JP2016144282A - 車両用回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロードダンプの原因を適切に判別して、それぞれに適した制御を実施可能な車両用回転電機を提供する。
【解決手段】界磁巻線14と、交流電圧を発生する電機子巻線11と、下アームが下スイッチ51により構成され、交流電圧を整流する整流回路15Aと、励磁電流を調整する発電制御装置17と、下スイッチ51のオンオフを制御する制御回路54と、を備える。制御回路54は、整流回路15Aの出力電圧が、ロードダンプの発生を判別する閾値V1を超えた場合に、下スイッチ51をオン状態に切り替え、その後、所定のオフ時間の間下スイッチ51をオフ状態にする。そして、制御回路54は、整流回路15Aから発電電力を出力中に、下スイッチ51がオン状態に切り替えられた後、出力電圧が閾値V3未満になっている状態を落ち込み状態として検出するとともに、その継続時間である落ち込み時間を検出し、落ち込み時間に応じて、オフ時間の長さを設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発電機能を有する車両用回転電機に関する。
回転電機の発電動作中、発電電力は、回転電機の出力端子と電気負荷やバッテリ等とを接続する配線を介して、電気負荷やバッテリ等に供給される。回転電機の発電動作中に、上記配線が出力端子から外れる出力端子外れや、上記配線がバッテリ端子から外れる負荷遮断が起こると、ロードダンプと呼ばれる過渡的な高電圧が発生する。このようなロードダンプの発生時には、ローサイドスイッチング素子をオンオフして、電力を消費しつつ出力電圧を所定範囲に維持する種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の車両用回転電機では、励磁中と判断した場合には、ローサイドスイッチング素子のオフ時間を長くしている。端子外れ発生時には、出力端子に出力端コンデンサが接続されていないため、レギュレータ回路内の小容量の内部コンデンサから励磁電流が流れる。そのため、オフ時間が短いと、内部コンデンサの端子間電圧である出力電圧が回復しないまま急低下して、発電を継続しようとし、ロードダンプの収束に要する時間が長くなる。上記車両用回転電機では、ローサイドスイッチング素子のオフ時間を長くすることにより、小容量の内部コンデンサから励磁電流が流れている場合でも、ロードダンプの収束に要する時間を抑制している。
特開2014−165983号公報
出力端コンデンサの容量が小さい場合、負荷遮断発生時において、ローサイドのスイッチング素子のオフ時間を長くすると、オフ時間中に出力端コンデンサの端子間電圧が大きく上昇する。負荷遮断発生時には、回転電機の出力端子に接続されている出力端コンデンサの端子間電圧が電気負荷に印加されるため、端子間電圧が大きく上昇すると、電気負荷を破損するおそれがある。そのため、出力端コンデンサの容量が小さい場合には、負荷遮断と出力端子外れとで、それぞれに適した制御を実施することが望ましい。
しかしながら、出力端コンデンサの容量が小さい場合、出力端コンデンサの容量が内部コンデンサの容量に近づくため、負荷遮断発生時における出力電圧の変化速度が、出力端子外れ発生時における出力電圧の変化速度に近くなる。よって、出力端コンデンサの容量が小さい場合、ロードダンプ発生時の出力電圧の変化速度から、負荷遮断と出力端子外れとを区別することは困難である。
本発明は、上記実情に鑑み、ロードダンプの原因を適切に判別して、それぞれに適した制御を実施可能な車両用回転電機を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、車両用回転電機であって、回転子の界磁極を磁化させる界磁巻線と、前記界磁極によって発生する回転磁界により交流電圧を発生する複数相の電機子巻線と、上アーム及び下アームを有し、前記下アームが前記電機子巻線に接続されたスイッチング素子により構成されたブリッジ回路であって、前記交流電圧を整流して出力する整流回路と、前記整流回路の出力電圧と調整電圧との比較に基づいて、前記界磁巻線に供給する励磁電流を調整する発電制御装置と、前記スイッチング素子のオンオフを制御するスイッチング制御装置と、を備え、前記スイッチング制御装置は、前記整流回路の出力電圧が、ロードダンプの発生を判別する第1閾値を超えた場合に、前記下アームを構成する前記スイッチング素子をオン状態に切り替える保護操作手段と、前記保護操作手段により前記スイッチング素子がオン状態に切り替えられた後、所定のオフ時間の間、前記下アームを構成する前記スイッチング素子をオフ状態にする解除操作手段と、前記整流回路から発電電力を出力中に、前記保護操作手段により前記スイッチング素子がオン状態に切り替えられた後、前記出力電圧が第2閾値未満になっている状態を落ち込み状態として検出するとともに、前記落ち込み状態の継続時間である落ち込み時間を検出する落ち込み検出手段と、前記落ち込み検出手段により検出された前記落ち込み時間に応じて、前記オフ時間の長さを設定するオフ時間設定手段と、を備える。
本発明によれば、ロードダンプが発生して、出力電圧が第1閾値を超えた場合に、下アームのスイッチング素子がオン状態にされ、出力電圧が低下させられる。その後、所定のオフ時間の間、下アームのスイッチング素子がオフされる。これにより、出力電圧が調整電圧よりも低くなることが抑制されるため、界磁巻線に励磁電流が流れることが抑制される。さらに、下アームのスイッチング素子がオン状態に切り替えられた後、出力電圧が第2閾値未満になっている状態が落ち込み状態として検出されるとともに、落ち込み状態の継続時間である落ち込み時間が検出される。
ここで、本発明者は、ロードダンプの原因に応じて、落ち込み状態の検出の有無、及び落ち込み時間が異なることに着目した。詳しくは、負荷遮断の場合には、発電電力の出力中に下アームがONすることで、整流回路の出力端子とバッテリの端子とを接続する配線のインダクタンスにより、負サージが発生するため、出力電圧は一時的に急激に落ち込んだ後にコンデンサ電圧まで回復する。また、励磁中の端子外れの場合には、発電制御装置内のコンデンサから、発電制御装置及びスイッチング制御装置内の制御回路で消費される消費電流、及び励磁電流が流れるため、出力電圧は、急激に落ち込んだ後、回復しないままとなる。また、励磁していないときの端子外れの場合には、発電制御装置内のコンデンサから、制御回路で消費される消費電流が流れるだけなので、出力電圧は緩やかに低下して、落ち込み状態にはならない。したがって、落ち込み状態の有無及び落ち込み時間により、ロードダンプの原因を適切に判別して、それぞれに適したロードダンプ保護の制御を実施することができる。
車両用発電機の構成を示す図。 発電制御装置の構成を示す図。 整流器モジュールの構成を示す図。 負荷遮断時における負サージの発生を示す図。 (a)負荷遮断時の出力電圧及び出力端コンデンサ電圧を示す図。(b)負荷遮断時の出力電流を示す図。(c)負荷遮断時の出力電圧と閾値V2との比較を示す図。(d)負荷遮断時の出力電圧と閾値V3との比較を示す図。(e)負荷遮断時の下スイッチの駆動信号を示す図。 端子外れ時における消費電流を示す図。 (a)励磁中B端子外れ時の出力電圧を示す図。(b)励磁中B端子外れ時の出力電圧と閾値V2との比較を示す図。(c)励磁中B端子外れ時の出力電圧と閾値V3との比較を示す図。(d)励磁中B端子外れ時の下スイッチの駆動信号を示す図。 (a)励磁なしB端子外れ時の出力電圧を示す図。(b)励磁なしB端子外れ時の出力電圧と閾値V2との比較を示す図。(c)励磁なしB端子外れ時の出力電圧と閾値V3との比較を示す図。(d)励磁なしB端子外れ時の下スイッチの駆動信号を示す図。 ロードダンプ保護動作の処理手順を示すフローチャート。 (a)負荷遮断時における出力電圧及び出力端コンデンサ電圧のタイムチャート。(b)負荷遮断時における下スイッチの駆動信号を示すタイムチャート。 (a)励磁中端子外れ時における出力電圧のタイムチャート。(b)励磁中端子外れ時における下スイッチの駆動信号を示すタイムチャート。 (a)励磁なし端子外れ時における出力電圧のタイムチャート。(b)励磁なし端子外れ時における下スイッチの駆動信号を示すタイムチャート。
以下、車両用回転電機を具現化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る車両用回転電機は、車両用発電機に適用することを想定している。
まず、本実施形態に係る車両用発電機の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態に係る車両用発電機10は、2つの電機子巻線11,12、界磁巻線14、2つの整流器モジュール群15,16、発電制御装置17、及びツェナーダイオード18、を備えている。
電機子巻線11は、複数相の固定子巻線、具体的にはX相巻線、Y相巻線及びZ相巻線からなる三相巻線であり、固定子鉄心(図略)に巻装されている。同様に、電機子巻線12は、U相巻線、V相巻線及びW相巻線からなる三相の固定子巻線である。電機子巻線12は、電機子巻線11に対して、電気角30度ずらした位置に巻装されている。本実施形態では、電機子巻線11,12及び固定子鉄心によって、固定子が構成されている。
界磁巻線14は、固定子鉄心の内周側に対向配置された界磁極(図略)に巻装されて回転子を構成している。界磁巻線14に励磁電流を流すことにおり、界磁極が磁化される。そして、磁化された界磁極により発生する回転磁界によって、電機子巻線11,12に交流電圧が発生する。
整流器モジュール群15は、整流器モジュール15X,15Y,15Zから構成されている。整流器モジュール15X,15Y,15Zは、それぞれ、2個のMOSトランジスタの直列体と、2つのMOSトランジスタのオンオフを制御する制御回路とを含む。整流器モジュール15X,15Y,15Zは、それぞれ、電機子巻線11のX相巻線,Y相巻線,Z相巻線に接続されている。整流器モジュール15X,15Y,15Zに含まれる6個のMOSトランジスタから、上アーム及び下アームを有する三相のブリッジ回路であり、全波整流を行う整流回路15Aが構成される(図4,6参照)。この整流回路15Aは、電機子巻線11から出力される交流電圧を整流して出力端子であるB端子から出力する。なお、整流器モジュール15Xの詳細な構成は後述する。
同様に、整流器モジュール群16は、電機子巻線12のU相巻線,V相巻線,W相巻線に接続される整流器モジュール16U,16V,16Wから構成されている。そして、整流器モジュール16U,16V,16Wに含まれる6個のMOSトランジスタから、上アーム及び下アームを有する三相のブリッジ回路である全波整流回路が構成される。この整流回路は、電機子巻線12から出力される交流電圧を整流して出力端子Bから出力する。
発電制御装置17は、車両用発電機10の出力電圧Vb(整流器モジュール群15,16に含まれる整流回路の出力電圧)と、調整電圧Vregとの比較に基づいて、F端子を介して接続された界磁巻線14に供給する励磁電流を制御する励磁制御回路である。すなわち、発電制御装置17は、出力電圧Vbが調整電圧Vregになるように、励磁電流を調整する。なお、発電制御装置17の詳細な構成は後述する。
ツェナーダイオード18は、整流器モジュール群15、16の出力端子間、すなわちB端子とグランドに接続されたE端子との間に接続されている。詳しくは、ツェナーダイオード18のカソードがB端子に接続されており、アノードがE端子に接続されている。
そして、車両用発電機10の出力端子であるB端子には、配線25の一端が接続されている。配線25の他の一端は、バッテリ40の正極端子に接続されている。すなわち、配線25は、B端子とバッテリ40の正極端子とを接続する電気配線である。配線25には、出力端コンデンサ20及び負荷31の第1端が接続されている。また、バッテリ40の正極端子には、配線25とは異なる配線により負荷32の第1端が接続されている。負荷31,32は、ワイパー、空調装置、ヘッドライト等の車載電気負荷である。バッテリ40の負極端子、出力端コンデンサ20及び負荷31,32の第2端は、グランドに接続されている。車両用発電機10の出力電圧は、配線25やその他の配線を介して、バッテリ40や負荷31,32に供給される。
次に、発電制御装置17について、図2を参照して説明する。発電制御装置17は、MOSFETであるスイッチング素子71、還流ダイオード72、抵抗73、74、電圧比較回路75、励磁電流制御回路76、回転検出回路77、通信回路78及、電源回路79及びコンデンサ80を備える。また、発電制御装置17は、B端子(出力端子)、F端子(励磁駆動端子)、P端子(相電圧検出端子)、及びL端子(通信端子)を備える。
電源回路79は、B端子の電圧を用いて、発電制御装置17に含まれる各回路に動作電源を供給する。通信回路78は、L端子を介して外部の制御装置であるECU100とシリアル通信を行い、ECU100から送信された調整電圧Vreg等を受信する。
スイッチング素子71及び還流ダイオード72は、B端子とE端子との間に、直列に接続されている。抵抗73,74は、B端子とE端子との間に直列に接続されて分圧回路を構成し、出力電圧Vbを分圧した電圧を、電圧比較回路75へ入力する。電圧比較回路75は、分圧された出力電圧Vbと、調整電圧Vregに対応する基準電圧とを比較する。
励磁電流制御回路76は、電圧比較回路75の比較結果に基づいて、スイッチング素子71のオンオフを制御することにより、界磁巻線14に供給する励磁電流を調整する。詳しくは、励磁電流制御回路76は、出力電圧Vbが調整電圧Vregよりも高い場合には、励磁電流の供給を停止又は低減し、出力電圧Vbが調整電圧Vreg以下の場合には、励磁電流の供給を行う。また、励磁電流制御回路76は、回転検出回路77により回転子の回転停止が検出された場合には、励磁電流の供給を停止又は低減して、初期励磁状態へ移行させる。
回転検出回路77(回転検出手段)は、電機子巻線11、12のいずれかの相電圧(例えばX相)に基づいて、回転子の回転数を検出する。X相巻線は、高インピーダンスの抵抗13を介してP端子に接続されている。また、回転検出回路77は、ロードダンプ保護動作中に、後述する整流器モジュール15Xの信号出力部62から回転検出信号を受信し、受信した回転検出信号に基づいて、回転子の回転を検出する。
コンデンサ80は、B端子とE端子との間に接続されており、整流器モジュール群15、16の出力端子であるB端子から入力されるノイズを除去するものである。コンデンサ80の容量Cinは、出力端コンデンサ20の容量Cconよりも小さい。例えば、容量Cinは数μF程度、容量Cconは数mF程度である。
次に、整流器モジュール15Xについて、図3を参照して説明する。整流器モジュール15X,15Y,15Z,16U,16V,16Wは、同じ構成となっているので、ここでは、代表して整流器モジュール15Xについて説明する。
整流器モジュール15Xは、上スイッチ50、下スイッチ51、及び制御回路54を備える。また、整流器モジュール15Xは、B端子(出力端子)、P端子(相電圧検出端子)、E端子(グランド)、及びRP端子(回転検出端子)を備える。
上スイッチ50は、整流回路15Aの上アーム(ハイサイド側)のスイッチング素子であり、下スイッチ51は、整流回路15Aの下アーム(ローサイド側)のスイッチング素子である。本実施形態では、上スイッチ50及び下スイッチ51は、NチャネルMOSFETを用いている。上スイッチ50は、ソース端子がP端子を介して電機子巻線11のX相巻線に接続されており、ドレイン端子が出力端子であるB端子に接続されている。下スイッチ51は、ドレイン端子がP端子を介して電機子巻線11のX相巻線に接続されており、ソース端子がE端子に接続されている。すなわち、上スイッチ50のソース端子と、下スイッチ51のドレイン端子とは接続されている。
そして、上スイッチ50のゲート端子は、制御回路54の出力端子HGに接続されており、下スイッチ51のゲート端子は、制御回路54の出力端子LGに接続されている。上スイッチ50及び下スイッチ51は、制御回路54からゲート端子に入力される駆動信号によりオンオフされる。また、上スイッチ50及び下スイッチ51のそれぞれのソース−ドレイン間には、寄生ダイオードが並列に接続されているが、別部品としてのダイオードをさらに並列接続するようにしてもよい。
制御回路54(スイッチング制御装置)は、電源63及び制御部55を備える。電源63は、B端子の電圧を用いて、制御回路54に含まれる各素子に動作電源を供給する。電源63は、制御部55により起動及び停止が制御される。これにより、暗電流が低減されて、バッテリ40のバッテリ上がりが防止される。
制御部55は、ロードダンプが発生していない通常時には、上スイッチ50及び下スイッチ51に、オン状態又はオフ状態にする駆動信号を送信して、同期整流を行う。詳しくは、P端子に入力された相電圧Vpが、B端子に入力された出力電圧Vbを超えている期間に渡って、上スイッチ50をオン状態にするとともに、下スイッチ51をオフ状態とする。また、相電圧Vpが負電圧となっている期間に渡って、上スイッチ50をオフ状態とするとともに、下スイッチ51をオン状態とする。
また、制御部55は、ロードダンプが発生しているときには、電機子巻線11に蓄積されたエネルギーが消滅するまで、上スイッチ50をオフ状態にしたまま、下スイッチ51のオンオフを繰り返すロードダンプ保護処理を行う。詳しくは、下スイッチ51をオフにして、電機子巻線11からグランドへ電流を流し、出力電圧Vbが調整電圧Vreg以下になる前に、下スイッチ51をオンにして、出力電圧Vbを回復させることを繰り返す。
ここで、ロードダンプには、配線25がバッテリ40の正極端子から外れる負荷遮断と、配線25が車両用発電機10のB端子から外れるB端子外れとがある。負荷遮断は、図4に示すように、バッテリ40の正極端子と負荷31の第1端との間に、スイッチS2が接続されているとした場合に、スイッチS2が開状態(オフ状態)になることに相当する。また、B端子外れは、図6に示すように、B端子と配線25とがスイッチS1を介して接続されているとした場合に、スイッチS1が開状態(オフ状態)になることに相当する。すなわち、B端子外れの場合は、B端子に何も接続されない状態となるが、負荷遮断の場合は、B端子に配線25、出力端コンデンサ20、及び負荷31が接続されている状態となる。なお、図4及び図6では、整流器モジュール15Y,15Zの制御回路54、電機子巻線12及び整流器モジュール群16を省略している。
図6に示すように、B端子外れ発生時には、B端子に出力端コンデンサ20及びバッテリ40が接続されていないため、発電制御装置17内のコンデンサ80から、発電制御装置17内の各回路及び整流器モジュール15Xで消費される消費電流Iα、及び励磁電流Iβが供給される。そのため、励磁中にB端子外れが発生した場合、ロードダンプ保護動作において下スイッチ51のオフ時間が短いと、コンデンサ80の端子間電圧Vin、すなわち出力電圧Vbが急低下する。出力電圧Vbが急低下すると、発電を続けるために励磁電流の供給を継続しようとして、ロードダンプの収束に要する時間が長くなる。したがって、励磁中にB端子外れが発生した場合には、ロードダンプ保護処理において、下スイッチ51のオフ時間を長くすることが望ましい。
一方、負荷遮断の発生時には、出力端コンデンサ20の端子間電圧Vconが負荷31に印加される。出力端コンデンサ20の容量Cconは、コンデンサ80の容量Cinよりは大きいが、車両用発電機10の出力電流Ibに対して十分に小さい大きさである。そのため、ロードダンプ保護処理において下スイッチ51のオフ時間を長くすると、オフ時間中に端子間電圧Vconが大きく上昇し、負荷31を破損するおそれがある。よって、励磁中B端子外れの発生と負荷遮断の発生とを判別して、それぞれに適したロードダンプ保護動作を実施することが望ましい。
従来、B端子外れの発生時と負荷遮断の発生時とは、出力電圧Vbの変化速度に基づいて判別していた。コンデンサの端子間電圧をV、容量をC、充放電電流をIとした場合、端子間電圧Vの変化速度はdV/dt=I/Cとなる。よって、充放電電流を同程度とした場合、容量Cconと容量Cinとの差が十分に大きいと、Vconの変化速度とVinの変化速度との差が大きくなる。よって、容量Cconと容量Cinとの差が十分に大きい場合には、出力電圧Vbの変化速度から、B端子外れの発生と負荷遮断の発生とを判別することができる。
しかしながら、本実施形態のように、容量Cconが小さく、容量Cconと容量Cinとの差が十分に大きくない場合には、出力端コンデンサ20の端子間電圧Vconの変化速度と、コンデンサ80の端子間電圧Vinの変化速度との差が小さくなる。さらに、B端子外れは、機械的な外れ方のばらつきで出力電圧Vbの変化速度が遅くなることがある。そのため、容量Cconと容量Cinとの差が十分に大きくない場合には、出力電圧Vbの変化速度から、B端子外れの発生時と負荷遮断の発生時とを判別することは困難である。
そこで、本発明者は、ロードダンプの原因に応じて、ロードダンプ発生後の端子電圧Vbの落ち込みの有無、及び落ち込み時間が異なることに着目した。以下、図4〜8を参照して、負荷遮断、励磁中B端子外れ、及び励磁なしB端子外れのそれぞれについて、端子電圧Vbの落ち込みの有無、及び落ち込み時間について説明する。
負荷遮断が発生し、出力電圧Vbが閾値V1(第1閾値)を超えると、上スイッチ50がオフ状態、下スイッチ51がオン状態にされる。上スイッチ50のオフ状態及び下スイッチのオン状態が指示されてから、実際に上スイッチ50がオフ状態、下スイッチ51がオン状態にされるまでの間に、出力電圧Vbは更に上昇し、出力電圧Vb=ツェナー電圧Vzとなる。そして、上スイッチ50がオフ状態、下スイッチ51がオン状態にされると、上スイッチ50に並列接続されたダイオードよりも下スイッチ51の方が、電流が流れやすいため、出力電流Ibの流れが止まり、下スイッチ51を通って電流が流れるようになる。これに伴い、B端子接続されている配線25のインダクタンスLにより、配線25に負サージが発生して、出力電圧Vbが閾値V3(第2閾値)よりも小さい値(0V)まで急激に落ち込む。
この負サージは、配線25のインダクタンスLによる一時的なものであり、配線25に蓄えられているエネルギーがなくなると消失する。負サージが消失すると、出力電圧Vbは出力端コンデンサ20の端子間電圧Vconまで回復する。その後、出力電圧Vbは、配線25のインダクタンスL、及び配線25に近い位置に設置されている発電制御装置17内のコンデンサ80により振動しつつ下降する。よって、負荷遮断発生時に、発電電力の出力中において、上スイッチ50をオフ状態且つ下スイッチをオン状態にすると、出力電圧Vbは、図5(a)に示すようになる。なお、端子間電圧Vconは、直接検出できないため、出力電圧Vbから推定した推定値となっている。
一方、B端子外れが発生した場合は、B端子に配線25が接続されていないため、配線25のインダクタンスLによる負サージは発生しない。励磁中のB端子外れが発生した場合に、上スイッチ50がオフ状態、下スイッチ51がオン状態されると、発電制御装置17内のコンデンサ80から、発電制御装置17内の各回路及び整流器モジュール15Xで消費される消費電流Iα、及び励磁電流Iβが供給される。そのため、図7(a)に示すように、出力電圧Vbは、閾値V3よりも小さい値(0V)まで急激に落ち込み、回復しない。出力電圧Vbが0Vまで落ち込むことにより、下スイッチ51をオン状態に維持できなくなると、下スイッチ51が強制的にオフされ、出力電圧Vbは回復する。
また、励磁していないときにB端子外れが発生した場合に、上スイッチ50がオフ状態、下スイッチ51がオン状態にされると、発電制御装置17のコンデンサ80から、消費電流Iαのみが供給される。そのため、図8(a)に示すように、出力電圧Vbは、緩やかに下降し、閾値V3よりも小さい値まで落ち込むことはない。
したがって、制御部55は、下スイッチ51をオン状態にした後における、出力電圧Vbの落ち込みの状態の有無、及び落ち込み状態の継続時間から、ロードダンプ原因を判定して、ロードダンプ保護処理を行う。図3に示すように、制御部55は、電圧検出部56、保護操作部57、落ち込み検出部58、原因判定部59、オフ時間設定部60、解除操作部61及び信号出力部62の各機能を備える。以下に、各機能を説明する。
電圧検出部56は、B端子の電圧である出力電圧Vbを検出する。保護操作部57(保護操作手段)は、電圧検出部56により検出された出力電圧Vbが、閾値V1を超えた場合に、上スイッチ50をオフ状態且つ下スイッチ51をオン状態に切り替える。閾値V1は、ロードダンプの発生を判別する閾値である。
落ち込み検出部58(落ち込み検出手段)は、保護操作部57により下スイッチ51がオン状態い切り替えられた後、出力電圧Vbが閾値V3未満になっている状態を落ち込み状態として検出するとともに、落ち込み状態の継続時間である落ち込み時間を検出する。
原因判定部59(原因判定手段)は、落ち込み状態の有無、及び落ち込み時間に基づいて、ロードダンプの原因を判定する。詳しくは、原因判定部59は、落ち込み状態が検出された場合、すなわち落ち込み時間が0よりも長い場合には、ロードダンプの原因を、負荷遮断又は励磁中B端子外れと判定する。また、原因判定部59は、落ち込み状態が検出されなかった場合、すなわち落ち込み時間が0の場合には、ロードダンプの原因を、励磁なしB端子外れと判定する。さらに、原因判定部59は、落ち込み時間が判定時間T1よりも短い場合には、ロードダンプの原因を負荷遮断と判定し、落ち込み時間が判定時間T1よりも長い場合には、ロードダンプの原因を励磁中B端子外れと判定する。例えば、判定時間T1は、下スイッチ51をオフにした後、整流器モジュール15Xの電源を維持できる電源維持時間とする。
オフ時間設定部60(オフ時間設定手段)は、落ち込み検出部58により検出された落ち込み時間に応じて、下スイッチ51をオフ状態にするオフ時間の長さを設定する。詳しくは、オフ時間設定部60は、原因判定部59により、ロードダンプの原因が負荷遮断と判定された場合には、オフ時間を所定時間よりも短い時間ta(第1時間)に設定する。
また、オフ時間設定部60は、原因判定部59により、ロードダンプの原因が励磁中B端子外れと判定された場合には、オフ時間を所定時間よりも長い時間tb(第2時間)に設定する。すなわち、オフ時間設定部60は、負荷遮断時のオフ時間taよりも、励磁中B端子外れ時のオフ時間tbが長くなるように、オフ時間を設定する。このオフ時間tbは、出力電圧Vbが上昇して、励磁電流の供給が停止されるまでの時間よりも長い時間である。さらに、オフ時間設定部60は、原因判定部59により、ロードダンプの原因が励磁なしB端子外れと判定された場合には、オフ時間を所定時間よりも短い時間tc(第3時間)に設定する。時間taと時間tcは、どちらが長くてもよいし、同じ長さでもよい。
解除操作部61(解除操作手段)は、保護操作部57により下スイッチ51がオン状態に切り替えられた後、オフ時間設定部60により設定されたオフ時間の間、スイッチング素子をオフ状態にする。このとき、上スイッチ50はオフ状態を維持する。上スイッチ50をオフ状態に維持したまま、下スイッチ51をオフ状態にすると、並列接続されたダイオードを通して電流が流れるため、出力電圧Vbが再び上昇する。これにより、出力電圧Vbが、調整電圧Vreg以下になることが抑制される。
信号出力部62(信号出力手段)は、保護操作部57及び解除操作部61によるロードダンプ保護動作中に、回転検出信号を、RP端子を介して発電制御装置17のP端子へ送信する。これにより、ロードダンプ発生時でも、発電制御装置17による回転検出不能状態が回避され、回転停止時の初期励磁状態へ移行することが防止される。なお、発電制御装置17のP端子は、抵抗13を介して、電機子巻線11のX相巻線に接続されている。そのため、X相巻線から流れる電流よりも、整流器モジュール15XのRP端子からの回転検出信号の方が、発電制御装置17のP端子に伝わりやすくなっており、発電制御装置17のP端子で、回転検出信号を受信することが可能となっている。
次に、ロードダンプ保護動作の処理手順について、図9のフローチャートを参照して説明する。本処理手順は、制御部55が所定間隔で繰り返し実行する。
まず、出力電圧Vbが閾値V1よりも大きいか否か判定する(S10)。すなわち、ロードダンプが発生しているか否か判定する。出力電圧Vbが閾値V1以下の場合は(S10:NO)、S10の処理を繰り返し実行する。
一方、出力電圧Vbが閾値V1よりも大きい場合は(S10:YES)、次に、車両用発電機10が発電電力を出力しているか否か判定する(S11)。発電電力を出力していない場合は(S11:NO)、S11の処理を繰り返し実行する。一方、発電電力を出力している場合は(S11:YES)、ロードダンプが発生していると判定して、ロードダンプ保護処理を行う。まず、上スイッチ50をオフ状態にするとともに、下スイッチ51をオン状態にする(S12)。
次に、下スイッチ51のオン状態に切り替えたことに伴い、出力電圧Vbの落ち込み状態が検出されたか否か判定する(S13)。詳しくは、図5(c),(d)、図7(b),(c)、図8(b),(c)に示すように、フィルタ時間f2を持ち閾値V2と出力電圧Vbとを比較するV2コンパレータと、フィルタ時間f3を持ち閾値V3と出力電圧Vbとを比較するV3コンパレータとの出力から、落ち込み状態の有無、及び落ち込み時間を検出する。フィルタ時間f2,f3はコンパレータの出力を維持する遅延時間に相当し、フィルタ時間f2はフィルタ時間f3よりも長い時間となっている。この方法は、落ち込み状態を検出する方法の一例であって、別の方法により落ち込み状態を検出してもよい。なお、例えば調整電圧Vregは、閾値V2と閾値V3の間になる。
また、落ち込み時間が予め予想できる場合には、出力電圧Vbが閾値V3を下回ったことを検出した時点から、一定期間(予想した落ち込み時間以上)経過するまで待った後に、出力電圧Vbと閾値V2との比較をしてもよい。
落ち込み状態が検出された場合(S13:YES)、すなわち、落ち込み時間が0よりも長い場合は、次に、落ち込み時間が判定時間T1よりも短いか否かを判定する(S14)。
落ち込み時間が判定時間T1よりも短い場合(S14:YES)、すなわち、負荷遮断発生時は、オフ時間をtaに設定し、下スイッチ51をオフ時間taの間オフ状態にする(S15)。詳しくは、落ち込み時間が決まり、出力電圧Vbが回復した後、出力電圧Vbが閾値V2よりも小さくなったことを検出した時点で、下スイッチ51をオフ状態に切り替える。
ここで、下スイッチ51をオフ状態に切り替えて電流を遮断すると、大きなサージ電圧が発生する。下スイッチ51の耐量が高い場合や出力端コンデンサ20の容量Cconが、下スイッチ51の切替えに伴うサージ電圧を吸収できる容量であれば、サージ電圧を抑制するタイミングを待つことなく、下スイッチ51をオフ状態にする。下スイッチ51の耐量が低い場合や出力端コンデンサ20の容量Cconが不十分であれば、サージ電圧を抑制するタイミングを待って、下スイッチ51をオフ状態にする(詳しくは、特開2014−165983号公報参照)。
そして、出力電圧Vbが、閾値V4よりも高い電圧まで上昇したか否か判定する(S18)。閾値V4は、閾値V1と閾値V3の間の値である。具体的には、閾値V4は、閾値V2よりも大きな値にするとよい。出力電圧Vbが閾値V4以下の場合は(S18:NO)、下スイッチ51をオフ状態にしたまま、本処理を終了する。
一方、出力電圧Vbが閾値V4よりも高い場合は(S18:YES)、S11の処理に戻る。ロードダンプが継続している場合は、次のS12の処理で、下スイッチ51をオン状態に再度切り替える。
また、落ち込み時間がT1よりも長い場合(S14:NO)、すなわち、励磁中B端子外れ時は、オフ時間をtbに設定し、下スイッチ51をオフ時間tbの間オフ状態にする(S16)。このとき、出力電圧Vbが調整電圧Vreg以下になることを回避するために、下スイッチ51の切替えに伴うサージ電圧の発生を抑制するタイミングを待つことなく、下スイッチ51をオフ状態に切り替える。B端子外れの場合、配線25が外れているため、負荷31,32に対するサージ電圧の影響を気にする必要はない。
判定時間T1を電源維持時間とした場合、下スイッチ51をオンに切り替えてから判定時間T1を経過した時点で、制御回路54の電源を維持できなくなり、下スイッチ51はオフ状態に切り替わっているので、切り替わった時点からオフ時間tbの間、オフ状態を維持すればよい。なお、判定時間T1を、電源維持時間よりも短い時間にしてもよい。この場合、落ち込み状態がT1の間継続した時点で、下スイッチ51をオフ状態にする。
そして、出力電圧Vbが、閾値V4よりも高い電圧まで上昇したか否か判定する(S18)。出力電圧Vbが閾値V4以下の場合は(S18:NO)、下スイッチ51をオフ状態にしたまま、本処理を終了する。一方、出力電圧Vbが閾値V4よりも高い場合は(S18:YES)、S11の処理に戻る。ロードダンプが継続している場合は、次のS12の処理で、下スイッチ51をオン状態に再度切り替える。
また、落ち込み状態が検出されなかった場合(S13:NO)、すなわち、落ち込み時間が0の場合は、励磁なし端子外れ発生時であり、オフ時間をtcに設定し、下スイッチ51をオフ時間tcの間オフ状態にする(S17)。このとき、出力電圧Vbが調整電圧Vreg以下になることを回避するために、下スイッチ51の切替えに伴うサージ電圧の発生を抑制するタイミングを待つことなく、下スイッチ51をオフ状態に切り替える。これにより、出力電圧Vbが、閾値V2よりも低くなったことを検出した時点で、下スイッチ51がオフ状態に切り替えられる。
そして、出力電圧Vbが、閾値V4よりも高い電圧まで上昇したか否か判定する(S18)。出力電圧Vbが閾値V4以下の場合は(S18:NO)、下スイッチ51をオフ状態にしたまま、本処理を終了する。一方、出力電圧Vbが閾値V4よりも高い場合は(S18:YES)、S11の処理に戻る。ロードダンプが継続している場合は、次回のS12の処理で、下スイッチ51はオン状態に再度切り替えられる。
なお、図5(e)、図7(d)、図8(d)は、制御回路54のLG端子から出力する下スイッチ51の駆動信号を示している。図10(b)〜図12(b)も同様である。
上記処理を繰り返し実行すると、図10(a)に示すように、負荷遮断発生時の出力電圧Vbは、下スイッチ51をオン状態にしたことにより落ち込み状態になる。そして、下スイッチ51をオフ時間taの間オフ状態にすると、ツェナー電圧Vzまで上昇する。そして、オフ時間taの間オフ状態にした後に、下スイッチ51をオン状態にすると、再び落ち込み状態になる。また、図12(a)に示すように、励磁なしB端子外れ時の出力電圧Vbは、下スイッチ51をオン状態にしたことにより、緩やかに下降する。そして、閾値V2になった時点で、下スイッチ51をオフ状態にすると、ツェナー電圧Vzまで上昇する。そして、オフ時間tcの間オフ状態にした後に、下スイッチ51をオン状態にすると、再び緩やかに下降する。
また、図11(a)に示すように、励磁中B端子外れ時の出力電圧Vbは、下スイッチ51をオン状態にしたことにより落ち込み状態になる。そして、回復しないまま、下スイッチ51をオフ時間tbの間オフ状態にすると、ツェナー電圧Vzまで上昇する。このオフ時間tbの間に、励磁電流の供給は停止される。そのため、下スイッチ51をオフ時間tbの間オフ状態にした後に、下スイッチ51をオン状態にすると、励磁なしB端子外れ時と同様に、出力電圧Vbは緩やかに下降し、落ち込み状態にならない。よって、これ以降は、ロードダンプの原因が励磁なしB端子外れと判定され、励磁なしB端子外れと同様のロードダンプ保護処理が行われる。すなわち、オフ時間がtcに設定される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・ロードダンプの原因に応じて、落ち込み状態の検出の有無、及び落ち込み時間が異なる。よって、落ち込み状態及び落ち込み時間を検出することにより、ロードダンプの原因を適切に判別して、それぞれに適したロードダンプ保護の制御を実施することができる。
・落ち込み状態が検出された場合には、ロードダンプの発生原因を、負荷遮断、又は励磁中B端子外れと判定できる。
・落ち込み時間が判定時間T1よりも短い場合には、ロードダンプの発生原因を負荷遮断と判定できる。
・ロードダンプの発生原因が負荷遮断と判定された場合には、オフ時間が所定時間よりも短いオフ時間taに設定される。これにより、B端子に接続される出力端コンデンサ20の容量Cconが小さい場合でも、負荷遮断時に、出力端コンデンサ20の端子間電圧Vconが大きく上昇して、負荷31を破損することを抑制できる。
・閾値V4を所定の値に設定することにより、出力端コンデンサ20の端子間電圧Vconを所望の電圧にすることができる。
・下スイッチ51がオフ時間taの間オフ状態にされ、出力電圧Vbが上昇した後、下スイッチ51が再度オン状態に切り替えられ、出力電圧Vbが下降する。これにより、出力端コンデンサ20の端子間電圧Vcon、すなわち電気負荷に印加する電圧を、所定の範囲内に安定させることができる。ひいては、負荷31を適切に保護することができる。
・落ち込み時間が判定時間T1よりも長い場合には、ロードダンプの発生原因を励磁中B端子外れと判定できる。
・ロードダンプの発生原因が励磁中B端子外れと判定された場合には、オフ時間が所定時間よりも長いオフ時間tbに設定される。これにより、励磁中B端子外れ時に、界磁巻線の励磁が停止するまで、整流回路内部において電流が消費されない。よって、ロードダンプの収束に要する時間が長くなることを抑制できる。
・下スイッチ51がオフ時間tbの間オフ状態にされ、界磁巻線14の励磁が停止した後に、下スイッチ51がオン状態に切替えられる。これにより、安定したロードダンプ保護動作を実施できる。
・落ち込み状態が検出されなかった場合には、ロードダンプの発生原因を、励磁なしB端子外れと判定できる。
・ロードダンプの発生原因が励磁なしB端子外れと判定された場合には、オフ時間がオフ時間tcに設定される。そして、下スイッチ51は、オフ時間tcの間オフ状態にされた後、オン状態に切り替えられる。これにより、励磁なしB端子外れに対応した、ロードダンプ保護制御を実施できる。
・励磁中B端子外れ及び励磁なしB端子外れと判定された場合には、サージ電圧発生の抑制タイミングまで待つことなく、下スイッチ51がオフ状態に切り替えられる。これにより、出力電圧Vbが調整電圧Vreg以下になることが抑制されるため、界磁巻線14の励磁が開始されることを抑制できる。
(他の実施形態)
・出力電圧Vbが落ち込んだ時に、下スイッチ51の駆動電圧が維持できなくなることに対して、下スイッチ51の駆動電圧を所定電圧(例えば5V)で維持するような駆動ドライバを、制御回路54に設けるようにしてもよい。このようにすれば、励磁中B端子外れ時において、下スイッチ51が強制的にオフ状態にされることがないので、意図したタイミングで下スイッチ51をオフ状態にすることができる。
・励磁中B端子外れ時及び励磁なしB端子外れ時のロードダンプ保護処理において、出力電圧Vbが調整電圧Vreg以下とならなければ、サージ電圧を抑制するタイミングまで待ってから下スイッチ51をオフ状態にしてもよい。
・整流器モジュール15X,15Y,15Z,16U,16V,16Wのそれぞれに、制御回路54を設けなくてもよい。2つ以上の整流器モジュールに対して1個の制御回路54を設けてもよい。すなわち、1個の制御回路54で、複数相の電機子巻線に接続されたスイッチング素子のオンオフを制御するようにしてもよい。また、整流器モジュール15X,15Y,15Z,16U,16V,16Wの全てに共通の1個の制御回路を設けるようにしてもよい。このようにすると、コストを低減できる。
・上スイッチ50,下スイッチ51は、MOSFETに限らず、IGBTやバイポーラトランジスタ等の半導体スイッチでもよい。
・整流器モジュール群15、16の上アームを、ダイオードのみにより構成してもよい。
・電機子巻線11,12は一方だけ備えていてもよい。また、電機子巻線11,12は、三相に限らず、四相以上でもよい。
10…車両用発電機、11,12…電機子巻線、14…界磁巻線、15,16…整流器モジュール群、17…発電制御装置、51…下スイッチ、54…制御回路。

Claims (14)

  1. 回転子の界磁極を磁化させる界磁巻線(14)と、
    前記界磁極によって発生する回転磁界により交流電圧を発生する複数相の電機子巻線(11,12)と、
    上アーム及び下アームを有し、前記下アームが前記電機子巻線に接続されたスイッチング素子(51)により構成されたブリッジ回路であって、前記交流電圧を整流して出力する整流回路(15A)と、
    前記整流回路の出力電圧と調整電圧との比較に基づいて、前記界磁巻線に供給する励磁電流を調整する発電制御装置(17)と、
    前記スイッチング素子のオンオフを制御するスイッチング制御装置(54)と、を備え、
    前記スイッチング制御装置は、
    前記整流回路の出力電圧が、ロードダンプの発生を判別する第1閾値を超えた場合に、前記下アームを構成する前記スイッチング素子をオン状態に切り替える保護操作手段と、
    前記保護操作手段により前記スイッチング素子がオン状態に切り替えられた後、所定のオフ時間の間、前記下アームを構成する前記スイッチング素子をオフ状態にする解除操作手段と、
    前記整流回路から発電電力を出力中に、前記保護操作手段により前記スイッチング素子がオン状態に切り替えられた後、前記出力電圧が第2閾値未満になっている状態を落ち込み状態として検出するとともに、前記落ち込み状態の継続時間である落ち込み時間を検出する落ち込み検出手段と、
    前記落ち込み検出手段により検出された前記落ち込み時間に応じて、前記オフ時間の長さを設定するオフ時間設定手段と、
    を備える車両用回転電機。
  2. 前記スイッチング制御装置は、
    前記落ち込み検出手段により前記落ち込み状態が検出された場合に、前記ロードダンプの発生原因を、前記整流回路の出力端子とバッテリ(40)の端子との間を接続する配線(25)が、前記バッテリの端子から外れた負荷遮断、又は、前記界磁巻線に前記励磁電流を供給中に、前記配線が前記整流回路の出力端子から外れた励磁中端子外れ、と判定する原因判定手段を備える請求項1に記載の車両用回転電機。
  3. 前記原因判定手段は、前記落ち込み検出手段により検出された前記落ち込み時間が判定時間よりも短い場合に、前記ロードダンプの発生原因を、前記負荷遮断と判定する請求項2に記載の車両用回転電機。
  4. 前記原因判定手段により前記負荷遮断と判定された場合に、
    前記オフ時間設定手段は、前記オフ時間を所定時間よりも短い第1時間に設定する請求項3に記載の車両用回転電機。
  5. 前記解除操作手段は、前記出力電圧が、前記落ち込み状態から第2閾値よりも高い電圧まで回復した後に、前記第1時間の間、前記スイッチング素子をオフ状態にする請求項4に記載の車両用回転電機。
  6. 前記保護操作手段は、前記解除操作手段により前記スイッチング素子が前記第1時間の間オフ状態にされた後、前記スイッチング素子をオン状態に切り替える請求項5に記載の車両用回転電機。
  7. 前記原因判定手段は、前記落ち込み検出手段により検出された前記落ち込み時間が判定時間よりも長い場合に、前記ロードダンプの発生原因を、前記励磁中端子外れと判定する請求項2〜6のいずれかに記載の車両用回転電機。
  8. 前記原因判定手段により前記励磁中端子外れと判定された場合に、
    前記オフ時間設定手段は、前記オフ時間を所定時間よりも長い第2時間に設定する請求項7に記載の車両用回転電機。
  9. 前記解除操作手段は、前記第2時間の間、前記スイッチング素子をオフ状態にし、
    前記保護操作手段は、前記解除操作手段により前記スイッチング素子が前記第2時間の間オフ状態にされた後、前記スイッチング素子をオン状態に切り替える請求項8に記載の車両用回転電機。
  10. 前記スイッチング制御装置は、
    前記落ち込み検出手段により前記落ち込み状態が検出されなかった場合に、前記ロードダンプの原因を、前記界磁巻線に前記励磁電流を供給していないときに、前記整流回路の出力端子とバッテリの端子との間を接続する配線が、前記整流回路の出力端子から外れた励磁なし端子外れ、と判定する原因判定手段を備える請求項1〜9のいずれかに記載の車両用回転電機。
  11. 前記原因判定手段により前記励磁なし端子外れと判定された場合に、
    前記オフ時間設定手段は、前記オフ時間を第3時間に設定し、
    前記解除操作手段は、前記第3時間の間、前記スイッチング素子をオフ状態にし、
    前記保護操作手段は、前記解除操作手段により前記スイッチング素子が前記第3時間の間オフ状態にされた後、前記スイッチング素子をオン状態に切り替える請求項10に記載の車両用回転電機。
  12. 前記解除操作手段は、前記スイッチング素子を、サージ電圧の発生を抑制するタイミングを待つことなくオフ状態に切替える請求項9又は請求項11に記載の車両用回転電機。
  13. 前記スイッチング制御装置は、前記整流回路を構成する複数の相に対応するスイッチング素子のオンオフを制御する制御装置である請求項1〜12のいずれかに記載の車両用回転電機。
  14. 前記発電制御装置は、
    前記電機子巻線の相電圧に基づいて、前記回転子の回転を検出する回転検出手段を備え、
    前記スイッチング制御装置は、
    前記保護操作手段又は前記解除操作手段によるロードダンプ保護動作中に、回転検出信号を前記回転検出手段へ送信する信号出力手段を備え、
    前記回転検出手段は、前記保護操作手段又は前記解除操作手段によるロードダンプ保護動作中に、前記信号出力手段により送信された前記回転検出信号に基づいて、前記回転子の回転を検出する請求項1〜13のいずれかに記載の車両用回転電機。
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