JP2016142342A - 複合水栓 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな複合水栓を提供する。【解決手段】本発明の一形態の複合水栓(50)は、操作レバー(4)と、固定ディスク(2)と、操作レバー(4)の回転操作に伴って固定ディスク(2)上を摺動する可動ディスク(3)とを備え、当該回転操作により流路が切り替わって水吐水、湯水混合水吐水、湯吐水及び浄水吐水の切り替えが行なわれる。【選択図】図1

Description

本発明は、水、湯、湯水混合水、浄水を1つのレバーを操作することによって切り替え、且つそれぞれの水量も当該レバーを操作することによって調整することができる複合水栓に関する。
従来、浄水器などの水処理装置を付設し、レバーの操作によって、通常の水、湯、湯水混合水及び浄水の吐水を制御可能な水栓が提案されている(特許文献1及び2)。
例えば、特許文献1には、混合栓本体に、水用と湯用の2つの流入ポートと、湯と水の混合水を流出させる混合水流出ポートと、浄水器用流出ポートとを備えた湯水混合栓が開示されている。この湯水混合栓には、混合栓本体内に形成された流路を上記2つの流入ポートと混合水流出ポートとを結ぶ混合水系流路と、上記水用の流入ポートのみと浄水器用流出ポートとを結ぶ浄水器系流路とに区分でき、且つ混合水系流路と浄水器系流路とを選択的に切り替える切替手段が設けられている。
実開平2−121673号公報(1990年10月3日公開) 実開平4−108654号公報(1992年9月21日公開)
ところで、従来の複合水栓のみならず、新たな複合水栓が要望されている。そこで、本発明は新たな複合水栓を提供することを主たる目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る複合水栓は、1つのレバーと、固定弁体と、上記レバーの回転操作に伴って上記固定弁体上を摺動する可動弁体とを備え、当該回転操作により流路が切り替わって水吐水、湯水混合水吐水、湯吐水及び浄水吐水の切り替えが行なわれる。これにより新たな複合水栓を提供することができる。
また、本発明の一形態に係る複合水栓では、上記レバーの回転操作における水のみを吐水する水吐水区間において、当該区間の一方の端および他方の端にそれぞれ当該レバーが至ると刺激が生じる構成となっていることがより好ましい。
上記の構成によれば、レバーが水吐水区間にあることを、当該レバーを操作するユーザーに認識させる構成となっていることから、意図しない混合(水と湯の混合、水と浄水の混合)が生じ難いという効果を奏する。
従来の切替手段を具備した湯水混合栓では、ユーザーは水のみを出しているつもりが、実際には水と浄水とが混合して出ていたり、水と湯が混合して出ていたりすることがある。後者の場合、ユーザーが意図せず給湯器が作動し無駄なガスや電力を使用することになる。上記構成は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、意図しない混合(水と湯の混合、水と浄水の混合)が生じ難い複合水栓を提供することができる。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記刺激が、回転性の変化である構成としてもよい。
上記の構成によれば、レバーが水吐水区間にあることを、当該レバーを操作するユーザーがレバーの回転性に変化があったことで認識することができ、意図しない混合(水と湯の混合、水と浄水の混合)が生じ難いという効果を奏する。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記水吐水区間の上記一方の端が、当該水吐水区間と、湯および水が混合して吐水される湯水混合水吐水区間との境界に相当し、上記水吐水区間の上記他方の端が、上記水吐水区間と、浄水が吐水する浄水吐水区間との境界に相当してもよい。
上記の構成によれば、ユーザーが意図せずにレバーを湯水混合水吐水区間に入れて、水とともに湯を吐水してしまうことを防ぐことができ、また、レバーを意図せず浄水吐水区間に入れて浄水あるいは水とともに浄水を吐水してしまうことを防ぐことができる。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記水吐水区間の上記一方の端および上記他方の端にそれぞれ上記レバーが至ると、当該レバーの回転に抵抗が生じる構成としてもよい。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記水吐水区間の上記一方の端と上記他方の端とにおいて上記レバーの回転性に互いに異なる変化を生じさせる構成としてもよい。
上記の構成によれば、レバーが一方の端に位置しているか、それとも他方の端に位置しているかを、当該変化の違いによってユーザーは判別することができる。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記水吐水区間の上記一方の端に上記レバーが至るときのほうが、当該水吐水区間の上記他方の端に上記レバーが至るときよりも、ユーザーに対して上記回転性の変化を大きくしてもよい。
水とともに湯が混合すると、給湯するための無駄な電力やガスを消費する事態になるため、上記水吐水区間の上記一方の端が湯水混合水吐水区間と隣接していれば、上記の構成とすることにより、そのような事態をより一層確実に回避することができる。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記水吐水区間と上記浄水吐水区間との境界において、吐水量が減少する構成としてもよい。
上記の構成によれば、水から浄水への切り替わりがより判りやすくなる。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記固定弁体及び上記可動弁体を収容する収容容器を更に備え、上記収容容器の最大外径が40mm以下である構成としてもよい。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記固定弁体及び上記可動弁体の少なくとも1つは、SiCからなるセラミックであってもよい。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記固定弁体には、水が流入する水入口と、水、湯または湯水混合水が流出する湯水出口と、湯が流入する湯入口と、水が浄水器へ流出する浄水器出口とが設けられており、上記湯水出口、上記水入口、上記湯入口及び上記浄水器出口の開口面積を、湯水出口≧水入口>湯入口>浄水器出口としてもよい。
上記の構成によれば、吐水する水量を十分に確保することができる。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記可動弁体には、入水口と、取水口と、入水口と取水口とを結ぶ連通路とが設けられており、上記連通路の最狭部分の断面積が、8mm〜45mmである構成としてもよい。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記連通路の少なくとも一部は多孔性部材によって覆われている一方、上記最狭部分は上記多孔性部材によって覆われていない構成としてもよい。
上記の構成によれば、連通路の少なくとも一部を多孔性部材によって覆うことによって、流水の消音を実現することができる。一方で最狭部分を多孔質部材で覆わないことにより、流路開口面積が狭くなることを防ぐことができる。これにより、連通路の流水量を十分に確保することができる。
また、本発明の一形態に係る複合水栓は、上記の構成に加えて、上記固定弁体における上記レバーを操作するユーザーの正面に対した位置から当該固定弁体の中心点を通り当該位置の対向位置までを結ぶ仮想線と、当該中心点において当該仮想線に直交する直交線であって、当該直交線が上記固定弁体の一端から他端までを結ぶ直交線とを仮定したとき、上記直交線よりも上記正面に対して遠い側に、上記湯水出口及び上記浄水器出口が設けられ、且つ、上記湯水出口と上記浄水器出口との間に上記仮想線を挟む構成となっており、上記水入口は、上記直交線を挟んで、上記湯水出口とは反対側にあり、上記湯入口は、上記直交線を挟んで、上記浄水器出口とは反対側にあり、上記水入口は、上記湯入口よりも、上記直交線の近くまで延設されていてもよい。
上記の構成によれば、水入口が湯入口よりも上記直交線の近くまで延設されていることから、水の流量の確保を可能にするとともに、浄水器への水量を十分に確保することができる。
本発明は、新たな複合水栓を提供することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態における複合水栓の構成を示す断面図である。 図1に示す複合水栓の分解図である。 図1に示す複合水栓に具備される固定ディスクを示す図である。 図1に示す複合水栓に具備される可動ディスクを示す図である。 図1に示す複合水栓において操作レバーの位置について説明する図である。 図1に示す複合水栓において操作レバーの位置と止水状態との関係について説明する図である。 図1に示す複合水栓に具備される固定ディスク及び可動ディスクの位置関係を示す図である。 図1に示す複合水栓において操作レバーの位置と吐水状態との関係について説明する図である。 図1に示す複合水栓において操作レバーのユーザーに付与する抵抗感を説明する図である。 図1に示す複合水栓において操作レバーのユーザーに付与する抵抗感を実現するための構成について示した部分分解図である。 図1に示す複合水栓において操作レバーのユーザーに付与する抵抗感を実現するための構成について示した部分分解図である。
本発明に係る複合水栓の一実施形態について、図1〜図11を用いて説明する。
図1は、本実施形態の複合水栓50の構成を示す側面断面図である。図2は、図1に示す本実施形態の複合水栓50の分解斜視図である。
本実施形態の複合水栓50は、1つのレバーを操作することによって水、湯、湯水混合水、浄水を切り替え、且つそれぞれの水量も当該レバーを操作することによって調整することができる複合水栓として、例えば家庭用として用いられる。そのため、本実施形態の複合水栓50は、図1に示すように、水栓本体1と、水栓本体1内に固定された固定ディスク2(固定弁体)と、この固定ディスク2上に摺動可能に設けられた可動ディスク3(可動弁体)と、可動ディスク3上部に心棒24を介して接続された操作レバー4(レバー)と、水栓本体1下方から水栓本体1内に挿入された給湯管路5、給水管路6、浄水器(不図示)への浄水器給水管路7、浄水管路8の4本の管路と、水栓本体1上部に取り付けられた吐出パイプ9とを主な構成要素として備えている。
水栓本体1内には、給湯管路5、給水管路6及び浄水器給水管路7の各管路が水栓本体1上端に貫通するように設けられ、水栓本体1上端にはそれぞれ第1の開口5a、第2の開口6a、第3の開口7a(図2)が形成されている。また水栓本体1内には、吐出パイプ9の湯水吐出管路10に接続され水栓本体1上端に貫通して第4の開口11aとなる湯水吐出流路11と、浄水管路8に接続されて吐出パイプ9の浄水吐出管路12に連通する浄水流路13とがそれぞれ設けられている。
また水栓本体1の上部には2段の溝部14a,14bが形成されている。上側の溝部14aには湯水吐出流路11の出口である第5の開口15が設けられ、水栓本体1内の湯水吐出流路11と吐出パイプ9の湯水吐出管路10とが連通されている。また下側の溝14bには浄水流路13の出口である第6の開口16が設けられ、水栓本体1内の浄水流路13と吐出パイプ9の浄水吐出管路12とが連通されている。
水栓本体1の溝部14a,14bの外方には、湯水吐出管路10と、浄水吐出管路12とを有する吐出パイプ9の基部9aが、回転可能に嵌着されている。この吐出パイプ9は、水栓本体1に嵌着された状態にあっては、水栓本体1の上側の溝部14aと湯水吐出管路10とが連通し、下側の溝部14bと浄水吐出管路12とが連通するようになっている。湯水吐出管路10と浄水吐出管路12のそれぞれの吐出端には、下方に向けた円筒状の吐出口17a,17bが設けられている。また吐出パイプ9の基部9aと水栓本体1の接触部分には、パッキン18(図1)が配設されている。
次に、固定ディスク2及び可動ディスク3について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、固定ディスク2を示す図であり、図3中の(a)は固定ディスク2における可動ディスク3に対向する側の面をみた平面図であり、図3中の(b)は、図3中の(a)に示す切断線A−A’における固定ディスク2の矢視断面図である。また、図4は、可動ディスク3を示す図であり、図4中の(a)は可動ディスク3における固定ディスク2に対向する側の面をみた平面図であり、図4中の(b)は、図4中の(a)に示す切断線B−B’における固定ディスク2の矢視断面図である。
固定ディスク2は、図3中の(a)に示すように4つの貫通孔が形成された円盤状のディスクである。これらの貫通孔はそれぞれ弧状をなし、水栓本体1の上端に形成された第1〜4の開口の各々に接続され、給湯管路5に接続する第1の孔19(湯が流入する湯入口)、給水管路6に接続する第2の孔20(水が流入する水入口)、湯水吐出流路11に接続する第3の孔21(水、湯または湯水混合水が流出する湯水出口)、浄水器給水管路7に接続する第4の孔22(水が浄水器へ流出する浄水器出口)になっている。
ここで、図3に示す固定ディスク2は、図面の上側が複合水栓50の操作レバー4を操作するユーザーの正面位置に相当する。そして、固定ディスク2の図面の右上側に第1の孔19(湯が流入する湯入口)、左上側に第2の孔20(水が流入する水入口)、右下側に第4の孔22(水が浄水器へ流出する浄水器出口)、左下側に第3の孔21(水、湯または湯水混合水が流出する湯水出口)が配置されている。
この配置関係を換言すれば、固定ディスク2におけるユーザーの正面に対した位置から当該固定ディスク2の中心点C(図3中の(a))を通り正面位置の対向位置までを結ぶ仮想線Xと、当該中心点Cにおいて当該仮想線Xに直交する直交線Yであって、当該直交線Tが固定ディスク2の一端から他端までを結ぶ直交線Yとを仮定したとき、直交線Yよりも正面位置に対して遠い側に、第3の孔21及び第4の孔22が設けられ、且つ、第3の孔21と第4の孔22との間に仮想線Xを挟む構成となっている。そして、第2の孔20は、直交線Yを挟んで、第3の孔21とは反対側にあり、第1の孔19は、直交線Yを挟んで、第4の孔22とは反対側にある。そして、第2の孔20は、第1の孔19よりも、直交線Yの近くまで延設されている。すなわち、第2の孔20は、第1の孔19よりも長い(長い部分を図3中の(a)において破線で囲みを付している)。このように、第2の孔20の長さが第1の孔19よりも長く構成されていることにより、水の流量の確保を可能にするとともに、浄水器への水量を十分に確保することができる。
ここで、本実施形態では、図1に示すケース28の最大外径を40mm以下としており、例えば、40mmとすることができる。ケース28の最大外径をこのように設計する場合、ケース28に収容する固定ディスク2及び可動ディスク3は、その径が比較的小さなものになり、固定ディスク2に設けた各孔においては、その開口サイズに更なる制限が及ぶことになる。
そこで、本実施形態では、固定ディスク2の各孔の開口面積を、
第3の孔21(水、湯または湯水混合水が流出する湯水出口)≧第2の孔20(水が流入する水入口)>第1の孔19(湯が流入する湯入口)>第4の孔22(水が浄水器へ流出する浄水器出口)
としている。
具体例としては、各孔の開口面積を、
第3の孔21(水、湯または湯水混合水が流出する湯水出口):第2の孔20(水が流入する水入口):第1の孔19(湯が流入する湯入口):第4の孔22(水が浄水器へ流出する浄水器出口)=1.8:1.7:1.4:1
としている。
このように固定ディスク2の各孔の開口面積を設計すると、第2の孔20(水が流入する水入口)の開口サイズを比較的大きくすることができ、流水量を十分に確保することができる。
また、固定ディスク2は、図3中の(a)に示すように、その外周長に沿った第4の孔22(水が浄水器へ流出する浄水器出口)の長さPと、その外周長に沿った第4の孔22と第3の孔21(水、湯または湯水混合水が流出する湯水出口)との離間距離Qがほぼ同じとなるように設計している。このように設計することにより、限られた面積を有する固定ディスク2において、離間距離Qが狭いながら、第4の孔22(水が浄水器へ流出する浄水器出口)を比較的大きく開口して十分な流出量を確保することができることに寄与している。
そして、このような構造の固定ディスク2上には、図1及び図2に示すように、固定ディスク2よりもやや小径である可動ディスク3が固定ディスク2に対して摺動可能に載置されている。
可動ディスク3は、円盤状であり、固定ディスク2との対向面側(下面側)に、入水口23aと、取水口23bと、入水口23aと取水口23bとを結ぶ連通路23cとを有した長溝23が形成されている。ここで、長溝23の入水口23aは、ディスク周縁近傍に形成された弧状部分によって構成されているが、その弧状部分の一部に可動ディスク3の下面の平面方向に突出した突出領域23dが設けられており、突出領域23dによって入水口23aは開口サイズが狭まっていると換言することができる。この突出領域23dが設けられていることにより、後述するように意図しない混合を回避することができる。
なお、可動ディスク3の長溝23の連通路23cの最狭部分23c’の断面積は、8mm〜45mmとすることが好ましい。ここでいう最狭部分23c’とは、連通路23cにおける幅が最も狭い箇所をいい、断面積とは、円盤状の可動ディスク3の厚さ方向に沿った断面の面積をいう。最狭部分23c’は、連通路23cの中央付近にある。先述のように可動ディスク3の径は比較的小さく構成されており、例えばケース28の最大外径が40mmである場合に、可動ディスク3の径を約35mmから38mm(可動ディスク3の厚さは約6〜10mm)とすることができる。このように小径の可動ディスク3においては、長溝23の連通路23cは狭く、且つ浅く形成せざるを得ないが、流量を確保することも同時に必要であるため最狭部分23c’の断面積を上述の範囲としている。
なお、水栓本体1あるいはケース28のサイズによっては可動ディスク3を厚く設計することも可能である。厚く設計すれば、連通路23cを深溝として形成することができるため、限られた表面積を有する可動ディスク3において、十分な流量を確保した細溝の連通路23cを形成することが可能である。
また、可動ディスク3の長溝23の入水口23aは、メッシュ体23e(多孔性部材)で覆われている。このメッシュ体23eは、流水の消音効果をもたらし、長溝23に流れ込む水や湯の流入音を低減させることに寄与する。本実施形態では、長溝23の入水口23aのみをメッシュ体23eによって覆っている。これにより、長溝23の全領域にメッシュ体を配設する場合に比べて、流水量を多く確保することができる。しかしながら、本実施形態の構成に限定されるものではなく、メッシュ体23eは、長溝23の取水口23b側のみ、あるいは入水口23a側及び取水口23b側の両方に設けることも可能である。また、メッシュ体23eは、本実施形態のように最狭部分を覆わないことがより好ましい。流路開口面積が狭くなることを防ぐことができるからである。これにより、連通路23cの流水量を十分に確保することができる。なお、メッシュ体23eは整流部材ということもできる。また、メッシュ体23eの材質は特に限定されず、例えば、水に対して耐久性があり錆び難い金属、ポリオレフィン及びABS等のプラスチックであることが好ましい。
なお、固定ディスク2及び可動ディスク3の少なくとも1つは、SiCからなるセラミック製でもよい。
可動ディスク3の上面側には、図1及び図2に示すように、操作レバー4に接続される心棒24の端部が接続されている。可動ディスク3は、心棒24の一端に操作レバー4を取り付けて固定ピン25(図1)で固定した状態で、操作レバー4を上下方向に移動させることにより、固定ディスク2に対して可動ディスク3が偏心するように摺動し、操作レバー4を、心棒24を回転軸として左右に回すことにより、固定ディスク2上を回転するようになっている。
また可動ディスク3上には、図1及び図2に示すように、心棒24の移動方向を規制するための台座26が載置されている。そして固定ディスク2、可動ディスク3、台座26の各々を積み重ね、心棒24を台座26に設置し、固定ディスク2の外側に、水栓本体1上端の第1〜第4の開口に相対する孔を有するパッキン27(図1)を入れ、これらをケース28(収容容器)に収納してセラミックカートリッジ29を構成している。このパッキン27には係合凸部30が形成され、一方、水栓本体1上端には係合凹部31が形成され、係合凹部31内に係合凸部30を係合して固定できるようになっている(図2)。
このセラミックカートリッジ29は、水栓本体1に載置し、その外方にカバー32を被せ、このカバー32を水栓本体1に固定することにより取り付けられる。またこのカバー32の上には、操作レバー4の接続側部分を覆うようにキャップ33が取り付けられている。
水栓本体1に接続される各管路のうち、給湯管路5及び給水管路6は、従来の湯水混合水栓と同様に、給湯供給管路、水道管路に接続される。
また浄水器は、供給口から供給される水に精密濾過や活性炭による吸着処理を施し、浄化された浄水を吐出口から吐出する公知の浄水器が使用可能である。そしてこの浄水器は、供給口に浄水器給水管路7が接続され、吐出口に浄水管路8が接続された状態で、シンク下方などに収納される。なお、本実施形態では水処理装置として浄水器を用いる例を示すが、水処理装置は浄水器に限定されることなく、例えば電気冷水器、イオン水製造装置などの他の水処理装置を用いてもよい。
次に、この複合水栓50の使用方法を説明する。
図5から図8は、上述した複合水栓の使用方法を説明するための図である。
この複合水栓50において吐出する水、湯、浄水の切り替え操作は、図5に示すように操作レバー4の左右への回転によって行なう。また、図6、図8に示すように出水、止水の操作は操作レバー4の上下の移動によって行なう。
図6は、この複合水栓50の止水状態を示している。この止水状態にあっては、操作レバー4が下に引き下げられ、可動ディスク3が図6中の左側に偏心した状態になっている。
この止水状態にあっては、操作レバー4を左右に回転させたとしても長溝23が固定ディスク2の第1の孔19及び第2の孔20のいずれとも重ならず、これらの孔が長溝23を介して第3の孔21及び第4の孔22のいずれとも連通しない。
ここで、図7中の(a)〜(e)は、固定ディスク2上に可動ディスク3を載置した状態で、可動ディスク3の上側からみて、固定ディスク2の各孔と可動ディスク3の長溝23との対向位置関係を示したものである。図7中の(a)〜(e)は、上段及び下段ともにいずれも図面の上側がユーザーの正面に対する位置を示し、当該位置から図示しない操作レバーの回転角度がそれぞれ異なる場合の当該回転に応じた可動ディスク3と、回転しない固定ディスク2との位置関係を示している。なお、図7中の(a)〜(e)の上段がいずれも吐水状態を示しており、図7中の(a)〜(e)の下段がいずれも止水状態を示している。
図7中の(a)〜(e)の下段に示すいずれの状態であっても、長溝23が固定ディスク2の第1の孔19及び第2の孔20のいずれとも重ならず、これらの孔が長溝23を介して第3の孔21及び第4の孔22のいずれとも連通しないため、止水状態を実現している。
次に、吐水状態について説明する。例えば図6に示した止水状態の操作レバー4を持ち上げると、図8に示すように可動ディスク3が固定ディスク2に対して右側に偏心し、吐水状態となる。
図7中の(a)〜(e)の上段がいずれも吐水状態を示しており、図5に示すように回転軌道上での操作レバー4の位置に応じて可動ディスク3の位置が変わり、これにより何が吐水されるかが変わる。
図7中の(a)の上段に示す吐水状態について説明すると、この状態は、図5に示す操作レバー4が、正面位置から右方向(反時計回り)に60°回転した位置にある状態である。この状態では、第2の孔20と入水口23aとが対向し、第4の孔22と取水口23bとが対向しており、長溝23は第2の孔20からの水を第4の孔22へ流出させる連通経路を形成する。これにより、給水管路6の水が第2の孔20、長溝23、第4の孔22を通って図1及び図2に示した浄水器給水管路7に導入される。浄水器に供給された水は、その内部で浄化され、浄化された浄水が浄水管路8を通り、水栓本体1内の浄水流路13に入り、第6の開口16を経て吐出パイプ9の浄水吐出管路12を通って吐出口17bから吐出される。すなわち、図7中の(a)の上段に示す吐水状態は、浄水吐水状態である。
図7中の(b)の上段に示す吐水状態について説明すると、この状態は、図5に示す操作レバー4が、正面位置から右方向(反時計回り)に40°を僅かに超えて回転した位置にある状態である。この状態では、第2の孔20と入水口23aとが対向し、第3の孔21及び第4の孔22と取水口23bとが対向しており、長溝23は第2の孔20からの水を第3の孔21及び第4の孔22へ流出させる連通経路を形成する。これにより、給水管路6の水が第2の孔20、長溝23、第4の孔22を通って図1及び図2に示した浄水器給水管路7に導入されるとともに、第3の孔21から、図1及び図2に示した湯水吐出流路11、第5の開口15、吐出パイプ9の湯水吐出管路10を通る。そのため、図7中の(b)の上段に示す吐水状態では、水(浄水でも湯でもない)が吐出口17aから吐水されるとともに、浄水器によって浄化された浄水が、浄水管路8を通り、水栓本体1内の浄水流路13に入り、第6の開口16を経て吐出パイプ9の浄水吐出管路12を通って吐出口17bから吐出される。すなわち、図7中の(b)の上段に示す吐水状態は、水と浄水とが同時に吐水される状態となっている。なお、本明細書では、これを水と浄水との混合と称し、吐水されたものを混合水と称している。
そして、本実施形態の複合水栓では、このような混合水が吐水され難い構成となっている。これについては後述することとし、先に図7中の(c)以降について説明する。
図7中の(c)の上段に示す吐水状態は、図5に示す操作レバー4が、正面位置から右方向(反時計回り)に40°回転した位置にある状態である。この状態では、第2の孔20と入水口23aとが対向し、第3の孔21と取水口23bとが対向しており、長溝23は第2の孔20からの水を第3の孔21へ流出させる連通経路を形成する。これにより、第3の孔21から、図1及び図2に示した湯水吐出流路11、第5の開口15、吐出パイプ9の湯水吐出管路10を通り、水(浄水でも湯でもない)が吐出口17aから吐出される。すなわち、図7中の(c)の上段に示す吐水状態は、水吐水状態である。
図7中の(d)の上段に示す吐水状態について説明すると、この状態は、図5に示す操作レバー4が、正面位置にある状態である。この状態では、図7中の(c)の上段に示す水吐水状態と同じであるが、図7中の(d)の上段に示す吐水状態では、長溝23の取水口23bの全領域が第3の孔21と対向している点で、図7中の(c)の上段に示す水吐水状態のときよりも多量の水を吐水することができるという違いがある。
ここで、図7中の(d)の上段に示す吐水状態では、長溝23の入水口23aの開口サイズを狭めている突出領域23dが第1の孔19を塞いでいることから、第1の孔19から湯が長溝23に流れることはない。仮に、突出領域23dが無く、入水口23aが広く開口している場合には、可動ディスク3が図7中の(d)の上段に示す位置にある状態で、第2の孔20からの水だけでなく、第1の孔19からの湯が長溝23に流れて湯水混合水が取水口23bから第3の孔21へ流出することになる。しかしながら、本実施形態では、突出領域23dを設けた可動ディスク3を配設していることにより、操作レバーの回転角度範囲のうち、水のみを吐水できる範囲を広く確保することができ、給湯器が作動してガスや電気を無駄に消費してしまうことがないため、省エネルギー化に寄与することができる。
図7中の(e)の上段に示す吐水状態について説明すると、この状態は、図5に示す操作レバー4が、正面位置から左方向(時計回り)に40°回転した位置にある状態である。この状態では、第1の孔19と入水口23aとが対向し、第3の孔21と取水口23bとが対向しており、長溝23は第1の孔19からの湯を第3の孔21へ流出させる連通経路を形成する。これにより、給湯管路5からの湯が、第1の孔19、長溝23、第3の孔21を通り、図1及び図2に示した水栓本体1内の湯水吐出流路11、第5の開口15、吐出パイプ9の湯水吐出管路10を通り、吐出口17aから給湯される。すなわち、図7中の(e)の上段に示す吐水状態は、湯吐水状態である。
以上のように、本実施形態の複合水栓50によれば、操作レバー4の引き上げ、引き下げの操作及び引き下げ時の左右方向への回転操作によって、給水、給湯、湯水混合水供給、浄水供給及び止水の各操作の切り替えが可能となるものである。
そして、本発明において特徴的な構成としては、以下に説明する操作レバー4の左右方向への回転操作における抵抗感をユーザーに対して与えることにより、意図しない混合(水と湯の混合、先述の図7中の(b)に示す水と浄水の混合)が生じ難い複合水栓を実現することにある。
図9は、操作レバー4の回転軌道上での操作レバー4の位置と吐水の種類との関係を表した模式図である。図7中の(d)に示すように、本実施形態の複合水栓50は、操作レバー4がユーザーの正面に対する位置にあるときに水のみを吐水する構成となっている。そして、本実施形態では、操作レバー4が、正面位置(この位置を0°)から右方向(反時計回り)に40°までの範囲にあるときには水のみが吐水する構成となっている。すなわち、正面位置(この位置を0°)から右方向(反時計回り)に40°までの範囲を、水吐水区間とみなすことができる。
また、その40°から更に右方向に25°(正面位置からは右方向に65°)までの範囲にあるときには浄水が吐水する構成となっており、正面位置から右方向に40°から65°までの範囲を、浄水吐水区間とみなすことができる。ただし、水吐水区間から浄水と水区間に切り替わる間に上述の図7の(b)に示すように、水と浄水とが混合されて出る位置がある。
また、操作レバー4が、正面位置(0°)を超えた位置から、左方向(時計回り)に40°までの範囲にあるときには湯水混合水を吐水し、左方向(時計回り)に最大角度(40°)まで操作レバー4を回転させたときには、湯のみが吐水する構成となっている。すなわち、正面位置(0°)を超えて左方向(時計回り)に40°までの区間を、湯水混合水吐水区間とみなすことができる。
このように区間によって異なる吐水状態が実現されるのは、先述の固定ディスク2の各孔と、可動ディスク3の長溝23との対向位置関係を図3及び図4に示すように設計しているからであるが、本実施形態の特徴的な構成としては、図9に示すように、(i)水吐水区間と湯水混合水吐水区間との境界、及び(ii)水吐水区間と浄水吐水区間との境界において、操作レバー4の回転操作に抵抗感を付与し、ユーザーに対して操作レバーが境界にあること、つまり、区間が変わることを認識させるように構成している点にある。
抵抗感とは、クリック感とも称することができるが、具体的には、水吐水区間、浄水吐水区間及び湯水混合水吐水区間をユーザーが操作レバー4を回転させている際にユーザーが感じるスムーズな操作感に比べ、上述の(i)及び(ii)の境界に至ったときには引っ掛かり(抵抗)を感じるようにしている。この抵抗感を回転操作途中でユーザーが認識すれば、ユーザーは吐水区間が変わったことを認識することができる。
また、例えば、操作レバー4を正面位置にもってきて水のみを吐水したいとユーザーが思ったとする。その場合に、仮に上述の(i)の境界において抵抗感がなければ、実際の操作レバー4の位置が湯水混合水区間の最も水吐水区間にあってもユーザーがそれに気が付かないことがあり、意図せずに湯が混合している可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、(i)の境界において抵抗感を付与することにより、ユーザーは、確実に正面位置に操作レバー4を位置させて水のみを吐水することができる。これは次の理由による。つまり、ユーザーは、一度抵抗感を体感することにより、抵抗感がわずかな間だけ発生することを認識する。その認識後、ユーザーは、抵抗感を感じると、抵抗感がなくなり、スムーズな回転になる区間まで操作レバー4を回転しようとする。よって、本実施形態の複合水栓50は、混合水が吐水され難い構成になっているといえる。
これは、上述の(ii)の境界においても同様で、水のみを吐水したい、あるいは浄水を吐水したいという場合に、当該境界において抵抗感がユーザーに対して付与されることにより、ユーザーは確実に所望する吐水区間に操作レバー4を位置させることができる。
抵抗感の付与は、(i)の境界であれば、水吐水区間を操作レバー4が外れたことをユーザーが認識できる位置において実現する。また、(ii)の境界についても、水吐水区間を操作レバー4が外れたことをユーザーが認識できる位置において抵抗感の付与を実現する。これにより、本実施形態によれば、ユーザーが水のみを吐水したい場合に、確実にその要求を満たすことができる。
(i)の境界において抵抗感は、正面位置を超えた位置から、左方向(時計周り)に7.5°までの角度範囲内において付与し続ける。なお、付与し続けているとは、均等な抵抗感を付与し続けるということ以外にも、水吐水区間内を回転させているときの操作感よりも抵抗を感じる程度であれば、その抵抗の強さは均一でなくともよい。
また、(ii)の境界において抵抗感は、正面位置(この位置を0°)から右方向(反時計回り)に40°から、更に右方向に14.5°(正面位置からは右方向に14.5°)までの角度範囲内において付与し続ける。なお、この角度範囲では、水と浄水との混合水が吐出される区間(図7中の(b)に示す状態)であると換言することができるが、抵抗感を付与することにより、ユーザーはこの区間内に操作レバー4を位置させることができない。換言すれば、抵抗感を実現する構成(詳細は後述)によれば、操作レバー4は水と浄水との混合水が吐出される区間で止まることなく、当該区間を乗り越える。そのため、本実施形態によれば、水と浄水との混合水を吐水させることはない。
以上のような抵抗感をユーザーに対して付与することを可能にしている具体的な構成について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、上述の(i)の境界において抵抗感を付与するための具体的構成を示す図である。図11は、上述の(ii)の境界において抵抗感を付与するための具体的構成を示す図である。
図10では、図1に示すケース28及び台座26を分解して示している。なお、本実施形態では、ケース28は、固定ディスク2、可動ディスク3及び台座26を収容する筐体(不図示)と、この筐体の上部を覆う蓋体とから構成されており、図10では、この蓋体のみを図示している。
この蓋体の内周面には、心棒24側に向かって突出した第1のケース側凸部28aが設けられている。また、台座26の外周面には第1の台座側凸部26aが設けられている。操作レバー4の回転が心棒24を介して台座26を回転させると、ケース28(蓋体)の内部で台座26が回転し、上述の(i)の境界において、第1のケース側凸部28aと第1の台座側凸部26aとが接触する構成となっている。
ここで、第1の台座側凸部26aは、台座26とは別体の板バネ40と、板バネ40を介して台座26に取り付けられた凸体41とから構成されている。凸体41は、外圧が加わると、一旦、心棒24側に押し込まれるが、外圧が解除されると、弾性体である板バネ40の復元力によって押し戻される機構となっている。そのため、第1の台座側凸部26aは、第1のケース側凸部28aと接触することで心棒24側に一旦押し込まれるが、台座26が更に回転して接触が解除されると、板バネ40の復元力によって再び元に戻る。接触中は、第1の台座側凸部26aと第1のケース側凸部28aとの接触抵抗によって台座26の回転方向の移動を留めようとする方向に力が働く。これにより、当該接触抵抗が無い状態と比べて、台座26が回転し難くなり、これが、操作レバー4を操作しているユーザーに抵抗感として伝わる。
なお、凸体41の凸位置は、操作レバー4の回転軌道上において操作レバー4と同じ位置にある。すなわち、操作レバー4がユーザーの正面位置にあるとき、凸体41の凸位置もユーザーの正面位置にある。一方、第1のケース側凸部28aは、ユーザーの正面位置よりも僅かに湯水混合水吐水区間側に位置している。これにより、ユーザーが操作レバー4を例えば浄水吐水区間側から正面位置に向かって回転させると正面位置に至ったことを認識することができる。
以上が、上述の(i)の境界における抵抗感の付与を実現するための構成である。
図11も、図10と同じく、ケース28の蓋体及び台座26の分解図である。この蓋体の内周面には、第1のケース側凸部28aとは異なる位置に、心棒24側に向かって突出した第2のケース側凸部28bが設けられている。また、台座26の外周面には、第1の台座側凸部26aとは異なる位置に、第2の台座側凸部26bが設けられている。第2のケース側凸部28bは、蓋体の一部が切り欠かれた箇所に設けられており、第2のケース側凸部28bに内周面側から外周面側に向かって外圧がかかった場合には、切り欠かれた箇所が外周面側に開くように弾性変形し、外圧が解除されると、元の位置に戻る機構となっている。一方、第2の台座側凸部26bは、台座26と一体的に構成されている。第2のケース側凸部28bと第2の台座側凸部26bとは、上述の(ii)の境界において接触する構成となっている。接触中は、第2の台座側凸部26bと第2のケース側凸部28bとの接触抵抗によって、当該接触抵抗が無い状態と比べて、台座26が回転し難くなり、これが、操作レバー4を操作しているユーザーに抵抗感として伝わる。これが、上述の(ii)の境界における抵抗感の付与を実現するための構成である。
このように本実施形態では、上述の(i)及び(ii)の境界それぞれにおいて、互いに異なる構成によって抵抗感を実現している。このように互いに異なる構成によってユーザーに境界を認識させることにより、ユーザーはどちらの境界に操作レバー4が位置しているのかを感覚的に認識することができる。また、互いに異なる構成であることにより、回転性の変化の大きさ(変化の強さや、変化が生じている間の長さ)に差をつけることができる。本実施形態では、上述の(i)の境界における抵抗感のほうが、上述の(ii)の境界における抵抗感よりも明確なクリック感としてユーザーに伝わる構成となっている。これは板バネ40(例えばSUS製)を採用しているためである。一方、上述の(ii)の境界における凹凸同士の接触は、樹脂同士(ケース28及び台座26は樹脂をベースにして構成されている)を摺り合わせたときにみられるソフトな接触抵抗としてユーザーに伝わる。すなわち、上述の(i)の境界における凹凸同士の接触抵抗は、上述の(ii)の境界における凹凸同士の接触抵抗よりも大きいといえる。これにより、湯の混合が生じることをユーザーに明確に伝えることができる。これは、湯水混合水も含めて湯を吐水しないようにすることによる省エネルギー実現の一手段として有効である。
なお、本実施形態では、台座26とケース28とに設けた凸同士の接触抵抗により、ユーザーに抵抗感を付与する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作レバーを操作しているユーザーに(i)及び(ii)の境界を認識させる態様は、刺激を発生させる構成であればよく、操作レバー4の回転性に変化が生じる構成であれば好ましい。
例えば、(i)及び(ii)の境界を認識させる別の態様として、操作レバーあるいは複合水栓の或る箇所に設けたランプが点灯や点滅をして当該境界に操作レバーが位置していることをユーザーに認識させる態様であってもよい。
あるいは、当該境界になると操作レバーあるいは複合水栓の或る箇所に設けたスピーカーから音が出て当該境界に操作レバーが位置していることをユーザーに認識させる態様であってもよい。
あるいは、当該境界になると操作レバーが振動することによって当該境界に操作レバーが位置していることをユーザーに認識させる態様であってもよい。
本発明は、家庭用の多機能複合水栓に利用することができる。
1 水栓本体
2 固定ディスク
3 可動ディスク
4 操作レバー
5 給湯管路
5a 第1の開口
6 給水管路
6a 第2の開口
7 浄水器給水管路
7a 第3の開口
8 浄水管路
9 吐出パイプ
9a 基部
10 湯水吐出管路
11 湯水吐出流路
11a 第4の開口
12 浄水吐出管路
13 浄水流路
14a,14b 溝部
15 第5の開口
16 第6の開口
17a,17b 吐出口
17b 吐出口
18 パッキン
23 長溝
23a 入水口
23b 取水口
23c 連通路
23c’ 最狭部分
23d 突出領域
23e メッシュ体
24 心棒
25 固定ピン
26 台座
26a 第1の台座側凸部
26b 第2の台座側凸部
27 パッキン
28 ケース
28a 第1のケース側凸部
28b 第2のケース側凸部
29 セラミックカートリッジ
30 係合凸部
31 係合凹部
32 カバー
33 キャップ
40 板バネ
41 凸体
50 複合水栓

Claims (14)

  1. 1つのレバーと、固定弁体と、上記レバーの回転操作に伴って上記固定弁体上を摺動する可動弁体とを備え、当該回転操作により流路が切り替わって水吐水、湯水混合水吐水、湯吐水及び浄水吐水の切り替えが行なわれる複合水栓。
  2. 上記レバーの回転操作における水のみを吐水する水吐水区間において、当該区間の一方の端および他方の端にそれぞれ当該レバーが至ると刺激が生じる構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の複合水栓。
  3. 上記刺激は、回転性の変化であることを特徴とする請求項2に記載の複合水栓。
  4. 上記水吐水区間の上記一方の端は、当該水吐水区間と、湯および水が混合して吐水される湯水混合水吐水区間との境界に相当し、
    上記水吐水区間の上記他方の端は、上記水吐水区間と、浄水が吐水する浄水吐水区間との境界に相当することを特徴とする請求項2または3に記載の複合水栓。
  5. 上記水吐水区間の上記一方の端および上記他方の端にそれぞれ上記レバーが至ると、当該レバーの回転に抵抗が生じることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の複合水栓。
  6. 上記水吐水区間の上記一方の端と上記他方の端とにおいて上記レバーの回転性に互いに異なる変化を生じさせることを特徴とする請求項3に記載の複合水栓。
  7. 上記水吐水区間の上記一方の端に上記レバーが至るときのほうが、当該水吐水区間の上記他方の端に上記レバーが至るときよりも、上記回転性の変化が大きいことを特徴とする請求項6に記載の複合水栓。
  8. 上記水吐水区間と上記浄水吐水区間との境界において、吐水量が減少することを特徴とする請求項4に記載の複合水栓。
  9. 上記固定弁体及び上記可動弁体を収容する収容容器を更に備え、
    上記収容容器の最大外径が40mm以下であることを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の複合水栓。
  10. 上記固定弁体及び上記可動弁体の少なくとも1つは、SiCからなるセラミックであることを特徴とする請求項1から9までの何れか1項に記載の複合水栓。
  11. 上記固定弁体には、水が流入する水入口と、水、湯または湯水混合水が流出する湯水出口と、湯が流入する湯入口と、水が浄水器へ流出する浄水器出口とが設けられており、
    上記湯水出口、上記水入口、上記湯入口及び上記浄水器出口の開口面積を、
    湯水出口≧水入口>湯入口>浄水器出口
    としていることを特徴とする請求項1から10までの何れか1項に記載の複合水栓。
  12. 上記可動弁体には、入水口と、取水口と、入水口と取水口とを結ぶ連通路とが設けられており、
    上記連通路の最狭部分の断面積が、8mm〜45mmであることを特徴とする請求項1から11までの何れか1項に記載の複合水栓。
  13. 上記連通路の少なくとも一部は多孔性部材によって覆われている一方、上記最狭部分は上記多孔性部材によって覆われていないことを特徴とする請求項12に記載の複合水栓。
  14. 上記固定弁体における上記レバーを操作するユーザーの正面に対した位置から当該固定弁体の中心点を通り当該位置の対向位置までを結ぶ仮想線と、当該中心点において当該仮想線に直交する直交線であって、当該直交線が上記固定弁体の一端から他端までを結ぶ直交線とを仮定したとき、
    上記直交線よりも上記正面に対して遠い側に、上記湯水出口及び上記浄水器出口が設けられ、且つ、上記湯水出口と上記浄水器出口との間に上記仮想線を挟む構成となっており、
    上記水入口は、上記直交線を挟んで、上記湯水出口とは反対側にあり、
    上記湯入口は、上記直交線を挟んで、上記浄水器出口とは反対側にあり、
    上記水入口は、上記湯入口よりも、上記直交線の近くまで延設されていることを特徴とする請求項11に記載の複合水栓。
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