JP2016142304A - 摩擦クラッチ - Google Patents

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孔明 田中
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Abstract

【課題】最大伝達トルク容量を大きく確保できながら、係合/解放時の伝達トルク容量の制御性の向上を図ることができる、摩擦クラッチを提供する。【解決手段】第1ピストン21および第2ピストン22は、それぞれ第1リターンスプリング42および第2リターンスプリング43により、クラッチプレート16から離間する方向に弾性的に付勢されている。第1リターンスプリング42の付勢力は、第2リターンスプリング43の付勢力よりも小さい。第1ピストン21には、クラッチドラム11の円板部13側(解放方向)に延出する受圧部25が設けられ、第2ピストン22には、その受圧部25が解放方向に挿通される貫通孔29が設けられている。そして、第1ピストン21と第2ピストン22との間を封止する貫通孔シール33は、受圧部25の外周と貫通孔29の内周との間に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、自動変速機などに用いられる摩擦クラッチに関する。
たとえば、車両用の自動変速機には、摩擦クラッチが多用されている。
自動変速機では、複数の摩擦クラッチが選択的に係合および解放されることにより、複数の変速段が構成される。そのため、変速段の切替時(変速時)には、係合状態の摩擦クラッチが解放されつつ、解放状態の別の摩擦クラッチが係合されることがある。この切替時に生じるショックを抑えるためには、それらの摩擦クラッチの伝達トルク容量を緻密に制御する必要がある。
湿式多板の摩擦クラッチの伝達トルク容量は、ピストンに加わる油圧ならびにディスクの枚数および径により定まる。ディスクの枚数および径は、既定であるので、ピストンに加わる油圧の制御により、伝達トルク容量を制御することができる。
特開2013−130249号公報
伝達トルク容量を緻密に制御するには、ピストンに加わる油圧を緻密に制御する必要がある。しかしながら、ピストンに加わる油圧を緻密に制御するには、油圧を調節するためのソレノイドバルブに供給される電流を精密に制御しなければならず、その制御には限界がある。
伝達トルク容量の制御性は、ピストンに加わる油圧の変化に対する伝達トルク容量の変化率(ゲイン)に左右される。すなわち、ピストンに加わる油圧の変化に対する伝達トルク容量の変化率が大きいほど、伝達トルク容量の制御性が悪くなり、変化率が小さいほど、伝達トルク容量の制御性が良くなる。たとえば、ピストンの受圧面積(油圧を受ける面積)を小さくすることにより、ピストンに加わる油圧の変化に対する伝達トルク容量の変化率を下げることができる。しかし、ピストンの受圧面積を小さくすると、摩擦クラッチの最大伝達トルク容量が低下してしまう。
本発明の目的は、最大伝達トルク容量を大きく確保できながら、係合/解放時の伝達トルク容量の制御性の向上を図ることができる、摩擦クラッチを提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る摩擦クラッチは、クラッチプレートと、クラッチプレートの回転中心線に沿った係合方向および当該係合方向と逆方向の解放方向に移動可能に設けられ、解放方向に延出する延出部を有し、クラッチプレートを係合方向に押圧するための第1ピストンと、係合方向および解放方向に移動可能に設けられ、延出部が解放方向に挿通される貫通孔を有し、第1ピストンを介してクラッチプレートを係合方向に押圧するための第2ピストンと、第1ピストンおよび第2ピストンに対してクラッチプレート側と反対側に、油圧が供給される油室を形成するクラッチドラムと、第1ピストンを解放方向に弾性的に付勢する第1付勢部材と、第1付勢部材よりも大きい付勢力で第2ピストンを解放方向に弾性的に付勢する第2付勢部材と、延出部の外周と貫通孔の内周との間に設けられ、第1ピストンと第2ピストンとの間を封止するシールとを含む。
この構成によれば、次の(1)〜(5)に記載された作用効果を奏する。
(1)第1ピストンおよび第2ピストンは、クラッチプレートの回転中心線に沿った係合方向およびその逆方向の解放方向に移動可能に設けられている。第1ピストンおよび第2ピストンに対してクラッチプレートと反対側には、油室が形成されている。第1ピストンおよび第2ピストンは、それぞれ第1付勢部材および第2付勢部材により、油室側に弾性的に付勢されている。第1付勢部材の付勢力は、第2付勢部材の付勢力よりも小さい。
油室内に油圧が供給されると、第1ピストンおよび第2ピストンが油圧を受ける。油室内に供給される油圧が低い時(低油圧時)は、相対的に大きな付勢力で付勢されている第2ピストンが停止したまま、相対的に小さい付勢力で付勢されている第1ピストンが第1付勢部材の付勢力に抗して移動する。そして、第1ピストンによりクラッチプレートが押圧されて、摩擦クラッチが係合し始める。摩擦クラッチの伝達トルク容量の変化に寄与する油圧は、第1ピストンが受ける油圧である。第1ピストンが受ける油圧の変化は、油室内に供給される油圧の変化に対して緩慢であるから、摩擦クラッチの伝達トルク容量は、油室内に供給される油圧の変化に対して緩慢に変化する。よって、摩擦クラッチの係合/解放の切替時に、油室内に供給される油圧の制御により、伝達トルク容量を緻密に制御することができる。その結果、摩擦クラッチの係合/解放の切替時におけるショックの発生を抑えることができる。
(2)油室内に供給される油圧の上昇に伴い、第2ピストンが受ける油圧が上昇すると、第2ピストンが第2付勢部材の付勢力に抗して移動する。そして、第2ピストンにより第1ピストンが押圧され、その押圧力が第1ピストンからクラッチプレートに入力される。これにより、クラッチピストンは、第1ピストンおよび第2ピストンの両方が受ける油圧により押圧される。油室内に供給される油圧の変化に対して、第1ピストンおよび第2ピストンの両方が受ける油圧は、第1ピストンのみが受ける油圧よりも急峻に変化する。したがって、摩擦クラッチの伝達トルク容量は、油室内に供給される油圧の変化に対して急峻に変化する。よって、摩擦クラッチの係合/解放が完了するまでに要する時間の増大を抑制することができる。
(3)第1ピストンの受圧面積および第2ピストンの受圧面積の合計で最大伝達トルク容量が決まるので、その受圧面積の合計を大きく確保することにより、最大伝達トルク容量を大きく確保することができる。
(4)単一の油室に供給される油圧により、第1ピストンおよび第2ピストンの両方を動作させることができるので、第1ピストンおよび第2ピストンを動作させるための油室を個別に設ける構成よりも、摩擦クラッチを小型にすることができる。また、油圧の供給のための構成を簡素化することができる。
(5)第1ピストンと第2ピストンとの間には、油圧が抜けるのを防止するために、それらの間を封止するシールが必要である。ところが、そのシールは、第1ピストンが移動する際の抵抗となる(第1ピストンに摺動抵抗を付与する)。そのため、第1付勢部材の付勢力が小さいと、油室から油圧が解放されるときに、第1ピストンが解放方向にスムーズに移動しないおそれがある。第1付勢部材の付勢力を大きくすれば、第1ピストンの解放方向のスムーズな移動を確保できるが、油圧による第1ピストンの動き(係合方向の移動)が悪くなり、伝達トルク容量の制御性が低下する。
たとえば、第1ピストンが第2ピストンの外周を取り囲む構成では、第1ピストンと第2ピストンとが回転中心線方向と直交する回転径方向に対向する部分において、シールが第2ピストンの外周の全周にわたって設けられることになる。したがって、シールの全長を第2ピストンの外周長より短くすることはできない。
そこで、第1ピストンには、解放方向に延出する延出部が設けられ、第2ピストンには、その延出部が解放方向に挿通される貫通孔が設けられている。そして、第1ピストンと第2ピストンとの間を封止するシールは、延出部の外周と貫通孔の内周との間に設けられている。この構成では、貫通孔の内周長を第2ピストンの外周長より短くすることにより、シールの全長を第2ピストンの外周長より短くすることができる。シールの全長を短くすることにより、シールが第1ピストンに付与する摺動抵抗を低減することができる。
よって、第1ピストンを係合方向および解放方向の両方向に良好に移動させることができる。
本発明の他の局面に係る発明は、クラッチプレートと、クラッチプレートの回転中心線に沿った係合方向および当該係合方向と逆方向の解放方向に移動可能に設けられ、クラッチプレートを係合方向に押圧するための第1ピストンと、係合方向および解放方向に移動可能に設けられ、第1ピストンの所定部を回転中心線方向と直交する回転径方向の外側において取り囲む外周部を有し、第1ピストンを介してクラッチプレートを係合方向に押圧するための第2ピストンと、第1ピストンおよび第2ピストンに対してクラッチプレート側と反対側に、油圧が供給される油室を形成するクラッチドラムと、第1ピストンを解放方向に弾性的に付勢する第1付勢部材と、第1付勢部材よりも大きい付勢力で第2ピストンを解放方向に弾性的に付勢する第2付勢部材と、第1ピストンと第2ピストンとの間を封止する第1シールと、第2ピストンとクラッチドラムとの間を封止する第2シールとを含む。
この構成によれば、前記(1)〜(4)に記載された作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
第1ピストンおよび第2ピストンを設けた構成では、第1ピストンと第2ピストンとの間を封止する第1シールに加えて、第1ピストンまたは第2ピストンとクラッチドラムとの間から油圧が抜けるのを防止するため、それらの間を封止する第2シールが必要である。第1ピストンとクラッチドラムとの間に第2シールが設けられていると、第1ピストンが移動する際に、第2シールが抵抗となる(第1ピストンに摺動抵抗を付与する)。そのため、第1付勢部材の付勢力が小さいと、油室から油圧が解放されるときに、第1ピストンが解放方向にスムーズに移動しないおそれがある。第1付勢部材の付勢力を大きくすれば、第1ピストンの解放方向のスムーズな移動を確保できるが、油圧による第1ピストンの動き(係合方向の移動)が悪くなり、伝達トルク容量の制御性が低下する。
そこで、第2ピストンに、第1ピストンの所定部を回転径方向の外側において取り囲む外周部が設けられ、その外周部とクラッチドラムとの間に、第2ピストンとクラッチドラムとの間を封止する第2シールが設けられている。これにより、第2シールが第1ピストンの移動の抵抗とならないので、第1ピストンを係合方向および解放方向の両方向に良好に移動させることができる。
本発明によれば、最大伝達トルク容量を大きく確保できながら、摩擦クラッチの係合/解放時の伝達トルク容量の制御性の向上を図ることができる。また、第1ピストンを係合方向および解放方向の両方向に良好に移動させることができる。
本発明の一実施形態に係る摩擦クラッチを回転中心線を含む平面で切断した断面図であり、摩擦クラッチの解放状態を示す。 摩擦クラッチの断面図であり、低油圧時の摩擦クラッチの係合状態を示す。 摩擦クラッチの断面図であり、高油圧時の摩擦クラッチの係合状態を示す。 第1ピストンおよび第2ピストンの斜視図である。 摩擦クラッチの伝達トルク容量と伝達トルク容量の変化に寄与する油圧との関係を示すグラフである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<摩擦クラッチの構成>
図1、図2および図3は、本発明の一実施形態に係る摩擦クラッチ1を回転中心線Cを含む平面で切断した断面図である。図1、図2および図3には、摩擦クラッチ1における回転中心線Cに対する一方側のみが示されている。
摩擦クラッチ1は、たとえば、自動変速機または無段変速機に組み込まれて、駆動力が入力される回転体である入力軸2の回転を入力軸2と回転中心線Cを共通にする別の回転体3に伝達/遮断するために用いられる。
摩擦クラッチ1は、入力軸2と一体に形成されたクラッチドラム11と、回転体3に固定されたクラッチハブ12とを備えている。
クラッチドラム11は、回転中心線Cと直交する方向、つまり回転径方向に延びる略円板状の円板部13と、円板部13の外周端部からクラッチハブ12側に延出する外周部14とを一体的に有している。また、クラッチドラム11は、外周部14から回転中心線Cと平行をなす方向、つまり回転中心線方向に延びる略円筒状の円筒部15を備えている。円筒部15の内側には、複数の円環板状のクラッチプレート16が間隔を空けて配置され、円筒部15には、各クラッチプレート16の外周部がスプライン嵌合されている。
クラッチハブ12は、クラッチドラム11の円筒部15と回転径方向に対向する対向部17を有している。その円筒部15と対向部17との間には、複数の円環板状のクラッチディスク18がクラッチプレート16と回転中心線方向に交互に並ぶように配置され、対向部17には、各クラッチディスク18の内周部がスプライン嵌合されている。
クラッチドラム11の内側であって、クラッチプレート16よりもクラッチドラム11の円板部13側の位置には、第1ピストン21および第2ピストン22が回転中心線方向に移動可能に設けられている。
図4は、第1ピストン21および第2ピストン22の斜視図である。
第1ピストン21は、被押圧部23、押圧部24および4個の受圧部25を一体的に有している。被押圧部23は、回転中心線Cを中心線とする略円環板状に形成されている。押圧部24は、被押圧部23の外周端部からクラッチプレート16側に延びる略円筒状に形成されている。受圧部25は、図4に示されるように、被押圧部23からクラッチドラム11の円板部13側に延出する略円弧凸状の延出部として形成されている。4個の受圧部25は、被押圧部23の円周方向に等間隔を空けて配置されている。
第2ピストン22は、内周部がクラッチプレート16側に膨出した略円環板状をなし、入力軸2に外嵌されている。第2ピストン22の外周端部27は、クラッチドラム11の外周部14に対して回転径方向に内側から微小な間隔を空けて対向している。第2ピストン22の内周端部28は、回転径方向の内側に屈曲し、入力軸2に対して微小な間隔を空けて対向している。また、第2ピストン22には、図4に示されるように、第1ピストン21の各受圧部25と回転中心線方向に対向する位置に、貫通孔29が回転中心線方向に貫通して形成されている。各貫通孔29は、受圧部25に対応した略円弧状をなし、各貫通孔29には、受圧部25がその内周との間に微小な隙間を空けて挿通されている。
第2ピストン22の外周端部27および内周端部28には、それぞれ外周部シール31および内周部シール32が貼着されている。外周部シール31は、第2ピストン22の位置にかかわらず、クラッチドラム11の外周部14と常に接触し、クラッチドラム11と第2ピストン22との間を常に封止している。内周部シール32は、第2ピストン22の位置にかかわらず、入力軸2に常に接触し、入力軸2と第2ピストン22との間を常に封止している。また、第2ピストン22の各貫通孔29の内周には、環状の貫通孔シール33が貼着されている。貫通孔シール33は、第1ピストン21および第2ピストン22の位置にかかわらず、第1ピストン21の受圧部25の外周に接触し、第1ピストン21(受圧部25の外周)と第2ピストン22(貫通孔29の内周)との間を封止している。
これにより、クラッチドラム11と第1ピストン21および第2ピストン22との間には、入力軸2、クラッチドラム11、第1ピストン21、第2ピストン22、外周部シール31、内周部シール32および貫通孔シール33により閉鎖された油室35が形成されている。油室35は、入力軸2に形成された油流路36と連通しており、油室35には、油流路36を通して油圧が供給/解放される。
第2ピストン22に対して油室35と反対側には、遠心油圧キャンセラ41が配置されている。遠心油圧キャンセラ41は、入力軸2の外周に外嵌されて、回転径方向の途中部がクランク状に屈曲した略円環板状に形成されている。遠心油圧キャンセラ41は、入力軸2にスプライン嵌合されている。
遠心油圧キャンセラ41の屈曲部分よりも外周側の部分と第1ピストン21との間には、複数の第1リターンスプリング42が介装されている。複数の第1リターンスプリング42は、回転中心線Cを中心とする等角度間隔で配置されている。第1リターンスプリング42は、たとえば、コイルばねからなる。第1リターンスプリング42の付勢力により、第1ピストン21と遠心油圧キャンセラ41とは、互いに離間する方向に弾性的に付勢されている。
遠心油圧キャンセラ41の屈曲部分よりも内周側の部分と第2ピストン22との間には、複数の第2リターンスプリング43が介裝されている。第2リターンスプリング43は、回転中心線Cを中心とする等角度間隔で配置されている。第2リターンスプリング43は、たとえば、コイルばねからなる。第2リターンスプリング43の付勢力は、第1リターンスプリング42の付勢力よりも大きく設定されており、この付勢力により、第2ピストン22と遠心油圧キャンセラ41とは、互いに離間する方向に弾性的に付勢されている。
また、遠心油圧キャンセラ41は、第1リターンスプリング42および第2リターンスプリング43に付勢されることにより、入力軸2に取り付けられたスナップリング44に当接し、回転中心線方向の移動が規制されている。
遠心油圧キャンセラ41の外周部には、遠心油圧キャンセラ41と第1ピストン21の押圧部24との間を封止する環状のシール45が設けられている。これにより、第1ピストン21と遠心油圧キャンセラ41との間には、入力軸2、第1ピストン21、第2ピストン22、遠心油圧キャンセラ41およびシール45により閉鎖されたキャンセラ室46が形成されている。キャンセラ室46は、入力軸2に形成された油流路47と連通しており、キャンセラ室46には、油流路47を通して作動油が供給される。
<摩擦クラッチの動作>
図5は、摩擦クラッチ1の伝達トルク容量と伝達トルク容量の変化に寄与する油圧との関係を示すグラフである。
油室35の油圧が解放された状態では、図1に示されるように、第1ピストン21および第2ピストン22がそれぞれクラッチドラム11の外周部14および円板部13に当接している。このとき、摩擦クラッチ1は、クラッチプレート16とクラッチディスク18とが圧接していない解放状態であり、摩擦クラッチ1のトルク容量は、図5に示されるように、0である。キャンセラ室46は、油流路47を通して供給される作動油で満たされている。
油流路36から油室35内に油圧が供給されると、その油圧により、第1リターンスプリング42の付勢力に抗して、第1ピストン21がクラッチプレート16側(係合方向)に移動し、図2に示されるように、第1ピストン21の押圧部24がクラッチプレート16を押圧する。油室35内に供給される油圧が低い時(低油圧時)は、第2ピストン22は、第2リターンスプリング43の付勢力により停止した状態を保っている。第1ピストン21によりクラッチプレート16が押圧されることにより、クラッチプレート16とクラッチディスク18とが圧接し、摩擦クラッチ1の係合が開始される。
摩擦クラッチ1の伝達トルク容量の変化に寄与する油圧は、第1ピストン21の受圧部25が受ける油圧である。第1ピストン21が受ける油圧の変化は、油室35内に供給される油圧の変化に対して緩慢であるから、摩擦クラッチ1の伝達トルク容量は、図5に示されるように、第1ピストン21が受ける油圧の変化に対応して、油室35内に供給される油圧の変化に対して緩慢に変化する。よって、摩擦クラッチ1の係合時に、油室35内に供給される油圧の制御により、伝達トルク容量を緻密に制御することができる。その結果、摩擦クラッチ1の係合時におけるショックの発生を抑えることができる。
油室35内に供給される油圧の上昇に伴い、第2ピストン22が受ける油圧が上昇すると、第2リターンスプリング43の付勢力に抗して、第2ピストン22がクラッチプレート16側に移動する。そして、図3に示されるように、第2ピストン22の外周端部27により第1ピストン21の被押圧部23が押圧され、その押圧力が第1ピストン21からクラッチプレート16に入力される。これにより、クラッチプレート16は、第1ピストン21および第2ピストン22の両方が受ける油圧により押圧される。
油室35内に供給される油圧の変化に対して、第1ピストン21および第2ピストン22の両方が受ける油圧は、第1ピストン21のみが受ける油圧よりも急峻に変化する。したがって、摩擦クラッチ1の伝達トルク容量は、図5に示されるように、第1ピストン21および第2ピストン22の両方が受ける油圧の変化に対応して、油室35内に供給される油圧の変化に対して急峻に変化する。よって、摩擦クラッチ1の係合が完了するまでに要する時間の増大を抑制することができる。
また、第1ピストン21の受圧面積(油圧を受ける面積)および第2ピストン22の受圧面積の合計で最大伝達トルク容量が決まるので、その受圧面積の合計を大きく確保することにより、最大伝達トルク容量を大きく確保することができる。
さらに、単一の油室35に供給される油圧により、第1ピストン21および第2ピストン22の両方を動作させることができるので、第1ピストン21および第2ピストン22を動作させるための油室を個別に設ける構成よりも、摩擦クラッチ1を小型にすることができる。また、油圧の供給のための構成を簡素化することができる。
摩擦クラッチ1が係合した状態から油室35内の油圧が解放されると、第2リターンスプリング43の付勢力が第1リターンスプリング42の付勢力より大きいので、第1ピストン21よりも先に、第2リターンスプリング43の付勢力により、また、キャンセラ室46内の作動油に作用する遠心力により、第2ピストン22がクラッチドラム11の円板部13側に向かう解放方向に移動する。そして、第2ピストン22がクラッチドラム11の円板部13に当接すると、第2ピストン22の解放方向の移動が阻止される。また、油室35内の油圧が低下すると、第1リターンスプリング42の付勢力およびキャンセラ室46内の作動油に作用する遠心力により、第1ピストン21がクラッチドラム11側に移動する。そして、第1ピストン21がクラッチドラム11の外周部14に当接すると、第1ピストン21の解放方向の移動が阻止される。第1ピストン21および第2ピストン22が停止すると、摩擦クラッチ1が解放状態に戻る。
<作用効果>
以上のように、第1ピストン21には、クラッチドラム11の円板部13側(解放方向)に延出する受圧部25が設けられ、第2ピストン22には、その受圧部25が解放方向に挿通される貫通孔29が設けられている。そして、第1ピストン21と第2ピストン22との間を封止する貫通孔シール33は、受圧部25の外周と貫通孔29の内周との間に設けられている。
第1ピストン21では、4個の受圧部25の端面(クラッチドラム11の円板部13側の端面)が油圧を受ける受圧面となるので、この受圧面の面積を第1ピストン21の移動に必要な油圧を受けることができる面積に確保しつつ、貫通孔29の内周長を短くすることにより、貫通孔シール33の全長を短くすることができる。貫通孔シール33の全長を短くすることにより、貫通孔シール33が第1ピストン21に付与する摺動抵抗を低減することができる。
よって、第1ピストン21を係合方向および解放方向の両方向に良好に移動させることができる。
また、第2ピストン22の外周端部27は、第1ピストン21の受圧部25を回転径方向の外側において取り囲んでいる。そして、その外周端部27とクラッチドラム11の外周部14との間に、第2ピストン22とクラッチドラム11との間を封止する外周部シール31が設けられている。これにより、外周部シール31が第1ピストン21の移動の抵抗とならないので、第1ピストン21を係合方向および解放方向の両方向に一層良好に移動させることができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、第1ピストン21に4個の受圧部25が設けられた構成を取り上げたが、受圧部25の個数は、2個または3個であってもよいし、5個以上であってもよい。ただし、受圧部25が受ける油圧によって、第1ピストン21が安定して移動するよう、受圧部25は、3個以上設けられていることが好ましい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 摩擦クラッチ
11 クラッチドラム
16 クラッチプレート
21 第1ピストン
22 第2ピストン
25 受圧部(延出部)
29 貫通孔
32 外周部シール(第2シール)
33 貫通孔シール(シール、第1シール)
35 油室
42 第1リターンスプリング(第1付勢部材)
43 第2リターンスプリング(第2付勢部材)
C 回転中心線

Claims (2)

  1. クラッチプレートと、
    前記クラッチプレートの回転中心線に沿った係合方向および当該係合方向と逆方向の解放方向に移動可能に設けられ、前記解放方向に延出する延出部を有し、前記クラッチプレートを前記係合方向に押圧するための第1ピストンと、
    前記係合方向および前記解放方向に移動可能に設けられ、前記延出部が前記解放方向に挿通される貫通孔を有し、前記第1ピストンを介して前記クラッチプレートを前記係合方向に押圧するための第2ピストンと、
    前記第1ピストンおよび前記第2ピストンに対して前記クラッチプレート側と反対側に、油圧が供給される油室を形成するクラッチドラムと、
    前記第1ピストンを前記解放方向に弾性的に付勢する第1付勢部材と、
    前記第1付勢部材よりも大きい付勢力で前記第2ピストンを前記解放方向に弾性的に付勢する第2付勢部材と、
    前記延出部の外周と前記貫通孔の内周との間に設けられ、前記第1ピストンと前記第2ピストンとの間を封止するシールとを含む、摩擦クラッチ。
  2. クラッチプレートと、
    前記クラッチプレートの回転中心線に沿った係合方向および当該係合方向と逆方向の解放方向に移動可能に設けられ、前記クラッチプレートを前記係合方向に押圧するための第1ピストンと、
    前記係合方向および前記解放方向に移動可能に設けられ、前記第1ピストンの所定部を前記回転中心線方向と直交する回転径方向の外側において取り囲む外周部を有し、前記第1ピストンを介して前記クラッチプレートを前記係合方向に押圧するための第2ピストンと、
    前記第1ピストンおよび前記第2ピストンに対して前記クラッチプレート側と反対側に、油圧が供給される油室を形成するクラッチドラムと、
    前記第1ピストンを前記解放方向に弾性的に付勢する第1付勢部材と、
    前記第1付勢部材よりも大きい付勢力で前記第2ピストンを前記解放方向に弾性的に付勢する第2付勢部材と、
    前記第1ピストンと前記第2ピストンとの間を封止する第1シールと、
    前記外周部と前記クラッチドラムとの間に設けられ、前記第2ピストンと前記クラッチドラムとの間を封止する第2シールとを含む、摩擦クラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110219902A (zh) * 2018-03-02 2019-09-10 上海汽车集团股份有限公司 确定离合器运行参数的方法及装置

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