン構造がその硬化物における光学特性から好ましい。またノルボルナン骨格としてはノルボルナン、メチルノルボルナン構造が好ましい。ここで、置換されたものにおいて適用できる置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル基等が挙げられる。
連結基Pは炭素数2〜10の多価アルコールの残基(反応に用いた多価アルコールから水酸基を除いた残基)であるが、分岐鎖状の架橋基、もしくはシクロアルキル基が好ましく、特にPは下記(a)又は(b)で定義される2価の架橋基であることが好ましい。
(a)炭素数6〜20の分岐構造を有する鎖状アルキル鎖であり、該鎖状アルキル鎖が炭素数3〜12の直鎖の主鎖と、2〜4個の側鎖を有し、かつその側鎖の少なくとも1つが炭素数2〜10である架橋基、
又は、
(b)シクロ環上にメチル基を有してもよい、トリシクロデカンジメタノール又はペンタシクロペンタデカンジメタノール、から選ばれる少なくとも1種の架橋多環ジオールから、2つの水酸基を取り除いた2価の架橋基
但し、Pが(b)の場合、好ましいものは連結基Rが炭素数4〜10のシクロアルカン骨格又はノルボルナン骨格のときは、後述する式(2A)において置換基R3が水素原子以外の基を表すことがより好ましい。
尚、上記オリゴエステルの軟化点は通常50℃以上であるが、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。上限値に特に制限はないが通常500℃以下であり、300℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
本発明における末端カルボン酸のオリゴエステルは、2種の末端カルボン酸のオリゴエステルを含む組成物であってもよい。末端カルボン酸のオリゴエステルを少なくとも2種含む末端カルボン酸のオリゴエステル組成物を得る方法としては、上記方法で得られた単一の末端カルボン酸のオリゴエステルを少なくとも2種を混合する方法、または、上記の末端カルボン酸のオリゴエステルを合成する際に、上記飽和脂肪族環状酸無水物として、下記で選ばれる飽和脂肪族環状酸無水物から少なくとも2種の混合物を使用するか、前記多価アルコールを2種使用して、付加反応を行う方法がある。
具体的にはヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、およびシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物、無水トリメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、および水添ピロメリット酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸無水物が挙げられる。
前記式(9)において、Pで表される架橋基は、好ましくは前記(a)または(b)で定義される2価の架橋基であり、それらについて以下に具体的に説明する。
前記(a)で定義される2価の架橋基は、炭素数6〜20の分岐構造を有する2価のアルコール(ジオール)から、水酸基を除いた2価の鎖状アルキル鎖であり、ジオールの2個のアルコール性水酸基に挟まれたアルキル鎖を主鎖とし、該アルキル鎖から分岐したアルキル鎖(側鎖という)を有する構造である。該側鎖は、主鎖を構成するいずれの炭素原子から分岐していてもよく、例えばアルコール性水酸基が結合していた炭素原子(主鎖の末端炭素原子)から分岐している場合も含む。該構造を有する架橋基であれば何れでもよく、このような架橋基の具体例を下記式(a1)に示す。
上記(a)で定義されるアルキレン架橋基は、主鎖アルキレン基に対し、アルキル分岐鎖(側鎖)を有する構造であれば特に制限はないが、主鎖の炭素数が3以上の主鎖であり、少なくとも1個のアルキル側鎖を有するものが好ましく、またアルキル側鎖を2つ以上有するものが特に好ましい。より好ましいものとしては、炭素数3〜12の直鎖の主鎖と、2〜4個の側鎖を有し、かつその側鎖の少なくとも1つが炭素数2〜10である架橋基を挙げることができる。この場合、側鎖の少なくとも2つが炭素数2〜10である架橋基は更に好ましい。また、2〜4個の側鎖は主鎖の異なる炭素原子から分岐していることが好ましい。
より具体的な化合物としては前記式(a1)に記載した架橋基において、*印の位置にヒドロキシル基が結合した化合物を挙げることができる。
原料として使用する多価アルコールの中では、少なくとも2個の側鎖を有し、該側鎖の中で少なくとも2個が炭素数2〜4の側鎖である多価アルコールが好ましい。
このような骨格の中で特に好ましい多価アルコールとしては2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられ、特に2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられる。
具体的にはトリシクロデカンジメタノール、メチルトリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノールなどが挙げられる。
触媒を用いる場合、使用しうる触媒としては、例えば塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等の酸性化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等の複素環式化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルセチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの触媒は1種又は2種以上を混合して用いても良い。これらの中で、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンが好ましい。
本反応においては無溶剤での反応が好ましいが、有機溶剤を使用しても構わない。有機溶剤の使用量としては、反応基質である前記酸無水物と前記多価アルコールの総量1部に対し、重量比で0.005〜1部であり、好ましくは0.005〜0.7部、より好ましくは0.005〜0.5部(すなわち50重量%以下)である。有機溶剤の使用量が上記反応基質1重量部に対して、重量比で1部を超える場合、反応の進行が極度に遅くなることから好ましくない。使用できる有機溶剤の具体的な例としてはヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、アノン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、蟻酸メチルなどのエステル化合物などが使用できる。
反応させる際の具体的な両者の仕込み比率としては、その官能基当量で、該酸無水物基1当量に対して、該多価アルコールを、その水酸基当量で、0.001〜2当量、より好ましくは0.01〜1.5当量、さらに好ましくは0.1〜1.2当量となる割合で仕込むのが好ましい。
本発明においては得られる末端カルボン酸のオリゴエステルが固形であることが好ましく、固形の樹脂状末端カルボン酸のオリゴエステルを得るためには、理想的には等モル当量以上の多価アルコールを使用することが好ましいが、フィラーを添加するため流動性が重要となり、この流動性を確保する為に、その粘度バランスから、固形を保つ範囲(軟化点50℃以上)で多少のバランスを崩しても構わない。
具体的には、酸無水物当量に対し、アルコール性水酸基の当量比において0.85〜1.20モル当量が好ましく、特に0.90〜1.1.0モル当量が好ましい。
通常、架橋基が、(a)で定義される側鎖を有するアルキレン基である場合、無色〜淡黄色の固形の樹脂状を示す。
本発明においては、末端カルボン酸のオリゴエステルを含む熱硬化性樹脂組成物を使用する最適な方法が、トランスファーで成形であることから、末端カルボン酸のオリゴエステルは固形の樹脂状である。
架橋基が(b)で定義される架橋基の場合、脂肪族炭化水素基が炭素数4〜10のシクロアルカン骨格又はノルボルナン骨格であるとき、脂環式の置換基の全てが水素原子の末端カルボン酸のオリゴエステルは、硬化時の着色が見られ、特に厳しい光学用途には好適ではない。脂肪族炭化水素基が炭素数4〜10のシクロアルカン骨格又はノルボルナン骨格であるとき、置換基がメチル基またはカルボキシル基の化合物ではそのような着色は少なく、その光学特性が向上する。
前記(a)で定義される架橋基の化合物においても、脂肪族炭化水素基が炭素数4〜10のシクロアルカン骨格又はノルボルナン骨格であるとき、置換基がメチル基またはカルボキシル基の化合物の場合の方が、光学特性が向上し、好ましい。
すなわち、本発明の末端カルボン酸のオリゴエステル組成物として、炭素数4〜10のシクロアルカン骨格又はノルボルナン骨格であるとき、置換基は好ましくはメチル基もしくはカルボキシル基、又は両者を有する式(9)の末端カルボン酸のオリゴエステルを含む組成物が好ましい。該末端カルボン酸のオリゴエステルを2種以上含む末端カルボン酸のオリゴエステル組成物の場合、少なくとも当該置換基が水素原子でない式(1)の末端カルボン酸のオリゴエステル(当該置換基が前記アルキル基、好ましくはメチル基、又はカルボキシル基の末端カルボン酸のオリゴエステル)、を、末端カルボン酸のオリゴエステルの総量に対して、50モル%以上含む組成物が好ましい。より好ましくは、当該置換基が水素原子でない式(9)の末端カルボン酸のオリゴエステルを70モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含む末端カルボン酸のオリゴエステル組成物が好ましい。残部が、R3が水素原子である下記式(2A)の末端カルボン酸のオリゴエステルである。
本発明において好適な末端カルボン酸のオリゴエステルとしては、下記式(2A)で表される末端カルボン酸のオリゴエステルが用いられる。
ここで、上記式(2A)においては、上記に記載の通りの理由により、R3が炭素数1〜3のアルキル基またはカルボキシル基を好適に使用できる。
末端カルボン酸オリゴエステルは、数平均分子量Mnが300以上である末端カルボン酸のオリゴエステルであることが好ましい。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対し通常0.001〜15重量部、好ましくは0.01〜5重量部の範囲で使用される。
無機充填剤の配合量は、硬化性樹脂組成物の合計量100重量部に対して、1〜1000重量部であることが好ましく、1〜800重量部であることがより好ましい。
また、白色顔料の含有量は、樹脂組成物全体に対して、10重量%〜95重量%、より
好ましくは50〜95%の範囲である。合計含有量が10重量%未満であると硬化物の光反射特性が十分得られない傾向にあり、95重量%を超えると樹脂組成物の成型性が悪くなり、基板の作製が困難となる傾向にある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物においては、通常の酸無水物を使用した場合より、ボイド等の不具合を効果的に防止することができるようになるため、成形が容易となる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、軟化点は20℃〜150℃の範囲にあることが望ましい。より具体的には、30℃〜130℃の範囲にあることが好ましく、40℃〜120℃の範囲にあることがより好ましい。当該範囲に調整することにより、各種成分をミキサー等によって容易に撹拌、混合することができ、それをされにミキシングロール、押出機、ニーダー、ロール、エクストルーダー等によって混練または溶融混練し、冷却、粉砕することが可能となる。
ここで、本願発明において、硬化物のガラス転移温度は、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましい。
(半導体装置)
本発明の半導体装置は、代表的な構造について具体例を例示すると、国際公開第2012−124147号に記載の通り、基板上に円筒状の中空部を有する光反射防止部材を配置し、円筒状の中空部の内部空間において基板上に光半導体素子を配置する。そして、光半導体素子の一端部と基板をワイヤーで繋げ、上記中空部に封止樹脂が封入された構成を有している。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトリシクロデカンジメタノール196.3部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)332.6部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製、H−TMAn)4.0部を加え、MEK532.9部を加え、60℃で1時間加熱撹拌したのち80℃で7時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMEK溶液を得た。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は267g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において0.74Pa・sであった。軟化点は、91.3℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール160.3部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)336.4部を加え、MEK250.0部を加え、60℃で2時間加熱撹拌したのち80℃で6時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMEK溶液を得た。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は253g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において0.06Pa・sであった。軟化点は、59.3℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジトリメチロールプロパン68.8部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)168.2部を加え、MIBK230.8部を加え、80℃で9時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMEK溶液を得た。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は243g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において6.0Pa・sであった。軟化点は、106.5℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらスピログリコール243.5部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)215.0部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製、H−TMAn)63.4部を加え、MIBK300.0部を加え、60℃で1時間、70℃で1時間、80℃で1時間、90℃で1時間、さらに100℃で3時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMIBK溶液を得た。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は272g/eq.であった。軟化点は、115.8℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジオキサングリコール218.2部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)235.1部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製、H−TMAn)118.9部を加え、MIBK310.0部を加え、60℃で1時間、80℃で5時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMIBK溶液を得た。その後、165℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は220g/eq.であった。軟化点は、105.3℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらイソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)174.2部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)336.4部を加え、MEK300.0部を加え、60℃で2時間、80℃で5時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMEK溶液を得た。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は255g/eq.であった。軟化点は、98.2℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらトリシクロデカンジメタノール196.3部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)332.1部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製、H−TMAn)4.0部を加え、MEK532.9部を加え、60℃で1時間、80℃で7時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMEK溶液を得た。そこへ、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製 H−TMAn)136.0部を加え、80℃で2時間加熱撹拌を行った。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は196g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において0.53Pa・sであった。軟化点は、84.4℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらイソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)65.3部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)124.9部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製、H−TMAn)1.5部を加え、MIBK192部を加え、85℃で9時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMIBK溶液を得た。そこへ、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製 H−TMAn)38.4部を加え、85℃で2時間加熱撹拌を行った。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は200g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において2.2Pa・sであった。軟化点は、98.5℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン84.1部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)116.6部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製、H−TMAn)1.4部を加え、MIBK202.0部を加え、85℃で1時間、95℃で7時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMIBK溶液を得た。そこへ、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製 H−TMAn)40.4部を加え、95℃で2時間加熱撹拌を行った。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は213g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において5.8Pa・sであった。軟化点は、108.3℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジトリメチロールプロパン62.6部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)166.5部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製、H−TMAn)2.0部を加え、MIBK231.0部を加え、85℃で9時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMIBK溶液を得た。そこへ、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製 H−TMAn)46.2部を加え、85℃で2時間加熱撹拌を行った。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は186g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において4.2Pa・sであった。軟化点は、101.8℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジオキサングリコール87.3部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)133.2部、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製、H−TMAn)1.6部を加え、MIBK222.0部を加え、85℃で9時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMIBK溶液を得た。そこへ、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸-1,2-無水物(三菱ガス化学製 H−TMAn)44.4部を加え、85℃で2時間加熱撹拌を行った。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は213g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において0.9Pa・sであった。軟化点は、90.6℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらイソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)130.6部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)164.0部、グルタル酸無水物59.9部を加え、MIBK350.0部を加え、85℃で9時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMIBK溶液を得た。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は242g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において0.5Pa・sであった。軟化点は、77.6℃であった。
撹拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながらジトリメチロールプロパン62.6部、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、リカシッドMH‐T)109.3部、グルタル酸無水物39.9部を加え、MIBK211.8部を加え、85℃で9時間加熱撹拌を行うことで目的とする化合物のMIBK溶液を得た。その後、150℃1時間の条件で溶媒を除去し、熱硬化性樹脂用硬化剤を得た。
得られた硬化剤は無色、固形であった。また、官能基当量は212g/eq.であった。ICI粘度は、150℃において0.6Pa・sであった。軟化点は、75.0℃であった。
EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製脂環式エポキシ樹脂)、合成例1〜13、ヒシコーリンPX−4MP(日本化学工業株式会社製硬化触媒)を使用して、表1および表2に示した配合表に従って各成分を配合し、実施例1〜実施例13の熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表1および表2中の各成分の配合量の単位は重量部であり、空欄は当該成分を使用していないことを表す。
各実施例の樹脂組成物について、下記に示す方法により硬化物のDMA、TMAを測定した。その結果を表1に示す。
示差熱-熱重量同時測定(TG/DTA)については、示差熱熱量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製 Exstar TG/DTA7200)を使用して下記条件で測定した。
(測定条件)
測定温度:40℃〜150℃
昇温速度:20℃/分
保持時間:150℃1時間
フローガス:窒素ガス
流量:200ml/分
パン:アルミニウム製
サンプル量:4〜6mg
Claims (9)
- 水酸基当量が20〜170g/eq.であるアルコール化合物(A)と酸無水物化合物(B)を反応させて得られる多価カルボン酸樹脂を含有することを特徴とするLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1記載のアルコール化合物(A)が、トリシクロデカンジメタノール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ジトリメチロールプロパン、スピログリコール、ジオキサングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、EO変性グリセロール、PO変性グリセロール、ジペンタエリスリトール、下記式(1)で表される多価アルコールからなる群から選択される1種類以上のアルコールである請求項1記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1記載のアルコール化合物の融点が50℃〜250℃の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の多価カルボン樹脂及び、トリメリット酸、無水トリメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、およびシクロヘキサントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸、水添ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物、水添ピロメリット酸無水物、グルタル酸無水物、ジエチルグルタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸から選ばれる1種または2種以上の化合物とを含む熱硬化性樹脂用硬化剤であり、トリメリット酸、無水トリメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸、水添ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物、水添ピロメリット酸無水物、グルタル酸、ジエチルグルタル酸ヘキサヒドロ無水フタル酸、およびメチルヘキサヒドロ無水フタル酸から選ばれる1種または2種以上の化合物の合計が、熱硬化性樹脂組成物に占める割合が1重量%〜90重量%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
- さらに熱硬化性樹脂を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物のガラス転移温度(Tg)が30℃以上である、請求項6に記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項6又は請求項7のいずれかに記載のLED反射材用熱硬化性樹脂組成物を熱硬化してなる硬化物。
- 請求項8に記載の硬化物を反射材として使用した光半導体装置。
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