JP2016144079A - 放射線検出器および放射線撮像システム - Google Patents

放射線検出器および放射線撮像システム Download PDF

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邦彦 飯塚
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Abstract

【課題】アンプトランジスタの閾電圧や移動度がばらついた場合においても、所定のS/N比を維持した出力信号を得ることのできる放射線検出器を提供する。【解決手段】放射線量に基づいた電気信号が入力される結合容量素子(6)と、結合容量素子(6)からの信号を増幅するアンプトランジスタ(2)と、アンプトランジスタ(2)のソース‐ドレイン電流の値が所定範囲の値となるように、結合容量素子(6)とアンプトランジスタ(2)のゲート電極との間に、アンプトランジスタ(2)のゲート電圧の初期値を設定するキャリブレーション回路(26)と、センサ素子(1)と結合容量素子(6)との間に電圧を印加することで、センサ素子(1)の電極の電圧を初期化するリセット電位線(45)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線検出器および放射線撮像システムに関するものである。
入射した放射線、特にX線の線量に応じた電気信号を出力するセンサ素子としては、X線を直接電気信号に変換する直接変換型や、X線をシンチレータにより光に変換してから光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型のものが用いられている。このようなセンサ素子を、基板(パネル)上に2次元マトリックス状に配置された複数のピクセルの1ピクセル毎に設けたX線画像撮像用のパネルが開発されている。このようなパネルでは、各ピクセルの制御に薄膜トランジスタ素子(TFT(Thin Film Transistor)素子)が使われている。そして、直接変換型および間接変換型の何れにおいても、X線の線量に応じて発生した電気信号(電荷)が各ピクセル内の容量に蓄積されるようになっている。
この蓄積された容量を、TFT素子を介して、パネルの外部にある増幅器に転送するものをパッシブピクセル型といい、既に、デジタルX線撮像装置として広く実用化されている。
一方、特許文献1、非特許文献1および非特許文献2に記載されているように、読出しラインの熱雑音や外部の読出し回路の雑音の影響を軽減できることから、蓄積された容量を、TFT素子を増幅素子として使うことで増幅して外部の回路に伝えるアクティブピクセル型と称されるものの開発も行われている。
図17は、従来のアクティブピクセル型の放射線検出器に備えられたアクティブピクセルと読出し回路の一例を示す図である。
図示されているように、アクティブピクセルにおけるセンサ素子の一端には、センサ素子のバイアス電圧であるVs_bが与えられる。そして、X線がアクティブピクセルに入射されると電気信号が発生し、上記センサ素子に接続されたアンプトランジスタのゲート電極の電圧が変化する。これは、発生した上記電気信号が、アンプトランジスタのゲート電極に接続された静電容量に蓄積されるためである。したがって、上記アンプトランジスタは、発生した上記電気信号によるゲート電圧の変化を、ドレインソース間の電流変化として出力するようになっている。すなわち、アンプトランジスタは、上記電気信号を増幅するトランジスタであって、その電源電圧はVdである。リセットトランジスタは、上記アンプトランジスタのゲート電極と、上記アクティブピクセルの外部から与えられるリセット電圧(Vd)とを、リセット信号線を介して供給されるリセット信号に基づいて、導通状態あるいは遮断状態に制御する。読出しトランジスタは、上記アンプトランジスタのドレインソース間の電流を上記アクティブピクセルの外部に出力するためのスイッチであり、読出し信号線を介して供給される読出し信号に基づいて、制御される。
そして、上記アクティブピクセルの外部に出力された上記アンプトランジスタのドレインソース間の電流は、積分用アンプと、上記積分用アンプの一方の入力端子(−端子)と上記積分用アンプの出力端子との間に接続されたCf(容量)と、を備えた読出し回路によって読み出され、上記読出し回路はVo(出力電圧)を出力するようになっている。
特開2014−60725号公報(2014年4月3日公開)
K. S. Karim, et al., "Readout Circuit in Active Pixel Sensors in Amorphous Silicon Technology," IEEE Electron, Device Letters, Vol.22, No.10, October 2001. K. S. Karim, et al., "Amorphous Silicon Active Pixel Sensor Readout Circuit for Digital Imaging," IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL. 50, NO. 1, JANUARY 2003.
しかしながら、従来のアクティブピクセル型の放射線検出器において、一つのアクティブピクセル内や複数のアクティブピクセル間で、アンプトランジスタの閾値電圧や移動度がばらついた場合、アンプトランジスタのゲート電圧の初期値を一律に決めると、アクティブピクセルの外部に出力される上記アンプトランジスタのドレインソース間の電流の初期値がばらつくため、放射線がアクティブピクセルに入射され、センサ素子によって発生した電気信号が蓄積された静電容量によって変動した上記アンプトランジスタのドレインソース間の電流量を正確に見積もることができない。
上記アンプトランジスタのドレインソース間の初期電流値を測定して、放射線入射後の電流値との差をとることで、初期電流値のバラツキを補正することはできるが、得られる初期電流値が大きい場合には、フリッカーノイズが大きくなり、所望のS/N比(Signal/Noise比)が得られなかったり、得られる初期電流値が大きすぎて飽和した場合には、出力信号を検出できなくなったりすることがあるので問題である。一方で、得られる初期電流値が小さすぎる場合には、上記アンプトランジスタの増幅率も小さく、S/N比(Signal/Noise比)の低下につながる可能性や所望の出力信号が得られないことがあり得るので問題である。
本発明の目的は、アンプトランジスタの閾値電圧や移動度がばらついた場合においても、所望のS/N比を維持した出力信号を得ることのできる放射線検出器および放射線撮像システムを提供することにある。
本発明の放射線検出器は、上記課題を解決するために、入射した放射線の線量に基づいた電気信号を発生させるセンサ素子と、上記電気信号が入力される第1静電容量と、上記第1静電容量から出力された信号を増幅するアンプトランジスタと、上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値が予め定められた範囲の値となるように、上記第1静電容量と上記アンプトランジスタのゲート電極との間に、上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を設定するキャリブレーション回路と、上記センサ素子と上記第1静電容量との間に電圧を印加することで、上記センサ素子の電極の電圧を初期化するリセット回路と、を備えており、上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧に基づく上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値を読み出すことを特徴としている。
上記構成によれば、アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値が予め定められた値となるように、アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を設定するキャリブレーション回路が備えられている。さらに、アンプトランジスタのゲート電極はセンサ素子の電極と静電容量によりDC(直流)的に分離されている。
また、キャリブレーション回路が設定したアンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を保ったまま、リセット回路によりセンサ素子の電極の電圧を初期化することが可能になる。
従って、キャリブレーション回路は、アンプトランジスタの電流電圧特性における閾電圧およびアンプトランジスタの移動度がばらついた場合においても、アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値が予め定められた値となるように設定できる。従って、アンプトランジスタの閾電圧および移動度がばらついている場合においても、アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる初期電流値を適正範囲内に設定することができる。よって、アンプトランジスタの閾電圧や移動度がばらついた場合においても、所定のS/N比を維持した出力信号を得ることのできる放射線検出器および放射線撮像システムを実現できる。
本発明の一態様によれば、アンプトランジスタの閾電圧や移動度がばらついた場合においても、所定のS/N比を維持した出力信号を得ることのできる放射線検出器および放射線検出システムを実現できる。
本発明の一実施形態に係る放射線センサの構成の一例を概略的に示す回路図である。 図1に示した放射線センサの制御を概略的に示すタイミング図である。 図1に示した放射線センサのキャリブレーションフェーズにおける動作状態を概略的に示す回路図である。 図1に示した放射線センサの待機フェーズおよび露光期における動作状態を概略的に示す回路図である。 図1に示した放射線センサのリセット期における動作状態を概略的に示す回路図である。 図1に示した放射線センサの初期データ読み出し期および露光後データ読み出し期の積分回路リセット時における動作状態を概略的に示す回路図である。 図1に示した放射線センサの初期データ読み出し期および露光後データ読み出し期の読み出し時における動作状態を概略的に示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る放射線センサの構成の一例を概略的に示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る放射線センサの構成の一例を概略的に示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る放射線センサの構成の一例を概略的に示す回路図である。 本発明の一実施形態に係るキャリブレーション回路の二例を概略的に示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る共用回路の一例を概略的に示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る放射線撮像装置の構成の一例を概略的に示す配線図である。 図13に示した放射線撮像装置の制御を概略的に示すタイミング図である。 本発明の一実施形態に係る放射線撮像装置の構成の一例を概略的に示す配線図である。 本発明の一実施形態に係る放射線撮像装置の構成の一例を概略的に示す配線図である。 従来の放射線センサの構成を概略的に示す回路図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、特性、その相対配置などはあくまで一実施形態に過ぎず、これらによってこの発明の範囲が限定解釈されるべきではない。
なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
本発明の実施の形態を図1〜図16に基づいて説明すれば以下のとおりである。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図7に基づいて説明する。
(放射線センサ)
図1は、放射線センサ51(放射線検出器)の構成を概略的に示す回路図である。図1に示すように、放射線センサ51は、ピクセル11、キャリブレーション回路26、読み出し回路36、およびAD変換器(アナログデジタル変換器)37を備え、放射線の有無および強度を検出する。
(アクティブピクセル)
ピクセル11は、アクティブピクセルであり、センサ素子1、アンプトランジスタ(増幅トランジスタ)2、読み出しトランジスタ3、キャリブレーショントランジスタ4、リセットトランジスタ5、結合容量素子6(第1静電容量)を備える。また、センサ容量7を図1のピクセル11は備えるが、実際の回路においては必ずしも、センサ容量7に相当する容量素子が実装されるものではない。なぜならばセンサ容量7は、下記3つの容量(1)〜(3)の総和を等価的に示す容量だからである。
3つの容量とは、(1)センサ素子1の2つの電極の間の静電容量、(2)ピクセル11の構造により生じる、センサ素子1と接続するセンサ側電極部1aと固定電位の電極の間に生じる寄生容量、および(3)センサ素子1で生じる信号電荷を蓄積するために意図的に加えた容量、である。
さらに、ピクセル11は、ピクセル11外部と接続する接続線として、キャリブレーション信号線41、リセット信号線42、読み出し信号線43、キャリブレーション電位線44、リセット電位線45(リセット回路)および読み出し出力線46を備える。
センサ素子1は、入射した放射線の線量(露光強度)に応じて電気信号を直接生じる直接変換型のセンサ素子であり、放射線(特にX線)を直接信号電荷(正孔または電子)に変換する。センサ素子1の一方の電極はセンサ側電極部1aを介して、リセットトランジスタ5のソース電極、結合容量素子6、センサ容量7と接続し、センサ素子1の他方の電極には固定電位Vs_bを印加する。なお、固定電位Vs_bはセンサ素子1のバイアス電圧である。
アンプトランジスタ2は、結合容量素子6からの信号(センサ素子1で生じた電気信号が結合容量素子6を通過して得られる信号)を増幅するトランジスタである。そして、アンプトランジスタ2のドレインソース間電流の電流量はアンプトランジスタ2のゲート電極の電位に応じる。アンプトランジスタ2のドレイン電極は、固定電位Vdである電流源と接続し、アンプトランジスタ2のソース電極は読み取りトランジスタ3のドレイン電極と接続する。
読み出しトランジスタ3は、読み出し信号線43からの読み出し信号に基づき導通状態(ON)または遮断状態(OFF)になり、ONのときアンプトランジスタ2のドレインソース間電流を、読み出し出力線46に出力する。
キャリブレーショントランジスタ4は、キャリブレーション信号線41からのキャリブレーション信号に基づき、ONまたはOFFになり、ONのときキャリブレーション電位線44とアンプトランジスタ2のゲート電極を導通して、アンプ側電極部2aをキャリブレーション(校正)する。そして、アンプ側電極部2aのキャリブレーションにより、アンプトランジスタ2も同様にキャリブレーションされる。
リセットトランジスタ5は、リセット信号線42からのリセット信号に基づき、ONまたはOFFになり、ONのときリセット電位線45とセンサ側電極部1aを導通して、センサ側電極部1aを固定電位Vrstにリセットする。
結合容量素子6は、センサ素子1とアンプトランジスタ2との間にあり、センサ側電極部1aからアンプ側電極部2aへの電荷の移動を防ぐと同時に、センサ側電極部1aの電位の変化をアンプ側電極部2aへ伝える。
キャリブレーション信号線41、リセット信号線42、読み出し信号線43はそれぞれ、キャリブレーショントランジスタ4のゲート電極、リセットトランジスタ5のゲート電極、読み出しトランジスタ3のゲート電極に接続されている。また、キャリブレーション信号線41、リセット信号線42、読み出し信号線43はそれぞれ、キャリブレーション信号、リセット信号、読み出し信号を伝達する。
キャリブレーション電位線44は、キャリブレーショントランジスタ4に接続する。そして、キャリブレーショントランジスタ4がONの時、キャリブレーション電位線44は、アンプ側電極部2aの電位をキャリブレーションする。
リセット電位線45は、リセットトランジスタ5に接続する。そして、リセット電位線45は、リセットトランジスタ5がONの時、センサ側電極部1aの電位をリセットする。
読み出し出力線46は、読み出しトランジスタ3に接続する。そして、読み出しトランジスタ3がONの時、読み出し出力線46は、アンプトランジスタ2のドレインソース間電流を出力する。
また、センサ側電極部1aおよびアンプ側電極部2aは、ピクセル11の動作を、保存量である電荷に着目して説明するために、定義されている。
センサ側電極部1aは、センサ素子1からの信号電荷が蓄積される電極である。具体的には、センサ素子1のリセットトランジスタ5に接続する側の電極、結合容量素子6のリセットトランジスタ5に接続する側の電極、およびセンサ容量7のリセットトランジスタ5に接続する側の電極、から構成される。
リセットトランジスタ5が遮断状態のとき、センサ素子1が生成した信号電荷は、センサ側電極部1aに蓄積される。従って、リセットトランジスタ5が遮断状態のとき、センサ側電極部1aにおいて、センサ素子1が生成した信号電荷を含めると、電荷の保存則が成立する。
アンプ側電極部2aは、アンプトランジスタ2のゲート電極の電位を左右する電荷が蓄積される電極である。具体的には、アンプトランジスタ2のゲート電極、および結合容量素子6のキャリブレーショントランジスタ4に接続する側の電極、から構成される。
キャリブレーショントランジスタ4が遮断状態のとき、アンプ側電極部2aにおいて、電荷の保存則が成立する。アンプトランジスタ2のゲート電極は、キャリブレーショントランジスタ4および結合容量素子6と接続しているので、キャリブレーショントランジスタ4がOFFのとき、フローティング状態になる。また、アンプトランジスタ2のゲート電極は、結合容量素子6を介して、センサ側電極部1aと間接的に接続(容量性カップリング)しているので、キャリブレーショントランジスタ4がOFFのとき、アンプ側電極部2aの電位はセンサ側電極部1aの電位に連動する。
なお、簡便のために以降、読み出しトランジスタ3とキャリブレーショントランジスタ4とリセットトランジスタ5とを、纏めて、トランジスタ3〜5と称する。また、キャリブレーション信号線41とリセット信号線42と読み出し信号線43とを、纏めて、信号線41〜43と称する。
(キャリブレーション回路)
キャリブレーション回路26は、キャリブレーションアンプ21と接地抵抗24を備え、キャリブレーション電位線44と読み出し出力線46によりピクセル11と接続している。言い換えれば、キャリブレーション回路26は、結合容量素子6とアンプトランジスタ2との間に、キャリブレーショントランジスタ4を介して接続されている。また、接地抵抗24の抵抗値はRである。
キャリブレーションアンプ21の正端子にはバイアス用の固定電位Vint_bが印加され、負端子は読み出し出力線46と接地抵抗24に接続し、出力端子はキャリブレーション電位線44に接続している。したがって、ピクセル11の読み出しトランジスタ3とキャリブレーショントランジスタ4の両方がONのとき、キャリブレーションアンプ21はアンプトランジスタ2のゲート電極の電位をフィードバック制御して、アンプトランジスタ2をキャリブレーションする。
こうして、キャリブレーション回路26は、アンプトランジスタ2のソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値が予め定められた値となるように、結合容量素子6とアンプトランジスタ2との間から、アンプトランジスタ2のゲート電極の電圧の初期値を設定する。
(読み出し回路)
読み出し回路36は、積分回路であり、積分アンプ31と積分容量素子33と積分リセットスイッチ34を備え、読み出し出力線46でピクセル11と接続し、AD変換器37と接続する。
積分アンプ31の正端子にはバイアス用の固定電位Vint_bが印加され、負端子は読み出し出力線46と積分容量素子33に接続し、出力端子はAD変換器37と積分容量素子33に接続している。また、積分リセットスイッチ34は積分容量素子33の両極に接続し、導通状態(ON)のとき積分容量素子33を短絡してリセット(初期化)する。
(AD変換器)
AD変換器37は、クロック信号Clk_adcが立ち下がるタイミングにおいて、読み出し回路36からの出力電圧を、サンプリング(抽出)してデジタル化(量子化、離散化)する。
(抵抗、容量、増幅率、時間)
放射線センサ51の動作を考えるために、アンプトランジスタ2のソース電極からドレイン電極に流れる電流がIdsのときの増幅率(トランスコンダクタンス)をgm(Ids)、アンプトランジスタ2の閾電圧をVth、アンプトランジスタ2のゲート電極の寄生容量をCg、結合容量素子6の容量をCc、センサ容量7の容量をCs、接地抵抗24の抵抗をR、積分容量素子33の容量をCf、積分リセットスイッチ34を導通状態(ON)から遮断状態(OFF)にしたタイミングからクロック信号Clk_adcが立ち下がるタイミングまでの時間をTi、とする。
(動作)
図2は放射線センサ51の制御を概略的に示すタイミング図である。図2では上から順に、キャリブレーショントランジスタ4(キャリブレーション信号線信号線41)、リセットトランジスタ5(リセット信号線42)、積分リセットスイッチ34、読み出しトランジスタ3(読み出し信号線43)、およびクロック信号Clk_adcのON/OFFを示し、立ち上がっているときがON(導通状態、高電位)であり、立ち下がっているときがOFF(遮断状態、低電位)である。
放射線センサ51の制御は、キャリブレーションフェーズ、待機フェーズ、センシングフェーズの3フェーズからなり、センシングフェーズはリセット期、初期データ読み出し期、露光期、露光後データ読み出し期からなる。
そして、各フェーズおよび各期における、放射線センサ51の動作状態を図3〜7が示す。図3〜7は、図1のトランジスタ3〜5および積分リセットスイッチ34を、図2の各フェーズおよび各期に対応して、ON/OFFを表すように、スイッチを表す電気用図記号に描き替えている。なお、図示を簡潔にするために、信号線41〜43は省略し、通電状態のトランジスタ3〜5および積分リセットスイッチ34における電圧降下は無視している。
以下、放射線センサ51の動作について、図3〜図7に基づいて説明する。
(キャリブレーションフェーズ)
まず、放射線センサ51に電源を入れると、キャリブレーションフェーズから開始する。
図3は、放射線センサ51のキャリブレーションフェーズにおける動作状態を示す回路図であり、トランジスタ3〜5がONであり、積分リセットスイッチ34がOFFである。また、AD変換器37に入力されるクロック信号Clk_adcはOFFである。図3に示す動作状態において、キャリブレーションフェーズのとき、放射線センサ51はキャリブレーションを行っている。具体的には、放射線センサ51は次の3つの動作を行っている。
第1に、リセットトランジスタ5がONなので、センサ側電極部1aには固定電位Vrstがリセット電位線45により印加される。これにより、センサ側電極部1aの電位がVrstにリセットされる。そして、センサ側電極部1aに蓄積される電荷の量は下記の(式1)により表される。
CcVrst+Cc(Vrst−Vg) (式1)
第2に、読み出しトランジスタ3およびキャリブレーショントランジスタ4がONなので、キャリブレーション回路26がアンプトランジスタ2のゲート電極の電位をフィードバック制御する。これにより、アンプトランジスタ2のソース電位がVint_bになるように、アンプトランジスタ2のゲート電極の電位がキャリブレーションされる。このときのアンプトランジスタ2のゲート電極の電位をVgとし、アンプトランジスタ2のドレインソース電流をアンプトランジスタ2の初期電流とする。また、アンプトランジスタ2のゲート電極の電位がVgなので、アンプ側電極部2aの電位もVgになる。そして、アンプ側電極部2aに蓄積される電荷の量は下記の(式2)により表される。
Cc(Vg−Vrst)+CgVg (式2)
時間について言い及ぶと、アンプトランジスタ2のキャリブレーションは、フィードバック制御なので、長時間かかる。対して、センサ側電極部1aのリセットは、リセット電位線45により固定電位Vrstがセンサ側電極部1aに印加されるので、短時間で完了する。
第3に、積分リセットスイッチ34がOFFなので、読み出し回路36が積分回路として作動できる。しかし、アンプトランジスタ2のキャリブレーションのために、キャリブレーションフェーズは長時間行われる。このため、キャリブレーションフェーズにおいて、読み出し回路36は飽和し、遮断状態になる。そして、アンプトランジスタ2の初期電流は、全て接地抵抗24を通ってグランドに逃げるので、アンプトランジスタ2の初期電流の大きさはVint_b/Rになる。
なお、アンプトランジスタ2が露光前も露光後も飽和領域で作動するように、アンプトランジスタ2の初期電流Vint_b/Rは適切な大きさに設定する。アンプトランジスタ2が飽和領域で作動するためには、アンプトランジスタ2のゲート電極の電位がソース電極の電位と閾電圧Vthの和よりも大きければよい。
センサ素子1で発生する信号電荷が負電荷(電子)の場合、露光によりセンサ側電極部1aおよびアンプ側電極部2aの電位が下がる。従って、初期電流Vint_b/Rは、なるべく大きく設定することが好ましい。また、センサ素子1で発生する信号電荷が正電荷(正孔)の場合、露光によりセンサ側電極部1aおよびアンプ側電極部2aの電位が上がる。従って、初期電流Vint_b/Rは、なるべく小さく設定することが好ましい。これより、放射線センサ51のダイナミックレンジを広くすることが可能になる。なお、アンプトランジスタ2の初期電流Vint_b/Rが設定可能な範囲は、アンプトランジスタ2の飽和領域において、必要な増幅度が取れる範囲に限定される。
(待機フェーズ)
次に、キャリブレーション終了後、センシングを開始するまで、放射線センサ51は待機フェーズにあり、X線照射準備などを行う。
図4は、放射線センサ51の待機フェーズおよびセンシングフェーズの露光期における動作状態を示す回路図であり、トランジスタ3〜5および積分リセットスイッチ34はOFFである。また、AD変換器37に入力されるクロック信号Clk_adcはOFFである。待機フェーズにおいて、放射線センサ51は待機しており、動作していない。しかし、センサ素子1からノイズ信号が発生するので、センサ側電極部1aおよびアンプ側電極部2aの電位は変動する。また、アンプトランジスタ2のソース電極はハイインピーダンス状態にあるため、アンプトランジスタ2のソース電極の電位は(Vd−Vth)まで上昇する。
また、アンプトランジスタ2のゲート電極はフローティング状態なので、キャリブレーション終了時に蓄積されていた電荷を、アンプ側電極部2aは保存している。
(センシングフェーズ)
センシングを開始すると、放射線センサ51はセンシングフェーズを繰り返す。センシングフェーズは順に、リセット期、初期データ読み出し期、露光期、露光後データ読み出し期から成る。
(リセット期)
図5は、放射線センサ51のリセット期における動作状態を示す回路図であり、読み出しトランジスタ3、リセットトランジスタ5および積分リセットスイッチ34がONであり、キャリブレーショントランジスタ4がOFFである。また、AD変換器37に入力されるクロック信号Clk_adcはOFFである。リセット期において放射線センサ51はリセットを行っている。具体的には、放射線センサ51は次の3つの動作を行っている。
第1に、リセットトランジスタ5がONなので、センサ側電極部1aが固定電位Vrstに復帰する。第2に、読み出しトランジスタ3および積分リセットスイッチ34がONなので、アンプトランジスタ2のソース電極の電位がVint_bに復帰する。第3に、アンプ側電極部2aはキャリブレーション終了時に蓄積されていた電荷を保存している。従って、アンプトランジスタ2のゲート電極およびアンプ側電極部2aの電位はVgに復帰する。
以上のように、キャリブレーションフェーズ終了時の電位に、センサ側電極部1aの電位およびアンプ側電極部2aの電位が復帰する。なお、積分リセットスイッチ34がONなので、読み出し回路36のリセットも行われている。
(初期データ読み出し期)
初期データ読み出し期に、放射線センサ51は初期データ読み出しを行う。初期データ読み出しでは、積分回路36のリセットとアンプトランジスタ2のドレインソース電流の積分とを行う。
図6は、放射線センサ51の初期データ読み出し期および露光後データ読み出し期の初期の読み出し回路36のリセット時における動作状態を示す回路図であり、読み出しトランジスタ3および積分リセットスイッチ34がONであり、キャリブレーショントランジスタ4およびリセットトランジスタ5がOFFである。また、AD変換器37に入力されるクロック信号Clk_adcはOFFである。また、初期データ読み出し期の初期において、放射線センサ51は積分回路36のリセットを行っている。
リセット期から続けて初期データ読み出し期に、積分回路36のリセットを行う理由は、リセット期終了時に僅かにセンサ側電極部1aの電位が変動するからである。詳しく述べると、リセット期終了時にリセットトランジスタ5がONからOFFになったのに伴い、リセットトランジスタ5からセンサ側電極部1aに微小電荷が移動し、センサ側電極部1aの電位が変動する。そして、アンプ側電極部2aの電位およびアンプトランジスタ2のドレイン電極とソース電極との間の電流も変動する。このため、リセットトランジスタ5をOFFにした後に、積分リセットスイッチ34をOFFにしたほうがよい。なお、他の説明においてはトランジスタのON/OFFに伴う微小電荷の移動は無視している。
図7は、放射線センサ51の初期データ読み出し期および露光後データ読み出し期の読み出し回路36のリセット終了後における動作状態を示す回路図であり、トランジスタ3がONであり、トランジスタ4〜5およびスイッチ34がOFFである。また、AD変換器37に入力されるクロック信号Clk_adcはOFFからONになる。初期データ読み出し期の読み出し回路36のリセット終了後、積分リセットスイッチがOFFになるので、読み出し出力線46からの電流の積分が開始される。放射線センサ51は読み出し回路36において入力電流の積分を行う。そして、ドレインソース電流を時間Ti積分した後に、AD変換器37は積分回路36の出力電圧をデジタル化して出力する。
初期データ読み出し期におけるアンプトランジスタ2のドレインソース電流をIds、AD変換器37がデジタル化する積分回路36の出力電圧をVout、AD変換器37が出力するデジタル値をDoutとすると、下記の(式3)が成立する。
Vout=(Ids−Vint_b/R)Ti/Cf (式3)
なお、放射線センサ51では露光期でないときは、ピクセル11はX線から遮断しているので、ドレインソース電流Idsは定数である。しかし、積分時間Tiはセンサ素子1の反応速度に対して十分に短いので、ピクセル11が露光したままであっても、ドレインソース電流Idsを定数として計算してよい。
なお、初期データ読み出し期は、センシングフェーズ1回毎になくてもよい。数回のセンシングフェーズに1回の初期データ読み出し期でもよい、また、最初のセンシングフェーズのみ初期データ読み出し期があってもよい。
(露光期)
露光期は、図4のような動作状態において、放射線センサ51は放射線を受光(露光)して、センサ素子1から信号電荷がセンサ側電極部1aに流入する。センサ素子1からの信号電荷により、センサ側電極部1aの電位は変動する。また、アンプ側電極部2aはキャリブレーション終了時に蓄積されていた電荷を保存している。従って、アンプ側電極部2aの電位およびアンプトランジスタ2のゲート電極の電位も変動する。また、露光期に、放射線受光により、センサ素子1からセンサ側電極部1aへ流入した電荷の量をQとする。
(露光後データ読み出し期)
露光後データ読み出し期に、放射線センサ51は露光後データ読み出しを行う。露光後データ読み出しでは、積分回路36のリセットとアンプトランジスタ2のドレインソース電流の積分とを行う。
露光後データ読み出し期の初期に、図6のような動作状態において、放射線センサ51は読み出し回路36のリセットを行う。なお、露光後データ読み出し期の初期に行う積分回路36のリセットは、露光期に開始してもよい。
読み出し回路36をリセットした後、図7のような動作状態において、放射線センサ51は読み出し回路36においてアンプトランジスタ2のドレインソース電流の積分を行う。そして、ドレインソース電流を時間Ti積分した後に、AD変換器37は積分回路36の出力電圧をデジタル化して出力する。
露光後データ読み出し期におけるアンプトランジスタ2のドレインソース電流をIds’、アンプ側電極部2aの電位をVg’、AD変換器37がデジタル化する積分回路36の出力電圧をVout’、AD変換器37が出力するデジタル値をDout’とすると、下記の(式4)および(式5)が成立する。
Ids’=Ids+gm(Ids)(Vg’−Vg) (式4)
Vout’=(Ids’−Vint_b/R)Ti/Cf (式5)
従って、AD変換器37におけるデジタル化誤差を無視すると、下記の(式6)が導出される。
Dout’−Dout
=Vout’−Vout
=(Ids’−Ids)Ti/Cf
=gm(Ids)(Vg’−Vg)Ti/Cf (式6)
センサ側電極部1aへは露光期に電荷Qが流入し、アンプ側電極部2aはキャリブレーションフェーズ後フローティング状態である。従って、露光後データ読み出し期におけるセンサ側電極部1aの電位をVrst’とすると電荷の保存則より、下記の(式7)および(式8)が成立する。
CsVrst+Cc(Vrst−Vg)+Q=CsVrst’+Cc(Vrst’−Vg’) (式7)
Cc(Vg−Vrst)+CgVg=Cc(Vg’−Vrst’)+CgVg’ (式8)
そして、下記の(式9)が導出される。
Vg’−Vg=Q(Cs+Cg+CgCs/Cc) (式9)
以上で導出された(式6)および(式9)から、AD変換器37の出力するデジタル値の差(Dout’−Dout)が、センサ素子1で発生した信号電荷Qに比例することは明らかである。従って受光した放射線量に比例したデータが、(Dout’−Dout)として取得できる。
(効果)
放射線センサ51においては、アンプトランジスタ2のドレインソース間を流れる初期電流がVint_b/Rになるように、キャリブレーション回路26がアンプトランジスタ2のゲート電極の電位をフィードバック制御する。このため、アンプトランジスタ2の閾電圧および移動度が設計値からずれている場合であっても、放射線センサ51の出力データのS/N比(シグナル/ノイズ比)を抑えることが可能になる。
放射線センサ51においては、結合容量素子6により、センサ側電極部1aとアンプ側電極部2aが直流的に分離されている。このため、センサ素子1のリセットとアンプトランジスタ2のキャリブレーションとを別々に行える。
放射線センサ51においては、センサ側電極部1aのリセットは、短時間で完了する。なぜならば、センサ側電極部1aに固定電位Vrstが印加されることにより、センサ側電極部1aはリセットされるからである。これに対し、アンプ側電極部2aのキャリブレーションは、長時間かかる。なぜならば、キャリブレーション回路26によるフィードバック制御によりアンプトランジスタ2のゲート電極の電位がキャリブレーションされるからである。従って、センシングフェーズのピクセルリセットにおいて、センサ側電極部1aのリセットだけを行うことにより、センシングフェーズの時間が短くなり、高速な連続検出が可能になる。
〔実施の形態2〕
以下、本発明の別の一実施形態について、図8に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
図8はピクセル12を備えた放射線センサ52の回路図である。ピクセル12は間接変換型のアクティブピクセルであり、センサ素子1の替りにフォトダイオード9およびシンチレータ(図示せず)を備え、放射線を受けるとシンチレータが可視光を発光し、シンチレータからの可視光をフォトダイオード9が信号電荷に変換する。
ピクセル12および放射線センサ52は間接変換型なので、直接変換型と比べて低い電圧での稼働が可能になる。
〔実施の形態3〕
以下、本発明の別の一実施形態について、図9に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
図9はピクセル13を備えた放射線センサ53の回路図である。ピクセル13ではピクセル13内部においてリセット電位線45が、読み出し出力線46に接続している。読み出し出力線46の電位は、キャリブレーションフェーズおよびリセット期において、キャリブレーションアンプ21の正端子の電位Vint_bと等しくなるので、ピクセル13はVrstがVint_bと等しい場合のピクセル11と等価である。
ピクセル13および放射線センサ53は、リセット電位線45を専用配線でピクセル13の外に出さなくてよいので配線作業が簡便になる。このため、ピクセル13を複数備える放射線センサおよび放射線撮像装置において、装置の小型化が可能になる。
〔実施の形態4〕
以下、本発明の一実施形態の変形例について、図10に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
図10はピクセル14を備えた放射線センサ54の回路図である。ピクセル14は読み出しトランジスタ3の替りに読み出し容量素子8(第2静電容量)を備え、読み出し容量素子8はセンサ素子1および読み出し信号線43と接続している。また、アンプトランジスタのソース電極は読み出し出力線46に直接接続している。
また、読み出し容量素子8を備えたために、センサ素子1からの信号電荷はセンサ側電極部1bに蓄積される。
センサ側電極部1bは、センサ素子1のリセットトランジスタ5に接続する側の電極、結合容量素子6のリセットトランジスタ5に接続する側の電極、センサ容量7のリセットトランジスタ5に接続する側の電極、および読み出し容量素子のリセットトランジスタ5に接続する側の電極から構成される。
リセットトランジスタ5が遮断状態のとき、センサ素子1が生成した信号電荷は、センサ側電極部1bに蓄積される。従って、リセットトランジスタ5が遮断状態のとき、センサ側電極部1bにおいて、電荷の保存則が成立する。
以下では、読み出し信号線43の電位を変えることでアンプトランジスタ2の通電状態と遮断状態が切り替わることを以下で説明する。なお、読み出し容量素子8の静電容量をCd、キャリブレーションフェーズでのアンプトランジスタ2のゲート電極の電位をVg、キャリブレーションフェーズ(読み出し信号OFF)での読み出し信号線43の電位をVhigh、待機フェーズ(読み出し信号ON)での読み出し信号線43の電位をVlowとする。
また、改めて、センシングフェーズでリセット期終了後、放射線受光によりセンサ側電極部1bに電荷Qが流入した後に、読み出し信号線43の電位をVlowにした場合のアンプ側電極部2aの電位をVg’、読み出し信号線43の電位をVhighにした場合のアンプ側電極部2aの電位をVg”とする。電荷保存則より、下記の(式10)および(式11)が成立する。
{(Cc+Cg)(Cd+Cs+Cc)−Cc}(Vg’−Vg)=CcCd(Vlow−Vhigh)+CcQ (式10)
{(Cc+Cg)(Cd+Cs+Cc)−Cc}(Vg”−Vg)=CcQ (式11)
例えば、Cc=Cd=0.3pF、Cs=Cg=0.1pF、Vlow=−10V、Vhigh=+10V、有効数字3桁、とすると、下記の(式12)および(式13)が導出される。
Vg’−Vg=−9.48V+Q/(0.633pF) (式12)
Vg”−Vg=Q/(0.633pF) (式13)
となる。従って、読み出し信号をONからOFFに切り替えると、アンプ側電極部2aの電位は9.48V下がる。例えば、Vg=5V、Vint_b=1.5V、アンプトランジスタ2の閾電圧値を2V、アンプトランジスタ2のソース電極の電位をVs、Q<−5.051pC、とするとVs=Vint_bなので、Vg’−Vs<2Vとなり、読み出し信号がOFFの間、アンプトランジスタ2は遮断状態(OFF)を維持する。
そして、読み出し信号をOFFからONに戻すと、(式13)より、アンプトランジスタ2は通電状態(ON)になり、センサ素子1から生じた信号電荷Qに比例して、アンプ側電極部2aの電位が変化し、アンプトランジスタ2のドレインソース間電流も増加する。つまり、読み出し容量素子8は読み出しトランジスタ3と同じ役割を果たす。
ピクセル14および放射線センサ54は、読み出しトランジスタ3をピクセル14内部に形成しなくてよいので、ピクセルの微細化が可能になり、放射線センサの小型化が可能になる。
(変形例1)
以下、本発明の一実施形態の変形例について、図11の(a)に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
図11の(a)は2つの接地抵抗24a、24bおよびスイッチ23a、23bを備えるキャリブレーション回路27の回路図である。抵抗値R1の接地抵抗24aはスイッチ23aを介して、抵抗値R2の接地抵抗24bはスイッチ23bを介して、読み出し出力線46と接続している。ただし、R1>R2>0である。
放射線センサ51〜54においては、アンプトランジスタ2の初期電流がVint_b/Rに決まっているので、経時変化によりアンプトランジスタ2の移動度が低下した場合、アンプトランジスタ2の増幅度が減少してしまうという問題がある。これを解決するために、放射線センサ51〜54のキャリブレーション回路26を本変形例のキャリブレーション回路27に交換して、リセットフェーズ時のアンプトランジスタ2のゲート電極の電位を測定する回路を放射線センサ51〜54に加える。そして、放射線センサが新しいときは、スイッチ23aをON、スイッチ23bをOFFにして、抵抗値の高い接地抵抗24aを利用する。そして、放射線センサが古くなり、リセットフェーズ時のアンプトランジスタ2のゲート電極の電位が既定値より高くなった時、アンプトランジスタ2が劣化したとして、スイッチ23aをOFF、スイッチ23bをONにして、抵抗値の高い接地抵抗24bを利用する。
このため、本変形例のキャリブレーション回路27を用いると、経時変化によるアンプトランジスタ2の増幅度の減少を補正することが可能である。
(変形例2)
以下、本発明の一実施形態の変形例について、図11の(b)に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
図11の(b)は接地容量22およびスイッチ23cを備えるキャリブレーション回路28の回路図である。接地容量22はキャリブレーション電位線と接続し、スイッチ23cは接地容量22とキャリブレーションアンプ21の出力端子との間に形成されている。
放射線センサ51〜54においては、キャリブレーショントランジスタ4がOFFの時に、キャリブレーショントランジスタ4のソースドレイン間の電位差により、キャリブレーショントランジスタ4のソースドレイン間にリーク電流が生じる恐れがある。リーク電流が生じると、アンプトランジスタ2のゲート電極のフローティング状態が損なわれるので、放射線センサ51〜54の出力が不正確になる問題が起きる。
これを解決するために、放射線センサ51〜54のキャリブレーション回路26を本変形例のキャリブレーション回路28に交換して、スイッチ23cをキャリブレーショントランジスタと同様に、キャリブレーションフェーズの時だけONにする。これにより、キャリブレーション電位線の電位が、キャリブレーションフェーズでない時も、キャリブレーションフェーズの時の電位に保持される。従って、キャリブレーショントランジスタ4のソースドレイン間の電位差が小さくなり、キャリブレーショントランジスタ4のソースドレイン間のリーク電流を防止可能になる。
(変形例3)
以下、本発明の一実施形態の変形例について、図12に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
図12は共用回路38を備える回路39の回路図である。共用回路38は共用アンプ32、接地抵抗24、積分容量素子33、積分リセットスイッチ34を備えており、キャリブレーション回路26および読み出し回路36と等価である。従って、図1、図3〜5の放射線センサ51〜54において、キャリブレーション回路26と読み出し回路36を、共用回路38に替えてもよい。
キャリブレーション回路26と読み出し回路36を共用回路38に替えると、2つのアンプ(キャリブレーションアンプ21と積分アンプ31)が1つのアンプ(共用アンプ32)になるので、放射線センサの小型化が可能になる。
〔実施の形態5〕
以下、本発明の他の一実施形態について、図13、図14に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(放射線撮像装置)
図13は、放射線撮像装置55(放射線撮像システム)の構成を概略的に示す回路図である。放射線撮像装置55は、フラットパネル47(基板)および撮像データ読み出し集積回路17を備え、フラットパネル47の上に、複数のピクセル11と制御回路16とが配置されている。また、放射線撮像装置55は、共用のキャリブレーション信号線41_1〜41_M、共用のリセット信号線42_1〜42_M、共用の読み出し信号線43_1〜43_M、共用のキャリブレーション電位線44_1〜44_Nおよび共用の読み出し出力線46_1〜46_Nを備える。
また、簡便のために以降、共用のキャリブレーション信号線41_mと共用のリセット信号線42_mと共用の読み出し信号線43_mとを(m≦M:自然数)、纏めて共用の信号線41_m、42_m、43_mと称する。
ピクセル11は、フラットパネル47の上にM行N列の2次元のマトリックス状に(M、N:自然数)配置され、図面上側からm番目(m≦M:自然数)の図面横方向に並ぶピクセル11(m行)は共用の信号線41_m、42_m、43_mにより制御回路16に接続している。また、図面左側からn番目(n≦N:自然数)の図面縦方向に並ぶピクセル11(n列)は共用のキャリブレーション電位線44_nおよび共用の読み出し出力線46_nにより撮像データ読み出し集積回路17に接続している。
図面上側からm番目かつ図面左側からn番目にあるピクセル11(m行n列)において、キャリブレーション信号線41、リセット信号線42、読み出し信号線43、キャリブレーション電位線44、読み出し出力線46はそれぞれ、共用のキャリブレーション信号線41_m、共用のリセット信号線42_m、共用の読み出し信号線43_m、共用のキャリブレーション電位線44_n、共用の読み出し出力線46_nと接続している。なお、リセット電位線45、アンプトランジスタ2のドレイン電極、センサ素子1のセンサ側電極部1aでない電極、センサ容量7の接地電極の接続は、固定電位またはグランドとの接続なので、図13では省略した。
制御回路16は、共用の信号線41_m、42_m、43_mにより、m行のピクセル11と接続している。そして、制御回路16はピクセル11の動作を制御する信号を出力する。
撮像データ読み出し集積回路17は、M行N列のマトリックス状のピクセル11に対応して、キャリブレーション回路26、読み出し回路36、AD変換器37、および記憶素子(図示せず)の組をN組備える。また、図面左側からn組目のキャリブレーション回路26は共用のキャリブレーション電位線44_nとキャリブレーション回路26の出力側で接続し、共用の読み出し出力線46_nとキャリブレーション回路26の入力側で接続している。また、図面左側からn組目の読み出し回路36は共用の読み出し出力線46_nと入力側で読み出し回路36の接続している。
(動作)
図14は、放射線撮像装置55の制御を概略的に示すタイミング図である。図14では上から順に、1行目のピクセル11に接続する共用の信号線41_1、42_1、43_1、2行目のピクセル11に接続する共用の信号線41_2、42_2、43_2、……、M行目のピクセル11に接続する共用の信号線41_M、42_M、43_Mに制御回路16が出力する制御信号のON/OFFを示し、立ち上がっているときがONであり、立ち下がっているときがOFFである。
放射線センサ55の制御は、キャリブレーションフェーズ、待機フェーズ、センシングフェーズの3フェーズからなり、センシングフェーズはリセット読み出し期、読み出し期に分かれる。そして、放射線センサ55では、タイミングが重ならないように、1行目からM行目まで、行ごとにタイミングをずらして順番に、ピクセル11、キャリブレーション回路26、読み出し回路36、AD変換器37が、放射線センサ51と同様に作動する。
まずキャリブレーションフェーズにおいて、1行目のピクセル11からM行目のピクセル11まで、行毎に順に、キャリブレーションが行われ、撮像の開始前にすべてのピクセル11がリセットされる。たとえば、41_m、42_m、43_mがONの期間は、m行目のピクセル11のセンサ素子1のリセットおよびアンプトランジスタ2のキャリブレーションが行われている。
X線が照射されて撮像が開始すると、センシングフェーズのリセット読み出し期において、1行目のピクセル11のリセットおよび初期データ読み出し、2行目のピクセル11のリセットおよび初期データ読み出し、……、M行目のピクセル11のリセットおよび初期データ読み出し、が順に行われる。そして、センシングフェーズのリセット読み出し期から読み出し期にかけてピクセル11を露光し、読み出し期に、1行目からM行目のピクセルまで行毎に順に露光後データ読み出しが順に行われる。
各行の初期データ読み出しおよび露光後データ読み出しの初期において、撮像データ読み出し集積回路17の読み出し回路36はリセットされるので、撮像データ読み出し集積回路17の記憶素子はピクセル11ごとの初期データおよび露光後データのデジタル値を保持する。
撮像データ読み出し集積回路17は、センシングフェーズ毎に各ピクセル11の露光後データから初期データを引いた変化量を計算し、1枚の2次元画像(フレーム、M行N列のマトリックスデータ)を取得する。なお、リセット読み出し期は全てのセンシングフェーズに設けなくてもよい。数回のセンシングフェーズに一回のリセット読み出し期にしてもよいし、最初のセンシングフェーズにだけリセット読み出し期を設けて、2回目以降のセンシングフェーズでは前のセンシングフェーズの露光後データを初期データの代わりに利用してもよい。
(効果)
放射線撮像装置55において各ピクセル11は、実施の形態1の放射線センサ51と同様の動作をする。したがって、放射線撮像装置55はアンプトランジスタ2の閾電圧および移動度が設計値からずれていたり、複数のピクセル11の間で異なっていたりしても、複数のピクセル11のアンプトランジスタ2のドレイン電極とソース電極の間を流れる電流の初期値を揃えることが可能になる。このため、放射線撮像装置55の出力データのS/N比(シグナル/ノイズ比)を所定のS/N比に維持することが可能になる。
また、放射線撮像装置55のピクセル11において、結合容量素子6により、センサ素子1とアンプトランジスタ2が直流的に分離されている。このため、センサ素子1のリセットとアンプトランジスタ2のキャリブレーションとを別々に行える。センサ素子1のリセットは、固定電位Vrstとの接続なので、短時間で完了する。これに対し、アンプトランジスタ2のキャリブレーションは、キャリブレーション回路26によるフィードバック制御なので、長時間かかる。従って、センシングフェーズのピクセルリセットにおいて、センサ素子1のリセットだけを行うことにより、センシングフェーズの時間が短くなり、高速な連続検出が可能になる。
(変形例4〜6)
なお、本実施の形態においては、ピクセル11に替えて、ピクセル12を用いてもよい。ピクセル12は間接変換型なので、直接変換型と比べて低い電圧で放射線撮像装置を稼働できる利点がある。
また、本実施の形態においては、ピクセル11に替えて、ピクセル13を用いてもよい。ピクセル13は、リセット電位線45を専用配線でピクセル13の外に出さなくてよいので配線作業が簡便になり、放射線撮像装置の小型化が可能になる。
また、本実施の形態においては、ピクセル11に替えて、ピクセル14を用いてもよい。ピクセル14は、読み出しトランジスタ3をピクセル14内部に形成しなくてよいので、ピクセルの微細化が可能になり、放射線撮像装置の小型化が可能になる。
(変形例7〜8)
また、本実施の形態においては、キャリブレーション回路26に替えて、キャリブレーション回路27を用いて、リセットフェーズ時のアンプトランジスタ2のゲート電極の電位を測定する回路を加えてもよい。そして、放射線センサが新しいときは、抵抗値の高い接地抵抗24aを利用し、放射線センサが古くなった後は、抵抗値の高い接地抵抗24bを利用する。
これにより、キャリブレーション回路27を用いると、経時変化によるアンプトランジスタ2の増幅度の減少を補正することが可能である。
また、本実施の形態においては、キャリブレーション回路26に替えて、キャリブレーション回路28を用いてもよい。そして、スイッチ23cをキャリブレーショントランジスタと同様に、キャリブレーションフェーズの時だけONにする。
これにより、キャリブレーショントランジスタ4のソースドレイン間の電位差が小さくなり、キャリブレーショントランジスタ4のソースドレイン間のリーク電流を防止可能になる。
〔実施の形態6〕
以下、本発明の他の一実施形態について、図15に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図15は、放射線撮像装置56の構成を概略的に示す回路図である。放射線撮像装置56は、フラットパネル47および撮像データ読み出し集積回路18を備え、撮像データ読み出し集積回路18は共用アンプ32を備える共用回路38、AD変換器37および記憶素子(図示せず)を備える。
本実施の形態においては、キャリブレーション回路26、読み出し回路36およびAD変換器37の組に替えて、共用回路38およびAD変換器37を組み合わせた出力回路39を用いている。したがって、本実施の形態の撮像データ読み出し集積回路18は、撮像データ読み出し集積回路17(図13参照)よりアンプがN個すくないので、撮像データ読み出し集積回路18の小型化が可能になる。
〔実施の形態7〕
また、本実施の形態においては、図16のように、キャリブレーション回路26のキャリブレーションアンプ21をフラットパネル47の上に形成してもよい。図16は、放射線撮像装置57の構成を概略的に示す回路図である。放射線撮像装置57は、フラットパネル47および撮像データ読み出し集積回路19を備え、フラットパネル47の上に、複数のピクセル11と制御回路16と複数のキャリブレーションアンプ21が配置され、撮像データ読み出し集積回路19は積分アンプ31を備える読み出し回路36、AD変換器37、接地抵抗24および記憶素子(図示せず)を備える。
なお、フラットパネル47上のキャリブレーションアンプ21と撮像データ読み出し集積回路19の中の接地抵抗24とを見ると、キャリブレーションアンプ21と接地抵抗24はキャリブレーション回路26(図1参照)を形成している。
放射線撮像装置57においては、キャリブレーションアンプ21がフラットパネル47の上に配置されるので、フラットパネル47と撮像データ読み出し集積回路19との間の接続がN本の共用の読み出し出力線46_1〜46_Nだけである。従って、本変形例の放射線撮像装置57は、フラットパネル47と撮像データ読み出し集積回路19との接続の容易化が可能にある。また、本変形例の撮像データ読み出し集積回路19は、撮像データ読み出し集積回路17(図13参照)よりアンプがN個すくないので、撮像データ読み出し集積回路19の小型化が可能になる。
ピクセルの微細化に伴い、フラットパネルと放射線データ読み出し集積回路との接続が困難さを増している。これに対し、本実施の形態の放射線撮像装置57は、フラットパネルと放射線データ読み出し集積回路との接続を減らしたので、フラットパネルと放射線データ読み出し集積回路との接続の困難さを軽減可能である。
〔まとめ〕
本発明の態様1における放射線検出器は、入射した放射線の線量に基づいた電気信号を発生させるセンサ素子と、上記電気信号が入力される第1静電容量(結合容量素子6)と、上記第1静電容量から出力された信号を増幅するアンプトランジスタと、上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値が予め定められた範囲の値となるように、上記第1静電容量と上記アンプトランジスタのゲート電極との間に、上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を設定するキャリブレーション回路と、上記センサ素子と上記第1静電容量との間に電圧を印加することで、上記センサ素子の電極の電圧を初期化するリセット回路(リセット電位線45)と、を備えており、上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧に基づく上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値を読み出すことを特徴としている。
上記構成によれば、上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値が予め定められた値となるように、上記ゲート電極の電圧の初期値を設定するキャリブレーション回路が備えられている。さらに、ゲート電極はセンサ素子の電極と静電容量によりDC(直流)的に分離されている。
また、キャリブレーション回路が設定したアンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を保ったまま、リセット回路によりセンサ素子の電極の電圧を初期化することが可能になる。
従って、キャリブレーション回路は、アンプトランジスタの電流電圧特性における閾電圧およびアンプトランジスタの移動度がばらついた場合においても、アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値が予め定められた値となるように設定できる。従って、アンプトランジスタの閾電圧および移動度がばらついている場合においても、アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる初期電流値を適正範囲内に設定することができる。よって、アンプトランジスタの閾電圧や移動度がばらついた場合においても、所定のS/N比を維持した出力信号を得ることのできる放射線検出器を実現できる。
本発明の態様2における放射線検出器は、上記態様1において、上記キャリブレーション回路による上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値の設定時間よりも、上記リセット回路によるセンサ素子の電極の電圧の初期化時間が短いことを特徴とすることが好ましい。
上記構成によれば、リセット回路による初期化は、キャリブレーション回路によるアンプトランジスタの初期化の設定よりも、短時間で終わる。このため、高速な連続検出が可能な放射線検出器を実現できる。
本発明の態様3における放射線検出器は、上記態様1または2において、一端が、上記第1静電容量と上記センサ素子との間に接続された第2静電容量(読み出し容量素子8)をさらに備えており、上記第2静電容量の他端の電圧を変化させることで、上記アンプトランジスタのオンオフを制御することを特徴とすることが好ましい。
上記構成によれば、を第2静電容量素子により放射線検出器の読み出しを制御可能になる。これにより、放射線検出器の読み出しをトランジスタにより制御する放射線検出器に比べて、放射線検出器の小型化が可能になる。
本発明の態様4における放射線撮像システムは、上記態様1〜3のいずれか一態様に記載の放射線検出器に設けられた上記センサ素子と上記アンプトランジスタとを備えたピクセルが、基板上にマトリックス状に複数個配置されていることを特徴とすることが好ましい。
上記構成によれば、放射線を用いて2次元画像を撮像する撮像システムが実現できる。
本発明の態様5における放射線撮像システムは、上記態様4において、上記放射線検出器の上記キャリブレーション回路において上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を制御すると共に、上記放射線検出器において上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値を積分するオペアンプを備えていることを特徴とすることが好ましい。
上記構成によれば、一揃いのオペアンプが、キャリブレーション回路の一部として機能すると共に、アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値を積分するオペアンプとしても機能する。従って、キャリブレーション回路の一部として機能する一揃いのオペアンプ、およびアンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値を積分する一揃いのオペアンプの合計二揃いのオペアンプを備える放射線検出器と比べて、放射線検出システムの小型化が可能になる。
本発明の態様6における放射線撮像システムは、上記態様4において、上記放射線検出器の上記キャリブレーション回路において上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を制御するキャリブレーションアンプを備えており、上記キャリブレーションアンプは、上記基板上に配置されていることを特徴とすることが好ましい。
上記構成によれば、キャリブレーションアンプとピクセルとを接続するための配線を、基板の外に出さなくてよい。このため、キャリブレーションアンプを基板の外部に備える放射線撮像システムと比べて、基板の外部に引き出された配線の数を減らすことが可能になる。これにより、ピクセルの高精細化に伴い、基板と基板外部の回路との接続が複雑になることを抑制することができるので、当該接続の困難さを軽減することが可能になる。
また、キャリブレーションアンプを基板の外部に備える放射線撮像システムに比べて、基板の外部の回路のオペアンプの数が減るので、基板の外部の回路の小型化が可能になる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、検出器、特には放射線検出器、さらに好ましくはX線検出器に好適に用いることができる。
1 センサ素子
1a、1b センサ側電極部
2 アンプトランジスタ(増幅器)
2a アンプ側電極部
3 読み出しトランジスタ
4 キャリブレーショントランジスタ
5 リセットトランジスタ
6 結合容量素子(第1容量素子)
7 センサ容量
8 読み出し容量素子(第2容量素子)
9 フォトダイオード(センサ素子)
11 ピクセル
12 ピクセル
13 ピクセル
14 ピクセル
16 制御回路(コントローラ)
17 撮像データ読み出し集積回路
18 撮像データ読み出し集積回路
19 撮像データ読み出し集積回路
21 キャリブレーションアンプ(オペアンプ)
22 接地容量
23a、23b スイッチ
24 接地抵抗
24a、24b 接地抵抗
26 キャリブレーション回路
27 キャリブレーション回路
28 キャリブレーション回路
31 積分アンプ
32 共用アンプ(オペアンプ)
33 積分容量素子
34 積分リセットスイッチ
36 読み出し回路
37 AD変換器
38 共用回路
39 出力回路
41 キャリブレーション信号線
41_1〜41_M 共用のキャリブレーション信号線(M:自然数)
42 リセット信号線
42_1〜42_M 共用のリセット信号線(M:自然数)
43 読み出し信号線
43_1〜43_M 共用の読み出し信号線(M:自然数)
44 キャリブレーション電位線
44_1〜44_N 共用のキャリブレーション電位線(N:自然数)
45 リセット電位線(リセット回路)
46 読み出し出力線
46_1〜46_N 共用の読み出し出力線(N:自然数)
47 フラットパネル(基板)
51 放射線センサ(放射線検出器)
52 放射線センサ(放射線検出器)
53 放射線センサ(放射線検出器)
54 放射線センサ(放射線検出器)
55 放射線撮像装置(放射線検出器、放射線撮像システム)
56 放射線撮像装置(放射線検出器、放射線撮像システム)
57 放射線撮像装置(放射線検出器、放射線撮像システム)

Claims (5)

  1. 入射した放射線の線量に基づいた電気信号を発生させるセンサ素子と、
    上記電気信号が入力される第1静電容量と、
    上記第1静電容量から出力された信号を増幅するアンプトランジスタと、
    上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値が予め定められた範囲の値となるように、上記第1静電容量と上記アンプトランジスタのゲート電極との間に、上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を設定するキャリブレーション回路と、
    上記センサ素子と上記第1静電容量との間に電圧を印加することで、上記センサ素子の電極の電圧を初期化するリセット回路と、を備えており、
    上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧に基づく上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値を読み出すことを特徴とする放射線検出器。
  2. 一端が、上記第1静電容量と上記センサ素子との間に接続された第2静電容量をさらに備えており、
    上記第2静電容量の他端の電圧を変化させることで、上記アンプトランジスタのオンオフを制御することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 請求項1または2に記載の放射線検出器に設けられた上記センサ素子と上記アンプトランジスタとを備えたピクセルが、基板上にマトリックス状に複数個配置されていることを特徴とする放射線撮像システム。
  4. 上記放射線検出器の上記キャリブレーション回路において上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を制御すると共に、上記放射線検出器において上記アンプトランジスタのソース電極とドレイン電極との間を流れる電流値を積分するオペアンプを備えていることを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像システム。
  5. 上記放射線検出器の上記キャリブレーション回路において上記アンプトランジスタのゲート電極の電圧の初期値を制御するキャリブレーションアンプを備えており、
    上記キャリブレーションアンプは、上記基板上に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像システム。
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