JP2016142767A - 撮像光学系、ステレオカメラ装置、車載カメラ装置および各種装置 - Google Patents

撮像光学系、ステレオカメラ装置、車載カメラ装置および各種装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低ディストーション、小型高性能且つ広画角で、Fナンバが小さく大口径でありながら、温度負荷時の像高変動を抑制した撮像光学系を実現する。
【解決手段】 開口絞りSを挟んで物体側に位置する負の第1レンズ群1Gと、像側に位置する正の第2レンズ群2Gとから構成されるレトロフォーカスタイプのレンズにおいて、前記第1レンズ群1Gは、物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状である正の第1レンズL1、負の第2レンズL2、正の第3レンズL3からなる。第1レンズ群1Gの最終面と第2レンズ群2Gの先頭面とで両凸形状の空気レンズを形成する。第2レンズ群2G内において、第2レンズ群2Gの焦点距離をf2、第2レンズ群内の各正レンズの焦点距離をfrn、上記各正レンズの屈折率の温度係数をdtnとして、
0.50 < |f2/frn| < 7.00 (1)
0 < dtn (2)
を満足する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像光学系およびこの撮像光学系を有するステレオカメラ装置、車載カメラ装置および各種カメラに関するものである。
近年、自動車には数多くのカメラ装置や光学センサが搭載されており、それぞれに必要とされる光学性能は、多岐にわたっている。その中で、小型高性能のステレオカメラを構成するための、特に歪曲収差を小さく抑えた比較的広角の大口径小型高画質の撮影光学系に対する需要が一定数存在する。
歪曲収差は、ステレオカメラの測距精度を劣化させる主要因の一つで、光学的に、もしくは電子的に補正されていることが望ましい。しかしながら、歪曲収差を電子的に補正する場合は、カメラ電子回路基板内の回路容量や計算能力に影響を与え、カメラサイズアップやコストアップにつながる。また、車載カメラは、自車の走行車線の他に、対向車線や歩道等も画角内に確保することが必要とされている。遠方の車両測距や、物体の識別・認識のためには、カメラ画質としてもある程度の高性能が必要となる。そのため、許容される歪曲収差最大量は±1%未満程度が望まれ、広角という面では58度程度の全画角が望まれる。高画質という面では、少なくともSXGAサイズ(Super extended Graphics Arrayの略で、構成画素数で、1280×1024ピクセルのもの)の撮像素子に対応した解像力を有することに加え、色収差が少なく像高による色にじみ差異が生じにくいことが望まれる。
加えて、薄暮時や黎明時などの低輝度シーンにおける認識向上のためF2程度以下の大口径であることが望ましい。
また、世界各国さまざまな気象条件下における安定した性能発揮が望まれており、特に、温度負荷時の検知誤差を小さく抑えることが重要である。そのため、雰囲気温度が変化したときの、光学的な像高変動、もしくは撮影倍率変動を小さく抑えることが望ましい。
固体撮像素子を前提とした、比較的広角の単焦点レンズのタイプとしては、像面への最大入射角度を抑制しやすいレトロフォーカスタイプが代表的である。比較的広角で小型のレトロフォーカスタイプの従来例として、特許文献1(特開2012−220741号公報)、特許文献2(特開2012−123122号公報)、特許文献3(特開平01−134411号公報)等に開示されたものがある。
しかしながら、特許文献1に開示された光学系は、焦点距離に比する光学全長がやや大きく、また、歪曲収差が最大−2.5%程度以上残存しており低ディストーション光学系とは言い難い。
特許文献2に開示された光学系は、ディストーションを小さく抑制しつつ、その他の収差補正も十分に行われているが、構成枚数が9枚とやや多く、また、全画角が40度程度と狭く、Fナンバが2.9程度と暗めで、広角且つ大口径とは言い難い。
特許文献3に開示された光学系は、画角が十分広くFナンバも十分に小さいが、歪曲収差が最大−2.5%以上残存しており、低ディストーション光学系とは言い難く、構成枚数が12枚と多く小型光学系とも言い難い。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、低ディストーション、小型高性能且つ広画角で、Fナンバが小さく大口径でありながら、温度負荷時の像高変動を抑制した撮像光学系を提供することを目的としている。
請求項1に係る撮像光学系は、上述した目的を達成するために、
開口絞りを挟んで物体側に位置する負の第1レンズ群と、像側に位置する正の第2レンズ群とから構成されるレトロフォーカスタイプのレンズにおいて、前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状である正の第1レンズ、負の第2レンズ、正の第3レンズからなり、前記第1レンズ群の最終面と前記第2レンズ群の先頭面とで形成される空気レンズが両凸形状であり、前記第2レンズ群内において、
下記の条件式(1)を満足する正レンズは、下記の条件式(2)を満足することを特徴とする撮像光学系。
0.50 < |f2/frn| < 7.00 (1)
0 < dtn (2)
但し、f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、frnは、前記第2レンズ群内の各正レンズの焦点距離、dtnは、前記第2レンズ群内の前記各正レンズの屈折率の温度係数を表す。なお、屈折率の温度係数は、対象ガラスと同一温度空気中における相対屈折率温度係数であるdn/dtrelativeの20℃〜40℃範囲のd線に対する値とする。
開口絞りを挟んで物体側に位置する負の第1レンズ群と、像側に位置する正の第2レンズ群とから構成されるレトロフォーカスタイプのレンズにおいて、前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状である正の第1レンズ、負の第2レンズ、正の第3レンズからなり、前記第1レンズ群の最終面と前記第2レンズ群の先頭面とで形成される空気レンズが両凸形状であり、前記第2レンズ群内において、
前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第2レンズ群内の各正レンズの焦点距離をfrnとし、前記第2レンズ群内の前記各正レンズの屈折率の温度係数をdtnとし、前記屈折率の温度係数dtnは、対象ガラスと同一温度空気中における相対屈折率温度係数であるdn/dtrelativeの20℃〜40℃範囲のd線に対する値として、
下記の条件式(1)を満足する前記正レンズは、下記の条件式(2):
0.50 < |f2/frn| < 7.00 (1)
0 < dtn (2)
0を満足することにより、広画角で大口径でありながら、十分に小型で、低ディストーションを保ちながら、温度負荷時の像高変動を抑制した、非常に良好な像性能を確保し得る撮像光学系を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る撮像光学系の実施例1の構成を示す断面図である。 図1に示す実施例1の撮像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す収差図である。 本発明の第2の実施の形態に係る撮像光学系の実施例2の構成を示す断面図である。 図3に示す実施例2の撮像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す収差図である。 本発明の第3の実施の形態に係る撮像光学系の実施例3の構成を示す断面図である。 図5に示す実施例3の撮像光学系の球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差を示す収差図である。
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して、本発明に係る撮像光学系、ステレオカメラ装置、車載カメラ装置および各種装置を詳細に説明する。
具体的な実施例について説明する前に、先ず、本発明の原理的な実施の形態を説明する。
上述したように、自動車に搭載される車載カメラには、高画質化、小型化、広角化、大口径化のニーズが強くなっており、これらの要望に応える開発をしていく必要がある。また、ステレオカメラなどの精密計測デバイスにおいては、計測誤差に与える影響を軽減するため、もしくは、電子的な画像補正負荷の軽減のため、低ディストーションであることに対する要求も高まっており、これらを両立した光学設計が求められている。加えて、過酷な使用環境における機能安定性も求められており、特に車載カメラに用いられるステレオカメラにおいては、温度環境変化時の像高変動、もしくは撮影倍率変動も、光学設計上小さく抑制する必要がある。その他、環境耐性や経時変化耐性、且つ低コストであることも必要な条件として考慮しなければならない。
一般に、広角化を進めると、コマ収差、非点収差、像面湾曲や、特に歪曲収差が増大しやすく、また、大口径化を進めると、コマ収差などや、特に球面収差が増大し、それらの収差を補正するために光学系が長大化する傾向にある。また、適切な硝材配置を行わないと、温度環境変化に伴う光学性能の変化が大きくなる傾向にある。
本発明は、以下の構成を採ることによってこれら収差補正上の課題、光学系長大化の課題および温度環境変動時の光学性能変動の課題を解決できることを見出したものである。
開口絞りを挟んで物体側に位置する負の第1レンズ群と、像側に位置する正の第2レンズ群とから構成されるレトロフォーカスタイプのレンズにおいて、前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状である正の第1レンズ、負の第2レンズ、正の第3レンズからなり、前記第1レンズ群の最終面と前記第2レンズ群の先頭面とで形成される空気レンズが両凸形状であり、
前記第2レンズ群内において、
前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第2レンズ群内の各正レンズの焦点距離をfrnとし、前記第2レンズ群内の前記各正レンズの屈折率の温度係数をdtnとし、前記屈折率の温度係数dtnは、対象ガラスと同一温度空気中における相対屈折率温度係数であるdn/dtrelativeの20℃〜40℃範囲のd線に対する値として、
下記の条件式(1)を満足する正レンズは、下記の条件式(2):
0.50 < |f2/frn| < 7.00 (1)
0 < dtn (2)
を満足することを特徴としている(請求項1に対応する)。
まず、本発明の撮像光学系は、固体撮像素子を前提として考慮し、前方に負のレンズ群を配置し、後方に正のレンズ群を配置したレトロフォーカスタイプを採用することで、広角化に伴って増大しがちな、軸外光の像面への入射角度を抑制する効果を得ている。その上で、第1レンズ群を物体側から順に正、負、正と配置して全体として負のパワーに構成することで、第1レンズの正と、第2・第3レンズを合わせた負と、絞りと、第2レンズ群の全体としての正というトリプレットタイプの屈折力配置とし、色収差をはじめとした諸収差の補正の難易度を下げている。また、絞りよりも物体側に位置する第1レンズ群を全体として負として構成することで、広い画角の光線を比較的小さいサイズで取り込むことが可能となる。加えて、第1レンズを物体側に凸の正メニスカスレンズとすることで、大口径化によって特に増大する球面収差を抑制する効果を得ている。また、第1レンズ群の最終面と第2レンズ群の先頭面とで形成される空気レンズを両凸形状とすることで絞りを挟んで向かい合う凹面を形成して、広角化に伴って増大しやすく、屈折力バランスの偏ったレトロフォーカスタイプでさらに悪化しやすい歪曲収差のバランスを採り、歪曲収差補正の難易度を下げている。
本発明の撮像光学系の構成によれば、以上説明したように収差補正上の大きな効果を得ることが可能であり、例えば、半画角29°程度の広画角、F2程度以下の大口径でありながら十分に小型で、低ディストーションを保ちながら、非常に良好な像性能を確保し得る撮像光学系を実現することが可能となる。
上記条件式(1)は、第2レンズ群の焦点距離に対する、第2レンズ群内における対象とする正レンズ群の焦点距離を規定している。条件式(1)の上限値を超えることは、撮影レンズ系の中で結像に対する寄与の小さいレンズであることを意味し、条件式(1)の下限値を下回ることは、撮影レンズの中で結像に対する寄与の大きいレンズであることを意味する。また、条件式(1)の下限値を下回ると、第2レンズ群内で屈折力の大きなレンズ同士による過剰な収差のやり取りが発生し、製造誤差感度が上昇し過ぎて生産性が劣化する恐れがある。
上記条件式(2)は、条件式(1)を満たす正レンズ、つまり、撮影レンズの中で結像に対する寄与度が比較的高いレンズにおいて、屈折率の温度係数が正であるように規定している。これによって、温度上昇時に熱膨張によって拡大し、光学系全体として正の屈折力が弱くなる傾向に反する正レンズを配置することになり、光学系全体の屈折力変化を抑えることが可能となる。像の鮮鋭性という意味で像性能変化を抑制しようとすると、温度上昇時には、光学系保持部材の熱膨張によって正の方向へ移動してしまう受光素子を追いかけるように、光学系全体の焦点距離を伸ばすことが効果的である。しかしながら、ステレオカメラにおいては、像の鮮鋭性よりも像位置が変動しないことのほうが重要である。
そのため、結像に寄与度の高いレンズにおいて屈折率の温度係数を正の値として焦点距離変化を制御することで受光素子上における結像位置の変動を抑制し、ステレオカメラとして温度負荷時の性能変動を抑制することが可能となる。
さらに良好な性能にするためには、以下の条件式(1A)、(2A):
0.70 < |f2/frn| < 5.00 (1A)
0.5 < dtn (2A)
を満足するとよい。
さらに良好な性能にするためには、第2レンズと第3レンズとの空気間隔が、光学系内で最大となるよう構成するとよい(請求項2に対応する)。
第1レンズ群中唯一の負レンズである第2レンズは、大口径化に伴って増大する球面収差補正に対して大きく寄与する。第3レンズとの空気間隔を大きくとることで光線の傾角を抑制し、製造誤差による性能劣化を抑制することが可能となる。
より高性能にするためには、全系の焦点距離をfとし、第1レンズ群の最終面と第2レンズ群の先頭面とで形成される空気レンズの焦点距離をfaとして、下記条件式(3):
0.15 < |f/fa| < 1.00 (3)
を満足すればよい(請求項3に対応する)。
上記条件式(3)は、全系の焦点距離に対する第1レンズ群最終面と第2レンズ群の先頭面で形成される空気レンズの焦点距離の最適範囲を規定している。上記条件式(3)の上限値を超えると、絞り前後の間隔が増大して光学系全長が伸びる恐れがある。また、屈折面における光線傾角が大きくなりすぎて、製造誤差に対する性能劣化の感度が上昇する恐れがある。上記条件式(3)の下限値を下回ると、歪曲収差補正に対する寄与が小さくなり過ぎて、光学系全体の大型化につながる恐れがある。
なお、さらに良好な性能にするためには、以下の条件式を満足することが望ましい。
0.18 < |f/fa| < 0.75 (3A)
より高性能にするためには、全系の焦点距離をfとし、第1レンズ群の焦点距離をf1として、以下の条件式(4):
2.00 < |f1/f| < 20.00 (4)
を満足すればよい(請求項4に対応する)。
上記条件式(4)は、全系の焦点距離に対する第1レンズ群の焦点距離の最適範囲を規定している。上記条件式(4)の上限値を超えると、第1レンズ群における第2レンズの負の屈折力が小さくなり過ぎて色収差補正能力が低下するか、第1レンズ群内の正負の屈折力差が大きくなり過ぎて第1レンズ群内の製造誤差に対する性能劣化の感度が上昇する恐れがある。また、条件式(4)の下限値を下回ると、第1レンズ群と第2レンズ群との屈折力差が大きくなり過ぎて製造誤差に対する性能劣化の感度が上昇するか、光学系全体が大型化する恐れがある。
なお、さらに良好な性能にするためには、以下の条件式(4A):
2.50 < |f1/f| < 15.00 (4A)
を満足することが望ましい。
より高性能にするためには、全系の焦点距離をfとし、無限遠合焦時における第1レンズの第1面から像面までの光軸上距離をALとして、以下の条件式(5):
0.15 < f/AL < 0.50 (5)
を満足すればよい(請求項5に対応する)。
上記条件式(5)は、全系の焦点距離に対する光学全長の最適範囲を規定している。撮像素子に対する入射角抑制を必須とすると、条件式(5)の上限値を超えると前絞り系に近付いて主に歪曲収差補正の難易度が上昇し、所望の像性能を得られない恐れがある。また、条件式(5)の下限値を下回ると収差補正上は有利になるが、光学系が長大化して小型光学系を構成できなくなる。
なお、さらに良好な性能にするためには、以下の条件式(5A):
0.20 < f/AL < 0.40 (5A)
を満足することが望ましい。
より高性能にするためには、前記第2レンズ群は、全体として正の第2Fレンズ群と、全体として正の第2Rレンズ群とからなり、第2Fレンズ群は少なくとも1枚の負レンズと1枚の正レンズを含み、第2Rレンズ群は1枚の正レンズを含む構成とすればよい(請求項6に対応する)。
第2Fレンズ群に少なくとも1枚ずつの負レンズと正レンズを有することで、第1レンズ群中の負の第2レンズと正の第3レンズとペアになって、色収差補正への効果拡大が可能となる。また、第2Rレンズ群に1枚以上の正レンズを含んで射出瞳位置調整の機能を付与することで、像面への光線の入射角度抑制に効果がある。
上記した構成の効果をより適切に発揮するには、第2Fレンズ群の焦点距離をf2Fとし、全系の焦点距離をfとして、下記の条件式(6):
0.50 < f2F/f < 2.50 (6)
を満足すればよい(請求項7に対応する)。
上記条件式(6)は、全系の焦点距離に対する第2Fレンズ群の焦点距離の最適範囲を規定している。条件式(6)の上限値を超えると、第2Rレンズ群の屈折力を強くする必要が生じて第2Rレンズ群の射出瞳調整の機能が減少し、また、第1レンズ群の負レンズとペアになって発揮される球面収差補正能力や色収差補正能力が減少して像性能が悪化する恐れがある。また、条件式(6)の下限値を下回ると第1レンズ群との収差のやり取りが過大となり、製造誤差に対する性能劣化の感度が上昇するか、光学系全体が大型化する恐れがある。
なお、さらに良好な性能にするためには、以下の条件式(6A):
0.75 < f2F/f < 2.00 (6A)
を満足することが望ましい。
環境変動や経時変化耐性を向上させるためには、全レンズをガラス製の球面レンズで構成すればよい(請求項8に対応する)。
光学樹脂材料に比較して熱膨張率が小さく、環境変動による光学特性変動が小さいガラス製レンズを全レンズに採用することで、環境変動や経時変化耐性に優れた光学系を構成することが可能となる。また、加工上、残存内部応力が比較的小さい研磨加工を安価に選択可能な球面レンズとすることで、環境変動による光学特性変化をさらに抑制する効果を得られる。
〔第1の実施の形態〕
次に、上述した本発明の実施の形態に基づく、具体的な実施例を詳細に説明する。実施例1〜実施例3は、本発明の第1の実施の形態〜第3の実施の形態に係る撮像光学系の数値例による具体的な構成の実施例である。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る実施例1における撮像光学系を説明するためのものである。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る実施例2における撮像光学系を説明するためのものである。図5は、本発明の第3の実施の形態に係る実施例3における撮像光学系を説明するためのものである。
これら実施例1〜実施例3における収差は、充分に補正されている。すなわち、本発明に係る第1の実施の形態〜第3の実施の形態のように撮像光学系を構成することによって、例えば、半画角29°程度の広画角、F2程度以下の大口径でありながら、十分に小型で非常に良好な像性能を確保し得ることは、これら実施例1〜実施例3から明らかである。
これら実施例1〜実施例3に共通の記号の意味は、次の通りである。
f:全系の焦点距離
Fno:F値(Fナンバ)
ω: 半画角
R:曲率半径
Y′:最大像高
D:面間隔
nd:d線における屈折率
νd:d線のアッベ数
本発明の実施例1に係る結像光学系は、図1に示すように、物体側から像面側に向かって、順次、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、開口絞りS、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、そして第7レンズL7を配置しており、第4レンズL4と第5レンズL5は、それぞれ接合レンズを構成しており、いわゆる6群7枚構成としている。
レンズ群構成に着目すると、第1レンズL1〜第3レンズL3により第1レンズ群1Gを構成している。第4レンズL4〜第7レンズL7により第2レンズ群2Gを構成している。そして第4レンズL4、第5レンズL5および第6レンズL6により正の屈折力を有する第2Fレンズ群2FGを構成している。第7レンズL7により正の屈折力を有する第2Rレンズ群2RGを構成している。つまり、図1に示す結像光学系は、これら第1レンズ群1G、開口絞りS、第2Fレンズ群2FGおよび第2Rレンズ群2RGを、物体側から像面側に向かって、順次、配置した構成としている。
詳細には、第1レンズ群1Gは、物体側から像面側に向かって、順次、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状をなす正レンズからなる第1レンズL1、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第2レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状をなす正レンズからなる第3レンズL3を配置して負の屈折力を示すように構成している。
第1レンズ群1Gと第2レンズ群2Gとの間に開口絞りSを配置している。
第2Fレンズ群2FGは、物体側から像面側に向かって、順次、像面側に物体側の面より曲率の大きな凹面を向けて両凹形状をなす負レンズからなる第4レンズL4と、物体側に像面側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第5レンズL5と、像側に凸面を向けて正メニスカス形状をなす正レンズからなる第6レンズL6を配置して、正の屈折力を示すように構成している。第2Fレンズ群2FGの第4レンズL4と第5レンズL5の2枚のレンズは、互いに密接して接着剤にて貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。第2Rレンズ群2RGは、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けてなる両凸形状の第7レンズL7を配置して、正の屈折力を示すように構成している。
そして、さらに、これら第2レンズ群2Gの後方、すなわち像面側には、光学ローパスフィルタおよび赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、受光素子のカバーガラス(シールガラス)を等価的な平行平板として示すフィルタガラスFが配置される。
いわゆるデジタルスティルカメラのように、CCD(電荷結合素子)センサまたはCMOS(相補型金属酸化物半導体)センサ等の固体撮像素子を用いるタイプの撮像光学系では、バック挿入ガラス、ローパスフィルタ、赤外カットガラスおよび固体撮像素子の受光面を保護するためのカバーガラス等の少なくとも何れかを介挿する。本実施例では、これらを代表して上述したフィルタガラスFとして、等価的に2枚の平行平板として示している。なお、実施例2〜実施例3においても等価的に2枚の平行平板としてフィルタガラスFを示しているが、本実施例におけるフィルタガラスFと同様に、バック挿入ガラス、ローパスフィルタ、赤外カットガラスおよびカバーガラス等の少なくとも何れかを代表してあらわしている。
フォーカシングを行う場合には、第1レンズ群1G、開口絞りS、第2レンズ群2Gが一体となり、光軸方向に移動してフォーカシングを行う。
第2Rレンズ群2RGは、上記実施の形態においては、正レンズ1枚で構成したものを示しているが、複数枚のレンズで構成してもよい。但し、第2Rレンズ群2RGを1枚という最少枚数で構成することで、光軸方向の厚みを最小限にとどめ、第2Rレンズ群2RGの径方向の大型化を抑制する効果がある。
図1には、撮像光学系における各光学面の面番号も示している。なお、図1に示す各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、各実施例毎に独立に用いており、そのため、図3、図5と共通の参照符号を付している。
この実施例1においては、光学系全系の焦点距離f、開放F値Fnoおよび半画角ω〔度〕が、それぞれf=5.35、Fno=1.91、ω=29.26であり、この実施例1における各光学要素における光学面の曲率半径(非球面については近軸曲率半径)R、隣接する光学面の面間隔D、屈折率Nd、アッベ数νdおよび硝種等の光学特性は、次表1の通りである。
Figure 2016142767
光学ガラスレンズの硝材の硝種名の後には、製造メーカ名を、HOYA(HOYA株式会社)、OHARA(株式会社オハラ)として略記している。
これらは、他の実施例についても同様である。
尚、上記実施例1に係る撮像レンズにおいて、温度変動時(20℃→80℃)の最大像高変動を計算した結果は、0.40μmであった。
温度変動時の最大像高変動計算結果は、20℃状態を基準として80℃状態となったときの、同一入射角光線に対する像高変動を計算している。レンズL1から像面へ向かって単純に積み上がるような保持構造を有するアルミのレンズセルを前提としている。本実施例1においては、1μm以下の像高変動量となっており、温度環境変動時の像高変動が十分小さく抑制できていることが分かる。
本実施例1の場合、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、下記の通りとなり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
条件式計算結果
(1) L5;1.227、 L6;2.673、 L7;3.254
(2) L5;4.1、 L6;4.5、 L7;1.0
(3) 0.413
(4) 3.188
(5) 0.277
(6) 1.243
また、図2に、実施例1に係る撮像光学系のd線とg線における諸収差、すなわち球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差、の各収差曲線図を示している。
なお、図2の収差曲線図において、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、そして破線はメリディオナルをそれぞれあらわしている。また、球面収差、非点収差、並びにコマ収差の各収差図における細線はd線、太線はg線をあらわしている。これらは、他の実施例に係る収差曲線図についても同様である。
実施例1における撮像光学系の収差は、十分に補正されている。
第1の実施の形態に係る実施例1のように撮像光学系を構成することで、半画角29°程度の広画角、F2程度以下の大口径でありながら十分に小型で、低ディストーションを保ちながら、非常に良好な像性能を確保し得る撮像光学系を実現し得ることが、明らかである。
〔第2の実施の形態〕
図3に本発明の第2の実施の形態に係る実施例2の撮像光学系の断面構成を示す。
本発明の実施例2に係る結像光学系は、図3に示すように、物体側から像面側に向かって、順次、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、開口絞りS、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、そして第7レンズL7を配置しており、第4レンズL4と第5レンズL5は、それぞれ接合レンズを構成しており、いわゆる6群7枚構成としている。
レンズ群構成に着目すると、第1レンズL1〜第3レンズL3により第1レンズ群1Gを構成している。第4レンズL4〜第7レンズL7により第2レンズ群2Gを構成している。そして第4レンズL4、第5レンズL5および第6レンズL6により正の屈折力を有する第2Fレンズ群2FGを構成している。第7レンズL7により正の屈折力を有する第2Rレンズ群2RGを構成している。つまり、図3に示す結像光学系は、これら第1レンズ群1G、開口絞りS、第2Fレンズ群2FGおよび第2Rレンズ群2RGを、物体側から像面側に向かって、順次、配置した構成としている。
詳細には、第1レンズ群1Gは、物体側から像面側に向かって、順次、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状をなす正レンズからなる第1レンズL1、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第2レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状をなす正レンズからなる第3レンズL3を配置して負の屈折力を示すように構成している。
第1レンズ群1Gと第2レンズ群2Gとの間に開口絞りSを配置している。
第2Fレンズ群2FGは、物体側から像面側に向かって、順次、像面側に物体側の面より曲率の大きな凹面を向けて両凹形状をなす負レンズからなる第4レンズL4と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第5レンズL5と、像側に凸面を向けて正メニスカス形状をなす正レンズからなる第6レンズL6を配置して、正の屈折力を示すように構成している。第2Fレンズ群2FGの第4レンズL4と第5レンズL5の2枚のレンズは、互いに密接して接着剤にて貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。第2Rレンズ群2RGは、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けてなる両凸形状の第7レンズL7を配置して、正の屈折力を示すように構成している。
そして、さらに、これら第2レンズ群2Gの後方、すなわち像面側には、光学ローパスフィルタおよび赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、受光素子のカバーガラス(シールガラス)を等価的な平行平板として示すフィルタガラスFが配置される。
フォーカシングに際しては、第1レンズ群1G、開口絞りS、第2Fレンズ群2FGは固定で、第2Rレンズ群2RGのみが、光軸方向に移動してフォーカシングを行う。
第2Rレンズ群2RGは、上記実施の形態においては、正レンズ1枚で構成したものを示している。複数枚のレンズで構成することを否定するものではないが、第2Rレンズ群2RGを1枚という最少枚数で構成することで、光軸方向の厚みを最小限にとどめ、第2Rレンズ群2RGの径方向の大型化を抑制する効果がある。
図3には、撮像光学系における各光学面の面番号も示している。なお、図3に示す各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、各実施例毎に独立に用いており、そのため、図1、図5と共通の参照符号を付している。
この実施例2においては、光学系全系の焦点距離f、開放F値Fnoおよび半画角ω〔度〕が、それぞれf=5.35、Fno=1.91、ω=29.13であり、この実施例2における各光学要素における光学面の曲率半径(非球面については近軸曲率半径)R、隣接する光学面の面間隔D、屈折率Nd、アッベ数νdおよび硝種等の光学特性は、次表2の通りである。
Figure 2016142767
光学ガラスレンズの硝材の硝種名の後には、製造メーカ名を、HOYA(HOYA株式会社)、OHARA(株式会社オハラ)として略記している。
尚、上記実施例2に係る撮像レンズにおいて、温度変動時(20℃→80℃)の最大像高変動を計算した結果は、0.22μmであった。
温度変動時の最大像高変動計算結果は、20℃状態を基準として80℃状態となったときの、同一入射角光線に対する像高変動を計算している。レンズL1から像面へ向かって単純に積み上がるような保持構造を有するアルミのレンズセルを前提としている。本実施例2においては、1μm以下の像高変動量となっており、温度環境変動時の像高変動が十分小さく抑制できていることが分かる。
本実施例2の場合、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、下記の通りとなり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
条件式計算結果
(1) L5;1.091、 L6;4.276、 L7;3.662
(2) L5;4.4、 L6;5.2、 L7;5.2
(3) 0.544
(4) 11.920
(5) 0.315
(6) 1.177
また、図4に、実施例2に係る撮像光学系のd線とg線における諸収差、すなわち球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差、の各収差曲線図を示している。
なお、図4の収差曲線図において、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、そして破線はメリディオナルをそれぞれあらわしている。また、球面収差、非点収差、並びにコマ収差の各収差図における細線はd線、太線はg線をあらわしている。これらは、他の実施例に係る収差曲線図についても同様である。
実施例2における撮像光学系の収差は、十分に補正されている。
第2の実施の形態に係る実施例2のように撮像光学系を構成することで、半画角29°程度の広画角、F2程度以下の大口径でありながら十分に小型で、低ディストーションを保ちながら、非常に良好な像性能を確保し得る撮像光学系を実現し得ることが、明らかである。
〔第3の実施の形態〕
図5に本発明の第3の実施の形態に係る実施例3の撮像光学系の断面構成を示す。
本発明の実施例3に係る結像光学系は、図5に示すように、物体側から像面側に向かって、順次、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、開口絞りS、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、そして第7レンズL7を配置しており、第4レンズL4と第5レンズL5は、それぞれ接合レンズを構成しており、いわゆる6群7枚構成としている。
レンズ群構成に着目すると、第1レンズL1〜第3レンズL3により第1レンズ群1Gを構成している。第4レンズL4〜第7レンズL7により第2レンズ群2Gを構成している。そして第4レンズL4、第5レンズL5および第6レンズL6により正の屈折力を有する第2Fレンズ群2FGを構成している。第7レンズL7により正の屈折力を有する第2Rレンズ群2RGを構成している。つまり、図5に示す結像光学系は、これら第1レンズ群1G、開口絞りS、第2Fレンズ群2FGおよび第2Rレンズ群2RGを、物体側から像面側に向かって、順次、配置した構成としている。
詳細には、第1レンズ群1Gは、物体側から像面側に向かって、順次、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状をなす正レンズからなる第1レンズL1、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状をなす負レンズからなる第2レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状をなす正レンズからなる第3レンズL3を配置して負の屈折力を示すように構成している。
第1レンズ群1Gと第2レンズ群2Gとの間に開口絞りSを配置している。
第2Fレンズ群2FGは、物体側から像面側に向かって、順次、像面側に物体側の面より曲率の大きな凹面を向けて両凹形状をなす負レンズからなる第4レンズL4と、物体側に像面側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第5レンズL5と、像面側に物体側の面より曲率の大きな凸面を向けて両凸形状をなす正レンズからなる第6レンズL6を配置して、正の屈折力を示すように構成している。第2Fレンズ群2FGの第4レンズL4と第5レンズL5の2枚のレンズは、互いに密接して接着剤にて貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。第2Rレンズ群2RGは、物体側に像面側の面より曲率の大きな凸面を向けてなる両凸形状の第7レンズL7を配置して、正の屈折力を示すように構成している。
そして、さらに、これら第2レンズ群2Gの後方、すなわち像面側には、光学ローパスフィルタおよび赤外カットフィルタ等の各種フィルタや、受光素子のカバーガラス(シールガラス)を等価的な平行平板として示すフィルタガラスFが配置される。
フォーカシングに際しては、第1レンズ群1G、開口絞りS、第2Fレンズ群2FGは固定で、第2Rレンズ群2RGのみが、光軸方向に移動してフォーカシングを行う。
第2Rレンズ群2RGは、上記実施の形態においては、正レンズ1枚で構成したものを示している。複数枚のレンズで構成することを否定するものではないが、第2Rレンズ群2RGを1枚という最少枚数で構成することで、光軸方向の厚みを最小限にとどめ、第2Rレンズ群2RGの径方向の大型化を抑制する効果がある。
図5には、撮像光学系における各光学面の面番号も示している。なお、図5に示す各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、各実施例毎に独立に用いており、そのため、図1、図3と共通の参照符号を付している。
この実施例3においては、光学系全系の焦点距離f、開放F値Fnoおよび半画角ω〔度〕が、それぞれf=5.35、Fno=1.90、ω=29.18であり、この実施例3における各光学要素における光学面の曲率半径(非球面については近軸曲率半径)R、隣接する光学面の面間隔D、屈折率Nd、アッベ数νdおよび硝種等の光学特性は、次表3の通りである。
Figure 2016142767
尚、上記実施例3に係る撮像レンズにおいて、温度変動時(20℃→80℃)の最大像高変動を計算した結果は、−0.08μmであった。
温度変動時の最大像高変動計算結果は、20℃状態を基準として80℃状態となったときの、同一入射角光線に対する像高変動を計算している。レンズL1から像面へ向かって単純に積み上がるような保持構造を有するアルミのレンズセルを前提としている。本実施例3においては、1μm以下の−0.08μmの像高変動量となっており、温度環境変動時の像高変動が十分小さく抑制できていることが分かる。
本実施例3の場合、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、下記の通りとなり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
条件式計算結果
(1) L5;1.305、 L6;3.069、 L7;4.143
(2) L5;4.1、 L6;6.4、 L7;1.0
(3) 0.222
(4) 2.862
(5) 0.243
(6) 1.042
また、図6に、実施例3に係る撮像光学系のd線とg線における諸収差、すなわち球面収差、非点収差、歪曲収差およびコマ収差、の各収差曲線図を示している。
なお、図6の収差曲線図において、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、そして破線はメリディオナルをそれぞれあらわしている。また、球面収差、非点収差、並びにコマ収差の各収差図における細線はd線、太線はg線をあらわしている。これらは、他の実施例に係る収差曲線図についても同様である。
実施例3における撮像光学系の収差は、十分に補正されている。
第3の実施の形態に係る実施例3のように撮像光学系を構成することで、半画角29°程度の広画角、F2程度以下の大口径でありながら十分に小型で、低ディストーションを保ちながら、非常に良好な像性能を確保し得る撮像光学系を実現し得ることが、明らかである。
〔他の実施の形態〕
上記第1の実施の形態〜第3の実施の形態に係る撮像光学系は、車載カメラ装置や公知のステレオカメラ装置、撮影画像をデジタル情報とする機能を有する各種装置に用いることができる(請求項8〜請求項11に対応する)。
監視カメラや車載カメラ装置は、撮像光学系と、エリアセンサを組み合わせた撮像装置を含むシステムとして、実用化されてきている。
例えば、車載カメラ装置に用いられる撮像光学系は、上述したように、画角を広くして「広い撮像範囲」を撮像可能とし、特に、自動車の前方部分に限らず、自車の走行車線の他に、対向車線や歩道等も画角内に確保することや、Fナンバを小さくして、夜間等の比較的暗いシーンにおける露出量確保が必要とされる。
本発明に係る撮像光学系をステレオカメラ装置や車載カメラ装置、撮影画像をデジタル情報とする機能を有する各種装置に適用することで、半画角29°程度の広画角、F2程度以下の大口径であり、且つ十分に小型で、低ディストーションを保ちながら、温度負荷時の像高変動を抑制して非常に良好な像性能を享受することができる。
また、本発明は、デジタルカメラに用いる撮像光学系、携帯情報端滅装置に用いる撮像光学系、ビデオカメラに用いる撮像光学系、銀塩カメラに用いる撮像光学系、光学センサに用いる撮像光学系、投射光学系に用いる撮像光学系、等の分野に応用することができる。
1G 第1レンズ群
2G 第2レンズ群
2FG 第2Fレンズ群
2RG 第2Rレンズ群
L1〜L7 第1レンズ〜第7レンズ
F 各種フィルタ
特開2012−220741号公報 特開2012−123122号公報 特開平01−134411号公報

Claims (11)

  1. 開口絞りを挟んで物体側に位置する負の第1レンズ群と、像側に位置する正の第2レンズ群とから構成されるレトロフォーカスタイプのレンズにおいて、前記第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に凸のメニスカス形状である正の第1レンズ、負の第2レンズ、正の第3レンズからなり、前記第1レンズ群の最終面と前記第2レンズ群の先頭面とで形成される空気レンズが両凸形状であり、前記第2レンズ群内において、下記の条件式(1)を満足する正レンズは、下記の条件式(2)を満足することを特徴とする撮像光学系。
    0.50 < |f2/frn| < 7.00 (1)
    0 < dtn (2)
    但し、f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、frnは、前記第2レンズ群内の各正レンズの焦点距離、dtnは、前記第2レンズ群内の前記各正レンズの屈折率の温度係数を表す。なお、屈折率の温度係数は、対象ガラスと同一温度空気中における相対屈折率温度係数であるdn/dtrelativeの20℃〜40℃範囲のd線に対する値とする。
  2. 請求項1に記載の撮像光学系において、前記第2レンズと前記第3レンズとの空気間隔が、光学系内で最大であることを特徴とする撮像光学系。
  3. 請求項1または請求項2に記載の撮像光学系において、下記の条件式(3)を満足することを特徴とする撮像光学系。
    0.15 < |f/fa| < 1.00 (3)
    但し、fは、全系の焦点距離、faは、前記第1レンズ群の最終面と前記第2レンズ群の先頭面とで形成される空気レンズの焦点距離を表す。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の撮像光学系において、下記の条件式(4)を満足することを特徴とする撮像光学系。
    2.00 < |f1/f| < 20.00 (4)
    但し、f1は、前記第1レンズ群の焦点距離、fは、全系の焦点距離を表す。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の撮像光学系において、下記の条件式(5)を満足することを特徴とする撮像光学系。
    0.15 < f/AL < 0.50 (5)
    但し、ALは、無限遠合焦時における前記第1レンズの第1面から像面までの光軸上距離、fは、全系の焦点距離を表す。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の撮像光学系において、前記第2レンズ群は、物体側から順に、全体として正の第2Fレンズ群と、全体として正の第2Rレンズ群とからなり、前記第2Fレンズ群は少なくとも1枚の負レンズと1枚の正レンズを含み、前記第2Rレンズ群は1枚の正レンズを含むことを特徴とする撮像光学系。
  7. 請求項6に記載の撮像光学系において、下記の条件式(6)を満足することを特徴とする撮像光学系。
    0.50 < f2F/f < 2.50 (6)
    但し、f2Fは、前記第2Fレンズ群の焦点距離、fは、全系の焦点距離を表す。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の撮像光学系において、全レンズがガラス製の球面レンズであることを特徴とする撮像光学系。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の撮像光学系を有するステレオカメラ装置。
  10. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の撮像光学系を有する車載カメラ装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載のステレオカメラ装置または車載カメラ装置において、撮影画像をデジタル情報とする機能を有することを特徴とする各種装置。
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